以下、発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する発光装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、一つの実施形態において説明する内容は、他の実施形態及び変形例にも適用可能である。さらに、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。あるいは、説明で参照しない構成要素に参照符号を付さない場合がある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。
(実施形態)
図1は、本開示による実施形態の発光装置1000の概略斜視図である。図2Aは、発光装置1000の概略上面透視図である。
図1には、互いに直交するx軸、y軸およびz軸を示す矢印があわせて示されている。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。図1に例示する構成において、発光装置1000の上面視における外形は、概ね矩形形状を有している。矩形形状の外形の各辺は、図中に示すx軸またはy軸に平行である。z軸は、x軸およびy軸に垂直である。なお、発光装置1000の上面視における外形は矩形状でなくてもよい。
図2Bおよび図2Cは、それぞれ、図1に示すy軸方向およびx軸方向から見たときの発光装置1000の概略側面図である。
図2Bおよび図2Cに示すように、発光装置1000は、表面実装用のパッケージ100と、複数の発光素子50と、複数の発光素子50を封止するモールド樹脂60とを備える。
パッケージ100は、複数のリード10および暗色系樹脂40を含む。複数のリード10のうち1つ以上のリードは、発光素子50を配置するための第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23(以下、「凹部20」と総称することがある)を有している。図1に示すように、複数のリード10のうちの3つのリードが、それぞれ、1つずつ凹部20を有していてもよい。あるいは、1つのリードが2以上の凹部20を有していてもよい。
複数の発光素子50は、それぞれ、対応する1つの凹部20に配置されている。複数の発光素子50は、第1光を発する第1発光素子51と、第1光よりも短波長側の第2光を発する第2発光素子52と、第2光よりも短波長側の第3光を発する第3発光素子53とを含む。第1発光素子51は、第1凹部21に配置されている。第2発光素子52は第2凹部22に配置されている。第3発光素子53は第3凹部23に配置されている。
モールド樹脂60は、ベース部61、および、ベース部61と一体的に形成された複数のレンズ部70を有する。複数のレンズ部70のそれぞれは、複数の発光素子50のうちの対応する1つの発光素子の上方(出射側)に配置され、その発光素子の発する色と同系色に着色されている。
本実施形態によると、表面実装用のパッケージ100を備えた、リフローはんだによって実装可能な多色の発光装置1000が提供される。
本実施形態では、各発光素子50は、リード10の凹部20に配置され、かつ、各発光素子50の出射側にはレンズ部70が設けられている。これにより、従来のSMDタイプの発光装置よりも高い効率で正面方向に光を取り出すことができる。詳細は後述する。
さらに、各発光素子50の出射側に配置されたレンズ部70は、その発光素子50の発光色と同系色に着色されている。これにより、発光素子50の点灯時には発光色を妨げることなく、発光素子50の消灯時に、リード10の凹部20周辺で外光が反射することによるコントラストの低下を抑制できる。また、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53が全て消灯している時には、3つのレンズ部70の色の減法混色によって、各レンズ部70は、着色された色よりも暗い色、すなわち明度の低い色に見える。このような効果を「暗色効果」と呼ぶ。暗色効果によって、発光装置1000の出射面が暗く見えるので、表示コントラストをさらに向上できる。
以下、各構成要素を詳細に説明する。
[パッケージ100]
図2Dは、図2Aに示す2D-2D線における、パッケージ100および発光素子50を示す概略断面図である。
パッケージ100は、主面100aと、主面100aの反対側の裏面100bとを有する。図2Aに例示する構成では、上面視におけるパッケージ100の主面100aの形状は四角形である。主面100aの四角形の各辺は、x軸またはy軸に平行である。なお、上面視における主面100aの形状は、四角形以外の形状を有していてもよく、例えば、略三角形、略四角形、略五角形、略六角形又は他の多角形形状や円形形状や楕円形状等の曲線を有する形状を有していてもよい。
パッケージ100の裏面100bは、発光装置1000を実装基板に固定する際の、各リード10の実装面を含む。パッケージ100の裏面100bには、凹部102が設けられていてもよい。ここでは、例えば、四角錐台形の凹部102が設けられている。
パッケージ100は、複数のリード10と、複数のリード10の少なくとも一部を固定する暗色系樹脂40とを含む。暗色系樹脂40は、複数のリード10と一体的に形成されている。パッケージ100は、トランスファーモールド成形、インサート成形などによって形成され得る。
[リード10]
複数のリード10は、それぞれ、導電性を有し、対応する発光素子50に給電するための電極として機能する。
図2Dに例示した構成では、複数のリード10のそれぞれは、パッケージ100の主面100aに露出する部分を含む第1部分91と、パッケージ100の裏面100b側に位置する第3部分93と、第1部分91と第3部分93との間に位置し、かつ、パッケージ100の側面に沿って延びる第2部分92とを有するように折り曲げられている。第3部分93は、パッケージ100の側面から外側に延びてもよいし、内側に延びてもよい。第3部分93の裏面は、パッケージ100の裏面100bに露出しており、発光装置1000を実装基板に固定する際の実装面となる。
複数のリード10のそれぞれは、パッケージ100の主面100aに暗色系樹脂40から露出した露出領域30を有している。露出領域30は、発光素子50と電気的に接続するためのワイヤボンディングに使用される。
複数のリード10のうち1つ以上のリードは、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23を有している。第1凹部21には第1発光素子51が実装される。同様に、第2凹部22には第2発光素子52、第3凹部23には第3発光素子53が実装される。
第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23は、複数のリード10の露出領域30のいずれか1つ以上に配置されている。
第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23は、それぞれ、3つの異なるリード10の露出領域30に配置されていてもよい。これにより、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53の放熱経路を互いに分離できるので、各発光素子50で生じた熱を効率よく放熱できる。
または、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23のうちの少なくとも2つの凹部は、1つのリード10の露出領域30に配置されていてもよい。これにより、少なくとも2つの凹部20の間隔を狭くできるので、パッケージ100のサイズを小さくできる。例えば、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23が、いずれも、1つのリード10に配置されていてもよい。第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23のうちの2つの凹部が1つのリード10に配置され、残りの1つの凹部が他のリード10に配置されていてもよい。言い換えると、複数のリード10のうちの1つのリードの露出領域30に、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23のうちの2つの凹部が配置され、その1つのリードと同じまたは異なるリードの露出領域30に、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23のうちの他の1つの凹部(すなわち上記2つの凹部以外の1つの凹部)が配置されていてもよい。
