JP7252953B2 - H1.0k180me2抗体、その作製および使用の方法 - Google Patents

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Description

関連出願の引用
本出願は、米国仮特許出願第62/577,041号(2017年10月25日出願。その内容は、その全体において本明細書に参考として援用される)への優先権を主張する。
電子提出されたテキストファイルの説明
本明細書とともに電子提出されたテキストファイルの内容は、それらの全体において本明細書に参考として援用される:配列表のコンピューター読み取り可能なフォーマット(ファイル名: ALNC_010_01WO_SeqList_ST25.txt(作成日:2018年10月23日、ファイルサイズ:27キロバイト)。
背景
細胞クロマチンは、多くの構成が可能な、生理学的に関連する入力を受容するにつれて再モデル化および再構築する傾向にある動的ポリマーである。ヒストンタンパク質は、クロマチンの主要なタンパク質構成要素であり、2本鎖DNAは、ヒストンタンパク質の周りに巻き付けられている。ヒストンタンパク質の変化は、いくつかの遺伝子への転写機構のアクセスを差次的に変更させ得ると同時に、他の遺伝子へのアクセスをそのままにし得る。ヒストン翻訳後修飾(PTM)によって達成される差次的なクロマチン凝縮は、クロマチンのパッケージングの根底にある(Lunyak and Rosenfeld 92008) Hum. Mol. Genet., 17: R28-36;Jenuwein and Allis (2001) Science, 293: 1074-1080)。ヒストンPTM(例えば、メチル化)は、エピジェネティックコード(epigenetic code)として作用し得、発生、傷害、疾患および加齢に密接に関連した細胞応答の多くの局面において極めて重要な役割を果たし得る。
ヒストンには5つの主要なファミリーが存在する: H1、H2A、H2B、H3およびH4。ヒストンH2A、H2B、H3およびH4は、コアヒストンとして公知である一方で、ヒストンH1およびH5は、リンカーヒストンとして公知である。近年、多数の研究によって同定されたその多数のH1.0結合タンパク質は、H1.0のタンパク質間相互作用の重要な役割を指摘し、クロマチン構成に対するその効果を超えて拡大するH1.0構造および機能の新たな枠組みを示唆する。
種々の細胞状況においてH1.0メチル化を検出する必要性がある;そして種々のタイプの細胞状況の間を区別する高感度アッセイが必要とされる。なぜならそれらは、疾患の発生、傷害への応答、および治療レジメンへの応答に関するからである、メチル化H1.0関連疾患および状態に治療上対処する必要性もまた存在する。この目的のための方法および組成物が本明細書で提供される。
JenuweinおよびAllis、Science(2001)293:1074~1080
要旨
H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体は、治療および診断に有用である。このような抗体を作製するための方法がまた提供される。
よって、一局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体の抗原結合ドメインは、
(a)表4のCDR-L1アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;
(b)表5のCDR-L2アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;および
(c)表6のCDR-L3アミノ酸配列のうちのいずれか1つ
を含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体の抗原結合ドメインは、
(a)表7のCDR-H1アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;
(b)表8のCDR-H2アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;および
(c)表9のCDR-H3アミノ酸配列のうちのいずれか1つ
を含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体の抗原結合ドメインは、表4、表5、および表6のCDR-Lアミノ酸配列のうちのいずれか1つを含み、表7、表8、および表9のCDR-Hアミノ酸配列のうちのいずれか1つを含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記H1.0K180me2抗体の抗原結合ドメインは、
(a)配列番号10または配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(b)配列番号14または配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(c)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L3、
を含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記H1.0K180me2抗体の抗原結合ドメインは、
(a)配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)配列番号28、配列番号29、配列番号30または配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(c)配列番号36または配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-H3、
を含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8または配列番号9のアミノ酸配列を含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6または配列番号7のアミノ酸配列を含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6または配列番号7のアミノ酸配列を含み、上記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8または配列番号9のアミノ酸配列を含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含み、上記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。
別の局面において、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここで上記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、上記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号9のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、上記抗体は、キメラであるかまたはヒト化されている。いくつかの実施形態において、上記抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、上記抗体は、抗原結合フラグメントである。
いくつかの実施形態において、上記抗体は、H1.0K180me2タンパク質またはペプチドが、K180以外のメチル化されている残基を含む場合に、上記H1.0K180me2タンパク質またはペプチドへの低減した結合を示す。いくつかの実施形態において、上記抗体は、上記H1.0K180me2タンパク質またはペプチドが、ヒトヒストンH1.0タンパク質のK166、K172、K174、K175、および/またはK177に相当するリジン残基においてメチル化リジン残基を含む場合に、結合しないか、または最小限にしか結合しない。
いくつかの実施形態において、上記抗体は、標識に結合体化されている。いくつかの実施形態において、上記抗体は、固体表面に付着される。いくつかの実施形態において、上記抗体は、ビーズ、カラム、樹脂、またはマイクロプレートに付着される。いくつかの実施形態において、上記抗体は薬剤に結合体化される。いくつかの実施形態において、上記薬剤は、放射性核種、細胞毒、化学療法剤、薬物、プロドラッグ、毒素、酵素、免疫モジュレーター、アポトーシス促進剤、サイトカイン、ホルモン、オリゴヌクレオチド、アンチセンス分子、siRNA、および第2の抗体からなる群より選択される。
別の局面において、本明細書で提供される抗体のうちのいずれか1つをコードするベクターが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、上記ベクターは、配列番号4の核酸または配列番号5の核酸を含む。関連する局面において、これらベクターのうちの1種またはこれより多くを含む細胞が、本明細書で提供される。
別の局面において、個体が、アルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあるか否かを決定するための方法が本明細書で提供され、上記方法は、
(a)上記個体の生物学的サンプルと本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つとを接触させる工程;および
(b)上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程であって、ここでコントロールに対する上記濃度の減少は、上記個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあることを示す工程、
を包含する。いくつかの実施形態において、上記方法は、上記個体が、アルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあることが決定された場合、上記個体を、アルツハイマー病の薬物またはレジメンで処置する工程をさらに包含する。
別の局面において、アルツハイマー病と診断され、上記アルツハイマー病のための処置を受けている個体が、上記処置から利益を受けるか、または該処置から利益を受け続けるか否かを決定するための方法が本明細書で提供され、上記方法は、
(a)上記個体の生物学的サンプルと本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つとを接触させる工程;および
(b)上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程;および
(c)コントロールに対する上記濃度の増大が存在する場合、上記個体が、上記処置から利益を受けるか、または上記処置から利益を受け続けることを決定する工程、
を包含する。いくつかの実施形態において、上記方法は、上記個体が上記処置から利益を受けるか、または上記処置から利益を受け続けることが決定される場合、上記個体を、アルツハイマー病の薬物またはレジメンで処置する工程をさらに包含する。
別の局面において、アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を受けるか否かを決定するための方法が本明細書で提供され、ここで上記個体は上記処置を未だ開始しておらず、上記方法は、
(a)上記個体に候補処置を投与する工程;
(b)上記候補処置の投与後の上記個体の生物学的サンプルと、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つとを接触させる工程;ならびに
(c)上記抗体に結合する上記サンプル中の上記H1.0K180me2抗原を含むタンパク質もしくはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在(subcellular localization)を決定する工程;ならびに
(d)コントロールに対する上記濃度の増大または細胞質の細胞内局在の減少が存在する場合、上記個体が、上記候補処置から利益を受けることを決定する工程、
を包含する。いくつかの実施形態において、上記処置は、APP合成インヒビター、β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター、Aβ凝集インヒビター、Aβ免疫療法、コレステロール低下薬、抗タウ薬、コリンエステラーゼインヒビター、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト、非定型抗精神病薬、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターアゴニスト、ラパマイシン、ラパログ、エンドカンナビノイド、カンナビノイド(cannabionoid)、神経保護因子(neuroprotector)、カルシウム流入を制御する分子、抗酸化剤、抗炎症薬、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物(drug controlling control of glutamate homeostasis)、オートファジー誘導因子、ホルモン、ホルモン調節因子、スタチン、インスリン、インスリンキャリア、多官能性ナノキャリア、ビタミン、栄養補助剤(nutritional supplement)、小型RNA分子、ペプチド、および超音波療法からなる群より選択される。
別の局面において、アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を受けるか否かを決定するための方法が本明細書で提供され、上記方法は、
(a)上記候補処置の投与後に上記個体から得られる生物学的サンプルを提供する工程;
(b)上記個体の生物学的サンプルと本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つとを接触させる工程;および
(c)上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定する工程;ならびに
(d)コントロールに対する上記濃度の増大または細胞質の細胞内局在の減少が存在する場合、上記個体が、上記候補処置から利益を受けることを決定する工程、
を包含する。いくつかの実施形態において、上記処置は、APP合成インヒビター、β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター、Aβ凝集インヒビター、Aβ免疫療法、コレステロール低下薬、抗タウ薬、コリンエステラーゼインヒビター、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト、非定型抗精神病薬、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターアゴニスト、ラパマイシン、ラパログ、エンドカンナビノイド、カンナビノイド、神経保護因子、カルシウム流入を制御する分子、抗酸化剤、抗炎症薬、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物、オートファジー誘導因子、ホルモン、ホルモン調節因子、スタチン、インスリン、インスリンキャリア、多官能性ナノキャリア、ビタミン、栄養補助剤、小型RNA分子、ペプチド、および超音波療法からなる群より選択される。
別の局面において、アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を受けるか否かを決定するための方法が本明細書で提供され、ここで上記個体は上記処置を未だ開始しておらず、上記方法は、
(a)上記個体の生物学的サンプルと候補処置とを接触させる工程;
(b)上記個体の生物学的サンプルと本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つとを接触させる工程;
(c)上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定する工程;ならびに
(d)コントロールに対する上記濃度の増大またはコントロールに対する細胞質の細胞内局在の減少が存在する場合、上記個体が、上記候補処置から利益を受けることを決定する工程、
を包含する。いくつかの実施形態において、上記処置は、APP合成インヒビター、β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター、Aβ凝集インヒビター、Aβ免疫療法、コレステロール低下薬、抗タウ薬、コリンエステラーゼインヒビター、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト、非定型抗精神病薬、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターアゴニスト、ラパマイシン、ラパログ、エンドカンナビノイド、カンナビノイド、神経保護因子、カルシウム流入を制御する分子、抗酸化剤、抗炎症薬、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物、オートファジー誘導因子、ホルモン、ホルモン調節因子、スタチン、インスリン、インスリンキャリア、多官能性ナノキャリア、ビタミン、栄養補助剤、小型RNA分子、ペプチド、および超音波療法からなる群より選択される。
別の局面において、個体がDNA損傷因子に曝されているか否かを決定するための方法が本明細書で提供され、上記方法は、
(a)上記個体の生物学的サンプルと本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つとを接触させる工程;および
(b)上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程であって、ここでコントロールに対する上記濃度の増大は、上記個体がDNA損傷因子に曝されていることを示す工程、
を包含する。いくつかの実施形態において、上記DNA損傷因子は放射線である。
別の局面において、ラパログでの処置を受けている個体が、このような処置に応答するか否かを決定するための方法が本明細書で提供され、上記方法は、
(a)上記個体の生物学的サンプルと本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つとを接触させる工程;
(b)上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程;および
(c)上記個体が処置に応答するか否かを決定する工程であって、ここでコントロールに対する上記濃度の減少は、上記個体が応答することを示す工程、
を包含する。
いくつかの実施形態において、上記ラパログは、ラパマイシン、シロリムス、ラパミューン、エベロリムス、RA 001、アフィニトール、Zortress、テムシロリムス、CCI-779、トーリセル、リダフォロリムス、AP23573、MK-8669、デフォロリムス、ゾタロリムス、ABT-578、AZD8055、AZD2014、OSI-027、MLN0128、WYE-132、Torin1、PI-103、P7170、PF-04691502、PF-05212384、PKI-587、GNE477、PKI-180、WJD008、XL765、SAR245409、NVP-BEZ235、BGT226、SF1126、GSK2126458、Ku-0063794、WYE-354、NVP-BEZ235、PF-05212384、XL765、Torin 2、WYE-125132、およびOSI-027からなる群より選択される。
本明細書で提供される診断方法のうちのいずれか1つのいくつかの実施形態において、上記濃度の増大または減少は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値を上回るかまたは下回る。いくつかの実施形態において、上記生物学的サンプルは、全血、血漿、血清、唾液、尿、滑液、脳脊髄液、気管支洗浄物、腹水、骨髄吸引物、胸水、組織、細胞、生検材料、間質液、およびリンパ液からなる群より選択される。
別の局面において、個体においてメチル化H1.0関連疾患または状態を処置するための方法が本明細書で提供され、上記方法は、上記個体に、治療上有効な量の本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つを投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記疾患または状態は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性ストレッサーへの曝露、老化細胞の蓄積を含む疾患または状態、およびH1.0K180me2タンパク質またはペプチドの上昇したレベルが付随する疾患または状態からなる群より選択される。
別の局面において、個体においてH1.0K180me2を取り除くための方法が本明細書で提供され、上記方法は、上記個体に、治療上有効な量の本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つを投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記個体は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性物質への曝露、DNA損傷因子への曝露、および老化細胞の蓄積を含む状態からなる群より選択される疾患または状態に罹患している。
別の局面において、皮下標的分子の濃度を測定するための経皮パッチが本明細書で提供され、上記パッチは、
(a)本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つを含む基材;および
(b)複数のマイクロニードル、
を含む。
いくつかの実施形態において、上記パッチは、経皮マイクロニードルアレイパッチである。いくつかの実施形態において、上記基材は弾性的に伸縮性である.
