JP7247494B2 - 蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、および蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、および蓄電デバイス Download PDF

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Description

本開示は、蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス用外装材の製造方法、および蓄電デバイスに関する。
蓄電デバイスは、通常、電極、電解質等の蓄電デバイス素子と蓄電デバイス素子を封止する外装材とを有する。
外装材としては、例えば、樹脂フィルム、金属箔層および熱融着性樹脂層を有し、各フィルムの間に接着層が配置された積層体である蓄電デバイス用外装材が用いられる(例えば、特許文献1)。蓄電デバイス用外装材は、例えば、蓄電デバイス用外装材の間に蓄電デバイス素子を挟み込み、蓄電デバイス用外装材の外周部を熱融着させることで蓄電デバイスの外装材として用いられている。また、蓄電デバイス用外装材は必要に応じて蓄電デバイス素子の厚さ、形状等に合わせてプレス成形がされて用いられる。
特開2013-196947号公報
ところで、近年、蓄電デバイスはあらゆる機器に使用されており形状が多様化している。一例として、フレキシブル性を有する蓄電デバイスが求められている。
一方、例えば、特許文献1に示すような金属箔層を有する蓄電デバイス用外装材は、通常成形性は有するものの、フレキシブル性は低い。そのため、金属箔層を有する蓄電デバイス用外装材はフレキシブル性を有する蓄電デバイスへの適用が困難である。
また、蓄電デバイス用外装材には、耐電解液性も求められる。
さらに、車載用や定置用の蓄電デバイスなどは、高温下の苛酷な環境で使用されることがあり、蓄電デバイス外装材には、高温耐久性も求められる。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、良好なフレキシブル性を有し、耐電解液性および高温耐久性を備えた蓄電デバイス用外装材を提供することを主目的とする。
本開示は、フレキシブル性を有し、複数のフィルムが積層された蓄電デバイス用外装材であって、熱融着性樹脂層と、上記熱融着性樹脂層の一方の面側に積層されて配置された複数のガスバリアフィルムと、複数の接着層とを有し、上記ガスバリアフィルムは、樹脂基材と、上記樹脂基材の片方または両方の面側に配置された、ガスバリア膜とを有し、上記複数の接着層のうち、少なくとも上記熱融着性樹脂層と上記ガスバリアフィルムとの間に配置される接着層が、耐電解液性を有しており、動的粘弾性測定装置を用いて引張法により周波数10Hzで引張貯蔵弾性率を測定したときの、0℃での前記引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での前記引張貯蔵弾性率の値の割合が20%以上である、蓄電デバイス用外装材を提供する。
本開示によれば、良好なフレキシブル性と耐電解液性を有する蓄電デバイス用外装材とすることができる。
本開示の蓄電デバイス用外装材を例示する概略断面図である。 本開示の蓄電デバイス用外装材を例示する概略断面図である。 測定試料の採取方法を説明する説明図である。
本開示の蓄電デバイス用外装材の実施形態について説明する。なお、以下の説明において「蓄電デバイス用外装材」を、単に「外装材」と称して説明する場合がある。
上述したように、近年、蓄電デバイスはあらゆる機器に使用されており、形状が多様化している。
例えば、近年、新しいタイプの電子機器として、使用者の身に着けたまま操作をするウェアラブル端末の開発が急速に進められている。ウェアラブル端末においては、使用者の体の動きに対する追従性が高いことが求められる。これに伴い、フレキシブル性を有する蓄電デバイスが求められている。
一方、例えば、特許文献1に示すような金属箔層を有する蓄電デバイス用外装材は、通常成形性は有するものの、フレキシブル性は低い。
金属箔層を有する蓄電デバイス用外装材のフレキシブル性が低い理由の一つとしては、例えば、40μm程度の比較的厚みの厚い金属箔層が用いられていることが挙げられる。外装材における金属箔層は、ガスバリア性を付与する構成であり、良好なガスバリア性を付与するためには金属箔層の厚みを比較的厚くする必要があるからである。また、外装材においては、例えば、プレス成形時において金属箔層にピンホールが発生することを抑制するため、金属箔層の厚みを厚くする必要があるからである。
本開示の発明者らは、金属箔層にかえて、複数のガスバリアフィルムを用いることで、所望のガスバリア性およびフレキシブル性を発現できることを知見した。
一方、複数のガスバリアフィルムを用いた外装材は、耐電解液性が低いことを知見した。この点について、本開示の発明者らは更なる研究を重ねた結果、外装材を構成するフィルムの間に配置される接着層の耐電解液性が、外装材の耐電解液性に大きく影響することを知見した。さらに、本開示の発明者らは、外装材の低温時の引張貯蔵弾性率に対する高温時の比率を所定値以下に設定することにより、高温耐久性が向上することを知見した。本開示は上記知見に基づきなされた発明である。
すなわち、本開示の蓄電デバイス用外装材は、複数のフィルムが積層された蓄電デバイス用外装材であって、熱融着性樹脂層と、上記熱融着性樹脂層の一方の面側に積層されて配置された複数のガスバリアフィルムと、複数の接着層とを有し、上記ガスバリアフィルムは、樹脂基材と、上記樹脂基材の片方または両方の面側に配置された、ガスバリア膜とを有し、上記複数の接着層のうち、少なくとも上記熱融着性樹脂層と上記ガスバリアフィルムとの間に配置される接着層が、耐電解液性を有しており、動的粘弾性測定装置を用いて引張法により周波数10Hzで引張貯蔵弾性率を測定したときの、0℃での前記引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での前記引張貯蔵弾性率の値の割合が20%以上である。
本開示において、動的粘弾性測定装置を用いて引張法により周波数10Hzで測定した貯蔵弾性率の値を、引張貯蔵弾性率値と称する。また、0℃での引張貯蔵弾性率値を「E’0」、100℃での引張貯蔵弾性率値を「E’100」と表記する場合がある。
また、本開示において「ガスバリア性」、「ガスバリア性能」とは、特に断りが無い場合は、酸素等の気体および/または水蒸気の透過を阻止する機能を意味するものとする。
なお、本開示において、「~」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2~15mmとの表記は、2mm以上15mm以下を意味する。
(フレキシブル性)
本開示において「外装材がフレキシブル性を有する」とは、外装材を折り曲げた場合に、ガスバリア性を維持できる程度に、外装材を構成するフィルムおよび接着層に破損が生じないことをいう。具体的に、「外装材がフレキシブル性を有する」とは、例えば下記の特性1,2のうち少なくとも一方を充足することをいう。本開示の外装材は、特性1および特性2の両者を充足していることが特に好ましい。
特性1:3回屈曲処理後の試験片(外装材)について、水蒸気透過度が0.5g/(m2・24h)以下であり、かつ、酸素透過度が0.5cc/(m2・24h・atm)以下であること。
特性2:外装材は、引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3<2.5(MPa・mm3)の関係を充足していること。
フレキシブル蓄電デバイスにおいては、外装材がこのようなフレキシブル性を備えていることが重要である。例えば、使用者の体の動きに対する追従性が高いウェアラブル端末に使用されるフレキシブル蓄電デバイスには、このような折り曲げ性に対する耐性を有する外装材を用いることが求められる。
特性1に関し、3回屈曲処理は以下の条件で行うものとする。それぞれ幅210mm×長さ297mm(A4サイズ)の長方形のサンプルを切り出し、サンプルの幅方向の両端の一方をゲルボフレックステスター(例えば、テスター産業社製、機種名BE1006)の円盤状の固定ヘッドに固定し、他方を固定ヘッドから離れて平行に配置されている同径の円盤状の駆動ヘッドに固定し、固定ヘッドおよび駆動ヘッドの外周にサンプルを円筒状となるように取り付ける。ASTM F392に準拠して、440度の角度でひねりを加えながら固定ヘッドと駆動ヘッドの間隔を7インチから3.5インチに狭めて、さらにひねりを加えた状態を維持したままヘッドの間隔を1インチまで狭め、その後、ヘッドの間隔を3.5インチまで広げて、さらにひねりを戻しながらヘッドの間隔を7インチまで広げるという往復運動を40回/minの速さで、温度25℃で3回行う。また、水蒸気透過度および酸素透過度の測定方法は、それぞれ、後述の「2.外装材の特性」の項に記載の方法と同じである。フレキシブル性に特に優れる観点から、3回屈曲処理後の外装材の水蒸気透過度は0.3g/(m2・24h)以下であり、かつ、3回屈曲処理後の酸素透過度が0.3cc/(m2・24h・atm)以下であることが特に好ましい。なお、水蒸気透過度の下限については、例えば、0.0g/(m2・24h)、0.1g/(m2・24h)などが挙げられ、酸素透過度の下限については、例えば、0.0cc/(m2・24h・atm)、0.1cc/(m2・24h・atm)などが挙げられる。
また、特性2に関し、外装材の引張弾性率は、次のようにして行う。引張弾性率の測定方法は、JIS K7161-1:2014(プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則)に準拠し、外装材を幅15mmの長方形にカットしてサンプルを採取した後、引張試験機を用いて、チャック間距離100mm、引張速度100mm/min、予備力の使用有り、の条件で、引張弾性率を測定する方法を用いる。測定環境は温度23℃、相対湿度55%の環境とする。サンプルの長さは、試験機の軸にサンプルの長さが一致するようにつかみ具を取り付けられかつ測定中につかみ部分がずれない範囲で決定し、例えば120mm程度である。引張試験機は、インストロン5565(インストロン・ジャパン社製)が好ましい。予備力は、例えば、応力をσ0、弾性率をEtとして(予備力のための適切な弾性率や応力が不明なときは事前に試験をして弾性率や応力の予測値を求めておく)、(Et/10000)≦σ0≦(Et/3000)の範囲である。なお、引張弾性率の値は外装材の面内の方向によって異なる場合があるので、面内平均値の使用が好ましい。外装材の面内方向の条件を概ね22.5度ずつ変えて採取した8つの条件の値の平均を面内平均値とみなすことができる。なお、外装材が小さいなどの理由で、前記22.5度ずつ変えた8つの条件のサンプルが採取できない場合には、例えば、外装材の面内方向の条件が概ね均一(すなわち、180度が概ね均一に分割される角度)となるようにして、可能な数のサンプルを取得して外装材の引張弾性率を求める。
フレキシブル性に優れる観点から、外装材は、0.5≦引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3<2.5(MPa・mm3)の関係を充足していることが好ましく、0.5≦引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3≦2.0(MPa・mm3)の関係を充足していることがより好ましく、0.5≦引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3≦1.5(MPa・mm3)の関係を充足していることがさらに好ましく、0.5≦引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3≦1.0(MPa・mm3)の関係を充足していることが特に好ましい。
また、外装材の引張弾性率としては、特に制限されないが、フレキシブル性に優れる観点から、好ましくは1.0GPa以上3.0GPa以下、より好ましくは1.1GPa以上2.9GPa以下、さらに好ましくは1.3GPa以上2.8GPa以下が挙げられる。なお、引張弾性率の測定方法は、前記の通りである。
本開示の外装材について図を用いて説明する。図1は本開示の外装材を例示する概略断面図である。外装材10は、フレキシブル性を有する。また、外装材10は、複数のフィルムが積層された部材である。なお、複数のフィルムには、ガスバリアフィルム2、熱融着性樹脂層4や、必要に応じて配置される保護フィルムが包含される。外装材10は、熱融着性樹脂層1と、熱融着性樹脂層1の一方の面側に積層されて配置された複数のガスバリアフィルム2と、複数の接着層3とを有する。複数の接着層3は、複数のフィルムの間に配置されている。図1においては、二つのガスバリアフィルム2aおよび2bが熱融着性樹脂層1の一方の面側に積層されて配置されている例を示している。また、接着層3は、通常、熱融着性樹脂層1、ガスバリアフィルム2aおよびガスバリアフィルム2bの各フィルムの間に配置される。本開示においては、接着層3a、3bのうち、少なくとも熱融着性樹脂層1とガスバリアフィルム2aの間に配置される接着層3aが耐電解液性を有する。
なお、外装材10は、通常、蓄電デバイスに用いられる際、熱融着性樹脂層1が、蓄電デバイス素子側に配置される。
本開示によれば、複数のガスバリアフィルムと、耐電解液性を有する接着層とを有することにより、良好なフレキシブル性と耐電解液性を有する蓄電デバイス用外装材とすることができる。
