<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を用いて説明する。
<ナビゲーションシステム>
第1の実施形態に係るナビゲーションシステムSの概要について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置1が適用されるナビゲーションシステムSの構成を示す模式図である。本実施形態に係るナビゲーションシステムSは、移動体としての車両1aの出発地から目的地までの経路探索を行う。このナビゲーションシステムSは、ランニング等の運動を行ったユーザの状態を経路探索に反映することができる。なお、ここでいうシステムは、複数の装置や複数の手段により構成される全体的な装置だけではなく単独の装置で構成されるものも含まれるものとする。
本実施形態に係るナビゲーションシステムSは、図1に示すように情報処理装置としてのナビゲーション装置1と、ユーザ端末2と、ウェアラブル端末3とを含む。ナビゲーション装置1は、ユーザ端末2と近距離通信を介して相互に通信可能に接続されている。また、ユーザ端末2は、ウェアラブル端末3と近距離通信を介して相互に通信可能に接続されている。
なお、近距離通信は、無線及び有線の何れでも良い。また、ナビゲーション装置1は、ユーザ端末2との通信では近距離通信を介しているが、これに限らず、ネットワークを介した通信でも良い。この場合のネットワークは、例えば、インターネットや、LAN(Local Area Network)や、携帯電話網のいずれか又はこれらを組み合わせたネットワークにより実現される。
本実施形態に係るナビゲーション装置1は、図1に示すように車両1aに搭載され、車両1aの出発地(現在地)から目的地までの経路を設定して、ドライバーであるユーザに提示する。また、ナビゲーション装置1によって設定された経路は、車両1aの運転制御装置に出力され、自動運転に利用される。本実施形態のナビゲーション装置1は、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータである。しかし、これに限らず、例えば各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のコンピュータでも良い。
本実施形態に係るユーザ端末2は、ユーザが操作するコンピュータである。例えば、ユーザ端末2は、スマートフォンやタブレット等の携帯可能なコンピュータである。しかし、これに限らず、デスクトップ型又はラップトップ型のパーソナルコンピュータやスマートウォッチ等の装着型情報処理装置でも良い。また、本実施形態に係るウェアラブル端末3は、スマートウォッチ等の装着型情報処理装置である。
<ナビゲーション装置>
次に、ナビゲーション装置1の一例について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係るナビゲーション装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置1は、図2に示すように、プロセッサ11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入力部14と、出力部15と、記憶部16と、地図記憶部17と、通信部18と、GNSS部19と、電源部20と、センサ部21と、バス22と、入出力インターフェース23と、を備えている。
プロセッサ11は、ナビゲーション装置1の動作に必要な演算及び制御等の処理を行うコンピュータの中枢部分であり、各種演算及び処理等を行う。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、SoC(System on a Chip)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等である。或いは、プロセッサ11は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサ11は、これらにハードウェアアクセラレーター等を組み合わせたものあっても良い。
プロセッサ11は、ROM12又はRAM13等に記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェア等のプログラムに基づいて、ナビゲーション装置1の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサ11は、プログラムに基づく後述の処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサ11の回路内に組み込まれていても良い。
プロセッサ11、ROM12及びRAM13は、バス22を介して相互に接続されている。このバス22にはまた、入出力インターフェース23も接続されている。入出力インターフェース23には、入力部14、出力部15、記憶部16、地図記憶部17、通信部18、GNSS部19、電源部20及びセンサ部21が接続されている。
入力部14及び出力部15は、有線又は無線により電気的に入出力インターフェース23に接続されるユーザインターフェースである。入力部14は、例えばタッチパネルやキー等の各種のボタン、マイク等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。出力部15は、上述のタッチパネルを搭載し画像を表示するディスプレイや音声を拡声するスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部16は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリで構成され、経路案内処理に関するプログラムや設定値等の各種の情報を記憶する。
地図記憶部17は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等で構成される。地図記憶部17は、複数のエリアを含むリンクとノード等で構成される地図情報を記憶する。地図情報には、手動運転用地図情報や自動運転用地図情報が含まれる。手動運転用地図情報とは、ユーザへの案内を主とした地図情報であり、自動運転に必要な精度は要求されない。また、手動運転用地図情報には、リンクとノード等の地図データと、地名や建物名等のユーザへの案内に必要なデータと、が含まれている。
自動運転用地図情報とは、自動車等の移動体が自動運転を行うために必要な高精度な地図情報である。また、自動運転用地図情報には、高精度3次元地図データが含まれている。高精度3次元地図データとは、ある地点における地物(道路、交差点、建物、線路、境界線、街路樹等)をLiDAR(Light Detection and Ranging)等によって計測することにより、当該地点の周囲の状態を高精度3次元点群データとして取得し、複数の高精度3次元点群データを基に図化技術とデータ統合技術を用いて生成した地物(上記地物に加えて、道路標識、道路の車線リンク、道路の区画線等)を収録することにより制作される地図データである。また、自動運転用地図情報には、自動運転の運転タスクの主体や走行領域に応じて、便宜上レベル0(運転自動化なし)~5(完全運転自動化)の6段階にレベル分けされている。この自動運転のレベルを示す情報も、自動運転用地図データに含まれる所定のエリアやリンク、ノード等に付与されている。つまり、自動運転のレベルが高くなる(数字が大きくなる)と、運転タスクの主体が人からシステムに変わることになるため、移動体の運転に対して人の関与が減っていく。
通信部18は、近距離通信を介してユーザ端末2との間で行う通信を制御する。通信部18は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)やNFC(Near Field Communication)等の通信規格に基づいた通信方式で通信を行う。
GNSS部19は、位置情報を取得するための測位情報取得部である。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略称であり、GNSS部19はGPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを利用する。GNSS部19は、アンテナを含み、複数の測位衛星から送信される測位衛星信号に基づいて測位を行って自身の位置を特定する。
電源部20は、車両に設けられた電源に接続されることにより、ナビゲーション装置1の各部に電力を供給可能に構成される。なお、電源部に電力を供給可能な構成はこれに限らず、例えばバッテリーでも良いし、乾電池でも良い。
センサ部21には、加速度センサ、角加速度センサ、地磁気センサ等を含み、GNSS部19とともに自身の位置検知等に用いられる。
次に、ナビゲーション装置1の機能的構成について、図3を用いて説明する。図3は、図2のナビゲーション装置1の機能的構成のうち、自動運転処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
ナビゲーション装置1の各種の制御を行う処理部30は、演算処理を実行するプロセッサ11がプログラムを実行することによって実現される。本実施形態の処理部30は、通信制御部(通信制御機能)31と、出力制御部(出力制御機能)32と、入力制御部(入力制御機能)33と、生体情報取得部としての運動結果情報取得部(運動結果情報取得機能)34と、運転条件情報取得部(運転条件情報取得機能)35と、経路設定部(経路設定機能)36と、運転条件判定部(運転条件機能)37と、案内制御部(案内制御機能)38と、を有する。
通信制御部31は、通信部18を介して外部の機器と通信するための処理を実行する。例えば、通信制御部31は、近距離通信を介してユーザ端末2からナビゲーションの設定情報を送受信するための処理を実行する。
出力制御部32は、出力部15の画面に画像を表示するための処理を実行する。例えば、出力制御部32は、ナビゲーション装置1の経路の案内画像を出力部15の画面に表示する処理を実行する。
入力制御部33は、ユーザによる入力部14の操作を受け付ける処理を実行する。例えば、入力制御部33は、出力部15の画面に表示された経路の案内画像に基づいてユーザが入力部14に入力した経路設定のための入力操作を受け付ける処理を実行する。
運動結果情報取得部34は、ユーザの運動の結果に基づいた情報である運動結果情報を取得する。例えば、運動結果情報取得部34は、通信部18を介して通信制御部31が受信した運動結果情報を取得する。なお、ここでいう運動とは、例えばウォーキングやランニング、サイクリング等である。また、運動結果情報とは、例えば移動時間、移動距離、移動平均ペース(km/h)、消費カロリー、ピッチ(SPM:Step Per Minutes)、リカバリータイム、心拍数(平均、低い、高い)、GPS測位結果、心拍ゾーン滞在時間等である。なお、運動結果情報取得部34が取得する情報は、ユーザの運動の結果に基づいた情報に限定されるわけではない。例えば、運動結果情報取得部34が、ユーザのストレスを示すストレス情報やユーザの睡眠結果を示す睡眠結果情報等を取得してもよい。
リカバリータイムとは、トレーニングの効果を上げるために体を回復させるための適切な時間を示す。心拍ゾーン滞在時間とは、最大心拍数に対する割合を基に複数の段階の心拍ゾーンに分けた場合に、運動において対象の心拍ゾーンに該当する心拍数で運動した時間を示す。
