<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ33(図3参照)に連結されており、各ステッピングモータ33の駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール32L,32M,32Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール32Lを例に挙げて図3に基づいて説明する。なお、図3は左リール32Lの組立斜視図である。
左リール32Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材34と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のリールテープ(図3では図示略)とを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、リールテープの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材34に貼付されている。前記リールテープの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材34の中心部はステッピングモータ33の駆動軸に取り付けられている。したがって、ステッピングモータ33の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材34が回転され、左リール32Lが回転するようになっている。
ステッピングモータ33は、リールユニット31内において起立状態に配置されたモータプレート35の側面にねじ固定されている。モータプレート35には、発光素子36aと受光素子36bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ36が設置されている。一方、円筒骨格部材34には、半径方向に延びるセンサカットバン37がねじ固定されている。このセンサカットバン37の先端部37aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ36の両素子36a,36bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール32Lが1回転するごとにセンサカットバン37の先端部37aの通過をリールインデックスセンサ36が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置70に検出信号が出力される。したがって、主制御装置70はこの検出信号に基づいて左リール32Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ33は例えば504パルスの励磁信号を与えることにより504ステップ進むことで1回転されるように設定されており、このステップ数によってステッピングモータ33の回転位置、すなわち左リール32Lの回転位置が制御される。各リール32L,32M,32Rの各リールテープ上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には20個の図柄が描かれている。主制御装置70は、リールインデックスセンサ36の検出信号が出力された時点からのステップ数(すなわちパルス数)により、どの図柄が表示窓部21Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓部21Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58(図1)からメダル受け皿59(図1)へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52(図2)内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57とが設けられている。
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図4には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの18番目の図柄)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの17番目の図柄)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの16番目の図柄)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの15番目の図柄)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの12番目の図柄)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの11番目の図柄)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの10番目の図柄)の8種類がある。そして、図4に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
図5は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという特典、再遊技という特典及び遊技状態の移行という特典のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインとして設定されている。左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL4といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。なお、メインラインMLは1本に限定されることはなく2本、3本、4本又は5本以上であってもよく、このようにメインラインMLが複数設定されている構成においてはベット枚数に応じて有効化されるメインラインMLの数が相違する構成としてもよい。また、メインラインMLが一直線に延びるラインである構成に限定されることはなく、折れ曲がりラインであってもよい。
本スロットマシン10には、遊技状態として後述するCB(チャレンジボーナス)状態と、CB状態ではない非CB状態とが設定されている。以下、図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、非CB状態において入賞となった場合に付与される特典及びCB状態において入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図6は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1~第9補填入賞、ベル入賞及びスイカ入賞がある。
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白7」図柄及び「第1リプレイ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合には第1補填入賞となり、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合には第2補填入賞となり、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「第1リプレイ」図柄である場合には第3補填入賞となる。また、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄及び「白7」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「第1リプレイ」図柄である場合には第4補填入賞となり、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「第1リプレイ」図柄である場合には第5補填入賞となり、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合には第6補填入賞となる。さらにまた、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合には第7補填入賞となり、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合には第8補填入賞となり、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄及び「白7」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合には第9補填入賞となる。第1補填入賞~第9補填入賞のいずれかとなった場合、非CB時であれば1枚のメダルが払い出され、CB時であれば4枚のメダルが払い出される。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、ベル入賞となる。ベル入賞となった場合、非CB時及びCB時のいずれであっても9枚のメダルが払い出される。
ベル入賞となる場合、メインラインMLにおいて各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。遊技者は、同一の図柄の組合せが一直線のライン上に停止表示されると入賞が成立したと認識し易い。この場合に、ベル入賞に際して同一の「ベル」図柄の組合せを停止表示させることにより、メインラインMLにおける入賞成立態様の多様化を図った構成において入賞の発生を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、スイカ入賞となる。スイカ入賞となった場合、非CB時及びCB時のいずれであっても4枚のメダルが払い出される。スイカ入賞となる場合、メインラインMLにおいて各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となる。これにより、スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
メダルをベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「第1リプレイ」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「第1リプレイ」であり、右リール32Rの停止図柄が「第2リプレイ」図柄及び「BAR」図柄のいずれかである場合には第1RTリプレイ入賞となるとともに、左リール32Lの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「第2リプレイ」図柄及び「BAR」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「第1リプレイ」図柄である場合には第2RTリプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄のいずれかである場合、又はメインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「第1リプレイ」図柄である場合、第1転落リプレイ入賞となる。また、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「第1リプレイ」図柄である場合、又はメインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「第1リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄のいずれかである場合、第2転落リプレイ入賞となる。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、メダルのベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダルのベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
また、上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく遊技状態の移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の遊技状態が設定されており、これら遊技状態間の移行は遊技状態の移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、CB入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
CB状態とは、メインラインMLで小役入賞に対応した図柄の組合せが停止すると、当選役の有無に関わらず入賞成立としてメダルの払い出しが行われる遊技状態である。例えば、ベル入賞に対応した当選フラグに「1」がセットされていない場合であっても、ベル入賞に対応した図柄の組合せがメインラインML上に停止すると、当該ベル入賞に対応した枚数のメダルが遊技者に付与される。一方、リプレイ入賞に関しては、抽選で対応する役に当選していることを条件として成立する。
上述したとおり、本スロットマシン10には、遊技状態として、非CB状態と、CB状態とが設けられている。そして、非CB状態には、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なART状態と、ART状態への前段階である準備状態とが設けられている。
CB状態では、非CB状態とは異なるリール制御が行われる。非CB状態では、ストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能な第1リール制御が、各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、非CB状態では、ストップボタン42~44が操作されてから第1規定時間(190msec)が経過するまでに停止させる第1リール制御が、各リール32L,32M,32Rについて行われるとも言える。一方、CB状態では、中リール32Mと右リール32Rについて上記第1リール制御、すなわち通常ゲームと同様の第1リール制御が行われるが、左リール32Lについて上記第1リール制御が行われない。左リール32Lについては、左ストップボタン42を操作されてから最大1図柄分までしか滑らせない第2リール制御が行われる。換言すれば、CBゲーム状態では、左ストップボタン42が操作されてから第1規定時間より短い第2規定時間(75msec)が経過するまでに停止させる第2リール制御が、左リール32Lについて行われるとも言える。
CB状態では、リプレイ入賞に対応した役に当選している場合にはリプレイ入賞が優先され、リプレイ入賞が不可であればいずれかの小役入賞が100%で発生する。また、リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にはいずれかの小役入賞が100%で発生する。非CB状態における各ゲームのベット枚数及びCB状態における各ゲームのベット枚数は共に3枚である。既に説明したとおり、CB状態において第1補填入賞~第9補填入賞のいずれかが成立した場合におけるメダルの払い出い枚数は4枚となる。また、CB状態においてベル入賞が成立した場合におけるメダルの払い出し枚数は9枚であるとともに、スイカ入賞が成立した場合におけるメダルの払い出し枚数は4枚である。CB状態は、小役入賞が発生する度に遊技者の所有メダルが増加する遊技者にとって有利な状態である。CB状態は、当該CB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数(例えば「350」)以上となった場合に終了する。なお、CB状態の終了条件は任意であり、例えば、小役入賞が19回発生した場合にCB状態が終了する構成としてもよい。
なお、CBゲームにおいて、最大1図柄分までしか滑らない第2リール制御は、左リール32Lに限定されるものではなく、最初に操作されたストップボタンに対応したリールについて第2リール制御が行われてもよく、予め定められたリールについてのみ第2リール制御が行われてもよい。さらには、2番目に操作されたストップボタン又は最後に操作されたストップボタンに対応したリールについて第2リール制御が行われるといったように、ある順番目に操作されたストップボタンに対応したリールについて第2リール制御が行われてもよい。
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置63は表示面63aを有しており、スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面63aにて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面63aにて表示されるように表示制御される。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70の主制御基板71にはMPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、並びに電源装置54に設けられたリセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ及び設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、クレジット表示部65、付与数表示部66及び演出制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。セレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
MPU72は、貯留記憶された仮想メダルの数が表示されるようにクレジット表示部65を表示制御する。また、MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。さらにまた、MPU72は、遊技媒体の付与が発生した場合にはその付与対象となった遊技媒体の数が表示されるように付与数表示部66を表示制御する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置80にコマンドを送信する。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
演出制御装置80は、各種報知や各種演出の実行を制御するための演出制御基板81を具備している。演出制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83、及びそのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM84に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU82の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、及び画像表示装置63の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれ演出側MPU82、演出側ROM83及び演出側RAM84という。
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72にて実行されるメイン処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。その後、設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されて電源ONが行われているか否かを判定する(ステップS102)。設定キーが挿入された状態で電源ONが行われている場合には(ステップS102:YES)、電源ONに際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、そのまま当選確率設定処理を実行する(ステップS105)。一方、電源ONに際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS103:YES)、クリア処理(ステップS104)を実行した後に、当選確率設定処理を実行する(ステップS105)。
クリア処理では、主側RAM74における全部のエリアを初期化する。この場合、主側RAM74においてスロットマシン10の設定値を記憶するエリア、CB状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、遊技状態を示すデータが記憶されたエリア、及びAT状態の終了条件を特定するためのデータが記憶されたエリアも含めて主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。クリア処理が実行された場合には、電源遮断前の状態が異常の発生を契機として遊技の進行が規制された状態であった場合にはその異常状態が解除される。
当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、クレジット表示部65に現在の設定値を表示する。なお、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には当選確率設定処理の開始に際してクレジット表示部65には「設定1」に対応する表示が行われ、クリア処理(ステップS104)が実行されていない場合には電源遮断前の状態における設定値に対応する表示が行われる。当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値をクレジット表示部65に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に当選確率設定処理を終了する。この場合、クレジット表示部65における設定値の表示が終了される。
当選確率設定処理を実行した後は、通常処理に移行する(ステップS106)。通常処理については後に詳細に説明する。また、メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS107以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS107)。具体的には、設定値が「設定1」~「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS108)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS109)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
ステップS107~ステップS109の全てにおいて肯定判定をした場合には前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74に保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74に退避させたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS110)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS111)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU82に送信した後に(ステップS112)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS113)。
一方、ステップS107~ステップS109のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS114)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS115)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS116)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、クリア処理(ステップS104)が実行されることにより解除される。
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。タイマ割込み処理は、1.49msecごとに起動される。
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS202にて停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、これら各リール32L,32M,32Rに設けられたステッピングモータ33を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。なお、ステッピングモータ制御処理の詳細については後述する。
ステップS207では、センサ監視処理を行う。センサ監視処理では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視する。また、センサ監視処理では、ストップ検出センサ42a~44aの検出信号の状態を主側RAM74に設けられた検出状態記憶エリアに記憶する。検出状態記憶エリアは、各ストップ検出センサ42a~44aの直近2回分の検出信号の状態を記憶可能な記憶領域である。主側MPU72は、検出状態記憶エリアに記憶された直近2回分の検出信号の状態を参照し、前回の検出信号がLOW状態であるとともに今回の検出信号がHI状態である操作対応状態となった場合にストップボタン42~44の操作が行われたことを把握する。
ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS210では、各種コマンドを演出側MPU82へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS212では、先のステップS201にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS213にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図10のフローチャートに基づき説明する。
先ず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS301)。その後、開始待ち処理を実行する(ステップS302)。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47~49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47~49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
ステップS302の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(具体的には「3」)に達しているか否かを判定し(ステップS303)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS302)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS304)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS302)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、受付禁止処理を実行する(ステップS305)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し(ステップS306)、各リール32L,32M,32Rを今回の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS307)。
その後、媒体付与処理を実行する(ステップS308)。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した数の遊技媒体を遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74に設けられたクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
ステップS308にて媒体付与処理を実行した後は、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS309)。その後、スロットマシン10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに出力するための外部出力設定処理を実行し(ステップS310)、受付許可処理を実行して(ステップS311)、ステップS301の処理に戻る。受付許可処理が実行されることにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収されることとなる。
<抽選処理>
次に、通常処理(図10)のステップS306にて実行される抽選処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
抽選処理では、先ず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS401)。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
ステップS401にて乱数を取得した後は、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS402)。ここで、本スロットマシン10では、非CB状態について、「1」の設定値から「6」の設定値まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。「n」の設定値よりも「n+1」の設定値の方がCB状態への移行契機となるCB役の当選確率が高い確率となるため、「n」の設定値よりも「n+1」の設定値の方が遊技者にとって有利となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別に上述したCB状態が存在している。ステップS402では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
設定値が「3」である場合を例に挙げて、通常モード、第1RTモード、及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図12は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図であり、図13は通常モード用抽選テーブルにおけるリール32L,32M,32Rの停止順序と成立可能な入賞の種類との関係を示す図である。
図12に示すように、通常モード用抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、インデックス値IV=1には、ベル当選データと、第1補填当選データ~第3補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図13に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞~第3補填入賞のいずれかが確実に発生する。
上述したとおり、本スロットマシン10では、非CB状態において、ストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能な第1リール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。第1リール制御では、ストップボタン42~44が操作されてから第1規定時間(190msec)が経過するまでに対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。当該第1リール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42~44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1補填入賞~第4補填入賞、ベル入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、第5補填入賞~第9補填入賞及びCB入賞はリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、図12に示すように、ベル当選データと、第4補填当選データ~第6補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第4補填入賞~第6補填入賞のいずれかが成立し得る。但し、中リール32M及び右リール32Rの回転位置に対する中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングによっては、第4補填入賞~第6補填入賞のいずれの入賞も成立しない可能性がある。
インデックス値IV=3には、図12に示すように、ベル当選データと、第7補填当選データ~第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第7補填入賞~第9補填入賞のいずれかが成立し得る。但し、中リール32M及び右リール32Rの回転位置に対する中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングによっては、第7補填入賞~第9補填入賞のいずれの入賞も成立しない可能性がある。
