JP7261408B2 - 乾式吹付け工法、噴射機 - Google Patents

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Description

本発明は、セメントと水とを含む吹付け材を対象物に吹き付ける乾式吹付け工法に関する。また、該乾式吹付け工法で使用可能な噴射機に関する。
従来、セメントと水とを含む吹付け材を対象物に吹き付けることで、対象物の表面に吹付け材を施工する方法が知られている。例えば、掘削したトンネルや地下空間などの建設工事では、掘削面に速硬性を有するセメント組成物(具体的には、コンクリート)を吹付け材として吹き付けることで、掘削面の崩落が防止されている。
吹付け材を対象物に吹き付ける方法としては、一般的に、吹付け用ノズルから吹付け材を気体と共に噴射する方法が知られている。具体的には、セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とを別々に吹付け用ノズルに供給する。そして、該吹付け用ノズル内で粉体材料と液体材料とを混合して吹付け材を形成しつつ、該吹付け材を気体と共に噴射して対象物に吹き付ける方法(所謂、乾式吹付け工法)が知られている(特許文献1参照)。
ところで、上記のように、吹付け材を吹付け用ノズルから噴射して対象物に吹き付けた場合、吹付け材の一部が対象物からはね返り、対象物の周囲に飛散するため、作業環境の悪化を招く。吹付け材のはね返りを抑制する方法としては、対象物に対して適切な距離から吹付け材を噴射することが考えられる。
特開2001-012867号公報
しかしながら、吹付け作業を行う環境によっては、対象物から吹付け用ノズルまでの距離を十分に確保できない場合がある。斯かる場合には、対象物に対して比較的近い位置から吹付け材を噴射することが必要となるため、吹付け材のはね返りを抑制することが困難になる。
そこで、本発明は、対象物への吹き付けを行った際に生じるはね返りを抑制することができる乾式吹付け工法を提供することを課題とする。また、該乾式吹付け工法で使用可能な噴射機を提供することを課題とする。
本発明に係る乾式吹付け工法は、セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とが混合されて形成される吹付け材を気体と共に噴射する噴射機を用いて、該吹付け材を対象物に吹き付ける乾式吹付け工法であって、噴射機は、吹付け材が気体と共に流通する流路を形成するホース部を備えており、該ホース部は、吹付け材の流路から吹付け材を噴射させる噴射口を備えると共に、円弧状に湾曲自在に構成されており、ホース部を円弧状に湾曲させてホース部に湾曲部を形成した状態で、噴射口から吹付け材を噴射して対象物に吹付け材を吹付ける工程を備える。
斯かる構成によれば、ホース部を円弧状に湾曲させてホース部に湾曲部を形成する。これにより、ホース部内の吹付け材の流路は、湾曲部において湾曲した状態となる。そして、湾曲部が形成された状態で、噴射口から吹付け材を噴射して対象物に吹付け材を吹付ける。これにより、ホース部内を流通する吹付け材は、湾曲部で減速された後、噴射口から噴射されることになる。このため、噴射口における吹付け材の噴射速度は、ホース部に湾曲部が形成されない場合よりも遅くなる。これにより、吹付け材が対象物に衝突した際の衝撃が低減されるため、吹付け材を吹付ける対象物と噴射口との間の距離を十分に確保できない場合(対象物と噴射口との間の距離が比較的近い場合)であっても、吹付け材のはね返りを抑制することができる。
湾曲部の外側の円弧の半径が150mm以上400mm以下であることが好ましい。
斯かる構成によれば、湾曲部の外側の円弧の半径が上記の範囲であることで、ホース部内を流通する吹付け材をより確実に減速させることができる。このため、吹付け材のはね返りをより確実に抑制することができる。
対象物と噴射口との間の距離に応じて湾曲部の外側の円弧の半径を調節する工程を備えることが好ましい。
斯かる構成によれば、湾曲部の外側の円弧の半径を調節することで、噴射口1aにおける吹付け材の噴射速度を制御することができる。これにより、対象物と噴射口との間の距離に応じて吹付け材の噴射速度を調節することができるため、吹付け材のはね返りをより確実に抑制することができる。