別の局面において、個体が放射線またはDNA損傷因子に曝露されているか否かを決定するための携帯式ユニットが提供され、上記ユニットは、
(a)サンプル収集ユニット;
(b)読み取り機;
(c)本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つを含むアッセイモジュール;および
(d)複数のマイクロニードル、
を含む。
別の局面において、分析物のラテラルフローアッセイに適した試験ストリップが本明細書で提供され、上記ストリップは、サンプル受容ゾーンを含み、ここで上記サンプル受容ゾーンは、本明細書に記載される抗体のうちのいずれか1つを含む。
別の局面において、本明細書で提供される抗体のうちのいずれかを含む薬学的組成物が本明細書で提供される。上記薬学的組成物は、薬学的に受容可能な賦形剤をさらに含み得る。
別の局面において、治療上有効な量の本明細書で提供される抗体のうちのいずれか1つを含むキットが本明細書で提供される。
別の局面において、本明細書で提供される抗体または組成物のうちのいずれか1つを含む製造物品が本明細書で提供される。
別の局面において、医薬としての使用のための、本明細書で提供される抗体または組成物のうちのいずれか1つが本明細書で提供される。
別の局面において、メチル化H1.0関連疾患または状態の処置における使用のための、本明細書で提供される抗体または組成物のうちのいずれか1つが本明細書で提供され;必要に応じて、ここで上記疾患または状態は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性ストレッサーへの曝露、老化細胞の蓄積を含む疾患または状態、およびH1.0K180me2タンパク質またはペプチドの上昇したレベルが付随する疾患または状態からなる群より選択される。
別の局面において、処置の方法における使用のための、本明細書で提供される抗体または組成物のうちのいずれか1つが本明細書で提供され;ここで上記方法は、個体においてH1.0K180me2を取り除く工程を包含し;必要に応じてここで上記個体は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性物質への曝露、DNA損傷因子への曝露、および老化細胞の蓄積を含む状態からなる群より選択される疾患または状態に罹患している。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで前記抗体の抗原結合ドメインは、
(a)表4のCDR-L1アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;
(b)表5のCDR-L2アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;および
(c)表6のCDR-L3アミノ酸配列のうちのいずれか1つ、
を含む、抗体。
(項目2)
H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで前記抗体の抗原結合ドメインは、
(a)表7のCDR-H1アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;
(b)表8のCDR-H2アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;および
(c)表9のCDR-H3アミノ酸配列のうちのいずれか1つ、
を含む、抗体。
(項目3)
H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで前記抗体の抗原結合ドメインは、表4、表5、および表6のCDR-Lアミノ酸配列のうちのいずれか1つを含み、表7、表8、および表9のCDR-Hアミノ酸配列のいずれか1つを含む、抗体。
(項目4)
前記抗体の抗原結合ドメインは、
(a)配列番号10または配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
(b)配列番号14または配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
(c)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L3、
を含む、項目1に記載の抗体。
(項目5)
前記抗体の抗原結合ドメインは、
(a)配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
(b)配列番号28、配列番号29、配列番号30または配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
(c)配列番号36または配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-H3
を含む、項目1または項目4に記載の抗体。
(項目6)
H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで前記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8または配列番号9のアミノ酸配列を含む、抗体。
(項目7)
H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで前記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6または配列番号7のアミノ酸配列を含む、抗体。
(項目8)
H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで前記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6または配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8または配列番号9のアミノ酸配列を含む、抗体。
(項目9)
前記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含み、前記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む、項目8に記載の抗体。
(項目10)
前記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号9のアミノ酸配列を含む、項目8に記載の抗体。
(項目11)
前記抗体は、キメラであるかまたはヒト化されている、項目1~10のいずれか1項に記載の抗体。
(項目12)
前記抗体はモノクローナル抗体である、項目1~11のいずれか1項に記載の抗体。
(項目13)
前記抗体は抗原結合フラグメントである、項目1~11のいずれか1項に記載の抗体。
(項目14)
前記抗体は、H1.0K180me2タンパク質またはペプチドが、K180以外のメチル化されている残基を含む場合に、前記H1.0K180me2タンパク質またはペプチドへの低減した結合を示す、項目1~13のいずれか1項に記載の抗体。
(項目15)
前記抗体は、前記H1.0K180me2タンパク質またはペプチドがヒトヒストンH1.0タンパク質のK166、K172、K174、K175、および/またはK177に相当するリジン残基においてメチル化リジン残基を含む場合に、結合しないか、または最小限にしか結合しない、項目1~14のいずれか1項に記載の抗体。
(項目16)
前記抗体は、標識に結合体化されている、項目1~15のいずれか1項に記載の抗体。
(項目17)
前記抗体は、固体表面に付着される、項目16に記載の抗体。
(項目18)
前記抗体は、ビーズ、カラム、樹脂、またはマイクロプレートに付着される、項目17に記載の抗体。
(項目19)
前記抗体は薬剤に結合体化される、項目1~15のいずれか1項に記載の抗体。
(項目20)
前記薬剤は、放射性核種、細胞毒、化学療法剤、薬物、プロドラッグ、毒素、酵素、免疫モジュレーター、アポトーシス促進剤、サイトカイン、ホルモン、オリゴヌクレオチド、アンチセンス分子、siRNA、および第2の抗体からなる群より選択される、項目19に記載の抗体。
(項目21)
個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあるか否かを決定するための方法であって、前記方法は、
(a)前記個体の生物学的サンプルと項目1~18のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;および
(b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程であって、ここでコントロールに対する前記濃度の減少は、前記個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあることを示す工程、
を包含する、方法。
(項目22)
前記個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあることを示すことが決定された場合、前記個体を、アルツハイマー病の薬物またはレジメンで処置する工程をさらに包含する、項目21に記載の方法。
(項目23)
アルツハイマー病と診断され、前記アルツハイマー病のための処置を受けている個体が、前記処置から利益を受けるか、または前記処置から利益を受け続けるか否かを決定するための方法であって、前記方法は、
(a)前記個体の生物学的サンプルと項目1~18のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;および
(b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程;および
(c)コントロールに対する前記濃度の増大が存在する場合、前記個体が、前記処置から利益を受けるか、または前記処置から利益を受け続けることを決定する工程、
を包含する、方法。
(項目24)
前記個体が前記処置から利益を受けるか、または前記処置から利益を受け続けることが決定される場合、前記個体を、アルツハイマー病の薬物またはレジメンで処置する工程をさらに包含する、項目23に記載の方法。
(項目25)
アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を受けるか否かを決定するための方法であって、ここで前記個体は前記処置を未だ開始しておらず、前記方法は、
(a)前記個体に候補処置を投与する工程;
(b)前記候補処置の投与後の前記個体の生物学的サンプルと、項目1~18のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;ならびに
(c)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質もしくはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定する工程;ならびに
(d)コントロールに対する前記濃度の増大または細胞質の細胞内局在の減少が存在する場合、前記個体が、前記候補処置から利益を受けることを決定する工程、
を包含する、方法。
(項目26)
アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を得られるか否かを決定するための方法であって、ここで前記個体は前記処置を未だ開始しておらず、前記方法は、
(a)前記個体の生物学的サンプルと候補処置とを接触させる工程;
(b)前記個体の生物学的サンプルと項目1~18のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;
(c)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質もしくはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定する工程;ならびに
(d)コントロールに対する前記濃度の増大またはコントロールに対する細胞質の細胞内局在の減少が存在する場合、前記個体が、前記候補処置から利益を受けることを決定する工程、
を包含する、方法。
(項目27)
前記処置は、APP合成インヒビター、β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター、Aβ凝集インヒビター、Aβ免疫療法、コレステロール低下薬、抗タウ薬、コリンエステラーゼインヒビター、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト、非定型抗精神病薬、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターアゴニスト、ラパマイシン、ラパログ、エンドカンナビノイド、カンナビノイド、神経保護因子、カルシウム流入を制御する分子、抗酸化剤、抗炎症薬、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物、オートファジー誘導因子、ホルモン、ホルモン調節因子、スタチン、インスリン、インスリンキャリア、多官能性ナノキャリア、ビタミン、栄養補助剤、小型RNA分子、ペプチド、および超音波療法からなる群より選択される、項目25~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
個体がDNA損傷因子に曝されているか否かを決定するための方法であって、前記方法は、
(a)前記個体の生物学的サンプルと項目1~18のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;および
(b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程であって、ここでコントロールに対する前記濃度の増大は、前記個体がDNA損傷因子に曝されていることを示す工程、
を包含する、方法。
(項目29)
前記DNA損傷因子は放射線である、項目28に記載の方法。
(項目30)
ラパログでの処置を受けている個体が、このような処置に応答するか否かを決定するための方法であって、前記方法は、
(a)前記個体の生物学的サンプルと項目1~18のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;
(b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程;および
(c)前記個体が処置に応答するか否かを決定する工程であって、ここでコントロールに対する前記濃度の減少は、前記個体が応答することを示す工程、
を包含する、方法。
(項目31)
前記減少は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値を下回る、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記ラパログは、ラパマイシン、シロリムス、ラパミューン、エベロリムス、RA 001、アフィニトール、Zortress、テムシロリムス、CCI-779、トーリセル、リダフォロリムス、AP23573、MK-8669、デフォロリムス、ゾタロリムス、ABT-578、AZD8055、AZD2014、OSI-027、MLN0128、WYE-132、Torin 1、PI-103、P7170、PF-04691502、PF-05212384、PKI-587、GNE477、PKI-180、WJD008、XL765、SAR245409、NVP-BEZ235、BGT226、SF1126、GSK2126458、Ku-0063794、WYE-354、NVP-BEZ235、PF-05212384、XL765、Torin 2、WYE-125132、およびOSI-027からなる群より選択される、項目30に記載の方法。
(項目33)
前記濃度の増大または減少は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値を上回るかまたは下回る、項目21~32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記生物学的サンプルは、全血、血漿、血清、唾液、尿、滑液、脳脊髄液、気管支洗浄物、腹水、骨髄吸引物、胸水、組織、細胞、生検材料、間質液、およびリンパ液からなる群より選択される、項目21~33のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
皮下標的分子の濃度を測定するための経皮パッチであって、前記パッチは、
(a)項目1~18のいずれか1項に記載の抗体を含む基材;および
(b)複数のマイクロニードル
を含む、パッチ。
(項目36)
前記パッチは、経皮マイクロニードルアレイパッチである、項目35に記載のパッチ。
(項目37)
前記基材は弾性的に伸縮性である、項目35または36に記載のパッチ。
(項目38)
個体が放射線またはDNA損傷因子に曝露されているか否かを決定するための携帯式ユニットであって、前記ユニットは、
(a)サンプル収集ユニット;
(b)読み取り機;
(c)項目1~18のいずれか1項に記載の抗体を含むアッセイモジュール;および
(d)複数のマイクロニードル、
を含む、ユニット。
(項目39)
分析物のラテラルフローアッセイに適した試験ストリップであって、前記ストリップは、サンプル受容ゾーンを含み、ここで前記サンプル受容ゾーンは、項目1~18のいずれか1項に記載の抗体を含む、試験ストリップ。
(項目40)
個体においてメチル化H1.0関連疾患または状態を処置するための方法であって、前記方法は、前記個体に、治療上有効な量の項目1~20のいずれか1項に記載の抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目41)
前記疾患または状態は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性ストレッサーへの曝露、老化細胞の蓄積を含む疾患または状態、およびH1.0K180me2タンパク質またはペプチドの上昇したレベルが付随する疾患または状態からなる群より選択される、項目40に記載の方法。
(項目42)
個体においてH1.0K180me2を取り除くための方法であって、前記方法は、前記個体に、治療上有効な量の項目1~20のいずれか1項に記載の抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目43)
前記個体は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性物質への曝露、DNA損傷因子への曝露、および老化細胞の蓄積を含む状態からなる群より選択される疾患または状態に罹患している、項目42に記載の方法。
(項目44)
項目1~20のいずれか1項に記載の抗体、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、薬学的組成物。
(項目45)
治療上有効な量の項目1~18のいずれか1項に記載の抗体のうちのいずれか1つを含むキット。
(項目46)
項目1~20、および35~45に記載の組成物のうちのいずれか1つを含む、製造物品。
(項目47)
配列番号4の核酸を含む、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体をコードする、ベクター。
(項目48)
配列番号5の核酸を含む、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体をコードする、ベクター。
(項目49)
項目47~48のいずれか1項に記載のベクターを含む、細胞。
(項目50)
医薬としての使用のための、項目1~20のいずれか1項に記載の抗体、または項目44に記載の薬学的組成物。
(項目51)
メチル化H1.0関連疾患または状態の処置における使用のための、項目1~20のいずれか1項に記載の抗体、または項目44に記載の薬学的組成物であって、必要に応じて、前記疾患または状態は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性ストレッサーへの曝露、老化細胞の蓄積を含む疾患または状態、およびH1.0K180me2タンパク質またはペプチドの上昇したレベルが付随する疾患または状態からなる群より選択される、抗体または薬学的組成物。
(項目52)
処置の方法における使用のための、項目1~20のいずれか1項に記載の抗体、または項目44に記載の薬学的組成物であって、前記方法は、個体においてH1.0K180me2を取り除く工程を包含し;必要に応じて、前記個体は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性物質への曝露、DNA損傷因子への曝露、および老化細胞の蓄積を含む状態からなる群より選択される疾患または状態に罹患している、抗体または薬学的組成物。
図1は、モノクローナル抗体を生成する例示的プロセスを図示する。
図2Aは、H1.0Kme2ペプチド(ヒトH1.0タンパク質のK180に相当する残基でメチル化されている)への抗体クローンの結合効率を示す。図2Bは、非改変H1.0ペプチド(メチル化されていない)への抗体クローンの結合効率を示す。図2Cは、H1.0Kme2またはH1.0ペプチドへの抗体クローンの結合に関する生データを提供する。 図2Aは、H1.0Kme2ペプチド(ヒトH1.0タンパク質のK180に相当する残基でメチル化されている)への抗体クローンの結合効率を示す。図2Bは、非改変H1.0ペプチド(メチル化されていない)への抗体クローンの結合効率を示す。図2Cは、H1.0Kme2またはH1.0ペプチドへの抗体クローンの結合に関する生データを提供する。 図2Aは、H1.0Kme2ペプチド(ヒトH1.0タンパク質のK180に相当する残基でメチル化されている)への抗体クローンの結合効率を示す。図2Bは、非改変H1.0ペプチド(メチル化されていない)への抗体クローンの結合効率を示す。図2Cは、H1.0Kme2またはH1.0ペプチドへの抗体クローンの結合に関する生データを提供する。
図3は、K180上に0個、1個、または2個のメチル改変を有するH1.0ペプチドに対する抗体クローンの特異性を示す。
図4Aは、G9Aメチルトランスフェラーゼによる特異的インビトロH1.0K180メチル化を図示する。図4Bは、LC/MSによって決定されたG9AによるH1.0上のメチル化部位を示す。図4Cは、H1.0K180me2抗体によるH1.0K180のメチル化の検出を示す。図4Dは、インビトロメチル化H1.0に対する抗体クローン特異性の分析である。 図4Aは、G9Aメチルトランスフェラーゼによる特異的インビトロH1.0K180メチル化を図示する。図4Bは、LC/MSによって決定されたG9AによるH1.0上のメチル化部位を示す。図4Cは、H1.0K180me2抗体によるH1.0K180のメチル化の検出を示す。図4Dは、インビトロメチル化H1.0に対する抗体クローン特異性の分析である。 図4Aは、G9Aメチルトランスフェラーゼによる特異的インビトロH1.0K180メチル化を図示する。図4Bは、LC/MSによって決定されたG9AによるH1.0上のメチル化部位を示す。図4Cは、H1.0K180me2抗体によるH1.0K180のメチル化の検出を示す。図4Dは、インビトロメチル化H1.0に対する抗体クローン特異性の分析である。 図4Aは、G9Aメチルトランスフェラーゼによる特異的インビトロH1.0K180メチル化を図示する。図4Bは、LC/MSによって決定されたG9AによるH1.0上のメチル化部位を示す。図4Cは、H1.0K180me2抗体によるH1.0K180のメチル化の検出を示す。図4Dは、インビトロメチル化H1.0に対する抗体クローン特異性の分析である。
図5Aは、クローンA(配列番号6)およびクローンB(配列番号7)の抗体重鎖間のタンパク質配列アラインメントを示す。図5Bは、クローンA(配列番号8)およびクローンB(配列番号9)の抗体軽鎖間のタンパク質配列アラインメントを示す。図5Cは、抗体クローンAのDNA(配列番号4および5)およびタンパク質配列(配列番号6および8)を示す。図5Dは、抗体の組換え発現のための例示的方法を図示する。 図5Aは、クローンA(配列番号6)およびクローンB(配列番号7)の抗体重鎖間のタンパク質配列アラインメントを示す。図5Bは、クローンA(配列番号8)およびクローンB(配列番号9)の抗体軽鎖間のタンパク質配列アラインメントを示す。図5Cは、抗体クローンAのDNA(配列番号4および5)およびタンパク質配列(配列番号6および8)を示す。図5Dは、抗体の組換え発現のための例示的方法を図示する。 図5Aは、クローンA(配列番号6)およびクローンB(配列番号7)の抗体重鎖間のタンパク質配列アラインメントを示す。図5Bは、クローンA(配列番号8)およびクローンB(配列番号9)の抗体軽鎖間のタンパク質配列アラインメントを示す。図5Cは、抗体クローンAのDNA(配列番号4および5)およびタンパク質配列(配列番号6および8)を示す。図5Dは、抗体の組換え発現のための例示的方法を図示する。 図5Aは、クローンA(配列番号6)およびクローンB(配列番号7)の抗体重鎖間のタンパク質配列アラインメントを示す。図5Bは、クローンA(配列番号8)およびクローンB(配列番号9)の抗体軽鎖間のタンパク質配列アラインメントを示す。図5Cは、抗体クローンAのDNA(配列番号4および5)およびタンパク質配列(配列番号6および8)を示す。図5Dは、抗体の組換え発現のための例示的方法を図示する。
図6は、機能を増強し得る、抗体に対する種々の考えられる改変を図示する。
図7Aは、抗体クローンA重鎖の配列(配列番号6)を示し、構造情報とともに註釈を付けられる。図7Bは、抗体クローンA軽鎖の配列(配列番号8)を示し、構造情報とともに註釈を付けられる。図7Cは、抗体クローンAの予測軽鎖相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク(FW)領域を示す(配列番号10、11、14、15、18および38~43)。図7Dは、抗体クローンAの予測重鎖CDRおよびFW領域を示す(配列番号20~23、28~31、36、37および44~56)。 図7Aは、抗体クローンA重鎖の配列(配列番号6)を示し、構造情報とともに註釈を付けられる。図7Bは、抗体クローンA軽鎖の配列(配列番号8)を示し、構造情報とともに註釈を付けられる。図7Cは、抗体クローンAの予測軽鎖相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク(FW)領域を示す(配列番号10、11、14、15、18および38~43)。図7Dは、抗体クローンAの予測重鎖CDRおよびFW領域を示す(配列番号20~23、28~31、36、37および44~56)。 図7Aは、抗体クローンA重鎖の配列(配列番号6)を示し、構造情報とともに註釈を付けられる。図7Bは、抗体クローンA軽鎖の配列(配列番号8)を示し、構造情報とともに註釈を付けられる。図7Cは、抗体クローンAの予測軽鎖相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク(FW)領域を示す(配列番号10、11、14、15、18および38~43)。図7Dは、抗体クローンAの予測重鎖CDRおよびFW領域を示す(配列番号20~23、28~31、36、37および44~56)。 図7Aは、抗体クローンA重鎖の配列(配列番号6)を示し、構造情報とともに註釈を付けられる。図7Bは、抗体クローンA軽鎖の配列(配列番号8)を示し、構造情報とともに註釈を付けられる。図7Cは、抗体クローンAの予測軽鎖相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク(FW)領域を示す(配列番号10、11、14、15、18および38~43)。図7Dは、抗体クローンAの予測重鎖CDRおよびFW領域を示す(配列番号20~23、28~31、36、37および44~56)。
図8は、体液のサンプル中のH1.0K180me2エピトープの直接検出のためのELISAの例示的使用を示す。
図9A~9Cは、脳組織および血清中の循環H1.0K180me2の加齢性蓄積を示す。マウス(図9A)およびヒト(図9B)の脳組織中のH1.0K180me2のウェスタンブロット分析が示され、これは、その存在量が生物年齢(organismal age)とともに増大することを明らかにする。図9Cは、全IgG血清レベルによって正規化したヒト血清サンプル中のH1.0K180me2レベルを示す。記号「α」は、この図中および全体にわたって抗体を表す。 図9A~9Cは、脳組織および血清中の循環H1.0K180me2の加齢性蓄積を示す。マウス(図9A)およびヒト(図9B)の脳組織中のH1.0K180me2のウェスタンブロット分析が示され、これは、その存在量が生物年齢(organismal age)とともに増大することを明らかにする。図9Cは、全IgG血清レベルによって正規化したヒト血清サンプル中のH1.0K180me2レベルを示す。記号「α」は、この図中および全体にわたって抗体を表す。
図10A~10Cは、アルツハイマー病の生体マーカーとしての血清H1.0K180me2の測定の有用性を示す。図10Aは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(血清容積によって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。図10Bは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(全血清IgGレベルによって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。図10Cは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(全血清タンパク質濃度によって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。 図10A~10Cは、アルツハイマー病の生体マーカーとしての血清H1.0K180me2の測定の有用性を示す。図10Aは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(血清容積によって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。図10Bは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(全血清IgGレベルによって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。図10Cは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(全血清タンパク質濃度によって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。 図10A~10Cは、アルツハイマー病の生体マーカーとしての血清H1.0K180me2の測定の有用性を示す。図10Aは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(血清容積によって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。図10Bは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(全血清IgGレベルによって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。図10Cは、血清H1.0K180me2が、年齢を合わせたコントロール(全血清タンパク質濃度によって正規化)と比較した場合に、アルツハイマー病を有する個体において減少されることを示す。