また、本開示の外装材は、良好なフレキシブル性を有することから、例えば、ウェアラブル端末の動きに追従可能な蓄電デバイスの外装材への適用が可能である。
また、本開示の外装材は、良好なフレキシブル性を有することから、加工性を高くすることができる。よって、例えば、種々の形状の蓄電デバイス、小型の蓄電デバイス、薄膜の蓄電デバイスの外装材に適用することが可能である。
さらに、本開示の外装材は、0℃での引張貯蔵弾性率値に対する100℃での引張貯蔵弾性率値の割合が所定値以上であり、温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量が小さいため、熱による膨張または収縮を抑えることができる。これにより、本開示の外装材は、高温環境下において長期間、良好な寸法安定性を示すことができる。このとき、ガスバリアフィルムの樹脂基材や外装材を構成する他の樹脂層も、熱に因る寸法変形が小さくなり、熱伸縮により生じるせん断応力も小さくなる。このため、ガスバリア膜が受ける上記せん断応力を小さくすることができ、ガスバリア膜に欠陥が発生するのを抑制することができる。その結果、本開示の外装材は、高温環境下において長期間良好なガスバリア性能を発揮することができ、高温耐久性に優れている。なお、樹脂基材等の寸法変形によりガスバリア膜に欠陥が生じる理由については、後で詳細に説明する。
さらに上記樹脂基材や上記他の樹脂層は、その樹脂の種類に応じて単体でガスバリア性能、特に酸素バリア性能を発揮する場合があるが、熱により軟化して変形が生じるとその性能が低下してしまう場合がある。本開示の外装材は、温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量が小さいことから、樹脂基材や他の樹脂層の寸法変形を抑えることができる。これにより上記樹脂基材や上記他の樹脂層は、高温環境下においても長期間ガスバリア性能を発揮することができ、外装材の長期ガスバリア性能の維持に寄与することができる。
以下、本開示の外装材の詳細を説明する。
1.外装材の構成
本開示の外装材は、複数のフィルムが積層された構造を有する。外装材は、熱融着性樹脂層と、複数のガスバリアフィルムと、接着層とを備える。
外装材の厚みとしては、特に制限されないが、フレキシブル性の観点から、上限については、好ましくは、150μm以下、140μm以下、130μm以下、100μm以下、90μm以下が挙げられ、下限については、好ましくは、50μm以上、55μm以上、60μm以上が挙げられる。また、外装材の厚みの好ましい範囲としては、50μm以上150μm以下、55μm以上150μm以下、60μm以上150μm以下、50μm以上140μm以下、55μm以上140μm以下、60μm以上140μm以下、50μm以上130μm以下、55μm以上130μm以下、60μm以上130μm以下、50μm以上100μm以下、55μm以上100μm以下、60μm以上100μm以下、50μm以上90μm以下、55μm以上90μm以下、60μm以上90μm以下が挙げられる。
(1)接着層
本開示における接着層は、複数のフィルムの間に配置される層である。すなわち、接着層は外装材を構成する全てのフィルムの間に配置される。
本開示においては、上記複数の接着層のうち、少なくとも上記熱融着性樹脂層と上記ガスバリアフィルムとの間に配置される接着層が、耐電解液性を有する。
本開示においては、複数の接着層の全てが、耐電解液性を有することが好ましい。具体的には、図1に示す外装材10においては接着層3aおよび3bの全てが、耐電解液性を有することが好ましく、図2に示す外装材10においては、接着層3a、3bおよび3cの全てが、耐電解液性を有することが好ましい。
「接着層が耐電解液性を有する」とは、通常、接着層が電解液によって劣化しにくいことをいう。接着層の劣化は、通常、剥離強度にて規定される。
接着層の耐電解液性は、例えば、下記の電解液耐性試験前における接着層の剥離強度(N/15mm)に対する、電解液耐性試験後の接着層の剥離強度(N/15mm)の比率(剥離強度の維持率)が、50%以上であることをいい、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
電解液耐性試験の条件は以下の通りである。
まず、外装材を60mm(縦方向、MD)×150mm(横方向、TD)に裁断する。次に、裁断した蓄電デバイス用外装材を横方向において熱融着性樹脂層同士が対向するようにして2つ折りにし、横方向の対向する1辺と縦方向の1辺を面圧1MPa、温度190℃、3秒間の条件で熱融着し、横方向の1辺が開口する袋状の外装材を作製する。次に、開口部から3gの電解液(1モル/リットルの6フッ化リン酸リチウム溶液、溶媒はエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(容積比))を注入し、開口部を7mm幅で、面圧1MPa、温度190℃、3秒間の条件で熱融着する。次に、外装材の開口部を熱融着した部分を上向きにして、85℃の恒温層内に24時間静置する。
接着層の剥離強度の測定条件は以下の通りである。
前記の<電解液耐性試験>を行った外装材の上側(外装材の開口部を熱融着した部分)の1辺と、その両側の2辺を切断して、電解液を排出する。次に、電解液をよく拭き取り、TDの方向が試験片の長さ方向になるようにして、幅15mmの短冊状に切りとって試験片を得る。なお、試験片は、熱融着されていない部分から3つ取得する。次に、試験片の長さ方向の端部から、熱融着性樹脂層とガスバリアフィルムとの間を長さ方向に部分的に剥離させる。この時の剥離は、手で行う。次に、熱融着性樹脂層が上側になるようにして、熱融着性樹脂層と、ガスバリアフィルム等(熱融着性樹脂層の上に積層されていた積層体全体)とを、それぞれ固定(チャック)し、引張試験機(例えば、エー・アンド・デイ製の商品名テンシロン万能材料試験機RTG-12180)を用いて、引張速度50mm/分、剥離角度180°、剥離距離25mmの条件で剥離試験を行い、剥離距離が10~20mmの間の剥離強度(N/15mm)の平均値を、接着層の剥離強度とする。なお、剥離強度は、それぞれ3つの試験片について測定した平均値である。
接着層は、本開示の外装材が用いられる蓄電デバイスの電解液に対し、上述した耐電解液性を有していればよいが、例えば、溶媒として、体積比で、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1の割合で混合した混合溶媒と、電解質として6フッ化リン酸リチウムを用いた電解液に対する耐電解液性を有することが好ましい。
本開示に用いられる接着層としては、上述した耐電解液性を有していれば特に限定されず、外装材が用いられる蓄電デバイスにおける電解液の種類に応じて適宜選択することができる。
本開示の発明者らは、研究を重ねる中で、融解温度(融点)が50℃以上120℃以下の酸変性ポリオレフィンを主剤とし、重量平均分子量が50以上2000以下のエポキシ樹脂を硬化剤とする接着剤を用いた接着層が、良好な耐電解液性を示すことを知見した。
すなわち、本開示においては、耐電解液性を有する接着層が、融解温度が50℃以上120℃以下の酸変性ポリオレフィンと、重量平均分子量が50以上2000以下のエポキシ樹脂との硬化物を含むことが好ましい。
なお、接着層に含まれる硬化物の構造、性質は、例えば、酸性ポリオレフィンの種類、エポキシ樹脂の種類、添加剤の有無、硬化条件等により変化するため、直接特定することは、通常、困難である。そこで、以下、接着層に含まれる硬化物について、硬化前の接着剤の成分を挙げて説明する。
酸変性ポリオレフィンとしては、不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されたポリオレフィンを用いることが好ましい。さらに、酸変性ポリオレフィンは、(メタ)アクリル酸エステルでさらに変性されていてもよい。なお、(メタ)アクリル酸エステルでさらに変性された変性ポリオレフィンは、不飽和カルボン酸またはその酸無水物と(メタ)アクリル酸エステルとを併用して、ポリオレフィンを酸変性することにより得られるものである。本開示において、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステル」または「メタアクリル酸エステル」を意味する。酸変性ポリオレフィンは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
酸変性されるポリオレフィンは、少なくともモノマー単位としてオレフィンを含む樹脂であれば特に限定されない。ポリオレフィンは、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンの少なくとも一方により構成することができ、ポリプロピレンにより構成することが好ましい。ポリエチレンは、例えば、ホモポリエチレンおよびエチレンコポリマーの少なくとも一方により構成することができる。ポリプロピレンは、例えば、ホモポリプロピレンおよびプロピレンコポリマーの少なくとも一方により構成することができる。プロピレンコポリマーとしては、エチレン-プロピレンコポリマー、プロピレン-ブテンコポリマー、エチレン-プロピレン-ブテンコポリマーなどのプロピレンと他のオレフィンとのコポリマーなどが挙げられる。ポリプロピレンに含まれるプロピレン単位の割合は、外装材の絶縁性や耐久性をより高める観点から、50モル%以上100モル%以下とすることが好ましく、80モル%以上100モル%以下とすることがより好ましい。また、ポリエチレンに含まれるエチレン単位の割合は、外装材の絶縁性や耐久性をより高める観点から、50モル%以上100モル%以下とすることが好ましく、80モル%以上100モル%以下とすることがより好ましい。エチレンコポリマーおよびプロピレンコポリマーは、それぞれ、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいずれであってもよい。また、エチレンコポリマーおよびプロピレンコポリマーは、それぞれ、結晶性、非晶性のいずれであってもよく、これらの共重合物または混合物であってもよい。ポリオレフィンは、1種類のホモポリマーまたはコポリマーにより形成されていてもよいし、2種類以上のホモポリマーまたはコポリマーにより形成されていてもよい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。また、酸無水物としては、上記例示した不飽和カルボン酸の酸無水物が好ましく、無水マレイン酸および無水イタコン酸がより好ましい。酸変性ポリオレフィンは、1種類の不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されたものであってもよいし、2種類以上の不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されたものであってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数が1以上30以下のアルコールとのエステル化物、好ましくは(メタ)アクリル酸と炭素数が1以上20以下のアルコールとのエステル化物が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。ポリオレフィンの変性において、(メタ)アクリル酸エステルは1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
酸変性ポリオレフィン中における不飽和カルボン酸またはその酸無水物の割合は、それぞれ、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、外装材の絶縁性や耐久性をより高め得る。
また、酸変性ポリオレフィン中における(メタ)アクリル酸エステルの割合は、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、外装材の絶縁性や耐久性をより高め得る。
酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、それぞれ、6000以上200000以下であることが好ましく、8000以上150000以下であることがより好ましい。なお、本開示において、酸変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。具体的な測定条件は以下の通りである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定として「Waters製、Alliance 2695」を用い、カラムは3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定する。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速1.0ml/min、サンプル注入量50μl、測定温度40℃、RI検出器を用いて実験を行う。また、検量線は東ソー社製「polystyrene標準試料TSK standard」から作製する。
また、酸変性ポリオレフィンの融解温度は、50℃以上120℃以下であることが好ましく、50℃以上100℃以下であることがより好ましい。なお、本開示において、酸変性ポリオレフィンの融解温度とは、示差走査熱量測定における融解ピーク温度をいう。また、本開示においては、接着層を構成する硬化物の融解温度が、上述した数値範囲であることが好ましい。本開示における硬化物の融解温度(溶融温度)は、JIS K 7121:2012の規定に準拠し、例えば、セイコーインスツルメンツ社製のEXSTAR6000を用いて測定することができる。
