以下、この開示をより詳細に説明するために、この開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る通信システムの要部を示すブロック図である。図2は、実施の形態1に係る通信システムにおける個々の車両に設けられるデータ収集装置の要部を示すブロック図である。図3は、実施の形態1に係る通信システムにおける個々の車両に設けられる無線通信装置の要部のハードウェア構成を示すブロック図である。図4は、実施の形態1に係る通信システムにおける個々の車両に設けられる無線通信装置の要部を示すブロック図である。図5は、実施の形態1に係る通信システムにおける先頭車両に設けられる通信制御装置の要部を示すブロック図である。図6は、実施の形態1に係る通信システムにおける個々の後続車両に設けられる通信制御装置の要部を示すブロック図である。図1~図6を参照して、実施の形態1に係る通信システムについて説明する。
図1に示す如く、通信システム1は、サーバ2及び車両群VGを含むものである。車両群VGは、複数台の車両Vを含むものである。より具体的には、車両群VGは、N+1台の車両Vを含むものである。N+1台の車両Vは、自動運転又は遠隔運転により隊列走行するものである。すなわち、N+1台の車両Vは、1台の先頭車両V_1及びN台の後続車両V_2を含むものである。N台の後続車両V_2は、N-1台の中間車両V_2_1~V_2_N-1及び1台の最後尾車両V_2_Nを含むものである。ここで、Nは、2以上の任意の整数である。
なお、N+1台の車両Vにおける自動運転レベルは、互いに異なるものであっても良い。例えば、先頭車両V_1における自動運転レベルは、個々の後続車両V_2における自動運転レベルと異なるものであっても良い。
以下、N+1台の車両Vのうちの先頭からn番目の車両Vを「n番目車両」と記載することがある。また、車両群VGにおけるn番目車両の位置を「位置n」と記載することがある。ここで、nは、1以上かつN+1以下の個々の整数である。
図1に示す如く、個々の車両Vにデータ収集装置3が設けられている。図2に示す如く、データ収集装置3は、複数種類のセンサ11を含むものである。具体的には、例えば、複数種類のセンサ11は、カメラ11_1、ソナー11_2、LiDAR(Light Detection and Ranging)11_3及びGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機11_4を含むものである。カメラ11_1は、フロントカメラ11_1_1、サイドカメラ11_1_2及びリアカメラ11_1_3を含むものである。
換言すれば、複数台の車両Vに複数個のデータ収集装置3がそれぞれ設けられている。複数個のデータ収集装置3により、種々のデータDを含むデータ群DGが収集される。すなわち、車両群VGにより、種々のデータDを含むデータ群DGが収集される。
具体的には、例えば、個々の車両Vにおけるフロントカメラ11_1_1により撮影された映像(以下「フロントカメラ映像」という。)を示すデータD_1_1が収集される。また、個々の車両Vにおけるサイドカメラ11_1_2により撮影された映像(以下「サイドカメラ映像」という。)を示すデータD_1_2が収集される。また、個々の車両Vにおけるリアカメラ11_1_3により撮影された映像(以下「リアカメラ映像」という。)を示すデータD_1_3が収集される。また、個々の車両Vにおけるソナー11_2を用いて取得された情報(以下「ソナー情報」という。)を示すデータD_2が収集される。また、個々の車両VにおけるLiDAR11_3を用いて取得された情報(以下「LiDAR情報」という。)を示すデータD_3が収集される。
図1に示す如く、個々の車両Vに無線通信装置4が設けられている。図3に示す如く、無線通信装置4は、送信機21及び受信機22により構成されている。図4に示す如く、無線通信装置4は、車車間通信部31及び外部通信部32を含むものである。
複数台の車両Vのうちの各2台の車両Vは、いわゆる「車車間通信」により相互に通信自在である。車車間通信部31は、車車間通信に対応する部位である。ここで、車車間通信は、路側機を介するものであっても良い。すなわち、車車間通信は、いわゆる「路車間通信」により実現されるものであっても良い。
また、複数台の車両Vの各々は、いわゆる「外部通信」によりサーバ2と通信自在である。外部通信部32は、外部通信に対応する部位である。外部通信は、例えば、いわゆる「モバイルデータ通信」により実現されるものである。モバイルデータ通信は、電気通信事業者(以下「キャリア」という。)との契約に基づくものである。すなわち、外部通信は、インターネットを用いるものである。図中、NWは、外部通信に用いられるネットワークを示している。
図1に示す如く、個々の車両Vに通信制御装置5が設けられている。より具体的には、先頭車両V_1に通信制御装置5_1が設けられており、かつ、個々の後続車両V_2に通信制御装置5_2が設けられている。
図5に示す如く、通信制御装置5_1は、車両情報取得部41、データ割当て部42、データ分配部43及び送信制御部44を含むものである。図6に示す如く、通信制御装置5_2は、車両情報出力部51、割当て情報取得部52、データ分配部53及び送信制御部54を含むものである。
以下、個々の通信制御装置5に係る説明において、N+1台の車両Vのうちの当該通信制御装置5を有する1台の車両Vを「自車両」ということがある。また、個々の通信制御装置5に係る説明において、N+1台の車両Vのうちの自車両を除くN台の車両Vを「他車両」ということがある。
車両情報出力部51は、自車両(V_2)に関する情報を取得するものである。車両情報出力部51は、当該取得された情報を出力するものである。ここで、車両情報出力部51により出力される情報は、自車両(V_2)におけるセンサ11に関する情報、車両群VGにおける自車両(V_2)の位置を示す情報、及び自車両(V_2)における無線通信の性能(車車間通信の性能及び外部通信の性能を含む。)を示す情報を含むものである。当該出力された情報は、車車間通信により先頭車両V_1に送信される。
車両情報取得部41は、自車両(V_1)に関する情報を取得するものである。また、車両情報取得部41は、車車間通信により、個々の他車両(V_2)に関する情報を取得するものである。すなわち、車両情報取得部41は、個々の車両Vに関する情報(以下「車両情報」という。)を取得するものである。ここで、車両情報は、個々の車両Vにおけるセンサ11に関する情報(以下「センサ情報」という。)、車両群VGにおける個々の車両Vの位置(以下「隊列位置」ということがある。)を示す情報(以下「隊列位置情報」という。)、及び個々の車両Vにおける無線通信の性能(車車間通信の性能及び外部通信の性能を含む。)を示す情報(以下「通信性能情報」という。)を含むものである。
