JP7261106B2 - 煙突内壁面の吹付け補修構造及び吹付け補修方法 - Google Patents

煙突内壁面の吹付け補修構造及び吹付け補修方法 Download PDF

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Description

本発明は、煙突内壁面の吹付け補修構造及び吹付け補修方法に関し、特に煙突の内部に配設された吹付け機構を備える補修装置から、補修箇所に向けて吹付け硬化材を吹き付けて、煙突の内壁面を補修する煙突内壁面の吹付け補修構造及び吹付け補修方法に関する。
例えば廃棄物処分場に設けられた焼却炉や、製鉄所や精錬所などの各種の工場に設けられた高炉やコークス炉等は、煙突と連通しており、これらの施設や工場での様々な処理工程で生じた高温の排ガスや排熱等は、煙突から大気に排出されるようになっている。したがって、煙突は、内部が高温に曝されることから、長期間に亘って使用され続けると、例えば内壁面を構成する耐火レンガが剥落して、高温の排ガス等が煙突の鉄筋コンクリート製の周壁に直接あたるため、その部分の劣化が進行することになる。このため、煙突の内壁面の劣化状態を調査して、必要に応じて煙突の補修を行う必要がある。
このようなことから、ビデオカメラにより煙突の内部を撮影して、その映像によって煙突の内壁面の劣化状態を調査できるようにした、煙突内部の調査装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。また、煙突等の補修を行うために、煙突の内壁面などの、狭隘な作業スペースしか確保できない補修箇所においても、簡単かつ確実にモルタルの吹付けを行えるようにした、吹付けノズルおよびモルタル吹付け工法も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献1の調査装置は、施設や工場の稼動を一旦停止し、煙突を十分に冷却させた後に、ビデオカメラを煙突の内部に吊り降ろして撮影を行うものであるが、煙突を十分に冷却させるのに長時間を要すると、施設や工場の稼動に影響を及ぼすことから、これらの稼動を長時間停止させることなく、高熱状態のまま煙突の内部を調査できるようにした、煙突内部の診断装置も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3の煙突内部の診断装置は、例えば焼却施設において、例えば150℃程度の高温のままの煙突や、150℃程度の高温の排ガス等が流通している使用中の煙突に対しても、テレビカメラ等をドライアイスを用いて冷却することで、煙突の内部の調査を行えるようにしたものである。また、例えば製鉄所や精錬所において、長時間停止しておくと炉が傷んでしまうおそれのある高炉やコークス炉等と連通していて、例えば200℃程度の高温状態で内部の調査を行う必要がある煙突に対しても、テレビカメラ等の計測器を高温に曝されないようにすることで、調査を行うことが可能になるように、種々の開発が行われている。
また、煙突の劣化した内壁面を、モルタルやコンクリート等の吹付け硬化材を吹き付けることにより補修する場合も、例えば製鉄所や精錬所に設けられて高炉やコークス炉等と連通している煙突に対しては、これらの炉を長時間停止することなく吹付け作業を行う必要があるが、特許文献2の吹付けノズルやモルタル吹付け工法は、常温下での施工を前提としたものであるため、高温状態の煙突の内部で作業を行うことが困難であるばかりか、相当の高さを有する煙突の内部まで、吹付け硬化材料を地上から圧送することや、足場を設けて作業を行うことは困難である。
これに対して、本願出願人は、先に特願2017-065530において、煙突の内部に吊り下げられた吹付け機構を備える断熱容器から、煙突の内壁面の補修箇所に向けて吹付け硬化材を吹き付けて、煙突を補修できるようにした煙突内部の壁面吹付け装置を提案している。特願2017-065530に記載の煙突内部の壁面吹付け装置によれば、例えば高炉やコークス炉等を長時間停止しておくことなく、高温状態の煙突の内部で、高温による影響を極力回避しつつ、決められた時間内に遠隔操作によって、吹付けノズル部から吹付け硬化材を安定した状態で吹き付けて、煙突の内壁面を効率良く補修してゆくことが可能なる。
特開平6-294243号公報 特許第4144804号公報 特開2010-236265号公報
一方、例えば煙突の内壁面の耐火レンガが剥落した部分を、モルタルやコンクリート等の吹付け硬化材によって補修する場合、吹き付けられた吹付け硬化材の表面の高さが、剥落していない部分の耐火レンガの表面の高さと揃うように、吹付け硬化材を相当の厚さで肉盛りした状態で吹き付ける必要がある。このため、吹き付けられた吹付け硬化材にダレが生じ易くなって、所定の厚さで吹付け硬化材を吹き付けることが難しくなる。特に、耐火レンガの裏側には、例えば鉄筋コンクリート製の煙突の周壁の内側面との間に、断熱層となる空気層を設けて、周壁が高熱により損傷しないようにする工夫がなされていることが多い。このため、耐火レンガが剥落した部分を介して煙突の内部の熱が断熱層となる空気層に入り込まないように、吹付け硬化材をさらに厚く吹き付けて、耐火レンガが剥落した部分を確実に閉塞する必要を生じることから、より一層、吹き付けられた吹付け硬化材にダレが生じ易くなる。
