以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係る遊技機(パチンコ遊技機)1について説明する。
[遊技機1の構成例]
まず、図1,2を参照しつつ、遊技機1の構成例について説明する。ここで、図1は遊技機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図である。図1,2に示されるように、遊技機1は、遊技機枠30と、遊技機枠30内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠30は、装飾面を有する前面枠31と、遊技盤2等を取り付けるための本体枠と、遊技機1をホールの島設備に固定するための外枠とを有して構成されている。前面枠31は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行に配置されたガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域3が形成されている。
また、図1に示されるように、前面枠31には、遊技球を発射させるための発射ハンドル32と、発射装置(不図示)へ供給される遊技球を貯留する上皿33と、上皿33に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿34とが設けられている。遊技者が発射ハンドル32を握って時計回りに回転させると、上皿33に貯留されていた遊技球が発射装置へと案内され、発射ハンドル32の回転角度に応じた発射強度で発射される。発射された遊技球は、遊技領域3の左側に位置するレール部材4に沿って移動した後に遊技領域3の上部位置へと案内され、遊技領域3に設けられた遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する。
なお、レール部材4の終端には球戻り防止片6が設けられており、この球戻り防止片6によって、一旦遊技領域3に進入した遊技球が発射装置側に戻ることが防止される。また、発射ハンドル32と近接する位置に停止ボタンが設けられており、遊技者は、この停止ボタンを操作することによって、発射ハンドル32を初期姿勢に戻さなくても遊技球の発射を一時的に停止させることが可能である。
遊技者が発射ハンドル32を小さい回転角度だけ回転させる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い発射強度で発射され、この遊技球は、左遊技領域3Lを流下する。一方、遊技者が発射ハンドル32を大きい回転角度だけ回転させる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い発射強度で発射され、この遊技球は、センター装飾体10の右上方に位置するレール部材4に沿って移動した後に右遊技領域3Rを流下する。
左遊技領域3Lにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口21、第2始動口22、開閉部材23、及び3つの一般入賞口24が設けられている(図2参照)。また、右遊技領域3Rにおける遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口22、上記開閉部材23、1つの一般入賞口24、ゲート25、第1大入賞口26、開閉部材27、第2大入賞口28、及び開閉部材29が設けられている(図2参照)。
発射装置から発射された遊技球は、遊技盤2に沿って遊技領域3を流下する過程で、第1始動口21、第2始動口22、一般入賞口24、第1大入賞口26、及び第2大入賞口28のいずれかに入賞する場合がある。この場合、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿33または下皿34に払い出される。なお、いずれにも入賞しなかった遊技球は、遊技盤2の下端部に形成された排出口を介して遊技領域3から排出される。
なお、遊技盤2の中央に形成された開口部には、センター装飾体10が設けられている。このセンター装飾体10は、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11と、ワープ入口およびワープ出口を両端とするワープ部12とを有して構成されている。左遊技領域3Lを流下する遊技球は、ワープ入口からワープ部12に進入する場合があり、この遊技球は、ワープ出口から排出されてステージ部11へと案内される。このステージ部11の左右中央の位置には、ステージ部11上を転動する遊技球を第1始動口21に向けて落下させる案内溝が形成されている。このため、ワープ部12を介してステージ部11へと案内された遊技球は、ワープ部12を通過することなく左遊技領域3Lを流下する遊技球に比べて、第1始動口21に入賞し易い。
第1始動口21は、常時開放されている始動領域である。第2始動口22は、普通電動役物としての開閉部材23が作動していないときには閉塞されており、開閉部材23が作動することによって開放される始動領域である。遊技機1では、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行するか否かが判定される。そして、後述する第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、図柄が変動表示され、上記判定の結果を示す図柄(大当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示される。ここで、大当たり図柄が停止表示された場合、第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。
なお、以下の説明では、第1始動口21に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口22に対する遊技球の入賞に応じて実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらを総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口26は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第1大入賞口26の開口部には、第1大入賞口26を開閉するプレートである開閉部材27が設けられている。第1大入賞口26は、通常はこの開閉部材27によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材27を作動させて第1大入賞口26を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材27が第1大入賞口26を開放する開姿勢(図2参照)を維持してから第1大入賞口26を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第1大入賞口26を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第1大入賞口26に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第1大入賞口26が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
第2大入賞口28は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第2大入賞口28の開口部には、第2大入賞口28を開閉する羽根部材である開閉部材29が設けられている。第2大入賞口28は、通常はこの開閉部材29によって閉塞されている。これに対して、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に所定の大当たり図柄が停止表示された場合、開閉部材29を作動させて第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、開閉部材29が第2大入賞口28を開放する開姿勢(図2参照)を維持してから第2大入賞口28を閉塞する閉姿勢に戻る長開放ラウンド遊技が複数回行われる。なお、第2大入賞口28を開放する各長開放ラウンド遊技は、本実施形態では、第2大入賞口28に10個の遊技球が入賞するか、或いは、第2大入賞口28が開放されてから25秒が経過するまで継続する。
このように、大当たり遊技中は第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を長開放する複数回の長開放ラウンド遊技が行われるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
なお、説明の便宜上、図2には、画像表示装置7の表示画面70において演出図柄が変動表示されているときに、開閉部材27,29が大入賞口26,28を開放する開姿勢となっている状態が図示されているが、実際には、演出図柄の変動表示中に開閉部材27,29が開姿勢となることはない。また、長開放ラウンド遊技では、第1大入賞口26および第2大入賞口28のいずれか一方が用いられるため、実際には、図2に示されるようにこれらの大入賞口が同時に開放されることはない。また、第1大入賞口26と第2大入賞口28のどちらの大入賞口を用いて大当たり遊技を行うかは、大当たりの種類に応じて予め設定されている。
第2始動口22には開閉部材23(図2参照)が近接配置されている。この開閉部材23は、開閉部材23が第2始動口22を閉塞する閉姿勢と、第2始動口22を開放する開姿勢(図2参照)とに姿勢変化可能である。
第2始動口22は、通常は開閉部材23によって閉塞されている。これに対して、遊技者が右打ちした遊技球がゲート25を通過すると、賞球は払い出されないものの、第2始動口22を開放するか否かの判定が行われる。ここで、第2始動口22を開放すると判定された場合、開閉部材23が所定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口22は、開閉部材23が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、開閉部材23が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
なお、以下の説明では、ゲート25に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
一般入賞口24は、第1始動口21と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。ただし、第1始動口21等とは異なり、一般入賞口24に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[主表示器40の構成例]
図3は、図2における主表示器40の拡大図である。図3に例示されるように、主表示器40は、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、「i~p」で示す8個のLEDを有して構成されており、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第1特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.6秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
第2特別図柄表示器42は、「a~h」で示す8個のLEDを有して構成されており、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記8個のLEDを順に点灯させることで図柄の変動表示を行い、第2特別図柄判定の判定結果に応じた組み合わせで各LEDを所定の確定時間(例えば0.6秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。
第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)には、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す図柄として、大当たりであることを報知する「大当たり図柄」、又はハズレであることを報知する「ハズレ図柄」が停止表示される。なお、遊技機1では、大当たりの種類によって互いに異なる複数の大当たり図柄が用意されており、大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口26または第2大入賞口28を開放する大当たり遊技が行われる。
普通図柄表示器43は、「s~t」で示す2個のLEDを有して構成されており、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。具体的には、例えば、上記2個のLEDを交互に点灯させることで図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の判定結果に応じた点灯態様で各LEDを所定時間(例えば0.5秒間)点灯させることによって図柄を停止表示する。ここで、当たり図柄が停止表示された場合、現在の遊技状態に応じた開放パターンで開閉部材23を動作させることによって第2始動口22を開放する補助遊技が行われる。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41や第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器43に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。また、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼んで両者を区別する場合がある。
第1特図保留表示器44は、「u~v」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特図保留表示器45は、「w~x」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって第2特別図柄判定の保留数を表示する。なお、本実施形態では、これらの保留数の上限がいずれも「4」に設定されている。普図保留表示器46は、「q~r」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって普通図柄判定の保留数を表示する。
ラウンド表示器47は、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、その大当たり図柄に対応する大当たりに応じて実行される大当たり遊技における長開放ラウンド遊技のラウンド数を表示する。このラウンド表示器47は、4R用LEDと、6R用LEDと、8R用LEDと、10R用LEDとを有して構成されており、これらのLEDのいずれかが点灯することによって、長開放ラウンド遊技のラウンド数が報知される。
遊技状態表示器48は、「a1~a3」で示す3個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技機1の遊技状態を表示する。発射方向表示器49は、「y~z」で示す2個のLEDを有して構成されており、これらのLEDの点灯態様によって遊技球の発射方向を表示する。すなわち、左打ちを行うべき状態であるか、或いは右打ちを行うべき状態であるかを表示する。
[遊技機1が備える演出手段の構成例]
図1,2に例示されるように、遊技盤2や前面枠31には、各種の演出を行うものとして、装飾部材13、可動装飾部材14、枠ランプ37、スピーカ38等が設けられている。また、遊技盤2の後方には、画像表示装置7が設けられている。
装飾部材13は、複数のLEDを有して構成される盤面ランプ5(図4参照)を内蔵しており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
可動装飾部材14は、画像表示装置7の前方であって且つ装飾部材13の後方に配置されている。この可動装飾部材14には複数のLEDが内蔵されており、可動装飾部材14は、可動装飾部材14自体の動きと光の両方或いは一方によって所定の演出を行う。本実施形態では、遊技盤2と画像表示装置7の表示画面70との間に、可動装飾部材14が動作可能な所定の空間が設けられており、可動装飾部材14は、表示画面70に沿って上下動可能に構成されている。可動装飾部材14は、通常は、その大部分が装飾部材13の後ろに隠れて可動装飾部材14の下端部だけが視認可能な初期位置(図2参照)に配置されている。これに対して、可動装飾部材14は、例えば、画像表示装置7やスピーカ38を用いて大当たり信頼度が相対的に高い予告演出が実行される際や、大当たりを示唆する際に、所定の発光パターンで発光すると共に表示画面70の大部分を覆う動作位置へと落下する。
枠ランプ37は、前面枠31の各所に内蔵された複数のLEDを有して構成されており、各LEDの点灯や点滅のパターンを変更したり、各LEDの発光色を変更したりすることによって、光による各種の演出を行う。
画像表示装置7は、その表示画面70に演出画像を表示する液晶表示装置であり、遊技者は、遊技盤2の中央部に形成された開口部を通して表示画面70を視認可能である。この表示画面70には、特別図柄判定の判定結果を報知する演出図柄、キャラクタやアイテム、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の保留数と同じ数だけ表示される保留画像(保留アイコン)、特別図柄の変動表示中であることを示唆する変動示唆画像(当該アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置7は、演出画像を表示可能なものであれば液晶表示装置に限らず、EL表示装置等の他の画像表示装置であってもよい。
スピーカ38は、表示画面70上で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音といった演出音を出力して音による演出を行う。
[遊技機1が備える入力手段の構成例]
図1に例示されるように、前面枠31には、遊技者による入力が可能な入力手段として、第1演出ボタン35および第2演出ボタン36が設けられている。第1演出ボタン35は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。第2演出ボタン36は、遊技者が第2演出ボタン36の把持部を把持して第2演出ボタン36を押し込むことによって操作情報を入力するための押ボタンである。遊技機1では、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36の操作に応じた演出が行われることがある。
また、第1演出ボタン35には、第1演出ボタン35を発光させる複数のLEDから構成される第1演出ボタンランプが内蔵され、第2演出ボタン36には、第2演出ボタン36を発光させる複数のLEDから構成される第2演出ボタンランプが内蔵されている。遊技機1では、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間中に第1演出ボタン35の操作を遊技者に促すために、第1演出ボタンランプが複数の発光色のうちのいずれかの発光色で発光する。また、遊技機1では、第2演出ボタン36の操作が有効な有効期間中に第2演出ボタン36の操作を遊技者に促すために、第2演出ボタンランプが複数の発光色のうちのいずれかの発光色で発光する。
なお、入力手段の構成は本実施形態で例示するものに限らず、他のものであってもよい。すなわち、例えば、本実施形態では、遊技機1が2つの入力手段を備える場合について説明するが、入力手段は1つ或いは3つ以上であってもよい。また、押ボタンに限らず、遊技者のタッチ操作を検知可能なタッチパネル、例えば表示画面70に対してかざされた遊技者の手を検知可能な光センサ、前後左右に動かして位置や方向を指定するジョイスティック、遊技者が把持して姿勢変化させることが可能な入力手段といった他の入力手段であってもよい。
[遊技機1が備える制御装置の構成]
図4は、遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。
遊技盤2の裏側には、遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図4に例示されるように、遊技機1の制御装置は、遊技球を用いる遊技の進行を制御するメイン制御基板80、メイン制御基板80からの情報に基づいて演出を統括的に制御するサブ制御基板90、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板100、各種のランプや可動部材による演出を制御するランプ制御基板120、遊技球の払い出しを制御する払出制御基板130等から構成されている。本実施形態では、メイン制御基板80が遊技の進行を制御する遊技制御部として機能し、サブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が演出を制御する演出制御部として機能する。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えばサブ制御基板90、画像音響制御基板100、及びランプ制御基板120が1つの基板で構成されていてもよい。
<メイン制御基板80の構成例>
メイン制御基板80は、メインCPU81、メインROM82、及びメインRAM83を備えている。メインCPU81は、メインROM82に記憶されているプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM83は、メインCPU81が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
メイン制御基板80には、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、一般入賞口センサ241、第2始動口ソレノイド222、第1大入賞口ソレノイド262、第2大入賞口ソレノイド282が接続されている。なお、本実施形態の遊技機1は、4つの一般入賞口24に対応する4つの一般入賞口センサ241を備えているが、図4では、説明の便宜上、一般入賞口センサ241が1つだけ表記されている。
第1始動口センサ211は、第1始動口21に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2始動口センサ221は、第2始動口22に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。ゲートセンサ251は、ゲート25に対する遊技球の通過を検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第1大入賞口センサ261は、第1大入賞口26に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。第2大入賞口センサ281は、第2大入賞口28に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。一般入賞口センサ241は、一般入賞口24に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号をメイン制御基板80に出力する。
第2始動口ソレノイド222は、開閉部材23に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材23を動作させて、第2始動口22を開閉する。第1大入賞口ソレノイド262は、開閉部材27に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材27を動作させて、第1大入賞口26を開閉する。第2大入賞口ソレノイド282は、開閉部材29に対して駆動力を伝達可能に連結された電動ソレノイドであり、メイン制御基板80からの制御信号に基づいて開閉部材29を動作させて、第2大入賞口28を開閉する。
図には示されていないが、遊技機1は、遊技盤2の裏面側に設けられた球タンクから遊技球を送り出す駆動モータ(後述する払出モータ141:図4参照)を制御して上皿33又は下皿34に遊技球を供給する払出制御基板130を備えている。メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、第1大入賞口センサ261、第2大入賞口センサ281、又は一般入賞口センサ241からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した箇所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板130に指示し、また、払出制御基板130からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
また、メインCPU81は、第1始動口センサ211からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、メインCPU81は、第2始動口センサ221からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。ここで、各種乱数とは、具体的には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数である。
大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類(大当たり遊技のラウンド数や大当たり遊技終了後の遊技状態など)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有り演出を行うか或いはリーチ無し演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。
メインCPU81は、第1始動口21(又は第2始動口22)に遊技球が入賞したタイミングでこれらの乱数を取得し、先ず、取得した大当たり乱数が、メインROM82に記憶されている所定の乱数値(当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たり遊技を実行するか否かを判定する。ここで、大当たり乱数が当選値と一致したことに基づいて大当たり遊技を実行すると判定した場合、上記大当たり乱数と一緒に取得した図柄乱数が、メインROM82に記憶されている(図柄乱数と比較される)所定の乱数値のどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
