以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cの外周面には、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技価値としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止といい、第1停止の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止といい、第2停止の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止という。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
また、筐体102内には、後述する主制御基板200に、図示しない設定キーおよび設定変更スイッチ(これらを合わせて設定値設定手段という)が設けられている。スロットマシン100では、設定キーに所定の鍵(操作キー)が挿入されてオフの位置からオンの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。設定値は、遊技者の有利度合(機械割)を段階的に示したものであり、例えば、1~6の6段階で表され、一般に、設定値の数値が大きいほど遊技全体として有利度合が高い(期待獲得枚数が高い)ように設定されている。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば、6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キーを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では2本である。図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、有効ラインA1は、左リール110aの中段、中リール110bの上段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定され、有効ラインA2は、左リール110aの中段、中リール110bの下段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。かかる有効ラインA1、A2を有効ラインAと略す場合がある。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す5つの無効ラインB1、B2、B3、C1、C2を想定している。
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。また、このような、当選種別抽選が実行され1度の払い出しを受け得る1遊技を、後述する疑似遊技(擬似遊技)と区別するため、基本遊技という場合もある。ここで、基本遊技が単独で行われる場合であっても、基本遊技が疑似遊技と組合せて行われる場合であっても、基本遊技の消化をもって1遊技消化とする。したがって、疑似遊技の消化は、スロットマシン100内の遊技数の計数に影響しない。ただし、ホールコンピュータ(図示せず)が管理する遊技数については、仕様により、疑似遊技を遊技数として計数してもよいし、計数しないとしてもよい。
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200(主制御部)と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202(副制御部)とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部414b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ120a、120b、120cの操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、リール110a、110b、110cを多彩な態様で回転制御するリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。また、本実施形態においては、リール演出として、基本遊技におけるスタートスイッチ118の操作に応じ、基本遊技を中断して、リール110a、110b、110cを回転制御し、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じてリール110a、110b、110cを停止制御(仮停止制御)する、基本遊技に似せた疑似遊技を行う場合がある。なお、疑似遊技は、再度のスタートスイッチ118の操作、または、仮停止制御から所定時間が経過したことを条件に終了し、基本遊技におけるリール110a、110b、110cの回転制御が再開する。また、疑似遊技の一例として、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、各リール110a、110b、110cにおける所定の図柄(例えば、ボーナス役を構成する図柄)を、自動的に仮停止制御することもできる。かかる疑似遊技では、基本遊技と類似の回転制御および停止態様あるいは異なる回転制御および停止態様で演出を実行することができるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、仮停止は、一見停止しているように見えるが、リール110a、110b、110cのステッピングモータ152の位相信号を500msec以内で変化させ続けることで、完全停止していない状態を示し、仮停止制御は、リール110a、110b、110cを仮停止させる制御を示す。ただし、特に区別する場合を除き、一方向に回転することなく、その位置を維持しているという意味で停止も仮停止も単に停止として扱い、また、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止させる意味で、停止制御も仮停止制御も単に停止制御として扱う。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数(価値量)だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定回数分計数すると計数値をリセットする(数列を変更して初期値を定める)ことで、所定の数値範囲内で計数値をループさせる。主制御基板200では、所定の時点において乱数発生器200dから計数値を抽出することで乱数値を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数値(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数値(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。なお、演出には、補助演出も含まれる。補助演出は、当選種別抽選において、正解役と不正解役とが重複した選択当選種別に当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの正解操作態様を報知する演出である。かかる補助演出により、遊技者は、正解役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる。なお、正解役は、その当選役が入賞したことによるメダルの払い出しのみならず、その当選役が入賞することで得られる全ての遊技利益を含めて不正解役より有利な当選役を言う。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。また、補助演出を実行可能な主報知手段および他報知手段を合わせて補助演出実行手段という場合もある。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、補助演出を補助演出実行手段に実行させる。特に、本実施形態においては、主報知手段(指示モニタ)として、メイン払出表示部132に、操作態様(打順)を特定可能な数値(指示番号)を表示し、他報知手段として、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128を通じて操作順を報知する。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態(後述するRB作動中遊技状態)に移行させることができる役である。
本実施形態における当選役は、図5に示すように、ボーナス役として、当選役「RB1」が設けられている。また、リプレイ役として、当選役「リプレイ1」~「リプレイ4」が設けられている。また、小役として、当選役「小役1」~「小役43」が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。なお、以下では、当選役「小役1」、「小役2」を当選役「3枚役」、当選役「小役3」~「小役9」を当選役「7枚役」、当選役「小役10」~「小役43」を当選役「1枚役」と略す場合がある。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、例えば、当選役「リプレイ1」、「リプレイ2」、当選役「小役1」~「小役11」、当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「リプレイ3」、「リプレイ4」、当選役「小役12」~「小役43」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂取りこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
図6に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、不当選(ハズレ)の有無が異なったりする。図6では、各遊技状態(非内部遊技状態(非内部)、RB内部中遊技状態(RB内部中)、RB作動中遊技状態(RB作動中))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「◎」や「○」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「◎」は有利区間に移行させる抽選を行うことが可能な有利区間抽選可当選種別であることを示し、「○」は有利区間に移行させる抽選を行うことが不可な有利区間抽選不可当選種別であることを示している。
当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。また、当選領域1以上の全ての当選領域の置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0以上となっていれば、当選領域0の当選種別「ハズレ」が当選種別抽選の抽選結果となる。
ここで、当選役「RB1」について補足する。所定の第1種特別役物(RB)は、規定数ごとの入賞に係る図柄の組み合わせの数を増加させ、または規定数ごとの入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものをいう。ここで、条件装置は、その作動が入賞、再遊技、役物または役物連続作動装置の作動に係る図柄の組み合わせが表示されるために必要な条件とされている装置で、当選種別抽選(遊技機内で行われる電子計算機によるくじ)に当選した場合に作動するもの、すなわち、当選フラグを意味する。
図6の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。
また、当選領域1には、当選役「リプレイ1」~「リプレイ3」が重複して含まれる当選種別「リプレイA」が対応付けられ、当選領域2には、当選役「リプレイ1」~「リプレイ4」が重複して含まれる当選種別「リプレイB」が対応付けられている。なお、以下では、当選領域1、2の2つの当選種別を単に当選種別「リプレイ」と略す場合がある。
また、当選領域3には、当選役「小役1」、「小役2」、「小役11」、「小役16」、「小役19」、「小役20」、「小役23」、「小役28」、「小役31」が重複して含まれる当選種別「チェリーA」が対応付けられている。また、当選領域4には、当選役「小役10」、「小役16」~「小役23」が重複して含まれる当選種別「スイカA」が対応付けられている。また、当選領域5には、当選役「小役11」、「小役16」~「小役23」が重複して含まれる当選種別「チャンスA」が対応付けられている。また、当選領域6には、当選役「小役3」、「小役4」、「小役6」、「小役7」、「小役10」が重複して含まれる当選種別「ベルH」が対応付けられている。なお、以下では、当選領域3~6の4つの当選種別を単に当選種別「レア役」と略す場合がある。
また、当選領域7~18には、払出枚数が7枚となる正解役(当選役「小役4」~「小役9」)のいずれかと、払出枚数が1枚の不正解役(当選役「小役10」~「小役43」)のいずれかとが重複して含まれる選択当選種別(当選種別「ベルA1」、「ベルA2」、当選種別「ベルB1」、「ベルB2」、当選種別「ベルC1」、「ベルC2」、当選種別「ベルD1」、「ベルD2」、当選種別「ベルE1」、「ベルE2」、当選種別「ベルF1」、「ベルF2」)がそれぞれ対応付けられている。なお、以下では、当選領域7~18の12個の当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある。
また、当選領域19には、当選役「小役4」~「小役10」が重複して含まれる当選種別「ベルG」が対応付けられている。また、当選領域20には、当選役「小役1」~「小役43」が重複して含まれる当選種別「JAC-A」が対応付けられている。また、当選領域21には、当選役「小役10」、「小役11」、「小役14」~「小役31」、「小役34」、「小役36」~「小役43」が重複して含まれる当選種別「JAC-B」が対応付けられている。
また、当選領域22~27には、当選役「RB1」と、払出枚数が1枚の当選役(当選役「小役12」~「小役39」)のいずれかとが重複して含まれる選択当選種別(当選種別「1枚A」、「1枚B」、「1枚C」、「1枚D」、「1枚E」、「1枚F」)がそれぞれ対応付けられている。なお、以下では、当選領域22~27の6個の当選種別を単に当選種別「1枚チャンス役」と略す場合がある。
また、当選領域28には、当選役「RB1」、当選役「小役14」~「小役31」、「小役35」が重複して含まれる当選種別「1枚G」が対応付けられている。
そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番、および、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作タイミング(リール110の操作位置)が設定されている。
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
例えば、当選領域7の当選種別「ベルA1」に当選し、正解操作態様(打順1)での操作が行われた場合、払出枚数が7枚の正解役である当選役「小役4」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順2~6での操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に1/2の確率で表示されるように停止制御がなされる。
なお、当選領域7~18の各当選種別の当選確率(置数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域7~18を設けることにより、正解役を入賞させにくくしている。また、上記のように、不正解役が優先的に表示される操作態様でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも不正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、取りこぼしが発生することがある(PB≠1)。
また、当選領域22の当選種別「1枚A」に当選し、正解操作態様(打順1、2)での操作が行われた場合、払出枚数が1枚の当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順3~6での操作が行われた場合、1/2の確率で払出枚数が1枚の当選役「小役38」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされ、1/2の確率で当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。後者の場合、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRB内部中遊技状態に移行させることとなる。
なお、当選領域22~27の各当選種別の当選確率(置数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域22~27を設けることにより、取りこぼしは発生しないものの(PB=1)、遊技者が無作為に操作した場合には、当選役「1枚役」に入賞するか当選役「RB1」に入賞するか予め把握することはできない。また、当選領域22~27の当選種別「1枚チャンス役」それぞれの当選確率(置数)は、当選種別「レア役」(当選種別「チェリーA」、「スイカA」、「チャンスA」、「ベルH」)のいずれの当選確率(置数)より大きい。また、当選種別「1枚チャンス役」それぞれの当選確率(置数)は、当選種別「レア役」(当選種別「チェリーA」、「スイカA」、「チャンスA」、「ベルH」)を合計した当選確率(置数)以上としてもよいし、未満としてもよい。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RB1」が含まれる当選種別に当選した場合には、RB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、RB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれるリプレイ役のうちのいずれかのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図7を用い、遊技状態の遷移について説明する。ここでは、非内部遊技状態、RB内部中遊技状態、RB作動中遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。各遊技状態は、後述するように、ボーナス役の当選、入賞(作動)、終了に応じて遷移させる。なお、各遊技状態において当選可能な当選種別は、図6において「◎」や「○」で表される。
