JP7258104B1 - 枠体用連結具及び枠体設置構造並びに枠体連結方法 - Google Patents
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Abstract
Description
枠体と該枠体に対し間隔をあけて配設される建材とを連結するための枠体用連結具において、前記枠体と前記建材の二つの部材のうち、その一方の部材に配置される基礎部材と、この基礎部材を他方の部材に結合する連結部材とを具備し、前記連結部材は、ベース部と、前記ベース部から突出して前記他方の部材に結合される連結部とを有し、前記ベース部は、前記一方の部材側へ突出して前記基礎部材に係合される係合部を有し、前記基礎部材は、見込み方向に対する交差方向の両側に両縁部を有し、前記係合部には、前記両縁部のうちの一方の縁部に対し見込み方向の一方側で係合する第一の係合部と、他方の縁部に対し見込み方向の他方側で係合する第二の係合部とが含まれ、前記係合部は、見込み方向の両側に位置し、且つ見込み方向に対する交差方向の両側で対向するように四つ設けられることを特徴とする枠体用連結具。
第一の特徴は、枠体と該枠体に対し間隔をあけて配設される建材とを連結するための枠体用連結具において、前記枠体と前記建材の二つの部材のうち、その一方の部材に配置される基礎部材と、この基礎部材を他方の部材に結合する連結部材とを具備し、前記連結部材は、ベース部と、前記ベース部から突出して前記他方の部材に結合される連結部とを有し、前記ベース部は、前記一方の部材側へ突出して前記基礎部材に係合される係合部を有する(図1~図18参照)。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
本明細書中、「見付け方向」とは、枠体10の横幅方向(図1の左右方向)を意味する。また、「見込み方向」とは、「見付け方向」に略直交する枠厚の方向(図7の左右方向)を意味する。
また、「開口幅方向」とは、開閉体15により開閉される開口部10aの横幅方向を意味し、本実施態様によれば、「見付け方向」と同方向である。
また、「枠内側」とは、枠体10の内側を示し、「枠外側」とは、枠体10の外側を示す。
枠体設置構造Aは、枠体10と、この枠体10の周囲に間隔をあけて配設される建材20とを、枠体用連結具30によって連結したものである。この枠体設置構造Aの連結作業には、建築金具用曲げ工具40が用いられる。
これら側枠部材11,12、上枠部材13及び下枠部材14は、予め工場等で一体に溶接接合されて、枠体10を構成する。この枠体10は、当該枠体設置構造Aの設置対象である建物等の現場に搬送される。
同様に、上枠部材13も、枠外側に開口13a(図5参照)を有する横断面略C字状の部材であり、左右方向へわたる長尺状に形成される。
開口11a,12a,13aの各々は、後述する基礎部材31を外部から挿入可能なように、見込み方向の幅寸法が設定されている。
開閉体15は、図示例によれば、戸尻部分を一方の側枠部材12に枢支して回動する戸体(ドア)である。図中符号16は、開閉体15を回動可能に軸支するヒンジである。このヒンジ16は、図示例によれば旗蝶番であるが、他の態様のものを適用可能である。
芯材21は、左右の側枠部材11,12及び上枠部材13を囲む正面視凹枠状に構成される。
芯材21、補強部材22及び補助部材23は、その一部または全部を一体の部材から構成することが可能である。
各補助部材23は、横断面L字状の金属製(例えば、鋼材等)のアングル状部材であり、その一片部を補強部材22に接合するとともに、他片部を枠内側へ向かって突出する突片部23aにしている。
より詳細に説明すれば、この基礎部材31は、硬質材料(例えば、鋼材等の金属材料)から長方形の板状に形成され、その両側の長辺部分に、見込み方向へわたって同方向へ傾斜する略平行な両縁部31a,31bを有する。
この基礎部材31は、側枠部材11、側枠部材12、上枠部材13の各々について、その内部に挿入され、各枠部材11,12又は13の長手方向に間隔を置いて複数設置される。
この構成によれば、枠体10を、複数の枠体用連結具30によって建材20に連結する際に、見込み方向の位置決め精度を向上することができる。
この連結部材32は、金属製板材について、プレス加工及び曲げ加工等、適宜な機械加工を施して構成される。
基礎部材31を間に置いた一方側の二つの係合部32c,32cと、他方側の係合部32c,32cとは、対向するようにして、突端側が略L字状に曲がっている(図4、図6等参照)。
この隙間sは、同方向の二つの連結部32b,32bが補助部材23の突片部23aに嵌り合うように、その幅寸法が設定される。
折り線部32b3は、連結部32bが折り曲げられた際に略線状の折り目となる部分である。この連結部32bは、連結部32bの突出方向に対し略直交している。
なお、図示例の折り線部32b3は凹凸等を有しないが、この折り線部32b3の他例としては、連結部32bの表面に溝状に形成してもよい。この他例では、連結部32bの曲げ作業がより容易になる。