図11Aは、ウェスタンブロット分析によって、DNA損傷直後のクロマチン上のH1.0K180のジメチル化(H1.0K180me2)を示す。図11Bは、DNA損傷後からのH1.0K180me2の分泌を示す。 図11Aは、ウェスタンブロット分析によって、DNA損傷直後のクロマチン上のH1.0K180のジメチル化(H1.0K180me2)を示す。図11Bは、DNA損傷後からのH1.0K180me2の分泌を示す。
図12Aおよび12Bは、SR、急性DNA損傷、および遺伝毒性ストレス誘導性老化のhADSCに対するLC-MS/MS分析(図12A)およびスロットブロット分析(図12B)を示し、これは、ジメチル化H1.0K180(H1.0K180me2)が、遺伝毒性ストレス誘導性老化に際してクロマチンから放出されること(図12A)および細胞から、細胞外マトリクス/細胞培地へと分泌されること(図12B)を明らかにする。
図13A~13Cは、H1.0K180me2レベルに対する電離放射線の効果を示す。図13Aは、電離放射線への曝露が、マウス血清において循環H1.0 K180me2の増大したレベルを誘導することを示す。図13Aおよび図13Bは、血清中のH1.0K180me2エピトープに対して特異的な抗体を使用して、H1.0K180me2の存在(図13A)および定量化(図13B)のスロットブロット分析を示す。図13Cは、X線照射(7Gy)後のマウス血清において、H1.0K180me2エピトープに対して特異的な抗体を使用する、H1.0K180me2エピトープレベルの存在のウェスタンブロット分析を示す。 図13A~13Cは、H1.0K180me2レベルに対する電離放射線の効果を示す。図13Aは、電離放射線への曝露が、マウス血清において循環H1.0 K180me2の増大したレベルを誘導することを示す。図13Aおよび図13Bは、血清中のH1.0K180me2エピトープに対して特異的な抗体を使用して、H1.0K180me2の存在(図13A)および定量化(図13B)のスロットブロット分析を示す。図13Cは、X線照射(7Gy)後のマウス血清において、H1.0K180me2エピトープに対して特異的な抗体を使用する、H1.0K180me2エピトープレベルの存在のウェスタンブロット分析を示す。
図14は、ブレオマイシン処理後のSR hADSC(自己再生するヒト脂肪由来幹細胞)におけるH1.0K180me2のウェスタンブロット分析を示し、これは、エベロリムス(ラパマイシンの誘導体)が、DNA損傷に際して、H1.0K180me2出現を遮断するように作用し得ることを明らかにする。
詳細な説明
H1.0K180me2抗体が、本明細書で提供される。これらの抗体は、治療および診断での使用に有用である。これらのH1.0K180me2抗体は、個体におけるメチル化H1.0関連疾患または状態の処置において使用され得る。これらのH1.0K180me2抗体はまた、複製老化、DNA損傷、遺伝毒性ストレス、放射線曝露、アルツハイマー病を検出するために、治療レジメン、患者層化、薬物スクリーニングをモニターするために、使用され得、システムにおいて生物学的加齢のマーカーとして働き得る。これらの組成物および方法は、以下でより詳細に記載される。
WO 2017/184895は、H1.0ジメチル化タンパク質に関する組成物および方法を記載する;WO 2017/184873は、H1.0タンパク質のメチル化に関する組成物および方法を記載する。これら公報の内容は、それらの全体において本明細書に参考として援用される。
I. ヒストンH1.0K180me2タンパク質およびペプチドに結合するH1.0K180me2抗体
A. H1.0K180me2抗体
ジメチル化ヒストンH1.0抗原に特異的に結合する抗体が本明細書で提供され、ここでそのジメチル化ヒストンH1.0抗原は、ジメチル化リジン残基を含む、ヒストンH1.0タンパク質またはそのペプチドであり、そのリジン残基は、全長ヒトヒストンH1.0タンパク質(配列番号1)K180に相当し、そのジメチル化K180残基は、結合のために要求される。K180は、以下の表1の配列番号1においてK*で表される。
Figure 0007252953000001
そのジメチル化H1.0抗原は、全体を通して、H1.0K180me2抗原またはH1.0K180me2エピトープとして交換可能に言及される。そのH1.0K180me2含有タンパク質およびペプチドは、全体を通して、「H1.0K180me2タンパク質」および「H1.0K180me2ペプチド」といわれる。用語「抗H1.0K180me2」または「H1.0K180me2抗体」または「抗H1.0K180me2抗体」は、これらの抗体に交換可能に言及する。
上記のように、本明細書での用語「K180」の使用は、ヒトH1.0タンパク質(配列番号1)のK180に相当する残基に言及する。同様に、用語「K172」とは、そのヒトH1.0タンパク質のK172に相当する残基をいい、用語「K190」とは、そのヒトH1.0タンパク質のK190に相当する残基をいう;など。
本開示のH1.0K180me2抗体は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物のH1.0K180me2抗原に結合する。
用語「抗体」とは、本明細書全体で使用される場合、その最も広い意味にあり、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、非ヒト抗体、キメラ抗体、二重特異的抗体、抗原結合フラグメント(例えば、Fabフラグメント、Fab’2フラグメント、CDRまたはScFv)、およびH1.0K180me2抗原に対する特異性を保持する他の抗体フラグメントを含む。いくつかの実施形態において、その抗体は、そのH1.0K180me2抗原に対する特異性を保持する単鎖抗体である。1つの例示的実施形態において、その抗体は、ヒト×マウスのキメラ抗体である。1つの例示的実施形態において、その抗体は、ヒト×ウサギのキメラ抗体である。1つの例示的実施形態において、その抗体は、ヒト化マウス抗体である。1つの例示的実施形態において、その抗体は、ヒト化ウサギ抗体である。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、診断用抗体である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、治療用抗体である。
いくつかの実施形態において、上記H1.0K180me2抗体は、アフィニティー精製抗体である。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、単離された抗体である。
本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、検出、診断、可視化、定量化、選別、治療が挙げられるが、これらに限定されない種々の目的で、および生物学的アッセイにおける使用のために、薬剤と結合体化され得る。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、標識(例えば、検出可能な標識、スピン標識、比色標識、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、または磁性標識)に結合体化される。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、固体表面、例えば、ビーズ(例えば、磁性ビーズ、ガラスビーズまたはプラスチックビーズ)、カラム、樹脂またはマイクロプレートに付着される。いくつかの実施形態において、抗体は、マイクロプレートに被覆される。いくつかの実施形態において、その固体表面に付着された抗体は、標識に結合体化される;いくつかの実施形態において、その固体表面に付着された抗体は、抗原結合フラグメントである。
いくつかの実施形態において、抗体は、エフェクター分子(放射性核種、細胞毒、化学療法剤、薬物、プロドラッグ、毒素、酵素、免疫モジュレーター、アポトーシス促進剤、サイトカイン、ホルモン、オリゴヌクレオチド、アンチセンス分子、siRNA、および第2の抗体が挙げられるが、これらに限定されない)に結合体化される。
本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、細胞外H1.0K180me2および/または細胞内H1.0K180me2に結合し得る。
本明細書で提供される抗体は、IgG、IgA、IgE、IgD、またはIgMのような任意の免疫グロブリンタイプのものであり得る。いくつかの実施形態において、その抗体は、IgGサブタイプのものであり、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、またはIgG4抗体であってもよい。
任意の種に由来するH1.0K180me2抗原に対して特異的な抗体が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、ヒトH1.0K180me2に対して特異的である。いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、他の種に由来するH1.0K180me2と交差反応性である。
本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、H1.0K180me2抗原に対して選択的である。例えば、そのH1.0K180me2抗体は、残基K180でのジメチル化に対して選択的である。
本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、H1.0K180me2抗原に対して特異的である。例えば、そのH1.0K180me2抗体は、残基K180でのジメチル化に対して選択的であり、H1.0K180エピトープ(K180において非メチル化)、H1.0K180me1エピトープ(K180においてモノメチル化)、またはH1.0K180me3エピトープ(K180においてトリメチル化)の結合をほとんどまたは全く示さない。いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、非メチル化K180残基を含む抗原に結合しないかまたは最小限にしか結合しない(図4D)。
本明細書で提供される抗体は、H1.0K180me2含有抗原に特異的に結合する。いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2含有抗原は、メチル化されたいかなる他のリジン残基をも含まない。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、標的H1.0K180me2抗原がさらなるメチル化リジン残基を含む場合(例えば、ここでそのリジン残基は、ヒトヒストンH1.0タンパク質のK166、K172、K174、K175、および/またはK177に相当する)、結合しないかまたは最小限にしか結合しない。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、以下の残基のうちの1またはこれより多くを含む抗原に結合しないかまたは最小限にしか結合しない: K172me1、K172me2、K172me3、K174me1、K174me2、K174me3、K175me1、K175me2、K175me3、K177me1、K177me2、K177me3、K166me1、K166me2、K166me3、K180me1、および/またはK180me3。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、ジメチル化K180残基を含むが、以下の残基のうちの1またはこれより多くをも含む抗原に結合しないかまたは最小限にしか結合しない: K172me1、K172me2、K172me3、K174me1、K174me2、K174me3、K175me1、K175me2、K175me3、K177me1、K177me2、K177me3、K166me1、K166me2、K166me3、K180me1、および/またはK180me3。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、そのH1.0K180me2抗体が、メチル化されたいかなる他のリジン残基をも含まないH1.0K180me2含有抗原に対してより、ある抗原に対して多くても1/1.5、1/2、1/2.5、1/2.7、1/5、またはさらに1/10の特異性(結合優先性、親和性)を示す場合に、その抗原に結合しないかまたは最小限にしか結合しない。
本開示のH1.0K180me2抗体は、任意の媒体においてH1.0K180me2エピトープに結合し得る。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、K180での非メチル化抗原(H1.0K180抗原)より、K180でのジメチル化抗原(H1.0K180me2抗原)に対して少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍、2.7倍、5倍、またはさらには10倍より高い特異性(結合優先性、親和性)を示す(図2A~2B)。いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗原に対する特異性は、概して、非特異的標的分子(例えば、特異的に認識される部位を欠く無作為に生成した分子)を超えて、非メチル化K180残基を超えて、トリメチル化K180残基を超えて、または任意の他の残基でメチル化されたH1.0タンパク質を超えて、少なくとも約2倍、約5倍、または少なくとも約10倍、20倍、50倍、10^2倍、10^3倍、10^4倍、10^5倍、または10^6倍である。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、K180でのモノメチル化抗原(H1.0K180me1抗原)より、K180でのジメチル化抗原(H1.0K180me2抗原)に対して少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍、2.7倍、5倍、またはさらには10倍高い特異性(結合優先性、親和性)を示す(図3)。いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗原に対する特異性は、概して、非特異的標的分子(例えば、その特異的に認識される部位を欠く無作為に生成した分子)を超えて、モノメチル化K180残基を超えて、トリメチル化K180残基を超えて、または任意の他の残基でメチル化されたH1.0タンパク質を超えて、少なくとも約2倍、約5倍、または少なくとも約10倍、20倍、50倍、10^2倍、10^3倍、10^4倍、10^5倍、または10^6倍である。
ある種の実施形態において、本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、0.0001nM~1μMの範囲の解離定数(Kd)を有する。例えば、その抗体のKdは、約1μM、約100nM、約50nM、約10nM、約5nM、約1nM、約0.5nM、約0.1nM、約0.05nM、約0.01nM、約0.005nM、約0.001nM、約0.0005nM、またはさらには約0.0001nMであり得る。
H1.0K180me2抗体(例えば、モノクローナルH1.0K180me2抗体、mAb)の構造は、望ましい状況、図6に示される例示的実施形態において機能するように改変され得る。
図6、パートa.は、IgG Fcレセプター(FcγR)に対する増強された結合および増大されたADCCを示す、糖修飾されてフコシル化されていないmAbを示す。フコシル化酵素を欠く細胞株におけるmAbの発現は、フコシル化されていないmAbを生成するために使用され得る。本明細書に記載されるH1.0K180me2抗体のうちのいずれかは、この様式で改変され得る。
図6、パートb. mAbのアミノ酸配列は、定常領域で改変され得る。このような改変は、FcγRへのそのmAbの結合を増大させ得、ADCCをも増大させ得る。本明細書に記載されるH1.0K180me2抗体のうちのいずれかは、この様式で改変され得る。
図6、パートc. ADCCが所望される機構でない場合、異なるアイソタイプがとって代わり得る。IgG4は、IgG1が誘導するのと同程度にはADCCを誘導しない。本明細書に記載されるH1.0K180me2抗体のうちのいずれかは、この様式で改変され得る。
図6、パートd. 放射性免疫結合体は、放射性同位体をmAbリンカーに結合体化することによって生成され得る。安定なリンカーの使用は、遊離放射性同位体の漏出を防止する。本明細書に記載されるH1.0K180me2抗体のうちのいずれかは、この様式で改変され得る。
図6、パートe. 抗体薬物結合体は、リンカーでmAbへと薬物を結合体化することによって作製され得る。切断可能なリンカーまたはpH感受性リンカーは、その薬物が、そのmAbとは別個に作用することを可能にするために使用され得る。このような結合体化は、その抗体によって特定される細胞または組織へのその薬物の標的化を可能にし、自由に循環しないことによって毒性を制限する。本明細書に記載されるH1.0K180me2抗体のうちのいずれかは、この様式で改変され得る。
図6, パートf. mAbの特異性は、キメラ抗原レセプターT細胞(CAR-T細胞)の生成において利用され得る。これらは、mAb可変領域をコードするDNAを、T細胞レセプターの内部シグナル伝達部分のDNA配列に融合することによって生成され得る。このキメラレセプターは、養子療法における使用のためのT細胞へと導入するために有用である。本明細書に記載される任意のH1.0K180me2抗体の抗原結合ドメインは、生成されたCAR-T細胞に使用され得る。
図6、パートg. 二重特異的抗体は、1つの抗体から定常領域を除去し、その残りの可変領域を別の抗体の単離された可変領域に架橋することによって作製される。定常領域の除去は、低減した半減期を生じ得、望ましい曝露レベルを達成するために、このような架橋された抗体の連続輸液を必要とし得る。本明細書に記載されるH1.0K180me2抗体のうちのいずれかは、この様式で改変され得る。
いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、クローンAの可変ドメイン、相補的結合領域、フレームワーク領域(以下で考察される)を含む。いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、クローンAのCDR(以下で考察される)を含む、モノクローナルヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、クローンBの可変ドメイン、相補性結合領域、フレームワーク領域(以下で考察される)を含む。いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗体は、クローンBのCDR(以下で考察される)を含む、モノクローナルヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントである。
B. H1.0K180me2抗体の生成
種々のイムノアッセイフォーマットが、H1.0K180me2と特異的に免疫反応性の抗体を選択するために使用され得る。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、H1.0K180me2に特異的なモノクローナル抗体を選択するために使用され得る(特異的免疫反応性を決定するために使用され得るイムノアッセイフォーマットおよび条件の説明に関しては、例えば、Harlow and Lane (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New Yorkを参照のこと)。
本明細書で提供される抗体の生成は、当業者に公知の任意の方法によるものであり得る。例えば、いくつかの実施形態において、その抗体は、望ましい抗体の所望の可変重鎖(VH)および改変軽鎖(VL)ならびに定常ドメインを発現するように操作された組換え細胞によって生成される(例えば、図5D)。いくつかの実施形態において、その抗体は、ハイブリドーマによって生成される。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗原を含む、免疫原性キャリアに必要に応じて連結された任意のペプチドは、標準的なプロトコルを使用して免疫化するために使用される。例示的な実施形態において、CAKPVKASKPKKAKPVK(me2)PK(配列番号3)を含む、必要に応じて、免疫原性キャリアに連結されたペプチドは、標準的なプロトコルを使用して免疫化するために使用される(図1)。生成される抗体の品質および力価は、当業者に公知の技術を使用して評価され得る。
モノクローナル抗体を開発するための例示的方法は、4つの異なる段階として図1に図示される。図面が説明するように、段階Iは、キーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)に結合体化したH1.0K180me2ペプチドに対してウサギを免疫化する工程を包含する。その免疫化の力価は、免疫化前と免疫化後の血液間で比較される。末梢血単核細胞(PBMC)は単離され、次いで、フローサイトメトリーによって陽性の抗原結合細胞に関して選別された。段階IIでは、全RNAが、段階Iで単離された細胞から抽出される。その抗体の重鎖および軽鎖可変ドメインのRT-PCRが行われ、そのscFvアンプリコンがベクターに挿入される。これらのscFvベクターは、次いで、細胞表面ディスプレイライブラリーを生成するために使用される。段階IIIでは、その細胞表面ディスプレイライブラリーは、H1.0K180me2ペプチドで少なくとも1回パニングされる。この工程はさらに、非メチル化H1.0Kペプチド結合を選択しないようにする。H1.0K180me2に結合するクローンは、フローサイトメトリーによってさらに選択され、後に配列決定され得る。段階IVでは、全長の重鎖および軽鎖が、完全組換え抗体を生成するために作製される。これらの抗体は、発現および精製され得る。H1.0K180me2タンパク質へのこれらの抗体の結合は、次いで、ELISA、スロットブロット、およびウェスタンブロットによって検証され得る。これは、実施例2~4においてさらに詳細に説明される。非メチル化およびメチル化H1.0タンパク質の例示的なアミノ酸配列は、図4Bおよび上記の表1に提供される(メチル化リジン残基は、me1/2/3(モノメチル化、ジメチル化、およびトリメチル化の可能性を示す)として表示される)。
本明細書に記載される本発明の組成物はまた、本明細書に開示される抗体のうちのいずれかをコードする核酸、その抗体をコードする核酸のうちのいずれかを含むベクター、および任意のこのようなベクターを含む宿主細胞を含む。表2は、本明細書で提供される抗体の抗原結合フラグメントの例示的な核酸配列を提供する。その抗体をコードするヌクレオチドおよびベクターを含む細胞がまた、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、その抗体は分泌される。
Figure 0007252953000002
当業者は、抗体が、例えば、その配列の提供の際に、多くの商用サービスのうちのいずれかによっても調製され得ることを理解する。
表3~9は、いくつかの例示的なH1.0K180me2抗体の抗原結合フラグメントのアミノ酸配列を提供する。
表3は、例示的な重鎖可変(VH)および軽鎖可変(VL)配列を提供する。少なくとも85%を有するVHおよびVL配列がまた、本明細書で提供される。
Figure 0007252953000003
表4~9は、軽鎖の抗原結合ドメインの(CDR-L)および重鎖の抗原結合ドメインの(CDR-H)の例示的な相補性決定領域(CDR)配列(領域1、2、および3)を提供する。以下で言及されるように、VL CDR1領域は、CDR-L1といわれる;VL CDR2領域は、CDR-L2といわれる;VL CDR3領域は、CDR-L3といわれる;VH CDR1領域は、CDR-H1といわれる;VH CDR2領域は、CDR-H2といわれる;そしてVH CDR3領域は、CDR-H3といわれる。
Figure 0007252953000004
Figure 0007252953000005
Figure 0007252953000006
Figure 0007252953000007
Figure 0007252953000008
Figure 0007252953000009
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体は、配列番号6または配列番号7の重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体は、配列番号8または配列番号9の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体は、配列番号6または配列番号7の重鎖可変ドメインおよび配列番号8または配列番号9の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体は、配列番号6の重鎖可変ドメインを含み、配列番号8の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体は、配列番号6の重鎖可変ドメインを含み、配列番号9の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体は、配列番号7の重鎖可変ドメインを含み、配列番号8の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体は、配列番号7の重鎖可変ドメインを含み、配列番号9の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の抗原結合領域は、
(a)表4のCDR-L1アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;
(b)表5のCDR-L2アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;および
(c)表6のCDR-L3アミノ酸配列のうちのいずれか1つ、
を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の抗原結合領域は、
(a)表7のCDR-H1アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;
(b)表8のCDR-H2アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;および
(c)表9のCDR-H3アミノ酸配列のうちのいずれか1つ、
を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の抗原結合領域は、H1.0K180me2抗原またはそのペプチドを含み、その抗体の抗原結合ドメインは、表4、表5、および表6のCDR-Lアミノ酸配列のうちのいずれか1つを含み、表7、表8、および表9のCDR-Hアミノ酸配列のいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号10、配列番号11、配列番号12、または配列番号13のCDR-L1を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号14、配列番号15、配列番号16、または配列番号17のCDR-L2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号18または配列番号19のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号10、配列番号11、配列番号12、または配列番号13のCDR-L1;配列番号14、配列番号15、配列番号16、または配列番号17のCDR-L2;および配列番号18または配列番号19のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号10もしくは配列番号11のCDR-L1、配列番号14もしくは配列番号15のCDR-L2、または配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号12もしくは配列番号13のCDR-L1、配列番号16もしくは配列番号17のCDR-L2、または配列番号19のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20、配列番号21、配列番号22、もしくは配列番号23のCDR-H1;配列番号28、配列番号29、配列番号30、もしくは配列番号31のCDR-H2;または配列番号36もしくは配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号10のCDR-L1、配列番号14のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号10のCDR-L1、配列番号15のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号11のCDR-L1、配列番号14のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号11のCDR-L1、配列番号15のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号12のCDR-L1、配列番号14のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号12のCDR-L1、配列番号16のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号12のCDR-L1、配列番号17のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。.