煙突の内壁面の補修箇所に相当の厚さで肉盛りした状態で吹き付けられた吹付け硬化材に、ダレが生じないようにするためには、一般に、補修箇所に突出させて、スタッド金物を取り付けておき、取り付けたスタッド金物に支持させることによって、相当の厚さで吹き付けられた吹付け硬化材にダレないようにすることが考えられるが、高温状態の煙突の内部での作業によって、煙突の内壁面の補修箇所に突出させて、スタッド金物を取り付けることは困難である。
本発明は、スタッド金物を、煙突の外側からの作業によって、煙突の内壁面の補修箇所に所定の突出長さで突出させた状態で取り付けることを可能にして、取り付けられたスタッド金物によって支持させながら、吹付け硬化材を相当の厚さで安定した状態で吹き付けて、煙突の内壁面の補修箇所を効果的に補修することのできる煙突内壁面の吹付け補修構造及び吹付け補修方法を提供することを目的とする。
本発明は、煙突の内部に配設された吹付け機構を備える補修装置から、煙突の内壁面の補修箇所に向けて吹き付けられた吹付け硬化材によって、煙突を補修する煙突内壁面の吹付け補修構造であって、吹き付けられた吹付け硬化材の内部には、煙突の周壁を貫通して設置されたスタッド金物の、周壁の内側面から内側に突出する部分である内側突出部が埋設されるようになっており、前記スタッド金物は、前記内側突出部に回転可能に連結されると共に、前記スタッド金物の軸方向に沿って配置された状態から回転して、前記内側突出部の側方に張り出す回転張出し係止片を備えており、前記スタッド金物は、吹付け硬化材が補修箇所に吹き付けられるのに先立って、煙突の内側において前記内側突出部の側方に張り出した前記回転張出し係止片と、煙突の外側において前記スタッド金物の外側突出部に締着された締着部材との間に、煙突の周壁を挟み込んで固定されると共に、肉盛りされる吹付け硬化材を支持することが可能な所定の突出長さで前記内側突出部を煙突の周壁の内側面から内側に突出させた状態で、スタッド挿通孔を貫通して固定されるようになっており、且つ前記スタッド金物は、当該スタッド金物の外側突出部に前記締着部材が締着されることにより煙突の周壁を締め付けて、当該締着部材を煙突の周壁の外周面に圧着させると共に、前記回転張出し係止片を煙突の周壁の内周面に圧着させて、これらの間に煙突の周壁を挟み込むことによって、周壁の外周面及び内周面の2箇所で支持させた状態で、前記スタッド挿通孔を貫通して固定されるようになっている煙突内壁面の吹付け補修構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
また、本発明の煙突内壁面の吹付け補修構造は、前記スタッド金物の前記内側突出部を含む部分に、前記スタッド金物の径方向に貫通する貫通スリットが、前記スタッド金物の軸方向に延設して形成されており、前記回転張出し係止片は、前記貫通スリットを横断して設けられた回転軸を中心に重力により回転することによって、前記貫通スリットに納められた状態から、前記内側突出部の側方に張り出すようになっていることが好ましい。
さらに、本発明の煙突内壁面の吹付け補修構造は、前記スタッド金物の前記外側突出部に、雄ネジ凸条が形成されており、前記締着部材は、前記雄ネジ凸条に螺合される雌ネジ凸条を備えるナット部材となっていることが好ましい。
さらにまた、本発明の煙突内壁面の吹付け補修構造によれば、前記スタッド金物の前記内側突出部は、先端の高さが、前記補修箇所の周囲の煙突の内壁面の、周壁の内側面からの高さよりも、僅かに低い高さとなるような所定の突出長さで、周壁の内側面から突出していることが好ましい。
また、本発明は、煙突の内部に配設された吹付け機構を備える補修装置から、煙突の内壁面の補修箇所に向けて吹付け硬化材を吹き付けることにより、煙突を補修する煙突内壁面の吹付け補修方法であって、吹き付けられた吹付け硬化材の内部に、スタッド金物の内側突出部が埋設されるようになっており、前記スタッド金物は、前記内側突出部に回転可能に連結され、前記スタッド金物の軸方向に沿って配置された状態から回転して、前記内側突出部の側方に張り出す回転張出し係止片を備えており、煙突の外側からの作業によって、煙突の周壁を貫通して形成されたスタッド挿通孔に前記スタッド金物を挿通し、前記内側突出部を煙突の周壁の内側面から内側に突出させて、前記回転張出し係止片を前記内側突出部の側方に張り出させた後に、煙突の外側からの作業によって、前記スタッド金物の外側突出部に締着部材を締着して、前記スタッド金物を、前記回転張出し係止片と前記締着部材との間に煙突の周壁を挟み込むと共に、肉盛りされる吹付け硬化材を支持することが可能な所定の突出長さで前記内側突出部を煙突の周壁の内側面から内側に突出させた状態で、前記スタッド挿通孔を貫通させて固定し、且つ前記スタッド金物を、当該スタッド金物の外側突出部に前記締着部材を締着することにより煙突の周壁を締め付けて、前記締着部材を煙突の周壁の外周面に圧着させると共に、前記回転張出し係止片を煙突の周壁の内周面に圧着させ、これらの間に煙突の周壁を挟み込むことによって、周壁の外周面及び内周面の2箇所で支持させた状態で、前記スタッド挿通孔を貫通させて固定し、しかる後に、前記スタッド金物の内側突出部が突出する煙突の内壁面の補修箇所に向けて、吹付け硬化材を所定の厚さとなるように吹き付ける煙突内壁面の吹付け補修方