噴射機は、粉体材料と液体材料とを接触させる粉液接触部を備えており、粉液接触部から噴射口に達するまでの吹付け材の流路の長さは、50cm以上250cm以下であることが好ましい。
斯かる構成によれば、粉液接触部から噴射口までの吹付け材の流路の長さが上記の範囲であることで、ホース部内での吹付け材の混練を良好に行うことができる。
ホース部内の吹付け材の流路の直径は、20mm以上75mm以下であることが好ましい。
斯かる構成によれば、ホース部内の吹付け材の流路の直径が上記の範囲であることで、ホース部内での吹付け材の混練を良好に行うことができる。
本発明に係る噴射機は、セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とが混合されて形成される吹付け材を対象物に吹き付けるべく該吹付け材を気体と共に噴射する噴射機であって、吹付け材が気体と共に流通する流路を形成するホース部を備えており、該ホース部は、吹付け材の流路から吹付け材を噴射させる噴射口を備えると共に、円弧状に湾曲自在に構成されており、ホース部を円弧状に湾曲させてホース部に湾曲部を形成した状態で、噴射口から吹付け材を噴射して対象物に吹付け材を吹付け可能に構成される。
斯かる構成によれば、ホース部を円弧状に湾曲させてホース部に湾曲部を形成する。これにより、ホース部内の吹付け材の流路は、湾曲部において湾曲した状態となる。そして、湾曲部が形成された状態で、噴射口から吹付け材を噴射して対象物に吹付け材を吹付ける。これにより、ホース部内を流通する吹付け材は、湾曲部で減速された後、噴射口から噴射されることになる。このため、噴射口における吹付け材の噴射速度は、ホース部に湾曲部が形成されない場合よりも遅くなる。これにより、吹付け材が対象物に衝突した際の衝撃が低減されるため、吹付け材を吹付ける対象物と噴射口との間の距離を十分に確保できない場合(対象物と噴射口との間の距離が比較的近い場合)であっても、吹付け材のはね返りを抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、対象物への吹き付けを行った際に生じるはね返りを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る乾式吹付け工法で使用される噴射機の概略を示した一部断面図。 同実施形態に係る乾式吹付け工法の概略を示した図。 他の実施形態に係る乾式吹付け工法の概略を示した図。 実施例における90°曲げ半径を示した図。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係る乾式吹付け工法は、セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とを混合して吹付け材を形成しつつ該吹付け材を気体と共に対象物に吹き付けるものである。
粉体材料に含まれるセメントとしては、特に限定されるものではなく、市場で入手できる種々のセメントを用いることができる。具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント及びフライアッシュセメントとの各種混合セメントや、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、及び、カルシウムアルミネート系、カルシウムサルフォアルミネート系、カルシウムフルオロアルミネート系等の超速硬セメント等からなる群から選択される一つを用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。
前記粉体材料は、骨材を含むものであってもよい。
前記骨材としては、粗骨材、及び、細骨材を用いてもよく、細骨材のみを用いてもよい。つまり、骨材として粗骨材、及び、細骨材を用いる場合には、吹付け材は、コンクリートを構成するものとなり、骨材として細骨材のみを用いる場合には、吹付け材は、モルタルを構成するものとなる。
粗骨材は、5mmのふるい目を通過しないものが85質量%以上となるサイズのものを用いることができる。具体的には、粗骨材としては、砂岩砕石、玉砂利(川砂利)、天然軽量粗骨材(パーライト、ヒル石等)、副産軽量粗骨材、人工軽量粗骨材、再生骨材等が挙げられる。粗骨材の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、セメントに対して180質量%以上210質量%以下であってもよく、190質量%以上200質量%以下であってもよい。
