JP7248560B2 - リソースシェアリング支援システム及びリソースシェアリング支援方法 - Google Patents

リソースシェアリング支援システム及びリソースシェアリング支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、物流向けのリソースシェアリング支援システム及びリソースシェアリング支援方法に関する。
近年、EC市場の発達による宅配便の増加により、物流分野における輸送トラックやドライバーが不足しつつある。一方、輸送の小口、高頻度化によってトラックの積載率は低下しつつある。また、道路網の整備が進んでいない地域では、トラック輸送の増加によって渋滞が多発し環境が悪化することから、共同配送のニーズが存在する。
物流の基本機能は、荷主の依頼に基づいて輸配送業者が荷物をある地点から別の場所に運ぶことである。しかし、そのままでは荷物を運び終わった後、輸配送業者は空の状態で戻らなくてはならず、物流リソースの利用効率の観点上非効率である。戻る際に別の荷物の輸配送依頼を受けることができれば効率的に物流リソースを活用することができるが、荷主や輸配送業者が戻る際のものの輸送を用意したり探したりすることはしい。そのため、戻る際など空いている物流リソースと荷物を運びたい要望を対応付けることへの需要が存在する。
これらは、従来水屋と呼ばれる業種によって人手で対応付けが行われてきた。これに対し、近年の情報処理技術の発達により、それらをシステムで行う取組が存在する。
特許文献1では、システム上に登録された輸配送依頼/空きリソースに対してオンライン上で競りを行い、マッチングさせる方式を提案している。
また、特許文献2では、複数の輸配送業者の空きリソース及び複数の荷主の輸配送依頼の情報を用いて、複数企業にまたがった輸配送計画最適化の方式を提案している。
特開2001-273417号公報 特開2002-183265号公報
荷主が輸配送業者に荷物の輸送を依頼する場合、以下の2つの観点において、荷主が輸配送業者に対して確信を持てるかどうかが重要である。第1に、輸配送業者が信頼のおける業者であるかどうかである。第2に、輸配送業者が荷物を確実に運ぶうえで必要なスキルを十分備えているか。
第1の観点に関しては、輸配送業者が依頼を実施直前に断ったりせず、荷物を輸送してくれるかということが挙げられる。
第1の観点に関しては、運ぶものや場所に応じて求められるスキル把握しているかということが挙げられる。例えば、運ぶものが食料品であれば、ドライ、チルド、フローズンなど運ぶものによって定められた温度管理ができるかどうかということである。精密機械であれば、急加速を与えないような運び方をできるかどうかということである。また、出発や到着の倉庫によっては求められる積降作業ができるかということである。また、配送であればその場所の道路事情を把握しているかということである。
特許文献1では応札する輸配送業者に関してこれらの情報が含まれていないため、荷主は、応札した輸配送業者に対して自身で上記2つの観点を判断する必要がある。それは荷主にとって労力のかかる作業であり、マッチングプラットフォームの利用をためらわせる要因となる。
特許文献2では荷主及び輸配送業者に対し、輸配送依頼/実施を行った結果に対して良い/悪いといった評価をプラットフォーム参加者につけてもらうことで、良い評価を受けた荷主/輸配送業者が優先的にマッチングすることを実現している。しかし、この方式では、荷主や輸配送したものの違いが考慮されていない。そのため、ある輸配送業者が、ある荷主が輸配送を依頼しようとしている荷物を運べるかどうかを、特許文献2の方式が提供する評価結果から判別することは難しい。
このように、特許文献1、2の方式では、荷主が過去に取引したことがない輸配送業者に依頼しても問題ないかどうかを自身で判断しなくてはならないという課題がある。
本発明の目的は、荷主が過去に取引したことがない輸配送業者に依頼する際の課題を解決可能なリソースシェアリング支援システム及びリソースシェアリング支援方法を提供することにある。
