JP7245741B2 - Ｓｃａｄａウェブｈｍｉサーバおよびｓｃａｄａウェブｈｍｉシステム - Google Patents

Description

この発明は、ブラウザベースのＳＣＡＤＡ ＨＭＩを実現するためのＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバおよびＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステムに関する。

ＳＣＡＤＡ（Ｓｕｐｅｒｖｉｓｏｒｙ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ａｎｄ Ｄａｔａ Ａｃｑｕｉｓｉｔｉｏｎ）は、社会インフラシステムを監視制御する仕組みとして知られている。社会インフラシステムは、鉄鋼圧延システム、電力送変電システム、上下水道処理システム、ビル管理システム、道路システムなどである。

ＳＣＡＤＡは、産業制御システムの一種であり、コンピュータによるシステム監視とプロセス制御を行う。ＳＣＡＤＡでは、システムの処理性能に合わせた即応性（リアルタイム性）が必要である。

ＳＣＡＤＡは一般に次のようなサブシステムから構成される。
（１）ＨＭＩ（Ｈｕｍａｎ Ｍａｃｈｉｎｅ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）
ＨＭＩは、対象プロセス（監視対象装置）のデータをオペレータに提示し、オペレータがプロセスを監視し制御できるようにする機構である。例えば特許文献１には、ＳＣＡＤＡクライアント上で動作するＨＭＩ画面を備えるＳＣＡＤＡ ＨＭＩが開示されている。また、特許文献２には、ＨＭＩ画面を表示するモニタを複数設置したマルチモニタ構成のプラント監視装置が開示されている。
（２）監視制御システム
監視制御システムは、プロセス上の信号データを収集し、プロセスに対して制御コマンドを送る。ＰＬＣ（Ｐｒｏｇｒａｍａｂｌｅ Ｌｏｇｉｃ Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ）などによって構成される。
（３）遠方入出力装置（Ｒｅｍｏｔｅ Ｉｎｐｕｔ Ｏｕｔｐｕｔ：ＲＩＯ）
遠方入出力装置は、プロセス内に設置されたセンサと接続し、センサの信号をデジタルのデータに変換し、そのデジタルデータを監視制御システムに送る。
（４）通信基盤
通信基盤は、監視制御システムと遠方入出力装置を接続する。

特開２０１７－２７２１１号公報 特開平６－３３９１８４号公報

特許文献１におけるＳＣＡＤＡクライアントは、監視制御ロジックを実行可能な高性能なコンピュータで動作する。また、ＳＣＡＤＡクライアントを複数設置する場合には、ＳＣＡＤＡクライアント数分の高性能なコンピュータを用意する必要があり、かつ、個別に監視制御ロジックを実装する必要がある。また、ＳＣＡＤＡクライアントをマルチモニタ構成にする場合にも、モニタに表示されるＨＭＩ画面毎に監視制御ロジックを実装する必要がある。そのため、ＳＣＡＤＡ ＨＭＩの低コスト化が望まれている。

ＳＣＡＤＡ ＨＭＩの低コスト化を実現するため、本願発明者は、ブラウザベースのＨＭＩサブシステムを開発するに至った。サーバで監視制御ロジックを実行するウェブアプリケーション化により、クライアント端末（ウェブ端末）では、個別の監視制御ロジックを実装する必要がない。クライアント端末は、サーバで処理された監視制御ロジックの結果をウェブブラウザ上で表示するだけで足りる。そのため、クライアント端末は、ウェブブラウザが動作する程度のスペックの低いコンピュータで足りる。また、タブレットなどの携帯端末でもシステムの監視と制御が可能になる。これによれば、複数のクライアント端末がサーバに接続する構成を低コストで実現できる。なお、監視制御ロジックを含まないウェブ端末はシンクライアントと称される。

また、マルチモニタ構成も低コストで実現できる。各モニタに表示されるウェブブラウザは、サーバで処理された監視制御ロジックの結果を表示するだけである。マルチモニタ構成によれば、一つのマウス、キーボードで、複数のモニタに表示されたＨＭＩ画面を操作し、監視制御の効率を向上させることが可能である。これらの構成によれば、従来のサーバクライアント一体の構成よりもシステム価格を抑えることも可能になる。

ところで、大規模プラントは複数の工程を備える。各工程は、異なるオペレータにより管理される。そのため、ある工程でプロセスの異常を示すアラームが発生した場合、その工程を管理しないオペレータに、当該アラームを通知するのは情報過多であり、そのオペレータの操作効率を低下させる。そのため、そのオペレータが管理する工程に関係するアラームだけを通知することは重要である。

上述のようなブラウザベースのＨＭＩサブシステムでは、サーバは単一のモニタを管理するのではなく、サーバはプラント監視画面を表示する複数のウェブブラウザを管理する。アラーム信号を選別してオペレータへ通知する場合、サーバはアラーム信号をウェブブラウザ単位で制御する必要がある。

この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、プラント監視画面を表示する複数のウェブブラウザと通信する場合に、ブラウザ単位でアラーム通知の範囲を限定可能なＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバおよびＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステムを提供することである。

上記目的の達成のため、本発明に係るＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバ装置およびＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステムは以下のように構成される。

ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステムは、複数のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバを備える。各ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバは、プログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ）からアラーム信号を受信し、かつ、プラント監視画面を表示する複数のウェブブラウザと信号を送受信する。

前記ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバは、少なくとも一つのプロセッサと、プログラムを記憶するメモリとを備える。前記プログラムは、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも一つのプロセッサに、以下の処理を含む処理を実行させる。

実行中ブラウザ管理処理は、自ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバと通信する前記複数のウェブブラウザのうち実行中ウェブブラウザの実行中ブラウザ名を管理する。