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の煙突内壁面の吹付け補修方法は、前記スタッド金物の前記内側突出部を含む部分に、前記スタッド金物の径方向に貫通する貫通スリットが、前記スタッド金物の軸方向に延設して形成されており、前記回転張出し係止片は、前記スタッド挿通孔の内径よりも小さな幅を有すると共に、前記貫通スリットを横断して設けられた回転軸を中心に自重により回転することによって、前記貫通スリットに納められた状態から、前記内側突出部の側方に張り出すようになっており、前記回転軸による前記回転張出し係止片の回転中心が、前記回転張出し係止片の長さ方向の一方の側に偏って配置されていることにより、前記スタッド金物を前記スタッド挿通孔に挿通して、前記内側突出部を煙突の周壁の内側面から内側に突出させた際に、前記回転張出し係止片は、重力により回転して、前記内側突出部の側方に張り出すようになっていることが好ましい。
本発明の煙突内壁面の吹付け補修構造又は吹付け補修方法によれば、スタッド金物を、煙突の外側からの作業によって、煙突の内壁面の補修箇所に所定の突出長さで突出させた状態で取り付けることを可能にして、取り付けられたスタッド金物によって支持させながら、吹付け硬化材を相当の厚さで安定した状態で吹き付けて、煙突の内壁面の補修箇所を効果的に補修することができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る煙突内壁面の吹付け補修構造を説明する略示断面図である。 スタッド金物として用いるアンカーボルトの、(a)は回転張出し係止片を納めてスタッド挿通孔に挿通した状態の略示上面図、(b)は(a)と同様の状態の略示側面図、(c)は回転張出し係止片を張り出させて周壁に固定した状態の略示側面図である。 アンカーボルトが周壁に固定された状態を説明する、煙突の周壁を内側から見た斜視図である。 吹付け機構を備える断熱容器から、吹付け硬化材を補修箇所に向けて吹き付ける状況を説明する略示断面図である。 吹付け機構を備える断熱容器を煙突の内部に吊り下げる状況を説明する略示断面図である。
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係る煙突内壁面の吹付け補修構造10は、例えば製鉄所や精錬所において、高炉やコークス炉と連通して設けられた煙突50の内部が、高温に曝されながら長期間に亘って使用され続けることで、例えば煙突50の内壁面50aを構成する耐火レンガ50bが剥落した際に、耐火レンガ50bが剥落した部分の内壁面50aの補修箇所52に、モルタルやコンクリート等の吹付け硬化材11を、相当の厚さで肉盛りした状態で吹き付けることによって、効果的に補修できるようにするための補修構造として採用されたものである。
ここで、本実施形態では、モルタルやコンクリート等の吹付け硬化材11を、例えば吹き付けられた当該吹付け硬化材11の表面の高さが、好ましくは剥落していない部分の耐火レンガ50bの表面の高さと概ね揃うように、相当の厚さで肉盛りした状態で吹き付ける必要がある場合には、吹き付けられた吹付け硬化材11にダレが生じ易くなる。このため、煙突50の内壁面50aの補修箇所52に、肉盛りされる吹付け硬化材11を支持することが可能な所定の突出長さで突出させて、スタッド金物12を取り付けておき、取り付けたスタッド金物12に支持させることによって、相当の厚さで吹き付けられた吹付け硬化材11に、ダレを生じさせないようになっている。
一方、例えば高炉やコークス炉と連通する煙突50は、これらの高炉やコークス炉が、例えば6時間~1、2日以上の長時間に亘って稼動を停止すると、炉が傷んでしまうので、長時間に亘って稼動を停止させることなく、煙突50がまだ十分に冷却していない、例えば200℃程度の高温状態のままでも、煙突50の内部を補修する必要があるが、相当の厚さで吹き付けられる吹付け硬化材11にダレを生じさせないようにするために、スタッド金物12を、高温状態の煙突50の内部での作業によって、煙突50の内壁面50aの補修箇所52に、肉盛りされる吹付け硬化材11を支持することが可能な所定の突出長さで突出させて取り付けることは困難である。
本実施形態の煙突内壁面の吹付け補修構造10は、煙突50の内部が高温状態のままでも、スタッド金物12を、煙突50の外側からの作業によって、煙突50の内壁面50aの補修箇所52に、肉盛りされる吹付け硬化材11を支持することが可能な所定の突出長さで突出させた状態で取り付けることを可能にして、取り付けたスタッド金物12によって支持させながら、相当の厚さの吹付け硬化材11を、安定した状態で吹き付けることができるようにする機能を備えている。
