JP7262248B2 - ルーバー構造及び建築物 - Google Patents

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Description

本発明は、ルーバー構造及び建築物に関するものであって、特に採光に適したルーバー構造及び建築物に関する。
従来から、室内に光を選択的に取り入れるため、建築物にはルーバーが設けられている。ルーバーは、羽根又は羽板と呼ばれる板状の部材を、枠体に隙間をあけて平行に複数並べて配置したものである。
例えば、特許文献1には、建物の壁に配置可能であって、外部の自然光を建物の内部に導入するための採光ルーバーユニット(ルーバー構造)が開示されている。特許文献1の採光ルーバーユニットは、箱型の筺体と、筺体に複数収納された概ね断面三角形状の羽根と、羽根の撓みを防止するために筺体の内部において各羽根の長手方向における所定の位置に設けられたルーバー支持部材と、を備えている。
特許文献2には、日光の低硬度成分が室内に入ることを遮断するlight shading curveと、入射した日光を反射するlight reflecting curveとlight redirecting slopeとを有する複数のslat(羽根)と、を備えたMini-Optical Light Shelf (MOLS) daylighting system(ルーバー構造)が開示されている。
特開2014-020138号公報 米国特許出願公開第2003/0112518号明細書
しかしながら、特許文献1に開示されている採光ルーバーユニットは金属製であり、該採光ルーバーユニットでは、概ね断面三角形状のプロファイルを有する羽根の全ての表面が反射面である。そのため、室外からの光がそれぞれの羽根において室外に向く面によって反射され、この面から室外に向く光があり、室外から見たときの眩しさが生じるという問題があった。
また、特許文献2に開示されているルーバー構造では、light shading curveによって室内への日光の低硬度成分は遮断されるが、室外から見たときの眩しさの問題を本質的に解消することは困難であった。
上述の問題をふまえ、樹脂製の羽根の上面と下面において室内に向く部分とを鏡面シートで覆ったルーバー構造が提案されているが、室内から見たときの眩しさが生じるという問題があった。
本発明は、室外及び室内から見たとき、即ち入射光の進行方向の後方及び前方から見たときの眩しさをなくし、入射光を室内に採光可能なルーバー構造を提供する。
本発明のルーバー構造は、一方向に所定の間隔をあけて複数配置された羽根と、前記羽根を支持する支持部と、を備え、前記羽根の上面に上側曲面及び上側平面の双方又は一方を有し、前記羽根の下面に下側曲面及び下側平面の双方又は一方を有し、前記上側曲面又は前記上側平面は、入射光を鏡面反射させる第1鏡面反射面を有し、前記下側曲面又は前記下側平面は、前記下面において入射光の進行方向の前方の第1端部から前記進行方向の後方の所定の第1位置までの範囲に、入射光を拡散反射させる第1拡散反射面を有し、前記下側曲面又は前記下側平面は、前記下面において前記進行方向の後方の第2端部から前記進行方向の前方の所定の第2位置までの範囲に、入射光を拡散反射させる第2拡散反射面を有し、前記第1位置と前記第2位置は互いに異なる位置にあり、前記下側曲面又は前記下側平面は、前記第1位置から前記第2位置までの範囲に、入射光を鏡面反射させる第2鏡面反射面を有する
上述の構成では、例えば建築物にルーバー構造が取り付けられた場合に、室外から室内に向けてルーバー構造に対して略水平に入射した入射光の一部、及び室外側上方から室内側下方に向けてルーバー構造に入射した入射光は、羽根同士の上面と下面との間の空間に捕捉される。前述の空間に捕捉された光は、上側曲面又は上側平面と下側曲面又は下側平面によって多重反射されながら、前述の空間を伝搬する。室内に向けて前述の空間を伝搬した光の一部は、第1鏡面反射面によって室内に出射され、結果として入射光が室内に取り込まれる。室内に向けて前述の空間を伝搬した光の残部は、第2拡散反射面によって方向性を持たずに拡散され、室内の執務者等に向かって進む眩しい光にならない。そのため、室内からルーバー構造を見上げても眩しさは感じられない。
一方、室外から室内に向けてルーバー構造に対して略水平に入射した入射光の一部、及び室外下方から室内上方に向けてルーバー構造に入射した入射光は、第2拡散反射面によって方向性を持たすに拡散され、所定の方向に進む眩しい光にならない。そのため、室外からルーバー構造を見上げても眩しさは感じられない。
また、例えば室内及び室外からルーバー構造を見上げたときに視界に入る範囲に応じて、互いに離間する第1位置及び第2位置を決めれば、視界に入らない範囲が第2鏡面反射面で構成される。第1位置から第2位置までの範囲に第2鏡面反射面が設けられることによって、ルーバー構造に入射する入射光がより高い反射率で室内に採光される。
本発明のルーバー構造では、前記上側曲面又は前記上側平面の全体が前記第1鏡面反射面であってもよい。
上述の構成では、入射光が羽根同士の間の空間を伝搬する際に、この空間の下側に位置する上側曲面又は上側平面の全体が第1鏡面反射面で構成されるので、入射光が高い反射率で室内側上方に採光される。
本発明のルーバー構造では、前記上側曲面又は前記上側平面では、前記上面における入射光の進行方向の前方の第3端部から前記進行方向の後方の所定の第3位置までが前記進行方向の前方に向かうに従って上昇する第1上昇面として構成され、前記下側曲面又は前記下側平面では、前記第1端部から前記進行方向の後方の所定の第4位置までが前記進行方向の前方に向かうに従って上昇する第2上昇面として構成されていてもよい。
上述の構成では、第1上昇面及び第2上昇面が設けられることによって、入射光が伝搬する室内側が入射光の進行方向に対して上向きになるので、入射光の大部分が室内側上方に採光される。
