JP7251400B2 - デジタル音声処理装置、デジタル音声処理方法、及びデジタル音声処理プログラム - Google Patents

デジタル音声処理装置、デジタル音声処理方法、及びデジタル音声処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、デジタル音声信号を処理するデジタル音声処理装置、デジタル音声処理方法、及びデジタル音声処理プログラムに関する。
特許文献1には、デジタル音声信号を次のように処理して音質を向上させるデジタル音声処理装置が記載されている。デジタル音声処理装置は、デジタル音声信号の波形の極大値を有する極大サンプルと極小値を有する極小サンプルとの間のサンプル間隔を検出する。デジタル音声処理装置は、極大サンプルの前後に隣接するサンプルには、極大サンプルと隣接するサンプルとの差分値に1未満の係数を乗じた補正値を加算し、極小サンプルの前後に隣接するサンプルより、極小サンプルと隣接するサンプルとの差分値に1未満の係数を乗じた補正値を減算する。
特許第3401171号公報 特許第3659489号公報 特許第4985570号公報
特許文献1に記載のデジタル音声処理装置によれば、デジタル音声信号に奇数倍音のみが付加される。特許文献2に記載のデジタル音声処理装置においても、デジタル音声信号に奇数倍音のみが付加される。基音に付加される奇数倍音は基本的には音質を向上させるものの、人によっては刺激的で不快に感じることがある。一般的に、人は基音に付加される偶数倍音を心地よく感じることが多い。そこで、デジタル音声信号に偶数倍音と奇数倍音との双方を付加することが望ましい。
特許文献3には、デジタル音声信号に偶数倍音と奇数倍音との双方を付加する構成が記載されている。特許文献3に記載のデジタル音声処理装置は、極小サンプルから極大サンプルへとサンプル値が上昇していく波形部分と、極大サンプルから極小サンプルへとサンプル値が下降していく波形部分との一方のみのサンプルに補正値を加算または減算する。この構成によってデジタル音声信号に偶数倍音と奇数倍音との双方が付加される。
しかしながら、サンプル値が上昇していく波形部分とサンプル値が下降していく波形部分との一方のみの波形を補正することは好ましくない。サンプル値が上昇していく波形部分とサンプル値が下降していく波形部分との双方の波形を補正して、デジタル音声信号に偶数倍音と奇数倍音との双方を付加することが望ましい。
本発明は、サンプル値が上昇していく波形部分とサンプル値が下降していく波形部分との双方の波形を補正して、デジタル音声信号に偶数倍音と奇数倍音との双方を付加することができるデジタル音声処理装置、デジタル音声処理方法、及びデジタル音声処理プログラムを提供することを目的とする。
実施形態の第1の態様によれば、入力されたデジタル音声信号を構成するサンプルにおける極大値を算出して、極大値を有する極大サンプルを検出する極大サンプル検出部と、前記デジタル音声信号を構成するサンプルにおける極小値を算出して、極小値を有する極小サンプルを検出する極小サンプル検出部と、前記デジタル音声信号を構成するサンプルが極小サンプルから極大サンプルへとサンプル値が上昇していく波形部分であるか、極大サンプルから極小サンプルへとサンプル値が下降していく波形部分であるかを判定する波形傾斜判定部と、時間方向に隣接する極小サンプルと極大サンプルとの間のサンプル間隔をカウントするカウンタと、前記カウンタがカウントしたサンプル間隔に応じて偶数倍音用係数と奇数倍音用係数とを選択する係数選択部と、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する偶数倍音付加部と奇数倍音を付加する奇数倍音付加部とを有し、前記デジタル音声信号に偶数倍音及び奇数倍音よりなる高調波成分を付加して出力する高調波成分付加部とを備えるデジタル音声処理装置が提供される。
上記のデジタル音声処理装置において、前記デジタル音声信号を構成するサンプルが、第1の極小サンプルから第1の極大サンプルへと上昇し、前記第1の極大サンプルから第2の極小サンプルへと下降するとき、前記偶数倍音付加部は、第1の偶数倍音付加処理と、第2の偶数倍音付加処理とのいずれか一方を実行する。
上記のデジタル音声処理装置において、前記偶数倍音付加部は、前記第1の偶数倍音付加処理として、前記第1の極小サンプルに続く次のサンプルである第1の隣接サンプルに、前記第1の極小サンプルと前記第1の隣接サンプルとの第1の差分値に、前記係数選択部が前記第1の極小サンプルと前記第1の極大サンプルとの第1のサンプル間隔に応じて選択した第1の偶数倍音用係数を乗じた第1の補正値を加算し、前記第1の極大サンプルより1サンプル前の第2の隣接サンプルより、前記第2の隣接サンプルと前記第1の極大サンプルとの第2の差分値に前記第1の偶数倍音用係数を乗じた第2の補正値を減算し、前記第1の極大サンプルに続く次のサンプルである第3の隣接サンプルに、前記第1の極大サンプルと前記第3の隣接サンプルとの第3の差分値に、前記係数選択部が前記第1の極大サンプルと前記第2の極小サンプルとの第2のサンプル間隔に応じて選択した第2の偶数倍音用係数を乗じた第3の補正値を加算し、前記第2の極小サンプルより1サンプル前の第4の隣接サンプルより、前記第4の隣接サンプルと前記第2の極小サンプルとの第4の差分値に前記第2の偶数倍音用係数を乗じた第4の補正値を減算することによって、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する。
上記のデジタル音声処理装置において、前記偶数倍音付加部は、前記第2の偶数倍音付加処理として、前記第1の隣接サンプルより前記第1の補正値を減算し、前記第2の隣接サンプルに前記第2の補正値を加算し、前記第3の隣接サンプルより前記第3の補正値を減算し、前記第4の隣接サンプルに前記第4の補正値を加算することによって、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する。
上記のデジタル音声処理装置において、前記奇数倍音付加部は、前記第1の極小サンプルより、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルより1サンプル前の第5の隣接サンプルとの第5の差分値に、前記係数選択部が前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルの直前の第2の極大サンプルとの第3のサンプル間隔に応じて選択した第1の奇数倍音用係数を乗じた第5の補正値を減算し、前記第1の極大サンプルに、前記第2の差分値に前記係数選択部が前記第1のサンプル間隔に応じて選択した第2の奇数倍音用係数を乗じた第6の補正値を加算し、前記第2の極小サンプルより、前記第4の差分値に前記係数選択部が前記第2のサンプル間隔に応じて選択した第3の奇数倍音用係数を乗じた第7の補正値を減算することによって、前記デジタル音声信号に奇数倍音を付加する奇数倍音付加処理を実行する。
実施形態の第2の態様によれば、入力されたデジタル音声信号を構成するサンプルにおける極大値を算出して、極大値を有する極大サンプルを検出し、前記デジタル音声信号を構成するサンプルにおける極小値を算出して、極小値を有する極小サンプルを検出し、前記デジタル音声信号を構成するサンプルが極小サンプルから極大サンプルへとサンプル値が上昇していく波形部分であるか、極大サンプルから極小サンプルへとサンプル値が下降していく波形部分であるかを判定し、時間方向に隣接する極小サンプルと極大サンプルとの間のサンプル間隔をカウントするデジタル音声処理方法が提供される。
上記のデジタル音声処理方法は、前記デジタル音声信号を構成するサンプルが、第1の極小サンプルから第1の極大サンプルへと上昇し、前記第1の極大サンプルから第2の極小サンプルへと下降するとき、第1の偶数倍音付加処理と、第2の偶数倍音付加処理とのいずれか一方を実行する。
上記のデジタル音声処理方法は、第1の偶数倍音付加処理として、前記第1の極小サンプルに続く次のサンプルである第1の隣接サンプルに、前記第1の極小サンプルと前記第1の隣接サンプルとの第1の差分値に、前記第1の極小サンプルと前記第1の極大サンプルとの第1のサンプル間隔に応じて選択した第1の偶数倍音用係数を乗じた第1の補正値を加算し、前記第1の極大サンプルより1サンプル前の第2の隣接サンプルより、前記第2の隣接サンプルと前記第1の極大サンプルとの第2の差分値に前記第1の偶数倍音用係数を乗じた第2の補正値を減算し、前記第1の極大サンプルに続く次のサンプルである第3の隣接サンプルに、前記第1の極大サンプルと前記第3の隣接サンプルとの第3の差分値に、前記第1の極大サンプルと前記第2の極小サンプルとの第2のサンプル間隔に応じて選択した第2の偶数倍音用係数を乗じた第3の補正値を加算し、前記第2の極小サンプルより1サンプル前の第4の隣接サンプルより、前記第4の隣接サンプルと前記第2の極小サンプルとの第4の差分値に前記第2の偶数倍音用係数を乗じた第4の補正値を減算することによって、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する。
上記のデジタル音声処理方法は、第2の偶数倍音付加処理として、前記第1の隣接サンプルより前記第1の補正値を減算し、前記第2の隣接サンプルに前記第2の補正値を加算し、前記第3の隣接サンプルより前記第3の補正値を減算し、前記第4の隣接サンプルに前記第4の補正値を加算することによって、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する。