センサ情報は、個々の車両Vにおけるセンサ11の種類を示す情報を含むものである。また、センサ情報は、個々の車両Vにおける個々のセンサ11により収集されるデータDの容量を示す情報を含むものである。また、センサ情報は、個々の車両Vにおける個々のセンサ11により収集されるデータDの処理にかかる時間(画像処理による遅延時間及びコーデックによる遅延時間などを含む。)を示す情報を含むものである。
隊列位置情報は、車両群VGにおける個々の車両Vの順番を示す情報を含むものである。かかる情報は、例えば、個々の車両Vにてカメラ11_1及びGNSS受信機11_4を用いて取得されるものである。
通信性能情報は、個々の車両Vにおける無線通信の通信規格を示す情報(以下「通信規格情報」という。)を含むものである。すなわち、通信規格情報は、車車間通信の通信規格を示す情報及び外部通信の通信規格を示す情報を含むものである。個々の車両Vにおける外部通信の通信規格は、例えば、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)又は5G(5th Generation)である。
また、通信性能情報は、個々の車両Vにおける無線通信のスループットを示す情報(以下「スループット情報」という。)を含むものである。すなわち、スループット情報は、車車間通信のスループットを示す情報及び外部通信のスループットを示す情報を含むものである。かかるスループットは、例えば、個々の車両Vにて専用のアプリケーションソフトウェアを用いて測定されるものである。
また、通信性能情報は、個々の車両Vにおける無線通信の遅延時間を示す情報(以下「遅延時間情報」という。)を含むものである。すなわち、遅延時間情報は、車車間通信の遅延時間を示す情報及び外部通信の遅延時間を示す情報を含むものである。かかる遅延時間は、例えば、個々の車両Vにて専用のアプリケーションソフトウェアを用いて算出されるものである。
すなわち、個々の車両Vにて、送信用のテストデータが送信される。このとき、スループットが測定されるとともに、送信時間が測定される。また、個々の車両Vにて、受信用のテストデータが受信される。このとき、受信時間が測定される。当該測定された送信時間及び当該測定された受信時間に基づき、遅延時間が算出される。
また、通信性能情報は、個々の車両Vにおける外部通信について、キャリアと契約中のデータ通信プランにおけるデータ通信容量(以下「契約プラン容量」という。)を示す情報(以下「契約プラン容量情報」という。)を含むものである。
また、通信性能情報は、個々の車両Vにおける無線通信について、契約プラン容量の残量(以下「契約プラン容量残量」という。)を示す情報(以下「契約プラン容量残量情報」という。)を含むものである。
なお、スループット情報は、以下のようにして生成されるものであっても良い。すなわち、個々のキャリアにより、いわゆる「エリアマップ」が提供されている。エリアマップは、地域毎の電波強度を示すものである。そこで、エリアマップを用いて、車両群VGの現在位置に対する所定距離(例えば10キロメートル)前方の地点を含む地域における電波強度に基づき、当該地点におけるスループットが予測される。当該予測されたスループットに基づき、スループット情報が生成される。
データ割当て部42は、車両情報取得部41により取得された車両情報を用いて、データ群DGに含まれる個々のデータDを複数台の車両Vのうちの選択された車両Vに割り当てるものである。データ割当て部42による割当ての具体例については、図12~図18を参照して後述する。データ割当て部42は、かかる割当ての結果を示す情報(以下「割当て情報」という。)を出力するものである。当該出力された割当て情報は、車車間通信により個々の後続車両V_2に送信される。
データ分配部43は、データ割当て部42により出力された割合て情報を取得するものである。また、割当て情報取得部52は、車車間通信により、上記送信された割当て情報を取得するものである。データ分配部43,53は、当該取得された割当て情報を用いて、データ群DGに含まれるデータDを複数台の車両Vに分配するものである。すなわち、データ分配部43,53は、データ割当て部42による割当ての結果に基づき、車車間通信により、データ群DGに含まれるデータDを複数台の車両Vに分配するものである。
より具体的には、データ分配部43は、自車両(V_1)により収集されたデータDのうちの自車両(V_1)に割り当てられたデータDについて、かかるデータDを取得する。また、データ分配部43は、自車両(V_1)により収集されたデータDのうちの個々の他車両(V_2)に割り当てられたデータDについて、車車間通信により、かかるデータDを対応する他車両(V_2)に送信する制御を実行する。また、データ分配部43は、個々の他車両(V_2)により収集されたデータDのうちの自車両(V_1)に割り当てられたデータDについて、車車間通信により、かかるデータDを対応する他車両(V_2)から受信する制御を実行する。
同様に、データ分配部53は、自車両(V_2)により収集されたデータDのうちの自車両(V_2)に割り当てられたデータDについて、かかるデータDを取得する。また、データ分配部53は、自車両(V_2)により収集されたデータDのうちの個々の他車両(V_1又はV_2)に割り当てられたデータDについて、車車間通信により、かかるデータDを対応する他車両(V_1又はV_2)に送信する制御を実行する。また、データ分配部53は、個々の他車両(V_1又はV_2)により収集されたデータDのうちの自車両(V_2)に割り当てられたデータDについて、車車間通信により、かかるデータDを対応する他車両(V_1又はV_2)から受信する制御を実行する。
これにより、個々の車両Vに対して、自車両(V_1又はV_2)がサーバ2に送信するべきデータDが分配される。
送信制御部44は、自車両(V_1)に分配されたデータDを外部通信によりサーバ2に送信する制御を実行するものである。換言すれば、送信制御部44は、自車両(V_1)に割り当てられたデータDを外部通信によりサーバ2に送信する制御を実行するものである。
送信制御部54は、自車両(V_2)に分配されたデータDを外部通信によりサーバ2に送信する制御を実行するものである。換言すれば、送信制御部54は、自車両(V_2)に割り当てられたデータDを外部通信によりサーバ2に送信する制御を実行するものである。