インデックス値IV=4には、図12に示すように、ベル当選データのみが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくベル入賞が成立する。また、インデックス値IV=4で当選となった場合、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=5には、図12に示すように、スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくスイカ入賞が成立し得る。但し、各リール32L,32M,32Rの回転位置に対する各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、スイカ入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=6には、図12に示すように、CB当選データが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくCB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、CB入賞が成立しない可能性がある。
ここで、CB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、CB当選データは、主側RAM74のクリア処理が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するCB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、CB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいてはCB当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、CB当選データが既に記憶保持されている状況において新たなCB当選データが記憶されることが防止されており、CB当選データが累積して記憶されないようになっている。
インデックス値IV=7~10には、図12に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=7で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が中リール32Mであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=8で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
図12の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=3の際に当選となる確率は、それぞれ約1/8.2であり、インデックス値IV=4の際に当選となる確率は約1/6.6であり、インデックス値IV=5の際に当選となる確率は約1/82.0であり、インデックス値IV=6の際に当選となる確率は約1/109であり、インデックス値IV=7の際に当選となる確率、インデックス値IV=8の際に当選となる確率、インデックス値IV=9の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=10の際に当選となる確率は、それぞれ約1/41である。
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=7~10の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている(図12参照)。これらインデックス値IV=7~10のいずれかに当選する確率は約1/10.2である。そして、インデックス値IV=7~10のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図11)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図14及び図15は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図14に示すように、インデックス値IV=1~6のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図12)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1~5には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~5のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=6には通常モード用抽選テーブルと同様にCB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいてCB役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=7以降に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図14に示すように、インデックス値IV=7~10の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=7~10のいずれかに当選する確率は約1/8.2である。インデックス値IV=7で当選となった場合、図15に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=8で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1RTモードにおいてインデックス値IV=7~10のいずれかで当選となり、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に、第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図11)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルには、図14に示すように、インデックス値IV=11~16の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=11~16のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=11で当選となった場合、図15に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、役の抽選処理(図11)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=17に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=17において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.6で当選となる。そして、このインデックス値IV=17で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=7~17にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.7となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/10.2となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図16及び図17は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図16に示すように、インデックス値IV=1~6のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図12)及び第1RTモード用抽選テーブル(図14)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1~5には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~5のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=6には通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同様にCB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいてCB役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=7以降に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図16に示すように、インデックス値IV=7~12の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=7~12のいずれかに当選する確率は約1/5.5である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=7で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=8で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図11)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=13に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=13において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/5.5で当選となる。そして、このインデックス値IV=13で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=7~13にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(リプレイ確率)は、約1/2.7となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/10.2となっている。つまり、第2RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。一方、第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/2.7となっている。つまり、第2RTモードはリプレイ確率が第1RTモードと同一となっている。但し、第1RTモードにおけるリプレイ確率が第2RTモードにおけるリプレイ確率と同一である構成に限定されることはなく、例えば第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよく、第2RTモードの方が第1RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよく、第1RTモードの方が第2RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよい。
なお、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルは「設定1」~「設定6」のそれぞれに1対1で対応させて設定されており、設定値が高いほどCB役の当選確率が高くなる構成となっているが、各抽選モードにおいて設定されているリプレイ確率はいずれの設定値であっても同一又は略同一となっている。また、CB役に当選している状況であればCB役に重複して当選しないように、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであったとしてもCB役が抽選対象から除外される。
また、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にもCB状態である場合に役の抽選処理(図11)にて参照されるCB状態用抽選テーブルが記憶されているとともに、CB役に当選しているものの当該CB入賞が成立していない場合に役の抽選処理(図11)にて参照される内部用抽選テーブルが記憶されている。
CB状態用抽選テーブルには、通常モード用抽選テーブル(図12)、第1RTモード用抽選テーブル(図14)及び第2RTモード用抽選テーブル(図16)と同様に、インデックス値IVが設定されており、当該インデックス値IVには、当選となる役が対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。CB状態用抽選テーブルでは、インデックス値IV=1として通常リプレイ当選データが設定されているのみであり、それ以外の当選データは設定されていない。また、その当選確率は、第2RTモード用抽選テーブルの場合と同一となっている。但し、これに限定されることはなく、第2RTモード用抽選テーブルの場合よりも通常リプレイ役の当選確率が高い構成としてもよく、低い構成としてもよい。
既に説明したとおり、CB状態で行われるリール32L,32M,32Rの停止制御において設定可能なスベリ数は、中リール32M及び右リール32Rでは非CB状態と同様に「0」~「4」となる一方、左リール32Lでは「0」~「1」となる。CB状態用抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選した場合、通常リプレイ入賞が優先的に成立するようにリール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、ストップボタン42~44の操作タイミングと設定可能なスベリ数との関係で通常リプレイ入賞に対応する図柄の組合せをメインラインML上(図5)に停止できない場合には、いずれかの小役入賞(第1補填入賞~第9補填入賞、ベル入賞、又はスイカ入賞)に対応する図柄の組合せをメインラインML上に停止させるリール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。本スロットマシン10では、CB状態用抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選した場合、通常リプレイ入賞又はいずれかの小役入賞が確実に発生する。一方、CB状態用抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選しなかった場合には、いずれかの小役入賞に対応する図柄の組合せをメインラインML上に停止させるリール32L,32M,32Rの停止制御が行われ、いずれかの小役入賞が確実に発生する。
内部用抽選テーブルは、通常モード用抽選テーブル(図12)におけるインデックス値IV=1~5に対応する当選データがそれらインデックス値IVの当選確率で設定されているとともに、これに加えて通常リプレイ当選データのみが設定されたインデックス値IVが通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7~10の合計の当選確率となるようにして設定されている。したがって、CB役の内部当選状態となっている場合には、遊技媒体の付与を可能とする役及び当該役の当選確率が通常モードと同一であるとともにリプレイ確率が通常モードと同一であるものの、CB役に当選することはなくさらに通常モード、第1RTモード及び第2RTモードへの移行契機となる役に当選することもない。
抽選処理(図11)の説明に戻り、ステップS402にて抽選テーブルを選択した後、ステップS403ではインデックス値IVを「1」とし、続くステップS404では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS401にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS405ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には、ステップS406に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する。
一方、ステップS405にて判定値DVが「65535」を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS407にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS408ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS404に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS404では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS405では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS408にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合、今回のゲームの抽選処理結果は外れ結果であることを意味する。ステップS406の処理を実行した場合、又はステップS408にて否定判定を行った場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、ステップS409にてリール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行し、ステップS410にて、ゲーム開始コマンドの送信処理を実行する。
ゲーム開始コマンドの送信処理(ステップS410)では、今回の抽選処理(図11)にていずれかの役に当選となっている場合にはその当選となった役に対応する当選番号の情報と、現状の抽選モード及び現状の遊技状態に対応する情報と、をゲーム開始コマンドに設定し、そのゲーム開始コマンドを演出側MPU82に送信する。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。演出側MPU82は、受信したゲーム開始コマンドに設定された当選番号の情報、抽選モード及び遊技状態に対応する情報に基づいて、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
ステップS410にてゲーム開始コマンド送信処理を実行した後は、ステップS411にて報知制御処理を実行して、本抽選処理を終了する。ベル入賞を成立させるための停止順序、昇格リプレイ(第1RTリプレイ及び第2RTリプレイ)を成立させるための停止順序、又は転落リプレイ(第1転落リプレイ及び第2転落リプレイ)の成立を回避するための停止順序を報知するための処理を実行する。なお、報知制御処理の詳細内容については後述する。
<リール制御処理>
次に、通常処理(図10)のステップS307にて実行されるリール制御処理について説明する。リール制御処理の説明に先立ち、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ33についてより詳細に説明する。
図18(a)はステッピングモータ33の駆動系を示す接続図であり、図18(b)はステッピングモータ33の駆動特性を示す図であり、図19は相励磁の励磁順序が設定された励磁順テーブルを説明するための説明図である。
ステッピングモータ33として、ハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータはハイブリッド型に限らず、種々のステッピングモータを使用することができる。
ハイブリッド型のステッピングモータ33は、図18(a)に示すように、中央に配置された回転子91と、回転子91の周囲に配置され第1~第4ポール92~95を有する固定子90とを備えている。回転子91は、N極に着磁された手前側回転子91aと、S極に着磁された奥側回転子91bとで構成され、手前側回転子91aの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側回転子91bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側回転子91aと奥側回転子91bとの間には図示しない筒状磁石が取着されている。
第1ポール92と第3ポール94には、図18(b)に示すように、励磁コイルL0と励磁コイルL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線され、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポール93と第4ポール95にも励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電源+Bが印加される。
第1ポール92の励磁コイルL0に励磁信号を印加し、第1ポール92をS極に励磁するとともに第3ポール94をN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3ポール94の励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第1ポール92をN極に励磁するとともに第3ポール94をS極に励磁する相を逆A相と称する。同様に、第2ポール93の励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第2ポール93をS極に励磁するとともに第4ポール95をN極に励磁する相をB相とし、これとは逆に第4ポール95の励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第2ポール93をN極に励磁するとともに第4ポール95をS極に励磁する相を逆B相と称する。
ステッピングモータ33に対する励磁信号は励磁データとして、図18(b)に示すモータドライバ96に与えられる。この励磁データは主側RAM74に格納されており、タイマ割込み処理によって適切な励磁データが出力される。この励磁データによってステッピングモータ33に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
ステッピングモータ33が1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、逆A相及び逆B相に対して順次励磁信号を印加することにより、回転子91を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール92の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第3ポール94の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール93の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第4ポール95の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆A相に通電すると、N極になった第1ポール92の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第3ポール94の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆B相に通電すると、N極になった第2ポール93の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第4ポール95の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、回転子91は図18(a)において時計方向に回転する。
本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rの回転を開始させて定速回転となるまでの加速期間及び定速回転を維持させるための定速回転期間においては、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。1-2相励磁駆動は、励磁順テーブル(図19)に基づいて行われる。
図19に示すように、励磁順テーブルには、0~7の各励磁順ポインタに対応させて相励磁の種類が設定されている。加速期間及び定速回転期間においては、励磁信号の切り替えタイミングとなる度に現状の励磁順ポインタに対応する相を励磁するための励磁信号が主側MPU72からモータドライバ96に出力される。励磁順ポインタは、励磁信号が出力される度に「0」から「7」まで「1」ずつ更新されるとともに、当該励磁順ポインタが「7」である状態で更新された場合には「0」に戻る。
1-2相励磁駆動は、図19に示すように、A相に通電する1相励磁(励磁順ポインタ0)、A相とB相の両方に通電する2相励磁(励磁順ポインタ1)、B相に通電する1相励磁(励磁順ポインタ2)、B相と逆A相の両方に通電する2相励磁(励磁順ポインタ3)、逆A相に通電する1相励磁(励磁順ポインタ4)、逆A相と逆B相の両方に通電する2相励磁(励磁順ポインタ5)、逆B相に通電する1相励磁(励磁順ポインタ6)、逆B相とA相の両方に通電する2相励磁(励磁順ポインタ7)が行われ、その後(励磁順ポインタ0)に戻るような駆動方式である。
上述したとおり、本実施形態では504パルスの励磁信号によりリールが1周する構成であるため、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は約0.714°となる。
以下、リール32L,32M,32Rの加速処理を可能とする励磁パターンについて説明する。主側ROM73には、リール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合における励磁パターンが設定された第1加速用テーブル及び第2加速用テーブルが記憶されている。図20は第1加速用テーブルを説明するための説明図であり、図21は第2加速用テーブルを説明するための説明図である。
加速時の初期励磁相としては、特定の励磁相のみを駆動する1相励磁と、特定の2つの励磁相を同時に駆動する2相励磁とが考えられる。図20に示すように、第1加速用テーブルは2相励磁を初期励磁とする加速用テーブルであるとともに、図21に示すように、第2加速用テーブルは1相励磁を初期励磁とする加速用テーブルである。これら2つの加速用テーブルは、前回の停止制御の開始直前に実行された相励磁の種類に応じて読み出される。具体的には、1相励磁の実行後に停止制御が実行されたリール32L,32M,32Rを加速する場合には初期励磁として2相励磁が設定された第1加速用テーブルが読み出されるとともに、2相励磁の実行後に停止制御が実行されたリール32L,32M,32Rを加速する場合には初期励磁として1相励磁が設定された第2加速用テーブルが読み出される。
第1加速用テーブル及び第2加速用テーブルは全てのリール32L,32M,32Rに対して共通して利用される。全リール32L,32M,32Rの回転開始に際して第1加速用テーブル又は第2加速用テーブルの一方のみが利用される場合には、当該一方の加速用テーブルのみが主側ROM73から主側RAM74に読み出され、その読み出された加速用テーブルを利用して各リール32L,32M,32Rの加速制御が行われる。また、全リール32L,32M,32Rの回転開始に際して第1加速用テーブルを利用するリールと第2加速用テーブルを利用するリールとが存在する場合には、第1加速用テーブルと第2加速用テーブルとがそれぞれ1個ずつ主側ROM73から主側RAM74に読み出され、第1加速用テーブルを利用した加速制御と第2加速用テーブルを利用した加速制御とが行われる。
図20に示すように、第1加速用テーブルを利用したリール32L,32M,32Rの加速制御では、1.49msecごとの割込みタイミングに同期して130割込みの間、2相励磁が実行される。なお、初期励磁としての2相励磁は、励磁順テーブル(図19)に示した励磁順2、励磁順4、励磁順6及び励磁順8のうち前回の回転停止時の励磁相に対応した励磁順が選択されることとなる。2相励磁の状態を130割込みに亘って保持した後は、1-2相励磁を交互に繰り返すが、相励磁の保持期間として、図20に示すように1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく制御される。具体的には、初期励磁である2相励磁に続く1相励磁が8割込み分行われ、その次の2相励磁は7割込み分だけ行われるというように、保持期間が徐々に短くなるように設定されている。そして、最終的に2割込みの間隔で1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返され、最後には1相励磁が2割込みに亘って行われるように設定されている。
図21に示すように、第2加速用テーブルを利用したリール32L,32M,32Rの加速制御では、1.49msecごとの割込みタイミングに同期して1割込みの間、1相励磁が実行される。なお、初期励磁としての1相励磁は、励磁順テーブル(図19)に示した励磁順1、励磁順3、励磁順5及び励磁順7のうち前回の回転停止時の励磁相に対応した励磁順が選択されることとなる。1割込みに亘って1相励磁の状態を保持した後は、1-2相励磁を交互に繰り返すが、相励磁の保持期間として、図21に示すように1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく制御される。具体的には、初期励磁である1相励磁に続く2相励磁が129割込み分行われ、その次の2相励磁は7割込み分だけ行われるというように、保持期間が徐々に短くなるように設定されている。そして、最終的に2割込みの間隔で1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返され、最後には1相励磁が2割込みに亘って行われるように設定されている。
図20及び図21に示すように、各加速用テーブルの最後には1相励磁が設定されており、定速回転期間における最初の相励磁の種類は2相励磁となる。各加速用テーブルを利用したリールの加速制御は共に212割込みに亘って実行される。当該加速制御では、各相励磁における保持期間を定速回転に近づくにつれ順次短くすることで、高速な加速処理を短時間で実現することができるとともに、定速回転へのスムーズな移行が可能になる。
ステッピングモータ33を停止させる際には4相励磁が利用される。4相励磁では、A相、逆A相、B相及び逆B相の全てを励磁する。相反する2相を励磁した場合には磁束を打ち消し合うことになるが、ステッピングモータ33の回転中は誘導電圧によって逆起電力が生じ、例えばA相と逆A相とに流れる電流の差分のトルクが発生する。そして、4相励磁とした場合、相反する2相同士において当該トルクが発生する。したがって、4相励磁であっても制動力を生じさせることが可能である。但し、4相励磁をした場合における制動力は、1相励磁の場合よりも小さい。
主側ROM73には、リール32L,32M,32Rの回転を停止させる停止制御を実行するための励磁情報が設定された停止用テーブルが記憶されている。停止用テーブルには、4相励磁を実行するステップ数として「100」が設定されている。ステッピングモータ33が停止される場合、1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返されている状況においてリール32L,32M,32Rの停止制御を開始するための条件が満たされることにより4相励磁が開始される。4相励磁は、直前に実行された相励磁の種類(1相励磁及び2相励磁)に関わらず実行される。当該4相励磁は、100割込み(149msec)に亘って継続される。このように、制動の開始に際して最も制動力が弱い4相励磁を利用することによりステッピングモータ33の回転子91を滑らかに停止させることが可能となる。なお、リール32L,32M,32Rの停止制御を開始するための条件については後述する。
次に、ステッピングモータ33のステップ数を利用してリール32L,32M,32Rの回転位置の管理を行うための構成について説明する。
図22(a)は、各リール32L,32M,32Rにおける図柄の停止位置を説明するための説明図である。図22(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて、中段図柄が停止する領域は基準領域38L,38M,38Rとなっており、当該基準領域38L,38M,38Rの下端は、主側MPU72にて各リール32L,32M,32RのメインラインML上に停止した停止図柄を特定するために利用される基準位置39L,39M,39Rに設定されている。
既に説明したとおり本スロットマシン10では各リール32L,32M,32Rの各リールテープ上に20個の図柄が描かれている。これに対して、各リール32L,32M,32Rのステッピングモータ33及び円筒骨格部材34はリールテープ上に21個の図柄が付されているリールに対して利用されていたものが流用されており、1回転するために要するステップ数は504ステップとなっている。この場合、リールに付されている図柄数が21個であれば、基準領域(表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な範囲における各リール32L,32M,32Rの中段の位置)に存在する図柄の切り換えに必要なステップ数(すなわち各図柄に割り付けられているステップ数)は24ステップで一定となる。しかしながら、リール32L,32M,32Rに付されている図柄数が20個であれば、図柄の切り換えに必要なステップ数を24ステップで一定とすると総ステップ数が504ステップ未満となってしまい、25ステップで一定としたとしても総ステップ数が504ステップ未満となってしまい、26ステップで一定とすると総ステップ数が504ステップを超えてしまう。その一方、図柄の切り換えに必要なステップ数を図柄毎に大きく相違させるとそれに応じて各図柄のサイズが大きく相違してしまうとともに、基準領域38L,38M,38Rに存在している図柄の種類の管理が行いづらくなる。