本発明の一態様のリソースシェアリング支援システムは、マッチング履歴部と、荷主間類似度計算部と、荷主視点評価値計算部と、輸配送業者間類似度計算部と、輸配送業者視点評価値計算部と、マッチング処理部と、を有するリソースシェアリング支援システムであって、前記マッチング履歴部は、マッチング履歴を格納し、前記荷主間類似度計算部は、前記マッチング履歴部から前記マッチング履歴を取得し、各荷主間の荷主間類似度を計算し、前記荷主視点評価値計算部は、前記マッチング履歴部から前記マッチング履歴を取得し、前記荷主間類似度を用いて荷主視点から見た各輸配送業者の荷主視点評価値を計算し、前記輸配送業者間類似度計算部は、前記マッチング履歴部から前記マッチング履歴を取得し、各輸配送業者間の輸配送業者間類似度を計算し、前記輸配送業者視点評価値計算部は、前記マッチング履歴部から前記マッチング履歴を取得し、前記輸配送業者間類似度を用いて輸配送業者から見た各荷主の輸配送業者視点評価値を計算し、前記マッチング処理部は、輸配送依頼と空きリソースを対応付け、前記荷主視点評価値と前記輸配送業者視点評価値を用いてマッチング処理を行ってマッチング結果を求めることを特徴とする。
本発明の一態様のリソースシェアリング支援方法は、リソースシェアリング支援方法であって、マッチング履歴を取得し、各荷主間の荷主間類似度を計算するステップと、前記マッチング履歴を取得し、前記荷主間類似度を用いて荷主視点から見た各輸配送業者の荷主視点評価値を計算するステップと、前記マッチング履歴を取得し、各輸配送業者間の輸配送業者間類似度を計算するステップと、前記マッチング履歴を取得し、前記輸配送業者間類似度を用いて輸配送業者から見た各荷主の輸配送業者視点評価値を計算するステップと、輸配送依頼と空きリソースを対応付け、前記荷主視点評価値と前記輸配送業者視点評価値を用いてマッチング処理を行ってマッチング結果を求めるステップと、を有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、荷主が過去に取引したことがない輸配送業者に依頼する際の課題を解決できる。
輸配送依頼のデータ形式を示す図である。 空きリソースのデータ形式を示す図である。 実施例の物流向けリソースシェアリング支援システムの論理的なシステム構成を示した図である。 マッチング履歴のデータ形式を示す図である。 荷主視点評価のデータ形式を示す図である。 輸配送業者視点評価のデータ形式を示す図である。 荷主間類似度のデータ形式を示す図である。 輸配送業者間類似度のデータ形式を示す図である。 荷主間類似度計算のアクティビティ図である。 輸配送業者間類似度計算のアクティビティ図である。 荷主視点評価値計算のアクティビティ図である。 輸配送業者視点評価値計算のアクティビティ図である。 マッチング処理のアクティビティ図である。
以下、図面を用いて実施例について説明する。
図1は、実施例における輸配送依頼部C01(図3参照)が持つデータの形式の一例を示したものである。
輸配送依頼部C02のデータは、依頼IDA01と、荷主IDA02と、荷主業者コードA03と、開始日時A04と、終了日時A05と、開始場所A06と、終了場所A07と、重量A08と、荷姿A09と、荷物種類A01と、設備属性A11と、ドライバー属性A12と、金額上限A13と、状態A14の組のリストで表される。
ここで,依頼IDA01は輸配送依頼の各行の識別子である。荷主IDA02は輸配送依頼を行った荷主によって一意に決まる識別子である。荷主業者コードA03は荷主の業種を表す分類コードであり、例えばTSR業種コードブックによる分類といった分類コードで表される。
開始日時A04は該当依頼を開始すべき日時である。終了日時A05は該当依頼を完了すべき日時である。開始場所A06は該当依頼において荷物の輸送を開始すべき起点を表す位置の符号である。終了場所A07は該当依頼において荷物の輸送を完了すべき終点を表す位置の符号であり、これらは住所や、緯度経度、配送センター名などで表される。
重量A08は該当依頼における荷物の重量を表す数値である。荷姿A09は該当依頼における荷物の形状を表す数値の組であり、輸送する荷物の外形を表す縦横奥行きを表す3つの長さの組などで表される。荷物種類A10は該当依頼における荷物の種類を表す分類コードないしは文字列であり、例えば食料品や精密機器といった文字列や、HS Codeといった分類コードで表される。
設備属性A11は該当依頼を実施する際に用いる設備が備えるべき特徴を表す文字列のリストであり、例えば冷蔵車やウィング車といった文字列のリストで表される。ドライバー属性A12は該当依頼を実施する際に担う人員が持つべき能力を表す文字列のリストであり、例えばフォークリフト免許などといった文字列のリストで表される。金額上限A13は該当依頼実施に対して荷主が支払ってもよい金額の上限を表す数値である。状態A14はこの輸配送依頼が本システムによって空きリソースとマッチングされたかどうかや、処理対象であるかどうかを表す値であり、例えば未割当、割り当て済み,取り消し済みなどの値からなるenum(列挙型)値で表される。輸配送依頼部C01に含まれる各データは、荷物を輸送したい荷主がこれらの情報を入力することで作成される。また、一部の属性については自動的に測定したり、過去の入力履歴から補間して入力してもよい。