非内部遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。遊技状態制御手段312は、当選役「RB1」の当選に応じて遊技状態を遷移させる。例えば、当選役「RB1」に当選した遊技において、当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRB作動中遊技状態に移行させる(1)。
RB作動中遊技状態の終了条件が成立すると、すなわち、当選種別「チェリーA」、「スイカA」、「チャンスA」、「ベルH」、「JAC-A」、「JAC―B」のいずれかが8回入賞するか、12遊技消化すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる(2)。なお、RB作動中遊技状態では、非内部中遊技状態やRB内部中遊技状態より当選種別「チェリーA」、「スイカA」、「チャンスA」、「ベルH」の当選確率が低い。
一方、当選役「RB1」に当選した遊技において、当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRB内部中遊技状態に移行させる(3)。そして、RB内部中遊技状態において当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRB作動中遊技状態に移行させる(4)。
(演出状態の遷移)
図8は、演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段314により遷移される演出状態について詳述する。
ここで、メダルの獲得性能が高い遊技状態が偏っているか否かを統括的かつ画一的に判定すべく、指示機能に係る性能を有する遊技区間、すなわち、補助演出(指示機能)を実行する遊技区間等を含む、遊技者にとって有利な遊技区間を有利区間として定義する。なお、有利区間は、主制御基板200で補助演出の作動に係る抽選等を行った結果、補助演出が作動した場合には、主制御基板200において指示の内容が識別できるよう、例えば、主報知手段に表示したときに限り、指示の内容を示す情報を、副制御基板202等の周辺基板に送信してもよい遊技区間である。また、有利区間と異なり、補助演出(指示機能)を実行することができない遊技区間を非有利区間とする。したがって、複数の演出状態は、遊技区間である有利区間および非有利区間のいずれかに属することとなる。本実施形態では、ほぼ全ての演出状態が有利区間に属し、一部の演出状態(ここでは引戻演出状態から移行した通常演出状態の開始から数遊技)で非有利区間を実現している。
なお、有利区間において、補助演出がないと正解役を取りこぼしてしまう当選態様のうち、正解役の配当が最大(ここでは、7枚)となる選択当選種別において、正解役の入賞を補助する補助演出(最大払出枚数を獲得できる補助演出)を行う場合、例えば、区間表示器160を点灯させることによって、その旨を報知しなければならない。
また、非有利区間においては、当選種別の当選確率を設定値毎に異ならせることは可能であるが、同一の当選種別において補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行を決定する確率は設定値毎に異ならせてはならない。一方、有利区間においては、当選種別の当選確率、および、同一の当選種別における補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行(または追加)を決定する確率のいずれも設定値毎に異ならせることは可能である。
したがって、演出状態制御手段314は、演出状態の移行の管理に加え、非有利区間と有利区間との移行も管理することとなる。また、有利区間は、このような管理に拘わらず、以下の終了条件が成立することで強制的に終了する。例えば、有利区間において計数される値が所定値に達したこと(例えば、滞在遊技数が1500遊技に達したり、純増枚数が2400枚を超えたこと)に基づいて強制的に終了する。いずれの場合においても、演出状態制御手段314は、有利区間から非有利区間に移行することで、有利区間で更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)を全てリセットする。
(非AT演出状態、AT演出状態)
非AT演出状態においては、AT演出状態より、補助演出の実行頻度が極めて低く、補助演出がほぼ行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。ここでは、非AT演出状態として通常演出状態、CZ演出状態(チャンスゾーン演出状態)、リール演出状態、引戻演出状態といった4つの演出状態が設けられている。
AT演出状態においては、選択当選種別の当選時において補助演出実行手段に補助演出を実行させることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、AT演出状態に移行することで、非AT演出状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。ここでは、AT演出状態として、特化AT演出状態、通常AT演出状態、チャンスAT演出状態、バトルAT演出状態といった4つの演出状態が設けられている。以下、各演出状態について個々に説明する。
(各演出状態)
通常演出状態は、複数の演出状態のうち、初期状態に相当する演出状態である。演出状態制御手段314は、通常演出状態の開始時にCZ抽選を行う。CZ抽選は、CZ演出状態への移行を決定する抽選である。本実施形態において、演出状態制御手段314は、CZ抽選として、CZ演出状態へ移行する移行遊技数(例えば、600)を抽選により決定し、通常演出状態に滞在している遊技数が移行遊技数に到達すると、演出状態をCZ演出状態に移行させる(1)。
CZ演出状態では、演出状態制御手段314は、AT抽選を行う。AT抽選は、AT演出状態(通常AT演出状態)への移行を決定する抽選であり、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別ごとに異なる確率でAT抽選を行う。そして、CZ演出状態においてAT抽選に当選した場合、演出状態制御手段314は、演出状態をAT演出状態である特化AT演出状態に移行させる(2)。なお、CZ演出状態は、補助演出が実行されるAT演出状態への移行が決定されることがあるため、通常演出状態よりも有利な演出状態と言える。
一方、演出状態制御手段314は、CZ演出状態において所定の終了条件(例えば、AT抽選に当選することなく所定の遊技数を経過すること)が成立すると、演出状態を通常演出状態に移行させる(3)。
また、通常演出状態において所定の条件を満たすと(後述するレア役カウンタの点灯数が4になると)、演出状態制御手段314は、演出状態をリール演出状態に移行させる(4)。リール演出状態では、演出状態制御手段314は、少なくともCZ演出状態への移行を決定しつつAT抽選を行い、その抽選結果を、回転および停止を1または複数回繰り返すリール演出を通じて報知する。例えば、演出状態制御手段314は、CZ演出状態への移行、特化AT演出状態への移行当選、特化AT演出状態への移行当選+所定の遊技利益等、AT抽選の結果に応じ、遊技利益が高い程、回転および停止の繰り返し回数が多いリール演出を実行する。
そして、リール演出状態においてAT抽選に当選した場合、演出状態制御手段314は、演出状態をAT演出状態である特化AT演出状態に移行させる(5)。また、リール演出状態においてAT演出状態への移行が決定されなかった場合、演出状態制御手段314は、演出状態をCZ演出状態に移行させる(6)。このように、一旦、リール演出状態に移行すると、演出状態制御手段314は、演出状態を、特化AT演出状態もしくはCZ演出状態のいずれかに移行させる。なお、リール演出状態は、AT演出状態またはCZ演出状態のいずれかへの移行が決定されるため、通常演出状態よりも有利な演出状態と言える。
また、特化AT演出状態(AT演出状態)に移行することなく所定の天井条件を満たすと、例えば、通常演出状態、CZ演出状態、リール演出状態、および、引戻演出状態のいずれかの演出状態(非AT演出状態)に連続して滞在し、天井遊技数(例えば、1500)を消化すると(所謂、天井到達)、演出状態制御手段314は、演出状態を特化AT演出状態へ移行させる(7)。
特化AT演出状態では、所定の終了条件(例えば、4遊技消化)が成立するまでの間、後に移行される通常AT演出状態において取得可能な所定差枚数を抽選により決定する。特化AT演出状態において所定の終了条件を満たすと、演出状態制御手段314は、演出状態を、通常AT演出状態に移行させる(8)。
通常AT演出状態では、所定の終了条件(例えば、差枚数が、特化AT演出状態で決定された所定差枚数に到達すること)が成立するまで、補助演出が実行される。そして、通常AT演出状態において、チャンスAT演出状態への所定の移行条件を満たすと(例えば、当選した当選種別による抽選に当選すると)、演出状態制御手段314は、演出状態を、チャンスAT演出状態に移行させる(9)。
チャンスAT演出状態では、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態を継続する継続率を段階的に高める(結果的に期待獲得枚数が多くなる)か否かを抽選により決定する。チャンスAT演出状態において継続率を高めることが決定された場合、演出状態制御手段314は、演出状態を特化AT演出状態に移行させる(10)。また、チャンスAT演出状態において継続率を高めることが決定されなかった場合、演出状態制御手段314は、演出状態を通常AT演出状態に戻す(11)。
また、通常AT演出状態において、バトルAT演出状態への所定の移行条件を満たすと(例えば、当選した当選種別による抽選に当選すると)、演出状態制御手段314は、演出状態を、バトルAT演出状態に移行させる(12)。
バトルAT演出状態において、演出状態制御手段314は、バトルを模擬した演出を実行し、その勝敗を抽選により決定する。バトルAT演出状態においてバトルに勝利すると(チャンスAT演出状態への移行が決定されると)、演出状態制御手段314は、演出状態をチャンスAT演出状態に移行させる(13)。また、バトルAT演出状態においてバトルに敗北すると、演出状態制御手段314は、演出状態を通常AT演出状態に戻す(14)。
通常AT演出状態において所定の終了条件が成立すると、演出状態制御手段314は、演出状態を引戻演出状態に移行させる(15)。
引戻演出状態では、演出状態制御手段314は、チャンスAT演出状態等で決定された継続率に基づいて、AT演出状態(特化AT演出状態)に再度移行させる(継続させるか)か否かの継続抽選を行う。そして、継続抽選に当選した場合、演出状態制御手段314は、有利区間を継続させ、演出状態を特化AT演出状態に戻す(16)。一方、継続抽選に当選しなかった場合、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に移行する(17)。なお、この場合、演出状態制御手段314は、有利区間を一旦、非有利区間に移行させるとともに、有利区間に移行するまで、高確率で有利区間移行抽選を行う。したがって、本実施形態の有利区間移行抽選は、いずれ必ず有利区間に移行するようになっている。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のCPU初期化処理)
図9は、主制御基板200におけるCPU初期化処理を説明するフローチャートである。電源基板より電源が供給されると、メインCPU200aにシステムリセットが発生し、メインCPU200aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100-1)
メインCPU200aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM200bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100-3)
メインCPU200aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100-5)
メインCPU200aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板200には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100-3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100-7に処理を移す。
(ステップS100-7)
メインCPU200aは、上記ステップS100-3で設定したウェイト処理時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト処理時間が経過したと判定した場合にはステップS100-9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100-5に処理を移す。
(ステップS100-9)
メインCPU200aは、メインRAM200cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100-11)
メインCPU200aは、チェックサム確認処理を実行する。ここでは、メインCPU200aは、チェックサムを算出し、算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと一致しない(異常である)か、ならびに、バックアップが異常であるかを判定する。そして、メインCPU200aは、バックアップおよびチェックサムのいずれか一方または双方が異常であると判定した場合、バックアップ異常フラグをオンにし、バックアップおよびチェックサムの双方が異常でないと判定した場合、バックアップ異常フラグをオフにする。
(ステップS100-13)
メインCPU200aは、バックアップ異常フラグがオンであるかを判定する。その結果、バックアップ異常フラグがオンであると判定した場合にはステップS110に処理を移し、バックアップ異常フラグがオンでないと判定した場合にはステップS120に処理を移す。
(ステップS110)
メインCPU200aは、コールドスタート処理を実行する。なお、このコールドスタート処理については後述する。
(ステップS120)
メインCPU200aは、設定値を切り替える設定値切り替え処理を実行する。なお、この設定値切り替え処理については後述する。
(ステップS130)
メインCPU200aは、電源断直前の状態に戻す状態復帰処理を実行する。なお、この状態復帰処理については後述する。
図10は、主制御基板200におけるコールドスタート処理(S110)を説明するフローチャートである。
(ステップS110-1)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける使用領域をクリアするとともに、使用領域の異常を検出する使用領域RAMチェック処理を実行する。
(ステップS110-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける別領域(使用外領域)をクリアするとともに、別領域の異常を検出する別領域RAMチェック処理を実行する。なお、別領域RAMチェック処理において別領域に異常が検出された場合、メインCPU200aは、RAMリードライトエラーフラグをオンにする。
(ステップS110-5)
メインCPU200aは、メインRAM200cの異常を示すエラーコード「EA」をセットする。
(ステップS110-7)
メインCPU200aは、上記ステップS110-1において異常が検出されたかを判定する。その結果、上記ステップS110-1において異常が検出されたと判定した場合にはステップS112に処理を移し、上記ステップS110-1において異常が検出されていないと判定された場合にはステップS110-9に処理を移す。
(ステップS110-9)
メインCPU200aは、上記ステップS110-3において異常が検出されたときにオンになるRAMリードライトエラーフラグを取得する。
(ステップS110-11)
メインCPU200aは、RAMリードライトエラーフラグがオンであるかを判定する。その結果、RAMリードライトエラーフラグがオンであると判定した場合にはステップS112に処理を移し、RAMリードライトエラーフラグがオンでないと判定された場合にはステップS120に処理を移す。
(ステップS120)
メインCPU200aは、設定値を切り替える設定値切り替え処理を実行する。なお、この設定値切り替え処理については後述する。
(ステップS110-13)
メインCPU200aは、バックアップエラーであることを示すエラーコード「E7」をセットする。
(ステップS112)
メインCPU200aは、エラーにより遊技の進行を停止させるためのエラー停止処理を実行する。なお、このエラー停止処理については後述する。
図11は、主制御基板200におけるエラー停止処理(S112)を説明するフローチャートである。
(ステップS112-1)
メインCPU200aは、スタックポインタのアドレスとして、初期スタックポインタ値をセットする。
(ステップS112-3)
メインCPU200aは、エラー表示および警告音設定を行うエラー設定処理を実行する。
(ステップS112-5)
メインCPU200aは、外部信号1~3に対応するビットの出力イメージをオフにする外部信号1~3出力ビットオフをセットする。