このようにして、車両群VGにより収集されたデータ群DGがサーバ2に送信される。当該送信されたデータ群DGは、所定のアプリケーションに用いられるものである。具体的には、例えば、当該送信されたデータ群DGは、遠隔運転、遠隔監視又は事故現場撮影に用いられるものである。
以下、車両情報出力部51により実行される処理を総称して「車両情報出力処理」ということがある。また、車両情報取得部41により実行される処理を総称して「車両情報取得処理」ということがある。また、データ割当て部42により実行される処理を総称して「データ割当て処理」ということがある。また、割当て情報取得部52により実行される処理を総称して「割当て情報取得処理」ということがある。また、データ分配部43又はデータ分配部53により実行される処理及び制御を総称して「データ分配制御」ということがある。また、送信制御部44又は送信制御部54により実行される処理及び制御を総称して「送信制御」ということがある。
以下、車両情報出力部51が有する機能を総称して「車両情報出力機能」ということがある。また、車両情報取得部41が有する機能を総称して「車両情報取得機能」ということがある。また、データ割当て部42が有する機能を総称して「データ割当て機能」ということがある。また、割当て情報取得部52が有する機能を総称して「割当て情報取得機能」ということがある。また、データ分配部43又はデータ分配部53が有する機能を総称して「データ分配機能」ということがある。また、送信制御部44又は送信制御部54が有する機能を総称して「送信機能」ということがある。
以下、車両情報出力機能又は車両情報取得機能に「F1」の符号を用いることがある。また、データ割当て機能又は割当て情報取得機能に「F2」の符号を用いることがある。また、データ分配機能に「F3」の符号を用いることがある。また、送信機能に「F4」の符号を用いることがある。
次に、図7~図9を参照して、通信制御装置5の要部のハードウェア構成について説明する。
図7に示す如く、通信制御装置5は、プロセッサ61及びメモリ62を有している。メモリ62には、複数個の機能(車両情報取得機能、データ割当て機能、データ分配機能及び送信機能を含む。または、車両情報出力機能、割当て情報取得機能、データ分配機能及び送信機能を含む。)F1~F4に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ61は、メモリ62に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、複数個の機能F1~F4が実現される。
または、図8に示す如く、通信制御装置5は、処理回路63を有している。処理回路63は、複数個の機能F1~F4に対応する処理を実行する。これにより、複数個の機能F1~F4が実現される。
または、図9に示す如く、通信制御装置5は、プロセッサ61、メモリ62及び処理回路63を有している。メモリ62には、複数個の機能F1~F4のうちの一部の機能に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ61は、メモリ62に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、かかる一部の機能が実現される。また、処理回路63は、複数個の機能F1~F4のうちの残余の機能に対応する処理を実行する。これにより、かかる残余の機能が実現される。
プロセッサ61は、1個以上のプロセッサにより構成されている。個々のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
メモリ62は、1個以上の不揮発性メモリにより構成されている。または、メモリ62は、1個以上の不揮発性メモリ及び1個以上の揮発性メモリにより構成されている。すなわち、メモリ62は、1個以上のメモリにより構成されている。個々のメモリは、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、個々の揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を用いたものである。また、個々の不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ソリッドステートドライブ又はハードディスクドライブを用いたものである。
処理回路63は、1個以上のデジタル回路により構成されている。または、処理回路63は、1個以上のデジタル回路及び1個以上のアナログ回路により構成されている。すなわち、処理回路63は、1個以上の処理回路により構成されている。個々の処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)又はシステムLSI(Large Scale Integration)を用いたものである。
ここで、プロセッサ61が複数個のプロセッサにより構成されているとき、複数個の機能F1~F4と複数個のプロセッサとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のプロセッサの各々は、複数個の機能F1~F4のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを読み出して実行するものであっても良い。プロセッサ61は、複数個の機能F1~F4の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。
また、メモリ62が複数個のメモリにより構成されているとき、複数個の機能F1~F4と複数個のメモリとの対応関係は任意である。すなわち、複数個のメモリの各々は、複数個の機能F1~F4のうちの対応する1個以上の機能に対応するプログラムを記憶するものであっても良い。メモリ62は、複数個の機能F1~F4の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。
また、処理回路63が複数個の処理回路により構成されているとき、複数個の機能F1~F4と複数個の処理回路との対応関係は任意である。すなわち、複数個の処理回路の各々は、複数個の機能F1~F4のうちの対応する1個以上の機能に対応する処理を実行するものであっても良い。処理回路63は、複数個の機能F1~F4の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
次に、図10に示すフローチャートを参照して、通信制御装置5_1の動作について説明する。
まず、車両情報取得部41が車両情報取得処理を実行する(ステップST1)。次いで、データ割当て部42がデータ割当て処理を実行する(ステップST2)。次いで、データ分配部43がデータ分配制御を実行する(ステップST3)。次いで、送信制御部44が送信制御を実行する(ステップST4)。
