JP7260408B2 - スリットパイプ及びそれを用いたガイドワイヤ - Google Patents

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本発明は、例えば、胆管、膵管、血管、尿管、気管等の人体の管状器官や、体腔等の人体組織の所定位置に挿入されるスリットパイプ、及び、それを用いたガイドワイヤに関する。
以前から、胆管や膵管、血管、尿管、気管等の人体の管状器官に、カテーテルを挿入して薬液を注入したり、バルーンカテーテルで閉塞した管状器官を拡径したり、或いは、ステントを留置したりすることが行われている。これらの作業の際には、まず、ガイドワイヤを管状器官に挿入して所定位置まで到達させ、その外周に沿ってカテーテルやバルーンカテーテル、ステントを保持したチューブ等を移動させている。なお、ガイドワイヤの先端部外周には、柔軟性や、剛性、トルク伝達性を確保するために、スリットを形成したパイプである、いわゆるスリットパイプが装着されることがある。なお、このスリットパイプは、単独で用いられることもある。
上記のガイドワイヤやスリットパイプは、屈曲した管状器官に挿入しやすくしたり、又は、管状器官が分岐した分岐部で所定の分岐管を選択して挿入しやすくしたり、更には、ガイドワイヤやスリットパイプ先端によって、管状器官内壁が傷つくのを防止したりするために、それらの先端部を、J字状やアングル形状等に付形することがある。
上記のようなスリットパイプを装着したガイドワイヤとして、例えば、下記特許文献1には、コアワイヤと、その先端部外周に装着された管状部材(上記スリットパイプに相当)とを備えたものが記載されている。管状部材には、その周方向に沿って、複数のスロットが形成されている。また、管状部材の、周方向に位置する各スロットの残部(スロットの周方向一端と周方向他端との間の壁部)は、管状部材の軸方向において、螺旋状をなすように配置されるようになっている。
特表2013-523282号公報
ところで、上記特許文献1のガイドワイヤにおいて、スロットを有する管状部材を曲げようとした場合には、管状部材の、スロット以外の残部が、スロット幅を狭めつつ曲がることとなる。しかし、上記特許文献1のガイドワイヤでは、ガイドワイヤ先端部を、管状部材を介して付形しようしても、管状部材の、周方向に位置する各スロットの残部は、軸方向に螺旋状をなすように配置されているので、付形方向を定めにくく、所定形状に曲げにくい。
したがって、本発明の目的は、付形方向を定めやすく所定形状に曲げやすい、スリットパイプ及びそれを用いたガイドワイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つであるスリットパイプは、基部及び付形可能とされた先端部を設けたパイプ本体を有しており、前記先端部には、前記パイプ本体の周方向に沿った円弧状をなすと共に、前記パイプ本体の軸方向に所定間隔をあけて複数形成されたスリットと、複数の前記スリットが形成された全域において、前記パイプ本体の軸心に対して平行に延びる連続壁部とが設けられていることを特徴とする。
本発明のもう一つは、上記構成をなしたスリットパイプを備えたガイドワイヤであって、近位部及び該近位部よりも小径の遠位端部を設けた芯線を有しており、前記遠位端部は、その軸方向に直交する断面が真円形状をなしており、前記芯線の、少なくとも前記遠位端部の外周に、前記スリットパイプが装着されていることを特徴とする。
本発明によれば、先端部には、パイプ本体の周方向に沿った円弧状をなすと共に、パイプ本体の軸方向に所定間隔をあけて複数形成されたスリットと、複数のスリットが形成された全域において、パイプ本体の軸心に対して平行に延びる連続壁部とが設けられているので、先端部を付形しようとした際に、連続壁部を、スリットを狭める方向に向けて曲げやすく、スリットが形成されていない方向には曲げづらくすることができ、その結果、先端部の付形方向を定めやすくすることができ、先端部を所定形状に曲げやすくすることができる。
本発明に係るスリットパイプの、一実施形態を示す斜視図である。 同スリットパイプを示しており、(a)はその側面斜視図、(b)は(a)に対して90度角度が異なる場合の側面斜視図である。 本発明に係るガイドワイヤの一実施形態を示しており、(a)は図2(a)におけるスリットパイプが装着されたガイドワイヤの一部断面説明図、(b)は図2(b)におけるスリットパイプが装着されたガイドワイヤの一部断面断面図である。 図3(a)に示すガイドワイヤの先端部を付形した場合の、一部断面説明図である。 本発明に係るスリットパイプの、他の実施形態を示しており、(a)は、その側面図、(b)は(a)に対して90度角度が異なる場合の側面図である。 本発明に係るスリットパイプの、更に他の実施形態を示しており、(a)は、その側面斜視図、(b)は(a)に対して90度角度が異なる場合の側面斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るスリットパイプの、一実施形態について説明する。