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号13のCDR-L1、配列番号16のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の軽鎖は、配列番号13のCDR-L1、配列番号17のCDR-L2、および配列番号18のCDR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、または配列番号27のCDR-H1を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、または配列番号35のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号36または配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、または配列番号27のCDR-H1を含み;配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、または配列番号35のCDR-H2を含み;配列番号36または配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20のCDR-H1を含み、配列番号28のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20のCDR-H1を含み、配列番号29のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20のCDR-H1を含み、配列番号30のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20のCDR-H1を含み、配列番号31のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号21のCDR-H1を含み、配列番号28のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号21のCDR-H1を含み、配列番号29のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号21のCDR-H1を含み、配列番号30のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号21のCDR-H1を含み、配列番号31のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号22のCDR-H1を含み、配列番号28のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号22のCDR-H1を含み、配列番号29のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号22のCDR-H1を含み、配列番号30のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号22のCDR-H1を含み、配列番号31のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号23のCDR-H1を含み、配列番号28のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号23のCDR-H1を含み、配列番号29のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号23のCDR-H1を含み、配列番号30のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号23のCDR-H1を含み、配列番号31のCDR-H2を含み、配列番号36のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20のCDR-H1を含み、配列番号28のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20のCDR-H1を含み、配列番号29のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20のCDR-H1を含み、配列番号30のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号20のCDR-H1を含み、配列番号31のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号21のCDR-H1を含み、配列番号28のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号21のCDR-H1を含み、配列番号29のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号21のCDR-H1を含み、配列番号30のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号21のCDR-H1を含み、配列番号31のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号22のCDR-H1を含み、配列番号28のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号22のCDR-H1を含み、配列番号29のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号22のCDR-H1を含み、配列番号30のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号22のCDR-H1を含み、配列番号31のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号23のCDR-H1を含み、配列番号28のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号23のCDR-H1を含み、配列番号29のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号23のCDR-H1を含み、配列番号30のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号23のCDR-H1を含み、配列番号31のCDR-H2を含み、配列番号37のCDR-H3を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号24のCDR-H1を含み、配列番号32のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号24のCDR-H1を含み、配列番号33のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号24のCDR-H1を含み、配列番号34のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号24のCDR-H1を含み、配列番号35のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号25のCDR-H1を含み、配列番号32のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号25のCDR-H1を含み、配列番号33のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号25のCDR-H1を含み、配列番号34のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号25のCDR-H1を含み、配列番号35のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号26のCDR-H1を含み、配列番号32のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号26のCDR-H1を含み、配列番号33のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号26のCDR-H1を含み、配列番号34のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号26のCDR-H1を含み、配列番号35のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号27のCDR-H1を含み、配列番号32のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号27のCDR-H1を含み、配列番号33のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号27のCDR-H1を含み、配列番号34のCDR-H2を含む。
いくつかの実施形態において、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供され、ここでその抗体の重鎖は、配列番号27のCDR-H1を含み、配列番号35のCDR-H2を含む。
表10は、例示的な抗体フレームワーク(FW)配列を提供する。以下に言及されるように、VLフレームワーク領域は、LRF1、LRF2、およびLRF3といわれる。同様に、VHフレームワーク領域は、HRF1、HRF2、HRF3、およびHRF4といわれる。
Figure 0007252953000010
Figure 0007252953000011
Figure 0007252953000012
II. H1.0K180me2抗体の治療的使用
A. メチル化H1.0関連疾患および状態の処置
メチル化H1.0関連疾患または状態の処置のための治療用H1.0K180me2抗体が提供される。
本明細書で使用される場合、「メチル化H1.0関連疾患または状態」とは、H1.0K180me2のレベルの増大、K180でのH1.0タンパク質/ペプチド基質の内因性ジメチル化の増大、クロマチンからのH1.0K180me2の放出の増大、核から細胞質へのH1.0K180me2の放出の増大、H1.0K180me2の細胞質沈着の増大、細胞外空間におけるH1.0K180me2のレベルの増大、体液(例えば、血清、尿、唾液、脳脊髄液など)中のH1.0K180me2の循環レベルの増大、および/またはH1.0K180me2に対して特異的な自己抗体のレベルの増大が存在する疾患または状態である。
メチル化H1.0関連疾患および状態としては、老化細胞の増大と関連する加齢性の病理、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性ストレッサーへの曝露、外部ストレッサーおよび内部ストレッサーと関連する老化細胞の蓄積を含む状態、ならびにH1.0K180me2に対する高レベルの自己抗体と関連する自己免疫の疾患および状態群が挙げられるが、これらに限定されない。
H1.0K180me2に結合し、取り除くことによって、個体においてメチル化H1.0関連疾患または状態を処置するための方法が本明細書で提供され、その方法は、その個体に、治療上有効な量の治療用H1.0K180me2抗体を投与する工程を包含する。
本明細書で使用される場合、個体とは、哺乳動物として分類される任意の動物(ヒト、飼い慣らされた動物および家畜、ならびに動物園、競技用、または愛玩用の動物が挙げられる)をいう(例えば、イヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、スナネズミ(gerbil)、マウス、フェレット、ラット、ネコなど)。個体は、雄性であっても雌性であっても良い。
その個体は、任意の年齢の個体であり得る。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、例えば、アルツハイマー病の処置に関しては、その個体は、50歳を超えている。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、その個体は、50歳未満である。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、その個体は、少なくとも50歳であるか、少なくとも55歳であるか、少なくとも60歳であるか、少なくとも65歳であるか、少なくとも70歳であるか、少なくとも75歳であるか、または少なくとも80歳である。例示的な実施形態において、その個体は、少なくとも60歳である。
そのメチル化H1.0関連疾患および状態へとより具体的に注意を向けると、例示的な適応症は、以下に示される。
アルツハイマー病
加齢する間に、ヒトの脳組織には細胞質H1.0K180me2の蓄積の増大が存在する(図9B)。これらの所見は、血清学的検査において観察される循環H1.0K180me2抗原の加齢性の増大と相関する(図9C)。さらに、1ヶ月齢(若齢)および24ヶ月齢(老齢)のマウスに由来するマウス脳サンプルの全細胞溶解物を、抗H1.0K180me2、抗H1.0、抗γH2A.Xおよび抗β-アクチン抗体でのウェスタンブロット分析によって比較した場合、H1.0K180me2レベルは、その24ヶ月齢のマウスにおいて増大し、γH2A.Xの増大したレベルと相関した(図9A)。
しかし、アルツハイマー病と診断された個体において、コントロール集団(アルツハイマー病病理なし)と参照コントロール(診断されたアルツハイマー病患者)とを比較した場合に、そのH1.0K180me2抗原の循環レベルの低下が血清学的ELISA試験において観察される(図10A~10C)。図10Aは、アルツハイマー病患者および年齢を合わせたコントロールにおけるスロットブロット分析によって決定されるH1.0K180me2レベルの定量化を示す。H1.0K180me2レベルの定量化を、アルツハイマー病患者および年齢を合わせたコントロールにおけるスロットブロット分析によって決定した。図10Bは、全IgG血清レベルによって正規化したヒト血清中のH1.0K180me2レベルを示す。図10Cは、全タンパク質レベルによって正規化したヒト血清中のH1.0K180me2レベルを示す。H1.0K180me2の血清濃度は、アルツハイマー病患者の同定に十分であるが、全IgG(図10B)または全タンパク質(図10C)による血清サンプル正規化の使用は、全体的な血清濃度を変更させ得る変数(例えば、血清を得るために使用されるプロトコル、操作者変動性(operator variability)、患者の水分補給状態および患者の活動状態)にも関わらず、個体間での直接比較を可能にする。
従って、アルツハイマー病の状況において、治療上有効な量のH1.0K180me2抗体(例えば、細胞に透過する抗体または細胞を取り除く抗体)での処置が提供される。
DNA損傷および遺伝毒性ストレス
DNA損傷因子の状況において、H1.0K180のジメチル化(H1.0K180me2)は、ブレオマイシン、化学療法剤での急性のDNA損傷後にクロマチンで観察される(図11A)。H1.0K180メチル化とDNA損傷との関係性を評価するために、DNA損傷因子であるブレオマイシンで2時間処理したSR hADSC(自己再生するヒト脂肪由来幹細胞)およびhADSCを溶解し、分画して、クロマチン結合画分を得た。H1.0K180me2抗体でのウェスタンブロット分析は、DNA損傷の際にクロマチン上のH1.0K180のメチル化を示す(図11A)。DNA二本鎖切断を誘導するためにSR hADSCをブレオマイシンで処理すると、H1.0K180me2は、細胞質に局在した。
スロットブロットイムノアッセイによって、H1.0K180me2の存在が、ブレオマイシンによって課された遺伝毒性損傷後に、時間経過依存性様式でhADSCの馴化培地中で検出され、最大H1.0K180me2分泌が48時間内に検出されることが見出された(図11B)。これは、その細胞からの分泌を表す。GSI-SENに際したDNAフラグメント化因子(DFFB/DFF40/CAD)分泌の増大は、処理後48時間で開始するH1.0K180me2とともに、類似の様式で認められた(図11B)。そのタンパク質はいずれも、急性のDNA損傷(ADD)の開始の際に、測定可能な量で分泌されなかった。
遺伝毒性ストレスの状況では、H1.0K180me2は、遺伝毒性ストレス誘導性老化に際して(DNA損傷因子での処理後の数日で)クロマチンから放出され(図12A)、その細胞から細胞外空間へと分泌される(図12B)。図12Aで示されるように、クロマチンに結合したH1.0は、SRおよび急性のDNA損傷において全体の約60%から、遺伝毒性ストレス誘導性老化に際して全体の約30%へと減少した。ブレオマイシンで処理したSR hADSCからの培養培地を、α-H1.0およびα-H1.0K180me2抗体でのスロットブロット分析のために集めて、細胞外マトリクス(ECM)へのH1.0の分泌を評価した。分泌されたH1.0は、その細胞培養培地中で検出可能であり、ブレオマイシン処理の24時間後には、分泌されたH1.0K180me2がまた、容易に検出された(図12B)。これらの結果から、メチル化H1.0K180が、遺伝毒性ストレス誘導性老化に際してクロマチンから放出され、ECMへと分泌されることが確認された。
従って、DNA損傷および遺伝毒性ストレスの状況では、治療上有効な量のH1.0K180me2抗体(例えば、細胞に透過する抗体、または細胞を取り除く抗体)での処置が提供される。
放射線曝露
放射線曝露の状況では、電離放射線への曝露は、血清中の循環H1.0 K180me2の増大したレベルを誘導する(図13Aおよび図13B)。血清中のH1.0K180me2レベルに対する電離放射線の効果を、試験した。血清を、7Gyの電離放射線に曝露する前、および曝露の2時間後または48時間後のいずれかに、野生型マウスから集めた。照射の2時間後(マウス1)または48時間後(マウス2)のH1.0K180me2血清レベルを、α-H1.0K180me2抗体でのスロットブロットおよびイムノブロッティングを使用して、処置前の最初のレベルと比較した(図13A)。各血清サンプル中のH1.0K180me2の濃度を、各分析に含まれるH1.0K180me2ペプチドの標準曲線を使用して計算した。マウス血清アルブミンを、ローディングコントロールとして使用した。H1.0K180me2ドットブロットバンドを定量化し、血清アルブミンによって正規化した。照射後のH1.0K180me2の相対的増大を示す(図13B)。α-H1.0K180me2抗体での等容積のマウス血清のウェスタンブロット分析も、照射後に増大したH1.0K180me2を示した(図13C)。
従って、放射線曝露の状況では、治療上有効な量のH1.0K180me2抗体(例えば、細胞に透過する抗体または細胞を取り除く抗体)での処置が提供される。
B. 治療用H1.0K180me2抗体
上記の節(I)(A)で考察されるように、H1.0K180me2エピトープを認識しかつ選択的におよび/または特異的に結合し、治療のために使用され得る抗体が、本明細書で提供される。
いくつかの実施形態において、その治療用抗体は、中和抗体であり、その抗体は、H1.0K180me2の1またはこれより多くの生物学的活性を中和する。例えば、その抗体は、細胞外H1.0K180me2に結合し得、細胞外H1.0K180me2が有し得る任意の結合またはシグナル伝達活性を中和し得る。いくつかの実施形態において、その抗体は、細胞、またはサンプル中のH1.0K180me2を取り除き得るかまたは遮断し得る。いくつかの実施形態において、その抗体は、H1.0K180me2を含む細胞を取り除き得る。
いくつかの実施形態において、その治療用抗体は、老化細胞を取り除き得る。いくつかの実施形態において、その抗体は、アルツハイマー病の症状を生じる細胞/組織またはタンパク質生成物を取り除き得る。いくつかの実施形態において、その抗体は、放射線損傷、DNA損傷因子、および他の遺伝毒性物質によって損傷を受けた細胞を取り除き得る。いくつかの実施形態において、その抗体は、細胞に透過する抗体である。他の実施形態において、その影響を受けた細胞の膜が含まれ、本明細書で提供される治療用H1.0K180me2抗体の進入を可能にする。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される治療用抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を有する。Fcγレセプター(FcγRまたはFCGR)を細胞表面に有するエフェクター細胞(細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好中球、好酸球、樹状細胞、または単球が挙げられる)は、その標的細胞に結合した抗体のFc領域を認識しかつ結合する。このような結合は、細胞死をもたらす細胞内シグナル伝達経路の活性化を誘発し得る。
いくつかの実施形態において、その治療用抗体は、補体依存性細胞傷害(CDC)活性を有する。抗体誘導性CDCは、古典的補体カスケードのタンパク質を通じて媒介され、その抗体への補体タンパク質Clqの結合によって誘発される。Clqに結合する抗体Fc領域は、その補体カスケードの活性化を誘導し得る。
いくつかの実施形態において、その治療用抗体は、抗体依存性細胞ファゴサイトーシス(ADCP)活性を有する。Fcレセプターを細胞表面に有する貪食細胞(単球およびマクロファージが挙げられる)は、標的細胞に結合した抗体のFc領域を認識しかつ結合する。その抗体が結合した標的細胞へのFcレセプターの結合の際に、標的細胞のファゴサイトーシスは、開始され得る。
いくつかの実施形態において、その治療用抗体は、免疫複合体を形成し得る。例えば、免疫複合体は、抗体によって覆われた、H1.0K180me2抗原を発現するかまたは突出している細胞であり得る。
C.併用療法
本明細書で提供される治療用H1.0K180me2抗体のうちのいずれかの投与は、H1.0メチル化において症状発現する疾患のための他の公知の薬物/処置と組み合わせて投与され得る。
アルツハイマー病防止の状況において、その治療用H1.0K180me2抗体のうちのいずれかは、APP合成インヒビター、β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター、Aβ凝集インヒビター、Aβ免疫療法、コレステロール低下薬、抗タウ薬、コリンエステラーゼインヒビター、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト、非定型抗精神病薬、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターアゴニスト、ラパマイシン、ラパログ、エンドカンナビノイド、カンナビノイド、神経保護因子、カルシウム流入を制御する分子、抗酸化剤、抗炎症薬、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物、オートファジー誘導因子、ホルモン、ホルモン調節因子、スタチン、インスリン、インスリンキャリア、多官能性ナノキャリア、ビタミン、栄養補助剤、小型RNA分子、ペプチド、および超音波療法が挙げられるが、これらに限定されないアルツハイマー病防止薬物またはレジメンの投与と組み合わせて投与され得る。
E.治療用H1.0K180me2抗体の投与
本明細書に記載される治療用H1.0K180me2抗体のインビボ投与は、静脈内に、筋肉内に、皮下に、局所に、経口的に、経皮的に、腹腔内に、眼窩内に、移植によって、吸入によって、髄腔内に、脳室内に、または鼻内に行われ得る。その治療剤の有効量は、H1.0メチル化において症状発現する疾患または状態の処置のために投与され得る。その治療剤の適切な投与量は、処置されるべき疾患または障害のタイプ、その治療用抗体のタイプ、その疾患または状態の重篤度および経過、個体の臨床状態、その個体の病歴および処置に対する応答、ならびに主治医の裁量に基づいて決定され得る。例示的な実施形態において、本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体のうちのいずれか1つは、静脈内投与される。
本明細書に記載される治療用H1.0K180me2抗体のインビボ投与に関して、通常の投与量は、投与経路に依存して、1日あたり個体の体重1kgあたり約1ngから約1000mgまたはこれより多くまで、変動し得る。数日間にわたってまたはそれより長い反復投与に関しては、処置されるべきメチル化H1.0関連疾患または状態の重篤度に依存して、その処置は、症状の所望の抑制が達成されるまで持続され得る。投与量レジメンは、医師が達成しようと望む薬物動態上の減衰パターンに依存して、有用であり得る。例えば、個体に、1週間に1回から21回投薬することが、本明細書で提供される。ある種の実施形態において、投薬頻度は、1日あたり3回、1日あたり2回、1日あたり1回、2日に1回、1週間に1回、2週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、10週間に1回、もしくは1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回であるか、またはより長い。その治療の進捗は、従来の技術およびアッセイによってモニターされ得る。その投薬レジメンは、使用される用量とは独立して経時的に変動し得る。
E. 薬学的組成物