次に、図11に示すフローチャートを参照して、通信制御装置5_2の動作について説明する。
まず、車両情報出力部51が車両情報出力処理を実行する(ステップST11)。なお、車両情報出力処理は、車両情報取得部41による実行要求に応じて実行されるものであっても良い。次いで、割当て情報取得部52が割当て情報取得処理を実行する(ステップST12)。次いで、データ分配部53がデータ分配制御を実行する(ステップST13)。次いで、送信制御部54が送信制御を実行する(ステップST14)。
次に、図12~図18を参照して、データ割当て部42による割当ての具体例について説明する。すなわち、データ割当て処理の具体例について説明する。
図12に示す如く、まず、データ割当て部42は、データ群DGに含まれる個々のデータDに優先度Pを付与する(ステップST21)。このとき、データ割当て部42は、データ群DGのアプリケーションに応じて異なる優先度Pを個々のデータDに付与する。
すなわち、通信システム1においては、データ群DGのアプリケーション毎に、個々のデータDに付与される優先度Pが予め設定されている。図14は、データ群DGのアプリケーションと個々のデータDに付与される優先度Pとの対応関係の例を示している。データ割当て部42は、かかる対応関係に基づき、データ群DGのアプリケーションに応じた優先度Pを個々のデータDに付与する。
なお、データ群DGのアプリケーションは、サーバ2により先頭車両V_1に通知されるものであっても良い。換言すれば、個々のデータDに付与される優先度Pは、サーバ2により変更されるものであっても良い。
次いで、データ割当て部42は、データ群DGに含まれる個々のデータDを複数台の車両Vのうちの選択された車両Vに割り当てる(ステップST22)。具体的には、例えば、データ割当て部42は、以下のようにしてデータDを車両Vに割り当てる。
まず、データ割当て部42は、車両情報取得部41により取得された車両情報を用いて、当該取得された車両情報に基づくテーブル(以下「車両情報テーブル」という。)T1を生成する(ステップST31)。図15は、車両情報テーブルT1の例を示している。
図15に示す如く、車両情報テーブルT1は、個々の車両Vに対応する行を含むものであり、かつ、個々の情報に対応する列Cを含むものである。換言すれば、車両情報テーブルT1は、2方向に配列された複数個のセルを含むものである。個々のセルは、いずれかの車両Vに対応しており、かつ、いずれかの情報に対応している。
図15に示す例において、車両情報テーブルT1は、以下のような列C_1~C_6を含むものである。すなわち、列C_1は、隊列位置情報に対応している。列C_2は、通信規格情報(より具体的には外部通信の通信規格を示す情報)に対応している。列C_3は、スループット情報(より具体的には外部通信のスループットを示す情報)に対応している。列C_4は、遅延時間情報(より具体的には外部通信の遅延時間を示す情報)に対応している。列C_5は、契約プラン容量残量情報に対応している。列C_6は、センサ情報に対応している。
次いで、データ割当て部42は、個々のデータDに付与された優先度Pに基づき、データ群DGに含まれるデータDのうちの最も高い優先度Pに対応するデータDを選択する(ステップST32)。
次いで、データ割当て部42は、車両情報テーブルT1を用いて、上記選択されたデータDの送信に要求されるスループットを抽出する(ステップST33)。
次いで、データ割当て部42は、車両情報テーブルT1を用いて、最も高いスループットに対応する車両Vを選択する(ステップST34)。通常、最も新しい通信規格に対応する車両Vが選択される。
このとき、最も高いスループットに対応する車両Vが複数台存在する場合、データ割当て部42は、車両情報テーブルT1に基づき、当該複数台の車両Vのうちのより短い遅延時間に対応する車両Vを選択する。また、このとき、データ割当て部42は、所定の閾値未満の契約プラン容量残量に対応する車両Vを選択の対象から除外する。
次いで、データ割当て部42は、上記選択されたデータDを上記選択された車両Vに割り当てる(ステップST35)。
次いで、データ割当て部42は、ステップST34にて選択された車両Vに対応するスループットの値からステップST33にて抽出されたスループットの値を減算することにより、車両情報テーブルT1を更新する(ステップST36)。図16は、当該更新された車両情報テーブルT1の例を示している。
次いで、データ割当て部42は、次に高い優先度Pに対応するデータDを選択する(ステップST37)。データ割当て部42は、当該選択されたデータDについて、上記更新された車両情報テーブルT1を用いて、ステップST33以降の処理を実行する。
以下、ステップST33~ST37の処理が繰り返し実行される。これにより、個々のデータDがいずれかの車両Vに割り当てられる。なお、かかる繰返しの回数は、サーバ2に送信されるデータ群DGに含まれるデータDの個数に応じて異なるものである。
次いで、データ割当て部42は、かかる割当ての結果に基づき、割当て情報を生成する(ステップST23)。次いで、データ割当て部42は、当該生成された割当て情報を出力する(ステップST24)。
図17は、割当て情報の例を示している。図17に示す如く、割当て情報は、個々のデータDに付与された優先度Pを示す情報を含むものであっても良い。また、割当て情報は、個々のデータDの種類を示す情報を含むものであっても良い。また、割当て情報は、個々のデータDの容量を示す情報を含むものであっても良い。また、割当て情報は、個々のデータDについて、データ分配制御における車車間通信の経路を示す情報を含むものであっても良い。
ここで、図18を参照して、データ割当て部42による割当ての具体例について説明する。図18Aは、サーバ2に送信されるデータ群DGの例を示している。いま、サーバ2に送信されるデータ群DGにデータD_H,D_M,D_Lが含まれている。図18Aにおいては、データD_H,D_M,D_Lの各々の容量DCが図示されている。データD_Hには、高い優先度Pが付与されている。データD_Mには、中程度の優先度Pが付与されている。データD_Lには、低い優先度Pが付与されている。
これに対して、図18Bは、個々の車両VにデータDが割り当てられた状態の例を示している。いま、車両群VGに3台の車両V_1,V_2_1,V_2_2が含まれている。図18Bにおいては、車両V_1,V_2_1,V_2_2の各々における通信規格が図示されており、かつ、車両V_1,V_2_1,V_2_2の各々におけるスループットTPが図示されている。図18Bに示す如く、車両V_1は、高いスループットTP_1に対応している。車両V_2_1は、低いスループットTP_2_1に対応している。車両V_2_2は、中程度のスループットTP_2_2に対応している。
