JP2023033439A - 遊技機 - Google Patents

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Takashi Karashima
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Abstract

【課題】周回体の回転制御を好適に行うことが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】各リールにはステッピングモータ33が接続されており、ステッピングモータ33が励磁されることにより対応するリールが回転する。ステッピングモータ33は、モータドライバ96に対して出力された励磁データに基づいて対応する励磁相に対して励磁電流を通電する。主側MPUは、モータドライバ96に対して出力する励磁データを設定することによりリールの駆動制御を行う。定速期間の駆動制御では、ステッピングモータ33に対して、相対的に励磁力が強い2相励磁と相対的に励磁力が弱い1相励磁とがそれぞれの励磁期間が所定期間となるようにして交互に行われる。主側MPUは、当該定速期間TBの駆動制御が行われている途中で、少なくとも1回の励磁期間を当該所定期間よりも長い特定期間に設定する。【選択図】 図21

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
周回体を利用する遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンは、外周部に複数の図柄が付与されたリールを複数備えており、表示部を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲームが発生するなどの特典が付与される(例えば特許文献1参照)。
また、上記のように周回体としてリールを利用する遊技機としては、スロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いて上記スロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とする遊技機が挙げられる。また、パチンコ機において内部抽選の結果に応じた演出を遊技者に提供するために上記周回体を利用するものも挙げられる。
上記のような周回体を周回させるための駆動手段としては、ステッピングモータが一般的に用いられている。この場合、周回開始条件が成立した場合には、ステッピングモータによる駆動が開始されて、加速期間を経て定速期間へと移行する。そして、この定速期間が所定の期間に亘って継続された後に、周回停止条件の成立に基づき停止される。
特開2014-195635号公報
ここで、上記例示などのような遊技機においては周回体の回転制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、周回体の回転制御を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、周回体と、
前記周回体を回転させる駆動手段と、
前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
を備え、
前記駆動手段は、励磁されることにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段を励磁して前記周回体の回転を加速させる所定駆動制御を行う所定駆動制御手段を備えており、
当該所定駆動制御手段は、前記所定駆動制御が行われる加速期間の途中で前記駆動手段に対して何ら励磁を行わない無励磁期間を発生させることを特徴とする。
本発明によれば、周回体の回転制御を好適に行うことが可能となる。
第1の実施形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 左リールの組立斜視図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓部から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 スロットマシンの電気的構成図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される抽選処理を示すフローチャートである。 通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。 通常モード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。 第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。 第1RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。 第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。 第2RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される報知制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される遊技終了時の対応処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるBB用処理を示すフローチャートである。 (a)ステッピングモータの駆動系を示す接続図であり、(b)ステッピングモータの駆動特性を示す図である。 励磁順テーブルの内容を説明するための説明図である。 ステッピングモータに要求される駆動特性を説明するための説明図である。 従来のスロットマシンにおける回転初期用テーブルの一例を説明するための説明図である。 励磁パターンAの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 主側MPUにて実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される回転開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるステッピングモータ制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるモータ制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される励磁データ設定処理を示すフローチャートである。 実施例1により作成したリールユニットについて図22に示すような励磁順テーブル及び図25に示すような回転初期用テーブルを利用して図26~図30に示すような制御処理を行った第1試験の結果を示す図である。 励磁パターンBの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンCの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンDの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンEの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンFの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンGの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンHの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンIの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンJの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンKの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンLの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンMの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 実施例1における第1加速期間の励磁パターンA~Mについて各種評価を行った結果を示す図である。 比較試験用の回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 第2試験A~Dにおける回転速度の経時変化を示す図である。 比較試験A~Dにおける回転速度の経時変化を示す図である。 励磁パターンNの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンOの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンPの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンQの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンRの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンSの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンTの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 励磁パターンUの回転初期用テーブルを説明するための説明図である。 実施例1における定速期間の励磁パターンA,N~Uについて各種評価を行った結果を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ33(図3参照)に連結されており、各ステッピングモータ33の駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール32L,32M,32Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール32Lを例に挙げて図3に基づいて説明する。なお、図3は左リール32Lの組立斜視図である。
左リール32Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材34と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のリールテープ(図3では図示略)とを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、リールテープの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材34に貼付されている。前記リールテープの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材34の中心部はステッピングモータ33の駆動軸に取り付けられている。したがって、ステッピングモータ33の駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材34が回転され、左リール32Lが回転するようになっている。
ステッピングモータ33は、リールユニット31内において起立状態に配置されたモータプレート35の側面にねじ固定されている。モータプレート35には、発光素子36aと受光素子36bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ36が設置されている。一方、円筒骨格部材34には、半径方向に延びるセンサカットバン37がねじ固定されている。このセンサカットバン37の先端部37aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ36の両素子36a,36bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール32Lが1回転するごとにセンサカットバン37の先端部37aの通過をリールインデックスセンサ36が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置70に検出信号が出力される。したがって、主制御装置70はこの検出信号に基づいて左リール32Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ33は例えば504パルスの励磁信号を与えることにより504ステップ進むことで1回転されるように設定されており、このステップ数によってステッピングモータ33の回転位置、すなわち左リール32Lの回転位置が制御される。各リール32L,32M,32Rの各リールテープ上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。主制御装置70は、リールインデックスセンサ36の検出信号が出力された時点からのステップ数(すなわちパルス数)により、どの図柄が表示窓部21Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓部21Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58(図1)からメダル受け皿59(図1)へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52(図2)内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57とが設けられている。
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図4には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の7種類がある。そして、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
図5は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、各リール32L,32M,32Rの基点位置を結んだラインであり、具体的には、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという特典、再遊技という特典及び遊技状態の移行という特典のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインとして設定されている。左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL4といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。なお、メインラインMLは1本に限定されることはなく2本、3本、4本又は5本以上であってもよく、このようにメインラインMLが複数設定されている構成においてはベット枚数に応じて有効化されるメインラインMLの数が相違する構成としてもよい。また、メインラインMLが一直線に延びるラインである構成に限定されることはなく、折れ曲がりラインであってもよい。
以下、図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図6は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
遊技媒体の付与が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、ベル入賞、スイカ入賞、及びチェリー入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1補填入賞となる。また、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2補填入賞となる。また、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第3補填入賞となる。第1補填入賞~第3補填入賞のいずれかとなった場合における遊技媒体の付与対象数は「1」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、ベル入賞となる。ベル入賞となった場合における遊技媒体の付与対象数は「8」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄及び「チェリー」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄及び「白7」図柄のいずれかである場合、スイカ入賞となる。スイカ入賞となった場合における遊技媒体の付与対象数は「8」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「チェリー」図柄となった場合、中リール32Mの停止図柄及び右リール32Rの停止図柄がいずれであったとしてもチェリー入賞となる。チェリー入賞となった場合における遊技媒体の付与対象数は「2」となる。
遊技媒体をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、又は左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1転落リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2転落リプレイ入賞となる。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体の新たなベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、遊技媒体を3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体の新たなベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく抽選モードの移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理(図11)において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の抽選モードが設定されており、これら抽選モード間の移行は抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各抽選モードの内容及び各抽選モードへの移行条件については後に詳細に説明する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、第1BB入賞及び第2BB入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第1BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第2BB入賞となる。第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
本スロットマシン10には、遊技状態としてBB状態と、BB状態ではない非BB状態とが設定されている。そして、非BB状態には、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利なART状態と、ART状態への前段階である準備状態とが設けられている。BB状態とは、後述する通常モードであって非AT状態である場合よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待枚数が高くなる遊技状態である。さらにいうと、BB状態とは、当該BB状態以外のいずれの遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。
具体的には、BB状態では、ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば1/2)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係にベル入賞が成立することとなる。また、スイカ入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば1/4)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングとは無関係にスイカ入賞が成立することとなる。これにより、BB状態において遊技媒体の付与対象となる入賞が複数種類存在している構成であっても、遊技媒体の付与対象となる入賞に対応する役に当選した場合にはその当選役に対応する入賞が確実に成立することとなる。
BB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数以上となることが終了条件として設定されている。BB状態には第1BB状態と第2BB状態とが設定されており、これら第1BB状態と第2BB状態とで終了基準数が相違している。具体的には、第1BB状態の終了基準数は「41」に設定されているとともに、第2BB状態の終了基準数は「89」に設定されている。
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置63は表示面63aを有しており、スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面63aにて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面63aにて表示されるように表示制御される。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70の主制御基板71にはMPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、並びに電源装置54に設けられたリセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ及び設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、クレジット表示部65、付与数表示部66及び演出制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。セレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
MPU72は、貯留記憶された仮想メダルの数が表示されるようにクレジット表示部65を表示制御する。また、MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。さらにまた、MPU72は、遊技媒体の付与が発生した場合にはその付与対象となった遊技媒体の数が表示されるように付与数表示部66を表示制御する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置80にコマンドを送信する。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
演出制御装置80は、各種報知や各種演出の実行を制御するための演出制御基板81を具備している。演出制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83、及びそのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM84に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU82の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、及び画像表示装置63の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれ演出側MPU82、演出側ROM83及び演出側RAM84という。
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72にて実行されるメイン処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。その後、設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されて電源ONが行われているか否かを判定する(ステップS102)。設定キーが挿入された状態で電源ONが行われている場合には(ステップS102:YES)、電源ONに際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、そのまま当選確率設定処理を実行する(ステップS105)。一方、電源ONに際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS103:YES)、クリア処理(ステップS104)を実行した後に、当選確率設定処理を実行する(ステップS105)。