本発明のルーバー構造では、前記羽根の上面に上側曲面を有し、前記羽根の下面に下側曲面及び下側平面を有し、前記上側曲面は、前記上面における前記第3端部から前記進行方向の後方の所定の第5位置に達し、下方に向けて凸状に湾曲する第1放物曲面と、前記第5位置から前記進行方向の後方の第4端部に達し、下方に向けて凸状に湾曲する第2放物曲面と、を有し、前記下側曲面は、前記第1端部が接続部を介して前記第3端部に接続され、前記第1端部から前記進行方向の後方の所定の第6位置に達し、前記第1端部から前記第6位置に向かうに従って前記第1放物曲面から離間しつつ上方に向けて凸状に湾曲する第3放物曲面であり、前記下側平面は、前記第6位置から前記第2端部に達する第1平面であり、前記第1放物曲面は、前記一方向に交差する仮想軸線を中心とした一方の放物曲面のうち頂点近傍の部分が切りかかれた曲面であり、前記第3放物曲面は、前記仮想軸線を中心として前記一方の放物曲面に対向する他方の放物曲面のうち頂点近傍の部分が切り欠かれた放物曲面を前記一方向に沿って平行移動させた曲面であり、前記第2放物曲面は、前記他方の放物曲面のうち頂点近傍の部分が切り欠かれた曲面の切り欠かれた側の端部を焦点とする放物曲面の一部であってもよい。
上述の構成では、例えば建築物にルーバー構造が取り付けられた場合に室外側上方から室内側下方に向けてルーバー構造に入射した入射光は、上側の羽根の第1平面と下側で隣り合う羽根の第2放物曲面との間の空間に捕捉される。第1平面と第2放物曲面との間の空間に捕捉された入射光は、第2放物曲面によって反射され、上側の羽根の第3放物曲面と下側の羽根の第1放物曲面との間の空間に進む。第3放物曲面と第1放物曲面との間の空間に進んだ光は、第1放物曲面又は第3放物曲面で反射され、適度に拡散しつつ、室内の天井側に取り込まれる。
一方、室外から室内に向けてルーバー構造に対して略水平に入射する入射光、及び室外側下方から室内側上方に向けてルーバー構造に入射する入射光は、鏡面反射シートが設けられずに非反射面である第1平面によって拡散反射される。第1平面で拡散反射された光は、所定の方向に進む眩しい光にならない。そのため、室外側の略水平な方向や室内側下方からルーバー構造を見ても眩しさは感じられない。
したがって、上述の構成によれば、第3放物曲面から室内に向く眩しい光や第1平面から室外に向く眩しい光が生じることなく、室内外の眩しさが本質的に解消される。
本発明のルーバー構造では、前記羽根は、前記上面及び前記下面を有する樹脂製の羽本体を備え、前記上側曲面又は前記上側平面の前記羽根本体に鏡面反射シートが設けられ、前記第1拡散反射面及び前記第2拡散反射面の前記羽根本体に拡散反射シートが設けられていてもよい。
上述の構成では、羽根が樹脂製であるので、大型の建築物にルーバー構造を取り付けるために羽根が長尺化しても、金属製の羽根に比べて重量が急増せず、ルーバー構造の軽量化が図られ、羽根の取り扱いが容易になる。また、羽根の形状の設計をする際にも自由度が大きくなり、押出成形等の製造方法を採用することができ、羽根を製造し易くなる。また、樹脂製の羽根本体に鏡面反射シートを設けることによって第1鏡面反射面や第1拡散反射面及び第2拡散反射面を容易に形成し、鏡面反射シートや拡散反射シートを設ける位置の調整も可能になる。
本発明のルーバー構造では、前記鏡面反射シートは、前記入射光の中心波長において80%以上の鏡面反射率を有してもよい。
上述の構成では、例えば室外からルーバー構造に入射した入射光が室内に向けて伝搬する際に、鏡面反射シートが用いられていない従来のルーバー構造に比べて、上側曲面又は上側平面と下側曲面又は下側平面で反射されて室内に採光される光量が高まる。
本発明のルーバー構造では、前記羽根本体は、アクリロニトリル・ブチルアクリレート・スチレンの重合体と、アクリルニトリル・エチレンプリピレン・スチレンの重合体との混合物からなる樹脂で構成されていてもよい。
上述の構成では、上述の樹脂は、日光の中心波長に近い550nmの波長において鏡面反射率が低く、拡散反射率が高く、熱特性に優れ、且つ加工しやすいという優れた特徴を有する。このような特徴を有する樹脂で羽根本体が形成されれば、第1鏡面反射面や第2鏡面反射面にあたる部分に例えば鏡面反射シートを設け、第1拡散反射面及び第2拡散反射面にあたる部分は羽根本体を露出させることができる。また、羽根本体を製造し易くなる。
本発明のルーバー構造では、前記羽根は中空体で構成されていてもよい。
上述の構成では、羽根を押出成形によって製造可能になる。このことによって、長尺な羽根が精度良く、且つ容易に製造される。
本発明のルーバー構造では、前記支持部は、前記羽根同士の間に配置された樹脂製のスペーサーと、前記羽根と前記スペーサーとを貫通して支持する芯材と、を備えてもよい。
上述の構成では、羽根がスペーサー及び芯材によって支持されているので、大型の枠体等で支持されている従来のルーバー構造に比べて軽量化が図られる。また、上述の構成によれば、スペーサーによって羽根同士が所定の間隔をあけた状態で安定して配置される。さらに、上述の構成によれば、羽根と同様に、スペーサーの設計自由度が大きく、押出成形によってスペーサーを製造し易くなる。
本発明のルーバー構造では、前記スペーサーは筒状に形成され、前記スペーサーの上部に前記下面の一部を嵌合可能な第1嵌合部が形成され、前記スペーサーの下部に前記上面の一部を嵌合可能な第2嵌合部が形成されていてもよい。
上述の構成では、羽根同士の間にスペーサーを配置する際に、スペーサーに対して上側の羽根の下面の一部が第1嵌合部に嵌合し、スペーサーに対して下側の羽根の上面の一部が第2嵌合部に嵌合する。このような構成によれば、羽根同士の相対位置が精度良く固定されるので、上下に隣り合う羽根の下面と上面との相対位置も精度良く固定され、良好な採光がなされる。
本発明の建築物は、上述のルーバー構造を備えた建築物であって、前記ルーバー構造が窓の上部に設けられている。
上述の構成では、室内及び室外から窓の上部を見上げたときの眩しさを本質的になくし、室内への良好な採光がなされる。
本発明によれば、室外及び室内から見たとき、即ち入射光の進行方向の後方及び前方から見たときのルーバー構造の眩しさをなくし、入射光を室内に採光できる。