凹部20の形状は、平面視において、円形または楕円形であってもよい。図2Aに示す例では、凹部20は、x軸方向に長軸を有する楕円形状を有する。凹部20および後述するレンズ部70の形状によって、x軸方向とy軸方向とで指向特性を異ならせることができる。なお、凹部20の平面視における形状は、円形および楕円形以外の形状であってもよい。
複数のリード10のそれぞれは、ワイヤを介して、発光素子50の少なくとも1つに電気的に接続されている。本明細書では、リード10の露出領域30のうちワイヤが接続された部分を「ワイヤ接続部」と呼ぶ。各リード10は、露出領域30のうち第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23を除く領域に、ワイヤ接続部を少なくとも1つ有している。ワイヤ接続部は、各リード10の露出領域30のうちレンズ部70で覆われる部分に配置されてもよい。
複数のリード10の露出領域30のうち第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23を除く領域の表面粗さは、複数のリード10の露出領域30以外の領域の表面粗さよりも大きくてもよい。これにより、パッケージ100の主面100aに入射する外光等の光を散乱させることができる。この結果、外光反射が抑制されるので、外光反射に起因するコントラストの低下を抑制できる。
複数のリード10は、表面にメッキ層などの金属層を有してもよい。リード10の光沢度(メッキ層などの金属層を有する場合には、金属層の光沢度)は特に限定されない。例えば、複数のリード10の露出領域30のうち、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23の光沢度G1と、露出領域30のうち第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23を除く領域の光沢度G2と、複数のリード10の表面のうち露出領域30以外の領域、すなわち暗色系樹脂40に覆われている領域の光沢度G3とが、それぞれ、設定されていてもよい。リード10の各領域の光沢度を調整することで、発光装置1000の外光反射を抑制しつつ、明るさを向上させることができる。なお、各領域の光沢度は、例えば、その領域の表面粗さによって調整され得る。具体的には、リード10の表面のうち表面粗さの大きい領域の光沢度は、表面粗さの小さい領域の光沢度よりも低くなる。表面にメッキ層などの金属層を有している複数のリード10の場合、各領域の光沢度は、例えば、複数のリード10の素地(メッキ層の下地)の粗さや、メッキ液に添加する光沢剤の量により調整することができる。
露出領域30のうち第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23の光沢度G1は、所望の指向特性に合わせて、0以上2.0以下の範囲から選択されることが好ましい。光沢度G1が低い場合は、リード10の各凹部20に配置された発光素子50から出射した光が、凹部20の表面で散乱するので、指向角を広くできる。指向角をより効果的に広げるためには、光沢度G1は、例えば0以上0.8未満であることが好ましい。一方、光沢度G1が高い場合は、各凹部20に配置された発光素子50から出射した光は、凹部20表面で散乱されにくいので、指向角を狭くできる。指向角を狭くすることで、正面方向への光の取り出し効率を向上できる。光の取り出し効率より効果的に高めるためには、光沢度G1は、例えば0.8以上であることが好ましい。
露出領域30のうち第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23を除く領域の光沢度G2は、コントラストを向上させる観点から、低く設定されることが好ましい。光沢度G2を低く設定することで、太陽光などの外光をリード10の表面で散乱させることができるので、外光反射に起因するコントラストの低下を抑えることができる。光沢度G2は、例えば0以上0.2以下であることが好ましい。光沢度G2は、光沢度G1よりも低くてもよい。例えば、露出領域30のうち凹部20を除く領域の表面粗さを、各凹部20の表面粗さよりも大きくすることで、光沢度G2を光沢度G1よりも低くできる。リード10の表面粗さを部分的に異ならせる方法は特に限定しない。例えば、銅などの基材(以下、「リード基材」と呼ぶ。)に第1メッキ層を形成し、第1メッキ層の一部上のみに、第1メッキ層とは表面粗さの異なる第2メッキ層を形成してもよい。これにより、第1メッキ層が露出している部分と、第2メッキ層を形成した部分とで、表面粗さを異ならせることができる。詳細は後述する。
複数のリード10の表面のうち暗色系樹脂40で覆われた領域は、粗面化されていることによって低い光沢度G3を有することが好ましい。リード10の表面のうち暗色系樹脂40で覆われた領域を粗面化することで、暗色系樹脂40との密着性を高くできる。光沢度G3は、光沢度G1よりも低くてもよい。光沢度G3は、光沢度G2と同程度であってもよい。光沢度G3は、例えば0以上0.2以下であってもよい。
光沢度は、各種光沢計を用いて測定することができる。本明細書では、JIS Z 8722条件aで規定される方法に準拠してリード10の表面の反射率Yを測定し、反射率Yから光沢度を算出する。反射率Yの測定には、日本電色工業製微小面積色差計VSR-300Aを用いる。
図9は、反射率Yの測定方法を示す概略断面図である。図9に示すように、測定する試料161(ここではリード10)を設置し、試料161の表面の法線に対してプラス45度およびマイナス45度傾斜した方向に、それぞれ、光源163を配置する。また、試料161の法線方向(法線に対する角度:0度)に受光器165を配置する。光源163から試料161に光を入射させ、試料161で法線方向に反射した光を受光器165で受光することにより、反射率Yを測定する。反射率Yは、入射光に対する、試料161で法線方向に反射した光の割合(%)である。光沢度は、2-LogYにより求めることができる。
本実施形態では、複数のリード10は、複数対のリードを含む。各リード対の一方は、発光素子50を配置するための凹部20を有してもよい。
図2Aに示す例では、複数のリード10は、第1凹部21を有する第1リード11aと、第2凹部22を有する第2リード12aと、第3凹部23を有する第3リード13aとを含む。
複数のリード10は、さらに、第4リード11bと、第5リード12bと、第6リード13bとを含む。第1リード11aおよび第4リード11bは第1リード対、第2リード12aおよび第5リード12bは第2リード対、第3リード13aおよび第6リード13bは第3リード対をそれぞれ構成している。第1リード対は、ワイヤ81、84を介して第1発光素子51に電気的に接続されている。第2リード対は、ワイヤ82、85を介して第2発光素子52に電気的に接続されている。第3リード対は、ワイヤ83、86を介して第3発光素子53に電気的に接続されている。
第1リード11a、第2リード12a、第3リード13a、第4リード11b、第5リード12bおよび第6リード13bは、それぞれ、パッケージ100の主面100aに露出した露出領域30を有している。本明細書では、第1リード11a、第2リード12a、第3リード13a、第4リード11b、第5リード12bおよび第6リード13bにおける露出領域30を、それぞれ、第1領域31、第2領域32、第3領域33、第4領域34、第5領域35および第6領域36と呼ぶ。
第1領域31は、第1凹部21と、第1凹部21の周辺に位置する周辺部31rとを含む。周辺部31rは、第1領域31のうち第1凹部21を除く領域を指す。同様に、第2領域32は、第2凹部22と、第2凹部22の周辺に位置する周辺部32rとを含み、第2領域32は、第2凹部22と、第3凹部23の周辺に位置する周辺部33rとを含む。