本出願は、治療用H1.0K180me2抗体を含む組成物(本明細書に記載される治療用抗体のうちのいずれか1またはこれより多くを含む薬学的組成物を含む)を提供する。その薬学的組成物は、1またはこれより多くの薬学的に受容可能な賦形剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、その組成物は無菌である。
F.治療用キットおよび製造物品
本出願は、本明細書に記載される治療用H1.0K180me2抗体組成物を含むキットを提供する。いくつかの実施形態において、そのキットは、二次抗体、免疫組織化学分析のための試薬、薬学的に受容可能な賦形剤および取扱説明書およびこれらの任意の組み合わせのうちのいずれかから選択される構成要素をさらに含む。いくつかの実施形態において、そのキットは、1またはこれより多くの薬学的に受容可能な賦形剤とともに、本明細書に記載される治療用組成物のうちのいずれか1つまたはこれより多くを含む。
本出願はまた、本明細書に記載される治療用組成物またはキットのうちのいずれか1つを含む製造物品を提供する。製造物品の例としては、バイアル(例えば、密閉されたバイアル)が挙げられる。
III. H1.0K180me2抗体の診断的使用
A. H1.0K180me2抗原の検出
診断に有用な、H1.0K180me2抗原に特異的に結合する抗体が、本明細書で提供される。本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、結合のためにK180残基のジメチル化を要する。H1.0K180me2抗体は、先のI(A)節においてより詳細に考察される。
図8は、体液サンプル中のH1.0K180me2エピトープの直接検出のためのELISAの例示的な使用を示す。この例示的なスキームでは、H1.0K180me2エピトープに特異的な抗体が提供され、マイクロプレート上に固定化(被覆)される。定量化のためのH1.0K180me2エピトープを含む臨床サンプルが提供される。そのサンプルは、マイクロプレートに添加され、そのH1.0K180me2エピトープは、その固定化した抗体に結合する。結合していない物資は洗い流される。次いで、検出抗体が添加される(例えば、HRPまたは任意の他の標識された抗体)。これらの検出抗体は、捕捉エピトープに結合する。結合していない検出抗体は洗い流される。検出基質溶液が添加され、フルオロフォアまたは色の変化が測定される。次いで、これは、その臨床サンプル中のH1.0K180me2エピトープのレベルを報告するために、標準曲線に対して定量化される。
H1.0K180me2の検出および濃度の定量化のためのアッセイが、本明細書で提供される。このような定量化は、複製老化、DNA損傷、遺伝毒性ストレス、放射線曝露、アルツハイマー病、および生物学的加齢を検出するために有用であり得る。その定量化はまた、治療レジメン、薬物スクリーニング、ならびに細胞生存度を回復させる、DNA損傷を防止する、細胞の代謝およびオートファジーを増大させる、細胞老化を阻害する、そして細胞質での不溶性タンパク質老廃物蓄積をブロックすることを目的とした薬物処置に対する応答者または非応答者としての患者の層化をモニターするために有用である。その適用に依存して、H1.0K180me2は、インビボで、インビトロで、エキソビボで、インサイチュで、または無細胞系で検出および定量化され得る。例えば、定量化は、生物学的サンプルと、インビトロで、本明細書に開示されるとおりの抗体とを接触させること、ならびにその抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定することを包含し得る。
H1.0K180me2は、当業者に周知の任意の数の方法によって検出され得る。本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、種々のイムノアッセイにおいて容易に使用され得る。これらのイムノアッセイとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ(RIA)、フローサイトメトリー、ラテラルフローイムノアッセイ、スロットブロット、磁性イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、間接的免疫蛍光アッセイ、直接的免疫蛍光アッセイ、周囲光ファイバーイムノアッセイ(surround Optical Fiber immunoassay)(SOFIA)、分光光度法、ラジオグラフィー、電気泳動、免疫電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高拡散クロマトグラフィー(hyperdiffusion chromatography)、流体またはゲル沈殿反応、免疫拡散、分光測定、質量分析、定量的質量分析、多重アッセイのうちのいずれかのタイプ、および微小流体アッセイのうちのいずれかのタイプ。
本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、標識に結合体化(例えば、検出可能な標識、スピン標識、比色標識、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、または磁性標識に結合体化)され得る。
本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、検出可能な標識に結合体化され得る。その検出可能な基は、検出可能な物理的または化学的な特性(例えば、分光法、光化学的方法、生化学的方法、免疫化学的方法、蛍光法、電気的方法、光学的方法または化学的方法によって検出可能)を有する任意の物質であり得る。本開示における有用な標識としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:磁性ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、赤色の(red)、ローダミンなど)、放射性標識(例えば、H、125I、35S、14C、または32P)、マーカー遺伝子生成物として、またELISAにおいていずれかで検出可能な酵素として一般に使用される酵素(例えば、LacZ、CAT、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、ビオチン、アビジン、またはストレプトアビジンおよび比色標識(例えば、コロイド金着色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズ、ならびにナノ粒子。例示的な実施形態において、その標識はビオチンである。
本明細書で提供される標識は、当該分野で周知の方法に従うアッセイの所望の構成要素に直接的にまたは間接的に連結され得る。上記で示されるように、広く種々の標識が使用され得、標識の選択は、必要とされる感度、化合物の結合体化の容易さ、安定性要件、利用可能な機器および廃棄規定に依存する。標識は、しばしば間接的な方法によって付着され得る。概して、リガンド分子(例えば、ビオチン)は、その分子に共有結合される。そのリガンドは、次いで、本質的に検出可能であるか、またはシグナルシステム(例えば、検出可能な酵素、蛍光化合物、または化学発光化合物)に共有結合した、抗リガンド(例えば、ストレプトアビジン)分子に結合する。多くのリガンドおよび抗リガンドが使用され得る。リガンドが天然の抗リガンド(例えば、ビオチン)を有する場合、そのリガンドは、その標識された天然に存在する抗リガンドとともに使用され得る。あるいは、任意のハプテンまたは抗原性化合物が、抗体と組み合わせて使用され得る。シグナル生成化合物に直接的に、例えば、酵素またはフルオロフォアとの結合体化によって、構成要素がまた結合体化され得る。標識としての目的の酵素としては、ヒドロラーゼ、ホスファターゼ、エステラーゼ、グリコシダーゼ、またはオキシトランスクリプションファクトリダクターゼ(oxitranscription factoreductase)、およびペルオキシダーゼが挙げられるが、これらに限定されない。蛍光化合物としては、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。化学発光化合物としては、ルシフェリン、および2,3-ジヒドロフタラジンジオン、例えば、ルミノールが挙げられる。
標識を検出する方法は、当業者に周知である。従って、例えば、その標識が放射性標識である場合、検出のための方法としては、シンチレーションカウンターまたはオートラジオグラフィーにおけるような写真フィルムが挙げられる。その標識が蛍光標識である場合、それは、その蛍光色素を適切な波長の光で励起させ、例えば、顕微鏡、視覚的検査によって、写真フィルムを介して、電荷結合素子(CCD)または光電子倍増管などのような電子検出器の使用によって、その得られる蛍光を検出することによって検出され得る。同様に、酵素標識は、その酵素の適切な基質を提供し、その得られる反応生成物を検出することによって検出され得る。最後に、単純な比色標識は、単に、その標識と関連する色を観察することによって検出され得る。従って、種々のディップスティックアッセイにおいて、結合体化された金はしばしば、ピンク色として出現する一方で、種々の結合体化されたビーズは、そのビーズの色として出現する。
検出の際に、特定の画分におけるH1.0K180me2の濃度が定量化され得る(例えば、細胞内画分における、可溶性およびクロマチン結合画分における、または細胞質画分におけるH1.0K180me2の定量化)。例えば、細胞質画分におけるH1.0K180me2の濃度の増大は、細胞の老化状態を示す。いくつかの実施形態において、無傷の細胞、培養物中の細胞、またはスライス培養中の細胞が、H1.0K180me2の局在を可視化するために画像化される。例えば、H1.0K180me2の非核の細胞内局在(sub-localization)の増大は、老化状態を示す。いくつかの実施形態において、サイトゾルまたは細胞外マトリクスへのH1.0K180me2の放出は、老化状態を示す。
検出は、任意の生物学的サンプルで行われ得る。生物学的サンプルとしては、個体から得られる全血、血漿、血清、唾液、尿、糞便、滑液、脳脊髄液、気管支洗浄物、腹水、骨髄吸引物、胸水、組織、細胞、生検材料、間質液、リンパ液、またはこれらの画分が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、その生物学的サンプルは細胞を含み、その細胞は、培養物中、懸濁物中、スライド上、無傷の組織中、またはFACs分析の準備ができた調製物中にある。
生物学的サンプルは、個体から得られる。本明細書で使用される場合、個体とは、哺乳動物として分類される任意の動物(ヒト、飼い慣らされた動物および家畜、ならびに動物園、競技用または愛玩用の動物(例えば、イヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、スナネズミ、マウス、フェレット、ラット、ネコなど)が挙げられる)をいう。個体は、雄性または雌性であり得る。いくつかの実施形態において、その個体は雌性である。いくつかの実施形態において、その個体は雄性である。
本明細書で提供される診断法において、その個体は、任意の年齢の個体であり得る。アルツハイマー病の検出が行われるいくつかの実施形態において、その個体は、50歳を超えている可能性がある。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、その個体は、50歳未満である。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、その個体は、少なくとも50歳であるか、少なくとも55歳であるか、少なくとも60歳であるか、少なくとも65歳であるか、少なくとも70歳であるか、少なくとも75歳であるか、または少なくとも80歳である。例示的な実施形態において、その個体は、少なくとも60歳である。
生物学的サンプルは、当業者に周知の標準的な方法に従って得られる。そのサンプルは、必要に応じて、適切な緩衝溶液中での希釈によって必要な場合に予め処理されるか、または望ましい場合には濃縮される。生理学的pHの種々の緩衝液のうちの1つ(例えば、リン酸緩衝液、Tris緩衝液など)を使用する、多くの標準的な水性緩衝溶液のうちのいずれかが、使用され得る。
本明細書に記載される直接的な検出法は、その生物学的サンプル中でH1.0K180me2の濃度を定量化するために使用され得る。いくつかの実施形態において、H1.0K180me2タンパク質またはペプチドは、直列に、例えば、陽性コントロールとして、または競合的イムノアッセイにおいて競合物質として、使用され得、行われるべきアッセイのフォーマットに依存して、標識されても標識されなくてもよい。
当業者は、いくつかの実施形態において、そのH1.0K180me2抗原の決定された濃度とコントロール(すなわち、参照コントロール)とを比較する必要があり得ることを認識する。その相対的な比較は、例えば、個体が、疾患(例えば、アルツハイマー病)を有するかもしくはこの疾患を発生させるリスクにあるか否か、またはその個体が特定の処置(例えば、アルツハイマー病処置;またはラパログでの処置)に応答するか、もしくは応答し得るか否かの決定を可能にし得る。コントロールは、年齢を合わせたコントロール;性別を合わせたコントロール;年齢および性別を合わせたコントロール;健康なコントロール;操作されていないコントロール;または複数の参照標準の編集を代表する参照標準であり得る。その比較はまた、処置(例えば、アルツハイマー病処置またはラパログ処置での)前の、または例えば、遺伝毒性物質、DNA損傷因子、もしくは放射線への曝露の前の、同じ個体に由来するサンプルに対して行われ得る。その比較はまた、同じ個体に由来する、非罹患領域に、例えば、非罹患組織に由来するサンプルに対して行われ得る。
当業者は、イムノアッセイにおけるおよび分析物検出の間の非特異的結合を低減することがしばしば望ましいことを認識する。そのアッセイが、固体基材に固定化されたH1.0K180me2抗体を伴う場合、その基材への非特異的結合の量を最小化することは望ましいことであり得る。このような非特異的結合を低減する方法は、当業者に公知である。代表的には、これは、その基材をタンパク質性組成物で被覆することを伴う。いくつかの実施形態において、タンパク質組成物(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、無脂肪粉乳およびゼラチン)が利用され得る。
感度、特異度、陽性および陰性的中度(PPVおよびNPV)、ならびに陽性および陰性の尤度比(PLRおよびNLR))は、各診断検査デザインについて計算され得る。その統計的方法は、患者における疾患の存在および非存在を予測する助けになる。
感度は概して、検査結果が、疾患が存在する場合に陽性である確率(真の陽性率)である。
特異度は概して、検査結果が、その疾患が存在しない場合に陰性である確率(真の陰性率)である。
陽性的中度(PPV)は概して、その検査が陽性である場合にその疾患が存在する確率であり、その疾患の検査前有病率を説明する(例えば、アルツハイマー病の検査前有病率は10%である)。
陰性的中度(NPV)は概して、その検査が陰性である場合にその疾患が存在しない確率であり、ADの検査前有病率は10%として説明される(Prince, M. J., Am J Epidemiol, 1996)。
陽性尤度比(LR+またはPLR)は概して、その疾患結果陽性を有する人の確率を、その疾患検査陽性を有しない人の確率によって除算したものである。陽性尤度比(PLR)は概して、その検査が陽性である場合には、その疾患の確率をどの程度増大させるかを示す。PLR>1は、その標的障害が存在する確率の増大を示し、PLR<1は、その標的障害が存在する確率の減少を示し、PLR=1は、検査がその疾患の確率を変化させないことを意味する。
陰性尤度比(LR-またはNLR)は概して、その疾患検査陰性を有する人の確率、その疾患検査陰性を有しない人の確率によって除算したものである。陰性尤度比(NLR)は概して、その検査が陰性である場合には、その疾患の確率をどの程度減少させるかを示す。
いくつかの実施形態において、その比較は、最適な特異度および感度のために受診者動作特性曲線分析によって確立された閾値レベルに対して行われる。そのROC曲線、閾値およびその曲線下面積(AUC)は、本明細書で提供される検査のデザインの各々に関して示される。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される診断法は、例えば、個体が疾患(例えば、アルツハイマー病)を有することを最終的に確認するために、確定検査に使用され得る。
他の実施形態において、本明細書で提供される診断法は、それらの的中度のために(検査、スクリーニングのために)、例えば、個体が疾患(例えば、アルツハイマー病)を発生させる可能性を決定するために、使用され得る。このような実施形態において、診断は、尤度比の計算を伴い得る。
他の実施形態において、本明細書で提供される診断法は、コンパニオン診断として使用され得る。このような実施形態において、その診断は、陽性的中度(PPV)および陰性的中度(NPV)の計算を伴い得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される診断法は、診断オッズ比(OR)を確立するために使用され得る。このような実施形態において、その診断は、感度および特異度の計算を伴い得、診断検査の有効性の尺度である。
本明細書で提供されるH1.0K180me2抗体は、以下で考察される種々の診断目的で有用である。
B.アルツハイマー病の検出
アルツハイマー病に関して個体をスクリーニングすることにおける使用のための、個体がアルツハイマー病を発生させるリスクにあるか否かを同定することにおける使用のための、個体がアルツハイマー病を発生させるか否かの可能性を推定することにおける使用のための、アルツハイマー病の診断における使用のための、アルツハイマー病の早期検出における使用のための、アルツハイマー病の予後予測における使用のための、処置選択における使用のためにアルツハイマー病薬物もしくはレジメンでのアルツハイマー病処置に応答し得る個体を選択する/アルツハイマー病と診断された個体に関する処置選択肢を決定するための、アルツハイマー病と診断された個体の処置をモニターし、アルツハイマー病薬物もしくはレジメンでの進行中の処置を受けることにおける使用のための、またはアルツハイマー病薬物およびレジメンに関するスクリーニングにおける使用のための、(H1.0K180me2レベルを決定するために)H1.0K180me2抗体が本明細書で提供される。
アルツハイマー病患者は、健康な年齢を合わせた健康なコントロールより低い濃度のH1.0K180me2を示した。これは、H1.0K180me2濃度が、アルツハイマー病を有する患者を健康な個体から有効に分離し得ることを示す(図10A)。H1.0K180me2の血清濃度は、アルツハイマー病患者の同定のために十分であったが、全IgG(図10B)または全タンパク質(図10C)による血清サンプル正規化を使用すると、全体的な血清濃度を変更させ得る変数(例えば、血清を得るために使用されるプロトコル、操作者変動性、患者の水分補給状態および患者の活動状態)にも関わらず、個体間での直接的比較が可能になった。例えば、H1.0K180me2血清レベルが、健康なより若い個体と比較して健康な加齢した個体において上昇している一方で、アルツハイマー病を有する患者が、健康な加齢した個体(>60歳)と比較して、有意に低いH1.0K180me2の正規化血清レベルを示すことを観察した(図10B、10C)。
例示的な方法、H1.0K180me2レベル: より具体的には、いくつかの実施形態において、アルツハイマー病に関して個体をスクリーニングするために、個体がアルツハイマー病を発生させるリスクにあることを同定するために、個体がアルツハイマー病を発生させるか否かの可能性を推定するために、個体がアルツハイマー病を有するか否かを決定するために、個体におけるアルツハイマー病の初期の徴候を検出するために、および個体におけるアルツハイマー病の予後予測における使用のために、H1.0K180me2抗体を使用してH1.0K180me2レベルを決定する方法が本明細書で提供され、上記方法は、(a)その個体の生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;ならびに(b)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2の濃度を決定する工程を包含し、ここでコントロールに対するその濃度の減少は、その個体が、アルツハイマー病を有するか、アルツハイマー病を発生させるリスクにあるか、またはアルツハイマー病を発生させるより高い可能性を有することを示し、コントロールに対するその濃度の増大または変化なしは、その個体がアルツハイマー病を有しないか、アルツハイマー病を発生させるリスクにないか、またはアルツハイマー病を発生させるより高い確率を有しないことを示し得る。コントロールは、健康なコントロール(例えば、年齢を合わせた、性別を合わせた)、健康なコントロールの編集を代表する参照標準、または時間においてより早期に単離された同じ個体に由来するコントロールサンプルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、循環H1.0K180me2の濃度が決定される。いくつかの実施形態において、その濃度における変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。いくつかの実施形態において、その方法は、その個体が、アルツハイマー病を有するか、またはこれを発生させるリスクにあることが決定される場合、その個体をアルツハイマー病薬物またはレジメンで処置する工程をさらに包含する。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、観察研究において使用される。観察研究の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(a)横断的デザイン(単一時点デザイン、または遅延横断(delayed cross-sectional)) - 単一時点で集められる患者1名につき1または数個の検体/サンプルの検査;(b)縦断的デザイン - 長期間(例えば、数週間、数ヶ月、数年)にわたって集められる患者1名あたりの多数の検体/サンプルの検査;(c)後向きデザイン - 研究を開始する前に、分析物の状態およびその患者の臨床状態が知られる以前に集めた検体(特徴づけられた検体)の検査;(d)前向きデザイン - その分析物状態およびその患者の臨床状態の両方がその研究の間に確立されることを除いて、その研究の前または研究の間に集められる検体の検査;ならびに(e)前向き-後向きデザイン - その臨床状態が知られているが、その分析物状態は未知でありかつその研究の間に確立される以前に集めた検体の検査。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病の診断に関して意図され、ここでその方法は、唯一の決定因子として患者の臨床状態を決定、検証または確認するために使用され得る。これらの実施形態において、この検査タイプはまた、唯一の確認アッセイ(以前の検査の結果を検証するため)および唯一の排除アッセイ(特定の条件を除外するため)を含む。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病の「診断支援(aid-to-diagnostic)」を提供することが意図され、ここでその方法は、患者の臨床状態の決定または検証を支援するさらなる情報を提供するために使用され得る。この検査は、必ずしも唯一の決定因子ではないが、患者の現在の状態を評価するために使用され得る。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病のスクリーニングに関して意図され、ここでその方法は、無症状個体の疾患、障害の状態または他の生理学的状態を決定するために使用され得る。その状態の性質および標的とした患者集団に依存して、そのスクリーニング方法は、慣用的に使用されてもよいし、「リスクにある」患者に制限されてもよい。この状況において、本明細書に記載される方法は、患者の現在の状態を評価するために使用され得る。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病に対する素因を決定することが意図され、ここで本明細書に記載される方法は、症状が現れる前の患者において疾患開始の可能性を決定する(例えば、将来的にその疾患を発生させるリスクを評価する)ために使用され得、ここで十分なリスク(検査結果によって決定される場合)にある患者に関しては、防止的介入がとられ得る。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病の予後予測に関して意図され、ここで本明細書に記載される方法は、処置とは無関係に、臨床転帰に関連付けられる因子を測定するために使用され得る。本明細書に記載される方法は、疾患の自然の進行(例えば、処置の非存在下での転帰)を推定するために使用され得るか、または本明細書に記載される方法は、患者の将来の状態を評価するためにデザインされる。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、加齢集団の生理学的状態(「年齢時計(aging clock))の決定に関して意図され、ここで本明細書に記載される方法は、ヒトの状態または加齢の特徴または加齢に伴うアルツハイマー病のリスクを同定する目的で、個体の生理学的状態を評価するために使用され得る。