上記のデジタル音声処理方法は、前記第1の極小サンプルより、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルより1サンプル前の第5の隣接サンプルとの第5の差分値に、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルの直前の第2の極大サンプルとの第3のサンプル間隔に応じて選択した第1の奇数倍音用係数を乗じた第5の補正値を減算し、前記第1の極大サンプルに、前記第2の差分値に前記第1のサンプル間隔に応じて選択した第2の奇数倍音用係数を乗じた第6の補正値を加算し、前記第2の極小サンプルより、前記第4の差分値に前記第2のサンプル間隔に応じて選択した第3の奇数倍音用係数を乗じた第7の補正値を減算することによって、前記デジタル音声信号に奇数倍音を付加する奇数倍音付加処理を実行する。
実施形態の第3の態様によれば、コンピュータに、入力されたデジタル音声信号を構成するサンプルにおける極大値を算出して、極大値を有する極大サンプルを検出するステップと、前記デジタル音声信号を構成するサンプルにおける極小値を算出して、極小値を有する極小サンプルを検出するステップと、前記デジタル音声信号を構成するサンプルが極小サンプルから極大サンプルへとサンプル値が上昇していく波形部分であるか、極大サンプルから極小サンプルへとサンプル値が下降していく波形部分であるかを判定するステップと、時間方向に隣接する極小サンプルと極大サンプルとの間のサンプル間隔をカウントするステップとを実行させるデジタル音声処理プログラムが提供される。
上記のデジタル音声処理プログラムは、前記デジタル音声信号を構成するサンプルが、第1の極小サンプルから第1の極大サンプルへと上昇し、前記第1の極大サンプルから第2の極小サンプルへと下降するとき、コンピュータに、第1の偶数倍音付加ステップと、第2の偶数倍音付加ステップとのいずれか一方を実行させる。
上記のデジタル音声処理プログラムは、コンピュータに、第1の偶数倍音付加ステップとして、前記第1の極小サンプルに続く次のサンプルである第1の隣接サンプルに、前記第1の極小サンプルと前記第1の隣接サンプルとの第1の差分値に、前記第1の極小サンプルと前記第1の極大サンプルとの第1のサンプル間隔に応じて選択した第1の偶数倍音用係数を乗じた第1の補正値を加算するステップと、前記第1の極大サンプルより1サンプル前の第2の隣接サンプルより、前記第2の隣接サンプルと前記第1の極大サンプルとの第2の差分値に前記第1の偶数倍音用係数を乗じた第2の補正値を減算するステップと、前記第1の極大サンプルに続く次のサンプルである第3の隣接サンプルに、前記第1の極大サンプルと前記第3の隣接サンプルとの第3の差分値に、前記第1の極大サンプルと前記第2の極小サンプルとの第2のサンプル間隔に応じて選択した第2の偶数倍音用係数を乗じた第3の補正値を加算するステップと、前記第2の極小サンプルより1サンプル前の第4の隣接サンプルより、前記第4の隣接サンプルと前記第2の極小サンプルとの第4の差分値に前記第2の偶数倍音用係数を乗じた第4の補正値を減算するするステップとを実行させて、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する。
上記のデジタル音声処理プログラムは、コンピュータに、第2の偶数倍音付加ステップとして、前記第1の隣接サンプルより前記第1の補正値を減算するステップと、前記第2の隣接サンプルに前記第2の補正値を加算するステップと、前記第3の隣接サンプルより前記第3の補正値を減算するステップと、前記第4の隣接サンプルに前記第4の補正値を加算するステップとを実行させて、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する。
上記のデジタル音声処理プログラムは、コンピュータに、前記第1の極小サンプルより、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルより1サンプル前の第5の隣接サンプルとの第5の差分値に、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルの直前の第2の極大サンプルとの第3のサンプル間隔に応じて選択した第1の奇数倍音用係数を乗じた第5の補正値を減算するステップと、前記第1の極大サンプルに、前記第2の差分値に前記第1のサンプル間隔に応じて選択した第2の奇数倍音用係数を乗じた第6の補正値を加算するステップと、前記第2の極小サンプルより、前記第4の差分値に前記第2のサンプル間隔に応じて選択した第3の奇数倍音用係数を乗じた第7の補正値を減算するステップとを含む、前記デジタル音声信号に奇数倍音を付加する奇数倍音付加ステップを実行させる。
本発明のデジタル音声処理装置、デジタル音声処理方法、及びデジタル音声処理プログラムによれば、サンプル値が上昇していく波形部分とサンプル値が下降していく波形部分との双方の波形を補正して、デジタル音声信号に偶数倍音と奇数倍音との双方を付加することができる.
一実施形態のデジタル音声処理装置を示すブロック図である。 一実施形態のデジタル音声処理装置に入力されるデジタル音声信号の一例を示す波形図である。 極大サンプル・極小サンプル間のサンプル間隔ごとに設定されている係数を示す係数テーブルの例を示す図である。 サンプル間隔が3fsであるときの第1の偶数倍音付加処理及び奇数倍音付加処理を示す波形図である。 サンプル間隔が3fsであるときの第2の偶数倍音付加処理及び奇数倍音付加処理を示す波形図である。 サンプル間隔が6fsであるときの第1の偶数倍音付加処理及び奇数倍音付加処理を示す波形図である。 サンプル間隔が6fsであるときの第2の偶数倍音付加処理及び奇数倍音付加処理を示す波形図である。 サンプル間隔が2fsであるときの第1の偶数倍音付加処理及び奇数倍音付加処理を示す波形図である。 サンプル間隔が2fsであるときの第2の偶数倍音付加処理及び奇数倍音付加処理を示す波形図である。 一実施形態のデジタル音声処理装置で実行される処理、一実施形態のデジタル音声処理方法、一実施形態のデジタル音声処理プログラムがコンピュータに実行させる処理を示すフローチャートである。 デジタル音声信号の補正によって逆転現象が発生する、サンプル間隔が3fsの波形の一例を示す波形図である。 図11Aに示すサンプル間隔が3fsの波形の補正によって逆転現象が発生した状態を示す波形図である。 デジタル音声信号の補正によって逆転現象が発生する、サンプル間隔が4fsの波形の一例を示す波形図である。 図12Aに示すサンプル間隔が4fsの波形の補正によって逆転現象が発生した状態を示す波形図である。 サンプル間隔が3fsの波形の場合に逆転現象を回避する処理の第1の例を示すフローチャートである。 サンプル間隔が3fsの波形の場合に逆転現象を回避する処理の第2の例を示すフローチャートである。 図13または図14に示す処理によって逆転現象を回避した状態の第1の例を示す波形図である。 図13または図14に示す処理によって逆転現象を回避した状態の第2の例を示す波形図である。 サンプル間隔が4fs以上の波形の場合に逆転現象を回避する処理を示すフローチャートである。 図16に示す処理によって逆転現象を回避した状態の第1の例を示す波形図である。 図16に示す処理によって逆転現象を回避した状態の第2の例を示す波形図である。 一実施形態のデジタル音声処理プログラムを実行するマイクロコンピュータの構成例を示すブロック図である。
以下、一実施形態のデジタル音声処理装置、デジタル音声処理方法、及びデジタル音声処理プログラムについて、添付図面を参照して説明する。
図1において、一実施形態のデジタル音声処理装置100は、極大サンプル検出部11、極小サンプル検出部12、波形傾斜判定部13、カウンタ14、係数選択部15、係数テーブル保持部16、高調波成分付加部17を備える。高調波成分付加部17は、偶数倍音付加部171及び奇数倍音付加部172を有する。デジタル音声処理装置100は、回路を含むハードウェアによって構成されていてもよいし、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとが混在していてもよい。デジタル音声処理装置100は、集積回路によって構成されていてもよい。
極大サンプル検出部11及び極小サンプル検出部12には、所定の量子化ビット数及び所定のサンプリング周波数のデジタル音声信号が入力される。極大サンプル検出部11は、入力されたデジタル音声信号における隣接するサンプルの大小関係を判定することによって、極大値を有する極大サンプルを検出する。極小サンプル検出部12は同様にして極小値を有する極小サンプルを検出する。極大サンプル及び極小サンプルは、波形傾斜判定部13及びカウンタ14に供給される。
波形傾斜判定部13は、極大サンプルと極小サンプルとが入力される順に基づき、サンプル値が上昇していく波形部分であるかサンプル値が下降していく波形部分であるかを判定する。波形傾斜判定部13は、極小サンプルの次に極大サンプルが入力されれば、極小サンプルと極大サンプルとの間の波形部分はサンプル値が上昇していく波形部分であると判定する。波形傾斜判定部13は、極大サンプルの次に極小サンプルが入力されれば、極大サンプルと極小サンプルとの間の波形部分はサンプル値が下降していく波形部分であると判定する。波形傾斜判定部13による判定結果は、高調波成分付加部17に供給される。
カウンタ14は、極小サンプルと極大サンプルとのサンプル間隔を検出する。図2は、デジタル音声処理装置100に入力されるデジタル音声信号の波形の一例を示している。図2において、サンプルS0は極小サンプルであり、サンプルS3は極大サンプルである。図2に示す極小サンプルS0と極大サンプルS3との間のサンプル間隔は3である。隣接する極小サンプルと極大サンプルとの間隔をfsと表記すると、図2に示す極小サンプルS0と極大サンプルS3との間隔は3fsとなる。
なお、極小サンプルと極大サンプルとのサンプル間隔とは、サンプル値が上昇していく波形部分の極小サンプルと極大サンプルとのサンプル間隔と、サンプル値が下降していく波形部分の極大サンプルと極小サンプルとのサンプル間隔との双方を含む。