本発明を適用した一実施形態のルーバー構造と該ルーバー構造が設置された建築物の一部を示す断面図である。 図1に示すルーバー構造を室外側から見た正面図である。 図1に示すルーバー構造を図2に示すX-X線で矢視した断面図である。 図1に示すルーバー構造の羽根の形状を説明するための概略図である。 図1に示すルーバー構造の変形例を説明するための側面図である。 図1に示すルーバー構造の羽根の変形例の断面図である。 図1に示すルーバー構造の羽根の別の変形例の断面図である。
以下、本発明を適用したルーバー構造の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のルーバー構造10は、高層ビル等の建築物101の外壁Wに平行するD1方向(一方向)に沿って、窓Aの上部に設けられている。ルーバー構造10がこのように配置されていることによって、室外側上方から窓Aに照射された光は、ルーバー構造10に取り込まれる。
建築物101は、D1方向に沿って、仕切板2で区画された複数の階層Lを有する。仕切板2の上面には、間隔を空けて床板8が設けられている。それぞれの階層Lは、D1方向に沿って、天井板6により居室Iと天井空間Tとに区画されている。建築物101の外壁W及びその近傍には、必要に応じて、方向D1に沿った板面を有するガラス板や、ガラス板同士で挟まれた空間が設けられている。建築物101では、例えばいわゆるダブルスキンカーテンウォール構造が採用されている。
以下では、D1方向及び壁面Wに直交するD2方向において、外壁Wに対して居室I及び天井空間Tが形成されている空間を「室内」とし、外壁Wに対して居室I及び天井空間Tが形成されている側を「室内側」とする。一方、外壁Wに対して室内とは反対にある空間を「室外」とし、外壁Wに対して室内とは反対側を「室外側」とする。
図1に示す建築物101の構造及び上述の説明は、ルーバー構造10を取り付ける建築物の一例である。ルーバー構造10は、日光等の光が室外から入射可能な建築物であれば取り付け可能であって、このような建築物は建築物101に限定されない。
図2に示すように、ルーバー構造10は、D1方向に所定の間隔をあけて複数配置された羽根12と、複数の羽根12を支持する支持部14と、を備えている。
図3に示すように、羽根12は、D2方向に沿った断面視において概ね三角形状を有する羽根本体11で構成されている。羽根12の上面71は、上側曲面51を有する。上面71には、上側曲面51として、第1放物曲面21と、第2放物曲面22が設けられている。第1放物曲面21は、上面71における入射光の進行方向の前方の端部(第3端部)72から入射光の進行方向の後方の所定の位置(第5位置)73に達し、下方に向けて凸状に湾曲する面である。第2放物曲面22は、位置73から上面71における入射光の進行方向の後方の端部(第4端部)74に達し、下方に向けて凸状に湾曲する面である。
本明細書において、入射光の進行方向の前方とは、室外からの入射光がD2方向に沿って進行したときの前方、即ち本実施形態では室内側を意味する。また、入射光の進行方向の後方とは、室外からの入射光がD2方向に沿って進行したときの後方、即ち本実施形態では室外側を意味する。
羽根12の下面81は、下側曲面53及び下側平面54を有する。下面81には、下側曲面53として、第3放物曲面23が設けられている。下面81における入射光の進行方向の前方の端部(第1端部)82は、接続部26を介して端部72に接続されている。第3放物曲面23は、端部82から入射光の進行方向の後方の所定の位置(第6位置)83に達し、端部82から位置83に向かうに従って第1放物曲面21から離間しつつ、上方に向けて凸状に湾曲する面である。
下面81には、下側平面54として、第1平面24が設けられている。下面81における入射光の進行方向の後方の端部(第2端部)84は、接続部25を介して端部74に接続されている。第1平面24は、位置83から端部84に達し、入射光の進行方向の後方から前方に向かうに従って下降する面である。
上側曲面51では、端部72から入射光の進行方向の後方の所定の位置(第3位置)75までは、進行方向の後方から前方に向かいに従って上昇する第1上昇面91になっている。下側曲面53では、端部82から入射光の進行方向の後方の所定の位置(第4位置)89までは、進行方向の後方から前方に向かいに従って上昇する第2上昇面92になっている。
第1放物曲面21と第2放物曲面22をなす羽根本体11には、鏡面反射シート28が設けられている。即ち、第1放物曲面21及び第2放物曲面22は、室外側上方から窓Aに照射された光を高い反射率で鏡面反射させる第1鏡面反射面61である。
一方、第3放物曲面23と第1平面24をなす羽根本体11には、拡散反射シート29が設けられている。即ち、第3放物曲面23及び第1平面24は、入射光を、方向性を持たせずに拡散反射させる拡散反射面である。拡散反射シート29が設けられた第3放物曲面23のように、室内側下方に向き、且つ入射光を前述のように拡散反射させる面は、第1拡散反射面66になっている。拡散反射シート29が設けられた第1平面24のように、室外側下方に向き、且つ入射光を前述のように拡散反射させる面は、第2拡散反射面67になっている。
図3では、わかりやすく示すために、鏡面反射シート28を第1放物曲面21及び第2放物曲面22から僅かに離間した位置に図示しているが、鏡面反射シート28は第1放物曲面21及び第2放物曲面22に密着している。同様に、拡散反射シート29を第3放物曲面23及び第1平面から僅かに離間した位置に図示しているが、拡散反射シート29は第3放物曲面23及び第1平面24に密着している。
鏡面反射シート28は、第2放物曲面22と、第1放物曲面21及び接続部36の上面に分けて設けられている。また、拡散反射シート29は、接続部26の下面及び第3放物曲面23と、第1平面24に分けて設けられている。言い換えれば、接続部25,26の側面と、接続部38の下面と、接続部36の上面には、鏡面反射シート28や拡散反射シート29が設けられていない。このように鏡面反射シート28や拡散反射シート29が配置されることによって、鏡面反射シート28や拡散反射シート29の端部が羽根本体11からはみ出す可能性がなく、鏡面反射シート28や拡散反射シート29の剥がれが確実に防止される。
