JP7255178B2 - ソーナー装置、方法、及びプログラム - Google Patents

ソーナー装置、方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ソーナー装置、方法、及びプログラムに関する。
ソーナーシステムの関連技術として、送信アレイと受信アレイを直交させて配置した送波器と受波器を使用するクロスファンビーム方式の水中画像ソーナーが各種提案されている。例えば特許文献1には、送信器群と、該送信機群と直交配置された受信器群とを備え、時間PWにわたって周波数がF1からF2まで変化する送信音を送信し、受信器群から受信した信号により、目標を特定して表示出力するソーナーシステムが開示されている。特許文献1では、時間PWにわたって送信音の周波数をF1からF2まで変化させると共に、送波ビーム方向を+θ度から-θ度まで変化させる構成とされている。
また特許文献2には、複数の送波素子のアレイからなる送信用ラインアレイと、前記送信用ラインアレイと直交して配置され、複数の受波素子のアレイからなる受信用ラインアレイと、前記送信用ラインアレイから正方向に変化する周波数と負方向に変化する周波数を、目標に向けて送信信号として送信する第1の手段と、前記受信用ラインアレイから受信した信号に対して、正方向に変化する周波数と負方向に変化する周波数に基づき、目標を特定して表示出力する第2の手段を備えたソーナー装置が開示されている。前記送信用ラインアレイは並置された第1、第2の送信用ラインアレイを備えている。第1の手段は、前記各送信用ラインアレイの平面の法線ベクトルと前記送信用ラインアレイの平面内の長手方向垂直軸が張る面に関して、前記法線ベクトルに対して時計回りの第1の角度と、反時計回りの第2の角度について、前記第1、第2の送信用ラインアレイからの送信信号の周波数に変化する期間に第1及び第2の角度の一方の角度から他方の角度に送信ビームの垂直方位を変化させる構成とされる。
さらに、特許文献3には、周波数が上昇する周波数上昇変調波と周波数が下降する周波数下降変調波とを、同時又は順次に送信し、これら周波数上昇変調波による反射波と周波数下降変調波の反射波とに基づき、検出対象の距離、ドップラーシフト等により目標を特定する構成が開示されている。
特開平10-132930号公報 特開2015-222226号公報 特開平03-162837号公報
菅野真行、その他、"仮想アレイアンテナを用いたレーダーの研究開発"、日本無線技報 No. 64 2013、[検索:2018年11月09日] インターネット(URL:https://www.jrc.co.jp/jp/about/activities/technical_information/report64/pdf/JRCreview64_07.pdf)
水中の詳細な3次元情報を取得することで水中の小物体等を捜索するソーナーの関連技術において、ソーナー装置は大型である。
例えば、水中で遠隔操作できる小型無人探査機(水中ドローン)等、無人機等へ搭載可能な小型のソーナー装置が必要とされている。ソーナーの空間分解能は音響アレイの寸法により制限されている。このため、小型のソーナー装置で高い空間分解能を得ることは困難である。
本発明は上記課題に鑑みて創案されたものであって、その目的は、例えば無人機等に搭載可能とする小型で且つ高空間分解能のソーナー装置、方法、及びプログラムを提供することにある。
本発明の一形態によれば、複数の送波素子のアレイからなる送信用ラインアレイとして、少なくとも第1、第2の送信用ラインアレイを備え、少なくとも前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交して配置され、複数の受波素子のアレイからなる受信用ラインアレイと、少なくとも前記第1、第2の送信用ラインアレイから送信信号を送信する送信装置と、前記受信用ラインアレイからの受信信号を受信する受信装置と、を備え、前記第1及び第2の送信用ラインアレイは、前記受信用ラインアレイの長さ相当互いに離間して、前記受信用ラインアレイの一端側と他端側に配置され、前記送信装置は、前記第1、第2の送信用ラインアレイからそれぞれ周波数を可変させて送信信号を送信する期間に、各送信用ラインアレイの法線ベクトルと各送信用ラインアレイの長手方向垂直軸が張る面内で前記法線ベクトルに対して第1の角度から第2の角度に方位を変化させて送信する手段を備え、前記受信装置は、前記受信用ラインアレイからの受信信号に対して、前記送信信号の一部と前記受信信号との相互相関結果に基づき、特定の垂直方位に送信された送信信号からの反射音である受信信号を選択的に分離して抽出する信号分離部と、前記信号分離部で抽出された複数の受信信号に対して開口合成処理を施し水平方向の受信ビームを生成する開口合成処理部と、を備えたソーナー装置が提供される。