細骨材は、10mmのふるい目をすべて通過し、5mmのふるい目を通過するものが85質量%以上となるサイズのものを用いることができる。具体的には、細骨材としては、山砂、川砂、陸砂、及び、海砂等の天然砂や、砂岩,石灰岩等を人工的に破砕して形成された砕砂(より詳しくは、石灰砕砂等)が挙げられる。細骨材の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、セメントに対して100質量%以上300質量%以下であってもよく、150質量%以上250質量%以下であってもよい。
なお、上記の粗骨材及び細骨材のサイズは、JIS A 1102に従う骨材のふるい分け試験方法によって測定されるもので、JIS Z 8801-1の試験用ふるい目を表したものである。
また、粉体材料は、セメント以外の材料を含むものであってもよい。例えば、粉体材料は、繊維材(ガラス繊維、鋼繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン繊維、炭素繊維等)、混和材(高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、膨張材等)、混和剤(減水剤、増粘剤、消泡剤等)等を含むものであってもよい。
前記液体材料に含まれる水としては、特に限定されるものではなく、一般的な上水道水を用いることができる。また、液体材料は、水以外の材料を含むものであってもよい。例えば、液体材料は、モルタルやコンクリートを混練する際に使用する減水剤等の混和剤、ポリマーディスパージョン液、収縮低減剤、凝結調整剤等を含むものであってもよい。
また、粉体材料及び液体材料の少なくとも一方に、背景技術で例示した各種の急結剤が含まれてもよい。
本発明に係る乾式吹付け工法では、上記のような吹付け材を、対象物(例えば、掘削によって形成された壁面等)へ向けて、気体と共に噴射する噴射機が用いられる。具体的には、図1に示すように、噴射機10は、吹付け材が気体と共に流通する流路Fを形成するホース部1と、粉体材料と液体材料とを接触させる粉液接触部2と、粉体材料を気体と共に搬送する粉体搬送部3と、液体材料を搬送する液体搬送部4とを備える。
粉体搬送部3は、管状部材を用いて形成される。そして、粉体搬送部3は、粉液接触部2に連結されて該粉液接触部2へ粉体材料を気体と共に供給する。粉体搬送部3の内側の直径3Rとしては、特に限定されるものではなく、例えば、20mm以上75mmであることが好ましく、25mm以上50mm以下であることがより好ましい。液体搬送部4は、管状部材を用いて形成される。そして、液体搬送部4は、粉液接触部2に連結されて該粉液接触部2へ液体材料を供給する。粉液接触部2は、粉体搬送部3から供給される粉体材料と、液体搬送部4から供給される液体材料とが接触して混合されることで吹付け材を形成する。そして、粉液接触部2は、形成された吹付け材をホース部1の流路Fに供給する。
ホース部1は、粉液接触部2で形成された吹付け材を気体と共に噴射させる噴射口1aを一端部に備え、他端部が粉液接触部2に連結される。粉液接触部2から噴射口1aに達するまでの吹付け材の流路Fの長さ(即ち、吹付け材が混練される距離)L1としては、特に限定されるものではなく、例えば、50cm以上250cm以下であることが好ましく、100cm以上225cm以下であることがより好ましい。また、ホース部1の内側の直径(流路Fの直径)R1としては、特に限定されるものではなく、例えば、20mm以上75mmであることが好ましく、25mm以上50mm以下であることがより好ましい。また、ホース部1の内側の直径(流路Fの直径)R1は、粉体搬送部3の内側の直径3Rに対する割合が0.66以上1.36以下であることが好ましく、0.66以上1.23以下であることが好ましい。
ホース部1は、吹付け材の流路Fが湾曲するように変形自在(湾曲自在)に構成される。本実施形態では、ホース部1を構成する管状部材は、蛇腹状に形成される。
次に、上記のような噴射機10を用いて、吹付け材を対象物に吹付ける方法(乾式吹付け工法)について説明する。