上述の羽根12では、第2放物曲面22が日光等のように室外側上方から室内側下方に向かって窓Aに入射する入射光301を捕捉する役割を担っている。第1放物曲面21及び第3放物曲面23は、第2放物曲面22で捕捉されつつ反射された光を室内側上方に向けて出射する役割を担っている、第1平面24は、室外から室内に向けてルーバー構造10に対して略水平に入射する入射光302、及び室外側下方から室内側上方に向けてルーバー構造10に入射する入射光303を拡散させる役割を担っている。
第1放物曲面21と、第2放物曲面22、第3放物曲面23及び第1平面24のそれぞれが上述の役割を果たせば、それぞれの面の詳細な形状やプロファイルは特に限定されない。上述の役割を良好に果たす好適な面の形状及びプロファイルの一例が、日本国特許第5932823号公報に開示されている。図3には、日本国特許第5932823号公報に開示されている羽根12の上面71及び下面81の形状の概略が開示されている。
図4は、上述した好適な形状を有する羽根12Aの第1放物曲面21、第2放物曲面22、第3放物曲面23及び第1平面24を示している。図4では、第1放物曲面21、第2放物曲面22、第3放物曲面23及び第1平面24以外の羽根12Aの構成の図示は省略されている。
図4に示すように、第1放物曲面21は、D1方向に沿う仮想平面P1に対して室内側上方から室外側下方に向けて交差する仮想光軸線(仮想軸線)J2を中心軸とした一方の放物曲面31(即ち、下方の放物曲面)のうち曲面の頂点近傍(図4の点線DL1)が切り欠かれた曲面である。第3放物曲面23は、仮想光軸線J2を中心として一方の放物曲面31に対向する他方の仮想放物曲面(他方の放物曲面、即ち、図4において二点鎖線で示されている曲面)32のうち曲面の頂点C1の近傍(即ち、図4の点線DL2)が切り欠かれた曲面の室内側の端部34を、端部72の下方まで平行移動させたものである。第3放物曲面23は、仮想放物曲面32に平行な放物曲面である。仮想放物曲面32は、第1放物曲面21を有する羽根12Aの上方に配置されている羽根12Bの第3放物曲面23に重なる。羽根12Aの第1放物曲面21と羽根12Bの第3放物曲面23は、仮想光軸線J2を光軸とする集光空間S2を形成している。
第2放物曲面22は、仮想放物曲面32の室外側の端部(他方の放物曲面のうち頂点近傍の部分が切り欠かれた曲面の切り欠かれた側の端部)35を焦点とする放物曲面33(即ち、図4の点線)の一部であり、放物曲面33の頂点C2から位置73までが切り欠かれた曲面である。すなわち、羽根12Aの第2放物曲面22は、仮想光軸線J3を光軸とする集光空間S1を形成している。端部83は、放物曲面33の焦点に位置している。
端部72の位置は、入射光301の方向、即ち仮想軸線J1に対する入射光301の入射角を考慮して適宜設定されている。端部84は、端部74から羽根本体11の材質の最小加工精度に相当する寸法で離間した位置にある。
上述したそれぞれの面の好適な形状や設計方針からもわかるように、第1放物曲面21、第2放物曲面22、第3放物曲面23及び第1平面24は、入射光301,302,303を所望のように進行又は拡散させるように、互いに相対関係を有して配置される。第1放物曲面21、第2放物曲面22、第3放物曲面23及び第1平面24のそれぞれの詳細な形状は、入射光301,302,303を所望のように進行又は拡散させるように、適切に設計されている。
羽根本体11は、樹脂製である。羽根本体11を構成する樹脂としては、特に限定されないが、軽量性及び熱特性に優れ、加工しやすいという点から、例えばアクリロニトリル・ブチルアクリレート・スチレンの重合体と、アクリロニトリル・エチレンプリピレン・スチレンの重合体との混合物からなる樹脂等が挙げられる。
図3に示すように、羽根本体11は、上述の樹脂からなる中空体であることが好ましい。羽根本体11が中空体であることにより、羽根12の軽量化が促進される。羽根本体11の外周部分の厚みは、羽根本体11を構成する樹脂の加工特性及び加工後の強度等を考慮して適切に設定されている。例えば、羽根本体11を構成する樹脂がアクリロニトリル・ブチルアクリレート・スチレンの重合体と、アクリロニトリル・エチレンプリピレン・スチレンの重合体との混合物からなる樹脂である場合、羽根本体11の厚みは2mm~3mmの範囲内であることが好ましい。
接続部26は、端部72と端部82とを、羽根本体11を構成する樹脂の加工特性及び加工後の強度等を考慮した好適な厚みをもって接続するためのものである。
羽根本体11は、例えば羽根本体11の断面形状と同様の流路を有する金型を用いた押出成形によって容易に製造可能である。
鏡面反射シート28の種類は、特に限定されず、公知の鏡面反射シートであってもよい。鏡面反射シート28の鏡面反射率は、ルーバー構造10に入射する光の波長帯において、80%以上であることが好ましく、83%以上であることがより好ましい。また、鏡面反射シート28の拡散反射率は、ルーバー構造10に入射する光の波長帯において、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。特に、鏡面反射シート28は、ルーバー構造10に入射する光の中心波長において80%以上の鏡面反射率を有するものであることが好ましい。鏡面反射シート28は、ルーバー構造10に入射する光の中心波長において80%以上の鏡面反射率を有する金属膜を含んでいることが好ましい。また、鏡面反射シート28としては、20MPa以上の破断強度を有するものが好ましい。鏡面反射シート28は、優れた伸び特性を有することによって、第1放物曲面21、第2放物曲面22のようにいずれも凹状に湾曲する曲面に設けられた際に、しわやたるみが生じない状態でこれらの曲面に対して良好に密着する。このことによって、ルーバー構造10の光学特性が安定する。