図1~3に示すように、この実施形態のスリットパイプ10は、一定外径で且つ所定長さで延びる略円筒状をなしたパイプ本体20を有している。このパイプ本体20は、基部30と、該基部30の軸方向先端側に設けられ、付形可能とされた先端部50とを有している。
なお、以下の説明においては、パイプ本体20の先端部50の軸方向の最先端を、先端50a(パイプ操作者の手元側から最も離れた遠位端)とし、基部30の軸方向の最基端を、基端30a(パイプ操作者の手元側に最も近い近位端)とする。
図2(a),(b)に示すように、前記基部30には、パイプ本体20の周方向に沿って円弧状に形成されると共に、軸方向の同一箇所に配置された、一対のスリット31,31が形成されており、これらの一対のスリット31,31が、基部30の先端部50寄りの位置から基端30aに向けて、パイプ本体20の軸方向に沿って複数対設けられている。
また、パイプ本体20の軸方向に隣接配置される、一方のスリット31,31と、他方のスリット31,31とは、パイプ本体20の周方向に位置ずれして、互い違いとなるように設けられている。より具体的には、図2(a),(b)に示すように、一対のスリット31,31が、パイプ本体20の軸方向(パイプ本体20の軸心Cに沿った方向を意味する)に沿って、一個おきに周方向の同一箇所に配置されている。
また、基部30の、一対のスリット31,31の間には、残存壁部33が設けられており、この残存壁部33は、パイプ本体20の軸方向に沿って、一個おきに周方向の同一箇所に配置されている。
更に、一対のスリット31,31の、パイプ本体20の軸方向に沿った幅は、基部30の、先端部50寄りに配置されるものが、最も狭く形成されており、基部30の基端30aに向かうにつれて、次第に幅広となるように形成されている。これに対応して、一対のスリット31,31間に設けられた残存壁部33の、軸方向に沿った幅も、基部30の、先端部50寄りに配置されるものが、最も幅狭で、基部30の基端30aに向かうにつれて、次第に幅広に形成されている。
なお、基部30に設けた複数のスリット31の配置パターン(配置位置や個数等)は、先端部50に設けられる後述するスリット51,52,・・・,56等の配置パターンとは、異なるように設けられている。
一方、先端部50は、パイプ本体20の周方向に沿った円弧状をなすと共に、パイプ本体20の軸方向に所定間隔をあけて複数形成されたスリット51,52,53,54,55,56と、複数のスリット51,52,・・・56が形成された全域において、パイプ本体20の軸心Cに対して平行に延びる連続壁部70とが設けられている。
図2(a),(b)に示すように、この実施形態における先端部50には、その先端50aから基部30側に向かって、軸方向の同一箇所に配置された、一対のスリット51,51、一対のスリット52,52、一対のスリット53,53、一対のスリット54,54、一対のスリット55,55、一対のスリット56,56が、パイプ本体20の軸方向に所定間隔をあけて順次形成されている。また、パイプ本体20の、軸方向に隣接するスリットの間(例えば、スリット51,52の間)には、パイプ本体20の周方向全周に亘って連続した壁状をなした、環状壁部61がそれぞれ設けられている。
また、図1や図2(a),(b)に示すように、パイプ本体20の軸方向に配置された各一対のスリット、すなわち、一対のスリット51,51や、一対のスリット53,53、一対のスリット56,56等は、その周方向両端部がほぼ整合した位置に設けられている。更に、パイプ本体20の、各一対のスリットの周方向両端部どうしの間には、残存壁部65,65がそれぞれ設けられている。
そして、図1に示すように、各一対のスリット間の残存壁部65と、各環状壁部61の、前記残存壁部65に対して周方向に整合する部分61aとによって、パイプ本体20の軸心Cに対して平行に延びる連続壁部70が形成されるようになっている。すなわち、この実施形態においては、図1や図2(a)に示すように、先端部50の、複数のスリット51,52,・・・56が形成された全域(先端50a側のスリット51から、基部30側のスリット56に至る範囲)において、各一対のスリット間の残存壁部65と、各環状壁部61の、残存壁部65に対して周方向に整合する部分61aとが、軸方向に交互に連続して配置されて、パイプ本体20の軸心Cに対して平行に且つ直線状に延びる、一本の連続した細長い帯状をなした、連続壁部70が形成されるようになっている。