カウンタ14が検出したサンプル間隔は、係数選択部15に供給される。係数選択部15には、ユーザが設定した係数選択信号が入力される。係数テーブル保持部16には、図3に示すような係数テーブルが保持されている。係数テーブルは、サンプル間隔及び係数選択信号に応じて、後述するサンプルに加算またはサンプルから減算する補正値を生成する際に用いられる係数を示している。
図3において、サンプル間隔として2サンプルから8サンプルまで、係数選択信号“00”,“01”,“10”,“11”に対応させて、1/2~1/128の係数が設定されている。図3に示す各係数は一例であり、図3に示す係数に限定されるものではない。最大のサンプル間隔は8サンプルに限定されない。係数選択信号“00”,“01”,“10”,“11”は、補正値のレベルを選択するレベル選択信号として機能する。
係数選択信号“00”が設定されれば、デジタル音声信号を補正する程度が最大となり、係数選択信号“11”が設定されれば、デジタル音声信号を補正する程度が最小となる。なお、係数選択信号によって係数を選択することよって補正値を調整することは必須ではないが、調整可能とすることが好ましい。係数選択信号によって係数を選択しないようにする場合には、係数テーブルには係数選択信号“00”,“01”,“10”,“11”のうちのいずれか1つの係数が設定されていればよい。
図3に示す係数は、偶数倍音付加部171がデジタル音声信号に偶数倍音を付加する際に用いる偶数倍音用係数であり、奇数倍音付加部172がデジタル音声信号に奇数倍音を付加する際に用いる奇数倍音用係数である。偶数倍音用係数と奇数倍音用係数とは同じ係数である場合があり、異なる係数である場合がある。
図1に戻り、係数選択部15は、カウンタ14から供給されたサンプル間隔及び係数選択信号に基づいて、係数テーブルより、偶数倍音付加部171で用いられる偶数倍音用係数と奇数倍音付加部172で用いられる奇数倍音用係数とを読み出して、それぞれ偶数倍音付加部171及び奇数倍音付加部172に供給する。
ここで、図4~図9を用いて、偶数倍音付加部171及び奇数倍音付加部172の具体的な動作を説明する。図4において、実線または破線の丸はサンプルを示しており、破線で示すサンプルは補正前のサンプル、実線で示すサンプルは補正後のサンプルである。極小サンプルS0と極大サンプルS3とのサンプル間隔、極大サンプルS3と極小サンプルS6とのサンプル間隔はいずれも3fsである。係数選択信号は“00”に設定されているとする。
偶数倍音付加部171は、極小サンプルS0の1つ後のサンプルS1に、極小サンプルS0とサンプルS1との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS1は補正値Vaddの加算によってサンプルS1’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、極大サンプルS3の1つ前のサンプルS2より、サンプルS2と極大サンプルS3との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS2は補正値Vsubの減算によってサンプルS2’に補正される。
サンプルS1に加算される補正値Vaddは極小サンプルS0とサンプルS1との差分値の1/2であり、サンプルS2より減算される補正値VsubはサンプルS2と極大サンプルS3との差分値の1/2である。
さらに、偶数倍音付加部171は、極大サンプルS3の1つ後のサンプルS4に、極大サンプルS3とサンプルS4との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS4は補正値Vaddの加算によってサンプルS4’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、極小サンプルS6の1つ前のサンプルS5より、サンプルS5と極小サンプルS6との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS5は補正値Vsubの減算によってサンプルS5’に補正される。
サンプルS4に加算される補正値Vaddは極大サンプルS3とサンプルS4との差分値の1/2であり、サンプルS5より減算される補正値VsubはサンプルS5と極小サンプルS6との差分値の1/2である。
奇数倍音付加部172は、極小サンプルS0より、極小サンプルS0と1つ前のサンプルS99との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS0は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS0’に補正される。極小サンプルS0と極小サンプルS0より前側に隣接する極大サンプルとのサンプル間隔が3fsであるとすれば、極小サンプルS0より減算される補正値VsubはサンプルS99と極小サンプルS0との差分値の1/2である。
加えて、奇数倍音付加部172は、極大サンプルS3に、サンプルS2と極大サンプルS3との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。極大サンプルS3は補正値Vaddの加算によって極大サンプルS3’に補正される。極大サンプルS3に加算される補正値VaddはサンプルS2と極大サンプルS3との差分値の1/2である。
さらに、奇数倍音付加部172は、極小サンプルS6より、極小サンプルS6と1つ前のサンプルS5との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS6は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS6’に補正される。極小サンプルS6より減算される補正値Vsubは極小サンプルS6とサンプルS5との差分値の1/2である。
高調波成分付加部17が以上のようにしてデジタル音声信号の補正対象のサンプルに対して補正値Vaddを加算または補正値Vsubを減算することにより、一点鎖線で示す波形が実線で示す波形へと補正される。偶数倍音付加部171及び奇数倍音付加部172は、サンプルS7以降も同様にデジタル音声信号を補正する。これによって、デジタル音声信号には偶数倍音及び奇数倍音を含む高調波成分が付加される。
高調波成分付加部17は、図5に示すように補正対象のサンプルに対して補正値Vaddを加算または補正値Vsubを減算してデジタル音声信号を補正してもよい。同様に、係数選択信号は“00”に設定されているとする。
偶数倍音付加部171は、サンプルS1より、極小サンプルS0とサンプルS1との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS1は補正値Vsubの減算によってサンプルS1’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、サンプルS2に、サンプルS2と極大サンプルS3との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS2は補正値Vaddの加算によってサンプルS2’に補正される。
サンプルS1より減算される補正値Vsubは極小サンプルS0とサンプルS1との差分値の1/2であり、サンプルS2に加算される補正値VaddはサンプルS2と極大サンプルS3との差分値の1/2である。
さらに、偶数倍音付加部171は、サンプルS4より、極大サンプルS3とサンプルS4との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS4は補正値Vsubの減算によってサンプルS4’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、サンプルS5に、サンプルS5と極小サンプルS6との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS5は補正値Vaddの加算によってサンプルS5’に補正される。
サンプルS4より減算される補正値Vsubは極大サンプルS3とサンプルS4との差分値の1/2であり、サンプルS5に加算される補正値VaddはサンプルS5と極小サンプルS6との差分値の1/2である。
奇数倍音付加部172は、極小サンプルS0より、サンプルS99と極小サンプルS0との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS0は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS0’に補正される。極小サンプルS0と極小サンプルS0より前側に隣接する極大サンプルとのサンプル間隔が3fsであるとすれば、極小サンプルS0より減算される補正値Vsubは極小サンプルS0とサンプルS99との差分値の1/2である。
加えて、奇数倍音付加部172は、極大サンプルS3に、サンプルS2と極大サンプルS3との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。極大サンプルS3は補正値Vaddの加算によって極大サンプルS3’に補正される。極大サンプルS3に加算される補正値VaddはサンプルS2と極大サンプルS3との差分値の1/2である。
さらに、奇数倍音付加部172は、極小サンプルS6より、サンプルS5と極小サンプルS6との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS6は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS6’に補正される。極小サンプルS6より減算される補正値VsubはサンプルS5と極小サンプルS6との差分値の1/2である。
高調波成分付加部17が以上のようにしてデジタル音声信号の補正対象のサンプルに対して補正値Vaddを加算または補正値Vsubを減算することにより、一点鎖線で示す波形が実線で示す波形へと補正される。偶数倍音付加部171及び奇数倍音付加部172は、サンプルS7以降も同様にデジタル音声信号を補正する。これによって、デジタル音声信号には偶数倍音及び奇数倍音を含む高調波成分が付加される。