酸変性ポリオレフィンにおいて、ポリオレフィンの変性方法は、特に限定されず、例えば不飽和カルボン酸またはその酸無水物や、(メタ)アクリル酸エステルがポリオレフィンと共重合されていればよい。このような共重合としては、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられ、好ましくはグラフト共重合が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、分子内に存在するエポキシ基によって架橋構造を形成することが可能な樹脂であれば、特に制限されず、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。本開示において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、50以上2000以下の範囲にあればよい。外装材の絶縁性や耐久性をより一層高める観点からは、エポキシ樹脂の重量平均分子量としては、好ましくは100以上1000以下、より好ましくは200以上800以下が挙げられる。なお、本開示において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。具体的な測定条件は、上述した酸変性ポリオレフィンにおける測定条件と同様であるため、ここでの記載は省略する。
また、耐電解液性を有する接着層は、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、およびエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物の硬化物であってもよい。
イソシアネート基を有する化合物としては、特に制限されないが、ガスバリアフィルムとの密着性を効果的に高める観点からは、好ましくは多官能イソシアネート化合物が挙げられる。多官能イソシアネート化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば、特に限定されない。多官能イソシアネート系硬化剤の具体例としては、ペンタンジイソシアネート(PDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物などが挙げられる。また、アダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。
接着層における、イソシアネート基を有する化合物の含有量としては、接着層を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、ガスバリアフィルムなどとの密着性を効果的に高めることができる。
オキサゾリン基を有する化合物は、オキサゾリン骨格を備える化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン基を有する化合物の具体例としては、ポリスチレン主鎖を有するもの、アクリル主鎖を有するものなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
接着層における、オキサゾリン基を有する化合物の割合としては、接着層を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、ガスバリアフィルムなどとの密着性を効果的に高めることができる。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、分子内に存在するエポキシ基によって架橋構造を形成することが可能な樹脂であれば、特に制限されず、前記のエポキシ樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル誘導体、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層における、エポキシ樹脂の割合としては、接着層を構成する樹脂組成物中、0.1~50質量%の範囲にあることが好ましく、0.5~40質量%の範囲にあることがより好ましい。これにより、ガスバリアフィルムなどとの密着性を効果的に高めることができる。
また、耐電解液性を有する接着層は、酸素原子、複素環、C=N結合、およびC-O-C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であってもよい。さらに、耐電解液性を有する接着層が、エステル樹脂、およびエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むものであってもよい。
複素環を有する硬化剤としては、例えば、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤、イソシアネート基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C=N結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤などが挙げられる。また、C-O-C結合を有する硬化剤としては、オキサゾリン基を有する硬化剤、エポキシ基を有する硬化剤などが挙げられる。接着層がこれらの硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物であることは、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)、赤外分光法(IR)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)、X線光電子分光法(XPS)などの方法で確認することができる。
なお、接着層が、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種と、前記酸変性ポリオレフィンとを含む樹脂組成物の硬化物である場合、酸変性ポリオレフィンが主剤として機能し、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、及びエポキシ基を有する化合物は、それぞれ、硬化剤として機能する。
また、接着層は、ポリエステル、及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。ポリエステルとしては、例えばアミドエステル樹脂が好ましい。アミドエステル樹脂は、一般的にカルボキシル基とオキサゾリン基の反応で生成する。接着層は、これらの樹脂のうち少なくとも1種と前記酸変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物の硬化物であることがより好ましい。なお、接着層に、イソシアネート基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、エポキシ樹脂などの硬化剤の未反応物が残存している場合、未反応物の存在は、例えば、赤外分光法、ラマン分光法、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)などから選択される方法で確認することが可能である。
接着層の厚み(硬化後の厚み)は、良好なフレキシブル性と耐電解液性を有する蓄電デバイス用外装材とする観点から、1μm以上4μm以下の範囲であることが好ましい。
(2)ガスバリアフィルム
本開示におけるガスバリアフィルムは、樹脂基材と、上記樹脂基材の片面または両面に配置された、ガスバリア膜と、を有する。上記ガスバリアフィルムは、熱融着性樹脂層の一方の面側に配置され、外装材のガスバリア性に主に寄与する。
(i)ガスバリア膜
上記ガスバリア膜は、樹脂基材の片面または両面に配置され、ガスバリア性を有する膜である。上記ガスバリア膜は、ガスバリアフィルムのガスバリア性に主に寄与する。
ガスバリア膜は、無機物であってもよいし、有機物であってもよく、ガスバリア性が高いことから無機物が好ましい。
有機物としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、プロピレン-ビニルアルコール共重合体(PVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等が挙げられる。
無機物としては、例えば、金属(合金を含む)、無機化合物等が挙げられる。また、無機物を含むガスバリア膜としては、例えば、金属膜(例えば金属蒸着膜)、無機化合物を主成分とする膜(以下、無機化合物膜と称する場合がある。)、有機部分および無機部分の混合化合物を主成分とする膜(有機無機複合膜と称する場合がある。)等が挙げられる。
金属膜を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、チタン、ニッケル、鉄、銅等の金属またはこれらを含む合金を挙げることができる。フレキシブル性の観点から、金属膜は、アルミニウムであることが特に好ましい。
無機化合物膜を構成する無機化合物としては、例えば、珪素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、チタン、ホウ素、イットリウム、ジルコニウム、セリウム、亜鉛等の金属元素または非金属元素を含有する化合物が挙げられる。また、上記無機化合物としては、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機窒化物、無機酸化炭化物、無機酸化炭化窒化物、酸化珪素亜鉛等が挙げられる。具体的には、SiO2等の珪素酸化物、Al23等のアルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、チタン酸化物、スズ酸化物、珪素亜鉛合金酸化物、インジウム合金酸化物、珪素窒化物、アルミニウム窒化物、チタン窒化物、酸化窒化珪素等を挙げることができる。無機化合物は、単独で用いてもよいし、上述の材料を任意の割合で混合して用いてもよい。
有機無機複合膜を構成する有機部分および無機部分の混合化合物としては、例えば、樹脂部分と無機部分との混合化合物が挙げられる。有機部分を構成する樹脂としては、例えば、後述する樹脂基材の構成材料として例示した樹脂を用いることができる。無機部分を構成する無機物としては、例えば、無機化合物膜の材料として例示した無機化合物を用いることができる。また、オーバーコート層の材料として後述するもののうち、単独でガスバリア性を示すものを用いることができる。具体的には、株式会社クラレ製のクラリスタCFなどを用いることができる。
上記ガスバリア膜は、コーティング等による塗布膜であってもよく、蒸着膜であってもよい。中でも樹脂基材との密着性が高く、高ガスバリア性能を発揮することができる観点から蒸着膜であることが好ましい。上記ガスバリア膜は、1回蒸着により形成された単膜であってもよく、複数回蒸着により形成された多層膜であってもよい。
ガスバリア膜が多層膜である場合、同一組成の膜を組み合わせてもよく、異なる組成の膜を組み合わせてもよい。ガスバリア膜が多層膜である場合、多層膜全体でガスバリア膜1層分とする。
上記ガスバリア膜の厚みは、所望のガスバリア性を発揮することが可能であれば特に限定されず、ガスバリア膜の種類に応じて適宜設定することが出来る。ガスバリア膜の厚みは、例えば5nm以上200nm以下の範囲内とすることができ、中でも10nm以上100nm以下の範囲内であることが好ましい。なお、ガスバリア膜が多層膜である場合は、上記厚みは1回あたりの厚みをいう。
上記ガスバリア膜の厚みが上述の範囲に満たないと、製膜が不十分となり所望のガスバリア性を示すことができない場合がある。また、強度を確保できず経時劣化する場合がある。一方、上記ガスバリア膜の厚みが上述の範囲を超えると、折り曲げ等の機械的な応力を受けたときに欠陥が発生しやすくなる場合や、フレキシブル性が低下する場合がある。
ガスバリア膜の形成方法は、樹脂基材の片面または両面に所望の厚みで成膜可能な方法であればよく、塗布法、蒸着法、圧着法等、ガスバリア膜の種類に応じて従来公知の方法を用いることができる。
(ii)樹脂基材
樹脂基材としては、上記ガスバリア膜を支持可能であれば特に限定されず、例えば、樹脂フィルム、樹脂シートが好適に用いられる。上記樹脂基材が樹脂フィルムである場合、上記樹脂フィルムは未延伸であってもよく、一軸または二軸延伸されたものであってもよい。なお、本開示において「フィルム」と「シート」とは同義である。
樹脂基材に用いられる樹脂は、特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリスチレン樹脂;アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂);アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂);ポリ(メタ)アクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂等のポリビニルアルコール系樹脂;各種のナイロン等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;アセタール樹脂;セルロース樹脂等の各種の樹脂を使用することができる。