本発明の一形態によれば、複数の送波素子のアレイからなる送信用ラインアレイとして、少なくとも第1、第2の送信用ラインアレイと、少なくとも前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交して配置され、複数の受波素子のアレイからなる受信用ラインアレイを有するソーナー装置の目標特定方法であって、
前記第1及び第2の送信用ラインアレイを、前記受信用ラインアレイの長さ相当互いに離間して、前記受信用ラインアレイの一端側と他端側に配置し、
前記第1、第2の送信用ラインアレイからそれぞれ周波数を可変させて送信信号を送信する期間に、各送信用ラインアレイの法線ベクトルと各送信用ラインアレイの長手方向垂直軸が張る面内で前記法線ベクトルに対して第1の角度から第2の角度に方位を変化させて送信し、
前記受信用ラインアレイからの受信信号に対して、前記送信信号の一部と前記受信信号との相互相関結果に基づき、特定の垂直方位に送信された送信信号からの反射音である受信信号を選択的に分離して抽出し、
前記抽出された複数の受信信号に対して開口合成処理を施し水平方向の受信ビームを生成する、ソーナー装置の目標特定方法が提供される。
本発明の一形態によれば、複数の送波素子のアレイからなる送信用ラインアレイとして、少なくとも第1、第2の送信用ラインアレイと、少なくとも前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交して配置され、複数の受波素子のアレイからなる受信用ラインアレイを有し、
前記第1及び第2の送信用ラインアレイを、前記受信用ラインアレイの長さ相当互いに離間して、前記受信用ラインアレイの一端側と他端側に配置したソーナー装置を構成するコンピュータに、
前記第1、第2の送信用ラインアレイからそれぞれ周波数を可変させて送信信号を送信する期間に、各送信用ラインアレイの法線ベクトルと各送信用ラインアレイの長手方向垂直軸が張る面内で前記法線ベクトルに対して第1の角度から第2の角度に方位を変化させて送信する処理と、
前記受信用ラインアレイからの受信信号に対して、前記送信信号の一部と前記受信信号との相互相関結果に基づき、特定の垂直方位に送信された送信信号からの反射音である受信信号を選択的に分離して抽出する処理と、
前記抽出された複数の受信信号に対して開口合成処理を施し水平方向の受信ビームを生成する処理と、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の一形態によれば、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み出し可能なプログラム記録媒体(例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、又は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM))等の半導体ストレージ、HDD(Hard Disk Drive)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の非一時的記録媒体(non-transitory medium)が提供される。
本発明によれば、例えば無人機等に搭載可能とする小型で且つ高空間分解能のソーナー装置を実現可能としている。
本発明の例示的な実施形態を説明する図である。 (A)、(B)は本発明の例示的な実施形態を説明する図である。 本発明の例示的な実施形態の送信装置を説明する図である。 本発明の例示的な実施形態の送信装置を説明する図である。 本発明の例示的な実施形態の受信装置を説明する図である。 本発明の例示的な実施形態のレプリカ信号を説明する図である。 (A)~(C)は本発明の例示的な実施形態における開口合成処理を説明する図である(非特許文献1の図2に基づく)。 (A)、(B)は本発明の例示的な実施形態の円筒型アレイを説明する図である。 (A)、(B)は比較例と本発明の例示的な実施形態を説明する図である。 本発明の例示的な実施形態としてコンピュータに実装したソーナー装置を説明する図である。