そして、本実施形態の煙突内壁面の吹付け補修構造10は、好ましくは煙突50の内部に吊り下げられることで煙突50の内部に配設された、吹付け機構30を備える補修装置である断熱容器20(図4、図5参照)から、煙突50の内壁面50aの補修箇所52に向けて吹き付けられた吹付け硬化材11によって、煙突50を補修する補修構造であって、図1に示すように、吹き付けられた吹付け硬化材11の内部には、煙突50の周壁51を貫通して設置されたスタッド金物12として、好ましくはアンカーボルトの、周壁51の内側面51aから内側に突出する部分である内側突出部12aが、埋設されるようになっている。スタッド金物であるアンカーボルト12は、内側突出部12aに回転可能に連結されると共に、アンカーボルト12の軸方向に沿って配置された状態から回転して(図2(b)、(c)参照)、内側突出部12aの側方に張り出す回転張出し係止片13を備えている。スタッド金物であるアンカーボルト12は、吹付け硬化材11が補修箇所52に吹き付けられるのに先立って、煙突50の内側において内側突出部12aの側方に張り出した回転張出し係止片13と、煙突50の外側においてアンカーボルト12の外側突出部12bに締着された締着部材14との間に、煙突50の周壁51を挟み込んで、肉盛りされる吹付け硬化材11を支持することが可能な所定の突出長さで内側突出部12aを煙突50の周壁51の内側面51aから内側に突出させた状態で、固定されている。
また、本実施形態では、図2(a)~(c)、及び図3に示すように、アンカーボルト12の内側突出部12aを含む部分に、アンカーボルト12の径方向に貫通する貫通スリット15が、アンカーボルト12の軸方向に延設して形成されている。回転張出し係止片13は、後述するスタッド挿通孔53の内径よりも小さな幅として、好ましくはアンカーボルト12の外径を越えない幅を有すると共に、貫通スリット15を横断して設けられた回転軸12cを中心に重力により回転することによって、貫通スリット15に納められた状態から、内側突出部12aの側方に、好ましくは両側に張り出すようになっている。
さらに、本実施形態では、アンカーボルト12の外側突出部12bに、雄ネジ凸条12dが形成されており、締着部材14は、雄ネジ凸条12dに螺合される雌ネジ凸条を備えるナット部材となっている。
本実施形態では、吹付け硬化材11を吹き付ける吹付け機構30を備える補修装置である断熱容器20は、図4に示すように、吹付機本体30aと、水タンク及び水ポンプ30bと、圧縮ガスボンベ30cと、バッテリー30dとを含む乾式吹付け機構30が内部に収容された、外径がφ2000mm程度の大きさの有底円筒形状の断熱容器本体21と、断熱容器本体21の底部21aに該断熱容器本体21の軸方向Zを中心として回転可能に支持されて設けられた回動部22とを備えている。回動部22に取り付けられた吹付けノズル部23から、吹付け硬化材11を、煙突50の内壁面50aに向けて吹き付けるようになっている。回動部22は、断熱容器本体21と同心状に配置された、有底円筒形状を備えており、内部にノズル駆動機構24が設けられていると共に、側壁部22aから外側に突出させて吹付けノズル部23が取り付けられている。回動部22は、吹付けノズル部23を突出させた部分以外の部分の周面が、断熱層25及び/又は冷却層26によって覆われている。
また、本実施形態では、回動部22は、好ましくは断熱容器本体21の外径よりも小さな外径を備えており、また回動部22は、好ましくは断熱容器本体21の底部21aから下方に突出して一体として設けられた、回動部22の外径と同様の外径を有する円筒状突出部27の下端部に、回転可能に接続されることで、断熱容器本体21の底部21aに支持されている。
さらに、本実施形態では、断熱容器本体21の底部21aに固定されて、断熱容器本体21の外径と同様の外径を有すると共に、回動部22の外径よりも大きな内径を有する円環状撮像部28が、回動部22と同心状に配置されて設けられている。円環状撮像部28には、これの周方向に間隔をおいて複数箇所に設けられた耐熱窓に臨ませて、撮像装置及び照明装置(図示せず)が収容されており、円環状撮像部28の耐熱窓が設けられた部分以外の周面が、断熱層25によって覆われている。
本実施形態では、回動部22及び円筒状突出部27は、外径がφ1200mm程度の大きさの中空の円筒形状を備えるように形成されており、円筒状突出部27は、例えば350mm程度の高さを有する鋼製の部分となっている。円筒状突出部27は、上端部に一体として取り付けられた、円環状に延設する接合フランジ27aを、断熱容器本体21の底部21aを構成する底面板21dに接合することで、断熱容器本体21と同心状に配置されて、断熱容器本体21に一体として固定されている。円筒状突出部27の内部には、これの内周面から径方向中心側に延設して固定された支持ブラケット(図示せず)によって支持されて、これの中央部分に、ロータリジョイント40が取り付けられており、また内周面から内側に張出して固定された張出しブラケット42に支持されて、回動部旋回用モータ41が取り付けられている。ロータリジョイント40及び回動部旋回用モータ41は、回動部22の内側の領域まで、下方に延設した状態で設けられている。回動部旋回用モータ41の下端部には、回動部22に設けられたローラチェーン41bと共にピンギアドライブユニットを構成するスプロケット41aが、回動部旋回用モータ41の駆動によって回転可能に取り付けられている。
また、円筒状突出部27の下端部には、内側に円環状に張り出して、回動部支持フランジ27eが一体として接合されている。回動部支持フランジ27eの下面側には、公知のカムフォロア43が取り付けられており、カムフォロア43を介して回転可能に懸垂されることで、回動部22が、円筒状突出部27を介して断熱容器本体21の底部21aから支持された状態で、回転可能に接続されている。回動部22の上端部は、リップシール等を介して、円筒状突出部27の回動部支持フランジ27eの外周縁部分の下面に、周方向に回転スライド可能な状態で密着している。