(ステップS112-7)
メインCPU200aは、上記ステップS112-5でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS112-9)
メインCPU200aは、永久ループに移行する。これにより、遊技の進行が停止することになる。
図12は、主制御基板200における設定値切り替え処理(S120)を説明するフローチャートである。
(ステップS120-1)
メインCPU200aは、入力ポート1の信号を取得し、取得した入力ポート1の信号に基づいて、設定値切り替え条件が成立していないかを判定する。その結果、設定値切り替え条件が成立していないと判定した場合には当該設定値切り替え処理を終了し、設定値切り替え条件が成立していると判定した場合にはステップS120-3に処理を移す。ここで、入力ポート1の信号には、前面上扉104および前面下扉106が開放されているか否かを示す信号、および、設定キーがオンにされているか否かを示す信号が含まれる。そして、ここでは、前面上扉104および前面下扉106が開放されていることを示す信号、ならびに、設定キーがオンにされていることを示す信号を取得した場合に、設定値切り替え条件が成立していると判定している。
(ステップS120-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおいて設定変更時にクリアすべき使用領域をクリアするRAMクリア処理を実行する。
(ステップS120-5)
メインCPU200aは、設定値切り替え時データテーブルのテーブルデータをメインRAM200cに転送するテーブル内容セット処理を実行する。
(ステップS120-7)
メインCPU200aは、設定値の変更を開始することを示す設定変更開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS120-9)
メインCPU200aは、入力ポートの信号の立ち下がりエッジ(オンエッジ)を検出するエッジチェック処理を実行する。
(ステップS120-11)
メインCPU200aは、現在の設定値を示す設定値データを取得する。
(ステップS120-13)
メインCPU200aは、上記ステップS120-9において設定変更スイッチのオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-17に処理を移し、設定変更スイッチのオンエッジを検出したと判定した場合にはステップS120-15に処理を移す。
(ステップS120-15)
メインCPU200aは、設定値データを1インクリメントする。
(ステップS120-17)
メインCPU200aは、設定値データが、設定値として設定可能な範囲(1~6)内であるかを判定する。その結果、設定値データが範囲内であると判定した場合にはステップS120-21に処理を移し、設定値データが範囲内でないと判定した場合にはステップS120-19に処理を移す。
(ステップS120-19)
メインCPU200aは、設定値データを0にセットする。
(ステップS120-21)
メインCPU200aは、上記ステップS120-15または上記ステップS120-19でインクリメントまたはセットされた値に設定値データを更新する。
(ステップS120-23)
メインCPU200aは、設定値をメインクレジット表示部130に表示する表示データ変換処理を実行する。
(ステップS120-25)
メインCPU200aは、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-31に処理を移し、設定変更スイッチのオンエッジを検出していると判定した場合にはステップS120-27に処理を移す。
(ステップS120-27)
メインCPU200aは、設定変更スイッチがオンであるかを判定する。その結果、設定変更スイッチがオンであると判定した場合にはステップS120-27に処理を移し、設定変更スイッチがオンでないと判定した場合にはステップS120-29に処理を移す。
(ステップS120-29)
メインCPU200aは、設定変更スイッチ間隔タイマをセットする。
(ステップS120-31)
メインCPU200aは、設定変更スイッチ間隔タイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS120-33)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-9に処理を移し、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していると判定した場合にはステップS120-35に処理を移す。
(ステップS120-35)
メインCPU200aは、設定キーがオフであるかを判定する。その結果、設定キーがオフであると判定した場合にはステップS120-35に処理を移し、設定キーがオフでないと判定した場合にはステップS120-37に処理を移す。
(ステップS120-37)
メインCPU200aは、設定キーがオンであるかを判定する。その結果、設定キーがオンであると判定した場合にはステップS120-37に処理を移し、設定キーがオンでないと判定した場合にはステップS122に処理を移す。
(ステップS122)
メインCPU200aは、初期化スタートを開始する初期化スタート処理を実行する。なお、この初期化スタート処理については後述する。
図13は、主制御基板200における初期化スタート処理(S122)を説明するフローチャートである。
(ステップS122-1)
メインCPU200aは、設定値の変更が終了したことを示す設定変更終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS122-3)
メインCPU200aは、設定値の変更が終了したときの状態を示す設定変更状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS122-5)
メインCPU200aは、初期化スタート時ウェイトタイマをセットする。
(ステップS122-7)
メインCPU200aは、初期化スタート時ウェイトタイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS122-9)
メインCPU200aは、メインRAM200cのうちの別領域をクリアする設定変更時RAMクリア処理を実行する。
(ステップS122-11)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおいて設定変更時にクリアすべき使用領域をクリアするRAMクリア処理を実行する。
(ステップS122-13)
メインCPU200aは、現在の遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS200)
メインCPU200aは、遊技を開始するための遊技開始処理を実行する。なお、この遊技開始処理については後述する。
図14は、主制御基板200における状態復帰処理(S130)を説明するフローチャートである。
(ステップS130-1)
メインCPU200aは、スタックポインタを復帰させる。
(ステップS130-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cのうちの未使用領域をクリアする未使用領域クリア処理を実行する。
(ステップS130-5)
メインCPU200aは、スタックポインタ保存バッファをクリアする。
(ステップS130-7)
メインCPU200aは、電源断復帰後フラグを設定(オン)する。
(ステップS130-9)
メインCPU200aは、入力ポートのイメージを更新するポート入力処理を実行する。
(ステップS130-11)
メインCPU200aは、上記ステップS130-9で更新された入力ポートのイメージに基づいて、操作対象ビットの情報を抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。
(ステップS130-13)
メインCPU200aは、上記ステップS130-11で抽出した操作対象ビットを、前回状態の操作対象ビットとしてセットする。
(ステップS130-15)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cのモータフェーズを取得する。ここで、リール110a、110b、110cの状態として、モータフェーズが設定されている。モータフェーズは、リール110a、110b、110cの動作状態、すなわち、加速中、定常回転中、停止中、待機中を示す。具体的に、モータフェーズに割り当てられた1バイト(記憶単位)の変数が、そのステッピングモータ152の動作状態に応じて、加速中=3、定常回転中=2、停止中=1、待機中=0といった値に変化する。
(ステップS130-17)
メインCPU200aは、上記ステップS130-15で取得したモータフェーズに基づいて、リール110a、110b、110cのいずれもが定常回転中および加速中でないかを判定する。その結果、リール110a、110b、110cのいずれもが定常回転中および加速中でないと判定した場合にはステップS130-21に処理を移し、リール110a、110b、110cのいずれかが定常回転中または加速中であると判定した場合にはステップS130-19に処理を移す。
(ステップS130-19)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cのエラー検出時の設定を行う回転エラー処理を実行する。
(ステップS130-21)
メインCPU200aは、退避していたレジスタ群を復帰させる。
(ステップS130-23)
メインCPU200aは、割込みを許可し、当該状態復帰処理を終了する。これにより、メインCPU200aは、電源断直前の状態に復帰する。
図15は、主制御基板200における遊技開始処理(S200)を説明するフローチャートである。
(ステップS200-1)
メインCPU200aは、再遊技であるか否かを示す再遊技状態識別信号を出力するための再遊技状態識別信号出力設定処理を実行する。
(ステップS200-3)
メインCPU200aは、メダルの投入枚数(ベット枚数)を表示する投入枚数表示器に対応するビットをオフ(消灯)するための投入枚数表示器出力ビットオフをセットする。
(ステップS200-5)
メインCPU200aは、上記ステップS200-3でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS200-7)
メインCPU200aは、遊技開始ウェイトタイマをセットする。
(ステップS200-9)
メインCPU200aは、遊技開始ウェイトタイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS200-11)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける使用領域のうち、1遊技毎にクリアすべき領域をクリアする1遊技RAMクリア処理を実行する。
(ステップS200-13)
メインCPU200aは、ボーナス信号を設定するボーナス信号設定処理を実行する。
(ステップS200-15)
メインCPU200aは、入力ポートイメージのエッジ情報をクリアするエッジクリア処理を実行する。
(ステップS210)
メインCPU200aは、メダルの投入を受け付ける遊技メダル投入処理を実行する。なお、この遊技メダル投入処理については後述する。
図16は、主制御基板200における遊技メダル投入処理(S210)を説明するフローチャートである。
(ステップS210-1)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS210-3)
メインCPU200aは、入力ポートの信号の立ち下がりエッジ(オンエッジ)を検出するエッジチェック処理を実行する。
(ステップS210-5)
メインCPU200aは、前面上扉104または前面下扉106が開放されているときに1が立つドア開放エラー検出フラグを取得する。
(ステップS210-7)
メインCPU200aは、上記ステップS210-5で取得したドア開放エラー検出フラグに基づき、前面上扉104および前面下扉106が閉鎖されているかを判定する。その結果、前面上扉104および前面下扉106が閉鎖されていると判定した場合にはステップS210-17に処理を移し、前面上扉104または前面下扉106の少なくとも一方が閉鎖されていないと判定した場合にはステップS210-9に処理を移す。
(ステップS210-9)
メインCPU200aは、前面上扉104または前面下扉106の少なくとも一方が開放されていることを示すエラーコード「E8」をセットする。
(ステップS210-11)
メインCPU200aは、エラー表示、警告音の要求、ならびに、エラー復帰待ちを行うエラーウェイト処理を実行する。
(ステップS210-13)
メインCPU200aは、設定値を確認する設定値確認処理を実行する。
(ステップS210-15)
メインCPU200aは、入力ポートイメージのエッジ情報をクリアするエッジクリア処理を実行する。
(ステップS210-17)
メインCPU200aは、貯留(クレジット)されているメダルを払い戻すためのクレジットスイッチ(不図示)が押下されている場合に、貯留されているメダルを払い戻すクレジットボタンチェック処理を実行する。
(ステップS210-19)
メインCPU200aは、メダルをベットする遊技メダル投入ボタン関連処理を実行する。ここでは、ベットスイッチ116が押下された場合に、貯留(クレジット)されているメダルを規定数までベットするとともに、ベットした枚数分だけ貯留枚数を減算する。また、メダル投入口114aを通じてメダルが投入された場合、規定数までメダルをベットし、規定数よりも多くメダルが投入された場合、その分だけ貯留枚数に加算する。
(ステップS210-21)
メインCPU200aは、投入枚数が規定数であるかを確認する遊技メダル取得処理を実行する。
(ステップS210-23)
メインCPU200aは、上記ステップS210-21の確認結果に基づき、投入枚数が規定数でないかを判定する。その結果、投入枚数が規定数でないと判定した場合にはステップS210-1に処理を移し、投入枚数が規定数であると判定した場合にはステップS210-25に処理を移す。
(ステップS210-25)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118の操作が有効になったか否かを示すスタート表示器(不図示)をオン(点灯)するためのスタート表示器出力ビットをセットする。
(ステップS210-27)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジ(押下)を検出していなかを判定する。その結果、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジを検出していないと判定した場合にはステップS210-1に処理を移し、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジを検出していると判定した場合にはステップS210-29に処理を移す。
(ステップS210-29)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132の表示をクリアするためにメイン払出表示部バッファをクリアする。
(ステップS210-31)
メインCPU200aは、再遊技状態識別信号をクリアする再遊技状態識別信号クリア処理を実行する。
(ステップS210-33)
メインCPU200aは、スタート表示器をオフ(消灯)するためのブロッカー閉塞前処理を実行する。
(ステップS210-35)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118が押下されたことを示すレバー押下コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS220)
メインCPU200aは、当選種別抽選を行う内部抽選処理を実行する。なお、この内部抽選処理については後述する。
図17は、主制御基板200における内部抽選処理(S220)を説明するフローチャートである。
(ステップS220-1)
メインCPU200aは、設定値データを取得する。
(ステップS220-3)
メインCPU200aは、設定値異常エラーを示すエラーコード「EC」をセットする。
(ステップS220-5)
メインCPU200aは、上記ステップS220-1で取得した設定値データが異常であるかを判定する。その結果、設定値データが異常であると判定した場合にはステップS112に処理を移し、設定値データが異常でないと判定した場合にはステップS220-7に処理を移す。
(ステップS220-7)
メインCPU200aは、乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数を取得する。
(ステップS220-9)
メインCPU200aは、遊技状態に係るオフセット値を取得する状態オフセット取得処理を実行する。
(ステップS220-11)
メインCPU200aは、内部抽選エリア定義テーブル(当選種別抽選テーブル)のアドレスをセットする。
(ステップS220-13)
メインCPU200aは、上記ステップS220-11でセットしたアドレスに対して、上記ステップS220-9で取得したオフセット値を加算したアドレスに示される値を当選領域の初期値としてセットする。ここでは、現在の遊技状態の当選種別抽選テーブルにおける最初の当選領域が初期値としてセットされることになる。
(ステップS220-15)
メインCPU200aは、その当選領域の当選範囲を示す数値である抽選データを取得するとともに、当選領域を1ずらす抽選データ取得処理を実行する。
(ステップS220-17)
メインCPU200aは、当選種別抽選を行わないかを判定する。その結果、当選種別抽選を行わないと判定した場合にはステップS220-21に処理を移し、当選種別抽選を行うと判定した場合にはステップS220-19に処理を移す。
