JP7261401B2 - 手動台車、並びに、手動台車用発電ユニット - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されたピッキングカートは、物品に取り付けられたICタグから情報を読み取り可能なICリーダライタや、タブレットPC、ディスプレイ等の備え付けの機器に対し、搭載されたバッテリーから電力を供給可能なものである。
さらに、本様相は、発電のための車輪部材を走行面に押圧する押圧手段を有しており、手動台車の使用時に車輪部材が走行面に押し当てられる。このことから、例え走行面に微細な段差や凹凸が形成されていても、走行時における車輪部材の回転を維持させることが可能であり、発電動作を確実に実行できる。
上記した様相は、前記発電手段は、ブラシレスモータと、磁極検出手段を有し、前記ブラシレスモータは、回転子と、固定子と、前記回転子又は前記固定子に設けられた永久磁石とを有しており、且つ、前記回転子を外力によって回転させることで電力を発生させるものであり、前記磁極検出手段の出力信号を外部に取り出すことが好ましい。
(1) 計量装置
(2) プリンタ
(3) 情報読取装置
(4) 通信装置
また、このピッキングカート1は、特徴的な部分として、図2で示されるように、走行時に発電を行う発電ユニット6(発電手段、手動台車用発電ユニット)を備えている。
すなわち、このピッキングカート1の本体部2は、水平方向に広がりを有する枠状又は板状の下側土台部10と、下側土台部10から上方に延びる複数(本実施形態では4つであり、図1では一つを図示しない)の柱状体部11を備えている。加えて、下側土台部10から上方に離れた位置には、水平方向に広がりを有する枠状又は板状の上側土台部12を備えている。
そして、下側土台部10の上側に下部載置部15(計量装置、電子機器)が設けられ、上側土台部12の上側に上部載置部16(計量装置、電子機器)が設けられている。
なお、上記したネットワークは、典型的には、LAN(Local Area Network)であるが、データ送受信可能な回線であればどのような構成でもよい。
ここで、ピッキングカート1は、前方側に取り付けられて前輪となる二つのキャスタ部3と、後方側に取り付けられて後輪となる二つのキャスタ部3の合計4つのキャスタ部3を有する(後輪となる二つのキャスタ部3の一方については、図1では図示しない)。この前輪となる二つのキャスタ部3と、後輪となる二つのキャスタ部3は、それぞれ左右方向で離れた位置に一つずつ取り付けられている。
対して、後輪となる二つのキャスタ部3は、車輪3bの回転軸が左右方向に延びた状態となるように、下側土台部10に直接取り付けられている。
つまり、本実施形態のピッキングカート1は、4つの走行用のキャスタ部3により、自立及び走行可能な手動台車である。
取付用孔34、車輪退避用孔35は、いずれも底板部25aを厚さ方向(上下方向)に貫通する貫通孔である。具体的には、取付用孔34は、ボルト70の軸部分(詳しくは後述する)を挿通可能な開口形状が略円形の孔であり、車輪退避用孔35は、開口形状が四角形状の孔である。
なお、一方の配線挿通孔38は、発電装置27から延びる配線部材60(図2等参照)を挿通するための孔であり、もう一方の配線挿通孔38が制御基板40から延びる配線(図示しない)を挿通するための孔となっている。
また、特に限定されるものではないが、本実施形態では、長側壁部30と短側壁部31の境界となる部分の近傍にリブ部材39が一体に固定されている。これら4つのリブ部材39は、箱状部材25の強度を向上させる部材となっている。
なお、ここでいう締結要素とは、ネジ、釘、ボルトといった、複数部材を貫通して(又は少なくとも一部材を貫通すると共に他の一部材内に挿通して)、複数部材を一体に固定する棒状の固定手段とし、以下の記載においても同様のものとする。
取付片部44aには、取付片部44aを厚さ方向に貫通する取付用孔47が形成されている。この取付用孔47は、押圧板部43に保持部材44を固定するためのボルト65の軸部分を挿通可能な孔であり、開口形状が略円形となる孔である。