ここで、大当たりの種類としては、4回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「4R確変大当たり」、6回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「6R確変大当たり」、8回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「8R確変大当たり」、10回の長開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技を実行した後に確変遊技状態で遊技が制御される「10R確変大当たり」が一例として挙げられる。
一方、メインCPU81は、取得した大当たり乱数が当選値と一致しなかったことに基づいて大当たり遊技を実行しないと判定した場合、その大当たり乱数と一緒に取得したリーチ乱数が、メインROM82に記憶されている(リーチ乱数と比較される)所定の乱数値(リーチ有りに対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかを決定する。また、メインCPU81は、大当たり乱数に基づく判定の結果に関わらず、大当たり乱数と一緒に取得した変動パターン乱数に基づいて、特別図柄を変動表示する際の特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、特別図柄の変動時間が決定されることになる。
メインCPU81は、大当たり遊技を実行すると判定して、大当たりの種類を決定した場合、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を介して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開閉を制御することによって、大当たりの種類に応じた大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU81は、ゲートセンサ251からの検知信号が入力されたタイミングで乱数(普通図柄乱数)を取得し、取得した普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、この普通図柄判定の結果として第2始動口22を開放すると判定した場合、第2始動口ソレノイド222を介して第2始動口22の開閉を制御することによって、第2始動口22を開放する補助遊技を実行する。
また、メイン制御基板80には、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、普通図柄表示器43、第1特図保留表示器44、第2特図保留表示器45、普図保留表示器46、ラウンド表示器47、遊技状態表示器48、発射方向表示器49が接続されている。
メインCPU81は、主表示器40を構成するこれらの表示器41~49を制御して、図3に基づいて上述した表示処理を実行させる。
<サブ制御基板90の構成例>
サブ制御基板90は、サブCPU91、サブROM92、サブRAM93、及びRTC(リアルタイムクロック)94を備えている。サブCPU91は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM93は、サブCPU91が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。RTC94は、現時点の日時(日付や時刻)を計測する。
サブ制御基板90には、第1演出ボタン35(図1参照)が操作(押下)された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する第1演出ボタン検知センサ351が接続されている。例えば、遊技者によって押下される第1演出ボタン35の操作部材には遮光片が設けられており、第1演出ボタン検知センサ351は、操作部材が押し下げられた操作位置に配置された際に上記遮光片を検知して、その検知信号(操作信号)をサブ制御基板90に出力するフォトインタラプタにより構成されている。サブCPU91は、有効期間中に第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が1回入力されたことに基づいて、第1演出ボタン35が「単押し」されたことを特定可能である。また、サブCPU91は、有効期間中に第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が断続的に複数回入力されたことに基づいて、第1演出ボタン35が「連打」されたことを特定可能である。また、第1演出ボタン検知センサ351からは、操作(押下)されていた第1演出ボタン35の操作部材が操作位置から初期位置に復帰した場合に、その旨を示す操作情報(復帰信号)がサブ制御基板90に出力される。このため、サブCPU91は、第1演出ボタン検知センサ351からの操作信号が入力されてから所定時間(例えば0.8秒)が経過しても復帰信号が入力されなかったことに基づいて、第1演出ボタン35が「長押し」されていることを特定可能である。
また、サブ制御基板90には、第2演出ボタン36(図1参照)が操作された場合に、その旨を示す操作情報(操作信号)をサブ制御基板90に出力する第2演出ボタン検知センサ361が接続されている。遊技者によって前方に押し込まれる第2演出ボタン36の操作部材には遮光片が設けられており、第2演出ボタン検知センサ361は、操作部材が押し込まれた操作位置に配置された際に上記遮光片を検知して、その検知信号(操作信号)をサブ制御基板90に出力するフォトインタラプタにより構成されている。
サブCPU91は、メイン制御基板80から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、第1演出ボタン35や第2演出ボタン36からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU91は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信する。
<画像音響制御基板100の構成例>
画像音響制御基板100は、画像表示装置7による画像表示の制御と、スピーカ38による演出音の出力の制御とを行うものである。この画像音響制御基板100は、本実施形態では、画像音響制御CPU101、制御ROM102、制御RAM103、VDP(Video Display Processor)104、及び音響DSP(Digital Signal Processor)105を備えている。
制御ROM102は、マスクROMで構成されており、画像音響制御CPU101の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、ディスプレイリストを作成する処理に使用されるディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブルが記憶されている。ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。制御RAM103は、画像音響制御CPU101が上記制御プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域やデータ処理などの作業領域として使用される。
画像音響制御CPU101は、上記制御プログラムやディスプレイリスト作成テーブル等の各種テーブル、サブ制御基板90から受信したコマンド等に基づいて、VDP104に対して、画像音響制御基板100が備える不図示のCGROMに記憶されている画像データ(演出データ)を画像表示装置7に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。また、画像音響制御CPU101は、音響DSP105に対して、画像音響制御基板100が備える不図示の音響ROMに記憶されている音響データをスピーカ38から出力させる指示を行う。
上記のCGROMは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出等を実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROMは、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROMは、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROMに記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
図には示されていないが、画像音響制御基板100はVRAMを備えている。このVRAMは、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、図には示されていないが、ディスプレイリスト記憶領域、展開記憶領域、フレームバッファ等を有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域は、画像音響制御CPU101から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域は、CGROMから読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファは、表示画面70に表示される画像データの描画および表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP104は、CGROMに圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域に格納する。また、VDP104は、ディスプレイリスト記憶領域に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域に格納した画像データを用いて、フレームバッファに対する描画処理を行う。また、VDP104は、フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成して、生成したRGB信号を画像表示装置7に出力する。
図には示されていないが、音響DSP105には、音響ROM、SDRAM、及びアンプが接続されている。音響ROMは、楽曲や音声、効果音、警告音等に関する各種音響データを記憶している。SDRAMは、音響DSP105によるデータ処理等の作業領域として使用されるものである。音響DSP105は、画像音響制御CPU101からの指示に対応する音響データを音響ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプを介して)スピーカ38に出力する。アンプは、画像音響制御CPU101から音響DSP105を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ38に出力させる。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
<ランプ制御基板120の構成例>
ランプ制御基板120は、ランプCPU121、ランプROM122、及びランプRAM123を備え、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14等が接続されている。ランプROM122は、ランプCPU121によって実行されるプログラム、発光パターンデータ、動作パターンデータ等を記憶している。ここで、発光パターンデータは、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLED等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動装飾部材14等の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されているプログラムに基づいて、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の動作を制御する際の演算処理を行う。
ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている発光パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM123に読み出して、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14に内蔵されたLEDの発光を制御する。また、ランプCPU121は、ランプROM122に記憶されている動作パターンデータの中から、サブ制御基板90から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM123に読み出して、可動装飾部材14を動作させるモータの駆動を制御する。
<払出制御基板130の構成例>
払出制御基板130は、払出CPU131、払出ROM132、及び払出RAM133を備え、払出装置140、下皿満タン検知センサ135、供給遊技球検知センサ136、エラー解除スイッチ137等が接続されている。払出CPU131は、払出ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、賞球の払い出しを制御する際の演算処理を行う。払出RAM133は、払出CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
払出装置140は、払出モータ141および払出検知センサ142を有して構成されている。ここで、払出モータ141は、図には示されていないが、遊技盤2の裏面側に設けられた球タンクから払出口を介して上皿33または下皿34へ遊技球を送り出す駆動モータであり、払出検知センサ142は、上記払出口を通過する遊技球を検知して、その検知信号を払出制御基板130に出力するものである。
本実施形態の遊技機1では、第1始動口センサ211によって遊技球が検知された場合、第2始動口センサ221によって遊技球が検知された場合、第1大入賞口センサ261によって遊技球が検知された場合、第2大入賞口センサ281によって遊技球が検知された場合、一般入賞口センサ241によって遊技球が検知された場合に、遊技球が検知された箇所に応じた所定個数の賞球の払い出しを指示する払出コマンドがメイン制御基板80から払出制御基板130に送信される(図23参照)。これに対して、払出制御基板130の払出CPU131は、受信した払出コマンドによって指定された数だけ賞球を払い出すように、払出モータ141の駆動を制御する。具体的には、払出モータ141の駆動中は、払出検知センサ142からの検知信号に基づいて、払出装置140から払い出される賞球の数を払出CPU131がカウントしており、払出CPU131は、払出検知センサ142によって検知される遊技球の数が払出コマンドによって指示された所定個数に達するまで払出モータ141の駆動を継続させる。
下皿満タン検知センサ135は、下皿34が遊技球で満タンになったことを検知して、その検知信号を払出制御基板130に出力する。供給遊技球検知センサ136は、球タンクから払出装置140に供給される遊技球を検知して、その検知信号を払出制御基板130に出力する。払出CPU131は、下皿満タン検知センサ135からの検知信号や、供給遊技球検知センサ136からの検知信号に基づいて、所定の処理を実行する。
エラー解除スイッチ137は、いわゆる球詰まりや払出異常といった払出装置140に関する異常が発生した場合に、遊技機1が設置されているホールのホール店員がその異常を確認した後に操作する操作スイッチである。エラー解除スイッチ137が操作されると、払出モータ141が停止し、遊技球の払い出しが停止して払出装置140の異常が解消される。
[遊技状態について]
次に、図5を参照しつつ、遊技機1の遊技状態や遊技の流れについて説明する。ここで、図5は、遊技機1の遊技状態について説明するための説明図である。図5に例示されるように、遊技機1は、本実施形態では、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、及び「時短遊技状態」の3つの遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、第2始動口22に対する遊技球の入賞をサポートするサポート機能(いわゆる「電サポ」等と呼ばれる機能)が付与されない遊技状態である。通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば20秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、上記サポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/80)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば11/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1.5秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.5秒×3回)に設定される。
「時短遊技状態」は、上記低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、上記サポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/200)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口22を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば11/11)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば1.5秒)に設定され、且つ第2始動口22を開放すると判定された場合の第2始動口22の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.5秒×3回)に設定される。
特別図柄の変動時間に関してこれらの遊技状態を比較すると、「通常遊技状態」における特別図柄の変動時間に比べて、「確変遊技状態」や「時短遊技状態」における特別図柄の変動時間の方が相対的に短い時間に設定され易い。なお、各遊技状態の説明で示した、特別遊技を実行すると判定される確率(大当たり確率)、第2始動口22を開放すると判定される確率(普通図柄判定の当選確率)、普通図柄の変動時間、第2始動口22の開放時間は単なる一例であって、他の確率や時間であってもよいことは言うまでもない。
なお、以下の説明では、上記サポート機能が付与されていることによって第2始動口22への遊技球の入賞が容易な状態を「高ベース状態」と呼び、サポート機能が付与されていないことによって第2始動口22への遊技球の入賞が困難な状態を「低ベース状態」と呼ぶものとする。
[遊技の流れ]
遊技者が右打ちした遊技球は、第1始動口21には入賞せず、第2始動口22に入賞し得る。しかしながら、低ベース状態のときには、第2始動口22が開放され難く、開放されたとしてもその開放時間は極めて短い。このため、低ベース状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口21を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
通常遊技状態のときに左打ちされた遊技球が第1始動口21に入賞すると、第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄として、大当たり図柄またはハズレ図柄が停止表示される。
ここで、ハズレ図柄が停止表示された場合は、大当たり遊技が行われることはなく、遊技状態も変化しない。一方、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示された場合、その大当たり図柄に応じた所定回数の長開放ラウンド遊技を行う大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
なお、特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを報知する大当たり図柄(特別図柄)としては、確変大当たりを報知する「確変図柄」と、通常大当たりを報知する「通常図柄」とが用意されている。そして、通常遊技状態における第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを報知する大当たり図柄として、「確変図柄」が停止表示された場合は大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御され、「通常図柄」が停止表示された場合は大当たり遊技終了後に通常遊技状態で遊技が制御される(図5参照)。
また、大当たり遊技終了を契機として遊技状態が確変遊技状態または時短遊技状態に移行した場合、すなわち、低ベース状態から高ベース状態に移行した場合、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にする上記のサポート機能によって、第1始動口21よりも第2始動口22の方が、遊技球が入賞し易くなる。このため、高ベース状態(本実施形態では「確変遊技状態」または「時短遊技状態」がこれに該当)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口22を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。このため、確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的には、第2特別図柄判定が行われる。
また、本実施形態の遊技機1は、実質的に次回の大当たりまで確変遊技状態が継続するように構成されており、この確変遊技状態において第2特別図柄として「確変図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後に再び確変遊技状態で遊技が制御される。一方、確変遊技状態において第2特別図柄として「通常図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は時短遊技状態で遊技が制御される。
また、時短遊技状態において第2特別図柄として「確変図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は確変遊技状態で遊技が制御され、「通常図柄」が停止表示された場合には、大当たり遊技終了後は再び時短遊技状態で遊技が制御される。一方、時短遊技状態のときに規定回数(本実施形態では100回)の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても大当たりが発生しなかった場合は、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる。
[変動演出について]
次に、通常遊技状態において第1特別図柄が変動表示されてから停止表示されるのに伴って、表示画面70等を用いて行われる変動演出について説明する。
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞して第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す第1特別図柄が停止表示される。表示画面70には、第1特別図柄判定の判定結果を報知する演出図柄が表示される演出図柄表示領域73(図2参照)が設けられており、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示に伴って、演出図柄の変動表示を含む変動演出が行われる(図2参照)。そして、第1特別図柄判定が実行された際に選択された変動パターンに応じた変動時間だけ第1特別図柄が変動表示されると、この第1特別図柄が停止表示されるのに伴って、第1特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄が停止表示される。
このような演出図柄の変動表示中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、表示画面70の演出図柄表示領域73には、例えば、1~9の数字が下から上へ縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されると、これらの図柄列が上から下へスクロールするように変動表示(スクロール表示)される(例えば、図7(B)参照)。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての演出図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列の演出図柄(左図柄)と右列の演出図柄(右図柄)が順番に、或いは同時に、完全には停止しないように擬似停止する。図2には、左図柄として3図柄が擬似停止すると共に右図柄として同じく3図柄が擬似停止し、中列の図柄列がスクロール表示を継続している状態が例示されている。なお、擬似停止とは、演出図柄をほとんど移動させずにその場で揺動させる演出であり、以下の説明では、演出図柄を完全に静止させる本停止(単に「停止表示」と呼ぶ場合もある)と区別する場合には、擬似停止と呼ぶ場合がある。
左図柄および右図柄として同じ演出図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立となり、同一の演出図柄が3つ揃うことを遊技者に期待させるリーチ演出が行われる。このリーチ演出は、例えば、リーチ図柄(左図柄および右図柄)を擬似停止させた状態で中列の図柄列をスクロールさせ、最終的に、リーチ図柄と共通する中図柄、又はリーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に停止させて当落を報知する演出である。
なお、詳細な説明は省略するが、このようなリーチ演出には、演出図柄の他に、キャラクタやアイテムといった他の表示オブジェクトが用いられる。また、以下の説明では、リーチ演出が行われる変動演出において、リーチが成立するまでに行われる演出を「リーチ前演出」と呼ぶ場合がある。
リーチ演出の種類については後に詳述するが、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレを報知すべくリーチハズレ目(例えば「323」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。一方、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であってリーチ演出が行われない場合には、ハズレを報知すべくバラケ目(例えば「629」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行しないと判定された場合、ハズレを示すリーチハズレ目またはバラケ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させてハズレ(大当たり遊技が実行されないこと)を報知するハズレ報知演出が実行される。