外装材に複数のガスバリアフィルムが用いられる場合、より熱融着性樹脂層に近い位置に配置されるガスバリアフィルムの樹脂基材には、親水基含有樹脂が用いられることが好ましい。親水基含有樹脂は高温においても、酸素に対して良好なバリア性を発揮するため、外装材としての酸素バリア性能を向上させることができるからである。なお、「親水基」とは、静電的相互作用や水素結合などによって水分子と弱い結合をつくり、水に対して親和性示す原子団をいうものであり、例えばヒドロキシ基(-OH)、カルボキシ基(-COOH)、アミノ基(-NH2)、カルボニル基(>CO)、スルホ基(-SO3H)などの極性基や解離基を含む原子団がその性質を示す。親水基含有樹脂としては、例えば、PVA樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、多糖類などの天然高分子等が挙げられる。
上記樹脂基材には、種々のプラスチック配合剤や添加剤等が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等が挙げられる。また、上記樹脂基材は、表面処理が施されていてもよい。ガスバリア膜との密着性を向上させることができるからである。
樹脂基材の厚みは、特に限定されないが、例えば6μm以上200μm以下の範囲内とすることができ、好ましくは9μm以上100μm以下の範囲内である。
(iii)オーバーコート層
ガスバリアフィルムは、ガスバリア膜の樹脂基材とは反対の面側に、オーバーコート層を有していてもよい。オーバーコート層を有することで、ガスバリアフィルムのガスバリア性をさらに向上させることができるからである。
オーバーコート層を構成する材料は、特に限定されず、一般にオーバーコート剤として用いられている材料を用いることができる。例えば、オーバーコート層の主成分として、有機部分および無機部分を含む混合化合物を用いることができる。
上記混合化合物は、種々のものがあるが、例えば、株式会社クラレ社製のクラリスタCF(登録商標)などのリン酸アルミナ系の混合化合物、凸版印刷株式会社製のベセーラ(登録商標)などのアクリル酸亜鉛系の混合化合物、樹脂および無機層状化合物とからなるガスバリア性樹脂組成物、または、一般式R1 nM(OR2m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1以上、8以下の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される1種以上のアルコキシドと、水溶性高分子とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られる原料液によるゾルゲル化合物などを用いることができる。上記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、アクリル酸系樹脂、天然高分子系のメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバー、多糖類などが挙げられる。本開示においては、ゾルゲル化合物をオーバーコート層に用いることが好ましい。上記ゾルゲル化合物は、界面における接着強度が高く、また、製膜時の処理を比較的低温において行なうことができるため、樹脂基材等の熱劣化を抑制することができるからである。
オーバーコート層の厚みは、特に限定されないが、例えば、50nm以上500nm以下の範囲内とすることができる。
(iv)その他
本開示の外装材は、少なくとも2つ以上のガスバリアフィルムを有する。ガスバリアフィルムの数は、特に限定されないが、2つ以上、4つ以下の範囲内であることが好ましく、中でも2つ以上、3つ以下の範囲内であることが好ましく、特に3枚であることが好ましい。すなわち、本開示においては、図2に示すように、3つのガスバリアフィルム2a、2bおよび2cを有することが好ましい。各ガスバリアフィルムの構成は同じでもよく、異なっていてもよい。
本開示の外装材においては、熱融着性樹脂層の一方の面側に、複数のガスバリアフィルムが積層されて配置される。外装材において、ガスバリアフィルムにおける樹脂基材およびガスバリア膜の順序は特に限定されるものではなく、外装材に共に用いられる、ガスバリアフィルム以外の各層の層構成や、ガスバリアフィルムの数などに応じて適宜設定することができる。また、蓄電デバイスに用いた際、最も外側に配置されるガスバリアフィルムにおいては、樹脂基材およびガスバリア膜の順序は特に限定されない。例えば、図1に示すように、ガスバリアフィルム2bの樹脂基材21側が熱融着性樹脂層1と向き合うように配置されていてもよい。また、図2に示すように、ガスバリアフィルム2cのガスバリア膜22側が熱融着性樹脂層1と向き合うように配置されていてもよい。
本開示においては、例えば、樹脂基材21の片方の面側のみにガスバリア膜22が配置されている場合、図1に示すように、熱融着性樹脂層1に隣接するガスバリアフィルム2aにおいては、樹脂基材21側が熱融着性樹脂層1と向き合うように配置されることが好ましい。また、図1および図2に示すように、熱融着性樹脂層1に隣接する2つのガスバリアフィルム2a、2bにおいては、いずれも樹脂基材21側が熱融着性樹脂層1と向き合うように配置されていることが好ましい。樹脂基材21側が熱融着性樹脂層1と向き合うように配置されていることにより、ガスバリア膜22は外装材の厚み方向の中心側に配置される。また、熱によって変形しやすい熱融着性樹脂層1側とは反対側にガスバリア膜22が配置される。このため、外装材が曲げられた場合や熱に曝された場合でも、ガスバリア膜22にかかる応力を抑制することができるため、ガスバリア膜22へのクラックの発生を抑制することができる。
(3)熱融着性樹脂層
本開示における熱融着性樹脂層は、熱融着が可能なものであり、外装材を用いて蓄電デバイスを形成する際に、蓄電デバイス素子と接する部位である。また、対向する外装材同士の端部を熱融着する熱融着面を形成する部位である。
熱融着性樹脂層の材料としては、加熱によって溶融し、融着することが可能であることから熱可塑性樹脂が好ましく、例えば直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル、ポリウレタン、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコールが挙げられる。
本開示においては、上述した中でも、熱融着性樹脂層の材料が未延伸ポリプロピレン(CPP)であることが好ましい。未延伸ポリプロピレン(CPP)は、耐熱性が高いため、蓄電デバイス素子からの発熱に対し良好な耐久性を有する外装材とすることができるからである。また、ポリプロピレンフィルムの原料のポリプロピレンには、単一のモノマーを用いて生成されたホモポリマーと、2種類以上のモノマーを用いて生成されたコポリマーとがある。上記コポリマーは、モノマーの配列によりさらに分類することができ、モノマーの配列に秩序のないランダムコポリマーや、同種のモノマーが長く連続する配列を有するブロックコポリマーなどがある。本開示においてはホモポリマーからなる未延伸ポリプロピレンが好ましい。ホモポリマーからなる未延伸ポリプロピレンフィルムは押し込み弾性率が高く、外装材の耐ピンホール性が良好になるからである。
また、熱融着性樹脂層の材料として、酸変性ポリオレフィンを用いてもよい。酸変性ポリオレフィンとは、上記のポリオレフィンをカルボン酸等でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
熱融着性樹脂層の融解温度(融点)としては、例えば80℃以上、300℃以下の範囲内であることが好ましく、100℃以上、250℃以下の範囲内であることがより好ましい。熱融着性樹脂層の融解温度が低すぎると、本開示の外装材を用いて形成された蓄電デバイスの使用環境下において、外装材の封止面が剥離する可能性がある。また、熱融着性樹脂層の融解温度が高すぎると、外装材を高温で熱融着する必要があるため、外装材として共に用いられるガスバリアフィルム等が熱により劣化される可能性がある。
熱融着性樹脂層の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、15μm以上、100μm以下の範囲内が好ましい。熱融着性樹脂層の厚さが上述の範囲よりも大きいと、外装材のガスバリア性が低下する場合等があり、厚さが上述の範囲よりも小さいと、所望の接着力が得られない場合がある。熱融着性樹脂層の厚さは、25μm以上、90μm以下の範囲内がより好ましく、30μm以上、80μm以下の範囲内がさらに好ましい。
本開示における熱融着性樹脂層は、押し込み弾性率が所定の範囲であることが好ましい。具体的には、熱融着性樹脂層の押し込み弾性率は、0.5GPa以上5GPa以下であることが好ましく、0.5GPa以上4.5GPa以下であることがより好ましく、0.5GPa以上1.2GPa以下であることがさらに好ましい。また、1.0GPa以上4.5GPa以下であることも好ましい。
熱融着性樹脂層の押し込み弾性率が低すぎると、外装材を曲げたときに、ガスバリアフィルムへ応力集中が生じやすくガスバリアフィルムが割れやすくなる可能性があるからである。一方、上記押し込み弾性率が高すぎると、外装材を曲げたときに、応力集中により熱融着性樹脂層が割れやすくなる可能性があるからである。また、外装材のフレキシブル性が低下する可能性があるからである。
本開示においては、熱融着性樹脂層の押し込み弾性率を上述した範囲とすることにより、耐ピンホール性が良好な外装材とすることができる。
特に、熱融着性樹脂層がポリプロピレンフィルム(未延伸ポリプロピレンフィルムなど)である場合、押し込み弾性率は、0.8GPa以上であることが好ましく、0.8GPa以上5.0GPa以下であることがより好ましく、1.0GPa以上4.0GPa以下であることがさらに好ましい。また、熱融着性樹脂層がポリエチレンフィルムである場合、押し込み弾性率は、1.0GPa以下であることが好ましく、0.2GPa以上1.0GPa以下であることがより好ましく、0.3GPa以上0.8GPa以下であることがさらに好ましい。熱融着性樹脂層を構成する樹脂の種類によって、好ましい押し込み弾性率が異なる理由としては、例えば未延伸ポリプロピレンフィルムなどのポリプロピレンフィルムを使用する場合、熱融着性樹脂層の押し込み弾性率を上記の値とすることで、外装材全体としての剛性が上がり、耐屈曲性が向上する。一方、ポリエチレンフィルムの場合、押し込み弾性率を上記の値とすることで外装材全体としての柔軟性が高まり、耐屈曲性が向上するからである。
押し込み弾性率の測定は、ISO 14577:2015に準拠し、サンプルの断面に対して、約23℃約60%RHの環境で、ビッカース圧子(対面角136°の正四角錐のダイヤモンド圧子)を装着させた超微小負荷硬さ試験機を用いて、押し込み弾性率を測定する方法を用いる。測定は、押し込み速度0.1μm/秒、押し込み深さ2μm、保持時間5秒間、引き抜き速度0.1μm/秒で行う。超微小負荷硬さ試験機は、ピコデンターHM500(フィッシャー・インストルメンツ社製)が好ましい。1つの条件では、少なくとも5つのサンプルを測定し、それらの測定値の平均をその条件の押し込み弾性率の値とする。サンプルの断面は、サンプルの外周を硬化樹脂系接着剤で固めて固定し、固定したサンプルをダイヤモンドナイフで厚さ方向に切断し、サンプルの露出した断面である。
また、押し込み弾性指数を算出する際の各フィルムの厚さは、切削断面の光学顕微鏡観察の計測により測定することができる。
(4)保護フィルム
本開示の外装材は、上述した熱融着性樹脂層やガスバリアフィルムの他に、保護フィルムを有していてもよい。外装材が保護フィルムを有することにより、熱融着性樹脂層やガスバリアフィルムなど、外装材として共に用いられる各フィルムを、損傷や劣化から保護することができるからである。保護フィルムは、そのいずれの面にもガスバリア性を有する層が配置されていない点で、上述した各フィルムと区別することが可能である。保護フィルムの外装材における配置位置は特に限定されるものではないが、ガスバリアフィルムの熱融着性樹脂層とは反対の面側に配置されていることが好ましく、蓄電デバイスを形成する際に最外層(最表層)となる位置に、保護フィルムが配置されていることがより好ましい。
保護フィルムとしては、熱融着性樹脂層よりも高融点の樹脂を用いることが好ましく、シート状でもフィルム状でもよい。このような保護フィルムとして、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、アミノ樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド(PI)等の熱硬化性樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、セルロースナノファイバー(CNF)等のシートまたはフィルム等が挙げられ、中でも延伸ナイロン(ONY)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニル(PVC)等が好適に用いられる。
保護フィルムは、単層であってもよく、同一材料から成る層または異なる材料から成る層を積層させて多層としたものであってもよい。また保護フィルムは、他の層との密着性の向上が図れるという点から、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。また、保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、一般的に5μm以上、80μm以下の範囲内程度である。
保護フィルムは、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、充填剤等の他の材料を含んでいてもよい。これらの材料は、無機化合物で構成され得る。あるいは、無機化合物を含むハードコート層などが形成されていてもよい。
2.外装材の特性