取付板部44bは、発電装置27の装置本体部50(詳しくは後述する)の外形に沿う形状であり、下方へ凸となるように湾曲しつつ延びる部分である。
この取付板部46にもまた、取付板部46を厚さ方向に貫通する取付用孔48が形成されている。この取付用孔48は、押圧板部43(発電装置保持部45)を箱状部材25に固定するためのボルト70の軸部分を挿通可能な孔であり、開口形状が略円形となる孔である。
装置本体部50は、外郭部材55(ケース部材)の内部にモータ56(図3では図示しない図4参照)と、増速機(図示しない)を内蔵して形成される部材である。
換言すると、モータ56は、固定子59として三つのコイルW1,W2,W3を有する構造となっている。そして、ホール素子H1,H2,H3により、回転子58たる永久磁石の回転位置を検出し、外部に検出した回転位置に係る情報を出力することで、回転子58(モータ56)の回転数を取得可能となっている。
また、動力伝達軸52は、水平方向に延びる棒状部材であり、その延び方向は、後輪を形成するキャスタ部3の車輪3bの回転軸と同方向となっている。
そして、発電用車輪51の径方向における中心部分には、動力伝達軸52の一端側が取り付けられており、発電用車輪51の回転に伴って動力伝達軸52が回転する構造となっている。
このとき、必要に応じて装置本体部50の上方にスペーサ部材61(図3では図示しない、図5参照)を配置する。なお、スペーサ部材61は、モータ56の回り止め部材としても機能する。
このことにより、押圧板部43と保持部材44によって形成される発電装置保持部45に発電装置27が保持された状態となり、これらが外部の部材に対して固定可能なユニット体を形成した状態となる。
さらに、発電装置保持部45(押圧板部43及び保持部材44)と発電装置27によって形成されるユニット体は、上下方向へ移動が可能であり、常時下方側へ付勢された状態となる。このとき、ボルト70は、このユニット体の移動方向を規制する移動規制部材としても機能する。
したがって、本実施形態のピッキングカート1は、本体部2に対してユニット体である発電ユニット6を固定して形成される手動台車である。
このことから、ピッキングカート1が走行することで、発電用車輪51が回転し、発電装置27(モータ56)が発電する。
なお、発電用車輪51は、後輪を形成する2つの車輪3bの間に位置した状態となっており、2つの車輪3bのそれぞれから左右方向で中央側に離れた位置に配されている。
そして、発電用車輪51は、この2つの車輪3b(後輪)の間であり、中間となる位置に配されている。つまり、図2で示されるように、2つの後輪の一方における厚さ方向の中心位置から発電用車輪51の厚さ方向の中心位置までの距離をL1とし、他方の厚さ方向の中心位置から発電用車輪51の厚さ方向の中心位置までの距離をL2とする。このとき、L1とL2が同じ長さとなっている。
すなわち、発電用車輪51は、少なくとも一部が2つの車輪3b(後輪)の一方から他方までの間の中心部分近傍となる位置に配されるように配置されている。
この場合、上記したように、発電装置保持部45と発電装置27によって形成されるユニット体の全体が上下方向に移動可能な状態で取り付けられているため、図6で示されるように、少なくとも発電用車輪51(図6ではユニット体の全体)が上方へ移動する。
つまり、本実施形態では、押圧板部43の四隅それぞれの近傍(複数個所)が下方に付勢されており、四隅それぞれの近傍に位置するボルト70の軸部に沿って各部(複数個所)のそれぞれが上下方向に移動可能となっている。言い換えると、ピッキングカート1の走行方向と、動力伝達軸52の長手方向の少なくとも一方向で離れた二個所を含む複数個所が下方に付勢される部分であり、且つ、上下方向に移動可能な部分となっている。
このことから、押圧板部43等が上方へ移動する場合、全体が上方にスライド移動する他、傾いた姿勢で上方へ移動させることが可能となっている。例えば、押圧板部43の四隅のうち、発電用車輪51側の一つ又は二つのみが大きく上方へ移動し、他の三つ又は二つが小さく上方へ移動するといった具合である。したがって、例えば、走行面の隆起部分が歪な形状であっても、発電用車輪51が走行面に接触する状態をより確実に維持できる。