アラームグループ取得処理は、前記ＰＬＣから受信した前記アラーム信号が属するアラームグループのアラームグループ名を取得する。

候補ブラウザ抽出処理は、前記アラームグループのアラームグループ名と前記アラームグループに属する複数のウェブブラウザのブラウザ名とを関連付けたアラームグループ情報から、前記取得したアラームグループ名に関連付いた前記複数のウェブブラウザのブラウザ名である複数の候補ブラウザ名を抽出する。

アラーム表示信号送信処理は、前記複数の候補ブラウザ名のうち前記実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応する前記ウェブブラウザへ、アラーム表示信号を送信する。

前記アラーム表示信号を受信した前記ウェブブラウザは、前記プラント監視画面にアラーム表示信号の内容を表示する。

本発明によれば、アラームをアラームグループに分類し、オペレータが使用するウェブブラウザがどのアラームグループを監視対象としているかを事前に定義することにより、必要なアラームだけをそのウェブブラウザに通知できる。本発明によれば、ブラウザ単位でアラーム通知の範囲を限定可能である。

従来のＳＣＡＤＡ ＨＭＩでは、アラーム通知範囲は、サーバ単位での大雑把な設定しかできなかったが、本発明によれば、ブラウザ単位での細かな運用が可能となり、各工程を担当するオペレータに必要なアラーム情報のみを通知できる。

さらに、各ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバは、自サーバと通信する実行中ブラウザを管理し、アラーム信号と関連付いた候補ブラウザのうち実行中ブラウザにのみアラーム表示信号を送信する。そのため、非実行中ウェブブラウザへはアラーム表示情報は送信されない。これにより、非実行中ブラウザに関する不要な処理を軽減できる。

ウェブブラウザとサーバとが通信し、監視制御ロジックはサーバで実行されるブラウザベースの構成であるため、モニタ台数の変更などのハードウェア構成の変更は、システム設計（アラーム表示要否やボタンの操作権限）に影響しない。そのため、エンジニアリングコストを下げ、システム設計の自由度を高めることができる。客先のメンテナンスや故障交換時に、モニタ接続数に応じた設定変更も必要がない。

マルチモニタ構成とすることにより、システム構築価格を抑えることが可能となる。シンクライアント構成とすることにより、サーバに機能を集約し、安価なコンピュータの置き換えや、タブレットなどモバイル機能を有する端末の導入が可能になる。

この発明の実施の形態１におけるＳＣＡＤＡのシステム構成を説明するための図である。 この発明の実施の形態１におけるウェブブラウザおよびＨＭＩサーバアプリケーションの機能について説明するためのブロック図である。 この発明の実施の形態１におけるアラームアイテム情報の一例を示す図である。 この発明の実施の形態１におけるアラームグループ情報の一例を示す図である。 この発明の実施の形態１におけるＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバの信号処理例について説明するための図である。 この発明の実施の形態２におけるウェブブラウザおよびＨＭＩサーバアプリケーションの機能について説明するためのブロック図である。 この発明の実施の形態２におけるアラーム確認グループ情報の一例を示す図である。 この発明の実施の形態２におけるＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバの信号処理例について説明するための図である。 ＨＭＩ端末およびウェブＨＭＩサーバが有するハードウェア構成例を示すブロック図である。

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。但し、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数にこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。

実施の形態１．
＜全体構成＞
図１は、ＳＣＡＤＡのシステム構成を説明するための図である。ＳＣＡＤＡは、ヒューマンマシンインターフェース（ＨＭＩ）１、監視制御システムとしてのプログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ）２、通信基盤、ＲＩＯをサブシステムとして備える。ＳＣＡＤＡは、ＰＬＣ２またはＲＩＯを介して監視対象装置に接続する。

ＰＬＣ２（監視制御システム）、通信基盤、ＲＩＯに関する説明は、背景技術で述べた通りであるため省略する。監視対象装置は、監視制御対象のプラントを構成するセンサ、アクチュエータなどである。

ＨＭＩ１（ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム）は、複数のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバ１０（以下、ウェブＨＭＩサーバ１０と記す。）と、ＨＭＩ端末２０とを備える。

複数のウェブＨＭＩサーバ１０は、コンピュータネットワーク３を介して複数のＰＬＣ２に接続する。各ウェブＨＭＩサーバを区別する必要がない場合には単にウェブＨＭＩサーバ１０と記す。ウェブＨＭＩサーバ１０は、コンピュータネットワークを介してＨＭＩ端末２０に接続する。ウェブＨＭＩサーバ１０は、複数のＨＭＩ端末２０に接続してもよい。各ＨＭＩ端末を区別する必要がない場合には単にＨＭＩ端末２０と記す。

ＨＭＩ端末２０は、監視制御ロジックを含まないシンクライアントであり、少なくとも１つのウェブブラウザ２１を実行可能である。具体的には、ＨＭＩ端末２０は、少なくとも１つのモニタ（図９のディスプレイ２００ｅ）を備える。ＨＭＩ端末２０は、１つのモニタに１つのウェブブラウザ２１をフルスクリーンで表示する。ウェブブラウザ２１は、プラント監視画面（ＨＭＩ画面）を表示する。ＨＭＩ端末２０が複数のモニタを有する場合、ＨＭＩ端末２０は、各モニタにウェブブラウザ２１をフルスクリーンで表示する。すなわち、ＨＭＩ端末２０は、複数のウェブブラウザ２１を実行する。

ウェブＨＭＩサーバ１０は、ＨＭＩ端末２０の機能を包含し、ウェブブラウザ２１を実行可能である。具体的には、ウェブＨＭＩサーバ１０は、少なくとも１つのモニタ（図９のディスプレイ１００ｅ）を備える。ウェブＨＭＩサーバ１０は、１つのモニタに１つのウェブブラウザ２１をフルスクリーンで表示する。ウェブブラウザ２１は、プラント監視画面（ＨＭＩ画面）を表示する。ウェブＨＭＩサーバ１０が複数のモニタを有する場合、ウェブＨＭＩサーバ１０は、各モニタにウェブブラウザ２１をフルスクリーンで表示する。すなわち、ウェブＨＭＩサーバ１０は、複数のウェブブラウザ２１を実行する。