心拍ゾーンとは、運動の強度によって心拍数の数値に差が生じることから、運動の強度に応じて心拍数の範囲を定めている。本実施形態では、最大心拍数に対する割合を、50~60%、61~70%、71~80%、81~90%、91~100%の5つの心拍ゾーンに分けており、それぞれゾーン1、ゾーン2、ゾーン3、ゾーン4、ゾーン5としている。
また、心拍ゾーンは、最大心拍数に対する割合に基づいていることから、運動毎にその時の最大心拍数に基づいて算出される。また、本実施形態では、ゾーン1をウォームアップ(VERY LIGHT)、ゾーン2を脂肪燃焼(LIGHT)、ゾーン3を有酸素運動(MODERATE)、ゾーン4を無酸素運動(HARD)、ゾーン5を最大強度(MAXIMUM)、となるように各ゾーンに運動強度に関する名称がそれぞれ設定されている。なお、心拍ゾーンの設定は、これに限らず、目的に応じて変えることができる。なお、例えばゾーン1にはウォームアップとVERY LIGHTの2つの名称が設定されており、ゾーン2~5についても同様である。ゾーン1~5それぞれへの設定及び各ゾーンへの運動強度に関する名称の設定は、例えば後述のユーザ端末2に予め記憶されている。
このため、心拍ゾーン滞在時間は、運動中において、所定の間隔毎に測定された心拍数の、それぞれの測定結果を、上記5つのゾーンの内のいずれかに割り当てることで設定される。また運動結果情報には、運動後の疲労回復に関する回復情報が含まれ、回復情報は、リカバリータイム、心拍ゾーン滞在時間のうち少なくとも何れか一方が含まれる。
運転条件情報取得部35は、車両による自動運転に対する希望条件である運転条件情報を取得する。運転条件情報には、例えば降車希望時間や降車希望地点や自動運転を優先的に行う優先区間やユーザが希望する自動運転制御を行う時間等の情報が含まれる。優先区間には、一般道路又は高速道路を指定することもできる。即ち、運転条件情報取得部35は、自動運転を優先的に行う優先区間及び自動運転制御を行う時間の少なくとも何れか一方の条件を含む運転条件情報を取得する。なお、運転条件情報は、これに限らない。
経路設定部36は、運動結果情報に基づいて自動運転を行う経路を含む運転経路を設定する処理を行う。言い換えると、経路設定部36は、車両1aの出発地(現在地)から目的地までの移動経路を探索する際に、当該移動経路における車両1aの自動運転を行う区間及び時間及び移動経路の選択肢の少なくとも何れかについて、運動結果情報に基づいて経路探索処理を実行する。より具体的には、経路設定部36は、運転条件情報取得部35が取得した運転条件情報と、地図記憶部17に記憶された自動運転用地図情報と、に基づき、自動運転制御を行う経路を含む目的地までの移動経路を探索し、探索された経路を設定する。なお、上記探索された経路は1つでもよく、複数であってもよい。この場合、経路設定部36は探索された経路を選択肢として生成する処理を行う。また、経路設定部36は、上記運転条件情報を満たす経路を設定できない場合もある。例えば、車両1aの現在地から目的地までの移動経路を探索した結果、自動運転制御が行える区間が全く存在しない場合である。この場合、経路設定部36は運転条件情報を満たす移動経路が探索できない旨の情報を設定する。
また、上述のように運動結果情報には回復情報が含まれることから、経路設定部36は、回復情報に基づいて経路設定処理を実行する。また、上述のように回復情報にはリカバリータイムが含まれることから、経路設定部36は、リカバリータイムに基づいて自動運転を行う時間を設定する。
運転条件判定部37は、経路設定部36により運転条件情報を満たす移動経路があるか否かを判定し、判定結果をユーザに提示する処理を実行する。ユーザに提示する処理は、例えば、通信制御部31に指令して通信部18を介して判定結果をユーザ端末2に送信する処理である。
案内制御部38は、自動運転処理や経路案内処理を行う。自動運転処理は、設定された自動運転経路に基づき車両1aの自動運転制御を行う処理である。経路案内処理は、手動運転時に出力部15であるナビゲーション装置1の液晶画面に目的地への経路を示す案内画像を出力し、スピーカに経路における、ある地点での案内音声を出力する処理を行う。
<ユーザ端末>
次に、ユーザ端末2の一例について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末2のハードウェアの構成を示すブロック図である。
本実施形態のユーザ端末2は、プロセッサ41と、ROM42と、RAM43と、入力部44と、出力部45と、記憶部46と、通信部47と、近距離通信部48と、センサ部49と、バッテリー50と、バス51と、入出力インターフェース52と、を備えるコンピュータである。なお、既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称をつけて詳細な説明を省略する場合がある。
入出力インターフェース52には、入力部44と、出力部45と、記憶部46と、通信部47と、近距離通信部48と、センサ部49及びバッテリー50が接続されている。
入力部44及び出力部45は、有線又は無線により電気的に入出力インターフェース52に接続されるユーザインターフェースである。入力部44は、例えばタッチパネルやキー等の各種のボタン、マイク等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。出力部45は、上述のタッチパネルを搭載し画像を表示するディスプレイや音声を拡声するスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
通信部47は、ネットワークを介して外部の機器との間で通信を行う装置である。
近距離通信部48は、近距離での無線通信を行う装置である。近距離通信部48は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)の通信規格に基づいた通信方式でウェアラブル端末3と通信を行う。
センサ部49は、加速度センサや角速度センサ、地磁気センサ、生体センサ等を含み、後述する処理部60により実現される各種の機能のための測定に用いられる。
バッテリー50は、ユーザ端末2に電力を供給する。例えば、バッテリー50は、リチウムイオン電池によって構成される。なお、ユーザ端末2がデスクトップ型パーソナルコンピュータである場合は、ユーザ端末2は、バッテリー50ではなく外部電源に接続されることによってユーザ端末2に電力を供給可能な電源部を有する。
次に、ユーザ端末2の機能的構成について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末2の機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。ユーザ端末2の各種の制御を行う処理部60は、演算処理を実行するプロセッサ41によって実現される。本実施形態の処理部60は、通信制御部61と、出力制御部62と、入力制御部63と、運動管理部64と、運転条件設定部65と、を有する。
通信制御部61は、通信部47や近距離通信部48を介して外部の機器と通信するための処理を実行する。例えば、通信制御部61は、近距離通信部48を介してナビゲーション装置1やウェアラブル端末3と各種の情報を送受信するための処理を実行する。
出力制御部62は、ユーザ端末2の出力部45の画面に画像を表示するための処理を実行する。例えば、出力制御部62は、出力部45の画面に後述する運動管理部64による運動解析結果画面を表示するための処理を実行する。
入力制御部63は、ユーザによる入力部44への入力操作を受け付ける処理を実行する。例えば、入力制御部63は、出力部45の画面に表示された運動管理部64による運動管理画面に基づいてユーザが入力部44に入力したの開始操作を受け付ける処理を実行する。
運動管理部64は、生体情報や体動情報等の測定結果に基いて解析を行い、解析結果である運動結果情報を出力する処理を実行する。例えば、運動管理部64は、通信制御部61が近距離通信部48を介してウェアラブル端末3より測定結果を受信した場合に、通信制御部61から測定結果を取得して解析を行い、上述の回復情報を含む運動結果情報を生成する。
運転条件設定部65は、設定画面出力処理と設定情報出力処理とを実行する。設定画面出力処理は、記憶部46に記憶されている自動運転条件の設定メニュー画面を読み込み、運動管理部64による解析結果を設定メニュー画面に反映させ、出力制御部62に指令して出力部45の画面に設定メニュー画面を出力させる処理である。設定情報出力処理は、出力部45の画面に表示された設定メニュー画面に基づいて、ユーザが入力部44へ入力した自動運転の条件である運転条件情報を、入力制御部63を介して取得する。そして、設定情報出力処理は、入力制御部63より取得された運転条件情報を、運動管理部64が出力する運動結果情報とともに通信制御部61に指令して近距離通信部48を介してナビゲーション装置1に送信する。
<ウェアラブル端末>
次に、ウェアラブル端末3の一例について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル端末3のハードウェアの構成を示すブロック図である。
本実施形態のウェアラブル端末3は、プロセッサ71と、ROM72と、RAM73と、入力部74と、出力部75と、記憶部76と、通信部77と、近距離通信部78と、センサ部79と、GNSS部80と、バッテリー81と、バス82と、入出力インターフェース83と、を備えるコンピュータである。なお、既に説明した構成と共通又は同様の構成については同じ名称をつけて詳細な説明を省略する場合がある。
入出力インターフェース83には、入力部74と、出力部75と、記憶部76と、通信部77と、近距離通信部78と、センサ部79と、GNSS部80と、バッテリー81が接続されている。
センサ部79には、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、生体センサ等を含み、後述する運動管理部96による運動計測処理のための測定に用いられる。運動管理部96による運動計測処理とは、ユーザの運動結果情報を管理するためにウェアラブル端末3を装着するユーザの運動時の動きや心拍数等の生体情報等を記録するための処理である。運動管理部96の詳細は、後述する。
ここで、センサ部79の生体センサは、ウェアラブル端末3の裏面(ユーザに接触する面)側に配置される。生体センサは、例えば、光学式のものや電流に基づく電流検知式のものが用いられる。光学式の場合、生体センサは、ユーザの皮膚に光を照射し、その反射光を測定すること等により、ユーザの生体情報を検出する。電流検知式の場合、生体センサは、ユーザの皮膚の微弱電流を直接検出することによって生体情報を取得したり、微弱な電流を皮膚に流して心拍を計測する生体インピーダンス法等を利用して生体情報を取得したりする。
また、センサ部79の加速度センサは、任意の方向の移動と加速度を検出する装置である。例えば、加速度センサは、静電容量型或いはピエゾ抵抗素子型の3軸センサであり、3軸方向のそれぞれに生じる加速度を検出する。
次に、ウェアラブル端末3の機能的構成について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル端末3の機能的構成の一部を示す機能ブロック図である。
ウェアラブル端末3の各種の制御を行う処理部90は、演算処理を実行するプロセッサ71によって実現される。本実施形態の処理部90は、通信制御部91と、出力制御部92と、入力制御部93と、センサ情報取得部94と、位置情報取得部95と、運動管理部96と、を有する。
