JP7251029B2 - マシジミの養殖方法及び養殖システム - Google Patents

マシジミの養殖方法及び養殖システム Download PDF

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Description

この発明は、淡水で生育するマシジミの養殖技術に関し、特に、母貝から放出された幼生を母貝まで成長させるマシジミの養殖技術に関するものである。
日本固有のシジミ(蜆)には、マシジミ(真蜆)、セタシジミ(瀬田蜆)、ヤマトシジミ(大和蜆)の3種類があり、マシジミ、セタシジミは、完全な淡水域で生息し、ヤマトシジミは、汽水域で生息する。セタシジミ、ヤマトシジミが、アサリ、ハマグリ等の一般的な二枚貝と同様に雌雄異体であり、水中に精子と卵子を放出して受精し、幼生、稚貝、成貝(「親貝」ともいう。)と成長するのに対し、マシジミは雌雄同体であり、体内で産卵・受精して、孵化した幼生を体外へ放出し、稚貝、成貝へと成長することが知られている。なお、幼生は、例えば、ヤマトシジミでは、詳細には、トロコフォア幼生、D型幼生前期、D型幼生後期等の段階を経て稚貝へと成長するが、本発明では、特に断らない限り、これらを総称して単に「幼生」という。セタシジミは、琵琶湖および琵琶湖水系にのみ生息している。ヤマトシジミは日本全国の汽水域に生息しており、市場に流通しているのはヤマトシジミが殆どである。マシジミも古来、日本中の平野部・山間部の大小の河川、水路等の完全な淡水域に生息していたが、現在では、生息数が激減し、マシジミの市場での流通はみられない。ここで、成貝が幼生を放出するまでに繁殖可能に生育したものを、特に「母貝」という。
マシジミの生息数が激減した理由はいくつか挙げられるが、元々絶対的な生息数が少ない上に、農業用化学肥料、農薬、生活排水等で河川、水路等が汚染されたことによる生育環境の悪化や、水害防止のための河川改修、宅地開発等によるマシジミの生育可能場所の減少、外来種の移入による生態系の破壊(遺伝子の汚染)等がある。このような、マシジミの生息数の激減要因は、セタシジミやヤマトシジミにも無関係ではなく、その生息数の減少が懸念されている。特に、マシジミは、絶滅が危惧されており、個人、企業、行政等を問わず、マシジミの保護対策への取り組みが行われているものの、完全養殖は実現されていない。また、古来、シジミが肝臓の働きをよくすることは広く知られており、近年、シジミに豊富に含まれるメチオニン、オルニチン、タウリン、ビタミンB12等をシジミエキスとして抽出してサプリメント食品としての商品化も進んでおり、シジミの新たな市場性が期待されている。必須アミノ酸のメチオニン、非必須アミノ酸のオルニチンは、いずれも肝機能亢進作用を示すことが報告されている。さらに、二枚貝の浄化作用を利用して、河川・湖沼・汽水域の等の浄化システムを構築することも検討されており、特に、マシジミは、ヤマトシジミ、セタシジミに比べて繁殖期間が長いことから、大量生産の可能性があり、浄化システムへの利用も期待される。
ところで、シジミは、上述したように、受精卵から、幼生、稚貝、成貝、母貝へと成長していき、特に、幼生が成貝になるまでの生存率を高めることが難しいことが知られている。以下、マシジミを中心に説明する。受精後、放出されたマシジミのD型幼生の体長は約100μm~200μmであり、すぐに稚貝として成長し、水底の砂利等に着底する。また、明確な定義はないが、稚貝が成長して体長約1mm程度になると成貝と呼ばれており、この段階から摂食活動を始めるものといわれている。成貝が成長して(明確な定義はないが、体長約10mm)繁殖可能になると母貝と呼ばれている。ここで、本願発明者は、マシジミの体長が600μm程度になると摂食活動を始めることを確認し、稚貝から成貝になるまでの間に、新たな成長段階(以下、「小貝」という。)があることを見出し、マシジミの成長段階は、幼生(体長約100μm~200μm)、稚貝(体長約200μm~600μm)、小貝(体長約600μ~1mm)、成貝(体長約1mm~10mm)、母貝(体長約10mm以上)の5つの成長段階に区分されると考えている。
ところで、アサリ、雌雄異体のシジミ等(例えば、ヤマトシジミ、セタシジミ等。)の二枚貝の養殖技術に関しては、従来から様々な提案がなされているが、その殆どは、採取した稚貝を母貝まで成長させる技術、母貝の生育技術に関するものであり、母貝から産卵させた卵を母貝まで成長・生育させる技術は、あまり提案されておらず、特に、幼生を放出する雌雄同体のマシジミの養殖技術については、さらに提案が少ない。例えば、特許文献1には、「貝類の個体数を効果的に増やすことができる貝類の養殖装置を提供することを目的」として、「上流から下流に向けて育成水が流れる流下水槽を有する貝類の養殖装置であって、前記流下水槽は、母貝を育成する母貝育成部と、前記母貝育成部に分岐口を介して連通する区画部と、を備え、前記母貝育成部から前記分岐口を介して前記区画部に分岐する前記育成水は、前記母貝育成部で産卵された卵又は該卵からふ化した浮遊幼生が通過可能な細孔部を有するフィルターを介して前記区画部に流入することを特徴とする貝類の養殖装置」(「請求項1」参照。)が記載されている。
特開2019-41701号公報 特開2019-50764号公報
上記特許文献1に記載の発明は、「卵又は浮遊幼生」が「動物性プランクトン」に捕食されるのを低減するために「フィルター」を使用しており、「フィルター部材11の目詰まりを防止するための清掃作業などのメンテナンスを簡便に行うことができるようになっている(図8参照)」(特許文献1の明細書段落「0039」、図8参照。)と記載されているが、「フィルター13,13’の細孔部の目合は、略0.5mmに形成されている」(特許文献1の段落「0030」参照。)と記載されているので、この目合の大きさでは、フィルターを通過できない動物性プランクトンや、育成水中に含まれるゴミ等により、目詰まりを起こしやすく、フィルターの交換作業を頻繁に行わなければならず、作業効率が低下することが懸念される。また、「動物性プランクトン」の卵が、「フィルター13,13’」を通過して「稚貝槽32」に流入すると、「稚貝槽32」で「動物性プランクトン」が孵化・成長して、母貝に成長する前に稚貝を捕食してしまい、「貝類の個体数を効果的に増やす」ことができなくなる虞がある。