このハズレ報知演出が実行された場合は大当たり遊技が実行されず、第1特別図柄判定の権利が保留されていれば、所定の確定時間(例えば0.6秒間)だけ第1特別図柄および演出図柄が停止表示されるとその第1特別図柄判定が行われて、第1特別図柄の次の変動表示が直ちに開始される。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、第1特別図柄の変動表示中に大抵はリーチ演出が実行され、大当たりを報知すべくゾロ目(例えば「333」)を示す3つの演出図柄が擬似停止し、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示されるのに伴って、これら3つの演出図柄が本停止する。このように、大当たり遊技を実行すると判定された場合、大当たりを示す態様で3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させて大当たり(大当たり遊技が実行されること)を報知する当たり報知演出が実行される。この当たり報知演出が実行された場合、大当たり遊技が実行される。
[表示画面70の画面構成]
図2には、通常遊技状態における表示画面70の画面構成が例示されている。通常遊技状態で遊技が制御されているときには、図2に例示されるように、保留アイコン表示領域71、当該アイコン表示領域72、及び演出図柄表示領域73が表示画面70上に形成される。演出図柄表示領域73は、上述したように、左列の図柄列を構成する左図柄と、中列の図柄列を構成する中図柄と、右列の図柄列を構成する右図柄とが表示される表示領域である。
<保留アイコン表示領域71>
保留アイコン表示領域71(図2参照)は、第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンが表示される表示領域である。遊技機1では、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中といった、特別図柄判定および特別図柄の変動表示を直ちに開始できない状況で第1始動口21に遊技球が入賞した場合には、第1特別図柄判定の権利が所定数(本実施形態では4つ)を上限として保留される。
このように、第1特別図柄判定の権利が保留された場合、保留アイコン表示領域71には、第1特図保留表示器44が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。図2には、第1特別図柄判定の保留数が「2」であることを示唆するために、保留アイコン表示領域71に2個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、後述するSPSPリーチ(図6(K)参照)といった高信頼度のリーチ演出が行われているときに保留アイコン表示領域71に保留アイコンを表示していると、リーチ演出に用いる表示領域が制限されるだけでなく、保留アイコンの表示がリーチ演出の興趣性を低下させる可能性がある。このため、本実施形態の遊技機1では、リーチ前演出中や後述するノーマルショートリーチ中は保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを表示する一方、ノーマルロングリーチ、第1SPリーチ、第2SPリーチ、SPSPリーチへとリーチ演出が発展するのに伴い、保留アイコン表示領域71を構成する表示オブジェクトや保留アイコンを表示画面70から消去する構成が採用されている。
また、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、基本的に第2始動口22に遊技球が入賞することがない。このため、通常遊技状態では、基本的には、第2特別図柄判定の権利が保留されることもなく、表示画面70に第2特別図柄判定に係る保留アイコンが表示されたり、この保留アイコンを表示するための表示領域が形成されたりすることはない。
<当該アイコン表示領域72>
当該アイコン表示領域72は、第1特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像としての当該アイコンを表示する表示領域である。当該アイコンは、第1特別図柄の変動表示の開始に伴って当該アイコン表示領域72に表示され、例えば、第1特別図柄が停止表示されるタイミングで当該アイコン表示領域72から消去される。ただし、当該アイコンの消去タイミングはこれに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示中に当該アイコンを消去してもよく、例えば、後述するSPSPリーチ発展時やSPSPリーチの途中で当該アイコンを消去するようにしてよい。
ところで、特別図柄の変動表示が行われておらず、且つ特別図柄判定の権利が保留されていない状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、第1特別図柄の変動表示の開始に伴い、当該アイコン表示領域72に当該アイコンが表示される。一方、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されている状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する図柄の変動表示が終了すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(当該アイコン表示領域72に最も近い位置に表示されている保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の実行に応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、最先の保留アイコンが保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72へシフトして、新たな当該アイコンとして表示されることになる。このように、当該アイコン表示領域72にシフトした保留アイコン(ここでは、当該アイコン)は、保留アイコン表示領域71に表示されていたときに比べて大きく表示される(図2参照)。このため、遊技者に対して、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンよりも、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに注目させることが可能である。
なお、上記最先の保留アイコンとは異なる他の保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されている場合、当該アイコン表示領域72への最先の保留アイコンのシフトに伴い、保留アイコン表示領域71において、他の保留アイコンが当該アイコン表示領域72へ近づく方向へシフトする。ここまでの説明から明らかなように、遊技機1では、保留アイコン表示領域71に表示されていた保留アイコンに対応する当該アイコンが当該アイコン表示領域72に表示される場合があるため、以下の説明では、保留アイコンと当該アイコンとを区別しない場合には、これらを総称して単に「アイコン」と呼ぶ場合がある。
(アイコン変化演出について)
ところで、保留アイコンは、通常は白色の保留アイコン(デフォルトの保留アイコン)として表示される。これに対して、保留アイコン表示領域71に保留アイコンが表示されているときにその保留アイコンの色が変化するアイコン変化演出が行われる場合がある。このアイコン変化演出が行われた場合、白色の保留アイコンが、青色、緑色、赤色といった大当たり信頼度を示唆する色の保留アイコンに変化する。ここで例示した大当たり信頼度を示唆する色は、大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並んでいる。赤色は、その赤色の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となる場合や、「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合に選択され易い。緑色は、「大当たり」となる場合や「ハズレ」となるものの特別図柄の変動時間が中程度の時間に設定される場合に選択され易い。青色は、「ハズレ」となる場合や「ハズレ」であって且つ特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合に選択され易い。本実施形態では、白色の保留アイコンの大当たり信頼度が約1%に設定され、青色の保留アイコンの大当たり信頼度が約3%に設定され、緑色の保留アイコンの大当たり信頼度が約15%に設定され、赤色の保留アイコンの大当たり信頼度が約45%に設定されている。
なお、ここでは、保留アイコンが保留アイコン表示領域71に表示されているときにその表示色が1回だけ変化するアイコン変化演出が行われる場合を例に説明したが、本実施形態の遊技機1では、他のアイコン変化演出が行われる場合もある。すなわち、例えば、白色の保留アイコンが、保留アイコン表示領域71に表示されているときに、青色の保留アイコンに変化し、更に緑色の保留アイコンに変化するというように、1つの保留アイコンを対象としてその保留アイコンの表示色が複数回変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコン表示領域71から当該アイコン表示領域72にシフトした白色の保留アイコンが当該アイコンとして表示されているときに、その表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。
また、保留アイコン表示領域71に表示されている保留アイコンの表示色が変化し、その後、その保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトして当該アイコンとして表示されているときにその表示色が変化するというように、保留アイコン表示領域71と当該アイコン表示領域72の両方でアイコンの表示色が変化するアイコン変化演出が行われる場合もある。また、保留アイコンが最初から白色以外の表示色(例えば青色)で表示されるアイコン変化演出や、その初期色が白色以外である保留アイコンの表示色を変化させるアイコン変化演出が行われる場合もある。
このように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄判定の権利が保留されていることを示す保留情報を表示画面70に表示し、その保留情報の表示態様を変化させることが可能である。なお、以下の説明では、表示色が白色以外の色である保留アイコンや当該アイコンを「特別アイコン」と呼んで、表示色が白色である通常の保留アイコンや当該アイコンと区別する場合がある。
[保留情報の表示制御に関する変形例]
なお、保留情報の表示制御は、本実施形態で例示するものに限らず、以下のようなものであってもよい。すなわち、本実施形態では、説明の便宜上、アイコン(保留アイコンと当該アイコン)の表示色が白色、青色、緑色、及び赤色の4色である場合を例に説明するが、他の実施形態では、赤色よりも更に大当たり信頼度が高いことを示唆する金色や、「大当たり」となる場合にしか選択されない虹色といった他の色が用意されていてもよい。
また、本実施形態では、アイコン(保留アイコンや当該アイコン)の表示色を変化させるアイコン変化演出を行う場合を例に説明するが、アイコン変化演出は、アイコンの表示態様を変化させる演出であれば本実施形態で例示される演出に限らず、アイコンの形状や大きさを変化させるアイコン変化演出、アイコンの形状や大きさに加えて表示色を変化させるアイコン変化演出等であってもよい。
また、本実施形態では、保留アイコン表示領域71に表示された保留アイコンを対象とするアイコン変化演出に加えて、当該アイコン表示領域72に表示された当該アイコンを対象とするアイコン変化演出を実行可能な場合について説明するが、他の実施形態では、当該アイコン表示領域72を設けることなく(当該アイコンを表示することなく)、前者のアイコン変化演出のみを実行可能な構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、保留情報としての保留アイコンを表示画面70に表示して、その保留アイコンの表示色を変化させる場合を例に説明する。これに対して、他の実施形態では、例えば、発光色を変更可能な4つのカラーLEDを設けて第1特別図柄判定の保留数と同数のLEDを点灯させ、いずれかのLEDの発光色を変化させることによって、保留情報の表示態様を変化させるようにしてもよい。
[第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れ]
次に、図6を参照しつつ、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れについて説明する。ここで、図6は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の流れを例示する説明図である。
通常遊技状態において第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄表示器41において第1特別図柄が変動表示され、第1特別図柄当否判定の結果を示す第1特別図柄が停止表示される。これに対して、表示画面70では、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、演出図柄表示領域73における3つの図柄列の変動表示が開始される(図6(A)参照)。具体的には、演出図柄表示領域73には、例えば「1」~「9」の数字が下から上へ縦方向に連続して記された演出図柄の図柄列の一部が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、これらの図柄列が上から下へスクロールするように、3つの図柄列のスクロール表示が開始される。
ここで、第1特別図柄の変動表示開始時に行われた第1特別図柄当否判定の判定結果が「ハズレ」であり、リーチ演出を実行しないことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示の終盤でバラケ目(例えば「458」)を示す3つの演出図柄を擬似停止させ、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴ってこれら3つの演出図柄を本停止させるハズレ報知演出が行われる(図6(B)参照)。
一方、第1特別図柄当否判定の結果が「大当たり」である場合や、「ハズレ」であるもののリーチ演出を行うことが決定されている場合、第1特別図柄の変動表示中に、例えば、演出図柄表示領域73に左図柄を有効ライン上に擬似停止させ、左図柄と共通する右図柄が有効ライン上へと移動するように右列の図柄列を低速でスクロール表示させるリーチ前演出が行われる(図6(C)参照)。そして、このリーチ前演出が行われた結果として、共通する左図柄および右図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立となる(図6(D)参照)。
このように、左図柄および右図柄として共通する演出図柄が擬似停止してリーチが成立すると、これらの演出図柄(リーチ図柄)と共通する演出図柄が中列における有効ライン上に停止することを遊技者に期待させるリーチ演出が行われる。本実施形態では、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴って実行され得るリーチ演出として、図6に例示されるように、ノーマルショートリーチ、ノーマルロングリーチ、第1SPリーチ、第2SPリーチ、及びSPSPリーチの5種類のリーチ演出が用意されている。
ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)は、上記5種類のリーチ演出の中で大当たり信頼度が最も低いリーチ演出である(例えば、大当たり信頼度:約2%)。このノーマルショートリーチは、後述するノーマルロングリーチに比べて演出実行時間が短いリーチ演出であり、リーチが成立すると、大抵は、ノーマルショートリーチが行われる。このノーマルショートリーチが行われる場合、リーチが成立すると中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、リーチを形成する左図柄および右図柄の間にリーチ図柄と同じ中図柄またはリーチ図柄とは異なる中図柄を擬似停止させる中図柄列のスクロール表示が行われる。
ここで、ノーマルショートリーチで当落を報知する変動演出パターンが設定されている場合、ノーマルショートリーチの終盤で当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出)が行われる(図6(F)参照)。具体的には、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、リーチ図柄と同じ中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでゾロ目(例えば「222」)を示す演出図柄を擬似停止させた後に、これらの演出図柄をそのまま本停止させる当たり報知演出が行われる。一方、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、リーチ図柄とは異なる中図柄を有効ライン上に擬似停止させることでリーチハズレ目(例えば「232」)を示す演出図柄を擬似停止させた後に、これらの演出図柄をそのまま本停止させるハズレ報知演出が行われる。
一方、ノーマルショートリーチから他のリーチ演出に発展する変動演出パターンが設定されている場合、以下のような演出が行われる。例えば、ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)からノーマルロングリーチ(図6(G)参照)に発展してノーマルロングリーチにて当落を報知する変動演出パターンが設定されている場合、ノーマルショートリーチの終盤でノーマルロングリーチへの発展を示唆する所定の発展示唆演出が行われると共に中列の図柄列の高速スクロールが再開されて、ノーマルロングリーチへとリーチ演出が発展する。このノーマルロングリーチでは、例えば、表示画面70の中央領域にて所定のキャラクタが図柄揃いを期待させる演出表示が行われる。
なお、ノーマルロングリーチは、上記5種類のリーチ演出の中でノーマルショートリーチの次に大当たり信頼度が低いリーチ演出であり(例えば、大当たり信頼度:約2%)、大抵の場合、ノーマルロングリーチから他のリーチ演出に発展せずにノーマルロングリーチにてハズレ報知演出(図6(F)参照)行われるが、今回の第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであれば、ノーマルロングリーチにて当たり報知演出(図6(F)参照)が行われる場合もある。また、ノーマルロングリーチから他のリーチ演出(本実施形態では、第1SPリーチまたはSPSPリーチ)に発展する変動演出パターンが設定されている場合には、ノーマルロングリーチから第1SPリーチ(図6(H)参照)またはSPSPリーチ(図6(K)参照)にリーチ演出が発展することになる。
ここで、第1SPリーチは、ノーマルロングリーチの次に大当たり信頼度が低いリーチ演出であり(例えば、大当たり信頼度:約11%)、ノーマルロングリーチから第1SPリーチに発展する場合、以下のような演出が行われる。すなわち、リーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上を通過した後に中列の図柄列の高速スクロールが再開され、有効ライン上に擬似停止しているリーチ図柄(左図柄および右図柄)が、リーチ状態を維持したまま縮小されつつ、表示画面70の左上方領域および右上方領域へとそれぞれ移動する。そして、表示画面70の中央領域に第1SPリーチ演出画像が表示されて、大当たりを期待させる所定の演出表示が行われる。
一方、本実施形態の遊技機1では、ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)からノーマルロングリーチを経由せずに上記の第1SPリーチ(図6(H)参照)に発展する場合や、ノーマルショートリーチからノーマルロングリーチを経由せずに第2SPリーチ(図6(I)参照)に直接発展する場合や、ノーマルショートリーチからノーマルロングリーチを経由せずにSPSPリーチ(図6(K)参照)に直接発展する場合がある。
ここで、第2SPリーチは、第1SPリーチよりも大当たり信頼度が若干高いリーチ演出であり(例えば、大当たり信頼度:約12%)、ノーマルショートリーチから第2SPリーチに発展する場合、以下のような演出が行われる。すなわち、リーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上を通過した後に中列の図柄列の高速スクロールが再開され、有効ライン上に擬似停止しているリーチ図柄(左図柄および右図柄)が、リーチ状態を維持したまま縮小されつつ、表示画面70の左上方領域および右上方領域へとそれぞれ移動する。そして、表示画面70の中央領域に第2SPリーチ演出画像が表示されて、大当たりを期待させる所定の演出表示が行われる。
ところで、第1SPリーチと第2SPリーチとは、同様の画面構成にて大当たりを期待させる演出表示が行われるが、これらのリーチ演出は、その演出内容が互いに異なっている。具体的には、第1SPリーチでは、自キャラが敵キャラの攻撃を防ぎ切ったら大当たりとなり、逆に、自キャラが敵キャラの攻撃を防ぎ切れなければハズレとなる演出表示が行われる。一方の第2SPリーチはミッション演出として構成されており、自キャラがミッションに成功すると大当たりとなり、逆に、ミッションに失敗するとハズレとなる演出表示が行われる。
第1SPリーチや第2SPリーチに発展した場合、これらのリーチ演出の大当たり信頼度が相対的に低いことから、当落報知演出(図6(J)参照)にてハズレ報知演出の方が当たり報知演出よりも実行され易い。このため、第1SPリーチや第2SPリーチに発展した場合は、遊技者は、ノーマルロングリーチに発展した場合と同様に、SPSPリーチ(図6(K)参照)に発展することを期待することになる。
ここで、SPSPリーチ(図6(K))は、上記5種類のリーチ演出の中で大当たり信頼度が最も高いリーチ演出である。本実施形態では、図6に例示されるように、リーチ成立の直後にSPSPリーチへと直接発展する場合(図6(D)及び(K)参照)と、ノーマルショートリーチおよびノーマルロングリーチを経由してSPSPリーチに発展する場合(図6(E)、(G)、及び(K)参照)と、ノーマルショートリーチおよび第1SPリーチを経由してSPSPリーチに発展する場合(図6(E)、(H)、及び(K)参照)と、ノーマルショートリーチおよび第2SPリーチを経由してSPSPリーチに発展する場合(図6(E)、(I)、及び(K)参照)と、ノーマルショートリーチからSPSPリーチに直接発展する場合(図6(E)及び(K)参照)とがある。
詳細な説明は省略するが、SPSPリーチでは、表示画面70にSPSPリーチ演出画像が表示されて、自キャラと敵キャラとがバトルするバトル演出が実行されるが、今回の第1特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合は、自キャラが敵キャラに勝利する勝利演出および当たり報知演出が実行され、ハズレである場合は、自キャラが敵キャラに敗北する敗北演出およびハズレ報知演出が実行される。
一方、第1特別図柄および3つの図柄列の変動表示が開始されると(図6(A)参照)、その後に、後述する特殊変動演出(図6(L)参照)に発展して、この特殊変動演出の終盤で当落報知演出(当たり報知演出またはハズレ報知演出:図6(F)参照)が実行される場合もある。
(変動演出の具体例)
次に、図7,8を参照しつつ、通常遊技状態における変動演出の具体例について説明する。図7,8は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動表示に伴う演出の具体例を示す画面図であり、ここでは、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターンとして、ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)から直接発展したSPSPリーチ(図6(K)参照)においてハズレ報知演出が行われることになる変動パターンが選択された場合に実行される演出について説明する。
図7(A)には、表示画面70において、保留アイコン表示領域71に2つの保留アイコンが表示された状態で、当該アイコン表示領域72に表示されている当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知すべく、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、「526」のバラケ目を示す演出図柄が停止表示されている状態が例示されている。このように、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間(本実施形態では、0.6秒)が経過すると、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコン(ここでは、緑色の保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定が実行される。そして、この第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、第1特別図柄の変動パターンとして、ノーマルリーチからSPSPリーチに直接発展する変動演出パターンが選択されると、以下のような演出が行われる。
すなわち、最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行されたことに応じて第1特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、保留アイコン表示領域71に表示されている最先の保留アイコンが当該アイコン表示領域72にシフトし、保留アイコン表示領域71に表示されている残りの保留アイコンが保留アイコン表示領域71内で当該アイコン表示領域72側にシフトすると共に、3つの図柄列のスクロール表示が開始される(図7(A)及び(B)参照)。この3つの図柄列のスクロール表示が開始されてから所定時間が経過すると、例えば、所定のキャラクタがセリフを発する様子を表すセリフ予告演出画像を表示画面70に表示すると共に、そのセリフをスピーカ38から出力するセリフ予告が実行される(図7(C)参照)。このセリフ予告では、セリフを発するキャラクタの種類や、セリフの内容、セリフの文字色等によって、大当たり信頼度が示唆される。