図2は、」実施例における空きリソース部C02(図3参照)が持つデータの形式の一例を示したものである。
空きリソース部C02のデータは、空きリソースIDB01と、輸配送業者IDB02と、開始日時B03と、終了日時B04と、開始場所B05と、終了場所B06と、重量B07と,荷姿B08と、設備属性B09と、ドライバー属性B10と、金額下限B11と、状態B12の組のリストで表される。
ここで、空きリソースIDB01は空きリソースの各行の識別子である。輸配送業者IDB02は輸配送の割り当てがない状態の輸送リソースを持つ輸配送業者によって一意に決まる識別子である。開始日時B03は該当リソースが利用可能となる日時である。終了日時B04は該当リソースの利用を完了させるべき日時である。開始場所B05は該当リソースを利用する場合の起点を表す位置の符号である。終了場所B06は該当リソースを利用する場合の終点を表す位置の符号である。
重量B07は該当リソースが輸送可能な荷物の上限重量を表す数値である。荷姿B08は該当リソースが輸送可能な荷物の上限サイズを表す数値の組である。設備属性B09は該当リソースが備えている特徴を表す文字列のリストである。ドライバー属性B10は該当リソースを利用する際に担当する人員が持つ能力を表す文字列のリストである。金額下限B11は該当空きリソースを用いた輸配送依頼を実施する際に対して輸配送業者が最低限受け取りたい対価の金額を表す数値である。状態B11はこの空きリソースが本システムによって輸配送依頼とマッチングされたかどうかや、処理対象であるかどうかを表す値であり、例えば未割当、割り当て済み、取り消し済みなどの値からなるenum値で表される。
空きリソースC02に含まれる各データは、空きリソースを持つ輸配送業者がこれらの情報を入力することで作成される。また、一部の属性については自動的に測定したり、過去の入力履歴から補間して入力してもよい。
図3は、実施例の物流向けリソースシェアリング支援システムの論理的なシステム構成を示した図である。
リソースシェアリング支援システムC00は、マッチング履歴部C03と、荷主視点評価値格納部C04と、輸配送業者視点評価値格納部C05と、荷主間類似度格納部C06と、輸配送業者間類似度格納部C07と、マッチング処理部C11と、荷主視点評価値計算部C12と、輸配送業者視点評価値計算部C13と、状態更新部C14と、通知部C15と、荷主間類似度計算部C16と、輸配送業者間類似度計算部C17で構成される。
マッチング処理部C11は、図1で述べた輸配送依頼部C01と図2で述べた空きリソース部C02から取得した輸配送依頼及び空きリソースを対応付ける。この時、荷主視点評価値格納部C04と輸配送業者視点評価値格納部C05から取得したデータを用いてマッチングの評価値を求め、それをマッチング結果に反映する。また、処理結果によってマッチングがされた輸配送依頼部C01、空きリソース部C02のエントリーの状態を更新する。
荷主視点評価値計算部C12は,マッチング履歴部C03からマッチング履歴を取得し、荷主視点から見た各輸配送業者の評価値を計算し、荷主視点評価値格納部C04に格納する。この時、荷主間類似度格納部C06に格納された荷主間の類似度を利用する。
輸配送業者視点評価値計算部C13は、マッチング履歴部C03からマッチング履歴を取得し、輸配送業者からみた各荷主の評価値を計算し、輸配送業者視点評価値格納部C05に格納する。この時、輸配送業者間類似度格納部C07に格納された輸配送業者間の類似度を利用する。
状態更新部C14は、マッチング履歴部C03に含まれる各エントリーに対し、それが正常にされたか、荷主/輸配送業者都合でキャンセルされたかといった状態を取得して更新することと、完了後荷主/輸配送業者から得られた評価値を反映する評価値をマッチング履歴部C03に格納することを行う。
通知部C15は、マッチング履歴部C03にマッチング結果が格納された際に、荷主及び輸配送業者にマッチング結果を通知することを行う。
荷主間類似度計算部C16は、マッチング履歴部C03からマッチング履歴を取得し、各荷主間の類似度を計算して荷主間類似度部格納部C06に格納する。
輸配送業者間類似度計算部C17は、マッチング履歴部C03からマッチング履歴を取得し、各輸配送業者間の類似度を計算して輸配送業者間類似度格納部C07に格納する。
図4は、実施例におけるマッチング履歴部C03が持つデータの形式の一例を示したものである。