クリア処理では、主側RAM74における全部のエリアを初期化する。この場合、主側RAM74においてスロットマシン10の設定値を記憶するエリア、BB状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、遊技状態を示すデータが記憶されたエリア、及びAT状態の終了条件を特定するためのデータが記憶されたエリアも含めて主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。クリア処理が実行された場合には、電源遮断前の状態が異常の発生を契機として遊技の進行が規制された状態であった場合にはその異常状態が解除される。
当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、クレジット表示部65に現在の設定値を表示する。なお、主側RAM74のクリア処理(ステップS104)が実行された場合には当選確率設定処理の開始に際してクレジット表示部65には「設定1」に対応する表示が行われ、クリア処理(ステップS104)が実行されていない場合には電源遮断前の状態における設定値に対応する表示が行われる。当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値をクレジット表示部65に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に当選確率設定処理を終了する。この場合、クレジット表示部65における設定値の表示が終了される。
当選確率設定処理を実行した後は、通常処理に移行する(ステップS106)。通常処理については後に詳細に説明する。また、メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS107以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS107)。具体的には、設定値が「設定1」~「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS108)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS109)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
ステップS107~ステップS109の全てにおいて肯定判定をした場合には前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74に保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74に退避させたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS110)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS111)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU82に送信した後に(ステップS112)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS113)。
一方、ステップS107~ステップS109のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS114)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS115)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS116)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、クリア処理(ステップS104)が実行されることにより解除される。
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。タイマ割込み処理は、1.49msecごとに起動される。
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS202にて停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、これら各リール32L,32M,32Rに設けられたステッピングモータ33を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。なお、ステッピングモータ制御処理の詳細については後述する。ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。
ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS210では、各種コマンドを演出側MPU82へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS212では、先のステップS201にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS213にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図10のフローチャートに基づき説明する。
先ず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS301)。その後、開始待ち処理を実行する(ステップS302)。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47~49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47~49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
ステップS302の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(具体的には「3」)に達しているか否かを判定し(ステップS303)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS302)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS304)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS302)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、受付禁止処理を実行する(ステップS305)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し(ステップS306)、各リール32L,32M,32Rを今回の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS307)。なお、リール制御処理の詳細については後述する。
その後、媒体付与処理を実行する(ステップS308)。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した数の遊技媒体を遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74に設けられたクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
ステップS308にて媒体付与処理を実行した後は、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS309)。その後、スロットマシン10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに出力するための外部出力設定処理を実行し(ステップS310)、受付許可処理を実行して(ステップS311)、ステップS301の処理に戻る。受付許可処理が実行されることにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収されることとなる。
<抽選処理>
次に、通常処理(図10)のステップS306にて実行される抽選処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
抽選処理では、先ず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する乱数取得処理を実行する(ステップS401)。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
ステップS401にて乱数を取得した後は、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS402)。ここで、本スロットマシン10では、非BB状態について、「1」の設定値から「6」の設定値まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。「n」の設定値よりも「n+1」の設定値の方がBB状態への移行契機となるBB役の当選確率が高い確率となるため、「n」の設定値よりも「n+1」の設定値の方が遊技者にとって有利となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にBB状態が存在している。ステップS402では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
設定値が「3」である場合を例に挙げて、通常モード、第1RTモード、及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図12は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図であり、図13は通常モード用抽選テーブルにおけるリール32L,32M,32Rの停止順序と成立可能な入賞の種類との関係を示す図である。
図12に示すように、通常モード用抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、インデックス値IV=1には、ベル当選データと、第1補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図13に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞が確実に発生する。
本スロットマシン10においてはストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42~44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42~44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1補填入賞~第3補填入賞、ベル入賞、スイカ入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、チェリー入賞、第1BB入賞及び第2BB入賞はリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、図12に示すように、ベル当選データと、第2補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=3には、図12に示すように、ベル当選データと、第3補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリールの種類及び各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=4には、図12に示すように、スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくスイカ入賞が成立する。また、インデックス値IV=4で当選となった場合、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なくスイカ入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=5には、図12に示すように、チェリー当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては、チェリー入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=6には、図12に示すように、第1BB当選データが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第1BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=7には、図12に示すように、第2BB当選データが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングよっては、第2BB入賞が成立しない可能性がある。
ここで、第1BB当選データ及び第2BB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、第1BB当選データ及び第2BB当選データは、主側RAM74のクリア処理が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するBB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、第1BB当選データ又は第2BB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいては第1BB当選データ及び第2BB当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、第1BB当選データ又は第2BB当選データが既に記憶保持されているにも関わらずBB当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のBB当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=8~11には、図12に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=8で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が左リール32Lであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
図12の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=3の際に当選となる確率は、それぞれ約1/5.0であり、インデックス値IV=4の際に当選となる確率は約1/77であり、インデックス値IV=5の際に当選となる確率は約1/423であり、インデックス値IV=6の際に当選となる確率は約1/131であり、インデックス値IV=7の際に当選となる確率は約1/655であり、インデックス値IV=8の際に当選となる確率、インデックス値IV=9の際に当選となる確率、インデックス値IV=10の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=11の際に当選となる確率は、それぞれ約1/28.0である。
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=8~11の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている(図12参照)。これらインデックス値IV=8~11のいずれかに当選する確率は約1/7.0である。そして、インデックス値IV=8~11のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図11)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図14及び図15は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図14に示すように、インデックス値IV=1~7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図12)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1~5には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~5のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=6~7には通常モード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいていずれかのBB役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=8以降に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図14に示すように、インデックス値IV=8~11の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=8~11のいずれかに当選する確率は約1/10.1である。インデックス値IV=8で当選となった場合、図15に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1RTモードにおいてインデックス値IV=8~11のいずれかで当選となり、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に、第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、抽選処理(図11)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルには、図14に示すように、インデックス値IV=12~17の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=12~17のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=12で当選となった場合、図15に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、抽選処理(図11)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=18に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=18において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.7で当選となる。そして、このインデックス値IV=18で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8~18にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.9となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/7.0となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図16及び図17は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図16に示すように、インデックス値IV=1~7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図12)及び第1RTモード用抽選テーブル(図14)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1~5には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1~5のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=6~7には通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいていずれかのBB役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=8以降に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図16に示すように、インデックス値IV=8~13の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=8~13のいずれかに当選する確率は約1/5.5である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=8で当選となった場合、図17に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=9で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=10で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図11)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=14に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=14において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.3で当選となる。そして、このインデックス値IV=14で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8~14にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.9となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/7.0となっている。つまり、第2RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。一方、第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/2.9となっている。つまり、第2RTモードはリプレイ確率が第1RTモードと同一となっている。但し、第1RTモードにおけるリプレイ確率が第2RTモードにおけるリプレイ確率と同一である構成に限定されることはなく、例えば第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよく、第2RTモードの方が第1RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよく、第1RTモードの方が第2RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよい。
なお、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルは「設定1」~「設定6」のそれぞれに1対1で対応させて設定されており、設定値が高いほどBB役の当選確率が高くなる構成となっているが、各抽選モードにおいて設定されているリプレイ確率はいずれの設定値であっても同一又は略同一となっている。また、いずれかのBB役に当選している状況であればBB役に重複して当選しないように、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであったとしても第1BB役及び第2BB役が抽選対象から除外される。また、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にも第1BB状態又は第2BB状態である場合に抽選処理(図11)にて参照されるBB用抽選テーブルが記憶されている。BB用抽選テーブルにおいては、抽選対象の役として、ベル役、スイカ役及び通常リプレイ役の3種類のみが設定されており、ベル役の当選確率は約1/2に設定され、スイカ役の当選確率は約1/4に設定され、通常リプレイ役の当選確率は約1/4に設定されている。これにより、BB状態においては単位ゲーム数あたりにおける遊技媒体の付与期待数が他の遊技状態よりも高くなる。