上記のような事情において本スロットマシン10では、各図柄に割り付けられているステップ数として24ステップと、25ステップと、26ステップとの3種類が利用されている。図22(b)は各リール32L,32M,32Rの各図柄に割り付けられているステップ数を説明するための説明図である。図22(b)に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて20個の図柄はリール32L,32M,32Rの周回方向に連続する5個の図柄を1個のグループとして、第1グループ、第2グループ、第3グループ及び第4グループの4個のグループに分類されている。第1グループには0番~4番の図柄番号に対応する5図柄が設定されており、第2グループには5番~9番の図柄番号に対応する5図柄が設定されており、第3グループには10番~14番の図柄番号に対応する5図柄が設定されており、第4グループには15番~19番の図柄番号に対応する5図柄が設定されている。
本実施形態では、各リール32L,32M,32Rにおける各グループの5図柄に割り付けられているステップ数が回転方向の先頭側から26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップ、24ステップの順番となるように第1ステップパターンが設定されている。各グループにおいて、回転方向の先頭に存在している図柄(0、5、10、及び15の図柄番号に対応する図柄)には26ステップが割り付けられており、先頭から2番目に存在している図柄(1、6、11、及び16の図柄番号に対応する図柄)には25ステップが割り付けられており、先頭から3番目に存在している図柄(2、7、12、及び17の図柄番号に対応する図柄)には25ステップが割り付けられており、先頭から4番目に存在している図柄(3、8、13、及び18の図柄番号に対応する図柄)には26ステップが割り付けられており、先頭から5番目に存在している図柄、すなわち各グループにおいてリール32L,32M,32Rの回転方向の最後尾に存在している図柄(4、9、14、及び19の図柄番号に対応する図柄)には24ステップが割り付けられている。
各リール32L,32M,32Rにおいて、24ステップが割り付けられている図柄の数は4個であり、25ステップが割り付けられている図柄の数は8個であり、26ステップが割り付けられている図柄の数は8個であるため、合計のステップ数は各リール32L,32M,32Rの1周分に相当する504ステップとなる。
上記のようにステップ数の配列態様が各グループにおいて一定となっていることにより、各グループにおける図柄の順序に基づき、各図柄のステップ数が24ステップ~26ステップのうちいずれであるのかを特定することが可能となっている。
図22(b)に示すように、各リール32L,32M,32Rの各図柄には、基準位置39L,39M,39R(図22(a))に存在している図柄の種類を管理可能とする1バイトの図柄管理データが設定されている。当該1バイトのデータのうち上位の4ビットにグループ情報が設定されており、下位の4ビットに図柄順序情報が設定されている。グループ情報は図柄が第1グループ~第4グループのいずれのグループに属しているのかを示す情報であり、「0」が第1グループに対応しており、「1」が第2グループに対応しており、「2」が第3グループに対応しており、「3」が第4グループに対応している。また、図柄順序情報は図柄が各グループにおいて回転方向の先頭から何番目に存在しているのかを示す情報であり、「0」が1番目に対応しており、「1」が2番目に対応しており、「2」が3番目に対応しており、「3」が4番目に対応しており、「4」が5番目に対応している。したがって、図柄管理データは、例えば19番の図柄であれば16進数で「34H」となり、10番の図柄であれば16進数で「20H」となり、7番の図柄であれば16進数で「12H」となり、1番の図柄であれば16進数で「01H」となる。
図7に示すように、主側RAM74には、各リール32L,32M,32Rの基準領域38L,38M,38Rに存在している図柄の図柄管理データが設定される図柄管理カウンタ74aが設けられている。図柄管理カウンタ74aは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。各タイミングにおいて図柄管理カウンタ74aに設定されている図柄管理データに対応する図柄が管理対象図柄となる。
上述したリールインデックスセンサ36(図3)は、第0図柄(0番の図柄番号に対応する図柄)が基準領域38L,38M,38Rに存在する状態となった場合にセンサカットバン37の先端部37aの通過を検出する。そして、リールインデックスセンサ36が当該先端部37aの通過を検出した場合に図柄管理カウンタ74aに0番の図柄に対応する図柄管理データ(00H)が設定される。
図7に示すように、主側RAM74には、図柄管理カウンタ74aにおける管理対象図柄の更新後に実行されるステップ更新の回数をカウントするステップ数カウンタ74bが設けられている。図柄管理カウンタ74aに設定された図柄管理データは、ステップ数カウンタ74bを利用して当該図柄管理データに対応する図柄に割り付けられているステップ数がカウントされた場合に更新される。
図7に示すように、主側ROM73には、図柄管理データと図柄番号との対応関係が1対1で定められた図柄管理データテーブル73aが記憶されている。図柄管理データテーブル73aは各リール32L,32M,32Rに対して共通のテーブルである。主側MPU72は、図柄管理カウンタ74aにおける図柄管理データを図柄管理データテーブル73aに照合することで、現状の管理対象図柄の図柄番号を特定することができる。
既に説明したとおり、各リール32L,32M,32Rに付された20図柄に対して、5図柄毎に26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップ、24ステップを割り付けるパターンを4回繰り返す第1ステップパターンが設定されているため、各グループにおける図柄の順番と当該図柄に割り付けられているステップ数とが1対1で対応している。また、上述したとおり、各グループにおける図柄の順番と図柄管理データにおける図柄順序情報(下位4ビット)とが1対1で対応している。これにより、主側MPU72は、当該下位4ビットの図柄順序情報のみを参照することで、基準領域38L,38M,38Rに存在している図柄に割り付けられているステップ数を特定することが可能となっている。
各グループに含まれている図柄数(「5」)が同一であるため、基準領域38L,38M,38Rに存在している図柄の図柄順序情報(図柄管理データにおける下位4ビット)が16進数で「4」である場合にはその次に基準領域38L,38M,38Rに存在することとなる図柄は一義的に次のグループの先頭の図柄となる。これにより、図柄管理データによる図柄の管理を行い易くなる。
以下、図23のフローチャートを参照しながらリール制御処理について説明する。なお、リール制御処理は通常処理(図10)のステップS307にて実行される。
リール制御処理では、先ず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS501)。回転開始処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。
回転開始処理では、先ず前回のゲームで抽選処理(図11)の結果に対応するリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS601)、経過していない場合(ステップS601:NO)にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過するまで待機している間、ストップボタン42~44が操作されたか否かの判定処理(リール制御処理(図23)におけるステップS504)は実行されない。このため、当該待機中にストップボタン42~44の操作が行われたとしても当該ストップボタン42~44の操作に基づいてリール32L,32M,32Rの停止制御が行われることはなく、当該ストップボタン42~44の操作は無効となる。ウエイト時間が経過した場合(ステップS601:YES)には、次回のゲームのためのウエイト時間を設定する(ステップS602)。
その後、各リール32L,32M,32Rにおいて参照する加速用テーブルを設定する加速用テーブルの設定処理(ステップS603~ステップS613)を実行する。加速用テーブルの設定処理では、対象リールを左リール32L→中リール32M→右リール32Rの順番で更新する。このため、各リール32L,32M,32RについてステップS604~ステップS613の処理が実行される。
ステップS603にて対象リールを設定した後、当該対象リールが1相励磁の実行後に停止制御が実行されて停止したものである場合(ステップS604:YES)には、初期励磁として2相励磁が設定されている第1加速用テーブル(図20)を参照すべきことを意味するため、主側RAM74に第1加速用テーブルが読み出されているか否かについて判定する(ステップS605)。そして、第1加速用テーブルが読み出されていない場合(ステップS605:NO)には、第1加速用テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出す(ステップS606)。対象リールが左リール32Lである場合には、第1加速用テーブルが既に主側RAM74に読み出されていることはないため、ステップS606にて第1加速用テーブルを読み出すこととなる。一方、対象リールが中リール32M又は右リール32Rである場合には、先に設定が行われたリールについて参照する加速用テーブルとして第1加速用テーブルが既に主側RAM74に読み出されていることがある。この場合には、ステップS606は省略される。
ステップS605にて既に第1加速用テーブルが読み出されていると判定した場合、又はステップS606にて第1加速用テーブルを読み出した場合には、第1加速用テーブルを参照先に設定する(ステップS607)。そして、主側RAM74に設けられた加速カウンタに対して、第1加速用テーブル(図20)の初期励磁に設定されている切り替え間隔に対応する「130」を設定する(ステップS608)。加速カウンタは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。各加速カウンタは、対応するステッピングモータ33のステップ更新のタイミングとなる度に1減算される。そして、減算後の値が「0」となった場合には、第1加速用テーブルにおけるポインタが更新されるとともに、更新後の加速順序に設定されている切り替え間隔に対応する値が加速カウンタに設定される。
一方、対象リールが2相励磁の実行後に停止制御が実行されて停止したものである場合(ステップS604:NO)には、初期励磁相として1相励磁が設定されている第2加速用テーブル(図21)を参照すべきことを意味するため、主側RAM74に第2加速用テーブルが読み出されているか否かについて判定する(ステップS609)。そして、第2加速用テーブルが読み出されていない場合(ステップS609:NO)には、第2加速用テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出す(ステップS610)。対象リールが左リール32Lである場合には、第2加速用テーブルが既に主側RAM74に読み出されていることはないため、ステップS609にて第1加速用テーブルを読み出すこととなる。一方、対象リールが中リール32M又は右リール32Rである場合には、先に設定が行われたリールについて参照する加速用テーブルとして第2加速用テーブルが既に主側RAM74に読み出されていることがある。この場合には、ステップS610は省略される。
ステップS609にて既に第1加速用テーブルが読み出されていると判定した場合、又はステップS610にて第1加速用テーブルを読み出した場合には、第2加速用テーブルを参照先に設定する(ステップS611)。そして、主側RAM74に設けられた加速カウンタに対して、第2加速用テーブル(図21)の初期励磁相に設定されている切り替え間隔に対応する「1」を設定する(ステップS612)。
ステップS608又はステップS612にて加速カウンタを設定した場合には、参照する加速用テーブルの設定が全リール32L,32M,32Rについて終了したか否かを判定する(ステップS613)。ステップS613では、対象リールが左リール32L又は中リール32Mである場合には、参照する加速用テーブルの設定が終了していないリールが残っていること(ステップS613:NO)を意味するため、ステップS603に戻る。
一方、ステップS613において、対象リールが右リール32Rである場合には、参照する加速用テーブルの設定が全リール32L,32M,32Rについて終了したこと(ステップS613:YES)を意味するため、主側RAM74に設けられた要制御フラグに「1」を設定して(ステップS614)、本回転開始処理を終了する。要制御フラグは、リール32L,32M,32Rの駆動制御を行う必要があることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。要制御フラグは、全てのリール32L,32M,32Rについて停止用テーブルに基づく停止制御が完了した場合に「0」クリアされる。具体的には、後述するステッピングモータ制御処理(図27)のステップS908にて「0」クリアされる。
リール制御処理(図23)の説明に戻り、回転開始処理(ステップS501)を実行した後は、加速用テーブルに基づいて加速制御が行われている加速期間であるか否かについて判定し(ステップS502)、加速期間である場合(ステップS502:YES)には加速期間が終了するまでステップS502の処理を繰り返す。そして、加速期間が終了した場合(ステップS502:NO)にステップS503に進む。
加速期間が終了して各リール32L,32M,32Rが定速回転している状態となるまでステップS503以降の処理は実行されない。既に説明したとおり、センサ監視処理(タイマ割込み処理(図9)のステップS207)において、ストップ検出センサ42a~44aにおける直近2回分の検出信号の状態が主側RAM74における検出状態記憶エリアに記憶される。主側MPU72は、後述するステップS504にて、当該検出状態記憶エリアが操作対応状態(LOW状態→HI状態)となった場合にストップボタン42~44の操作を検出する。検出状態記憶エリアにおけるストップ検出センサ42a~44aの検出信号はセンサ監視処理が実行される度に更新されるため、加速期間中にストップボタン42~44の操作が行われたとしても当該ストップボタン42~44の操作に基づいてリール32L,32M,32Rが停止することはなく、当該ストップボタン42~44の操作は無効となる。なお、主側MPU72は、加速期間を含めてストップボタン42~44の操作が無効化されている場合にはストップボタン42~44の図示しないランプを消灯させることにより無効化されていることを遊技者に報知し、各ストップボタン42~44の操作が有効化されている場合には停止指令が発生していないストップボタン42~44のランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能であることを遊技者に報知する。
ステップS502にて加速期間でないと判定した場合には、加速期間が終了したことを意味するため、全リール32L,32M,32Rが停止しているか否かについて判定する(ステップS503)。そして、回転中のリール32L,32M,32Rが1個以上存在する場合(ステップS503:NO)には、ステップS504~ステップS514の処理を実行する。具体的には、いずれかのストップボタン42~44が操作されたか否かを判定し(ステップS504)、いずれかのストップボタン42~44が操作されている場合(ステップS504:YES)には、その操作がリール32L,32M,32Rの停止指令の発生契機となる有効な操作であるか否かを判定するための有効操作判定処理を実行する(ステップS505)。有効操作判定処理について図25のフローチャートを参照しながら説明する。
有効操作判定処理では、先ず主側RAM74に設けられたいずれかの制動対象フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS701)。制動対象フラグは、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44の有効な操作が検出されているとともに当該リール32L,32M,32Rの停止制御が完了していない状況であることを主側MPU72にて特定可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rに1対1で対応させて設けられている。
いずれかの制動対象フラグに「1」がセットされている場合(ステップS701:YES)、その「1」がセットされている制動対象フラグに対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が完了しているか否かを判定する(ステップS702)。停止制御が完了しているのであれば(ステップS702:YES)、停止制御が完了しているリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグを「0」クリアする(ステップS703)。
ステップS701にて否定判定をした場合、ステップS702にて否定判定をした場合、又はステップS703の処理を実行した場合には、回転中であって対応する制動対象フラグに「1」が設定されていないリール32L,32M,32Rに対する停止操作が行われたか否かを判定する(ステップS704)。ステップS704では、主側RAM74における検出状態記憶エリアにおける直近2回分の検出信号が操作対応状態(LOW状態→HI状態)となっている場合にストップボタン42~44の操作を検出する。
ステップS704にて肯定判定を行った場合には、制動対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上存在している状況であるか否かを判定する(ステップS705)。具体的には、「1」がセットされている制動対象フラグが2個以上存在しているか否かを判定する。制動対象となっているリール32L,32M,32Rが2個以上存在している場合には(ステップS705:YES)、新たな停止指令フラグに「1」を設定することなく本有効操作判定処理を終了する。2個のリール32L,32M,32Rが制動対象となっている場合には残りのリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44の操作が行われたとしても当該ストップボタン42~44の操作に基づいて対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が実行されることはなく、当該ストップボタン42~44の操作は無効となる。これにより、同時励磁の数が最大励磁数である10相を超えないようにすることが可能となる。
ちなみに、2個のリール32L,32M,32Rに対して停止制御が行われている場合におけるこれら2個のリール32L,32M,32Rに対する最大の同時励磁数は8相であるため、最大励磁数の10相に対して2相の余裕がある。そして、リール32L,32M,32Rの停止制御が行われない状況ではステッピングモータ33に対して1相励磁及び2相励磁のいずれかが実行されるため、2個のリール32L,32M,32Rに対して同時に停止制御を行ったとしても残りの1個のリール32L,32M,32Rに対して回転駆動制御を行うことが可能である。
一方、「1」がセットされている制動対象フラグの数が2個未満である場合には(ステップS705:NO)、今回新たにストップボタン42~44の操作が検出されたリール32L,32M,32Rの停止指令フラグに「1」をセットする(ステップS706)。停止指令フラグは、ストップボタン42~44の操作が検出されたことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。停止指令フラグは各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて主側RAM74に設けられている。停止指令フラグに「1」が設定されることにより、リール制御処理(図23)におけるステップS506にて肯定判定が行われて、今回の停止操作に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御を開始するための処理(リール制御処理(図23)におけるステップS507~ステップS511の処理)が実行されることとなる。ステップS706にて対応する停止指令フラグに「1」を設定した後は、今回新たに停止操作が検出されたリール32L,32M,32Rの制動対象フラグに「1」をセットして(ステップS707)、本有効操作判定処理を終了する。
リール制御処理(図23)の説明に戻り、ステップS505にて有効操作判定処理を行った後、いずれかの停止指令フラグに「1」がセットされている場合には(ステップS506:YES)、その停止指令フラグを「0」クリアし(ステップS507)、対応するリール32L,32M,32RについてステップS508~ステップS511の処理を行う。
ステップS508では、演出側MPU82への送信対象として停止指令コマンドをセットする。停止指令コマンドとは、有効な操作が検出されたストップボタン42~44の種類を把握させるべく演出側MPU82に送信されるコマンドである。その後、ストップボタン42~44が操作されたタイミングで基準領域38L,38M,38Rに到達している到達図柄の図柄番号を把握する(ステップS509)。具体的には、主側RAM74の図柄管理カウンタ74aに設定されている図柄管理データを、主側ROM73に記憶されている図柄管理データテーブル73a(図7)に照合することで、現状の管理対象図柄の図柄番号を確認する。上述したとおり、本スロットマシン10では、表示窓部21L,21M,21Rから視認可能は範囲における中段の領域が各リール32L,32M,32Rの基準領域38L,38M,38Rに設定されているとともに、各リール32L,32M,32Rの基準領域38L,38M,38Rを結ぶメインラインMLが設定されている。
その後、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいてスベリ数を把握するスベリ数把握処理を実行する(ステップS510)。停止情報は、抽選処理(図11)における停止情報第1設定処理(ステップS409)において主側ROM73から主側RAM74に読み出され、後述する停止情報第2設定処理(リール制御処理(図23)のステップS514)においてリール32L,32M,32Rの停止態様に応じて適宜変更される。スベリ数把握処理では、非CB状態においていずれかのリール32L,32M,32Rに停止指令が発生した場合、及びCB状態において左リール32L以外のリール32M,32Rに停止指令が発生した場合には、スベリ数として「0」~「4」のいずれかの値を特定する。一方、スベリ数把握処理では、CB状態において左リール32Lに停止指令が発生した場合には、スベリ数として「0」又は「1」の値を特定する。
その後、スベリ数把握処理(ステップS510)にて特定したスベリ数と到達図柄番号とに基づいて基準領域38L,38M,38Rに実際に停止させる停止対象図柄の図柄番号を決定するとともに、当該決定した停止対象図柄を特定可能とする図柄データを主側RAM74に設けられた停止図柄情報エリアに設定する(ステップS511)。停止図柄情報エリアは、各リール32L,32M,32Rの停止対象図柄及び停止図柄を主側MPU72にて特定可能とするエリアである。主側MPU72は、リール32L,32M,32Rの停止制御の実行前に当該停止図柄情報エリアを参照して基準領域38L,38M,38Rに停止させる停止対象図柄を特定するとともに、リール32L,32M,32Rの停止制御の実行後に当該停止図柄情報エリアを参照して基準領域38L,38M,38Rに停止した停止図柄を特定する。
ステップS504にてストップボタン42~44の操作が検出されなかった場合、ステップS506にて停止指令フラグに「1」が設定されていなかった場合、又はステップS511にて停止対象図柄を決定した場合には、主側RAM74における停止情報更新フラグに「1」が設定されているか否かを判定し(ステップS512)、停止情報更新フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS512:NO)には、ステップS503に戻る。停止情報更新フラグは、停止情報の更新タイミングであることを主側MPU72にて特定可能とするフラグであり、全リール32L,32M,32Rに対して1つ設けられている。停止情報更新フラグには、制動対象フラグに「1」が設定されたリール32L,32M,32Rに対して4相励磁を実行する停止制御の開始タイミングとなった場合に「1」が設定される。具体的には、後述する停止開始用処理(図32)のステップS1206にて「1」が設定される。
一方、停止情報更新フラグに「1」が設定されている場合(ステップS512:YES)には、いずれかのリール32L,32M,32Rの停止制御が開始されることにより停止情報の更新タイミングとなったことを意味する。この場合には、停止情報更新フラグを「0」クリアし(ステップS513)、停止情報第2設定処理を実行して(ステップS514)、ステップS503に戻る。
停止情報第2設定処理では、今回のリール32L,32M,32Rの停止制御により基準領域38L,38M,38Rに停止する図柄に応じて、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納されたスベリテーブルを更新する。これにより、ステップS510におけるスベリ数把握処理では、セットされている当選データ、リール32L,32M,32Rの停止順序、及び各リール32L,32M,32Rの停止図柄に対応するスベリテーブルに基づいてスベリ数を算出することが可能となる。なお、スベリ数を算出する構成は、スベリテーブルを利用する構成に限られず、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
ステップS503にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、入賞判定処理を実行し(ステップS515)、演出側MPU82への送信対象として入賞結果コマンドをセットして(ステップS516)、本リール制御処理を終了する。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
次に、主側MPU72において実行される入賞判定処理について図26のフローチャートを参照しながら説明する。なお、入賞判定処理は、リール制御処理(図23)のステップS516において実行される。
ステップS801~ステップS803では、主側RAM74における停止図柄情報エリアを参照して各リール32L,32M,32Rの停止図柄を把握する。そして、図柄組合せの論理演算処理を実行する(ステップS804)。図柄組合せの論理演算処理では、各リール32L,32M,32RのメインラインML上に停止表示されている各図柄について、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを主側ROM73から読み出す。そして、ステップS801~ステップS803のそれぞれにて把握した各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する。
その後、ステップS804において導出した2バイトデータがいずれかの入賞データに対応しているか否かを判定する(ステップS805)。ステップS805にて肯定判定をした場合には、その入賞データについて異常検出処理を実行する(ステップS806)。既に説明したとおり、非CB状態では、抽選処理(図11)にて選択された当選役に対応する図柄がメインラインML(図5)上に停止した場合に当該当選役への入賞が成立する。このため、非CB状態における異常検出処理では、入賞データが今回のゲームの開始時に抽選処理にて選択された当選役と対応していない場合に異常を検出する。また、既に説明したとおり、CB状態においてCB状態用抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選した場合には、通常リプレイ入賞が優先的に成立するとともに、通常リプレイ入賞が成立しない場合にはいずれかの小役入賞が確実に成立する。このため、CB状態においてCB状態用抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選した場合の異常検出処理では、入賞データが通常リプレイ入賞及び小役入賞のいずれにも対応していない場合に異常を検出する。さらにまた、既に説明したとおり、CB状態においてCB状態用抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選しなかった場合には、いずれかの小役入賞が確実に成立する。このため、CB状態においてCB状態用抽選テーブルのインデックス値IV=1に当選しなかった場合の異常検出処理では、入賞データが小役入賞に対応していない場合に異常を検出する。
異常検出処理(ステップS806)において異常が検出されなかった場合(ステップS807:NO)には、入賞対応処理を実行する(ステップS808)。入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であればメダル払出処理においてメダル又は仮想メダルの付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74に設けられた払出対象カウンタにセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(通常処理(図10)のステップS302)にて自動投入処理が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
ステップS805にて入賞が発生しなかったと判定した場合、又はステップS808にて入賞対応処理を実行した場合には、主側RAM74における停止図柄情報エリアをクリアして、本入賞判定処理を終了する。
一方、異常検出処理(ステップS806)にて異常が検出された場合(ステップS807:YES)には、異常報知コマンドを演出側MPU82への出力対象としてセットする(ステップS810)。演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、不正入賞に対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。その後、ステップS811にて動作禁止処理を実行した後に、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理を禁止し、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とする。この動作禁止状態は、クリア処理(メイン処理(図8)のステップ104)が実行されることにより解除される。
次に、リール32L,32M,32Rの回転制御の詳細について説明する。
先ず主側MPU72にて実行されるステッピングモータ制御処理について図27のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステッピングモータ制御処理は、タイマ割込み処理(図9)のステップS206にて実行される。
ステッピングモータ制御処理では、主側RAM74の要制御フラグに「1」が設定されている場合(ステップS901:YES)、リール32L,32M,32Rの駆動制御が必要であることを意味するため、ステップS902以降の処理を実行する。ステップS902では、対象リールの設定処理を行う。対象リールが設定されていない最初の対象リールの設定処理では、左リール32Lを対象リールに設定する。また、左リール32LについてステップS903~ステップS905の処理が行われた後に行われる2回目の対象リールの設定処理(ステップS902)では対象リールを中リール32Mに更新するとともに、中リール32MについてステップS903~ステップS905の処理が行われた後に行われる3回目の対象リールの設定処理(ステップS902)では対象リールを右リール32Rに更新する。
ステップS902にて対象リールの設定処理を実行した後は、ステップ数監視処理を実行する(ステップS903)。ステップ数監視処理では、主側RAM74における図柄管理カウンタ74a及びステップ数カウンタ74bの更新を行う。なお、ステップ数監視処理の詳細については後述する。その後、モータ制御処理を実行する(ステップS904)。モータ制御処理では、リール32L,32M,32Rの回転制御を行うためにモータドライバ96(図18(b))に出力する励磁データの生成処理を行い、その生成した励磁データを主側RAM74に保存する。なお、モータ制御処理の詳細については後述する。
ステップS904にてモータ制御処理を実行した後は、対象リールが右リール32Rであるか否かを判定し(ステップS905)、対象リールが右リール32Rでない場合(ステップS905:NO)には、ステップS902に戻る。一方、対象リールが右リール32Rである場合(ステップS905:YES)には、全リール32L,32M,32Rについてステップ数監視処理(ステップS903)及びモータ制御処理(ステップS904)が行われたことを意味するため、モータ制御処理(ステップS904)において主側RAM74に保存された励磁データをモータドライバ96に出力する(ステップS906)。その結果、ステッピングモータ33は即座に励磁データによって指定された励磁相への通電処理を行い、回転子91に対する励磁処理がなされることとなる。
その後、全てのリール32L,32M,32Rについて停止制御が終了したか否かについて判定し(ステップS907)、停止制御が終了していないリール32L,32M,32Rが存在している場合(ステップS907:NO)には、そのまま本ステッピングモータ制御処理を終了する。一方、全てのリール32L,32M,32Rについて停止制御が終了している場合(ステップS907:YES)には、要制御フラグを「0」クリアして(ステップS908)、本ステッピングモータ制御処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行されるモータ制御処理について図28のフローチャートを参照しながら説明する。なお、モータ制御処理は、ステッピングモータ制御処理(図27)におけるステップS904にて実行される。上述したとおり、モータ制御処理は、制御対象のリールとして左リール32Lが設定されている場合、中リール32Mが設定されている場合、及び右リール32Rが設定されている場合のそれぞれにおいて実行される。