マッチング履歴部C03のデータは、マッチングIDD01と、依頼IDD02と、空きリソースIDD03と、開始日時D04と、終了日時D05と、開始場所D06と、終了場所D07と、状態D08と、荷主評価D09と、輸配送業者D10と、荷物種類D11 と、荷物重量D12と、荷姿D13の組のリストで表される。
ここで、マッチングIDD01はマッチング履歴の各行の識別子である。依頼IDD02と空きリソースIDD03は、マッチングされた輸配送依頼C01と空きリソースC02の対応するエントリーの識別子である。開始日時D04は、本マッチングの結果対応付けられた空きリソースによって輸送配送が開始されるべき開始日時を表している。終了日時D05は、それが完了されるべき日時を表している。
開始場所D06は本マッチングの結果対応付けられた空きリソースによって輸配送が開始されるべき位置を表す符号であり、終了場所がそれが完了されるべき位置を表す符号である。状態D08は本マッチングの状態を表す値であり、例えば実施前、実施中、正常完了、異常終了、荷主都合キャンセル、輸配送業者都合キャンセルなどの値からなるenum値で表される。荷主評価D09は、本マッチング結果による輸配送が実施された後の荷主からの評価値を表す値であり、例えば0から10までの連続値をとる数値で表される。
輸配送業者評価D10は、本マッチング結果による輸配送が実施された後の輸配送業者からの評価値を表す値であり、例えば0から10までの連続値をとる数値で表される。荷物種類D11は本マッチング結果によって運ばれた荷物の種類を表す分類コードないしは文字列であり、例えば食料品や精密機器といった文字列や、HSCodeといった分類コードで表される。荷物重量D12は本マッチング結果によって運ばれた荷物の重量を表す数値である。荷姿D13は本マッチング結果によって運ばれた荷物の形状を表す数値の組であり、輸送する荷物の外形を表す縦横奥行きを表す3つの長さの組などで表される。
図5は、実施例における荷主視点評価値格納部C04が持つデータの形式の一例を示したものである。
荷主視点評価C04のデータは、荷主IDE01と、輸配送業者IDE02と、評価値E03の組のリストで表される。ここで、荷主IDE01は本システムを利用する荷主を表す識別子である。輸配送業者IDE02は本システムを利用する輸配送業者を表す識別子である。評価値E03は、該当行に格納された荷主IDE01の識別子に対応する荷主から輸配送業者IDE02の識別子に対応する輸配送業者を評価した際の評価値を表しており、例えば0から10までの連続値をとる数値で表される。
図6は、実施例における輸配送業者視点評価値格納部C05がもつデータの形式の一例を示したものである。
輸配送業者視点評価値格納部C05のデータは、荷主IDF01と、輸配送業者IDF02と、評価値F03の組のリストで表される。ここで、荷主IDF01は本システムを利用する荷主を表す識別子である。輸配送業者IDF02は本システムを利用する輸配送業者を表す識別子である。評価値F03は、該当行に格納された輸配送業者IDF02の識別子に対応する輸配送業者から荷主IDF01の識別子に対応する荷主を評価した際の評価値を表しており、例えば0から10までの連続値をとる数値で表される。
図7は、実施例における荷主間類似度格納部C06が持つデータの形式の一例を示したものである。
荷主間類似度C06のデータは、荷主IDペアG01と、類似度G02の組のリストで表される。ここで、荷主IDペアG01は異なる2つの荷主IDからなる組であり、類似度G02は数値で表される。
図8は、実施例における輸配送業者間類似度格納部C07が持つデータの形式の一例を示したものである。
輸配送業者間類似度格納部C07のデータは、輸配送業者IDペアH01と、類似度H02の組のリストで表される。ここで、輸配送業者ペアH01は異なる2つの輸配送業者IDからなる組であり、類似度H02は数値で表される。
図9は、荷主間類似度計算部C16の処理を記したアクティビティ図である。図9は、本システムを利用する各荷主間の類似度を計算する際の個別の類似度計算を記したものである。
ステップG01では、ある荷主の正常に完了した過去のマッチング履歴と、比較対象の正常に完了した荷主の過去のマッチング履歴を取得する。取得方法は、それぞれの荷主のIDを検索条件とし、過去一定期間や過去一定件数といった取得条件で取得する。
ステップG02では、ステップG01で取得したある荷主の過去のマッチング履歴におけるマッチング相手ごとの頻度を計算し、その値からなるベクトル値を算出する。また、その際ノルムの値を1となるようにベクトルを正規化する。