ウェブＨＭＩサーバ１０は、ＨＭＩサーバアプリケーション１１を実行する。ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、ＨＭＩ端末２０と通信するウェブサーバ機能およびＰＬＣ２と通信するＩ／Ｏサーバ機能（アプリケーションサーバ機能）を備える。ＨＭＩ端末２０は、ウェブブラウザ２１を実行する。実行環境であるＨＭＩ１は、ウェブブラウザ２１上で動作するスクリプト（たとえばＪａｖａＳｃｒｉｐｔ（登録商標））と、監視制御ロジックを含むＨＭＩサーバアプリケーション１１とが協調するウェブアプリケーションとして動作する。

ウェブＨＭＩサーバ１０は、ＰＬＣ２から受信した信号データに応じて、プラント監視画面に配置されたパーツの状態を変更するための信号をウェブブラウザ２１へ送信する。ウェブＨＭＩサーバ１０は、ウェブブラウザ２１から制御コマンドを受信してＰＬＣ２へ送信する。

＜ＨＭＩサーバアプリケーション＞
図２乃至図４を参照して、実施の形態１におけるウェブＨＭＩサーバ１０が実行するＨＭＩサーバアプリケーション１１の特徴的処理について説明する。

ウェブＨＭＩサーバ１０は、後述する図９に示すように、少なくとも一つのプロセッサ１００ａと、プログラムを記憶するメモリ１００ｂと、を備える。プログラムは、プロセッサ１００ａにより実行されることで、プロセッサ１００ａに、以下の各処理を含む処理を実行させる。

ウェブＨＭＩサーバ１０が実行するＨＭＩサーバアプリケーション１１は、その開始時に、ウェブブラウザ２１と通信するための通信オブジェクトと、ＰＬＣ２と通信するための通信オブジェクトとを生成する。図２の例では、ウェブＨＭＩサーバ１０は、ウェブブラウザ２１ａおよびウェブブラウザ２１ｂと信号を送受信する。また、ウェブＨＭＩサーバ１０は、ＰＬＣ２からアラーム信号を受信する。各ウェブブラウザを区別する必要がない場合には単にウェブブラウザ２１と記す。

ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、ウェブブラウザ２１から要求されたプラント監視画面（ＨＭＩ画面）に対応するコンテンツを、ウェブブラウザ２１へ送信する。ウェブブラウザ２１は、コンテンツを受信してＨＭＩ画面を表示する。コンテンツは、ＳＶＧデータ、画面情報を含む。

ウェブブラウザ２１ａ、２１ｂは、プラント監視画面を表示する。図２の例では、ウェブブラウザ２１ａ、２１ｂは、画面Ｇ１を表示する。画面Ｇ１には、アラーム状態を表示するアラーム表示パーツと確認ボタンが配置されている。各ウェブブラウザ２１が表示するプラント監視画面は、オペレータの操作により自由に変更することができる。

また、ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、その開始時に、アラームアイテム情報１５と、アラームグループ情報１７とを読み込む。

アラームアイテム情報１５は、少なくとも、アラーム信号のアラーム信号名と、当該アラーム信号が属するアラームグループのアラームグループ名とを関連付けた情報である。発生する可能性のあるアラーム信号はいずれかのアラームグループに分類される。図３にアラームアイテム情報１５の一例を示す。図３の例では、アラームアイテム情報１５は、アラームアイテム名とアラームグループ名とアラームレベルとコメントとを関連付けた情報である。

アラームグループ情報１７は、アラームの通知範囲を限定するために予め定めた情報である。具体的には、アラームグループ情報１７は、アラームグループのアラームグループ名と当該アラームグループに属する複数のウェブブラウザのブラウザ名とを関連付けた情報である。図４にアラームグループ情報１７の一例を示す。

ここで、アラームグループ情報１７に含まれるブラウザ名について説明する。各ブラウザ名は固有の名称である。ＨＭＩ１内で各ウェブブラウザを識別するために、次の規則で各ウェブブラウザにブラウザ名が付与される。
ブラウザ名＝マシン名＋”＿”＋ブラウザの一連番号
なお、１つのモニタ（ディスプレイ）に１つのウェブブラウザがフルスクリーン表示されるため、モニタとウェブブラウザは１対１で対応する。そのためブラウザ名はモニタ名とも称される。ウェブＨＭＩサーバ１０のマシン名が、ブラウザ名に含まれている場合、そのウェブブラウザは、ウェブＨＭＩサーバ１０で実行される。ＨＭＩ端末２０のマシン名が、ブラウザ名に含まれている場合、そのウェブブラウザは、シンクライアント（ＨＭＩ端末２０）で実行されるブラウザである。ウェブＨＭＩサーバ１０およびＨＭＩ端末２０は、固有のマシン名を有する。

実行中ブラウザ管理処理１２は、自ウェブＨＭＩサーバ１０と通信する複数のウェブブラウザ２１のうち実行中ウェブブラウザの実行中ブラウザ名を管理する。実行中ブラウザ管理処理１２は、ウェブブラウザ２１ａおよびウェブブラウザ２１ｂが実行されている場合に、実行中ブラウザ情報１３として、ウェブブラウザ２１ａのブラウザ名およびウェブブラウザ２１ｂのブラウザ名を記憶する。実行中ブラウザ情報１３は、例えば、ウェブブラウザ２１の起動時、ウェブブラウザ２１の終了時に更新される。

アラームグループ取得処理１４は、アラームアイテム情報１５から、ＰＬＣ２から受信したアラーム信号が属するアラームグループのアラームグループ名を取得する。

候補ブラウザ抽出処理１６は、アラームグループ情報１７から、アラームグループ取得処理１４により取得されたアラームグループ名に関連付いた複数のウェブブラウザのブラウザ名である複数の候補ブラウザ名を抽出する。図４の例では、アラームグループ名がＦＭである場合、抽出される複数の候補ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿２＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２である。