本開示の外装材は、動的粘弾性測定装置を用いて引張法により周波数10Hzで引張貯蔵弾性率を測定したときの、0℃での上記引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での上記引張貯蔵弾性率の値の割合が20%以上である。上記割合として好ましくは25%以上である。また、上記割合は大きい程好ましいが、50%以下であることが好ましい。寸法変化が起きにくい部材を採用すると外装材が高コストになるからである。また、ガスバリアフィルムを有する本開示の外装材においては、外装材に広く採用されている樹脂基材を用いて上記割合を50%以上にすることは困難である。例え上記割合を50%以上に設定することが可能であったとしても、上記割合を満たすためには温度による引張貯蔵弾性率の変化が小さい無機物の量を多く含む必要があり、灰分が過剰となる場合がある。上記割合の好ましい範囲としては、好ましくは20%以上50%以下、より好ましくは25%以上50%以下が挙げられる。
上記割合は、外装材を構成する各層(特に、樹脂基材、熱融着性樹脂層などの樹脂を含む層)の種類(組成や分子量など)、厚み、積層構成などによって調整することができる。
高温環境で使用する蓄電デバイスにおいて、上記外装材は周縁部が熱融着された状態で熱に晒されることで、膨張または収縮が生じて寸法が変化する。樹脂基材と、上記樹脂基材の片面または両面に配置され、例えば無機物を含むガスバリア膜と、を有するガスバリアフィルムの場合、樹脂基材とガスバリア膜とは、熱による膨張または収縮の程度が大きく異なり、樹脂基材の方がより膨張または収縮しやすい傾向にある。このため、樹脂基材およびガスバリア膜を有するガスバリアフィルムにおいては、熱により上記樹脂基材が収縮すると、上記ガスバリア膜が上記樹脂基材から圧縮応力を受けやすくなり、一方、熱により上記樹脂基材が膨張すると、上記ガスバリア膜が上記樹脂基材から引張応力を受けやすくなる。そしてガスバリア膜は、これらの熱伸縮によるせん断応力を受けることで、微小なクラック等の欠陥が生じ易くなると推量される。
また、外装材は、通常、ガスバリアフィルムの他に、熱融着性樹脂層等を他の構成部材として有しており、これらの他の構成部材も樹脂を含むことから熱による膨張または収縮が生じると予想される。上記他の構成部材と近接するガスバリアフィルムのガスバリア膜は、上記他の構成部材の熱伸縮によるせん断応力を受けるため、欠陥がより発生し易くなると推量される。
ここで、熱による寸法変化の程度を求める指標として、温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量を用いることができる。通常、積層体全体の温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量が大きいと、積層体は熱による膨張または収縮が大きくなり、寸法安定性が低下する傾向にある。また、積層体を構成する各層のうち1層でも温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量が大きいと、積層体全体の温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量も同様に大きくなる傾向にある。このことは、本開示の外装材についても当てはまり、外装材を構成する部材のうち1つでも熱による膨張または収縮が大きいと、外装材全体の引張貯蔵弾性率の値の変化量が大きくなり、寸法が大きく変化する。そして、引張貯蔵弾性率の値の変化量が大きくなると、ガスバリア膜が受けるせん断応力も大きくなるため、欠陥が発生しやすくなる。
このように、蓄電デバイスが高温耐久性を発揮するためには、さらに、外装材の温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量を小さくすることも重要である。すなわち、温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量が異なる場合には、高温環境下において寸法変化の程度やせん断応力による欠陥の発生のしやすさが異なり、高温環境下において寸法を維持し、欠陥の発生を十分に抑制することができないと推量される。そこで、本開示では、温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量を小さくすることで上記の問題を解決するに至ったのである。
ここで、温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量が小さいとは、外装材の0℃での引張貯蔵弾性率値(E’0)と100℃での引張貯蔵弾性率値(E’100)との差が小さ
いこと、すなわち、外装材の0℃での引張貯蔵弾性率値(E’0)に対する100℃での
引張貯蔵弾性率値(E’100)の割合が大きいことを意味する。外装材の酸素バリア性能
は、主に0℃から100℃の温度域で確認することができ、上記温度域において引張貯蔵弾性率の値の変化量が大きい場合、外装材の酸素バリア性能が低下しやすくなる。また、上記の場合、上記温度域において樹脂基材の片面または両面に形成されたガスバリア層(例えば無機物)に欠陥が生じやすくなることから、外装材は、酸素バリア性能だけでなく、水蒸気バリア性能も低下する。
本開示の外装材によれば、0℃での引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での引張貯蔵弾性率の値の割合が所定値以上であるため、温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量が小さく、熱による膨張または収縮を抑えることができる。このため、本開示の外装材は、高温環境下においても良好な寸法安定性を示すことができ、ガスバリア膜が樹脂基材や他の構成部材の熱収縮により受けるせん断応力を小さくすることができる。これにより、ガスバリア膜に欠陥が発生することを抑制でき、ガスバリア膜が高温環境下において長期間良好なガスバリア性能を発揮することができ、高温耐久性に優れる。
また、ガスバリアフィルムを構成する樹脂基材、本開示の外装材を構成する他の樹脂層は、その樹脂の種類に応じて単体でガスバリア性能、特に酸素バリア性能を有する場合があるが、熱により樹脂が軟化すると、上記樹脂基材や上記他の樹脂層が有するガスバリア性能が低下し、その結果、外装材全体のガスバリア性能の低下を引き起こすと推量される。これに対し、本開示の外装材は、0℃での引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での引張貯蔵弾性率の値の割合が所定値以上であり、温度変化による引張貯蔵弾性率の値の変化量が小さい、すなわち、本開示の外装材を構成する上記樹脂基材や上記他の樹脂層は、熱により軟化しにくく、寸法安定性が高い。このため、上記樹脂基材や上記他の樹脂層においても、高温環境下において長期間良好なガスバリア性能を維持することができる。
なお、本開示の外装材は、0℃での引張貯蔵弾性率値(E’0)が1000MP以上5
000MP以下の範囲内であることが好ましく、中でも1500MP以上4500MP以下の範囲内であることが好ましい。
外装材の0℃、100℃のそれぞれの温度での引張貯蔵弾性率値は、JIS K7244-4:1999(プラスチック-動的機械特性の試験方法 第4部:引張振動-非共振法)に準拠して、以下の方法により測定することができる。まず、後述する方法により外装材から測定試料を採取し、引張方向が測定試料の長手方向となるように、動的粘弾性測定装置のチャック(チャック間距離20mm)に測定試料の両端を取り付ける。引張り荷重(静荷重150mg)をかけて、引張法(正弦波歪み、引張モード、歪み量:自動歪み)で一定の周波数10Hz、昇温速度5℃/分で0℃から200℃まで引張貯蔵弾性率を測定する。このときの0℃、100℃の各温度での測定値を、それぞれ0℃での測定試料の引張貯蔵弾性率値、100℃での測定試料の引張貯蔵弾性率値とする。測定試料の引張貯蔵弾性率値を規定する各温度は±1.0℃の範囲内で許容することができる。動的粘弾性測定装置としては、例えばユービーエム社製Rheogel-E4000を用いることができる。なお、上記方法における具体的な測定条件を下記に示す。
(引張貯蔵弾性率の測定条件)
・測定試料:40mm×5mmの矩形
・チャック間距離(チャック間測定試料長さ):20mm
・測定モード:引張法(正弦波歪み引張モード)
・昇温速度:5℃/min
・周波数:10Hz
・測定温度範囲:0℃~200℃
・静荷重:150mg
・歪み量:自動歪み
0℃での引張貯蔵弾性率値(E’0)に対する100℃での引張貯蔵弾性率値(E’10
0)の割合は、下記式から求める値とすることができる。
0℃での引張貯蔵弾性率値(E’0)に対する100℃での引張貯蔵弾性率値(E’100
)の割合=(E’100/E’0)×100(%)
引張貯蔵弾性率の測定に用いる測定試料は、図3に示す方法により採取することができる。図3で示すように、まず、外装材10から所望のサイズの試験片Qを切り出す。外装材からサンプリングする試験片Qの数Nは、少なくともN≧1であればよく、N≧3とすることが好ましい。次に、各試験片Qの面内において、基準点Pと、上記基準点Pを始点として面内の任意の一方向Xに延びる基準軸Lとを設定し、上記基準軸L上で、基準軸Lの上記一方向Xが測定試料の長手方向となるようにして、測定試料Sを採取する。上記測定試料Sは、引張貯蔵弾性率の測定条件で記した寸法とする。上記基準軸L上での上記測定試料Sの採取位置としては、例えば、矩形の中心が上記基準軸Lを通る位置とすることができる。続いて、上記基準点Pを回転中心として、上記基準軸Lを22.5°ずつ回転させ、各回転位置において同様に測定試料Sを採取する。これにより、1つの試験片Qにつき、面内において基準点Pを中心に放射線状に16点の測定試料Sを採取する。測定試料はいずれも上記寸法の矩形とする。
外装材から切り出す上記試験片は、少なくとも1以上であることが好ましく、中でも、3以上であることが好ましい。試験片が2以上の場合、外装材の引張貯蔵弾性率とは、測定試料の引張貯蔵弾性率の16点平均を、試験片1つあたりの引張貯蔵弾性率とし、それをさらに試験片数で平均化した値とすることができる。
本開示においては、外装材の各温度での引張貯蔵弾性率値は、試験片数N=1のときの計16点の測定試料の値としてもよいが、試験片数N=3のときの計48点の測定試料の平均値とすることが好ましい。外装材の0℃での引張貯蔵弾性率値(E’0)に対する10
0℃での引張貯蔵弾性率値(E’100)の割合についても同様である。
また、本開示の外装材は、雰囲気温度20℃で測定した寸法を基準とし、前記雰囲気温度20℃から雰囲気温度145℃までの昇温過程と、前記雰囲気温度145℃で1時間保持する恒温過程と、前記雰囲気温度145℃から雰囲気温度20℃までの降温過程を順次行った後の前記寸法の変化率が、1%以下であることが好ましい。当該変化率が1%以下であることにより、高温耐久性に優れると評価される。寸法変化率の測定方法の具体的な方法は、以下の通りである。
<寸法変化率の測定方法>
まず、高温保持前の外装材10の面内において、基準点Pと、上記基準点Pを始点として面内の任意の一方向Xに延びる基準軸Lとを設定し、上記基準軸L上で、上記基準軸Lの上記一方向X(軸方向)を長手方向とする矩形の測定試料Sを採取する。上記測定試料は、短手方向の長さが5mm、長手方向の長さが20mmの矩形とする。上記基準軸L上での上記測定試料Sの採取位置としては、例えば、矩形の中心が上記基準軸Lを通る位置とすることができる。次に、上記基準点Pを回転中心として、上記基準軸Lを22.5°ずつ回転させ、各回転位置において同様に測定試料Sを採取する。これにより、外装材10の面内において、基準点Pを中心に放射線状に16点の測定試料Sを採取する。16点の測定試料はいずれも上記寸法とする。
16点の各測定試料について、高温保持前の雰囲気の温度が20℃の際の寸法を測定する。このときの測定試料の寸法を「基準寸法」と称する。ここで、測定対象となる測定試料の「寸法」とは、測定試料の「長手方向の寸法」とする。また、「雰囲気の温度が20℃の際」とは、雰囲気の温度が20℃±0.5℃の範囲内にあるときをいう。16点の測定試料の基準寸法の平均を「雰囲気の温度が20℃の際の外装材の寸法」とする。なお、寸法変化率の算出の基準となる「雰囲気の温度が20℃の際の外装材の寸法」のことを、「高温保持前の外装材の寸法」と称することがある。
次に、16点の測定試料を、昇温過程、恒温過程、および降温過程の順に置く。昇温、恒温、降温の一連の過程は、熱機械的分析装置(TMA:Thermomechanical Analyzer)を用いて、以下に示す条件により行う。各過程において、測定試料の寸法を経時で連続して測定する。
熱機械的分析装置:日立ハイテクサイエンス社製 TMA/SS6100
測定モード:引張モード、荷重100mN
測定試料:20mm(長手方向)×5mm(短手方向)の矩形
昇温開始温度:20℃
昇温終了温度:145℃(145℃での保持時間:1時間)
降温終了温度:20℃
昇温および降温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素パージ下
寸法測定頻度:0.16分刻み
昇温、恒温、降温の一連の過程を経た後の各測定試料について、雰囲気の温度が20℃の際の長手方向の寸法を測定し、基準寸法からの変化量の割合、すなわち、測定試料の高温保持前後の寸法変化率を算出する。そして、16点の測定試料の高温保持前後の寸法変化率の平均を、「高温保持前後の外装材の寸法変化率」とする。測定試料の高温保持前後の寸法変化率は、下記式(1)で定義することができる。