抽選処理(図11)の説明に戻り、ステップS402にて抽選テーブルを選択した後、ステップS403ではインデックス値IVを「1」とし、続くステップS404では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS401にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS405ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には、ステップS406に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する。
一方、ステップS405にて判定値DVが「65535」を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS407にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS408ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS404に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS404では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS405では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS408にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合、今回のゲームの抽選処理結果は外れ結果であることを意味する。ステップS406の処理を実行した場合、又はステップS408にて否定判定を行った場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、ステップS409にてリール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行し、ステップS410にて、ゲーム開始コマンドの送信処理を実行する。
ゲーム開始コマンドの送信処理(ステップS410)では、今回の抽選処理(図11)にていずれかの役に当選となっている場合にはその当選となった役に対応する当選番号の情報と、現状の抽選モード及び現状の遊技状態に対応する情報と、をゲーム開始コマンドに設定し、そのゲーム開始コマンドを演出側MPU82に送信する。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。演出側MPU82は、受信したゲーム開始コマンドに設定された当選番号の情報、抽選モード及び遊技状態に対応する情報に基づいて、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
ステップS410にてゲーム開始コマンド送信処理を実行した後は、ステップS411にて、ベル入賞を成立させるための停止順序、昇格リプレイ(第1RTリプレイ及び第2RTリプレイ)を成立させるための停止順序、又は転落リプレイ(第1転落リプレイ及び第2転落リプレイ)の成立を回避するための停止順序を報知するための処理を実行する報知制御処理を実行して、本抽選処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される報知制御処理について図18のフローチャートを参照しながら説明する。なお、報知制御処理は、役の抽選処理(図11)のステップS411にて実行される。
報知制御処理では、先ず非BB状態で実行された役の抽選処理(図11)においてインデックス値IV=1~3に当選したか否かについて判定する(ステップS501)。既に説明したとおり、インデックス値IV=1~3には、ベル当選データと、いずれかの補填当選データ(第1補填当選データ~第3補填当選データ)とが設定されている。インデックス値IV=1~3に当選している場合(ステップS501:YES)には、準備状態及びART状態のいずれかであるか否かについて判定する(ステップS502)。既に説明したとおり、ART状態は、非BB状態において通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として設けられているとともに、準備状態は、当該ART状態の前段階の遊技状態として設けられている。ステップS502において、準備状態及びART状態のいずれでもない場合には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、準備状態及びART状態のいずれかである場合(ステップS502:YES)には、ベル入賞用の停止順把握処理を実行する(ステップS503)。当該停止順把握処理では、役の抽選処理(図11)にて当選したインデックス値IVに応じて、ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として、ベル入賞用コマンドをセットして(ステップS504)、本報知制御処理を終了する。当該ベル入賞用コマンドは、今回のゲームにおいてベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。ベル入賞用コマンドを受信した演出側MPU82は、ベル入賞用停止順報知を実行するために画像表示装置63の表示制御を実行するとともにスピーカ62の音出力制御を実行する。
ステップS501にてインデックス値IV=1~3に当選していなかった場合には、いずれかの昇格リプレイ(第1RTリプレイ又は第2RTリプレイ)に当選したか否かについて判定する(ステップS505)。いずれかの昇格リプレイに当選している場合(ステップS505:YES)には、準備状態及びART状態のいずれかであるか否かについて判定し(ステップS506)、準備状態及びART状態のいずれでもない場合(ステップS506:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、ステップS506にて準備状態及びART状態のいずれかであった場合には、昇格リプレイ用の停止順把握処理を実行する(ステップS507)。当該昇格リプレイ用の停止順把握処理では、今回の当選結果に対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として昇格用コマンドをセットして(ステップS508)、本報知制御処理を終了する。当該昇格用コマンドは、今回のゲームにおいてRTリプレイ入賞(第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞)の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。昇格用コマンドを受信した演出側MPU82は、昇格用停止順報知を実行するために画像表示装置63の表示制御を実行するとともにスピーカ62の音出力制御を実行する。
ステップS505にて昇格リプレイに当選していなかった場合には、いずれかの転落リプレイ(第1転落リプレイ又は第2転落リプレイ)に当選しているか否かについて判定し(ステップS509)、いずれの転落リプレイにも当選していない場合(ステップS509:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。また、ステップS509にていずれかの転落リプレイに当選している場合(ステップS509:YES)には、ART状態であるか否かについて判定し(ステップS510)、ART状態でない場合(ステップS510:NO)には、そのまま本報知制御処理を終了する。
一方、ART状態である場合(ステップS510:YES)には、転落リプレイ回避用の停止順把握処理を実行する(ステップS511)。当該転落リプレイ回避用の停止順把握処理では、今回の当選結果に対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序の情報を把握する。その後、演出側MPU82への送信対象として、転落回避用コマンドをセットして(ステップS512)、本報知制御処理を終了する。当該転落回避用コマンドは、今回のゲームにおいて転落リプレイ入賞(第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞)の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82にて特定可能とするコマンドである。転落回避用コマンドを受信した演出側MPU82は、転落回避用停止順報知を実行するために画像表示装置63の表示制御を実行するとともにスピーカ62の音出力制御を実行する。
なお、詳細な説明は省略するが遊技状態が準備状態である場合であって、役の抽選処理(図11)にて第1RTモード用抽選テーブル(図14)のインデックス値IV=12~17に当選した場合には、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理が実行される。その一方、遊技状態が準備状態である場合において役の抽選処理(図11)にて第2RTモード用抽選テーブル(図16)のインデックス値IV=8~13に当選したとしても、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。準備状態からART状態への移行条件が第2RTリプレイ入賞の成立であるため、第2RTモードにおいて準備状態への移行が発生した場合には第2転落リプレイ入賞の成立を回避させないことにより、第1RTモードに一旦転落させて第2RTリプレイ入賞が成立する機会を与えることが可能となる。
次に、主側MPU72にて実行される遊技終了時の対応処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技終了時の対応処理は、リール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後、通常処理(図10)におけるステップS309にて実行される。
遊技終了時の対応処理では、BB当選データが設定されている状態又はBB状態である場合(ステップS601:YES)、BB用処理を実行する(ステップS602)。図20は、BB用処理を示すフローチャートである。
BB用処理では、先ずBB状態であるか否かについて判定する(ステップS701)。上述したとおり、本BB用処理は、いずれかのBB当選データが設定されている状態又はBB状態である場合に実行される処理であるため、ステップS701にてBB状態でないと判定した場合には、主側RAM74にいずれかのBB当選データが設定されていることを意味する。この場合、今回のゲームにおいてBB入賞が発生したか否かを判定し(ステップS702)、BB入賞が発生している場合(ステップS702:YES)には、主側RAM74に設けられたBB状態フラグに「1」をセットして、遊技状態をBB状態に移行させる(ステップS703)。これにより、次回以降のゲームにおける抽選処理(図11)ではBB用抽選テーブルが参照されることとなる。
その後、BB状態に移行したことを示すBB移行コマンドを演出制御装置80への送信対象としてセットすることで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてBB状態用の演出を開始させる(ステップS704)。そして、主側RAM74に設定されているBB当選データを削除して(ステップS705)、本BB用処理を終了する。
ステップS701にてBB状態であると判定した場合には、BB状態用処理を実行して(ステップS706)、本BB用処理を終了する。BB状態用処理では、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したことを条件として、主側RAM74に設けられたBB用カウンタの減算処理を実行する。BB用カウンタは、BB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数以上となったか否かを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。BB用カウンタには、第1BB状態が開始された場合に第1BB状態の終了基準数である「41」がセットされるとともに、第2BB状態が開始された場合に第2BB状態の終了基準数である「89」がセットされる。BB用カウンタの減算処理では、今回のゲームにおいて付与された遊技媒体の数をBB用カウンタの値から減算する。そして、当該減算後におけるBB用カウンタの値が「0」でない場合には、そのまま本BB状態用処理を終了する。一方、当該減算後におけるBB用カウンタの値が「0」である場合には、BB状態を終了させるためのBB終了処理を実行して、本BB状態用処理を終了する。BB終了処理では、主側RAM74のBB状態フラグを「0」クリアすることでBB状態を終了させる。また、BB状態が終了したことを示すコマンドを演出制御装置80に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63におけるBB状態用の演出を終了させる。なお、BB状態が終了した場合、BB状態の開始前における抽選モードがいずれのモードであったとしても抽選モードは通常モードとなる。また、AT状態においてBB状態が開始された場合、BB状態の開始前における状態に関係なくBB状態の終了後には後述するART準備状態処理(遊技終了時の対応処理(図19)におけるステップS608)が実行される状態となる。
遊技終了時の対応処理(図19)の説明に戻り、BB役の当選状態及びBB状態のいずれでもなく(ステップS601:NO)、さらにAT状態ではない場合(ステップS603:NO)、RTモードの移行処理(ステップS604)、ゲーム数解除管理処理(ステップS605)及び移行チャンス管理処理(ステップS606)を実行する。
RTモードの移行処理(ステップS604)では、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第2RTモードに移行させる。また、RTモードの移行処理では、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には通常モードに移行させる。
ゲーム数解除管理処理(ステップS605)では、AT状態が前回終了する場合に設定された解除ゲーム数分のゲームがAT状態への新たな移行が発生することなく消化された場合にAT状態に移行させるための処理を実行する。つまり、1ゲームが終了する度に解除ゲーム数の値を1減算し、残りの解除ゲーム数の値が「0」となった場合には主側RAM74のAT状態カウンタに「1」をセットする。主側RAM74には、AT状態であるか否かを特定すること、及びAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定することを可能とするAT状態カウンタが設けられている。AT状態カウンタには、遊技状態に応じて「0」~「3」の数値情報が設定される。具体的には、AT状態カウンタには、非AT状態において「0」が設定され、ART準備状態において「1」が設定され、ART状態において「2」が設定され、ART終了分岐状態において「3」が設定される。ステップS605にてAT状態カウンタに「1」が設定されることにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS608)が実行されることとなる。
移行チャンス管理処理(ステップS606)では、非BB状態であるとともに非AT状態である遊技状態で行われたゲームにおいてインデックス値IV=5で当選となった場合、AT状態への移行抽選処理を実行する。非BB状態におけるインデックス値IV=5には既に説明したとおりスイカ当選データのみが設定されている。AT状態への移行抽選処理では非BB中のAT移行抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記読み出した非BB中のAT移行抽選テーブルに対して照合する。非BB中のAT移行抽選テーブルでは、1/2の確率でAT移行当選となる。
AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合には、主側RAM74に設けられたARTゲーム数カウンタに初期継続ゲーム数として「50」をセットし、主側RAM74のAT状態カウンタに「1」をセットする。AT状態カウンタに「1」がセットされることにより、遊技終了時の対応処理(図19)における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS608)を実行することとなる。
遊技終了時の対応処理(図19)の説明に戻り、主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上である場合にはAT状態であることを意味するため、ステップS603にて肯定判定をしてステップS607に進む。ステップS607ではAT状態カウンタの値を把握し、その把握した値に対応する処理を実行する。具体的には、AT状態カウンタの値が「1」であればART準備状態処理を実行し(ステップS608)、AT状態カウンタの値が「2」であればART状態処理を実行し(ステップS609)、AT状態カウンタの値が「3」であればART終了分岐処理を実行する(ステップS610)。ステップS602の処理を実行した場合、ステップS606の処理を実行した場合、又はステップS608~ステップS610のいずれかの処理を実行した場合、ゲーム終了コマンドを演出制御装置80への送信対象としてセットして(ステップS611)、本遊技終了時の対応処理を終了する。ゲーム終了コマンドは、1ゲームが終了したことを演出制御装置80に認識させるためのコマンドであり、当該コマンドはタイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS210)にて演出制御装置80に送信される。以下、ステップS608~ステップS610の各処理について説明する。
まずART準備状態処理(ステップS608)について説明する。ART準備状態は、ART状態への移行可能条件が成立した場合において、ART状態に移行する前に滞在することとなる状態である。既に説明したとおり、ART準備状態では、インデックス値IV=1~3のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、既に説明したとおり、ART準備状態では、通常モード用抽選テーブル(図12)又は第1RTモード用抽選テーブル(図14)におけるインデックス値IV=8~11のいずれか(以下、昇格対象役ともいう。)で当選となった場合に第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序(昇格発生用の停止順序)が報知される。ART状態への移行は、ART準備状態処理又はART終了分岐処理が実行されている状況において、第1RTモードにて昇格対象役で当選となり昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されて抽選モードが第2RTモードに移行した場合に発生する。
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいて非BB状態におけるインデックス値IV=4に当選している場合、上乗せ抽選処理を実行する。非BB状態におけるインデックス値IV=4には、既に説明したとおり、スイカ当選データのみが設定されている。上乗せ抽選処理では、上乗せ抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記読み出した上乗せ抽選テーブルに対して照合する。上乗せ抽選テーブルでは、1/2の確率で上乗せ当選となる。上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合、主側RAM74のARTゲーム数カウンタに上乗せゲーム数として「50」を加算する上乗せ処理を実行する。これにより、ART状態に移行した後における当該ART状態の1実行回の継続ゲーム数が増加することとなる。
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図19)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS609)を実行することとなり、遊技状態がART準備状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74のデータ設定を行う。その後、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であることを条件として、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を20加算する。これにより、ART状態の残りのゲーム数が「0」となったタイミングでBB状態に移行した場合には、当該BB状態においてARTゲーム数カウンタへの上乗せが発生しなかったとしてもBB状態の終了後においてART状態がある程度は確実に実行されるようにすることが可能となる。
ART準備状態処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する。その他のRTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
次に、遊技終了時の対応処理(図19)におけるART状態処理(ステップS609)について説明する。ART状態処理では、今回のゲームにおいて非BB状態におけるインデックス値IV=4に当選している場合、ART準備状態処理(ステップS608)における上乗せ抽選処理と同一の上乗せ抽選処理を実行する。既に説明したとおり、上乗せ抽選処理では、1/2の確率で上乗せ当選となる。上乗せ当選となった場合、主側RAM74のARTゲーム数カウンタに上乗せゲーム数として「50」を加算する。これにより、当該ART状態の1実行回の継続ゲーム数が増加することとなる。
ART状態処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を1減算する。そして、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタの値が「0」となっている場合、通常モードであるか否かを判定する。通常モードではない場合、主側RAM74のAT状態カウンタに「3」をセットする。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図19)における次回の処理回においてART終了分岐処理(ステップS610)を実行することとなり、遊技状態がART状態からART終了分岐状態に移行する。一方、通常モードである場合、主側RAM74のAT状態カウンタを「0」クリアする。これにより、AT状態が終了することとなる。
ART状態処理では、RTモードの移行処理を実行する。RTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第2RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
次に、遊技終了時の対応処理(図19)におけるART終了分岐処理(ステップS610)について説明する。ART終了分岐状態は、ART状態の1実行回が終了した場合に滞在する遊技状態である。既に説明したとおり、ART終了分岐状態では、インデックス値IV=1~3のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。一方、ART終了分岐状態において第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしてもこれら転落リプレイ入賞の発生を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。そして、ART終了分岐状態において第1転落リプレイ入賞が発生して通常モードへ移行した場合には、AT状態カウンタの値を「0」クリアする。これにより、AT状態が終了することとなる。
<リール制御処理>
次に、通常処理(図10)のステップS307にて実行されるリール制御処理について説明する。リール制御処理の説明に先立ち、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ33についてより詳細に説明する。
