JP7261003B2 - リジッド・フレックス多層プリント配線板 - Google Patents
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Description
特許文献1及び2のリジッド・フレックス多層プリント配線板の製造例を、図7(a)~(c)に示した概略断面工程図を用いて説明する。
まず、図7(a)に示したように、フレキシブル基材2の表裏面に配線パターン25を形成した後、当該配線パターン25を保護するカバーレイ3を積層することによってフレキシブル基板1を得る。ここで、当該カバーレイ3として金属箔付きカバーレイを積層し、次いでエッチング処理を行うことによって、フレキシブル領域Fに当該フレキシブル領域Fよりも若干大きめのダミーパターン5を設ける。
次に、ダミーパターン5が形成されたカバーレイ3上に、任意の数の絶縁接着剤層6(例えば、厚さ20~60μm)と配線パターン25を積層した後、最外層の配線パターン25を保護するソルダーレジスト9を形成することで、中間基板である多層板14を得る。
次いで、図7(b)、(c)に示したように、フレキシブル領域F上に積層されている不要部27を、レーザ加工で刳り貫く、あるいは切削除去した後、露出したダミーパターン5をエッチングで除去してリジッド・フレックス多層プリント配線板PWを得るというものである。
また、車載品では、層構成が同じであっても、例えば、車室内やエンジンルームなど配線板が搭載される場所によって厚みの要求が変わってくるため、斯かる従来のリジッド・フレックス多層プリント配線板では適用できないのが実状であった。
尚、説明文中の「絶縁接着剤層」は、実際には、加熱・積層プレスで硬化された後は、半硬化状態の接着剤ではなく、硬化済みの「絶縁樹脂層」となるものであるが、説明の便宜上、本明細書においては、硬化前後に関係なく「絶縁接着剤層」という表現で説明を進めていく。
当該フレキシブル領域Fは、フレキシブル基材2と、当該フレキシブル基材2の表裏の両面に形成された第一配線パターン30と、当該第一配線パターン30を保護するカバーレイ3とからなるフレキシブル基板1から構成されている。
また、リジッド領域Rは、当該フレキシブル基板1の表裏の両面に積層された、絶縁樹脂層と配線パターン層との任意の層数の積層体からなる多層部12と、当該多層部12の最外層の配線パターン層32を保護するソルダーレジスト9とから構成されている。
当該多層部12は、第一絶縁樹脂層33と、当該第一絶縁樹脂層33に積層された厚さが100μm以上のコア基材からなる厚み調節層4と、当該厚み調節層4に積層された第二絶縁樹脂層34とからなる絶縁樹脂層と、当該絶縁樹脂層に積層された第二配線パターン層31と、当該第二配線パターン層31の上に、順次2層ずつ交互に積層された、第三絶縁樹脂層35と、第三配線パターン層32とからなり、フレキシブル基板1の両面に形成された第二配線パターン層31間を接続する穴埋め樹脂39が充填されたベリードホール11と、当該第二配線パターン層31と第三配線パターン層32の間、及び上下方向に隣接する第三配線パターン層32の間を接続するブラインドビアホール16とを備えている。
厚さが100μm以上のコア基材は非常に剛性が高い(即ち、ガラスクロスが太い)ため、当該コア基材からなる厚み調節層4を、多層部12のフレキシブル基板1と当該フレキシブル基板1から最も近い配線パターン層(第二配線パターン層31)との間に位置する絶縁樹脂層に有することで、高密度配線化を確保しつつ、高い剛性を付与することができる。また、当該厚み調節層4のコア基材の厚さを調節すれば、同じ層構成でも容易に厚みを調節できるので、任意の厚さのリジッド・フレックス多層プリント配線板とすることができる。
例えば、配線板の設置場所が車室内など他の設置場所と比べて剛性をそれほど要求されない車載品には、厚さが100μm程度のコア基材を用い、他方、配線板の設置場所がエンジンルームなどの振動が激しい場所であったり、搭載する部品がかなりの重さであったりと、高い剛性が要求される車載品には、厚さが200μmや500μmといった厚みのあるコア基材を用いるようにして、当該コア基材以外は従来どおりのビルドアップ層(高密度配線層)を形成することができる。
フレキシブル基材2は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートなどからなる屈曲性を有する絶縁基材が一般的に用いられる。
ここで、導体層19の厚さは、例えば35~105μm程度である。また、導体層19を備えた厚さが100μm以上のコア基材4aとしては、一般的に用いられるガラスクロスなどの補強基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させて銅箔でラミネートした銅張り積層板などが好ましく利用できる。
第一絶縁接着剤層33aは、ガラスクロスなどの補強基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化させたプリプレグなどが一般的に用いられる。
