JP7250885B2 - バラ科果実の冷凍品の製造方法 - Google Patents
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Description
[1]バラ科果実の冷凍品の製造方法であって、
大きさが40~80mmのバラ科果実を1/8~半分にカットするカット工程と、
1/8~半分にカットされた前記バラ科果実に80~100℃で5~20分間の加熱処理を施すブランチング工程と、
前記加熱処理された前記バラ科果実に冷却処理を施す冷却工程と、
前記冷却処理された前記バラ科果実に凍結処理を施す凍結工程とを含むことを特徴とする、バラ科果実の冷凍品の製造方法。
[2]前記ブランチング工程において、1/8~半分にカットされた前記バラ科果実に80~100℃で7~13分間の加熱処理を施す、前記[1]に記載の製造方法。
[3]前記ブランチング工程において、前記バラ科果実の果肉内部温度が80℃以上に達温するように加熱処理を施す、前記[1]に記載の製造方法。
[4]前記冷却工程において、前記加熱処理された前記バラ科果実に5~30℃で1~30分間の冷却処理を施す、前記[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記凍結工程において、前記冷却処理された前記バラ科果実に-95~-20℃で1~100分間の凍結処理を施す、前記[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記バラ科果実が、桃、ナシ、洋ナシ、リンゴ、スモモ、アンズ、プラム、及びビワからなる群より選択される、前記[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記バラ科果実が黄桃又は白桃である、前記[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記バラ科果実が黄桃又は白桃であり、該バラ科果実の冷凍品の解凍後の果肉硬度が0.4kg以上である、前記[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]前記バラ科果実の冷凍品が、その解凍後における果肉の褐変が防止されたものである、前記[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
以下、各工程について詳細に説明する。
本発明によりバラ科果実の冷凍品を製造するには、まず、バラ科果実の冷凍品の原料となるバラ科果実を用意する。バラ科果実は、バラ科植物由来の果実のことをいい、具体例としては、黄桃、白桃等の桃、ナシ、洋ナシ、リンゴ、スモモ、アンズ、プラム、ビワ、かりん、マルメロ、苺、梅、サクランボ等を挙げることができる。好ましくは、黄桃、白桃等の桃、ナシ、洋ナシ、リンゴ、スモモ、アンズ、プラム、又はビワであり、より好ましくは、黄桃、白桃等の桃である。各果実の品種は特に問わない。
本発明において、「1/8~半分にカット」とは、カット前の果肉(すなわち、果実から種を除去した果肉部分)の体積の1/8から半分の範囲内の大きさにカット(分割)することを意味する。また、8等分、6等分、4等分、2等分等の等分割だけでなく、1/8カットと1/2カットが混在する場合や、1/4カットと1/2カットが混在する場合等、カットサイズが互いに異なる場合も含まれる。しかし、ブランチング後の果肉硬度をできるだけ均質にできる、等分割のカットが好ましい。等分割後の各果肉の大きさは完全に同一でなくてもよく、大きさの誤差が10%以内、8%以内、5%以内又は3%以内でよい。
カットの態様は限定されない。バラ科果実を3~8個にカットする場合は、くし形切り、輪切り、乱切り等が例示でき、好ましくはくし形切りである。また、1/8カットの場合は、まずくし形切りに4分割(好ましくは4等分)したあと、当該4分割のカット方向と直交する方向に2分割(好ましくは2等分)するカットする態様でもよい。
カット後のバラ科果実の寸法は、1/8~半分にカットされたものであれば特に限定はないが、好ましくは、厚さについては一番薄い部分の厚さが8mm以上、より好ましくは9mm以上である。
前記カット工程でカットされたバラ科果実は、次いで、ブランチング工程でのブランチング(加熱処理)に供される。ブランチングは、80~100℃、好ましくは90~100℃で、5~20分間、好ましくは7~13分間行うようにする。本発明の特徴の1つは、ブランチングについて、解凍後の果肉の硬度を維持しつつ、褐変を抑制することができる温度域及び時間域について詳細に検討を行い、その検討結果に基づき、所定の温度域及び時間域に加熱条件を最適化した点にある。ブランチングの温度、時間が上記設定範囲の下限よりも低いと、褐変の抑制効果が不十分となり、一方、上記設定範囲の上限よりも高いと、果肉の硬度が低下して食感や食味が損なわれる。ブランチングは、通常、上記温度範囲にある水浴中の熱水に浸漬させることによって行うが、水蒸気を当てるスチームブランチング等でもよく、そのやり方は特に限定されない。
前記ブランチング処理を施したバラ科果実は、冷凍効率を高めるため、直ちに冷却させる。冷却させる際の条件・方法は特に限定されず、例えば、5~30℃で1~30分間、水中又は大気雰囲気で冷却させる。
冷却した後、バラ科果実を凍結させて、本発明の目的物であるバラ科果実の冷凍品を得る。凍結させる際の条件・方法は必ずしも限定されないが、通常、-95~-20℃の雰囲気温度中で1~100分間程度放置して凍結処理を施す。果実の硬度や風味等の維持という点からは、特にー30~-20℃で20~70分間、好ましくは30~40分間の個別急速冷凍を行うことが好ましい。また、凍結させるには、IQF装置、エアブラスト、ブロック凍結装置等の凍結装置を使用することができるが、個別急速冷凍が好ましいことを考慮するとIQF装置の使用が好ましい。凍結中は、バラ科果実製品の間に空気が循環するように、製品間に空間を設けるようにすることが好ましい。製品間に空間がないと、冷気を高速で吹き付けたとしても、製品内部が緩慢凍結する恐れがある。また、病原微生物の増殖等を防ぐため、バラ科果実製品の温点を可能な限り素早く冷却することが重要である。凍結が完了した後に凍結装置から取り出す際は、暖気や湿気への暴露を最低限に抑えるため、冷凍倉庫に素早く移動させ、また、食感や風味の低下を防ぐ点から、雰囲気温度が-18℃以下で、かつ、温度変化が最小となるように保存することが望ましい。
本発明において、果肉硬度の測定方法は特に限定されない。例えば、プランジャー等を貫入させて硬度を測定する等の破壊的方法、外部からの圧迫に対する抵抗力を測定する等の非破壊的方法が挙げられ、好ましくは非破壊的方法を採用する。測定器具は特に限定されず、市販の器具を用いてよいが、非破壊的測定方法を採用する場合、例えば、株式会社藤原製作所製の果実硬度計を使用してよく、同社製品のうち測定対象の果実に適したものを選択すればよい(例えば、KM型、MT型、又はCF型)。果肉硬度の測定タイミングは、冷凍果実が十分に解凍されていれば任意であるが、好ましくは、室温放置開始から一定時間経過したものを測定対象とし、例えば、室温放置開始から6時間、12時間、18時間、24時間、又は30時間経過後、好ましくは24時間経過したものを測定対象とする。
本発明の効果の確認として、冷凍果実の内部が空気に触れた際に褐変するかを確認することができる。その方法は特に限定されないが、例えば、得られた冷凍バラ科果実(例えば、黄桃又は白桃)を、中心部が空気中に露出するようにカットし、カット品を室温放置して自然解凍し、解凍後一定時間(例えば、6時間、12時間、18時間、24時間、又は30時間)経過後に、解凍品の空気中に露出された断面の褐変の有無を目視により確認して、褐変の有無を評価することができる。
別法として、得られた冷凍バラ科果実(例えば、黄桃又は白桃)を、中心部が空気中に露出するようにカットし、カット品の断面にグアイヤコールを噴霧し、噴霧品を室温放置して自然解凍し、一定時間後に噴霧面の褐変の有無を目視により確認して、褐変の有無を評価してもよい。
原料として、黄桃(長径:55~75mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、ハーフカットして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一であり、約12~18mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを10分間、88℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は82℃であった。ブランチング後、20℃で4分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-25℃で70分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、黄桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-24℃であった。