図21(a)はステッピングモータ33の駆動系を示す接続図であり、図21(b)はステッピングモータ33の駆動特性を示す図であり、図22は相励磁の励磁順序が設定された励磁順テーブルを説明するための説明図である。
ステッピングモータ33として、ハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用している。なお、ステッピングモータはハイブリッド型に限らず、種々のステッピングモータを使用することができる。
ハイブリッド型のステッピングモータ33は、図21(a)に示すように、中央に配置された回転子91と、回転子91の周囲に配置され第1~第4ポール92~95を有する固定子90とを備えている。回転子91は、N極に着磁された手前側回転子91aと、S極に着磁された奥側回転子91bとで構成され、手前側回転子91aの周囲に設けられた歯と歯の間に、奥側回転子91bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側回転子91aと奥側回転子91bとの間には図示しない筒状磁石が取着されている。
第1ポール92と第3ポール94には、図21(b)に示すように、励磁コイルL0と励磁コイルL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線され、ここに所定の直流電源+B(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2ポール93と第4ポール95にも励磁コイルL1と励磁コイルL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線され、ここに上述した直流電源+Bが印加される。
第1ポール92の励磁コイルL0に励磁信号を印加し、第1ポール92をS極に励磁するとともに第3ポール94をN極に励磁する相をA相とし、これとは逆に第3ポール94の励磁コイルL2に励磁信号を印加し、第1ポール92をN極に励磁するとともに第3ポール94をS極に励磁する相を逆A相と称する。同様に、第2ポール93の励磁コイルL1に励磁信号を印加し、第2ポール93をS極に励磁するとともに第4ポール95をN極に励磁する相をB相とし、これとは逆に第4ポール95の励磁コイルL3に励磁信号を印加し、第2ポール93をN極に励磁するとともに第4ポール95をS極に励磁する相を逆B相と称する。
ステッピングモータ33に対する励磁信号は励磁データとして、図21(b)に示すモータドライバ96に与えられる。この励磁データは主側RAM74に格納されており、タイマ割込み処理によって適切な励磁データが出力される。この励磁データによってステッピングモータ33に対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。
ステッピングモータ33が1相励磁駆動方式の場合には、A相、B相、逆A相及び逆B相に対して順次励磁信号を印加することにより、回転子91を時計方向又は反時計方向に回転駆動させることができる。つまり、例えばまずA相に通電すると、S極になった第1ポール92の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第3ポール94の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次にB相に通電すると、S極になった第2ポール93の突起と手前側回転子91aの歯、N極になった第4ポール95の突起と奥側回転子91bの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆A相に通電すると、N極になった第1ポール92の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第3ポール94の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合い、次に逆B相に通電すると、N極になった第2ポール93の突起と奥側回転子91bの歯、S極になった第4ポール95の突起と手前側回転子91aの歯とがそれぞれ吸引力により向き合う。この順序で励磁することにより、回転子91は図21(a)において時計方向に回転する。
本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rの回転を開始させて定速回転となるまでの加速期間及び定速回転を維持させるための定速回転期間においては、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。1-2相励磁駆動は、励磁順テーブル(図22)に基づいて行われる。
図22に示すように、励磁順テーブルには、0~7の各励磁順ポインタに対応させて相励磁の種類が設定されている。加速期間及び定速回転期間においては、励磁信号の切り替えタイミングとなる度に現状の励磁順ポインタに対応する相を励磁するための励磁信号が主側MPU72からモータドライバ96に出力される。励磁順ポインタは、励磁信号が出力される度に「0」から「7」まで「1」ずつ更新されるとともに、当該励磁順ポインタが「7」である状態で更新された場合には「0」に戻る。
1-2相励磁駆動は、図22に示すように、A相に通電する1相励磁(励磁順ポインタ0)、A相とB相の両方に通電する2相励磁(励磁順ポインタ1)、B相に通電する1相励磁(励磁順ポインタ2)、B相と逆A相の両方に通電する2相励磁(励磁順ポインタ3)、逆A相に通電する1相励磁(励磁順ポインタ4)、逆A相と逆B相の両方に通電する2相励磁(励磁順ポインタ5)、逆B相に通電する1相励磁(励磁順ポインタ6)、逆B相とA相の両方に通電する2相励磁(励磁順ポインタ7)が行われ、その後(励磁順ポインタ0)に戻るような駆動方式である。
上述したとおり、本実施形態では504パルスの励磁信号によりリールが1周する構成であるため、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は約0.714°となる。
上記構成のステッピングモータ33を使用する場合、図23に示すような駆動特性が要求される。
この駆動特性は、スタートレバー41が操作されてからステッピングモータ33が回転を始め一定の定速回転に至るまでの加速期間TAと定速期間TBとに大別される。加速期間TAは、初期の第1加速期間TA1とその後の第2加速期間TA2とに分けられる。また、定速期間TBは、ストップボタン42~44が操作されるまで回転速度を維持しつづける定速回転期間TB1と、ストップボタン42~44の操作に基づいて所定のスベリを伴いながら停止する停止期間TB2とに分けられる。
加速期間TAの長さに関する規制は設けられていない一方、ストップボタン42~44が操作されない場合の加速期間TA及び定速回転期間TB1の合計時間は30sec以上でなければならないという規制が設けられている。停止期間TB2についても、ストップボタン42~44を操作してから最大約190msec以内にステッピングモータ33を停止させることが要求されている。
<ステッピングモータ33の駆動制御>
次に、ステッピングモータ33の駆動制御についての構成を説明する。
既に説明したとおり、ステッピングモータ33は加速期間TA(図23)を経て定速回転の状態に遷移するが、かかる加速期間TAは遊技の強制的な待ち時間となってしまうため、ステッピングモータ33は加速状態からできるだけ早く定速回転の状態に遷移させることが望ましい。そのためにはステッピングモータ33の励磁相の切り替えを早く行うようにすればよいが、そうすると脱調や回転の不安定性をもたらす恐れがある。
特に、ステッピングモータ33では、初期励磁において回転子91の歯がポール92~95の突起に吸引されるときに、回転子91の初期の回転揺れ(往復動を伴った微小振動)が発生する。リールユニット31の仕様などによっても相違するが、例えば30msecで1往復する揺れが5~6往復程度発生する。したがって、このような初期の回転揺れを考慮に入れながら加速期間TAにおける励磁相の切り替え態様を設定する必要がある。
かかる初期の回転揺れの影響を抑制しながら、ステッピングモータ33の加速を行う手法としては、2相励磁による初期励磁の状態をある程度維持するとともにその後の2相励磁と1相励磁との切り替え間隔を徐々に短くしていく手法が考えられる。例えば図24に示すようなタイミングで励磁相を切り替える構成が考えられる。この場合、初期励磁として2相励磁に設定した状態が130割込み(すなわちタイマ割込み処理(図9)の130回分)に亘って保持された後に、1相励磁に切り替えられ、その状態を8割込みに亘って保持した後に、2相励磁に切り替えられ、その後、除々に励磁相の切り替え間隔が短くなるように設定されている。当該構成であれば、193.7msec(=1.49msec×130割込み)が初期励磁期間として設定され、この間に上記初期の回転揺れを消失させることが可能となる。しかしながら、本構成においては加速期間TAが長くなってしまう。
これに対して、本実施形態のスロットマシン10では、上記のように2相励磁による初期励磁期間を長く確保するのではなく、初期励磁としてステッピングモータ33に対して2相励磁を行った後、ステッピングモータ33に対して何ら励磁を行わない無励磁期間を挟んで、再びステッピングモータ33に対して初期励磁と同一の2相励磁を行うことにより、上記初期の回転揺れを好適に抑制しながら加速期間TAを短くするようにしている。
以下、このような加速処理を可能とする励磁パターンについて、図25を参照しながら詳細に説明する。図25はリール32L,32M,32Rの回転を開始させる場合における励磁パターンが設定された回転初期用テーブルを説明するための説明図である。
回転初期用テーブル(図25)はスロットマシン10の製造段階において主側ROM73に予め記憶されている。回転初期用テーブルは全てのリール32L,32M,32Rに対して共通して利用される。つまり、リール32L,32M,32Rの回転を開始する場合には左リール32L、中リール32M及び右リール32Rのそれぞれに対して兼用されるように共通の回転初期用テーブルが1個のみ主側ROM73から主側RAM74に読み出され、その共通の回転初期用テーブルを利用して各リール32L,32M,32Rの加速期間TA(図23)の全期間及び定速回転期間TB1(図23)の初期の期間における駆動制御が行われる。
図25に示すように、回転初期用テーブルには、ステッピングモータ33に対して、1相励磁が行われる励磁期間と、2相励磁が行われる励磁期間と、何ら励磁が行われない無励磁期間とが設定されている。1相励磁と2相励磁とで比較した場合、1相励磁の方が2相励磁よりも回転トルクが小さい(すなわち励磁力が弱い)。
回転初期用テーブル(図25)を利用して行われるステッピングモータ33の駆動制御では、切替順序1~3に設定されている励磁データに基づいて第1加速期間TA1の加速制御が行われる。図25に示すように、第1加速期間TA1には、1番目(切替順序1)の励磁対象及び3番目(切替順序3)の励磁対象として同一の2相励磁が設定されており、当該1番目及び3番目の2相励磁の励磁期間の間に無励磁期間が設定されている。例えば、1番目の励磁相がAB相である場合には、初期励磁としてAB相の励磁が行われ、その後に無励磁期間を挟んで再び初期励磁と同一のAB相の励磁が行われる。
図24の回転初期用テーブルのように、初期励磁として2相励磁が設定されているとともに当該2相励磁の励磁期間が長い場合には、回転初期にリール32L,32M,32Rに与えられる回転トルクが大きいものとなり初期の回転揺れが大きくなってしまう。具体的には、初期の回転揺れの振幅及び周期が大きくなってしまう。この場合には、当該初期の回転揺れを消失させるために2相励磁の励磁期間を長く設定する必要が生じ、図24に示すように、初期励磁である2相励磁の励磁期間が長くなってしまう。
これに対して、本実施形態において利用する回転初期用テーブル(図25)では、1番目(切替順序1)の2相励磁の励磁期間と3番目(切替順序3)の2相励磁の励磁期間との間に無励磁期間が設けられていることにより、回転初期にリール32L,32M,32Rに与えられる回転トルクが大きくなり過ぎてしまうことが防止されており、初期の回転揺れを小さくすることが可能となっている。初期の回転揺れの振幅及び周期が抑えられていることにより、早期に初期の回転揺れを消失させてリール32L,32M,32Rの回転を滑らかに開始させることが可能となる。
2番目(切替順序2)の無励磁期間及び3番目(切替順序3)の2相励磁の励磁期間として、初期の回転揺れを抑えるために必要な期間以上の期間を設定することによりリール32L,32M,32Rを円滑に加速させることが可能となる。そして、これら2番目の無励磁期間及び3番目の2相励磁の励磁期間として、初期の回転揺れを抑えることが可能な範囲内において短い期間を設定することにより、リール32L,32M,32Rの円滑な加速を可能としながら加速期間TAの短縮を図ることができる。
ここで、本実施形態のスロットマシン10では、最も制動力が小さい4相励磁を100割込み分(149msec)に亘って維持させた後、1相励磁を34割込み分(50.66msec)に亘って行うことによりリール32L,32M,32Rの停止が行われる。回転初期用テーブル(図25)の初期励磁対象は、励磁順テーブル(図22)においてリール32L,32M,32Rの停止時に行われた1相励磁の次に設定されている2相励磁となる。前回のリール32L,32M,32Rの停止時に行われた1相励磁と今回のリール32L,32M,32Rの回転開始時に行われる2相励磁とが連続的な関係にあることにより、脱調を防止しながらリール32L,32M,32Rを円滑に加速させることができる。
図25に示すように、初期励磁対象である2相励磁の励磁期間はタイマ割込み処理(図9)の2割込み分となっている。既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図9)の起動周期は1.49msecであり、当該タイマ割込み処理にてステッピングモータ制御処理(ステップS206)が実行されることにより励磁相の切り替えが行われる。したがって、励磁相の切り替えタイミングはタイマ割込み処理の起動周期に依存することとなり、最短の保持期間はタイマ割込み処理の1割込み分(すなわち1.49msec)となる。初期励磁対象として1相励磁よりも励磁力の強い2相励磁が設定されていることにより、回転初期に回転開始に必要な回転トルクをリール32L,32M,32Rに対して与えることが可能となっている。そして、当該2相励磁の励磁期間として設定されている期間が2割込み分と短い期間であることにより、回転開始時にリール32L,32M,32Rに与えられる回転トルクが大きくなり過ぎてしまうことが防止されている。
なお、初期励磁対象である2相励磁の励磁期間は、2割込み分に限定されることはなく2割込み分よりも短い期間であってもよく、2割込み分よりも長い期間であってもよい。初期励磁対象である2相励磁の励磁期間は、1割込み分~4割込み分の期間であることが好ましく、より好ましくは1割込み分~2割込み分の期間である。初期励磁対象である2相励磁の励磁期間を1割込み分~4割込み分の期間とすることによりリール32L,32M,32Rの回転初期に与えられる回転トルクが大きくなり過ぎることを防止しながらリール32L,32M,32Rの回転を開始させるために必要な回転トルクを与えることが可能となる。
初期励磁対象である2相励磁の励磁期間の後には、上記のとおりステッピングモータ33に対して何らの励磁が行われない無励磁期間が設定されている。この無励磁期間はタイマ割込み処理(図9)の7割込み分(10.43msec)となっている。初期励磁として2相励磁を行ってリール32L,32M,32Rの回転を開始させた後、ステッピングモータ33を無励磁状態とすることにより回転子91(図21(a))の回転位置を回転初期用テーブル(図25)の1番目及び3番目の2相励磁において安定する回転位置に近づけつつ、当該回転子91の回転速度を抑えることができる。これにより、回転子91の回転位置が3番目の2相励磁において安定する回転位置に近づいているとともに回転子91の回転速度が落ちている状態で3番目の2相励磁を開始することが可能となり、初期の回転揺れの振幅及び周期を小さいものとすることが可能となる。
なお、回転初期用テーブル(図25)の2番目(切替順序2)に設定されている無励磁期間は7割込み分に限定されることはなく7割込み分よりも短い期間であってもよく、7割込み分よりも長い期間であってもよい。切替順序2の無励磁期間は、1割込み分~15割込み分の期間であることが好ましく、より好ましくは4割込み分~10割込み分の期間である。切替順序2の無励磁期間として1割込み分以上の期間が設定されていることにより初期の回転揺れを抑えることができる。また、切替順序2の無励磁期間として4割込み分以上の期間が設定されていることにより、リール32L,32M,32Rの回転速度を十分に緩めて初期の回転揺れを小さいものとすることができる。
回転初期用テーブル(図25)の2番目に設定されている無励磁期間の後には、上記のとおり初期励磁対象である2相励磁と同一の2相励磁の励磁期間が設定されている。この2相励磁の励磁期間はタイマ割込み処理(図9)の17割込み分(25.33msec)となっている。上記のとおり、3番目(切替順序3)の2相励磁は、回転子91の回転位置が当該3番目の2相励磁において安定する回転位置に近づいているとともに回転子91の回転速度が抑えられている状態で開始される。このため、リール32L,32M,32Rにおける初期の回転揺れの振幅及び周期が小さいものとなり、当該初期の回転揺れを消失させるために当該2相励磁を維持する期間を短縮することができる。これにより、リール32L,32M,32Rを円滑に加速させることを可能としながら第1加速期間TA1を短縮することができる。
なお、回転初期用テーブル(図25)の3番目(切替順序3)に設定されている2相励磁の励磁期間は17割込み分の期間に限定されることはなく17割込み分の期間よりも短い期間であってもよく、17割込み分の期間よりも長い期間であってもよい。切替順序3の2相励磁の励磁期間は、10割込み分~25割込み分の期間であることが好ましく、より好ましくは14割込み分~20割込み分の期間である。切替順序3の2相励磁の励磁期間として10割込み分以上の期間が設定されていることにより初期の回転揺れを抑えることができる。また、切替順序3の2相励磁の励磁期間として14割込み分以上の期間が設定されていることにより、初期の回転揺れを消失させることを可能とすることができる。
上記のとおり、初期励磁として2相励磁を行った後、無励磁期間を挟んで再び同一の2相励磁を行うことにより、無励磁期間を挟むことなく初期励磁の2相励磁を所定期間に亘って継続する構成と比較して、リール32L,32M,32Rを円滑に加速させることを可能としながら第1加速期間TA1を短縮することができる。これにより、第1加速期間TA1と第2加速期間TA2との合計期間である加速期間TAを短縮することができる。
第1加速期間TA1が終了した後、第2加速期間TA2では、1相励磁と2相励磁とが交互に行われる。図25に示すように、第2加速期間TA2では、切替順序の偶数番目に1相励磁が設定されているとともに、切替順序の奇数番目に2相励磁が設定されている。
第2加速期間TA2において、2相励磁の励磁期間はリール32L,32M,32Rの加速が進行することに伴って段階的に短くなるように設定されている。具体的には、5番目(切替順序5)に設定されている2相励磁は8割込み分に亘って保持され、7番目(切替順序7)に設定されている2相励磁は5割込み分に亘って保持され、9番目(切替順序9)、11番目(切替順序11)、13番目(切替順序13)、15番目(切替順序15)、17番目(切替順序17)及び19番目(切替順序19)の加速用の励磁順序に設定されている2相励磁は3割込み分に亘って保持され、21番目(切替順序21)、23番目(切替順序23)、25番目(切替順序25)及び27番目(切替順序27)の加速用の励磁順序に設定されている2相励磁は2割込み分に亘って保持される。このように回転トルクが大きい2相励磁に保持する期間を最初は長くしながら徐々に短くすることにより脱調の発生及び不安定な回転の発生を抑制しながら、回転速度を徐々に大きくしていくことが可能となる。
なお、第2加速期間TA2における奇数番目の切替順序に設定されている2相励磁の励磁期間は上記のものに限定されることはなく、例えば8割込み分の励磁期間から5割込み分の励磁期間に切り換えられるタイミングは上記のタイミングよりも遅いタイミングとしてもよく、5割込み分の励磁期間から3割込み分の励磁期間に切り換えられるタイミングは上記のタイミングよりも遅いタイミングとしてもよい。また、8割込み分の励磁期間→5割込み分の励磁期間→3割込み分の励磁期間→2割込み分の励磁期間といったように第2加速期間TA2における2相励磁の励磁期間が変更される構成に限定されることはなく、例えば10割込み分の励磁期間→3割込み分の励磁期間→2割込み分の励磁期間といったように第2加速期間TA2における2相励磁の励磁期間が変更される構成としてもよく、第2加速期間TA2における最初の2相励磁(5番目の2相励磁)の励磁期間が15割込み分である構成としてもよい。
一方、第2加速期間TA2における1相励磁の励磁期間は一定となっており、当該励磁期間はステッピングモータ33を励磁可能な最短期間である1割込み分(1.49msec)となっている。既に説明したとおり第2加速期間TA2における2相励磁の励磁期間は最短でも2割込み分となっているため、第2加速期間TA2では、偶数番目の切替順序における各1相励磁の励磁期間は、直後の順番に設定されている2相励磁の励磁期間よりも短い期間となる。1相励磁は2相励磁よりも回転トルクが小さいため、2相励磁への切り換えが早い方がリール32L,32M,32Rに与える回転トルクを大きくすることが可能となり、加速を早期に完了することが可能となる。その一方、1相励磁が存在しないと回転トルクが大きくなり過ぎてしまい脱調の発生及び不安定な回転の発生が懸念される。これに対して、各1相励磁の励磁期間が直後の順番に設定されている2相励磁の励磁期間よりも短い期間であることにより、脱調の発生及び不安定な回転の発生を抑制しながら加速を早期に完了することが可能となる。特に、各1相励磁の励磁期間が励磁可能な最短期間である1割込み分に設定されていることにより、加速期間TAを極力短くすることが可能となる。
なお、第2加速期間TA2において偶数番目の切替順序に設定されている1相励磁の励磁期間は一定である構成に限定されることはなく、例えばリール32L,32M,32Rの加速が進むに従って1相励磁の励磁期間が段階的に短くなる構成としてもよい。具体的には、第2加速期間TA2の前半においては1相励磁の励磁期間が2割込み分に設定されており、第2加速期間TA2の後半においては1相励磁の励磁期間が1割込み分に設定されている構成としてもよい。また、例えば1相励磁の励磁期間は基本的に1割込み分に設定されているが、途中のタイミングである10番目の切替順序における1相励磁は2割込み分に設定されている構成としてもよい。また、例えば4番目の切替順序である1相励磁は4割込み分であり、6番目の切替順序である1相励磁は3割込み分であり、8番目の切替順序である1相励磁は2割込み分であり、10番目以降の切替順序である1相励磁はいずれも1割込み分であるといったように、4番目以降の切替順序において1相励磁の励磁期間が1割込み分となるまで徐々に短くなっていく構成としてもよい。但し、これら構成のいずれであっても各1相励磁の励磁期間は、直後の順番に設定されている2相励磁の励磁期間よりも短い期間となっている。これにより、1相励磁の励磁期間が直後の順番に設定されている2相励磁の励磁期間よりも長い期間である構成と比べて加速期間TAを短くすることが可能となる。
回転初期用テーブルが利用される場合であっても1相励磁及び2相励磁の具体的な内容は励磁順テーブル(図22)における励磁順ポインタに従って決定される。回転初期用テーブル(図25)における初期励磁の2相励磁を行う場合に、励磁順テーブルにおいて2相励磁が設定されている所定の励磁順ポインタが制御開始対象のポインタとして選択される。初期励磁(1番目)の2相励磁が行われた後、無励磁期間を挟んで行われる3番目の2相励磁では、励磁順ポインタが更新されることはなく初期励磁の2相励磁と同一の2相励磁が行われる。3番目の励磁順序に設定されている2相励磁が終了した後は、回転初期用テーブルにおいて切替順序が変更される度に、励磁順テーブルにおいて制御対象となる励磁順ポインタが次の順番の励磁順ポインタに切り換えられる。これにより、回転初期用テーブルにおいて1相励磁が設定されている順番の切替順序においては励磁順テーブルにおいても1相励磁に対応するデータが選択され、回転初期用テーブルにおいて2相励磁が設定されている順番の切替順序においては励磁順テーブルにおいても2相励磁に対応するデータが選択される。