関連の実施形態において、H1.0K180me2抗原の定量化および/またはH1.0K180me2自己抗体の定量化は、アルツハイマー病スクリーニング、診断、または検出における信頼度を増大させるために使用され得る。
関連の実施形態において、H1.0K180me2抗原の定量化および/またはH1.0K180me2自己抗体の定量化は、Aβ42、T-tau、p-tau、Aβ42/T-tau比、およびAβ42/p-tauの測定が挙げられるが、これらに限定されない他の脳脊髄液(CSF)検査とともに使用され得る。
関連の実施形態において、H1.0K180me2抗原の定量化および/またはH1.0K180me2自己抗体の定量化は、認知状態検査、例えば、MMSE(ミニメンタルステート検査)、GDS(グローバル悪化率(global deterioration rate))、およびCDR(臨床認知症尺度(clinical, Dementia rating))検査の評価とともに使用され得る。
関連の実施形態において、H1.0K180me2抗原の定量化および/またはH1.0K180me2自己抗体の定量化は、ニューロイメージングとともに使用され得る。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、H1.0K180me2のレベルは、生物学的サンプル中の全IgGに対して正規化され得るか、またはその生物学的サンプル中の全タンパク質に対して正規化され得る。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、H1.0K180me2の濃度は、メチル化されていない標識された合成H1.0ペプチドに対する相対比として決定され得る。
本明細書に記載される方法の実施形態において、その個体は、50歳を超えている。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、その個体は、50歳未満である。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、その個体は、少なくとも50歳であるか、少なくとも55歳であるか、少なくとも60歳であるか、少なくとも65歳であるか、少なくとも70歳であるか、少なくとも75歳であるか、または少なくとも80歳である。例示的な実施形態において、その個体は、少なくとも60歳である。
C. アルツハイマー病のコンパニオン診断
アルツハイマー病薬物またはレジメンでのアルツハイマー病処置に応答し得る個体を選択するための方法における使用のための、アルツハイマー病と診断された個体のための処置選択における/処置選択肢を決定することにおける使用ための、アルツハイマー病と診断された個体の処置をモニターし、アルツハイマー病薬物もしくはレジメンでの進行中の処置を受けることにおける使用のための、またはアルツハイマー病薬物およびレジメンに関するスクリーニングにおける使用のための、(H1.0K180me2レベルを決定するための)H1.0K180me2抗体がまた、本明細書で提供される。
これらの実施形態において、これらのアルツハイマー病薬物およびレジメン/処置としては、APP合成インヒビター、β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター、Aβ凝集インヒビター、Aβ免疫療法、コレステロール低下薬、抗タウ薬、コリンエステラーゼインヒビター、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト、非定型抗精神病薬、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターアゴニスト、ラパマイシン、ラパログ、エンドカンナビノイド、カンナビノイド、神経保護因子、カルシウム流入を制御する分子、抗酸化剤、抗炎症薬、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物、オートファジー誘導因子、ホルモン、ホルモン調節因子、スタチン、インスリン、インスリンキャリア、多官能性ナノキャリア、ビタミン、栄養補助剤、小型RNA分子、ペプチド、または超音波療法での処置が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的には、APP合成インヒビター(+フェンセリン)、β-セクレターゼインヒビター(MK-8931、E2609、LY2811376、LY2886721、PF-05297909)、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター(セマガセスタット(semegacestat)LY450139、アバガセスタット(avagacestat)BMS-708163、PF-3084014、ELND006、タレンフルルビル、CHF5074)、Aβ凝集インヒビター(トラミプロサート(tramiprosate)(3APS)、クリオキノール(PBT1)、PBT2、ELND005(scyllo-イノシトール)、PQ912)、Aβ免疫療法(GSK933776、AN1802+QS21、ACC-001、アルツハイマー病-106、バピニューズマブ、ソラネズマブ、ガンテネルマブ(RO4909832)、ポネズマブ(PF-04360365)、MABT5102A(クレネズマブ)、BAN2401、静脈内免疫グロブリン、ガンテネルマブ(R1450またはRO4909832))、抗タウ薬(リチウム、チデグルシブ(NP031112)、LMTX(メチレンブルー))、コリンエステラーゼインヒビター(Razadyne(登録商標)(ガランタミン)、Exelon(登録商標)(リバスチグミン)、およびAricept(登録商標)(ドネペジル))、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト(Aricept(登録商標)およびNamzaric(登録商標)、Namenda(登録商標)とドネペジルとの組み合わせ)、非定型抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、リスペリドン)、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターのアゴニスト、ラパマイシンおよびラパログ、エンドカンナビノイドおよびカンナビノイド、神経保護因子、カルシウム流入を制御する分子,抗酸化剤(ビタミンE、ビタミンC、α-リポ酸、コエンザイムQ)、抗炎症分子および薬物、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物、オートファジー誘導因子、ホルモンおよびホルモン調節因子、スタチン、インスリンおよびインスリンキャリア(鼻内インスリン、長時間作用性インスリンおよびサリドマイドが挙げられる)、ラミプリル、レスベラトール、多官能性ナノキャリア、ビタミン、および栄養補助剤、小型RNA分子、ペプチド、ならびに超音波療法。いくつかの実施形態において、そのアルツハイマー病薬物およびレジメンは、FDA承認が未決定であり、米国食品医薬品局のワールドワードウェブアドレスで得られ得る薬物承認のためのFDAに登録された臨床試験のリストから選択される。
例示的な方法、H1.0K180me2レベル:いくつかの実施形態において、進行中の処置を受けているアルツハイマー病と診断された個体が、その進行中の処置から利益を受けるかまたは利益を受け続けるか否かを決定するためにH1.0K180me2抗体を使用する方法が本明細書で提供され、その方法は、(a)進行中の処置を受けている個体の生物学的サンプルを提供する工程;(b)その生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;(c)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2の濃度を決定する工程;および(d)処置から利益を受けるかまたは利益を受け続ける個体を選択する工程を包含し、ここでコントロールに対するその濃度の増大は、その個体が処置から利益を受けるかまたは利益を受け続けることを示し、コントロールに対するその濃度の減少または変化なしは、その個体が処置から利益を受ける可能性が低いか、または利益を受け続けることはないか、または処置に対して応答性ではないことを示し得る。コントロールとしては、処置を受けていないアルツハイマー病を有する個体に由来するサンプル、または処置開始前のより早期の時点で単離された同じ個体に由来するコントロールサンプルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、循環H1.0K180me2の濃度が決定される。いくつかの実施形態において、その濃度の変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。
アルツハイマー病と診断された個体に対する処置選択において使用するための、アルツハイマー病と診断された個体に対する処置選択肢を決定するための、およびどの個体が特定の処置から利益を受け得るかを決定するための、H1.0K180me2抗体を使用する方法がまた、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、その方法は、(a)個体がアルツハイマー病に関して処置される前に、その個体の生物学的サンプルを提供する工程;(b)その生物学的サンプルと候補処置とを接触させる工程;(c)その生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;(d)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2の濃度および/または細胞内局在を決定する工程;ならびに(e)その処置から利益を受け得る個体を選択する工程を包含し、ここでコントロールに対するその濃度の増大または細胞質の細胞内局在の減少は、その個体が処置から利益を受け得ることを示し、コントロールに対するその濃度の減少もしくは変化なし、または細胞質の細胞内局在の増大もしくは変化なしは、その個体が処置から利益を受けないことを示し得る。別の実施形態において、その方法は、(a)その個体にその候補処置を投与する工程;(b)その処置の投与後に、その個体の生物学的サンプルを提供する工程;(c)その生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;(d)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2の濃度および/または細胞内局在を決定する工程;ならびに(e)その処置から利益を受け得る個体を選択する工程を包含し、ここでコントロールに対するその濃度の増大または細胞質の細胞内局在の減少は、その個体が処置から利益を受け得ることを示し、コントロールに対するその濃度の減少もしくは変化なし、または細胞質の細胞内局在の増大もしくは変化なしは、その個体が処置から利益を受けないことを示し得る。コントロールとしては、健康な個体に由来するサンプル、またはその生物学的サンプルとプラシーボ処置とを接触させることが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、循環H1.0K180me2の濃度が決定される。いくつかの実施形態において、その濃度の変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、そのH1.0K180me2レベルが、生理学的レベルの範囲内のままであるか、または確立された治療薬物範囲内のままであることを担保するために有用である。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病をモニターするために有用であり、ここでその記載される方法は、必要とされる場合の処置/介入を調節する目的で、そのH1.0K180me2レベルを測定するために使用され得る。関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、このような処置を受けている個体においてアルツハイマー病薬物もしくは栄養レジメンまたは生活様式の調整の効果をモニターするために有用である。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病に関する任意の観察研究または介入臨床研究における臨床成績をモニターするために有用であり、ここで(a)観察研究は、研究の間に得られた試験結果が患者の管理に使用されず、処置の決定に影響を与えない研究をいう;および(b)介入研究は、研究の間に得られた試験結果が患者の管理の決定に影響を及ぼしてもよく、処置を導くのに使用されてもよい研究である。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、一連の測定に有用であり、それによって、複数の決定が経時的に得られる。これらのタイプのモニタリング方法は、疾患進行/退行、疾患の再発、最小残存疾患、処置への応答/抵抗性、および/または処置による有害作用の検出/評価に対して使用され得る。これらのタイプのモニタリング方法は、個体の状態の変化を評価するためにデザインされ得る。
関連の実施形態において、本明細書で提供される方法は、アルツハイマー病処置への応答または反応の予測に有用であり、ここで本明細書に記載される方法を使用して、特定の療法に対する患者の応答または有害反応の可能性を決定する因子を測定し得る。コンパニオン診断として使用するために具体的に設計された予測方法が本明細書に記載される。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、H1.0K180me2のレベルは、その生物学的サンプル中の全IgGに対して正規化され得るか、またはその生物学的サンプル中の全タンパク質に対して正規化され得る。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、H1.0K180me2の濃度は、メチル化されていない標識された合成H1.0ペプチドに対する相対比として決定され得る。
本明細書に記載される方法の実施形態において、その個体は、50歳を超えている。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、その個体は、50歳未満である。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、その個体は、少なくとも50歳であるか、少なくとも55歳であるか、少なくとも60歳であるか、少なくとも65歳であるか、少なくとも70歳であるか、少なくとも75歳であるか、または少なくとも80歳である。例示的な実施形態において、その個体は、少なくとも60歳である。
関連の実施形態において、その方法は、新たなアルツハイマー病薬物およびレジメンのスクリーニングに使用され得る。
D. 老化の検出
老化を検出することにおいて使用するための、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供される。本明細書で提供される場合、老化は、複製老化(REP-SEN)、遺伝毒性ストレス誘導性老化および放射線誘導性老化と関連する。
一般に、老化を検出するための方法は、H1.0K180me2の直接的検出を伴う。H1.0K180me2の直接的検出に関して、その方法は概して、(a)その個体の生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;および(b)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2抗原の濃度を決定する工程を包含し、ここでコントロールに対するその濃度の増大は、その生物学的サンプルが老化細胞を含むことを示す。いくつかの実施形態において、その濃度における変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。
いくつかの実施形態において、その方法は、遺伝毒性物質によって誘導される老化を受けている個体を同定するために使用され得る。いくつかの実施形態において、その遺伝毒性ストレス誘導性老化は、DNA損傷因子、薬物または毒素、例えば、放射線、UV光、ブレオマイシンおよび任意の他の遺伝毒性薬物(トラゾドン、エトチフェン(Etotifen)、セファレキシン、ニソルジピン(Nisoldipme)、CGS 15943、クロトリマゾール、5-ノニルトリプタミン(Nonyltryptamine)、ドキセピン、ペルゴリド、パロキセチン、レスベラトロール、ケルセチン、ホノキオール、7-ニトロインダゾール、メゲストロール、フルボキサミン、エトポシド、ベリパリブ、ルカパリブ、オラパリブ、カンプトテシン、またはテルビナフィンおよび一般的な化学療法薬が挙げられるが、これらに限定されない)への個体の曝露の結果である。
いくつかの実施形態において、その方法は、化学療法処置を受けている個体において老化を同定して、その化学療法が有効であることを担保するために有用である。これらの実施形態における化学療法剤は、以下からなる群より選択され得る:アレムツズマブ(Campath)、アリトレチノイン(Panretin)、アロプリノール(Zyloprim)、アルトレタミン(Hexalen)、アミホスチン(Ethyol)、アナストロゾール(Arimidex)、三酸化ヒ素(Trisenox)、アスパラギナーゼ(Elspar)、BCG生(TICE BCG)、ベキサロテン(Targretin)、ブレオマイシン(Blenoxane)、ブスルファン静脈内(Busulfex)、ブスルファン経口(Myleran)、カルステロン(Methosarb)、カペシタビン(Xeloda)、ストレプトゾシン(Zanosar)、タルク(Tale)(Sclerosol)、タモキシフェン(Nolvadex)、テモゾロミド(Temodar)、テニポシド、VM-26(Vumon)、テストラクトン(Teslac)、チオグアニン、6-TG(チオグアニン)、チオテパ(Thioplex)、およびトポテカン(Hycamtin)。
E. DNA損傷の検出
DNA損傷、例えば、急性のDNA損傷を検出することにおいて使用するためのH1.0K180me2抗体が本明細書で提供される。
上記で記載されるように、DNA損傷因子の状況において、H1.0K180のジメチル化(H1.0K180me2)は、ブレオマイシン、化学療法剤での急性のDNA損傷後にクロマチンで観察される(図11A)。上記でまた記載されるように、遺伝毒性ストレスの状況において、H1.0K180me2は、遺伝毒性ストレス誘導性老化に際して(DNA損傷因子での処置後数日で)クロマチンから放出され(図12A)、その細胞から細胞外空間へと分泌される(図12B)。
概して、DNA損傷を検出するための方法は、H1.0K180me2の直接的検出を伴う。H1.0K180me2の直接的検出に関して、その方法は概して、(a)その個体の生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;および(b)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2抗原の濃度を決定する工程を包含し、ここでコントロールに対するその濃度の増大は、その生物学的サンプルがDNA損傷を受けていることを示す。いくつかの実施形態において、その濃度における変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。
いくつかの実施形態において、そのDNA損傷は、DNA損傷因子、薬物または毒素、例えば、放射線、ブレオマイシンまたは他のDNA損傷因子(例えば、上記で考察される化学療法薬)への細胞または個体の曝露の結果である。
いくつかの実施形態において、その方法は、遺伝毒性物質またはDNA損傷因子へのこのような曝露から5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、60分、75分、90分、2時間、3時間、4時間、5時間、24時間、48時間、3日、4日、または最長5日以内にDNA損傷を決定するために有用である。
いくつかの実施形態において、DNA損傷の検出のための携帯式ユニットが、本明細書で提供される。そのユニットは、サンプル収集ユニット、読み取り機、およびH1.0K180me2抗体を含むアッセイモジュールを含み得る。
F. 放射線曝露の検出
放射線曝露を検出することにおける使用のための、H1.0K180me2抗体が本明細書で提供される。
放射線曝露の状況において、電離放射線への曝露は、血清中の循環H1.0 K180me2の増大したレベルを誘導する(図13Aおよび図13B)。血清中のH1.0K180me2レベルに対する電離放射線の効果を試験した。血清を、7Gyの電離放射線に曝露する前、および曝露の2時間後または48時間後のいずれかに、野生型マウスから集めた。照射の2時間後(マウス1)または48時間後(マウス2)のH1.0K180me2血清レベルを、α-H1.0K180me2抗体でのスロットブロットおよびイムノブロッティングを使用して、処置前の最初のレベルと比較した(図13A)。各血清サンプル中のH1.0K180me2の濃度を、各分析に含まれるH1.0K180me2ペプチドの標準曲線を使用して計算した。マウス血清アルブミンを、ローディングコントロールとして使用した。H1.0K180me2ドットブロットバンドを定量化し、血清アルブミンによって正規化した。照射後のH1.0K180me2の相対的増大を示す(図13B)。α-H1.0K180me2抗体での等容積のマウス血清のウェスタンブロット分析も、照射後に増大したH1.0K180me2を示した(図13C)。
概して、放射線曝露の検出のための方法は、H1.0K180me2の直接的検出を伴う。H1.0K180me2の直接的検出に関しては、その方法は概して、(a)個体の生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;および(b)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2抗原の濃度を決定する工程を包含し、ここでコントロールに対するその濃度の増大は、放射線曝露が起こったことを示す。いくつかの実施形態において、その濃度における変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。1つの例示的実施形態において、7Gy X線曝露の2時間後のH1.0 K170me2抗原濃度における変化は、12μmol/L~21μmol/Lであり、48時間後に26μmol/L~35μmol/Lである。
いくつかの実施形態において、その方法は、このような曝露から5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、60分、75分、90分、2時間、3時間、4時間、5時間、24時間、48時間、3日、4日、または最長5日以内に放射線曝露を決定するために有用である。
いくつかの実施形態において、その方法は、野外の状況下、例えば戦闘区域で、軍人が、このような曝露を決定するのに有用である。
いくつかの実施形態において、放射線損傷の検出のための携帯式ユニットが本明細書で提供される。そのユニットは、サンプル収集ユニット、読み取り機、およびH1.0K180me2抗体を含むアッセイモジュールを含み得る。
G. H1.0K180me2およびラパログ
哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)は、有望な治療標的として出現した。ラパマイシンおよびいくつかのラパマイシン誘導体、ラパマイシンアナログ、および他のmTORインヒビターは、ある種の疾患状態の処置のためにFDAに承認された薬物である。
本発明者らは、H1.0K180me2の検出が、「ラパログ(rapalogue)」と総称されるラパマイシン、ラパマイシン誘導体、ラパマイシンアナログ、および他のmTORインヒビターに対する個体の応答性のスクリーニングに有用であり得、ラパログベースの治療レジメンをモニターするために有用であり得ることを見出した。本発明者らは、H1.0K180me2の検出が、薬物スクリーニングを目的として、さらなるラパログのスクリーニングに有用であり得ることも見出した。具体的には、ラパマイシン誘導体および免疫抑制剤、エベロリムスは、DNA損傷の際のH1.0K180me2の出現を遮断することが、ここで示される(図14)。遺伝毒性ストレスへの曝露に先立つ、またはそれと並行したラパログによる処置が、H1.0K180me2の濃度および/または細胞内局在の変化によって証明されるように、遺伝毒性ストレッサーの影響を低減させ得ることも観察された。
本明細書で使用される場合、ラパログは、FDAに承認されたラパログおよび現在臨床試験が進行中のラパログを含む。FDAに承認されたラパログとしては、ラパマイシン、シロリムス、ラパミューン、エベロリムス、RAD001、アフィニトール、Zortress、テムシロリムス、CCI-779、トーリセル、リダフォロリムス、AP23573、MK-8669、デフォロリムス、ゾタロリムス、およびABT-578が挙げられる。他のラパログとしては、AZD8055、AZD2014、OSI-027、MLN0128、WYE-132、Torin1、PI-103、P7170、PF-04691502、PF-05212384、PKI-587、GNE477、PKI-180、WJD008、XL765、SAR245409、NVP-BEZ235、BGT226、SF1126、GSK2126458、Ku-0063794、WYE-354、NVP-BEZ235、PF-05212384、XL765、Torin 2、WYE-125132、およびOSI-027が挙げられる。