また、本願出願人の直近の研究では、母貝生育容器の底部に砂利を敷設する代わりに、母貝生育容器の底面及び側面にスリット状又はメッシュ状の透水孔を形成して、水流の流れをよくし、また、母貝生育容器の底面からエアレーションして母貝生育容器内の堆積物を除去することで、母貝の高密度で大量の養殖が実現できることがわかったが、稚貝を確実に大量に着底させるためには、母貝生育容器の底部に砂利を敷設する方法が効果的であることが分かった。
上記特許文献1は、フィルターで動物性プランクトンを除外するという技術思想であるが、本願出願人は、特許文献2において、フィルターを使用せず、マシジミの生育段階に応じて飼育水の流速を最適化することで、マシジミを着底させ、効率的に寄生虫を除外させるという、従来技術とは全く異なる技術思想を用いた発明を提案した。特許文献2には、「淡水環境で生息するマシジミの養殖方法において、マシジミの母貝から放出された幼生が成貝に成長するまでの生存率を高めるために、効率的な害虫の駆除を行うマシジミ養殖方法を提供することを目的」(特許文献2の明細書段落「0028」参照。)として、「母貝から放出された幼生を母貝まで成長させるマシジミ養殖方法であって、前記幼生から前記母貝までの成長段階に応じて、マシジミを生育する生育槽内の飼育水の流速を制御することを特徴とするマシジミ養殖方法」(特許文献2、「請求項1」参照。)が記載されている。本願出願人は、さらに、マシジミを高密度に生育し、収穫量を大幅に向上させるマシジミの養殖技術の研究を行ってきた。
このため、本発明では、淡水で生育し、雌雄同体であるマシジミの養殖技術に関し、特に、母貝から放出された幼生を稚貝に成長させ、この稚貝を母貝まで成長させるマシジミ養殖方法及び装置であって、母貝から放出された幼生を効果的に着底させ、着底後母貝まで高密度に生育し、成長させることができるマシジミの養殖方法及び養殖システムを提供することを目的とする。
また、本発明では、マシジミの成長段階に応じて構造が最適化されたマシジミの生育槽でマシジミを生育し、成長させるマシジミの養殖方法及び養殖システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、母貝から放出された幼生を母貝まで成長させるマシジミ養殖方法であって、少なくとも、母貝を生育し該母貝から幼生を放出させ、該幼生を稚貝に成長させる第1のステップと、前記稚貝を着底させる第2のステップと、着底した前記稚貝を母貝まで成長させる第3のステップと、成長した前記母貝をさらに成長させる第4のステップとを備え、前記第1のステップは、第1の生育槽内で、底部に透水孔が形成された第1の生育容器を用いて母貝を生育し、該母貝から幼生を放出させ、該幼生を稚貝まで成長させる第5のステップを含み、前記第2のステップは、第2の生育槽内において、内部に砂利が敷設され底部に透水孔が形成された第2の生育容器を用いて、幼生から成長した前記稚貝を前記砂利に着底させる第6のステップを含み、
前記第3のステップは、第3の生育槽内において、内部に砂利が敷設され底部に透水孔が形成された第3の生育容器を用いて、着底した前記稚貝を母貝まで成長させる第7のステップを含み、前記第4のステップは、成長した前記母貝を、底部に透水孔が形成された第4の生育容器を用いてさらに成長させる第8のステップを含むことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマシジミ養殖方法であって、前記第3の生育容器として、前記第2の生育容器を用いることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のマシジミ養殖方法であって、前記第1のステップは、さらに、前記第1の生育容器の底面中心部に対応する位置に設けられたエアレーション手段によりエアーを吐出し、該第1の生育容器の堆積物を除去する第9のステップを含み、前記第4のステップは、さらに、前記第4の生育容器の底面中心部に対応する位置に設けられたエアレーション手段によりエアーを吐出し、該第4の生育容器の堆積物を除去する第10のステップを含むことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、母貝から放出された幼生を母貝まで成長させるマシジミ養殖システムであって、少なくとも、母貝を生育し該母貝から幼生を放出させ、該幼生を稚貝まで成長させるように構成された第1の生育槽と、該稚貝を着底させるように構成された第2の生育槽と、着底した前記稚貝を母貝まで成長させるように構成された第3の生育槽と、成長した前記母貝をさらに成長させるように構成された第4の生育槽とを備え、前記第1の生育槽は、底部に透水孔形成された第1の生育容器を備え、該第1の生育容器で生育された前記母貝から幼生が放出され、該幼生を前記第1の生育槽内で稚貝に成長させる構成とされ、前記第2の生育槽は、内部に砂利が敷設され、底部に透水孔が形成された第2の生育容器を備え、該第2の生育容器は、前記稚貝が前記砂利に着底される構成とされ、前記第3の生育槽には、内部に砂利が敷設され、底部に透水孔が形成された第3の生育容器を備え、該第3の生育容器は、着底した前記稚貝を母貝まで成長させる構成とされ、前記第4の生育槽は、底部に透水孔が形成された第4の生育容器を備え、前記第3の生育容器で成長した母貝を該第4の生育容器でさらに成長させる構成とされることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のマシジミ養殖システムであって、前記第3の生育容器は、前記第2の育生槽から成長した前記稚貝が生育されている前記第2の生育容器を移設されたものであることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のマシジミ養殖システムであって、前記第1の生育槽において、前記第1の生育容器の底面の中心部に対応する位置にはエアレーション手段が設けられ、エアレーションにより前記第1の生育容器内の堆積物を除去可能に構成され、前記第4の生育槽において、前記第4の生育容器の底面の中心部に対応する位置にはエアレーション手段が設けられ、エアレーションにより前記第4の生育容器内の堆積物を除去可能に構成されていることを特徴とする。