第1領域31の周辺部31rの表面粗さは、第1リード11aにおける第1領域31以外の領域の表面粗さよりも大きくてもよい。同様に、第2領域32の周辺部32rおよび第3領域33の周辺部33rの表面粗さは、それぞれ、第2リード12aにおける第2領域32以外の領域および第3リード13aにおける第3領域33以外の領域の表面粗さよりも大きくてもよい。
第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23は、平面視において、第1の方向(ここではy軸方向)に配置されていてもよい。あるいは、図2Aに例示するように、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23のうち、x軸方向またはy軸方向において中央に位置する凹部(ここでは第2凹部22)の中心が、他の2つの凹部の中心を結ぶ線上に位置しないように配置されていてもよい。これにより、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53をより近接して配置することができる。また、パッケージ100の主面100aの面積を低減できる。
図2Aに例示する構成では、パッケージ100の主面100aにおいて、第1リード対、第2リード対および第3リード対は、y軸方向に配列されている。主面100aにおいて、各リード対を構成する2つのリードの端部は、互いに離間して、対向して配置されている。例えば、主面100aにおいて、第1リード対では、第1凹部21を有する第1リード11aは、第4リード11bの左側(-x側)に位置している。第3リード対でも、同様に、第3凹部23を有する第3リード13aは、第6リード13bの左側(-x側)に位置している。一方、第2リード対では、第2凹部22を有する第2リード12aは、第5リード12bの右側(+x側)に位置している。このように、各リード対を構成する2つのリードの位置関係を、隣接する他のリード対と異ならせることで、発光素子50が実装される3つの凹部20をずらして配置することが可能である。
リード10は、基材および基材の表面を被覆する金属層によって構成されていてもよい。基材は、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、又はこれらの合金、燐青銅、鉄入り銅などの金属を含む。これらは単層であってもよいし、積層構造(例えば、クラッド材)であってもよい。基材には銅を用いてもよい。金属層は、例えばメッキ層である。金属層は、例えば、銀、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、銅、又はこれらの合金などを含む。リード10がこのような金属層を有することにより、光反射性及び/又は後述する金属ワイヤ等との接合性を高めることができる。
[暗色系樹脂40]
暗色系樹脂40は、発光素子50と外部とを電気的に遮断させるために絶縁性を有する。暗色系樹脂40のうち少なくともパッケージ100の主面100a側、すなわち発光観測面側に位置する部分は、黒、灰色などの暗色系に着色されている。暗色系樹脂40全体が暗色系に着色されていてもよい。これにより、パッケージ100の主面100aにおいて、外光等が反射することによるコントラストの低下を抑制できる。なお、本明細書における「暗色系」とはマンセル表色(20色相)において、明度4.0以下の色を指す。色相については、特に限定されず、彩度は必要に応じて任意に決定することができる。
図2Dに示すように、暗色系樹脂40は、例えば、パッケージ100の主面100aに略平行な第1樹脂部40aと、主面100aから裏面100bに向かって延びる第2樹脂部40bとを有する。各リード10の第1部分91は第1樹脂部40aに保持され、第2部分92は第2樹脂部40bに保持されている。各リード10の第3部分93の少なくとも実装面は、暗色系樹脂40から露出している。なお、暗色系樹脂40は、複数のリード10を保持することの可能な形状を有していればよく、図示した形状に限定されない。
暗色系樹脂40は、パッケージ100の主面100aにおいて、各リード10のうち、ワイヤボンディングに使用される部分を露出するように配置されている。この例では、図2Aに示すように、暗色系樹脂40は、パッケージ100の主面100aにおいて、第1リード11aの第1領域31、第2リード12aの第2領域32、第3リード13aの第3領域33、第4リード11bの第4領域34、第5リード12bの第5領域35および第6リード13bの第6領域36を露出するように配置されている。パッケージ100の主面100aにおいて、暗色系樹脂40は、少なくとも一部のリード10を部分的に覆っていてもよい。図2A等に示す構成では、暗色系樹脂40は、第4リード11bの一部、第5リード12bの一部および第6リード13bの一部をそれぞれ覆う凸部41を有している。これにより、リード10の露出面積を低減できるので、外光反射をさらに抑制できる。代わりに、図示していないが、暗色系樹脂40は、パッケージ100の主面100aにおいて、第1領域31、第2領域32、第3領域33、第4領域34、第5領域35および第6領域36をそれぞれ露出する開口を有していてもよい。
暗色系樹脂40の材料として、熱膨張率が小さく、かつ、モールド樹脂60との接着性に優れた材料を選択してもよい。暗色系樹脂40の熱膨張率は、モールド樹脂60の熱膨張率と略等しくてもよいし、発光素子50からの熱の影響を考慮して、モールド樹脂60の熱膨張率よりも小さくてもよい。
暗色系樹脂40は、例えば、熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。熱可塑性樹脂として、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリフタルアミド樹脂(PPA)、サルホン系樹脂、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、ポリケトン樹脂(PK)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、PBT樹脂等の熱可塑性樹脂などを用いることができる。なお、これらの熱可塑性樹脂にガラス繊維を含有させたものを熱可塑性材料として使用しても構わない。このようにガラス繊維を含有させることにより、高剛性を有し、高強度なパッケージを形成することが可能である。なお、本明細書において熱可塑性樹脂とは、加熱すると軟化さらには液状化し、冷却すると固化する線状の高分子構造を有する物質をいう。このような熱可塑性樹脂として、たとえばスチレン系、アクリル系、セルロース系、ポリエチレン系、ビニル系、ポリアミド系、フッ(弗)化炭素系の樹脂などがある。
あるいは、暗色系樹脂40は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いて形成されたものでもよい。
暗色系樹脂40の樹脂材料には、暗色系に着色させる着色剤が添加されていてもよい。着色剤として、種々の染料や顔料が好適に用いられる。具体的には、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、カーボンブラックなどが挙げられる。着色剤の添加量は、母材となる樹脂材料に対して、例えば、0.3%以上1.5%以下、好ましくは0.5%以上1.0%以下であってもよい。一例として、熱可塑性樹脂材料として、例えば、ポリフタルアミド(PPA)にカーボン等の暗色系の粒子を少量添加したものを用いてもよい。
[発光素子50]
発光素子50は、半導体レーザー、発光ダイオード等の半導体発光素子である。各発光素子50の発光波長は任意に選択し得る。各発光素子50の発光波長は、複数の発光素子50の点灯時に、白色または電球色の混色光が得られるように選択されてもよい。例えば、第1発光素子51は、赤色を発する赤色発光素子であり、第2発光素子52は、緑を発する緑色発光素子であり、第3発光素子53は、青色を発する青色発光素子であってもよい。発光素子の数および発光色の組み合わせは一例であって、この例に限られない。