センサ情報取得部94は、センサ部79に含まれる各種のセンサが検出する信号に基づいて測定結果を取得する処理を実行する。例えば、センサ情報取得部94は、センサ部79の加速度センサが検出する信号に基づいてウェアラブル端末3の加速度情報を取得する。
また、センサ情報取得部94は、センサ部79の角速度センサが検出する信号に基づいてウェアラブル端末3の回転量情報を取得する。また、センサ情報取得部94は、センサ部79の地磁気センサが検出する信号に基づいてウェアラブル端末3が向く方向の方位情報を取得する。また、センサ情報取得部94は、センサ部79の生体センサの信号に基づいてウェアラブル端末3を装着するユーザの心拍情報を取得する。
位置情報取得部95は、GNSS部80が検出する測位信号に基づいてウェアラブル端末3の現在位置を示す位置情報を取得する処理を実行する。
運動管理部96は、上述の運動測定処理や運動管理処理、測定結果連携処理を実行する。運動管理処理は、ユーザが運動結果情報を閲覧するための運動解析結果画面の生成や出力を行う処理である。また、測定結果連携処理は、連携するユーザ端末2にセンサ部79が検出した測定結果を送信する処理である。
次に、本実施形態に係るナビゲーションシステムSにおける経路設定処理について、図8~11を用いて説明する。図8は、第1の実施形態に係るユーザ端末2の運動管理処理による運動解析結果画面の一例を示す模式図である。図9は、図8の運動解析結果画面において自動運転条件設定メニューの前半部分が表示された運動解析結果画面の一例を示す模式図である。図10は、図8の運動解析結果画面において図9の自動運転条件設定メニューの後半部分が表示された運動解析結果画面の一例を示す模式図である。図11は、図8の運動解析結果画面においてナビゲーション装置1から受信した自動運転判定結果が重畳して表示された運動解析結果画面の一例を示す模式図である。
本実施形態に係るナビゲーションシステムSでは、運動後に疲労したユーザが自動運転可能な車両1aに乗って次の目的地に向かう場合に、車両1aに搭載されたナビゲーション装置1は、ユーザの運動の測定結果から得られた疲労の回復時間(リカバリータイム)と、ユーザ端末2においてユーザにより設定された自動運転制御条件とのうち少なくとも何れか一方の情報に基づいて、車両の自動運転の可否を判定できる。また、ナビゲーション装置1は、ユーザ端末2に判定結果を出力できる。
まず、ウェアラブル端末3を装着したユーザは、例えばランニング計測機能を開始させ、ランニングを始める。ウェアラブル端末3のセンサ情報取得部94や位置情報取得部95は、ランニングが開始されると、センサ部79の加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ、心拍センサやGNSS部80のGPS等から測定結果をそれぞれ取得する。
センサ情報取得部94や位置情報取得部95は、ユーザによって入力部74へ計測の終了を示す操作が入力されるまで、センサ部79やGNSS部80に所定の間隔毎に測定結果を取得させる。例えば、ユーザによって計測の終了を示す操作が入力された後、ウェアラブル端末3の運動管理部96は、測定結果連携処理を実行して、ユーザ端末2に各測定結果を送信する。
次に、ユーザ端末2の通信制御部61は、近距離通信部48を介してウェアラブル端末3から送信された各測定結果を受信する処理を行う。運動管理部64は、通信制御部61から受信した測定結果を取得して、ウェアラブル端末3のセンサ部79やGNSS部80による各測定結果を用いて解析を行う。
次にユーザ端末2の運動管理部64は、運動中に所定の間隔で計測された心拍数が、予め設定されたゾーン1~5のうちいずれの心拍ゾーンに対応するかを特定し、計測された心拍数と特定された対応する心拍ゾーン(ゾーン1~5)を紐付ける。そして、運動管理部64は、上記の計測された心拍数とそれに対応する心拍ゾーン、センサ部79(加速度センサ、角速度センサ等)の計測結果、及び、GNSS部80(GPS)の計測結果に基づいて、解析結果を出力する。この解析結果には、上述したように“移動時間、移動距離、移動平均ペース(/km)、消費カロリー、ピッチ(SPM)、リカバリータイム、心拍数(平均、低い、高い)、GPS測位結果、心拍ゾーン滞在時間”等が含まれる。
次に、ユーザ端末2の運動管理部64は、出力制御部62に指令して出力部45であるユーザ端末2のディスプレイに図8に示すような解析結果としての運動解析結果画面を出力する。運動解析結果画面は、画面上方から運動解析結果表示100、心拍ゾーン滞在時間表示110、心拍数表示160の順に3つの部分に分かれている。
まず、運動解析結果表示100の上部には、運動の日付表示105が表示されている。また、日付表示105の下方には、移動時間表示101が表示されている。また、移動時間表示101の下方には、移動距離表示102が表示されている。また、移動距離表示102の下方には、平均ペース表示103が表示されている。更に、平均ペース表示103の下方には、リカバリータイム表示104が表示されている。
心拍ゾーン滞在時間表示110の上部の左側には、心拍ゾーンにおけるゾーン5を表す“5 MAXIMUM”の表示120が表示されている。本実施形態では、上述のように各ゾーンに対して運動強度に関する名称がそれぞれ2つ設定されているため、表示120を“5 最大強度”と表示してもよい。いずれを表示するかについては、例えばユーザによって予め設定を行えばよい。表示120の下方には、ゾーン5に対応する心拍数の範囲を表す“>199bpm”の表示130が表示されている。また、表示130の下方には、バー表示140が表示されている。バー表示140は、心拍ゾーンにおけるゾーン5の心拍ゾーン滞在時間に応じた長さで表示される。例えば、バー表示140は、心拍ゾーン滞在時間が長いほど、バーが長くなるようにしている。また、心拍ゾーン滞在時間表示110の上部の右側には、心拍ゾーンにおけるゾーン5の心拍ゾーン滞在時間を示す表示111が表示されている。
他の心拍ゾーンを示す、“4 HARD”の表示121、“3 MODERATE”の表示122、“2 LIGHT”の表示123、“1 VERY LIGHT”の表示124についても、上記と同様に心拍数の範囲の表示やバー表示、心拍ゾーン滞在時間の表示が表示されている。
更に、心拍ゾーン滞在時間表示110の下部の左側には、車両の自動運転制御条件の設定を行うボタン150と、運転条件情報を車両に送信するボタン151とが表示されている。ボタン150が押されると、運転条件設定部65が図8の運動解析結果画面上に図9~10に示す自動運転条件設定メニューを表示する処理を実行する。ボタン151が押されると、運転条件設定部65は、自動運転条件設定メニューで設定された条件を車両1aのナビゲーション装置1に送信する処理を実行する。また、上記の条件は、車両1aを制御するECU(Electronic Control Unit)に送信してもよい。この場合、車両1aのECUが受信した条件を、車両1aのシステムバスを経由してナビゲーション装置1に送信すればよい。
また、心拍数表示160は、左方から最低心拍数の表示161、平均心拍数の表示162、最高心拍数の表示163が表示されている。
ここで、運動解析結果画面において上述のボタン150が押されると、ユーザ端末2の運転条件設定部65は、上述のように運動解析結果画面上に図9~10に示す自動運転条件設定メニュー表示174を表示する処理を実行する。自動運転条件設定メニュー表示174では、主に自動運転レベルの設定と、自動運転時間の設定と、自動運転の優先区間の設定とを行うことができる。
自動運転条件設定メニュー表示174が表示された場合の運動解析結果画面は、図9、10に示すように画面の上部に運動解析結果表示100、画面の中央部左側に心拍ゾーン滞在時間表示110、中央部右側に心拍数表示160、画面の下部に自動運転条件設定メニュー表示174という配置で表示される。
自動運転条件設定メニュー表示174は、表示の上部右側に“閉じる”と表示されたボタン170が表示されている。ボタン170が押されることで、図9に示す運動解析結果画面では、自動運転条件設定メニュー表示174の表示が終了し、図8に示す運動解析結果画面に移行する。自動運転条件設定メニュー表示174の右側には、スクロールバー172が表示されており、スクロールバー172をスクロールさせることで自動運転条件設定メニュー表示174をスライドさせることができる。
また、自動運転条件設定メニュー表示174には、上から自動運転レベルを選択する自動運転レベル選択表示177、自動運転時間の設定を行う自動運転時間入力欄176、心拍ゾーン滞在時間による時間設定表示175等が順に表示されている。
自動運転レベル選択表示177では、レベル1からレベル5までの選択肢があり、チェックボックスにチェックを入れることで、レベルを選択できる。
また、自動運転レベル選択表示177では、自動運転の条件を設定するため、運転自動化なしであるレベル0の選択肢は設けられていない。
自動運転時間入力欄176は、“時間”、“分”、“秒”それぞれの数値をキーボード等の入力部44から入力可能であり、車両1aに自動運転させたい時間を入力して自動運転時間の条件を設定することができる。また、自動運転時間入力欄176の右側にリカバリータイムチェック表示171のチェックボックスが表示されている。当該チェックボックスにチェックを入れると、入力欄に自動で運動解析結果表示100のリカバリータイムが入力される。なお、リカバリータイムは、随時カウントダウンしているため、自動入力されている自動運転時間入力欄176の表示も連動して数値が随時変化する。
なお、入力された自動運転時間が、ナビゲーション装置1によって探索された現在地から目的地までの移動経路を移動する際に必要となる時間よりも短い場合、ナビゲーション装置1によって設定される経路は最短経路でなくても良く、例えば遠回りするような経路でも良い。また、遠回りするような経路である場合に、ユーザ端末2に確認メッセージを出力しても良い。
心拍ゾーン滞在時間による時間設定表示175は、5つの心拍ゾーンのうちの何れか又は全てにチェックを入れることで、チェックが入った心拍ゾーン滞在時間全てを加算した値が自動運転時間として設定される。また、設定された自動運転時間は、合計時間表示173に表示される。例えば、ゾーン3とゾーン4とゾーン5にチェックを入れた場合、心拍ゾーン滞在時間表示110から、ゾーン3、ゾーン4、ゾーン5の心拍ゾーン滞在時間は、それぞれ16分36秒、24分36秒、5分28秒である。よって、合計時間が46分40秒であり、合計時間表示173には、“計46分40秒”と表示される。
本実施形態では、自動運転条件設定メニュー表示174において自動運転時間入力欄176への直接入力、リカバリータイムチェック表示171のチェックボックスへのチェック、心拍ゾーン滞在時間による時間設定表示175の心拍ゾーンのチェックボックスへのチェックにより自動運転時間の設定が可能である。
次に、図9の自動運転条件設定メニュー表示174のスクロールバー172を下にスライドさせた画面について、図10を用いて説明する。図10の車両の自動運転制御条件の設定メニューでは、出発地から目的地までの経路のうち優先的に自動運転させたい区間を設定する4つの項目表示が表示されている。
4つの項目表示は、自動運転条件設定メニュー表示174において上から順に、一般道又は高速道路を優先区間に設定する項目表示178と、地図上で優先区間の設定を行う項目表示179と、ナビゲーション装置1により探索された現在地から目的地までの移動経路において少なくとも自動運転させたい時間を心拍ゾーン滞在時間により設定する項目表示180と、上記経路のうち前半、中半、後半のいずれか一部での自動運転を優先させる設定を行う項目表示181とが表示されている。