本発明の例示的な実施形態1について以下に説明する。図1は、本発明の例示的な実施形態の構成を説明するため図である。図1には、例示的な実施形態のソーナー装置の音響アレイ10におけるラインアレイの配置が模式的に例示されている。図1を参照すると、一列に配置された複数の送波素子からなる第1の送信用ラインアレイ11Aと、一列に配置された複数の送波素子からなる第2の送信用ラインアレイ11Bが垂直方向(縦方向)に並行に配置されている。一列に配置された複数の受波素子からなる受信用ラインアレイ12は、第1、第2の送信用ラインアレイ11A、11Bに対してアレイの軸が90度に交差するように水平(横方向)に配置されている。第1の送信用ラインアレイ11Aと第2の送信用ラインアレイ11Bは、受信用ラインアレイ12の両端部に配置されている。第1の送信用ラインアレイ11Aと第2の送信用ラインアレイ11Bの間隔は、好ましくは、受信用ラインアレイ12の長さと同程度とされる。なお、送信用ラインアレイの送波素子の個数Nと受信用ラインアレイの受波素子の個数Mは同一値であってもよいし、異なる値であってもよい。
図2は、図1に示した音響アレイ10におけるビーム形状の概要を模式的に示す図である。図2(A)において、参照符号11(12)は、図1の第1、第2の送信用ラインアレイ11A、11Bの各送信用ラインアレイに対応している。参照符号101、102は、送信用ラインアレイ11から送信される水平方向に広い指向性を持ち、垂直方向に狭い指向性を待つ送信ファンビームを示している。図2(A)に示すように、送信用ラインアレイ11(12)の正面方向の軸106(送信用ラインアレイの法線ベクトル)と、送信用ラインアレイ11(12)の垂直軸104が張る面に関して、軸106に対して時計回りに角度θLとなるビームを参照符号101で示しており、反時計回りにθHとなるビームを参照符号102で示している。送信時には、例えば、破線矢印で示すように、ビーム101からビーム102へ徐々に送信方位が変化していく。
図2(B)において、参照符号12は図1の受信用ラインアレイ12を表している。参照符号103は、受信用ラインアレイ12で生成される垂直方向に広い指向性を持ち、水平方向に狭い指向性を待つ受信ファンビームである。図2(B)に模式的に示すように、受信ファンビーム103として、受信信号に対する信号処理において、水平方向に複数のビームが同時に生成される。
図3は、ソーナー装置(システム)の送信装置20の構成の一例を例示する図である。図3を参照すると、送信装置20は、送信制御部201を備え、第1の送信用ラインアレイ11Aに対して、送信信号生成部202A、位相制御部203A、送信用増幅部204Aを備え、第2の送信用ラインアレイ11Bに対して、送信信号生成部202B、位相制御部203B、送信用増幅部204Bを備えている。
送信制御部201は、送信信号生成部202A、202B、位相制御部203A、203Bの制御を行う。送信信号生成部202A、202Bは、それぞれ、第1、第2の送信用ラインアレイ11A、11Bから送信する送信信号を生成する。送信信号の線形周波数変調(Linear Frequency Modulation)等は送信信号生成部202A、202Bで行われる。
位相制御部203A、203Bは、送信信号生成部202A、202Bがそれぞれ生成した信号に対して送信チャンネルごとに位相制御を行う。すなわち位相制御部203Aは、第1の送信用ラインアレイ11Aの複数の送波素子のそれぞれに対応して位相制御を行う。位相制御部203Bは、第2の送信用ラインアレイ11Bの複数の送波素子のそれぞれに対応して位相制御を行う。
送信用増幅部204A、204Bは、それぞれ、位相制御部203A、203Bからの送信チャンネルごとの送信信号を増幅し第1、第2の送信用ラインアレイ11A、11Bの対応する各送波素子に供給する。すなわち送信用増幅部204Aは、第1の送信用ラインアレイ11Aの複数の送波素子に対応して複数の送信用アンプ(不図示)を備えている。送信用増幅部204Bは、第2の送信用ラインアレイ11Bの複数の送波素子に対応して複数の送信用アンプを備えている。第1、第2の送信用ラインアレイ11A、11Bから、それぞれ、図2(A)に示す送信ファンビームが出力される。