デジタル音声処理装置100は、図4または図5に示すようにサンプル値が上昇していく波形部分とサンプル値が下降していく波形部分との双方の波形を補正することによって、デジタル音声信号に偶数倍音と奇数倍音との双方を含む高調波成分を付加することができる。
偶数倍音付加部171は、極小サンプルと極大サンプルとのサンプル間隔が3fs~8fsのいずれであっても、極小サンプルより1つ前のサンプル及び1つ後のサンプルと、極大サンプルより1つ前のサンプル及び1つ後のサンプルのみを補正対象のサンプルとしてもよい。
偶数倍音付加部171は、極小サンプルと極大サンプルとのサンプル間隔が例えば6fs~8fsであるとき、極小サンプルより2つ前のサンプル及び2つ後のサンプルと、極大サンプルより2つ前のサンプル及び2つ後のサンプルを補正対象のサンプルに加えてもよい。
図6を用いて、偶数倍音付加部171が、極小サンプルの前後の2サンプルずつ、及び極大サンプルの前後の2サンプルずつの合計4サンプルを補正対象のサンプルとする場合の動作を説明する。図6は、図4に示す偶数倍音の付加方法を4サンプルに拡張した付加方法に相当する。図6においては、極小サンプルS0から次の極小サンプルS12までの範囲のサンプルに対してのみ補正値及び補正後のサンプルを示している。
偶数倍音付加部171は、サンプルS1に、極小サンプルS0とサンプルS1との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算し、サンプルS2に、サンプルS1とサンプルS2との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS1及びS2は補正値Vaddの加算によってそれぞれサンプルS1’及びS2’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、サンプルS4より、サンプルS4とサンプルS5との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算し、サンプルS5より、サンプルS5と極大サンプルS6との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS4及びS5は補正値Vsubの減算によってそれぞれサンプルS4’及びS5’に補正される。
さらに、偶数倍音付加部171は、サンプルS7に、極大サンプルS6とサンプルS7との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算し、サンプルS8に、サンプルS7とサンプルS8との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS7及びS8は補正値Vaddの加算によってそれぞれサンプルS7’及びS8’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、サンプルS10より、サンプルS10とサンプルS11との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算し、サンプルS11より、サンプルS11と極小サンプルS12との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS10及びS11は補正値Vsubの減算によってそれぞれサンプルS10’及びS11’に補正される。
奇数倍音付加部172は、極小サンプルS0より、サンプルS99と極小サンプルS0との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS0は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS0’に補正される。奇数倍音付加部172は、極大サンプルS6に、サンプルS5と極大サンプルS6との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。極大サンプルS6は補正値Vaddの加算によって極大サンプルS6’に補正される。奇数倍音付加部172は、極小サンプルS12より、サンプルS11と極小サンプルS12との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS12は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS12’に補正される。
高調波成分付加部17が以上のようにしてデジタル音声信号の補正対象のサンプルに対して補正値Vaddを加算または補正値Vsubを減算することにより、一点鎖線で示す波形が実線で示す波形へと補正される。
高調波成分付加部17は、図7に示すように補正対象のサンプルに対して補正値Vaddを加算または補正値Vsubを減算してデジタル音声信号を補正してもよい。図7は、図5に示す偶数倍音の付加方法を4サンプルに拡張した付加方法に相当する。
偶数倍音付加部171は、サンプルS1より、極小サンプルS0とサンプルS1との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算し、サンプルS2より、サンプルS1とサンプルS2との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS1及びS2は補正値Vsubの減算によってそれぞれサンプルS1’及びS2’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、サンプルS4に、サンプルS4とサンプルS5との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算し、サンプルS5に、サンプルS5と極大サンプルS6との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS4及びS5は補正値Vaddの加算によってそれぞれサンプルS4’及びS5’に補正される。
さらに、偶数倍音付加部171は、サンプルS7より、極大サンプルS6とサンプルS7との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算し、サンプルS8より、サンプルS7とサンプルS8との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。また、偶数倍音付加部171は、サンプルS10に、サンプルS10とサンプルS11との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算し、サンプルS11に、サンプルS11と極小サンプルS12との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS7及びS8は補正値Vsubの減算によってそれぞれサンプルS7’及びS8’に補正される。サンプルS10及びS11は補正値Vaddの加算によってそれぞれサンプルS10’及びS11’に補正される。
奇数倍音付加部172は、極小サンプルS0より、サンプルS99と極小サンプルS0との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS0は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS0’に補正される。奇数倍音付加部172は、極大サンプルS6に、サンプルS5と極大サンプルS6との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。極大サンプルS6は補正値Vaddの加算によって極大サンプルS6’に補正される。奇数倍音付加部172は、極小サンプルS12より、サンプルS11と極小サンプルS12との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS12は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS12’に補正される。
高調波成分付加部17が以上のようにしてデジタル音声信号の補正対象のサンプルに対して補正値Vaddを加算または補正値Vsubを減算することにより、一点鎖線で示す波形が実線で示す波形へと補正される。
偶数倍音付加部171は、極小サンプルの前後の3サンプル以上を補正対象のサンプルとして補正値Vaddを加算または補正値Vsubを減算してもよい。補正対象のサンプルをいくつにするかは設計的な事項である。サンプル間隔が増えるほど、補正対象のサンプルを増やしてもよい。
ところで、サンプル間隔が2fsであるときには、極小サンプルと極大サンプルとの間の中間サンプルは、補正値Vaddが加算される対象とサンプルかつ補正値Vsubが減算される対象のサンプルとなってしまう。そこで、偶数倍音付加部171は、サンプル間隔が2fsであるとき、図8または図9のようにデジタル音声信号を補正するのがよい。
図8は図4に示す偶数倍音の付加方法に対応する。図8において、偶数倍音付加部171は、サンプルS1より、サンプルS1と極大サンプルS2との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS1は補正値Vsubの減算によってサンプルS1’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、サンプルS3に、極大サンプルS2とサンプルS3との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS3は補正値Vaddの加算によってサンプルS3’に補正される。