項目表示178では、一般道のオプションボタンと高速道路のオプションボタンとが表示されている。項目表示178では、1つのオプションボタンを選択してクリックすることで、一般道と高速道路のいずれか一方を自動運転優先区間として設定できる。具体的に一般道が選択された場合、上記経路のうち一般道のある区間を車両1aが走行する際に自動運転制御が行われる。また高速道路が選択された場合、上記経路のうち高速道路のある区間を車両1aが走行する際に自動運転制御が行われる。なお、高速道路が選択された場合、ナビゲーション装置1は上記経路に高速道路を含むように経路探索させてもよい。
また、項目表示179では、“地図で設定”ボタン179aが表示されている。項目表示179では、“地図で設定”ボタン179aが押されると、ユーザ車両の現在位置を中心とした地図画面に移行し、地図上で自動運転の終点を選択することで優先区間を設定することができる。なお、始点は、デフォルトでユーザ車両の現在位置となっている。しかし、地図上での優先区間の設定操作は、これに限らず、例えば自動運転の始点を地図上で設定できるようにしても良い。
また、項目表示180では、自動運転の優先区間の内5つの心拍ゾーン選択のためのチェックボックス180aと、合計時間表示180bとが表示されている。項目表示180では、チェックボックス180aで心拍ゾーンを選択し、選択された心拍ゾーンの滞在時間の合計から、上記経路において少なくとも自動運転させたい時間が設定される。また、設定された時間は、合計時間表示180bに表示される。なお、上記で設定された時間の間は、少なくとも自動運転を行い、手動運転に切り替わることが無いようにする条件設定である。
また、項目表示181では、前半のオプションボタンと、中半のオプションボタンと、後半のオプションボタンとが表示されている。項目表示181では、1つのオプションボタンを選択してクリックすることで、運転区間の前半、中半、後半のうちの何れか1つを自動運転区間として選択できる。
図9~10の設定を行い、ボタン170を押すことで、自動運転の条件設定が完了して図8の運動解析結果画面に戻る。次に、図8の運動解析結果画面のボタン151が押されることで、ユーザ端末2の運転条件設定部65は、各心拍ゾーンを示す情報と、各心拍ゾーンに対応する心拍ゾーン滞在時間と、リカバリータイム及び運転条件情報を、車両1aに設置されたナビゲーション装置1に送信する処理を行う。
なお、自動運転条件設定メニュー表示174において設定できる運転条件情報は、これに限らない。例えば、自動運転条件設定メニュー表示174において設定できる運転条件情報は、降車希望時間や降車希望地点、ユーザが希望する心拍数の範囲における運動時間の合計を条件にしても良い。この場合、ナビゲーション装置1は、当該条件に沿って自動運転の経路を設定できる。
ナビゲーション装置1の運転条件判定部37は、経路設定部36によって運転条件情報を満たす移動経路があるか否かを判定し、判定結果をユーザに提示する処理を実行する。運転条件判定部37は、経路設定部36により運転条件情報を満たす移動経路がある場合に、移動経路ありと判定し、判定結果をユーザ端末2に送信する。一方、運転条件判定部37は、経路設定部36により運転条件情報を満たす移動経路がない場合に、移動経路なしと判定し、判定結果をユーザ端末2に送信する。
言い換えると、処理部30は、車両1aの出発地から目的地までにおける自動運転を行う区間及び時間及び移動経路の選択肢の少なくとも何れかを設定する経路設定処理に運転条件情報を反映できるか否かを判定し、判定結果をユーザに提示する処理を実行する。
ユーザ端末2では、図11に示すように、受信した判定結果表示190を出力部45の画面に表示する。判定結果表示190には、“閉じる”ボタン191が表示されている。“閉じる”ボタン191が押されることで判定結果表示190が閉じられる。また、図11の例では、判定結果表示190には、運転条件情報に基づく自動運転が可能であること示す“判定OK”が表示されている。また、判定結果がNGの場合は“判定NG”と表示される。なお、判定結果がNGの場合は、判定結果表示190にリカバリータイム又は心拍ゾーン滞在時間における自動運転可能な時間の割合が表示されても良い。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理について、図12を用いて説明する。図12は、図3の機能的構成を有する図2のナビゲーション装置が実行する経路設定処理の流れを説明するフローチャートである。
経路設定処理を実行する場合には、図3に示すように、プロセッサ11において、運動結果情報取得部34と、運転条件情報取得部35と、経路設定部36と、運転条件判定部37と、が機能する。経路設定処理は、通信制御部31が通信部18を介してユーザ端末2から送信される運動結果情報と運転条件情報とを受信したタイミングで開始される。
まず、処理部30は、運動結果情報と運転条件情報とを取得する(ステップS10)。次に、処理部30は、取得した運動結果情報と運転条件情報と、地図記憶部17に記憶された自動運転用地図情報と、に基づき、自動運転経路を設定する(ステップS11)。
次に、処理部30は、経路設定部36により運転条件情報を満たす移動経路があるか否かを判定する(ステップS12)。言い換えると、処理部30は、設定された自動運転経路に運転条件情報が反映されているか否かを判定する。次に、処理部30は、通信制御部31に指令して通信部18を介して判定結果情報をユーザ端末2に送信させて(ステップS13)、処理を終了させる。
以上のように構成されるナビゲーション装置1は、ユーザの生体情報をユーザ端末2から取得し、車両1aの出発地から目的地までにおける自動運転を行う区間及び時間及び移動経路の選択肢の少なくとも何れかを生体情報に基づいて設定する経路設定処理を実行する処理部30を備える。
これにより、ユーザは、ユーザの身体の状態に基づいた自動運転により快適に移動ができる。
また、生体情報は、ユーザの運動の結果に基づいた情報である運動結果情報を含む。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ユーザの運動の結果により適した自動運転を実現可能である。また、ユーザは、ランニング等の運動後で疲労している状態で、車両1aで目的地に向かう場合であっても、自身の疲労を効率的に回復させることができる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、運動結果情報は、ユーザの運動後の状態を示す。
これにより、ユーザは、ナビゲーション装置1により多くの運動の結果に基づいて経路案内を行わせることができ、自身の疲労をより効率的に回復させることができる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30が取得する運転結果情報には、ユーザにおける運動後の疲労回復に関する回復情報が含まれ、処理部30は、回復情報に基づいて経路設定処理を実行する。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、ユーザの運動後の疲労回復により適した自動運転の経路が設定できる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30が取得する運転結果情報に含まれる回復情報には、疲労回復を行うための時間を示すリカバリータイムが含まれ、処理部30は、リカバリータイムに基づいて自動運転を行う時間を設定する。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、ユーザの運動後の疲労の回復を行うためのリカバリータイムに基づいた自動運転の経路の設定ができ、ユーザの運動後の疲労回復により適した自動運転の経路が設定できる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、自動運転を優先的に行う優先区間及び自動運転のレベルを示す自動運転レベルの少なくとも何れか一方の条件を含む運転条件情報を取得し、経路設定処理に運転条件情報を反映する。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、自動運転の経路をユーザの運動後の疲労回復に適した経路に設定しつつ、更に自動運転の経路にユーザの要望を柔軟に反映できる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、経路設定処理に運転条件情報を反映できるか否かを判定し、判定結果をユーザに提示する処理を実行する。
これにより、ユーザは、経路設定部が設定した経路と、運転条件情報と、を比較して自動運転の可否を判断する必要がなくなり、より容易に自動運転経路の選択を行うことができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
<第2の実施形態>
上述の実施形態では、ナビゲーション装置1の運転条件判定部37は、運動結果情報取得部34がユーザ端末2から受信した運動結果情報に基づき設定された自動運転経路に運転条件情報取得部35が取得した1つの運転条件情報に基づいて運転条件情報を反映できるか否かを判定していたが、これに限らない。例えば、ナビゲーション装置1の運転条件判定部37は、運動結果情報取得部34が取得したユーザ端末2から受信した運動結果情報に基づき設定された自動運転経路に運転条件情報取得部35が取得し優先度が設定された2つの運転条件情報に基づいて2つの運転条件情報を反映できるか否かを判定しても良い。
即ち、運転条件情報には、自動運転を行う区間及び時間のユーザの希望を示す第1条件と、第1条件とは異なる自動運転を行う区間及び時間のユーザの希望を示す第2条件と、が含まれ、処理部30は、第1条件に基づく経路設定処理を実行するとともに第2条件に基づく経路設定処理を実行し、処理結果をユーザに提示する処理を実行しても良い。
第2の実施形態に係るナビゲーション装置1、ユーザ端末2、ウェアラブル端末3のハードウェア構成及び機能的構成は、第1の実施形態と同様の構成の為、同じ名称をつけて詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理について、図13を用いて説明する。図13は、第2の実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理の流れを説明するフローチャートである。
経路設定処理を実行する場合には、図3に示すように、プロセッサ11において、運動結果情報取得部34と、運転条件情報取得部35と、経路設定部36と、運転条件判定部37と、が機能する。経路設定処理は、通信制御部31が通信部18を介してユーザ端末2から送信される運動結果情報と、第1条件と第2条件を含む運転条件情報と、を受信したタイミングで開始される。
まず、処理部30は、運動結果情報と第1条件と第2条件とを含む運転条件情報とを取得する(ステップS20)。次に、処理部30は、取得した運動結果情報と運転条件情報の第1条件と、地図記憶部17に記憶された自動運転用地図情報と、に基づき、自動運転経路を設定する(ステップS21)。次に、処理部30は、取得した運動結果情報と運転条件情報の第2条件と、地図記憶部17に記憶された自動運転用地図情報と、に基づき、自動運転経路を設定する(ステップS22)。