モータ制御処理では、制御対象のリールが回転中でない場合(ステップS1001:NO)であって、回転開始タイミングでない場合(ステップS1002:NO)には、そのまま本モータ制御処理を終了する。一方、制御対象のリールが回転中である場合(ステップS1001:YES)には、加速期間であるか否かを判定する(ステップS1003)。
回転開始タイミングであると判定した場合(ステップS1002)、又は加速期間であると判定した場合(ステップS1003)には、制御対象のリールを定速回転に向けて加速させる加速用処理を実行して(ステップS1004)、本モータ制御処理を終了する。加速用処理では、既に説明した回転開始処理(図24)において読み出した第1加速用テーブル(図20)又は第2加速用テーブル(図21)を参照して現状のポインタに対応する励磁相(1相又は2相)をモータドライバ96に出力する励磁データに設定し、主側RAM74における加速カウンタを1減算する。当該減算後の加速カウンタの値が「0」となった場合において、現状のポインタが加速用テーブルの最後の加速順序にない場合にはポインタを更新し、当該更新後のポインタに設定されている切り替え間隔に対応するステップ数を加速カウンタに設定する。一方、当該減算後の加速カウンタの値が「0」となった場合において、現状のポインタが加速用テーブルの最後の加速順序にある場合には、加速期間を終了する。
ステップS1003にて加速期間でないと判定した場合には、停止制御の開始タイミングであるか否かについて判定する(ステップS1005)。主側RAM74には、4相励磁を実行する停止制御の開始タイミングであることを主側MPU72にて特定可能とする停止実行フラグが設けられている。停止実行フラグには、後述する停止開始処理(図32)のステップS1205にて「1」が設定される。ステップS1005では、停止実行フラグに「1」が設定されている場合に停止制御の開始タイミングであると判定するとともに、停止実行フラグが「0」である場合に停止制御の開始タイミングでないと判定する。
停止制御の開始タイミングでない場合(ステップS1005:NO)には、今回の対象リールに対して4相励磁の励磁データを出力する停止制御が行われているか否かを判定する(ステップS1006)。具体的には、主側RAM74における後述する停止カウンタの値が「1」以上である場合に停止制御中であると判定するとともに、停止カウンタの値が「0」である場合に停止制御中でないと判定する。
停止制御の開始タイミング及び停止制御中のいずれでもない場合(ステップS1005:NO、ステップS1006:NO)には、定速回転用処理を実行して(ステップS1007)、本モータ制御処理を終了する。定速回転用処理では、上記励磁順テーブル(図19)に基づいて、励磁順ポインタを更新しながら励磁順に従ってモータドライバ96に出力する励磁データを主側RAM74に設定する。これにより、1割込みに亘る1相励磁と1割込みに亘る2相励磁とが交互に実行されることとなる。一方、ステップS1005にて停止制御の開始タイミングであると判定した場合、又はステップS1006にて停止制御中であると判定した場合には、後述する停止制御用処理を実行して(ステップS1008)、本モータ制御処理を終了する。
<リール32L,32M,32Rの停止制御>
次に、リール32L,32M,32Rの停止制御の詳細について以下に説明する。
既に説明したとおり、各リール32L,32M,32R(図2)の円筒骨格部材34(図3)にはリールテープが巻かれており、当該リールテープの外周面には20個の図柄が付されている。図29(a)はリールテープ97において各図柄が付されている図柄範囲RDn(nは0~19の整数)を説明するための説明図である。20個の図柄範囲RDnは、リール32L,32M,32Rの周回方向(リールテープ97の長手方向)に均等な幅を有している。既に説明したとおり、各リール32L,32M,32Rに接続されているステッピングモータ33(図3)は504ステップで1周する。このため、各図柄範囲RDnは、リール32L,32M,32Rの周回方向に504/20=25.2ステップに対応する幅寸法を有している。
一方、既に説明したとおり、各図柄に割り付けられているステップ数は、「24」、「25」及び「26」の3種類の整数である。ステッピングモータ33(図3)の更新ステップの最小単位が1ステップであるため、各図柄に割り付けることが可能なステップ数は整数に限定されている。主側MPU72は各図柄に割り付けられたステップ数に基づいて管理対象図柄を把握するとともに、リール32L,32M,32Rの停止制御を実行する。リールテープ97には、各図柄に割り付けられたステップ数に対応する図柄対応範囲が設定されている。図29(b)は図柄対応範囲REn(nは0~19の整数)を説明するための説明図である。なお、実際のリールテープ97には当該図柄対応範囲RE0~E19の境界は存在しない。図29(b)に示すように、各図柄の図柄対応範囲RE0~E19は、当該図柄に割り付けられたステップ数(24ステップ~26ステップ)に対応するリール32L,32M,32Rの周回方向(リールテープ97の長手方向)の幅寸法を有している。
本スロットマシン10では、基準位置39L,39M,39Rに存在する図柄対応範囲RE0~E19に対応する図柄の図柄管理データが図柄管理カウンタ74aに設定される。そして、既に説明したとおり、主側MPU72は、図柄管理カウンタ74aに設定されている図柄管理データに基づいて管理対象図柄を特定する。このため、基準位置39L,39M,39Rに存在する図柄対応範囲RE0~E19に対応する図柄が管理対象図柄となる。
具体的には、基準位置39L,39M,39Rに第n図柄(nは0~19の整数)の図柄対応範囲REnが存在している状態となった場合、図柄管理カウンタ74aに第n図柄の図柄管理データが設定されて管理対象図柄が第n図柄に更新される。その後、第n図柄に割り付けられているステップ数(24ステップ~26ステップ)に対応する回数のステップ更新が行われることにより、基準位置39L,39M,39Rに第(n+1)図柄の図柄対応範囲RE(n+1)が存在している状態に切り換わるとともに、図柄管理カウンタ74aに第(n+1)図柄の図柄管理データが設定されて管理対象図柄が第(n+1)図柄に更新される。ここで、第(n+1)図柄は、第n図柄の1つ上流の図柄であり、n=19である場合の第(n+1)図柄は第0図柄である。
本スロットマシン10では、既に説明したとおり、非CB状態の全リール32L,32M,32Rと、CB状態の中リール32M及び右リール32Rとについて、ストップボタン42~44の操作が行われてから第1規定時間(190msec)以内にリール32L,32M,32Rの停止制御を実行する第1リール停止制御が実行される。第1リール停止制御では、スベリ数として「0」~「4」のいずれかの値が設定され、ストップボタン42~44の操作検出時における管理対象図柄の1つ上流の図柄(0コマ滑り時)、2つ上流の図柄(1コマ滑り時)、3つ上流の図柄(2コマ滑り時)、4つ上流の図柄(3コマ滑り時)、及び5つ上流の図柄(4コマ滑り時)のいずれかが停止対象図柄に設定されて、基準領域38L,38M,38Rに停止する。
また、既に説明したとおり、CB状態の左リール32Lについて、左ストップボタン42の操作が行われてから第2規定時間(75msec)以内に左リール32Lの停止制御を実行する第2リール停止制御が実行される。第2リール停止制御では、スベリ数として「0」又は「1」の値が設定され、左ストップボタン42の操作検出時における管理対象図柄の1つ上流の図柄(0コマ滑り時)又は2つ上流の図柄(1コマ滑り時)が停止対象図柄に設定されて、左リール32Lの基準領域38Lに停止する。
本実施形態では、図29(b)に示すように、各リール32L,32M,32Rの各図柄に対して、管理対象図柄が当該図柄に切り替わるよりも早いタイミングで基準位置39L,39M,39R(図22(a))に到達して当該図柄を基準領域38L,38M,38R(図22(a))に停止させるための停止制御を開始可能とする停止可能位置HPnが設けられている。第n図柄の停止可能位置HPnは、当該第n図柄の図柄対応範囲REnよりも下流側(リール32L,32M,32Rの周回方向の先頭側であり、図29(b)における下側)に設けられている。
比較のために、停止可能位置HPnを不具備であり管理対象図柄が停止対象図柄に切り替わるタイミングにおいてリール32L,32M,32Rの停止制御を開始可能とする構成を考えると、上述した第1ステップパターン(5図柄毎に26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップ、24ステップ)が設定されているリール32L,32M,32Rについて1コマ滑りの停止制御が行われる場合、ストップボタン42~44が操作されてから当該ストップボタン42~44の操作が検出されるまでに1割込時間、基準位置を0コマ目の図柄~1コマ目の図柄が通過するまでに最大で26+25=51割込時間、合計で最大52割込時間(約77.5msec)を要する。ここで、1割込時間はタイマ割込み処理(図9)が実行される間隔であり、具体的には1.49msecである。このように、停止可能位置HPnを不具備とする構成では、ストップボタン42~44が操作されてからスベリ数を「1」としてリール32L,32M,32Rの停止制御が開始されるまでに最大で要する最大所要時間が第2規定時間(75msec)を超過してしまう。
これに対して、本実施形態では、各図柄に対して停止可能位置HPnが設けられており、停止対象図柄の図柄対応範囲REnが基準位置39L,39M,39R(図22(a))に到達するよりも早いタイミングで停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達して停止制御を開始可能となるため、1コマ滑りの停止制御における最大所要時間が短縮されている。なお、1コマ滑りの停止制御における最大所要時間の詳細については後述する。
図29(b)に示すように、第n図柄の1つ下流に位置する第(n-1)図柄の図柄対応範囲RE(n-1)には、第n図柄の停止可能位置HPnが設定されており、第(n-1)図柄の図柄対応範囲RE(n-1)の上端から当該停止可能位置HPnまでの範囲に亘って基準位置39L,39M,39R(図22(a))に存在する場合にリール32L,32M,32Rの停止制御を開始可能とする第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)が設定されているとともに、当該停止可能位置HPnから第(n-1)図柄の図柄対応範囲RE(n-1)の下端までの範囲に亘って基準位置39L,39M,39Rに存在する場合にリール32L,32M,32Rの停止制御を開始不可とする第(n-1)図柄の停止不可範囲NR(n-1)が設定されている。第n図柄の停止可能位置HPnは、第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)側に含まれており、停止不可範囲NR(n-1)側には含まれていない。
第n図柄の停止可能位置HPnが当該第n図柄の図柄対応範囲REnよりも1つ下流に位置する第(n-1)図柄の図柄対応範囲RE(n-1)に設定されているため、主側MPU72は、管理対象図柄が停止対象図柄の1つ下流の図柄であるという条件と、基準位置39L,39M,39Rに停止可能範囲SRnが存在しているという条件とが満たされた場合にリール32L,32M,32Rの停止制御を開始可能となる。このため、管理対象図柄が停止対象図柄(第n図柄)の1つ下流の図柄(第(n-1)図柄)である状況において、基準位置39L,39M,39Rに停止可能範囲SR(n-1)が存在している場合には停止制御を開始可能となるとともに、基準位置39L,39M,39Rに停止不可範囲NR(n-1)が存在している場合には基準位置39L,39M,39Rに停止可能範囲SR(n-1)が到達するまで停止制御を開始不可となる。
図29(b)に示すように、各図柄の停止可能範囲SRnは、当該図柄の図柄対応範囲REnの上流側に存在しているとともに、当該図柄対応範囲REnにおいて停止可能範囲SRn以外の範囲は停止不可範囲NRnとなっている。各図柄の停止可能範囲SRnには、当該図柄に割り付けられたステップ数(24ステップ~26ステップ)から22ステップを引いた2ステップ~4ステップが割り付けられている。具体的には、図22(b)に示すように、24ステップが割り付けられている図柄の停止可能範囲SRnには2ステップが割り付けられており、25ステップが割り付けられている図柄の停止可能範囲SRnには3ステップが割り付けられており、26ステップが割り付けられている図柄の停止可能範囲SRnには4ステップが割り付けられている。
主側ROM73には、図柄順序情報に対応させて当該図柄順序情報に対応する図柄の停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数(2ステップ~4ステップ)が設定されているステップ数テーブルが記憶されている。主側MPU72は、スベリ数テーブルに基づいて管理対象図柄の停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数を把握することができる。
一方、各図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数は共通であり、具体的には22ステップである。停止不可範囲NRnに設定されているステップ数が「22」で固定されていることにより、主側ROM73において停止不可範囲NRnに設定されているステップ数を特定するために必要なデータの記憶容量が低減されている。
ここで、リール32L,32M,32Rの停止制御について、左リール32Lの場合を例として以下に具体的に説明する。図30(a)~図30(d)は左リール32Lの停止制御を説明するための説明図である。
先ず図30(a)に示すように、第0図柄の停止不可範囲NR0が基準位置39L,39M,39Rに存在している状態で左ストップボタン42の操作が検出された場合であって0コマ滑りの停止制御が行われる場合について説明する。当該0コマ滑りの停止制御は非CB状態及びCB状態の全リール32L,32M,32Rについて実行される。
この場合、図30(a)に示すように、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄は第0図柄であるため、1つ上流の第1図柄が停止対象図柄に設定される。その後、図30(b)に示すように、当該第1図柄の停止可能位置HP1が基準位置39Lに到達することにより左リール32Lの停止制御が実行され、第1図柄が基準領域38Lに停止する。第1図柄の停止可能位置HP1は、第1図柄の図柄対応範囲RE1よりも4ステップだけ下流側に設定されている。このため、左リール32Lの停止制御が開始されるタイミングは、基準位置39Lに第1図柄の図柄対応範囲RE1が到達するとともに管理対象図柄が第1図柄に切り換わるタイミングよりも4割込時間だけ早いタイミングである。
次に、図30(a)に示すように、第0図柄の停止不可範囲NR0が基準位置39Lに存在している状態で左ストップボタン42の操作が検出された場合であって1コマ滑りの停止制御が行われる場合について説明する。当該1コマ滑りの停止制御は非CB状態及びCB状態の全リール32L,32M,32Rについて実行される。
当該1コマ滑りの停止制御では、管理対象図柄である第0図柄の2つ上流の第2図柄が停止対象図柄に設定される。その後、図30(c)に示すように、当該第2図柄の停止可能位置HP2が基準位置39Lに到達することにより左リール32Lの停止制御が実行され、第2図柄が基準領域38Lに停止する。第2図柄の停止可能位置HP2は、第2図柄の図柄対応範囲RE2よりも3ステップだけ下流側に設定されている。このため、左リール32Lの停止制御が開始されるタイミングは、基準位置39Lに第2図柄の図柄対応範囲RE2が到達するとともに管理対象図柄が第2図柄に切り替わるタイミングよりも3割込時間だけ早いタイミングである。
上記のとおり、各図柄の図柄対応範囲REnの下流側に停止可能位置HPnが設定されていることにより、ストップボタン42~44の操作検出時に停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rよりも上流に存在している場合には、管理対象図柄が停止対象図柄に切り換わるよりも早いタイミングでリール32L,32M,32Rを停止することが可能となっている。
次に、左ストップボタン42の操作検出時に停止対象図柄の1つ下流に位置する図柄の停止可能範囲SRnが基準位置39Lに存在している場合について説明する。左ストップボタン42の操作検出時に第n図柄の停止可能位置HPnが基準位置39Lを通過している場合であっても当該第n図柄の図柄対応範囲REnが基準位置39Lに到達していない場合、管理対象図柄は第(n-1)図柄である。この場合には、当該第(n-1)図柄の1つ上流の第n図柄を停止対象図柄に設定し、0コマ滑りの停止制御を実行することができる。左ストップボタン42の操作検出時に既に停止対象図柄の停止可能範囲SRnが基準位置39Lに存在している状態となっているため、主側MPU72は当該操作検出時に左リール32Lの停止制御を実行し、第n図柄を基準領域38Lに停止させる。
例えば、図30(d)に示すように、第1図柄の停止可能範囲SR1が基準位置39Lに存在している状態で左ストップボタン42の操作が検出された場合、当該操作検出時の管理対象図柄は第1図柄であるため、0コマ滑りの停止制御では当該第1図柄の1つ上流の第2図柄が停止対象図柄に設定される。左ストップボタン42の操作検出時に既に停止対象図柄である第2図柄の1つ下流の第1図柄の停止可能範囲SR1が基準位置39Lに存在しているため、主側MPU72は、当該操作検出時に左リール32Lの停止制御を実行し、第2図柄を基準領域38Lに停止させる。
上記のとおり、各図柄の図柄対応範囲REnの下流側に当該図柄を基準領域38L,38M,38Rに停止させるための停止制御を開始可能とする停止可能位置HPnが設けられていることにより、ストップボタン42~44の操作検出時に停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rを通過している図柄についても当該図柄の図柄対応範囲REnが基準位置39L,39M,39Rに到達していない場合には、当該図柄を基準領域38L,38M,38Rに停止させるために0コマ滑りの停止制御を実行することが可能となっている。
次に、主側MPU72にて実行されるステップ数監視処理について図31のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ステップ数監視処理は、ステッピングモータ制御処理(図27)のステップS903にて実行される。
ステップ数監視処理では、先ずステップ数の更新タイミングであるか否かについて判定する(ステップS1101)。ステップS1101では、ステッピングモータ33に1パルスの励磁信号を新たに与える場合にステップ数の更新タイミングであると判定する。また、4相励磁を行っている状況では、励磁信号が新たに与えられていなくてもリール32L,32M,32Rの回転位置が変化するため、スロットマシン10の設計段階において決定された更新契機の割込み数が発生する度にステップ数の更新タイミングであると判定する。
ステップ数の更新タイミングである場合(ステップS1101:YES)には、主側RAM74におけるステップ数カウンタ74bの値を1減算し(ステップS1102)、主側RAM74における図柄管理カウンタ74aの初期化契機が発生したか否かを判定する(ステップS1103)。ステップS1103では、具体的には、対象リールのリールインデックスセンサ36の検出状態がHI状態である場合に初期化契機が発生したと判定する。各リール32L,32M,32Rにおいて、リールインデックスセンサ36の検出状態は、第0図柄の図柄対応範囲RE0が基準位置39L,39M,39Rに到達するタイミングにおいてHI状態となる。
初期化契機が発生していない場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1102にて1減算された後のステップ数カウンタ74bの値が「0」となったか否かを判定する(ステップS1105)。ステップ数カウンタ74bには、基準位置39L,39M,39Rにいずれかの図柄の停止不可範囲NRnが存在している状態となった場合に当該停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数に対応する「22」が設定されるとともに、基準位置39L,39M,39Rにいずれかの図柄の停止可能範囲SRnが存在している状態となった場合に当該停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数に対応する「2」~「4」が設定される。
ステップS1104にてステップ数カウンタ74bの値が「0」である場合には、ステップ数カウンタ74bの更新タイミングであるため、主側RAM74に設けられた停止許可フラグ74cに「1」が設定されているか否かについて判定する(ステップS1106)。停止許可フラグ74cは、基準位置39L,39M,39Rにいずれかの図柄の停止可能範囲SRnが存在していることを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。停止許可フラグ74cは、基準位置39L,39M,39Rにいずれかの図柄の停止可能範囲SRnが存在している状態となった場合に「1」が設定されるとともに、基準位置39L,39M,39Rにいずれかの図柄の停止不可範囲NRnが存在している状態となった場合に「0」クリアされる。
ステップS1105にて停止許可フラグ74cに「1」が設定されている場合には、基準位置39L,39M,39Rに停止可能範囲SRnが存在している状態から停止不可範囲NRnが存在している状態への切り替わりのタイミングであるため、管理対象図柄を更新するために図柄管理データの更新処理(ステップS1106~ステップS1111)を実行する。
具体的には、先ず主側RAM74における図柄管理カウンタ74aの図柄順序情報に1加算する(ステップS1106)。既に説明したとおり、図柄順序情報は、図柄管理カウンタ74aの下位4ビットに設定されている数値情報である。1加算後における図柄管理カウンタ74aの下位4ビットの値が図柄順位情報の最大値である「4」よりも大きい場合(ステップS1107:YES)、図柄管理カウンタ74aにおける上位4ビットの値を1加算するとともに(ステップS1108)、図柄管理カウンタ74aにおける下位4ビットの値を「0」クリアする(ステップS1109)。また、1加算後における図柄管理カウンタ74aの上位4ビットの値が最大値である「3」よりも大きい場合(ステップS1110:YES)、図柄管理カウンタ74aの全ビットを「0」クリアする(ステップS1111)。
上記のようにステップS1106~ステップS1111の処理が実行されることにより、図柄管理カウンタ74aの値が次の順番の図柄に対応する値となる。例えば、0番の図柄に対応する値である「00H」が図柄管理カウンタ74aに設定されている状況においてステップS1106の処理が実行された場合、ステップS1108、ステップS1109及びステップS1111の処理は実行されずに、図柄管理カウンタ74aの値は1番の図柄に対応する値である「01H」となる。また、例えば4番の図柄に対応する「04H」が図柄管理カウンタ74aに設定されている状況においてステップS1106の処理が実行された場合、さらにステップS1108及びステップS1109の処理が実行されることで、図柄管理カウンタ74aの値は5番の図柄に対応する値である「10H」となる。また、例えば19番の図柄に対応する「34H」が図柄管理カウンタ74aに設定されている状況においてステップS1106の処理が実行された場合、さらにステップS1108、ステップS1109及びステップS1111の処理が実行されることで、図柄管理カウンタ74aの値は0番の図柄に対応する値である「00H」となる。
また、ステップS1103にて図柄管理カウンタ74aの初期化契機が発生した場合、すなわちリールインデックスセンサ36の検出信号のHI状態が検出された場合には、図柄管理カウンタ74aの全ビットを「0」クリアする(ステップS1111)。これにより、左リール32Lが1周したことがリールインデックスセンサ36により検出された場合には、図柄管理カウンタ74aが強制的に「0」クリアされて管理対象図柄が第0図柄となる。
ステップS1107にて否定判定をした後、ステップS1110にて否定判定をした後、又はステップS1111にて図柄管理カウンタ74aの全ビットを「0」クリアした後は、ステップ数カウンタ74bに対して停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数である「22」を設定し(ステップS1112)、主側RAM74に設けられた図柄更新フラグに「1」を設定する(ステップS1113)。図柄更新フラグは、管理対象図柄が更新されたことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。図柄更新フラグは、後述する停止開始用処理(図32)のステップS1208にて停止許可フラグ74cが「0」クリアされた場合にステップS1209にて「0」クリアされる。
一方、ステップS1105にて停止許可フラグ74cに「1」が設定されていないと判定した場合には、停止不可範囲NRnが基準位置39L,39M,39Rに存在している状態から停止可能範囲SRnが基準位置39L,39M,39Rに存在している状態への切り替わりのタイミングであることを意味する。この場合には、主側ROM73からステップ数テーブルを読み出し(ステップS1114)、図柄管理カウンタ74aに格納されている図柄管理データの下位4ビットを特定することにより図柄順序情報を特定する(ステップS1115)。既に説明したとおり、ステップ数テーブルには、図柄順序情報に対応させて当該図柄順序情報に対応する図柄の停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数(2ステップ~4ステップ)が記録されている。
その後、ステップ数テーブルにおいて、図柄順序情報に対応するステップ数を特定する(ステップS1116)。そして、当該特定したステップ数(「2」~「4」)をステップ数カウンタ74bに設定し(ステップS1117)、停止許可フラグ74cに「1」を設定する(ステップS1118)。停止許可フラグ74cに「1」が設定されることにより、基準位置39L,39M,39Rにいずれかの図柄の停止可能範囲SRnが存在していることを主側MPU72にて特定可能となる。
ステップS1104にてステップ数カウンタ74bの値が「0」でないと判定した場合、ステップS1113にて停止許可フラグ74cを「0」クリアした場合、又はステップS1118にて停止許可フラグ74cに「1」を設定した場合には、停止開始用処理を実行して(ステップS1119)、本ステップ数監視処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される停止開始用処理について図32のフローチャートを参照しながら説明する。なお、停止開始用処理は、ステップ数監視処理(図31)におけるステップS1119にて実行される。
停止開始用処理では、先ず4相励磁が実行されている停止制御中であるか否かについて判定し(ステップS1201)、停止制御中でない場合(ステップS1201:NO)には、主側RAM74における制動対象フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する。制動対象フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1202:YES)には、回転中の対象リールに対する有効なストップボタン42~44の操作が検出されている状態であるため、ステップS1203及びステップS1204の判定処理を実行する。
ステップS1203では、主側RAM74における停止許可フラグ74cに「1」が設定されているか否かについて判定し、停止許可フラグ74cに「1」が設定されている場合(ステップS1203:YES)には、ステップS1204にて現状の管理対象図柄が停止対象図柄の1つ下流に位置する図柄であるか否かを判定する。ステップS1203にて否定判定を行った場合、又はステップS1204にて否定判定を行った場合には、停止制御の開始タイミングではないため、そのまま本停止開始用処理を終了する。
一方、ステップS1203及びステップS1204にて肯定判定を行った場合には、制動対象フラグに「1」が設定されている状態で停止対象図柄の1つ下流に位置する図柄の停止可能範囲SRnが基準位置39L,39M,39Rに存在している状態となり停止制御の開始条件が満たされたことを意味する。ストップボタン42~44の操作検出時に停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達していなかった場合には、停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達することにより停止制御の開始条件が満たされる。また、ストップボタン42~44の操作検出時に基準位置39L,39M,39Rに停止対象図柄の1つ下流に位置する図柄の停止可能範囲SRnが存在していた場合には、当該ストップボタン42~44の操作検出時に停止制御の開始条件が満たされる。
停止制御の開始条件が満たされた場合(ステップS1203:YES、ステップS1204:YES)には、主側RAM74に設けられた停止実行フラグに「1」を設定する(ステップS1205)。停止実行フラグは、4相励磁を実行する停止制御の開始タイミングであることを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。停止実行フラグに「1」が設定されることにより、後述する停止制御用処理(図33)において対象リールの停止制御を開始するための処理(ステップS1301~ステップS1304)が実行されることとなる。
ステップS1205にて停止実行フラグに「1」を設定した場合には、主側RAM74における停止情報更新フラグに「1」を設定する(ステップS1206)。既に説明したとおり、停止情報更新フラグに「1」が設定されることにより、リール制御処理(図23)のステップS514において停止情報第2設定処理が実行されることとなる。これにより、停止情報が今回開始される停止制御による停止結果に対応するものとなる。
ステップS1201にて肯定判定を行った場合、ステップS1202~ステップS1204のいずれかにおいて否定判定を行った場合、又はステップS1206の処理を実行した場合には、主側RAM74における図柄更新フラグに「1」が設定されているか否かを判定し(ステップS1207)、図柄更新フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS1207:NO)には、そのまま本停止開始用処理を終了する。一方、図柄更新フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1207:YES)には、停止許可フラグ74cを「0」クリアし(ステップS1208)、図柄更新フラグを「0」クリアして(ステップS1209)、本停止開始用処理を終了する。
既に説明したとおり、図柄更新フラグには、ステップ数監視処理(図31)にて管理対象図柄が更新された場合に「1」が設定される。管理対象図柄が更新された後であるとともに停止開始用処理(図32)が実行される前に停止許可フラグ74cが「0」クリアされる構成とすると、管理対象図柄が更新されたタイミングで実行される停止開始用処理(図32)のステップS1203にて否定判定が行われることとなり、停止実行フラグに「1」を設定することができなくなってしまう。これに対して、本実施形態では、管理対象図柄が更新された後に図柄更新フラグに「1」を設定して停止開始用処理のステップS1201~ステップS1206の処理を実行し、その後に図柄更新フラグに「1」が設定されていることを条件として停止許可フラグ74cを「0」クリアする。これにより、管理対象図柄が更新されたタイミングで実行される停止開始用処理(図32)においても停止実行フラグに「1」を設定することが可能となっており、停止対象図柄(第n図柄)の1つ下流に位置する図柄の停止可能範囲SR(n-1)と停止対象図柄の停止不可範囲NRnとの境界が基準位置39L,39M,39Rに存在している状態でリール32L,32M,32Rの停止制御を開始することが可能となっている。
次に、主側MPU72にて実行される停止制御用処理について図33のフローチャートを参照しながら説明する。なお、既に説明したとおり、停止制御用処理は、モータ制御処理(図28)において停止制御の開始タイミングである場合、又は停止制御中である場合にステップS1008にて実行される。
停止制御用処理では、先ず主側RAM74における停止実行フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1301)。停止実行フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1301:YES)には、停止実行フラグを「0」クリアし(ステップS1302)、停止用テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出す。既に説明したとおり、停止用テーブルには、4相励磁を実行ステップ数として100ステップが設定されている。
ステップS1303にて停止用テーブルを読み出した場合には、当該停止用テーブルに基づいて主側RAM74における停止カウンタに「100」を設定する(ステップS1304)。停止カウンタは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。各停止カウンタは、1割込時間に亘って4相励磁が実行される度に1減算され、停止制御は当該停止カウンタの値が「0」となるまで行われる。