図2に示すように、対象物Xに吹付け材を吹付ける際には、ホース部1の流路Fが湾曲するようにホース部1を変形させて円弧状の湾曲部1bを形成する。湾曲部1bの角度としては、特に限定されるものではなく、例えば、45°以上135°以下であることが好ましく、90°程度であることがより好ましい。湾曲部1bを形成する位置としては、特に限定されるものではなく、例えば、噴射口1aからの距離(噴射口1aと湾曲部1bとの間の距離)L2が10cm以上30cm以下であることが好ましく、10cm以上20cm以下であることがより好ましい。湾曲部1bの長さL3としては、特に限定されるものではなく、例えば、40cm以上240cm以下であることが好ましく、100cm以上240cm以下であることがより好ましい。湾曲部1bの外側の円弧の半径R3としては、特に限定されるものではなく、例えば、150mm以上400mm以下であることが好ましく、150mm以上300mm以下であることがより好ましい。また、湾曲部1bの外側の円弧の半径R3は、対象物Xと噴射口1aとの間の距離L4に応じて調節されることが好ましい。
対象物Xと噴射口1aとの間の距離L4としては、特に限定されるものではなく、例えば、30cm以上120cm以下であることが好ましく、30cm以上100cm以下であることがより好ましい。そして、上記のように、ホース部1に湾曲部1bが形成された状態で、吹付け材を噴射口1aから噴射し、吹付け材を対象物Xへ吹付ける。
以上のように、本発明に係る乾式吹付け工法、及び、噴射機によれば、対象物への吹き付けを行った際に生じるはね返りを抑制することができる。
即ち、ホース部1を円弧状に湾曲させてホース部1に湾曲部1bを形成する。これにより、ホース部1内の吹付け材の流路Fは、湾曲部1bにおいて湾曲した状態となる。そして、湾曲部1bが形成された状態で、噴射口1aから吹付け材を噴射して対象物Xに吹付け材を吹付ける。これにより、ホース部1内を流通する吹付け材は、湾曲部1bで減速された後、噴射口1aから噴射されることになる。このため、噴射口1aにおける吹付け材の噴射速度は、ホース部1に湾曲部1bが形成されない場合よりも遅くなる。これにより、吹付け材が対象物Xに衝突した際の衝撃が低減されるため、吹付け材を吹付ける対象物Xと噴射口1aとの間の距離を十分に確保できない場合(対象物Xと噴射口1aとの間の距離が比較的近い場合)であっても、吹付け材のはね返りを抑制することができる。
また、湾曲部1bの外側の円弧の半径R3が上記の範囲であることで、ホース部1内を流通する吹付け材をより確実に減速させることができる。このため、吹付け材のはね返りをより確実に抑制することができる。
また、湾曲部1bの外側の円弧の半径R3を調節することで、噴射口1aにおける吹付け材の噴射速度を制御することができる。これにより、対象物Xと噴射口1aとの間の距離に応じて吹付け材の噴射速度を調節することができるため、吹付け材のはね返りをより確実に抑制することができる。
また、粉液接触部2から噴射口1aまでの吹付け材の流路Fの長さが上記の範囲であることで、ホース部1内での吹付け材の混練を良好に行うことができる。
また、ホース部1内の吹付け材の流路Fの直径R1が上記の範囲であることで、ホース部1内での吹付け材の混練を良好に行うことができる。
なお、本発明に係る乾式吹付け工法、及び、噴射機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、更に、他の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、ホース部1に湾曲部1bが一つ形成されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、ホース部1に湾曲部1bが複数(具体的には、二つ)形成されてもよい。このように構成されることで、ホース部1の複数個所(具体的には、2カ所)で吹付け材が減速されることになるため、噴射口1aにおける吹付け材の噴射速度をより確実に低減することができる。これにより、吹付け材のはね返りをより確実に抑制することができる。