青色、緑色の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた発光素子を用いることができる。例えば、サファイア等の支持基板上に、GaNを含む半導体層が形成された発光素子を用いてもよい。赤色の発光素子としては、GaAs、AlInGaP、AlGaAs系の半導体などを用いることができる。例えば、シリコン、窒化アルミニウム、サファイア等の支持基板上に、AlInGaPを含む半導体層が形成された発光素子を用いてもよい。さらに、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。発光素子の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
また、窒化物系半導体等から構成される半導体チップの周囲に、半導体チップの発光を波長変換する蛍光体を配置することによって、任意の発光を得ることができる。本明細書では、「発光素子50」は、窒化物系半導体等から構成される半導体チップだけではなく、半導体チップおよび蛍光体から構成される素子を含む。蛍光体としては、具体的には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウムおよび/若しくはクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(カルシウムの一部をストロンチウムで置換可)、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、ユウロピウムで賦活されたアルミン酸ストロンチウム、マンガンで賦活されたフッ化珪酸カリウムなどを用いることができる。一例として、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53は、いずれも、青色を発光する半導体チップを有してもよい。この場合、これらの発光素子のうちの少なくとも2つにおいて、半導体チップの周囲に蛍光体を配置することによって、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53の発光色を互いに異ならせることができる。
第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53は、それぞれ、樹脂、半田、導電性ペースト等の接合部材によって、複数のリード10のうちの1つ以上のリードにおける第1凹部21の底面、第2凹部22の底面、および第3凹部23の底面に接合されている。
第1発光素子51の正負電極は、それぞれ、ワイヤ81、84によって、第1リード対における第1リード11aおよび第4リード11bのうち主面100aに露出した部分に電気的に接続されている。例えば、ワイヤ81の一端は、第1リード11aの第1領域31のうち第1凹部21以外の領域に接続され、他端は、第1発光素子51の正負電極の一方に接続されている。また、ワイヤ84の一端は、第4リード11bの第4領域34に接続され、他端は、第1発光素子51の正負電極の他方に接続されている。同様に、第2発光素子52の正負電極は、それぞれ、ワイヤ82、85によって、第2リード対における第2リード12aおよび第5リード12bに接続されている。第3発光素子53の正負電極は、それぞれ、ワイヤ83、86によって、第3リード対における第3リード13aおよび第6リード13bに接続されている。
ワイヤ81~86は、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム又はこれらの合金の金属線を用いることができる。この中でも、優れた延性を備える金ワイヤや、金ワイヤよりも反射率が高い金銀合金ワイヤを用いることが好ましい。
[モールド樹脂]
モールド樹脂60は、ベース部61と複数のレンズ部70とを含む。ベース部61とレンズ部70とは一体的に成形されている。後述するように、ベース部61およびレンズ部70は、例えば、キャスティング成形法によって一体的に形成されてもよい。
[ベース部61]
モールド樹脂60におけるベース部61は、パッケージ100の主面100aおよび複数の発光素子50を覆う。ベース部61は、発光素子50を封止するとともに、ベース部61に一体形成されたレンズ部70を所定の位置に保持する機能を有する。
本実施形態では、ベース部61は、例えば、パッケージ100の主面100aの上方に位置する上面61aと、上面61aから連続して形成される側面61bとを有する。図示する例では、ベース部61は、パッケージ100の暗色系樹脂40の上面よりも一回り大きい上面61aを有する四角錘台形を有している。ベース部61の上面61aは、レンズ部70に接する部分と、平面視において複数のレンズ部70に重ならない部分とを含む。ベース部61は、パッケージ100の主面100aのみでなく、裏面100bの少なくとも一部を覆っていてもよい。ここでは、ベース部61の一部は、パッケージ100の裏面100bに形成された凹部102内に配置され、凹部102を構成する暗色系樹脂40の表面の一部に接している。このように、モールド樹脂60のベース部61を、パッケージ100の裏面100bにも配置することで、レンズ部70の剥がれ、ずれ等を抑制でき、レンズ部70をより安定的に保持できる。なお、ベース部61の形状、光透過率などは、特に限定されない。
ベース部61の表面粗さは、特に限定されないが、表示コントラストを向上させる観点から、大きい方が好ましい。例えばベース部61の表面の一部または全体は、粗面化されていてもよい。少なくとも、ベース部61の上面61aのうち平面視において複数のレンズ部70に重なっていない部分は、粗面化されていることが好ましい。ベース部61の側面61bも粗面化されていてもよい。上面61aの表面粗さと側面61bの表面粗さは、同じでもよいし異なっていてもよい。加工のしやすさから、上面61aおよび側面61bの表面粗さは同じであることが好ましい。ベース部61の表面粗さが大きいことで、太陽光などの外光をベース部61の表面で散乱させることができ、反射強度を抑えることができる。これにより、外光反射に起因するコントラストの低下を抑制できる。
ベース部61の上面61aのうち平面視において複数のレンズ部70に重なっていない部分の表面粗さは、例えばレンズ部70の表面粗さよりも大きくてもよい。このような構造は、例えば、ベース部61およびレンズ部70を含むモールド樹脂60を形成した後、ベース部61の表面の所定領域に、ブラスト加工などの粗面化加工を行うことで得られる。または、モールド樹脂60の形成に、内表面の一部が粗面化されたキャスティングケース(図4参照)を用いてもよい。後で詳述するが、例えば、キャスティングケースの内表面のうち、ベース部61の上面61aを形成する部分を粗面化しておくことで、ベース部61の上面61aのうち平面視において複数のレンズ部70に重なっていない部分の表面粗さを大きくできる。
ベース部61の上面61aの算術平均粗さRaは、0.4μm以上5μm以下が好ましい。より好ましくは、Raは0.8μm以上3μm以下である。ベース部61の側面61bのRaも、上記と同様の範囲であってもよい。Raは、JIS B 0601-2001の表面粗さの測定方法に準拠して、測定することができる。具体的には、Raは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)としたとき次式で表される。
Raの測定には、接触式表面粗さ測定機、レーザー顕微鏡などを用いることができる。本明細書では、キーエンス製レーザー顕微鏡VK-250を用いる。
ベース部61は、複数の発光素子50のそれぞれのピーク波長において90%以上の光透過率を有することが好ましい。これにより、発光装置1000の光取り出し効率をさら
に向上できる。
[レンズ部70]
モールド樹脂60において、複数のレンズ部70は、それぞれ、ベース部61から上方に突出した凸形状を有する。
複数のレンズ部70のそれぞれは、発光素子50の1つに対応付けて配置されている。本実施形態では、複数のレンズ部70は、平面視において、第1凹部21および第1発光素子51を覆う第1レンズ部71と、第2凹部22および第2発光素子52を覆う第2レンズ部72と、第3凹部23および第3発光素子53を覆う第3レンズ部73とを含む。このため、平面視において、第1レンズ部71は、第1凹部21および第1発光素子51と重なり、第2レンズ部72は、第2凹部22および第2発光素子52と重なり、第3レンズ部73は、第3凹部23および第3発光素子53と重なっている。各レンズ部70は、対応する発光素子50が配置された露出領域30のうち凹部20以外の少なくとも一部をさらに覆っていてもよい。