ステップS1301にて否定判定を行った場合、又はステップS1304の処理を行った場合には、モータドライバ96に出力する励磁データとして4相励磁の励磁データを主側RAM74に設定し(ステップS1305)、停止カウンタの値を1減算する(ステップS1306)。その後、当該1減算後の停止カウンタの値が「0」でない場合(ステップS1307:NO)には、そのまま本停止制御用処理を終了する。一方、停止カウンタの値が「0」である場合(ステップS1307:YES)には、対象リールの停止制御が終了したことを意味するため、制動対象フラグを「0」クリアして(ステップS1308)、本停止制御用処理を終了する。
次に、1コマ滑りの停止制御が行われる場合において左ストップボタン42の操作が開始されてから左リール32Lの停止制御が開始されるまでに最大で要する最大所要時間について詳細に説明する。
既に説明したとおり、CB状態では、左リール32Lについて、左ストップボタン42の操作が開始されてから第2規定時間(75msec)以内に左リール32Lの停止制御を開始する第2リール停止制御が行われる。また、既に説明したとおり、停止可能位置HPnを不具備とする構成では1コマ滑りの停止制御における最大所要時間が第2規定時間(75msec)を超過してしまうため、本実施形態では1コマ滑りの停止制御における最大所要時間を短縮するために各図柄に停止可能位置HPnが設けられている。
図30(a)及び図30(c)を参照しながら具体例について説明したとおり、左ストップボタン42の操作が検出されたタイミングにおける管理対象図柄が第n図柄であって1コマ滑りの停止制御が行われる場合、第n図柄の2つ上流に位置する第(n+2)図柄の停止可能位置HP(n+2)が左基準位置39Lに到達したタイミングで停止制御が開始されて左基準領域38Lに第(n+2)図柄が停止する。この場合、左ストップボタン42の操作が開始されてから左リール32Lの停止制御が開始されるまでに、左ストップボタン42の操作が開始されてから主側RAM74の検出状態記憶エリアにおける左ストップ検出センサ42aの検出データが操作対応状態(LOW状態→HI状態)となるまでの検出期間(後述する検出期間TA(図34))と、0コマ目の第n図柄の図柄対応範囲REnが左基準位置39Lを通過する第1期間(後述する第1期間TB(図34))と、1コマ目の第(n+1)図柄(第n図柄の1つ上流に位置する図柄)の停止不可範囲NRnが左基準位置39Lを通過する第2期間(後述する第2期間TC(図34))とを要する。
主側RAM74の検出状態記憶エリアにおける左ストップ検出センサ42aの検出データは、左ストップボタン42の操作が開始されて左ストップ検出センサ42aの検出信号がHI状態となった後における最初のセンサ監視処理(タイマ割込み処理(図9)のステップS207)にて操作対応状態(LOW状態→HI状態)となる。このため、検出期間は、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄に関わらず最長で1割込時間である。
第1期間は、0コマ目の第n図柄に割り付けられているステップ数が最大であるとともに、管理対象図柄が第(n-1)図柄から第n図柄に切り替わるタイミングで左ストップボタン42の操作が検出された場合に最長となる。具体的には、n=0,3,5,8,10,13,15,18である場合に0コマ目の第n図柄に割り付けられているステップ数が最大の「26」となる。また、第2期間は、左リール32Lの各図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数が「22」で固定されているため、左ストップボタン42の操作検出時に左基準位置39Lに存在している図柄に関係なく22割込時間である。
管理対象図柄が第19図柄から第0図柄に切り替わるタイミングで左ストップボタン42の操作が検出される場合における1コマ滑りの停止制御の最大所要時間について図34のタイムチャートを参照しながら具体的に説明する。
図34(a)は左リール32Lの停止制御の開始タイミングを示し、図34(b)は左ストップ検出センサ42aの検出信号を示し、図34(c)は励磁データが出力されるタイミングを示し、図34(d)は管理対象図柄が更新されるタイミングを示し、図34(e)は停止許可フラグ74cの状態を示し、図34(f)は左リール32Lの停止対象図柄が設定されるタイミングを示し、図34(g)は左リール32Lに対応する停止実行フラグの状態を示し、図34(h)は主側RAM74の検出状態記憶エリアにおける左ストップ検出センサ42aの検出データが操作対応状態(LOW状態→HI状態)となるタイミングを示す。なお、以下では、管理対象図柄が第n図柄(nは0~19)に切り替わるタイミングで実行されるステップ数監視処理(図31)を第n図柄の1回目のステップ数監視処理と表記するとともに、第n図柄が管理対象図柄となってからm回目(mは1~26の整数)に出力される励磁データを第n図柄のm回目の励磁データと表記する。
図34(c)に示すように、t1のタイミングでステッピングモータ制御処理(図27)が実行されて、モータドライバ96に第19図柄の24回目の励磁データが出力される。既に説明したとおり、第19図柄には24ステップが割り付けられている。このため、今回出力される励磁データに基づいて左リール32Lが回転することにより、基準位置39Lに第19図柄の停止可能範囲SR19が存在している状態から第0図柄の停止不可範囲NR0が存在している状態に切り替わる。
その後、t2のタイミングで左ストップボタン42の操作が開始されることにより、図34(b)に示すように、左ストップ検出センサ42aの検出信号がLOW状態からHI状態に立ち上がる。その後、t3のタイミングで第0図柄の1回目のステップ数監視処理(図31)が実行されることにより、図34(d)に示すように、管理対象図柄が第19図柄から第0図柄に更新される。そして、t4のタイミングで停止開始用処理(図32)が実行されることにより、図34(e)に示すように、停止許可フラグ74cが「0」クリアされる。その後、t5のタイミングでステッピングモータ制御処理(図27)が実行されることにより、図34(c)に示すように、第0図柄の1回目の励磁データが出力される。そして、t6のタイミングで左ストップボタン42の操作開始後における最初のセンサ監視処理(タイマ割込み処理(図9)のステップS207)が実行されることにより、図34(h)に示すように、主側RAM74の検出状態記憶エリアに記憶された直近2回分の検出データが操作対応状態(LOW状態→HI状態)となる。
左ストップ検出センサ42aの検出データが操作対応状態となったt6のタイミングの後、t7のタイミングでリール制御処理(図23)が実行されることにより、図34(f)に示すように、停止対象図柄が決定される。当該t7のタイミングにおける管理対象図柄は第0図柄であるため、スベリ数が「1」である場合には第2図柄が停止対象図柄に決定されるとともに、当該第2図柄の図柄データが主側RAM74の停止図柄情報エリアに設定される。
その後、t8のタイミングで第1図柄の1回目のステップ数監視処理(図31)が実行されることにより、図34(d)に示すように、管理対象図柄が第0図柄から第1図柄に更新される。また、t9のタイミングで停止開始用処理(図32)が実行されることにより、図34(e)に示すように、停止許可フラグ74cが「0」クリアされる。そして、t10のタイミングでステッピングモータ制御処理(図27)が実行されることにより、図34(c)に示すように、第1図柄の1回目の励磁データが出力される。
その後、t11のタイミングでステッピングモータ制御処理(図27)が実行されることにより、図34(c)に示すように、モータドライバ96に第1図柄の22回目の励磁データが出力される。既に説明したとおり、各図柄の停止不可範囲NRnには22ステップが割り付けられている。このため、当該励磁データに基づいて左リール32Lが回転することにより、基準位置39Lに第1図柄の停止不可範囲NR1が存在している状態から第1図柄の停止可能範囲SR1が存在している状態に切り替わる。
その後、t12のタイミングで第1図柄の23回目のステップ数監視処理(図31)が実行されることにより、図34(e)に示すように、停止許可フラグ74cに「1」が設定される。そして、t13のタイミングで停止開始用処理(図32)が実行されると、管理対象図柄が停止対象図柄(第2図柄)の1つ下流に位置する図柄(第1図柄)であるとともに停止許可フラグ74cに「1」が設定されているため、図34(g)に示すように、左リール32Lの停止実行フラグに「1」が設定される。これにより、その後に実行される停止制御用処理(図33)にてモータドライバ96に出力する励磁データとして4相励磁の励磁データが設定され、t14のタイミングで、図34(c)に示すように当該設定された4相励磁の励磁データが出力される。このため、当該t14のタイミングで、図34(a)に示すように、左リール32Lの停止制御が開始される。
上記のとおり、1コマ滑りの停止制御が行われる場合、左ストップボタン42の操作が開始されてから検出状態記憶エリアにおける左ストップ検出センサ42aの検出データが操作対応状態となるまでの検出期間TA(t2~t6の期間)は最大で1割込時間である。また、左ストップ検出センサ42aの検出データが操作対応状態となってから0コマ目の図柄(第0図柄)の図柄対応範囲RE0が左基準位置39Lを通過するのに要する第1期間TB(t6~t10の期間)は、当該第0図柄に割り当てられているステップ数(「26」)に対応しており、具体的には26割込時間である。そして、1コマ目の図柄(第1図柄)の停止不可範囲NR1が左基準位置39Lを通過するのに要する第2期間TC(t10~t14の期間)は、第1図柄の停止不可範囲NR1に割り当てられているステップ数(「22」)に対応しており、具体的には22割込時間である。このため、左ストップボタン42が操作されてから左リール42Lの停止制御が開始されるまでに要する最大所要時間(TA+TB+TC)は1+26+22=49割込時間(約73.0msec)となり、当該最大所要時間は第2規定時間(75msec)を超過しない。
図35(a)は1コマ滑りの停止制御における最大所要時間を説明するための説明図である。既に説明したとおり、左リール32Lの20図柄には、26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップ、24ステップのパターンが繰り返される第1ステップパターンが設定されている。このため、図35(a)に示すように、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄が第0図柄、第5図柄、第10図柄及び第15図柄である場合の最大所要時間は49割込時間(73.0msec)で共通であり、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄が第1図柄、第6図柄、第11図柄及び第16図柄である場合の最大所要時間は48割込時間(約71.5msec)で共通であり、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄が第2図柄、第7図柄、第12図柄及び第17図柄である場合の最大所要時間は48割込時間(約71.5msec)で共通であり、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄が第3図柄、第8図柄、第13図柄及び第18図柄である場合の最大所要時間は49割込時間(73.0msec)で共通であり、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄が第4図柄、第9図柄、第14図柄及び第19図柄である場合の最大所要時間は47割込時間(約70.0msec)で共通である。
上記のとおり、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄がいずれであっても1コマ滑りの停止制御における最大所要時間は第2規定時間(75msec)未満である。左リール32Lの各図柄に対して停止可能位置HPnを設けて1コマ滑りの停止制御における最大所要時間を短縮することにより、当該最大所要時間が第2規定時間(75msec)を超過することが防止されている。これにより、CB状態の左リール32Lにおいて、左ストップボタン42の操作タイミングに関係なく左ストップボタン42の操作が行われてから第2規定時間(75msec)以内に1コマ滑りの停止制御を行うことが可能となっている。
次に、4コマ滑りの停止制御が実行される場合においてストップボタン42~44の操作が開始されてから対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始されるまでに最大で要する最大所要時間について説明する。図35(b)は4コマ滑りの停止制御における最大所要時間を説明するための説明図である。既に説明したとおり、4コマ滑りの停止制御は、非CB状態においていずれかのストップボタン42~44が操作された場合、及びCB状態において中ストップボタン43又は右ストップボタン44が操作された場合に実行される。
4コマ滑りの停止制御では、第1期間TBに基準位置39L,39M,39Rを通過させる図柄対応範囲REnの数が4個となる点で上述した1コマ滑りの停止制御と相違している。例えば、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第0図柄である場合、第1期間TBにおいて、基準位置39L,39M,39Rを通過させる図柄は、第0図柄~第3図柄である。この場合、第1期間TBは、第0図柄に割り付けられている26ステップ、第1図柄に割り付けられている25ステップ、第2図柄に割り付けられている25ステップ、及び第3図柄に割り付けられている26ステップの合計102ステップに対応する102割込時間となる。
図35(b)に示すように、第1期間TBは、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第0図柄、第5図柄、第10図柄又は第15図柄である場合に26+25+25+26=102割込時間であり、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第1図柄、第6図柄、第11図柄又は第16図柄である場合に25+25+26+24=100割込時間であり、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第2図柄、第7図柄、第12図柄又は第17図柄である場合に25+26+24+26=101割込時間であり、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第3図柄、第8図柄、第13図柄又は第18図柄である場合に26+24+26+25=101割込時間であり、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第4図柄、第9図柄、第14図柄又は第19図柄である場合に24+26+25+25=100割込時間である。
4コマ滑りの停止制御における検出期間TAは、1コマ滑りの停止制御の場合と同一であり、具体的にはストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄に関わらず1割込時間である。また、4コマ滑りの停止制御における第2期間TCは、1コマ滑りの停止制御の場合と同一であり、具体的にはストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄に関わらず22割込時間である。
このため、図35(b)に示すように、4コマ滑りの停止制御における最大所要時間(TA+TB+TC)は、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第0図柄、第5図柄、第10図柄又は第15図柄である場合に125割込時間(約186.3msec)であり、当該操作検出時の管理対象図柄が第1図柄、第6図柄、第11図柄又は第16図柄である場合の最大所要時間は123割込時間(約183.3msec)であり、当該操作検出時の管理対象図柄が第2図柄、第7図柄、第12図柄又は第17図柄である場合の最大所要時間は124割込時間(約184.8msec)であり、当該操作検出時の管理対象図柄が第3図柄、第8図柄、第13図柄又は第18図柄である場合の最大所要時間は124割込時間(184.8msec)であり、左ストップボタン42の操作検出時の管理対象図柄が第4図柄、第9図柄、第14図柄又は第19図柄である場合の最大所要時間は123割込時間(約183.3msec)である。
上記のとおり、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄に関わらず最大所要時間は第1規定時間(190msec)未満となっている。このため、本スロットマシン10では、非CB状態においていずれかのストップボタン42~44の操作が行われた場合、及びCB状態において中ストップボタン43又は右ストップボタン44の操作が行われた場合、ストップボタン42~44の操作タイミングに関わらず、当該ストップボタン42~44の操作が行われてから第1規定時間(190msec)以内に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御を開始することができる。
次に、図柄の停止位置の詳細について説明する。図36(a)及び図36(b)は第19図柄及び第0図柄における図柄範囲RDnと図柄対応範囲REnとの位置関係を説明するための説明図であり、図37(a)及び図37(b)は第1図柄及び第2図柄における図柄範囲RDnと図柄対応範囲REnとの位置関係を説明するための説明図であり、図38(a)及び図38(b)は第3図柄及び第4図柄における図柄範囲RDnと図柄対応範囲REnとの位置関係を説明するための説明図である。
図36(a)及び図36(b)に示すように、図柄対応範囲REnは、第19図柄の停止可能範囲SR19の下端(第0図柄の停止可能位置HP0)が第0図柄の図柄範囲RD0の下端LE0と一致する態様で設けられている。以下、本明細書では、第n図柄(nは0~19の整数)の図柄範囲RDnの下端LEnと第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の下端とのズレ幅を第n図柄の第1ズレ幅WAnと表記するとともに、第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnと第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の上端とのズレ幅を第n図柄の第2ズレ幅WBnと表記する。図39は第1ズレ幅WAn及び第2ズレ幅WBnを説明するための説明図である。
先ず第n図柄(nは0~19の整数)の図柄範囲RDnの下端LEnと第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の下端との位置関係について説明する。上述したとおり、第0図柄の停止可能位置HP0と第0図柄の図柄範囲RD0の下端LE0とが一致しているため、図39に示すように、第0図柄の第1ズレ幅WA0は「0」である。また、図36(a)及び図36(b)に示すように、第1図柄の図柄範囲RD1の下端LE1は、第0図柄の停止可能範囲SR0の下端(第1図柄の停止可能位置HP1)よりも第1ズレ幅WA1だけ上方にずれて存在している。図39に示すように、第1図柄の第1ズレ幅WA1は1.2ステップ分である。
図37(a)及び図37(b)に示すように、第2図柄の図柄範囲RD2の下端LE2は、第1図柄の停止可能範囲SR1の下端(第2図柄の停止可能位置HP2)よりも第1ズレ幅WA2だけ上方にずれて存在している。図39に示すように、第2図柄の第1ズレ幅WA2は0.4ステップ分である。また、図37(a)及び図37(b)に示すように、第3図柄の図柄範囲RD3の下端LE3は、第2図柄の停止可能範囲SR2の下端(第3図柄の停止可能位置HP3)よりも第1ズレ幅WA3だけ上方にずれて存在している。図39に示すように、第3図柄の第1ズレ幅WA3は0.6ステップ分である。
図38(a)及び図38(b)に示すように、第4図柄の図柄範囲RD4の下端LE4は、第3図柄の停止可能範囲SR3の下端(第4図柄の停止可能位置HP4)よりも第1ズレ幅WA4だけ上方にずれて存在している。図39に示すように、第4図柄の第1ズレ幅WA4は0.8ステップ分である。
既に説明したとおり、各リール32L,32M,32Rの全20図柄に設定されている第1ステップパターンでは、5図柄毎に同一のパターン(26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップ、24ステップ)が繰り返されている。このため、図39に示すように、n=5,10,15の場合の第1ズレ幅WAn及びズレ方向はn=0の場合と同一であり、n=6,11,16の場合の第1ズレ幅WAn及びズレ方向はn=1の場合と同一であり、n=7,12,17の場合の第1ズレ幅WAn及びズレ方向はn=2の場合と同一であり、n=8,13,18の場合の第1ズレ幅WAn及びズレ方向はn=3の場合と同一であり、n=9,14,19の場合の第1ズレ幅WAn及びズレ方向はn=4の場合と同一である。
上記のとおり、n=0,5,10,15では、第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の下端(第n図柄の停止可能位置HPn)と一致しているとともに、n=1~4,6~9,11~14,16~19では、第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の下端(第n図柄の停止可能位置HPn)よりも上方にずれて存在している。
次に、第n図柄(nは0~19の整数)の図柄範囲RDnの下端LEnと第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の上端との位置関係について説明する。図36(a)及び図36(b)に示すように、第0図柄の図柄範囲RD0の下端LE0は、第19図柄の停止可能範囲SR19の上端よりも第2ズレ幅WB0だけ下方にずれて存在している。図39に示すように、第0図柄の第2ズレ幅WB0は2.0ステップ分である。また、図36(a)及び図36(b)に示すように、第1図柄の図柄範囲RD1の下端LE1は、第0図柄の停止可能範囲SR0の上端よりも第2ズレ幅WB1だけ下方にずれて存在している。図39に示すように、第1図柄の第2ズレ幅WB1は2.8ステップ分である。
図37(a)及び図37(b)に示すように、第2図柄の図柄範囲RD2の下端LE2は、第1図柄の停止可能範囲SR1の上端よりも第2ズレ幅WB2だけ下方にずれて存在している。図39に示すように、第2図柄の第2ズレ幅WB2は2.6ステップ分である。また、図37(a)及び図37(b)に示すように、第3図柄の図柄範囲RD3の下端LE3は、第2図柄の停止可能範囲SR2の上端よりも第2ズレ幅WB3だけ下方にずれて存在している。図39に示すように、第3図柄の第2ズレ幅WB3は2.4ステップ分である。
図38(a)及び図38(b)に示すように、第4図柄の図柄範囲RD4の下端LE4は、第3図柄の停止可能範囲SR3の上端よりも第2ズレ幅WB4だけ下方にずれて存在している。図39に示すように、第4図柄の第2ズレ幅WB4は3.2ステップ分である。
既に説明したとおり、各リール32L,32M,32Rの全20図柄に設定されている第1ステップパターンでは、5図柄毎に同一のパターン(26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップ、24ステップ)が繰り返されている。このため、図39に示すように、n=5,10,15の場合の第2ズレ幅WBn及びズレ方向はn=0の場合と同一であり、n=6,11,16の場合の第2ズレ幅WBn及びズレ方向はn=1の場合と同一であり、n=7,12,17の場合の第2ズレ幅WBn及びズレ方向はn=2の場合と同一であり、n=8,13,18の場合の第2ズレ幅WBn及びズレ方向はn=3の場合と同一であり、n=9,14,19の場合の第2ズレ幅WBn及びズレ方向はn=4の場合と同一である。
上記のとおり、全てのn(n=0~19)について、第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の上端よりも下方にずれて存在している。
各図柄は、当該図柄の図柄範囲RDnの下端LEn(nは0~19の整数)が基準位置39L,39M,39Rに存在する状態で停止制御が開始された場合に基準領域38L,38M,38R(図22(a))の中央に停止するように設定されている。各図柄の停止可能範囲SRnには2ステップ~4ステップが割り付けられているため、停止対象図柄の1つ下流に位置する図柄の停止可能範囲SRnが基準位置39L,39M,39Rに存在している期間である停止開始可能期間は所定の幅(2ステップ分~4ステップ分)を有している。このため、停止対象図柄の停止位置は、停止開始可能期間の中で停止制御が開始されるタイミングに応じて上下にずれる。具体的には、停止対象図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが基準位置39L,39M,39Rよりも上方に存在している状態で停止制御が開始された場合に第n図柄が基準領域38L,38M,38Rの中央よりも上側にずれて停止するとともに、停止対象図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが基準位置39L,39M,39Rよりも下方に存在している状態で停止制御が開始された場合に第n図柄が基準領域38L,38M,38Rの中央よりも下側にずれて停止する。
停止開始可能期間の開始タイミングである停止可能開始タイミングで停止制御が開始される場合に停止対象図柄の停止位置は最も上側にずれる。図40(a)及び図40(b)は第n図柄(n=1~4,6~9,11~14,16~19)を停止対象図柄として停止可能開始タイミングで停止制御が実行される場合における第n図柄の図柄範囲RDnと第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)との位置関係を説明するための説明図である。
図40(a)及び図40(b)に示すように、停止可能開始タイミングでは、第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の下端(第n図柄の停止可能位置HPn)が基準位置39L,39M,39Rに存在している。上述したとおり、n=1~4,6~9,11~14,16~19では第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の下端(第n図柄の停止可能位置HPn)よりも上方にずれて存在しているため、停止可能開始タイミングにおいて第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnは基準位置39L,39M,39Rから第1ズレ幅WAnだけ上方にずれて存在している。このため、n=1~4,6~9,11~14,16~19では、停止可能開始タイミングにてリール32L,32M,32Rの停止制御が開始された場合に停止対象図柄が基準領域38L,38M,38Rの中央よりも上方にずれて停止する。
一方、図示は省略するが、上述したとおり、n=0,5,10,15では第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の下端(第n図柄の停止可能位置HPn)と一致しているため、停止可能開始タイミングにおいて第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnは基準位置39L,39M,39Rに存在している。このため、n=0,5,10,15では、停止可能開始タイミングにてリール32L,32M,32Rの停止制御が開始された場合に停止対象図柄が基準領域38L,38M,38Rの中央に停止する。
また、停止開始可能期間の終了タイミングである停止可能終了タイミングで停止制御が開始される場合に停止対象図柄の停止位置は最も下側にずれる。図40(c)及び図40(d)は第n図柄(n=0~19)を停止対象図柄として停止可能終了タイミングで停止制御が実行される場合における第n図柄の図柄範囲RDnと第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)との位置関係を説明するための説明図である。
図40(c)及び図40(d)に示すように、停止可能終了タイミングでは、第(n-1)図柄の停止可能範囲SR(n-1)の上端が基準位置39L,39M,39Rに存在している。そして、第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnは基準位置39L,39M,39Rから第2ズレ幅WBnだけ下方にずれて存在している。このため、全てのn(n=0~19)について、停止可能開始タイミングにてリール32L,32M,32Rの停止制御が開始された場合に停止対象図柄が基準領域38L,38M,38Rの中央よりも下方にずれて停止する。
図39に示すように、上向きの第1ズレ幅WAnの最大値は、n=1,6,11,16の場合における1.2ステップ分である。第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが基準位置よりも下方にずれるnは存在せず、上向きの第1ズレ幅WAnの最小値は、n=0,5,10,15の場合における「0」である。このため、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差は、第1ズレ幅WAnの最大値(「1.2」)から第1ズレ幅WAnの最小値(「0」)を引いた1.2ステップ分である。また、図39に示すように、第2ズレ幅WBnの最大値は、n=3,8,13,18の場合における3.2ステップ分である。
図41は5図柄毎に2つの26ステップ、2つの25ステップ、及び1つの24ステップを割り付けたパターンを4回繰り返す全てのステップパターンにおける第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差、及び第2ズレ幅WBnの最大値を説明するための説明図である。
図41に示すように、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差は、第1ステップパターンを設定した場合に、5図柄毎に2つの26ステップ、2つの25ステップ、及び1つの24ステップを割り付けたパターンを4回繰り返す全てのステップパターンにおける当該最大差の中で最小となる。
このため、第1ステップパターンが設定されている本実施形態では、停止可能開始タイミングで停止制御が開始される場合において、停止対象図柄の種類によって生じる停止対象図柄の停止位置のズレの最大差が抑えられている。これにより、停止対象図柄の種類によって停止位置のズレに差が生じて違和感を生じさせる可能性が低減されている。
また、図41に示すように、第2ズレ幅WBnの最大値は、第1ステップパターンを設定した場合に、5図柄毎に2つの26ステップ、2つの25ステップ、及び1つの24ステップを割り付けたパターンを4回繰り返す全てのステップパターンにおける第2ズレ幅WBnの最大値の中で最小となる。
このため、第1ステップパターンが設定されている本実施形態では、停止可能終了タイミングで停止制御が開始される場合において、停止対象図柄の停止位置が基準領域38L,38M,38Rの中央から離れることが抑制されており、図柄の停止位置について違和感を生じさせる可能性が低減されている。
上記のとおり、各リール32L,32M,32Rに付された20図柄に対して第1ステップパターンを設定することにより、5図柄毎に2つの26ステップ、2つの25ステップ、及び1つの24ステップを割り付けたパターンを4回繰り返す全てのステップパターンの中で、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差と、第2ズレ幅WBnの最大値との両方を最小とすることができる。これにより、図柄の停止位置について違和感を生じさせる可能性が低減されている。
次に、主側MPU72にて実行される報知制御処理について図42のフローチャートを参照しながら説明する。なお、報知制御処理は、役の抽選処理(図11)のステップS411にて実行される。
報知制御処理では、先ず非CB状態で実行された役の抽選処理(図11)においてインデックス値IV=1~3に当選したか否かについて判定する(ステップS1401)。既に説明したとおり、インデックス値IV=1~3には、ベル当選データと、いずれかの補填当選データ(第1補填当選データ~第9補填当選データ)とが設定されている。インデックス値IV=1~3に当選している場合(ステップS1401:YES)には、準備状態及びART状態のいずれかであるか否かについて判定し(ステップS1402)、準備状態及びART状態のいずれでもない場合(ステップS1402:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、準備状態及びART状態のいずれかである場合(ステップS1402:YES)には、ベル入賞用の停止順把握処理を実行する(ステップS1403)。当該停止順把握処理では、役の抽選処理(図11)にて当選したインデックス値IVに応じて、ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として、ベル入賞用コマンドをセットして(ステップS1404)、本報知制御処理を終了する。当該ベル入賞用コマンドは、今回のゲームにおいてベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。ベル入賞用コマンドを受信した演出側MPU82は、ベル入賞用停止順報知を実行するために画像表示装置63の表示制御を実行するとともにスピーカ62の音出力制御を実行する。