得られた黄桃の冷凍品を、果肉内部が露出するように半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた黄桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実中央(略円形である果実の中心付近)の表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。なお、果実硬度計の押し付けによって解凍果実が変形しないよう、ゴム製の台に解凍果実を載置して硬度の測定を行った(以下の実施例及び比較例も同様)。以上の結果を表1に示す。
原料として、黄桃(長径:50~75mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、ハーフカットして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一であり、約13~20mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを9分間、90℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は83℃であった。ブランチング後、20℃で4分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-30℃で40分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、黄桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-24℃であった。
得られた黄桃の冷凍品を、果肉内部が露出するように半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた黄桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実中央(略円形である果実の中心付近)の表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。結果を表1に示す。
原料として、白桃(長径:50~70mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、ハーフカットして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一であり、約9~14mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを12分間、98℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は92℃であった。ブランチング後、20℃で10分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-30℃で20分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、白桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-19℃であった。
得られた白桃の冷凍品を、果肉内部が露出するように半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた白桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実中央(略円形である果実の中心付近)の表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。以上の結果を表1に示す。
原料として、白桃(長径:50~70mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、ハーフカットして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一であり、約10~15mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを4分間、98℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は70℃であった。ブランチング後、20℃で10分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-30℃で20分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、白桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-19℃であった。
得られた白桃の冷凍品を、果肉内部が露出するように半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた白桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実中央(略円形である果実の中心付近)の表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。以上の結果を表1に示す。
原料として、白桃(長径:50~70mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、ハーフカットして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一であり、約11~15mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを26分間、98℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は90℃であった。ブランチング後、20℃で10分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-30℃で20分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、白桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-19℃であった。
得られた白桃の冷凍品を、果肉内部が露出するように半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた白桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実中央(略円形である果実の中心付近)の表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。以上の結果を表1に示す。
原料として、黄桃(長径:55~75mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、くし形切りの1/8カットにして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一で約12~17mmであり、一番薄い種回りの厚さは約9~10.5mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを7分間、85℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は81℃であった。ブランチング後、20℃で4分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-25℃で70分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、黄桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-24℃であった。
得られた黄桃の冷凍品を、果肉内部が露出するようにさらに半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた黄桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実の一番薄い種回りの表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。以上の結果を表2に示す。