アラーム表示信号送信処理１８は、複数の候補ブラウザ名のうち実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応するウェブブラウザ２１へ、アラーム表示信号を送信する。一例として、複数の候補ブラウザ名はＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿２＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２である。実行中ブラウザ名はＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿２＿１である。この場合、アラーム表示情報はＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿２＿１へ送信される。

当該アラーム表示信号を受信したウェブブラウザ２１は、プラント監視画面のアラーム表示パーツにアラーム表示信号の内容を表示する。

なお、ウェブブラウザ２１は、ウェブＨＭＩサーバ１０で実行されてもＨＭＩ端末２０で実行されても処理内容は同じである。

なお、ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、ウェブブラウザ２１が起動したことを検出したとき、そのウェブブラウザ２１に必要なアラームデータ１９をそのウェブブラウザ２１に送る必要がある。
まず、ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、そのウェブブラウザ２１のウェブブラウザ番号から、そのウェブブラウザ２１が属するアラームグループを知ることができる。次に、ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、そのアラームグループの全アラームの現在の状態（発生／復帰）を取得する。ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、それらの情報をそのウェブブラウザ２１に送る。

＜信号処理の流れ＞
図５に示す例を参照して、実施の形態１における信号処理の流れについて説明する。
図５は、熱間圧延ラインに配置されたＨＭＩ１（ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム）の一例を示す図である。熱間圧延ラインは、鉄鋼圧延システムの１つである。熱間圧延ラインは、粗圧延（ＲＭ：Ｒｏｕｇｈｅｒｉｎｇ Ｍｉｌｌｓ）セクション、仕上圧延（ＦＭ：Ｆｉｎｉｓｈｉｎｇ Ｍｉｌｌｓ）セクション、ダウンコイラー（ＤＣ：Ｄｏｗｎ Ｃｏｉｌｅｒ）セクションを備える。各セクションは、パルピットを備える。

図５に示す熱間圧延ラインは、ＲＭパルピット（ＲＭ：Ｒｏｕｇｈｉｎｇ Ｍｉｌｌｓ）、ＦＭパルピット（ＦＭ：Ｆｉｎｉｓｈｉｎｇ Ｍｉｌｌｓ）、ＤＣパルピット（ＤＣ：Ｄｏｗｎ Ｃｏｉｌｅｒ）を備える。また、熱間圧延ラインは、ＳＶルーム（ＳＶ：Ｓｕｐｅｒｖｉｓｏｒｙ）を備える。

ＲＭパルピット、ＦＭパルピット、ＤＣパルピット、ＳＶルームのそれぞれは、少なくとも１つのウェブＨＭＩサーバ１０を備える。ＲＭＨＭＩは、ＲＭパルピットに設けられたウェブＨＭＩサーバ１０である。ＦＭＨＭＩ１およびＦＭＨＭＩ３は、ＦＭパルピットに設けられたウェブＨＭＩサーバ１０である。ＦＭＨＭＩ２は、ＦＭパルピットに設けられたＨＭＩ端末２０である。ＤＣＨＭＩは、ＤＣパルピットに設けられたウェブＨＭＩサーバ１０である。ＳＶＨＭＩは、ＳＶルームに設けられたウェブＨＭＩサーバ１０である。

ＲＭＨＭＩ＿１およびＲＭＨＭＩ＿２は、ＲＭＨＭＩに実行されるウェブブラウザ２１のブラウザ名である。ＦＭＨＭＩ＿１＿１およびＦＭＨＭＩ＿１＿２は、ＦＭＨＭＩ１に実行されるウェブブラウザ２１のブラウザ名である。ＦＭＨＭＩ＿２＿１は、ＦＭＨＭＩ２に実行されるウェブブラウザ２１のブラウザ名である。ＦＭＨＭＩ＿３＿１およびＦＭＨＭＩ＿３＿２は、ＦＭＨＭＩ３に実行されるウェブブラウザ２１のブラウザ名である。ＤＣＨＭＩ＿１およびＤＣＨＭＩ＿２は、ＤＣＨＭＩに実行されるウェブブラウザ２１のブラウザ名である。ＳＶＨＭＩ＿１およびＳＶＨＭＩ＿２は、ＳＶＨＭＩに実行されるウェブブラウザ２１のブラウザ名である。

各ウェブＨＭＩサーバ１０は、図２で説明した同一の処理を実行する。そのため、各ウェブＨＭＩサーバ１０のアラームアイテム情報１５およびアラームグループ情報１７は同じである。なお、各ウェブＨＭＩサーバ１０で実行される実行中ブラウザ管理処理１２は同じであるが、自ウェブＨＭＩサーバ１０と通信するウェブブラウザ２１が異なるため、実行中ブラウザ情報１３に含まれる実行中ブラウザ名は、各ウェブＨＭＩサーバ１０で異なる。

具体的に説明する。図５に示すすべてのウェブブラウザは実行中である。ＲＭＨＭＩの実行中ブラウザ情報１３は、ＲＭＨＭＩ＿１およびＲＭＨＭＩ＿２を含む。ＦＭＨＭＩ１の実行中ブラウザ情報１３は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿２＿１を含む。ＦＭＨＭＩ３の実行中ブラウザ情報１３は、ＦＭＨＭＩ＿３＿１およびＦＭＨＭＩ＿３＿２を含む。ＤＣＨＭＩの実行中ブラウザ情報１３は、ＤＣＨＭＩ＿１およびＤＣＨＭＩ＿２を含む。ＳＶＨＭＩの実行中ブラウザ情報１３は、ＳＶＨＭＩ＿１およびＳＶＨＭＩ＿２を含む。