図4は、例示的な実施形態における送信信号の周波数の時間変化(図4(A):横軸:時間、縦軸:周波数)と、送信方位の時間変化(図4(B):横軸:時間、縦軸:送信方位)を表した図である。図4(A)、(B)において、111は、第1の送信用ラインアレイ11Aから送波される送信ビームの周波数と送信方位を表しており、112は、第2の送信用ラインアレイ11Bから送波される送信ビームの周波数と送信方位を表している。この例では、第1、第2の送信用ラインアレイ11A、11Bからの送信は同時に行われる。図4(A)、(B)において時間軸(横軸)は互いに同一である。図4(A)において、f1s、f1e、f2s、f2eはそれぞれ周波数である。図4(A)、(B)において、ts、teは時間である。図4(B)において、θL、θHは送信方位であり、それぞれ、図2のθL、θHに対応している。
図4(A)を参照すると、111は、時間tsからteに変化するにつれて、周波数がf1sからf1eまで連続的(線形)に上昇する周波数変調が施されている(アップチャープ)。また、図4(B)を参照すると、111の送信方位は、θLからθHまでリニアに変化する位相制御が行われる(図2(A)の破線矢印に対応)。図4(A)を参照すると、112は、時間tsからteに変化するにつれて、周波数がf2sからf2eまで連続的(線形)に上昇する周波数変調が施されている。図4(B)を参照すると、112の送信方位は、θLからθHまでリニアに変化する位相制御が行われる。111と112の送信方位の変化は同一である。
なお、図4(A)の例では、111、112の周波数変調の変化率(時間変化率)の極性はともに正値とされているが、本発明はかかる制御に制限されるものでなく、例えば111、112の周波数変調の変化率(時間変化率)の極性をそれぞれ負値、正値、あるいは、正値、負値としてもよい。周波数が上昇する周波数上昇変調波(アップチャープ波形)と周波数が下降する周波数下降変調波(ダウンチャープ波形)とを、同時又は順次に送信し、周波数上昇変調波による反射波と周波数下降変調波の反射波とに基づき、検出対象の距離、ドップラーシフト等により目標を特定するようにしてもよい。なお、送信信号は、連続した周波数で変化させるチャープ変調に制限されるものでなく、飛び飛びの周波数を使う周波数ホッピング(Frequency Hopping:FH)等を用いてもよいし、Baker符号等の位相符号化を用いてもよい。
図5は、例示的な実施形態のソーナー装置の受信装置21の構成を説明する図である。受信装置21において、信号分離部211では、送波した送信信号の標本となるレプリカ信号(送信信号の一部)x(i)と、受信用ラインアレイ12の各受波素子で受信した受信データy(i)との間の相互相関:Σ<i>x(i)y(m-i)を計算する(レプリカ相関処理)。すなわち、受信信号に対して時間mをずらしながら相関計算を繰り返し、相互相関値を最大とするmを導出する。レプリカ信号と受信信号が最も類似した時刻、すなわちエコーを受信した時刻で相互相関値が最大値(ピーク)となる。信号分離部211では、相互相関値のピークから送信信号の垂直方位を割り出し、当該垂直方位に送信された送信信号の反射音である信号を分離抽出する。信号分離部211において、送信信号の一部であるレプリカ信号と受信信号の相互相関処理はマッチドフィルタで構成される。送信信号の一部であるレプリカ信号と受信信号の相互相関の計算において、時間領域での畳み込み演算を、レプリカ信号と受信信号のフーリエ変換による周波数領域でのスペクトル成分の乗算演算で計算し逆フーリエ変換することで相関を求めてもよい。
送信波形を例えば連続的に周波数が変化するチャープ変調等とし、レプリカ相関処理で用いるレプリカ信号を、図6に示すように、第1、第2の送信用ラインアレイ11A、11Bから送信する送信信号111、112の一部113、114とし、周波数分割を行うことで送信方位に対する信号分離を行う。すなわち、送信信号111、112の一部であるレプリカ信号113、114の周波数範囲(区間)は[f1as、f1ae]、[f2as、f2ae]であり、この周波数範囲(区間)は、送信信号111、112の周波数範囲[f1s、f1e]、[f2s、f2e]を分割した部分区間である。部分区間のレプリカ信号と受信信号の相互相関値を最大とする遅延τに対応する送信信号の垂直方位は、図4(B)の送信方位の時間変化から特定することができる。すなわち、特定の垂直方位に送信された信号からの反射音を選択的に分離して抽出する。例えば周波数が互いに重ならない複数の部分区間(周波数分割した部分区間)に対応する複数組のレプリカ信号113、114と受信信号の相互相関結果に基づき、各送信方位に対する信号分離を行うことができる。