図13を参照して説明したアルゴリズムに基づき、まず、高い優先度Pに対応するデータD_Hが高いスループットTP_1に対応する車両V_1に優先的に割り当てられる。次いで、中程度の優先度Pに対応するデータD_Mが中程度のスループットTP_2_2に対応する車両V_2_2に割り当てられる。次いで、低い優先度Pに対応するデータD_Lが低いスループットTP_2_1に対応する車両V_2_1に割り当てられる。この結果、図18Bに示す状態が実現される。
次に、通信システム1の効果について説明する。
上記のとおり、通信システム1においては、個々の車両Vに対して、自車両がサーバ2に送信するべきデータDが分配される。かかる分配は、通信性能情報を含む車両情報を用いた割当ての結果に基づくものである。これにより、個々の車両Vにおける無線通信の性能に応じたデータDの送信を実現することができる。
特に、図13を参照して説明したアルゴリズムを用いることにより、データ群DGの用途に応じて、高い優先度Pに対応するデータDが高いスループットに対応する車両Vに優先的に割り当てられる。これにより、かかるデータDの送信における遅延の発生を抑制することができる。この結果、データ群DGがリアルタイム性を有するアプリケーション(例えば遠隔運転又は遠隔監視)に用いられるものであるとき、かかるリアルタイム性を実現することができる。
次に、通信システム1の変形例について説明する。
データ割当て部42による割当てのアルゴリズムは、図13を参照して説明したものに限定されるものではない。データ割当て部42は、通信性能情報を含む車両情報を用いて、個々の車両Vにおける無線通信の性能に応じてデータDを車両Vに割り当てるものであれば良い。また、通信性能情報は、データ割当て部42による割当てに用いられる情報を含むものであれば良い。例えば、通信性能情報は、通信規格情報、スループット情報、遅延時間情報、契約プラン容量情報又は契約プラン容量残量情報のうちの少なくとも一つを含むものであっても良い。
車両情報取得処理及びデータ割当て処理が実行される車両Vは、先頭車両V_1に限定されるものではない。また、車両情報出力処理及び割当て情報取得処理が実行される車両Vは、個々の後続車両V_2に限定されるものではない。N+1台の車両Vのうちの任意の1台の車両V(以下「代表車両」ということがある。)にて車両情報取得処理及びデータ割当て処理が実行されるとともに、N+1台の車両Vのうちの残余のN台の車両Vの各々にて車両情報出力処理及び割当て情報取得処理が実行されるものであっても良い。
例えば、個々の車両Vにおける通信制御装置5は、車両情報取得部41、データ割当て部42、車両情報出力部51及び割当て情報取得部52を含むものであっても良い。そして、代表車両においては、車両情報取得機能及びデータ割当て機能がオンされるとともに、車両情報出力機能及び割当て情報取得機能がオフされるものであっても良い。他方、N+1台の車両Vのうちの残余のN台の車両Vの各々においては、車両情報取得機能及びデータ割当て機能がオフされるとともに、車両情報出力機能及び割当て情報取得機能がオンされるものであっても良い。
以上のように、実施の形態1に係る通信制御装置5は、隊列走行する車両群VGに含まれる複数台の車両Vが無線通信により相互に通信自在であり、かつ、複数台の車両Vの各々が無線通信によりサーバ2と通信自在である通信システム1において、複数台の車両Vのうちの代表車両に設けられる通信制御装置5であって、複数台の車両Vの各々における無線通信の性能を示す通信性能情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部41と、無線通信の性能に基づき、車両群VGにより収集されるデータ群DGに含まれる個々のデータDを複数台の車両Vのうちの選択された車両Vに割り当てるデータ割当て部42と、データ割当て部42による割当ての結果に基づき、データ群DGに含まれるデータDを無線通信により複数台の車両Vに分配する制御を実行するデータ分配部43と、代表車両に割り当てられたデータDを無線通信によりサーバ2に送信する制御を実行する送信制御部44と、を備える。これにより、個々の車両Vにおける無線通信の性能に応じたデータDの送信を実現することができる。
また、実施の形態1に係る通信システム1は、隊列走行する車両群VGに含まれる複数台の車両Vが無線通信により相互に通信自在であり、かつ、複数台の車両Vの各々が無線通信によりサーバ2と通信自在である通信システム1であって、複数台の車両Vのうちの代表車両に通信制御装置5が設けられており、通信制御装置5は、複数台の車両Vの各々における無線通信の性能を示す通信性能情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部41と、無線通信の性能に基づき、車両群VGにより収集されるデータ群DGに含まれる個々のデータDを複数台の車両Vのうちの選択された車両Vに割り当てるデータ割当て部42と、データ割当て部42による割当ての結果に基づき、データ群DGに含まれるデータDを無線通信により複数台の車両Vに分配する制御を実行するデータ分配部43と、代表車両に割り当てられたデータDを無線通信によりサーバ2に送信する制御を実行する送信制御部44と、を備える。これにより、個々の車両Vにおける無線通信の性能に応じたデータDの送信を実現することができる。
また、実施の形態1に係る通信制御方法は、隊列走行する車両群VGに含まれる複数台の車両Vが無線通信により相互に通信自在であり、かつ、複数台の車両Vの各々が無線通信によりサーバ2と通信自在である通信システム1において、複数台の車両Vのうちの代表車両にて実行される通信制御方法であって、車両情報取得部41が、複数台の車両Vの各々における無線通信の性能を示す通信性能情報を含む車両情報を取得するステップST1と、データ割当て部42が、無線通信の性能に基づき、車両群VGにより収集されるデータ群DGに含まれる個々のデータDを複数台の車両Vのうちの選択された車両Vに割り当てるステップST2と、データ分配部43が、データ割当て部42による割当ての結果に基づき、データ群DGに含まれるデータを無線通信により複数台の車両Vに分配する制御を実行するステップST3と、送信制御部44が、代表車両に割り当てられたデータDを無線通信によりサーバ2に送信する制御を実行するステップST4と、を備える。これにより、個々の車両Vにおける無線通信の性能に応じたデータDの送信を実現することができる。
実施の形態2.