上記のセリフ予告に続いて、擬似連演出が実行される場合がある。ここで、擬似連演出とは、1回の特別図柄(ここでは、第1特別図柄)の変動表示中に、演出図柄表示領域73に表示されている演出図柄が複数回変動表示されたように見せ掛ける演出である。この擬似連演出に関しては、以下のような演出表示が行われる。
すなわち、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば6図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して(先に擬似停止した左図柄とは異なる)右図柄(例えば4図柄)が擬似停止し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が低下して、擬似連演出の実行を報知する中図柄として7図柄が擬似停止する(図7(D)参照)。
このように、左図柄および右図柄として互いに異なる演出図柄が擬似停止した後に、中列に7図柄が擬似停止すると、擬似1連目の変動演出に続く擬似2連目の変動演出が開始される。具体的には、擬似2連目の変動演出の開始を示唆する「×2」の文字が表示画面70の中央領域に大きく表示された後に、この「×2」の文字が表示画面70の左上方領域に小さく表示され、これに伴い、演出図柄表示領域73において3つの図柄列のスクロール表示が再開される(図7(D)及び(E)参照)。この擬似2連目の変動演出が行われているときには、擬似1連目の変動演出中と同様に、例えばセリフ予告が実行される場合がある(図7(F)参照)。
上記のように、擬似2連目の変動演出中にセリフ予告が実行されると、今回の第1特別図柄の変動表示中における2回目の擬似連演出が実行される(図7(G)参照)。具体的には、図7(G)に例示されるように、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば2図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して右図柄(例えば5図柄)が擬似停止し、その後、中列の図柄列のスクロール速度が低下して中図柄として7図柄が擬似停止する。
この第1特別図柄の変動表示中における2回目の擬似連演出が実行されると、擬似2連目の変動演出に続く擬似3連目の変動演出が開始される。具体的には、擬似3連目の変動演出の開始を示唆する「×3」の文字が表示画面70の中央領域に大きく表示された後に、この「×3」の文字が表示画面70の左上方領域に小さく表示され、これに伴い、演出図柄表示領域73において3つの図柄列のスクロール表示が再開される(図7(G)及び(H)参照)。
そして、このようにして擬似3連目の変動演出が開始されてから所定時間が経過すると、左列の図柄列のスクロール速度が低下して左図柄(例えば3図柄)が擬似停止し、続いて、右列の図柄列のスクロール速度が低下して(左図柄と同じ)右図柄(ここでは3図柄)が擬似停止してリーチが成立する(図7(I)参照)。
なお、ここでは、リーチ成立前に各図柄列のスクロール表示を再開させる「リーチ前擬似連」が実行される場合を例に説明したが、リーチ成立後に各図柄列のスクロール表示を再開させる「リーチ後擬似連」が実行される場合もある。また、リーチ前擬似連とリーチ後擬似連が両方実行される場合もある。
上記のように、左図柄および右図柄として同一の演出図柄が擬似停止してリーチが成立すると、ノーマルショートリーチ(図6(E)参照)が実行される(図8(A)参照)。具体的には、図8(A)に例示されるように、リーチ成立後に中列の図柄列のスクロール速度が徐々に低下していき、リーチ図柄(ここでは左3図柄および右3図柄)と同じ中図柄(ここでは中3図柄)がリーチ図柄によって規定される有効ラインに近付いていく様子を表す演出表示が行われる。
ここで、ノーマルリーチからSPSPリーチへと発展する場合、以下のような演出表示が行われる。すなわち、中列の図柄列のスクロール表示が行われているときに、リーチ図柄と同じ中図柄(ここでは3図柄)が有効ライン上を通過し、これに伴い、中列の図柄列のスクロール速度が上昇して中図柄の識別が困難な状態となり、SPSPリーチに発展することを示唆する発展演出が行われる(図8(B)参照)。具体的には、図8(B)に例示されるように、左3図柄が縮小されながら表示画面70の左上方領域へと移動する過程でスクロール方向を軸方向として時計回りに1回転してから左上方領域へと移動し、同時に、右3図柄が縮小されながら表示画面70の右上方領域へと移動する過程でスクロール方向を軸方向として時計回りに1回転してから右上方領域へと移動する。その後、今回の第1特別図柄の変動表示の終盤まで、左3図柄は左上方領域において擬似停止表示され、右3図柄は右上方領域において擬似停止表示される(図8(C)~(G)参照)。
次に、上記のようにSPSPリーチへの発展を示唆する発展演出(図8(B)参照)に続いて、大当たりの可能性があることを予告する予告演出として、例えば群予告が行われる場合がある(図8(C)参照)。具体的には、図8(C)に例示されるように、多数のキャラクタが表示画面70上を右から左へと移動していく様子を表す演出表示が行われる。この群予告は、群を構成するキャラクタの種類によって大当たり信頼度が変化する。
上記のように発展演出および群予告を経てSPSPリーチが開始されると、SPSPリーチに係る演出画像であるSPSPリーチ演出画像が表示画面70に表示される(図8(D)参照)。これにより、例えば、主人公キャラと敵キャラとがバトルを行う様子を表す演出表示が行われる。その後、SPSPリーチの終盤に差し掛かると、第1演出ボタン35の操作を遊技者に促す第1演出ボタン操作促進演出が行われる(図8(E)参照)。具体的には、第1演出ボタン35を模した第1演出ボタン画像と、第1演出ボタン35の操作が有効な有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
この第1演出ボタン操作促進演出では、その有効期間中に第1演出ボタン35が操作されたタイミング、又は、第1演出ボタン35が操作されることなく有効期間が終了したタイミングで、大当たりの可能性があることを予告する予告演出として、例えば、表示画面70に表示されている(リーチ図柄以外の)演出画像に所定のカットイン画像を重畳表示させるカットインが行われる(図8(F)参照)。このカットインは、大当たり信頼度がどの程度であるかを示唆する演出であって、緑色のカットイン画像を重畳表示させる緑カットインが行われる場合と、赤色のカットイン画像を重畳表示させる赤カットインが行われる場合と、金色のカットイン画像を重畳表示させる金カットインが行われる場合とがあり、これらのカットインを大当たり信頼度が低いものから高いものの順に並べると、緑カットイン、赤カットイン、金カットインの順となる。
このようにカットインが発生してSPSPリーチの終盤になると、第2演出ボタン36の操作を遊技者に促す第2演出ボタン操作促進演出が行われる(図8(G)参照)。具体的には、図8(G)に例示されるように、第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中には、第2演出ボタン36を模した第2演出ボタン画像と、「押せ!」という第2演出ボタン36の操作内容を示す文字と、有効期間の残り時間を示す有効期間ゲージとが表示される。
この第2演出ボタン操作促進演出の有効期間中に第2演出ボタン36が操作されると、その操作に応じた操作対応演出として、リーチハズレ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させるハズレ報知演出が行われる(図8(H)参照)。
なお、ここでは、今回の第1特別図柄の変動表示開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であるために、操作対応演出としてハズレ報知演出が行われるが、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、操作対応演出として、ゾロ目を示す3つの演出図柄を擬似停止させてから本停止させる当たり報知演出が行われる。
[メインRAM83の構成例]
図9は、メインRAM83の記憶領域と各記憶領域に記憶される情報について説明するための説明図である。図9(A)に例示されるように、メインRAM83には、第1始動口21に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、判定用記憶領域830、特図1・第1保留記憶領域831、特図1・第2保留記憶領域832、特図1・第3保留記憶領域833、及び特図1・第4保留記憶領域834が設けられている。また、メインRAM83には、第2始動口22に遊技球が入賞した際に取得された取得情報等を記憶する記憶領域として、上記判定用記憶領域830、特図2・第1保留記憶領域835、特図2・第2保留記憶領域836、特図2・第3保留記憶領域837、及び特図2・第4保留記憶領域838が設けられている。
判定用記憶領域830は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域であり、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。そして、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、第2特別図柄判定の方が第1特別図柄判定よりも優先消化される。このため、判定用記憶領域830には、保留されている特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には特図2・第1保留記憶領域835に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている各種情報がシフトされる。
図9(B)に例示されるように、保留記憶領域831~838は、特別図柄判定の権利を保留するための情報を記憶する領域であって、それぞれ、メインCPU81によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、事前判定結果を示す情報である事前判定情報を記憶する領域等を含んでいる。
ここで、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数については、上述した通りである。事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図15参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口21に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
遊技機1では、第1始動口21に遊技球が入賞する毎に、図9(B)に基づいて説明した5つの情報が、特図1・第1保留記憶領域831から順に、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれかに格納される。また、第2始動口22に遊技球が入賞する毎に、上記5つの情報が、特図2・第1保留記憶領域835から順に、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838のいずれかに格納される。
例えば、判定用記憶領域830に情報が記憶されると共に特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれにも情報が記憶されていない状態で、第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特図1・第1保留記憶領域831に格納される。また、例えば、判定用記憶領域830、特図1・第1保留記憶領域831、及び特図1・第2保留記憶領域832のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて新たに取得された第1特別図柄判定に係る5つの情報が特図1・第3保留記憶領域833に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特図1・第2保留記憶領域832以降の第1特別図柄判定に係る保留記憶領域に記憶されている情報が特図1・第1保留記憶領域831側にシフトされる。例えば、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第3保留記憶領域833のそれぞれに情報が記憶された状態で特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報が判定用記憶領域830にシフトされると、特図1・第2保留記憶領域832に記憶されている情報が特図1・第1保留記憶領域831にシフトされ、特図1・第3保留記憶領域833に記憶されている情報が特図1・第2保留記憶領域832にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838においても同様に行われる。なお、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち特図1・第1保留記憶領域831と特図2・第1保留記憶領域835の両方に情報が記憶されている場合、特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834を対象とするシフト処理に先立って、特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838を対象とするシフト処理が優先して行われる。
ところで、特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中に第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。このため、メインCPU81は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を、特別図柄判定の権利を保留する情報として保留記憶領域831~838のいずれかの領域に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU81は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域830に直接格納する。
[メイン制御基板80によるメイン処理]
次に、図10を参照しつつ、メイン制御基板80において実行されるメイン処理について説明する。ここで、図10は、メイン制御基板80によって実行されるメイン処理を例示するフローチャートである。このメイン処理は、遊技機1の電源が投入されると開始され、メイン制御基板80が起動している間、継続して実行される。
メインCPU81は、まず、割込み時間を設定する処理等を含む所定の初期設定処理を実行する(ステップS100)。次に、メインRAM83に記憶されているバックアップフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS110)。ここで、バックアップフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS110:YES)、復旧処理を実行する(ステップS120)。この復旧処理については、図12に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS120の処理を実行した場合、又は、バックアップフラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS110:NO)、ステップS180の割込み処理の割込みを禁止する割込み禁止処理を実行し(ステップS140)、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS150)。この電源遮断監視処理については、図11に基づいて後に詳述する。
ステップS150の処理に続いて、メインCPU81は、後述する乱数更新処理(図13のステップS1参照)と同様の乱数更新処理を実行し(ステップS160)、ステップS180における割込み処理の割込みを許可する割込み許可処理を実行する(ステップS170)。
[メイン制御基板80による電源遮断監視処理]
次に、図11を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される電源遮断監視処理について説明する。ここで、図11は、図10のステップS150における電源遮断監視処理の詳細フローチャートである。
メインCPU81は、ステップS140の処理に続いて、図11に例示されるように、例えば、不図示の電源基盤から電源遮断信号が入力されたか否かに基づいて、電源が遮断されるか否かを判定する(ステップS151)。ここで、電源が遮断されないと判定された場合(ステップS151:NO)、上述したステップS160に処理が進められる。
一方、メインCPU81は、電源が遮断されたと判定した場合(ステップS151:YES)、遊技状態等のデータをメインRAM83の所定領域に格納するRAM領域格納処理を実行し(ステップS152)、バックアップフラグを「ON」に設定し(ステップS153)、メインRAM83へのアクセスを禁止するRAMアクセス禁止処理を実行する(ステップS154)。
このステップS152~ステップS154の処理は、メイン制御基板80に電力を供給する電源の電源断開始によって電源電圧が低下し始めてから、電源電圧が「0」になるまでの期間中に行われる。
[メイン制御基板80による復旧処理]
次に、図12を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される復旧処理について説明する。ここで、図12は、図10のステップS120における復旧処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、バックアップフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS110:YES)、図12に例示されるように、電源復旧時におけるメインRAM83の作業領域を設定する作業領域設定処理を実行する(ステップS121)。次に、メインCPU81は、上述したステップS152(図11参照)の処理でメインRAM83に格納したデータに基づいて、電源遮断時に大当たり遊技中であったか否かを判定する(ステップS122)。
メインCPU81は、電源遮断時に大当たり遊技中であったと判定した場合(ステップS122:YES)、遊技状態を電源遮断直前の大当たり遊技状態に復旧させる大当たり遊技状態復旧処理を実行する(ステップS123)。
一方、メインCPU81は、電源遮断時に大当たり遊技状態ではなかったと判定した場合(ステップS122:NO)、ステップS152の処理でメインRAM83に格納したデータに基づいて、電源遮断時に確変遊技状態であったか否かを判定する(ステップS124)。ここで、電源遮断時に確変遊技状態であったと判定した場合(ステップS124:YES)、遊技状態を電源遮断直前の確変遊技状態に復旧させる確変遊技状態復旧処理を実行する(ステップS125)。
メインCPU81は、電源遮断時に確変遊技状態ではなかったと判定した場合(ステップS124:NO)、ステップS152の処理でメインRAM83に格納したデータに基づいて、電源遮断時に時短遊技状態であったか否かを判定する(ステップS126)。ここで、電源遮断時に時短遊技状態であったと判定した場合(ステップS126:YES)、遊技状態を電源遮断直前の時短遊技状態に復旧させる時短遊技状態復旧処理を実行する(ステップS127)。逆に、電源遮断時に時短遊技状態ではなかったと判定した場合(ステップS126:NO)、すなわち、電源遮断時に通常遊技状態であった場合、遊技状態を電源遮断直前の通常遊技状態に復旧させる通常遊技状態復旧処理を実行する(ステップS128)。
メインCPU81は、ステップS123の処理を実行した場合、ステップS125の処理を実行した場合、ステップS127の処理を実行した場合、又は、ステップS128の処理を実行した場合、サブ制御基板90、画像音響制御基板100、ランプ制御基板120、払出制御基板130等の周辺装置に関する設定を行う周辺装置設定処理を実行し(ステップS129)、バックアップフラグを「OFF」に設定する(ステップS130)。
[メイン制御基板80による割込み処理]
次に、図13を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される割込み処理について説明する。ここで、図13は、図10のステップS180における割込み処理の詳細フローチャートである。メイン制御基板80は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図13に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図13以降のフローチャートに基づいて説明するメイン制御基板80の処理は、メインROM82に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU81が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU81は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU81は、第1始動口センサ211、第2始動口センサ221、ゲートセンサ251の各センサからの検知信号が入力されたことに応じて各種の乱数を取得する処理を含むセンサ検知処理を実行する(ステップS2)。このセンサ検知処理については、図14に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄判定を実行して、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図16に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器43に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU81は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口22を開放すると判定した場合に、開閉部材23を動作させる第2始動口ソレノイド222を制御して第2始動口22を開閉する第2始動口開閉制御処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS3の特別図柄処理において実行される大当たり判定処理で「大当たり」であると判定した場合に、第1大入賞口ソレノイド262(又は第2大入賞口ソレノイド282)を制御して第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)を開閉する大入賞口開閉制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU81は、払出制御基板130から送信された情報(本実施形態では、払出異常検知コマンド、払出異常解消コマンド、下皿満タン検知コマンド、下皿満タン解消コマンド、球無し検知コマンド、又は、球無し解消コマンド:図23参照)を受信したことに応じて所定の処理を行う情報受信処理を実行する(ステップS7)。この情報受信処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU81は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを払出制御基板130に対して指示するための賞球払出指示処理を実行する(ステップS8)。この賞球払出指示処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS8の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS8以前の処理ステップにおいてメインRAM83にセット(格納)された各種コマンドを払出制御基板130やサブ制御基板90に送信したり、演出内容を決定するために必要な情報をサブ制御基板90に送信したりする送信処理を実行する(ステップS9)。
[メイン制御基板80によるセンサ検知処理]
図14は、図13のステップS2におけるセンサ検知処理の詳細フローチャートである。図14に例示されるように、メインCPU81は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、ゲートセンサ251からの検知信号の入力の有無に基づいて、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知したと判定した場合(ステップS201:YES)、メインRAM83に記憶されている普通図柄判定の保留数Fが、予め設定されている普通図柄判定の最大保留数Fmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
メインCPU81は、保留数Fが「4」未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数Fを「1」加算した値に更新し(ステップS203)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される普通図柄乱数に関して、ゲート25に対する遊技球の通過を検知したタイミングの値を取得して、メインRAM83の所定領域に格納する(ステップS204)。
一方、メインCPU81は、ステップS204の処理を実行した場合、ゲートセンサ251がゲート25に対する遊技球の通過を検知していないと判定した場合(ステップS201:NO)、保留数Fが「4」未満ではないと判定した場合(ステップS202:NO)、第2始動口センサ221からの検知信号の入力の有無に基づいて、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS206)。ここで、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS206:YES)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が、予め設定されている第2特別図柄判定の最大保留数T2max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS207)。
メインCPU81は、保留数T2が「4」未満であると判定した場合(ステップS207:YES)、保留数T2を「1」加算した値に更新し(ステップS208)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS209)。