ステップG03では、ステップG01で取得した比較対象の荷主の過去のマッチング履歴におけるマッチング相手ごとの頻度を計算し、その値からなるベクトル値を算出する。また、その際ノルムの値を1となるようにベクトルを正規化する。
ステップG04では、ステップG02とG03で求めたベクトルの内積をとり、その値をある荷主と比較対象の荷主の類似度とする。その値を、ある荷主のIDと比較対象の荷主のIDのペアと対応付けて荷主間類似度格納部C06に格納する。
なお、十分にマッチング履歴が蓄積されていない場合は、荷主の業種を表す分類コードを類似度算出時に用いることも可能である。例えば、小分類が一致している場合は0.9、中分類まで一致している場合は0.6、大分類まで一致している場合は0.3、いずれも一致していない場合は0.1といった分類コードの一致ぐらいをあらかじめ定めた数値にマッピングすることによって類似度を算出するなどの方法をとる。
図10は、輸配送業者間類似度計算部C17の処理を表したアクティビティ図である。図10は、本システムを利用する各輸配送業者間の類似度を計算する際の個別の類似度計算を記したものである。
ステップH01では、ある輸配送業者の正常に完了した過去のマッチング履歴と、比較対象の輸配送業者の正常に完了した過去のマッチング履歴を取得する。取得方法は、それぞれの輸配送業者のIDを検索条件とし、過去一定期間や過去一定件数といった取得条件で取得する。
ステップH02では、ステップH01で取得したある輸配送業者の過去のマッチング履歴におけるマッチング相手ごとの頻度を計算し、その値からなるベクトル値を算出する。また、その際ノルムの値を1となるようにベクトルを正規化する。
ステップH03では,ステップH01で取得した比較対象の輸配送業者の過去のマッチング履歴におけるマッチング相手ごとの頻度を計算し、その値からなるベクトル値を算出する。また、その際ノルムの値を1となるようにベクトルを正規化する。
ステップH04では,ステップH02とH03で求めたベクトルの内積をとり、その値をある輸配送業者と比較対象の輸配送業者の類似度とする。その値を、ある輸配送業者のIDと比較対象の輸配送業者のIDのペアと対応付けて輸配送業者間類似度格納部C07に保存する。
なお、十分にマッチング履歴が蓄積されていない場合は、ステップH02及びステップH03で求めるベクトルを、全ての荷主と同じ頻度で取引したとみなしたベクトルを求め、それをステップH04での類似度算出に用いる。
図11は、荷主視点評価値計算部C12の処理を表したアクティビティ図である。図11は、本システムを利用する各荷主に対して、本システムを利用する輸配送業者それぞれに対する評価値を計算する際のある荷主(荷主Aとする)から見たある輸配送業者(輸配送業者Aとする)に対する評価値を求める際の処理を示したものである。
ステップI01では、評価値計算に用いる過去のマッチング履歴を、マッチング履歴部C03から取得する。取得方法は、輸配送業者AのIDを含むマッチング履歴部C03のエントリーを、現在から過去一定期間や過去一定件数といった取得条件で取得する。また、この時荷主AのIDを含むエントリーを優先して取得してもよい。
ステップI02では,ステップI01で取得したマッチング履歴の集合に含まれる各履歴に対して、各履歴を評価した荷主と荷主Aの類似度を荷主間類似度格納部C06から取得する。
ステップI03では、ステップI02で求めた類似度を用いて、各マッチング履歴に含まれる荷主評価の重み付き平均を求める。例えば、(Σ類似度×荷主評価)=(Σ類似度)の式で求める。
この処理は,毎日一定時刻や1時間おきといった、一定時間置きに実施する。計算された評価値は、荷主AのIDと輸配送業者AのIDをキーとして、該当する荷主視点評価値格納部C04のエントリーに格納する。
図12は、輸配送業者視点評価値計算部C13の処理を表したアクティビティ図である図12は、本システムを利用する各輸配送業者に対して、本システムを利用する荷主それぞれに対する評価値を計算する際のある輸配送業者(輸配送業者Aとする)から見たある荷主(荷主Aとする)に対する評価値を求める際の処理を示したものである。
ステップJ01では、評価値計算に用いる過去のマッチング履歴をマッチング履歴部C03から取得する。取得方法は、荷主AのIDを含むマッチング履歴部C03のエントリーを、現在から過去一定期間や、過去一定件数といった取得条件で取得する。また、この時輸配送業者AのIDを含むエントリーを優先取得してもよい。
ステップJ02では、ステップJ01で取得したマッチング履歴の集合に含まれる各履歴に対して、各履歴を評価した輸配送業者と輸配送業者Aの類似度を輸配送業者間類似度格納部C07から取得する。