本発明のマシジミ養殖方法及び養殖システムによれば、マシジミの成長段階に応じて最適化された構造を備えた生育槽で養殖することで、母貝から放出された幼生を着底可能な稚貝に成長させ効果的に着底させることができ、着底した稚貝を母貝まで高密度に生育し、成長させることができるという顕著な効果を奏することができる。
本発明のマシジミ養殖システムを説明する図である。 本発明の生育容器の正面図である。 本発明の生育容器の左側面図である。 本発明の生育容器の平面図である。 本発明の生育容器の底面図である。 本発明の架台の正面図である。 本発明の架台の左側面図である。 本発明の架台の右側面図である。 本発明の架台の平面図である。 本発明の生育容器セットの正面図である。 本発明の生育容器セットの左側面図である。 本発明の生育容器セットの平面図である。 本発明の別の生育容器セットの左側面図である。 本発明の別の架台を示す図である。 本発明の別の生育容器セットを示す図である。
以下、好適な実施形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、下記の実施形態は本発明を具現化した例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施形態)
[全体構成]
図1に、本発明の実施形態のマシジミ養殖システムを説明する図を示す。本発明に係る実施形態のマシジミ養殖システム1は、主な構成として、マシジミ養殖ステム1で生育し、成長させたマシジミの母貝aをさらに生育しながら、幼生bを放出させて着底可能な稚貝cに成長させ、成長した稚貝cを後段(図面右側)の稚貝着底槽3に放出する稚貝放出槽2と、稚貝放出槽2から放出された稚貝cを、積層して敷設された砂利6に着底させて、さらに着底した稚貝cを生育して所定の大きさまで成長させる稚貝着底槽3と、稚貝着底槽3において成長した稚貝cを生育して母貝dまで成長させる母貝成長槽4と、成長した母貝dを高密度に生育してさらに成長させる高密度母貝生育槽5を備えている。また、稚貝放出槽2及び高密度母貝生育槽5に飼育水18aを供給する飼育水供給槽18が設けられている。
本実施形態のマシジミ養殖システム1においては、マシジミの成長段階に応じて、上述した稚貝放出槽2、稚貝着底槽3、母貝成長槽4、高密度母貝生育槽5の4つの養殖槽を最適化して、効率的なマシジミの高密度養殖を実現している。従来、淡水で棲息するマシジミは、河川、湖沼の底の砂利を好んで棲息するものと考えられ、養殖する際にも、できるだけ自然環境に近くなるよう砂利を敷設した養殖槽を用いて母貝を生育することが知られていたが、本願出願人は、鋭意研究の結果、稚貝(約200μm~600μm)が成長して母貝(殻長が約10mmの大きさ。)になると、生育条件によっては砂利が全くなくても生存率が高いことを突き止め、底部(側面14a下部及び底面14b全面)に複数の透水孔が形成された生育容器14を用いて、稚貝放出槽2と高密度母貝生育槽5を構成することを発明した。本実施形態においては、透水孔として、生育容器14の側面下部にスリットS、生育容器14の底面にメッシュMを形成した。なお、本実施形態において、生育容器14の「底部」とは、生育容器14の側面(左右前後の4つの側面)14aの底面14bに連接した一定の下部領域、及び、底面14bの全面の領域を示すものとする。
ここで、高密度母貝生育槽5では、単面積(又は容積)当たりの母貝の養殖数を多くする、つまり、母貝eの高密度生育が目的であるので、1つの高密度母貝生育槽5(詳細には、後述する1つの生育容器14。)において大量の母貝eを生育することになる。そうすると、母貝eの排泄物によって、ヘドロ状の堆積物が高密度母貝生育槽5(詳細には、前述の生育容器14)内に堆積して、マシジミの生存率を下げてしまうので、この堆積物を除去する必要がある。そこで、本願出願人は、エアレーションによって、堆積物を除去することを発明した。通常、エアレーションは、飼育水18a中の溶存酸素量を増やす目的で用いられることが知られているが、本実施形態では、飼育水18aの水流によって溶存酸素量は確保されているので、堆積物の除去を第一の目的とする。
多数のエアレーション手段を設ければ、堆積物の除去効果は高まるが、その分、構成部品(エアー吐出部材、エアー配管、吸気ポンプ等。)が増え、製造費用・維持費用も高くなる。そこで、本願出願人は、構成を最も簡素化して費用を低減し、所定の堆積物除去効果を実現することができる構成を発明した。それが、本実施形態の高密度母貝生育槽5(稚貝放出槽2も同様である。)である。高密度母貝生育槽5には、底部に複数の透水孔が形成された複数の生育容器14が設けられているが、さらに、高密度母貝生育槽5において、生育容器14の底面の中心部1個所に対応する位置にエアレーション手段11を設けた構成にした。エアレーション手段11を生育容器14の底面14bの中心部1個所に対応する位置に設けることで、簡単な構成で、堆積物を除去し、マシジミの生存率を高めるという顕著な効果を奏することができた。なお、図1において、エアレーション手段11は、エアーの吐出部材のみを示しており、エアーを供給する吸気ポンプと、吸気ポンプからエアー吐出部にエアーを供給するエアー配管は、不図示である。エアーの吐出部材としては、例えば、公知のエアーストーンを用いることができる。
また、稚貝放出槽2においても、同様に、幼生を放出する母貝aを高密度に生育することになるので、生育容器14の底面14bの中心部1個所に対応する位置にエアレーション手段11を設けた構成にした。