図19は、実施の形態2に係る通信システムの要部を示すブロック図である。図20は、実施の形態2に係る通信システムにおける代表車両に設けられる通信制御装置の要部を示すブロック図である。図19及び図20を参照して、実施の形態2に係る通信システムについて説明する。なお、図19において、図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、図20において、図5に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図19に示す如く、通信システム1aは、サーバ2及び車両群VGを含むものである。車両群VGにおける代表車両に通信制御装置5aが設けられている。より具体的には、先頭車両V_1に通信制御装置5aが設けられている。図20に示す如く、通信制御装置5aは、車両情報取得部41、データ割当て部42a、データ分配部43及び送信制御部44を含むものである。
データ割当て部42aは、データ割当て部42による割当て方法と同様の割当て方法により、個々のデータDを選択された車両Vに割り当てるものである。すなわち、データ割当て部42aは、図13を参照して説明したアルゴリズムと同様のアルゴリズムにより、個々のデータDを選択された車両Vに割り当てるものである。
ここで、個々のデータDが選択された車両Vに割り当てられるとき、当該データDの容量が車両情報テーブルT1の対応するセルにおけるスループットの値よりも大きいことがある。この場合、更新後の車両情報テーブルT1の対応するセルにおけるスループットの値が0Mbps以下となる。このとき、データ割当て部42aは、当該データDの割当てをキャンセルするようになっている。これにより、当該データDは、いずれの車両Vにも割り当てられない。すなわち、当該データDは、未割当てとなる。
データ割当て部42aは、かかる未割当てのデータDが存在する場合、個々のデータDを分割するようになっている。そして、データ割当て部42aは、データ割当て部42による割当て方法と同様の割当て方法により、当該分割されたデータDを選択された車両Vに割り当てるようになっている。
これにより、より高い優先度Pに対応するデータDから順に、かつ、より高いスループットに対応する車両Vから順に、上記分割されたデータDが車両Vに割り当てられる。
ここで、データ群DGに含まれるデータDの総量がN+1台の車両におけるスループットの総量よりも大きいとき、低い優先度Pに対応するデータDについて、いずれの車両Vに割り当てたとしても更新後の車両情報テーブルT1の対応するセルにおけるスループットの値が0Mbps以下となることがある。この場合、データ割当て部42aは、当該データDの割当てをキャンセルするようになっている。これにより、当該データDは、いずれの車両Vにも割り当てられない。すなわち、当該データDは、未割当てとなる。
データ割当て部42aは、かかる未割当てのデータDが存在する場合、かかる未割当てのデータDを割当ての対象から除外するようになっている。これにより、かかる未割当てのデータDは、データ分配制御にて破棄される。すなわち、かかる未割当てのデータDは、サーバ2に対する送信の対象から除外される。
これにより、データ群DGに含まれるデータDの総量がN+1台の車両におけるスループットの総量よりも大きい場合であっても、データ群DGのアプリケーションに応じて、優先度Pの高いデータDをサーバ2に送信することができる。例えば、データ群DGのアプリケーションが遠隔運転であるとき、先頭車両V_1におけるフロントカメラ映像を示すデータD_1_1をサーバ2に送信することができる。
以下、データ割当て部42aにより実行される処理を総称して「データ割当て処理」ということがある。また、データ割当て部42aが有する機能を総称して「データ割当て機能」というころがある。また、かかるデータ割当て機能に「F2a」の符号を用いることがある。
通信制御装置5aの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図7~図9を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
すなわち、通信制御装置5aは、複数個の機能(車両情報取得機能、データ割当て機能、データ分配機能及び送信機能を含む。)F1,F2a,F3,F4を有している。複数個の機能F1,F2a,F3,F4の各々は、プロセッサ61及びメモリ62により実現されるものであっても良く、又は処理回路63により実現されるものであっても良い。
ここで、プロセッサ61は、複数個の機能F1,F2a,F3,F4の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。また、メモリ62は、複数個の機能F1,F2a,F3,F4の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。また、処理回路63は、複数個の機能F1,F2a,F3,F4の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
次に、図21に示すフローチャートを参照して、通信制御装置5aの動作について説明する。なお、図21において、図10に示すステップと同様のステップには同一符号を付している。
まず、車両情報取得部41が車両情報取得処理を実行する(ステップST1)。次いで、データ割当て部42aがデータ割当て処理を実行する(ステップST2a)。次いで、データ分配部43がデータ分配制御を実行する(ステップST3)。次いで、送信制御部44が送信制御を実行する(ステップST4)。
次に、図22に示すフローチャートを参照して、データ割当て部42aの動作について説明する。すなわち、ステップST2aにて実行される処理について説明する。なお、図22において、図12に示すステップと同様のステップには同一符号を付している。
まず、データ割当て部42aは、データ群DGに含まれる個々のデータDに優先度Pを付与する(ステップST21)。次いで、データ割当て部42は、データ群DGに含まれる個々のデータDを複数台の車両Vのうちの選択された車両Vに割り当てる(ステップST22)。
ここで、データ割当て部42aは、データDの分割の要否を判定する(ステップST41)。少なくとも一部のデータDについて、車両情報テーブルT1の対応するセルにおけるスループットの値が0Mbps以下となる場合、データ割当て部42aは、データDの分割が要であると判定する(ステップST41“YES”)。次いで、データ割当て部42aは、個々のデータDを分割する(ステップST42)。
このとき、データ割当て部42aは、車両情報テーブルT1を用いて、以下のように個々のデータDを分割する。すなわち、データ割当て部42aは、分割されたデータDのうちの少なくとも高い優先度Pに対応するデータD及び中程度の優先度Pに対応するデータDについて、これらのデータDがいずれかの車両Vに割り当てられるように個々のデータDを分割する。
次いで、データ割当て部42aは、分割されたデータDを複数台の車両Vのうちの選択された車両Vに割り当てる(ステップST43)。ステップST43における割当てのアルゴリズムは、ステップST22における割当てのアルゴリズムと同様のものである。すなわち、ステップST43における割当てのアルゴリズムは、図13を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
ここで、データ割当て部42aは、ステップST43における未割当てのデータDの有無を判定する(ステップST44)。すなわち、低い優先度Pに対応するデータDについて、車両情報テーブルT1の対応するセルにおけるスループットの値が0Mbps以下となる場合、かかるデータDが未割当てとなる(ステップST44“YES”)。データ割当て部42aは、かかるデータDを割当ての対象から除外する。これにより、かかるデータDが破棄される(ステップST45)。