(ステップS220-19)
メインCPU200aは、乱数値から抽選データを減算する。
(ステップS220-21)
メインCPU200aは、上記ステップS220-19の減算結果が負であるか、すなわち、当選種別抽選によって、その当選領域に当選しているかを判定する。その結果、当選種別抽選に当選していると判定した場合にはステップS230に処理を移し、当選種別抽選に当選していないと判定した場合にはステップS220-23に処理を移す。
(ステップS220-23)
メインCPU200aは、当選種別抽選が終了でないかを判定する。その結果、当選種別抽選が終了でないと判定した場合にはステップS220-15に処理を移し、当選種別抽選が終了であると判定した場合にはステップS220-25に処理を移す。
(ステップS220-25)
メインCPU200aは、トリガー役種別をクリアする。
(ステップS230)
メインCPU200aは、当選領域および遊技状態に基づいて、図柄コードを設定する図柄コード設定処理を実行する。なお、この図柄コード設定処理については後述する。
図18は、主制御基板200における図柄コード設定処理(S230)を説明するフローチャートである。
(ステップS230-1)
メインCPU200aは、上記ステップS220で当選した当選領域を取得し、取得した当選領域にボーナス役が含まれる場合には遊技状態を内部中遊技状態に設定する遊技状態設定処理を実行する。
(ステップS230-3)
メインCPU200aは、上記ステップS230-1で取得した当選領域を停止制御番号として設定する。
(ステップS230-5)
メインCPU200aは、上記ステップS230-1で取得した当選領域に基づいて、当選種別を決定(設定)する。なお、決定された当選種別によって、メインCPU200aは、疑似遊技実行フラグをオンにすることがある。なお、疑似遊技実行フラグは、オンのときには疑似遊技を実行することを示し、オフのときには疑似遊技を実行しないことを示す。
(ステップS230-7)
メインCPU200aは、上記ステップS230-3で設定した停止制御番号に基づいて、表示可能な図柄、および、引き込み対象の図柄を示す図柄コードを設定する図柄コード初期設定処理を実行する。
(ステップS230-9)
メインCPU200aは、表示図柄ビットを設定する表示図柄ビット初期値設定処理を実行する。
(ステップS231)
メインCPU200aは、実行フラグの設定、演出状態に関する各種処理、補助演出に関する処理等を行う実行フラグ設定処理を実行する。なお、この実行フラグ設定処理については後述する。
(ステップS230-13)
メインCPU200aは、有利区間に関するコマンドである演出コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-15)
メインCPU200aは、当選種別を示す当選情報コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-17)
メインCPU200aは、1遊技間タイマを確認する。
(ステップS230-19)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cが回転前であることを示す回胴回転前コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-21)
メインCPU200aは、ステッピングモータ152の励磁解放を待つ励磁解放待ち処理を実行する。
(ステップS236)
メインCPU200aは、疑似遊技を実行する回胴演出処理を実行する。具体的に、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、各リール110a、110b、110cにおける所定の図柄(例えば、ボーナス役を構成する図柄)を、自動的に仮停止制御し、全てのリール110a、110b、110cが仮停止したら、もしくは、仮停止終了後にランダム遅延処理を通じて回転開始したら、疑似遊技実行フラグをオフする。
(ステップS230-23)
メインCPU200aは、1遊技間タイマが0でないかを判定する。その結果、1遊技間タイマが0でないと判定した場合にはステップS230-23に処理を移し、1遊技間タイマが0であると判定した場合にはステップS230-25に処理を移す。
(ステップS230-25)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転を開始させるための回胴開始処理を実行する。ここでは、リール110a、110b、110cのモータフェーズを加速中に設定して各リールの回転を開始させたり、1遊技間タイマを4.1秒に相当する値にセットしたりする。
(ステップS230-27)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転が開始したことを示す回胴開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS240)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転中の処理である回胴回転中処理を実行する。なお、この回胴回転中処理については後述する。
図19は、主制御基板200における実行フラグ設定処理(S231)を説明するフローチャートである。
(ステップS231-1)
メインCPU200aは、次回ATフラグに基づいて演出状態を更新する(移行させる)AT状態更新処理を実行する。なお、次回ATフラグは、次遊技において設定する演出状態を示すものであり、下記の処理で設定されることになる。
(ステップS232~ステップS236)
メインCPU200aは、演出状態、遊技区間ごとのモジュールを実行する状態別モジュール実行処理を実行し、当該実行フラグ設定処理を終了する。なお、状態別モジュール実行処理では、移行されている演出状態、遊技区間に対応するモジュール(処理)がメインROM200bから読み出されて実行される。以下では、本実施形態の特徴に関係するモジュールについて詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係のモジュールについては説明を省略する。
図20は、状態別モジュール実行処理で実行される非有利区間処理(S232)を説明するフローチャートである。非有利区間処理は、遊技区間が非有利区間であるときに実行される。
(ステップS232-1)
メインCPU200aは、有利区間抽選を行う。
(ステップS232-3)
メインCPU200aは、上記ステップS232-1において有利区間抽選に当選したかを判定する。その結果、有利区間抽選に当選したと判定した場合にはステップS232-5に処理を移し、有利区間抽選に当選していないと判定した場合には当該非有利区間処理を終了する。
(ステップS232-5)
メインCPU200aは、有利区間であることを示す有利区間フラグをオンにし、当該非有利区間処理を終了する。これにより、後述するステップS280-7の有利区間更新処理において、有利区間に移行される。
図21は、状態別モジュール実行処理で実行される通常演出状態処理(S233)を説明するフローチャートである。通常演出状態処理は、演出状態が通常演出状態であるときに実行される。
(ステップS233-1)
メインCPU200aは、継続遊技数をカウントするための継続遊技数カウンタを1インクリメントする。なお、継続遊技数カウンタは、下記のCZ演出状態処理、および、引戻演出状態であるときに実行される不図示の引戻演出状態処理でも、1遊技毎に1インクリメントされる。また、継続遊技数カウンタは、特化AT演出状態に移行される際にリセットされる。
(ステップS233-3)
メインCPU200aは、継続遊技数カウンタの値が天井遊技数以上であるかを判定する。その結果、継続遊技数カウンタの値が天井遊技数以上であると判定した場合にはステップS233-5に処理を移し、継続遊技数カウンタの値が天井遊技数以上でないと判定した場合にはステップS233-7に処理を移す。
(ステップS233-5)
メインCPU200aは、次回ATフラグを特化AT演出状態に対応する値に設定し、当該通常演出状態処理を終了する。
(ステップS233-7)
メインCPU200aは、現時点の遊技が通常演出状態の開始タイミングであるか否か判定する。その結果、通常演出状態の開始タイミングであると判定した場合にはステップS233-9に処理を移し、通常演出状態の開始タイミングではないと判定した場合にはステップS233-11に処理を移す。
(ステップS233-9)
メインCPU200aは、CZ演出状態へ移行する移行遊技数を抽選により決定するCZ抽選を行う。
(ステップS233-11)
メインCPU200aは、通常演出状態に滞在している遊技数が移行遊技数に到達したか否かを判定する。その結果、移行遊技数に到達したと判定した場合にはステップS233-13に処理を移し、移行遊技数に到達していないと判定した場合にはステップS233-15に処理を移す。
(ステップS233-13)
メインCPU200aは、次回ATフラグをCZ演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS233-15)
メインCPU200aは、リール演出状態への移行条件を満たしているかを判定する。その結果、移行条件を満たしていると判定した場合にはステップS233-17に処理を移し、移行条件を満たしていないと判定した場合には当該通常演出状態処理を終了する。
(ステップS233-17)
メインCPU200aは、次回ATフラグをリール演出状態に対応する値に設定し、当該通常演出状態処理を終了する。
図22は、状態別モジュール実行処理で実行されるCZ演出状態処理(S234)を説明するフローチャートである。CZ演出状態処理は、演出状態がCZ演出状態であるときに実行される。なお、CZ演出状態処理における各処理のうち、通常演出状態処理と同一の処理に同一の符号を付し、その説明は省略する。
(ステップS234-1)
メインCPU200aは、当選種別抽選により決定された当選種別に基づきAT抽選を行う。
(ステップS234-3)
メインCPU200aは、上記ステップS234-1においてAT抽選に当選したかを判定する。その結果、AT抽選に当選したと判定した場合にはステップS234-5に処理を移し、AT抽選に当選していないと判定した場合にはステップS234-7に処理を移す。
(ステップS234-5)
メインCPU200aは、次回ATフラグを特化AT演出状態に対応する値に設定し、当該CZ演出状態処理を終了する。
(ステップS234-7)
メインCPU200aは、CZ演出状態の最終遊技であるかを判定する。その結果、CZ演出状態の最終遊技であると判定した場合にはステップS234-9に処理を移し、CZ演出状態の最終遊技でないと判定した場合には当該CZ演出状態処理を終了する。
(ステップS234-9)
メインCPU200aは、次回ATフラグを通常演出状態に対応する値に設定する。
図23は、状態別モジュール実行処理で実行されるリール演出状態処理(S235)を説明するフローチャートである。リール演出状態処理は、演出状態がリール演出状態であるときに実行される。なお、リール演出状態処理における各処理のうち、通常演出状態処理と同一の処理に同一の符号を付し、その説明は省略する。
(ステップS235-1)
メインCPU200aは、当選種別抽選により決定された当選種別に基づきAT抽選を行う。
(ステップS235-3)
メインCPU200aは、上記ステップS235-1においてAT抽選に当選したかを判定する。その結果、AT抽選に当選したと判定した場合にはステップS235-5に処理を移し、AT抽選に当選していないと判定した場合にはステップS235-7に処理を移す。
(ステップS235-5)
メインCPU200aは、次回ATフラグを特化AT演出状態に対応する値に設定し、当該リール演出状態処理を終了する。
(ステップS235-7)
メインCPU200aは、リール演出状態の最終遊技であるかを判定する。その結果、リール演出状態の最終遊技であると判定した場合にはステップS235-9に処理を移し、リール演出状態の最終遊技でないと判定した場合には当該リール演出状態処理を終了する。
(ステップS235-9)
メインCPU200aは、次回ATフラグをCZ演出状態に対応する値に設定する。
図24は、状態別モジュール実行処理で実行される引戻演出状態処理(S236)を説明するフローチャートである。引戻演出状態処理は、演出状態が引戻演出状態であるときに実行される。
(ステップS236-1)
メインCPU200aは、当選種別抽選により決定された当選種別に基づき、AT演出状態に再度移行させる(継続させるか)か否かの継続抽選を行う。
(ステップS236-3)
メインCPU200aは、上記ステップS236-1において継続抽選に当選したかを判定する。その結果、継続抽選に当選したと判定した場合にはステップS236-5に処理を移し、継続抽選に当選していないと判定した場合にはステップS236-7に処理を移す。
(ステップS236-5)
メインCPU200aは、次回ATフラグを特化AT演出状態に対応する値に設定し、当該引戻演出状態処理を終了する。
(ステップS236-7)
メインCPU200aは、引戻演出状態の最終遊技であるかを判定する。その結果、引戻演出状態の最終遊技であると判定した場合にはステップS236-9に処理を移し、引戻演出状態の最終遊技でないと判定した場合には当該引戻演出状態処理を終了する。
(ステップS236-9)
メインCPU200aは、次回ATフラグを通常演出状態に対応する値に設定し、有利区間フラグをオフにする。
図25は、主制御基板200における回胴回転中処理(S240)を説明するフローチャートである。
(ステップS240-1)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器(不図示)に対応するビットをオフ(消灯)するために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットする。ここで、停止表示器出力ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cの発光色に対応付けられており、青色=1、赤色=0で表される。
(ステップS240-3)
メインCPU200aは、上記ステップS240-1でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS240-5)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS240-7)
メインCPU200aは、インデックスフラグを参照し、回転しているリール110a、110b、110cのインデックスを取得する。なお、インデックスフラグは、リール110a、110b、110cが定常回転速度に到達した後にしか立たないので、換言すれば、インデックスフラグが立っているということは、リール110a、110b、110cが定常回転速度に到達していることも示すこととなる。
(ステップS240-9)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110c全てのインデックスフラグを検出済みでないかを判定する。その結果、全てのインデックスフラグを検出済みでないと判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、全てのインデックスフラグを検出済みであると判定した場合にはステップS240-11に処理を移す。
(ステップS240-11)
メインCPU200aは、停止または停止開始しているリール110a、110b、110cを示す停止回胴ビットを取得する。ここで、停止回胴ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのリール110a、110b、110cのいずれかに対応付けられており、定常状態=1、加速状態、減速状態または停止状態=0で表される。
(ステップS240-13)
メインCPU200aは、上記ステップS240-11で取得した停止回胴ビットを回胴回転中フラグとして保存する。
(ステップS240-15)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器(不図示)に対応するビットをオン(消灯)するために停止表示器出力ビットオン(出力イメージ)をセットする。
(ステップS240-17)
メインCPU200aは、入力ポート0のイメージを取得し、取得したイメージから、操作対象ビットを抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。ここで、操作対象ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、操作されている=1、操作されていない=0で表される。
(ステップS240-19)
メインCPU200aは、上記ステップS240-13で取得した回胴回転中フラグと、上記ステップS240-17で抽出した操作対象ビットとの論理積を演算する。ここで、リール110が回転中であり、かつ、そのリールに対応するストップスイッチ120が操作されていれば、すなわち、操作したストップスイッチ120が有効に回転しているリール110に対応していれば、論理積は1となる。
(ステップS240-21)
メインCPU200aは、上記ステップS240-19で演算した論理積が0である、すなわち、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていないかを判定する。その結果、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていないと判定した場合にはステップS240-3に処理を移し、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていると判定した場合にはステップS240-23に処理を移す。
(ステップS240-23)