第2加速期間TA2の駆動制御が終了した後は、定速期間TB(図23)の駆動制御が行われる。定速期間TBの駆動制御では、第2加速期間TA2と同様に1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返される。また、定速期間TBにおける1相励磁の励磁期間及び2相励磁の励磁期間は、回転初期用テーブル(図25)の33番目(切替順序33)の2相励磁の場合を除いて、ステッピングモータ33を励磁可能な最短期間である1割込み分である。
定速期間TBでは、基本的に、ステッピングモータ33に対して1割込み分に亘る1相励磁と1割込み分に亘る2相励磁とが交互に行われることにより、リール32L,32M,32Rが1分間に80回転する80rpmの回転速度で定速回転する。定速期間TBのうち定速回転期間TB1(図23)の初期では、リール32L,32M,32Rの回転速度が設定値(80rpm)よりも遅い状態から加速して設定値に到達し、リール32L,32M,32Rの回転速度が設定値を超えるオーバーシュートが発生する。定速回転期間TB1における全ての1相励磁の励磁期間及び2相励磁の励磁期間が1割込み分である場合、リール32L,32M,32Rの回転速度は、オーバーシュート発生時に最大値をとり、その後に減衰振動しながら設定値である80rpmに収束する。
オーバーシュート発生時におけるリール32L,32M,32Rの回転速度の最大値は、直前のリール32L,32M,32Rの加速傾斜が急であるほど大きくなる。また、リール32L,32M,32Rの回転速度の最大値が大きいほど、減衰振動の振幅が大きくなるとともに、加速期間TAが終了してからリール32L,32M,32Rの回転速度が設定値に収束するまでに要する収束時間が長くなる。
本実施形態では、第2加速期間TA2が終了してから最初にリール32L,32M,32Rの回転速度が設定値(80rpm)に到達する直前におけるリール32L,32M,32Rの加速傾斜を緩和すべく回転初期用テーブル(図25)の33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間として1割込み分ではなく2割込み分の期間が設定されている。
定速期間TBにおける駆動制御は、回転初期用テーブル(図25)の33番目の2相励磁が終了するまで、当該回転初期用テーブルに基づいて行われる。回転初期用テーブル(図25)の切替順序28~切替順序32では、1割込み分に亘る1相励磁と1割込み分に亘る2相励磁とが交互に繰り返される。そして、回転初期用テーブルの切替順序33において2割込み分に亘って2相励磁が行われた後、定速期間TBが終了するまで1割込み分に亘る1相励磁と1割込み分に亘る2相励磁とが交互に繰り返される。つまり、定速期間TBでは、基本的に1割込み分に亘る1相励磁と1割込み分に亘る2相励磁とが繰り返され、回転初期用テーブル(図25)における33番目の2相励磁の励磁期間のみが2割込み分となる。
なお、定速回転期間TB1においてリール32L,32M,32Rの加速傾斜を緩和すべく2相励磁の励磁期間を2割込み分以上の期間とするタイミングは、回転初期用テーブル(図25)の33番目(切替順序33)のタイミングに限定されない。当該33番目のタイミングよりも早いタイミングであってもよく、当該33番目のタイミングよりも遅いタイミングであってもよい。定速回転期間TB1においてリール32L,32M,32Rの加速傾斜を緩和すべく2相励磁の励磁期間を2割込み分以上の期間とするタイミングは、31番目(切替順序31)~41番目(切替順序41)のいずれかのタイミングであることが好ましく、より好ましくは31番目(切替順序31)又は33番目(切替順序33)のタイミングである。
図25に示すように、31番目(切替順序31)のタイミングは、第2加速期間TA2が終了してから2回目の2相励磁が行われるタイミングである。また、定速回転期間TB1における1相励磁の励磁期間及び2相励磁の励磁期間の全てを1割込み分の期間とする構成とした場合に、33番目(切替順序33)のタイミングは、リール32L,32M,32Rの回転速度が最初に設定値(80rpm)に到達する直前のタイミングであるとともに、41番目(切替順序41)のタイミングは、リール32L,32M,32Rの回転速度が最大値に到達する直前のタイミングであることが後述する比較試験A~D(図47参照)において実験結果として分かっている。31番目~41番目のいずれかのタイミングにおける2相励磁の励磁期間を2割込み分以上の期間とすることにより、第2加速期間TA2の終了後、リール32L,32M,32Rの回転速度が最大値に向かって増大しているタイミングにおいて当該リール32L,32M,32Rの加速傾斜を緩和することができる。リール32L,32M,32Rの回転速度が最大値に到達するタイミング以前のタイミングにおいて回転速度を減少させて回転速度の減衰振動の振幅を減少させることにより、早期に回転速度を設定値(80rpm)に収束させることが可能となる。このうち、31番目又は33番目のタイミングにおける2相励磁の励磁期間を2割込み分~5割込み分の期間とすることにより、リール32L,32M,32Rの回転速度が最初に設定値(80rpm)に到達する直前のタイミングにおいてリール32L,32M,32Rを減速させて、回転速度の減衰振動の振幅を効果的に減少させることが可能となる。
回転初期用テーブル(図25)を利用した駆動制御が終了した後は、励磁順テーブル(図22)を利用して定速期間TBの続きの駆動制御が行われる。回転初期用テーブル(図25)を利用した駆動制御が終了した後の定速期間TBでは、1割込み分に亘る1相励磁と1割込み分に亘る2相励磁とが交互に繰り返される。
回転初期用テーブル(図25)を利用した駆動制御が終了してから最初に迎える励磁相の切り替えタイミングでは、回転初期用テーブルにおいて最後の切替順序に設定されている励磁相の次の順番となる励磁相が励磁対象となる。具体的には、回転初期用テーブル(図25)において最後の切替順序(切替順序33)には2相励磁が設定されているため、2相励磁に対して次の順番となる励磁相である1相励磁が励磁対象となる。また、回転初期用テーブルを利用した駆動制御が終了した後も励磁順テーブル(図22)の励磁順ポインタがそのまま引き継がれるため、回転初期用テーブルを利用した駆動制御が終了してから最初に迎える励磁相の切り替えタイミングでは回転初期用テーブルを利用した駆動制御の最後に選択されていた励磁順ポインタに対して次の励磁順ポインタに対応するデータが利用される。
リール32L,32M,32Rが停止される場合、スロットマシン10の製造段階において主側ROM73に予め記憶された停止用テーブルが主側RAM74に読み出されて使用される。具体的には、1相励磁と2相励磁とが交互に繰り返されている状況において停止指令が発生することにより停止用テーブルが使用される。停止用テーブルにおいては4相励磁を100割込みに亘って維持した後に1相励磁を34割込みに亘って行うデータが設定されている。この1相励磁の対象となる相は、目標とする停止角度の位置に対応する1相となっている。
4相励磁では、A相、逆A相、B相及び逆B相の全てを励磁する。相反する2相を励磁した場合には磁束を打ち消し合うことになるが、ステッピングモータ33の回転中は誘導電圧によって逆起電力が生じ、例えばA相と逆A相とに流れる電流の差分のトルクが発生する。そして、4相励磁とした場合、相反する2相同士において当該トルクが発生する。したがって、4相励磁であっても制動力を生じさせることが可能である。ちなみに、励磁相の種類としては既に説明した1相励磁、2相励磁及び4相励磁以外にも3相励磁が存在している。これらのうち励磁力(又は回転トルク)が最も強いのは2相励磁であり、次に3相励磁であり、次に1相励磁であり、最も弱いのは4相励磁である。
上記のように制動の開始に際して最も制動力が弱い4相励磁を利用することによりステッピングモータ33の回転子91を滑らかに停止させることが可能となる。但し、制動力が弱いことに起因して4相励磁を行った場合、4相励磁を開始したタイミングから慣性によってある程度は回転子91が進むこととなる。この慣性で進むステップ数はリールユニット31の仕様によって相違するものであり、そのステップ数はリールユニット31を利用した実験によって設計段階である程度は把握することが可能であるものの一定とはならずにある程度のばらつきが生じ得る。これに対して、4相励磁を所定期間に亘って行った後に、目標とする停止角度の位置に対応する1相を対象とした1相励磁を所定期間に亘って行うことにより、停止位置を設計した位置とすることが可能となる。
定速期間TBにおいて停止指令が発生した場合には、1割込みに亘って2相励磁が実行された後に停止用の4相励磁が開始される。なお、停止指令が発生したことに基づいて行われる4相励磁の励磁期間は100割込み分に限定されることはなく、100割込み分よりも短くてもよく、100割込み分よりも長くてもよい。また、4相励磁を100割込み分に亘って継続させた後に行われる1相励磁の励磁期間は34割込み分に限定されることはなく、34割込み分よりも短くてもよく、34割込み分よりも長くてもよい。
次に、リール32L,32M,32Rの駆動制御を行うために主側MPU72にて実行される具体的な処理内容を説明する。
図26は主側MPU72において実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。なお、リール制御処理は通常処理(図10)のステップS307にて実行される。リール制御処理では、先ず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS801)。回転開始処理について図27のフローチャートを参照しながら説明する。
回転開始処理では、まず回転初期用テーブル(図25)を主側ROM73から主側RAM74に読み出す(ステップS901)。その後、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応する回転初期カウンタ74aに「33」をセットする(ステップS902~ステップS904)。回転初期カウンタ74aは、回転初期用テーブル(図25)を利用する駆動制御中の励磁相の切り替えタイミングにおいて参照すべき切替順序データを主側MPU72にて特定可能とするために主側RAM74に設けられているカウンタである。回転初期カウンタ74aは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して1対1で対応させて設けられている。主側MPU72は、回転初期用テーブル(図25)を利用する駆動制御中にステッピングモータ33における励磁相の切り替えタイミングとなった場合、回転初期カウンタ74aの値に基づいて参照すべき切替順序データを特定する。
その後、主側RAM74に設けられた要制御フラグに「1」をセットして(ステップS905)、本回転開始処理を終了する。要制御フラグは、リール32L,32M,32Rの駆動制御を行う必要があることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。要制御フラグに「1」がセットされた状態は、全てのリール32L,32M,32Rについて停止用テーブルに基づく停止制御が完了した場合に当該要制御フラグが「0」クリアされることで解除される。要制御フラグは、後述するステッピングモータ制御処理(図28)のステップS1011にて「0」クリアされる。
リール制御処理(図26)の説明に戻り、回転開始処理(ステップS801)を実行した後は、回転初期用テーブル(図25)における加速期間TA(第1加速期間TA1及び第2加速期間TA2)が終了したか否かを判定する(ステップS802)。具体的には、主側RAM74における回転初期カウンタ74aを参照し、回転初期カウンタ74aの値が「7」以上である場合には加速期間TAが終了していないと判定するとともに、回転初期カウンタ74aの値が「6」以下である場合には加速期間TAが終了したと判定する。加速期間TAが終了していない場合(ステップS802:NO)には当該加速期間TAが終了するまでステップS802の処理を繰り返す。そして、加速期間TAが終了した場合(ステップS802:YES)にステップS803に進む。
ステップS803では、全リール32L,32M,32Rが停止しているか否かについて判定し、回転中のリール32L,32M,32Rが1個以上存在する場合(ステップS803:NO)には、いずれかのストップボタン42~44が操作されたか否かを判定する(ステップS804)。加速期間TAが終了するまでステップS804の判定処理は実行されないため、加速期間TA中にストップボタン42~44の操作が行われたとしても当該操作に基づいて対応するリール32L,32M,32Rが停止することはない。なお、主側MPU72は、加速期間TAを含めてストップボタン42~44の操作が無効化されている場合にはストップボタン42~44の図示しないランプを消灯させることにより無効化されていることを遊技者に報知し、各ストップボタン42~44の操作が有効化されている場合には停止指令が発生していないストップボタン42~44のランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能であることを遊技者に報知する。
いずれかのストップボタン42~44が操作されている場合(ステップS804:YES)には、当該ストップボタン42~44の操作が有効な操作であるか否かを判定する(ステップS805)。具体的には、ステップS804にて検出されたストップボタン42~44の操作が回転中のリール32L,32M,32Rに対して行われたものであり停止指令の発生契機となるものである場合に有効な操作であると判定する。
ステップS805においてストップボタン42~44の操作が有効であった場合には、有効に操作されたストップボタン42~44に対応するリール32L,32M,32RについてステップS806~ステップS810の処理を行う。具体的には、主側RAM74における制動対象フラグに「1」をセットする(ステップS806)。制動対象フラグは、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42~44の有効な操作が検出されていることを主側MPU72にて特定可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。その後、演出側MPU82への送信対象として停止指令コマンドをセットする(ステップS807)。停止指令コマンドとは、有効な操作が検出されたストップボタン42~44の種類を把握させるべく演出側MPU82に送信されるコマンドである。
その後、ストップボタン42~44が操作されたタイミングで基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を把握し(ステップS808)、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいてスベリ数を把握するスベリ数把握処理を実行する(ステップS809)。停止情報は、抽選処理(図11)における停止情報第1設定処理(ステップS409)において主側ROM73から主側RAM74に読み出され、後述する停止情報第2設定処理(リール制御処理(図26)のステップS813)においてリール32L,32M,32Rの停止態様に応じて適宜変更される。スベリ数把握処理では、スベリ数として「0」~「4」のいずれかの値を特定する。その後、スベリ数把握処理(ステップS809)にて特定したスベリ数と到達図柄番号とに基づいて基点位置に実際に停止させる停止対象図柄の図柄番号を決定する(ステップS810)。
ステップS804にてストップボタン42~44の操作が検出されなかった場合、ステップS805にてストップボタン42~44の操作が有効な操作ではないと判定した場合、又はステップS810にて停止対象図柄を決定した場合には、ステップS811に進む。ステップS811では、主側RAM74に設けられた停止情報更新フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。停止情報更新フラグは、今回のリール32L,32M,32Rの停止制御により基点位置に停止する図柄に応じて、停止情報第1設定処理(抽選処理(図11)におけるステップS409)又は前回の停止情報第2設定処理(リール制御処理(図26)におけるステップS813)にて主側RAM74に格納されたスベリテーブルを更新すべきことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。停止情報更新フラグには、後述するモータ制御処理(図29)のステップS1114にて「1」が設定される。
停止情報更新フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS811:NO)には、ステップS803に戻る。一方、停止情報更新フラグに「1」が設定されている場合(ステップS811:YES)には、当該停止情報更新フラグを「0」クリアし(ステップS812)、停止情報第2設定処理を実行して(ステップS813)、ステップS803に戻る。停止情報第2設定処理では、今回のリール32L,32M,32Rの停止制御により基点位置に停止する図柄に応じて、停止情報第1設定処理(抽選処理(図11)におけるステップS409)又は前回の停止情報第2設定処理(ステップS813)にて主側RAM74に格納されたスベリテーブルを更新する。これにより、次回のスベリ数把握処理(ステップS809)では、セットされている当選データ、リール32L,32M,32Rの停止順序、及び各リール32L,32M,32Rの停止図柄に対応するスベリテーブルに基づいてスベリ数を算出することが可能となる。なお、スベリ数を算出する構成は、スベリテーブルを利用する構成に限られず、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
ステップS803にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、入賞判定処理を実行する(ステップS814)。入賞判定処理では、各リール32L,32M,32Rの基点位置に停止している図柄の種類を把握する。そして、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止表示されている図柄の組合せが今回の役の抽選処理において当選となった役に対応する図柄の組合せである場合には当選役の入賞の成立として入賞対応処理を実行する。入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であれば媒体付与処理(通常処理(図10)のステップS308)において遊技媒体の付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74にセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(通常処理(図10)のステップS302)にて自動投入処理が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
その後、演出側MPU82への送信対象として入賞結果コマンドをセットして(ステップS815)、本リール制御処理を終了する。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
次に、図28のフローチャートを参照しながらステッピングモータ制御処理について説明する。ステッピングモータ制御処理は、タイマ割込み処理(図9)のステップS206にて実行される。
ステッピングモータ制御処理では、主側RAM74の要制御フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1001:YES)、今回の制御対象のリール32L,32M,32Rについて、リールインデックスセンサ36の検知結果と励磁データの出力回数とに基づき回転位置を把握する(ステップS1002)。その後、主側RAM74における制動対象フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1003)。
今回の制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1003:YES)には、ステップS1002にて把握したリール32L,32M,32Rの回転位置とリール制御処理(図26)のステップS810にて決定された停止対象図柄とに基づき、今回の制動対象のリール32L,32M,32Rについて、制動開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS1004)。そして、制動開始タイミングである場合(ステップS1004:YES)には、制動対象フラグを「0」クリアし(ステップS1005)、主側RAM74に設けられた停止開始フラグに「1」をセットする(ステップS1006)。停止開始フラグは、停止制御を開始すべきリール32L,32M,32Rを主側MPU72にて特定可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。停止開始フラグに「1」がセットされることにより、後述するモータ制御処理(図29)のステップS1112にて制動設定処理が実行されて対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始される。
ステップS1003にて制動対象フラグに「1」が設定されていないと判定した場合、ステップS1004にて制動開始タイミングでないと判定した場合、又はステップS1006にて停止開始フラグに「1」を設定した場合には、モータ制御処理を実行する(ステップS1007)。図29はモータ制御処理を示すフローチャートである。
図29に示すように、モータ制御処理では、今回の制御対象のリール32L,32M,32Rが制動中ではない場合(ステップS1101:NO)、今回の制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する切替カウンタ74bの値が1以上であることを条件として当該切替カウンタ74bの値を1減算する(ステップS1102)。切替カウンタ74bは、ステッピングモータ33における励磁相の切り替えタイミングを主側MPU72にて把握可能とするために主側RAM74に設けられているカウンタである。切替カウンタ74bは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して1対1で対応させて設けられている。
ステップS1102にて切替カウンタ74bの値を1減算した後、当該1減算後の切替カウンタ74bの値が「0」となった場合(ステップS1103:YES)には、励磁相の切り替えタイミングであることを意味するためステップS1104に進む。ステップS1104では主側RAM74における回転初期カウンタ74aの値が1以上であるか否か判定し、回転初期カウンタ74aの値が1以上である場合(ステップS1104:YES)には、回転初期カウンタ74aを1減算する(ステップS1105)。これにより、今回の制御対象となっているリール32L,32M,32Rについて次回の励磁相の切り替えを実行する場合、この減算後における回転初期カウンタ74aの値に対応した励磁期間のデータが設定される。
ステップS1105にて回転初期カウンタ74aの値を1減算した後、当該1減算後の回転初期カウンタ74aの値が1以上である場合(ステップS1106:YES)には、切替カウンタの設定処理を実行する(ステップS1107)。切替カウンタの設定処理では、回転初期用テーブル(図25)において現状の回転初期カウンタ74aの値に対応する切替順序に設定されている励磁期間を制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する切替カウンタ74bに設定する。具体的には、回転初期カウンタ74aの値が「33」である場合には第1加速期間TA1(図25)の開始時であることを意味する。この場合、回転初期用テーブル(図25)の1番目(切替順序1)に設定されている励磁期間である2割込みに対応する「2」を制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する切替カウンタ74bに設定する。また、回転初期カウンタ74aの値が「32」である場合には、回転初期用テーブル(図25)において2番目(切替順序2)の無励磁期間に設定されている7割込みに対応する「7」を制御対象のリール32L,32M,32Rに対応する切替カウンタ74bに設定する。
一方、ステップS1104において回転初期カウンタ74aの値が「0」であると判定した場合には、既に回転初期用テーブル(図25)を利用する駆動制御が終了していることを意味する。また、ステップS1106において回転初期カウンタ74aの値が「0」であると判定した場合には、回転初期用テーブル(図25)を利用する駆動制御が終了したことを意味する。ステップS1104又はステップS1106にて否定判定を行った場合には、切替カウンタ74bに「1」を設定する(ステップS1108)。これにより、回転初期用テーブル(図25)を利用する駆動制御が終了した後の定速期間TB(図23)では、1割込みに亘る1相励磁と1割込みに亘る2相励磁とが交互に繰り返される。