ステップJ03では、ステップJ02で求めた類似度を用いて、各マッチング履歴に含まれる輸配送業者の重み付き平均を求める。例えば、(Σ類似度×輸配送業者評価)=(Σ類似度)の式で求める。
図13はマッチング処理部C11の処理を記したアクティビティ図である。
ステップK01では、マッチング計算対象の輸配送依頼と空きリソースの集合を輸配送依頼部C01と空きリソース部C02から取得する。取得方法としては、ある時間範囲を検索条件として輸配送依頼と空きリソースを取得するものであり、例えば開始日時として現在から1時間後、終了日時として現在から49時間後とし、その範囲に開始日時及び終了日時が含まれるものを取得するなどである。
ステップK02では、ステップK01で取得した輸配送依頼集合及び空きリソース集合に対し、組合せ可能な組合せの集合を求める。これは、日時、場所、重量、荷姿、設備属性、ドライバー属性、金額のすべての観点で組合せ可能かを判断するものである。開始日時に関しては輸配送依頼の開始日時が空きリソースの開始日時以降であるか、終了日時に関しては輸配送依頼の終了日時が空きリソースの終了日時以前であるか、開始場所及び終了場所については輸配送依頼の場所と空きリソースの場所の距離がシステム内で定めた一定距離以内であれば組合せ可能とする。
また、重量に関しては輸配送依頼の重量が空きリソースの重量以下であるか、荷姿に関しては輸配送依頼の荷姿の外形が空きリソースの外形に内包されるか、設備属性に関しては,輸配送依頼が要求する属性を空きリソースの属性が含んでいるか、ドライバー属性に関しては、輸配送依頼が要求する属性を空きリソースの属性が含んでいれば組合せ可能とする。金額に関しては、空きリソースの金額下限に対して輸配送依頼の金額上限が上回っていれば組合せ可能とする。
ステップK03では、ステップK02で求めた各組合せ候補に対して荷主視点評価値格納部C04と輸配送業者視点評価値格納部C05に格納された評価値を用いて組合せの重みを計算する。この時重みの計算方法としては、荷主視点評価値と輸配送視点評価値の平均や、どちらか小さいほうないしはどちらか大きいほうの値を用いる。
ステップK04では、組合せの初期解を求める。例えば、空きリソース集合及び輸配送依頼集合をそれぞれ開始時刻でソートし、そののち時刻順に先頭から対応可能なものをgreedy(貧欲法)に対応させていくことで求める。
ステップK05ではステップK03で求めた重みを用いた空きリソースと輸配送依頼の重み付き最大2部マッチングを求める。これは全体の重みを最大化するように、増加路がなくなるまで探索することで実現可能である。
上記実施例では、荷主の輸配送依頼と輸配送業者が持つ空きリソース情報の対応付けを求める物流向けリソースシェアリングシステムにおいて、荷主・輸配送業者の属性情報を用いて各荷主・輸配送業者視点での過去案件に基づく各荷主・輸配送業者に対する評価結果を算出し、且つその評価結果を重みとして用いた際の重みづけを最大化するようなマッチング結果を求める。
この際、過去のマッチング相手の傾向を用いて荷主及び輸配送業者間の類似度を算出し、その類似度で過去の評価結果を重みづけして用いる。
また、十分にマッチング履歴が蓄積されていない荷主に関して、業種の分類コードを用いて荷主間の類似度を算出し、その類似度で過去の評価結果を重みづけして用いる。
また、空きリソースと輸配送依頼間の対応付け可否を算出する際に、時刻、場所、重量、荷姿、荷物種類、設備属性、ドライバー属性、金額を用いる。
このように、上記実施例では、過去に取引をしたことがない相手に関して、他の荷主/輸配送業者の評価結果を用いて,依頼して問題ないか、依頼をこなす能力を持っているかを評価する。その際、過去評価した際の荷主の業種や輸配送業者の設備の特徴と、評価対象の荷主/輸配送業者のそれらの特徴の類似度を求め、その類似度で過去の評価を重みづけ平均する。また、求めた評価値を用いて、複数の荷主の依頼、輸配送業者の空きリソースのマッチングを求める。
上記実施例によれば、過去に取引をしたことがない相手に対し、フラットにプラットフォーム上の過去評価履歴を用いる場合と比較して、自身や相手の性質を考慮した評価することができる。また、それらの組合せの相性を考慮したマッチング結果を求めることができる。
C00 リソースシェアリング支援システム
C01 輸配送依頼部
C02 リソース部
C03 マッチング履歴部
C04 荷主視点評価値格納部
C05 輸配送業者視点評価値格納部
C06 荷主間類似度格納部C06
C07 輸配送業者間類似度格納部
C07 マッチング処理部
C12 荷主視点評価値計算部
C13 輸配送業者視点評価値計算部