奇数倍音付加部172は、極小サンプルS0より、サンプルS99と極小サンプルS0との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS0は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS0’に補正される。奇数倍音付加部172は、極大サンプルS2に、サンプルS1と極大サンプルS2との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。極大サンプルS2は補正値Vaddの加算によって極大サンプルS2’に補正される。奇数倍音付加部172は、極小サンプルS4より、サンプルS3と極小サンプルS4との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。極小サンプルS4は補正値Vsubの減算によって極小サンプルS4’に補正される。
図9は図5に示す偶数倍音の付加方法に対応する。図9において、偶数倍音付加部171は、サンプルS1に、サンプルS1と極大サンプルS2との差分値に係数を乗じた補正値Vaddを加算する。サンプルS1は補正値Vaddの加算によってサンプルS1’に補正される。また、偶数倍音付加部171は、サンプルS3より、極大サンプルS2とサンプルS3との差分値に係数を乗じた補正値Vsubを減算する。サンプルS3は補正値Vsubの減算によってサンプルS3’に補正される。奇数倍音付加部172の動作は図8と同様である。
デジタル音声処理装置100が、サンプル間隔が3fs以上のデジタル音声信号を処理する動作をまとめると、次のとおりである。デジタル音声信号を構成するサンプルが、第1の極小サンプルから第1の極大サンプルへと上昇し、第1の極大サンプルから第2の極小サンプルへと下降するとする。図4及び図5においては、極小サンプルS0が第1の極小サンプル、極大サンプルS3が第1の極大サンプル、極小サンプルS6が第2の極小サンプルである。図6及び図7においては、極小サンプルS0が第1の極小サンプル、極大サンプルS6が第1の極大サンプル、極小サンプルS12が第2の極小サンプルである。
偶数倍音付加部171は、第1の偶数倍音付加処理と第2の偶数倍音付加処理とのいずれか一方を実行する。
第1の偶数倍音付加処理は次のとおりである。偶数倍音付加部171は、第1の極小サンプルに続く次のサンプルである第1の隣接サンプルに、第1の極小サンプルと第1の隣接サンプルとの第1の差分値に、第1の偶数倍音用係数を乗じた第1の補正値を加算する。第1の偶数倍音用係数は、係数選択部15によって第1の極小サンプルと第1の極大サンプルとの第1のサンプル間隔に応じて選択される。偶数倍音付加部171は、第1の極大サンプルより1サンプル前の第2の隣接サンプルより、第2の隣接サンプルと第1の極大サンプルとの第2の差分値に第1の偶数倍音用係数を乗じた第2の補正値を減算する。
偶数倍音付加部171は、第1の極大サンプルに続く次のサンプルである第3の隣接サンプルに、第1の極大サンプルと第3の隣接サンプルとの第3の差分値に、第2の偶数倍音用係数を乗じた第3の補正値を加算する。第2の偶数倍音用係数は、係数選択部15によって第1の極大サンプルと第2の極小サンプルとの第2のサンプル間隔に応じて選択される。第2の偶数倍音用係数は、第1の偶数倍音用係数と同じ係数の場合もあるし、異なる係数の場合もある。偶数倍音付加部171は、第2の極小サンプルより1サンプル前の第4の隣接サンプルより、第4の隣接サンプルと第2の極小サンプルとの第4の差分値に第2の偶数倍音用係数を乗じた第4の補正値を減算する。
第2の偶数倍音付加処理は次のとおりである。偶数倍音付加部171は、第1の隣接サンプルより第1の補正値を減算し、第2の隣接サンプルに第2の補正値を加算する。偶数倍音付加部171は、第3の隣接サンプルより第3の補正値を減算し、第4の隣接サンプルに第4の補正値を加算する。
奇数倍音付加部172は、次の奇数倍音付加処理を実行する。奇数倍音付加部172は、第1の極小サンプルより、第1の極小サンプルと第1の極小サンプルより1サンプル前の第5の隣接サンプルとの第5の差分値に、第1の奇数倍音用係数を乗じた第5の補正値を減算する。第1の奇数倍音用係数は、係数選択部15によって第1の極小サンプルと第1の極小サンプルの直前の第2の極大サンプルとの第3のサンプル間隔に応じて選択される。
奇数倍音付加部172は、第1の極大サンプルに、第2の差分値に第2の奇数倍音用係数を乗じた第6の補正値を加算する。第2の奇数倍音用係数は、係数選択部15によって第1のサンプル間隔に応じて選択される。第2の奇数倍音用係数は、第1の偶数倍音用係数と同じである。奇数倍音付加部172は、第2の極小サンプルより、第4の差分値に第3の奇数倍音用係数を乗じた第7の補正値を減算する。第3の奇数倍音用係数は、係数選択部15によって第2のサンプル間隔に応じて選択される。第3の奇数倍音用係数は、第2の偶数倍音用係数と同じである。
以上のようにして、偶数倍音付加部171及び奇数倍音付加部172を有する高調波成分付加部17は、入力されたデジタル音声信号に偶数倍音及び奇数倍音を含む高調成分を付加して出力する。
図10に示すフローチャートを用いて、デジタル音声処理装置100で実行される処理であるデジタル音声処理方法を説明する。図10において、デジタル音声処理装置100にデジタル音声信号が入力されて処理が開始されると、極大サンプル検出部11及び極小サンプル検出部12は、ステップS01にて、極大サンプル及び極小サンプルを検出する。波形傾斜判定部13は、ステップS02にて、デジタル音声信号を構成するサンプルが極小サンプルから極大サンプルへとサンプル値が上昇していく波形部分であるか、極大サンプルから極小サンプルへとサンプル値が下降していく波形部分であるかを判定する。
ステップS02と並行して、カウンタ14は、ステップS03にて、時間方向に隣接する極小サンプルと極大サンプルとの間のサンプル間隔をカウントする。係数選択部は、ステップS04にて、カウンタ14がカウントしたサンプル間隔に応じて偶数倍音用係数と奇数倍音用係数とを選択する。
偶数倍音付加部171及び奇数倍音付加部172は、ステップS05にて、偶数倍音用補正値である補正値Vadd及びVsubを算出し、奇数倍音用補正値である補正値Vadd及びVsubを算出する。偶数倍音付加部171及び奇数倍音付加部172は、ステップS06にて、デジタル音声信号に偶数倍音用補正値及び奇数倍音用補正値を加減算して、デジタル音声信号の波形を補正する。
デジタル音声処理装置100は、ステップS07にて、デジタル音声信号の入力が終了したか否かを判定する。デジタル音声信号の入力が終了していなければ(NO)、デジタル音声処理装置100はステップS01~S07の処理を繰り返す。デジタル音声信号の入力が終了していれば(YES)、デジタル音声処理装置100は処理を終了させる。
ところで、サンプル間隔が3fsである図4に示す第1の偶数倍音付加処理においては、互いに隣接するサンプルS1及びS2のうち、サンプルS1に補正値Vaddを加算し、かつサンプルS2より補正値Vsubを減算する。従って、補正値Vaddの大きさと補正値Vsubの大きさとの関係によっては、サンプルS1’とサンプルS2’との大小関係が逆転する逆転現象が発生し得る。同様に、図5に示す第2の偶数倍音付加処理においては、サンプルS4’とサンプルS5’との大小関係が逆転する逆転現象が発生し得る。
図11A及び図11Bを用いて、第1の偶数倍音付加処理を例にして、サンプルS1’とサンプルS2’との大小関係が逆転する場合を説明する。図11Aにおいて、極小サンプルS0とサンプルS1との差分値をΔ01、サンプルS1とサンプルS2との差分値をΔ12、サンプルS2と極大サンプルS3との差分値をΔ23とする。差分値Δ23は差分値Δ01及びΔ12より格段に大きい。
このような場合、図11Bに示すように、サンプルS1に加算される補正値VaddよりサンプルS2より減算される補正値Vsubが格段に大きくなる。図11Bは係数を1/2とした場合を示す。よって、サンプルS1からサンプルS2へとサンプル値が上昇する波形が、サンプルS1’からサンプルS2’へとサンプル値が下降する波形となってしまう。このようなサンプルS1’とサンプルS2’のサンプル値の逆転現象は、補正前の本来の波形を損ねてしまうので、逆転現象の発生を回避することが望ましい。
サンプル間隔が4fs以上である場合にも、逆転現象が発生し得る。図12Aにおいて、極小サンプルS0とサンプルS1との差分値をΔ01、サンプルS1とサンプルS2との差分値をΔ12、サンプルS2とサンプルS3との差分値をΔ23、サンプルS3と極大サンプルS4との差分値をΔ34とする。差分値Δ01は差分値Δ12より格段に大きく、差分値Δ34は差分値Δ23より格段に大きい。
このような場合、図12Bに示すように、サンプルS1に加算される補正値Vaddが差分値Δ12より大きく、サンプルS1’のサンプル値がサンプルS2のサンプル値より大きくなる逆転現象が発生し得る。また、サンプルS3より減算される補正値Vsubが差分値Δ23より大きく、サンプルS3’のサンプル値がサンプルS2のサンプル値より小さくなる逆転現象が発生し得る。図12Bは係数を1/2とした場合を示す。
サンプル間隔が4fs以上である場合において、補正値Vaddが加算された補正サンプルのサンプル値が次のサンプルのサンプル値より大きくなる逆転現象の発生を回避することが望ましい。また、補正値Vsubが減算された補正サンプルのサンプル値が1サンプル前のサンプルのサンプル値より小さくなる逆転現象の発生を回避することが望ましい。
そこで、偶数倍音付加部171は、サンプル間隔が3fsで第1の隣接サンプルと第2の隣接サンプルとが隣接するとき、次のようにして第1の偶数倍音付加処理を実行するのがよい。偶数倍音付加部171は、第1の隣接サンプルに第1の補正値を加算した第1の補正サンプルと、第2の隣接サンプルより第2の補正値を減算した第2の補正サンプルとのサンプル値の大小関係が逆転しないように、第1の補正値及び第2の補正値を制限する。