メインCPU200aは、停止表示器出力ビットが含まれる出力イメージを取得し、取得した出力イメージと、上記ステップS240-19で演算した論理積との論理積を演算する。ここでは、操作されたストップスイッチ120が、赤色点灯中である場合に論理積のビットが0となり、青色点灯中である場合に論理積のビットが1となる。
(ステップS240-25)
メインCPU200aは、上記ステップS240-23で演算した論理積が0であるか、すなわち、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中であるかを判定する。その結果、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中であると判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中でないと判定した場合にはステップS240-27に処理を移す。
(ステップS240-27)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120が有効でないかを判定する。その結果、操作されたストップスイッチ120が有効でないと判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が有効であると判定した場合にはステップS240-29に処理を移す。なお、ここでは、操作されたストップスイッチ120が1つであるか否かを判定している。そして、操作されたストップスイッチ120が1つであると判定した場合にはステップS240-29に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が1つでない、すなわち、2つ以上であると判定した場合にはステップS240-1に処理を移す。
(ステップS240-29)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を停止させるための各種パラメータを取得する停止制御回胴設定処理を実行する。
(ステップS240-31)
メインCPU200aは、割込みを禁止する。
(ステップS240-33)
メインCPU200aは、有効ラインA上に位置する図柄の図柄番号を押下基準位置として導出する押下基準位置取得処理を実行する。
(ステップS240-35)
メインCPU200aは、リール110の滑りコマ数を決定する滑りコマ数取得処理を実行する。
(ステップS250)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を停止させる回胴停止処理を実行する。なお、この回胴停止処理については後述する。
図26は、主制御基板200における回胴停止処理(S250)を説明するフローチャートである。
(ステップS250-1)
メインCPU200aは、上記ステップS240-35で導出した押下基準位置を取得する。
(ステップS250-3)
メインCPU200aは、上記ステップS250-1で取得した押下基準位置に対して、上記ステップS240-37で決定した滑りコマ数を補正することにより、停止要求番号を算定する。
(ステップS250-5)
メインCPU200aは、停止要求フラグを設定する(1にする)。停止要求フラグは、並行して動作するプログラムに対し、対象となるリール110の停止処理を要求するためのフラグであり、停止要求フラグを1とすることで、停止要求番号に対応する図柄を有効ラインA上に停止することが可能となる。かかる停止要求フラグおよび上記の停止要求番号は、並行して動作するプログラムにより読み出され、リール110の停止処理が行われる。なお、停止処理が完了すると、そのプログラムによって、停止要求フラグは0(OFF)にリセットされる。
(ステップS250-7)
メインCPU200aは、割込みを許可する。
(ステップS250-9)
メインCPU200aは、リール110の停止順序を示す停止情報コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS250-11)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120の表示器(不図示)に対応するビットをオフ(消灯)するために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットする。
(ステップS250-13)
メインCPU200aは、上記ステップS250-11でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS250-15)
メインCPU200aは、表示図柄ビットを設定する表示図柄ビット設定処理を実行する。
(ステップS250-17)
メインCPU200aは、次のリール110を停止させるための次回胴設定前処理を実行する。
(ステップS250-19)
メインCPU200aは、全てのリール110の停止処理が終了済みでないかを判定する。その結果、全てのリール110の停止処理が終了済みでないと判定した場合にはステップS240に処理を移し、全てのリール110の停止処理が終了済みであると判定した場合にはステップS250-21に処理を移す。
(ステップS250-21)
メインCPU200aは、いずれかのリール110について停止要求フラグがオンである、すなわち、全てのリール110が停止済みでないかを判定する。その結果、全てのリール110が停止済みでないと判定した場合にはステップS250-21に処理を移し、全てのリール110が停止済みであると判定した場合にはステップS250-23に処理を移す。
(ステップS250-23)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS250-25)
メインCPU200aは、操作対象ビットの情報を抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。
(ステップS250-27)
メインCPU200aは、上記ステップS250-25で取得した操作対象ビットに基づいて、ストップスイッチ120が押下されているかを判定する。その結果、ストップスイッチ120が押下されていると判定した場合にはステップS250-23に処理を移し、ストップスイッチ120が押下されていないと判定した場合にはステップS260に処理を移す。
(ステップS260)
メインCPU200aは、入賞した当選役を判定する表示判定処理を実行する。なお、この表示判定処理については後述する。
図27は、主制御基板200における表示判定処理(S260)を説明するフローチャートである。
(ステップS260-1)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132のバッファをクリアする。
(ステップS260-3)
メインCPU200aは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせと、有効ラインA上に表示許可された図柄組み合わせとが一致するか否かによって、表示判定異常が発生しているかを判定する表示判定異常検出処理を実行する。
(ステップS260-5)
メインCPU200aは、表示判定異常(エラー)であることを示すエラーコード「EE」をセットする。
(ステップS260-7)
メインCPU200aは、上記ステップS260-3の判定結果に基づき、表示判定異常であるかを判定する。その結果、表示判定異常であると判定した場合にはステップS112に処理を移し、表示判定異常でないと判定した場合にはステップS260-9に処理を移す。
(ステップS260-9)
メインCPU200aは、有効ラインA上に停止(表示)された図柄組み合わせに基づいて、入賞した当選役を決定する表示図柄識別生成処理を実行する。
(ステップS260-11)
メインCPU200aは、払出枚数の初期値として0をセットする。
(ステップS260-13)
メインCPU200aは、小役が入賞したかを判定する。その結果、小役が入賞したと判定した場合にはステップS260-15に処理を移し、小役が入賞していないと判定した場合にはステップS260-35に処理を移す。
(ステップS260-15)
メインCPU200aは、小役が入賞したことを示す入賞フラグをオンにする。
(ステップS260-17)
メインCPU200aは、入賞した小役に応じた払出枚数を設定する払出枚数設定処理を実行する。
(ステップS260-19)
メインCPU200aは、有利区間でないかを判定する。その結果、有利区間でないと判定した場合にはステップS270に処理を移し、有利区間であると判定した場合にはステップS260-21に処理を移す。
(ステップS260-21)
メインCPU200aは、有利区間中の純増枚数をカウントする有利区間MYカウンタの値を取得する。
(ステップS260-23)
メインCPU200aは、上記ステップS260-23で取得した有利区間MYカウンタの値に払出枚数を加算する。
(ステップS260-25)
メインCPU200aは、当該遊技の投入枚数を取得する。
(ステップS260-27)
メインCPU200aは、上記ステップS260-23で加算した値から投入枚数を減算する。
(ステップS260-29)
メインCPU200aは、上記ステップS260-27の減算結果が負でないかを判定する。その結果、減算結果が負でないと判定した場合にはステップS260-33に処理を移し、減算結果が負であると判定した場合にはステップS260-31に処理を移す。
(ステップS260-31)
メインCPU200aは、有利区間MYカウンタの値をクリアする(0にする)。
(ステップS260-33)
メインCPU200aは、上記ステップS260-27で減算した値、または、上記ステップS260-31でクリアした値に、有利区間MYカウンタの値を更新する。
(ステップS260-35)
メインCPU200aは、リプレイ役が入賞していなかを判定する。その結果、リプレイ役が入賞していないと判定した場合にはステップS270に処理を移し、リプレイ役が入賞していると判定した場合にはステップS260-37に処理を移す。
(ステップS260-37)
メインCPU200aは、払出枚数に投入枚数をセットする。
(ステップS260-39)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグをオンにする。
(ステップS260-41)
メインCPU200aは、自動投入枚数をセットする。
(ステップS270)
メインCPU200aは、メダルを払い出す払出処理を実行する。なお、この払出処理については後述する。
図28は、主制御基板200における払出処理(S270)を説明するフローチャートである。
(ステップS270-1)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグを取得する。
(ステップS270-3)
メインCPU200aは、メダルの払い出しが開始されたことを示す払出開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS270-5)
メインCPU200aは、上記ステップS270-1で取得した再遊技作動中フラグに基づいて、リプレイ役が入賞したかを判定する。その結果、リプレイ役が入賞したと判定した場合にはステップS270-41に処理を移し、リプレイ役が入賞していないと判定した場合にはステップS270-7に処理を移す。
(ステップS270-7)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132に0を表示するためのメイン表示器表示処理を実行する。
(ステップS270-9)
メインCPU200aは、払い出しがない(払出枚数が0枚)を判定する。その結果、払い出しがないと判定した場合にはステップS270-35に処理を移し、払い出しがあると判定した場合にはステップS270-11に処理を移す。
(ステップS270-11)
メインCPU200aは、貯留枚数が50枚以上であるかを判定する。その結果、貯留枚数が50枚以上であると判定した場合にはステップS270-13に処理を移し、貯留枚数が50枚以上でないと判定した場合にはステップS270-15に処理を移す。
(ステップS270-13)
メインCPU200aは、メダル払出装置142からメダルを1枚払い出させるメダル払出装置制御処理を実行し、ステップS270-23に処理を移す。
(ステップS270-15)
メインCPU200aは、払出開始間隔タイマをセットする。
(ステップS270-17)
メインCPU200aは、払出開始タイマが0でない、すなわち、初回払出時であるかを判定する。その結果、初回払出時であると判定した場合にはステップS270-21に処理を移し、初回払出時でないと判定した場合にはステップS270-19に処理を移す。
(ステップS270-19)
メインCPU200aは、払出開始間隔タイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS270-21)
メインCPU200aは、貯留枚数を1インクリメントする。
(ステップS270-23)
メインCPU200aは、1枚のメダルが払い出されたことを示す払出実行コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS270-25)
メインCPU200aは、既に払い出された払出枚数をメイン払出表示部132に表示するためのメイン表示器表示前処理を実行する。
(ステップS270-27)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態でないかを判定する。その結果、ボーナス遊技状態でないと判定した場合にはステップS270-31に処理を移し、ボーナス遊技状態であると判定した場合にはステップS270-29に処理を移す。
(ステップS270-29)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態において払い出されたメダルの枚数であるボーナス作動中獲得枚数を1インクリメントする。
(ステップS270-31)
メインCPU200aは、払出枚数のメダルの払い出しが終了していないかを判定する。その結果、払い出しが終了していないと判定した場合にはステップS270-11に処理を移し、払い出しが終了していると判定した場合にはステップS270-33に処理を移す。
(ステップS270-33)
メインCPU200aは、メダルの払い出しを終了するための払出終了処理を実行する。
(ステップS270-35)
メインCPU200aは、オーバーエラーが検出されていないかを判定する。その結果、オーバーエラーが検出されていないと判定した場合にはステップS270-41に処理を移し、オーバーエラーが検出されていると判定した場合にはステップS270-37に処理を移す。
(ステップS270-37)
メインCPU200aは、オーバーエラーを示すエラーコード「E5」をセットする。
(ステップS270-39)
メインCPU200aは、エラー表示、警告音の要求、ならびに、エラー復帰待ちを行うエラーウェイト処理を実行する。
(ステップS270-41)
メインCPU200aは、メダルの払い出しが終了したことを示す払出終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280)
メインCPU200aは、遊技状態の移行、有利区間を管理する処理等を行う遊技移行処理を実行する。なお、この遊技移行処理については後述する。
図29は、主制御基板200における遊技移行処理(S280)を説明するフローチャートである。
(ステップS280-1)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグを取得し、取得した再遊技作動中フラグに基づいて、次遊技が再遊技であることを示すリプレイ表示器(不図示)に対応するビットをオンまたはオフするために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットし、セットした出力イメージの出力ビットを更新するリプレイ表示器制御処理を実行する。
(ステップS280-3)
メインCPU200aは、ボーナス役が入賞した場合に、ボーナス遊技状態を制御するための各種パラメータを設定する役物作動図柄表示処理を実行する。
(ステップS281)
メインCPU200aは、演出状態、区間状態ごとのモジュールを実行する状態別モジュール実行処理を実行する。なお、状態別モジュール実行処理では、移行されている演出状態に対応するモジュール(処理)がメインROM200bから読み出されて実行される。
(ステップS280-5)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態において、ボーナス作動中獲得枚数が所定枚数に到達した場合に、遊技状態を非内部遊技状態に移行させるボーナス作動終了処理を実行する。
(ステップS280-7)
メインCPU200aは、有利区間を管理する有利区間更新処理を実行する。
(ステップS280-9)
メインCPU200aは、次遊技がAT演出状態でないかを判定する。その結果、次遊技がAT演出状態でないと判定した場合にはステップS280-15に処理を移し、次遊技がAT演出状態であると判定した場合にはステップS280-11に処理を移す。
(ステップS280-11)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態でないかを判定する。その結果、ボーナス遊技状態でないと判定した場合にはステップS280-15に処理を移し、ボーナス遊技状態であると判定した場合にはステップS280-13に処理を移す。
(ステップS280-13)
メインCPU200aは、区間表示器160を点灯させるための有利ランプフラグをオンにセットする。
(ステップS280-15)
メインCPU200aは、有利区間に関するコマンドである演出コマンドを送信バッファにセットする演出コマンド設定処理を実行する。
(ステップS280-17)
メインCPU200aは、1遊技が終了したことを示す遊技終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280-19)