測定試料の高温保持前後の寸法変化率(%)=|L0-L1|/L0×100 … 式(1)
(ここで、式(1)中のL0は基準寸法であり、L1は、昇温、恒温および降温の一連の過程を経た後の測定試料の寸法である。)
また、昇温過程、恒温過程、降温過程の各過程について、基準寸法に対する各過程での測定試料の寸法変化量の割合、すなわち寸法変化率を算出し、その16点平均を「各過程における外装材の寸法変化率」とする。各過程における測定試料の寸法変化率は、1つの過程の中で、測定試料の長手方向の寸法が最小のときを最小寸法Lmin、最大のときを最大寸法Lmaxとして、式(2)から算出することができる。式(2)中のL0は、式(1)と同じ基準寸法である。
各工程における測定試料の寸法変化率(%)=(Lmax-Lmin)/L0×100 … 式(2)
なお、Lmin、Lmaxは、後述する予備方法において式(4)中のL2、L3に対応する。
具体的には、昇温過程であれば、測定試料の寸法変化率は、昇温開始の20℃から終了の145℃までの間で、測定試料の長手方向の最小寸法Lmin、および最大寸法Lmaxを特定し、式(2)から算出することができる。そして式(2)により算出した測定試料の寸法変化率の16点平均を、昇温過程における外装材の寸法変化率とすることができる。
また、恒温過程であれば、測定試料の寸法変化率は、145℃保持の開始から終了までの間で、測定試料の長手方向の最小寸法Lmin、および最大寸法Lmaxを特定し、式(2)から算出することができる。そして、昇温過程の場合と同様の方法により、恒温過程における外装材の寸法変化率を算出することが出来る。
降温過程の場合も同様に、測定試料の寸法変化率は、降温開始の145℃から終了の20℃までの間で最小寸法Lmin、最大寸法Lmaxを特定し、式(2)から算出することができる。そして、昇温過程の場合と同様の方法により、降温過程における外装材の寸法変化率を算出することが出来る。上記寸法変化率は、少なくとも3個の試験片について、各々22.5°ずつ異なる16点の平均値を用いることができ、合計で48個の寸法変化率の平均値を用いることができる。
なお、高温保持前後、および各過程における外装材の寸法変化率は、通常、上述した方法を用いて測定されるが、製膜方向を特定した以下に示す予備方法を用いて規定することも可能である。上記予備方法による上記外装材の寸法変化率とは、測定試料を熱機械的分析装置(TMA:Thermomechanical Analyzer)により、下記の条件で、20℃から145℃の昇温過程と、それに続く145℃で1時間における恒温過程と、それに続く145℃から20℃の降温過程と、の各過程において、連続製膜方向;フィルムの長手方向に垂直な方向;フィルムの幅方向)の初期値(昇温前の20℃での寸法)に対する寸法変化率を測定したものである。上記熱機械的分析装置としては、例えば日立ハイテクサイエンス社製のTMA/SS6100を用いることができる。
測定モード:引張モード、荷重100mN
試料長さ:20mm
試料幅:5mm
昇温開始温度:20℃
昇温終了温度:145℃(145℃での保持時間:1時間)
降温終了温度:20℃
昇温および降温速度:10℃/min
測定雰囲気:窒素パージ下
なお、上記予備方法による上記高温保持前後の寸法変化率は、下記式(3)で定義されるものである。ただし、昇温前の20℃での外装材の寸法を式(3)のL0とし、昇温過程、恒温過程および降温過程を経た外装材の寸法を式(3)のL1とする。
高温保持前後の寸法変化率(%)=|L0-L1|/L0×100 … 式(3)
また、上記予備方法による昇温過程、恒温過程、降温過程の各過程における寸法変化率は、下記式(4)で定義されるものである。ただし、昇温前の20℃での外装材の寸法を式(4)のL0とし、測定する過程において得られる外装材の最小寸法を式(4)のL2とし、当該過程において得られる外装材の最大寸法を式(4)のL3とする。
各過程における寸法変化率(%)=(L3-L2)/L0×100 … 式(4)
当該寸法変化率は、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下であり、好ましい範囲については、0%以上1%以下、0%以上0.5%以下、0%以上0.2%以下が挙げられる。
上記寸法変化率は、外装材を構成する各層(特に、樹脂基材、熱融着性樹脂層などの樹脂を含む層)の種類(組成や分子量など)、厚み、積層構成などによって調整することができる。
本開示の外装材は、空気による蓄電デバイス素子の劣化を抑制可能な程度のガスバリア性を有する。本開示の外装材は、酸素透過度が0.5cc/(m2・24h・atm)以下、中でも0.1cc/(m2・24h・atm)以下、特に0.05cc/(m2・24h・atm)以下であることが好ましい。また、本開示の外装材は、水蒸気透過度が0.5g/(m2・24h)以下、中でも0.1g/(m2・24h)以下であることが好ましく、特に0.05g/(m2・24h)以下であることが好ましい。外装材が上述の範囲内のガスバリア性を有することにより、蓄電デバイス素子を良好に封止することができるからである。
酸素透過度の測定は、JIS K7126-2:2006(プラスチック-フィルム及びシート-ガス透過度試験方法-第2部:等圧法、付属書A:電解センサ法による酸素ガス透過度の試験方法)に準拠して、温度23℃、湿度60%RHの条件下で酸素ガス透過度測定装置を使用して測定することができる。酸素ガス透過度測定装置としては、例えば米国MOCON社製OXTRANを用いることが出来る。測定は、外装材の表面のうち、上記外装材の厚み方向において熱融着性樹脂層に対してガスバリアフィルム側に位置する上記表面が酸素ガスに接するようにして上記装置内に装着し、透過面積50cm2の条件で行う。上記測定は、以下の手順で行う。まず、上記装置内にキャリアガスを流量10cc/分で60分以上供給してパージする。上記キャリアガスは5%程度水素を含む窒素ガスを用いることができる。パージ後、上記装置内に試験ガスを流し、流し始めてから平衡状態に達するまでの時間として12時間を確保した後に、上記の温度および湿度の条件で測定を開始する。上記試験ガスは少なくとも99.5%(体積)の酸素を含んだ乾燥酸素を用いる。1つの条件では少なくとも3つのサンプルを測定し、それらの測定値の平均をその条件の酸素透過度の値とする。本明細書において説明する酸素透過度は、上述の方法と同様の方法を用いて測定することができる。
また、水蒸気透過度の測定は、JIS K7129-B:2008(プラスチック-フィルム及びシート-水蒸気透過度の求め方(機器測定法)、付属書B:赤外線センサ法)に準拠して、温度40℃、湿度90%RHの条件(条件3)で、水蒸気透過度測定装置を用いて、外装材の外側(熱融着性樹脂層のガスバリアフィルムが配置された側)が高湿度側(水蒸気供給側)になるようにして、透過面積50cm2の条件で、測定する方法を用いる。水蒸気透過度測定装置は、パ-マトラン(PERMATRAN-W(登録商標)Model 3/33、米国企業のモコン(MOCON)社製)が好ましい。標準試験片としてNISTフィルム#3を用いる。1つの条件では少なくとも3つのサンプルを測定し、それらの測定値の平均をその条件の水蒸気透過度の値とする。本明細書において説明する水蒸気透過度は、上述の方法と同様の方法を用いて測定することができる。
本開示において、外装材の灰分は、1.0質量%以上、20.0質量%以下であってもよく、1.0質量%以上、16.0質量%以下であってもよく、また、1.0質量%以上、15.0質量%以下であってもよく、さらに、1.0質量%以上、5.0質量%以下の範囲内であってもよい。外装材の灰分は、外装材全体に占める無機化合物成分の含有率に近似する。一般に、無機化合物は、有機化合物よりも脆く、同じ応力がかかったときには有機化合物よりも欠陥が発生しやすい。外装材全体に占める無機化合物成分の含有率が大きいほど微小な欠陥の発生しやすい傾向にある。本開示においては、外装材の灰分が上記範囲にあることで、折り曲げられたときの微小な欠陥の発生を特に抑制することができる。
なお、無機化合物に起因する折り曲げられたときの微小な欠陥の発生のしやすさについて、例えば、無機化合物が使用されているそれぞれのフィルムや層の厚さをそれぞれ特定することも考えられる。外装材に含まれる無機化合物成分としては、例えば、ガスバリアフィルムのガスバリア膜を挙げることができる。しかし、ガスバリア膜は、箔、蒸着、または塗布のように様々な方法で形成されたものが適宜用いられる。また、蒸着や塗布では、例えば、形成条件により得られる膜の密度は異なり、膜に有機化合物成分が含まれることもある。そのため、ガスバリア膜の厚さだけで、折り曲げられたときの微小な欠陥の発生のしやすさを評価することは困難である。また、無機化合物成分の含有量を、ガスバリア膜の厚さだけから決定することも困難である。さらに、樹脂基材、熱融着性樹脂層、接着層などに、様々な目的で無機化合物成分を含有させる場合があり、その無機化合物成分の影響も考慮する必要がある。しかし、ガスバリア膜と同様に、これらのフィルムや層の形成方法やその条件、あるいは原材料などは様々であるため、それらの厚さだけで、折り曲げられたときの微小な欠陥の発生のしやすさを評価することは困難である。外装材の灰分は、例えば、樹脂基材、熱融着性樹脂層、保護フィルム、もしくは接着層のようにガスバリアフィルム以外の構成で無機化合物が使用されているケースのように、無機化合物の使用態様が複雑な場合に、折り曲げられたときの微小な欠陥の発生についての総合的な指標としての利点が大きい。
灰分は、外装材全体の質量における、外装材が燃え尽きたあとに残る不燃性の無機化合物の割合を調べるものである。本開示においては、熱重量/示差熱同時分析装置(TG-DTA)を用いて、測定試料の質量を測定した後、アルミパン中、かつ、大気雰囲気下で、昇温速度10℃/分で室温から600℃まで昇温後、そのまま600℃で30分間加熱して測定試料を灰化し、加熱前の質量に対する加熱後の質量を百分率で表した値を灰分とする。この際の熱重量/示差熱同時分析装置としては、株式会社リガク製のTG8120を用いることができる。
3.その他
本開示の外装材の製造方法としては、例えば、予め成膜した各フィルムを、接着剤を使用して貼り合せるドライラミネーション工程や、熱溶融させたガスバリアフィルムの各材料を、Tダイ等を用いて押出しして貼り合せ、得られた積層体に接着剤を介して熱融着性樹脂層を貼り合せる、貼り合わせ工程等を挙げることができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに具体的に説明する。
外装材の作製において用いた各フィルムの略称は以下の通りである。また、各フィルムの詳細を表1に示す。
・Al蒸着PET12:アルミニウム(Al)膜(厚み55nm)が片面に蒸着されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み12μm)
・Al蒸着PET12-2:アルミニウム(Al)膜(厚み35nm)が片面に蒸着されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み12μm)
・Al蒸着EVOH12:アルミニウム(Al)膜(厚み55nm)が片面に蒸着されたエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム(厚み12μm)
・Al蒸着EVOH15:アルミニウム(Al)膜(厚み55nm)が片面に蒸着されたエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム(厚み15μm)
・SiO2蒸着ON15:二酸化ケイ素(SiO2)膜(厚み10nm)が片面に蒸着されたナイロンフィルム(厚み15μm)
・SiO2蒸着PET12:二酸化ケイ素(SiO2)膜(厚み10nm)が片面に蒸着されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み12μm)
・バリアPET12:一方の面に、酸化アルミニウム-リン酸の混合組成からなるバリアコート層(以下、Al23+P系コート層とする。)を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み12μm)
・CPP30:未延伸ポリプロピレンフィルム(厚み30μm)
・CPP40:未延伸ポリプロピレンフィルム(厚み40μm)
・CPP50:未延伸ポリプロピレンフィルム(厚み50μm)
・LLDPE50:直鎖状短鎖分岐ポリエチレンフィルム(厚み50μm)
・PET12:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)
・ON15:二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)
・ON25:二軸延伸ナイロンフィルム(厚み25μm)
Figure 0007247494000001
[実施例1]
(接着剤の準備)
主剤として固形分が20質量%であり、融解温度(融点)50℃の酸変性ポリプロピレンを準備した。また、硬化剤として固形分が10質量%であり、重量平均分子量500のエポキシ樹脂を準備した。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定として「Waters製、Alliance 2695」を用い、カラムとして「Shodex GPC LF-804(昭和電工製、8.0mmI.D.×300mm)」を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定した。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速1.0ml/min、サンプル注入量50μl、測定温度40℃、RI検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystyrene標準試料TSK standard」から作製した。