また、この実施形態では、パイプ本体20の径方向に対向する2箇所に、一対の連続壁部70,70がそれぞれ設けられている。更に図2(a)に示すように、この実施形態においては、パイプ本体20の先端部50において、一対の連続壁部70,70の対向方向に交差する方向に、一対のスリット51,51や一対のスリット56,56等が配置された構成となっている。
そして、上記のように、パイプ本体20の先端部50に連続壁部70を設けたことによって、先端部50を付形することが可能となっている。これについて詳述すると、棒状のシェイピングマンドレル等の付形具や、或いは、スリットパイプ操作者の手指等によって、先端部50をしごくようにして付形しようとすると、一対の連続壁部70,70の対向方向に交差する方向、すなわち、スリット51を狭める方向に向けて、一対の連続壁部70,70を曲げて塑性変形させることで、先端部50全体を付形することができる(図4参照)。例えば、先端部50を、図3(a)の矢印M1に示す方向に向けて付形しようした場合は、各一対のスリット51,51等のうち、一方のスリット51等が形成された方向に向けて、図4に示すように先端部50を付形することができ、或いは、図3(a)の矢印M2に示す方向に向けて付形しようとした場合には、各一対のスリット51,51等のうち、他方のスリット51等が形成された方向(図4とは反対側)に向けて付形することができる。
このように、このスリットパイプ10では、パイプ本体20の先端部50には、パイプ本体20の周方向に沿った円弧状をなすと共に、パイプ本体20の軸方向に所定間隔をあけて複数形成されたスリット51,52,・・・,56と、複数のスリット51,52,・・・56が形成された全域において、パイプ本体20の軸心Cに対して平行に延びる連続壁部70を設けたことによって、スリットパイプ付形時に、連続壁部70を、スリットを狭める方向に向けて曲げやすくすることができると共に、スリットが形成されていない方向、ここでは、一対の連続壁部70,70の対向方向には曲げづらくすることができ、その結果、パイプ本体20の先端部50を、三次元的には形状変化しづらくして、図4に示すように、先端部50全体を、略J字状のような所定形状に付形可能となる。
また、図1に示すように、この実施形態におけるパイプ本体20の外径Dは、0.25~0.90mmであることが好ましく、0.36~0.46mmであることがより好ましい。更に図1に示すように、この実施形態におけるパイプ本体20の厚さT(壁の厚さ)は、0.01~0.10mmであることが好ましく、0.03~0.08mmであることがより好ましい。
また、図2(b)に示すように、先端部50における、軸方向に隣接して配置されたスリットどうしの間隔(スリット配置間隔を意味する)を「W1」としたとき、複数のスリット51,52,・・・,56は、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向かうにつれて、その間隔W1が狭くなるように形成されている。すなわち、先端部50のうち、基部30側に位置するスリット55,56の間隔W1が最も広く、先端50a側に位置するスリット51,52の間隔W1が最も狭く形成されている。
更に、図2(b)に示すように、この実施形態における各スリット51,52,・・・,56の、パイプ本体20の軸方向における幅W2は、パイプ本体20の周方向に沿って一定幅で形成されている。また、図2(b)に示すように、各スリット51,52,・・・,56の幅W2は、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向かうにつれて、狭くなるように形成されている。すなわち、先端部50のうち、基部30側の位置するスリット56の幅W2が最も幅広で、先端50a側に位置するスリット51の幅W2が最も幅狭に形成されている。
また、図2(a)に示すように、この実施形態における各連続壁部70の、パイプ本体20の周方向における幅W3は、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向かうにつれて狭くなるように形成されている。
なお、この実施形態においては、一対のスリットがパイプ本体20の先端部50に、軸方向に沿って6列、合計で12個設けられているが、スリットの配列数等は特に限定されない。また、この実施形態における連続壁部70は、パイプ本体20の径方向に一対設けられているが、1個であってもよく、3個以上であってもよい。更に、パイプ本体の軸方向に隣接したスリットどうしの間隔W1や、各スリット51,52,・・・,56の軸方向に沿った幅W2は、パイプ本体基端側から先端側に向けて、一定幅で形成したり、パイプ本体先端側から基端側に向けて幅狭に形成したりしてもよく、特に限定はされない。また、連続壁部70の周方向における幅W3は、一定幅で形成されていてもよい。