図2Aに示すように、第1レンズ部71は、第1領域31全体を覆い、第2レンズ部72は、第2領域32全体を覆い、第3レンズ部73は、第3領域33全体を覆っていてもよい。すなわち、平面視において、第1レンズ部71は、第1領域31全体と重なり、第2レンズ部72は、第2領域32全体と重なり、第3レンズ部73は、第3領域33全体と重なっていてもよい。第1レンズ部71は、さらに、第4リード11bの第4領域34の少なくとも一部を覆っていてもよい。同様に、第2レンズ部72は、第5リード12bの第5領域35の少なくとも一部を覆い、第3レンズ部73は、第6リード13bの第6領域36の少なくとも一部を覆っていてもよい。すなわち、平面視において、第1レンズ部71は、さらに、第4リード11bの第4領域34の少なくとも一部と重なり、第2レンズ部72は、第5リード12bの第5領域35の少なくとも一部と重なり、第3レンズ部73は、第6リード13bの第6領域36の少なくとも一部と重なっていてもよい。
第1レンズ部71は、第1発光素子51の発する第1光と同系色に着色されている。第2レンズ部72は、第2発光素子52の発する第2光と同系色に着色されている。第3レンズ部73は、第3発光素子53の発する第3光と同系色に着色されている。第1発光素子51の発する第1光は、第1レンズ部71を透過して、発光装置1000の出射面から出射する。同様に、第2発光素子52の発する第2光および第3発光素子53の発する第3光は、それぞれ、第2レンズ部72および第3レンズ部73を透過して、発光装置1000の出射面から出射する。
本明細書において、「同系色」とは、マンセル表色系(20色相)において、色相が色相環の3レンジ以内であり、且つ、明度が3レンジ以内であり、且つ、彩度が3レンジ以内であることを意味する。すなわち、マンセル表色系(20色相)の等色相面において、色相、明度、彩度とも両隣までが同系色とする。
第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73は、それぞれ、平面視において、楕円形状を有している。楕円形の長軸は、所定方向(ここではx軸方向)に沿った長軸を有する。なお、各レンズ部70の平面視における形状および配置は、光の配光性、集光性等を考慮して適宜選択され得る。
本実施形態では、各発光素子50の上方(出射側)に配置されたレンズ部70によって、発光装置1000の指向特性を、水平方向に広く、かつ、垂直方向に狭くなるように制御できる。図示する例では、レンズ部70は、平面視において、x軸方向に長軸を有する楕円形状を有するので、x軸方向に広く、y軸方向に狭い指向特性が得られる。このような指向特性を有する発光装置1000は、LEDディスプレイなどの表示装置に特に好適に使用され得る。
第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73の光軸は、それぞれ、円形または楕円形を有する第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23の中心と一致していてもよい。これにより、発光装置1000の指向特性の制御性をさらに向上できる。
平面視において、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73は、一列に配置されてもよい。あるいは、図2Aに例示するように、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73のうちx軸方向またはy軸方向において中央に位置するレンズ部(ここでは第2レンズ部72)の中心は、他の2つのレンズ部の中心を結ぶ線上に位置していなくてもよい。このように、レンズ部70をずらして配置することで、発光装置1000を小型化できる。また、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73をより近接して配置できるので、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73の3つの色の混合による暗色効果をさらに向上できる。
レンズ部70の表面粗さは、特に限定されないが、正面方向への光の取り出し効率を確保するためには、小さい方が好ましい。レンズ部70の表面粗さは、ベース部61の上面61aの表面粗さよりも小さくてもよい。レンズ部70は粗面化されていないことが好ましい。レンズ部70のRaは、例えば0μm以上0.2μm以下であってもよい。
[モールド樹脂60の材料]
モールド樹脂60の母材として、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂などの耐候性および透光性に優れた熱硬化性樹脂や硝子などが好適に用いられる。なお、本明細書中における熱硬化性樹脂とは、加圧下で加熱すると硬化するプラスチックをいう。熱硬化性樹脂は、いったん硬化すると最初の性質を損うことなく再溶融、または再成形できない。このような熱硬化性樹脂として、たとえばエポキシ系、メラミン系、フェノール系、尿素系の樹脂が挙げられる。
ベース部61およびレンズ部70の母材となる樹脂材料は、同じでもよいし、異なっていてもよい。レンズ部70の材料は、母材となる樹脂材料と、所定の色に着色するための着色剤とを含む。ベース部61の材料には、レンズ部70に使用した着色剤を含有させなくてもよい。
レンズ部70の樹脂材料に含有させる着色剤として、種々の染料、顔料などを用いることができる。着色剤は無機部材であってもよいし、有機部材であってもよい。具体的にはペリレン系レッド、縮合アゾ系レッド、キナクリドン系レッド、銅フタロシニアンブルー、銅フタロシニアングリーン、クルクミン、コールタール染料などが挙げられる。着色剤の含量は、母材となる樹脂材料に対して、例えば0.1%以上、好ましくは0.2%以上であってもよい。これにより、暗色効果によって表示コントラストをより効果的に向上できる。一方、着色剤の含有量が多くなると、発光の取り出し効率が低下するおそれがある。このため、着色剤の含有量は、5%以下、好ましくは1%以下であってもよい。なお、着色剤の含有量は、上記範囲に限定されず、光の取り出し効率を確保しつつ、高い表示コントラストを実現し得るように選択される。
本実施形態におけるモールド樹脂60には、発光装置1000の光の質の均一性を向上させるために光拡散材を含有させることも可能である。モールド樹脂60に光拡散材を含有させることにより、発光素子50から放出される光を拡散させることで光の強度ムラを抑えることができる。このような光拡散材としては、酸化バリウム、チタン酸バリウム、酸化バリウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機部材やメラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの有機部材が好適に用いられる。
モールド樹脂60に、樹脂の内部応力を緩和させる各種フィラーを含有させてもよい。具体的な材料は光拡散材と同様であるが、光拡散材とは中心粒径(D50)が異なる。本明細書においてフィラーとは、中心粒径が100nm以上100μm以下のものをいう。このような粒径のフィラーを透光性樹脂中に含有させると、光散乱作用により発光装置1000の色度バラツキが改善される他、透光性樹脂の耐熱衝撃性を高めることができる。
[効果等]
本実施形態の発光装置1000は、リフローはんだによって表面実装可能な構造を有する。このため、フローはんだによって実装される従来のランプタイプの発光装置よりも、実装コストおよび実装工程数を低減できる。
また、本実施形態によると、従来のSMDタイプの発光装置よりも高い効率で光を取り出すことができる。従来のSMDタイプの発光装置では、発光素子は、例えば樹脂パッケージに形成された凹部に配置される。凹部の底面および側面は白色樹脂で構成される。これに対し、本実施形態の発光装置1000では、各発光素子50は、Ag等の金属で構成されるリード10の凹部20に配置される。金属で構成される凹部20は、白色樹脂からなる凹部よりも高い反射率を有する。このため、本実施形態によると、金属で構成される凹部20によって、発光素子50から出射される光を正面方向に反射させることができるので、白色樹脂からなる凹部に発光素子を配置した従来のSMDタイプの発光装置よりも、正面方向への光の取り出し効率を高めることができる。従って、高輝度の発光装置1000が得られる。また、従来のSMDタイプの発光装置に比べて、より小さい駆動電力で同程度の輝度を実現できるので、発光装置1000の寿命を延ばすことができる。