メインCPU200aは、外部信号を出力するための端子板信号出力処理を実行する。
(ステップS280-21)
メインCPU200aは、上記ステップS280-7において有利区間を終了させるときに設定される演出用ウェイトタイマが0でないかを判定する。その結果、演出用ウェイトタイマが0でないと判定した場合にはステップS280-21に処理を移し、演出用ウェイトタイマが0であると判定した場合にはステップS280-23に処理を移す。
(ステップS280-23)
メインCPU200aは、遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280-25)
メインCPU200aは、次遊技の開始を示す遊技開始コマンドを送信バッファにセットし、ステップS200に処理を移す。
ステップS200からステップS280までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS280までを繰り返すこととなる。
次に、主制御基板200における電源断時退避処理およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板200の電源断時退避処理)
図30は、主制御基板200における電源断時退避処理を説明するフローチャートである。メインCPU200aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300-1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU200aは、レジスタを退避する。
(ステップS300-3)
メインCPU200aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-5)
メインCPU200aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-7に処理を移す。
(ステップS300-7)
メインCPU200aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300-9)
メインCPU200aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300-11)
メインCPU200aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300-13)
メインCPU200aは、別領域についての電源断時の退避処理を実行する。
(ステップS300-15)
メインCPU200aは、メインRAM200cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300-17)
メインCPU200aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300-19)
メインCPU200aは、上記ステップS300-17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300-21)
メインCPU200aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300-19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS1000)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300-19~ステップS300-21をループしている間にスロットマシン100の稼働が停止する。
(主制御基板200のタイマ割込み処理)
図31は、主制御基板200におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板200には、所定の周期(同時回し参考例では1.49ミリ秒、以下「1.49ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400-1)
メインCPU200aは、レジスタを退避する。
(ステップS400-3)
メインCPU200aは、割込みフラグをクリアする。
(ステップS400-5)
メインCPU200aは、各種の入力ポートイメージを読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-7)
メインCPU200aは、セットされた出力イメージを出力ポートに出力し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132、投入枚数表示器、スタート表示器、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器、リプレイ表示器、区間表示器160を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400-9)
メインCPU200aは、タイマ割込み処理用フェーズを更新する。なお、タイマ割込み処理用フェーズは、0~3のいずれかであり、ここでは、タイマ割込み処理用フェーズが0、1、2の場合には1加算され、タイマ割込み処理用フェーズが3の場合には0に変更される。
(ステップS400-11)
メインCPU200aは、送信バッファに格納されたコマンドを副制御基板202に送信するためのサブコマンド送信処理を行う。
(ステップS400-13)
メインCPU200aは、ステッピングモータ152を制御するステッピングモータ制御処理を実行する。
(ステップS400-15)
メインCPU200aは、メダル払出装置142へ出力する出力イメージを出力する出力ポートイメージ出力処理を実行する。
(ステップS400-17)
メインCPU200aは、各種乱数値を更新する乱数更新処理を実行する。
(ステップS400-19)
メインCPU200aは、エラーに対応する外部信号(外部信号4、5)を外部に出力するためにエラーを検出する不正監視処理を実行する。
(ステップS400-21)
メインCPU200aは、上記ステップS400-9で更新したタイマ割込み処理用フェーズに対応するモジュール(サブルーチン)を実行する。ここで、タイマ割込み処理用フェーズは0~3のいずれかに設定されており、タイマ割込み処理用フェーズ0~3それぞれに対応するモジュールが1つずつ設けられているため(合計4つ)、1つのモジュールは、タイマ割込み処理の4回に1回(5.96ms毎に)実行されることになる。例えば、各種タイマを減算する時間監視処理を実行するモジュールが1つのタイマ割込み処理用フェーズに対応付けられている。
(ステップS400-23)
メインCPU200aは、試験信号を外部に出力する試験信号出力処理を実行する。
(ステップS400-25)
メインCPU200aは、各種の入力ポートイメージを読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-27)
メインCPU200aは、レジスタを復帰する。
(ステップS400-29)
メインCPU200aは、割込みを許可し、当該タイマ割込み処理を終了する。
(当選種別「1枚チャンス役」について)
上述したように、本実施形態のスロットマシン100では、選択当選種別として、当選種別「打順ベル」を採用し、AT演出状態では補助演出を行うことで、通常演出状態に比べAT演出状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を相対的に高めることができる。具体的に、非AT演出状態において当選種別「打順ベル」に当選しても、補助演出がほぼ行われないので、遊技者は、ストップスイッチ120を、打順(例えば打順1または打順2)を決めて操作することとなり、単位遊技当たりの期待獲得枚数は、(7枚(正解役)×1+1枚×1/2×5)/6≒1.58枚となる。一方、AT演出状態において当選種別「打順ベル」に当選すると、補助演出が実行されるので、遊技者は、正解操作態様で操作することができ、単位遊技当たりの期待獲得枚数は7枚となる。このように、演出状態をAT演出状態に滞在させることで、遊技者は、メダルの消費を抑えつつ、短時間に多くの遊技利益を得ることが可能となるので、遊技意欲を向上することができる。
しかし、AT演出状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を高めるため、上記のように、非AT演出状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数が相対的に低くなるように設定すると、非AT演出状態に滞在し続けることで、遊技者の投資額が徒に大きくなってしまう。一方で、AT演出状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数を高めつつ、さらに、非AT演出状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数の低下を抑えようとすると、AT演出状態への移行確率を低く設定したり、抽選を行わない期間を設けざるを得ない。そうすると、AT演出状態への移行頻度が下がり、遊技者が倦怠感を覚える結果を招きかねない。
ここでは、当選種別「1枚チャンス役」を設けて期待獲得枚数を調整し、非AT演出状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を相対的に低くすることで、AT演出状態への移行確率を低く設定したり、抽選を行わない期間を設けることなく、遊技者の遊技意欲を維持することを目的とする。
図32は、当選領域22の当選種別「1枚A」の入賞態様を説明するための説明図である。当選種別「1枚A」は、図32の上側に示されるように、当選役「RB1」と、払出枚数が1枚となる当選役「小役16」~「小役19」、「小役36」、「小役38」とが重複して含まれる選択当選種別である。
図32の(打順1)に示すように、当選種別「1枚A」(選択当選種別)に当選し、打順1に従って左リール110aを最初に停止するようにストップスイッチ120aが操作されると、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組合せの種類が最も多くなる当選役「小役16」~「小役19」を構成する図柄「リプレイ」が優先的に表示されるように設定される。リール制御手段306は、ストップスイッチ120aの操作に応じて、図柄「リプレイ」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。なお、図柄「リプレイ」は、左リール110aにおいてPB=1なので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、左リール110aの有効ラインA上に図柄「リプレイ」が停止することで、当選種別「1枚A」に含まれる当選役「RB1」、「小役36」、「小役38」が入賞する可能性がなくなる。続いて、中リール110bを2番目に停止するようにストップスイッチ120bが操作されると、リール制御手段306は、その操作位置に応じ、例えば、当選役「小役18」、「小役19」を構成する図柄「赤7」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。また、右リール110cを3番目に停止するようにストップスイッチ120cが操作されると、リール制御手段306はその操作位置に応じ、例えば、当選役「小役19」を構成する図柄「ブランクA」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。なお、中リール110bにおける図柄「青7」、「ブランクB」、「赤7」、「ブランクA」は、全図柄を総合すると中リール110bにおいてPB=1であり、右リール110cにおける図柄「青7」、「ブランクB」、「赤7」、「ブランクA」は、全図柄を総合すると右リール110cにおいてPB=1である。したがって、打順1、2での操作を行うことで、当選役「小役16」~「小役19」(第1役)のいずれかをPB=1で入賞させることが可能となり、遊技者は、1枚のメダルの払い出しを受けることができる。
次に、図32の(打順3-1)に示すように、当選種別「1枚A」に当選し、打順3に従って中リール110bを最初に停止するようにストップスイッチ120bが操作されると、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組合せの種類が最も多くなる当選役「小役36」、「小役38」を構成する図柄「ブランクC」、「ベルB」が優先的に表示されるように設定される。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120bの操作に応じて、例えば、図柄「ベルB」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。なお、中リール110bにおける図柄「ブランクC」、「ベルB」は、全図柄を総合すると中リール110bにおいてPB=1である。このように、中リール110bの有効ラインA上に図柄「ベルB」が停止することで、当選種別「1枚A」に含まれる当選役「小役16」~「小役19」が入賞する可能性がなくなる。続いて、左リール110aを、図柄番号「0」~「2」または図柄番号「13」~「19」の範囲で2番目に停止するようにストップスイッチ120aが操作されると、メダルの払出枚数が1枚と最も多くなる当選役「小役38」を構成する図柄「ブランクC」、「チェリー」が優先的に表示されるように設定される。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120aの操作に応じて、例えば、図柄「チェリー」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。続いて、右リール110cを3番目に停止するようにストップスイッチ120cが操作されると、引き込み対象となる当選役「小役38」を構成する図柄「スイカ」が優先的に表示されるように設定される。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120cの操作に応じて、図柄「スイカ」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。なお、図柄「スイカ」は、右リール110cにおいてPB=1なので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。こうして、当選役「小役38」(第2役)の入賞が確定する。
また、図32の(打順3-2)に示すように、当選種別「1枚A」に当選し、打順3に従って中リール110bを最初に停止するようにストップスイッチ120bが操作されると、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組合せの種類が最も多くなる当選役「小役36」、「小役38」を構成する図柄「ブランクC」、「ベルB」が優先的に表示されるように設定される。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120bの操作に応じて、例えば、図柄「ベルB」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。なお、中リール110bにおける図柄「ブランクC」、「ベルB」は、全図柄を総合すると中リール110bにおいてPB=1である。このように、中リール110bの有効ラインA上に図柄「ベルB」が停止することで、当選種別「1枚A」に含まれる当選役「小役16」~「小役19」が入賞する可能性がなくなる。続いて、左リール110aを、図柄番号「3」~「12」の範囲で2番目に停止するようにストップスイッチ120aが操作されると、図柄「ブランクC」、「チェリー」を停止制御できないので、引き込み対象となる当選役「RB1」、「小役36」を構成する図柄「青7」、「ブランクA」が優先的に表示されるように設定される。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120aの操作に応じて、例えば、図柄「青7」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。続いて、右リール110cを図柄番号「0」~「6」または図柄番号「17」~「19」の範囲で3番目に停止するようにストップスイッチ120cが操作されると、メダルの払出枚数が1枚と最も多くなる「小役36」を構成する図柄「青7」、「ブランクA」が優先的に表示されるように設定される。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120cの操作に応じて、例えば、図柄「青7」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。こうして、当選役「小役36」の入賞が確定する。また、右リール110cを図柄番号「7」~「16」の範囲で3番目に停止するようにストップスイッチ120cが操作されると、当選役「RB1」を構成する図柄「スイカ」が優先的に表示されるように設定される。そして、リール制御手段306は、ストップスイッチ120cの操作に応じて、図柄「スイカ」が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。こうして、当選役「RB1」(第2役)の入賞が確定する。
図32の(打順3-1)と(打順3-2)とを比較して理解できるように、左リール110aについて、図柄番号「0」~「2」または図柄番号「13」~「19」の範囲でストップスイッチ120aが操作されると、当選役「小役38」が入賞し、左リール110aについて、図柄番号「3」~「12」の範囲でストップスイッチ120aが操作されると、当選役「RB1」が入賞する。図柄番号「0」~「2」または図柄番号「13」~「19」の図柄数は10コマであり、図柄番号「3」~「12」の図柄数も10コマである。したがって、打順3で操作した場合、1/2の確率で1枚の払い出しを受けることができ、1/2の確率で遊技状態がRB作動中遊技状態に移行する。