なお、この実施形態におけるパイプ本体20は、例えば、金属円筒を、レーザー加工やエッチング等で加工して、複数のスリットや、環状壁部等を形成することで構成されている。ただし、例えば、金属板を加工して、複数のスリット等を予め設けておき、この金属板を円筒状に屈曲させて、環状壁部等を形成するようにしてもよく、特に限定はされない。
また、上記形状をなしたパイプ本体20には、その外周や内周のいずれか一方、又は、外周及び内周に、パイプ本体の一部又は全体をカバーするような、樹脂層を被着させてもよい。
更に、パイプ本体20の材質は、特に限定されないが、例えば、ステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、W等や、Ni-Ti系合金、Co-Cr系合金、Co-Cr-Ni系合金、Cu-Zn-X(X=Al,Fe等)合金、Ni-Ti-X(X=Fe,Cu,V,Co等)合金等の形状記憶合金などが好ましい。また、パイプ本体20の所定位置に、例えば、Pt、Ti、Pd、Rh、Au、W、Ag、Bi、Ta及びこれらの合金や、BaSO4、Bi、W等の粉末を含有した合成樹脂、ステンレスなどからなる、X線不透過性のX線マーカーを設けてもよい。
次に、上記構成をなしたスリットパイプ10を用いた、本発明に係るガイドワイヤの、一実施形態について説明する。
図3(a),(b)に示すように、この実施形態のガイドワイヤ80は、近位部91及び該近位部91よりも小径の遠位端部93を設けた芯線90を有しており、遠位端部93は、その軸方向に直交する断面が真円形状をなしており、前記芯線90の、少なくとも遠位端部93の外周に、上記スリットパイプ10が装着された構造となっている。
より具体的に説明すると、芯線90は、断面が真円形状をなした丸線であって、一定の外径にて所定長さで伸びる近位部91を有しており、この近位部91の先端から、芯線先端に向かって次第に縮径しつつ延びる、先細テーパ形状をなした遠位端部93が設けられている。この実施形態では、芯線90の近位部91及び遠位端部93のいずれも、その断面が真円形状をなしている。なお、以下の説明では、芯線90の遠位端部93の軸方向の最遠位端(ガイドワイヤ操作者の手元側から最も離れた一端)を、遠位端93aとする。また、遠位端部93としては、例えば、近位部先端から芯線先端に向かって次第に縮径しつつ延びるテーパ部と、同テーパ部先端から一定外径で直線状に伸びる細径部とを有する形状としたり、或いは、芯線先端に向かって段階的に縮径して段状をなす形状としたりしてもよく、特に限定されない。
そして、芯線90の遠位端部93の外周にスリットパイプ10が配置されて、パイプ本体20の先端部50の先端50aが、芯線90の遠位端部93の遠位端93a側に配置され、ロウ材等からなる丸みを帯びた頭部95を介して、芯線90に固着されている。また、パイプ本体20の基部30の基端30aが、ロウ材等からなる固着部96を介して、芯線90の遠位端部93の、近位部91寄りの箇所に固着されている。
また、芯線90の遠位端部93の外周であって、スリットパイプ10の内側には、例えば、X線不透過性材料等からなる線材を巻回して形成された、コイル部材97が装着されている。このコイル部材97は、その先端が、前記頭部95を介して芯線90の遠位端部93の遠位端93a側に固着され、他端が、ロウ材等からなる固着部97aを介して遠位端部93の軸方向途中箇所に固着されている。
なお、上記芯線90としては、例えば、Ni-Ti系合金,Ni-Ti-X(X=Fe,Cu,V,Co,Cr,Mn,Nb等)合金、Cu-Zn-X(X=Al,Fe等)合金等の超弾性合金や、ステンレス、ピアノ線材などを用いることができ、或いは、W、Pt、Ti、Pd、Rh、Au、Ag、Bi、Ta及びこれらの合金等からなるX線不透過性金属を用いることもできる。
次に、上記構成からなるスリットパイプ10及びそれを用いたガイドワイヤ80の、作用効果について説明する。
この実施形態におけるスリットパイプ10やガイドワイヤ80は、例えば、血管や、胆管、膵管、尿管、気管等の各種の管状器官や、体腔等の人体組織の所定位置に、カテーテルを配置したりステントを留置したりする際に用いることができ、使用箇所については特に限定されない。なお、スリットパイプ10は、ガイドワイヤ80に装着した態様でなくとも、例えば、スリットパイプ自体の内側に、ステント等を収容配置して、その移送用等として用いることもできる。