また、偶数倍音付加部171は、次のようにして第2の偶数倍音付加処理を実行するのがよい。偶数倍音付加部171は、第3の隣接サンプルより第3の補正値を減算した第3の補正サンプルと、第4の隣接サンプルに第4の補正値を加算した第4の補正サンプルとのサンプル値の大小関係が逆転しないように、第3の補正値及び第4の補正値を制限する。
具体的には、デジタル音声処理装置100は、サンプル間隔が3fsである場合の逆転現象の発生を回避するため、図13に示す処理を含むように、図10のステップS05及びS06を実行させるのがよい。図13はサンプル間隔が3fsの波形の場合に逆転現象を回避する処理の第1の例であり、第1の偶数倍音付加処理を例としている。第2の偶数倍音付加処理において逆転現象の発生を回避する場合の処理も同様である。
偶数倍音付加部171は、ステップS501にて、極小サンプルS0とサンプルS1との差分値Δ01、サンプルS1とサンプルS2との差分値Δ12、サンプルS2と極大サンプルS3との差分値Δ23を算出する。偶数倍音付加部171は、ステップS502にて、最大補正値Vaddmax及びVsubmaxを算出し、ステップS503にて、補正値Vadd及びVsubを算出する。ステップS502とステップS503との順は逆でもよい。第1の例として、最大補正値Vaddmax及びVsubmaxを差分値Δ12の1/2とする。最大補正値Vaddmax及びVsubmaxを差分値Δ12の1/2未満の値としてもよい。
偶数倍音付加部171は、ステップS601にて、補正値Vaddが最大補正値Vaddmaxを超えているか否かを判定する。補正値Vaddが最大補正値Vaddmaxを超えていなければ(NO)、偶数倍音付加部171は、ステップS602にて、補正値Vaddを選択して、処理をステップS604に移行させる。補正値Vaddが最大補正値Vaddmaxを超えていれば(YES)、偶数倍音付加部171は、ステップS603にて、最大補正値Vaddmaxを選択して、処理をステップS604に移行させる。
偶数倍音付加部171は、ステップS604にて、補正値Vsubが最大補正値Vsubmaxを超えているか否かを判定する。補正値Vsubが最大補正値Vsubmaxを超えていなければ(NO)、偶数倍音付加部171は、ステップS605にて、補正値Vsubを選択して、処理をステップS607に移行させる。補正値Vsubが最大補正値Vsubmaxを超えていれば(YES)、偶数倍音付加部171は、ステップS606にて、最大補正値Vsubmaxを選択して、処理をステップS607に移行させる。
偶数倍音付加部171は、ステップS607にて、サンプルS1に補正値Vaddまたは最大補正値Vaddmaxを加算し、サンプルS2より補正値Vsubまたは最大補正値Vsubmaxを減算する。
このようにすると、補正値Vadd及びVsubはサンプルS1とサンプルS2との中央値を超えないので、逆転現象の発生が回避される。
第2の例として、最大補正値Vaddmax及びVsubmaxを、差分値Δ12を差分値Δ01と差分値Δ23との比で分割した値に設定してもよい。最大補正値Vaddmaxは、(Δ01×Δ12)/(Δ01+Δ23)で計算され、最大補正値Vsubmaxは、(Δ23×Δ12)/(Δ01+Δ23)で計算される。このようにすると、補正値Vadd及びVsubは差分値Δ12を差分値Δ01と差分値Δ23との比で分割した値を超えないので、逆転現象の発生が回避される。
図13においては、例えば、補正値Vaddが小さく、補正値Vsubが大きい場合には、補正値Vaddと補正値Vsubとの加算値が差分値Δ12を超えないことがある。この場合、実際には逆転現象は発生しない。実際に逆転現象が発生するか否かにかかわらず、補正値Vaddが最大補正値Vaddmaxを超えていれば、補正値Vaddは最大補正値Vaddmaxに制限され、補正値Vsubが最大補正値Vsubmaxを超えていれば、補正値Vsubは最大補正値Vsubmaxに制限される。
デジタル音声処理装置100は、サンプル間隔が3fsである場合の逆転現象の発生を回避するため、図13に示す処理の代わりに図14に示す処理を含むように、図10のステップS05及びS06を実行させてもよい。図14はサンプル間隔が3fsの波形の場合に逆転現象を回避する処理の第2の例であり、第1の偶数倍音付加処理を例としている。第2の偶数倍音付加処理において逆転現象の発生を回避する場合の処理も同様である。
図14におけるステップS501~S503は図13のステップS501~S503と同じである。図14においても、最大補正値Vaddmax及びVsubmaxは差分値Δ12の1/2であってもよいし、差分値Δ12を差分値Δ01と差分値Δ23との比で分割した値であってもよい。
図14において、偶数倍音付加部171は、ステップS611にて、補正値Vaddと補正値Vsubとの加算値が差分値Δ12を超えるか否かを判定する。加算値が差分値Δ12を超えるということは、逆転現象が発生するということである。加算値が差分値Δ12を超えなければ(NO)、偶数倍音付加部171は、ステップS612にて、補正値Vadd及びVsubを選択する。続けて、偶数倍音付加部171は、ステップS614にて、サンプルS1に補正値Vaddを加算し、サンプルS2より補正値Vsubを減算する。
ステップS611にて加算値が差分値Δ12を超えれば(YES)、偶数倍音付加部171は、ステップS613にて、最大補正値Vaddmax及びVsubmaxを選択する。続けて、偶数倍音付加部171は、ステップS615にて、サンプルS1に最大補正値Vaddmaxを加算し、サンプルS2より最大補正値Vsubmaxを減算する。
図14においては、補正値Vaddと補正値Vsubとの加算値が差分値Δ12を超えて実際に逆転現象が発生する場合に、補正値Vaddが最大補正値Vaddmaxに制限され、補正値Vsubが最大補正値Vsubmaxに制限される。
図15Aは、図13または図14に示す処理によって、逆転現象の発生を回避している場合を示している。図15Aに示す補正前の波形は図11Aの波形と同じである。図15Aは、最大補正値Vaddmax及びVsubmaxを差分値Δ12の1/2とした場合を示す。この場合、サンプルS1’及びS2’は同じ値であり、波形は平坦となる。図15Bは、最大補正値Vaddmax及びVsubmaxを差分値Δ12の1/2未満の値とした場合を示す。この場合、サンプルS1’はサンプルS2’より小さい値であるので、傾斜した波形が維持される。
以上のように、偶数倍音付加部171は、第1のサンプル間隔が3fsで第1の隣接サンプルと第2の隣接サンプルとが隣接して、第1の偶数倍音付加処理を実行するときには、次のようにして逆転現象の発生を回避すればよい。偶数倍音付加部171は、第1の隣接サンプルに第1の補正値を加算した第1の補正サンプルと、第2の隣接サンプルより第2の補正値を減算した第2の補正サンプルとのサンプル値の大小関係が逆転しないように、第1の補正値及び第2の補正値を制限する。
偶数倍音付加部171は、第2のサンプル間隔が3fsで第3の隣接サンプルと第4の隣接サンプルとが隣接して、第2の偶数倍音付加処理を実行するときには、次のようにして逆転現象の発生を回避すればよい。偶数倍音付加部171は、第3の隣接サンプルより第3の補正値を減算した第3の補正サンプルと、第4の隣接サンプルに第4の補正値を加算した第4の補正サンプルとのサンプル値の大小関係が逆転しないように、第3の補正値及び第4の補正値を制限する。
デジタル音声処理装置100は、サンプル間隔が4fs以上である場合の逆転現象の発生を回避するため、図16に示す処理を含むように、図10のステップS05及びS06を実行させるのがよい。図16は、偶数倍音付加部171が、極小サンプルを挟む2つのサンプルと極大サンプルを挟む2つのサンプルに対してのみ、補正値Vaddを加算するか補正値Vsubを減算する場合を示す。図16は第1の偶数倍音付加処理を例としている。第2の偶数倍音付加処理において逆転現象の発生を回避する場合の処理も同様である。
極大サンプルをSn、極大サンプルSnの1つ前のサンプルをS(n-1)、2つ前のサンプルをS(n-2)とする。サンプルをS(n-2)とサンプルS(n-1)との差分値をΔ(n-2,n-1)、サンプルS(n-1)と極大サンプルSnとの差分値をΔ(n-1,n)とする。
図16において、偶数倍音付加部171は、ステップS511にて、極小サンプルS0とサンプルS1との差分値Δ01、サンプルS1とサンプルS2との差分値Δ12、サンプルS(n-2)とサンプルS(n-1)との差分値Δ(n-2,n-1)、サンプルS(n-1)と極大サンプルSnとの差分値Δ(n-1,n)を算出する。
偶数倍音付加部171は、ステップS512にて、差分値Δ12を最大補正値Vaddmaxに設定し、差分値Δ(n-2,n-1)を最大補正値Vsubmaxに設定する。偶数倍音付加部171は、ステップS513にて、補正値Vadd及びVsubを算出する。ステップS512とステップS513との順は逆でもよい。差分値Δ12に1未満の値を乗じて差分値Δ12より小さな値を最大補正値Vaddmaxに設定し、差分値Δ(n-2,n-1)に1未満の値を乗じて差分値Δ(n-2,n-1)より小さな値を最大補正値Vsubmaxに設定してもよい。
偶数倍音付加部171は、ステップS621にて、補正値Vaddが最大補正値Vaddmaxを超えているか否かを判定する。補正値Vaddが最大補正値Vaddmaxを超えていなければ(NO)、偶数倍音付加部171は、ステップS622にて、補正値Vaddを選択して、処理をステップS624に移行させる。補正値Vaddが最大補正値Vaddmaxを超えていれば(YES)、偶数倍音付加部171は、ステップS623にて、最大補正値Vaddmaxを選択して、処理をステップS624に移行させる。