開口合成処理部212は、信号分離部211で抽出された複数の受信信号に対して開口合成処理(仮想音響アレイ指向性合成処理)を行うことで、図2(B)に示すような、水平方向の受信ビームを生成する。
ソーナー装置において、仮想音響アレイは、図7(A)に示すように、送波素子(送信アンテナ)が数波長間隔(dT)で配置された送信用ラインアレイと、図7(B)に示すように、受波素子(受信アンテナ)が半波長間隔(dR)で並べられ、例えば送波素子の間隔と同じ配列長を持つ受信用ラインアレイで構成される。送波素子からの矢印は送信信号であり、角度θは送信方位に対応している。各送波素子からの送信信号を各受波素子で受信し、信号処理を施すことで、間隔が広い送波素子間を、受波素子で補間するようにして、図7(C)に示すような仮想音響アレイを形成する。方位方向の分解能は、使用周波数の波長に対するアンテナ開口長で定まるビーム幅に依存する。M個の受波素子からなる受信用ラインアレイと、N個の送波素子からなる送信用ラインアレイを使用することで、M×N素子が空間的に配置されている仮想音響アレイの信号を得ることができる。これにより、必要とされる数分の1の素子数で所望の指向性を実現できる。各送波素子は互いに直交性をもつ信号(直交信号)を送信する。受信用ラインアレイで受信された信号は、信号処理によってソーナー映像に変換される。なお、図7は、非特許文献1の図2を修正したものである。図7では、送波素子、受波素子は、送信、受信共通の素子を用いている。
ドップラー・方位算出部213は、開口合成処理部212で生成された複数の受信ファンビームに対して、第1の送信用ラインアレイ11Aと第2の送信用ラインアレイ11Bが送信したそれぞれの送信信号によるエコーの比較を行い、目標のドップラーと実際の方位を算出する処理を行う。なお、ドップラー・方位算出部213については、特許文献2の記載等が参照される。
3次元画像化部214は、ドップラー・方位算出部213で算出された目標情報に対して表示条件と比較する閾値処理を実行し、閾値処理の結果、表示条件を満たした画素から、表示用データを生成する画像化処理を実行して表示装置215に3次元表示する。
信号分離部211による受信信号の方位算出と、開口合成処理部212で求めた水平に配置された受信ファンビームから、エコーの垂直方位と、水平方位が算出される。さらに、送信信号の送信時点とエコーの受信時点の時間差からエコーまでの距離を算出することで、エコーの3次元的な位置を局限することができる。また、ドップラー算出の結果からエコーの速度を算出することができる。
本実施形態において、送信用ラインアレイは3つ以上であってもよい。
また、音響アレイ10として、図1に示したように、送信用ラインアレイ11及び受信用ラインアレイ12を平面上に配置した平面型アレイのかわりに、円筒型アレイを用いてもよい。図8(A)は、円筒型アレイの外観を模式的に示す図であり、図8(B)は、図8(A)を上部から見た模式図(上面図)である。図8に示すように、円筒型の音響アレイ10は、円筒側面の周回方向(全周)に沿って例えば最下行の位置に受信用ラインアレイ12を備えている。また、特に制限されないが、図8(A)、(B)に示すように、円筒側面には、周回方向に等間隔(例えば90度間隔)で、垂直に延在する第1乃至第4の送信用ラインアレイ11A-11Dを備えている。なお、送信用ラインアレイ11の数は4個に制限されるものでないことは勿論である。また、受信用ラインアレイ12を円筒側面の周回方向に沿って複数備えた構成としてもよい。
本実施形態において、送信信号はチャープ変調等のLFM(Linear Frequency Modulation)に制限されるものではない。LFMによるパルス圧縮以外に、例えば、Baker符号化等、位相符号によるパルス圧縮を行うようにしてもよい。あるいは、周波数符号化(ホッピング)、SFM(Stepped Frequency Modulation)波形のような周波数の連続性のある信号での符号化を行うようにしてもよい。