また、上記実施形態では、ホース部1は、蛇腹状の管状部材で構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、蛇腹状の管状部材の先端部に従来の吹付け用ノズルが連結されてホース部1が構成されてもよい。斯かる場合には、噴射口1aは、吹付け用ノズルに設けられる。又は、従来の吹付け用ノズルの先端部にホース部1を連結するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、ホース部1は、蛇腹状の管状部材で構成されているが、湾曲部1bを形成できる程度に変形可能であれば、特に限定されるものではない。例えば、蛇腹状ではない管状部材を用いてホース部1が構成されてもよい。
以下、実施例、及び、比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<使用材料(品名、社名等)>
A:粉体成分
・セメント:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)
・細骨材 :珪砂1号、2号、7号
B:液体成分
・水:水道水
・液体混和剤:ライオンボンドA(住友大阪セメント株式会社製)
<粉体材料、及び、液体材料の配合>
東和式ロータリーガン吹付け機を用いて、下記表1に示す割合で、上記の各粉体成分の混合物を空気圧送した。圧送距離は、水平方向に60mとした。
また、下記表1に示す割合で、各液体成分の混合物をポンプ圧送した。圧送距離は、水平方向に60mとした。
Figure 0007261408000001
<吹付け材の噴射条件>
東和式ロータリーガンの粉体圧送圧力は0.10MPaに設定した。この場合の筒先の圧力は約0.05MPaである。
1.試験1
<はね返り率>
はね返り率の測定は、JSCE-F 563に準拠して行った。吹付けの対象物として、35cm×45cm×30cmの内部空間を有する型枠の質量(以下、当初型枠質量とも記す)を測定した。
そして、該型枠の周囲にシート材を敷き、図1に示す噴射機10を用いて、図2に示す状態で、該型枠に吹付け材を吹付けた(吹付け工程)。
そして、吹付け工程後の型枠の質量(以下、吹付け後型枠質量とも記す)を測定した。
なお、型枠(対象物)から噴射口1aまでの距離L4は、30cmとした。
また、吹付け工程の条件としては、下記表2に示す。なお、「90°曲げ半径」とは、図4に示すように、ホース部1を90°曲げた際に形成される湾曲部1bの外側の円弧の半径R3である。
得られた測定結果と、シート材上の吹付け材の質量(はね返り量)と、下記(1)式を用いて、はね返り率を算出した。算出されたはね返り率については下記表2に示す。
なお、下記(1)式における「施工量」とは、吹付け後型枠質量と当初型枠質量との差である。

・はね返り率=はね返り量÷(施工量+はね返り量)×100・・・(1)
<吐出量>
図1に示す噴射機10を用いて、図2に示す状態で、フレキシブルコンテナバックに吹付け材を1分間噴射した際のフレキシブルコンテナバック内の吹付け材の質量を吐出量とした。吐出量については、下記表2に示す。
<圧縮強度>
吹付け工程で型枠に吹付けられた吹付け材が硬化した後、φ10cm×20cmのコアを採取し、20℃水中にて養生後、材齢28日における圧縮強度を測定した。圧縮強度の測定は、JISA1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に基づいて行った。圧縮強度の測定結果については、下記表2に示す。
<鉄筋背面への充填性試験>
JHS432「断面修復用吹付けモルタルの試験方法」に準拠した型枠を壁面に設置し、図1に示す噴射機10を用いて、図2に示す状態で、該型枠に吹付け材を吹付けた(吹付け工程)。吹付け工程の条件としては、下記表2に示す。
そして、吹付け材が硬化した後、所定の位置で吹付け材を型枠ごと切断し、切断面での鉄筋付近の充填状況を目視で確認し、空隙の長さを測定した。空隙の長さの測定結果については、表2に示す。
2.試験2
90°曲げ半径を200mmとし、図1のL1(混練距離)を変更したこと以外は、試験1と同一の試験を行った。試験結果は、下記表3に示す。
3.試験3
90°曲げ半径を200mmとし、粉体搬送部3を構成する管状部材の内側の直径(内径)3Rと、ホース部1を構成する管状部材の内側の直径(内径)R1とを変更したこと以外は、試験1と同一の試験を行った。試験結果は、下記表4に示す。
Figure 0007261408000002
Figure 0007261408000003
Figure 0007261408000004
4.まとめ