このように、保留数T2が最大保留数T2max未満の状態で第2始動口22に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第2特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第2特別図柄判定および第2特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特図2・第1保留記憶領域835~特図2・第4保留記憶領域838のいずれかの領域に格納される。
メインCPU81は、ステップS209の処理を実行した場合、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS210)。メインRAM83には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、第2始動口22に遊技球が入賞し難い低ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「OFF」に設定され、第2始動口22に遊技球が入賞し易い高ベース状態となるように開閉部材23の動作を制御する場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU81は、ステップS210において、この時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
メインCPU81は、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、第2特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS211)。具体的には、第2始動口22に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図17参照)や変動パターン選択処理(図18参照)が実行されるのに先立って、ステップS209の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行された際に第2特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第2特別図柄判定の保留数T2が「0」の状態で第2始動口22に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第2特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第2特別図柄判定は保留されないため、第2特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、図15に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS211の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS210:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS212)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS9の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS211の事前判定処理が行われることなくステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS211の事前判定処理が行われた後にステップS212の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
一方、メインCPU81は、ステップS212の処理を実行した場合、第2始動口センサ221が第2始動口22に対する遊技球の入賞を検知していないと判定した場合(ステップS206:NO)、第2特別図柄判定の保留数T2が「4」未満ではないと判定した場合(ステップS207:NO)、第1始動口センサ211からの検知信号の入力の有無に基づいて、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したか否かを判定する(ステップS214)。ここで、第1始動口センサ211が第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したと判定した場合(ステップS214:YES)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が、予め設定されている第1特別図柄判定の最大保留数T1max(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS215)。
メインCPU81は、保留数T1が「4」未満であると判定した場合(ステップS215:YES)、保留数T1を「1」加算した値に更新し(ステップS216)、ステップS1の乱数更新処理が行われる毎に更新される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に関して、第1始動口21に対する遊技球の入賞を検知したタイミングの値をそれぞれ取得する(ステップS217)。
このように、保留数T1が最大保留数T1max未満の状態で第1始動口21に対する遊技球の入賞が検知されるという取得条件の成立に応じて、第1特別図柄判定に係る各種の乱数が取得される。なお、第1特別図柄判定および第1特別図柄の変動表示を直ちに実行可能な状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は判定用記憶領域830に直接格納され、直ちに実行できない状況で各種の乱数が取得された場合には、これらの乱数は特図1・第1保留記憶領域831~特図1・第4保留記憶領域834のいずれかの領域に格納される。
メインCPU81は、ステップS217の処理を実行した場合、ステップS210の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS218)。ここで、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、第1特別図柄判定の保留に係る事前判定処理を実行する(ステップS219)。具体的には、第1始動口21に遊技球が入賞したことに応じて取得した各種乱数に基づいて、後述する大当たり判定処理(図17参照)や変動パターン選択処理(図18参照)が実行されるのに先立って、ステップS217の処理で取得された各種乱数に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行された際に第1特別図柄の変動パターンとしてどの変動パターンが選択されるかを事前判定する事前判定処理を実行する。この事前判定処理の結果である事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数等が記憶されているのと同じ保留記憶領域に格納される。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1が「0」の状態で第1始動口21に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数が判定用記憶領域830に直接格納されて、これらの乱数に基づく第1特別図柄判定が直ちに実行される。この場合、第1特別図柄判定は保留されないため、第1特別図柄判定に係る事前判定処理は行われない。このような事前判定処理については、図15に基づいて後に詳述する。
メインCPU81は、ステップS219の処理を実行した場合、又は高ベース状態であると判断した場合(ステップS218:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS220)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであり、ステップS9の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。なお、ステップS219の事前判定処理が行われることなくステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含まない保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。一方、ステップS219の事前判定処理が行われた後にステップS220の処理が行われた場合には、事前判定情報を含む保留コマンドがサブ制御基板90に送信される。
[メイン制御基板80による事前判定処理]
以下、図15を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図15は、図14のステップS211,219における事前判定処理の詳細フローチャートである。なお、ここでは、第1特別図柄判定の権利が保留された場合に行われる事前判定処理を例に説明を行うが、使用される乱数やテーブルが異なる点を除き、第2特別図柄判定の権利が保留された場合にも同様の事前判定処理が行われる。
メインCPU81は、図14のステップS210の処理で高ベース状態であると判断した場合(ステップS210:YES)、又は図14のステップS218の処理で高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS218:NO)、大当たり判定処理を実行する(ステップS2191)。具体的には、低確率状(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)である場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。一方、高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)である場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする。そして、図14のステップS209の処理(又は図14のステップS217の処理)で取得した大当たり乱数が、メインRAM83にセットした大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
次に、メインCPU81は、ステップS2191の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2192)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2192:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2193)。
一方、メインCPU81は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2192:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2194)。具体的には、ステップS2191の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU81は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2194:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS2195)。
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて第1特別図柄の変動パターンが決定される。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後では第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な第1特別図柄の変動パターンを取得できない場合がある。
このため、リーチ演出が行われないとメインCPU81によって判定された場合には(ステップS2194:NO)、後述するステップS2196の変動パターン乱数判定処理が行われることなくステップS2197に処理が進められる。
メインCPU81は、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2196)。具体的には、ステップS2191の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM83にセットされている変動パターン選択テーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU81は、ステップS2196の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2194:NO)、事前判定情報を生成してメインRAM83に格納する(ステップS2197)。この事前判定情報が格納される領域については、図9に基づいて上述した通りである。
このように、メインCPU81は、遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定処理や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
[メイン制御基板80による特別図柄処理]
次に、図16を参照しつつ、メイン制御基板80によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図16は、図13のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図16に例示されるように、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU81は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM83に記憶されている第2特別図柄判定の保留数T2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数T2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数T2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU81は、保留数T2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数T1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、保留数T1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
メインCPU81は、ステップS304の処理またはステップS306の処理を実行した場合、情報シフト処理を実行する(ステップS307)。具体的には、ステップS304の処理に続いてステップS307の処理を実行する場合、特図2・第1保留記憶領域835に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特図2・第2保留記憶領域836以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特図2・第1保留記憶領域835側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。一方、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合、特図1・第1保留記憶領域831に記憶されている情報を判定用記憶領域830にシフトさせるシフト処理を実行する。その際、特図1・第2保留記憶領域832以降の保留記憶領域にも情報が記憶されている場合には、これらの情報を特図1・第1保留記憶領域831側にシフトさせるシフト処理も併せて実行する。
メインCPU81は、ステップS307のシフト処理によって大当たり乱数や図柄乱数等の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)に必要な情報を判定用記憶領域830に格納すると、これらの情報に基づいて、ステップS308の大当たり判定処理とステップS309の変動パターン選択処理を実行する。
なお、大当たり遊技中ではなく、特別図柄の変動表示中でもなく、第1特別図柄判定の保留数T1と第2特別図柄判定の保留数T2が両方とも「0」の状態で遊技球が第1始動口21(又は第2始動口22)に入賞した場合、その入賞に応じて取得された大当たり乱数や図柄乱数等の情報が判定用記憶領域830に直接格納される。このような場合は、ステップS307のシフト処理が実行されることなく、大当たり判定処理および変動パターン選択処理が実行されることになる。
メインCPU81は、判定用記憶領域830に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS308)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類(大当たり図柄)が決定されることになる。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM83にセットされる。この大当たり判定処理については、図17に基づいて後に詳述する。
ステップS308の大当たり判定処理に続いて、メインCPU81は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS309)。この変動パターン選択処理については、図18に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS308の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS309の処理で選択した変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS310)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS9の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70における演出図柄の変動表示を含む変動演出が開始されることになる。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS310の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS311)。その際、判定用記憶領域830に第1特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308~ステップS310の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41における第1特別図柄の変動表示を開始する。一方、判定用記憶領域830に第2特別図柄判定に係る情報が記憶された状態でステップS308~ステップS310の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42における第2特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU81は、ステップS311における特別図柄の変動表示を開始してからの経過時間の計測を開始する(ステップS312)。メインCPU81は、ステップS312の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS312の処理で計測を開始した経過時間が、ステップS309の変動パターン選択処理で選択された変動パターンの変動時間に到達したか否かを判定する(ステップS313)。ここで、経過時間が変動時間に到達していないと判定された場合(ステップS313:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU81は、経過時間が変動時間に到達したと判定した場合(ステップS313:YES)、特別図柄の変動表示が終了することを通知する変動終了コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS314)。この変動終了コマンドは、ステップS9における送信処理によってサブ制御基板90に送信される。これにより、表示画面70に変動表示されていた演出図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS314の処理に続いて、メインCPU81は、ステップS311の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS315)。具体的には、ステップS308の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば0.6秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU81は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS315の処理に続いて、メインCPU81は、上記ステップS312の処理で計測を開始した経過時間をリセットし(ステップS316)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む特図停止時処理を実行する(ステップS317)。この特図停止時処理については、図19に基づいて後に詳述する。
[メイン制御基板80による大当たり判定処理]
図17は、図16のステップS308における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、まず、判定用記憶領域830に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3081)。具体的には、判定用記憶領域830に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では「確変遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では「通常遊技状態」がこれに該当)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
このように、メインCPU81は、第1始動口21又は第2始動口22に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域830に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3081の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する(ステップS3082)。ここで、大当たり判定の判定結果が「大当たり」ではないと判断した場合(ステップS3082:NO)、すなわち大当たり判定の判定結果が「ハズレ」である場合、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3083)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されることになる。この場合、大当たり遊技は行われない。
一方、メインCPU81は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」であると判断した場合(ステップS3082:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される大当たり図柄を選択する大当たり図柄選択処理を実行する(ステップS3084)。具体的には、ステップS3081の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域830に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。また、図柄乱数が第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの大当たり図柄の乱数値と一致するかに基づいて、いずれかの大当たり図柄を選択する。
そして、メインCPU81は、選択した大当たり図柄の設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3085)。これにより、上記ステップS315の処理の際に、ここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示され、その後、その大当たり図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
[メイン制御基板80による変動パターン選択処理]
図18は、図16のステップS309における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、図16のステップS308における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3081の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3091)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3091:YES)、大当たり用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3092)。
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3091:NO)、判定用記憶領域830に記憶されているリーチ乱数がメインROM82に記憶されているリーチ乱数の当選値(リーチ有り演出に対応する乱数値)と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3093)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3093:YES)、リーチハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3094)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3093:NO)、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルをメインROM82から読み出してメインRAM83にセットする(ステップS3095)。