同方向へ突出する二つの連結部32bにおいて、その一方の貫通部32b2と、他方の貫通部32b2は、略同芯状に位置する。
そして、二つの連結部32bが建材20側へ曲げられた際、二つの貫通部32b2,32b2の間に、補助部材23の突片部23aが位置する。
結合具33は、先端側にドリルを有するタッピングビスであり、突片部23aに穴加工及び雌ネジ加工を施しながらねじ込まれる。
なお、この建築金具用曲げ工具40の曲げ対象は、ベース部から延出される延出部が基端側で曲げられるようにした建築金具であればよく、連結部材32以外のものとすることも可能である。
なお、前記反嵌合方向とは、異なる表現をすれば、折り線部32b3の延長方向に沿って連結部32bから離れる方向である。
この回転操作部42は、例えば、金属製の円柱状部材を、略L字状に曲げ加工することで形成することが可能である。
この嵌合部41は、図示する好ましい一例によれば、回転操作部42の一端部と他端部の両方にそれぞれ設けられる。
例えば、一方の嵌合部41を連結部32bに嵌め合わせた場合、この嵌合部41に連続する軸状部分が回転軸部42aとして機能し、同嵌合部41から離れ前記軸状部分に交差する他の軸状部分が把持部42bとして機能する。
逆に、他方の嵌合部41を連結部32bに嵌め合わせた場合には、回転軸部42aと把持部42bの関係が逆になる。
次に上記構成の枠体設置構造Aについて、枠体10を建材20に連結する手順を詳細に説明する。
建材20側については、例えば、予め壁部2と一体の芯材21に対し、補強部材22及び補助部材23等が止着固定される。この固定手段は、溶接や、ねじ止め、リベット止め等とすればよい。
詳細に説明すれば、図8に例示するように、連結部材32について、上側の二つの係合部32c,32cと下側の二つの係合部32c,32cを、基礎部材31の上下に跨らせるようにして、側枠部材11,12の開口11a,12a内へ挿入する。
この後、連結部材32全体を一方向(図7によれば反時計回り)に回して、対角線状の位置する一方の係合部32c(第一の係合部)と他方の係合部32c(第二の係合部)を、それぞれ、基礎部材31の両縁部31a,31bに係合する。
また、上枠部材13の基礎部材31に対し、連結部材32を装着する作業は、上記説明の上下を左右に読み替えて、同様に行われる。
詳細に説明すれば、この折り曲げ工程では、側枠部材11,12又は上枠部材13と、建材20との間に、建築金具用曲げ工具40を挿入するようにして(図9参照)、この建築金具用曲げ工具40の先端側の嵌合部41を、連結部材32における連結部32b(延出部)の縁部分に対し外側から嵌め合わせる(図10(a)参照)。この嵌め合わせ部分は、各連結部32bの基端側(図示例によれば、切欠部32b1及び折り線部32b3に近傍)であって、切欠部32b1及び折り線部32b3よりも、連結部32bの突出方向側の部分である。
この作業は、枠体10の延設方向に沿う一方側(図10によれば、上側)の二つの連結部32b,32bと、他方側の二つの連結部32b,32bとの計四つについてそれぞれ行われる。
なお、図10は、見込み方向の一方側の連結部32bを曲げる作業を示しているが、これとは逆側の連結部32bを曲げる場合には、逆側(見込み方向の他方側)から、枠体10と建材20の間に、建築金具用曲げ工具40を挿入するようにして作業が行われる。
この結合工程では、基礎部材31を跨る方向の一方側(例えば、図11の上側)について、二つの連結部32bの間の隙間sに、建材20側の突片部23aが挿入され、この状態で、二つの連結部32bの先端側の貫通部32b2,32b2と、これらの間の突片部23aに、結合具33が挿入される。
結合具33(例えば、ドリル付きタッピングビス)は、突片部23aを貫通するとともにその貫通孔に対し螺合し締め付けられ、二つの貫通部32b2,32b2に対しては遊挿される。したがって、この結合具33の頭部と突片部23aとの間に、一方の連結部32bが挟まれて、連結部材32が不動に固定される。
基礎部材31を跨る方向の他方側(図11によれば、下側)についても、同様の作業が行われる。
<連結部材の他例について>
上記枠体設置構造Aにおいて、連結部材32は、以下に説明する態様のものに置換することが可能である。
なお、以下に説明する連結部材は、上記連結部材32の一部を変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、同様の部分には同一の符号を付けて、重複する詳細説明を省略する。
この連結部材32’は、全長を比較的短くすることができ、各枠部材11,12,13の長手方向の端部側に位置する基礎部材31に装着するのに好ましい。
例えば、この連結部材32’は、側枠部材11又は12における最下側の基礎部材31に装着する場合、二つの連結部32b,32bを上方へ向けておけば、床面等の下方側の部材との干渉を防ぐことができる。