本実施形態では、回動部22は、例えば1100mm程度の高さを有する鋼製の部分となっており、上述のように、円筒状突出部27の下端部の回動部支持フランジ27eに取り付けられたカムフォロア43を介して、円筒状突出部27に対して回転可能に懸垂された状態で取り付けられている。回動部22の中空内部の上部には、円筒状突出部27の中央部分に設置されたロータリジョイント40の下半部分が臨んで配置されており、またロータリジョイント40の下端部は、回動部22の底盤部22bの中央部分から立設して配置された支柱管22cの上端部に、固定された状態で接続している。
ロータリジョイント40は、各種の機械や装置において、固定部分から回転部分に媒体を輸送するユニットとして公知のジョイント部材である。本実施形態では、ロータリジョイント40は、回転方向にスライド可能に密着する2重フランジ部を介して、下半部分が上半部分に対して、相対的に回転スライドできるようになっている。ロータリジョイント40の上半部分には、乾式吹付け機構30の吹付機本体30aに一端部が接続されると共に、円筒状突出部27の内部に延設する、粉体用配管及び混合水用配管の他端部が接続している。ロータリジョイント40の下半部分には、ノズル側粉体用配管及びノズル側混合水用配管の一端部が接続しており、これらのノズル側粉体用配管及びノズル側混合水用配管の他端部は、回動部22の底盤部22bから立設する支柱管22cの中空内部を経て、回動部22に設けられた吹付けノズル部23に接続している。
また、ロータリジョイント40の下半部分には、固定側から回転側に電源を供給する際のリード線としての役割を果たす部品として公知の、好ましくは回転リング部とブラシ部とが接触するタイプの、接触型のスリップリング44が設けられている。すなわち、スリップリング44は、ロータリジョイント40の回転側である下半部分の外周部分に設けられた回転リング部と、ロータリジョイント40の固定側である上半部分から延設して設けられたブラシ部とを含んで構成されている。断熱容器本体21側の配線類(図示せず)を、ブラシ部に接続すると共に、回動部22側の配線類(図示せず)を、回転リング部に接続することによって、断熱容器本体21に収納されたバッテリー30dから送られる電源(電力)を、ロータリジョイント40を介して、回動部22に設けられたノズル駆動機構24に、供給できるようになっている。
さらに、回動部22には、円筒状突出部27に取り付けられた回動部旋回用モータ41の駆動により回転するスプロケット41aと、同様の高さ位置に配置されると共に、回動部22の内側面から内側に円環状に張り出して設けられた、チェーン支持フランジ22eが、一体として接合されている。チェーン支持フランジ22eの内側端面には、これの全周に亘って環状に連続して、回動部旋回用モータ41に取り付けられたスプロケット41aと共にピンギアドライブユニットを構成する、ローラチェーン41bが取り付けられている。これによって、回動部旋回用モータ41の駆動によりスプロケット41aを回転させることで、ローラチェーン41bを介して、回動部22を、円筒状突出部27に対して周方向に回転移動させることができるようになっている。
さらにまた、本実施形態では、回動部22には、吹付けノズル部23による吹き付け方向を上下左右に変化させることが可能な、ノズル駆動機構24が設けられている。ノズル駆動機構24は、本実施形態では、好ましくは吹付けノズル部23の先端吐出口を円運動させることが可能な駆動機構となっている。
上述の構成を備える、吹付け硬化材11を吹き付ける吹付け機構30が設けられた補修装置である断熱容器20は、一例として、クレーン等の吊上げ用重機の吊上フック48から吊り下げた状態とし、吊上げ用重機によって、図4及び図5に示すように、煙突50の上端開口部から高温状態の煙突50の内部に吊り下げられることで煙突50の内部に配設されて、上下に昇降させながら、煙突50の内壁面50aの所定の補修箇所52に向けて、吹付け硬化材11を吹き付けることができる。煙突50の内部での吹き付け作業は、無線伝送装置30eや遠隔制御盤30f等を介した地上からの遠隔操作によって、例えばWEBカメラからなる撮像装置で撮影された画像を画面で見ながら、回動部旋回用モータ41、吹付機本体30a、水タンク及び水ポンプ30b、ノズル駆動機構24等を駆動したり制御したりすることによって、容易に行うことができる。
また、本実施形態では、断熱容器20は、断熱容器本体21の底部21aに回転可能に支持される、内部にノズル駆動機構24が設けられた回動部22を備えており、回動部22の側壁部22aから外側に突出させて取り付けられた吹付けノズル部23から、吹付け硬化材11を、煙突50の内壁面50aの補修箇所52に向けて吹き付けるようなっているので、高温状態の煙突50の内部において、高温による影響を極力回避しつつ、回動部22の周方向の回動と、吹付けノズル部23の先端吐出口の上下左右の好ましくは円運動による動きとを、遠隔操作によって各々精度良く容易に制御することが可能になる。これによって、煙突50の内壁面50aの所定の補修箇所52に、吹付けノズル部23から吹付け硬化材11を安定した状態で吹き付けて、煙突50の内壁面50aを効率良く補修してゆくことが可能になる。