メインCPU81は、ステップS3092の処理、ステップS3094の処理、又はステップS3095の処理によってメインRAM83にセットされた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3096)。具体的には、大当たり用変動パターン選択テーブル又はリーチハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、判定用記憶領域830に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。また、リーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルがメインRAM83にセットされた場合、メインRAM83に記憶されている第1特別図柄判定の保留数T1(又は第2特別図柄判定の保留数T2)に基づいて保留数を特定し、特定した保留数に対応する変動パターンをリーチ無しハズレ用変動パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の変動パターンを選択する。このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU81は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM83にセットする(ステップS3097)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS308の大当たり判定処理によってメインRAM83にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれてサブ制御基板90に送信される。
[メイン制御基板80による特図停止時処理]
図19は、図16のステップS317における特図停止時処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、上記ステップS316の処理によって経過時間をリセットした後、図19に例示されるように、ステップS3082(図17参照)の処理と同様に、大当たりであるか否かを判断する(ステップS3171)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3171:YES)、メインRAM83に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS3172)。
次に、メインCPU81は、メインRAM83に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定し(ステップS3173)、同じくメインRAM83に記憶されている時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3174)。ここで、確変遊技フラグは、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高い高確率状態であるか否かを示すフラグである。
本実施形態の遊技機1では、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの設定により遊技状態が制御される。すなわち、遊技状態を「確変遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「ON」に設定される。また、遊技状態を「通常遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグおよび時短遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。また、遊技状態を「時短遊技状態」に制御する場合には、確変遊技フラグが「OFF」に設定されると共に時短遊技フラグが「ON」に設定される。
ステップS3174の処理に続いて、メインCPU81は、大当たり遊技が開始されることを通知するためのオープニングコマンドをメインRAM83にセットする(ステップS3175)。このオープニングコマンドは、大当たりの種類、大当たり遊技中の第1大入賞口26(又は第2大入賞口28)の開放パターン等の情報を含むものであり、ステップS9の送信処理によってサブ制御基板90に送信される。
一方、メインCPU81は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3171:NO)、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3176)。ここで、確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3176:YES)、すなわち特別図柄判定が高確率状態で行われている場合、メインRAM83に記憶されている高確率遊技残回数Kを「1」減算した値に更新する(ステップS3177)。この高確率遊技残回数Kは、高確率状態で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3177の処理に続いて、メインCPU81は、高確率遊技残回数Kが「0」であるか否かを判定する(ステップS3178)。ここで、高確率遊技残回数Kが「0」であると判定した場合(ステップS3178:YES)、確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3179)。これにより、特別図柄判定が低確率状態で行われるようになる。
メインCPU81は、ステップS3179の処理を実行した場合、確変遊技フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS3176:NO)、又は高確率遊技残回数Kが「0」ではないと判定した場合(ステップS3178:NO)、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS3180)。ここで、時短遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS3180:YES)、メインRAM83に記憶されている時短遊技残回数Jを「1」減算した値に更新する(ステップS3181)。この時短遊技残回数Jは、時短状態(高ベース状態)で特別図柄判定が実行される残り回数を示すものである。
ステップS3181の処理に続いて、メインCPU81は、時短遊技残回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS3182)。ここで、時短遊技残回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS3182:YES)、時短遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS3183)。これにより、第2始動口22への遊技球の入賞を容易にするサポート機能が付与されなくなる。
[メイン制御基板80による遊技状態設定処理]
図20は、メイン制御基板80において大当たり遊技終了時に実行される遊技状態設定処理を例示するフローチャートである。遊技機1では、ステップS6の大入賞口開閉制御処理によって大当たり遊技が実行されるが、この大当たり遊技におけるエンディング期間が終了すると、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
メインCPU81は、大当たり遊技中において、大当たり遊技におけるエンディング期間が終了したか否かを判定する(ステップS631)。ここで、エンディング期間が終了したと判定した場合(ステップS631:YES)、例えば、メインRAM83にセットした図柄の設定情報に基づいて、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判定する(ステップS632)。ここで、確変大当たりであると判定した場合(ステップS632:YES)、確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS633)、高確率遊技残回数Kを例えば「10000」に設定する(ステップS634)。これらのステップS633の処理およびステップS634の処理が行われることにより、10000回の特別図柄判定が実行されるまで高確率状態が継続することになる。
次に、メインCPU81は、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS635)、時短遊技残回数Jを例えば「10000」に設定する(ステップS636)。これらのステップS635の処理およびステップS636の処理が行われることにより、10000回の特別図柄判定が実行されるまで高ベース状態が継続することになる。このように、ステップS633~ステップS636の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから10000回の特別図柄判定が実行されるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
一方、メインCPU81は、今回の大当たりが確変大当たりではないと判定した場合(ステップS632:NO)、すなわち今回の大当たりが通常大当たりである場合、ステップS635の処理と同様に時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS637)、時短遊技斬回数Jを例えば「100」に設定する(ステップS638)。このように、ステップS637の処理およびステップS638の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから100回の特別図柄判定が実行されるまで時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
[メイン制御基板80による情報受信処理]
次に、図21を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される情報受信処理について説明する。ここで、図21は、図13のステップS7における情報受信処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、ステップS6の大入賞口開閉制御処理(図13参照)に続いて、図21に例示されるように、払出制御基板130から送信された異常検知情報を受信したか否かを判定する(ステップS71)。本実施形態では、異常検知情報として、図23に例示される払出異常検知コマンド、下皿満タン検知コマンド、又は球無し検知コマンドが払出制御基板130からメイン制御基板80に送信される。このため、メインCPU81は、上記ステップS71において、払出異常検知コマンド、下皿満タン検知コマンド、又は球無し検知コマンドを払出制御基板130から受信したか否かを判定する。
ここで、払出異常検知コマンドは、払出装置140が遊技球を所定時間以上連続して払い出す払出異常や、遊技球が払い出されていない(払出モータ141が駆動していない)にも拘わらず払出検知センサ142によって遊技球が所定時間以上連続して検知される球詰まりが発生した場合に、これらの異常発生を通知すべく払出制御基板130からメイン制御基板80に送信されるコマンドである。下皿満タン検知コマンドは、下皿34が遊技球で満タンになる下皿満タンエラーが発生した場合に、この下皿満タンエラーの発生を通知すべく払出制御基板130からメイン制御基板80に送信されるコマンドである。球無し検知コマンドは、払出装置140に供給される遊技球が無くなる球切れが発生した場合に、その球切れの発生を通知すべく払出制御基板130からメイン制御基板80に送信されるコマンドである。
メインCPU81は、払出制御基板130から送信された異常検知情報を受信したと判定した場合(ステップS71:YES)、異常検知通知コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS72)。具体的には、異常検知情報として払出異常検知コマンドを受信した場合は、払出装置140の異常が発生したことを通知する情報を含む異常検知通知コマンドをメインRAM83にセットする。また、異常検知情報として下皿満タン検知コマンドを受信した場合は、下皿満タンエラーが発生したことを通知する情報を含む異常検知通知コマンドをメインRAM83にセットする。また、異常検知情報として球無し検知コマンドを受信した場合は、払出装置140に供給される遊技球が無くなる球切れが発生したことを通知する情報を含む異常検知通知コマンドをメインRAM83にセットする。
このステップS72の処理でメインRAM83にセットされた異常検知通知コマンドは、ステップS9の送信処理(図13参照)によって、メイン制御基板80からサブ制御基板90に送信される。これに対して、サブ制御基板90のサブCPU91は、払出装置140の異常が発生したことを通知する情報、又は払出装置140に供給される遊技球に関する球切れが発生したことを通知する情報を含む異常検知通知コマンドを受信した場合は、例えば「係員を呼んでください」といったエラーメッセージの表示開始と、所定のエラー報知パターンで枠ランプ37を発光させるエラー発光の開始とを指示する異常報知開始コマンドを画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信する。また、サブCPU91は、下皿満タンエラーが発生したことを通知する情報を含む異常検知通知コマンドを受信した場合は、例えば「下皿が満タンです、球を抜いてください」といった音声のスピーカ38からの出力開始と、所定のエラー報知パターンで盤面ランプ5を発光させるエラー発光の開始とを指示する異常報知開始コマンドを画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信する。
このように、メインCPU81は、払出装置140の異常(例えば、払出異常、球詰まり、球切れ)が検知されたことを通知する異常検知情報が払出制御基板130から送信された場合に、その異常検知情報を受信し、異常報知を実現するために、異常検知通知コマンドをメインRAM83にセットする。
メインCPU81は、ステップS72の処理を実行した場合、又は、異常検知情報を受信していないと判定した場合(ステップS71:NO)、払出制御基板130から送信された解消情報を受信したか否かを判定する(ステップS73)。本実施形態では、解消情報として、図23に例示される払出異常解消コマンド、下皿満タン解消コマンド、又は球無し解消コマンドが払出制御基板130からメイン制御基板80に送信されるので、メインCPU81は、上記ステップS73において、払出異常解消コマンド、下皿満タン解消コマンド、又は球無し解消コマンドを払出制御基板130から受信したか否かを判定する。
ここで、払出異常解消コマンドは、上記の払出異常または球詰まりが解消された場合に、払出異常または球詰まりの解消を通知すべく払出制御基板130からメイン制御基板80に送信されるコマンドである。下皿満タン解消コマンドは、上記の下皿満タンエラーが解消された場合に、その下皿満タンエラーの解消を通知すべく払出制御基板130からメイン制御基板80に送信されるコマンドである。球無し解消コマンドは、上記の球切れが解消された場合に、その球切れの解消を通知すべく払出制御基板130からメイン制御基板80に送信されるコマンドである。
メインCPU81は、払出制御基板130から送信された解消情報を受信したと判定した場合(ステップS73:YES)、異常検知通知コマンドによって通知した異常が解消されたことを通知する異常解消通知コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS74)。
このステップS74の処理でメインRAM83にセットされた異常解消通知コマンドは、ステップS9の送信処理(図13参照)によって、メイン制御基板80からサブ制御基板90に送信される。これに対して、サブCPU91は、異常報知開始コマンドによって開始させた異常報知の終了を指示する異常報知終了コマンドを画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信する。これにより、「係員を呼んでください」といったエラーメッセージの表示中や、所定のエラー報知パターンで枠ランプ37が発光中である場合には、これらのエラーメッセージの表示と枠ランプ37の発光が終了する。また、「下皿が満タンです、球を抜いてください」といった音声の出力中や、所定のエラー報知パターンで盤面ランプ5が発光中である場合には、これらの音声の出力と盤面ランプ5の発光が終了する。
このように、メインCPU81は、サブ制御基板90および画像音響制御基板100を介して、異常検知情報を受信してから解消情報を受信するまでの間、払出装置140の異常に関する示唆を画像表示装置7、スピーカ38、枠ランプ37、盤面ランプ5に実行させる。
[メイン制御基板80による賞球払出指示処理]
次に、図22を参照しつつ、メイン制御基板80において実行される賞球払出指示処理について説明する。ここで、図22は、図13のステップS8における賞球払出指示処理の詳細フローチャートである。メインCPU81は、ステップS7の情報受信処理(図13参照)に続いて、図22に例示されるように、第1始動口センサ211からの検知信号の有無に基づいて、第1始動口センサ211が遊技球を検知したか否かを判定する(ステップS801)。ここで、第1始動口センサ211が遊技球を検知したと判定した場合(ステップS801:YES)、メインRAM83に記憶されている払出賞球数を「4」に設定する(ステップS802)。
払出賞球数は、遊技球が入賞していない状態では「0」に設定されており、ステップS802の処理、ステップS804の処理、ステップS806の処理、ステップS808の処理、又はステップS810の処理が実行されることによって、「1」以上の値に更新される。
メインCPU81は、ステップS802の処理を実行した場合、又は、第1始動口センサ211が遊技球を検知していないと判定した場合(ステップS801:NO)、第2始動口センサ221からの検知信号の有無に基づいて、第2始動口センサ211が遊技球を検知したか否かを判定する(ステップS803)。ここで、第2始動口センサ211が遊技球を検知したと判定した場合(ステップS803:YES)、払出賞球数を「1」に設定する(ステップS802)。
メインCPU81は、ステップS804の処理を実行した場合、又は、第2始動口センサ221が遊技球を検知していないと判定した場合(ステップS803:NO)、一般入賞口センサ241からの検知信号の有無に基づいて、一般入賞口センサ241が遊技球を検知したか否かを判定する(ステップS805)。ここで、一般入賞口センサ241が遊技球を検知したと判定した場合(ステップS805:YES)、払出賞球数を「3」に設定する(ステップS806)。
メインCPU81は、ステップS806の処理を実行した場合、又は、一般入賞口センサ241が遊技球を検知していないと判定した場合(ステップS805:NO)、第1大入賞口センサ261からの検知信号の有無に基づいて、第1大入賞口センサ261が遊技球を検知したか否かを判定する(ステップS807)。ここで、第1大入賞口センサ261が遊技球を検知したと判定した場合(ステップS807:YES)、払出賞球数を「10」に設定する(ステップS808)。
メインCPU81は、ステップS808の処理を実行した場合、又は、第1大入賞口センサ261が遊技球を検知していないと判定した場合(ステップS807:NO)、第2大入賞口センサ281からの検知信号の有無に基づいて、第2大入賞口センサ281が遊技球を検知したか否かを判定する(ステップS809)。ここで、第2大入賞口センサ281が遊技球を検知したと判定した場合(ステップS809:YES)、払出賞球数を「10」に設定する(ステップS810)。
メインCPU81は、ステップS810の処理を実行した場合、又は、第2大入賞口センサ281が遊技球を検知していないと判定した場合(ステップS809:NO)、払出賞球数が「1」以上の値に設定されているか否かを判定する(ステップS811)。ここで、払出賞球数が「1」以上の値に設定されていると判定した場合(ステップS811:YES)、払出コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS812)。
この払出コマンドは、払出制御基板130に対して賞球の払い出しを指示するコマンドであって、メインRAM83に記憶されている払出賞球数を含み、上述したステップS9の送信処理(図13参照)によって、メイン制御基板80から払出制御基板130に送信される。すなわち、払出装置140を払出制御基板130に制御させるためのコマンドが、メイン制御基板80から払出制御基板130に送信される。これに対して、払出制御基板130の払出CPU131は、払出モータ141の駆動を開始させ、払出検知センサ142によって検知される遊技球の個数が(払出コマンドに含まれる)払出賞球数に達すると払出モータ141を停止させる。これにより、払出コマンドによって指示された個数の賞球が上皿33または下皿34に払い出される。
一方、メインCPU81は、払出賞球数が「1」以上の値に設定されていないと判定した場合(ステップS811:NO)、制御可能状態通知コマンドをメインRAM83にセットする(ステップS813)。
この制御可能状態通知コマンドは、メイン制御基板80が遊技制御を実行可能であることや、必要な制御を実現するためにサブ制御基板90や払出制御基板130に対してコマンドを送信可能な状態であることを通知するために、メイン制御基板80から払出制御基板130に対して送信されるコマンドである。この制御可能状態通知コマンドは、上述したステップS9の送信処理(図13参照)によって払出制御基板130に送信される(図23参照)。
ステップS8の賞球払出指示処理を含む割込み処理(図13参照)が繰り返し実行されることによって、払出制御基板130の払出CPU131は、払出コマンドおよび制御可能状態通知コマンドのいずれか一方を受信可能であり、これらのコマンドのいずれか一方を受信したことに基づいて、メイン制御基板80が制御可能状態であることを認識することが可能である。
なお、本実施形態では、払出コマンドが制御可能状態通知コマンドと同様の機能を有しているため、払出コマンドが払出制御基板130に送信される場合には、制御可能状態通知コマンドを払出制御基板130に送信しない場合を例に説明を行う。これに対して、他の実施形態では、メイン制御基板80から払出制御基板130に対して払出コマンドが送信されるか否かに関わらず、割込み処理において制御可能状態通知コマンドを払出制御基板130へ断続的に繰り返し送信するといった構成を採用してもよい。言い換えれば、制御可能状態通知コマンドのみが送信される場合と、制御可能状態通知コマンドおよび払出コマンドの両方が送信される場合とがあるといった構成を採用してもよい。
[コマンドの種類]
図23は、メイン制御基板80と払出制御基板130との間で送受信されるコマンドを例示する説明図である。図23に例示される各コマンドについては上述した通りであるが、メイン制御基板80から払出制御基板130に対しては、払出コマンド、制御可能状態通知コマンドが送信される。また、払出制御基板130からメイン制御基板80に対しては、払出異常検知コマンド、払出異常解消コマンド、下皿満タン検知コマンド、下皿満タン解消コマンド、球無し検知コマンド、球無し解消コマンドが送信される。
[払出制御基板130によるメイン処理]
次に、図24を参照しつつ、払出制御基板130において実行されるメイン処理について説明する。ここで、図24は、払出制御基板130によって実行されるメイン処理を例示するフローチャートである。このメイン処理は、遊技機1の電源が投入されると開始され、払出制御基板130が起動している間、継続して実行される。
払出CPU131は、図24に例示されるように、まず、払出RAM133を初期化するRAM初期化処理を実行し(ステップS400)、払出制御基板130における各種デバイスの初期設定を行うデバイス初期設定処理を実行する(ステップS410)。このデバイス初期設定処理が実行されるとループ処理となり、このループ処理中にステップS420の割込み処理が2ms毎に実行される。
[払出制御基板130による割込み処理]
次に、図25を参照しつつ、払出制御基板130において実行される割込み処理について説明する。ここで、図25は、図24のステップS420における割込み処理の詳細フローチャートである。
払出CPU131は、まず、払出装置140による遊技球(賞球)の払い出しを制御する払出制御処理を実行する(ステップS421)。この払出制御処理については、図26に基づいて後に詳述する。
ステップS421の処理に続いて、払出CPU131は、払出装置140の異常(ここでは、払出異常や球詰まり)を検知する処理を含む払出異常検知処理を実行する(ステップS422)。この払出異常検知処理については、図27に基づいて後に詳述する。
ステップS422の処理に続いて、払出CPU131は、所定の払出異常解消処理を実行する(ステップS423)。この払出異常解消処理については、図28に基づいて後に詳述する。
ステップS423の処理に続いて、払出CPU131は、下皿34が遊技球で満タンになったことを検知する処理を含む下皿満タン検知処理を実行する(ステップS424)。この下皿満タン検知処理については、図29に基づいて後に詳述する。
ステップS424の処理に続いて、払出CPU131は、払出装置140に供給される遊技球の球切れを検知する処理を含む球無し検知処理を実行する(ステップS426)。この球無し検知処理については、図30に基づいて後に詳述する。
ステップS426の処理に続いて、払出CPU131は、払出RAM133にセットされたコマンドをメイン制御基板80に送信する処理を含む送信処理を実行する(ステップS428)。この送信処理については、図31に基づいて後に詳述する。
[払出制御基板130による払出制御処理]
次に、図26を参照しつつ、払出制御基板130において実行される払出制御処理について説明する。ここで、図26は、図25のステップS421における払出制御処理の詳細フローチャートである。
図26に例示されるように、払出CPU131は、図22におけるステップS812の処理に応じてメイン制御基板80から送信された払出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS4211)。ここで、払出コマンドを受信したと判定した場合(ステップS4211:YES)、受信した払出コマンドに基づいて、払出個数を設定する(ステップS4212)。具体的には、例えば、払出賞球数が「4」であることを示す払出コマンドを受信した場合は、払出個数を「4」に設定してその設定情報を払出RAM133にセットする。また、例えば、払出賞球数が「10」であることを示す払出コマンドを受信した場合は、払出個数を「10」に設定してその設定情報を払出RAM133にセットする。そして、払出CPU131は、払出モータ141の駆動を開始させる(ステップS4213)。