ステップS1107の処理を実行した場合、又はステップS1108の処理を実行した場合には、励磁データ設定処理を実行する(ステップS1109)。図30は励磁データ設定処理を示すフローチャートである。
励磁データ設定処理では、先ず励磁順ポインタの更新処理(ステップS1201~ステップS1204)を実行する。具体的には、主側RAM74における回転初期カウンタ74aの値が「31」以上であるか否かを判定する(ステップS1201)。回転初期カウンタ74aの値が「31」以上でない場合(ステップS1201:NO)には、第2加速期間TA2又は定速期間TBであることを意味するため(図25参照)、励磁順テーブル(図22)における励磁順ポインタの値に「1」を加算する(ステップS1202)。そして、当該1加算後の励磁順ポインタの値が最大値である「7」以下である場合(ステップS1203:YES)には、ステップS1205に進む。一方、1加算後の励磁順ポインタの値が最大値(「7」)よりも大きくなった場合(ステップS1203:NO)には、当該励磁順ポインタの値を「0」クリアして(ステップS1204)、ステップS1205に進む。
一方、ステップS1201において回転初期カウンタ74aの値が「31」以上であると判定した場合には、第1加速期間TA1であることを意味するため(図25参照)、ステップS1205に進む。このように、第1加速期間TA1である場合には励磁順ポインタが更新されないため、回転初期用テーブル(図25)の切替順序3において、切替順序1(初期励磁)と同一の2相励磁が行われる。
ステップS1201にて肯定判定を行った場合、ステップS1203にて肯定判定を行った場合、又はステップS1204の処理を行った場合には、主側RAM74における回転初期カウンタ74aの値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS1205)。回転初期カウンタ74aの値が「1」以上である場合(ステップS1205:YES)には、回転初期用テーブル(図25)を利用した駆動制御が行われていることを意味するため、回転初期用テーブル(図25)を参照して無励磁期間であるか否かを判定する(ステップS1206)。既に説明したとおり、本実施形態における回転初期用テーブル(図25)では、2番目(切替順序2)に無励磁期間が設定されている。無励磁期間である場合(ステップS1206:YES)には、今回の制御対象のリール32L,32M,32Rについて主側RAM74に無励磁データを設定する。無励磁データは、ステッピングモータ33に対して何ら励磁が行われない無励磁状態とするためのデータである。主側RAM74に設定された無励磁データは、後述するステッピングモータ制御処理(図28)におけるステップS1009にてモータドライバ96に出力される。モータドライバ96は、無励磁データを受信した場合、対応するステッピングモータ33を無励磁状態とする。
一方、ステップS1205にて回転初期カウンタ74aの値が「1」以上でないと判定した場合、又はステップS1206にて無励磁期間でないと判定した場合には、励磁順テーブル(図22)において現状の励磁順ポインタの値に対応させて設定されている励磁データを読み出し、その読み出した励磁データを今回の制御対象のリール32L,32M,32Rについての今回の励磁データとして主側RAM74に設定して(ステップS1208)、本励磁データ設定処理を終了する。
モータ制御処理(図29)の説明に戻り、ステップS1103にて切替カウンタ74bの値が「0」でないと判定した場合、又はステップS1109において励磁データ設定処理(図30)を実行した場合には、今回の制御対象となっているリール32L,32M,32Rに対応する停止開始フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS1110)。そして、対応する停止開始フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS1110:NO)には、そのまま本モータ制御処理を終了する。一方、対応する停止開始フラグに「1」が設定されている場合(ステップS1110:YES)には、今回の制御対象となっているリール32L,32M,32Rの制動開始タイミングであることを意味する。この場合には、停止開始フラグを「0」クリアし(ステップS1111)、制動設定処理を実行する(ステップS1112)。制動設定処理では停止用テーブルを主側ROM73から主側RAM74に読み出し、当該停止用テーブルに従った制御を開始する。具体的には、4相励磁を行うための励磁データを主側RAM74に設定する。
その後、今回の停止制御が既に他の2つのリール32L,32M,32Rが停止している状況で行われる第3停止の停止制御であるか否かを判定する(ステップS1113)。そして、今回の停止制御が第3停止の停止制御である場合(ステップS1113:YES)には、そのまま本モータ制御処理を終了する。
一方、今回の停止制御が開始されるリール32L,32M,32R以外に回転中のリール32L,32M,32Rが存在しており、今回の停止制御が第3停止の停止制御でない場合(ステップS1113:NO)には、主側RAM74における停止情報更新フラグに「1」をセットして(ステップS1114)、本モータ制御処理を終了する。既に説明したとおり、停止情報更新フラグに「1」がセットされることにより、リール制御処理(図26)のステップS813にて停止情報第2設定処理が実行される。
ステップS1101にて制動中であると判定した場合には、制動中処理を実行して(ステップS1115)、本モータ制御処理を終了する。制動中処理では、停止用テーブルに基づき、4相励磁の励磁期間(100割込み分)が終了していない場合には、モータドライバ96に出力する励磁データとして4相励磁の励磁データを主側RAM74に記憶する。また、4相励磁の励磁期間が終了している場合には、1相励磁の励磁期間(34割込み分)が終了しているか否かを判定し、1相励磁の励磁期間が終了していない場合にはモータドライバ96に出力する励磁データとして1相励磁の励磁データを主側RAM74に記憶する。一方、1相励磁の励磁期間が終了した場合には今回の制御対象となっているリール32L,32M,32Rの駆動制御を終了する。
ステッピングモータ制御処理(図28)の説明に戻り、ステップS1007においてモータ制御処理を実行した後、回転中の全てのリール32L,32M,32Rに対してモータ制御処理が終了したか否かを判定し(ステップS1008)、終了していない場合(ステップS1008:NO)には残りのリール32L,32M,32Rに対してステップS1002~ステップS1008の処理を実行する。
一方、回転中の全てのリール32L,32M,32Rに対してモータ制御処理が終了している場合(ステップS1008:YES)には、回転中の各リール32L,32M,32Rに対する励磁データを出力する(ステップS1009)。これにより、モータドライバ96に励磁データが供給される。その結果、ステッピングモータ33は即座に励磁データによって指定された励磁相への通電処理を行い、回転子91に対する励磁処理がなされる。
その後、全てのリール32L,32M,32Rについて駆動制御が終了したか否かを判定し(ステップS1010)、1以上のリール32L,32M,32Rの駆動制御が終了していない場合(ステップS1010:NO)には、そのまま本ステッピングモータ制御処理を終了する。一方、全てのリール32L,32M,32Rの駆動制御が終了した場合(ステップS1010:YES)には、主側RAM74における要制御フラグを「0」クリアして(ステップS1011)、本ステッピングモータ制御処理を終了する。
<実施例>
以下、上記のような回転初期用テーブルを利用する駆動制御を実行する構成を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
ABS樹脂により外径230mm、肉厚1.5mm、重量49.7gとなるように作製した円筒骨格部材34に対して、ポリカーボネート樹脂製、ベルト長754.5mm、肉厚0.35mm、重量16.7gのベルトを巻き、さらに当該円筒骨格部材34を図3に示すように、ステッピングモータ33((株)ブラザーエンタープライズ製BH252574608)が固定されたモータプレート35に支持させることにより、一のリールを作製した。また、同様の作製方法により3個のリール32L,32M,32Rを作製し筐体11に設置した。
<加速期間TAの評価>
実施例1について、図22に示すような励磁順テーブル及び図25に示すような回転初期用テーブルを利用して図26~図30に示すような制御処理を行う第1試験を10回実施した。各第1試験では、回転開始時における見た目上の揺れの有無及び脱調の有無について目視による評価を行った。その結果を図31に示す。図31に示すように、10回の第1試験のいずれにおいても、回転開始時における見た目上の揺れが発生しないことが確認された。また、当該10回の第1試験のいずれにおいても、回転開始時に脱調が発生しないことが確認された。
<第1加速期間TA1の励磁パターンを変化させた場合の評価>
上記実施例1について、図25、図32~図43に示すような各回転初期用テーブルを設定し、それぞれの場合について、図22に示すような励磁順テーブルを利用して図26~図30に示すような制御処理を各10回行い、「加速の滑らかさ」を目視により評価した。その結果を、図44に示す。図44において回転初期の励磁パターンAは図25に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンBは図32に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンCは図33に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンDは図34に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンEは図35に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンFは図36に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンGは図37に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンHは図38に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンIは図39に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンJは図40に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンKは図41に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンLは図42に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンMは図43に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当する。
回転初期の励磁パターンBに該当する図32の回転初期用テーブルは1番目(切替順序1)の2相励磁の励磁期間が2割込み分ではなく1割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。回転初期の励磁パターンCに該当する図33の回転初期用テーブルは第1加速期間TA1に無励磁期間が設定されていない点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違している。図33の回転初期用テーブルにおける第1加速期間TA1に設定されている2相励磁の励磁期間は、図25の回転初期用テーブルにおける第1加速期間TA1の1番目(切替順序1)及び3番目(切替順序3)に設定されている励磁期間の合計よりも長い32割込み分である。図33の回転初期用テーブルにおける第2加速期間TA2及び定速回転期間TB1における励磁パターンは、図25の回転初期用テーブルにおける第2加速期間TA2及び定速回転期間TB1における励磁パターンと同一である。回転初期の励磁パターンDに該当する図34の回転初期用テーブルは1番目(切替順序1)の2相励磁に設定されている励磁期間が2割込み分ではなく4割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。
回転初期の励磁パターンEに該当する図35の回転初期用テーブルは2番目(切替順序2)の無励磁期間が7割込み分ではなく4割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。回転初期の励磁パターンFに該当する図36の回転初期用テーブルは2番目(切替順序2)の無励磁期間が7割込み分ではなく1割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。
回転初期の励磁パターンGに該当する図37の回転初期用テーブルは3番目(切替順序3)の2相励磁の励磁期間が17割込み分ではなく14割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。回転初期の励磁パターンHに該当する図38の回転初期用テーブルは3番目(切替順序3)の2相励磁の励磁期間が17割込み分ではなく10割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。
回転初期の励磁パターンIに該当する図39の回転初期用テーブルは1番目(切替順序1)に設定されている励磁の種類が2相励磁ではなく1相励磁である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。回転初期の励磁パターンJに該当する図40の回転初期用テーブルは1番目(切替順序1)に設定されている励磁の種類が2相励磁ではなく1相励磁であるとともに、3番目(切替順序3)の2相励磁の励磁期間が17割込み分ではなく40割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。
回転初期の励磁パターンKに該当する図41の回転初期用テーブルは1番目(切替順序1)及び3番目(切替順序3)に設定されている励磁の種類が2相励磁ではなく1相励磁である。図41の回転初期用テーブルにおける4番目(切替順序4)以降の励磁パターンは、図25の回転初期用テーブルにおける5番目(切替順序5)以降の励磁パターンと同一である。回転初期の励磁パターンLに該当する図42の回転初期用テーブルは1番目(切替順序1)及び3番目(切替順序3)に設定されている励磁の種類が2相励磁ではなく1相励磁である。また、図42の回転初期用テーブルの4番目(切替順序4)には100割込み分の期間に亘る2相励磁が設定されている。図42の回転初期用テーブルにおける5番目(切替順序5)以降の励磁パターンは、図25の回転初期用テーブルにおける4番目(励磁順序4)以降の励磁パターンと同一である。
回転初期の励磁パターンMに該当する図43の回転初期用テーブルは第1加速期間TA1に2つの無励磁期間が設定されている点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルと相違している。図43の回転初期用テーブルでは、3番目(切替順序3)及び5番目(切替順序5)に1番目(切替順序1)と同一の2相励磁が設定されているとともに、2番目(切替順序2)及び4番目(切替順序4)に無励磁期間が設けられている。1番目及び3番目の2相励磁の励磁期間は1割込み分であり、5番目の2相励磁の励磁期間は17割込み分である。また、2番目の無励磁期間は3割込み分であり、4番目の無励磁期間は4割込み分である。図43の回転初期用テーブルにおける第1加速期間TA1に設定されている2相励磁の励磁期間の合計は、図25の回転初期用テーブルにおける第1加速期間TA1の1番目(切替順序1)及び3番目(切替順序3)に設定されている2相励磁の励磁期間の合計と同一であり、具体的には19割込み分である。また、図43の回転初期用テーブルにおける第1加速期間TA1の2番目(切替順序2)及び4番目(切替順序4)に設定されている無励磁期間の合計は、図25の回転初期用テーブルにおける第1加速期間TA1の2番目(切替順序2)に設定されている無励磁期間と同一であり、具体的には7割込み分である。そして、図43の回転初期用テーブルにおける第2加速期間TA2及び定速回転期間TB1における励磁パターンは、図25の回転初期用テーブルにおける第2加速期間TA2及び定速回転期間TB1における励磁パターンと同一である。
図44に示すように、回転初期の励磁パターンC、回転初期の励磁パターンI、及び回転初期の励磁パターンKについては回転初期における見た目上の揺れが確認され、加速の滑らかさが「不良」であった。回転初期の励磁パターンCについては第1加速期間TA1に無励磁期間が設定されておらず初期励磁として2相励磁が32割込み分に亘って維持されることにより回転開始時に付与される回転トルクが大きくなり過ぎてしまい、32割込み分の励磁期間では初期の回転揺れを十分に抑制できないものと考えられる。また、回転初期の励磁パターンIについては初期励磁(切替順序1)として2相励磁よりも励磁力が弱い1相励磁が設定されていることに起因して回転開始時に付与される回転トルクが小さいものとなっている。そして、初期励磁が行われた後、無励磁期間を挟んで行われる3番目(切替順序3)の相励磁が初期励磁と同一の1相励磁ではなく2相励磁に切り替わるため、当該3番目に設定されている17割込み分の励磁期間では初期の回転揺れを十分に抑制できないものと考えれれる。また、回転初期の励磁パターンKについては第1加速期間TA1において無励磁期間を挟んで2相励磁よりも励磁力が弱い1番目(切替順序1)及び3番目(切替順序3)の1相励磁が行われた後に行われる4番目(切替順序4)の2相励磁の励磁期間が8割込み分と短いため、初期の回転揺れを十分に抑制できないものと考えられる。
一方、回転初期の励磁パターンF、回転初期の励磁パターンH、及び回転初期の励磁パターンMについては加速の滑らかさが「普通」であった。具体的には、回転初期における見た目上の揺れがほとんど確認されず、これら回転初期の励磁パターンF、回転初期の励磁パターンH、及び回転初期の励磁パターンMにおけるリール32L,32M,32Rの回転は見た目上の違和感を生じさせないものであった。また、回転初期の励磁パターンA、回転初期の励磁パターンB、回転初期の励磁パターンD、回転初期の励磁パターンE、回転初期の励磁パターンG、回転初期の励磁パターンJ、及び回転初期の励磁パターンLの場合、回転初期における見た目上の揺れは見られず、加速の滑らかさは「良好」であった。
初期励磁(切替順序1)として2相励磁が行われ、切替順序2の無励磁期間を挟んで初期励磁と同一の2相励磁(切替順序3)が行われる構成の場合、回転初期の励磁パターンA、回転初期の励磁パターンB、回転初期の励磁パターンD、回転初期の励磁パターンE、回転初期の励磁パターンF、回転初期の励磁パターンG、及び回転初期の励磁パターンHの結果から、初期励磁の2相励磁の励磁期間として1割込み分~4割込み分の期間が設定されており、無励磁期間として1割込み分~7割込み分の期間が設定されており、切替順序3の2相励磁の励磁期間として10割込み分~17割込み分の期間が設定されていることにより、リール32L,32M,32Rの停止位置に関係なく初期の回転揺れを抑えることができることが分かった。このうち、回転初期の励磁パターンA、回転初期の励磁パターンB、回転初期の励磁パターンD、回転初期の励磁パターンE、及び回転初期の励磁パターンGの結果から、初期励磁の2相励磁の励磁期間として1割込み分~4割込み分の期間が設定されており、無励磁期間として4割込み分~7割込み分の期間が設定されており、切替順序3の2相励磁の励磁期間として14割込み分~17割込み分の期間が設定されていることにより、リール32L,32M,32Rの停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑えることができることが分かった。
初期励磁(切替順序1)として1相励磁が行われ、切替順序2の無励磁期間を挟んで切替順序3の2相励磁が行われる構成の場合、回転初期の励磁パターンJの結果から、切替順序3の2相励磁の励磁期間として40割込み分以上の期間が設定されていることにより、リール32L,32M,32Rの停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑えることができることが分かった。
初期励磁(切替順序1)として1相励磁が行われ、切替順序2の無励磁期間を挟んで切替順序3の1相励磁が行われる構成の場合、回転初期の励磁パターンLの結果から、切替順序3の2相励磁の励磁期間として100割込み分以上の期間が設定されていることにより、リール32L,32M,32Rの停止位置に関係なく初期の回転揺れを十分に抑えることができることが分かった。
また、回転初期の励磁パターンM(図43)の結果から、初期励磁として切替順序1の2相励磁が行われ、切替順序2の無励磁期間を挟んで初期励磁と同一の切替順序3の2相励磁が行われ、さらに切替順序4の無励磁期間を挟んで切替順序5の2相励磁が行われる構成としてもリール32L,32M,32Rの停止位置に関係なく初期の回転揺れを抑えることができることが分かった。
<定速回転期間TB1の初期の評価>
実施例1について、図22に示すような励磁順テーブル及び図25に示すような加速用テーブルを利用して図26~図30に示すような制御処理を行う第2試験A~Dを実施した。また、実施例1について、図22に示すような励磁順テーブル及び図45に示すような回転初期用テーブルを利用して図26~図30に示すような制御処理を行う比較試験A~Dを実施した。第2試験A~D及び比較試験A~Dでは、左リール32Lについて画像撮影及び画像解析を行うことで左リール32Lの回転速度を測定し、定速回転期間TB1の初期におけるオーバーシュートの大小、及び加速期間TAが終了してから左リール32Lの回転速度が設定値(80rpm)に収束するまでに要する収束時間の長短について評価を行った。第2試験A及び比較試験AではA相励磁(1相励磁)で停止させたステッピングモータ33に対して初期励磁としてAB相励磁(2相励磁)を行い、第2試験B及び比較試験BではB相励磁(1相励磁)で停止させたステッピングモータ33に対して初期励磁としてAB相励磁(2相励磁)を行い、第2試験C及び比較試験Cでは逆A相励磁(1相励磁)で停止させたステッピングモータ33に対して初期励磁としてAB相励磁(2相励磁)を行い、第2試験D及び比較試験Dでは逆B相励磁(1相励磁)で停止させたステッピングモータ33に対して初期励磁としてAB相励磁(2相励磁)を行った。第2試験A~Dの結果を図46に示すとともに、比較試験A~Dの結果を図47に示す。
図45の回転初期用テーブルは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間として2割込み分ではなく1割込み分が設定されている点で図25の回転初期用テーブルとは相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルと同一である。図45の回転初期用テーブルを利用して実施した比較試験A~Dでは、従来の回転初期用テーブルと同様に、加速期間TAの終了後に1割込み分に亘る1相励磁と1割込み分に亘る2相励磁とが交互に繰り返される。図47に示すように、比較試験A~Dでは、定速回転期間TB1の初期に左リール32Lの回転速度が設定値(80rpm)の約1.31倍(105rpm)まで上がるオーバーシュートが発生した。図47に示すように、左リール32Lの回転速度は、加速期間TAが終了してから3回目の2相励磁(33番目(切替順序33)の2相励磁)の励磁期間が終了した後であるt=125~131msecのタイミングにおいて設定値(80rpm)に到達し、加速期間TAが終了してから7回目の2相励磁(41番目(切替順序41)の2相励磁)の励磁期間が終了した後であるt=138~141msecのタイミングで最大値に到達した。加速期間TAが終了してから左リール32Lの回転速度の減衰振動が収まり回転速度が設定値に収束するまでに要する収束時間TCは約246msec(約167割込み分)であった。