図５は、ＰＬＣ２からアラーム信号を受信した各ウェブＨＭＩサーバ１０の処理を説明するための図である。

ステップＳ１において、ＰＬＣ２からアラーム信号（ＡＬＭ１０１）が送信され、各ウェブＨＭＩサーバ１０は、アラーム信号を受信する。

ステップＳ２ａ乃至Ｓ２ｅにおいて、各ウェブＨＭＩサーバ１０は、アラームグループ取得処理１４を実行する。各アラームグループ取得処理１４は、図３に示すアラームアイテム情報１５から、ＰＬＣ２から受信したアラーム信号（ＡＬＭ１０１）が属するアラームグループのアラームグループ名（ＦＭ）を取得する。

ステップＳ３ａ乃至Ｓ３ｅにおいて、各ウェブＨＭＩサーバ１０は、候補ブラウザ抽出処理１６を実行する。各候補ブラウザ抽出処理１６は、図４に示すアラームグループ情報１７から、アラームグループ名（ＦＭ）に関連付いた複数のウェブブラウザのブラウザ名である複数の候補ブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿１＿１，ＦＭＨＭＩ＿１＿２，ＦＭＨＭＩ＿２＿１，ＦＭＨＭＩ＿３＿１，ＦＭＨＭＩ＿３＿２）を抽出する。

ステップＳ４ａ乃至Ｓ４ｅにおいて、各ウェブＨＭＩサーバ１０は、複数の候補ブラウザ名のうち実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名を抽出する。各ステップについて説明する。

ステップＳ４ａにおいて、ＲＭＨＭＩの実行中ブラウザ名は、ＲＭＨＭＩ＿１とＲＭＨＭＩ＿２であり、ステップＳ３ａで抽出した候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は無い。

ステップＳ４ｂにおいて、ＦＭＨＭＩ１の実行中ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１とＦＭＨＭＩ＿１＿２とＦＭＨＭＩ＿２＿１であり、ステップＳ３ｂで抽出した候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１とＦＭＨＭＩ＿１＿２とＦＭＨＭＩ＿２＿１である。

ステップＳ４ｃにおいて、ＦＭＨＭＩ３の実行中ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿３＿１とＦＭＨＭＩ＿３＿２であり、ステップＳ３ｃで抽出した候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿３＿１とＦＭＨＭＩ＿３＿２である。

ステップＳ４ｄにおいて、ＤＣＨＭＩの実行中ブラウザ名は、ＤＣＨＭＩ＿１とＤＣＨＭＩ＿２であり、ステップＳ３ｄで抽出した候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は無い。

ステップＳ４ｅにおいて、ＳＶＨＭＩの実行中ブラウザ名は、ＳＶＨＭＩ＿１とＳＶＨＭＩ＿２であり、ステップＳ３ｅで抽出した候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は無い。

このように、ＦＭＨＭＩ１とＦＭＨＭＩ３については、複数の候補ブラウザ名のうち実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名が存在する。

そこで、ＦＭＨＭＩ１はステップＳ５ｂの処理を実行する。ＦＭＨＭＩ３はステップＳ５ｃの処理を実行する。

ステップＳ５ｂにおいて、ＦＭＨＭＩ１のアラーム表示信号送信処理１８は、各ブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿１＿１，ＦＭＨＭＩ＿１＿２，ＦＭＨＭＩ＿２＿１）に対応するウェブブラウザ２１へ、アラーム表示信号を送信する。

ステップＳ５ｃにおいて、ＦＭＨＭＩ３のアラーム表示信号送信処理１８は、各ブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿３＿１，ＦＭＨＭＩ＿３＿２）に対応するウェブブラウザ２１へ、アラーム表示信号を送信する。

アラーム表示信号を受信したウェブブラウザ２１は、そのプラント監視画面のアラーム表示パーツにアラーム表示信号の内容を表示する。

一方、ＲＭＨＭＩ、ＤＣＨＭＩ、ＳＶＨＭＩについては、複数の候補ブラウザ名のうち実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名が存在しない。よってＲＭＨＭＩ、ＤＣＨＭＩ、ＳＶＨＭＩは、アラーム表示信号を送信することなく処理を終了する。

以上説明したように、実施の形態１におけるウェブＨＭＩサーバ１０は、アラームをアラームグループに分類し、オペレータが使用するウェブブラウザがどのアラームグループを監視対象としているかを事前に定義することにより、必要なアラームだけをそのウェブブラウザに通知できる。ウェブＨＭＩサーバ１０は、ブラウザ単位でアラーム通知の範囲を限定可能であり、各セクションを担当するオペレータに必要なアラーム情報のみを通知できる。そのため、オペレータは効率良くアラームを監視できる。

また、各ウェブＨＭＩサーバ１０における処理は同じであるため、実装されるプログラムは同じであればよい。また、サーバと通信するウェブブラウザの数の増減に影響しない。

ところで、上述した実施の形態１のシステムにおいては、すべてのウェブブラウザ２１が実行中である場合について説明した。しかし、一部のウェブブラウザ２１が非実行中である場合もある。この場合、非実行中ウェブブラウザのブラウザ名は実行中ブラウザ情報１３に含まれない。そのため、非実行中ウェブブラウザへはアラーム表示信号は送信されない。これにより、非実行中ブラウザに関する不要な処理を軽減できる。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。

実施の形態２．
実施の形態２は、アラーム確認オペレーションの共通化に関する。図６乃至図８に示す例を参照して、本発明の実施の形態２について説明する。本実施形態のシステムは、図１に示す構成において、複数のウェブＨＭＩサーバ１０に後述する図６の処理を実行させることで実現することができる。

上述した実施の形態１におけるＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステムでは、アラーム通知の範囲を限定できるため、オペレータは担当セクションに関係するアラームのみを効率良く監視できる。

ところで、アラームの発生を確認したオペレータは確認オペレーションを行う。確認オペレーションを行うことでアラームの表示状態は、ＵＮＡＣＫ（確認前）からＡＣＫ（確認後）に変化する。オペレータが担当するセクションに複数のウェブブラウザがある場合、オペレータがそれぞれのウェブブラウザに対して確認オペレーションを行うのは作業効率が悪い。