好適な鏡面反射シート28としては、例えばアルミニウム膜を含む光輝フィルム等が挙げられる。好適な光輝フィルムとしては、日光の中心波長に近い550nmの波長において鏡面反射率が低く、拡散反射率が高く、軽量性及び熱特性に優れ、加工しやすいという点から、例えば市販の鏡面反射用フィルムであるダイヤラック(登録商標、販売元:日本プライ株式会社)、“JBRIGHT”シリーズ(販売元:日本プライ株式会社)等が挙げられる。光輝フィルムの一例としては、底面側から、例えば厚み150μmのABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの共重合体)のベースフィルム層と、厚み12μmの接着層と、例えばアルミニウムからなる金属光輝層と、耐候性PET(ポリエチレンテレフタレート)と、コート層と、工程用PETと、を積層したものが挙げられる。このような構成を有する光輝フィルムによれば、波長550nmにおいて鏡面反射率が86.27%程度(鏡面反射度合は99.99%)に達し、拡散反射率は0.01%程度に抑えられる。また、前述の構成を有する光輝フィルムは、可視光域の400nm~700nmの波長の光に対し、82%以上の高い鏡面反射率(鏡面反射度合99.90%以上)を有する。なお、金属光輝層は、アルミニウムのほか、銅、ニッケル、クロム、チタン、ステンレス、コバルト、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、パラジウム、インジウム、スズ、金、銀を含む光輝層であってもよい。
拡散反射シート29の種類は、特に限定されず、公知の拡散反射シートであってもよい。
鏡面反射シート28を羽根本体11の第1放物曲面21、第2放物曲面22、第3放物曲面23及び第1平面24に設ける方法は、特に限定されないが、鏡面反射シート28、拡散反射シート29が耐熱性を有する、又は優れた熱特性を有する場合は、羽根本体11の押出成形と並行して押出成形によって羽根本体11の所定の面に鏡面反射シート28や拡散反射シート29を設けることができる。例えば、羽根本体11、鏡面反射シート28及び拡散反射シート29の断面形状と同様の断面形状で形成された流路を有する金型を用いた押出成形によって、鏡面反射シート28及び拡散反射シート29を容易に成形し、羽根本体11の所定の面上に設けることができる。
なお、鏡面反射シート28を、成形後の羽根本体11の第1放物曲面21及び第2放物曲面22に、例えば接着剤を用いる等の公知の貼着方法で貼り付けてもよい。同様に、拡散反射シート29を、成形後の羽根本体11の第3放物曲面23及び第1平面24に、例えば接着剤を用いる等の公知の貼着方法で貼り付けてもよい。
図2に示すように、複数の羽根12を支持する支持部14は、D1方向に隣り合う羽根12,12同士の間に配置された樹脂製のスペーサー15と、複数の羽根12と複数のスペーサー15とを貫通して支持する芯材16と、を備えている。
スペーサー15は、D1方向に隣り合う羽根12,12同士の相対位置を保持するための部材である。図3に示すように、スペーサー15は、筒状に形成されており、筒状部材の軸方向に沿って、芯材16が貫通可能な貫通孔17が形成されている。貫通孔17の内径は、芯材16の外径より僅かに大きい。スペーサー15の上部には、接続部38や第3放物曲面23の室外側の一部を嵌合可能な第1嵌合部41が形成されている。スペーサー15の下部には、接続部36、第2放物曲面22の室内側の端部及び第1放物曲面21の室外側の一部に嵌合可能な第2嵌合部42が形成されている。
スペーサー15は、軸芯、即ち仮想軸線J1を中心として径方向の内側に筒状の軸部18を有し、軸部18の径方向の外側にスペース保持部19を有する。軸部18には、貫通孔17が形成されている。スペース保持部19の上部の第1嵌合部41は、接続部36とその近傍の第3放物曲面23、第1平面24と同一の形状に切り欠かれている。スペース保持部19の下部の第2嵌合部42は、接続部38とその近傍の第1放物曲面21、第2放物曲面22の形状と同一の形状に切り欠かれている。
羽根12の第1放物曲面21の室外側の部分には、接続部36に第1嵌合部41を嵌合させた際に、軸部18の下部を羽根12の内部に挿通可能な貫通孔43が形成されている。羽根12の第3放物曲面23の室外側の部分には、接続部38を第2嵌合部42に嵌合させた際に、軸部18の上部を羽根12の内部に挿通可能な貫通孔44が形成されている。
上述した部材同士の嵌合状態及び挿通状態によって、隣り合う羽根12同士の相対位置が高い精度で設計通りに固定されている。例えば、羽根12のD2方向の幅寸法が60.96mmであり、D1方向に隣り合う羽根12,12のそれぞれの端部74同士の直線距離が26.45mmである場合を想定する。D1方向に隣り合う羽根12,12のうち、上側の羽根12の接続部38と下側の羽根12の接続部36との直線距離Laは7.53mmに保持されることが好ましい。スペーサー15が上述のように構成されていることによって、正確さが求められる羽根12,12同士の相対位置が良好に固定される。
スペーサー15を構成する樹脂は、特に限定されない。スペーサー15は、ルーバー構造10に入射する光の通過領域に配置されることから、ルーバー構造10に入射する光の波長帯域に対して透明であって、軽量であるものが好ましい。このような樹脂としては、例えばアクリルや、メチルアクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体に残留モノマーとしてのメタクリル酸メチルとを混合したもの等が挙げられる。このような混合物には、例えば、市販のパラペット(登録商標、販売製造元:株式会社クラレ)がある。
スペーサー15は、例えば押出成形によって容易に製造可能である。
芯材16は、棒状部材で構成されている。芯材16の素材は、特に限定されないが、複数の羽根12及び複数のスペーサー15を支持可能な強度を有し、軽量なものが好ましい。このような芯材16の素材としては、例えば、アルミニウムやステンレス(SUS)等が挙げられる。