図1のマシジミ養殖システムにおいては、稚貝放出槽2には、1つの架台13に1つの生育容器14が懸架された生育容器セット7が、上下に2つ配設された構成が図示されている。稚貝放出槽2に配設された生育容器14には、砂利は敷設されない。稚貝着底槽3には、同様に、1つの架台13に1つの生育容器14が懸架された生育容器セット8が、1つ配設された構成が図示されている。稚貝放出槽2及び高密度母貝生育槽5と異なり、稚貝着底槽3に配設された生育容器14の底部には、砂利6が敷設されている。また、母貝成長槽4には、1つの架台13に1つの生育容器14が懸架された生育容器セット9が、3つ連設された構成が図示されている。母貝成長槽2に配設される生育容器14には、砂利6が敷設される。ここで、生育容器セット9は、予め、マシジミがいない状態のもの(つまり、砂利6が敷設された生育容器14が、架台13に懸架された構成のもの。)を配設しておき、稚貝着底槽3の生育容器セット8で着底後所定の大きさに成長した稚貝cを移設してもよいし、着底・成長した稚貝cが生育された生育容器セット8自体を、母貝成長槽4に移設し、それを生育容器セット9として、稚貝cから母貝dまで生育するように構成してもよい。
稚貝着底槽3に設けられる生育容器14の底部には、粒径が約5mm~10mmの砂利6が積層して敷設されている。母貝aから放出された幼生b(約100μm~200μm)は、着底可能な稚貝cに成長する(約200μm)と足糸腺から分泌した足糸を底質に絡めて着底するのであるが、生育容器14の底面14bが金網やメッシュのような形状の構成のみであると、目合の空間部には当然着底できず、着底可能な部分が限定されてしまう。一方、生育容器14の底質が砂利であれば、着底可能なエリア(砂利の表面)が増えることになるので、金網やメッシュに比べて大量の稚貝を着底させることができる。
稚貝放出槽2には、飼育水供給槽18から、給水ポンプP1で流量を制御された飼育水18aが連続的に供給されている。同様に、高密度母貝生育槽5には、飼育水供給槽18から、給水ポンプP2で流量を制御された飼育水18aが連続的に供給されている。飼育水供給槽18は、本実施形態では、鯉の養殖に使用されていた養殖池を利用し、一定の貯水量を有し、給水ポンプP3により自然の河川水が絶えず流入しており、稚貝放出槽2及び高密度母貝生育槽5に供給される飼育水18aには、マシジミの餌となる植物性プランクトンが豊富に含まれている。飼育水供給槽18は、上記の養殖池に代えて、大小の河川、水路、又は、人工的に設置した飼育水供給用の構造物を利用してもよいが、本実施形態のように養殖池を利用したり、河川や、既設の池、水路等を利用した方が、建設費・維持費が少なくてすむ。また、動力を要する給水ポンプP1~P3に代えて、飼育水供給槽18と稚貝放出槽2との落差、また、飼育水供給槽18と高密度母貝生育槽5との落差を利用して、動力(ポンプ)を使わずに飼育水18aを供給する構成にしてもよい。
次に、個々の養殖槽について説明する。本実施形態のマシジミの養殖槽は、4つの生育槽を備え、第1の生育槽として稚貝放出槽2、第2の生育槽として稚貝着底槽3、第3の生育槽として母貝成長槽4、第4の生育槽として高密度母貝生育槽5を備えている。
[稚貝放出槽]
第1の生育槽としての稚貝放出槽2は、側壁及び底壁がコンクリートで形成され、内部に生育容器セット7が縦2段に配設されている。1つの生育容器セット7は、母貝aが投入された1つの生育容器14が1つの架台13に懸架されて構成されている。生育容器14の底部の側面14aには、透水孔としてのスリットSが形成され、底部の底面14bには、全面に透水孔としてのメッシュM(図1では不図示)が形成されている。生育容器14には砂利は敷設されておらず、母貝aは、生育容器14の底面14b上に積層されて生育される。稚貝放出槽2の底壁には、生育容器14の底面14bの中心に対応する位置にエアレーション手段11が配設されている。稚貝放出槽2は、飼育水供給配管15と、流量制御可能な給水ポンプP1を介して、飼育水供給槽18に連結され、稚貝輸送配管12を介して稚貝着底槽3と連結されている。飼育水供給配管15の飼育水18aの排出口15aは、稚貝放出槽2の底壁近傍に設けられ、稚貝輸送配管12の稚貝cの流入口12dは、稚貝放出槽2の上端近傍に設けられており、飼育水18aの水流が稚貝放出槽2の底壁側から上端方向へ流れ、稚貝cが効率よく稚貝輸送配管12へ流入することができる構成とされている。
稚貝放出槽2では、母貝aを生育して成長させながら、4月~10月の幼生放出期間(雌雄異体シジミの産卵期間に対応する期間)に母貝aから幼生bを放出させ、放出させた幼生bを稚貝cに成長させ(幼生bは、約1日程度で着底可能な稚貝cに成長する。)、成長した稚貝cを幼生輸送配管12を介して第2の養殖槽としての稚貝着底槽3に放出する構成をなしている。稚貝放出槽2から稚貝輸送配管12への稚貝cの流入は、オーバーフロー方式により実施される。稚貝放出槽2の飼育水18aの水面ws1は、稚貝放出槽2の上端近傍にあり、稚貝輸送配管12の上端と同位置である。
稚貝輸送配管12は、L字配管12aの先端に稚貝放出配管12bが連結されて構成されている。稚貝放出配管12bには、複数の稚貝放出孔12cが開孔されており、稚貝放出槽2から流入された着底可能な稚貝cは、飼育水18aと共に、稚貝放出孔12cから稚貝着底槽3に放出される。
[稚貝着底槽]
次に、稚貝着底槽3について説明する。本実施形態の稚貝着底槽3は、周囲(側壁及び底壁)がコンクリートで形成され、内部に生育容器セット8が配設されている。1つの生育容器セット8は、底部に砂利が積層して敷設された1つの生育容器14が1つの架台13に懸架されて構成されている。稚貝放出槽2の稚貝輸送配管12から放出された稚貝cは、砂利6に着底して生育され、一定の大きさ(殻長が約1mm)になるまで成長させる。なお、1mm程度に成長した稚貝のことを成貝と称することもある。