そこで、実施の形態２では、アラーム確認オペレーションの共通化を図り、１つのウェブブラウザに対してアラーム確認オペレーションを行われた場合に、指定された他のウェブブラウザに自動的に確認オペレーションを反映することとした。

＜ＨＭＩサーバアプリケーション＞
図６乃至図８を参照して、実施の形態２における各ウェブＨＭＩサーバ１０が実行するＨＭＩサーバアプリケーション１１の特徴的処理について説明する。

図６に示すように、複数のウェブＨＭＩサーバ１０は、第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａと第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂとを含む。第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａおよび第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂは、図２で説明したウェブＨＭＩサーバ１０と共通する構成・機能を有しているため、共通する構成・機能についての説明は省略する。なお、ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステムは、３つ以上のウェブＨＭＩサーバ１０を備えてもよい。各ウェブＨＭＩサーバを区別する必要がない場合には単にウェブＨＭＩサーバ１０と記す。

第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａは、第１転送処理６１ａ、第１確認候補ブラウザ抽出処理６２ａ、アラーム確認グループ情報６３、第１確認済信号送信処理６４ａ、アラーム確認データ６５が追加されている点を除き、図２のウェブＨＭＩサーバ１０と同様である。

第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂは、第２転送処理６１ｂ、第２確認候補ブラウザ抽出処理６２ｂ、アラーム確認グループ情報６３、第２確認済信号送信処理６４ｂ、アラーム確認データ６５が追加されている点を除き、図２のウェブＨＭＩサーバ１０と同様である。

第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａは、ウェブブラウザ２１ａおよびウェブブラウザ２１ｂと信号を送受信する。同様に、ウェブＨＭＩサーバ１０ｂは、ウェブブラウザ２１ｃおよびウェブブラウザ２１ｄと信号を送受信する。ウェブＨＭＩサーバ１０ａとウェブＨＭＩサーバ１０ｂとは、コンピュータネットワーク３を介して信号を送受信する。各ウェブブラウザを区別する必要がない場合には単にウェブブラウザ２１と記す。

各ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、その開始時に、実施の形態１で説明したアラームアイテム情報１５と、アラームグループ情報１７とに加え、アラーム確認グループ情報６３を読み込む。

アラーム確認グループ情報６３は、アラーム確認オペレーションを共通化する複数のウェブブラウザ２１を予め定めた情報である。具体的には、アラーム確認グループ情報６３は、アラーム確認グループのアラーム確認グループ名と、当該アラーム確認グループに属する複数のウェブブラウザのブラウザ名とを関連付けた情報である。図７にアラーム確認グループ情報６３の一例を示す。

第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａおよび第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂが実行する実行中ブラウザ管理処理１２は同じであるが、各サーバが通信するウェブブラウザ２１が異なるため、実行中ブラウザ情報に含まれる実行中ブラウザ名は異なる。すなわち、第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａの実行中ブラウザ情報１３ａは、ウェブブラウザ２１ａのブラウザ名と、ウェブブラウザ２１ｂのブラウザ名とを含む。第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂの実行中ブラウザ情報１３ｂは、ウェブブラウザ２１ｃのブラウザ名と、ウェブブラウザ２１ｄのブラウザ名とを含む。

図６のウェブブラウザ２１ａ乃至２１ｄにフルスクリーン表示されるプラント監視画面には、図２のウェブブラウザ２１と同様にアラーム表示パーツと確認ボタンが配置されている。確認ボタンが押されると、ウェブブラウザ２１からアラーム応答信号が送信される。ウェブブラウザ２１と通信するウェブＨＭＩサーバ１０のＨＭＩサーバアプリケーション１１は、アラーム応答信号を受信する。

第１転送処理６１ａは、第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａと通信するウェブブラウザ（２１ａまたは２１ｂ）から当該アラーム表示信号に応答するアラーム応答信号を受信した場合に、当該アラーム応答信号を第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂへ転送する。

第２転送処理６１ｂは、第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂと通信するウェブブラウザ（２１ｃまたは２１ｄ）から当該アラーム表示信号に応答する当該アラーム応答信号を受信した場合に、当該アラーム応答信号を第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａへ転送する。

第１転送処理６１ａおよび第２転送処理６１ｂは、同じプログラムで実現される処理である。すなわち、ウェブＨＭＩサーバ１０の転送処理は、自己のサーバと通信するウェブブラウザから、当該アラーム表示信号に応答する当該アラーム応答信号を受信した場合に、当該アラーム応答信号を他のウェブＨＭＩサーバへ転送する。

第１確認候補ブラウザ抽出処理６２ａは、第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａと通信するウェブブラウザ（２１ａまたは２１ｂ）または第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂから当該アラーム応答信号を受信した場合に、アラーム確認グループ情報６３から、当該アラーム応答信号を送信した当該ウェブブラウザの送信元ブラウザ名が属するアラーム確認グループに属する当該送信元ブラウザ名以外のブラウザ名を抽出する。ここで、「当該アラーム確認グループに属する当該送信元ブラウザ名以外のブラウザ名」を「確認候補ブラウザ名」と称する。

一例として、第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａはＦＭＨＭＩ１であり、第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂはＦＭＨＭＩ３である。アラーム応答信号を送信したウェブブラウザの送信元ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿２＿１である。この場合、送信元ブラウザ名が属するアラーム確認グループは、ＧＲＯＵＰ２である。この場合、確認候補ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１とＦＭＨＭＩ＿１＿２とＦＭＨＭＩ＿３＿１とＦＭＨＭＩ＿３＿２である。