以上説明した本実施形態のルーバー構造10では、上側曲面51は第1鏡面反射面61を有し、下側曲面53は端部82から位置87に達する第1拡散反射面66を有し、下側平面54は端部84から位置88に達する第2拡散反射面67を有する。ルーバー構造10によれば、例えば窓Aに取り付けられた場合に、入射光201の略全部及び入射光202の一部は、上側曲面51と下側平面54との間の空間S1に捕捉される。空間S1に捕捉された光は、上側曲面51と下側曲面53及び下側平面54によって多重反射されながら、空間S1を伝搬する。室内に向けて空間S1を伝搬した光の一部は、第1鏡面反射面61によって室内に出射され、結果として主に入射光201が室内の執務者より上方に取り込まれるので、室内の上部を明るく照らし、室内の執務者等に向かって進む眩しい光にはならない。室内に向けて空間S1を伝搬した入射光201の残部は、第1拡散反射面66によって方向性を持たずに拡散されるので、室内の執務者等に向かって進む眩しい光にならない。そのため、室内からルーバー構造10を見上げても眩しさは感じられない。つまり、ルーバー構造10のうち、室内において下方に向く面が、端部82から入射光の進行方向の後方の所定の位置(第1位置)87に達する第1拡散反射面66であるため、室内でルーバー構造10を見上げても眩しくない。
一方、入射光202,203の一部は、第2拡散反射面67によって方向性を持たすに拡散され、所定の方向に進む眩しい光にならない。そのため、室外からルーバー構造10を見上げても眩しさは感じられない。つまり、ルーバー構造10のうち、室外において下方に向く面は、端部84から入射光の進行方向の前方の所定の位置(第2位置)88に達する第2拡散反射面67であるため、室内でルーバー構造10を見上げても眩しくない。
したがって、ルーバー構造10によれば、室外及び室内から見たとき、即ち入射光301,302,303の進行方向の後方及び前方から見たときの眩しさをなくし、主に入射光301を室内に採光できる。
本実施形態のルーバー構造10では、位置87,88は互いに同じ位置にある。厳密には、位置87,88は接続部38を介して僅かに離間している。図4を参照するとわかるように、位置87,88は、光学的に互いに同じ位置を示し、羽根本体11の製造時に羽根本体11の材質の最小加工精度に相当する寸法の接続部38が介在することで離間している。本発明では、接続部38のみが介在して位置87,88が互いに離間している状態は、位置87,88が互いに同じ位置にある状態に含まれるものとする。
ルーバー構造10によれば、下面81の略全体に拡散反射面が設けられるので、室内及び室外からルーバー構造を見上げたときの眩しさが抑えられ、且つ下面81での拡散光によって羽根近傍も明るくなる。
本実施形態のルーバー構造10では、上側曲面51の全体が前記第1鏡面反射面61であるため、入射光301が空間S1を伝搬する際に、空間S1の下側に位置する上側曲面51の全体が第1鏡面反射面61で構成され、入射光301が高い反射率で室内側上方に採光される。
本実施形態のルーバー構造10では、上側曲面51において、端部72から位置75までが第1上昇面91で構成されている。下側曲面53において、端部82から位置89までが第2上昇面92で構成されている。このことによって、集光空間S1が入射光の進行方向に対して上向きになる。このことによって、入射光の大部分が室内側上方に採光される。
本実施形態のルーバー構造10では、上面71に上側曲面51を有し、下面81に下側曲面53及び下側平面54を有する。上側曲面51は、第1放物曲面21と、第2放物曲面22と、を有する。下側曲面53は第3放物曲面23であり、下側平面54は第1平面24である。このような構成では、入射光301及び入射光302の一部は、空間S1に捕捉される。空間S1に捕捉された入射光301は、第2放物曲面22及び第1平面24によって反射され、集光空間S2に進む。集光空間S2に進んだ光は、第1放物曲面21及び第3放物曲面23で反射され、適度に拡散しつつ、室内の天井側に取り込まれる。一方、入射光302の残部及び入射光303は、第1平面24によって拡散反射される。第1平面24で拡散反射された光は、所定の方向に進む眩しい光にならない。そのため、室外側の略水平な方向や室内側下方からルーバー構造10を見たときの眩しさを抑えることができる。第3放物曲面23が第1拡散反射面66であり、第1平面24が第2拡散反射面67であるので、第3放物曲面23から室内に向く眩しい光や第1平面24から室外に向く眩しい光を生じさせず、室内及び室外の眩しさを本質的に解消できる。
本実施形態のルーバー構造10では、羽根12は樹脂製の羽根本体11を備え、第1鏡面反射面(上側曲面)61の羽根本体11に鏡面反射シート28が設けられ、第1拡散反射面66及び第2拡散反射面67の羽根本体11に拡散反射シート29が設けられている。このことによって、大型の建築物101にルーバー構造10を取り付ける場合でも、金属製の羽根に比べて羽根12の重量を抑え、ルーバー構造10の軽量化を図ることができる。また、羽根12の取り扱いを容易にし、羽根12の形状の設計の自由度を大きくし、押出成形等の製造方法を採用して羽根12を製造できる。また、羽根本体11に鏡面反射シート28や拡散反射シート29を設けることによって、第1鏡面反射面61、第1拡散反射面66及び第2拡散反射面67を容易に形成し、羽根本体11における鏡面反射シート28及び拡散反射シート29を設ける位置を調整できる。
本実施形態のルーバー構造10では、鏡面反射シート28は、入射光の中心波長において80%以上の鏡面反射率を有している。このようなルーバー構造10によれば、例えば入射光301,302が室内に向けて伝搬する際に、鏡面反射率が80%未満の鏡面反射シートが用いられている従来のルーバー構造又は鏡面反射シートが用いられていない従来のルーバー構造に比べて、上側曲面51と下側曲面53及び下側平面54で反射されて室内に採光される光量を高めることができる。
本実施形態のルーバー構造10では、羽根本体11は、例えばアクリロニトリル・ブチルアクリレート・スチレンの重合体と、アクリルニトリル・エチレンプリピレン・スチレンの重合体との混合物からなる樹脂で構成されている。前述の樹脂は、日光の中心波長に近い550nmの波長において鏡面反射率が低く、拡散反射率が高く、熱特性に優れ、且つ加工しやすいという優れた特徴を有する。このような特徴を有する樹脂で羽根本体11が形成されれば、羽根本体11を押出成形によって容易に製造できる。また、第1鏡面反射面61にあたる羽根本体11の部分に鏡面反射シート28を設け、第1拡散反射面66及び第2拡散反射面67にあたる羽根本体11の部分は拡散反射シート29を設けずに露出させる、或いはシボ加工することができる。