稚貝着底槽3の側壁の下端部には、排水口が形成され、この排水口は、母貝成長槽4の側壁下端部と水位調節排水管D1で連結されている。この水位調節排水管D1は、円筒形パイプにエルボパイプを連結した構成であり、排水口を有するエルボパイプが、図1の紙面に対し垂直方向の面内で回転可能に構成され、エルボパイプを回転させることで、排水位置の高さを調節することができる。例えば、排水口を母貝成長槽4の底壁に近づけるようにエルボパイプ回転すると、飼育水18aの水面ws2は下降し、排水口を母貝成長槽4の底壁から遠くなるようにエルボパイプを回転させると、飼育水18aの水面ws2は上昇する。このような水位調節により、稚貝着底槽3の飼育水18aの水面ws2と母貝成長槽4の飼育水18aの水面ws3とが、同じ高さになるように調節されている。稚貝着底槽3の飼育水18aの水面ws2は、生育容器14の上端部より下方に設定され、母貝成長槽4の飼育水18aの水面ws3は、生育容器14の上端部より上方に設定されている。
稚貝着底槽3では、上方の稚貝輸送配管12から供給された飼育水18aは、生育容器14に敷設された砂利6間を通過し、水位調節排出管D1から排出されるように構成されている。従って、飼育水18aと共に供給された稚貝cは、効率よく砂利6に着底することができる。
なお、砂利6は、稚貝着底槽3の底部全体に敷設されているが、図では敷設された一部の砂利6のみ示す。本実施形態の稚貝着底槽3では、粒径が5mm~10mmの砂利6を敷設しており、砂利6は、例えば、金網に比べ、着底するエリア(砂利の表面)が格段に広く、また、砂利6は、マシジミの自然の生育環境に近いので、大量の稚貝を効果的に着底させることができる。
[母貝成長槽]
次に、母貝成長槽4について説明する。第3の生育槽としての母貝成長槽4は、側壁及び底壁がコンクリートで形成され、内部に生育容器セット9が横3段に配設されている。1つの生育容器セット9は、底部に砂利6が積層して敷設された1つの生育容器14が1つの架台13に懸架されて構成されている。生育容器14では、稚貝着底槽3で砂利6に着底し、一定の大きさに成長した稚貝cが生育され、母貝(殻長が約10mm以上)になるまで成長させる。好適には、着底後一定の大きさに成長した稚貝cが生育されている稚貝着底槽3の生育容器セット8を、母貝成長槽4に移設し、生育容器セット9として構成する方が、効率的である。その際は、稚貝着底槽3に、新たな生育容器セット8を配設すればよい。母貝成長槽4において、水位調節排水管D1と対向する側の側壁下端部には、水位調節排水管D2が設けられている。水位調節排水管D2は、水位調節排水管D1と同様に、円筒形パイプにエルボパイプを連結した構成であり、排水口を有するエルボパイプが、図1の紙面に対し垂直方向の面内で回転可能に構成されており、エルボパイプを回転させ、排水位置の高さを調節することで、母貝成長槽4の飼育水18aの水面ws3の高さを調節することができる。
母貝成長槽4では、飼育水18aの水流が、横方向(図1の左側から右側)の流れとなるので、シジミの排泄物等が堆積しやすく、また、ユスリカ等の害虫も発生しやすいので、水流が約12m/分になるように設定されている。この流速であれば、1mm程度に成長した稚貝(成貝)が、飼育水18aと共に流出されることなく、堆積物の影響も少なく、害虫の発生も少なく、母貝d(殻長が約10mm)になるまで、マシジミを成長させることができる。
[高密度母貝生育槽]
次に、高密度母貝生育槽5について説明する。第4の生育槽としての高密度母貝生育槽5は、側壁及び底壁がコンクリートで形成され、内部に生育容器セット10が横2段に配設されている。1つの生育容器セット10は、上述した生育容器セット7~9と構成が異なり、4つの生育容器14が1つの架台20に懸架されて構成されている。生育容器14では、母貝成長槽4で母貝dに成長したマシジミを、高密度に生育して、さらに大きい母貝eに成長させる。上述したように、生育容器14の底部の側面14aには、透水孔としてのスリットSが形成され、底部の底面14bには、全面に透水孔としてのメッシュM(図1では不図示)が形成されている。また、稚貝放出槽2と同様に、生育容器14には砂利は敷設されておらず、母貝eは、生育容器14の底面14b上に積層されて高密度に生育され、また、高密度母貝生育槽5の底壁には、生育容器14の底面14bの中心に対応する位置にエアレーション手段11が配設されている。高密度母貝生育槽5には、飼育水供給配管16と給水ポンプP2を介して連結された飼育水供給槽18から飼育水18aが流量制御されて連続的に供給されている。
高密度母貝生育槽5において、飼育水供給配管16の排出口と対向する側の側壁下端部には、水位調節排水管D3が設けられている。水位調節排水管D3も、水位調節排水管D1,D2と同様の構成であり、エルボパイプを回転させ、排水位置の高さを調節することで、高密度母貝生育槽5の飼育水18aの水面ws4の高さを調節することができる。高密度母貝生育槽5の飼育水18aの水面ws4は、上段の生育容器14の上端よりも上方になるように水位調節されている。高密度母貝生育槽5では、殻長が約10mm以上の母貝のみを生育するので、害虫の影響を受けない。
高密度母貝生育槽5では、大量の母貝eを高密度に生育するので、母貝eの排泄物を中心とする堆積物が生育容器14内に堆積される虞があり、特に、上段の生育容器14からの母貝eの排泄物が下段の生育容器14に堆積することが懸念される。生育容器14には、上述したように、底部(側面14aの下部、及び、底面14b全面)に透水孔が形成されているので、飼育水18aの水流により、生育容器14の底部周縁付近の領域は、母貝eの排泄物を堆積することなく外部に排出することができる。そこで、高密度母貝生育槽5の底壁には、下段の生育容器14の底面の中心部1個所に対応する位置に、エアレーション手段11が設けられている。エアレーション手段11を生育容器14の底面14bの中心部1個所に対応する位置に設けることで、簡単な構成で、堆積物を除去し、マシジミの生存率を高めるという顕著な効果を奏することができた。生育容器セット10の数をさらに増加して配設すれば、さらに大量の母貝eを高密度に生育することができる。