なお、1/2の確率で1枚の払い出しを受けた場合、RB内部当選フラグが持ち越され、遊技状態がRB内部中遊技状態に移行する。この場合、次に、当選種別「1枚チャンス役」に当選したときに、当選役「RB1」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することが可能となる。
本実施形態において、補助演出実行手段は、非AT演出状態およびAT演出状態のいずれにおいても、正解操作態様として当選役「1枚役」(正解役)をPB=1で入賞可能な操作態様(図32の例では、打順1または打順2)を報知する。したがって、遊技者が、正解操作態様で操作すると1枚の払い出しを受け、不正解操作態様で操作すると1枚の払い出しを受けるか、RB作動中遊技状態に移行することになる。
ここでは、遊技者が無作為に操作した場合には、RB作動中遊技状態に移行することがあり、単位遊技当たりの期待獲得枚数がそれなりに高くなる(投資額を抑えられる)ところ、敢えて、期待獲得枚数が少ない操作をさせる補助演出を行うことで、単位遊技当たりの期待獲得枚数を相対的に低くしている。
しかし、単に、補助演出に従うと期待獲得枚数が少ない当選役が入賞し、補助演出を無視して異なる操作態様で操作を行うと期待獲得枚数が多くなる当選役が入賞するとなると、意図的に補助演出に従わない遊技者が出現するおそれがある。そこで、当選種別「1枚チャンス役」の当選においては、補助演出に従った場合、所定の遊技利益を付与する一方、補助演出に従わない場合、それらを制限する仕様を検討する。具体的に、非AT演出状態において当選種別「1枚チャンス役」に当選した場合に、遊技者が補助演出に従って正解操作態様で操作すると、期待獲得枚数こそ少ないものの、所定の遊技利益、例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を高める処理を行い、また、その遊技を所謂天井の消化遊技とする(もしくは天井の到達遊技数を短縮する)。一方で、非AT演出状態において当選種別「1枚チャンス役」に当選した場合に、遊技者が補助演出に従わず、不正解操作態様で操作すると、期待獲得枚数こそ多いが、例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を高める処理が行われず、また、その遊技を所謂天井の消化遊技としない(もしくは天井の到達遊技数を短縮しない)。換言すれば、遊技者に補助演出に従わせるため、正解操作態様で操作することで、不正解操作態様で操作するより結果として有利になる遊技利益を付与することとする。このような遊技性を採用しているので、当選種別「1枚チャンス役」に当選した場合は、期待獲得枚数が少ない当選役(第1役)を入賞させる操作態様を正解操作態様とし、期待獲得枚数が多い当選役(第2役)を入賞させる操作態様を不正解操作態様とすることができる。ここでは、非AT演出状態における単位遊技当たりの期待獲得枚数が補助演出を通じて相対的に低くなるため、非AT演出状態とAT演出状態との期待獲得枚数の差を大きくすることが可能となる。
ただし、当選種別「1枚チャンス役」の当選時に補助演出に従うことで付与される、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を高める処理等の遊技利益は、遊技者が外部から把握するのは容易ではない。ここで、遊技者が補助演出に従った場合に、このような遊技利益が付与されたことを、毎回、演出等を通じて直接的に表示したり、また、遊技者が補助演出に従わなかった場合に、このような遊技利益が制限されることを、毎回、直接的に表示するとなると、遊技者は、その表示に煩わしさを覚え、遊技意欲が減退しかねない。そこで、当選種別「1枚チャンス役」の当選時に遊技者が補助演出に従った場合、何かしらの遊技利益が付与されることを、演出を通じて間接的に示唆する。
図33は、遊技利益が付与されることを示唆する演出の一例を示した説明図である。上述したように、演出状態制御手段314は、通常演出状態の開始時に、CZ演出状態へ移行する移行遊技数(例えば、600)を抽選により決定し、通常演出状態に滞在している遊技数が移行遊技数に到達すると、演出状態を通常演出状態からCZ演出状態に移行させる。そして、演出状態制御手段314は、CZ演出状態への移行確率を高める処理として、通常演出状態に滞在している遊技数が移行遊技数に到達するまでCZポイントを蓄積している。
ここで、CZポイントは、通常演出状態における当選種別抽選の結果に応じ、例えば、1遊技の結果として10~100ポイントの間で付与され得るポイントである。このように付与されたCZポイントは、遊技終了時(第3停止時)に、メインRAM200cで管理されるCZポイントカウンタに蓄積され、蓄積されたCZポイントカウンタは、図33(a)のように、ユーザインターフェースである液晶表示部(表示装置)124の画面(表示領域)右上にカウンタ値500aとして表示される。なお、液晶表示部124の画面右下には、演出の一部を担うキャラクタ500bが表示されている。
そして、CZポイントが付与され、上限値、例えば、1000ポイントに到達すると、演出状態制御手段314は、図33(b)のように、1遊技で完結する演出を通じ、キャラクタ500bに対してアイテム500cを付与する。具体的に、1000ポイントに到達した遊技の次の遊技におけるスタートスイッチ118の操作に応じて、キャラクタ500bの全身が液晶表示部124の画面右下に出現し、画面左上に付与可能なアイテム500cの候補が複数表示される。そして、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される度に(第1停止、第2停止において)、アイテム500cの候補が絞られ、第3停止時において図33(b)のように、残った1つ(場合によっては複数)のアイテム500c(例えば「槍」)がキャラクタ500bに対して付与される。そして、アイテム500cが付与されたことに伴い、CZポイントは0にリセットされる。アイテム500cは、その種類が複数準備され、付与されたアイテム500cによってCZ演出状態におけるAT演出状態への移行確率が異なっている。ここでは、アイテム500cが強力な種類である程、CZ演出状態において、AT演出状態に移行し易いようになっている。したがって、遊技者は、より強力なアイテム500cが付与されることを望むこととなる。
また、CZポイントは、遊技の進行に応じて蓄積されるものの、CZ演出状態への移行タイミングとは独立して管理されている。したがって、CZ演出状態に移行するまでに、アイテム500cが付与されない場合や、アイテム500cが複数付与される場合が生じる。アイテム500cが複数付与されると、その分、AT演出状態に移行し易いようになっている。したがって、遊技者は、CZポイントを早期に蓄積し、より強力なアイテム500cが複数付与されることを望むこととなる。
なお、CZポイントが上限値に到達することで付与されるアイテム500cは、通常演出状態での遊技の進行に応じてその種類を変化させることができる。
図34は、遊技利益が付与される演出の一例を示した説明図である。例えば、CZ演出状態の終了時または引戻演出状態の終了時、すなわち、通常演出状態の開始時において、図34(a)のように、液晶表示部124の画面右下のキャラクタ500bが、例えば、四角の枠500d内に位置しているとする。そして、通常演出状態における所定の遊技において、当選種別「1枚チャンス役」に当選すると、補助演出実行手段は、図34(b)のように、補助演出として、当選役「1枚役」をPB=1で入賞可能な操作態様(打順1または打順2)を報知する。ここでは、補助演出実行手段は、例えば、補助演出として打順1を報知するために、液晶表示部124の画面中央に、ストップスイッチ120a、120b、120cと対応させた「123」という打順表示500eを表示する。遊技者は、かかる打順表示500eに基づいて、ストップスイッチ120aを第1停止し、ストップスイッチ120bを第2停止し、ストップスイッチ120cを第3停止すべきであることを把握する。遊技者が補助演出に従った場合、内部的には、AT演出状態への移行確率を高める所定の遊技利益を付与しているが、外部から容易に把握することができない。そこで、本実施形態では、遊技者が補助演出に従った場合、所定の遊技利益を付与していることを遊技者に間接的に示唆する所定の演出(以下、エフェクト演出(特定演出)という)を実行する。
具体的に、遊技者が、補助演出に従い、第1停止としてストップスイッチ120aを操作すると、図34(c)のように、液晶表示部124の画面中央に表示された打順表示「123」のうち、ストップスイッチ120aを示す「1」の数字のみ消去される。続いて、遊技者が、補助演出に従い、第2停止としてストップスイッチ120bを操作すると、図34(d)のように、液晶表示部124の画面中央に残された打順表示「23」のうち、ストップスイッチ120bを示す「2」の数字のみ消去される。続いて、遊技者が、補助演出に従い、第3停止としてストップスイッチ120cを操作すると、図34(e)のように、液晶表示部124の画面中央に残されたストップスイッチ120cを示す打順表示「3」が消去される。
ただし、本実施形態においては、第1停止に対応する「1」の数字や第2停止に対応する「2」の数字の消去態様と、第3停止に対応する「3」の数字の消去態様は異なる。具体的に、第1停止に対応する「1」の数字や第2停止に対応する「2」の数字は、単純に表示された数字が非表示になるのに対し、第3停止に対応する「3」の数字(部分画像)は、図34(f)のように粉砕され、粉砕された小さな破片500fが発光しながら放射状に広がって、第3停止が実行されたこと(ストップスイッチ120cが押下されたこと)が報知される。その後、小さな破片500fは、図34(g)のように、液晶表示部124の画面上方に移動しつつ集約され、1つの大きな光500gとなる。その後、その光500gは、図34(h)のように、液晶表示部124の画面右下に位置するキャラクタ500bに向かって移動し、最終的にキャラクタ500bに吸収される。ここで、光500gを吸収したキャラクタ500bは、所定の演出を行う。例えば、キャラクタ500bは、自分に注目すべきことを示す台詞「注目でやんす」等を発声する。
ここでは、第3停止の後、数字(部分画像)を粉砕し、それを画面上方で集約させることで、遊技者の視線を光500gに向けさせる。そして、その光500gをキャラクタ500bに移動し、キャラクタ500bがその光をオーラとして纏うことで、遊技者の視線をキャラクタ500bに誘導させている。遊技者は、かかる一連のエフェクト演出により、当該補助演出に従ったことで何らかの遊技利益が発生したこと、および、その遊技利益がキャラクタ500bに関連することを把握できる。
なお、ここでは、部分画像としての第3停止に対応する数字(「3」)を粉砕した後、集約され、キャラクタ500bに移動させる例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、液晶表示部124上で所定の部分画像を変異させて遊技者の視線がその部分画像に向けられれば足りる。したがって、粉砕や集約といった演出が実行されないとしてもよい。また、集約された部分画像としての光500gの移動も、遊技者の視線を所定の領域に誘導しさえすれば、部分画像を様々な軌跡で移動させてもよい。
また、ここでは、特定演出として、遊技者の第3停止に応じて部分画像が液晶表示部124の画面(表示領域)の所定領域に表示され、その後、部分画像の表示態様の変動に基づいて所定領域から画面中のキャラクタ500bの位置へと遊技者の視線を誘導するエフェクト演出を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、特定演出は、遊技者の操作に応じて所定画像が液晶表示部124の表示領域の所定領域に表示され、その後、所定画像の表示態様の変動に基づいて所定領域から表示領域の特定領域へと遊技者の視線を誘導しうるものであれば足りる。
また、ここでは、打順表示500eとして「123」を挙げているので、第3停止を示す打順表示「3」が液晶表示部124の比較的右側に位置している。この場合、光500gは、画面の右側上方で集約され、そこから画面右下のキャラクタ500bに移動する。したがって光500gの移動距離は短い。一方、仮に打順表示500eとして「321」を表示した場合、第3停止を示す打順表示「3」が液晶表示部124の比較的左側に位置することとなる。この場合、光500gは、画面の左側上方で集約され、そこから画面右下のキャラクタ500bに移動する。したがって光500gの移動距離が長くなる。こうして、打順表示500eに応じて、光500gの移動距離、すなわち、遊技者の視線の誘導距離を異ならせることができる。
また、エフェクト演出が実行された後の次遊技において、遊技者がベットスイッチ116を操作すると、エフェクト演出の結果を示す所定の演出(以下、ベット演出という)が実行される。例えば、エフェクト演出が実行された場合、昇格抽選によりキャラクタ500bを囲む枠500dの色を変化させるか否かが決定される。その結果、枠500dの色を変化させることが決定されると、ベット演出として、キャラクタ500bが所定の動作(例えば、団子を食べる動作)を行った後、何らかの遊技利益を得たことを示すように、枠500dの色を変化させる。一方、枠500dの色を変化させることが決定されなかった場合、ベット演出として、例えば、キャラクタ500bが、所定の動作を行った後、更なる遊技利益の付与を望むことを示す台詞(例えば「もっと食べたい」等)を発声する。
ここでは、枠500dの昇格が決定すると、例えば、枠500dの色が順次段階的に変化する(例えば、白色→青色→緑色→赤色の4段階)。ただし、CZポイントが上限値に到達する前に、、図33(c)のように、枠500dの色が最上段階(赤色)まで昇格すると、それ以上、枠500dの色が昇格することはない(赤色を維持する)。したがって、枠500dの色が最上段階まで昇格すると、ベット演出として、キャラクタ500bは、更なる遊技利益の付与を望むことを示す台詞を発声することとなる。かかる枠500dの色は、CZポイントが上限値に到達したときに付与されるアイテム500cの種類に影響する。例えば、枠500dの色に応じ、白色<青色<緑色<赤色の順で強力なアイテム500cが付与されることとなる。例えば、枠500dの色が白色であれば、図33(b)のようにアイテム500cは「槍」であるが、枠500dの色が赤色であれば、図33(d)のようにアイテム500cが「銃」となる。したがって、遊技者は、より強力なアイテム500cが付与されるために、CZポイントが上限値に到達するまでに、枠500dの色が、より上位の段階へ昇格することを望むこととなる。
そして、CZポイントが上限値に到達し、枠500dの色に応じてアイテム500cが付与されると、枠500dの色は白色にリセットされる。
ここでは、ベット演出として、キャラクタ500bを囲む枠500dの色を挙げて説明したが、キャラクタ500b自身の色やキャラクタ500bの背景の色を変化させてもよく、また、色に限らず、キャラクタ500bの形状、大きさ、角度、着衣を変化させるとしてもよい。
このように、本実施形態では、当選種別「1枚チャンス役」に当選した場合に、補助演出実行手段が、補助演出として、当選種別「1枚チャンス役」の当選時に当選役「1枚役」をPB=1で入賞可能な操作態様を報知し、遊技者が、かかる補助演出に従って操作すると、演出制御手段334は、エフェクト演出およびベット演出を実行し、一方で、遊技者が補助演出に従わないと、演出制御手段334は、エフェクト演出およびベット演出を実行しない。したがって、遊技者が補助演出に従わないと、枠500dの色も変化しないので、強力なアイテム500cの付与を望めず、ひいてはAT演出状態への移行確率が低くなる。こうして、遊技者は、図34に示したエフェクト演出により、当該補助演出に従ったことで、何らかの遊技利益が発生したことを把握できるとともに、ベット演出により、枠500dの色が昇格し、それに応じて強力なアイテム500cが付与され、ひいては、AT演出状態への移行確率が高くなることを把握できる。以上のことから、遊技者は、補助演出に従うこととなり、設計者が意図した遊技性で遊技者に遊技を進行させることが可能となる。
また、仮に、遊技者が、補助演出に従わなかったことに気付かなかったとしても、エフェクト演出およびベット演出が実行されないことで違和感を覚え、補助演出に従っていなかったことに気付くことができる。
ただし、図6を参照して理解できるように、当選種別「1枚チャンス役」の当選時に当選役「1枚役」をPB=1で入賞可能な操作態様は、2組ずつ(打順1、2の組み合わせ、打順3、4の組み合わせ、打順5、6の組み合わせ)存在する。したがって、補助演出実行手段が、補助演出として打順1~6のいずれか1つ(例えば、打順1)を報知した場合、遊技者は、報知した操作態様でストップスイッチ120を操作すると、当選役「1枚役」をPB=1で入賞させることができるだけでなく、報知された操作態様ではないものの、報知された操作態様と第1停止が等しい打順(例えば、打順2)で操作した場合でも当選役「1枚役」をPB=1で入賞させることができる。
本実施形態では、当選種別「1枚チャンス役」に当選した場合に、期待獲得枚数が少ない当選役を入賞させる操作態様を補助演出し、遊技者に、かかる補助演出に従って操作させることを目的としている。したがって、このように、報知された操作態様と第1停止が等しい打順(例えば、打順2)で操作した場合も、本実施形態の目的には叶っていると言える。ここで、報知された操作態様と第1停止が等しい打順で操作した場合に、報知された操作態様と第1停止から異なる打順(例えば、打順3、4、5、6)で操作した場合同様、エフェクト演出およびベット演出も実行しないとすると、報知された操作態様と第1停止が等しい打順で操作した場合の遊技利益が意図せず低くなりすぎてしまう。一方、報知された操作態様と第1停止が等しい打順で操作した場合も、エフェクト演出およびベット演出を実行するとなると、遊技者が、補助演出に従う必要がないと誤解するおそれがある。そこで、本実施形態では、遊技者が補助演出に従わなかった場合であっても、その操作態様(入賞した当選役、もしくは、払出枚数)により、演出の内容を異ならせる。具体的に、遊技者が、報知された操作態様と第1停止が等しい打順で操作した場合には、エフェクト演出およびベット演出のいずれか一方(ここではベット演出)を実行する。