本実施形態のルーバー構造10によれば、羽根本体(羽根)11は中空体で構成されているので、押出成形によって製造できる。このことによって、長尺な羽根12を精度良く、且つ容易に製造できる。
本実施形態のルーバー構造10によれば、支持部14は、スペーサー15と、芯材16と、を備えている。このようなルーバー構造10では、羽根12がスペーサー15及び芯材16のみによって支持されるので、羽根が大型の枠体等で支持されている従来のルーバー構造に比べて軽量化を図ることができる。また、上述の構成によれば、羽根12と同様に、スペーサー15の設計自由度を大きくし、押出成形によってスペーサー15を容易に製造できる。
本実施形態のルーバー構造10によれば、スペーサー15は筒状に形成され、スペーサー15の上部に第1嵌合部41が形成され、スペーサー15の下部に第2嵌合部42が形成されている。ルーバー構造10によれば、羽根12同士の間にスペーサー15を配置する際に、スペーサー15に対して上側の羽根12Bの下面81の一部が第1嵌合部41に嵌合し、スペーサー15に対して下側の羽根12Aの上面71の一部が第2嵌合部42に嵌合する。このような構成によって、羽根12A,12B同士の相対位置を精度良く固定し、上下に隣り合う羽根12の下面81と上面71との相対位置を精度良く固定し、入射光301を所望の設計通りに採光できる。
本実施形態の建築物101は、窓Aの上部にルーバー構造10を備えている。建築物101では、室内及び室外から窓Aの上部を見上げたときの眩しさを本質的になくし、室内への良好な採光を行うことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。本発明は、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、図3に示すように、拡散反射シート29は第3放物曲面23の略全体に設けられている。しかしながら、拡散反射シート29は、必ずしも第3放物曲面23の全体に設けられていなくてもよい。図5に示すように、室内から見上げたときにルーバー構造10の眩しさを抑える観点では、拡散反射シート29は、少なくとも室内の執務者405の視界400の範囲内に露出する第3放物曲面23に設けられていればよい。その場合、位置87は、執務者405の眼の中心410と対象になっている羽根12の下方の羽根12の接続部26における入射光の進行方向の前方の先端とを結ぶ仮想線の延長線と第3放物曲面23との交点に移動する。但し、最も下側に配置された羽根12Cでは、下方に不透明な構造物がない限り、図3に示す羽根12と同様に、拡散反射シート29は第3放物曲面23の略全体に設けられていることが好ましい。位置87は、執務者がD2方向においてルーバー構造10から最も離れた内壁Nに隣り合ってルーバー構造10を見上げたときの羽根12の形状、D2方向における接続部26の先端と眼の中心410との離間距離、D1方向における接続部38の下端と眼の中心410との離間距離、D1方向における上下の羽根12A,12Bの接続部26の先端同士の離間距離、居室Iの大きさ等を勘案し、適宜決められる。なお、図5では、位置87の決め方についてわかりやすく説明するために、ルーバー構造10の要部のみが図示されている。
図5の羽根12Aのみに示すように、拡散反射シート29は、必ずしも第1平面24の全体に設けられていなくてもよい。拡散反射シート29は、少なくとも室外の観察者の視野の範囲内に露出する第1平面24に設けられていればよい。位置88は、観察者が室外からルーバー構造10を見上げたときの羽根12の形状、D2方向における接続部25の先端と眼の中心との離間距離、D1方向における接続部38の下端と眼の中心との離間距離、D1方向における上下の羽根12A,12Bの接続部26の先端同士の離間距離、建築物101の大きさ等を勘案し、適宜決められる。
上述のように視界400をふまえて設計した場合のように、位置87と位置88が互いに異なる位置にあってもよい。その場合、図5に示すように、下側曲面53及び下側平面54は、位置87から位置88までの範囲に、入射光を鏡面反射させる第2鏡面反射面62を有してもよい。このような構成では、下側曲面53及び下側平面54において視界400に入らない範囲が第2鏡面反射面62で構成される。このことによって、ルーバー構造10に入射する入射光がより高い反射率で室内に採光される。
また、上述の実施形態では、上面71は上側曲面51を有し、下面81は下側曲面53及び下側平面54を有する。しかしながら、入射光301,302,303を伝搬させる方向、室内に採光される光量、羽根12の形状は羽根本体11の製造方法等に応じて、適宜設計されている。
例えば、図6に示すように、羽根本体11-2は、上面71に上側平面52のみを有し、下面81に2つの下側曲面53-1,53-2を有してもよい。別の変形例として、図7に示すように、羽根本体11-3は、上面71に上側平面52のみを有し、下面81に2つの下側平面54-1,54-2を有してもよい。図6及び図7に示す羽根本体11の形状は、本発明の羽根の形状を構成する羽根本体の形状の一例である。本発明では、羽根の上面が上側曲面及び上側平面の双方又は一方を有し、羽根の下面が下側曲面及び下側平面の双方又は一方を有していればよく、羽根の形状は何通りも考えられる。
また、図1には、建築物101としてダブルスキンカーテンウォール構造が多く採用されている高層ビルを例示し、ルーバー構造10が外壁Wの室内側、且つ居室Iの上部に取り付けられている。しかしながら、本発明のルーバー構造は、特許文献1に開示されている構成例のように箱体(筐体)等を必要とせず、入射光の進行方向において羽根12の前方及び後方が何らかの構造物で塞がれることはないので、採光に加えて採風も行うことができる。したがって、ルーバー構造10は、高層又は大型の建築物に限定されず、単層の建物や公共施設、住居に取り付けられてもよい。その場合、本発明のルーバー構造を取り付けた建築物の省エネルギー効果が期待される。