図9(A)は、比較例として、開口合成処理を行わない場合の3次元表示イメージ(表示装置215に3次元表示されたイメージの分解能)を模式的に示す図である。図9(B)は、本実施形態の開口合成処理を行った場合の3次元表示イメージ(分解能)を模式的に示す図である。図9(B)から、図9(A)の比較例に対して水平分解能が特段に向上していることがわかる。
図10は、上記した受信装置をコンピュータ300で構成した例を説明する図である。コンピュータ300は、プロセッサ301、メモリ302、表示装置303を備えている。メモリ302は、プロセッサ301で実行させるプログラムを記憶している。メモリ302は、例えばRAM、ROM、又は、EEPROM等の半導体ストレージやHDDであってもよい。メモリ302に保持されるプログラムは、例えば、図5の信号分離部211、開口合成処理部212、ドップラー・方位算出部213、3次元画像化部214の各処理をプロセッサ301で実行させるためのプログラム(命令群、データ)であってもよい。
なお、上記の特許文献1-3、非特許文献1の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ乃至選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
10 音響アレイ
11、11A-11D 送信用ラインアレイ
12 受信用ラインアレイ
20 送信装置
21 受信装置
101 送信ファンビームL
102 送信ファンビームH
103 受信ファンビーム
104 軸(垂直軸)
105 軸(水平軸)
106 軸(法線ベクトル)
111、112 送信信号
113、114 レプリカ信号
201 送信制御部
202A、202B 送信信号生成部
203A、203B 位相制御部
204A、204B 送信用増幅部
211 信号分離部
212 開口合成処理部
213 ドップラー・方位算出部
214 3次元画像化部
215 表示装置
300 コンピュータ
301 プロセッサ
302 メモリ
303 表示装置

Claims (9)

  1. 複数の送波素子のアレイからなる送信用ラインアレイとして、互いに平行に配置された第1、第2の送信用ラインアレイを含み、さらに、
    前記第1、第2の送信用ラインアレイの長手方向の一端側に、前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交して配置され、複数の受波素子のアレイからなる受信用ラインアレイと、
    前記第1、第2の送信用ラインアレイから送信信号を送信する送信装置と、
    前記受信用ラインアレイからの受信信号を受信する受信装置と、
    を備え、
    前記受信用ラインアレイは、前記第1の送信用ラインアレイの長手方向の前記一端に対応する位置から前記第2の送信用ラインアレイの長手方向の前記一端に対応する位置まで、前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交する方向に延在され、
    前記送信装置は、
    前記第1、第2の送信用ラインアレイからそれぞれ周波数を可変させて送信信号を送信する期間に、各送信用ラインアレイの法線ベクトルと各送信用ラインアレイの長手方向垂直軸が張る面内で前記法線ベクトルに対して第1の角度から第2の角度に方位を変化させて送信する手段を備え、
    前記受信装置は、
    前記受信用ラインアレイからの受信信号に対して、前記送信信号の一部と前記受信信号との相互相関結果に基づき、特定の垂直方位に送信された送信信号からの反射音である受信信号を選択的に分離して抽出する信号分離部と、
    前記信号分離部で抽出された複数の受信信号に対して開口合成処理を施し水平方向の受信ビームを生成する開口合成処理部と、
    を備えた、ことを特徴とするソーナー装置。
  2. 前記送信装置は、前記送信信号を、前記期間において、線形周波数変調、位相符号化、周波数符号化(ホッピング)、SFM(Stepped frequency modulation)波形のいずれかを用いて生成した前記送信信号を送信することを特徴とする請求項1記載のソーナー装置。
  3. 前記開口合成処理部の出力信号に基づき目標を特定して表示装置に3次元表示出力する手段を備えた、ことを特徴とする請求項1又は2記載のソーナー装置。
  4. 前記送信用ラインアレイおよび前記受信用ラインアレイを平面上に配置した請求項1乃至3のいずれか1項に記載のソーナー装置。