そして、本実施形態の煙突内壁面の吹付け補修構造10では、図1に示すように、煙突50の内壁面50aの補修箇所52に向けて吹き付けられた吹付け硬化材11の内部には、煙突50の周壁51を貫通して設置されたスタッド金物として、好ましくはアンカーボルト12の内側突出部12aが、埋設されるようになっている。
アンカーボルト12は、例えばSUS316からなる、φ10~14mm程度の太さの鋼棒となっており、また煙突50を構成する例えば鉄筋コンクリートからなる周壁51の、例えば150~500mm程度の厚さよりも相当程度長い、270~867mm程度の長さを有している。アンカーボルト12が、煙突50の周壁51の厚さよりも相当程度長くなっていることで、煙突50の外側からの作業によって、煙突50の周壁51を貫通して形成されたスタッド挿通孔53にアンカーボルト12を挿通して、その他端部側の部分を外側突出部12bとして煙突50の外側に残したまま、一端部側の部分を、内側突出部12aとして、煙突50の内壁面50aの補修箇所52において、周壁51の内側面51aから、肉盛りされる吹付け硬化材11を支持することが可能な所定の突出長さで内側に突出させた状態で配置できるようになっている。
ここで、アンカーボルト12の内側突出部12aを、周壁51の内側面51aから突出させる所定の突出長さは、内側突出部12aの先端の高さが、補修箇所52の周囲の剥落していない部分の耐火レンガ50bによる煙突50の内壁面50aの、周壁51の内側面51aからの高さよりも、僅かに低い高さとなるような長さとすることが好ましい。また内側突出部12aを周壁51の内側面51aから突出させる所定の突出長さは、内側突出部12aの先端の高さが、煙突50の内壁面50aの、周壁51の内側面51aからの高さよりも僅かに低くなる高さとして、例えば先端の高さが周壁51の内側面51aから30~50mm低い高さとなるような長さとすることが好ましい。これによって、補修箇所52において、表面の高さが、好ましくは剥落していない部分の耐火レンガ50bの表面の高さと概ね揃うように、肉盛りした状態で吹き付けられる吹付け硬化材11を、安定した状態で支持することが可能になると共に、内側突出部12aの先端が、吹き付けられた吹付け硬化材11によって覆われることになるので、煙突50の内部の熱が、アンカーボルト12を熱橋として外部に伝わることになるのを、効果的に防止することが可能になる。
また、本実施形態では、図2(a)~(c)及び図3に示すように、アンカーボルト12の内側突出部12aを含む部分として、内側突出部12aから、アンカーボルト12が周壁51に固定された際にスタッド挿通孔53の内部に配置される部分の端部まで連続して(図2(c)参照)、円形断面を有するアンカーボルト12の径方向に貫通する貫通スリット15が、アンカーボルト12の軸方向に延設して形成されている。貫通スリット15は、これの端部をアンカーボルト12の端面に開放させることなく、延設方向の両端部が閉塞しているスリットとして形成されており、内側突出部12aは、貫通スリット15よりも周壁51の内側にさらに突出して設けられている。これによって、内側突出部12aを、肉盛りされる吹付け硬化材11を支持することが可能な所定の突出長さとなるように、容易に形成することが可能になる。貫通スリット15における、内側突出部12aと、スタッド挿通孔53の内部に配置される部分との境目部となる内側突出部12aの基端部には、貫通スリット15を横断して、回転張出し係止片13の回転中心となる、回転軸12cが設けられている。
回転張出し係止片13は、貫通スリット15の例えば4.5mm程度のスリット幅よりも僅かに小さな厚さを有する、細長い鋼製の板状部材となっている。回転張出し係止片13は、好ましくは、円形断面を有するアンカーボルト12の外径を越えない幅として、アンカーボルト12の外径と同様の幅を有しており、これによってアンカーボルト12の軸方向に沿わせた状態で、その全体を、貫通スリット15の内部に納めることができるようになっている。またこれによって、回転張出し係止片13は、スタッド挿通孔53の内径よりも小さな幅を備えることになるので、アンカーボルト12の軸方向に沿わせた状態で、アンカーボルト12と共に、煙突50の外側から、スタッド挿通孔53に容易に挿通できるようになっている。
また、回転張出し係止片13は、アンカーボルト12の軸方向に沿わせた状態で、回転軸12cよりも内側突出部12a側である一端部側に長く、回転軸12cよりも外側突出部12b側である他端部側に短くなるよう配置されて、貫通スリット15に納められている。これによって回転軸12cによる回転張出し係止片13の回転中心が、回転張出し係止片13の長さ方向の一方の側(他端部側)に偏って配置されていることになる。またこれによって、回転張出し係止片13は、当該回転張出し係止片13が納められた貫通スリット15の貫通方向を、好ましくは上下方向に配設した状態で、アンカーボルト12をスタッド挿通孔53に挿通して(図2(a)、(b)参照)、内側突出部12aを煙突50の周壁51の内側面51aから内側に突出させた際に、長くなった一端部側が下方に落ちるようにして重力により回転することによって、回転軸12cを挟んだ両側の部分を、内側突出部12の側方に張り出させると共に、好ましくは上下方向の両側に張り出させるようになっている(図2(c)参照)。