かかる構成では、補助演出に従うと、エフェクト演出が実行され、補助演出に従わないとエフェクト演出が実行されない。こうして、遊技者は、エフェクト演出により、当該補助演出に従ったことで、何らかの遊技利益が発生したことを把握できる。そして、遊技者が、報知された操作態様、または、報知された操作態様と第1停止が等しい打順で操作した場合には、ベット演出が実行され、その他の打順で操作した場合には、ベット演出が実行されない。こうして、遊技者が、操作を間違えてしまい、報知された操作態様と第1停止が等しい打順で操作した場合であっても、適切に遊技利益を得ることが可能となる。
なお、ここでは、当選種別「1枚チャンス役」の当選において、第3停止の押下のタイミングでエフェクト演出を実行する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、第3停止の押下の解除のタイミングでエフェクト演出を実行してもよい。また、補助演出に従っているか否かは第2停止のタイミングでも判定できるため、第2停止の押下のタイミングまたは第2停止の押下の解除のタイミングでエフェクト演出を実行してもよい。
(差枚数管理における演出)
ところで、図8を用いて説明したように、非AT演出状態において所定の条件を満たすと、演出状態制御手段は、演出状態をAT演出状態に移行させる。かかるAT演出状態では、補助演出を受け得る様々な遊技機会に関する所定の終了条件を満たすまで、補助演出が継続的に行われる。終了条件としては、例えば、入賞した当選役の払出枚数と、その遊技に費やした規定数との差である差枚数が所定差枚数以上となること(差枚数管理)、払出枚数が所定払出枚数以上になること(払出枚数管理)、消化した遊技数が所定遊技数以上となること(遊技数管理)、最大の払い出し(ここでは7枚)を受ける当選役を入賞させることが可能な補助演出の回数であるナビ回数が所定ナビ回数以上になること(ナビ回数管理)が挙げられる。このうち、本実施形態では、差枚数管理を例示する。かかる差枚数管理において、遊技者は、AT演出状態(所定の演出状態)中に液晶表示部124に表示された、遊技者が獲得可能な差枚数の残りを示す残差枚数と、遊技者が実際に獲得した差枚数の総数を示す総差枚数とを通じて、獲得可能なメダルの枚数を把握することができる。
演出状態制御手段314は、AT演出状態への移行が決定されると、図8で示したように、まず、演出状態を特化AT演出状態に移行し、終了条件として所定差枚数を決定する。その後の通常AT演出状態の開始時には、残差枚数は所定差枚数(例えば、300)と等しく、総差枚数は0である。そして、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態において、残差枚数から獲得した差枚数を減じ、その値が0となると(差枚数が所定差枚数以上となると)、AT演出状態を終了する。
このようにAT演出状態で差枚数管理を行うと、以下のような攻略性が生じ得る。例えば、当選種別「打順ベル」に当選し、補助演出実行手段が、補助演出として、当選役「7枚役」の入賞が可能な操作態様を報知した場合、遊技者は、その補助演出に従うことで、当選役「7枚役」を入賞させることが可能となる。この場合、払出枚数7枚と規定数3枚の差である差枚数4枚が残差枚数から減じられる。しかし、当選種別「打順ベル」に当選した場合に、遊技者が、補助演出に従わず、不正解操作態様で操作した場合、期待獲得枚数が0.5枚となり、差枚数は、-3枚または-2枚となる。すなわち、残差枚数は減じられない。そうすると、遊技者は、不正解操作態様での操作を続けることで残差枚数を維持し、AT演出状態を意図的に延長することができる。そうすると、遊技者は、メダルの消費を抑えつつ、レア役の当選を待つなどして、AT演出状態における遊技利益、例えば、差枚数の上乗せ抽選の機会を不正に増やすことができる。
そこで、最大の払い出しを得られる補助演出が行われた場合、遊技者が補助演出に従ったか否かに拘わらず、遊技者が本来得られるはずの差枚数を残差枚数から減じることとする。例えば、当選種別「打順ベル」に当選し、補助演出実行手段が、補助演出として、当選役「7枚役」の入賞が可能な操作態様を報知した場合、遊技者が、その補助演出に従ったか否かに拘わらず、残差枚数から差枚数として払出枚数7枚と規定数3枚の差である4枚を減じる。そうすると、遊技者は、遊技利益を無駄に逃してしまうのを回避するため、意図的に不正解操作態様で操作しなくなる。
ただし、遊技者が補助演出に従わずに不正解操作態様でストップスイッチ120を操作するのは、意図的に行う場合のみならず、単純に操作を間違えた場合でも生じうる。スロットマシン100では、その不正解操作態様での操作が意図的であるか否かは判断できないので、やはり、補助演出に従ったか否かに拘わらず、残差枚数から、差枚数として払出枚数7枚と規定数3枚の差である4枚が減じられることとなる。しかし、遊技者が、意図せず、間違って不正解操作態様での操作を行ってしまい、それに気付いた場合においてまで、正解操作態様での操作同様の演出が実行されると、その演出を不快に思う場合もある。以下、差枚数管理での演出を説明し、不快感を払拭する対策を述べる。
図35および図36は、差枚数管理の演出の一例を示した説明図である。例えば、通常AT演出状態において、補助演出実行手段は、演出制御手段334を通じ、液晶表示部124上で補助演出を実行する。ここでは、1セットの所定差枚数が300枚であったとする。例えば、演出制御手段334は、通常AT演出状態の開始時に、図35(a)のように、液晶表示部124の左上に残差枚数502aとして「300」を表示し、右上に総差枚数502bとして「0」を表示する。ここで、ベットスイッチ116を操作してベットを行った後、スタートスイッチ118を操作すると(遊技を開始すると)、図35(b)のように、括弧内の数値で示した総差枚数502bの内部値(メインRAM200cで管理される値)が、「0」から規定数3枚が減じられて「-3」となる。しかし、通常AT演出状態にも拘わらず、総差枚数502bが負になると遊技者が違和感を覚えるおそれがある。そこで、図35(b)のように、総差枚数502bの内部値が負となる場合、総差枚数502bとしては、実際は負であっても、見た目上「0」を表示する。そして、スタートスイッチ118の操作に応じ、例えば、当選種別「打順ベル」に当選し、補助演出実行手段が、補助演出として、当選役「7枚役」の入賞が可能な操作態様(第1操作)を報知した場合、遊技者が補助演出に従うことで(第1操作が行われることで)当選役「7枚役」が入賞し、残差枚数502aおよび総差枚数502bには払出枚数7枚が加えられる。
具体的に、液晶表示部124上では、残差枚数502aおよび総差枚数502bがメダルの払い出し(もしくはクレジットへの加算)に応じて以下のように変化する。すなわち、総差枚数502bの内部値は、メダルの払い出しに応じ、図35(b)の内部値「-3」→図35(c)の内部値「-2」→図35(d)の内部値「-1」→図35(e)の内部値「0」→図35(f)の内部値「1」→図35(g)の内部値「2」→図35(h)の内部値「3」→図35(i)の内部値「4」と1枚ずつインクリメントされる。ただし、上述したように、総差枚数502bの内部値が負となる場合、総差枚数502bには見た目上「0」を表示するので、総差枚数502bは、メダルの払い出しに応じ、図35(b)の総差枚数「0」→図35(c)の総差枚数「0」→図35(d)の総差枚数「0」といったように、「0」を維持した後、図35(e)の総差枚数「0」→図35(f)の総差枚数「1」→図35(g)の総差枚数「2」→図35(h)の総差枚数「3」→図35(i)の総差枚数「4」と1枚ずつインクリメントされる。残差枚数502aは、メダルの払い出しに応じて、図35(b)の残差枚数「300」→図35(c)の残差枚数「299」→図35(d)の残差枚数「298」→図35(e)の残差枚数「297」→図35(f)の残差枚数「296」→図35(g)の残差枚数「295」→図35(h)の残差枚数「294」→図35(i)の残差枚数「293」と1枚ずつ段階的にデクリメントされる。こうすることで、遊技者は、メダルの獲得に応じて残差枚数502aと総差枚数502bが変化するのを、視覚的に認識することが可能となる。なお、ここでは、残差枚数502aと、総差枚数502b(総差枚数502bの内部値)とを同期させて更新する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、両者の更新タイミングをずらしたり、一方の更新間隔を他方より早めたり等、独立して更新させることができる。
上記の例において、仮に、遊技者が、正解操作態様での操作を行わず、不正解操作態様での操作を行ったとする。例えば、演出制御手段334は、通常AT演出状態中に、図36(a)のように(図35(i)が終了した状態)、液晶表示部124の左上に残差枚数502aとして「293」を表示し、右上に総差枚数502bとして「4」を表示している。ここで、ベットスイッチ116を操作してベットを行った後、スタートスイッチ118を操作すると、図36(b)のように、残差枚数502aは「293」で変化しないが、総差枚数502bは規定数3枚が減じられて「1」となる。なお、ここでは、総差枚数502bの内部値は正の値なので、総差枚数502bと内部値とが等しくなる。そして、スタートスイッチ118の操作に応じ、例えば、当選種別「打順ベル」に当選し、補助演出実行手段が、補助演出として、当選役「7枚役」の入賞が可能な操作態様(第1操作)を報知したが、遊技者が補助演出に従わずに(第1操作以外の操作を行い)当選役「1枚役」が入賞したとする。この場合、遊技者の操作が正解操作態様であったか否かに拘わらず、当選役「7枚役」を入賞可能な補助演出が実行されたことに基づいて、残差枚数502aから最大の払い出しとなる7枚が減じられる。一方、総差枚数502bは、実際にはメダルを1枚しか獲得していないので、払出枚数1枚が加えられて「2」となる。遊技者が、不正解操作態様での操作を行った場合においてまで、図35に示したように、差枚数として1枚ずつデクリメントすると、実際には、7枚のメダルを獲得していないのに、7枚獲得したかのような演出が行われることとなり、間違った操作を行ったことに気付いている遊技者が不快に思う場合もある。
そこで、本実施形態においては、遊技者が補助演出(第1操作の報知)に従って操作(第1操作)した場合と、補助演出に従わずに操作(第1操作以外の操作)した場合とで、演出(挙動)を異ならせる。具体的に、液晶表示部124上では、残差枚数502aおよび総差枚数502bが、メダルの払い出し(もしくはクレジットへの加算)に拘わらず以下のように変化する。すなわち、残差枚数502aは、図36(b)の残差枚数「293」→図36(c)の残差枚数「286」に、1ずつ段階的にデクリメントすることなく、一度に変化する。同様に、総差枚数502bは、図36(b)の総差枚数「1」→図36(c)の総差枚数「2」に一度に変化する。こうすることで、遊技者は、獲得していないメダルがデクリメントされる演出を視認しないので、不快になることがない。
また、残差枚数502aの減り方が異なることで、不正解操作態様で操作したことに気付かなかった遊技者も、実行した操作が不正解操作態様であったことを事後的に把握することが可能となる。
なお、AT演出状態において差枚数の上乗せ、例えば、差枚数30枚の上乗せが生じた場合、遊技者が補助演出に従ったか否かに拘わらず、補助演出に従わなかった場合同様、残差枚数502aを一度に加える。これは、上乗せは払い出しではないので、払い出しに合わせる演出が不要であるからである。
なお、遊技者がAT演出状態におけるストップスイッチ120の操作を理解しておらず、不正解操作態様での操作が連続して、残差枚数502aが0に到達し、本来AT演出状態を終了すべきタイミングで、総差枚数502bが所定の下限差枚数(例えば、130枚)未満である場合、遊技補償(救済措置)として、残差枚数502aに強制的に所定の追加差枚数(例えば、10枚)を加算する。こうして、遊技者は、AT演出状態を継続することができる。また、その残差枚数502aが再度0になった場合においてもやはり総差枚数502bが下限差枚数未満であれば、下限差枚数になるまで、追加差枚数の加算を繰り返すとしてもよい。こうして、遊技者は、下限差枚数分の最低補償を得ることができるので、最低限の遊技利益を獲得することが可能となる。
図37は、差枚数管理の処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここでは、AT演出状態において、補助演出実行手段が補助演出を実行し、遊技者がストップスイッチ120の操作を完了すると(第3停止の押下解除時)、主制御基板200から副制御基板202に残差枚数を示す残差枚数コマンドが送信される。かかる残差枚数コマンドは、8ビットのカウントダウンフラグと24ビットの判定後残差枚数の計32ビットの構造となっている。ここで、カウントダウンフラグは、メインRAM200cで管理され、遊技者が補助演出に従って操作したか否かを示すフラグであり、遊技者が補助演出に従って操作していれば1が、補助演出に従って操作していなければ0が記述されている。また、メインRAM200cで管理される判定後残差枚数には、遊技者がストップスイッチ120の操作を完了し、有効ラインA上に表示された図柄組合せに基づいてメダルの払い出しが行われた結果の残差枚数が記述されている。また、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示している残差枚数502aを、メインRAM200cで管理される過去残差枚数として保持している。
演出制御手段334は、残差枚数コマンドを受信すると、カウントダウンフラグが1であるか否か判定する(S500)。その結果、カウントダウンフラグが1であれば(S500におけるYES)、残差枚数コマンドの判定後残差枚数が過去残差枚数未満であるか否か判定する(S502)。その結果、残差枚数コマンドの判定後残差枚数が過去残差枚数未満であれば(S502におけるYES)、表示された残差枚数502aを、残差枚数コマンドの判定後残差枚数まで2フレーム毎に1ずつデクリメントする(S504)。そして、残差枚数コマンドの判定後残差枚数を過去残差枚数に上書きする(S506)。こうして、遊技者は、メダルの獲得枚数を、1枚ずつ視覚的に認識することが可能となる。
また、カウントダウンフラグが0であれば(S500におけるNO)、もしくは、残差枚数コマンドの判定後残差枚数が過去残差枚数以上であれば(S502におけるNO)、表示された残差枚数502aを、残差枚数コマンドの判定後残差枚数まで一度に更新し(S508)、残差枚数コマンドの判定後残差枚数を過去残差枚数に上書きする(S506)。こうして、遊技者は、獲得していないメダルが1枚ずつデクリメントされる演出を視認しないので、不快になることがない。また、残差枚数の減り方が異なることで、遊技者は、実行した操作が不正解操作態様であることを把握することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、遊技者が補助演出に従って操作した場合、残差枚数502aを1ずつデクリメントする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、段階的であれば、複数枚数ずつデクリメントしてもよい。
また、上述した実施形態では、遊技者が補助演出に従ったか否かに応じて、残差枚数502aのデクリメント態様および総差枚数502bのインクリメント態様を異ならせる例を挙げて説明したが、ベットスイッチ116を操作した場合やリプレイ役が入賞した場合に適用するとしてもよい。例えば、遊技者が補助演出に従って操作した場合の次遊技でベットスイッチ116を操作すると、総差枚数502bが1ずつデクリメントされ、遊技者が補助演出に従わずに操作した場合の次遊技でベットスイッチ116を操作すると、総差枚数502bが一度に更新されるとしてもよい。また、遊技者が補助演出に従って操作してリプレイ役が入賞した次遊技においては、総差枚数502bが自動的に1ずつデクリメントされ、遊技者が補助演出に従わずに操作してリプレイ役が入賞した次遊技においては、総差枚数502bが自動的に一度に更新されるとしてもよい。
また、上述した実施形態では、所定の演出状態(AT演出状態)において、差枚数管理における残差枚数を表示し、補助演出に従って操作が行われると残差枚数を段階的に変化させ、補助演出に従わずに操作が行われると残差枚数を一度に変化させる例を挙げて説明した。しかし、残差枚数に限らず、所定の演出状態において遊技の進行に応じて更新されるカウンタ値であれば足り、例えば、払出枚数管理における払出枚数、遊技数管理における消化した遊技数、ナビ回数管理におけるナビ回数等、様々なカウンタ値に適用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上述した実施形態では、リール110が3リール(リール110a、110b、110c)であり、これに対応して、ストップスイッチ120が3つ(ストップスイッチ120a、120b、120c)の場合を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、リール110が2つ、もしくは4つ以上であり、これに対応して、ストップスイッチ120が2つ、もしくは4つ以上となる場合にも上記の実施形態を適用できる。
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上記した実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(所謂メダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。