次いで、データ割当て部42aは、割当て情報を生成する(ステップST23)。すなわち、ステップST41“NO”である場合、ステップST22における割当ての結果に基づく割当て情報が生成される。他方、ステップST42“YES”である場合、ステップST43における割当ての結果に基づく割当て情報が生成される。また、この場合において、ステップST44“YES”であるとき、一部のデータD(すなわち低い優先度Pに対応するデータD)が除外された割当て情報が生成される。
次いで、データ割当て部42aは、当該生成された割当て情報を出力する(ステップST24)。
次に、図23を参照して、データ割当て部42aによる割当ての具体例について説明する。
図23Aは、サーバ2に送信されるデータ群DGの例を示している。いま、サーバ2に送信されるデータ群DGにデータD_H,D_M,D_Lが含まれている。図23Aにおいては、データD_H,D_M,D_Lの各々の容量DCが図示されている。データD_Hには、高い優先度Pが付与されている。データD_Mには、中程度の優先度Pが付与されている。データD_Lには、低い優先度Pが付与されている。
これに対して、図23Bは、個々の車両VにデータDが割り当てられた状態の例を示している。いま、車両群VGに3台の車両V_1,V_2_1,V_2_2が含まれている。図23Bにおいては、車両V_1,V_2_1,V_2_2の各々における通信規格が図示されており、かつ、車両V_1,V_2_1,V_2_2の各々におけるスループットTPが図示されている。図23Bに示す如く、車両V_1は、高いスループットTP_1に対応している。車両V_2_1は、高いスループットTP_2_1に対応している。車両V_2_2は、中程度のスループットTP_2_2に対応している。
図23に示す例においては、データD_Hの容量DC_HがスループットTP_1よりも大きく、かつ、データD_Hの容量DC_HがスループットTP_2_1よりも大きい。このため、ステップST22にてデータD_Hが未割当てとなり、ステップST41“YES”となる。これにより、データDの分割が実行される(ステップST42)。
このとき、車両情報テーブルT1を用いて、以下のようにデータD_H,D_Mの各々が分割される。すなわち、まず、データD_H_1の容量がスループットTP_1よりも小さくなるように、データD_HがデータD_H_1,D_H_2に分割される。次いで、データD_H_2,D_M_1の合計容量がスループットTP_2_1よりも小さくなるように、データD_MがデータD_M_1,D_M_2に分割される。
次いで、優先度Pが高い順に、かつ、スループットTPが高い順に、分割されたデータDが車両Vに割り当てられる。すなわち、まず、データD_H_1が車両V_1に割り当てられるとともに、データD_H_2が車両V_2_1に割り当てられる。次いで、データD_M_1が車両V_2_1に割り当てられるとともに、データD_M_2が車両V_2_2に割り当てられる。
このとき、データD_Lについては、スループットTPの不足により、いずれの車両Vにも割り当てることができない。このため、ステップST44“YES”となる。データD_Lは、割当ての対象から除外される(ステップST45)。この結果、データD_Lは、破棄されることになる。
なお、通信システム1aは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。
以上のように、実施の形態2に係る通信制御装置5aにおいて、データ割当て部42aは、無線通信の性能に基づき個々のデータDを分割して、当該分割されたデータDを割当ての対象に含める。これにより、例えば、個々のデータDの容量が選択された車両Vにおけるスループットに対して大きい場合であっても、かかるデータDをサーバ2に送信することができる。
実施の形態3.
図24は、実施の形態3に係る通信システムの要部を示すブロック図である。図25は、実施の形態3に係る通信システムにおける隊列走行制御装置の要部を示すブロック図である。図24及び図25を参照して、実施の形態3に係る通信システムについて説明する。なお、図24において、図1に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、図25において、図5に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図24に示す如く、通信システム1bは、サーバ2及び車両群VGを含むものである。車両群VGにおける代表車両に隊列走行制御装置6が設けられている。より具体的には、先頭車両V_1に隊列走行制御装置6が設けられている。図25に示す如く、隊列走行制御装置6は、通信制御装置5_1及び車両順変更部71を含むものである。
データ割当て部42は、データ割当て処理を実行したとき、割当て情報を車両順変更部71に出力するようになっている。
車両順変更部71は、車両情報取得部41により取得された車両情報に含まれる通信性能情報(より具体的にはスループット情報)、及びデータ割当て部42により出力された割当て情報を用いて、車両群VGにおける複数台の車両Vの順番(以下「車両順」ということがある。)の変更の要否を判定するものである。車両順変更部71は、車両順の変更が要であると判定された場合、車両順を変更する制御を実行するものである。かかる制御には、車車間通信が用いられる。車両順の変更の要否の判定方法の具体例については、図30~図32を参照して後述する。
データ割当て部42は、車両順の変更が要であると判定された場合、車両順の変更が完了したとき、割当て情報を車車間通信部31及びデータ分配部43に出力するようになっている。これにより、個々の後続車両V_2における割当て情報取得処理、個々の車両Vにおけるデータ分配制御、及び個々の車両Vにおけるデータ送信制御は、車両順の変更が完了した後に実行される。
以下、車両順変更部71により実行される処理及び制御を総称して「車両順変更制御」ということがある。また、車両順変更部71が有する機能を総称して「車両順変更機能」ということがある。また、かかる車両順変更機能に「F11」の符号を用いることがある。
隊列走行制御装置6の要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図7~図9を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
すなわち、隊列走行制御装置6は、複数個の機能(車両情報取得機能、データ割当て機能、車両順変更機能、データ分配機能及び送信機能を含む。)F1~F4,F11を有している。複数個の機能F1~F4,F11の各々は、プロセッサ81及びメモリ82により実現されるものであっても良く、又は処理回路83により実現されるものであっても良い(図26、図27又は図28参照)。
ここで、プロセッサ81は、複数個の機能F1~F4,F11の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。また、メモリ82は、複数個の機能F1~F4,F11の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。また、処理回路83は、複数個の機能F1~F4,F11の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
次に、図29に示すフローチャートを参照して、隊列走行制御装置6の動作について説明する。なお、図29において、図10に示すステップと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。