これに対して、図46に示すように、図25の回転初期用テーブルを利用して実施した第2試験A~Dでは、加速期間TAの終了後におけるオーバーシュート発生時の左リール32Lの回転速度は設定値(80rpm)の約1.04倍(83rpm)に抑えられた。また、加速期間TAが終了してから左リール32Lの回転速度が設定値に収束するまでに要する収束時間TCは約111msec(約74割込み分)に短縮された。図25の回転初期用テーブルを利用する場合、左リール32Lの回転速度が最初に設定値(80rpm)に到達する直前のタイミング(t=122msec)において行われる33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が1割込み分ではなく2割込み分と長いことによりオーバーシュートが発生する直前でリール32L,32M,32Rの加速傾斜が緩和される。これにより、オーバーシュート発生時に到達する回転速度の最大値が抑えることができる。また、左リール32Lの回転速度の最大値と回転速度の設定値(80rpm)との差が小さくなることにより、回転速度を当該最大値から早期に設定値に収束させることができたと考えられる。これにより、収束時間TCが短縮された。
<定速回転期間TB1の初期の励磁パターンを変化させた場合の評価>
上記実施例1について、図25、図48~図55に示すような各回転初期用テーブルを設定し、それぞれの場合について、図22に示すような励磁順テーブルを利用して図26~図30に示すような制御処理を行い、左リール32Lの回転速度の最大値、及び加速期間TAが終了してから左リール32Lの回転速度が設定値(80rpm)に収束するまでに要する収束時間TCの長さを評価した。その結果を図56に示す。図56において回転初期の励磁パターンAは図25に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンNは図48に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンOは図49に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンPは図50に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンQは図51に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンRは図52に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンSは図53に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンTは図54に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当し、回転初期の励磁パターンUは図55に示す回転初期用テーブルを利用した場合に該当する。
回転初期の励磁パターンNに該当する図48の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が2割込み分ではなく3割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと同一である。回転初期の励磁パターンOに該当する図49の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が2割込み分ではなく5割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと同一である。回転初期の励磁パターンPに該当する図50の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が2割込み分ではなく12割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと同一である。
回転初期の励磁パターンQに該当する図51の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が2割込み分ではなく1割込み分であるとともに32番目(切替順序32)の1相励磁の励磁期間が1割込み分ではなく2割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと同一である。回転初期の励磁パターンRに該当する図52の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が2割込み分ではなく1割込み分であるとともに31番目(切替順序31)の2相励磁の励磁期間が1割込み分ではなく2割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと同一である。回転初期の励磁パターンSに該当する図53の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が2割込み分ではなく1割込み分であるとともに41番目(切替順序41)の2相励磁の励磁期間が1割込み分ではなく2割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと同一である。
回転初期の励磁パターンTに該当する図54の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が2割込み分ではなく1割込み分であるとともに67番目(切替順序67)の2相励磁の励磁期間が1割込み分ではなく2割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと同一である。回転初期の励磁パターンUに該当する図55の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンは、47番目(切替順序47)の2相励磁の励磁期間が1割込み分ではなく2割込み分である点で回転初期の励磁パターンAに該当する図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと相違し、その他の点は図25の回転初期用テーブルを利用する駆動制御の励磁パターンと同一である。
図56に示すように、回転初期の励磁パターンPについては左リール32Lの回転速度の最大値が低減されない結果であるとともに、収束時間TCが短縮されない結果となった。具体的には、左リール32Lの回転速度の最大値は、図45の回転初期用テーブルを利用して行った比較試験A~D(図47参照)における左リール32Lの回転速度の最大値と同程度の値であるとともに、収束時間TCは、比較試験A~D(図47参照)における収束時間TCと同程度の長さであった。回転初期の励磁パターンPを利用した試験では、33番目(切替順序33)の2相励磁が12割込み分に亘って維持されることによりリール32L,32M,32Rが大きく減速した後、再び回転速度の設定値(80rpm)に向かって左リール32Lの加速傾斜が急なものとなったことによりオーバーシュート発生時における左リール32Lの回転速度の最大値が低減されなかったと考えられる。また、33番目(切替順序33)の2相励磁が12割込み分に亘って維持されてリール32L,32M,32Rが大きく減速したことによりオーバーシュートが発生するタイミングが遅れたこと、及びオーバーシュート発生時における回転速度の最大値が十分に抑えられなかったことに起因して、収束時間TCが短縮されなかったと考えられる。
図56に示すように、回転初期の励磁パターンTについては左リール32Lの回転速度の最大値が低減されない結果であるとともに、収束時間TCの短縮効果が中程度である結果となった。具体的には、左リール32Lの回転速度の最大値は、比較試験A~D(図47参照)における左リール32Lの回転速度の最大値と同程度の値であった。また、収束時間TCは、比較試験A~D(図47参照)における収束時間TCよりも短く、図25の回転初期用テーブルを利用して行った第2試験A~D(図46参照)における収束時間TCよりも長い時間であった。回転初期の励磁パターンT(図54)における67番目(切替順序67)の2相励磁が行われるタイミングは、図47においてt=173msecに対応するタイミングである。回転初期の励磁パターンTについては、2相励磁の励磁期間が2割込み分となるタイミングがオーバーシュートの発生後であることによりオーバーシュート発生時にける左リール32Lの回転速度の最大値が低減されなかった。一方、オーバーシュートが発生した後、左リール32Lの回転速度が設定値(80rpm)に収束していく減衰振動中であって左リール32Lの回転速度が増加している途中のタイミングで2相励磁の励磁期間が2割込み分となって左リール32Lの加速傾斜が緩和されたことにより、収束時間TCが短縮されたものと考えられる。
図56に示すように、回転初期の励磁パターンQについては左リール32Lの回転速度の最大値が中程度に低減される結果であるとともに、収束時間TCの短縮効果が中程度である結果となった。具体的には、左リール32Lの回転速度の最大値は、比較試験A~D(図47参照)における左リール32Lの回転速度の最大値よりも小さく、第2試験A~D(図46参照)における左リール32Lの回転速度の最大値よりも大きい値であった。また、収束時間TCは、比較試験A~D(図47参照)における収束時間TCよりも短く、第2試験A~D(図46参照)における収束時間TCよりも長い時間であった。回転初期の励磁パターンQについては、左リール32Lの回転速度が最初に設定値(80rpm)に到達する直前のタイミングで1相励磁の励磁期間が2割込み分となることにより左リール32Lの加速傾斜が緩和された。しかし、2相励磁よりも回転トルクの小さい1相励磁の励磁期間が2割込み分となる構成であることにより左リール32Lの加速傾斜の緩和効果が限定的であったことに起因して、左リール32Lの回転速度の最大値が中程度に低減されたものと考えられる。また、左リール32Lの回転速度の最大値が中程度に低減されて当該最大値と設定値(80rpm)との差が小さくなったことに起因して、収束時間TCが短縮されたものと考えられる。
回転初期の励磁パターンOについては回転速度の最大値が低減される結果であるとともに、収束時間TCの短縮効果が中程度である結果となった。具体的には、左リール32Lの回転速度の最大値は、第2試験A~D(図46参照)における左リール32Lの回転速度の最大値と同程度の値であった。また、収束時間TCは、比較試験A~D(図47参照)における収束時間TCよりも短く、第2試験A~D(図46参照)における収束時間TCよりも長い時間であった。また、回転初期の励磁パターンSについては左リール32Lの回転速度の最大値が中程度に低減される結果であるとともに、収束時間TCが短縮される結果となった。具体的には、左リール32Lの回転速度の最大値は、比較試験A~D(図47参照)における左リール32Lの回転速度の最大値よりも小さく、第2試験A~D(図46参照)における左リール32Lの回転速度の最大値よりも大きい値であった。また、収束時間TCは、第2試験A~D(図46参照)における収束時間TCと同程度の長さであった。そして、回転初期の励磁パターンA、回転初期の励磁パターンN、回転初期の励磁パターンR、及び回転初期の励磁パターンUの場合、回転速度の最大値が低減される結果であるとともに、収束時間TCが短縮される結果となった。具体的には、左リール32Lの回転速度の最大値は、第2試験A~D(図46参照)における左リール32Lの回転速度の最大値と同程度の値であった。また、収束時間TCは、第2試験A~D(図46参照)における収束時間TCと同程度の長さであった。
回転初期の励磁パターンA、回転初期の励磁パターンN、回転初期の励磁パターンO、回転初期の励磁パターンR、及び回転初期の励磁パターンSの結果から、31番目(切替順序31)~41番目(切替順序41)のいずれかのタイミングにおける2相励磁の励磁期間を2割込み分~5割込み分の期間とすることにより、左リール32Lの回転速度を早期に設定値(80rpm)に収束させることができることが分かった。第2加速期間TA2の終了後、左リール32Lの回転速度が最大値に向かって増大しているタイミングにおいて左リール32Lの加速傾斜が緩和されて回転速度の減衰振動の振幅が減少したことにより、収束時間TCが短縮されたと考えられる。
このうち、回転初期の励磁パターンA、回転初期の励磁パターンN、回転初期の励磁パターンR、及び回転初期の励磁パターンSの結果から、31番目(切替順序31)~41番目(切替順序41)のいずれかのタイミングにおける2相励磁の励磁期間を2割込み分~3割込み分の期間とすることにより、収束時間TCを効果的に短縮することができることが分かった。
また、回転初期の励磁パターンA、回転初期の励磁パターンN、回転初期の励磁パターンO、及び回転初期の励磁パターンRの結果から、31番目(切替順序31)又は33番目(切替順序33)のタイミングにおける2相励磁の励磁期間を2割込み分~5割込み分の期間とすることにより、左リール32Lの回転速度の最大値を効果的に低減して収束時間TCを短縮することができることが分かった。加速期間TAの終了後、左リール32Lの回転速度が最初に設定値(80rpm)に到達する直前のタイミングにおいて左リール32Lの回転速度が低減されたことにより、回転速度の最大値が効果的に低減されたと考えられる。そして、左リール32Lの回転速度の最大値が低減されて当該最大値と設定値との差が小さくなったことにより収束時間TCが短縮されたと考えられる。
回転初期の励磁パターンU(図55)の結果から、励磁期間を1割込み分の期間よりも長い期間とするタイミングを複数(2つ)設定する構成としても左リール32Lの回転速度の最大値を低減することができるとともに収束時間TCを短縮することができることが分かった。回転初期の励磁パターンUでは、33番目(切替順序33)の2相励磁の励磁期間が2割込み分であることにより左リール32Lの回転速度の最大値が低減されたと考えられる。また、47番目(切替順序47)の2相励磁の励磁期間が2割込み分であることにより回転速度の減衰振動中であって回転速度が増加しているタイミングで回転速度の加速傾斜が緩和され、収束時間TCが短縮されたと考えられる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1加速期間TA1には、ステッピングモータ33に対して何ら励磁が行われない無励磁状態とする無励磁期間が設定されている。これにより、回転開始時に付与される回転トルクが大きくなり過ぎることを防止することが可能となっている。
無励磁期間(切替順序2)の前に初期励磁(切替順序1)として2相励磁が行われる。初期励磁として1相励磁よりも励磁力の強い2相励磁を行うことにより、リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために必要な回転トルクを与えることができる。
無励磁期間(切替順序2)の後に初期励磁(切替順序1)と同一の2相励磁が行われる。これにより、切替順序3の2相励磁の励磁期間を短いものとしながら当該2相励磁(切替順序3)の励磁期間中に初期の回転揺れを消失させて次の1相励磁(切替順序4)に移ることが可能となる。
初期励磁としての2相励磁の励磁期間は、1割込み分~4割込み分の期間であることが好ましく、より好ましくは1割込み分~2割込み分の期間である。初期励磁対象である2相励磁の励磁期間を1割込み分~4割込み分の期間とすることによりリール32L,32M,32Rの回転初期に与えられる回転トルクが大きくなり過ぎることを防止しながらリール32L,32M,32Rの回転を開始させるために必要な回転トルクを与えることが可能となる。
初期励磁(切替順序1)後の無励磁期間(切替順序2)は、1割込み分~15割込み分の期間であることが好ましく、より好ましくは4割込み分~10割込み分の期間である。無励磁期間として1割込み分以上の期間が設定されていることにより初期の回転揺れを抑えることができる。また、無励磁期間として4割込み分以上の期間が設定されていることにより、リール32L,32M,32Rの回転速度を十分に緩めて初期の回転揺れを小さいものとすることができる。そして、無励磁期間として4割込み分~10割込み分の期間が設定されていることにより、初期の回転揺れを小さいものとすることを可能としながら、第1加速期間TA1を短縮することができる。
無励磁期間(切替順序2)後の2相励磁(切替順序3)の励磁期間は、10割込み分~25割込み分の期間であることが好ましく、より好ましくは14割込み分~20割込み分の期間である。切替順序3の2相励磁の励磁期間として10割込み分以上の期間が設定されていることにより初期の回転揺れを抑えることができる。また、切替順序3の2相励磁の励磁期間として14割込み分以上の期間が設定されていることにより、初期の回転揺れを消失させることを可能とすることができる。そして、切替順序3の2相励磁の励磁期間が20割込み分以下の期間抑えられていることにより、第1加速期間TA1を短いものとしてリール32L,32M,32Rを早期に加速させることが可能となっている。
第1加速期間TA1において、初期励磁として2相励磁を設定し、3番目(切替順序3)及び5番目(切替順序5)に初期励磁と同一の2相励磁を設定するとともに、2番目(切替順序2)及び4番目(切替順序4)に無励磁期間を設定することにより第1加速期間TA1中にリール32L,32M,32Rの回転速度が上がり過ぎることを防止して初期の回転揺れを小さいものとすることができる。これにより、リール32L,32M,32Rを滑らかに加速させることが可能となる。
リール32L,32M,32Rの停止制御では、4相励磁が行われた後に1相励磁が行われる。そして、リール32L,32M,32Rの加速制御では、停止制御の最後に行われた1相励磁に連続する2相励磁が初期励磁として行われる。リール32L,32M,32Rの停止制御の最後に行われる1相励磁と次の加速制御にて行われる2相励磁とが連続的な関係にあることにより、回転初期に脱調が発生することを防止し、リール32L,32M,32Rを円滑に加速させることができる。
基本的に1割込み分に亘る1相励磁と1割込み分に亘る2相励磁とを交互に繰り返してリール32L,32M,32Rを定速回転させる定速回転期間TB1において、1相励磁及び2相励磁の励磁期間のうち一部の相励磁の励磁期間を1割込み分の期間よりも長い期間とすることにより、リール32L,32M,32Rの加速傾斜を緩和することができるとともに、回転速度の最大値を低減することができる。これにより、第2加速期間TA2が終了してからリール32L,32M,32Rの回転速度が設定値に収束するまでに要する収束時間TCを短縮することができるとともに、リール32L,32M,32Rの回転を滑らかなものとすることができる。
定速回転期間TB1において、1相励磁よりも回転トルクの大きい一部の2相励磁の励磁期間を1割込み分よりも長い期間とすることにより、リール32L,32M,32Rの加速傾斜を効率的に緩和させることができるとともに、リール32L,32M,32Rの回転速度の最大値を低減することができる。
定速回転期間TB1においてリール32L,32M,32Rの加速傾斜を緩和すべく2相励磁の励磁期間を2割込み分以上の期間とするタイミングは、31番目(切替順序31)~41番目(切替順序41)のいずれかのタイミングであることが好ましく、より好ましくは31番目(切替順序31)又は33番目(切替順序33)のタイミングである。31番目~41番目のいずれかのタイミングにおける2相励磁の励磁期間を2割込み分~5割込み分の期間とすることにより、第2加速期間TA2の終了後、リール32L,32M,32Rの回転速度が最大値に向かって増大しているタイミングにおいて回転速度を減少させて回転速度の減衰振動の振幅を減少させることができる。これにより、早期に回転速度を設定値(80rpm)に収束させることが可能となる。また、31番目又は33番目のタイミングにおける2相励磁の励磁期間を2割込み分~5割込み分の期間とすることにより、リール32L,32M,32Rの回転速度が最初に設定値(80rpm)に到達する直前のタイミングにおいてリール32L,32M,32Rを減速させて、回転速度の最大値を低減することができる。これにより、リール32L,32M,32Rの加速期間TAから定速期間TBへの遷移を円滑なものとすることができるとともに、早期にリール32L,32M,32Rの回転速度を設定値に収束させることができる。
31番目(切替順序31)~41番目(切替順序41)のいずれかのタイミングで行われる2相励磁の励磁期間は2割込み分~5割込み分の期間であることが好ましく、より好ましくは2割込み分~3割込み分の期間である。31番目(切替順序31)~41番目(切替順序41)のいずれかのタイミングで行われる2相励磁の励磁期間を2割込み分~3割込み分の期間とすることにより、収束時間TCを効果的に短縮することができる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)定速回転期間TB1において2相励磁の励磁期間を1割込み分ではなく2割込み分の期間とするタイミングを把握可能とする処理構成を備えている構成としてもよい。本構成における回転初期用テーブルには、加速期間TA(第1加速期間TA1及び第2加速期間TA2)におけるステッピングモータ33の励磁パターンのみが設定されている。具体的には、本構成における回転初期用テーブルには、上記第1の実施形態における回転初期用テーブル(図25)の切替順序1~切替順序27の励磁パターンのみが設定されている。
回転開始処理(図27)のステップS902~ステップS904では、各リール32L,32M,32Rの回転初期カウンタ74aに「27」が設定される。主側RAM74には、定速回転期間TB1において2相励磁の励磁期間として2割込み分の期間を設定するタイミングを特定可能とする期間変更カウンタが設けられている。期間変更カウンタは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して1対1で対応させて設けられている。主側MPU72は、回転初期カウンタ74aの値が「0」となり第2加速期間TA2が終了した場合に期間変更カウンタに「6」を設定する。
主側MPU72は、モータ制御処理(図29)において、ステッピングモータ33における相励磁の切り替えタイミングとなる度に期間変更カウンタの値を1減算し、期間変更カウンタの値が「0」となったことに基づいて、2相励磁の励磁期間として2割込み分の期間を設定すべきタイミングであることを特定する。主側MPU72は、期間変更カウンタの値が1以上である場合、又は期間変更カウンタの値が既に「0」である場合には切替カウンタ74bに「1」を設定する。一方、主側MPU72は、1減算後の期間変更カウンタの値が「0」となった場合には切替カウンタ74bに「2」を設定する。これにより、図25の回転初期用テーブルにおける切替順序33と同一のタイミングで行われる2相励磁の励磁期間を2割込み分の期間とすることができる。
本構成では、回転初期用テーブルに設定されているステッピングモータ33の励磁パターンを加速期間TAにおける励磁パターンのみとすることができるため、主側ROM73において回転初期用テーブルを記憶しておくための記憶容量を低減することができる。
(2)上記第1の実施形態において回転初期用テーブル(図25)の1番目(切替順序1)と3番目(切替順序3)との間に無励磁期間に代えて1相励磁より回転トルクが弱い4相励磁の励磁期間が設定されている構成としてもよい。第1加速期間TA1において、初期励磁として2相励磁が行われた後、4相励磁の励磁期間を挟んで再び初期励磁と同一の2相励磁が行われる構成としても回転開始時に付与される回転トルクが大きくなり過ぎることを防止することができる。
(3)上記第1の実施形態において回転初期用テーブルの初期励磁として2相励磁が設定されている構成に代えて、2相励磁よりも回転トルクが小さいものの1相励磁よりも回転トルクが大きい3相励磁が設定されている構成としてもよい。例えば、第1加速期間TA1において、初期励磁として3相励磁が行われた後、無励磁期間を挟んで再び初期励磁と同一の3相励磁が行われる構成としてもよい。また、第1加速期間TA1において、初期励磁として3相励磁が行われた後、1相励磁よりも回転トルクが小さい4相励磁の励磁期間を挟んで再び初期励磁と同一の3相励磁が行われる構成としてもよい。
(4)上記第1の実施形態において第1加速期間TA1の無励磁期間の前後に行われる相励磁は同一の2相励磁に限定されない。例えば、初期励磁として2相励磁が行われた後、無励磁期間を挟んで3相励磁が行われる構成としてもよく、初期励磁として3相励磁が行われた後、無励磁期間を挟んで2相励磁が行われる構成としてもよい。
(5)上記第1の実施形態において定速期間TBにおけるリール32L,32M,32Rの回転速度の最大値を低減するための構成は、1割込み分の期間よりも長い期間に亘って1相励磁又は2相励磁が行われる構成に限定されない。リール32L,32M,32Rの回転速度が最大値に到達する前のタイミングにおいて1相励磁よりも回転トルクが弱い4相励磁を行ってリール32L,32M,32Rの加速傾斜を緩和する構成してもよく、当該タイミングにおいて一時的にステッピングモータ33に対して何ら励磁が行われない無励磁の状態としてリール32L,32M,32Rの加速傾斜を緩和する構成としてもよい。