さらに、本実施形態では、発光素子50を配置する凹部20と、発光素子50の出射側に設けられたレンズ部70とによって、指向特性を制御することができる。例えば、図2Aに示す構成では、平面視において、凹部20およびレンズ部70の形状は、いずれも、x軸方向に長軸を有する楕円形であるので、x軸方向に広く、y軸方向に狭い指向特性が得られる。指向特性をこのように制御することで、発光装置1000の正面方向への光の取り出し効率をさらに向上できる。従って、本実施形態によると、LEDディスプレイなどの表示装置に適した指向特性を有し、かつ、正面方向への光の取り出し効率がさらに高められた(つまり輝度および寿命がさらに向上した)発光装置1000が得られる。なお、図2Aに示す構成では、凹部20およびレンズ部70の形状がいずれも楕円形であるが、凹部20およびレンズ部70のいずれか一方が楕円形状を有していれば、指向特性を制御することが可能である。
従来の発光装置では、発光素子の消灯時に、発光装置に入射した外光等が、発光素子の周囲で反射することによって、表示コントラストを低下させることがある。この問題は、従来の発光装置を、ビルボードのような、屋外で使用される大型の表示装置に使用する場合に特に顕著である。これに対し、本実施形態によると、表示コントラストを向上できる。以下に理由を説明する。
本実施形態では、第1凹部21および第1発光素子51は、第1発光素子51の発光色の同系色に着色された第1レンズ部71で覆われている。これにより、発光素子50の点灯時には発光色を妨げることなく、第1発光素子51の消灯時に、第1領域31における外光反射に起因する表示コントラストの低下を抑制できる。同様に、第2凹部22および第2発光素子52は、第2発光素子52の発光色の同系色に着色された第2レンズ部72で覆われているので、第2発光素子52の消灯時に、第2領域32における外光反射に起因する表示コントラストの低下を抑制できる。また、第3凹部23および第3発光素子53は、第3発光素子53の発光色の同系色に着色された第3レンズ部73で覆われているので、第3発光素子53の消灯時に、第3領域33における外光反射に起因する表示コントラストの低下を抑制できる。
さらに、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53の消灯時には、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73の色の減法混色によって、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73は、着色された色よりも暗い色、すなわち明度の低い色に見える。この結果、発光装置1000の出射面が暗く見えるので、表示コントラストをさらに高めることができる。
発光装置1000では、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53の点灯時において、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73を透過した光を混合した光は、例えば、白色または電球色であってもよい。一方、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53の消灯時には、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73は、それぞれ、着色された色よりも明度の低い色、例えば灰色または黒色などの暗色系に見えてもよい。
[発光装置1000の製造方法]
以下、発光装置1000の製造方法の一例を説明する。
図3A~図3Cおよび図5A~図5Cは、それぞれ、発光装置1000の製造方法を説明するための工程断面図であり、図2Aに示す発光装置1000の上面図において、1つの発光素子50をx軸方向に横切る断面を示している。図4は、モールド樹脂60の成形に使用するキャスティングケースの斜視図である。
(第1工程:パッケージ100の準備)
第1工程では、暗色系樹脂40および複数のリード10を含むパッケージ100を準備する。ここでは、トランスファーモールド法によってパッケージ100を形成する方法を説明する。
まず、図3Aに示すように、複数のリード10を含むリードフレームを準備する。ここでは、銅を基材(リード基材)とし、リード基材の表面に銀のメッキ層が形成されたリード10を用いる。複数のリード10は、少なくとも2対のリードを含む。各リード対は、離間して配置されたリード10a、10bを含む。この例では、各リード対の一方のリード10aは、凹部20を有する。ここでは、複数のリード10が、1つのパッケージに対して3対のリードを含む例を説明する。
前述したように、リード基材に、表面粗さの異なるメッキ層を順次形成することで、リード10を形成してもよい。これにより、リード10の表面粗さおよび光沢度を部分的に異ならせることができる。例えば、まず、凹部20を有するリード基材の表面(凹部の表面および凹部を除く領域の表面を含む)に、表面粗さの大きい第1メッキ層(例えば、粗面化メッキ層)を形成する。粗面化メッキ層とは、例えば、光沢度が0.2以下のメッキ層のことを指す。次いで、凹部20を除く領域の少なくとも一部をマスクで覆った状態で、第1メッキ層よりも平滑な表面を有する第2メッキ層(例えば、平滑メッキ層)を形成する。平滑メッキ層とは、例えば、光沢度が0.8以上のメッキ層のことを指す。これにより、各凹部20において、第1メッキ層の表面上に第2メッキ層が形成されるので、凹部20の表面粗さが小さくなる。一方、凹部20以外の、マスクで覆われた領域には、第2メッキ層が形成されないので、その表面粗さは第1メッキ層の表面粗さとなり、凹部20の表面粗さよりも大きくなる。この後、マスクを除去することで、リード10が得られる。なお、マスクの形成方法および除去方法は特に限定されない。また、マスクは、凹部20よりも表面粗さを大きくする領域を覆うように形成されていればよく、凹部20を除く領域全体を覆っていなくてもよい。さらに、第1メッキ層形成時に、第2メッキ層形成予定領域をマスクで覆い、第2メッキ層形成時には、第1メッキ層形成領域をマスクで覆うことで、表面粗さを異ならせることもできる。第1メッキ層および第2メッキ層の材料は同じ(例えば銀メッキ層)であってもよいし、異なっていてもよい。材料が異なる場合、例えば、粗面化メッキ層に反射率の低い金メッキ層を形成し、平滑メッキ層に反射率の高い銀メッキ層を形成してもよい。
次に、金型を準備し、金型内にリードフレームを配置する。この後、暗色系に着色された熱可塑性樹脂材料を金型内に注入し、冷却することによって固化させる。これにより、図3Bに示すように、複数のリード10を保持する暗色系樹脂40が形成される。このようにして、パッケージ100を得る。
リード10a、10bは、それぞれ、パッケージ100の主面100aに露出した露出領域30a、30bを有する。凹部20は、各リード対におけるリード10aの露出領域30aに位置する。
(第2工程:発光素子50の実装)
第2工程では、図3Cに示すように、パッケージ100に発光素子50を実装する。
まず、パッケージ100の主面100aにおいて、各リード対において、一方のリード10aの凹部20に、例えば導電性ペーストを用いて発光素子50を接合する。
次いで、ワイヤ80a、80bによって、各発光素子50の正負電極を、それぞれ、リード対における2つのリード10a、10bの露出領域30a、30bに電気的に接続する。このようにして、パッケージ100と、パッケージ100の主面100aに実装された発光素子50とを備える第1構造体110が形成される。
本実施形態では、パッケージ100に、発光色の異なる3つの発光素子50が実装された第1構造体110を形成する。発光素子50は、第1光を発する第1発光素子と、第2光を発する第2発光素子と、第3光を発する第3発光素子とを含む。
(第3工程:モールド樹脂60の形成)