表2を見ると、90°曲げ半径を変えることによって、はね返り率が変化することが認められる。つまり、湾曲部1bの外側の円弧の半径R3がはね返り率に影響することが認められる。このため、ホース部1に湾曲部1bを形成した状態で、噴射口1aから吹付け材を噴射して吹付け工程を行うことで、吹付け材のはね返りを抑制することができる。また、試験例1~3と、試験例4,5とを比較すると、試験例1~3の方がはね返り率が低いことが認められる。つまり、90°曲げ半径が150mm以上300mm以下となるように湾曲部1bを形成することで、吹付け材のはね返りをより確実に抑制することができる。
表3の試験例8~11と、試験例6,7,12とを比較すると、試験例8~11の方がはね返り率が低いことが認められる。つまり、混練距離(図1のL1)が50cm以上250cm以下であることで、吹付け材のはね返りをより確実に抑制することができる。
表4の試験例13~15と、試験例16とを比較すると、試験例13~15の方がはね返り率が低いことが認められる。つまり、粉体搬送部3の内径3Rに対するホース部1の内径R1の割合(R1/3R)が0.7以上1.4以下であることで、吹付け材のはね返りをより確実に抑制することができる。
また、湾曲部1bを設けることで、吹付け対象物Xからの距離L4に対応した吐出圧や吐出量に調節することができるため、吹付けられた吹付け材に空隙が生じ難くなり、表2~4の圧縮強度の結果から分かるように、良好な圧縮強度を得ることができる。
また、表2~4の鉄筋背面充填性の結果から分かるように、吹付け対象物Xに対する噴射口1aの角度を自在に変えることができるため、鉄筋裏等への吹付け材の充填を良好に行うことができる。
1…ホース部、1a…噴射口、1b…湾曲部、2…粉液接触部、3…粉体搬送部、3R…粉体搬送部の直径、4…液体搬送部、10…噴射機、R3…湾曲部の半径、F…吹付け材の流路、X…対象物

Claims (6)

  1. セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とが混合されて形成される吹付け材を気体と共に噴射する噴射機を用いて、該吹付け材を対象物に吹き付ける乾式吹付け工法であって、
    噴射機は、吹付け材が気体と共に流通する流路を形成するホース部と、粉体材料と液体材料とを接触させる粉液接触部と、該粉液接触部へ粉体材料を気体と共に搬送する粉体搬送部と、を備えており、
    該ホース部は、吹付け材の流路から吹付け材を噴射させる噴射口を備えると共に、円弧状に湾曲自在に構成されており、
    該ホース部内の吹付け材の流路の直径は、粉体搬送部の内側の直径に対する割合が0.66以上1.36以下であり、
    ホース部を円弧状に湾曲させてホース部に湾曲部を形成した状態で、噴射口から吹付け材を噴射して対象物に吹付け材を吹付ける工程を備える乾式吹付け工法。
  2. 湾曲部の外側の円弧の半径が150mm以上400mm以下である請求項1に記載の乾式吹付け工法。
  3. 対象物と噴射口との間の距離に応じて湾曲部の外側の円弧の半径を調節する工程を備える請求項1又は2に記載の乾式吹付け工法。
  4. 液接触部から噴射口に達するまでの吹付け材の流路の長さは、50cm以上250cm以下である請求項1乃至3の何れか一項に記載の乾式吹付け工法。
  5. ホース部内の吹付け材の流路の直径は、20mm以上75mm以下である請求項1乃至4の何れか一項に記載の乾式吹付け工法。
  6. セメントを含む粉体材料と水を含む液体材料とが混合されて形成される吹付け材を対象物に吹き付けるべく該吹付け材を気体と共に噴射する噴射機であって、
    吹付け材が気体と共に流通する流路を形成するホース部と、粉体材料と液体材料とを接触させる粉液接触部と、該粉液接触部へ粉体材料を気体と共に搬送する粉体搬送部と、を備えており、
    該ホース部は、吹付け材の流路から吹付け材を噴射させる噴射口を備えると共に、円弧状に湾曲自在に構成されており、
    該ホース部内の吹付け材の流路の直径は、粉体搬送部の内側の直径に対する割合が0.66以上1.36以下であり、
    ホース部を円弧状に湾曲させてホース部に湾曲部を形成した状態で、噴射口から吹付け材を噴射して対象物に吹付け材を吹付け可能に構成された噴射機。
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