酸変性ポリプロピレンを10重量部、エポキシ樹脂を0.5重量部混合し、接着剤を得た。
(外装材の作製)
熱融着性樹脂層としてCPP40と、第一ガスバリアフィルムとしてAl蒸着PET12と、第二ガスバリアフィルムとしてAl蒸着PET12と、第三ガスバリアフィルムとしてSiO2蒸着ON15とをこの順に積層して外装材を得た。第一ガスバリアフィルムと第二ガスバリアフィルムとは、第一ガスバリアフィルムのPETフィルム側と、第二ガスバリアフィルムのAl蒸着膜側とが向かい合うように配置し、第三ガスバリアフィルムは、SiO2蒸着膜が熱融着性樹脂層側を向くように配置した。
上述した接着剤を用いて、各フィルム層の間に接着層を配置し、各フィルムを接着層で接合した。
具体的な各フィルムの接合方法は以下の通りである。外装材において隣接して配置される二つのフィルムのうち、一方のフィルムに上述した接着剤を塗布量1.5g/m2となるように塗布して接着層を形成した。次に、接着層が配置されたフィルムと、他方のフィルムとを接着層を間に挟んで加圧することにより、フィルムを接合した。
以上の手順により外装材を得た。
[実施例2]
熱融着性樹脂層としてCPP40と、第一ガスバリアフィルムとしてAl蒸着PET12と、第二ガスバリアフィルムとしてバリアPET12と、第三ガスバリアフィルムとしてバリアPET12とをこの順に積層して外装材を得た。各ガスバリアフィルムの樹脂基材とガスバリア膜の向きについては、実施例1と同様である。ガスバリアフィルムは、バリアコート層が熱融着性樹脂層側を向くように配置した。
接着剤として、実施例1に記載の接着剤を塗布量1.5g/m2となるように塗布して接着層を配置し、各フィルムを接合した。以上の手順により外装材を得た。
[比較例1]
(接着剤の準備)
ポリエステルポリオールを主成分とする主剤(ロックペイント社製 製品名:RU-77T)、脂肪族系ポリイソシアネートを含む硬化剤(ロックペイント社製 製品名:H-7)、および酢酸エチルの溶剤が、重量配合比が主剤:硬化剤:溶剤=10:1:14となるように混合された、2液硬化型の接着剤を準備した。
(外装材の作製)
熱融着性樹脂層としてLLDPE50と、第一ガスバリアフィルムとしてAl蒸着EVOH12と、第二ガスバリアフィルムとしてAl蒸着PET12-2と、第一保護フィルムとしてON25をこの順に積層して外装材を得た。第一ガスバリアフィルムと第二ガスバリアフィルムとは、第一ガスバリアフィルムのAl蒸着膜側と、第二ガスバリアフィルムのAl蒸着膜側とが向かい合うように配置した。
接着剤として、上述した2液硬化型の接着剤を塗布量3.5g/m2となるように塗布して接着層を配置し、実施例1と同様に各フィルムを接合した。以上の手順により外装材を得た。
[比較例2]
熱融着性樹脂層としてCPP50と、第一ガスバリアフィルムとしてSiO2蒸着PET12と、第二ガスバリアフィルムとしてSiO2蒸着PET12と、第三ガスバリアフィルムとしてSiO2蒸着PET12とをこの順に積層して外装材を得た。第一ガスバリアフィルムと第二ガスバリアフィルムとは、第一ガスバリアフィルムのSiO2蒸着膜側と、第二ガスバリアフィルムのSiO2蒸着膜側とが向かい合うように配置し、第三ガスバリアフィルムは、ガスバリア膜が熱融着性樹脂層側を向くように配置した。
接着剤として、比較例1に記載の2液硬化型の接着剤を塗布量3.5g/m2となるように塗布して接着層を配置し、実施例1と同様に各フィルムを接合した。以上の手順により外装材を得た。
[比較例3]
熱融着性樹脂層としてCPP50と、第一ガスバリアフィルムとしてAl蒸着EVOH15と、第二ガスバリアフィルムとしてSiO2蒸着PET12と、第三ガスバリアフィルムとしてSiO2蒸着ON15とをこの順に積層して外装材を得た。第一ガスバリアフィルムと第二ガスバリアフィルムとは、第一ガスバリアフィルムのAl蒸着膜側と、第二ガスバリアフィルムのSiO2蒸着膜側とが向かい合うように配置し、第三ガスバリアフィルムは、ガスバリア膜が熱融着性樹脂層側を向くように配置した。
接着剤として、比較例1に記載の2液硬化型の接着剤を塗布量3.5g/m2となるように塗布して接着層を配置し、実施例1と同様に各フィルムを接合した。以上の手順により外装材を得た。
[比較例4]
熱融着性樹脂層としてCPP30と、第一ガスバリアフィルムとしてAl蒸着PET12と、第二ガスバリアフィルムとしてバリアPET12と、第三ガスバリアフィルムとしてバリアPET12と、第四ガスバリアフィルムとしてバリアPET12とをこの順に積層して外装材を得た。第一ガスバリアフィルムと第二ガスバリアフィルムとは、第一ガスバリアフィルムのAl蒸着膜側と、第二ガスバリアフィルムのバリアコート層が向かい合うように配置し、第三ガスバリアフィルムおよび第四ガスバリアフィルムは、それぞれ、バリアコート層が熱融着性樹脂層側を向くように配置した。
接着剤として、比較例1に記載の2液硬化型の接着剤を塗布量3.5g/m2となるように塗布して接着層を配置し、実施例1と同様に各フィルムを接合した。以上の手順により外装材を得た。
実施例1~2および比較例1~4の外装材の構成を示す。なお、表2中の「外装材の構成」は、各フィルムの重なり順を示しており、各フィルム間に配置される接着層の記載について省略している。また、表2中の「/」は各フィルムの界面を示している。
Figure 0007247494000002
[評価]
(外装材の0℃での引張貯蔵弾性率値に対する100℃での引張貯蔵弾性率値の割合)
実施例1~2、比較例1~4で得られた各外装材の、0℃での引張貯蔵弾性率値に対する100℃での引張貯蔵弾性率値の割合を、上記「2.外装材の特性」の項で説明した条件および方法により算出した。各外装材からサンプリングした試験片数NはN=3とし、上記「2.外装材の特性」の項で説明した方法により各試験片から16点測定試料を採取した。外装材の0℃、100℃の各温度での引張貯蔵弾性率値は、試験片ごとに0℃、100℃の各温度での引張貯蔵弾性率値の16点平均を算出しそれを試験片数(N=3)で平均化した値とした。測定試料の0℃、100℃の各温度での引張貯蔵弾性率の測定方法の詳細は、上記「2.外装材の特性」の項で説明した通りである。
結果を表3に示す。
(高温保管前後での外装材の酸素透過度の劣化量)
実施例1~2および比較例1~4で得られた各外装材の酸素透過度を、上記「2.外装材の特性」の項で説明した条件および方法により測定し、「初期値」とした。また、実施例1~2および比較例1~4で得られた各外装材を、恒温室内(温度100℃、湿度無管理の雰囲気)で500時間保管後、各外装材の熱融着されていない部分の外装材を切り取り、切り取った部分の外装材の酸素透過度を、上記「2.外装材の特性」の項で説明した条件および方法により測定した。各外装材について、高温保管前後での酸素透過度の差分を算出し、経時劣化量とした。結果を表3に示す。
(寸法変化率の測定)
実施例1~2および比較例1~4で得られた各外装材について、雰囲気温度20℃で測定した寸法を基準とし、前記雰囲気20℃から雰囲気145℃までの昇温過程と、前記雰囲気145℃で1時間保持する恒温過程と、前記雰囲気145℃から雰囲気20℃までの降温過程を順次行った後の寸法の変化率を、上記「2.外装材の特性」の項で説明した条件および方法により測定した。結果を表3に示す。
(耐電解液性(剥離強度))
各外装材に対し、電解液耐性試験を実施し、試験前後の熱融着性樹脂層とバリアフィルムとの剥離強度を測定した。
袋状の外装材の作製時における、熱融着の条件は、温度190℃、面圧1.0MPa、加熱・加圧時間3秒とした。また、電解液は、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1の容積比で混合した溶液に6フッ化リン酸リチウムを混合して得られたものとした。電解液耐性試験および剥離強度の測定条件については、上述した「1.外装材の構成 (1)接着層」の項で説明した通りである。耐電解液性の評価基準は、電解液耐性試験を行っていない各外装材について、同様に引張強度を測定して得られた剥離強度(初期剥離強度)を基準(100%)として、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
A:初期剥離強度の80%以上の剥離強度である。
B:初期剥離強度の70%以上80%未満の剥離強度である。
C:初期剥離強度の50%未満の剥離強度である。
Figure 0007247494000003
Al蒸着PET12、Al蒸着EVOH15、SiO2蒸着PET12、SiO2蒸着ON15のようなガスバリア膜と樹脂基材との積層体をガスバリアフィルムとして用いると、ガスバリア膜を構成しているAl蒸着などが電解液に溶解しやすいため、外装材の耐電解液性を高めることの課題が顕著となる。しかしながら、実施例1,2では、耐電解液性に優れた接着剤を用いて接着層が形成されているため、この課題が好適に解決されていることが分かる。
また、実施例1,2では、0℃での引張貯蔵弾性率値に対する100℃での引張貯蔵弾性率値の割合(特性2)が所定値以上であった。また、実施例1,2では、高温保管前後で酸素透過度の経時劣化量が少なかった。さらに、実施例1,2では、前記の寸法変化率についても、1%以下であった。これらの結果から、実施例1,2の外装材は、高温耐久性に優れることが示された。
(水蒸気透過度)
実施例1,2および比較例1~4の外装材における40℃、90%RHの水蒸気透過度を測定した。測定方法の詳細は、「2.外装材の特性」の項で説明した通りである。結果を表4に示す。
(酸素透過度)
実施例1,2および比較例1~4の外装材における23℃、60%RHの酸素透過度を測定した。測定方法の詳細は、「2.外装材の特性」の項で説明した通りである。結果を表4に示す。
(フレキシブル性評価)
実施例1,2および比較例1~4の外装材のフレキシブル性(3回屈曲後の水蒸気透過度、3回屈曲後の酸素透過度、及び引張弾性率×(外装材の厚さ)3)を評価した。評価方法の詳細は、上述した「外装材がフレキシブル性を有する」の項で説明した通りである。結果を表4に示す。
(灰分評価)
実施例1,2および比較例1~4の外装材の灰分を評価した。評価方法の詳細は、「2.外装材の特性」の項で説明した通りである。結果を表4に示す。
(熱融着性樹脂層の押し込み弾性率)
実施例1,2および比較例1~4の外装材の熱融着性樹脂層の押し込み弾性率を測定した。測定方法の詳細は、上述した「1.外装材の構成 (3)熱融着性樹脂層」の項で説明した通りである。結果を表4に示す。
Figure 0007247494000004
表4に示される結果から明らかな通り、実施例1,2の外装材は、3回屈曲処理後の試験片の水蒸気透過度が0.5g/(m2・24h)以下であり、かつ、酸素透過度が0.5cc/(m2・24h・atm)以下であり、さらに、引張弾性率×(厚さ)3<2.5の関係を充足している。実施例1,2の外装材は、優れたフレキシブル性を備えている。これに対して、比較例2の外装材は、3回屈曲処理後の試験片の酸素透過度が0.5cc/(m2・24h・atm)を超えている。また、比較例1,2,4の外装材は、3回屈曲処理後の試験片の水蒸気透過度が0.5g/(m2・24h)を超えている。このため、これらの外装材は、実施例1,2と比較して、好適なフレキシブル性を備えていないことが分かる。
以上の通り、本開示は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 複数のフィルムが積層された蓄電デバイス用外装材であって、
熱融着性樹脂層と、前記熱融着性樹脂層の一方の面側に積層されて配置された複数のガスバリアフィルムと、複数の接着層とを有し、
前記ガスバリアフィルムは、樹脂基材と、前記樹脂基材の片方または両方の面側に配置された、ガスバリア膜とを有し、
前記複数の接着層のうち、少なくとも前記熱融着性樹脂層と前記ガスバリアフィルムとの間に配置される接着層が、耐電解液性を有しており、
前記蓄電デバイス用外装材は、動的粘弾性測定装置を用いて引張法により周波数10Hzで引張貯蔵弾性率を測定したときの、0℃での前記引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での前記引張貯蔵弾性率の値の割合が20%以上である、蓄電デバイス用外装材。
項2. 前記蓄電デバイス用外装材は、引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3<2.5(MPa・mm3)の関係を充足している、項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
項3. 前記蓄電デバイス用外装材は、雰囲気温度20℃で測定した寸法を基準とし、前記雰囲気温度20℃から雰囲気温度145℃までの昇温過程と、前記雰囲気温度145℃で1時間保持する恒温過程と、前記雰囲気温度145℃から雰囲気温度20℃までの降温過程を順次行った後の前記寸法の変化率が、1%以下である、項1又は項2に記載の蓄電デバイス用外装材。