第3工程では、例えばキャスティング成形法を用いて、モールド樹脂60を形成する。
・キャスティングケース120の準備
まず、図4に示すように、開口部120pと、上部キャビティ121と、複数の下部キャビティ130とを有するキャスティングケース120を準備する。開口部120pは、上部キャビティ121の上方に位置している。上部キャビティ121は、底面121b、および、底面121bから連続して形成される側面121cを有する。各下部キャビティ130は、上部キャビティ121の底面121bから下方に突出している。上部キャビティ121はベース部に対応する形状を有する。この例では、上部キャビティ121の底面121bはベース部の上面、側面121cはベース部の側面に対応する形状を有する。下部キャビティ130はレンズ部に対応する形状を有する。本実施形態では、複数の下部キャビティ130は、第1キャビティ131、第2キャビティ132および第3キャビティ133を含む。
前述したように、キャスティングケース120の上部キャビティ121の内表面の少なくとも一部を粗面化してもよい。例えば、キャスティングケース120の上部キャビティ121の底面121bおよび側面121cの内側を粗面化してもよい。下部キャビティ130の内表面は粗面化しなくてもよい。キャスティングケース120を粗面化する方法は、特に限定しない。例えば、キャスティングケース120を成形する金型に放電加工等を行うことで粗面化することができる。
・第1樹脂注入工程
次いで、図5Aに示すように、複数の下部キャビティ130のそれぞれに、熱硬化性樹脂を母材とする第1樹脂141を注入する。ここでは、第1樹脂141の母材としてエポキシ樹脂を用いる。複数の下部キャビティ130のうちの少なくとも2つの下部キャビティに注入された第1樹脂141は、互いに異なる色に着色されている。
本実施形態では、図4に示すキャスティングケース120の第1キャビティ131に、第1光と同系色に着色された第1樹脂を注入し、第2キャビティ132に、第2光と同系色に着色された第1樹脂を注入し、第3キャビティ133に、第3光と同系色に着色された第1樹脂を注入する。
・仮硬化工程
続いて、キャスティングケース120に注入された第1樹脂141の仮硬化を行う(一次硬化)。ここでは、第1樹脂141の母材である熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い温度で、第1樹脂141を加熱する。これにより、図5Bに示すように、下部キャビティ130内に、第1樹脂141の仮硬化体141aが形成される。
・第2樹脂注入工程
仮硬化体141aを形成した後、図5Cに示すように、キャスティングケース120の上部キャビティ121に、熱硬化性樹脂を母材とする第2樹脂142を注入する。第2樹脂142の母材は、第1樹脂の母材と同じであってもよいし、異なってもよい。ここでは、エポキシ樹脂を母材とする第2樹脂142を用いる。第2樹脂142は、着色されていなくてもよい。
・浸漬工程
次いで、図5Dに示すように、第1構造体110を下向きにして、第1構造体110の一部を、キャスティングケース120内の第2樹脂142に浸漬させる。具体的には、複数の発光素子50のそれぞれが、平面視において、複数の下部キャビティ130のうちの対応する1つに重なるように、第1構造体110における発光素子50およびパッケージ100の主面100aを第2樹脂142に浸漬させる。
本実施形態では、平面視において、第1構造体110における第1発光素子、第2発光素子および第3発光素子が、それぞれ、図4に示すキャスティングケース120の第1キャビティ131、第2キャビティ132および第3キャビティ133に重なるように、第1構造体110を第2樹脂142に浸漬させる。
・本硬化工程
第1構造体110を第2樹脂142に浸漬させた状態で、第1樹脂の仮硬化体141aおよび第2樹脂142を硬化させる。本硬化工程は、第1樹脂および第2樹脂142の母材の硬化温度以上の温度で行う。この後、キャスティングケース120を取り外す。これにより、図5Eに示すように、パッケージ100の主面100aを覆うベース部61と、互いに異なる色に着色された少なくとも2つのレンズ部70とを含むモールド樹脂60が形成される。モールド樹脂60のレンズ部70は、第1樹脂の仮硬化体141aから形成され、ベース部61は、第2樹脂142から形成される。
上部キャビティの内表面が粗面化されたキャスティングケース120を用いた場合、上部キャビティの粗面化された表面形状を反映し、部分的に粗面化されたモールド樹脂60が得られる。一方、粗面化されていないキャスティングケース120を用いた場合には、キャスティングケース120からモールド樹脂60を取り出した後、モールド樹脂60におけるベース部61の表面の少なくとも一部に、粗面化加工を行ってもよい。例えば、レンズ部70をマスキングした状態で、ベース部61の上面61aのうち平面視において複数のレンズ部70に重なっていない部分と、ベース部61の側面61bとに、ブラスト加工などの粗面化加工を行ってもよい。
続いて、図5Fに示すように、リードフレームからリード10を切断し、個片化することにより、発光装置1000を得る。この例では、発光装置1000の上面視における外形は、例えば6mm×6mmの概ね正方形状を有している。発光装置1000におけるz軸方向の高さh1は、例えば4.2mm、ベース部61およびレンズ部70のz軸方向の厚さh2、h3は、それぞれ、例えば1.5mmである。
本実施形態の製造方法によると、モールド樹脂60を形成するための硬化工程を2段階で行うことで、異なる色に着色された複数のレンズ部70とベース部61とを、同じキャスティングケース120を用いて一体的に成形できる。従って、製造コストや製造工程数の増大を抑制できる。また、複数のレンズ部70を所定の位置に安定的に保持することができる。
なお、上記では、発光装置1000の製造方法を例に説明したが、本開示の製造方法は、発光色の異なる少なくとも2つの発光素子を有する発光装置に適用される。
発光装置には種々の変形例が可能である。例えば、発光素子の構造・配置、パッケージの構造や形態、モールド樹脂の構成等については、上記実施形態で説明した形態に限定されない。実施形態で説明した形態以外の形態を本開示の発光装置に好適に用いることが可能である。
以下、本開示の発光装置の変形例を説明する。以下では、発光装置1000と異なる点を主に説明し、発光装置1000と同様の構造については、説明を省略する。また、変形例を示す各図面において、分かりやすさのため、発光装置1000と同様の構成要素には、同じ参照符号を付している。
(変形例1)
図6Aは、本実施形態の他の発光装置2000の概略上面透視図である。図6Bは、図6Aにおける6B-6B線における概略断面図である。
発光装置2000では、パッケージ100の主面100aにおいて、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23は、第1の方向(ここではy軸方向)に沿って配列されている。従って、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53も、y軸方向に略一列に配置されている。また、第1レンズ部71、第2レンズ部72および第3レンズ部73の中心は、y軸方向に略一列に配置されている。
複数のリード10は、パッケージ100の裏面100bにおいて、内側に折り曲げられている。各リード10の折り曲げられた部分は、裏面100bに露出し、実装面となる。
発光装置2000は、パッケージ100の主面100aとモールド樹脂60との間に、第2の暗色系樹脂150をさらに備えていてもよい。第2の暗色系樹脂150は、各リード10におけるワイヤが接続された部分(ワイヤ接続部)を覆うように配置されている。これにより、各リード10とワイヤとの接続部分に起因するコントラストの低下を抑制できる。
図6Aに示す例では、第1リード11aの周辺部31rは、ワイヤ81が接続されたワイヤ接続部w1を有している。同様に、第2リード12aの周辺部32rおよび第3リード13aの周辺部33rは、それぞれ、ワイヤ82、83が接続されたワイヤ接続部w2、w3を有している。また、第4リード11b、第5リード12bおよび第6リード13bも、それぞれ、ワイヤ84、85、86が接続されたワイヤ接続部w4、w5、w6を有している。