ステップS1401にてインデックス値IV=1~3に当選していなかった場合には、いずれかの昇格リプレイ(第1RTリプレイ又は第2RTリプレイ)に当選したか否かについて判定する(ステップS1405)。いずれかの昇格リプレイに当選している場合(ステップS1405:YES)には、準備状態及びART状態のいずれかであるか否かについて判定し(ステップS1406)、準備状態及びART状態のいずれでもない場合(ステップS1406:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、ステップS1406にて準備状態及びART状態のいずれかであった場合には、昇格リプレイ用の停止順把握処理を実行する(ステップS1407)。当該昇格リプレイ用の停止順把握処理では、今回の当選結果に対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として昇格用コマンドをセットして(ステップS1408)、本報知制御処理を終了する。当該昇格用コマンドは、今回のゲームにおいてRTリプレイ入賞(第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞)の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。昇格用コマンドを受信した演出側MPU82は、昇格用停止順報知を実行するために画像表示装置63の表示制御を実行するとともにスピーカ62の音出力制御を実行する。
ステップS1405にて昇格リプレイに当選していなかった場合には、いずれかの転落リプレイ(第1転落リプレイ又は第2転落リプレイ)に当選しているか否かについて判定し(ステップS1409)、いずれの転落リプレイにも当選していない場合(ステップS1409:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。また、ステップS1409にていずれかの転落リプレイに当選している場合には、ART状態であるか否かについて判定し(ステップS1410)、ART状態でない場合(ステップS1410:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、ART状態である場合(ステップS1410:YES)には、転落リプレイ回避用の停止順把握処理を実行する(ステップS1411)。当該転落リプレイ回避用の停止順把握処理では、今回の当選結果に対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として、転落回避用コマンドをセットして(ステップS1412)、本報知制御処理を終了する。当該転落回避用コマンドは、今回のゲームにおいて転落リプレイ入賞(第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞)の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。転落回避用コマンドを受信した演出側MPU82は、転落回避用停止順報知を実行するために画像表示装置63の表示制御を実行するとともにスピーカ62の音出力制御を実行する。
なお、詳細な説明は省略するが遊技状態が準備状態である場合であって、役の抽選処理(図11)にて第1RTモード用抽選テーブル(図14)のインデックス値IV=11~16に当選した場合には、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理が実行される。その一方、遊技状態が準備状態である場合において役の抽選処理(図11)にて第2RTモード用抽選テーブル(図16)のインデックス値IV=7~12に当選したとしても、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。準備状態からART状態への移行条件が第2RTリプレイ入賞の成立であるため、第2RTモードにおいて準備状態への移行が発生した場合には第2転落リプレイ入賞の成立を回避させないことにより、第1RTモードに一旦転落させて第2RTリプレイ入賞が成立する機会を与えることが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行される遊技終了時の対応処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技終了時の対応処理は、リール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後、通常処理(図10)におけるステップS309にて実行される。
遊技終了時の対応処理では、CB当選データが設定されている状態又はCB状態である場合(ステップS1501:YES)、CB用処理を実行する(ステップS1502)。図44は、CB用処理を示すフローチャートである。
CB用処理では、先ずCB状態であるか否かについて判定する(ステップS1601)。上述したとおり、本CB用処理は、いずれかのCB当選データが設定されている状態又はCB状態である場合に実行される処理であるため、ステップS1601にてCB状態でないと判定した場合には、主側RAM74にいずれかのCB当選データが設定されていることを意味する。この場合、今回のゲームにおいてCB入賞が発生したか否かを判定し(ステップS1602)、CB入賞が発生している場合(ステップS1602:YES)には、主側RAM74に設けられたCB状態フラグに「1」をセットして、遊技状態をCB状態に移行させる(ステップS1603)。これにより、次回以降のゲームにおける抽選処理(図11)ではCB用抽選テーブルが参照されることとなる。
その後、CB状態に移行したことを示すCB移行コマンドを演出制御装置80への送信対象としてセットすることで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてCB状態用の演出を開始させる(ステップS1604)。そして、主側RAM74に設定されているCB当選データを削除して(ステップS1605)、本CB用処理を終了する。
ステップS1601にてCB状態であると判定した場合には、CB状態用処理を実行して(ステップS1606)、本CB用処理を終了する。CB状態用処理では、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したことを条件として、主側RAM74に設けられたCB用カウンタの減算処理を実行する。CB用カウンタは、CB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数以上となったか否かを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。CB状態が開始された場合にCB用カウンタに終了基準数である「350」がセットされる。CB用カウンタの減算処理では、今回のゲームにおいて付与された遊技媒体の数をCB用カウンタの値から減算する。そして、当該減算後におけるCB用カウンタの値が「0」でない場合には、そのまま本CB状態用処理を終了する。一方、当該減算後におけるCB用カウンタの値が「0」である場合には、CB状態を終了させるためのCB終了処理を実行して、本CB状態用処理を終了する。CB終了処理では、主側RAM74のCB状態フラグを「0」クリアすることでCB状態を終了させる。また、CB状態が終了したことを示すコマンドを演出制御装置80に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63におけるCB状態用の演出を終了させる。なお、CB状態が終了した場合、CB状態の開始前における抽選モードがいずれのモードであったとしても抽選モードは通常モードとなる。また、AT状態においてCB状態が開始された場合、CB状態の開始前における状態に関係なくCB状態の終了後には後述するART準備状態処理(遊技終了時の対応処理(図43)におけるステップS1508)が実行される状態となる。
遊技終了時の対応処理(図43)の説明に戻り、CB役の当選状態及びCB状態のいずれでもなく(ステップS1501:NO)、さらにAT状態ではない場合(ステップS1503:NO)、RTモードの移行処理(ステップS1504)、ゲーム数解除管理処理(ステップS1505)及び移行チャンス管理処理(ステップS1506)を実行する。
RTモードの移行処理(ステップS1504)では、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第2RTモードに移行させる。また、RTモードの移行処理では、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には通常モードに移行させる。
ゲーム数解除管理処理(ステップS1505)では、AT状態が前回終了する場合に設定された解除ゲーム数分のゲームがAT状態への新たな移行が発生することなく消化された場合にAT状態に移行させるための処理を実行する。つまり、1ゲームが終了する度に解除ゲーム数の値を1減算し、残りの解除ゲーム数の値が「0」となった場合には主側RAM74のAT状態カウンタに「1」をセットする。主側RAM74には、AT状態であるか否かを特定すること、及びAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定することを可能とするAT状態カウンタが設けられている。AT状態カウンタには、遊技状態に応じて「0」~「3」の数値情報が設定される。具体的には、AT状態カウンタには、非AT状態において「0」が設定され、ART準備状態において「1」が設定され、ART状態において「2」が設定され、ART終了分岐状態において「3」が設定される。ステップS1505にてAT状態カウンタに「1」が設定されることにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS1508)が実行されることとなる。
移行チャンス管理処理(ステップS1506)では、非CB状態であるとともに非AT状態である遊技状態で行われたゲームにおいてインデックス値IV=5で当選となった場合、AT状態への移行抽選処理を実行する。非CB状態におけるインデックス値IV=5には既に説明したとおりスイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となったとしても各ストップボタン42~44の操作タイミングによってはスイカ入賞が成立しない可能性があるが、スイカ入賞が成立しなかったとしてもインデックス値IV=5で当選となっていればAT状態への移行抽選処理が実行される。但し、これに限定されることはなく対応する入賞が成立したことを条件としてAT状態への移行抽選処理が実行される構成としてもよい。
AT状態への移行抽選処理では非CB中のAT移行抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記読み出した非CB中のAT移行抽選テーブルに対して照合する。非CB中のAT移行抽選テーブルでは、1/2の確率でAT移行当選となる。
AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合には、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタに初期継続ゲーム数として「50」をセットし、主側RAM74のAT状態カウンタに「1」をセットする。AT状態カウンタに「1」がセットされることにより、遊技終了時の対応処理(図43)における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS1508)を実行することとなる。
遊技終了時の対応処理(図43)の説明に戻り、主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上である場合にはAT状態であることを意味するため、ステップS1503にて肯定判定をしてステップS1507に進む。ステップS1507ではAT状態カウンタの値を把握し、その把握した値に対応する処理を実行する。具体的には、AT状態カウンタの値が「1」であればART準備状態処理を実行し(ステップS1508)、AT状態カウンタの値が「2」であればART状態処理を実行し(ステップS1509)、AT状態カウンタの値が「3」であればART終了分岐処理を実行する(ステップS1510)。ステップS1502の処理を実行した場合、ステップS1506の処理を実行した場合、又はステップS1508~ステップS1510のいずれかの処理を実行した場合、ゲーム終了コマンドを演出制御装置80への送信対象としてセットして(ステップS1511)、本遊技終了時の対応処理を終了する。ゲーム終了コマンドは、1ゲームが終了したことを演出制御装置80に認識させるためのコマンドであり、当該コマンドはタイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS210)にて演出制御装置80に送信される。以下、ステップS1508~ステップS1510の各処理について説明する。
まずART準備状態処理(ステップS1508)について説明する。ART準備状態は、ART状態への移行可能条件が成立した場合において、ART状態に移行する前に滞在することとなる状態である。既に説明したとおり、ART準備状態では、インデックス値IV=1~3のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、既に説明したとおり、ART準備状態では、通常モード用抽選テーブル(図12)又は第1RTモード用抽選テーブル(図14)におけるインデックス値IV=7~10のいずれか(以下、昇格対象役ともいう。)で当選となった場合に第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序(昇格発生用の停止順序)が報知される。ART状態への移行は、ART準備状態処理又はART終了分岐処理が実行されている状況において、第1RTモードにて昇格対象役で当選となり昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されて抽選モードが第2RTモードに移行した場合に発生する。
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいて非CB状態におけるインデックス値IV=5に当選している場合、上乗せ抽選処理を実行する。非CB状態におけるインデックス値IV=5には、既に説明したとおり、スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となったとしても各ストップボタン42~44の操作タイミングによってはスイカ入賞が成立しない可能性があるが、対応する入賞が成立しなかったとしてもインデックス値IV=5で当選となっていれば上乗せ抽選処理が実行される。但し、これに限定されることはなく対応する入賞が成立したことを条件として上乗せ抽選処理が実行される構成としてもよい。上乗せ抽選処理では、上乗せ抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記読み出した上乗せ抽選テーブルに対して照合する。上乗せ抽選テーブルでは、1/2の確率で上乗せ当選となる。上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合、主側RAM74のARTゲーム数カウンタに上乗せゲーム数として「50」を加算する上乗せ処理を実行する。これにより、ART状態に移行した後における当該ART状態の1実行回の継続ゲーム数が増加することとなる。
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図43)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS1509)を実行することとなり、遊技状態がART準備状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74のデータ設定を行う。その後、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であることを条件として、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を20加算する。これにより、ART状態の残りのゲーム数が「0」となったタイミングでCB状態に移行した場合には、当該CB状態においてARTゲーム数カウンタへの上乗せが発生しなかったとしてもCB状態の終了後においてART状態がある程度は確実に実行されるようにすることが可能となる。
ART準備状態処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する。その他のRTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
次に、遊技終了時の対応処理(図43)におけるART状態処理(ステップS1509)について説明する。ART状態処理では、今回のゲームにおいて非CB状態におけるインデックス値IV=5に当選している場合、ART準備状態処理(ステップS1508)における上乗せ抽選処理と同一の上乗せ抽選処理を実行する。既に説明したとおり、上乗せ抽選処理では、1/2の確率で上乗せ当選となる。上乗せ当選となった場合、主側RAM74のARTゲーム数カウンタに上乗せゲーム数として「50」を加算する。これにより、当該ART状態の1実行回の継続ゲーム数が増加することとなる。
ART状態処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を1減算する。そして、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタの値が「0」となっている場合、通常モードであるか否かを判定する。通常モードではない場合、主側RAM74のAT状態カウンタに「3」をセットする。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図43)における次回の処理回においてART終了分岐処理(ステップS1510)を実行することとなり、遊技状態がART状態からART終了分岐状態に移行する。一方、通常モードである場合、主側RAM74のAT状態カウンタを「0」クリアする。これにより、AT状態が終了することとなる。
ART状態処理では、RTモードの移行処理を実行する。RTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第2RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
次に、遊技終了時の対応処理(図43)におけるART終了分岐処理(ステップS1510)について説明する。ART終了分岐状態は、ART状態の1実行回が終了した場合に滞在する遊技状態である。既に説明したとおり、ART終了分岐状態では、インデックス値IV=1~3のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。一方、ART終了分岐状態において第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしてもこれら転落リプレイ入賞の発生を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。そして、ART終了分岐状態において第1転落リプレイ入賞が発生して通常モードへ移行した場合には、AT状態カウンタの値を「0」クリアする。これにより、AT状態が終了することとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各図柄の図柄範囲RDnが基準位置39L,39M,39Rに到達するよりも早いタイミングで基準位置39L,39M,39Rに到達する位置に当該図柄の停止可能位置HPnが設定されており、当該停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達することによりリール32L,32M,32Rの停止制御を実行することが可能となる。これにより、停止対象図柄の図柄範囲RDnが基準位置39L,39M,39Rに到達するよりも早くリール32L,32M,32Rの停止制御を開始することが可能となっている。
各図柄の図柄対応範囲REnの上流側に2ステップ~4ステップが割り付けられた停止可能範囲SRnが設定されていることにより、停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数分だけ第2期間TCが短縮されている。これにより、1コマ滑りの停止制御及び4コマ滑りの停止制御における最大所要時間(検出期間TA+第1期間TB+第2期間TC)の最大値が短縮されている。
左リール32Lの各図柄に対して、1コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間が49割込時間(約73.0msec)以下となるように停止可能位置HPnが設定されている。これにより、CB状態の左リール32Lについて、左ストップボタン42の操作が行われてから第2規定時間(75msec)以内に1コマ滑りの停止制御を実行することが可能となっている。
各リール32L,32M,32Rの各図柄には、24ステップ~26ステップのいずれかが割り付けられている。各図柄に対して、ステッピングモータ33を1周させるために必要なステップ数(「504」)を各リール32L,32M,32Rのリールテープ97上に付された図柄の数(「20」)で除算した場合の解(「25.2」)に近いステップ数が割り付けられていることにより、図柄間で停止位置に大きなズレを生じさせない構成となっている。
各リール32L,32M,32Rのリールテープ97上に付された20図柄に対して、5図柄毎に26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップ、24ステップを割り付けたパターンを4回繰り返す第1ステップパターンが設定されている。5図柄毎に4つの25ステップと1つの26ステップとを割り付けたパターンを4回繰り返すステップパターンとすると、連続する5図柄のうちの1図柄だけにおいてステップ数が1多くなってしまう。これに対して、3種類のステップ数を組み合わせてなる第1ステップパターンを設定することにより、連続する5図柄に割り付けられているステップ数のズレを分散させることができる。
各リール32L,32M,32Rに付された20図柄に対して第1ステップパターンが設定されていることにより、5図柄毎に2つの26ステップ、2つの25ステップ、及び1つの24ステップを割り付けたパターンを4回繰り返す全てのステップパターンの中で、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差と、第2ズレ幅WBnの最大値との両方を最小のものとすることができる。これにより、ストップボタン42~44の操作検出時に停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達していない場合における図柄の停止位置について違和感を生じさせる可能性と、ストップボタン42~44の操作検出時に停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達している場合における図柄の停止位置について違和感を生じさせる可能性との両方が低減されている。
各図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数が「22」で固定されている。これにより、主側RAM74において各図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数を主側MPU72にて特定可能とするためのデータの記憶容量を低減されている。
<第1の実施形態の別形態>
・ストップ検出センサ42a~44aの検出信号の状態がLOW状態→HI状態→HI状態であることが検出された場合にストップボタン42~44が操作されたと判定する構成としてもよい。具体的には、主側RAM74の検出状態記憶エリアには、ストップ検出センサ42a~44aの直近3回分の検出信号の状態が記憶される。本構成では、ストップ検出センサ42a~44aの検出信号の状態がLOW状態→LOW状態→HI状態となったとしても有効操作判定処理(図25)のステップS704にてストップボタン42~44の操作は検出されない。約1割込時間後にストップ検出センサ42a~44aの検出状態がHI状態となり、直近3回分の状態がLOW状態→HI状態→HI状態となった場合に当該ストップボタン42~44の操作が検出される。これにより、1処理回に限ってストップ検出センサ42a~44aの検出信号がHI状態に立ち上がる電気的なノイズによりリール32L,32M,32Rの停止制御が開始されてしまう可能性を排除することができる。本構成では、ストップボタン42~44の操作が行われてから当該ストップボタン42~44の操作が検出されるまでの検出期間が上記第1の実施形態における検出期間TA(1割込時間)よりも1割込時間長い2割込時間となる。本構成において1コマ滑りの停止制御における最大所要時間が最大となるのは、上記第1の実施形態の場合(図35(a)参照)と同様に、n=0,5,10,15の場合及びn=3,8,13,18の場合であり、この場合の最大所要時間は、検出期間TA(「2」)+第1期間TB(「26」)+第2期間TC(「22」)=50割込時間(約74.5msec)である。1コマ滑りの停止制御における最大所要時間の最大値が第2規定時間(75msec)を超過しないため、左ストップボタン42が操作されてから第2規定時間以内にスベリ数を「1」として左リール32Lの停止制御を開始することができる。また、本構成において、4コマ滑りの停止制御における最大所要時間が最大となるのは、上記第1の実施形態の場合(図35(b)参照)と同様に、n=0,5,10,15の場合であり、この場合の最大所要時間は、検出期間TA(「2」)+第1期間TB(「26+25+25+24」)+第2期間TC(「22」)=126割込時間(約187.7msec)である。4コマ滑りの停止制御における最大所要時間の最大値が第1規定時間(190msec)を超過しないため、ストップボタン42~44の操作が行われてから第1規定時間以内にスベリ数を「4」として対応するリール32L,32M,32Rの停止制御を開始することができる。
・停止可能範囲SRnを不具備であり、基準位置39L,39M,39Rに停止対象図柄の停止可能位置HPnが到達したタイミング及び停止対象図柄の図柄対応範囲REnの下端が到達したタイミングにてリール32L,32M,32Rの停止制御を実行可能とする構成としてもよい。本構成では、ストップボタン42~44の操作検出時に停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達していない場合、当該停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達したタイミングで停止制御を実行することができる。また、ストップボタン42~44の操作検出時に停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rを通過している場合には、停止対象図柄の図柄対応範囲REnの下端が基準位置39L,39M,39Rに到達したタイミングで停止制御を実行することができる。本構成においても、1コマ滑りの停止制御の最大所要時間を上記第1の実施形態における1コマ滑りの最大所要時間と同一の時間とすることができるとともに、4コマ滑りの停止制御の最大所要時間を上記第1の実施形態における4コマ滑りの最大所要時間と同一の時間とすることができる。
・左ストップボタン42が操作されてからスベリ数を「1」として左リール32Lの停止制御が開始されるまでの最大所要時間を短縮して第2規定時間(75msec)以内とする構成は、各図柄の停止可能範囲が当該図柄の図柄対応範囲REnの上流側に設定されている構成に限定されない。各図柄の停止可能範囲が当該図柄の図柄対応範囲REnの下流側に設定されている構成としてもよい。具体的には、各リール32L,32M,32Rの全20図柄には、第0図柄から5図柄毎に24ステップ、26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップが割り付けられるパターンが4回繰り返されるステップパターンが設定されている。各図柄の停止可能範囲SRnには当該図柄に割り付けられているステップ数から22ステップを引いたステップ数(2ステップ~4ステップ)が割り付けられているとともに、各図柄の停止不可範囲NRnには22ステップが割り付けられている。本構成では、停止対象図柄として第p図柄(pは0~19の整数)が設定された場合、基準位置39L,39M,39Rに第p図柄の停止可能範囲SRpが存在している状態となったことに基づいて当該第p図柄を基準領域38L,38M,38Rに停止させるための停止制御を開始可能となる。
基準位置39L,39M,39Rに第n図柄(nは0~19の整数)の停止不可範囲NRnが存在している状態から基準位置に第n図柄の停止可能範囲SRnが存在している状態に切り替わるタイミングで左ストップボタン42の操作が検出された場合における1コマ滑りの停止制御の最大所要時間は、上記第1の実施形態における検出期間TAと同一の検出期間TA(1割込時間)、第n図柄の停止不可範囲NRnが基準位置39L,39M,39Rを通過するのに要する第1期間TB、及び第n図柄の1つ上流に位置する第(n+1)図柄の図柄対応範囲RE(n+1)が基準位置39L,39M,39Rを通過するのに要する第2期間TCの合計期間である。
上述したとおり、停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数は図柄番号に関係なく「22」で固定されているため、本構成における第1期間TBは一定であり、具体的には22割込時間である。このため、1コマ滑りの停止制御における最大所要時間が最大となるのは、第2期間TCが最大となる場合である。具体的には、n=0,5,10,15の場合に第(n+1)図柄に割り付けられているステップ数が最大(「26」)となるとともに、第2期間TCが最大の26割込時間となる。この場合の最大所要時間は、検出期間TA(「1」)+第1期間TB(「22」)+第2期間TC(「26」)=49割込時間(約73.0msec)であり、第2規定時間(75msec)を超過しない。
このように、各図柄の図柄対応範囲REnの下流側に停止可能範囲SRnを設ける構成とし、第1期間TBを短縮して1コマ滑りの停止制御における最大所要時間を短縮することによっても、左ストップボタン42の操作が行われてから第2規定時間(75msec)以内にスベリ数を「1」として左リール32Lの停止制御を開始することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、1割込みに亘って2相励磁が実行された後であることを条件としてリール32L,32M,32Rの停止制御が開始される。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
主側MPU72にて実行される停止開始用処理について図45のフローチャートを参照しながら説明する。なお、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、停止開始用処理は、ステップ数監視処理(図31)におけるステップS1119にて実行される。
本実施形態における停止開始用処理では、先ず主側RAM74に設けられた停止準備フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1701)。停止準備フラグは、1割込みに亘って2相励磁を実行した後に停止制御を開始すべきことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。停止準備フラグには、停止対象図柄の1つ下流に位置する図柄の停止可能範囲SRnが基準位置39L,39M,39Rに存在している状態となった場合であって、直前の励磁相が2相励磁であった場合に「1」が設定される。
ステップS1701にて停止準備フラグに「1」が設定されていないと判定した場合、ステップS1702~ステップS1705では、上記第1の実施形態の停止開始用処理(図32)におけるステップS1201~ステップS1204と同一の処理を実行する。具体的には、停止制御中でない(ステップS1702:NO)とともに、制動対象フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1703:YES)に、停止許可フラグ74cに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1704)。そして、停止許可フラグ74cに「1」が設定されている場合(ステップS1704:YES)であって、現状の管理対象図柄が停止対象図柄の1つ下流に位置する図柄である場合(ステップS1705:YES)にステップS1706に進む。
ステップS1706では、1割込みに亘って2相励磁が実行された後であるか否かを判定する。当該ステップS1706では、前回のステッピングモータ制御処理(図27)において対象リールのモータドライバ96に出力した励磁データが2相励磁の励磁データである場合に肯定判定を行う。
1割込みに亘って2相励磁が実行された後である場合(ステップS1706:YES)には、ステップS1707及びステップS1708において上記第1の実施形態の停止開始用処理(図32)におけるステップS1205及びステップS1206の処理と同一の処理を実行する。具体的には、主側RAM74における停止実行フラグに「1」を設定し(ステップS1707)、主側RAM74における停止情報更新フラグに「1」を設定する(ステップS1708)。停止実行フラグに「1」が設定されることによりモータドライバ96に4相励磁の励磁データが出力されて停止制御が開始されることとなる。