次に、処理部30は、経路設定部36により第1条件での運転条件情報を満たす移動経路があるか否かを判定する(ステップS23)。次に、処理部30は、経路設定部36により第2条件での運転条件情報を満たす移動経路があるか否かを判定する(ステップS24)。
次に、処理部30は、通信制御部31に指令して通信部18を介して第1条件と第2条件についての判定結果情報をユーザ端末2に送信させて(ステップS25)、処理を終了させる。判定結果情報には、第1条件や第2条件を満たす移動経路があるか否かの判定結果とともにそれぞれの条件に対応する優先順位が付されている。
以上のように構成される本実施形態に係るナビゲーション装置1は、運転条件情報には、自動運転を行う区間及び時間のユーザの希望を示す第1条件と、第1条件とは異なる自動運転を行う区間及び時間のユーザの希望を示す第2条件と、が含まれ、第1条件に基づく経路設定処理を実行するとともに第2条件に基づく経路設定処理を実行し、処理結果をユーザに提示する処理を実行する。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1においては、一度に複数の条件で自動運転の判定を行うことができ、より効率的に自動運転の判定を行うことができる。
<第3の実施形態>
また、第1の実施形態では、ナビゲーション装置1の運転条件判定部37は、自動運転判定後に通信制御部31に指令して通信部18を介して判定結果情報をユーザ端末2に送信させていた。しかし、これに限らない。例えば、ナビゲーション装置1の運転条件判定部37は、自動運転判定後に通信制御部31に指令して通信部18を介して判定結果情報に加えて、自動運転情報をユーザ端末2に送信させても良い。
自動運転情報とは、設定された条件で自動運転制御が可能と判定された経路情報と、自動運転可能と判定された時間である。経路情報は、例えばノードとリンク等の道路情報である。自動運転可能と判定された時間は、例えば、ゾーン5とゾーン4の心拍ゾーン滞在時間を合計した時間である。
ユーザ端末2では、自動運転情報と運動結果情報とに基づいて出力部45の画面に受信した判定結果表示190に加えて、図14に示すように地図上に運動による軌跡と自動運転経路とを同時に表示させることができる。
図14において、2点鎖線201、実線202、点線203は、運動による軌跡を示す。本実施形態では、運動による軌跡は、線の表示の違いにより運動時の心拍ゾーンの違いを表現している。この図の例では、2点鎖線は、ユーザの運動時に心拍ゾーンがゾーン1であったことを示し、実線202は、ユーザの運動時に心拍ゾーンがゾーン3であったことを示し、点線203は、ユーザの運動時に心拍ゾーンがゾーン4であったことを示す。また、図14において1点鎖線204は、自動運転経路を示す。なお、表示の違いは線の種類の違いに限らず、例えば線の色を変えて心拍ゾーンの違いを表現しても良い。
点200は、運動の始点を示し、点205は、運動の終点及び自動運転の始点を示す。また、表示206、表示207、表示208は、それぞれ軌跡における運動の始点からの距離を示す。また、表示209は、自動運転における自動運転の始点からの経過時間を示す。このように本実施形態では、地図上に運動による軌跡と自動運転経路とを同時に表示されることから、ユーザ端末2では、運動の軌跡と自動運転経路とで地図の表示を切り替える必要がなくなっている。
第3の実施形態に係るナビゲーション装置1、ユーザ端末2、ウェアラブル端末3のハードウェア構成及び機能的構成は、第1の実施形態と同様の構成の為、同じ名称をつけて詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理について、図15を用いて説明する。図15は、第3の実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理の流れを説明するフローチャートである。
経路設定処理を実行する場合には、図3に示すように、プロセッサ11において、運動結果情報取得部34と、運転条件情報取得部35と、経路設定部36と、運転条件判定部37と、が機能する。経路設定処理は、通信制御部31が通信部18を介してユーザ端末2から送信される運動結果情報と運転条件情報とを受信したタイミングで開始される。
まず、処理部30は、運動結果情報と運転条件情報とを取得する(ステップS31)。次に、処理部30は、取得した運動結果情報と運転条件情報と、地図記憶部17に記憶された自動運転用地図情報と、に基づき、自動運転経路を設定する(ステップS32)。
次に、処理部30は、経路設定部36により運転条件情報を満たす移動経路があるか否かを判定する(ステップS33)。次に、処理部30は、通信制御部31に指令して通信部18を介して判定結果情報及びステップS11で設定された自動運転経路の経路情報をユーザ端末2に送信させて(ステップS34)、処理を終了させる。
なお、本実施形態では、自動運転始点から目的地までの移動経路の途中で自動運転を終了して自転車又はランニング等の運動により目的地まで移動する場合に、ユーザ端末2の画面上の地図に途中の降車予定地点から運動による目的地までの移動経路も併せて表示することもできる。
<第4の実施形態>
また、上述の実施形態では、ナビゲーション装置1の経路設定部36は、取得したユーザ端末2から受信した運動結果情報と1つの運転条件情報に基づいて自動運転経路を設定していたが、これに限らない。例えば、ナビゲーション装置1の経路設定部36は、ユーザ端末2から受信した運動結果情報のみに基づいて自動運転経路を設定しても良い。
また、ナビゲーション装置1の経路設定部36は、設定された複数の自動運転経路の情報を通信制御部31に指令して通信部18を介してユーザ端末2に送信させても良い。この場合は、ユーザはユーザ端末2の画面上で送信された複数の自動運転経路から自分で自動運転経路を選択することができる。
第4の実施形態に係るナビゲーション装置1、ユーザ端末2、ウェアラブル端末3のハードウェア構成及び機能的構成は、第1の実施形態と同様の構成の為、同じ名称をつけて詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理について、図16を用いて説明する。図16は、第3の実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、処理部30は、運動結果情報を取得する(ステップS40)。次に、取得した運動結果情報と、地図記憶部17に記憶された自動運転用地図情報と、に基づき、自動運転経路を設定する(ステップS41)。
ステップS41において設定する自動運転経路は、例えば、リカバリータイムの時間全てを自動運転可能な経路である。また、設定する自動運転経路は、予め設定された心拍ゾーンに含まれる心拍ゾーン滞在時間の合計時間で自動運転可能な経路でもよい。
なお、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、予め設定された心拍ゾーンに含まれる心拍ゾーン滞在時間の合計の全心拍ゾーン滞在時間に占める割合が予め設定した割合以上の場合に、当該合計時間で自動運転可能な経路を設定している。例えば、全心拍ゾーン滞在時間におけるゾーン4~5の合計時間の割合が50%以上の場合に、処理部30は、ゾーン4~5の心拍ゾーン滞在時間の合計時間の範囲内で自動運転可能な経路を設定するようにしている。
次に、処理部30は、通信部18を介して設定した自動運転経路をユーザ端末2に送信させて(ステップS42)、処理を終了させる。
<第5の実施形態>
また、第4の実施形態では、ナビゲーション装置1の経路設定部36は、運動結果情報取得部34がユーザ端末2から受信した運動結果情報のみに基づいて自動運転経路を設定し、設定された複数の自動運転経路の情報を通信制御部31に指令して通信部18を介してユーザ端末2に送信させていた。しかし、これに限らない。例えば、ナビゲーション装置1の経路設定部36は、運動結果情報取得部34がユーザ端末2から受信した運動結果情報に加えて、運転条件情報取得部35がユーザ端末2から受信した運転条件情報に基づいて自動運転経路を設定し、設定された複数の自動運転経路の情報を通信制御部31に指令して通信部18を介してユーザ端末2に送信させても良い。この場合も、ユーザはユーザ端末2の画面上で送信された複数の自動運転経路から自分で自動運転経路を選択することができる。
例えば、現在地から目的地までの経路全体のうちの一部で自動運転を行う経路の場合、自動運転経路の情報は、運転条件情報に沿った経路の情報となる。また、自動運転経路の情報には、運動結果情報に含まれる心拍数の情報に基づいて判定された自動運転の可否の自動運転を行うべきか否かのアドバイス情報が含まれていても良い。
第5の実施形態に係るナビゲーション装置1、ユーザ端末2、ウェアラブル端末3のハードウェア構成及び機能的構成は、第1の実施形態と同様の構成の為、同じ名称をつけて詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理について、図17を用いて説明する。図17は、第5の実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、処理部30は、運動結果情報と運転条件情報とを取得する(ステップS50)。次に、処理部30は、取得した運動結果情報と運転条件情報と、地図記憶部17に記憶された自動運転用地図情報と、に基づき、運動条件情報に沿った自動運転経路を設定する(ステップS51)。
次に、処理部30は、通信部18を介して設定した自動運転経路をユーザ端末2に送信させて(ステップS52)、処理を終了させる。
<第6の実施形態>
また、第5の実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、運動結果情報と、運転条件情報とに基づいて、自動運転の区間及び時間及び移動経路の選択肢の少なくとも何れかを、距離がより短くなるように設定していたが、これに限らない。例えば、処理部30は、運動結果情報と、運転条件情報とに基づいて、自動運転の区間及び時間及び自動運転経路の選択肢の少なくとも何れかを、直進区間がより長くなるように設定しても良い。
次に、第6の実施形態のナビゲーションシステムSについて説明する。なお、第6の実施形態に係るナビゲーション装置1、ユーザ端末2、ウェアラブル端末3のハードウェア構成及び機能的構成は、基本的には第5の実施形態と同様の構成である。
第6の実施形態のナビゲーション装置1は、複数の自動運転経路の評価を行って直進区間が相対的に長い自動運転経路をユーザに負担が少ないものとして判定する。
処理部30による自動運転経路を決定する処理の例について説明する。処理部30は、設定の際に生成される複数の自動運転経路を取得し、複数の自動運転経路の中で直進区間が相対的に長いと判定された自動運転経路をユーザに提示する自動運転経路として選択する。
本実施形態では、直進区間が相対的に長いか否かの判定は、右左折の回数に基づいて行う。直進区間を右左折のない区間とすると、右左折の回数が多いほど直進区間が相対的に短く、反対に右左折の回数が少ないほど直進区間が長い蓋然性が高いためである。この方法によれば、単純な回数の比較で判定処理を行うことができるので演算コストも抑制することができる。即ち、この例のナビゲーション装置1は、複数の自動運転経路毎の直進区間の評価を右左折の回数で行い、各自動運転経路の右左折の回数を比較することで直進区間がより長い自動運転経路の判定を行い自動運転経路として設定する。