偶数倍音付加部171は、ステップS624にて、補正値Vsubが最大補正値Vsubmaxを超えているか否かを判定する。補正値Vsubが最大補正値Vsubmaxを超えていなければ(NO)、偶数倍音付加部171は、ステップS625にて、補正値Vsubを選択して、処理をステップS627に移行させる。補正値Vsubが最大補正値Vsubmaxを超えていれば(YES)、偶数倍音付加部171は、ステップS626にて、最大補正値Vsubmaxを選択して、処理をステップS627に移行させる。
偶数倍音付加部171は、ステップS627にて、サンプルS1に補正値Vaddまたは最大補正値Vaddmaxを加算し、サンプルS2より補正値Vsubまたは最大補正値Vsubmaxを減算する。
図16に示す処理によって、図17Aまたは図17Bに示すように、サンプルS1’のサンプル値がサンプルS2のサンプル値より大きくなる逆転現象の発生が回避される。また、サンプルS3’のサンプル値がサンプルS2のサンプル値より小さくなる逆転現象の発生が回避される。図17A及び図17Bは、サンプル間隔が4fsである場合を示す。
図17Aは、差分値Δ12を最大補正値Vaddmaxに設定し、差分値Δ23を最大補正値Vsubmaxに設定した場合を示す。この場合、サンプルS1’、サンプルS2、及びサンプルS3’は同じ値であり、波形は平坦となる。図17Bは、差分値Δ12より小さな値を最大補正値Vaddmaxに設定し、差分値Δ23より小さな値を最大補正値Vsubmaxに設定した場合を示す。この場合、サンプルS1’はサンプルS2より小さい値であり、サンプルS3’はサンプルS2より大きな値であるので、傾斜した波形が維持される。
以上のように、偶数倍音付加部171は、第1のサンプル間隔が4fs以上で第1の偶数倍音付加処理を実行するときには、次のようにして逆転現象の発生を回避すればよい。偶数倍音付加部171は、第1の補正サンプルのサンプル値が第1の隣接サンプルに続く次のサンプルのサンプル値より大きくならないように、第1の補正値を制限する。また、偶数倍音付加部171は、第2の補正サンプルのサンプル値が第2の隣接サンプルより1サンプル前のサンプルのサンプル値より小さくならないように、第2の補正値を制限する。
偶数倍音付加部171は、第2のサンプル間隔が4fs以上で第2の偶数倍音付加処理を実行するときには、次のようにして逆転現象の発生を回避すればよい。偶数倍音付加部171は、第3の補正サンプルのサンプル値が第3の隣接サンプルに続く次のサンプルのサンプル値より小さくならないように、第3の補正値を制限する。また、偶数倍音付加部171は、第4の補正サンプルのサンプル値が第4の隣接サンプルより1サンプル前のサンプルのサンプル値より大きくならないように、第4の補正値を制限する。
偶数倍音付加部171が、図6または図7に示すように、極小サンプルを挟む2つずつの4つサンプルと極大サンプルを挟む2つずつの4つサンプルに補正値Vaddを加算するか補正値Vsubを減算する場合には、偶数倍音付加部171は、次のようにして逆転現象の発生を回避してもよい。
図6において、偶数倍音付加部171は、補正サンプルS1’のサンプル値が次の補正サンプルS2’のサンプル値より大きくならないように第1の補正値を制限する。偶数倍音付加部171は、補正サンプルS5’のサンプル値が1サンプル前の補正サンプルS4’のサンプル値より小さくならないように、第2の補正値を制限する。図7において、偶数倍音付加部171は、補正サンプルS7’のサンプル値が次の補正サンプルS8’のサンプル値より小さくならないように、第3の補正値を制限する。偶数倍音付加部171は、偶数倍音付加部171は、補正サンプルS11’のサンプル値が1サンプル前の補正サンプルS10’のサンプル値より大きくならないように第4の補正値を制限する。
偶数倍音付加部171は、補正対象のサンプルをさらに増やした場合には、同様に、各補正対象のサンプルに隣接する補正サンプルのサンプル値より大きくなったり、小さくなったりしないように、補正値を制限すればよい。
図1に示すデジタル音声処理装置100は、マイクロコンピュータの中央処理装置(CPU)がデジタル音声処理プログラムを実行することによって実現することができる。図18において、CPU50と、メインメモリ55と、記憶媒体60とがバスによって接続されている。記憶媒体60は、ハードディスクドライブ、光ディスク、半導体メモリ等の任意の非一時的な記憶媒体である。記憶媒体60には、デジタル音声処理プログラムが記憶されている。デジタル音声処理プログラムは、外部のサーバからインターネット等の通信回線を介して送信されて記憶媒体60に記憶されてもよい。
CPU50は、記憶媒体60に記憶されているデジタル音声処理プログラムをメインメモリ55にロードする。CPU50は、メインメモリ55にロードされたデジタル音声処理プログラムに記述されている各命令を実行することによって、図10に示す処理を実行させる。CPU50は、上述した第1の偶数倍音付加処理に相当する第1の偶数倍音付加ステップと第2の偶数倍音付加処理に相当する第2の偶数倍音付加ステップとのいずれか一方と、上述した奇数倍音付加処理に相当する奇数倍音付加ステップを実行させる。
CPU50は、サンプル間隔が3fsであるときに、図13または図14に示す処理に相当する、逆転現象の発生を回避するように、第1の補正値及び第2の補正値を制限するステップ、または、第3の補正値及び第4の補正値を制限するステップを設けることが好ましい。CPU50は、サンプル間隔が4fs以上であるときに、図16に示す処理に相当する、第1の補正値及び第2の補正値を制限するステップ、または、第3の補正値及び第4の補正値を制限するステップを設けることが好ましい。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。
11 極大サンプル検出部
12 極小サンプル検出部
13 波形傾斜判定部
14 カウンタ
15 係数選択部
16 係数テーブル保持部
17 高調波成分付加部
50 中央処理装置(CPU)
55 メインメモリ
60 記憶媒体
171 偶数倍音付加部
172 奇数倍音付加部
100 デジタル音声処理装置

Claims (5)

  1. 入力されたデジタル音声信号を構成するサンプルにおける極大値を算出して、極大値を有する極大サンプルを検出する極大サンプル検出部と、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルにおける極小値を算出して、極小値を有する極小サンプルを検出する極小サンプル検出部と、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルが極小サンプルから極大サンプルへとサンプル値が上昇していく波形部分であるか、極大サンプルから極小サンプルへとサンプル値が下降していく波形部分であるかを判定する波形傾斜判定部と、
    時間方向に隣接する極小サンプルと極大サンプルとの間のサンプル間隔をカウントするカウンタと、
    前記カウンタがカウントしたサンプル間隔に応じて偶数倍音用係数と奇数倍音用係数とを選択する係数選択部と、
    前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する偶数倍音付加部と奇数倍音を付加する奇数倍音付加部とを有し、前記デジタル音声信号に偶数倍音及び奇数倍音よりなる高調波成分を付加して出力する高調波成分付加部と、
    を備え、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルが、第1の極小サンプルから第1の極大サンプルへと上昇し、前記第1の極大サンプルから第2の極小サンプルへと下降するとき、
    前記偶数倍音付加部は、
    前記第1の極小サンプルに続く次のサンプルである第1の隣接サンプルに、前記第1の極小サンプルと前記第1の隣接サンプルとの第1の差分値に、前記係数選択部が前記第1の極小サンプルと前記第1の極大サンプルとの第1のサンプル間隔に応じて選択した第1の偶数倍音用係数を乗じた第1の補正値を加算し、
    前記第1の極大サンプルより1サンプル前の第2の隣接サンプルより、前記第2の隣接サンプルと前記第1の極大サンプルとの第2の差分値に前記第1の偶数倍音用係数を乗じた第2の補正値を減算し、
    前記第1の極大サンプルに続く次のサンプルである第3の隣接サンプルに、前記第1の極大サンプルと前記第3の隣接サンプルとの第3の差分値に、前記係数選択部が前記第1の極大サンプルと前記第2の極小サンプルとの第2のサンプル間隔に応じて選択した第2の偶数倍音用係数を乗じた第3の補正値を加算し、
    前記第2の極小サンプルより1サンプル前の第4の隣接サンプルより、前記第4の隣接サンプルと前記第2の極小サンプルとの第4の差分値に前記第2の偶数倍音用係数を乗じた第4の補正値を減算することによって、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する第1の偶数倍音付加処理と、
    前記第1の隣接サンプルより前記第1の補正値を減算し、
    前記第2の隣接サンプルに前記第2の補正値を加算し、
    前記第3の隣接サンプルより前記第3の補正値を減算し、
    前記第4の隣接サンプルに前記第4の補正値を加算することによって、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する第2の偶数倍音付加処理とのいずれか一方を実行し、
    前記奇数倍音付加部は、
    前記第1の極小サンプルより、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルより1サンプル前の第5の隣接サンプルとの第5の差分値に、前記係数選択部が前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルの直前の第2の極大サンプルとの第3のサンプル間隔に応じて選択した第1の奇数倍音用係数を乗じた第5の補正値を減算し、
    前記第1の極大サンプルに、前記第2の差分値に前記係数選択部が前記第1のサンプル間隔に応じて選択した第2の奇数倍音用係数を乗じた第6の補正値を加算し、