項4. 前記複数の接着層の全てが、耐電解液性を有する、項1から項3までのいずれかの項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項5. 耐電解液性を有する前記接着層が、オキサゾリン基を有する化合物、およびエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物の硬化物である、項1から項4までのいずれかの項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項6. 耐電解液性を有する前記接着層が、酸素原子、複素環、C=N結合、およびC-O-C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である、項1から項4までのいずれかの項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項7. 耐電解液性を有する前記接着層が、ポリエステル、およびエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1から項4までのいずれかの項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項8. 温度40℃、湿度90%RH雰囲気下における水蒸気透過度が0.1g/(m2・24h)以下である、項1から項7までのいずれかの項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項9. 前記熱融着性樹脂層における押し込み弾性率が0.5GPa以上である、項1から項8までのいずれかの項に記載の蓄電デバイス用外装材。
項10. 以下の方法で測定される灰分が1.0質量%以上20.0質量%以下である、項1から項9までのいずれかの項に記載の蓄電デバイス用外装材。
(灰分の測定方法)
熱重量/示差熱同時分析装置を用いて、測定試料の質量を測定した後、アルミパン中、かつ、大気雰囲気下で、昇温速度10℃/分で室温から600℃まで昇温後、そのまま600℃で30分間加熱して測定試料を灰化し、加熱前の質量に対する加熱後の質量を百分率で表した値を灰分とする。
項11. 少なくとも正極、負極、および電解質を備えた蓄電デバイス素子が、項1から項10までのいずれかの項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
項12. 複数のフィルムが積層された蓄電デバイス用外装材の製造方法であって、
熱融着性樹脂層と、複数のガスバリアフィルムと、複数の接着層とを積層する工程を含んでおり、
前記複数のガスバリアフィルムは、前記熱融着性樹脂層の一方の面側に積層することで配置し、
前記ガスバリアフィルムは、樹脂基材と、前記樹脂基材の片方または両方の面側に配置された、ガスバリア膜とを有し、
前記複数の接着層のうち、少なくとも前記熱融着性樹脂層と前記ガスバリアフィルムとの間に配置される接着層が、耐電解液性を有しており、
前記蓄電デバイス用外装材は、動的粘弾性測定装置を用いて引張法により周波数10Hzで引張貯蔵弾性率を測定したときの、0℃での前記引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での前記引張貯蔵弾性率の値の割合が20%以上である、蓄電デバイス用外装材の製造方法。
項13. 複数のフィルムが積層された蓄電デバイス用外装材の製造方法であって、
前記蓄電デバイス用外装材は、引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3<2.5(MPa・mm3)の関係を充足しておいる、項12に記載の蓄電デバイス用外装材の製造方法。
1 … 熱融着性樹脂層
2、2a、2b、2c … ガスバリアフィルム
3、3a、3b、3c … 接着層
10 … 蓄電デバイス用外装材
21 … 樹脂基材
22 … ガスバリア膜

Claims (13)

  1. 複数のフィルムが積層された蓄電デバイス用外装材であって、
    熱融着性樹脂層と、前記熱融着性樹脂層の一方の面側に積層されて配置された複数のガスバリアフィルムと、複数の接着層とを有し、
    前記複数の接着層は、それぞれ、前記複数のガスバリアフィルムの間、及び、前記熱融着性樹脂層と前記ガスバリアフィルムとの間に配置されており、
    前記ガスバリアフィルムは、樹脂基材と、前記樹脂基材の片方または両方の面側に配置された、ガスバリア膜とを有し、
    前記複数の接着層のうち、少なくとも前記熱融着性樹脂層と前記ガスバリアフィルムとの間に配置される接着層が、電解液耐性試験前における前記接着層の剥離強度(N/15mm)に対する、下記の電解液耐性試験後の前記接着層の剥離強度(N/15mm)の比率(剥離強度の維持率)が、50%以上である耐電解液性を有しており、
    前記蓄電デバイス用外装材は、動的粘弾性測定装置を用いて引張法により周波数10Hzで引張貯蔵弾性率を測定したときの、0℃での前記引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での前記引張貯蔵弾性率の値の割合が20%以上である、蓄電デバイス用外装材。
    <電解液耐性試験>
    蓄電デバイス用外装材を60mm(縦方向、MD)×150mm(横方向、TD)に裁断する。次に、裁断した蓄電デバイス用外装材を横方向において熱融着性樹脂層同士が対向するようにして2つ折りにし、横方向の対向する1辺と縦方向の1辺を面圧1MPa、温度190℃、3秒間の条件で熱融着し、横方向の1辺が開口する袋状の外装材を作製する。次に、開口部から3gの電解液(1モル/リットルの6フッ化リン酸リチウム溶液、溶媒はエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(容積比))を注入し、開口部を7mm幅で、面圧1MPa、温度190℃、3秒間の条件で熱融着する。次に、蓄電デバイス用外装材の開口部を熱融着した部分を上向きにして、85℃の恒温層内に24時間静置する。
    前記の<電解液耐性試験>を行った蓄電デバイス用外装材の上側(開口部を熱融着した部分)の1辺と、その両側の2辺を切断して、電解液を排出する。次に、電解液をよく拭き取り、TDの方向が試験片の長さ方向になるようにして、幅15mmの短冊状に切りとって試験片を得る。なお、試験片は、熱融着されていない部分から3つ取得する。次に、試験片の長さ方向の端部から、熱融着性樹脂層とガスバリアフィルムとの間を長さ方向に部分的に剥離させる。この時の剥離は、手で行う。次に、熱融着性樹脂層が上側になるようにして、熱融着性樹脂層と、ガスバリアフィルム等(熱融着性樹脂層の上に積層されていた積層体全体)とを、それぞれ固定(チャック)し、引張試験機を用いて、引張速度50mm/分、剥離角度180°、剥離距離25mmの条件で剥離試験を行い、剥離距離が10~20mmの間の剥離強度(N/15mm)の平均値を、接着層の剥離強度とする。剥離強度は、それぞれ3つの試験片について測定した平均値である。
  2. 前記蓄電デバイス用外装材は、引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3<2.5(MPa・mm3)の関係を充足している、請求項1に記載の蓄電デバイス用外装材。
  3. 前記蓄電デバイス用外装材は、雰囲気温度20℃で測定した寸法を基準とし、前記雰囲気温度20℃から雰囲気温度145℃までの昇温過程と、前記雰囲気温度145℃で1時間保持する恒温過程と、前記雰囲気温度145℃から雰囲気温度20℃までの降温過程を順次行った後の前記寸法の変化率が、1%以下である、請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイス用外装材。
  4. 前記複数の接着層の全てが、前記耐電解液性を有する、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  5. 前記耐電解液性を有する前記接着層が、オキサゾリン基を有する化合物、およびエポキシ基を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物の硬化物である、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  6. 前記耐電解液性を有する前記接着層が、酸素原子、複素環、C=N結合、およびC-O-C結合からなる群より選択される少なくとも1種を有する硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物である、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  7. 前記耐電解液性を有する前記接着層が、ポリエステル、およびエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  8. 温度40℃、湿度90%RH雰囲気下における水蒸気透過度が0.1g/(m2・24h)以下である、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  9. 前記熱融着性樹脂層における押し込み弾性率が0.5GPa以上である、請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の蓄電デバイス用外装材。
  10. 以下の方法で測定される灰分が1.0質量%以上20.0質量%以下である、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の蓄電デバイス用外装材。
    (灰分の測定方法)
    熱重量/示差熱同時分析装置を用いて、測定試料の質量を測定した後、アルミパン中、かつ、大気雰囲気下で、昇温速度10℃/分で室温から600℃まで昇温後、そのまま600℃で30分間加熱して測定試料を灰化し、加熱前の質量に対する加熱後の質量を百分率で表した値を灰分とする。
  11. 少なくとも正極、負極、および電解質を備えた蓄電デバイス素子が、請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の蓄電デバイス用外装材により形成された包装体中に収容されている、蓄電デバイス。
  12. 複数のフィルムが積層された蓄電デバイス用外装材の製造方法であって、
    熱融着性樹脂層と、複数のガスバリアフィルムと、複数の接着層とを積層する工程を含んでおり、
    前記工程は、前記熱融着性樹脂層と、前記複数のガスバリアフィルムのうちの前記熱融着性樹脂層側の前記ガスバリアフィルムとを前記接着層を介して貼り合わせる工程と、前記複数のガスバリアフィルムの間を前記接着層を介して貼り合わせる工程と、を含んでおり、
    前記複数のガスバリアフィルムは、前記熱融着性樹脂層の一方の面側に積層することで配置し、
    前記ガスバリアフィルムは、樹脂基材と、前記樹脂基材の片方または両方の面側に配置された、ガスバリア膜とを有し、
    前記複数の接着層のうち、少なくとも前記熱融着性樹脂層と前記ガスバリアフィルムとの間に配置される接着層が、電解液耐性試験前における前記接着層の剥離強度(N/15mm)に対する、下記の電解液耐性試験後の前記接着層の剥離強度(N/15mm)の比率(剥離強度の維持率)が、50%以上である耐電解液性を有しており、
    前記蓄電デバイス用外装材は、動的粘弾性測定装置を用いて引張法により周波数10Hzで引張貯蔵弾性率を測定したときの、0℃での前記引張貯蔵弾性率の値に対する100℃での前記引張貯蔵弾性率の値の割合が20%以上である、蓄電デバイス用外装材の製造方法。
    <電解液耐性試験>
    蓄電デバイス用外装材を60mm(縦方向、MD)×150mm(横方向、TD)に裁断する。次に、裁断した蓄電デバイス用外装材を横方向において熱融着性樹脂層同士が対向するようにして2つ折りにし、横方向の対向する1辺と縦方向の1辺を面圧1MPa、温度190℃、3秒間の条件で熱融着し、横方向の1辺が開口する袋状の外装材を作製する。次に、開口部から3gの電解液(1モル/リットルの6フッ化リン酸リチウム溶液、溶媒はエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1(容積比))を注入し、開口部を7mm幅で、面圧1MPa、温度190℃、3秒間の条件で熱融着する。次に、蓄電デバイス用外装材の開口部を熱融着した部分を上向きにして、85℃の恒温層内に24時間静置する。
    前記の<電解液耐性試験>を行った蓄電デバイス用外装材の上側(開口部を熱融着した部分)の1辺と、その両側の2辺を切断して、電解液を排出する。次に、電解液をよく拭き取り、TDの方向が試験片の長さ方向になるようにして、幅15mmの短冊状に切りとって試験片を得る。なお、試験片は、熱融着されていない部分から3つ取得する。次に、試験片の長さ方向の端部から、熱融着性樹脂層とガスバリアフィルムとの間を長さ方向に部分的に剥離させる。この時の剥離は、手で行う。次に、熱融着性樹脂層が上側になるようにして、熱融着性樹脂層と、ガスバリアフィルム等(熱融着性樹脂層の上に積層されていた積層体全体)とを、それぞれ固定(チャック)し、引張試験機を用いて、引張速度50mm/分、剥離角度180°、剥離距離25mmの条件で剥離試験を行い、剥離距離が10~20mmの間の剥離強度(N/15mm)の平均値を、接着層の剥離強度とする。剥離強度は、それぞれ3つの試験片について測定した平均値である。
  13. 複数のフィルムが積層された蓄電デバイス用外装材の製造方法であって、
    前記蓄電デバイス用外装材は、引張弾性率(MPa)×(厚み(mm))3<2.5(MPa・mm3)の関係を充足しておいる、請求項12に記載の蓄電デバイス用外装材の製造方法。
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