なお、直進区間が相対的に長いか否かの判定は、右左折の回数以外の基準に基づいて行ってもよい。例えば、複数の自動運転経路から直進区間を抽出し、抽出した直進区間を比較してもよい。この例における直進区間の比較は、自動運転経路に含まれる直進区間の長さの総量や直進区間の回数等に基づいて直進区間が相対的に長いか否かで行う。直進区間の抽出方法は、例えば、自動運転経路におけるノード間の道路の曲率半径が予め定めた判定値よりも大きい場合に当該道路を直進区間としても抽出することもできる。なお、ここでいうノードは、地図情報における交差点その他道路網における結節点等である。
また、ユーザの負担が少ない自動運転経路の選択に、アップダウンを考慮してもよい。例えば、ノード間の道路の傾斜の勾配が予め定めた判定値よりも大きい場合に当該道路を直進区間としても良い。この場合は、ナビゲーション装置1は、道路のアップダウンがより少ない自動運転経路を設定でき、より快適かつ効率的にユーザの疲労を回復できる。
また、上述の実施形態のナビゲーション装置1では、出発地から目的地までの移動経路がより短い距離又は時間となるように移動経路の設定を行っていたが、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、設定される移動経路について直進区間をより長くすることで、その分距離や所要時間が延びてしまうこともある。距離や時間が長くなったとしても負担が少ない経路を選択したい場合もあれば、距離や時間もできるだけ短くしつつ負担が少ない経路を選択したい場合もある。
そこで、第6の実施形態に係るナビゲーション装置1では、上述の実施形態に係るナビゲーション装置1が設定したより短い距離又は時間の移動経路に対して、所要時間又は距離の増加等の延長を許容できる許容条件として許容延長時間又は許容延長距離を設定できるようにしている。
例えば、ユーザ端末2の運転条件設定部65は、ユーザの入力操作により許容延長時間及び許容延長距離を生成する。ユーザ端末2の運転条件設定部65は、設定画面出力処理実行時に、自動運転条件設定メニュー表示174に不図示の許容延長時間設定表示と許容延長時間設定表示を表示させ、当該表示に従い入力することで許容延長時間及び許容延長距離の少なくとも何れかを設定できるようにしている。なお、許容延長時間設定表示及び許容延長時間設定表示は、図10に示される自動運転条件設定メニュー表示174のスクロールバー172をスクロールさせると表示される。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、許容延長時間及び許容延長距離の両方が設定されている場合、経路設定処理において設定する経路が許容延長時間を満たした上で、更に許容延長距離を満たす経路を設定する。言い換えると、ナビゲーション装置1は、許容延長距離を満たしていても許容延長時間を満たさない経路を選択しないようにしている。
しかし、これに限らず、ナビゲーション装置1は、経路設定処理において設定する経路が許容延長距離を満たした上で、更に許容延長時間を満たす経路を設定しても良い。また、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、許容延長時間及び許容延長距離のいずれか一方を満たすような経路を選択しても良いし、許容延長時間及び許容延長距離を同時に満たすような経路を選択しても良い。
なお、許容条件の設定は、ナビゲーション装置1で設定されても良いし、ウェアラブル端末3で設定されても良い。また、許容条件は、自動運転条件設定メニューにおいて設定する態様に限らず、予め設定されていても良い。
第6の実施形態では、ナビゲーション装置1の運転条件情報取得部35が、許容条件としての許容延長時間及び許容延長距離のうち少なくとも一方の情報が含まれる運転条件情報を取得する。ナビゲーション装置1の経路設定部36は、取得した運転条件情報に含まれる許容条件の範囲内で直線区間をより長くする経路設定処理を実行する。
また、許容条件は、許容延長時間や許容延長距離に限らず、他の運転条件を設定することができる。例えば、許容高度や許容予測平均速度を設定しても良い。許容予測平均速度は、例えば渋滞が発生しているが直進であるような経路の選択を許容したい場合に用いられる。
次に第6実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。図18は、第6の実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理の流れを説明するフローチャートである。経路設定処理は、通信制御部31が通信部18を介してユーザ端末2から送信される運動結果情報と、許容条件を含む運転条件情報と、を受信したタイミングで開始される。
まず、処理部30は、運動結果情報と運転条件情報とを取得する(ステップS60)。本実施形態では、運転条件情報にユーザにより設定された許容条件としての許容延長時間及び許容延長距離が含まれている。次に、処理部30は、取得した運転条件情報に許容条件情報が含まれるか否かを確認する(ステップS61)。
運転条件情報に許容条件情報が含まれない場合(ステップS61:NO)、処理部30は、取得した運動結果情報と運転条件情報と、地図記憶部17に記憶された自動運転地図情報と、に基づき、複数の自動運転経路の中で直進区間が相対的に長いと判定された自動運転経路を設定し(ステップS62)、処理をステップS64に移行させる。一方、運転条件情報に許容条件情報が含まれる場合(ステップS61:YES)、処理部30は、取得した運動結果情報と運転条件情報と、地図記憶部17に記憶された自動運転地図情報と、に基づき、許容条件情報の範囲内で複数の自動運転経路の中で直進区間が相対的に長いと判定された自動運転経路を設定し(ステップS63)、処理をステップS64に移行させる。
次に、処理部30は、通信部18を介して設定した自動運転経路をユーザ端末2に送信させて(ステップS64)、処理を終了させる。
なお、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、直進区間が相対的に長い自動運転経路を設定してユーザ端末2に送信していたが、送信する自動運転経路はこれに限らない。例えば、ナビゲーション装置1は、直進区間が相対的に長い自動運転経路の他により所要時間の短い自動運転経路やより走行距離の短い経路等複数の自動運転経路をユーザ端末2に送信してユーザが選択できるようにしても良い。
以上のように構成される本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ユーザの生体情報を取得し、生体情報に基づいて、自動運転を行う車両1aの出発地から目的地までの自動運転経路における直進距離の長さを調整する経路設定処理を実行する処理部30を備える。
これにより、ユーザは、ユーザの身体の状態に基づいた自動運転による移動ができる。
また、生体情報は、ユーザの運動の結果に基づいた情報である運動結果情報を含む。
これにより、運動後のユーザは、より直進区間の長い移動経路を自動運転の車両に乗車して移動することができ、より快適にかつ効率的に運動後の疲労を回復しながら移動することができる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、経路設定処理において自動運転経路における右左折の回数がより少ない経路に設定することで直進距離を長くする。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、右左折の回数というより単純な情報に基づいて判定するだけで自動運転中のユーザの動きを抑制することができ、当該判定に要する処理量を抑えつつより快適かつ効率的な疲労回復が可能な自動運転経路を提示できる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、経路設定処理において自動運転経路の距離又は所要時間に対して設定範囲が予め定められている場合は、設定範囲を満たすように自動運転経路を設定する。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ユーザが許容可能な自動運転経路を生成できるため、ユーザは、より好みに合った自動運転経路で自動運転の車両に乗車して移動することができ、より快適にかつより効率的に運動後の疲労を回復しながら移動することができる。
なお、本実施形態に係るナビゲーションシステムSでは、距離がより短くなる経路とともに、直進区間がより長くなる経路を自動で生成しているが、これに限らず、直進区間がより長くなる経路を生成するモードを設けて、当該モードを選択した場合に直進区間がより長くなる経路を生成するようにしても良い。
また、ナビゲーション装置1は、ユーザ端末2を介さずに直接ウェアラブル端末3から運動時の測定結果を取得し、運動結果情報を生成しても良い。この場合、ナビゲーション装置1は、ウェアラブル端末3からの運動時の測定結果の取得から自動運転経路の設定を行う。また、ナビゲーション装置1は、出力部15の画面を介して設定した自動運転経路をユーザへの提示を行っても良い。また、ナビゲーション装置1は、設定した自動運転経路をウェアラブル端末3に送信しても良い。
<第7の実施形態>
また、上述の実施形態に係るナビゲーションシステムSでは、ユーザの運動時のリカバリータイムや心拍ゾーン滞在時間等の運動結果情報に基づいて自動運転経路を設定していたが、これに限らない。例えば第7の実施形態に係るナビゲーションシステムSでは、更にユーザの運動時の高度情報と、ユーザの年齢情報とに基づいて自動運転経路を設定可能である。以下に、第7の実施形態に係るナビゲーションシステムSについて、図19、20を用いて説明する。図19は、年齢に対応した高地トレーニングに該当する高地基準のテーブルである。図20は、第7の実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理の流れを説明するフローチャートである。
第7の実施形態に係るナビゲーション装置1、ユーザ端末2、ウェアラブル端末3のハードウェア構成及び機能的構成が第5の実施形態と同様の構成の場合は、同じ名称をつけて詳細な説明を省略する。
第7の実施形態のナビゲーション装置1が備える記憶部16には、図19に示される年齢毎の高地トレーニングに該当する高度を示すテーブルが記憶されている。高地トレーニングに該当する高度か否かは、図19に示されるテーブルのように年齢により異なるため、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、高度情報とユーザの年齢情報とに基づきユーザの運動が高地トレーニングに該当するか否かを判定できるように当該テーブルを記憶している。また、記憶部16には、後述する低地高度の情報が記憶されている。
本実施形態に係るナビゲーション装置1の機能部である経路設定部36は、受信した運動結果情報に含まれる高地トレーニング判定結果を確認する。経路設定部36は、ユーザの運動が高地トレーニングに該当する場合、運動時の高度情報と、ユーザの年齢情報と、心拍ゾーン滞在時間やリカバリータイム等の運動結果情報と運転条件情報とに基づいて、複数の自動運転経路の評価を行って出発地からより早く低い高度に移動できる経路を選択する。なお、経路設定部36は、複数の自動運転経路の評価を行って自動運転経路における高度が相対的に低いと判定された自動運転経路をユーザに提示する自動運転経路として選択しても良い。