なお、ホール素子H1,H2,H3からの出力信号が入力されるホール素子信号入力部は、上記の制御基板40に設けてもよく、本体部2側の制御用基板に設けてもよく、これらとは別に設けた基板に設けてもよい。
このことから、ピッキングカート1は、これら取得(算出)した情報に基づく動作の実行が可能となっている。このような動作としては、例えば、ピッキングカート1の走行距離が一定以上となったことを条件として、メンテナンス作業や充電を促す報知動作がある。すなわち、情報表示装置22にメンテナンス作業や充電の実行を行う旨、メッセージ等を表示する動作である。
この場合、発電ユニット6は、本体部2のいずれかの部分(例えば、ハンドル部4の近傍)に取り付け可能な操作部を有する切り替えスイッチをさらに設け、操作部を操作することで、発電実施状態と車輪駆動状態が切り替わる構造としてもよい。
すなわち、ピッキングカート1の移動開始時や、ピッキングカート1を登坂で使用するとき、発電用車輪51を駆動させる(アシスト駆動させる)ことで、作業者がピッキングカート1を手軽に手押しすることが可能なものとしてもよい。
すなわち、車輪3bの外周面と発電用車輪51の外周面を接触させた状態とし、ピッキングカートが走行することにより、車輪3b及び発電用車輪51が回転し、発電がおこなわれる構造とすることが考えられる。なお、この場合、発電装置27は、発電用車輪51が車輪3bに接触する位置に取り付けられていればよく、必ずしも弾性部材を介して取り付けられていなくてもよい。
例えば、箱状部材25は必ずしも設けなくてもよく、下側土台部10に対して発電装置保持部45、発電装置27からなるユニット体を直接取り付けてもよい。すなわち、下側土台部10の下面にボルト70の軸部分を挿通し、下側土台部10の上方に位置するナット73と一体に螺合させ、取り付けてもよい。この場合、制御基板40等の部材は、本体部2の適宜な部分に一体に固定してもよい。
また、箱状部材25を下側土台部10に固定する際には、ボルト等の一時締結要素により固定する他、溶接等の固定手段によって固定してもよい。すなわち、取り外しが不可能な状態に固定してもよい。
同様に、発電装置保持部45、発電装置27からなるユニット体を下側土台部10に直接取り付ける場合においても、ボルト70(一部が大径となる棒状部材)の軸部分を溶接により固定してもよい。
ホール素子の数は適宜変更してもよく、例えば、一又は三以上のホール素子によって回転子58の回転数を取得してもよい。すなわち、一又は複数のホール素子から出力される信号により、回転子58の回転数を取得ができればよい。
例えば、制御基板40に替わって、外郭部材55の内部に平滑回路、逆流防止手段等を備えた小型の基板を配する構造であってもよい。
箱状部材25(発電ユニット6)は、下側土台部10の下側の適宜な部分に取り付けてもよく、必ずしも発電用車輪51は左右方向で離れた二つのキャスタ部3の間に位置しなくてもよい。例えば、発電用車輪51が前後方向で離れた二つのキャスタ部3の間に配されていてもよく、前後方向及び左右方向でキャスタ部3(車輪3b)と重ならない位置に配されていてもよい。
さらには、左右方向で離れた二つのキャスタ部3の間(中間部分)から、前後方向にずれた位置に配されていてもよい。
しかしながら、横移動を抑制するという観点から、上記の様に、2つの後輪の中間となる位置又はその近傍に発電用車輪51が配されるよう、取り付けることが好ましい。
例えば、発電した電力が供給される電子機器は、これらに加え、外部機器との間で信号を送受信可能とする通信装置であってもよい。すなわち、ピッキングカート1が備えた電子機器のいずれか一以上の機器であればよい。
例えば、発電機として、整流子モータ等のモータを採用してもよい。すなわち、車輪部材の回転力を電力に変換する発電機であればよい。
また、発電機としてモータを採用する場合、上記のような回転子58に永久磁石が使用されるものに限らず、固定子に永久磁石が使用されるものを採用してもよい。
2 本体部
3b 車輪
5 バッテリー(蓄電池)
6 発電ユニット(発電手段、手動台車用発電ユニット)