一方、ステップS1706において、1割込みに亘って2相励磁が実行された後ではないと判定した場合には、主側RAM74における停止準備フラグに「1」を設定する(ステップS1709)。停止準備フラグに「1」が設定された場合には、ステッピングモータ制御処理(図27)のステップS906にてモータドライバ96に対して定速回転用の励磁データが出力される。この場合、前回のステッピングモータ制御処理(図27)においてモータドライバ96に出力された励磁データは1相励磁の励磁データであるため、今回のステッピングモータ制御処理では2相励磁の励磁データが出力されることとなる。
ステップS1701にて停止準備フラグに「1」が設定されていると判定した場合には、前回の停止開始用処理で停止準備フラグに「1」が設定され、その後のステッピングモータ制御処理(図27)において2相励磁の励磁データが出力されたことを意味する。この場合には、停止準備フラグを「0」クリアする(ステップS1710)。その後、主側RAM74における停止実行フラグに「1」を設定し(ステップS1707)、主側RAM74における停止情報更新フラグに「1」を設定する(ステップS1708)。
ステップS1702にて肯定判定を行った場合、ステップS1703~ステップS1705のいずれかにて否定判定を行った場合、ステップS1708の処理を行った場合、又はステップS1709の処理を行った場合、ステップS1711~ステップS1713では、上記第1の実施形態における停止開始用処理(図32)のステップS1207~ステップS1209と同一の処理を実行する。具体的には、図柄更新フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1711:YES)に、停止許可フラグ74cを「0」クリアし(ステップS1712)、図柄更新フラグを「0」クリアして(ステップS1713)、本停止開始用処理を終了する。
このように、本実施形態では、1割込みに亘って2相励磁が実行された後に停止実行フラグに「1」が設定され、その後に4相励磁の励磁データが出力されてリール32L,32M,32Rの停止制御が開始される。主側ROM73には、リール32L,32M,32Rの加速用テーブルとして、上記第1の実施形態における第2加速用テーブル(図20)のみが設定されている。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、第2加速用テーブルには、初期励磁として1相励磁が設定されている。停止制御を実行する直前の励磁相が2相励磁に固定されていることにより、初期励磁として1相励磁が設定されている第2加速用テーブルのみを用いてリール32L,32M,32Rの加速制御を開始することが可能となっている。予め記憶させておくことが必要な加速用テーブルの種類を減らすことにより、主側ROM73における加速用テーブルの記憶容量を低減することが可能となる。
次に、本実施形態におけるリール32L,32M,32Rの停止制御の最大所要時間について説明する。
本実施形態では、ストップボタン42~44の操作検出後に停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達した場合であっても、1割込みに亘って2相励磁が実行された後でない場合には、4相励磁が実行される前に1割込みに亘って2相励磁が実行される。このため、停止対象図柄の1つ下流に位置する図柄の停止不可範囲NRnを通過させる第2期間TCが1割込みだけ延びる場合がある。
図46(a)は1コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間を説明するための説明図であり、図46(b)は4コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間を説明するための説明図である。図46(a)及び図46(b)に示すように、本実施形態では、管理対象図柄が停止対象図柄の1つ下流の図柄に更新されてから停止制御が開始されるまでの第2期間TCが上記第1の実施形態における第2期間TCよりも1割込時間だけ延びる。第2期間TCは、具体的には、23割込時間である。
このため、図46(a)に示すように、1コマ滑りの停止制御における最大所要時間は、停止操作検出時の管理対象図柄が第0図柄、第5図柄、第10図柄及び第15図柄である場合に50割込時間(約74.5msec)であり、停止操作検出時の管理対象図柄が第1図柄、第6図柄、第11図柄及び第16図柄である場合に49割込時間(約73.0msec)であり、停止操作検出時の管理対象図柄が第2図柄、第7図柄、第12図柄及び第17図柄である場合に49割込時間(約73.0msec)であり、停止操作検出時の管理対象図柄が第3図柄、第8図柄、第13図柄及び第18図柄である場合に50割込時間(約74.5msec)であり、停止操作検出時の管理対象図柄が第4図柄、第9図柄、第14図柄及び第19図柄である場合に48割込時間(約71.5msec)である。
上記最大所要時間はいずれも第2規定時間(75msec)未満である。このため、2相励磁後に停止制御を開始する構成としてもストップボタン42~44の操作が行われてから第2規定時間(75msec)が経過する前にリール32L,32M,32Rの停止制御を開始することが可能となっている。
また、図46(b)に示すように、4コマ滑りの停止制御における最大所要時間は、停止操作検出時の管理対象図柄が第0図柄、第5図柄、第10図柄及び第15図柄である場合に126割込時間(約187.7msec)であり、停止操作検出時の管理対象図柄が第1図柄、第6図柄、第11図柄及び第16図柄である場合に124割込時間(約184.8msec)であり、停止操作検出時の管理対象図柄が第2図柄、第7図柄、第12図柄及び第17図柄である場合に125割込時間(約183.3msec)であり、停止操作検出時の管理対象図柄が第3図柄、第8図柄、第13図柄及び第18図柄である場合に125割込時間(約186.3msec)であり、停止操作検出時の管理対象図柄が第4図柄、第9図柄、第14図柄及び第19図柄である場合に124割込時間(約184.8msec)である。
上記最大所要時間はいずれも第1規定時間(190msec)未満である。このため、2相励磁後に停止制御を開始する構成としてもストップボタン42~44の操作が行われてから第1規定時間(190msec)が経過する前にリール32L,32M,32Rの停止制御を開始することが可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
停止制御の開始前の励磁相が2相励磁に統一されているとともに加速制御における初期励磁が1相励磁に統一されている。このため、1種類の加速用テーブルを利用してリール32L,32M,32Rの加速制御を実行することができる。これにより、主側ROM73における加速用テーブルの記憶容量を低減することが可能となっている。
管理対象図柄が更新されてから次の管理対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達するまでに要する時間を49割込時間以内とするステップ数が各図柄の停止可能範囲SRnに設定されている。このため、1割込みに亘って1相励磁が実行されることにより停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達し、1割込みに亘って2相励磁が実行された後に停止制御が開始される場合においても、ストップボタン42~44が操作されてから第2規定時間(75msec)以内に停止制御を開始することが可能となっている。
管理対象図柄が更新されてから当該更新後の管理対象図柄の4つ上流に位置する図柄の停止可能範囲SRnが基準位置39L,39M,39Rに到達するまでに要する時間を125割込時間以内とするステップ数が各図柄の停止可能範囲SRnに設定されている。このため、1割込みに亘って1相励磁が実行されることにより停止対象図柄の停止可能位置HPnが基準位置39L,39M,39Rに到達し、1割込みに亘って2相励磁が実行された後に停止制御が開始される場合においても、ストップボタン42~44が操作されてから第1規定時間(190msec)以内に停止制御を開始することが可能となっている。
<第3の実施形態>
本実施形態では、図柄番号に応じて停止不可範囲NRnに異なるステップ数が割り付けられて第1ズレ幅WAnが低減されている点において、上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図47(a)は本実施形態における第n図柄の停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数を説明するための説明図であり、図47(b)は第1ズレ幅WAn及び第2ズレ幅WBnを説明するための説明図である。本実施形態における各リール32L,32M,32Rの20図柄には、図47(a)に示すように、上記第1の実施形態と同じ第1ステップパターンが設定されており、第0図柄の図柄範囲RD0の下端LE0(図36(a)及び図36(b)参照)に対する各図柄対応範囲REnの位置は上記第1の実施形態と同一となっている。
先ずn=0,5,10,15、n=2,7,12,17、及びn=3,8,13,18である第n図柄について説明する。図47(a)に示すように、第n図柄(n=0,5,10,15、n=2,7,12,17、及びn=3,8,13,18)の停止可能範囲SRnには、上記第1の実施形態においてこれらの図柄の停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数よりも1少ないステップ数が割り付けられているとともに、これらの図柄の停止不可範囲NRnには上記第1の実施形態においてこれらの図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数(「22」)よりも1多い23ステップが割り付けられている。これにより、図47(b)に示すように、当該第n図柄(n=0,5,10,15、n=2,7,12,17、及びn=3,8,13,18)の1つ上流に位置する第(n+1)図柄について、第1ズレ幅WAnが上記第1の実施形態よりも低減されている。具体的には、図47(b)において、n=1,6,11,16では、第1ズレ幅WAnが0.2ステップ分(上向き)となっており、n=3,8,13,18では、第1ズレ幅WAnが0.4ステップ分(下向き)となっており、n=4,9,14,19では、第1ズレ幅WAnが0.2ステップ分(下向き)となっている。
第0図柄の図柄範囲RD0の下端LE0に対する各図柄対応範囲REnの位置が上記第1の実施形態と同一である構成において、第n図柄(n=0,5,10,15、n=2,7,12,17、及びn=3,8,13,18)の停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数が1減少していることにより、当該第n図柄の1つ上流に位置する第(n+1)図柄の停止可能位置HP(n+1)は、上記第1の実施形態と比較して1ステップだけ上流側に移動している。第(n+1)図柄(n+1=1,6,11,16、n=3,8,13,18、及びn=4,9,14,19)は、上記第1の実施形態において、上向きの第1ズレ幅WA(n+1)が「0.6」以上の図柄である。また、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、第(n+1)図柄の第1ズレ幅WA(n+1)は、基準位置39L,39M,39Rに第(n+1)図柄の停止可能位置HP(n+1)が存在している状態における第(n+1)図柄の図柄範囲RD(n+1)の下端LE(n+1)と基準位置39L,39M,39Rとのズレ幅であり、第(n+1)図柄の図柄範囲RD(n+1)の下端LE(n+1)と第(n+1)図柄の停止可能位置HP(n+1)とのズレ幅でもある(図40(a)~図40(d)参照)。このため、上向きの第1ズレ幅WA(n+1)が「0.6」以上である第(n+1)図柄について停止可能位置HP(n+1)を1ステップだけ上流側に移動させることにより、第1ズレ幅WA(n+1)が低減されている。
次に、n=1,6,11,16、及びn=4,9,14,19である第n図柄について説明する。図47(a)に示すように、第n図柄(n=1,6,11,16、及びn=4,9,14,19)の停止可能範囲SRnには、上記第1の実施形態においてこれらの図柄の停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数と同一のステップ数が割り付けられているとともに、これらの図柄の停止不可範囲NRnには、上記第1の実施形態においてこれらの図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数(「22」)と同一の22ステップが割り付けられている。このため、当該第n図柄の1つ上流に位置する第(n+1)図柄における第1ズレ幅WA(n+1)は上記第1の実施形態における当該第1ズレ幅WA(n+1)と同一となっている。具体的には、図47(b)に示すように、n=2,7,12,17では、第1ズレ幅WAnが0.4ステップ分(上向き)となっているとともに、n=0,5,10,15では、第1ズレ幅WAnが「0」となっている。
図47(b)に示すように、上向きの第1ズレ幅WAnの最大値は、n=2,7,12,17の場合における0.4ステップ分である。一方、下向きの第1ズレ幅WAnの最大値は、n=3,8,13,18の場合における0.4ステップ分である。このため、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差は、上向きの第1ズレ幅WAnの最大値(「0.4」)と下向きの第1ズレ幅WAnの最大値(0.4)とを足した0.8ステップ分である。
上記のとおり、各リール32L,32M,32Rでは、各図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数が図柄番号に応じて異なっている。主側ROM73には、図柄順序情報に対応させて当該図柄順序情報に対応する図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数(22ステップ~23ステップ)が設定されている停止不可範囲用のステップ数テーブルが記憶されている。主側MPU72は、管理対象図柄が更新された場合、当該停止不可範囲用のステップ数テーブルを参照することにより、ステップ数監視処理(図31)のステップS1112にてステップ数カウンタに「22」又は「23」の数値情報を設定する。
既に説明したとおり、第0図柄の図柄範囲RD0の下端LE0に対する各図柄対応範囲REnの位置は上記第1の実施形態と同一であるため、図47(b)に示すように、本実施形態の第n図柄(n=0~19)における第2ズレ幅WBnは、上記第1の実施形態における第2ズレ幅WBnと同一である。
次に、本実施形態における1コマ滑りの停止制御の最大所要時間及び4コマ滑りの停止制御の最大所要時間について説明する。図48(a)は1コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間を説明するための説明図であり、図48(b)は4コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間を説明するための説明図である。
図48(a)に示すように、1コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間は、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第0図柄~第3図柄である場合に49割込時間(約73.0msec)であり、当該操作検出時の管理対象図柄が第4図柄である場合に48割込時間(約71.5msec)である。これらの最大所要時間は第2規定時間(75msec)未満であるため、ストップボタン42~44の操作が行われてから第2規定時間以内に1コマ滑りの停止制御を実行することが可能となっている。
図48(b)に示すように、4コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間は、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第0図柄又は第3図柄である場合に125割込時間(約186.3msec)であり、当該操作検出時の管理対象図柄が第1図柄、第2図柄、又は第4図柄である場合に124割込時間(184.8msec)である。これらの最大所要時間は第1規定時間(190msec)未満であるため、ストップボタン42~44の操作が行われてから第1規定時間以内に4コマ滑りの停止制御を実行することが可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
全てのnについて、第1ズレ幅WAnを「0.5」以下とするステップ数が停止可能範囲SRnに設定されていることにより、全ての図柄について、停止可能位置HPnと図柄範囲RDnの下端LEnとのズレ幅が0.5ステップ以下となっている。これにより、停止可能開始タイミングで停止制御が開始される場合における図柄の基準領域38L,38M,38Rの中央からのズレ幅が抑えられている。よって、図柄の停止位置について違和感を生じさせる可能性が低減されている。
停止可能範囲SRnに設定された第1ズレ幅WAnを「0.5」以下とするステップ数は、1コマ滑りの停止制御における最大所要時間を49割込時間(約73.0msec)以下とするステップ数でもある。これにより、CB状態の左リール32Lについて、左ストップボタン42の操作が行われてから第2規定時間(75msec)以内に1コマ滑りの停止制御を実行することが可能としながら、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差を抑えることが可能となっている。
<第3の実施形態の別形態>
・上記第3の実施形態において、第n図柄(n=2,7,12,17)の停止可能範囲SRnに3ステップが割り付けられている構成としてもよい。本構成では、n=3,8,13,18における第1ズレ幅WAnが0.6ステップ(上向き)となる。この場合、上向きの第1ズレ幅WAnの最大値は、n=3,8,13,18の場合における0.6ステップ分となる。一方、下向きの第1ズレ幅WAnの最大値は、n=4,9,14,19の場合における0.2ステップ分となる。このため、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差は、上向きの第1ズレ幅WAnの最大値(「0.6」)と下向きの第1ズレ幅WAnの最大値(0.2)とを足した0.8ステップ分となる。このように、第n図柄(n=2,7,12,17)の停止可能範囲SRnに3ステップが割り付けられている構成としても、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差を上記第3の実施形態における最大差と同一のものとして、図柄の停止位置について違和感を生じさせる可能性を低減することができる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、各リール32L,32M,32Rの20図柄に第2ズレ幅WBnを低減可能なステップパターンが設定されているとともに、各停止可能範囲SRnに対してストップボタン42~44が操作されてから第2規定時間以内に停止制御を開始可能とする最小限のステップ数が割り付けられている点において、上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、各図柄に停止可能範囲SRnを設けることにより停止対象図柄の図柄対応範囲REnの下端が基準位置39L,39M,39Rに到達するよりも早いタイミングで停止制御を開始可能とすることができる。一方、停止可能範囲SRnが広いほど当該停止可能範囲SRnが基準位置39L,39M,39Rに存在している停止開始可能期間が長くなり、停止可能開始タイミング(停止開始可能期間の開始タイミング)で停止制御が開始される場合の停止対象図柄の停止位置と、停止可能終了タイミング(停止開始可能期間の終了タイミング)で停止制御が開始される場合の停止対象図柄の停止位置とのズレが大きくなる。
図49(a)は本実施形態における第n図柄の停止可能範囲SRnに割り付けられているステップ数を説明するための説明図であり、図49(b)は第1ズレ幅WAn及び第2ズレ幅WBnを説明するための説明図である。各リール32L,32M,32Rの20図柄には、5図柄毎に25ステップ、25ステップ、26ステップ、25ステップ、25ステップを割り付けるパターンを4回繰り返す第2ステップパターンが設定されている。
図49(a)に示すように、第n図柄(n=0,5,10,15、n=1,6,11,16、n=3,8,13,18、及びn=4,9,14,19)には25ステップが割り付けられているとともに、当該第n図柄の停止可能範囲SRnには1ステップが割り付けられている。また、第n図柄(n=2,7,12,17)には26ステップが割り付けられているとともに、当該第n図柄の停止可能範囲SRnには2ステップが割り付けられている。
このように、各リール32L,32M,32Rでは、各図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数が図柄番号に応じて異なっている。主側ROM73には、図柄順序情報に対応させて当該図柄順序情報に対応する図柄の停止不可範囲NRnに割り付けられているステップ数(23ステップ~24ステップ)が設定されている停止不可範囲用のステップ数テーブルが記憶されている。主側MPU72は、管理対象図柄が更新された場合、当該停止不可範囲用のステップ数テーブルを参照することにより、ステップ数監視処理(図31)のステップS1112にてステップ数カウンタに「23」又は「24」の数値情報を設定する。
図49(b)に示すように、n=1~4,6~9,11~14,16~19の場合、停止可能開始タイミングにおいて、第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが基準位置39L,39M,39Rよりも上方にずれて存在している。一方、n=0,5,10,15の場合には、停止可能開始タイミングにおいて、第n図柄の図柄範囲RDnの下端が基準位置39L,39M,39Rに存在している。
図49(b)に示すように、第1ズレ幅WAnは、n=0,5,10,15の場合に「0」であり、n=1,6,11,16の場合に0.2ステップ分であり、n=2,7,12,17である場合に0.4ステップ分であり、n=3,8,13,18である場合に0.6ステップ分であり、n=4,9,14,19である場合に0.8ステップ分である。
上向きの第1ズレ幅WAnの最大値は、n=4,9,14,19の場合における0.8ステップ分である。第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが基準位置39L,39M,39Rよりも下方にずれるnは存在せず、上向きの第1ズレ幅WAnの最小値は、n=0,5,10,15の場合における「0」である。このため、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差は、第1ズレ幅WAnの最大値(「0.8」)から第1ズレ幅WAnの最小値(「0」)を引いた0.8ステップ分である。
図49(b)に示すように、nが0~19のいずれであっても、第n図柄の停止可能終了タイミングにおいて、第n図柄の図柄範囲RDnの下端LEnが基準位置39L,39M,39Rよりも下方にずれて存在している。第2ズレ幅WBnは、n=0,5,10,15である場合に1.0ステップ分であり、n=1,6,11,16である場合に0.8ステップ分であり、n=2,7,12,17である場合に0.6ステップ分であり、n=3,8,13,18である場合に1.4ステップ分であり、n=4,9,14,19である場合に1.2ステップ分である。第2ズレ幅WBnの最大値は、n=3,8,13,18の場合における1.4ステップ分である。
上記のとおり、各リール32L,32M,32Rの20図柄に第2ステップパターンが設定されているとともに、各停止可能範囲SRnをストップボタン42~44が操作されてから第2規定時間(75msec)以内に停止制御を開始可能とする最小限のステップ数が割り付けられていることにより、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差と、第2ズレ幅WBnの最大値との両方を低減することができる。
次に、本実施形態における1コマ滑りの停止制御の最大所要時間及び4コマ滑りの停止制御の最大所要時間について説明する。図50(a)は1コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間を説明するための説明図であり、図50(b)は4コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間を説明するための説明図である。
図50(a)に示すように、1コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間は、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄がいずれの図柄であっても50割込時間(約74.5msec)であり、当該最大所要時間は第2規定時間(75msec)未満である。このため、ストップボタン42~44の操作が行われてから第2規定時間以内に1コマ滑りの停止制御を実行することが可能となっている。
図50(b)に示すように、4コマ滑りの停止制御が行われる場合における最大所要時間は、ストップボタン42~44の操作検出時の管理対象図柄が第0図柄~第2図柄のいずれかである場合に125割込時間(約186.3msec)であり、当該操作検出時の管理対象図柄が第3図柄又は第4図柄である場合に124割込時間(184.8msec)である。これらの最大所要時間は第1規定時間(190msec)未満であるため、ストップボタン42~44の操作が行われてから第1規定時間以内に4コマ滑りの停止制御を実行することが可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各リール32L,32M,32Rの20図柄には、5図柄毎に25ステップ、25ステップ、26ステップ、25ステップ、25ステップを割り付けるパターンを4回繰り返す第2ステップパターンが設定されている。これにより、各図柄における第2ズレ幅WBnが低減されているとともに、第2ズレ幅WBnの最大値が低減されている。当該構成において、各停止可能範囲SRnをストップボタン42~44が操作されてから第2規定時間(75msec)以内に停止制御を開始可能とする最小限のステップ数が割り付けられている。これにより、CB状態の左リール32Lについて、左ストップボタン42の操作が行われてから第2規定時間(75msec)以内に1コマ滑りの停止制御を実行することが可能としながら、第1ズレ幅WAnの図柄間の最大差と、第2ズレ幅WBnの最大値との両方を低減することができる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)各リール32L,32M,32Rの20図柄に設定するステップパターンは、5図柄毎に所定のステップパターンを割り付けるパターンを4回繰り返す所定ステップパターンに限られない。例えば、第1グループの5図柄及び第3グループの5図柄には26ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップ、24ステップが割り付けるとともに、第2グループの5図柄及び第4グループの5図柄には25ステップ、25ステップ、26ステップ、25ステップ、25ステップが割り付けるステップパターンを設定してもよい。
(2)非CB状態及びCB状態の全リール32L,32M,32Rについて、停止可能範囲SRn及び停止可能位置HPnを利用する停止制御を実行する構成に限られない。例えば、非CB状態の全リール32L,32M,32Rと、CB状態の中リール32M及び右リール32Rについては、停止可能範囲SRn及び停止可能位置HPnを利用しない停止制御が実行され、CB状態の左リール32Lのみについて、停止可能範囲SRn及び停止可能位置HPnを利用する停止制御を実行する構成としてもよい。
(3)通常モード用抽選テーブル(図12)のインデックス値IV=7~10に当選した場合において第1RTリプレイ入賞を成立させる停止順序は第1停止を左リール32Lとする停止順序及び第1停止を中リール32Mとする停止順序に限定されない。例えば、インデックス値IV=7~10の中に、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立するインデックス値IVと、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立するインデックス値IVとが設定されている構成としてもよい。
(4)第1RTモード用抽選テーブル(図14)のインデックス値IV=7~10に当選した場合において第2RTリプレイ入賞を成立させる停止順序は第1停止を左リール32Lとする停止順序及び第1停止を右リール32Rとする停止順序に限定されない。例えば、インデックス値IV=7~10の中に、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立するインデックス値IVと、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立するインデックス値IVとが設定されている構成としてもよい。
(5)上記各実施形態において、全てのリール32L,32M,32Rの全図柄に対して停止可能位置HPn及び停止可能範囲SRnが設定されている構成に限られない。例えば、上記第1の実施形態では、連続する2図柄に割り付けられているステップ数の合計が50ステップ以上となる2図柄の組合せのみに対して、上流側に存在する図柄の図柄対応範囲REnに停止可能位置HPn及び停止可能範囲SRnが設定されている構成としてもよい。これにより、停止可能位置HPn及び停止可能範囲SRnを不具備であれば左ストップボタン42の操作が行われてからスベリ数を「1」として停止制御を開始するまでに第2規定時間(75msec)を超過してしまう場合に限定して、停止可能位置HPn及び停止可能範囲SRnを利用した停止制御を実行して、1コマ滑りの停止制御における最大所要時間を第2規定時間(75msec)以内とすることができる。
(6)上記各実施形態において、リール32L,32M,32Rが逆回転する演出が行われる構成としてもよい。当該演出において逆回転するリール32L,32M,32Rの停止契機はストップボタン42~44の操作ではない。当該演出においてリール32L,32M,32Rは、設計段階において予め設定されている期間に亘って逆回転する。逆回転しているリール32L,32M,32Rの停止制御は、基準位置39L,39M,39Rに停止可能範囲SRnが存在している場合だけでなく、基準位置39L,39M,39Rに停止不可範囲NRnが存在している場合にも開始可能となる。
(7)停止可能位置HPn及び停止可能範囲SRnの設定対象は、ステップ更新を行って周回体を回転させる構成に限定されることはなく、例えば、表示面にて図柄変動表示が行われる構成に対して停止可能位置及び停止可能範囲が設定されている構成としてもよい。具体的には、表示面では、複数種類の図柄画像が所定の方向に移動する図柄変動表示が行われる。図柄変動表示は、対応するストップボタン42~44の操作に基づいて停止される。各図柄画像のそれぞれには、対応する図柄画像対応範囲が設定されている。また、各図柄画像対応範囲には、表示面における所定基準位置に到達した場合に当該図柄画像対応範囲に対応する図柄画像を表示面における所定基準領域に停止させる表示停止制御を開始可能とする停止可能位置が設定されている。また、各図柄画像について、当該図柄画像に対応する停止可能位置から当該図柄映像に対応する図柄画像対応範囲までの範囲に亘って当該図柄画像に対応する停止可能範囲が設定されている。図柄変動表示は、ストップボタン42~44が操作された場合において、停止対象となった図柄画像に対応する停止可能位置が所定基準位置に到達した場合に表示停止制御を開始可能となる。停止可能位置及び停止可能範囲を設定することにより、ストップボタン42~44が操作されてから図柄変動表示の表示停止制御が開始可能となるまでに要する時間を短縮することができる。
(8)上記各実施形態において、リール32L,32M,32Rの外周面に付されている各図柄に対応する図柄範囲RDnに割り付けられているステップ数は25.2ステップに限定されない。例えば、各図柄の図柄対応範囲REnに割り付けられているステップ数と同一のステップ数が当該図柄の図柄範囲RDnに設定されている構成としてもよい。当該構成においても、停止可能位置HPn及び停止可能範囲SRnを利用して停止制御を行うことにより、ストップボタン42~44の操作が行われてから対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。
(9)有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
(10)主側MPU72から演出側MPU82に送信される情報の種類は上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、例えば遊技媒体の付与に対応する入賞が成立した場合、その入賞により付与される遊技媒体の数の情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、入賞により付与される遊技媒体の数の情報を画像表示装置63などにおいて報知することが可能となる。また、全てのリール32L,32M,32Rが停止していない状況であっても一部のリール32L,32M,32Rの回転が停止される場合又は停止された場合に、それに対応する情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rの回転状況に対応する演出を画像表示装置63などにおいて行うことが可能となる。