一般に、がん、免疫不全、糖尿病、関節炎、アルツハイマー病および他の神経変性疾患、心血管疾患、自己免疫疾患、および他の加齢性の病理と診断された個体において進行中のラパログベースの処置の効果をモニターするための方法が本明細書において提供される。
従って、いくつかの実施形態において、ラパログでの処置を受けている個体がこのような処置に応答するか否かを決定する方法が本明細書で提供され、その方法は、(a)その個体の生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;(b)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2の濃度および/または局在を決定する工程;ならびに(c)その個体が処置に応答するか否かを決定する工程を包含し、ここでそのコントロールに対して確立された濃度の減少またはその局在の変化は、その個体が、そのラパログに応答することを示す。いくつかの実施形態において、コントロールに対するH1.0K180me2の細胞外濃度の上昇が存在する場合、そのラパログ処置は有効でないか、または改変される必要があることが決定される。いくつかの実施形態において、コントロールに対するH1.0K180me2の細胞質局在の増加が存在する場合、そのラパログ処置は有効でないか、または改変される必要があることが決定される。いくつかの実施形態において、その減少は、そのラパログが投与されている関連疾患と診断されていない、年齢を合わせたコントロールに対して相対的である。いくつかの実施形態において、コントロールに対するH1.0K180me2タンパク質の細胞外または細胞質濃度の減少が存在する場合、処置は有効であり、継続されるべきであることが決定される。いくつかの実施形態において、その方法は、処置のタイプ、過程、継続期間、および/または投与量を改変する情報を使用する工程をさらに包含する。いくつかの実施形態において、循環H1.0K180me2の濃度が決定される。いくつかの実施形態において、その濃度における変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。
いくつかの実施形態において、がん、免疫不全、糖尿病、アルツハイマー病または他の神経変性疾患、心血管疾患、自己免疫疾患、関節炎、および他の加齢性の病理と診断されたか、またはこれらを有すると疑われ、ラパログ処置から利益を受け得る個体を選択するため、すなわち、個体がラパログでの処置に応答し得るか否かを決定するための方法が本明細書において提供される。いくつかの実施形態において、この方法は、個体の生物学的サンプルを提供する工程;そのサンプルを、インビトロで、エキソビボで、スライス培養において、または組織培養において、ラパログで処理する工程;およびそのサンプル中のH1.0K180me2の濃度および/または細胞内局在を決定する工程を包含する。いくつかの実施形態において、H1.0K180me2の濃度は、H1.0K180me2抗体を使用してそのサンプル中のH1.0K180me2の濃度を測定することによって決定される。いくつかの実施形態において、コントロールに対するH1.0K180me2の細胞質または細胞外濃度の増大が存在する場合、そのラパログ処理が、有効でない可能性があることが決定される。いくつかの実施形態において、コントロールに対するH1.0K180me2の細胞質局在の増大が存在する場合、そのラパログ処理が有効でない可能性があることが決定される。いくつかの実施形態において、その減少は、その個体がラパログ処置を受け得る疾患と診断されていない、年齢を合わせたコントロールに対して相対的である。いくつかの実施形態において、コントロールに対するH1.0K180me2タンパク質の細胞質または細胞外濃度の減少が存在する場合、処置は有効であり得ることが決定される。いくつかの実施形態において、その濃度における変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、処置タイプ、過程、継続期間、および/または投与量を改変する情報を使用する工程をさらに包含する。
他の実施形態において、新たなラパログを同定する能力(薬物スクリーニング適用)をモニターするための、H1.0K180me2に検出の使用が本明細書で提供される。
H. 生物学的加齢の検出
生物学的加齢を検出することにおける使用のためのH1.0K180me2抗体が本明細書において提供される。本明細書において提供される場合、加齢は大部分の生物の基本的性質であることから、生物学的加齢マーカーまたは加齢の生体マーカーは、生物学的研究において多くの使用を見出すことが予測される。
暦年齢と生物学的年齢の間には差が存在し得る。いくらかの個体はより急速に老化するが、他の個体は、良い習慣、遺伝子および/または環境的ストレッサーの欠如に起因して、よりゆっくり老化し、より長く健康的にかつ「若々しく」する。その生物学的年齢を追跡することができることにより、生活様式を改変するのに役立つか(ボディーマス指数を追跡することに類似する)、またはアンチエイジングの手順を展開するのに役立つ場合がある。
加齢マーカーによる生物学的年齢の正確な測定は、(i)種々の年齢に関連する疾患を診断すること、およびがんのサブタイプを定義するために、(ii)種々の疾患の開始を予測すること/予後予測すること、ならびに(iii)若返りのアプローチを含む治療介入を評価するための代用マーカーとしての役割を果たすことなどの、生物学的加齢についての加齢性の疾患の理論を試験するのに有用である。
一般に、生物学的加齢の検出のための方法は、H1.0K180me2の直接的検出を伴う。H1.0K180me2の直接的検出に関しては、その方法は概して、(a)その個体の生物学的サンプルとH1.0K180me2抗体とを接触させる工程;および(b)その抗体に結合するそのサンプル中のH1.0K180me2抗原の濃度を決定する工程を包含し、ここでコントロールに対するその濃度の増大は、その生物学的サンプルが、生物学的加齢を経験した個体に由来することを示す。いくつかの実施形態において、その濃度における変化は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値に対して相対的である。
I. 診断用キットおよび製造物品
H1.0K180me2の検出に有用なキットが本明細書において提供される。いくつかの実施形態において、そのキットは、本明細書に記載される1種またはこれより多くのH1.0K180me2抗体を含む。ある種の実施形態において、抗体。さらに、そのキットは、必要に応じて、本明細書に記載される方法のうちのいずれかを実施するための説明資料を含み得る。その説明資料は、代表的には、書面によるまたは印刷された資料を含むが、このようなものに限定されない。このような説明書を保存し、これらをエンドユーザーに伝えることができる任意の媒体が本明細書において企図される。このような媒体としては、電子保存媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などが挙げられるが、これらに限定されない。このような媒体は、このような説明資料を提供するインターネットサイトへのアドレスを含み得る。
そのキットは、そのキットがデザインされる特定の適用を容易にするために、さらなる構成要素をも含んでいてもよい。したがって、例えば、キットが標識されている抗H1.0K180me2を含む場合、そのキットは、標識を検出するための試薬(例えば、酵素標識のための酵素基質、蛍光標識を検出するためのフィルターセット、適切な二次標識など)をさらに含んでいてもよい。そのキットは、特定の方法の実施のために慣用的に使用される緩衝液および他の試薬をさらに含んでもよい。
H1.0K180me2を検出するイムノアッセイにおいて有用な例示的なキットは、H1.0K180me2タンパク質またはペプチドを含み得る。このペプチドは、例えば、陽性コントロールとしてまたは競合的イムノアッセイにおいて競合物質として使用され得、そのアッセイが行われるフォーマットに依存して、標識されてもよいし、標識されなくてもよい。
H1.0K180me2を検出するイムノアッセイにおいて有用な別の例示的なキットは、抗H1.0K180me2ペプチドに加えて、H1.0K180me2抗体を含み得る。この抗体は、例えば、陽性コントロールとしてまたは競合的イムノアッセイにおいて競合物質として使用され得、そのアッセイが行われるフォーマットに依存して、標識されてもよいし、標識されなくてもよい。
皮下の標的H1.0K180me2タンパク質およびペプチドの濃度を測定するための経皮パッチがまた、本明細書で提供され、そのパッチは、H1.0K180me2抗体を含む基材、および複数のマイクロニードルを含む。いくつかの実施形態において、そのパッチは、経皮マイクロニードルアレイパッチである。いくつかの実施形態において、そのパッチの基材は、弾性的に伸縮性である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される抗体またはペプチドを含むパッチ、および必要に応じて使用についての指示を含むキットが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、そのパッチは、複製老化、DNA損傷、遺伝毒性ストレス、放射線曝露、およびアルツハイマー病を検出する目的で、生物学的サンプル中のH1.0K180me2を検出およびその濃度を測定するために有用であり、治療レジメンをモニターするために有用であり、薬物スクリーニングに有用である。
検出のための、例えば、DNA損傷または放射線曝露の検出のための携帯式ユニットがまた、本明細書で提供される。そのユニットは、サンプル収集ユニット、読み取り機、およびH1.0K180me2抗体を含むアッセイモジュールを含み得る。
分析物のラテラルフローアッセイに適したラテラルフローストリップまたは試験ストリップがまた、本明細書で提供され、そのストリップは、サンプル受容ゾーンを含み、ここでそのサンプル受容ゾーンは、いずれかのH1.0K180me2抗体を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、標識に結合体化される。
挙げられる実施形態
本発明は、以下の挙げられる例示的な実施形態への言及によって規定され得る。
実施形態1. H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで上記抗体の抗原結合ドメインは、
-表4のCDR-L1アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;
-表5のCDR-L2アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;および
-表6のCDR-L3アミノ酸配列のうちのいずれか1つ
を含む、抗体。
実施形態2. H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで上記抗体の抗原結合ドメインは、
-表7のCDR-H1アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;
-表8のCDR-H2アミノ酸配列のうちのいずれか1つ;および
-表9のCDR-H3アミノ酸配列のうちのいずれか1つ、
を含む、抗体。
実施形態3. H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで上記抗体の抗原結合ドメインは、表4、表5、および表6のCDR-Lアミノ酸配列のうちのいずれか1つを含み、表7、表8、および表9のCDR-Hアミノ酸配列のいずれか1つを含む、抗体。
実施形態4. 上記抗体の抗原結合ドメインは、
-配列番号10または配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
-配列番号14または配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-L2;および
-配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L3、
を含む、実施形態1に記載の抗体。
実施形態5. 上記抗体の抗原結合ドメインは、
-配列番号20、配列番号21、配列番号22または配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
-配列番号28、配列番号29、配列番号30または配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
-配列番号36または配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-H3、
を含む、実施形態1に記載の抗体。
実施形態6. H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで上記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8または配列番号9のアミノ酸配列を含む、抗体。
実施形態7. H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで上記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6または配列番号7のアミノ酸配列を含む、抗体。
実施形態8. H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって、ここで上記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6または配列番号7のアミノ酸配列を含み、上記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8または配列番号9のアミノ酸配列を含む、抗体。
実施形態9. 上記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含み、上記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む、実施形態8に記載の抗体。
実施形態10. 上記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、上記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号9のアミノ酸配列を含む、実施形態8に記載の抗体。
実施形態11. 上記抗体は、キメラであるかまたはヒト化されている、実施形態1~10のいずれか1つに記載の抗体。
実施形態12. 上記抗体はモノクローナル抗体である、実施形態1~10のいずれか1つに記載の抗体。
実施形態13. 上記抗体は抗原結合フラグメントである、実施形態1~10のいずれか1つに記載の抗体。
実施形態14. 上記抗体は、H1.0K180me2タンパク質またはペプチドが、K180以外のメチル化されている残基を含む場合に、上記H1.0K180me2タンパク質またはペプチドへの低減した結合を示す、実施形態1~13のいずれか1つに記載の抗体。
実施形態15. 上記H1.0K180me2タンパク質またはペプチドが、ヒトヒストンH1.0タンパク質のK166、K172、K174、K175、および/またはK177に相当するリジン残基においてメチル化リジン残基を含む場合に、上記抗体は、結合しないか、または最小限にしか結合しない、実施形態1~14のいずれか1つに記載の抗体。
実施形態16. 上記抗体は、標識に結合体化されている、実施形態1~15のいずれか1つに記載の抗体。
実施形態17. 上記抗体は、固体表面に付着される、実施形態16に記載の抗体。
実施形態18. 上記抗体は、ビーズ、カラム、樹脂、またはマイクロプレートに付着される、実施形態17に記載の抗体。
実施形態19. 上記抗体は薬剤に結合体化される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の抗体。
実施形態20. 上記薬剤は、放射性核種、細胞毒、化学療法剤、薬物、プロドラッグ、毒素、酵素、免疫モジュレーター、アポトーシス促進剤、サイトカイン、ホルモン、オリゴヌクレオチド、アンチセンス分子、siRNA、および第2の抗体からなる群より選択される、実施形態19に記載の抗体。
実施形態21. 個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあるか否かを決定するための方法であって、上記方法は、
-上記個体の生物学的サンプルと実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体とを接触させる工程;および
-上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程であって、ここでコントロールに対する上記濃度の減少は、上記個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあることを示す工程、
を包含する、方法。
実施形態22. 上記個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあることが決定された場合、上記個体を、アルツハイマー病の薬物またはレジメンで処置する工程をさらに包含する、実施形態21に記載の方法。
実施形態23. アルツハイマー病と診断され、上記アルツハイマー病のための処置を受けている個体が、上記処置から利益を受けるか、または上記処置から利益を受け続けるか否かを決定するための方法であって、上記方法は、
-上記個体の生物学的サンプルと実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体とを接触させる工程;および
-上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程;および
-コントロールに対する上記濃度の増大が存在する場合、上記個体が、上記処置から利益を受けるか、または上記処置から利益を受け続けることを決定する工程、
を包含する、方法。
実施形態24. 上記個体が上記処置から利益を受けるか、または上記処置から利益を受け続けることが決定される場合、上記個体を、アルツハイマー病の薬物またはレジメンで処置する工程をさらに包含する、実施形態23に記載の方法。
実施形態25. アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を受けるか否かを決定するための方法であって、ここで上記個体は上記処置を未だ開始しておらず、上記方法は、
-上記個体に候補処置を投与する工程;
-上記候補処置の投与後の上記個体の生物学的サンプルと、実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体とを接触させる工程;および
-上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定する工程;ならびに
-コントロールに対する上記濃度の増大または細胞質の細胞内局在の減少が存在する場合、上記個体が、上記候補処置から利益を受けることを決定する工程、
を包含する、方法。
実施形態26. アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を得られるか否かを決定するための方法であって、ここで上記個体は上記処置を未だ開始しておらず、上記方法は、
-上記個体の生物学的サンプルと候補処置とを接触させる工程;
-上記個体の生物学的サンプルと実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体とを接触させる工程;
-上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定する工程;ならびに
-コントロールに対する上記濃度の増大またはコントロールに対する細胞質の細胞内局在の減少が存在する場合、上記個体が、上記候補処置から利益を受けることを決定する工程、
を包含する、方法。
実施形態27. 上記処置は、APP合成インヒビター、β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター、Aβ凝集インヒビター、Aβ免疫療法、コレステロール低下薬、抗タウ薬、コリンエステラーゼインヒビター、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト、非定型抗精神病薬、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターアゴニスト、ラパマイシン、ラパログ、エンドカンナビノイド、カンナビノイド、神経保護因子、カルシウム流入を制御する分子、抗酸化剤、抗炎症薬、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物、オートファジー誘導因子、ホルモン、ホルモン調節因子、スタチン、インスリン、インスリンキャリア、多官能性ナノキャリア、ビタミン、栄養補助剤、小型RNA分子、ペプチド、および超音波療法からなる群より選択される、実施形態25~26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28. 個体がDNA損傷因子に曝されているか否かを決定するための方法であって、上記方法は、
-上記個体の生物学的サンプルと実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体とを接触させる工程;および
-上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程であって、ここでコントロールに対する上記濃度の増大は、上記個体がDNA損傷因子に曝されていることを示す工程、
を包含する、方法。
実施形態29. 上記DNA損傷因子は放射線である、実施形態28に記載の方法。
実施形態30. ラパログでの処置を受けている個体が、このような処置に応答するか否かを決定するための方法であって、上記方法は、
-上記個体の生物学的サンプルと、実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体とを接触させる工程;
-上記抗体に結合する上記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程;および
-上記個体が処置に応答するか否かを決定する工程であって、ここでコントロールに対する上記濃度の減少は、上記個体が応答することを示す工程、
を包含する、方法。
実施形態31. 上記減少は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値を下回る、実施形態30に記載の方法。
実施形態32. 上記ラパログは、ラパマイシン、シロリムス、ラパミューン、エベロリムス、RA 001、アフィニトール、Zortress、テムシロリムス、CCI-779、トーリセル、リダフォロリムス、AP23573、MK-8669、デフォロリムス、ゾタロリムス、ABT-578、AZD8055、AZD2014、OSI-027、MLN0128、WYE-132、Torin1、PI-103、P7170、PF-04691502、PF-05212384、PKI-587、GNE477、PKI-180、WJD008、XL765、SAR245409、NVP-BEZ235、BGT226、SF1126、GSK2126458、Ku-0063794、WYE-354、NVP-BEZ235、PF-05212384、XL765、Torin 2、WYE-125132、およびOSI-027からなる群より選択される、実施形態30に記載の方法。
実施形態33. 上記濃度の増大または減少は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値を上回るかまたは下回る、実施形態21~32のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34. 上記生物学的サンプルは、全血、血漿、血清、唾液、尿、滑液、脳脊髄液、気管支洗浄物、腹水、骨髄吸引物、胸水、組織、細胞、生検材料、間質液、およびリンパ液からなる群より選択される、実施形態21~33のいずれか1つに記載の方法。
実施形態35. 皮下標的分子の濃度を測定するための経皮パッチであって、上記パッチは、
-実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体を含む基材;および
-複数のマイクロニードル、
を含む、パッチ。
実施形態36. 上記パッチは、経皮マイクロニードルアレイパッチである、実施形態35に記載のパッチ。
実施形態37. 上記基材は弾性的に伸縮性である、実施形態35に記載のパッチ。
実施形態38. 個体が放射線またはDNA損傷因子に曝露されているか否かを決定するための携帯式ユニットであって、上記ユニットは、
-サンプル収集ユニット;
-読み取り機;
-実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体を含むアッセイモジュール;および
-複数のマイクロニードル、
を含む、ユニット。
実施形態39. 分析物のラテラルフローアッセイに適した試験ストリップであって、上記ストリップは、サンプル受容ゾーンを含み、ここで上記該サンプル受容ゾーンは、実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体を含む、試験ストリップ。