払出CPU131は、ステップS5213の処理を実行した場合、又は、払出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS4211:NO)、払出モータ4214が駆動中であるか否かを判定する(ステップS4214)。ここで、払出モータ141が駆動中であると判定した場合(ステップS4214:YES)、払出検知センサ142からの検知信号の有無に基づいて、払出検知センサ142によって遊技球が検知されたか否かを判定する(ステップS4215)。ここで、払出検知センサ142によって遊技球が検知されたと判定した場合(ステップS4215:YES)、払出RAM133にセットされている払出個数を「1」減算した値に更新する払出個数減算処理を実行する(ステップS4216)。
払出CPU131は、ステップS4216の処理を実行した場合、払出モータ141が駆動中ではないと判定した場合(ステップS4214:NO)、又は、払出検知センサ142によって遊技球が検知されていないと判定した場合(ステップS4215:NO)、払出RAM133に記憶されている払出個数が1以上であるか否かを判定する(ステップS4217)。ここで、払出個数が1以上ではないと判定した場合(ステップS4217:NO)、すなわち、払出個数が「0」である場合、払出コマンドに応じた賞球の払い出しが完了しているため、払出モータ141を停止させる(ステップS4218)。
このように、払出CPU131は、メイン制御基板80から送信された払出コマンドを受信し、受信した払出コマンドに応じた処理(ここでは、賞球の払い出し)を払出装置140に実行させる。
[払出制御基板130による払出異常検知処理]
次に、図27を参照しつつ、払出制御基板130において実行される払出異常検知処理について説明する。ここで、図27は、図25のステップS422における払出異常検知処理の詳細フローチャートである。本実施形態の遊技機1では、払出装置140が遊技球を所定時間以上連続して払い出す払出異常や、払出モータ141が駆動していないにも拘わらず払出検知センサ142によって遊技球が所定時間以上連続して検知される球詰まりが発生した場合に、これらの異常発生を通知する払出異常検知コマンドをメイン制御基板80に送信すべく、以下のような処理が実行される。
すなわち、払出CPU131は、ステップS421の払出制御処理(図25参照)に続いて、図27に例示されるように、払出検知センサ142からの検知信号の有無に基づいて、払出検知センサ142によって遊技球が検知されたか否かを判定する(ステップS4221)。ここで、払出検知センサ142によって遊技球が検知されていないと判定された場合(ステップS4221:NO)、後述するステップS423の払出異常解消処理に処理が進められる。
一方、払出CPU131は、払出検知センサ142によって遊技球が検知されたと判定した場合(ステップS4221:YES)、払出検知センサ142によって遊技球が検知され始めてからの経過時間である検知時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS4222)。具体的には、検知時間の計測が開始されると、検知時間を示す情報が払出RAM133に記憶されるため、例えば、払出RAM133に検知時間を示す情報が記憶されているか否かに基づいて、検知時間の計測中であるか否かを判定する。
払出CPU131は、検知時間の計測中ではないと判定した場合(ステップS4222:NO)、検知時間の計測を開始する(ステップS4223)。このステップS4223の処理を実行した場合、又は、検知時間の計測中であると判定した場合(ステップS4222:YES)、検知時間が規定時間(例えば、3秒)に到達したか否かを判定する(ステップS4224)。具体的には、検知時間と比較される規定時間が払出ROM132に記憶されており、払出CPU131は、払出RAM133に記憶されている検知時間と、払出ROM132に記憶されている規定時間とが一致するか否かに基づいて、検知時間が規定時間に到達したか否かを判定する。
払出CPU131は、検知時間が規定時間に到達したと判定した場合(ステップS4224:YES)、払出異常検知コマンドを払出RAM133にセットする(ステップS4225)。この払出異常検知コマンドは、ステップS428の送信処理によってメイン制御基板80に送信され、これにより、上述した異常報知が開始される。
[払出制御基板130による払出異常解消処理]
次に、図28を参照しつつ、払出制御基板130において実行される払出異常解消処理について説明する。ここで、図28は、図25のステップS423における払出異常解消処理の詳細フローチャートである。本実施形態の遊技機1では、球詰まりや払出異常といった払出装置140に関する異常が発生しているときにホール店員によってエラー解除スイッチ137が操作されると、異常が解消されたことを通知する払出異常解消コマンドをメイン制御基板80に送信すべく、以下のような処理が実行される。
すなわち、払出CPU131は、ステップS422の払出異常検知処理に続いて、図28に例示されるように、払出異常状態であるか否かを判定する(ステップS4231)。具体的には、上記ステップS4223の処理で計測を開始した検知時間が規定時間以上の時間になっているか否かに基づいて、払出異常状態であるか否かを判定する。ここで、払出異常状態ではないと判定された場合(ステップS4231:NO)、すなわち、検知時間が規定時間未満の時間である場合、後述するステップS424の下皿満タン検知処理に処理が進められる。
一方、払出CPU131は、払出異常状態であると判定した場合(ステップS4231:YES)、すなわち、検知時間が規定時間以上の時間になっている場合、エラー解除スイッチ137からの操作信号の有無に基づいて、エラー解除スイッチ137が操作されたか否かを判定する(ステップS4232)。ここで、エラー解除スイッチ137が操作されていないと判定された場合(ステップS4232:NO)、ステップS424の下皿満タン検知処理に処理が進められる。
払出CPU131は、エラー解除スイッチ137が操作されたと判定した場合(ステップS4232:YES)、払出異常解消コマンドを払出RAM133にセットする(ステップS4233)。この払出異常解消コマンドは、ステップS428の送信処理によってメイン制御基板80に送信され、これにより、上述した異常報知が終了する。
[払出制御基板130による下皿満タン検知処理]
次に、図29を参照しつつ、払出制御基板130において実行される下皿満タン検知処理について説明する。ここで、図29は、図25のステップS424における下皿満タン検知処理の詳細フローチャートである。本実施形態の遊技機1では、下皿34が遊技球で満タンになる下皿満タンエラーが発生した場合に下皿満タン検知コマンドをメイン制御基板80に送信し、下皿満タンエラーが解消された場合に下皿満タン解消コマンドをメイン制御基板80に送信すべく、払出制御基板130において以下のような処理が実行される。
すなわち、払出CPU131は、ステップS423の払出異常解消処理に続いて、図29に例示されるように、下皿満タン検知センサ135からの検知信号の有無に基づいて、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知されたか否かを判定する(ステップS4241)。ここで、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知されていないと判定された場合(ステップS4241:NO)、後述するステップS4247に処理が進められる。
一方、払出CPU131は、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知されたと判定した場合(ステップS4241:YES)、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知され始めてからの経過時間である検知時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS4242)。具体的には、検知時間の計測が開始されると、検知時間を示す情報が払出RAM133に記憶されるため、例えば、払出RAM133に検知時間を示す情報が記憶されているか否かに基づいて、検知時間の計測中であるか否かを判定する。
払出CPU131は、検知時間の計測中ではないと判定した場合(ステップS4242:NO)、検知時間の計測を開始する(ステップS4243)。このステップS4243の処理を実行した場合、又は、検知時間の計測中であると判定した場合(ステップS4242:YES)、検知時間が規定時間(例えば、2秒)に到達したか否かを判定する(ステップS4244)。具体的には、検知時間と比較される規定時間が払出ROM132に記憶されており、払出CPU131は、払出RAM133に記憶されている検知時間と、払出ROM132に記憶されている規定時間とが一致するか否かに基づいて、検知時間が規定時間に到達したか否かを判定する。
払出CPU131は、検知時間が規定時間に到達したと判定した場合(ステップS4244:YES)、下皿満タン検知コマンドを払出RAM133にセットし(ステップS4245)、払出RAM133に記憶されている下皿満タンフラグを「ON」に設定する(ステップS4246)。ここで、下皿満タンフラグは、下皿満タンエラーの発生中であるか否かを示すフラグであり、上記のように、下皿満タン検知センサ135による遊技球の検知時間が規定時間に到達すると「ON」に設定され、下皿34から遊技球が抜かれて下皿満タンエラーが解消されると「OFF」に設定される。
上記の下皿満タン検知コマンドは、ステップS428の送信処理によってメイン制御基板80に送信され、これにより、「下皿が満タンです、球を抜いてください」といった音声の出力と、所定のエラー報知パターンで盤面ランプ5を発光させるエラー発光とが開始される。
払出CPU131は、ステップS4246の処理を実行した場合、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知されていないと判定した場合(ステップS4241:NO)、又は、検知時間が規定時間に到達していないと判定した場合(ステップS4244:NO)、下皿満タンフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS4247)。ここで、下皿満タンフラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS4247:NO)、一連の下皿満タン検知処理が終了してステップS426の球無し検知処理に処理が進められる。
払出CPU131は、下皿満タン検知フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS4247:YES)、ステップS4241の処理と同様に、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知されているか否かを判定する(ステップS4248)。ここで、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知されていると判定された場合(ステップS4248:YES)、ステップS426の球無し検知処理に処理が進められる。
一方、払出CPU131は、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知されていないと判定した場合(ステップS4248:NO)、下皿満タン検知センサ135によって遊技球が検知されなくなってからの経過時間である非検知時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS4249)。具体的には、非検知時間の計測が開始されると、非検知時間を示す情報が払出RAM133に記憶されるため、例えば、払出RAM133に非検知時間を示す情報が記憶されているか否かに基づいて、非検知時間の計測中であるか否かを判定する。
払出CPU131は、非検知時間の計測中ではないと判定した場合(ステップS4249:NO)、非検知時間の計測を開始する(ステップS4250)。このステップS4250の処理を実行した場合、又は、非検知時間の計測中であると判定した場合(ステップS4249:YES)、非検知時間が規定時間(例えば、2秒)に到達したか否かを判定する(ステップS4251)。具体的には、非検知時間と比較される規定時間が払出ROM132に記憶されており、払出CPU131は、払出RAM133に記憶されている非検知時間と、払出ROM132に記憶されている規定時間とが一致するか否かに基づいて、非検知時間が規定時間に到達したか否かを判定する。
払出CPU131は、非検知時間が規定時間に到達したと判定した場合(ステップS4251:YES)、下皿満タン解消コマンドを払出RAM133にセットし(ステップS4252)、払出RAM133に記憶されている下皿満タンフラグを「OFF」に設定する(ステップS4253)。
上記の下皿満タン解消コマンドは、ステップS428の送信処理によってメイン制御基板80に送信され、これにより、「下皿が満タンです、球を抜いてください」といった音声の出力と、所定のエラー報知パターンで盤面ランプ5を発光させるエラー発光とが終了する。
[払出制御基板130による球無し検知処理]
次に、図30を参照しつつ、払出制御基板130において実行される球無し検知処理について説明する。ここで、図30は、図25のステップS426における球無し検知処理の詳細フローチャートである。本実施形態の遊技機1では、払出装置140に供給される遊技球が無くなる球切れが発生した場合に球無し検知コマンドをメイン制御基板80に送信し、球切れが解消された場合に球無し解消コマンドをメイン制御基板80に送信すべく、払出制御基板130において以下のような処理が実行される。
すなわち、払出CPU131は、ステップS424の下皿満タン検知処理に続いて、図30に例示されるように、供給遊技球検知センサ136からの検知信号の有無に基づいて、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知されたか否かを判定する(ステップS4261)。ここで、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知されていると判定された場合(ステップS4261:YES)、後述するステップS4267に処理が進められる。
一方、払出CPU131は、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知されていないと判定した場合(ステップS4261:NO)、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知されなくなってからの経過時間である非検知時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS4262)。具体的には、非検知時間の計測が開始されると、非検知時間を示す情報が払出RAM133に記憶されるため、例えば、払出RAM133に非検知時間を示す情報が記憶されているか否かに基づいて、非検知時間の計測中であるか否かを判定する。
払出CPU131は、非検知時間の計測中ではないと判定した場合(ステップS4262:NO)、非検知時間の計測を開始する(ステップS4263)。このステップS4263の処理を実行した場合、又は、非検知時間の計測中であると判定した場合(ステップS4262:YES)、非検知時間が規定時間(例えば、4秒)に到達したか否かを判定する(ステップS4264)。具体的には、非検知時間と比較される規定時間が払出ROM132に記憶されており、払出CPU131は、払出RAM133に記憶されている非検知時間と、払出ROM132に記憶されている規定時間とが一致するか否かに基づいて、非検知時間が規定時間に到達したか否かを判定する。
払出CPU131は、非検知時間が規定時間に到達したと判定した場合(ステップS4644:YES)、球無し検知コマンドを払出RAM133にセットし(ステップS4265)、払出RAM133に記憶されている球無しフラグを「ON」に設定する(ステップS4266)。ここで、球無しフラグは、払出装置140に供給される遊技球の球切れの発生中であるか否かを示すフラグであり、上記のように、供給遊技球検知センサ136による遊技球の非検知時間が規定時間に到達すると「ON」に設定され、球切れが解消されると「OFF」に設定される。
上記の球無し検知コマンドは、ステップS428の送信処理によってメイン制御基板80に送信され、これにより、「係員を呼んでください」といったエラーメッセージの表示と、所定のエラー報知パターンで枠ランプ37を発光させるエラー発光とが開始される。
払出CPU131は、ステップS4266の処理を実行した場合、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知されていると判定した場合(ステップS4261:YES)、又は、非検知時間が規定時間に到達していないと判定した場合(ステップS4264:NO)、球無しフラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS4267)。ここで、球無しフラグが「ON」に設定されていないと判定された場合(ステップS4267:NO)、一連の球無し検知処理が終了してステップS428の送信処理に処理が進められる。
払出CPU131は、球無しフラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS4267:YES)、ステップS4261の処理と同様に、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知されているか否かを判定する(ステップS4268)。ここで、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知されていないと判定された場合(ステップS4268:NO)、ステップS428の送信処理に処理が進められる。
一方、払出CPU131は、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知されていると判定した場合(ステップS4268:NO)、供給遊技球検知センサ136によって遊技球が検知され始めてからの経過時間である検知時間の計測中であるか否かを判定する(ステップS4269)。具体的には、検知時間の計測が開始されると、検知時間を示す情報が払出RAM133に記憶されるため、例えば、払出RAM133に検知時間を示す情報が記憶されているか否かに基づいて、検知時間の計測中であるか否かを判定する。
払出CPU131は、検知時間の計測中ではないと判定した場合(ステップS4269:NO)、検知時間の計測を開始する(ステップS4270)。このステップS4270の処理を実行した場合、又は、検知時間の計測中であると判定した場合(ステップS4269:YES)、検知時間が規定時間(例えば、2秒)に到達したか否かを判定する(ステップS4271)。具体的には、検知時間と比較される規定時間が払出ROM132に記憶されており、払出CPU131は、払出RAM133に記憶されている検知時間と、払出ROM132に記憶されている規定時間とが一致するか否かに基づいて、検知時間が規定時間に到達したか否かを判定する。
払出CPU131は、検知時間が規定時間に到達したと判定した場合(ステップS4271:YES)、球無し解消コマンドを払出RAM133にセットし(ステップS4272)、払出RAM133に記憶されている球無しフラグを「OFF」に設定する(ステップS4273)。
上記の球無し解消コマンドは、ステップS428の送信処理によってメイン制御基板80に送信され、これにより、「係員を呼んでください」といったエラーメッセージの表示と、所定のエラー報知パターンで枠ランプ37を発光させるエラー発光とが終了する。
[払出制御基板130による送信処理]
次に、図31を参照しつつ、払出制御基板130において実行される送信処理について説明する。ここで、図31は、図25のステップS428における送信処理の詳細フローチャートである。払出CPU131は、ステップS426の球無し検知処理に続いて、図31に例示されるように、払出RAM133に記憶されている送信待機フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS4281)。
本実施形態の遊技機1は、図22に基づいて上述した賞球払出指示処理によって、メインCPU81が払出制御基板130に対して払出コマンドまたは制御可能状態通知コマンドを送信し、払出CPU131は、これらのコマンドのいずれか一方を受信したことに基づいて、メイン制御基板80が制御可能状態であることを認識するように構成されている。
ところで、払出CPU131が払出コマンドまたは制御可能状態通知コマンドを受信できない場合、メイン制御基板80が制御可能状態ではないことが考えられるが、このような状況下で払出CPU131がメイン制御基板80に対してコマンドを送信したとしても、メインCPU81がそのコマンドに応じた制御を適切に実行することができない可能性がある。
そこで、本実施形態の遊技機1では、払出RAM133にコマンドがセットされている状態で、払出コマンドまたは制御可能状態通知コマンドをメイン制御基板80から受信できない場合には、そのコマンドを直ちには送信せずに、メイン制御基板80が制御可能状態であることを確認できてから(すなわち、払出コマンドまたは制御可能状態通知コマンドを受信できる状態になってから)、払出RAM133にセットされているコマンドをメイン制御基板80に送信することとしている。
上記送信待機フラグは、払出RAM133にコマンドがセットされているにも拘わらず、メイン制御基板80が制御可能状態であることを確認できないために、そのコマンドを直ちに送信せずに待機する場合に「ON」に設定されるフラグであり、セットされているコマンドが送信されると「OFF」に設定される。
払出CPU131は、送信待機フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS4281:YES)、払出RAM133に既にコマンドがセットされている状態であるため、ステップS4282の処理を実行することなく、ステップS4283の処理を実行する。
払出CPU131は、送信待機フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS4281:NO)、払出RAM133にセットされたコマンドがあるか否かを判定する(ステップS4282)。具体的には、図27のステップS4225の処理、図28のステップS4233の処理、図29のステップS4245,S4252の処理、及び、図30のステップS4265,S4272の処理のいずれかの処理によって、払出異常検知コマンド、払出異常解消コマンド、下皿満タン検知コマンド、下皿満タン解消コマンド、球無し検知コマンド、及び球無し解消コマンドのいずれかのコマンドが払出RAM133にセットされているか否かを判定する。ここで、払出RAM133にコマンドがセットされていないと判定された場合(ステップS4282:NO)、一連の送信処理が終了する。
一方、払出CPU131は、払出RAM133にセットされたコマンドがあると判定した場合(ステップS4282:YES)、又は、送信待機フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS4281:YES)、図22におけるステップS812の処理に応じてメイン制御基板80から送信された払出コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS4283)。ここで、払出コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS4283:NO)、図22におけるステップS813の処理に応じてメイン制御基板80から送信された制御可能状態通知コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS4284)。
払出CPU131は、払出コマンドを受信したと判定した場合(ステップS4283:YES)、又は、制御可能状態通知コマンドを受信したと判定した場合(ステップS4284:YES)、メイン制御基板80が制御可能状態であることを確認できているため、払出RAM133にセットされているコマンドをメイン制御基板80に送信する(ステップS4285)。
払出CPU131は、制御可能状態通知コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS4284:NO)、送信待機フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS4288)。ここで、送信待機フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS4288:NO)、送信待機フラグを「ON」に設定する(ステップS4289)。
ステップS4285の処理に続いて、払出CPU131は、送信待機フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS4286)。ここで、送信待機フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS4286:YES)、すなわち、送信待機フラグが「ON」に設定された状態で、送信が待機されていたコマンドをステップS4285の処理でメイン制御基板80に送信した場合、送信待機フラグを「OFF」に設定する(ステップS4287)。
図31に基づくここまでの説明から明らかなように、払出CPU131は、メイン制御基板80が制御可能状態である場合には、異常検知情報(本実施形態では、払出異常検知コマンド、下皿満タン検知コマンド、又は球無し検知コマンド)をメイン制御基板80に送信し、メイン制御基板80が制御可能状態ではない場合は、メイン制御基板80が制御可能状態になるまで異常検知情報を送信しない。また、払出CPU131は、メイン制御基板80が制御可能状態である場合には、解消情報(払出異常解消コマンド、下皿満タン解消コマンド、又は球無し解消コマンド)をメイン制御基板80に送信し、メイン制御基板80が制御可能状態ではない場合は、メイン制御基板80が制御可能状態になるまで解消情報を送信しない。
[サブ制御基板90による割込み処理]
遊技機1の電源が投入されると、サブ制御基板90のサブCPU91は、後述する割込み処理を行う周期である割込み周期を設定する。そして、サブCPU91は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理を割込み周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU91は、遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、割込み周期で割込み処理を繰り返す。