本実施形態において、低い高度は、図19に示されるテーブルに記載の高地基準よりも低い高度をいう。テーブルに示されるように、年齢によって高地トレーニングに該当する高度が変わる。例えばユーザが19歳以上の場合は、高地トレーニングに該当する高度が1800mであるため、低い高度は、1800m未満の高度となる。よって、経路設定部36は、テーブルにユーザの年齢を当てはめて高地トレーニングに該当する高度を取得し、出発地からより早く当該高度よりも低い高度に移動できる経路を選択する。
また、経路設定部36は、運転条件情報に含まれる出発地と目的地との間の途中経路で高地トレーニングに該当する高度の区間を含む自動運転経路を設定しても良いが、高地トレーニングに該当する高度の区間を含まない条件設定ができても良い。例えば、ユーザ端末2の運転条件設定部65は、ユーザの入力操作により自動運転経路における途中経路が高地トレーニングに該当する高度の区間を含まない設定情報を運転条件情報に含める処理を行い、ナビゲーション装置1に送信する。ナビゲーション装置1の経路設定部36は、取得した当該運転条件情報に含まれる当該設定情報に基づいて高地トレーニングに該当する高度の区間を含まない自動運転経路を設定する。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の経路設定部36は、目的地が高地トレーニングに該当する高度の場合は、出発地からより早く低い高度に移動できる経路かつ目的地のより近くまで低い高度で移動できる経路を選択する。また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の経路設定部36は、運転条件情報に第6の実施形態のような許容条件を含ませて、自動運転経路の所要時間や距離が極端に増えるような経路を除くことができるようにしても良い。
また、第7実施形態のユーザ端末2の記憶部46には、ユーザの氏名、生年月日、性別、身長、体重、ウェアラブル端末3を装着する手首が右か左か等の情報であるユーザ情報が記憶されている。
第7実施形態のユーザ端末2の運動管理部64は、取得した運動結果情報からユーザの運動時の高度情報を取得する。また、運動管理部64は、取得した高度情報と、記憶部46に記憶された生年月日から導かれる年齢情報と、に基づきユーザの運動が高地トレーニングに該当するか否かを判定する処理を実行する。運動管理部64は、ユーザの運動が高地トレーニングに該当する場合、運動結果情報の出力時に、ユーザの年齢情報も併せて出力する。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1による高地トレーニングに対応した経路設定処理について、説明を行う。まず、高地でのトレーニングとは、低地に比べて低圧で酸素が薄く、低温な環境下でのトレーニングである。よって、高地でのトレーニングは、通常のトレーニングよりも疲労が大きい。また、運動後も高地では通常に比べて疲労の回復に時間がかかる。よって、運動後に自動運転で移動しつつ疲労回復をさせたい場合は、高地でのトレーニング後か否かを適切に把握し、高地でのトレーニング後である場合により早く低地に移動する必要がある。
本実施形態に係るナビゲーション装置1は、高度情報と、ユーザの年齢情報と、に基づいて高地トレーニングか否かを判定し、出発地からより早く低地に移動する自動運転経路の生成を行うことができる。具体的には、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、記憶部16に記憶された図19のテーブルを読み込み取得した高度情報とユーザの年齢情報とを当てはめて、ユーザが運動した高度が高地トレーニングの高度に該当するか否かの判定を行う。ナビゲーション装置1は、ユーザが運動した高度が高地トレーニングの高度に該当する場合に、ナビゲーション装置1は、出発地からより早く低地に移動する自動運転経路の生成を行う。
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1が実行する経路設定処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。経路設定処理は、通信制御部31が通信部18を介してユーザ端末2から送信される高地トレーニング判定結果を含む運動結果情報と、運転条件情報と、を受信したタイミングで開始される。
まず、処理部30は、運動結果情報と運転条件情報とを取得する(ステップS70)。次に、処理部30は、運動結果情報と運転条件情報とから、高度情報と年齢情報とを取得する(ステップS71)。
次に、取得した高度情報と年齢情報と記憶部16に記憶されているテーブルとに基づいて、ユーザの運動が高地トレーニングに該当するか否かを判定する(ステップS72)。ユーザの運動が高地トレーニングに該当する場合、処理部30は、自動運転経路をより早く低地に移動する自動運転経路に設定し(ステップS73)、処理をステップS75に移行させる。一方、ユーザの運動が高地トレーニングに該当しない場合(ステップS72:NO)、処理部30は、自動運転経路をより距離が短くなる自動運転経路に設定し(ステップS74)、処理をステップS75に移行させる。
次に、処理部30は、通信部18を介して設定した自動運転経路をユーザ端末2に送信させて(ステップS75)、処理を終了させる。
なお、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、より早く低い高度に移動できる自動運転経路を設定してユーザ端末2に送信していたが、送信する自動運転経路はこれに限らない。例えば、ナビゲーション装置1は、より早く低い高度に移動できる自動運転経路の他に直進区間が相対的に長い自動運転経路や所要時間の短い自動運転経路やより走行距離の短い経路等複数の自動運転経路をユーザ端末2に送信してユーザが選択できるようにしても良い。
以上のように構成されるナビゲーション装置1は、高度情報を含むユーザの生体情報を取得し、高度情報が予め設定される高地基準を超える場合は、自動運転を行う車両1aの出発地から目的地までにおける自動運転経路において高度がより短い時間でより低くなる経路を設定する経路設定処理を実行する処理部を備えることを特徴とする。
これにより、ユーザは、ユーザの身体の状態に基づいた自動運転による移動ができる。
また、生体情報は、ユーザの運動の結果に基づいた情報である運動結果情報を含む。
これにより、ユーザは、年齢や運動時の高度に応じて運動後の疲労回復により適した高度で自動運転経路で自動運転車両により移動することができ、効率的に疲労を回復させることができる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、生体情報とともにユーザの年齢情報を取得し、取得した年齢情報に基づいて高地基準を変更する。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ユーザの年齢に応じた高度情報の判断ができるようになり、ユーザは、よりユーザに適した自動運転経路を自動運転車両に乗って移動することができ、効率的に疲労を回復させることができる。
また、本実施形態に係るナビゲーション装置1の処理部30は、複数のユーザの生体情報及び年齢情報を取得し、年齢が最も引くユーザの年齢情報に基づいて高地基準を変更する。
これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置1は、複数いるユーザがより効率的に疲労を回復させることができるような自動運転経路を設定でき、ユーザは、自動運転車両に乗ってより効率的に疲労を回復させながら移動することができる。
なお、第7の実施形態では、ナビゲーション装置1の処理部30は、ウェアラブル端末3が取得した運動時の運動結果情報を利用して、複数のより早く低地に移動できる経路を提示していたが、更にウェアラブル端末3に自動運転中における心拍数等の生体情報を取得させ、取得した生体情報と取得時の高度情報から高度の低下に伴う疲労の回復の程度を予測できるようにしても良い。
例えば、処理部30は、運動終了時からの経過時間及び自動運転時の高度情報を入力データとして取得し、自動運転時の心拍数等の生体情報をラベルとして取得し、当該入力データと当該ラベルとの組を教師データとして教師あり学習を行わせて学習モデルを構築しても良い。これにより、ナビゲーション装置1の処理部30は、構築した学習モデルを用いて回復に要する時間やより適切な低下させる高度を予測することができ、効率的に疲労を回復させつつより無駄のない経路を選択することができる。
また、第7の実施形態に係るナビゲーションシステムSでは、ナビゲーション装置1の運動結果情報取得部34がユーザ端末2から取得する運動結果情報には、GPS測位結果から取得されていたが、高度情報は、GPS測位結果に基づくものでなくても良く、例えばウェアラブル端末3が気圧計を有する場合は、運動時の気圧計の測定結果に基づいて高度情報を取得しても良い。
<第8の実施形態>
次に、自動運転から手動運転に切り替える制御について説明する。図21は、第8の実施形態に係る自動運転から手動運転への切替処理の流れを説明するシーケンス図である。図21には、車両1aに搭載されるナビゲーション装置1と、ユーザに装着されるウェアラブル端末3と、の間の情報のやり取りが時系列で示されてる。
まず、ナビゲーション装置1がユーザの操作によって手動運転を希望する旨の情報を受け付ける(ステップS101)。例えば、入力部14を構成するスイッチやタッチパネルのタッチ入力や、入力部14を構成するマイクを用いた音声入力等によってユーザの手動運転を希望する入力操作を受け付ける。
次に、ナビゲーション装置1は、手動運転を許可する生体情報に関する条件情報をユーザが装着するウェアラブル端末3に送信する(ステップS102)。例えば、条件情報は、ユーザが正常に運転を行うことができるか否かを判定するための基準であり、心拍数(心拍ゾーン)や休憩すべき休憩時間等が条件情報として予め設定される。
ウェアラブル端末3は、生体情報に関する条件情報を受信すると(ステップS201)、条件情報に基づく生体情報の測定を開始するとともに測定時間のカウントを開始する(ステップS202)。例えば、ウェアラブル端末3のセンサ部79を構成する生体センサによって、心拍数(心拍ゾーン)を取得する。
次に、ウェアラブル端末3は、測定結果が条件を満たしたか否かを判定する(ステップS203)。例えば、ウェアラブル端末3は、ユーザの心拍数(心拍ゾーン)が通常の状態と判定できる範囲(ゾーン1~3)にあるか否かを判定したり、ユーザが運動結果に対して必要な休憩時間(リカバリータイム)が経過したか否かを判定したり等する。条件情報は、これらの複数の基準を組み合わせたものであってもよい。
ウェアラブル端末3は、条件を満たすまで生体情報の測定と時間のカウントを継続する(ステップS203;No)。ウェアラブル端末3は、測定結果が条件を満たしたと判定すると、処理をステップS204に移行する。ステップS204では、ウェアラブル端末3は、手動運転の条件を満たしたことを示す情報をナビゲーション装置1に送信する。
ナビゲーション装置1は、ウェアラブル端末3から手動運転の条件を満たしたことを示す情報を受信すると(ステップS103)、自動運転モードから手動運転モードへの切替地点の設定を行う(ステップS104)。例えば、ナビゲーション装置1は、自動運転中であれば、設定された現在位置と設定された経路に基づいて切替地点を設定する。また、ナビゲーション装置1は、設定する切替地点を、自動運転用地図を参照して運転モードの切り替えに適した地点をある程度の広さを持った範囲内で設定する。