さらに、本実施形態では、アンカーボルト12の他端部側の外側突出部12bに、雄ネジ凸条12dが形成されている。この雄ネジ凸条12dに、締着部材14として、好ましくは当該雄ネジ凸条12dに螺合される雌ネジ凸条を備えるナット部材を螺着して、煙突50の周壁51の外周面に締着させる。これによって、煙突50の内側においてアンカーボルト12の内側突出部12aの両側に張り出した回転張出し係止片13と、煙突50の外側に締着されたナット部材14との間に、煙突50の周壁51を挟み込んで、内側突出部12aを煙突50の周壁51の内側面51aから内側に突出させた状態で、スタッド金物12を固定することが可能になる。
すなわち、煙突50の外側からの作業によって、煙突50の周壁51を貫通して形成されたスタッド挿通孔53に、回転張出し係止片13が納められた貫通スリット15の貫通方向を好ましくは上下方向に配設した状態で、アンカーボルト12を、例えば貫通スリット15の全体が周壁51の内側に配置されるまで挿通する(図2(a)、(b)参照)。これによって、貫通スリット15に納められた回転張出し係止片13は、重力により回転して、回転軸12cを挟んだ両側の部分が、内側突出部12の側方に、好ましくは上下の両側に張り出すことになる。しかる後に、スタッド挿通孔53に挿通したアンカーボルト12を、好ましくは両側に張り出した回転張出し係止片13が周壁51の内側面51aに当接するまで引き戻し、煙突50の外側からの作業によって、外側突出部12bにナット部材14を螺着して、煙突50の周壁51の外周面に締着することにより、アンカーボルト12を、煙突50の周壁51の内側面51aから所定の突出長さで内側突出部12aを内側に突出させた状態で、容易に固定できるようになっている。
したがって、本実施形態によれば、煙突50の外側からの作業によって、煙突50の周壁51を貫通して形成されたスタッド挿通孔53にアンカーボルト12を挿通し、アンカーボルト12の内側突出部12aを煙突50の周壁51の内側面51aから内側に突出させて、回転張出し係止片13を内側突出部12aの側方に張り出させた後に、煙突50の外側からの作業によって、アンカーボルト12の外側突出部12bにナット部材14を締着して、アンカーボルト12を、回転張出し係止片13とナット部材14との間に煙突50の周壁51を挟み込んで、肉盛りされる吹付け硬化材11を支持することが可能な所定の突出長さで内側突出部12aを煙突50の周壁51の内側面51aから内側に突出させた状態で固定し(図2(a)~(c)参照)、しかる後に、図1に示すように、アンカーボルト12の内側突出部12aが突出する煙突50の内壁面の補修箇所52に向けて、吹付け硬化材11を所定の厚さとなるように吹き付ける煙突内壁面の吹付け補修方法によって、容易に煙突内壁面の吹付け補修構造10を形成して、耐火レンガ50bが剥落したことによる煙突50の内壁面50aの補修箇所52を、効果的に補修することが可能になる。
またこれによって、本実施形態の煙突内壁面の吹付け補修構造10又は吹付け補修方法によれば、アンカーボルト12を、煙突50の外側からの作業によって、煙突50の内壁面50aの補修箇所52に所定の突出長さで突出させた状態で取り付けることを可能にして、取り付けられたアンカーボルト12によって支持させながら、吹付け硬化材11を相当の厚さで安定した状態で吹き付けて、煙突50の内壁面50aの補修箇所52を、効果的に補修することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、スタッド金物は、各々の補修箇所において、内側突出部を周壁の内側に突出させた状態で複数本取り付けて、吹き付けられた吹付け硬化材の内部に、複数本の内側突出部が埋設されるようにすることもできる。また、煙突を構成する周壁は、鉄筋コンクリート製のものである必要は必ずしも無く、鋼製の周壁等であっても良い。吹付け硬化材によって補修される煙突の内壁面の補修箇所は、耐火レンガが剥落した部分である必要は必ずしも無く、その他の種々の内壁面の補修箇所であっても良い。スタッド金物は、アンカーボルト以外の、スタッドやジベルとして機能するその他の金物であっても良い。スタッド金物の回転張出し係止片は、スタッド金物の軸方向に沿って配置された状態から回転して、内側突出部の側方に両側に張り出すものである必要は必ずしも無く、片側にのみ張り出すものであっても良い。煙突の内部に配設される補修装置は、クレーン等の吊上げ用重機によって吊り下げられて、煙突の内部に配設される断熱容器である必要は必ずしも無く、例えば吹付け機構を備える装置をドローンに取り付けて、ドローンを飛行させることによって、煙突の内部に配設されるものであっても良い。
10 煙突内壁面の吹付け補修構造
11 吹付け硬化材
12 スタッド金物(アンカーボルト)
12a 内側突出部
12b 外側突出部
12c 回転軸
12d 雄ネジ凸条
13 回転張出し係止片
14 締着部材(ナット部材)
15 貫通スリット
20 断熱容器(補修装置)
21 断熱容器本体
22 回動部
23 吹付けノズル部
24 ノズル駆動機構
25 断熱層
26 冷却層
30 吹付け機構
30a 吹付機本体
48 吊上フック
50 煙突
50a 内壁面
50b 耐火レンガ
50c 上端開口
51 周壁
51a 内側面
52 補修箇所
53 スタッド挿通孔

Claims (6)