第一絶縁接着剤層33aの厚さは、ダミーパターン5と同等、若しくは、ダミーパターン5より5~10μm程度薄い厚さ、すなわち25~100μm程度とすることが望ましい。その理由は、第一絶縁接着剤層33aの厚さがダミーパターン5と同等か、ダミーパターン5よりも薄いと、第一絶縁接着層33aの樹脂が、積層時にダミーパターン5側へと流れていくことを抑制でき、ダミーパターン5とカバーレイ3が樹脂によって強固に接着されることなく積層できるからである。ダミーパターン5とカバーレイ3との接着が弱いと、後に、フレキシブル領域Fにある不要部27を容易に除去することが可能となる。
さらに、第一絶縁接着剤層33aの厚さがダミーパターン5より5~10μm程度薄い、換言すると、ダミーパターン5の厚さが第一絶縁接着剤層33aの厚さより5~10μm程度厚いと、フレキシブル領域Fの屈曲性の向上、及び、フレキシブル領域Fとリジッド領域Rの境界部を補強することができる。これは、図6に示したように、上記構成とすることで、積層時にカバーレイ3を構成する接着層17の一部が、フレキシブル領域Fからリジッド領域R側へと流動し、フレキシブル領域Fとリジッド領域Rの境界部付近において当該接着層17の厚さが厚い厚膜部28が形成され、フレキシブル領域F内において当該接着層17の厚さが当該フレキシブル領域Fとリジッド領域Rの境界部付近の当該接着層17の厚さよりも薄い薄膜部29が形成されるためである。
まず、図3(g)に示したように、多層板14に、表面及び裏面の両側からダミーパターン5の上部までルータ加工などの切削加工を施して、スリット部13を形成する。スリット部13の加工位置は、ダミーパターン5の外形形状のうち、リジッド領域Rとフレキシブル領域Fの境界となる辺である。
高板厚の基板にスリット部13を形成する場合は、板厚バラつきが大きく、通常のルータ機では、基板内の特定の層(ダミーパターン上)でルータ加工することは困難である。よって、ルータ加工を行う場合、Z軸方向の高さのみを指定する通常のルータ機を用いるのではなく、基板の厚みを検知しながら加工することができる、導通検知機能付きルータ機を用いることが好ましい。
図5(a)~(c)に示したように、この加工によって、外形15と不要部27が同時に切り離され、本発明のリジッド・フレックス多層プリント配線板PWが完成する。
2:フレキシブル基材
3:カバーレイ
4:厚み調節層
4a:コア基材
5:ダミーパターン
6:絶縁接着剤層
8:金属箔
9:ソルダーレジスト
10:ランド
11:ベリードホール
12:多層部
13:スリット加工部
14:多層板
15:外形
16:ブラインドビアホール
17:接着層
18:ポリイミド層
19:導体層
25:配線パターン
27:不要部
28:厚膜部
29:薄膜部
30:第一配線パターン
31:第二配線パターン層
32:第三配線パターン層
33:第一絶縁樹脂層
33a:第一絶縁接着剤層
34:第二絶縁樹脂層
34a:第二絶縁接着剤層
35:第三絶縁樹脂層
35a:第三絶縁接着剤層
39:穴埋め樹脂
F:フレキシブル領域
R:リジッド領域
PW:リジッド・フレックス多層プリント配線板
Claims (2)
- 部品の実装が可能なリジッド領域と屈曲可能なフレキシブル領域とを備えたリジッド・フレックス多層プリント配線板であって、フレキシブル基材と、当該フレキシブル基材上に形成された配線パターンと、当該配線パターンを保護するカバーレイとからなるフレキシブル基板と;当該フレキシブル基板のリジッド領域に積層された絶縁樹脂層と配線パターン層との任意の層数の積層体からなる多層部と;当該多層部の最外層の配線パターン層を保護するソルダーレジストとを有し、且つ、当該多層部の絶縁樹脂層のうち、フレキシブル基板と当該フレキシブル基板から最も近い配線パターン層との間に位置する絶縁樹脂層に、第一絶縁樹脂層と、当該第一絶縁樹脂層に積層された厚さが100μm以上のコア基材からなる厚み調節層と、当該厚み調節層に積層された第二絶縁樹脂層とを有することを特徴とするリジッド・フレックス多層プリント配線板。
- 当該フレキシブル基板を構成するカバーレイが、当該フレキシブル基材上に形成された配線パターンと接着する接着層と、表層を保護するポリイミド層との2層からなり、当該接着層が、フレキシブル領域とリジッド領域の境界部付近において接着層の厚さが厚い厚膜部を有し、フレキシブル領域F内において接着層の厚さが薄い薄膜部を有することを特徴とする請求項1記載のリジッド・フレックス多層プリント配線板。
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JP2006228887A (ja) | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Fujikura Ltd | リジッド−フレックス多層プリント配線板の製造方法 |
JP2009141115A (ja) | 2007-12-06 | 2009-06-25 | Cmk Corp | リジッドフレックス多層プリント配線板とその製造方法 |
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