第２確認候補ブラウザ抽出処理６２ｂは、第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂと通信するウェブブラウザ（２１ｃまたは２１ｄ）または第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａから当該アラーム応答信号を受信した場合に、アラーム確認グループ情報６３から、当該アラーム応答信号を送信した当該ウェブブラウザの送信元ブラウザ名が属するアラーム確認グループに属する当該送信元ブラウザ名以外のブラウザ名を抽出する。

一例として、第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａはＦＭＨＭＩ１であり、第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂはＦＭＨＭＩ３である。アラーム応答信号を送信したウェブブラウザの送信元ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿２＿１である。この場合、送信元ブラウザ名が属するアラーム確認グループは、ＧＲＯＵＰ２である。この場合、確認候補ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１とＦＭＨＭＩ＿１＿２とＦＭＨＭＩ＿３＿１とＦＭＨＭＩ＿３＿２である。

第１確認候補ブラウザ抽出処理６２ａおよび第２確認候補ブラウザ抽出処理６２ｂは、同じプログラムで実現される処理である。すなわち、ウェブＨＭＩサーバ１０の確認候補ブラウザ抽出処理は、当該アラーム応答信号を受信した場合に、アラーム確認グループ情報６３から、当該アラーム応答信号を送信した当該ウェブブラウザの送信元ブラウザ名が属するアラーム確認グループに属する当該送信元ブラウザ名以外のブラウザ名を抽出する。

第１確認済信号送信処理６４ａは、当該確認候補ブラウザ名のうち第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａの当該実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応するウェブブラウザへ、アラーム確認済信号を送信する。

一例として、確認候補ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２である。第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａ（ＦＭＨＭＩ１）の実行中ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿２＿１である。この場合、アラーム確認済信号は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２へ送信される。

第２確認済信号送信処理６４ｂは、当該確認候補ブラウザ名のうち第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂの当該実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応するウェブブラウザへ、アラーム確認済信号を送信する。

一例として、確認候補ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２である。第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂ（ＦＭＨＭＩ３）の実行中ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２である。この場合、アラーム確認済信号は、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２へ送信される。

第１確認済信号送信処理６４ａおよび第２確認済信号送信処理６４ｂは、同じプログラムで実現される処理である。すなわち、ウェブＨＭＩサーバ１０の確認済信号送信処理は、当該確認候補ブラウザ名のうち自ウェブＨＭＩサーバ１０の当該実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応するウェブブラウザへ、アラーム確認済信号を送信する。

当該アラーム確認済信号を受信したウェブブラウザ２１は、そのプラント監視画面に表示されたアラーム表示を確認済み状態に変更する。

なお、ウェブブラウザ２１は、ウェブＨＭＩサーバ１０で実行されてもＨＭＩ端末２０で実行されても処理内容は同じである。

なお、ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、ウェブブラウザ２１が起動したことを検出したとき、そのウェブブラウザ２１に必要なアラームデータ１９、アラーム確認データ６５をそのウェブブラウザ２１に送る必要がある。
まず、ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、そのウェブブラウザ２１のウェブブラウザ番号から、そのウェブブラウザ２１が属するアラームグループとアラーム確認グループを知ることができる。次に、ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、そのアラームグループの全アラームの現在の状態（発生／復帰）を取得する。また、ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、各アラームの当該のアラーム確認グループ内での確認状態（未確認／確認）を取得する。ＨＭＩサーバアプリケーション１１は、それらの情報をそのウェブブラウザ２１に送る。

＜信号処理の流れ＞
図８に示す例を参照して、実施の形態２における信号処理の流れについて説明する。
図８は、熱間圧延ラインに配置されたＨＭＩ１（ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム）の一例を示す図である。図８に示すシステム構成は、図５と同様であるため重複する説明は省略する。

図５の信号処理において、アラーム信号ＡＬＭ１０１が各ウェブＨＭＩサーバ１０へ送信された結果、アラームグループＦＭに属する実行中ブラウザであるＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿２＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２のアラーム表示パーツにアラームが表示される。図８で説明する信号処理は、実施の形態１で説明した図５の信号処理の続きである。図８を参照して、ウェブブラウザＦＭＨＭＩ＿２＿１において、オペレータがＡＬＭ１０１に応答して確認ボタンを押した後、指定のブラウザに確認オペレーションが反映される処理の流れを説明する。

ＦＭＨＭＩ１は第１ウェブＨＭＩサーバ１０ａに対応する。ＲＭＨＭＩ、ＦＭＨＭＩ３、ＤＣＨＭＩ、ＳＶＨＭＩは第２ウェブＨＭＩサーバ１０ｂに対応する。

ステップＳ１０において、オペレータがウェブブラウザＦＭＨＭＩ＿２＿１のＡＬＭ１０１に関する確認ボタンを押すと、アラーム応答信号がＦＭＨＭＩ１へ送信される。

ステップＳ１１において、ＦＭＨＭＩ１の転送処理（第１転送処理６１ａ）は、ＦＭＨＭＩ＿２＿１からアラーム応答信号を受信した場合に、当該アラーム応答信号を他のウェブＨＭＩサーバ（ＲＭＨＭＩ，ＦＭＨＭＩ３，ＤＣＨＭＩ，ＳＶＨＭＩ）へ転送する。

ステップＳ１２ａ乃至Ｓ１２ｅにおいて、各ウェブＨＭＩサーバ１０は、確認候補ブラウザ抽出処理（６２ａ，６２ｂ）を実行する。

ステップＳ１２ｂにおいて、ＦＭＨＭＩ１の第１確認候補ブラウザ抽出処理６２ａは、ＦＭＨＭＩ＿２＿１から当該アラーム応答信号を受信した場合に、図７に示すアラーム確認グループ情報６３から、当該アラーム応答信号を送信したウェブブラウザの送信元ブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿２＿１）が属するアラーム確認グループ（ＧＲＯＵＰ２）に属する送信元ブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿２＿１）以外のブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２）を抽出する。「当該アラーム確認グループに属する当該送信元ブラウザ名以外のブラウザ名」を「確認候補ブラウザ名」と称する。