前記他方の連結部32b,32bは、図14に示す一例によれば、ベース部32aの上端側と下端側で、互いに逆向きに突出する。
また、連結部材34において、貫通孔32b4は、連結部32bの折り曲げ作業を用意にするものであり、上述した切欠部32b1に置換することが可能である。
なお、図示例の連結部材35は、切欠部32b1を省いているが、上記連結部材32と同様に、各連結部32bの付け根側に、切欠部32b1又は貫通孔等を付加するようにしてもよい。
他方の貫通部32b2は、結合具33の雄ネジ部の外径よりも大径であり、結合具33を遊挿する。
よって、この連結部材35によれば、同芯上に並ぶ連結部32b,32bの間に突片部23aを挟むとともに、これら連結部32b,32bを、結合具33により連結し締め付けることができ、補助部材23と連結部材32の接続強度を向上することができる。
なお、この連結部材36は、切欠部32b1を省いているが、連結部材32と同様に、切欠部32b1又は貫通孔等を設けてもよい。
もう片方の連結部32bは、逆側((図16によれば左側)から挿通される他の結合具33により突片部23aに結合される。
詳細に説明すれば、対角線上に位置する一方の係合部32cが、基礎部材31の一方の縁部31aに強く圧接され、他方の係合部32cが、基礎部材31の他方の縁部31bに強く圧接される。
よって、図16に示す連結部材36を用いれば、ベース部32aを基礎部材31に対し頑強に係合させることができる。
係合部32dは、基礎部材31を跨る方向の一方側と他方側の計二つ設けられる。なお、他例としては、図示の左右方向にも設けて,計四つにしてもよい。
基礎部材31を跨ぐ一方側の係合部32dと他方側の係合部32dは、図17(b)に示すように、傾斜して突出する方向が逆向きである。一方側の係合部32dは、基礎部材31の縁部31aに係合し、他方側の係合部32dは、同基礎部材31の縁部31bに係合する。
なお、この連結部材38は、切欠部32b1を省いているが、連結部材32と同様に、基礎部材31を設けてもよい。
同様の前記他端側の係合部32eも、基礎部材31を跨がる両側に位置するように二つ設けられ、対向している。
各係合部32eは、基礎部材31側へ曲げられて基礎部材31の裏側へまわり込むように傾斜している。
上記実施態様によれば、枠体10に基礎部材31を設け、この基礎部材31と建材20の間を上記連結部材によって結合したが、他例としては、建材20に基礎部材31を設け、この基礎部材31と枠体10の間を上記連結部材によって結合することも可能である。
11,12:側枠部材
13:上枠部材
11a,12a,13a:開口
20:建材
21:芯材
22:補強部材
23:補助部材
23a:突片部
31:基礎部材
32,32’,34~38:連結部材
32a:ベース部
32b:連結部(延出部)
32b1:切欠部
32b2:貫通部
32c,32d,32e:係合部
33:結合具
40:曲げ工具
41:嵌合部
42:回転操作部
42a:回転軸部
42b:把持部
Claims (6)
- 枠体と該枠体に対し間隔をあけて配設される建材とを連結するための枠体用連結具において、
前記枠体と前記建材の二つの部材のうち、その一方の部材に配置される基礎部材と、この基礎部材を他方の部材に結合する連結部材とを具備し、
前記連結部材は、ベース部と、前記ベース部から突出して前記他方の部材に結合される連結部とを有し、
前記ベース部は、前記一方の部材側へ突出して前記基礎部材に係合される係合部を有し、
前記基礎部材は、見込み方向に対する交差方向の両側に両縁部を有し、
前記係合部には、前記両縁部のうちの一方の縁部に対し見込み方向の一方側で係合する第一の係合部と、他方の縁部に対し見込み方向の他方側で係合する第二の係合部とが含まれ、
前記係合部は、見込み方向の両側に位置し、且つ見込み方向に対する交差方向の両側で対向するように四つ設けられることを特徴とする枠体用連結具。 - 前記ベース部が板状に形成され、
前記係合部は、前記ベース部の板上面を前記基礎部材側へ切り起こした形状であって、
前記基礎部材の裏側へまわり込んで係合されることを特徴とする請求項1記載の枠体用連結具。 - 前記係合部は、前記ベース部における見込み方向の一端側に設けられ、前記基礎部材側へ曲げられて前記基礎部材の裏側へまわり込むように形成されていることを特徴とする請求項1記載の枠体用連結具。
- 前記両縁部が、見込み方向へわたって同方向へ傾斜していることを特徴とする請求項1~3何れか1項記載の枠体用連結具。
- 請求項1~4何れか1項記載の枠体用連結具によって、枠体と該枠体の周囲に間隔をあけて配設される建材とを連結していることを特徴とする枠体設置構造。
- 請求項1~4何れか1項記載の枠体用連結具を用いた枠体連結方法であって、
前記ベース部を前記基礎部材に係合する工程と、前記連結部を前記他方の部材に結合する工程とを含むことを特徴とする枠体連結方法。
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