次に、ナビゲーション装置1は、運転モードの切替情報をウェアラブル端末3に送信する(ステップS105)。切替情報は、自動運転から手動運転に切り替える予定を示す情報であり、切替地点や切替予定時刻等である。
ウェアラブル端末3は、ナビゲーション装置1から切替情報を受信すると(ステップS205)、手動運転に切り替わったことを示すユーザに報知する処理を実行する(ステップS206)。
ここで、報知処理の例について図22を参照して説明する。図22は、第8の実施形態に係るウェアラブル端末3による自動運転から手動運転への切替時の報知処理の一例を示す模式図である。ウェアラブル端末の報知処理における表示は、図22の左上の図、右上の図、左下の図、右下の図の順に変化していく。
まず、図22の左上の図では、ウェアラブル端末3の出力部75の画面には、“手動運転切替地点まで”のメッセージ表示301と、“3”のカウントダウン表示302が表示されている。カウントダウン表示は、図22の左上の図、右上の図、左下の図に示すように、カウントダウンしている数値が表示される。
次に、カウントダウン表示302によるカウントダウンが終わったタイミングでカウントダウン表示302が非表示になるとともに、メッセージ表示301が、自動運転から手動運転に切り替わることを示す“手動運転スタート”のメッセージ表示305に変化して手動運転の切替情報を報知する。このようにして、第8の実施形態では、自動運転から手動運転に切り替える制御が行われる。これにより、ユーザは、運動後に自動運転する車両1aに乗って移動する時に自動運転から手動運転に切り替えたい場合でも、より確実に自動運転可能な状態まで自身の疲労が回復した状態で手動運転に切り替えることができる。即ち、ナビゲーション装置1は、自動運転を行う移動体により移動するユーザの生体情報に基づいて自動運転から手動運転への切替を実行する。また、ウェアラブル端末3は、ユーザの生体情報に基づいて自動運転から手動運転への切替の可否を判定する。
<その他の実施形態>
また、上述の実施形態では、ナビゲーション装置1の処理部30は、運動結果情報のうち消費カロリー、リカバリータイム、心拍数(平均、低い、高い)、心拍ゾーン滞在時間等のユーザの状態を示す情報に基づいて経路設定処理を行っていたが、これに限らず、ユーザの状態を示さない運動結果情報に基づいて経路設定処理を行っても良い。例えば、ユーザ端末2からGPS測位結果等によるユーザが走った距離情報がナビゲーション装置1に送信され、ナビゲーション装置1の処理部30は、受信した距離情報に基づいてユーザの状態を推測し、当該状態に基づき経路設定処理を行っても良い。
なお、上述の実施形態では、運動結果情報取得部34がユーザの運動の結果に基づいた情報である運動結果情報を取得した場合のナビゲーション装置1の動作について説明した。しかし、運動結果情報取得部34が、ユーザのストレスを示すストレス情報やユーザの睡眠結果を示す睡眠結果情報等を取得した場合でも、ナビゲーション装置1は、取得したストレス情報や取得した睡眠結果情報に基づいて経路設定処理を行っても良い。
また、ユーザの疲労を効率的に回復させるためにも、ナビゲーション装置1は、運転経路設定された区間が疲労回復に要する時間以上の時間で自動運転が可能と判断された場合、当該区間も自動運転が採用されても良い。また、ナビゲーション装置1は、運転経路設定された区間で全区間自動運転が可能な場合は、運動結果情報に基づかずに全区間自動運転を行っても良い。
また、上述の実施形態では、本発明は、自動車に搭載されるナビゲーション装置を例として説明したが、特にこれに限定されない。例えば、本発明は、経路設定処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等に適用可能である。具体的には、上記実施形態のナビゲーション装置1の機能をユーザ端末2等のスマートフォンやタブレット等の携帯可能なコンピュータで実現してもよい。この場合、ナビゲーション装置1と同様の機能を有するスマートフォンと、当該スマートフォンとペアリングするウェアラブル端末3と、によってナビゲーションシステムを構築できる。このナビゲーションシステムでは、情報処理装置としてのスマートフォンが、ユーザ端末としてのウェアラブル端末3から運動結果情報を取得し、経路設定処理を実行することができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がナビゲーション装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM12や、図2の記憶部16に含まれるハードディスク等で構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
ユーザの生体情報をユーザ端末から取得し、移動体の出発地から目的地までにおける自動運転を行う区間及び時間及び移動経路の選択肢の少なくとも何れかを前記生体情報に基づいて設定する経路設定処理を実行する処理部を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記2]
生体情報は、ユーザの運動の結果に基づいた情報である運動結果情報を含むことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
[付記3]
前記運動結果情報は、ユーザの運動後の状態を示すことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
[付記4]
前記運転結果情報には、前記ユーザにおける運動後の疲労回復に関する回復情報が含まれ、
前記処理部は、前記回復情報に基づいて前記経路設定処理を実行する付記2又は3に記載の情報処理装置。
[付記5]
前記回復情報には、前記疲労回復を行うための時間を示すリカバリータイムが含まれ、
前記処理部は、前記リカバリータイムに基づいて自動運転を行う時間を設定する付記4に記載の情報処理装置。
[付記6]
前記処理部は、
自動運転を優先的に行う優先区間及び自動運転のレベルを示す自動運転レベルの少なくとも何れか一方の条件を含む運転条件情報を取得し、
前記経路設定処理に前記運転条件情報を反映する付記1から5の何れかに記載の情報処理装置。
[付記7]
前記処理部は、
前記経路設定処理に前記運転条件情報を反映できるか否かを判定し、判定結果を前記ユーザに提示する処理を実行する付記6に記載の情報処理装置。
[付記8]
前記運転条件情報には、自動運転を行う区間及び時間のユーザの希望を示す第1条件と、前記第1条件とは異なる自動運転を行う区間及び時間のユーザの希望を示す第2条件と、が含まれ、
前記第1条件に基づく前記経路設定処理を実行するとともに前記第2条件に基づく前記経路設定処理を実行し、処理結果を前記ユーザに提示する処理を実行する付記6又は7に記載の情報処理装置。
[付記9]
ユーザの生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、自動運転を行う移動体の出発地から目的地までの移動経路における直進距離の長さを調整する経路設定処理を実行する処理部を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記10]
生体情報は、ユーザの運動の結果に基づいた情報である運動結果情報を含むことを特徴とする付記9に記載の情報処理装置。
[付記11]
前記処理部は、前記経路設定処理において前記移動経路における右左折の回数がより少ない経路に設定することで直進距離を長くすることを特徴とする付記9又は10に記載の情報処理装置。
[付記12]
前記処理部は、前記経路設定処理において前記移動経路の距離又は所要時間に対して設定範囲が予め定められている場合は、前記設定範囲内を満たすように前記移動経路を設定することを特徴とする付記9から11の何れかに記載の情報処理装置。
[付記13]
高度情報を含むユーザの生体情報を取得し、前記高度情報が予め設定される高地基準を超える場合は、自動運転を行う移動体の出発地から目的地までにおける移動経路において高度がより短い時間で低くなる経路を前記生体情報に基づいて設定する経路設定処理を実行する処理部を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記14]
生体情報は、ユーザの運動の結果に基づいた情報である運動結果情報を含むことを特徴とする付記13に記載の情報処理装置。
[付記15]
前記処理部は、前記生体情報とともにユーザの年齢情報を取得し、取得した前記年齢情報に基づいて前記高地基準を変更することを特徴とする付記13又は14に記載の情報処理装置。
[付記16]
前記処理部は、複数のユーザの前記生体情報及び前記年齢情報を取得し、年齢が最も低いユーザの前記年齢情報に基づいて前記高地基準を変更することを特徴とする付記15に記載の情報処理装置。
[付記17]
前記処理部は、自動運転を行う移動体により移動するユーザの生体情報に基づいて自動運転から手動運転への切替を実行する付記1から16の何れかに記載の情報処理装置。
[付記18]
外部の機器と通信可能な第1通信部と、ユーザの生体情報を取得する生体情報取得部と、を有するユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信可能な第2通信部と、前記第2通信部を介して前記第1通信部から受信した前記生体情報を取得し、移動体の出発地から目的地までにおける自動運転を行う区間及び時間及び移動経路の選択肢の少なくとも何れかを前記生体情報に基づいて設定する経路設定処理を実行する処理部と、を有する情報処理装置と、を備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
[付記19]
情報処理装置が実行する経路設定方法であって、
ユーザの生体情報をユーザ端末から取得し、
移動体の出発地から目的地までにおける自動運転を行う区間及び時間及び移動経路の選択肢の少なくとも何れかを前記生体情報に基づいて設定する経路設定ステップを含む経路設定方法。
[付記20]
情報処理装置に、
ユーザの生体情報をユーザ端末から取得し、
移動体の出発地から目的地までにおける自動運転を行う区間及び時間及び移動経路の選択肢の少なくとも何れかを前記生体情報に基づいて設定する経路設定機能を実行させるプログラム。
[付記21]
情報処理装置が実行する経路設定方法であって、
ユーザの生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、自動運転を行う移動体の出発地から目的地までの移動経路における直進距離の長さを調整する経路設定ステップを含む経路設定方法。
[付記22]
情報処理装置に、
ユーザの生体情報を取得し、前記生体情報に基づいて、自動運転を行う移動体の出発地から目的地までの移動経路における直進距離の長さを調整する経路設定機能を実行させるプログラム。
[付記23]
情報処理装置が実行する経路設定方法であって、
高度情報を含むユーザの生体情報を取得し、前記高度情報が予め設定される高地基準を超える場合は、自動運転を行う移動体の出発地から目的地までにおける移動経路において高度がより短い時間で低くなる経路を前記生体情報に基づいて設定する経路設定ステップを含む経路設定方法。
[付記24]
情報処理装置に、
高度情報を含むユーザの生体情報を取得し、前記高度情報が予め設定される高地基準を超える場合は、自動運転を行う移動体の出発地から目的地までにおける移動経路において高度がより短い時間で低くなる経路を前記生体情報に基づいて設定する経路設定機能を実行させるプログラム。