15 下部載置部(計量装置、電子機器)
16 上部載置部(計量装置、電子機器)
20 スキャナ(情報読取装置、電子機器)
21 プリンタ(電子機器)
22 情報表示装置(電子機器)
25 箱状部材(筐体部材)
27 発電装置(モータユニット)
40 制御基板
51 発電用車輪(車輪部材)
55 外郭部材(ケース部材)
56 モータ(ブラシレスモータ)
58 回転子
59 固定子
71 弾性部材(押圧手段)
83 逆流防止手段
H1,H2,H3 ホール素子(磁極検出手段)
Claims (7)
- 動力を持たない車輪と、電子機器と、前記電子機器に電力を供給する蓄電池を有する手動台車において、
本体部と、前記手動台車の移動力を電力に変換する発電手段を有し、前記発電手段が発電する電力で前記蓄電池が充電可能であり、
前記発電手段は、部材が収容可能な内部空間を有する筐体部材と、車輪部材と、前記車輪部材を走行面に押圧する押圧手段を有し、全体としてユニット体となる部材であり、前記車輪部材の回転力を電力に変換するものであって、
前記本体部の下側部分にユニット体である前記発電手段を固定して形成されることを特徴とする手動台車。 - 前記筐体部材の底板部に車輪退避用孔が形成されており、
前記車輪部材は、上側の一部が前記車輪退避用孔に入り込んだ状態で回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の手動台車。 - 前記発電手段は、ブラシレスモータと、磁極検出手段を有し、
前記ブラシレスモータは、回転子と、固定子と、前記回転子又は前記固定子に設けられた永久磁石とを有しており、且つ、前記回転子を外力によって回転させることで電力を発生させるものであり、
前記磁極検出手段の出力信号を外部に取り出すことが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の手動台車。 - 前記発電手段は、モータユニットと、制御基板とを有し、
前記モータユニットは、前記車輪部材と、前記車輪部材の回転に伴い回転子が回転するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータを収納するケース部材とを備え、
前記制御基板は、整流回路と、電流の逆流を防止する逆流防止手段を有し、
前記発電手段は、前記モータユニットが前記押圧手段を介して前記筐体部材の下側に取り付けられ、さらに、前記制御基板が前記筐体部材の内部に収納されて形成されるユニット体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の手動台車。 - 前記車輪を複数有しており、
複数の前記車輪の少なくとも二つは、進行方向と交わる方向で間隔を空けて並列配置されており、
前記車輪部材は、前記並列配置される二つの前記車輪の間であり、二つの前記車輪のそれぞれから等距離だけ離れた位置に少なくとも一部が位置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の手動台車。 - 前記発電手段は、車輪部材を有し、且つ、車輪部材の回転力を電力に変換する発電実施状態と、前記蓄電池から電力を供給することで車輪部材を回転させる車輪駆動状態とを切り替え可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の手動台車。
- 動力を持たない車輪と、電子機器と、前記電子機器に電力を供給する蓄電池を有する手動台車の下側部分に取り付け可能な手動台車用発電ユニットであって、
前記手動台車の移動力を電力に変換して発電し、発電する電力で前記蓄電池の充電が可能なものであり、
部材が収容可能な内部空間を有する筐体部材と、モータユニットと、押圧手段を有し、全体としてユニット体となるものであり、
前記モータユニットは、車輪部材を有しており、前記車輪部材の回転力を電力に変換するものであり、前記押圧手段は、前記車輪部材を走行面に押圧するものであることを特徴とする手動台車用発電ユニット。
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