  5. 円筒側面の上端から下端側に延在された前記送信用ラインアレイを前記円筒側面の周回方向に沿って互いに平行に所定間隔で複数備え、周回方向に相隣る二つの前記送信用ラインアレイを、前記第1の送信用ラインアレイと前記第2の送信用ラインアレイとし、
    前記受信用ラインアレイは、前記第1及び第2の送信用ラインアレイに対して前記円筒側面の下端側に配置され、前記第1の送信用ラインアレイの長手方向の前記一端に対応する位置から前記第2の送信用ラインアレイの長手方向の前記一端に対応する位置まで、前記第1及び第2の送信用ラインアレイと直交する方向に、前記円筒側面の周回方向に沿って延在される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のソーナー装置。
  6. 複数の送波素子のアレイからなる送信用ラインアレイとして、互いに平行に配置された第1、第2の送信用ラインアレイを含み、前記第1、第2の送信用ラインアレイの長手方向の一端側に、前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交して配置され、複数の受波素子のアレイからなる受信用ラインアレイを有するソーナー装置の目標特定方法であって、
    前記受信用ラインアレイは、前記第1の送信用ラインアレイの長手方向の前記一端に対応する位置から前記第2の送信用ラインアレイの長手方向の前記一端に対応する位置まで、前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交する方向に延在され、
    前記第1、第2の送信用ラインアレイからそれぞれ周波数を可変させて送信信号を送信する期間に、各送信用ラインアレイの法線ベクトルと各送信用ラインアレイの長手方向垂直軸が張る面内で前記法線ベクトルに対して第1の角度から第2の角度に方位を変化させて送信し、
    前記受信用ラインアレイからの受信信号に対して、前記送信信号の一部と前記受信信号との相互相関結果に基づき、特定の垂直方位に送信された送信信号からの反射音である受信信号を選択的に分離して抽出し、
    前記抽出された複数の受信信号に対して開口合成処理を施し水平方向の受信ビームを生成する、ことを特徴とするソーナー装置の目標特定方法。
  7. 前記送信信号を、前記期間において、線形周波数変調、位相符号化、周波数符号化(ホッピング)、SFM(Stepped frequency modulation)波形のいずれかを用いて生成した前記送信信号を送信する、ことを特徴とする請求項記載のソーナー装置の目標特定方法。
  8. 前記開口合成処理結果の出力信号に基づき目標を特定して表示装置に3次元表示出力する、ことを特徴とする請求項又は記載のソーナー装置の目標特定方法。
  9. 複数の送波素子のアレイからなる送信用ラインアレイとして、互いに平行に配置された第1、第2の送信用ラインアレイを含み、前記第1、第2の送信用ラインアレイの長手方向の一端側に、前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交して配置され、複数の受波素子のアレイからなる受信用ラインアレイを有し、
    前記受信用ラインアレイは、前記第1の送信用ラインアレイの長手方向の前記一端に対応する位置から前記第2の送信用ラインアレイの長手方向の前記一端に対応する位置まで、前記第1、第2の送信用ラインアレイと直交する方向に延在されてなるソーナー装置を構成するコンピュータに、
    前記第1、第2の送信用ラインアレイからそれぞれ周波数を可変させて送信信号を送信する期間に、各送信用ラインアレイの法線ベクトルと各送信用ラインアレイの長手方向垂直軸が張る面内で前記法線ベクトルに対して第1の角度から第2の角度に方位を変化させて送信する処理と、
    前記受信用ラインアレイからの受信信号に対して、前記送信信号の一部と前記受信信号との相互相関結果に基づき、特定の垂直方位に送信された送信信号からの反射音である受信信号を選択的に分離して抽出する処理と、
    前記抽出された複数の受信信号に対して開口合成処理を施し水平方向の受信ビームを生成する処理と、
    を実行させるプログラム。
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