使用に際しては、スリットパイプ10の先端部50や、ガイドワイヤ80の遠位端部93の外周に、シェイピングマンドレル等の付形具を押し当てつつ、該付形具をしごくようにして往復移動させることで、ガイドワイヤ80の先端部や、スリットパイプ10の先端部50を、例えば、図4に示すように、略J字状をなすように付形することができる。なお、ガイドワイヤ80の先端部や、スリットパイプ10の先端部50は、例えば、ループ状や所定角度のアングル形状等に付形してもよく、その付形形状は特に限定されない。また、付形具を使わずに、使用者の手指などによって、スリットパイプ先端部やガイドワイヤ先端部を付形しても勿論よい。
このとき、このスリットパイプ10においては、パイプ本体20の先端部50に、パイプ本体20の周方向に沿った円弧状をなすと共に、パイプ本体20の軸方向に所定間隔をあけて複数形成されたスリット51,52,・・・,56と、複数のスリット51,52,・・・56が形成された全域において、パイプ本体20の軸心Cに対して平行に延びる連続壁部70とが設けられている。そのため、先端部50を付形しようとした際に、図4に示すように、連続壁部70を、スリットを狭める方向に向けて曲げやすくすることができると共に、スリットが形成されていない方向には曲げづらくすることができるので、パイプ本体20の先端部50の付形方向を定めやすくすることができ、先端部50を所定形状に、くせ曲げしやすくすることができる。
また、この実施形態においては、図1や図2(a),(b)に示すように、連続壁部70は、パイプ本体20の径方向に対向する2箇所に設けられている。そのため、パイプ本体20の先端部50を、一方の連続壁部70におけるスリットを狭める方向、又は、他方の連続壁部70におけるスリットを狭める方向の、2つの方向にくせ曲げしやすくすることができると共に、先端部50の剛性を高めることができる。すなわち、先端部50の付形のしやすさと、剛性とのバランスを高めることができる。
更にこの実施形態においては、図2(b)に示すように、複数のスリット51,52,・・・,56は、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向かうにつれて、その間隔W1が狭くなるように形成されている。そのため、パイプ本体20の先端部50における柔軟性を、パイプ本体20の軸方向先端側に向けて高めることができる。
また、この実施形態においては、図2(b)に示すように、各スリット51,52,・・・,56の幅W2は、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向かうにつれて、狭くなるように形成されている。そのため、スリット間に設けられた環状壁部61の軸方向に沿った幅を狭くなりすぎないようにしつつ、先端部50の柔軟性を確保することができる。また、例えば、スリットパイプ10の外周に、ウレタンコート等を施す際に、均一にコーティングしやすくなる。更に、スリット51,52等が形成されたパイプ本体先端側の剛性を、スリット55,56等が形成されたパイプ本体基端側の剛性よりも高くすることができるので、先端部50の柔軟性を確保しつつ、スリットパイプ10の回転操作時のトルクを、先端部50の基部30側から先端50a側に至るまで伝達させやすくして、先端部50におけるトルク伝達性を高めることができる。
また、この実施形態においては、図2(b)に示すように、上述した2つの構成、すなわち、複数のスリット51,52,・・・,56は、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向かうにつれて、その間隔W1が狭くなるように形成されたという構成と、各スリット51,52,・・・,56の幅W2は、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向かうにつれて、狭くなるように形成されたという構成とを併せ持つので、スリットパイプ10の先端部50における、柔軟性とトルク伝達性とをバランス良く高めることができる。
更に図2(a)に示すように、この実施形態における連続壁部70の、パイプ本体20の周方向における幅W3は、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向かうにつれて狭くなるように形成されている。そのため、パイプ本体20の先端部50における柔軟性を、パイプ本体20の軸方向の先端50aに向けて高めることができる。
また、この実施形態においては、図1や図2に示すように、パイプ本体20の基部30には、先端部50に設けた複数のスリットの配置パターンとは異なる、配置パターンで、スリット31が設けられている。そのため、パイプ本体20の基部30側において、柔軟性を高めつつ、基部30の付形方向の自由度を小さくして、基部30を付形しにくくすることができ、その結果、スリットパイプ10を管状器官等に挿入する際の、操作性を高めることができる。