C14 状態更新部
C15 通知部
C16 荷主間類似度計算部
C17 輸配送業者間類似度計算部

Claims (15)

  1. マッチング履歴部と、荷主間類似度計算部と、荷主視点評価値計算部と、輸配送業者間類似度計算部と、輸配送業者視点評価値計算部と、マッチング処理部と、を有するリソースシェアリング支援システムであって、
    前記マッチング履歴部は、
    マッチング履歴を格納し、
    前記荷主間類似度計算部は、
    前記マッチング履歴部から前記マッチング履歴を取得し、各荷主間の荷主間類似度を計算し、
    前記荷主視点評価値計算部は、
    前記マッチング履歴部から前記マッチング履歴を取得し、前記荷主間類似度を用いて荷主視点から見た各輸配送業者の荷主視点評価値を計算し、
    前記輸配送業者間類似度計算部は、
    前記マッチング履歴部から前記マッチング履歴を取得し、各輸配送業者間の輸配送業者間類似度を計算し、
    前記輸配送業者視点評価値計算部は、
    前記マッチング履歴部から前記マッチング履歴を取得し、前記輸配送業者間類似度を用いて輸配送業者から見た各荷主の輸配送業者視点評価値を計算し、
    前記マッチング処理部は、
    輸配送依頼と空きリソースを対応付け、前記荷主視点評価値と前記輸配送業者視点評価値を用いてマッチング処理を行ってマッチング結果を求めることを特徴とするリソースシェアリング支援システム。
  2. 前記マッチング履歴部に格納された前記マッチング結果に対し前記荷主視点評価値と前記輸配送業者視点評価値を反映する状態更新部を更に有することを特徴とする請求項1に記載のリソースシェアリング支援システム。
  3. 前記マッチング履歴部に前記マッチング結果が格納された際に、荷主及び輸配送業者に前記マッチング結果を通知する通知部を更に有することを特徴とする請求項2に記載のリソースシェアリング支援システム。
  4. 前記荷主間類似度計算部は、
    自身のマッチング履歴と比較対象のマッチング履歴をそれぞれ取得し、
    前記自身の前記マッチング履歴におけるマッチング相手の頻度から構成される第1のベクトルを計算し、
    前記比較対象の前記マッチング履歴におけるマッチング相手の頻度から構成される第2のベクトルを計算し、
    前記第1のベクトルと前記第2のベクトルを用いて、前記荷主間類似度を計算することを特徴とする請求項1に記載のリソースシェアリング支援システム。
  5. 前記荷主間類似度計算部は、
    前記マッチング履歴部に前記マッチング履歴が蓄積されていない場合は、荷主の業種を表す分類コードを用いて前記荷主間類似度を計算することを特徴とする請求項1に記載のリソースシェアリング支援システム。
  6. 前記輸配送業者間類似度計算部は、
    自身のマッチング履歴と比較対象のマッチング履歴をそれぞれ取得し、
    前記自身の前記マッチング履歴におけるマッチング相手の頻度から構成される第3のベクトルを計算し、
    前記比較対象の前記マッチング履歴におけるマッチング相手の頻度から構成される第4のベクトルを計算し、
    前記第3のベクトルと前記第4のベクトルを用いて、前記輸配送業者間類似度を計算することを特徴とする請求項1に記載のリソースシェアリング支援システム。
  7. 前記荷主視点評価値計算部は、
    前記マッチング履歴を前記マッチング履歴部から取得し、
    取得した前記マッチング履歴の集合に含まれる各履歴に対して、各履歴を評価した荷主と、視点として設定した荷主との第1の類似度を取得し、
    前記第1の類似度を用いて、前記荷主視点評価値の重み付き平均を求めることを特徴とする請求項1に記載のリソースシェアリング支援システム。
  8. 前記輸配送業者視点評価値計算部は、
    前記マッチング履歴を前記マッチング履歴部から取得し、
    取得した前記マッチング履歴の集合に含まれる各履歴に対して、各履歴を評価した輸配送業者と、視点として設定した輸配送業者との第2の類似度を取得し、
    前記第2の類似度を用いて、前記輸配送業者視点評価値の重み付き平均を求めることを特徴とする請求項1に記載のリソースシェアリング支援システム。
  9. 前記マッチング処理部は、
    前記輸配送依頼と前記空きリソースの集合を取得し、
    取得した前記集合に対しマッチング可能な組合せを取得し、
    取得した前記組合せに対して、前記荷主視点評価値と前記輸配送業者視点評価値を用いて重みを計算し、
    2部マッチングの初期解を求め、