    前記第2の極小サンプルより、前記第4の差分値に前記係数選択部が前記第2のサンプル間隔に応じて選択した第3の奇数倍音用係数を乗じた第7の補正値を減算することによって、前記デジタル音声信号に奇数倍音を付加する奇数倍音付加処理を実行する
    デジタル音声処理装置。
  2. 前記偶数倍音付加部は、
    前記第1のサンプル間隔が3で前記第1の隣接サンプルと前記第2の隣接サンプルとが隣接して、前記第1の偶数倍音付加処理を実行するとき、
    前記第1の隣接サンプルに前記第1の補正値を加算した第1の補正サンプルと、前記第2の隣接サンプルより前記第2の補正値を減算した第2の補正サンプルとのサンプル値の大小関係が逆転しないように、前記第1の補正値及び前記第2の補正値を制限し、
    前記第2のサンプル間隔が3で前記第3の隣接サンプルと前記第4の隣接サンプルとが隣接して、前記第2の偶数倍音付加処理を実行するとき、前記第3の隣接サンプルより前記第3の補正値を減算した第3の補正サンプルと、前記第4の隣接サンプルに前記第4の補正値を加算した第4の補正サンプルとのサンプル値の大小関係が逆転しないように、前記第3の補正値及び前記第4の補正値を制限する
    請求項1に記載のデジタル音声処理装置。
  3. 前記偶数倍音付加部は、
    前記第1のサンプル間隔が4以上で前記第1の偶数倍音付加処理を実行するとき、前記第1の隣接サンプルに前記第1の補正値を加算した第1の補正サンプルのサンプル値が前記第1の隣接サンプルに続く次のサンプルのサンプル値より大きくならないように前記第1の補正値を制限し、前記第2の隣接サンプルより前記第2の補正値を減算した第2の補正サンプルのサンプル値が前記第2の隣接サンプルより1サンプル前のサンプルのサンプル値より小さくならないように前記第2の補正値を制限し、
    前記第2のサンプル間隔が4以上で前記第2の偶数倍音付加処理を実行するとき、前記第3の隣接サンプルより前記第3の補正値を減算した第3の補正サンプルのサンプル値が前記第3の隣接サンプルに続く次のサンプルのサンプル値より小さくならないように前記第3の補正値を制限し、前記第4の隣接サンプルに前記第4の補正値を加算した第4の補正サンプルのサンプル値が前記第4の隣接サンプルより1サンプル前のサンプルのサンプル値より大きくならないように前記第4の補正値を制限する
    請求項1または2に記載のデジタル音声処理装置。
  4. 入力されたデジタル音声信号を構成するサンプルにおける極大値を算出して、極大値を有する極大サンプルを検出し、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルにおける極小値を算出して、極小値を有する極小サンプルを検出し、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルが極小サンプルから極大サンプルへとサンプル値が上昇していく波形部分であるか、極大サンプルから極小サンプルへとサンプル値が下降していく波形部分であるかを判定し、
    時間方向に隣接する極小サンプルと極大サンプルとの間のサンプル間隔をカウントし、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルが、第1の極小サンプルから第1の極大サンプルへと上昇し、前記第1の極大サンプルから第2の極小サンプルへと下降するとき、
    前記第1の極小サンプルに続く次のサンプルである第1の隣接サンプルに、前記第1の極小サンプルと前記第1の隣接サンプルとの第1の差分値に、前記第1の極小サンプルと前記第1の極大サンプルとの第1のサンプル間隔に応じて選択した第1の偶数倍音用係数を乗じた第1の補正値を加算し、
    前記第1の極大サンプルより1サンプル前の第2の隣接サンプルより、前記第2の隣接サンプルと前記第1の極大サンプルとの第2の差分値に前記第1の偶数倍音用係数を乗じた第2の補正値を減算し、
    前記第1の極大サンプルに続く次のサンプルである第3の隣接サンプルに、前記第1の極大サンプルと前記第3の隣接サンプルとの第3の差分値に、前記第1の極大サンプルと前記第2の極小サンプルとの第2のサンプル間隔に応じて選択した第2の偶数倍音用係数を乗じた第3の補正値を加算し、
    前記第2の極小サンプルより1サンプル前の第4の隣接サンプルより、前記第4の隣接サンプルと前記第2の極小サンプルとの第4の差分値に前記第2の偶数倍音用係数を乗じた第4の補正値を減算することによって、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する第1の偶数倍音付加処理と、
    前記第1の隣接サンプルより前記第1の補正値を減算し、
    前記第2の隣接サンプルに前記第2の補正値を加算し、
    前記第3の隣接サンプルより前記第3の補正値を減算し、
    前記第4の隣接サンプルに前記第4の補正値を加算することによって、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する第2の偶数倍音付加処理とのいずれか一方を実行し、
    前記第1の極小サンプルより、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルより1サンプル前の第5の隣接サンプルとの第5の差分値に、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルの直前の第2の極大サンプルとの第3のサンプル間隔に応じて選択した第1の奇数倍音用係数を乗じた第5の補正値を減算し、
    前記第1の極大サンプルに、前記第2の差分値に前記第1のサンプル間隔に応じて選択した第2の奇数倍音用係数を乗じた第6の補正値を加算し、
    前記第2の極小サンプルより、前記第4の差分値に前記第2のサンプル間隔に応じて選択した第3の奇数倍音用係数を乗じた第7の補正値を減算することによって、前記デジタル音声信号に奇数倍音を付加する奇数倍音付加処理を実行する
    デジタル音声処理方法。
  5. コンピュータに、
    入力されたデジタル音声信号を構成するサンプルにおける極大値を算出して、極大値を有する極大サンプルを検出するステップと、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルにおける極小値を算出して、極小値を有する極小サンプルを検出するステップと、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルが極小サンプルから極大サンプルへとサンプル値が上昇していく波形部分であるか、極大サンプルから極小サンプルへとサンプル値が下降していく波形部分であるかを判定するステップと、
    時間方向に隣接する極小サンプルと極大サンプルとの間のサンプル間隔をカウントするステップと、
    を実行させ、
    前記デジタル音声信号を構成するサンプルが、第1の極小サンプルから第1の極大サンプルへと上昇し、前記第1の極大サンプルから第2の極小サンプルへと下降するとき、
    前記第1の極小サンプルに続く次のサンプルである第1の隣接サンプルに、前記第1の極小サンプルと前記第1の隣接サンプルとの第1の差分値に、前記第1の極小サンプルと前記第1の極大サンプルとの第1のサンプル間隔に応じて選択した第1の偶数倍音用係数を乗じた第1の補正値を加算するステップと、
    前記第1の極大サンプルより1サンプル前の第2の隣接サンプルより、前記第2の隣接サンプルと前記第1の極大サンプルとの第2の差分値に前記第1の偶数倍音用係数を乗じた第2の補正値を減算するステップと、
    前記第1の極大サンプルに続く次のサンプルである第3の隣接サンプルに、前記第1の極大サンプルと前記第3の隣接サンプルとの第3の差分値に、前記第1の極大サンプルと前記第2の極小サンプルとの第2のサンプル間隔に応じて選択した第2の偶数倍音用係数を乗じた第3の補正値を加算するステップと、
    前記第2の極小サンプルより1サンプル前の第4の隣接サンプルより、前記第4の隣接サンプルと前記第2の極小サンプルとの第4の差分値に前記第2の偶数倍音用係数を乗じた第4の補正値を減算するするステップと、
    を含む、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する第1の偶数倍音付加ステップと、
    前記第1の隣接サンプルより前記第1の補正値を減算するステップと、
    前記第2の隣接サンプルに前記第2の補正値を加算するステップと、
    前記第3の隣接サンプルより前記第3の補正値を減算するステップと、
    前記第4の隣接サンプルに前記第4の補正値を加算するステップと、
    を含む、前記デジタル音声信号に偶数倍音を付加する第2の偶数倍音付加ステップとのいずれか一方を実行させ、
    前記第1の極小サンプルより、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルより1サンプル前の第5の隣接サンプルとの第5の差分値に、前記第1の極小サンプルと前記第1の極小サンプルの直前の第2の極大サンプルとの第3のサンプル間隔に応じて選択した第1の奇数倍音用係数を乗じた第5の補正値を減算するステップと、
    前記第1の極大サンプルに、前記第2の差分値に前記第1のサンプル間隔に応じて選択した第2の奇数倍音用係数を乗じた第6の補正値を加算するステップと、
    前記第2の極小サンプルより、前記第4の差分値に前記第2のサンプル間隔に応じて選択した第3の奇数倍音用係数を乗じた第7の補正値を減算するステップと、
    を含む、前記デジタル音声信号に奇数倍音を付加する奇数倍音付加ステップを実行させる
    デジタル音声処理プログラム。
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