また、建築物101に既設されているブラインドの上部をルーバー構造10に置き換えることも可能である。これにより、居室Iでは、ブラインドとルーバー構造10とを独立して機能させることができる。例えば、日射が強いときに、ブラインドを用いて居室Iのルーバー構造10よりも下方の領域では室外側から室内側に進む光を遮断する一方、ルーバー構造10では強い日光を室内側に取り入れ、居室I内を明るくすることができる。
10 ルーバー構造
12,12A,12B 羽根
14 支持部
15 スペーサー
16 芯材
21 第1放物曲面
22 第2放物曲面
23 第3放物曲面
24 第1平面
28 鏡面反射シート
29 拡散反射シート
31 一方の放物曲面
32 仮想放物曲面(他方の放物曲面)
41 第1嵌合部
42 第2嵌合部
51 上側曲面
52 上側平面
53 下側曲面
54 下側平面
71 上面
81 下面
101 建築物
J2 仮想光軸線(仮想軸線)

Claims (11)

  1. 一方向に所定の間隔をあけて複数配置された羽根と、
    前記羽根を支持する支持部と、を備え、
    前記羽根の上面に上側曲面及び上側平面の双方又は一方を有し、
    前記羽根の下面に下側曲面及び下側平面の双方又は一方を有し、
    前記上側曲面又は前記上側平面は、入射光を鏡面反射させる第1鏡面反射面を有し、
    前記下側曲面又は前記下側平面は、前記下面において入射光の進行方向の前方の第1端部から前記進行方向の後方の所定の第1位置までの範囲に、入射光を拡散反射させる第1拡散反射面を有し、
    前記下側曲面又は前記下側平面は、前記下面において前記進行方向の後方の第2端部から前記進行方向の前方の所定の第2位置までの範囲に、入射光を拡散反射させる第2拡散反射面を有し、
    前記第1位置と前記第2位置は互いに異なる位置にあり、
    前記下側曲面又は前記下側平面は、前記第1位置から前記第2位置までの範囲に、入射光を鏡面反射させる第2鏡面反射面を有する、
    ルーバー構造。
  2. 前記上側曲面又は前記上側平面の全体が前記第1鏡面反射面である、
    請求項1に記載のルーバー構造。
  3. 前記上側曲面又は前記上側平面では、前記上面における入射光の進行方向の前方の第3端部から前記進行方向の後方の所定の第3位置までが前記進行方向の前方に向かうに従って上昇する第1上昇面として構成され、
    前記下側曲面又は前記下側平面では、前記第1端部から前記進行方向の後方の所定の第4位置までが前記進行方向の前方に向かうに従って上昇する第2上昇面として構成されている、
    請求項1または2に記載のルーバー構造。
  4. 前記羽根の上面に上側曲面を有し、
    前記羽根の下面に下側曲面及び下側平面を有し、
    前記上側曲面は、
    前記第3端部から前記進行方向の後方の所定の第5位置に達し、下方に向けて凸状に湾曲する第1放物曲面と、
    前記第5位置から前記上面における前記進行方向の後方の第4端部に達し、下方に向けて凸状に湾曲する第2放物曲面と、
    を有し、
    前記下側曲面は、前記第1端部が接続部を介して前記第3端部に接続され、前記第1端部から前記進行方向の後方の所定の第6位置に達し、前記第1端部から前記第6位置に向かうに従って前記第1放物曲面から離間しつつ上方に向けて凸状に湾曲する第3放物曲面であり、
    前記下側平面は、前記第6位置から前記第2端部に達する第1平面であり、
    前記第1放物曲面は、前記一方向に交差する仮想軸線を中心とした一方の放物曲面のうち頂点近傍の部分が切りかかれた曲面であり、
    前記第3放物曲面は、前記仮想軸線を中心として前記一方の放物曲面に対向する他方の放物曲面のうち頂点近傍の部分が切り欠かれた放物曲面を前記一方向に沿って平行移動させた曲面であり、
    前記第2放物曲面は、前記他方の放物曲面のうち頂点近傍の部分が切り欠かれた曲面の切り欠かれた側の端部を焦点とする放物曲面の一部である、
    請求項3に記載のルーバー構造。
  5. 前記羽根は、前記上面及び前記下面を有する樹脂製の羽根本体を備え、
    前記上側曲面又は前記上側平面の前記羽根本体に鏡面反射シートが設けられ、
    前記第1拡散反射面及び前記第2拡散反射面の前記羽根本体に拡散反射シートが設けられている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のルーバー構造。
  6. 前記鏡面反射シートは、前記入射光の中心波長において80%以上の鏡面反射率を有する、
    請求項5に記載のルーバー構造。
  7. 前記羽根本体は、アクリロニトリル・ブチルアクリレート・スチレンの重合体と、アクリルニトリル・エチレンプリピレン・スチレンの重合体との混合物からなる樹脂で構成されている、
    請求項5又はに記載のルーバー構造。
  8. 前記羽根は中空体で構成されている、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のルーバー構造。
  9. 前記支持部は、
    前記羽根同士の間に配置された樹脂製のスペーサーと、
    前記羽根と前記スペーサーとを貫通して支持する芯材と、
    を備える、
    請求項1から8のいずれか一項に記載のルーバー構造。
  10. 前記スペーサーは筒状に形成され、
    前記スペーサーの上部に前記下面の一部を嵌合可能な第1嵌合部が形成され、
    前記スペーサーの下部に前記上面の一部を嵌合可能な第2嵌合部が形成されている、
    請求項9に記載のルーバー構造。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のルーバー構造を備えた建築物であって、
    前記ルーバー構造が窓の上部に設けられている、
    建築物。
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