    最大2部マッチングを求めることにより、前記マッチング処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のリソースシェアリング支援システム。
  10. 前記マッチング履歴部は、
    荷主評価と輸配送業者評価を格納し、
    前記荷主評価は、前記マッチング処理の前記マッチング結果による輸配送が実施された後の荷主からの評価値を表す値であり、
    前記輸配送業者評価は、前記マッチング結果による前記輸配送が実施された後の輸配送業者からの評価値を表す値であることを特徴とする請求項1に記載のリソースシェアリング支援システム。
  11. 荷主間類似度計算部と、荷主視点評価値計算部と、輸配送業者間類似度計算部と、輸配送業者視点評価値計算部と、マッチング処理部と、を有するリソースシェアリング支援システムを用いてリソースシェアリングの支援を行うリソースシェアリング支援方法であって、
    前記荷主間類似度計算部により、
    マッチング履歴を取得し、各荷主間の荷主間類似度を計算するステップと、
    前記荷主視点評価値計算部により、
    前記マッチング履歴を取得し、前記荷主間類似度を用いて荷主視点から見た各輸配送業者の荷主視点評価値を計算するステップと、
    前記輸配送業者間類似度計算部により、
    前記マッチング履歴を取得し、各輸配送業者間の輸配送業者間類似度を計算するステップと、
    前記輸配送業者視点評価値計算部により、
    前記マッチング履歴を取得し、前記輸配送業者間類似度を用いて輸配送業者から見た各荷主の輸配送業者視点評価値を計算するステップと、
    前記マッチング処理部により、
    輸配送依頼と空きリソースを対応付け、前記荷主視点評価値と前記輸配送業者視点評価値を用いてマッチング処理を行ってマッチング結果を求めるステップと、
    を有することを特徴とするリソースシェアリング支援方法。
  12. 前記荷主間類似度を計算するステップは、
    前記荷主間類似度計算部により、
    自身のマッチング履歴と比較対象のマッチング履歴をそれぞれ取得し、
    前記自身の前記マッチング履歴におけるマッチング相手の頻度から構成される第1のベクトルを計算し、
    前記比較対象の前記マッチング履歴におけるマッチング相手の頻度から構成される第2のベクトルを計算し、
    前記第1のベクトルと前記第2のベクトルを用いて、前記荷主間類似度を計算することを特徴とする請求項11に記載のリソースシェアリング支援方法。
  13. 前記輸配送業者間類似度を計算するステップは、
    前記輸配送業者間類似度計算部により、
    自身のマッチング履歴と比較対象のマッチング履歴をそれぞれ取得し、
    前記自身の前記マッチング履歴におけるマッチング相手の頻度から構成される第3のベクトルを計算し、
    前記比較対象の前記マッチング履歴におけるマッチング相手の頻度から構成される第4のベクトルを計算し、
    前記第3のベクトルと前記第4のベクトルを用いて、前記輸配送業者間類似度を計算することを特徴とする請求項11に記載のリソースシェアリング支援方法。
  14. 前記荷主視点評価値を計算するステップは、
    前記荷主視点評価値計算部により、
    前記マッチング履歴の集合に含まれる各履歴に対して、各履歴を評価した荷主と、視点として設定した荷主との第1の類似度を取得し、
    前記第1の類似度を用いて、前記荷主視点評価値の重み付き平均を求め、
    前記輸配送業者視点評価値を計算するステップは、
    前記輸配送業者視点評価値計算部により、
    前記マッチング履歴の集合に含まれる各履歴に対して、各履歴を評価した輸配送業者と、視点として設定した輸配送業者との第2の類似度を取得し、
    前記第2の類似度を用いて、前記輸配送業者視点評価値の重み付き平均を求めることを特徴とする請求項11に記載のリソースシェアリング支援方法。
  15. 前記マッチング結果を求めるステップは、
    前記マッチング処理部により、
    前記輸配送依頼と前記空きリソースの集合を取得し、
    取得した前記集合に対しマッチング可能な組合せを取得し、
    取得した前記組合せに対して、前記荷主視点評価値と前記輸配送業者視点評価値を用いて重みを計算し、
    2部マッチングの初期解を求め、
    最大2部マッチングを求めることにより、前記マッチング処理を行うことを特徴とする請求項11に記載のリソースシェアリング支援方法。
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