原料として、黄桃(長径:50~75mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、くし形切りの1/8カットにして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一で約11~16mmであり、一番薄い種回りの厚さは約9~11mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを10分間、85℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は83℃であった。ブランチング後、20℃で4分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-30℃で40分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、黄桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-27℃であった。
得られた黄桃の冷凍品を、果肉内部が露出するようにさらに半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた黄桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、該解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実の一番薄い種回りの表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。以上の結果を表2に示す。
原料として、白桃(長径:50~70mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、くし形切りの1/8カットにして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一で約10~15mmであり、一番薄い種回りの厚さは約9~10.5mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを13分間、90℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は85℃であった。ブランチング後、20℃で10分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-30℃で20分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、白桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-22℃であった。
得られた白桃の冷凍品を、果肉内部が露出するようにさらに半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた白桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実の一番薄い種回りの表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。以上の結果を表2に示す。
原料として、白桃(長径:50~70mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、くし形切りの1/8カットにして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一で約10~14mmであり、一番薄い種回りの厚さは約9~10mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを2分間、90℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は75℃であった。ブランチング後、20℃で10分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-30℃で20分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、白桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-21℃であった。
得られた白桃の冷凍品を、果肉内部が露出するようにさらに半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた白桃の冷凍品を室温雰囲気に24時間放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実の一番薄い種回り表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。以上の結果を表2に示す。
原料として、白桃(長径:50~70mm)を入手した。洗浄後、手作業により種取り、果柄取り等を行い、くし形切りの1/8カットにして、5%水酸化ナトリウム溶液に浸漬することにより剥皮した。カット後の果肉の厚さ(中心から表面にかけての厚さ)はほぼ均一で約11~16mmであり、一番薄い種回りの厚さは約9~11mmであった。そして、剥皮した果実の皮の残り、打ち身、核の残り等を除去した。その後、ブランチングを24分間、95℃の温水に浸漬して行った。ブランチング後の果実内部平均温度は92℃であった。ブランチング後、20℃で10分間、水中に曝すことにより冷却した。次いで、IQF装置を使用して、-30℃で20分間、凍結処理を施し、その後、目視によって選別、異物を除去することにより、白桃の冷凍品を得た。凍結処理後の該冷凍品の平均表面温度は-23℃であった。
得られた白桃の冷凍品を、果肉内部が露出するようにさらに半分にくし形切りし、それを室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍後24時間後の解凍品の褐変の有無を目視により評価した。また、得られた黄桃の冷凍品を室温雰囲気に放置して自然解凍し、解凍品の果肉硬度を、果実硬度計(KM-5、株式会社藤原製作所製)を解凍果実の一番薄い種回り表面に押し付けて測定し、平均値を求めた。結果を表2に示す。
Claims (6)
- バラ科果実の冷凍品の製造方法であって、
大きさが40~80mmのバラ科果実を1/8~半分にカットするカット工程と、
1/8~半分にカットされた前記バラ科果実に80~100℃で7~20分間の加熱処理を施すブランチング工程と、
前記加熱処理された前記バラ科果実に冷却処理を施す冷却工程と、
前記冷却処理された前記バラ科果実に凍結処理を施す凍結工程とを含み、
前記ブランチング工程に先立って前記バラ科果実の皮剥きの処理を済ませ、
前記凍結工程において、前記冷却処理された前記バラ科果実に-95~-20℃で1~100分間の凍結処理を施し、
前記凍結工程で得られた冷凍品は解凍されて加工食品に利用され、
前記バラ科果実が黄桃又は白桃である、ことを特徴とする、バラ科果実の冷凍品の製造方法。 - 前記ブランチング工程後に、直ちに前記冷却工程に移行する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記ブランチング工程において、前記バラ科果実の果肉内部温度が80℃以上に達温するように加熱処理を施す、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記冷却工程において、前記加熱処理された前記バラ科果実に5~30℃で1~30分間の冷却処理を施す、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記バラ科果実の冷凍品の解凍後の果肉硬度が0.4kg以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記バラ科果実の冷凍品が、その解凍後における果肉の褐変が防止されたものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
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Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Journal of Microwave Power,1977年,Vol.12,No.1,pp.73-77 |
食品流通技術,1991年,Vol.20,No,13,pp.13-18 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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