第2の暗色系樹脂150は、2以上(ここでは3つ)のリード10のワイヤ接続部を覆うように、第1の方向(ここではy軸方向)に延びていてもよい。例えば、図示するように、第2の暗色系樹脂150は、互いに離間して配置され、かつ、y軸方向に延びる2つの部分151、152を含んでもよい。第2の暗色系樹脂150の部分151は、第1リード11a、第2リード12aおよび第3リード13aにおけるワイヤ接続部w1、w2、w3を覆うように延びている。部分152は、第4リード11b、第5リード12bおよび第6リード13bにおけるワイヤ接続部w4、w5、w6を覆うように延びている。なお、第2の暗色系樹脂150の形状は、図示した形状に限定されない。例えば、第2の暗色系樹脂150は、3以上の部分に分離されていてもよい。
第2の暗色系樹脂150は、暗色系樹脂40と同様の樹脂材料および着色剤を用いて形成されてもよい。第2の暗色系樹脂150として、例えば、カーボンブラックを添加したシリコーン樹脂材料を用いることができる。
発光装置2000は、図3A~図5Fを参照しながら前述した発光装置1000の製造方法と同様の方法で製造され得る。ただし、本変形例では、パッケージ100に発光素子50を接合した後、各リード10におけるワイヤとの接続部分を覆うように、第2の暗色系樹脂150を形成する。次いで、発光装置1000と同様に、キャスティング成形法によってモールド樹脂60を形成し、リード10の切断を行う。各リード10は、リードフレームから切断された後、折り曲げ加工される。
なお、前述した発光装置1000においても、パッケージ100の主面100aにおいて、各リード10とワイヤとの接続部分を覆うように、第2の暗色系樹脂を配置してもよい。
(変形例2)
図7は、本実施形態の他の発光装置3000の概略上面透視図である。
発光装置3000は、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23が1つのリード10に配置されている点で、図6Aおよび図6Bに示す発光装置2000と異なる。
発光装置3000では、第2リード12aの第2領域32に、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23が配置されている。図7に示すように、平面視において、第2領域32はy軸方向に延びており、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23はy軸方向に配列されていてもよい。なお、前述したように、第1凹部21、第2凹部22およ
び第3凹部23は、一列に配列されていなくてもよい。
図7に示す例では、パッケージ100の主面100aにおいて、第1リード11aの第1領域31と、第4リード11bの第4領域34とは、それぞれ、第2領域32における第1凹部21を挟んで、左側(-x側)および右側(x側)に配置されている。第5リード12bの第5領域35は、第2領域32における第2凹部22の右側(x側)に配置されている。第3リード13aの第3領域33と、第6リード13bの第6領域36とは、それぞれ、第2領域32における第3凹部23を挟んで、左側(-x側)および右側(x側)に配置されている。このように各リード10の露出領域30を、対応する発光素子50に近接して配置することで、リード10と発光素子50とをより容易に接続できる。
発光装置3000におけるパッケージ100の主面100aには、ワイヤ接続部を覆うように第2の暗色系樹脂が配置されていてもよい。第2の暗色系樹脂は、図6Aに示した例と同様に、第1リード11a、第2リード12aおよび第3リード13aのワイヤ接続部を覆うようにy軸方向に延びる部分と、第4リード11b、第5リード12bおよび第6リード13bのワイヤ接続部を覆うようにy軸方向に延びる部分とを含んでもよい。
図7に示す例では、1つのリード10(ここでは第2リード12a)に3つの凹部20が配置されているが、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23のうちの2つの凹部が1つのリード10に配置され、残りの1つの凹部が他のリード10に配置されていてもよい。
本変形例によると、1つのリード10の露出領域30に、2以上の凹部20を設けることで、凹部20間の距離を小さくできる。従って、パッケージ100をさらに小型化できる。
(変形例3)
図8は、本実施形態の他の発光装置4000の概略上面透視図である。
発光装置4000は、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53に電気的に接続された共通リード14aを有する点、および、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23が共通リード14aに配置されている点で、図6Aおよび図6Bに示す発光装置2000と異なる。
発光装置4000では、複数のリード10は、共通リード14a、第4リード11b、第5リード12bおよび第6リード13bを含む。パッケージ100の裏面において、共通リード14a、第4リード11b、第5リード12bおよび第6リード13bの端部が露出する。パッケージ100の裏面に露出した部分は、発光装置4000を実装基板に固定する際の実装面となる(4端子)。
共通リード14aは、パッケージ100の主面100aに露出した第7領域37を有している。第7領域37は、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23と、周辺部37rとを含む。周辺部37rは、第7領域37における第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23を除く領域であり、ワイヤボンディングに使用される。
図8に示すように、平面視において、第7領域37はy軸方向に延びており、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23はy軸方向に配列されていてもよい。なお、前述したように、第1凹部21、第2凹部22および第3凹部23は、一列に配列されていなくてもよい。
図8に示す例では、パッケージ100の主面100aにおいて、第4リード11bが共通リード14aの右側(x側)に位置している。第5リード12bおよび第6リード13bは、共通リード14aの第7領域37を挟んで、それぞれ、右側(x側)および左側(-x側)に位置している。
第1発光素子51の正負電極は、それぞれ、ワイヤ81、84により、共通リード14aの第7領域37の周辺部37rおよび第4リード11bの第4領域34に電気的に接続されている。第2発光素子52の正負電極は、それぞれ、ワイヤ82、85により、共通リード14aの第7領域37の周辺部37rおよび第5リード12bの第5領域35に電気的に接続されている。第3発光素子53の正負電極は、それぞれ、ワイヤ83、86により、共通リード14aの第7領域37の周辺部37rおよび第6リード13bの第6領域36に電気的に接続されている。
発光装置4000におけるパッケージ100の主面100aには、第2の暗色系樹脂が配置されていてもよい。第2の暗色系樹脂は、図6Aに示した例と同様の形状を有していてもよい。例えば、第2の暗色系樹脂は、共通リード14aおよび第6リード13bのワイヤ接続部を覆うようにy軸方向に延びる部分と、第4リード11bおよび第5リード12bのワイヤ接続部を覆うようにy軸方向に延びる部分とを含んでもよい。
図8に示す例では、共通リード14aに3つの凹部20が配置されているが、共通リード14aに2つの凹部20を配置し、他のリードに残りの1つの凹部20を配置してもよい。
また、図8に示す例では、第1発光素子51、第2発光素子52および第3発光素子53に電気的に接続された共通リード14aを用いたが、代わりに、これらの発光素子のうち2つ(例えば第1発光素子51および第2発光素子52)のみに電気的に接続された共通リードを用いてもよい。
本変形例によると、2以上の発光素子50に接続された共通リードを用いることで、リード10の数を減らすことができる。また、2以上の凹部20を1つのリード(ここでは共通リード14a)に設けることで、凹部20間の距離を小さくできる。従って、パッケージ100をさらに小型化できる。