以下、図32を参照しつつ、サブ制御基板90において実行される割込み処理について説明する。ここで、図32は、サブ制御基板90において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80で行われる割込み処理(図13参照)と同様に、図32に例示される一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図32以降のフローチャートに基づいて説明するサブ制御基板90で行われる処理は、サブROM92に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU91が発行する命令に従って行われる。
サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からコマンドを受信した場合にそのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図33に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU91は、図4に示される第1演出ボタン検知センサ351または第2演出ボタン検知センサ361からの操作情報の入力の有無に基づいて、図1に示される第1演出ボタン35または第2演出ボタン36が操作されたか否かを判定する(ステップS40)。ここで、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36が操作されたと判定した場合(ステップS40:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS41)。この操作コマンドが画像音響制御基板100およびランプ制御基板120へ送信されることによって、第1演出ボタン35または第2演出ボタン36の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
ステップS41の処理に続いて、サブCPU91は、コマンド送信処理を実行する(ステップS50)。具体的には、ステップS10のコマンド受信処理やステップS41の処理によってサブRAM93にセットされたコマンドを画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に送信する。このコマンド送信処理が実行されることによって、画像表示や演出音の出力等による演出の実行が画像音響制御基板100に対して指示され、各種ランプの点灯や可動役物等による演出の実行がランプ制御基板120に対して指示される。
ステップS50の処理に続いて、サブCPU91は、データ転送処理を実行する(ステップS60)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板100から送信されるので、そのデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、画像表示装置7(表示画面70)およびスピーカ38で行われる演出と同期するように、枠ランプ37、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の演出手段による演出がランプ制御基板120によって制御される。
[サブ制御基板90によるコマンド受信処理]
図33は、図32のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図33に例示されるように、サブCPU91は、まず、メイン制御基板80からのコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、上述したステップS40に処理が進められる。
サブCPU91は、メイン制御基板80からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドが図14のステップS212の処理またはステップS220の処理に応じてメイン制御基板80から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS12:NO)、後述するステップS15に処理が進められる。
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、保留アイコンの表示やアイコン変化演出の実行を指示する保留アイコン表示コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS13)。
サブCPU91は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドが図16のステップS310の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS15:NO)、後述するステップS17に処理が進められる。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS16)。この変動開始コマンド受信処理については、図34に基づいて後に詳述する。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS15:NO)、そのコマンドが図16のステップS314の処理に応じてメイン制御基板80から送信された変動終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS17)。サブCPU91は、変動終了コマンドであると判定した場合(ステップS17:YES)、演出図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す態様で演出図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS18)。
この変動演出終了コマンドがステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す演出図柄が表示画面70に停止表示されることになる。
サブCPU91は、受信したコマンドが変動終了コマンドではないと判定した場合(ステップS17:NO)、そのコマンドが図19のステップS3175の処理に応じてメイン制御基板80から送信されたオープニングコマンドであるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、受信したコマンドがオープニングコマンドであると判定した場合(ステップS19:YES)、大当たり遊技のオープニング期間において大当たりの種類を報知したり遊技者に右打ちを促したりするオープニング演出の開始を画像音響制御基板100(及びランプ制御基板120)に指示するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS20)。
一方、サブCPU91は、受信したコマンドがオープニングコマンドではないと判定した場合(ステップS19:NO)、そのコマンドが図21のステップS72の処理に応じてメイン制御基板80から送信された異常検知通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS21)。ここで、受信したコマンドが異常検知通知コマンドであると判定した場合(ステップS21:YES)、異常報知開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS22)。
具体的には、払出装置140の異常が発生したことを通知する情報を含む異常検知通知コマンドを受信した場合は、例えば「係員を呼んでください」といったエラーメッセージの表示開始と、所定のエラー報知パターンで枠ランプ37を発光させるエラー発光の開始とを指示する異常報知開始コマンドをサブRAM93にセットする。また、下皿満タンエラーが発生したことを通知する情報を含む異常検知通知コマンドを受信した場合は、例えば「下皿が満タンです、球を抜いてください」といった音声のスピーカ38からの出力開始と、所定のエラー報知パターンで盤面ランプ5を発光させるエラー発光の開始とを指示する異常報知開始コマンドをサブRAM93にセットする。また、払出装置140に供給される遊技球が無くなる球切れが発生したことを通知する情報を含む異常検知通知コマンドを受信した場合は、例えば「係員を呼んでください」といったエラーメッセージの表示開始と、所定のエラー報知パターンで枠ランプ37を発光させるエラー発光の開始とを指示する異常報知開始コマンドをサブRAM93にセットする。
このように、ステップS22の処理でサブRAM93にセットされた異常報知開始コマンドが、ステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信されることによって、各異常報知開始コマンドに応じた異常報知が開始されることになる。
一方、サブCPU91は、受信したコマンドが異常検知通知コマンドではないと判定した場合(ステップS21:NO)、すなわち、受信したコマンドが図21におけるステップS74の処理に応じてメイン制御基板80から送信された異常解消通知コマンドである場合、異常報知開始コマンドによって開始を指示した異常報知の終了を指示する異常報知終了コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS23)。
この異常報知終了コマンドがステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信されることによって、ステップS22の処理に応じて開始された異常報知が終了することになる。
[サブ制御基板90による変動開始コマンド受信処理]
図34は、図33のステップS16における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、メイン制御基板80から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、図34に例示される一連の変動開始コマンド受信処理を実行する。
すなわち、サブCPU91は、サブ制御基板90における乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、メイン制御基板80から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM93に格納する(ステップS161)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する変動開始コマンド解析処理を実行する(ステップS162)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
サブCPU91は、変動開始コマンドを解析すると、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS163)。この変動演出パターン設定処理が実行されることによって、演出図柄の変動態様、リーチ演出の有無、擬似連演出の有無、リーチ図柄を構成する演出図柄の種類、リーチ演出の種類や内容、擬似連演出の内容、特殊変動演出の有無、停止表示される演出図柄の種類等が決定される。この変動演出パターン設定処理については、図35に基づいて後に詳述する。
ステップS163の処理に続いて、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンで演出図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出(例えば、ステップアップ演出やセリフ予告、群予告やカットイン等)に関する設定を行う予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS164)。
次に、サブCPU91は、ステップS163の処理で設定した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS164の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM93にセットする(ステップS166)。なお、特殊変動演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをセットする場合には、今回の第1特別図柄判定の判定結果と第1特別図柄の変動パターンを示す情報を含む変動演出開始コマンドをセットする。
この変動演出開始コマンドは、ステップS163の処理によって設定された変動演出パターンを示す情報と、ステップS164の処理によって設定された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS50のコマンド送信処理によって画像音響制御基板100およびランプ制御基板120に送信される。これにより、サブ制御基板90において演出パターンが決定された変動演出、及び予告演出が、画像音響制御基板100およびランプ制御基板120によって実現されることになる。
ステップS166の処理に続いて、サブCPU91は、サブRAM93に記憶されている保留数を「1」減算した値に更新する(ステップS167)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄の変動表示の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
[サブ制御基板90による変動演出パターン設定処理]
図35は、図34のステップS163における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。サブCPU91は、ステップS162の処理に続いて、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の停止表示に伴って表示画面70に最終的に確定表示(本停止)させる演出図柄を設定する(ステップS1631)。具体的には、メイン制御基板80から受信した変動開始コマンドに含まれている図柄の設定情報に基づいて、図柄変動の終了時に大当たりを示す特別図柄(大当たり図柄)が停止表示されるのか、或いはハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)が停止表示されるのかを特定する。そして、大当たり図柄が停止表示されることを特定した場合には、本停止させる演出図柄として大当たりを報知するための演出図柄(例えばゾロ目を示す演出図柄)を設定し、ハズレ図柄が停止表示されることを特定した場合には、ハズレを報知するための演出図柄を設定する。なお、ハズレを報知するための演出図柄を設定する際に、リーチ演出を行ってからハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてリーチハズレ目を設定し、リーチ演出を行うことなくハズレを報知する場合には、ハズレを報知するための演出図柄としてバラケ目を設定する。
次に、サブCPU91は、受信した変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンの設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判断する(ステップS1632)。ここで、リーチ有り演出を行う必要が無いと判断した場合(ステップS1632:NO)、リーチ無し演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1633)。例えば、特別図柄の変動パターン毎に複数種類のリーチ無し演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ無し用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
一方、サブCPU91は、リーチ有り演出を行う必要があると判断した場合(ステップS1632:YES)、リーチ有り演出の変動演出パターンを設定する(ステップS1634)。例えば、特別図柄判定の判定結果と特別図柄の変動パターンとの組み合わせのそれぞれに対して複数種類のリーチ有り演出の変動演出パターンが対応付けられたリーチ有り用変動演出パターン選択テーブルから、ステップS161の処理で取得した演出乱数に対応するいずれか1つの変動演出パターンを読み出して、その変動演出パターンを示す情報をサブRAM93にセットする。
このステップS1633の処理またはステップS1634の処理が行われることによって、演出図柄をどのような変動パターンで変動表示するか、リーチ演出を行う場合にどのリーチ演出を行うか、リーチ演出を発展させる場合にはどのような流れでリーチ演出を発展させるか等が決定されることになる。
[画像音響制御基板100による割込み処理]
次に、図36を参照しつつ、画像音響制御基板100において実行される割込み処理について説明する。ここで、図36は、画像音響制御基板100において実行される割込み処理を例示するフローチャートである。画像音響制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図36に例示される一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90から受信したコマンドに基づいて表示画面70における画像表示を制御する画像表示制御処理を実行する(ステップS71)。この画像表示制御処理については、図37に基づいて後に詳述する。
ステップS71の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、表示画面70で行われる画面表示と同期するように或いは非同期に、スピーカ38から各種の演出音を出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS73)。
ステップS73の処理に続いて、画像音響制御CPU101は、データ送信制御処理を実行する(ステップS74)。具体的には、画像音響制御基板100において行われる画像音響制御に関するデータをサブ制御基板90に送信する。これに対して、サブ制御基板90は、画像音響制御基板100から受信したデータをランプ制御基板120に転送する。これにより、表示画面70およびスピーカ38によって実行される演出と同期するように、枠ランプ37や盤面ランプ5、可動装飾部材14等が制御される。
[画像音響制御基板100による画像表示制御処理]
図37は、図36のステップS71における画像表示制御処理の詳細フローチャートである。画像音響制御CPU101は、まず、サブ制御基板90から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS711)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS711:NO)、ステップS73に処理が進められる。
一方、画像音響制御CPU101は、サブ制御基板90からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS711:YES)、そのコマンドに含まれている設定情報を制御RAM103にセットする(ステップS712)。そして、制御RAM103にセットした設定情報に基づいて、表示画面70に画像をどのように表示すべきかを判断し、VDP104の描画処理を制御するためのディスプレイリストを作成して制御RAM103の所定領域に格納し(ステップS713)、そのディスプレイリストをVRAMのディスプレイリスト記憶領域にセットする(ステップS714)。このディスプレイリスト記憶領域にセットされたディスプレイリストに基づいてVDP104が描画処理を実行することによって、サブ制御基板90から指示された演出表示や異常報知が実現されることになる。
[遊技機1の構成および作用効果]
なお、本実施形態の遊技機1は、以下の構成を備えていると共に、その構成を備えていることによって、以下の作用効果を奏する。
遊技機1は、
所定の処理を実行する処理手段(例えば、払出装置140)を制御する第1制御部(例えば、払出制御基板130)と、当該第1制御部を制御する第2制御部(例えば、メイン制御基板80)とを具備する遊技機であって、
前記第2制御部は、
前記処理手段を前記第1制御部に制御させるためのコマンド(例えば、払出コマンド:図22,23参照)を送信するコマンド送信手段と、
前記処理手段に関する異常が検知されたことを通知する異常検知情報(例えば、払出異常検知コマンド、球無し検知コマンド)が前記第1制御部から送信された場合に、当該異常検知情報を受信する異常検知情報受信手段(例えば、メインCPU81)と、
前記異常検知情報受信手段によって受信された前記異常検知情報に基づく所定の制御を実行可能な所定制御実行手段(例えば、図21のステップS71の処理で「YES」と判定したことに応じてステップS72の処理を実行するメインCPU81)とを備え、
前記第1制御部は、
前記コマンド送信手段によって送信されたコマンドを受信するコマンド受信手段(例えば、メイン制御基板80からの払出コマンドを受信する払出CPU131)と、
前記コマンド受信手段によって受信されたコマンドに応じた処理を前記処理手段に実行させる処理実行制御手段(例えば、メイン制御基板80からの払出コマンドに基づいて、図26の払出制御処理を実行する払出CPU131)と、
前記処理手段に関する異常を検知可能な検知手段(例えば、払出CPU131、払出検知センサ142、供給遊技球検知センサ136)と、
前記検知手段によって前記処理手段に関する異常が検知された場合に、前記異常検知情報を前記第2制御部に送信可能な異常検知情報送信手段(例えば、払出異常検知コマンドや球無し検知コマンドをメイン制御基板80に送信する払出CPU131)とを備え、
前記異常検知情報送信手段は、
前記第2制御部が前記所定の制御を実行可能な制御可能状態である場合には、前記異常検知情報を前記第2制御部に送信する一方、前記第2制御部が前記制御可能状態ではない場合には、前記第2制御部が前記制御可能状態になるまで前記異常検知情報を前記第2制御部に送信しない(例えば、図31参照)。
この構成によれば、第2制御部が制御可能状態である場合には、異常検知情報が第2制御部に送信される一方、第2制御部が制御可能状態ではない場合には、第2制御部が制御可能状態になるまで異常検知情報が第2制御部に送信されない。このため、第2制御部が制御可能状態になってから異常検知情報を第2制御部に送信することが可能であり、第2制御部が制御可能状態でないために異常検知情報を受信できず、結果として、異常検知情報に基づく所定の制御を実行できないといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
また、遊技機1は、
前記第1制御部は、
前記処理手段の異常が解消された場合に、その旨を通知する解消情報を前記第2制御部に送信可能な解消情報送信手段(例えば、図23に例示される払出異常解消コマンドや球無し解消コマンドをメイン制御基板80に送信する払出CPU131)を備え、
前記第2制御部は、
前記解消情報送信手段によって送信された解消情報を受信する解消情報受信手段(例えば、メインCPU81)を備え、
前記解消情報送信手段は、
前記第2制御部が前記制御可能状態である場合には、前記解消情報を前記第2制御部に送信する一方、前記第2制御部が前記制御可能状態ではない場合には、前記第2制御部が前記制御可能状態になるまで前記解消情報を前記第2制御部に送信しない(例えば、図31参照)。
この構成によれば、第2制御部が制御可能状態である場合には、解消情報が第2制御部に送信される一方、第2制御部が制御可能状態でない場合には、第2制御部が制御可能状態になるまで解消情報が第2制御部に送信されない。このため、第2制御部が制御可能状態になってから解消情報を第2制御部に送信することが可能であり、第2制御部が制御可能状態でないために解消情報を受信できないといった受信エラーが生じるのを効果的に抑制することが可能である。
また、遊技機1は、
前記処理手段に関する異常が検知されたことを示唆する示唆手段を備え、
前記所定制御実行手段は、
前記所定の制御として、前記異常検知情報受信手段によって前記異常検知情報が受信されてから、前記解消情報受信手段によって前記解消情報が受信されるまで、前記所定手段に関する異常についての示唆を前記示唆手段に実行させる(例えば、図21におけるステップS72の処理でメインRAM83にセットした異常検知通知コマンドをサブ制御基板90に送信してから、図21におけるステップS74の処理でメインRAM83にセットした異常解消通知コマンドをサブ制御基板90に送信するメインCPU81)。
この構成によれば、第2制御部によって異常検知情報が受信されてから解消情報が受信されるまで、示唆手段による示唆が行われる。加えて、第2制御部が制御可能状態でない場合には、制御可能状態になってから、異常検知情報または解消情報が第1制御部から第2制御部に送信される。このため、第2制御部が制御可能状態ではないために示唆手段による示唆を適切なタイミングで開始させることができないといった問題や、第2制御部が制御可能状態ではないために示唆手段による示唆を適切なタイミングで終了させることができないといった問題が生じるのを効果的に抑制することが可能である。
[その他の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、メイン制御基板80が制御可能状態であることを通知するために、制御可能状態通知コマンドまたは払出コマンドを払出制御基板130に送信する場合を例に説明した(図22参照)。すなわち、制御可能状態通知コマンドが送信されない割込み処理がある場合を例に説明した。これに対して、他の実施形態では、例えば、図10に例示されるメイン処理において、制御可能状態通知コマンドが払出制御基板130に対して必ず送信されるといった構成を採用して、メインCPU81が払出CPU131に対して遊技機1の電源投入時から電源遮断時まで制御可能状態通知コマンドを送信し続けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1制御部が払出制御基板130であり、第2制御部がメイン制御基板80である場合を例に説明したが、他の実施形態では、第1制御部がサブ制御基板90であり、第2制御部が画像音響制御基板100であってもよい。
また、上記実施形態では、本発明をいわゆる確変ループタイプと呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明を、いわゆるST機と呼ばれる1種タイプのパチンコ遊技機や、いわゆる1種2種混合タイプと呼ばれるパチンコ遊技機等の他の遊技機に適用してもよい。
また、上記実施形態において説明した遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、乱数値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した図面等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。