  1. 煙突の内部に配設された吹付け機構を備える補修装置から、煙突の内壁面の補修箇所に向けて吹き付けられた吹付け硬化材によって、煙突を補修する煙突内壁面の吹付け補修構造であって、
    吹き付けられた吹付け硬化材の内部には、煙突の周壁を貫通して設置されたスタッド金物の、周壁の内側面から内側に突出する部分である内側突出部が埋設されるようになっており、
    前記スタッド金物は、前記内側突出部に回転可能に連結されると共に、前記スタッド金物の軸方向に沿って配置された状態から回転して、前記内側突出部の側方に張り出す回転張出し係止片を備えており、
    前記スタッド金物は、吹付け硬化材が補修箇所に吹き付けられるのに先立って、煙突の内側において前記内側突出部の側方に張り出した前記回転張出し係止片と、煙突の外側において前記スタッド金物の外側突出部に締着された締着部材との間に、煙突の周壁を挟み込んで固定されると共に、肉盛りされる吹付け硬化材を支持することが可能な所定の突出長さで前記内側突出部を煙突の周壁の内側面から内側に突出させた状態で、スタッド挿通孔を貫通して固定されるようになっており、
    且つ前記スタッド金物は、当該スタッド金物の外側突出部に前記締着部材が締着されることにより煙突の周壁を締め付けて、当該締着部材を煙突の周壁の外周面に圧着させると共に、前記回転張出し係止片を煙突の周壁の内周面に圧着させて、これらの間に煙突の周壁を挟み込むことによって、周壁の外周面及び内周面の2箇所で支持させた状態で、前記スタッド挿通孔を貫通して固定されるようになっている煙突内壁面の吹付け補修構造。
  2. 前記スタッド金物の前記内側突出部を含む部分に、前記スタッド金物の径方向に貫通する貫通スリットが、前記スタッド金物の軸方向に延設して形成されており、前記回転張出し係止片は、前記貫通スリットを横断して設けられた回転軸を中心に重力により回転することによって、前記貫通スリットに納められた状態から、前記内側突出部の側方に張り出すようになっている請求項1記載の煙突内壁面の吹付け補修構造。
  3. 前記スタッド金物の前記外側突出部に、雄ネジ凸条が形成されており、前記締着部材は、前記雄ネジ凸条に螺合される雌ネジ凸条を備えるナット部材となっている請求項1又は2記載の煙突内壁面の吹付け補修構造。
  4. 前記スタッド金物の前記内側突出部は、先端の高さが、前記補修箇所の周囲の煙突の内壁面の、周壁の内側面からの高さよりも、僅かに低い高さとなるような所定の突出長さで、周壁の内側面から突出している請求項1~3のいずれか1項記載の煙突内壁面の吹付け補修構造。
  5. 煙突の内部に配設された吹付け機構を備える補修装置から、煙突の内壁面の補修箇所に向けて吹付け硬化材を吹き付けることにより、煙突を補修する煙突内壁面の吹付け補修方法であって、
    吹き付けられた吹付け硬化材の内部に、スタッド金物の内側突出部が埋設されるようになっており、
    前記スタッド金物は、前記内側突出部に回転可能に連結され、前記スタッド金物の軸方向に沿って配置された状態から回転して、前記内側突出部の側方に張り出す回転張出し係止片を備えており、
    煙突の外側からの作業によって、煙突の周壁を貫通して形成されたスタッド挿通孔に前記スタッド金物を挿通し、前記内側突出部を煙突の周壁の内側面から内側に突出させて、前記回転張出し係止片を前記内側突出部の側方に張り出させた後に、煙突の外側からの作業によって、前記スタッド金物の外側突出部に締着部材を締着して、前記スタッド金物を、前記回転張出し係止片と前記締着部材との間に煙突の周壁を挟み込むと共に、肉盛りされる吹付け硬化材を支持することが可能な所定の突出長さで前記内側突出部を煙突の周壁の内側面から内側に突出させた状態で、前記スタッド挿通孔を貫通させて固定し、
    且つ前記スタッド金物を、当該スタッド金物の外側突出部に前記締着部材を締着することにより煙突の周壁を締め付けて、前記締着部材を煙突の周壁の外周面に圧着させると共に、前記回転張出し係止片を煙突の周壁の内周面に圧着させ、これらの間に煙突の周壁を挟み込むことによって、周壁の外周面及び内周面の2箇所で支持させた状態で、前記スタッド挿通孔を貫通させて固定し、
    しかる後に、前記スタッド金物の内側突出部が突出する煙突の内壁面の補修箇所に向けて、吹付け硬化材を所定の厚さとなるように吹き付ける煙突内壁面の吹付け補修方法。
  6. 前記スタッド金物の前記内側突出部を含む部分に、前記スタッド金物の径方向に貫通する貫通スリットが、前記スタッド金物の軸方向に延設して形成されており、前記回転張出し係止片は、前記スタッド挿通孔の内径よりも小さな幅を有すると共に、前記貫通スリットを横断して設けられた回転軸を中心に自重により回転することによって、前記貫通スリットに納められた状態から、前記内側突出部の側方に張り出すようになっており、前記回転軸による前記回転張出し係止片の回転中心が、前記回転張出し係止片の長さ方向の一方の側に偏って配置されていることにより、前記スタッド金物を前記スタッド挿通孔に挿通して、前記内側突出部を煙突の周壁の内側面から内側に突出させた際に、前記回転張出し係止片は、重力により回転して、前記内側突出部の側方に張り出すようになっている請求項5記載の煙突内壁面の吹付け補修方法。
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