なお、本実施形態において、生育容器セット7~9と、生育容器セット10は、異なる構成にしたが、生育容器セット7~9の構成を生育容器セット10と同じ構成にしてもよい。
[生育容器セット]
次に、生育容器セットの詳細な構成について図2~図15を参照しながら説明する。生育容器セットは、生育容器と、生育容器を懸架する架台とを備えており、生育容器は、生育容器セット7~10,50において全て同一の生育容器14を用い、架台は、生育容器セット7~9では、架台13を用い、生育容器セット10,50では、架台20を用いる。
[生育容器14]
まず、生育容器14について説明する。図2は、生育容器14の正面図であり、図3は、生育容器14の左側面図であり、図4は、生育容器14の平面図であり、図5は、生育容器14の底面図である。生育容器14は、図示するように、上方が開口した平面視長方形のトレイ形状の容器であり、左右前後の連接した側面14aと、側面14aに連接した底面14bを備えている。素材は合成樹脂である。側面14aの下部には、開孔幅が約3mm、開孔長が約16mmのスリットSが複数形成されている。また、図4、図5に示すように、底面14bは、開孔幅が約3mm、開孔長が約3mmの正方形状の開孔部を複数有するメッシュMが形成されている。スリットS、及び、メッシュMは、透水孔として用いられる。生育容器14の上縁部には、鍔部14cが設けられ、この鍔部14cを後述の架台13又は架台20の掛止部材に掛止させることで、生育容器14を架台13又は架台20に懸架することができる。底面14bには、強度補強用の補強用突条14dが形成され、鍔部14cの裏側には、強度補強用の補強用突片14eが複数形成されている。
生育容器14は、稚貝着底槽3にも共用される。稚貝着底槽3では、砂利6が積層して敷設された生育容器14を架台13に懸架し、上方から飼育水18aと共に稚貝cが放出され、稚貝cを砂利6に着底させる。飼育水18aの水面ws2は、生育容器14の上端部よりも下方に維持されるように設定されている。これは、飼育水18aが生育容器14の上端からオーバーフローして排出されると、同時に稚貝cも砂利6に着底する前に排出される虞があり、これを防止するためである。また、敷設される砂利6の最上層は、水面ws2よりも低く設定される。稚貝cが砂利6に着底することができるのは、水中に敷設された砂利6であり、水面ws2よりも上方に敷設された砂利6には、稚貝cが着底できないからである。そして、飼育水18aは、生育容器14の上方からスリットS、メッシュMを通過して下方に排出される。
ここで、スリットSが生育容器14の上端近傍まで形成してあると、水面ws2から砂利6の最上層までの間にスリットSの開孔部が存在することになり、この開孔部から生育容器14外に排出される稚貝cが発生し、稚貝cの着底率が低下する虞がある。そこで、本実施形態では、スリットSの開孔部の上端が、砂利6の最上層よりも低い位置になるように開孔長が設定されている。なお、稚貝cが排出されないようにスリットSの開孔幅を狭くすると、堆積物等による目詰まりで通過率が低下し、堆積物が生育容器14内に堆積し、稚貝の生存率が低下する虞がある。底面14bには、砂利6が全面に敷設されているので、稚貝cの排出は、特に問題ない。なお、上述したように、生育容器14の側面14a下部と底面14bを、底部と表現する。
[架台20]
次に、高密度母貝生育槽5に用いられる生育容器セット10を構成する架台20について説明する。図6は、架台20の正面図であり、図7は、架台20の左側面図であり、図8は、架台20の右側面図であり、図9は、架台20の平面図である。架台20は、全てステンレス製であり、1台の架台20に上下・前後に2つずつ、合計4つの生育容器14が懸架されるように、棒状の支柱と、断面L字状の掛止部材が適宜連結されて、枠体を形成している。前端部には、左右一対の前部縦支柱21L,21R、中央部には、左右一対の中央部縦支柱29L,29R、後端部には左右一対の後部縦支柱30L,30Rが設けられている。左側の前部縦支柱21Lと、左側の中央部縦支柱29Lと、左側の後部縦支柱30Lとは、一対の左部横支柱22Lと左部横支柱23Lに溶接して連結されている。右側の前部縦支柱21Rと、右側の中央部縦支柱29Rと、右側の後部縦支柱30Rとは、右部横支柱24Rに溶接して連結されている。
また、左右一対の前部縦支柱21L,21Rは、上下一対の前部掛止部材25T,25Bの左右両端部に溶接して連結されている。左右一対の中央部縦支柱29L,29Rは、上下一対の中央部掛止部材26T,26Bの左右両端部、及び、上下一対の中央部掛止部材27T,27Bの左右両端部に溶接して連結されている。左右一対の後部縦支柱30L,30Rは、上下一対の後部掛止部材28T,28Bの左右両端部に溶接して連結されている。
前部掛止部材25Tと中央部掛止部材26Tと中央部掛止部材27Tと後部掛止部材28Tとは、同じ高さであり、前部掛止部材25Bと中央部掛止部材26Bと中央部掛止部材27Bと後部掛止部材28Bとは、同じ高さである。前部掛止部材25Tと前部掛止部材25Bとの間隔は、それぞれに、生育容器14が懸架されたときに、上段に懸架された生育容器14の底面14bと、下段に懸架された生育容器14の鍔部14cとの間隔が、生育容器セット10を高密度母貝生育槽5に配設したときに、飼育水18aが適切に通過可能な間隔に設定され、この間隔は、40mm以上が望ましい。また、前部掛止部材25Bと架台20の下端部との間隔は、生育容器セット10を高密度母貝生育槽5に配設したときに、架台20の下段に懸架された生育容器14の底面14bと、高密度母貝生育槽5の底壁との間に飼育水18aが適切に通過可能な間隔に設定され、この間隔は、40mm以上が望ましい。なお、「飼育水18aが適切に通過可能」とは、飼育水18aが通過する際に水流によって堆積物を適切に排出可能であることを意味する。