(6)上記第1の実施形態においてリール32L,32M,32Rの回転制御を行う場合に2相励磁に代えて、当該2相励磁よりも回転トルクが小さいものの1相励磁よりも回転トルクが大きい3相励磁が行われる構成としてもよい。
(7)1相励磁と2相励磁とが交互に行われている第2加速期間TA2の途中で、3相励磁又は4相励磁の励磁期間が単発的に発生する構成としてもよい。また、第2加速期間TA2の途中で、ステッピングモータ33に対して何ら励磁が行われない無励磁期間が単発的に発生する構成としてもよい。
(8)停止指令が発生した場合に4相励磁を開始させるタイミングは2相励磁が行われた後のタイミングに限定されない。例えば停止指令が発生した場合には定速期間TBにおいて1相励磁が行われた後に停止用の4相励磁が開始される構成としてもよく、停止指令が発生した場合には直前に行われた相励磁の種類に関わらず4相励磁が開始される構成としてもよい。
(9)リール32L,32M,32Rの停止制御は、4相励磁を行った後、1相励磁を行うことで当該停止制御を終了する構成に限定されない。例えば、停止指令が発生した場合に4相励磁のみを所定期間に亘って行うことでリール32L,32M,32Rの停止制御を終了する構成としてもよい。
(10)リール32L,32M,32Rの回転制御の内容を、スロットマシン10のリール32L,32M,32R以外の回転体に適用してもよい。例えばパチンコ機に設けられたドラムなどの回転体の加速制御の内容として適用してもよく、演出用の回転体としてトランプを模した可動物が設けられている構成においては当該可動物の加速制御の内容として適用してもよい。
(11)リール32L,32M,32Rの加速制御の内容を、リール32L,32M,32Rが回転開始後において一旦停止した後に回転を開始する場合における加速制御の内容として利用してもよい。また、リール32L,32M,32Rが完全には停止しておらずわずかに揺動している状況から回転を開始する場合における加速制御の内容として利用してもよい。
(12)有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
(13)主側MPU72から演出側MPU82に送信される情報の種類は上記第1の実施形態におけるものに限定されることはなく、例えば遊技媒体の付与に対応する入賞が成立した場合、その入賞により付与される遊技媒体の数の情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、入賞により付与される遊技媒体の数の情報を画像表示装置63などにおいて報知することが可能となる。また、全てのリール32L,32M,32Rが停止していない状況であっても一部のリール32L,32M,32Rの回転が停止される場合又は停止された場合に、それに対応する情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rの回転状況に対応する演出を画像表示装置63などにおいて行うことが可能となる。
(14)上記第1の実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(15)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
(16)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(17)上記第1の実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.周回体(リール32L,32M,32R)と、
前記周回体を回転させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主側MPU72における回転開始処理(図27)及びステッピングモータ制御処理(図28)を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動手段は、励磁されることにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記駆動制御手段は、前記駆動手段を励磁して前記周回体の回転を加速させる所定駆動制御(加速期間TAの駆動制御)を行う所定駆動制御手段(主側MPU72におけるステップS1101~ステップS1107及びステップS1109の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1208の処理を実行する機能)を備えており、
当該所定駆動制御手段は、前記所定駆動制御が行われる加速期間の途中で前記駆動手段に対して何ら励磁を行わない無励磁期間を発生させることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、所定駆動制御が行われる加速期間の途中で無励磁期間を発生させることにより、回転初期に駆動手段に加えられる励磁力が強くなり過ぎてしまうことを防止することができる。これにより、周回体の初期の回転揺れを小さいものとすることが可能となるとともに、周回体の加速を円滑に行うことが可能となる。
特徴A2.前記所定駆動制御手段は、初期励磁として前記駆動手段に対して所定相励磁(2相励磁)を行った後、前記無励磁期間を発生させることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、無励磁期間が初期励磁の次という早いタイミングに設定されていることにより、回転初期に駆動手段に加えられる励磁力が強くなり過ぎてしまうことを早期に回避することができる。
特徴A3.前記所定駆動制御手段が初期励磁として前記駆動手段に対して前記所定相励磁を行う期間は、前記駆動手段に対して励磁可能な期間における最短期間の4倍以下の期間(4割込み分以下の期間であり約6.0msec以下の期間)であることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、初期励磁として行われる所定相励磁の励磁期間を励磁可能な期間における最短期間の4倍以下の期間とすることにより、回転初期に周回体に加えられる回転トルクが大きくなり過ぎることを防止することができるとともに、所定駆動制御に要する時間を短縮することができる。
特徴A4.前記所定駆動制御手段は、初期励磁として第1期間に亘って前記駆動手段に対して所定相励磁(2相励磁)を行った後、第2期間に亘って前記無励磁期間を発生させ、その後に第3期間に亘って前記駆動手段に対して前記初期励磁と同一の前記所定相励磁を行うことを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、初期励磁として第1期間に亘って行われる所定相励磁と第3期間に亘って行われる所定相励磁との間に無励磁期間が設定されていることにより、第1期間と第3期間との合計期間に亘って所定相励磁が連続的に行われる構成と比較して、周回体の初期の回転揺れを小さいものとすることができるとともに、初期の回転揺れを消失させるために要する時間を短縮することができる。
また、無励磁期間の次に初期励磁と同一の所定相励磁が行われる構成であることにより、第3期間に亘って所定相励磁を行っている間に初期の回転揺れを消失させて次の相励磁に移ることができる。これにより、周回体の加速を円滑に行うことができる。
特徴A5.前記第2期間は、前記駆動手段に対して励磁可能な期間における最短期間の4倍以上の期間(4割込み分以上の期間であり約6.0msec以上の期間)であることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、無励磁期間を励磁可能な期間における最短期間の4倍以上の期間とすることにより、周回体の回転速度を十分に抑えた状態で第3期間に亘る所定相励磁を開始することができる。これにより、周回体の初期の回転揺れを小さいものとし、周回体の加速を好適に行うことができる。
特徴A6.前記第3期間は、前記駆動手段に対して励磁可能な期間における最短期間の10倍以上の期間(10割込み分以上の期間であり約14.9msec以上の期間)であることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、無励磁期間後に行われる所定相励磁の励磁期間を励磁可能な期間における最短期間の10倍以上の期間とすることにより、当該第3期間中に周回体の初期の回転揺れを抑えることができる。これにより、周回体の回転初期に見た目上の揺れが発生することを防止することができるとともに、脱調が発生することを防止することができる。よって、周回体の初期の加速を円滑なものとすることができる。
特徴A7.前記所定相励磁は2相励磁であることを特徴とする特徴A2乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
2相励磁の励磁力は、1相励磁、3相励磁及び4相励磁の励磁力よりも強い。この場合に、上記特徴A2乃至A6のいずれか1の構成を備え、初期励磁として相対的に励磁力が強い2相励磁を行うことにより、周回体の回転を開始させるために十分な強さの励磁力を回転初期の駆動手段に加えることができる。また、初期励磁として2相励磁が行われた後に無励磁期間を発生させることにより、回転初期の駆動手段に加えられる励磁力が強くなり過ぎて初期の回転揺れが大きくなることを防止することができる。
特徴A8.前記駆動制御手段は、
前記駆動手段に対して、前記所定相励磁よりも励磁力が弱い特定相励磁(1相励磁)と前記所定相励磁とを交互に行う所定回転制御(定速期間TBの駆動制御)を行う所定回転制御手段(主側MPU72におけるステップS1101~ステップS1109の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1208の処理を実行する機能)と、
前記所定回転制御中に所定契機が発生したことに基づいて、前記所定相励磁及び前記特定相励磁よりも励磁力が弱い特別相励磁(4相励磁)を行った後、前記特定相励磁を行う所定制動制御(停止制御)を行う所定制動手段(主側MPU72におけるステップS1110~ステップS1115の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、所定駆動制御における初期励磁を所定制動制御において最後に行われた特定相励磁と連続的な関係にある所定相励磁とすることが可能となる。これにより、周回体の回転初期に脱調が発生することを防止しながら周回体の回転初期における加速を円滑なものとすることができる。
特徴A9.前記駆動制御手段は、
前記所定駆動制御の後、前記駆動手段に対して、相対的に励磁力が強い所定相励磁(2相励磁)と相対的に励磁力が弱い特定相励磁(1相励磁)とがそれぞれの励磁期間が所定期間となるようにして交互に行われるようにする所定回転制御(定速期間TBの駆動制御)を行う所定回転制御手段(主側MPU72におけるステップS1101~ステップS1109の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1208の処理を実行する機能)と、
当該所定回転制御手段による前記所定回転制御が行われている途中で、少なくとも1回の励磁期間を前記所定期間よりも長い特定期間に設定する特定設定手段(主側MPU72におけるステップS1107の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、基本的に所定期間に亘る所定相励磁と所定期間に亘る特定相励磁とが交互に行われる所定回転制御において、少なくとも1回の励磁期間として特定期間が設定されることにより周回体の回転速度を低減させることができる。このため、周回体の回転速度が上昇している状況や周回体の回転速度が設定値を超えている状況において周回体の回転速度を低減することが可能となり、周回体の回転速度を早期に収束させることが可能となる。
特徴A10.前記所定期間は、前記駆動手段に対して励磁可能な期間における最短期間(1割込み分の期間であり約1.5msecの期間)であることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、所定期間が励磁可能な期間における最短期間であることにより、所定回転制御において周回体の回転速度を早期に収束させることができる。
特徴A11.前記特定設定手段は、前記所定回転制御の開始後、2回目の前記所定相励磁(31番目(切替順序31)の2相励磁)が行われるタイミングから7回目の前記所定相励磁(41番目(切替順序41)の2相励磁)が行われるタイミングまでの少なくとも1回の励磁期間を前記特定期間に設定することを特徴とする特徴A9又はA10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、周回体の回転速度が最大値に到達するタイミング以前のタイミングで周回体の回転速度を低減することにより、回転速度の最大値を低減することが可能となる。これにより、周回体の回転速度が上がり過ぎることを防止して周回体を円滑に回転させることができる。また、周回体の回転速度が収束するまでに要する時間を短縮することができる。
特徴A12.前記特定設定手段が励磁期間として前記特定期間を設定する対象は、前記所定相励磁であることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、特定相励磁よりも励磁力の強い所定相励磁の励磁期間として特定期間を設定する構成とすることにより、所定相励磁の励磁期間として特定期間を設定する構成と比較して、周回体の回転速度を短時間で効果的に低減することができる。これにより、周回体の円滑な回転を継続させながら回転速度を早期に収束させることが可能となる。
特徴A13.前記特定期間は、前記駆動手段に対して励磁可能な期間における最短期間の5倍以下の期間(5割込み分以下の期間であり約7.5msec以下の期間)であることを特徴とする特徴A9乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、特定相励磁及び所定相励磁のうち少なくとも1回の相励磁の励磁期間として励磁可能な期間における最短期間の5倍以下の期間を設定して周回体の回転速度を低減する構成とすることにより、周回体の回転速度が下がり過ぎて回転速度が収束するまでに要する時間が延びてしまうことを防止することができる。
特徴A14.前記所定相励磁は2相励磁であり、前記特定相励磁は1相励磁であることを特徴とする特徴A9乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、基本的に所定期間に亘る1相励磁と所定期間に亘る2相励磁とが交互に行われる所定回転制御において、1相励磁及び2相励磁のうち少なくとも1回の相励磁の励磁期間として所定期間よりも長い特定期間を設定して、周回体の回転速度を低減することができる。これにより、周回体の回転速度を早期に収束させることが可能となる。
なお、特徴A1~A14の構成に対して、特徴A1~A14、特徴B1~B6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
周回体を利用する遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンは、外周部に複数の図柄が付与されたリールを複数備えており、表示部を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲームが発生するなどの特典が付与される。
また、上記のように周回体としてリールを利用する遊技機としては、スロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いて上記スロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とする遊技機が挙げられる。また、パチンコ機において内部抽選の結果に応じた演出を遊技者に提供するために上記周回体を利用するものも挙げられる。
上記のような周回体を周回させるための駆動手段としては、ステッピングモータが一般的に用いられている。この場合、周回開始条件が成立した場合には、ステッピングモータによる駆動が開始されて、加速期間を経て定速期間へと移行する。そして、この定速期間が所定の期間に亘って継続された後に、周回停止条件の成立に基づき停止される。
ここで、上記例示などのような遊技機においては周回体の回転制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴B群>
特徴B1.周回体(リール32L,32M,32R)と、
前記周回体を回転させる駆動手段(ステッピングモータ33)と、
前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段(主側MPU72における回転開始処理(図27)及びステッピングモータ制御処理(図28)を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動手段は、励磁されることにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
前記駆動制御手段は、
前記駆動手段に対して、相対的に励磁力が強い所定相励磁(2相励磁)と相対的に励磁力が弱い特定相励磁(1相励磁)とがそれぞれの励磁期間が所定期間となるようにして交互に行われるようにする所定回転制御(定速期間TBの駆動制御)を行う所定回転制御手段(主側MPU72におけるステップS1101~ステップS1109の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1208の処理を実行する機能)と、
当該所定回転制御手段による前記所定回転制御が行われている途中で、少なくとも1回の励磁期間を前記所定期間よりも長い特定期間に設定する特定設定手段(主側MPU72におけるステップS1107の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、基本的に所定期間に亘る所定相励磁と所定期間に亘る特定相励磁とが交互に行われる所定回転制御において、少なくとも1回の励磁期間として特定期間が設定されることにより周回体の回転速度を低減させることができる。このため、周回体の回転速度が上昇している状況や周回体の回転速度が設定値を超えている状況において周回体の回転速度を低減することが可能となり、早期に周回体の回転速度を設定値に収束させることが可能となる。
特徴B2.前記所定期間は、前記駆動手段に対して励磁可能な期間における最短期間(1割込み分の期間であり約1.5msecの期間)であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、所定期間が励磁可能な期間における最短期間であることにより、所定回転制御において周回体の回転速度を早期に収束させることができる。
特徴B3.前記駆動制御手段は、前記駆動手段を励磁して前記周回体の回転を加速させる所定駆動制御(加速期間TAの駆動制御)を行う所定駆動制御手段(主側MPU72におけるステップS1101~ステップS1107及びステップS1109の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS1201~ステップS1208の処理を実行する機能)を備えており、
前記所定回転制御手段は、前記所定駆動制御の後に前記所定回転制御を行うものであり、
前記特定設定手段は、前記所定回転制御の開始後、2回目の前記所定相励磁(31番目(切替順序31)の2相励磁)が行われるタイミングから7回目の前記所定相励磁(41番目(切替順序41)の2相励磁)が行われるタイミングまでの少なくとも1回の励磁期間を前記特定期間に設定することを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、周回体の回転速度が最大値に到達するタイミング以前のタイミングで周回体の回転速度を低減することにより、回転速度の最大値を低減することが可能となる。これにより、周回体の回転速度が上がり過ぎることを防止して周回体を円滑に回転させることができる。また、周回体の回転速度が収束するまでに要する時間を短縮することができる。
特徴B4.前記特定設定手段が励磁期間として前記特定期間を設定する対象は、前記所定相励磁であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、特定相励磁よりも励磁力の強い所定相励磁の励磁期間として特定期間を設定する構成とすることにより、所定相励磁の励磁期間として特定期間を設定する構成と比較して、周回体の回転速度を短時間で効果的に低減することができる。これにより、周回体の円滑な回転を継続させながら回転速度を早期に収束させることが可能となる。
特徴B5.前記特定期間は、前記駆動手段に対して励磁可能な期間における最短期間の5倍以下の期間(5割込み分以下の期間であり約7.5msec以下の期間)であることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、特定相励磁及び所定相励磁のうち少なくとも1回の相励磁の励磁期間として励磁可能な期間における最短期間の5倍以下の期間を設定して周回体の回転速度を低減する構成とすることにより、周回体の回転速度が下がり過ぎて回転速度が収束するまでに要する時間が延びてしまうことを防止することができる。
特徴B6.前記所定相励磁は2相励磁であり、前記特定相励磁は1相励磁であることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、基本的に所定期間に亘る1相励磁と所定期間に亘る2相励磁とが交互に行われる所定回転制御において、1相励磁及び2相励磁のうち少なくとも1回の相励磁の励磁期間として所定期間よりも長い特定期間を設定して、周回体の回転速度を低減することができる。これにより、周回体の回転速度を早期に収束させることが可能となる。
なお、特徴B1~B6の構成に対して、特徴A1~A14、特徴B1~B6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴B群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
周回体を利用する遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンは、外周部に複数の図柄が付与されたリールを複数備えており、表示部を通じて各リールに付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各リールが回転を開始し、各リールが回転を開始した後にストップボタンを操作することで各リールが順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲームが発生するなどの特典が付与される。
また、上記のように周回体としてリールを利用する遊技機としては、スロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いて上記スロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とする遊技機が挙げられる。また、パチンコ機において内部抽選の結果に応じた演出を遊技者に提供するために上記周回体を利用するものも挙げられる。
上記のような周回体を周回させるための駆動手段としては、ステッピングモータが一般的に用いられている。この場合、周回開始条件が成立した場合には、ステッピングモータによる駆動が開始されて、加速期間を経て定速期間へと移行する。そして、この定速期間が所定の期間に亘って継続された後に、周回停止条件の成立に基づき停止される。
ここで、上記例示などのような遊技機においては周回体の回転制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…スロットマシン、32L,32M,32R…リール、33…ステッピングモータ、72…主側MPU、TA1…第1加速期間、TA2…第2加速期間、TB…定速期間。

Claims (1)

  1. 周回体と、
    前記周回体を回転させる駆動手段と、
    前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段と、
    を備え、
    前記駆動手段は、励磁されることにより前記周回体を回転させるステッピングモータであり、
    前記駆動制御手段は、前記駆動手段を励磁して前記周回体の回転を加速させる所定駆動制御を行う所定駆動制御手段を備えており、
    当該所定駆動制御手段は、前記所定駆動制御が行われる加速期間の途中で前記駆動手段に対して何ら励磁を行わない無励磁期間を発生させることを特徴とする遊技機。
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