実施形態40. 個体においてメチル化H1.0関連疾患または状態を処置するための方法であって、上記方法は、上記個体に、治療上有効な量の実施形態1~20のいずれか1つに記載の抗体を投与する工程を包含する、方法。
実施形態41. 上記疾患または状態は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性ストレッサーへの曝露、老化細胞の蓄積を含む疾患または状態、およびH1.0K180me2タンパク質またはペプチドの上昇したレベルが付随する疾患または状態からなる群より選択される、実施形態40に記載の方法。
実施形態42. 個体においてH1.0K180me2を取り除くための方法であって、上記方法は、上記個体に、治療上有効な量の実施形態1~20のいずれか1つに記載の抗体を投与する工程を包含する、方法。
実施形態43. 上記個体は、アルツハイマー病、放射線曝露、遺伝毒性物質への曝露、DNA損傷因子への曝露、および老化細胞の蓄積を含む状態からなる群より選択される疾患または状態に罹患している、実施形態42に記載の方法。
実施形態44. 実施形態1~20のいずれか1つに記載の抗体、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、薬学的組成物。
実施形態45. 治療上有効な量の実施形態1~18のいずれか1つに記載の抗体のうちのいずれか1つを含むキット。
実施形態46. 実施形態1~20、および35~45に記載の組成物のうちのいずれか1つを含む、製造物品。
実施形態47. 配列番号4の核酸を含む、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体をコードする、ベクター。
実施形態48. 配列番号5の核酸を含む、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体をコードする、ベクター。
実施形態49. 実施形態47~48のいずれか1つに記載のベクターを含む、細胞。
以下の実施例は、例証目的で含まれ、本発明の範囲を限定することは意図されない。
実施例1: 組換え抗体開発パイプライン
図1に示される抗体開発パイプラインを、4つの段階(段階I~IV)に分けた。段階Iでは、2羽のNew Zealandウサギを、抗体生成のために免疫化した。完全フロイントアジュバント(CFA)または不完全フロイントアジュバント(IFA)中で、キーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)結合体化H1.0K180me2ペプチド(KLH-CAKPVKASKPKKAKPVK(me2)PK(配列番号72))のエマルジョンとして、注射を皮下投与した(SQ)。初回免疫化を、10箇所のSQ部位において、CFA中の0.5mgの抗原((KLH)結合体化H1.0K180me2ペプチド)で行った。6回のその後のブースター免疫化を、10~11週間の期間にわたる慣用的な間隔で行った。ブースターは、4箇所のSQ部位におけるIFA中の0.25mg抗原からなった。ウサギから、6週間目および8週間目に採血した。その免疫化の力価を、免疫化前および免疫化後の採血を比較することによってELISAを使用して評価した。その免疫化した抗原に対して適切なELISA陽性力価が一旦記録されたら、末梢血単核細胞(PBMC)を、一方または両方のウサギから集めた。B細胞を、その後、ウサギlgGのみを確実にする二重スクリーニングプロトコルを使用するフローサイトメトリー選別によって単離し、抗原特異的B細胞を単離した。
段階IIの間に、全RNAを、その選別した抗原陽性B細胞から単離した。これに続いて、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって1本鎖可変フラグメント(scFv)表面ディスプレイライブラリーを作製した。このscFvライブラリーは、H1.0K180me2抗原に結合し得るウサギIgG抗体の可変ドメイン領域全てを示す。
段階IIIは、H1.0K180me2に対するライブラリーの特異性を増大させる多数回のライブラリースクリーニングからなった。これを、パニングおよびフローサイトメトリーによって行って、非メチル化H1.0ペプチド(ビオチン-CAKPVKASKPKKAKPVKPK(配列番号74))に対して特異性を示すscFvドメインを選択しないようにすると同時に、ビオチン結合体化H1.0K180me2ペプチド(ビオチン-CAKPVKASKPKKAKPVK(me2)PK(配列番号73))に対して最高の特異性を示すscFvドメインを単離した。
H1.0K180me2に対して最高の特異性を有するscFvドメインを、段階IVに移行する前に、サンガー配列決定法によって配列決定した。段階IVの間に、全長IgG重鎖および軽鎖クローンを、そのscFvドメインを組み込んで生成し、続いて、競合する全長組換えウサギモノクローナルIgG抗体を発現させた。次いで、これらの抗体を、ELISA、スロットブロットイムノアッセイ、およびウェスタンブロットを使用して、H1.0K180me2に対する特異性に関して検証した。合計で、5つの別個の抗体クローンを作製し、H1.0K180me2に対するそれらの特異性の順に、以下のA~Fまで選別した:
クローンA(RW24)
クローンB(RW6)
クローンC(RW37)
クローンD(RW28)
クローンE(RW36)
段階I~IVを、以下の表11にまとめる。
Figure 0007252953000013
実施例2: ELISAによるウサギ抗体クローンの抗体力価の分析
H1.0K180me2ペプチドに対するその組換えウサギ抗H1.0K180me2モノクローナルIgG抗体クローンの特異性を、図2AにおいてELISAを使用して決定した。ウェルを、H1.0K180me2ペプチドで被覆した;50μlのペプチド溶液(5ug/ml)を使用して、各ウェルを被覆した。100μlの各クローン抗体を、2×希釈系列においてウェルに添加した。各ペプチドの曲線を、450nmで測定されたO.Dに対して抗体濃度をプロットすることによって生成した。その種々のクローンの結合効率を直接比較するために、クローン力価測定曲線(titration curve)の各々の直線範囲で交わる閾値カットオフを選択した(O.D. 1.5での水平の破線)。その閾値O.Dに交わるために必要とされる抗体の濃度を、各クローンについて比較し、図の凡例で示した。クローンA(RW24)は、H1.0K180me2ペプチドに対して最高の結合親和性を有する。
非改変H1.0ペプチドに対するその抗体クローンの非特異的結合も、図2Bに示されるようにELISAによって決定した。クローンD(RW28)およびE(RW36)はともに、非改変H1.0ペプチドに高い親和性で結合した。上記で計算した閾値濃度では、クローンA(RW24)は、非改変H1.0ペプチドよりH1.0K180me2ペプチドの結合において、20×効率が高かった。クローンB(RW6): 23×、クローンC(RW37): 22×、クローンD(RW28): 2×、クローンE(RW36): 5×。
図2Cは、図2Aおよび2BのELISAプロット生成のための生データを提供する。
実施例3: スロットブロットによるウサギ抗体クローンの特異性の分析
上記で生成した組換えウサギ抗H1.0K180me2モノクローナルIgG抗体クローンの特異性を、図3に示されるようにスロットブロット分析を使用して決定した。ヒストンH1.0ペプチド(非改変、K180me1、K180me2)を、希釈系列(100pmol、50pmol、25pmol)において真空マニホールドスロットブロットを使用して、膜へ転写した。次いで、その膜を、その抗体クローンを使用して免疫ブロットして、非改変またはモノメチル化H1.0ペプチドとの潜在的な交差反応性を同定した。クローンA、BおよびCは、低濃度であってもH1.0K180me2に対して特異性が高かった。非改変またはH1.0K180me1ペプチドのいずれに対しても、これらのクローンについては、交差反応性は認められなかった。クローンDおよびEはともに、H1.0K180me2に加えて、H1.0K180me1ペプチドを検出できた。これは、H1.0K180me2に対する抗体特異性の欠如を示唆する。
実施例4: インビトロでのメチル化H1.0K180me2による抗体クローンの特異性の分析
図4Aは、インビトロメチル化アプローチの概観を示す。そのメチル化反応は、組換えG9A(メチルトランスフェラーゼ)、非標識メチルドナー(S-アデノシル-L-メチオニン)、および組換えヒトH1.0タンパク質を含み、これらを、37℃で1時間インキュベートした。このインキュベーションの間に、G9Aは、K180me2の追加を含め、全長H1.0タンパク質をメチル化し得る。H1.0K180me2をその後、抗H1.0K180me2ウサギポリクローナル抗体を使用して同定して、メチル化を確認し得る。
全長H1.0タンパク質上でのG9Aによるメチル化の正確な位置を同定するために、上記の反応をその後、LC-MSによって分析し、メチル化部位を同定した。図4Bは、全長H1.0タンパク質の配列を示し、「me」の丸の数は、リジン残基のメチル化状態(モノメチル化またはジメチル化)を表す。組換え全長H1.0の存在下では、G9Aは、H1.0K180me2を含め、いくつかのC末端リジン残基を特異的にメチル化する。
図4Cは、漸増量のG9Aでの組換え全長ヒストンH1.0のインビトロメチル化アッセイ、およびウサギ抗H1.0K180me2ポリクローナル抗体での検出を示す。上のパネルは、G9A濃度の増大とともに増大したH1.0K180メチル化を示す。
図4Dは、インビトロメチル化H1.0に対するクローン特異性の分析を示す。クローンAは、G9Aタンパク質の非存在下で非メチル化全長H1.0への最小限の非特異的結合で、インビトロメチル化H1.0を認識し得る。全ての他のクローンは、非メチル化H1.0を認識し、メチル化全長H1.0に対して特異性を示さない。
実施例5: クローンA(RW24)およびB(RW6)の配列分析
目的のクローンを配列決定した。
図5Aは、クローンAおよびBの重鎖可変ドメインタンパク質配列のEMBOSS NEEDLE(Li W. The EMBL-EBI bioinformatics web and programmatic tools framework. Nucleic Acids Research [06 Apr 2015, 43(W1):W580-4)ペアワイズ配列アラインメントである。その重鎖配列は、61%同一性および70%類似性を共有する。
図5Bは、クローンAおよびBの軽鎖可変ドメインタンパク質配列のEMBOSS NEEDLEのペアワイズ配列アラインメントである。その軽鎖配列は、83%同一性および88%類似性を共有する。
図5Cは、クローンA(RW24)に関する軽鎖および重鎖可変ドメインのDNAおよびタンパク質の配列を提供する。
図5Dは、全長組換えIgG抗体を作製するために可変ドメインDNA配列を組み込む全長軽鎖および重鎖の発現ベクターの構築の1つの方法の模式図である。
実施例6: Chothia予測ソフトウェアを用いたクローンA重鎖のフレームワークおよびCDR領域のマッピング
Chothia(抗体の構成を予測するプログラム)を用いたクローンA重鎖およびクローンA軽鎖の分析が、図7Aおよび7B(左パネル)に示される。その重鎖または軽鎖の各残基を、上のボックスの中に示し、残基番号を、各々の相当する残基の下のボックスの中にChothiaによって割り当てる。クローンA重鎖または軽鎖の予測フレームワーク領域が、薄い灰色で示される。予測CDRが濃い灰色で示される。星は、予測CK2リン酸化部位を示す。矢印は、各位置の通常でない残基を示す。
図7B(右パネル)は、行われた全てのChothia予測に関して位置L1にあると推測された残基分布を示す。クローンA軽鎖の例では、L1位置はアスパラギン酸である。これは、位置L1にあると推測される全てのアミノ酸に関して最高の相対的頻度を有する。
図7Cは、Chothia、AbM、Kabat、およびContactアルゴリズム/番号付けスキームを使用する、抗体クローンAの予測軽鎖相補性決定領域およびフレームワーク領域を示す。
図7Dは、Chothia、AbM、Kabat、およびContactアルゴリズム/番号付けスキームを使用する、抗体クローンAの予測重鎖相補性決定領域およびフレームワーク領域を示す。

Claims (20)

  1. H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体であって
    前記抗体の抗原結合ドメインは、
    (i)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
    配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR-L2;
    配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-L3;
    配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-H1;
    配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-H2;および
    配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR-H3;または
    (ii)配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR-L1;
    配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-L2;
    配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-L3;および
    配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン
    を含む、抗体。
  2. (a)前記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含み、前記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号8のアミノ酸配列を含む;または
    (b)前記抗体の重鎖可変ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含み、前記抗体の軽鎖可変ドメインは、配列番号9のアミノ酸配列を含む
    請求項1(vi)に記載の抗体。
  3. 前記抗体は、
    (a)キメラであるかまたはヒト化されている;
    (b)モノクローナル抗体である;
    (c)抗原結合フラグメントである;
    (d)H1.0K180me2タンパク質またはペプチドが、K180以外のメチル化されている残基を含む場合に、前記H1.0K180me2タンパク質またはペプチドへの低減した結合を示す;
    (e)前記H1.0K180me2タンパク質またはペプチドがヒトヒストンH1.0タンパク質のK166、K172、K174、K175、および/またはK177に相当するリジン残基においてメチル化リジン残基を含む場合に、結合しないか、または最小限にしか結合しない;または
    (f)標識に結合体化されている
    請求項1または2に記載の抗体。
  4. 前記抗体は、固体表面に付着される、請求項3に記載の抗体。
  5. 前記抗体は、ビーズ、カラム、樹脂、またはマイクロプレートに付着される、あるいは薬剤に結合体化される、請求項3に記載の抗体。
  6. 前記薬剤は、放射性核種、細胞毒、化学療法剤、薬物、プロドラッグ、毒素、酵素、免疫モジュレーター、アポトーシス促進剤、サイトカイン、ホルモン、オリゴヌクレオチド、アンチセンス分子、siRNA、および第2の抗体からなる群より選択される、請求項5に記載の抗体。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の抗体に結合するH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を、個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあるか否かの指標とする方法であって、前記方法は、
    (a)前記個体の生物学的サンプルと請求項1~のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;および
    (b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程であって、ここでコントロールに対する前記濃度の減少は、前記個体がアルツハイマー病を有するか、その発症リスクにあることを示す工程、
    を包含する、方法。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の抗体に結合するH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を、
    (i)アルツハイマー病と診断され、前記アルツハイマー病のための処置を受けている個体が、前記処置から利益を受けるか、または前記処置から利益を受け続けるか否かの指標として使用するために取得するin vitro方法であって、前記方法は、
    (a)前記個体の生物学的サンプルと請求項1~のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;および
    (b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程
    を包含し、コントロールに対する前記濃度の増大、前記個体が、前記処置から利益を受けるか、または前記処置から利益を受け続けることを示す
    方法;
    (ii)アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を受けるか否かの指標として使用するために取得するin vitro方法であって、ここで前記個体は前記処置を未だ開始しておらず、前記方法は、
    (a)前記個体の生物学的サンプルと、請求項1~のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程であって、前記個体は前記候補処置が投与されている、工程;ならびに
    (b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質もしくはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定する工程
    を包含し、コントロールに対する前記濃度の増大または細胞質の細胞内局在の減少、前記個体が、前記候補処置から利益を受けることを示す
    方法;あるいは
    (iii)アルツハイマー病と診断された個体が、候補処置から利益を得られるか否かの指標として使用するために取得するin vitro方法であって、ここで前記個体は前記処置を未だ開始しておらず、前記方法は、
    (a)前記個体の生物学的サンプルと候補処置とを接触させる工程;
    (b)前記個体の生物学的サンプルと請求項1~のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;ならびに
    (c)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質もしくはそのペプチドの濃度および/または細胞内局在を決定する工程
    を包含し、コントロールに対する前記濃度の増大またはコントロールに対する細胞質の細胞内局在の減少、前記個体が、前記候補処置から利益を受けることを示す
    方法。
  9. 前記処置は、APP合成インヒビター、β-セクレターゼインヒビター、γ-セクレターゼインヒビターおよびモジュレーター、Aβ凝集インヒビター、Aβ免疫療法、コレステロール低下薬、抗タウ薬、コリンエステラーゼインヒビター、N-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)アンタゴニスト、非定型抗精神病薬、プロテインSニトロシル化の遮断薬、グルカゴン様ペプチド-1レセプターアゴニスト、ラパマイシン、ラパログ、エンドカンナビノイド、カンナビノイド、神経保護因子、カルシウム流入を制御する分子、抗酸化剤、抗炎症薬、グルタミン酸ホメオスタシス制御を制御する薬物、オートファジー誘導因子、ホルモン、ホルモン調節因子、スタチン、インスリン、インスリンキャリア、多官能性ナノキャリア、ビタミン、栄養補助剤、小型RNA分子、ペプチド、および超音波療法からなる群より選択される、請求項(ii)および(iii)のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の抗体に結合するH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を、個体がDNA損傷因子に曝されているか否かの指標とする方法であって、前記方法は、
    (a)前記個体の生物学的サンプルと請求項1~のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;および
    (b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程であって、ここでコントロールに対する前記濃度の増大は、前記個体がDNA損傷因子に曝されていることを示す工程、
    を包含する、方法。
  11. 前記DNA損傷因子は放射線である、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1~のいずれか1項に記載の抗体に結合するH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を、ラパログでの処置を受けている個体が、このような処置に応答するか否かの指標とする方法であって、前記方法は、
    (a)前記個体の生物学的サンプルと請求項1~のいずれか1項に記載の抗体とを接触させる工程;
    (b)前記抗体に結合する前記サンプル中のH1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドの濃度を決定する工程
    を包含し、コントロールに対する前記濃度の減少が存在する場合、前記個体が処置に応答する方法。
  13. 前記減少は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値を下回るか、あるいは前記ラパログは、ラパマイシン、シロリムス、ラパミューン、エベロリムス、RA 001、アフィニトール、Zortress、テムシロリムス、CCI-779、トーリセル、リダフォロリムス、AP23573、MK-8669、デフォロリムス、ゾタロリムス、ABT-578、AZD8055、AZD2014、OSI-027、MLN0128、WYE-132、Torin 1、PI-103、P7170、PF-04691502、PF-05212384、PKI-587、GNE477、PKI-180、WJD008、XL765、SAR245409、NVP-BEZ235、BGT226、SF1126、GSK2126458、Ku-0063794、WYE-354、NVP-BEZ235、PF-05212384、XL765、Torin 2、WYE-125132、およびOSI-027からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  14. (a)前記濃度の増大または減少は、最適な特異度および感度に関する受診者動作特性曲線分析によって確立される閾値を上回るかまたは下回る;あるいは
    (b)前記生物学的サンプルは、全血、血漿、血清、唾液、尿、滑液、脳脊髄液、気管支洗浄物、腹水、骨髄吸引物、胸水、組織、細胞、生検材料、間質液、およびリンパ液からなる群より選択される
    請求項13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 皮下標的分子の濃度を測定するための経皮パッチであって、前記パッチは、
    (a)請求項1~のいずれか1項に記載の抗体を含む基材;および
    (b)複数のマイクロニードル
    を含、パッチ。
  16. 前記パッチは、経皮マイクロニードルアレイパッチである、または前記基材は弾性的に伸縮性である、請求項15に記載の経皮パッチ。
  17. 個体が放射線またはDNA損傷因子に曝露されているか否かを決定するための携帯式ユニットであって、前記ユニットは、
    (a)サンプル収集ユニット;
    (b)読み取り機;
    (c)請求項1~のいずれか1項に記載の抗体を含むアッセイモジュール;および
    (d)複数のマイクロニードル、
    を含む、ユニット。
  18. 分析物のラテラルフローアッセイに適した試験ストリップであって、前記ストリップは、サンプル受容ゾーンを含み、ここで前記サンプル受容ゾーンは、請求項1~のいずれか1項に記載の抗体を含む、試験ストリップ。
  19. (a)配列番号4および(b)配列番号5の核酸を含む、H1.0K180me2抗原を含むタンパク質またはそのペプチドに特異的に結合する抗体をコードする、ベクター。
  20. 請求項1に記載のベクターを含む、細胞。
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