左部横支柱22Lは、前部掛止部材25Tと略等しい高さで、前部縦支柱21Lと中央部縦支柱29Lと後部縦支柱30Lとに連結されている。左部横支柱23Lは、前部掛止部材25Bと略等しい高さで、前部縦支柱21Lと中央部縦支柱29Lと後部縦支柱30Lとに連結されている。左部横支柱は22Lと23Lの2本構成としているが、これは、架台20の強度確保のためである。左部横支柱22Lを、前部掛止部材25T、中央部掛止部材26T,27T、及び、後部掛止部材28Tと略等しい高さにしたのは、架台20に生育容器14を懸架する際、又は、懸架した後に、生育容器14が左部横支柱22Lに当接することで架台20から脱落するのを防止するためである。左部横支柱23Lと、前部掛止部材25B、中央部掛止部材26B,27B、及び、後部掛止部材28Bとの関係についても同様である。しかしながら、一方で、この構成にしたことにより、架台20の左側からの生育容器14の着脱が不便である。そこで、本実施形態では、右部横支柱24Rを1本とし、右部横支柱24Rを、前部縦支柱21Rと中央部縦支柱29Rと後部縦支柱30Rのそれぞれの上端部に連結する構成にした。このように構成したことにより、架台20の右側に、生育容器14の着脱を容易にすることができる空間部が形成される。この空間部を着脱空間部DSと表現する。
[生育容器セット10]
次に、高密度母貝生育槽5に用いられる生育容器セット10について説明する。図10は、生育容器セット10の正面図であり、図11は、生育容器セット10の左側面図であり、図12は、生育容器セット10の平面図である。図示するように、生育容器セット10においては、架台20の前部掛止部材25Tと、対向して配設された中央部掛止部材26Tとに、1台の生育容器14の鍔部14cが懸架され、架台20の前部掛止部材25Bと、対向して配設された中央部掛止部材26Bとに、別の1台の生育容器14の鍔部14cが懸架され、架台20の中央部掛止部材27Tと、対向して配設された後部掛止部材28Tとに、さらに別の1台の生育容器14の鍔部14cが懸架され、架台20の中央部掛止部材27Bと、対向して配設された後部掛止部材28Bとに、さらに別の1台の生育容器14の鍔部14cが懸架されている。つまり、1台の架台20に、前後2台、上下2台、合計4台の生育容器14が懸架される構成となっている。上述したように、架台20の右側には、着脱空間部DSが設けられているので、生育容器14の着脱をスムーズに行うことができる。また、上段の生育容器14の底面14bと下段の生育容器14の鍔部14cとの間隔、下段の生育容器14の底面14bと架台20の下端との間隔が、それぞれ、一定距離(40mm以上が望ましい。)に設定されているので、生育容器セット10を高密度母貝生育槽5に配設したときに、通過する飼育水18aの水流によって、母貝の排泄物等の堆積物を効果的に高密度母貝生育槽5の外部に排出することができる。
従来技術として知られているマシジミの養殖方法として、水路に砂利を敷設して母貝を生育する方法があるが、この方法による一例として、幅30cm、長さ12mの水路を作成し、5kgの母貝を投入して生育したところ、母貝の生存率は50%であった。しかしながら、本実施形態の一実施例として、幅30cm、長さ50cmの生育容器14を24台用いて高密度母貝生育槽を構成し、1台の生育容器14当たり5kgの母貝を投入して生育したところ、生存率は95%であった。従って、本実施形態のマシジミの養殖方法及び養殖システムは、単位面積当たりの収穫量を比較すると、上述の従来技術に対し約46倍収穫量であり、マシジミの高密度養殖技術を実現することができたといえる。
[高密度生育容器セット50]
前述したように、架台20と生育容器14との組合せは、適宜変更してよい。図13は、高密度生育容器セット50の左側面図である。高密度生育容器セット50は、生育容器14が懸架された架台20を前後・上下に複数段配設した構成である。このように構成すれば、さらに大量の母貝eを高密度に生育し、成長させることができる。
[他の生育容器セット]
図14に、他の架台13、図15に、図14の架台を用いた生育容器セット7を示す。架台13、生育容器セット7は、稚貝放出槽2、稚貝着底槽3、母貝成長槽4に用いられるものである。架台13の構成は、架台20の構成において、左部横支柱23L、前部掛止部材25B、中央掛止部材26T,26B,27T,27B、後部掛止部材28B、中央部縦支柱29L,29Rを取り除き、前部縦支柱21L,21R、中央部縦支柱29L,29R、後部縦支柱30L,30Rの長さを適切に調節したものであり、架台13には、1台の生育容器14のみが懸架される。架台13においても、着脱空間DSが設けられている。
本実施形態では、架台13、生育容器14から構成される生育容器セット7~9,50、架台20、生育容器14から構成される生育容器セット20の構成、形状、素材、大きさ、組合せ等について説明したが、これらの構成、形状、素材、大きさ、組合せ等は、本願発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、様々な変形、修正が可能である。
[養殖方法]
次に上述した構成のマシジミ養殖システム1を用いたマシジミの養殖方法について説明する。まず、マシジミ養殖システム1において、稚貝放出槽2で生育されている母貝aが幼生繁殖期(マシジミ以外のシジミでは、一般に産卵期、繁殖期等として知られている。)になると、母貝aからマシジミの幼生bが放出される。放出された幼生bは、飼育水18a中を稚貝放出槽2の下方から上方にゆっくり浮遊しながら、約1日で着底可能な稚貝cに成長し、飼育水18aと共に、稚貝輸送配管12に流入され、稚貝着底槽3に放出される。稚貝着底槽3に放出された稚貝cは、稚貝着底槽3に積層して敷設された砂利5の表面に着底し、底棲生活に移行して成長する。
着底した稚貝cが、成長すると、母貝成長槽4に移される。このとき、成長した稚貝cを選別して、予め母貝成長槽4に配設された飼育セット9に移設してもよいし、少なくとも1カ月のサイクルで、この期間を稚貝放出・着底期間とし、稚貝着底槽3の生育容器セット8を、母貝成長槽4に移設し、飼育容器セット9として使用してもよい。稚貝着底槽3の生育容器セット8を母貝成長槽4に移設したら、稚貝着底槽3には、新たな生育容器セット8が配設される。