まず、車両情報取得部41が車両情報取得処理を実行する(ステップST1)。次いで、データ割当て部42がデータ割当て処理を実行する(ステップST2)。
次いで、車両順変更部71は、車両順の変更の要否を判定する(ステップST51)。車両順の変更が要であると判定された場合(ステップST51“YES”)、車両順変更部71は、車両順変更制御を実行する(ステップST52)。他方、車両順の変更が不要であると判定された場合、(ステップST51“NO”)、車両順変更部71は、車両順変更制御を実行しない。
次いで、データ分配部43がデータ分配制御を実行する(ステップST3)。次いで、送信制御部44が送信制御を実行する(ステップST4)。
次に、図30~図32を参照して、車両順の変更の要否の判定方法の具体例について説明する。また、車両順の変更の具体例について説明する。
まず、車両順変更部71は、車両情報取得部41により取得された車両情報に含まれる通信性能情報のうちのスループット情報を用いて、N+1台の車両Vのうちの各2台の車両V間の車車間通信のスループット(以下「車車間通信スループット」ということがある。)を示すテーブル(以下「車車間通信スループットテーブル」という。)T2を生成する。図30は、車車間通信スループットテーブルT2の例を示している。
ここで、データ割当て部42により出力される割当て情報には、個々のデータDに付与された優先度Pを示す情報が含まれている(図17参照)。また、個々のデータDの容量を示す情報が含まれている(図17参照)。また。個々のデータDについて、データ分配制御における車車間通信の経路を示す情報が含まれている(図17参照)。
そこで、車両順変更部71は、データ割当て部42により出力された割当て情報を用いて、車車間通信スループットが十分であるか否かを判定する。換言すれば、車両順変更部71は、車車間通信スループットに不足があるか否かを判定する。
すなわち、車両順変更部71は、個々のデータDの容量を示す値を、車車間通信スループットテーブルT2の対応するセルにおけるスループットの値から減算することにより、車車間通信スループットテーブルT2を更新する。図31は、当該更新された車車間通信スループットテーブルT2の例を示している。図30及び図31に示す例においては、フロントカメラ映像を示すデータDの容量(5Mbps)が、「位置1→位置2」に対応する車車間通信のスループット(10Mbps)から減算されることにより、かかるスループットの値が更新されている(10Mbps-5Mbps=5Mbps)。
車両順変更部71は、全てのデータDについて、かかる減算を実行する。この結果、少なくとも1個のセルにおけるスループットの値が0Mbps以下になった場合、車両順変更部71は、車車間通信スループットが十分でないと判定する。すなわち、車両順変更部71は、車車間通信スループットに不足があると判定する。
この場合、車両順変更部71は、車両順の変更が要であると判定して、車車間通信スループットが十分な値となるように車両順を変更する制御を実行する。このとき、個々のデータDに付与された優先度Pに基づき、より高いに優先度Pに対応するデータDから順に、優先的に車車間通信スループットが十分な値となるように車両順が変更される。
車両順の変更が完了したとき、データ割当て部42は、割当て情報を車車間通信部31及びデータ分配部43に出力する。このとき、データ割当て部42は、割当て情報を部分的に修正して、当該修正された割当て情報を出力するものであっても良い。すなわち、データ割当て部42は、車両順が変更されたことに基づき、データ分配制御における車車間通信の経路を示す情報を修正するものであっても良い。
ここで、図32を参照して、車両順の変更の具体例について説明する。いま、図32に示す如く、車両群VGに4台の車両V_1,V_2_1,V_2_2,V_2_3が含まれている。図32においては、車両V_1,V_2_1,V_2_2,V_2_3の各々における通信規格が図示されている。
また、データ群DGのアプリケーションは、遠隔運転である。このため、先頭車両V_1におけるフロントカメラ映像を示すデータD_1_1及び先頭車両V_1におけるサイドカメラ映像を示すデータD_1_2に高い優先度Pが付与されている。次いで、最後尾車両V_2_3におけるリアカメラ映像を示すデータD_1_3に高い優先度Pが付与されている。
図32Aは、車両順が変更される前の状態を示している。この場合、データD_1_1,D_1_2は、最も高いスループットに対応する車両V_2_1(すなわち最も新しい通信規格「5G」に対応する車両V_2_1)にてサーバ2に送信されるのが好適である。また、データD_1_3は、次に高いスループットに対応する車両V_2_2(すなわち次に新しい通信規格「LTE」に対応する車両V_2_2)にてサーバ2に送信されるのが好適である。
しかしながら、この場合において、データD_1_1,D_1_2の合計容量が車両V_1から車両V_2_1への車車間通信のスループットに対して大きいとき、データ分配制御において、データD_1_1,D_1_2の伝送に遅延が発生する可能性がある。また、データD_1_3の容量が車両V_2_3から車両V_2_2への車車間通信のスループットに対して大きいとき、データ分配制御において、データD_1_3の伝送に遅延が発生する可能性がある。
これに対して、図32Bは、車両順が変更された後の状態を示している。すなわち、図32に示す如く、車両順変更部71は、車両V_1,V_2_1を入れ替える制御を実行するとともに、車両V_2_2,V_2_3を入れ替える制御を実行する。車両順の変更後において、データD_1_1,D_1_2は、先頭車両V_1にてサーバ2に送信されるのが好適である。また、データD_1_3は、最後尾車両V_2_3にてサーバ2に送信されるのが好適である。
すなわち、車両順の変更後においては、高い優先度Pに対応するデータD_1_1,D_1_2,D_1_3について、車車間通信による分配が不要である。これにより、車車間通信スループットが低い場合であっても、遅延の発生を抑制することができる。
なお、通信システム1bは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。
また、図33に示す如く、隊列走行制御装置6は、通信制御装置5_1に代えて通信制御装置5aを含むものであっても良い。すなわち、隊列走行制御装置6は、データ割当て部42に代えてデータ割当て部42aを含むものであっても良い。
また、車両順変更部71による車両順の変更方法は、上記の具体例に限定されるものではない。車両順変更部71は、通信性能情報を含む車両情報を用いて、個々の車両Vにおける無線通信の性能に応じて(より具体的には車車間通信の性能に応じて)車両順を変更するものであれば良い。これにより、個々の車両Vにおける無線通信の性能(より具体的には車車間通信の性能)に応じた車両順の変更を実現することができる。
また、通信システム1bにおいては、車両順が変更され得るものである。このため、個々の車両Vに通信制御装置5又は通信制御装置5aを含む隊列走行制御装置6が設けられているものであっても良い。
以上のように、実施の形態3に係る隊列走行制御装置6は、通信制御装置5又は通信制御装置5aと、無線通信の性能に基づき、車両群VGにおける複数台の車両Vの順番(車両順)を変更する制御を実行する車両順変更部71と、を備える。これにより、個々の車両Vにおける無線通信の性能に応じた車両順の変更を実現することできる。この結果、例えば、車車間通信スループットが低い場合であっても、遅延の発生を抑制することができる。
なお、本願開示はその開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。