更に図2や図3に示すように、このガイドワイヤ80においては、近位部91及び該近位部91よりも小径の遠位端部93を設けた芯線90を有しており、遠位端部93は、その軸方向に直交する断面が真円形状をなしており、前記芯線90の、少なくとも遠位端部93の外周に、上記構造をなしたスリットパイプ10が装着されているので、ガイドワイヤ先端部の付形性を向上させつつ、芯線90の遠位端部93の断面が、真円形状をなしていることで、遠位端部93におけるトルク伝達性のよい、ガイドワイヤ80を得ることができる。
図5には、本発明に係るスリットパイプの、他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、この実施形態のスリットパイプ10Aは、パイプ本体20の基部30におけるスリット31の配置パターン、及び、先端部50におけるスリットの形状パターンが異なっている。
すなわち、図5(a),(b)に示すように、パイプ本体20の基部30においては、複数のスリット31及びこれらの複数のスリット31により形成される複数の残存壁部33が、基部30の、先端部50側の端部から基端30a側に向けて、螺旋状をなすように設けられている。
一方、パイプ本体20の先端部50におけるスリット51,52,・・・,57,58,59,60は、図5(a)に示すように、その間隔W1が、先端50aから基部30側に亘って一定となっており、また、各スリット51,52,・・・,57,58,59,60の、パイプ本体20の軸方向における幅W2も一定幅で形成されている。更に図5(b)に示すように、各連続壁部70の、パイプ本体20の周方向における幅W3は、先端50aから基部30側に亘って一定幅で形成されている。そして、このような構成のスリットパイプ10Aにおいても、上記実施形態のスリットパイプ10と同様の作用効果を得ることができる。
図6には、本発明に係るスリットパイプの、更に他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、この実施形態のスリットパイプ10Bは、パイプ本体20の基部30におけるスリット31の配置パターンが、前記実施形態と異なっている。
すなわち、図5(a),(b)に示すように、パイプ本体20の基部30に形成された複数のスリット31は、その軸方向に沿った幅が全て同一幅に形成されている。また、基部30の基端30a側に配置された複数のスリット31は、その軸方向における配置間隔が、基部30の、先端部50寄りに配置された複数のスリット31の軸方向における配置間隔に比べて、広くなっている。そして、このような構成のスリットパイプ10Bにおいても、上記実施形態のスリットパイプ10と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
10,10A,10B スリットパイプ
20 パイプ本体
30 基部
31 スリット
50 先端部
51,52,53,54,55,56,57,58,59,60 スリット
70 連続壁部
80 ガイドワイヤ
90 芯線
91 基部
93 先端部
97 コイル部材

Claims (6)

  1. 基部及び付形可能とされた先端部を設けたパイプ本体を有しており、
    前記先端部には、前記パイプ本体の周方向に沿った円弧状をなすと共に、前記パイプ本体の軸方向に所定間隔をあけて複数形成されたスリットと、複数の前記スリットが形成された全域において、前記パイプ本体の軸心に対して平行に延びる連続壁部とが設けられており、
    前記連続壁部の、前記パイプ本体の周方向における幅は、前記パイプ本体の軸方向の先端に向かうにつれて狭くなるように形成されていることを特徴とするスリットパイプ。
  2. 前記連続壁部は、前記パイプ本体の径方向に対向する2箇所に設けられている請求項1記載のスリットパイプ。
  3. 複数の前記スリットは、前記パイプ本体の軸方向の先端に向かうにつれて、間隔が狭くなるように形成されている請求項1又は2記載のスリットパイプ。
  4. 各スリットの、前記パイプ本体の軸方向における幅は、前記パイプ本体の軸方向の先端に向かうにつれて、狭くなるように形成されている請求項1~3のいずれか1つに記載の医療用スリットパイプ。
  5. 前記基部には、前記先端部に設けた複数の前記スリットの配置パターンとは異なる、配置パターンで、スリットが設けられている請求項1~のいずれか1つに記載のスリットパイプ。
  6. 上記請求項1~のいずれか1つに記載のスリットパイプを備えたガイドワイヤであって、
    近位部及び該近位部よりも小径の遠位端部を設けた芯線を有しており、前記遠位端部は、その軸方向に直交する断面が真円形状をなしており、
    前記芯線の、少なくとも前記遠位端部の外周に、前記スリットパイプが装着されていることを特徴とするガイドワイヤ。
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