母貝成長槽4では、移設された稚貝cは、母貝dの大きさ(約10mm)になるまで生育され、母貝dの大きさになると、選別されて、高密度母貝生育槽5に移設され、ここでさらに高密度に大量に生育され、さらに大きい母貝eまで成長させる。また、一部の母貝は、稚貝放出槽2に移されて、さらに成長させるために生育されるとともに、幼生bを放出させるために用いられる。
以上、説明したように、本発明のマシジミ養殖方法及び養殖システムによれば、マシジミの成長段階に応じて最適化された構造を備えた複数の生育槽で養殖することで、母貝から放出された幼生を着底可能な稚貝に成長させ効果的に大量に着底させることができ、着底した稚貝を母貝まで高密度に生育・成長させることができるという顕著な効果を奏することができる。
1 マシジミ養殖システム
2 稚貝放出槽
3 稚貝着底槽
4 母貝成長槽
5 高密度母貝生育槽
6 砂利
7,8,9,10,50 生育容器セット
11 エアレーション手段
12 稚貝輸送配管
12a L字配管
12b 稚貝放出配管
12c 稚貝放出孔
12d 稚貝流入孔
13,20 架台
14 生育容器
14a 側面
14b 底面
14c 鍔部
14d 補強用突条
14e 補強用突片
15,16,17 飼育水供給配管
15a 飼育水排出口
18 飼育水供給槽
18a 飼育水
21L,21R 前部縦支柱
22L,23L 左部横支柱
24R 右部横支柱
25T,25B 前部掛止部材
26T,26B,27T,27B 中央部掛止部材
28T,28B 後部掛止部材
29L,29R 中央部縦支柱
30L,30R 後部縦支柱
a,d,e 母貝
b 幼生
c 稚貝
D1,D2,D3 水位調節排水管
M メッシュ
P1,P2,P3 給水ポンプ
S スリット
ws1,ws2,ws3,ws4,ws5 飼育水の水面

Claims (6)

  1. 母貝から放出された幼生を母貝まで成長させるマシジミ養殖方法であって、
    少なくとも、母貝を生育し該母貝から幼生を放出させ、該幼生を稚貝に成長させる第1のステップと、前記稚貝を着底させる第2のステップと、着底した前記稚貝を母貝まで成長させる第3のステップと、成長した前記母貝をさらに成長させる第4のステップとを備え、
    前記第1のステップは、第1の生育槽内で、底部に透水孔が形成された第1の生育容器を用いて母貝を生育し、該母貝から幼生を放出させ、該幼生を稚貝まで成長させる第5のステップを含み、
    前記第2のステップは、第2の生育槽内において、内部に砂利が敷設され底部に透水孔が形成された第2の生育容器を用いて、幼生から成長した前記稚貝を前記砂利に着底させる第6のステップを含み、
    前記第3のステップは、第3の生育槽内において、内部に砂利が敷設され底部に透水孔が形成された第3の生育容器を用いて、着底した前記稚貝を母貝まで成長させる第7のステップを含み、
    前記第4のステップは、成長した前記母貝を、底部に透水孔が形成された第4の生育容器を用いてさらに成長させる第8のステップを含む
    ことを特徴とするマシジミ養殖方法。
  2. 前記第3の生育容器として、前記第2の生育容器を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載のマシジミ養殖方法。
  3. 前記第1のステップは、さらに、前記第1の生育容器の底面中心部に対応する位置に設けられたエアレーション手段によりエアーを吐出し、該第1の生育容器の堆積物を除去する第9のステップを含み、
    前記第4のステップは、さらに、前記第4の生育容器の底面中心部に対応する位置に設けられたエアレーション手段によりエアーを吐出し、該第4の生育容器の堆積物を除去する第10のステップを含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマシジミ養殖方法。
  4. 母貝から放出された幼生を母貝まで成長させるマシジミ養殖システムであって、
    少なくとも、母貝を生育し該母貝から幼生を放出させ、該幼生を稚貝まで成長させるように構成された第1の生育槽と、該稚貝を着底させるように構成された第2の生育槽と、着底した前記稚貝を母貝まで成長させるように構成された第3の生育槽と、成長した前記母貝をさらに成長させるように構成された第4の生育槽とを備え、
    前記第1の生育槽は、底部に透水孔形成された第1の生育容器を備え、該第1の生育容器で生育された前記母貝から幼生が放出され、該幼生を前記第1の生育槽内で稚貝に成長させる構成とされ、
    前記第2の生育槽は、内部に砂利が敷設され、底部に透水孔が形成された第2の生育容器を備え、該第2の生育容器は、前記稚貝が前記砂利に着底される構成とされ、
    前記第3の生育槽には、内部に砂利が敷設され、底部に透水孔が形成された第3の生育容器を備え、該第3の生育容器は、着底した前記稚貝を母貝まで成長させる構成とされ、
    前記第4の生育槽は、底部に透水孔が形成された第4の生育容器を備え、前記第3の生育容器で成長した母貝を該第4の生育容器でさらに成長させる構成とされる
    ことを特徴とするマシジミ養殖システム。
  5. 前記第3の生育容器は、前記第2の育生槽から成長した前記稚貝が生育されている前記第2の生育容器を移設されたものである
    ことを特徴とする請求項4に記載のマシジミ養殖システム。
  6. 前記第1の生育槽において、前記第1の生育容器の底面の中心部に対応する位置にはエアレーション手段が設けられ、エアレーションにより前記第1の生育容器内の堆積物を除去可能に構成され、
    前記第4の生育槽において、前記第4の生育容器の底面の中心部に対応する位置にはエアレーション手段が設けられ、エアレーションにより前記第4の生育容器内の堆積物を除去可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のマシジミ養殖システム。

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