(11)上記各実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(12)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(13)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(14)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄を所定方向に変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記絵柄の変動表示を開始させた後に、前記停止操作手段の操作に基づいて前記絵柄の変動表示を停止させる絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1206の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1301~ステップS1308の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記絵柄表示制御手段は、前記絵柄表示手段に対して更新用制御を実行することで前記絵柄の変動表示を行わせる更新用制御手段(主側MPU72におけるステップS1001~ステップS1008の処理を実行する機能)を備え、
前記絵柄表示手段には前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて、予め定められた停止基準位置(基準位置39L,39M,39R)に停止させるための停止制御の実行対象外とされる対象外領域(停止不可範囲NRn)と、予め定められた停止基準位置(基準位置39L,39M,39R)に停止させるための停止制御の実行対象内とされる対象内領域(停止可能範囲SRn)と、が設定されており、
前記対象内領域は、当該対象内領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに前記更新用制御手段による前記更新用制御の複数回の実行を必要とするように設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに更新用制御の複数回の実行を必要とする範囲に亘って対象内領域が設定されていることにより、各絵柄について更新用制御の1実行回のみにおいて停止制御を開始可能となる構成と比較して、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。
特徴A2.前記絵柄表示制御手段は、前記複数種の絵柄のうち停止対象絵柄(停止対象図柄)が前記停止基準位置に対応する位置に存在している状況であって当該停止対象絵柄に対応する前記対象内領域が前記停止基準位置に存在している状況で前記停止操作手段が操作された場合、前記対象内領域におけるいずれの位置が前記停止基準位置に存在している状況であっても停止制御を開始することを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、停止操作手段が操作されたタイミングにおいて、所定の絵柄に対応する対象内領域の所定方向における先頭位置が停止基準位置を通過している状況であっても当該対象内領域が停止基準位置に存在している状況であれば、当該所定の絵柄を停止対象絵柄として停止制御を開始することができる。
特徴A3.前記絵柄表示制御手段は、前記対象外領域が前記停止基準位置に存在している状況で前記停止操作手段が操作された場合、前記複数種の絵柄のうち停止対象絵柄(停止対象図柄)に対応する前記対象内領域における前記所定方向の先頭位置が前記停止基準位置に到達した場合に停止制御を開始することを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、対象外領域が停止基準位置に存在している状況で停止制御手段が操作された場合、停止対象絵柄に対応する対象内領域が停止基準位置に存在している状況となるまで停止制御を開始することができない。停止対象絵柄に対応する対象内領域の所定方向における先頭位置が停止基準位置に到達するタイミングは、停止制御を開始可能となる最初のタイミングである。当該最初のタイミングで停止制御が開始される構成とすることにより、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。
特徴A4.前記対象内領域と前記対象外領域とが前記所定方向に交互に存在するようにこれら領域が設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、2以上の対象外領域が連続して停止基準位置を通過することが回避されているため、停止制御を開始できない期間が連続して発生することが防止されている。これにより、停止対象となる絵柄の種類によって停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間に大きな差を生じさせない構成とすることが可能となっている。
特徴A5.前記対象外領域は、当該対象外領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに前記更新用制御手段による前記更新用制御の複数回の実行を必要とするように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、停止基準位置を通過するのに更新用制御の複数回の実行を必要とする範囲に亘って対象外領域が設定されていることにより、各絵柄の停止位置の差を明確なものとすることができる。また、対象外領域を広く設定して対象内領域を限定することにより、停止制御を開始可能となる範囲を限定することができる。これにより、停止操作手段の操作タイミングによって絵の停止位置がずれる場合におけるずれ量を低減することが可能となる。
特徴A6.一の前記絵柄に対応させて設定された前記対象内領域は、当該対象内領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数が、当該絵柄に対応させて設定された前記対象外領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数よりも少ない回数となるように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、一の絵柄に対応する対象内領域として、停止基準位置を通過するのに更新用制御の複数回の実行を必要とする領域が設定されている構成において、当該一の絵柄に対応する対象外領域として当該対象内領域よりも広い領域が設定されていることにより、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮可能としながら、停止操作手段の操作タイミングによって絵柄の停止位置がずれる場合におけるずれ量を低減することができる。
特徴A7.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応する絵柄対応範囲(図柄対応範囲REn)のうち少なくとも所定絵柄に対応する所定絵柄対応範囲は、その前記所定方向の先頭位置が当該所定絵柄に対応する前記対象内領域の前記所定方向における途中位置に存在していることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定絵柄については、所定絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するよりも早いタイミングで当該所定絵柄に対応する対象内領域が停止基準位置に到達するため、所定絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するよりも早いタイミングで停止制御を開始することができる。停止対象の絵柄となった場合に停止操作手段が操作されてから対応する絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するまでに要する時間が他の絵柄よりも長い絵柄について、当該絵柄の絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するよりも早いタイミングで当該絵柄に対応する対象内領域が停止基準位置に到達する構成とすることにより、停止操作手段が操作されてから停止制御を開始するまでに要する時間の最大値を低減することが可能となる。
特徴A8.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応する絵柄対応範囲(図柄対応範囲REn)のうち所定絵柄に対応する所定絵柄対応範囲は、当該所定絵柄対応範囲が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御手段による前記更新用制御の実行回数が、特定絵柄に対応する特定絵柄対応範囲が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御手段による前記更新用制御の実行回数と相違していることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、絵柄表示手段において絵柄を1周させるために必要な更新用制御の実行回数が当該絵柄表示手段において表示される絵柄の数で割り切れない数である場合においても、対象内範囲を利用する停止制御を行う構成として停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。
特徴A9.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて設定された前記対象外領域は、当該対象外領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数が一定となるように設定されており、
前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて設定された前記対象内領域の一部の対象内領域は、当該対象内領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数が他の対象内領域と相違するように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、各絵柄に対応する対象外領域が停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要となる更新用制御の実行回数が一定である構成とすることにより、各絵柄に対応する対象外領域の範囲を特定するために予め記憶が必要となるデータの記憶容量を低減することができる。
また、当該構成において、一部の絵柄に対応する対象内領域が停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要となる更新用制御の実行回数を他の対象内領域が停止基準位置を通過するのに必要となる更新用制御の実行回数と相違するものとすることにより、絵柄表示手段において絵柄を1周させるために必要な更新用制御の実行回数が当該絵柄表示手段に表示される絵柄の数で割り切れない数である場合においても、対象内範囲を設定して停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。
特徴A10.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて設定された前記対象外領域の一部の対象外領域は、当該対象外領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数が他の対象外領域と相違するように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、停止対象の絵柄となった場合に停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間が他の絵柄と比較して長くなる絵柄について、当該絵柄が停止対象の絵柄となって停止制御が開始されるまでに停止基準位置を通過する対象外領域が停止基準位置を通過するのに必要となる更新用制御の実行回数を他の対象外領域が停止基準位置を通過するのに必要となる更新用制御の実行回数よりも少ないものとすることができる。これにより、停止操作手段が操作されてから停止制御を開始するまでに要する時間の最大値を低減することが可能となる。
特徴A11.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて設定された前記対象内領域の一部の対象内領域は、当該対象内領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数が他の対象内領域と相違するように設定されていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、対象内領域を設定して停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮させつつ、対象内領域が停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする更新用制御の実行回数を抑えることにより、停止操作手段の操作タイミングに応じて絵柄の停止位置がずれる場合におけるずれ量を低減することができる。
なお、特徴A1~A11の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B4、特徴C1~C8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
周回体を利用する遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンは、外周部に複数の図柄が付与されたリールを複数備えており、表示部を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲームが発生するなどの特典が付与される。
また、上記のように周回体としてリールを利用する遊技機としては、スロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いて上記スロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とする遊技機が挙げられる。また、パチンコ機において抽選の結果に応じた演出を遊技者に提供するために上記周回体を利用するものも挙げられる。
上記のような周回体を周回させるための駆動手段としては、ステッピングモータが一般的に用いられている。この場合、周回開始条件が成立した場合には、ステッピングモータによる駆動が開始されて、加速期間を経て定速期間へと移行する。そして、この定速期間が所定の期間に亘って継続された後に、周回停止条件の成立に基づき停止される。
ここで、上記例示などのような遊技機においては絵柄の変動表示の停止制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄を所定方向に変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記絵柄の変動表示を開始させた後に、前記停止操作手段の操作に基づいて前記絵柄の変動表示を停止させる絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1206の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1301~ステップS1308の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記絵柄表示制御手段は、前記複数種の絵柄のうち少なくとも所定絵柄が停止対象絵柄となっている場合に当該所定絵柄に対応する絵柄対応範囲(図柄対応範囲REn)よりも前記所定方向の下流側に設定された所定対応位置(停止可能位置HPn)が停止基準位置(基準位置39L,39M,39R)に到達した場合に停止制御を開始する第1停止制御手段(主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1206の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1301~ステップS1308の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、所定絵柄が停止対象絵柄となっている場合には、当該所定絵柄に対応する絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するよりも早いタイミングで所定対応位置が停止基準位置に到達して停止制御を開始可能となる。これにより、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。
特徴B2.前記複数種の絵柄には、前記絵柄対応範囲と前記所定対応位置とのずれ量が第1所定量となる第1絵柄と、前記絵柄対応範囲と前記所定対応位置とのずれ量が第2所定量となる第2絵柄とが含まれていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、全ての絵柄について絵柄対応範囲と所定対応位置とのずれ量を一定とした場合に停止操作手段の操作が行われてから停止制御が開始されるまでに要する時間が他の絵柄よりも長くなる絵柄について、絵柄対応範囲と所定対応位置とのずれ量を他の絵柄よりも大きくすることができる。これにより、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間の最大値を低減することができる。
特徴B3.前記絵柄表示制御手段は、前記所定絵柄が前記停止対象絵柄となっている場合には、当該所定絵柄に対応する前記絵柄対応範囲が前記停止基準位置に到達している場合に停止制御を開始する第2停止制御手段(主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1206の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1301~ステップS1308の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、対応する絵柄対応範囲が基準位置に到達している場合に停止制御を開始することにより停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間が所定の規定時間内に収まる絵柄については、当該絵柄に対応する絵柄対応範囲が停止基準位置に到達している場合に停止制御を開始する構成とすることができる。
特徴B4.前記絵柄表示制御手段は、前記絵柄表示手段に対して更新用制御を実行することで前記絵柄の変動表示を行わせる更新用制御手段(主側MPU72におけるステップS1001~ステップS1008の処理を実行する機能)を備え、
前記第2停止制御手段は、前記所定絵柄に対応する前記絵柄対応範囲のうち当該絵柄対応範囲における前記所定方向の先頭位置から途中位置に亘る所定範囲(停止可能範囲SRn)が前記停止基準位置に到達している場合に前記停止制御を開始するものであり、
前記所定範囲は、当該所定範囲が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに前記更新用制御手段による前記更新用制御の複数回の実行を必要とするように設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに更新用制御の複数回の実行を必要とする範囲に亘って所定範囲が設定されていることにより、更新用制御の1実行回のみにおいて停止制御を開始可能となる構成と比較して、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することが可能となっている。
なお、特徴B1~B4の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B4、特徴C1~C8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴B群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
周回体を利用する遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンは、外周部に複数の図柄が付与されたリールを複数備えており、表示部を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲームが発生するなどの特典が付与される。
また、上記のように周回体としてリールを利用する遊技機としては、スロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いて上記スロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とする遊技機が挙げられる。また、パチンコ機において抽選の結果に応じた演出を遊技者に提供するために上記周回体を利用するものも挙げられる。
上記のような周回体を周回させるための駆動手段としては、ステッピングモータが一般的に用いられている。この場合、周回開始条件が成立した場合には、ステッピングモータによる駆動が開始されて、加速期間を経て定速期間へと移行する。そして、この定速期間が所定の期間に亘って継続された後に、周回停止条件の成立に基づき停止される。
ここで、上記例示などのような遊技機においては絵柄の変動表示の停止制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄を所定方向に変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記絵柄の変動表示を開始させた後に、前記停止操作手段の操作に基づいて前記絵柄の変動表示を停止させる絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1206の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1301~ステップS1308の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記絵柄表示制御手段は、前記絵柄表示手段に対して更新用制御を実行することで前記絵柄の変動表示を行わせる更新用制御手段(主側MPU72におけるステップS1001~ステップS1008の処理を実行する機能)を備え、
前記絵柄表示手段には前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて、予め定められた停止基準位置(基準位置39L,39M,39R)に停止させるための停止制御の実行対象外とされる対象外領域(停止不可範囲NRn)と、予め定められた停止基準位置(基準位置39L,39M,39R)に停止させるための停止制御の実行対象内とされる対象内領域(停止可能範囲SRn)と、が設定されており、
前記対象内領域は、当該対象内領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに前記更新用制御手段による前記更新用制御の複数回の実行を必要とするように設定されており、
前記対象外領域は、当該対象外領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに前記更新用制御手段による前記更新用制御の複数回の実行を必要とするように設定されており、
前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて設定された前記対象外領域の一部の対象外領域は、当該対象外領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数が他の対象外領域と相違するように設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに更新用制御の複数回の実行を必要とする範囲に亘って対象内領域が設定されている構成とすることにより、各絵柄について更新用制御の1実行回のみにおいて停止制御を開始可能となる構成と比較して、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。また、停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに更新用制御の複数回の実行を必要とする範囲に亘って対象外領域が設定されていることにより、各絵柄の停止位置の差を明確なものとすることができる。さらにまた、対象外領域を広く設定して対象内領域を限定することにより、停止制御を開始可能となる範囲を限定することができる。これにより、停止操作手段の操作タイミングによって絵の停止位置がずれる場合におけるずれ量を低減することが可能となる。
また、停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに更新用制御の複数回の実行を必要とする範囲に亘って対象内領域が設定されている構成において、停止対象の絵柄となった場合に停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間が他の絵柄と比較して長くなる絵柄について、当該絵柄が停止対象の絵柄となって停止制御が開始されるまでに停止基準位置を通過する対象外領域が停止基準位置を通過するのに必要となる更新用制御の実行回数を他の対象外領域が停止基準位置を通過するのに必要となる更新用制御の実行回数よりも少ないものとすることにより、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間の最大値を低減することが可能となる。
特徴C2.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応させて設定された前記対象内領域の一部の対象内領域は、当該対象内領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数が他の対象内領域と相違するように設定されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、対象内領域を設定して停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮させつつ、対象内領域が停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする更新用制御の実行回数を抑えることにより、停止操作手段の操作タイミングに応じて絵柄の停止位置がずれる場合におけるずれ量を低減することができる。
特徴C3.前記絵柄表示制御手段は、前記複数種の絵柄のうち停止対象絵柄(停止対象図柄)が前記停止基準位置に対応する位置に存在している状況であって当該停止対象絵柄に対応する前記対象内領域が前記停止基準位置に存在している状況で前記停止操作手段が操作された場合、前記対象内領域におけるいずれの位置が前記停止基準位置に存在している状況であっても停止制御を開始することを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、停止操作手段が操作されたタイミングにおいて、所定の絵柄に対応する対象内領域の所定方向における先頭位置が停止基準位置を通過している状況であっても当該対象内領域が停止基準位置に存在している状況であれば、当該所定の絵柄を停止対象絵柄として停止制御を開始することができる。
特徴C4.前記絵柄表示制御手段は、前記対象外領域が前記停止基準位置に存在している状況で前記停止操作手段が操作された場合、前記複数種の絵柄のうち停止対象絵柄(停止対象図柄)に対応する前記対象内領域における前記所定方向の先頭位置が前記停止基準位置に到達した場合に停止制御を開始することを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、対象外領域が停止基準位置に存在している状況で停止制御手段が操作された場合、停止対象絵柄に対応する対象内領域が停止基準位置に存在している状況となるまで停止制御を開始することができない。停止対象絵柄に対応する対象内領域の所定方向における先頭位置が停止基準位置に到達するタイミングは、停止制御を開始可能となる最初のタイミングである。当該最初のタイミングで停止制御が開始される構成とすることにより、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。
特徴C5.前記対象内領域と前記対象外領域とが前記所定方向に交互に存在するようにこれら領域が設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、2以上の対象外領域が連続して停止基準位置を通過することが回避されているため、停止制御を開始できない期間が連続して発生することが防止されている。これにより、停止対象となる絵柄の種類によって停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間に大きな差を生じさせない構成とすることが可能となっている。
特徴C6.一の前記絵柄に対応させて設定された前記対象内領域は、当該対象内領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数が、当該絵柄に対応させて設定された前記対象外領域が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御の実行回数よりも少ない回数となるように設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、一の絵柄に対応する対象内領域として、停止基準位置を通過するのに更新用制御の複数回の実行を必要とする領域が設定されている構成において、当該一の絵柄に対応する対象外領域として当該対象内領域よりも広い領域が設定されていることにより、停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮可能としながら、停止操作手段の操作タイミングによって絵柄の停止位置がずれる場合におけるずれ量を低減することができる。
特徴C7.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応する絵柄対応範囲(図柄対応範囲REn)のうち少なくとも所定絵柄に対応する所定絵柄対応範囲は、その前記所定方向の先頭位置が当該所定絵柄に対応する前記対象内領域の前記所定方向における途中位置に存在していることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、所定絵柄については、所定絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するよりも早いタイミングで当該所定絵柄に対応する対象内領域が停止基準位置に到達するため、所定絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するよりも早いタイミングで停止制御を開始することができる。停止対象の絵柄となった場合に停止操作手段が操作されてから対応する絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するまでに要する時間が他の絵柄よりも長い絵柄について、当該絵柄の絵柄対応範囲が停止基準位置に到達するよりも早いタイミングで当該絵柄に対応する対象内領域が停止基準位置に到達する構成とすることにより、停止操作手段が操作されてから停止制御を開始するまでに要する時間の最大値を低減することが可能となる。
特徴C8.前記複数種の絵柄のそれぞれに対応する絵柄対応範囲(図柄対応範囲REn)のうち所定絵柄に対応する所定絵柄対応範囲は、当該所定絵柄対応範囲が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御手段による前記更新用制御の実行回数が、特定絵柄に対応する特定絵柄対応範囲が前記停止基準位置の通過を開始してから終了するまでに必要とする前記更新用制御手段による前記更新用制御の実行回数と相違していることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、絵柄表示手段において絵柄を1周させるために必要な更新用制御の実行回数が当該絵柄表示手段において表示される絵柄の数で割り切れない数である場合においても、対象内範囲を利用する停止制御を行う構成として停止操作手段が操作されてから停止制御が開始されるまでに要する時間を短縮することができる。
なお、特徴C1~C8の構成に対して、特徴A1~A11、特徴B1~B4、特徴C1~C8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴C群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
周回体を利用する遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンは、外周部に複数の図柄が付与されたリールを複数備えており、表示部を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲームが発生するなどの特典が付与される。
また、上記のように周回体としてリールを利用する遊技機としては、スロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いて上記スロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とする遊技機が挙げられる。また、パチンコ機において抽選の結果に応じた演出を遊技者に提供するために上記周回体を利用するものも挙げられる。
上記のような周回体を周回させるための駆動手段としては、ステッピングモータが一般的に用いられている。この場合、周回開始条件が成立した場合には、ステッピングモータによる駆動が開始されて、加速期間を経て定速期間へと移行する。そして、この定速期間が所定の期間に亘って継続された後に、周回停止条件の成立に基づき停止される。
ここで、上記例示などのような遊技機においては絵柄の変動表示の停止制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。