ステップＳ１２ａ、Ｓ１２ｃ、Ｓ１２ｄ、Ｓ１２ｅにおいて、各ウェブＨＭＩサーバ１０（ＲＭＨＭＩ、ＦＭＨＭＩ３、ＤＣＨＭＩ、ＳＶＨＭＩ）は、第１ウェブＨＭＩサーバＦＭＨＭＩ１から当該アラーム応答信号を受信する。
第２確認候補ブラウザ抽出処理６２ｂは、当該アラーム応答信号を受信した場合に、第１確認候補ブラウザ抽出処理６２ａと同様に、確認候補ブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿１＿１、ＦＭＨＭＩ＿１＿２、ＦＭＨＭＩ＿３＿１、ＦＭＨＭＩ＿３＿２）を抽出する。

ステップＳ１３ａ乃至Ｓ１３ｅにおいて、各ウェブＨＭＩサーバ１０は、複数の確認候補ブラウザ名のうち実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名を抽出する。

ステップＳ１３ａにおいて、ＲＭＨＭＩの実行中ブラウザ名は、ＲＭＨＭＩ＿１とＲＭＨＭＩ＿２であり、ステップＳ１２ａで抽出した確認候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は無い。

ステップＳ１３ｂにおいて、ＦＭＨＭＩ１の実行中ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１とＦＭＨＭＩ＿１＿２とＦＭＨＭＩ＿２＿１であり、ステップＳ１２ｂで抽出した確認候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿１＿１とＦＭＨＭＩ＿１＿２である。

ステップＳ１３ｃにおいて、ＦＭＨＭＩ３の実行中ブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿３＿１とＦＭＨＭＩ＿３＿２であり、ステップＳ１２ｃで抽出した確認候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は、ＦＭＨＭＩ＿３＿１とＦＭＨＭＩ＿３＿２である。

ステップＳ１３ｄにおいて、ＤＣＨＭＩの実行中ブラウザ名は、ＤＣＨＭＩ＿１とＤＣＨＭＩ＿２であり、ステップＳ１２ｄで抽出した確認候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は無い。

ステップＳ１３ｅにおいて、ＳＶＨＭＩの実行中ブラウザ名は、ＳＶＨＭＩ＿１とＳＶＨＭＩ＿２であり、ステップＳ１２ｅで抽出した確認候補ブラウザ名と一致するブラウザ名は無い。

このように、ＦＭＨＭＩ１とＦＭＨＭＩ３については、複数の確認候補ブラウザ名のうち実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名が存在する。

そこで、ＦＭＨＭＩ１はステップＳ１４ｂの処理を、ＦＭＨＭＩ３はステップＳ１４ｃの処理を実行する。一方、ＲＭＨＭＩ、ＤＣＨＭＩ、ＳＶＨＭＩについては、複数の確認候補ブラウザ名のうち実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名が存在しない。よってＲＭＨＭＩ、ＤＣＨＭＩ、ＳＶＨＭＩは、処理を終了する。

ステップＳ１４ｂにおいて、ＦＭＨＭＩ１の第１確認済信号送信処理６４ａは、各ブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿１＿１，ＦＭＨＭＩ＿１＿２）に対応するウェブブラウザ２１へ、アラーム確認済信号を送信する。

ステップＳ１４ｃにおいて、ＦＭＨＭＩ３の第２確認済信号送信処理６４ｂは、各ブラウザ名（ＦＭＨＭＩ＿３＿１，ＦＭＨＭＩ＿３＿２）に対応するウェブブラウザ２１へ、アラーム確認済信号を送信する。

アラーム確認済信号を受信したウェブブラウザ２１は、そのプラント監視画面に表示されたアラーム表示を確認済み状態に変更する。

以上説明したように、実施の形態２におけるＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム（ＨＭＩ１）は、１つのウェブブラウザでアラーム確認オペレーションを行われた場合に、そのウェブブラウザと同じアラーム確認グループに属する他のウェブブラウザでも自動的に確認オペレーションを反映できる。これによれば、オペレータが担当するセクションに複数のウェブブラウザがある場合、オペレータがそれぞれのウェブブラウザに対して確認オペレーションを行う必要はなく、オペレータの作業効率を高めることができる。

また、各ウェブＨＭＩサーバ１０における処理は同じであるため、実装されるプログラムは同じであればよい。また、サーバと通信するウェブブラウザの数の増減に影響しない。

ところで、上述した実施の形態２のシステムにおいては、すべてのウェブブラウザ２１が実行中である場合について説明した。しかし、一部のウェブブラウザ２１が非実行中である場合もある。この場合、非実行中ウェブブラウザのブラウザ名は実行中ブラウザ情報１３に含まれない。そのため、非実行中ウェブブラウザへはアラーム確認済信号は送信されない。これにより、非実行中ブラウザに関する不要な処理を軽減できる。なお、この点は以下の実施の形態でも同様である。

＜ハードウェア構成例＞
図９は、ウェブＨＭＩサーバ１０およびＨＭＩ端末２０のハードウェア構成例を示すブロック図である。

上述したウェブＨＭＩサーバ１０の各処理は、処理回路により実現される。処理回路は、プロセッサ１００ａと、メモリ１００ｂと、ネットワークインタフェース１００ｃと、入力インタフェース１００ｄと、少なくとも一つのディスプレイ１００ｅが接続して構成されている。プロセッサ１００ａは、メモリ１００ｂに記憶された各種プログラムを実行することにより、ウェブＨＭＩサーバ１０の各機能を実現する。ネットワークインタフェース１００ｃは、コンピュータネットワークを介してＰＬＣ２およびＨＭＩ端末２０と接続し、ＰＬＣ信号および制御コマンドを送受信可能なデバイスである。入力インタフェース１００ｄは、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスである。ディスプレイ１００ｅは複数台設けられてもよい。

上述したＨＭＩ端末２０の各処理は、処理回路により実現される。処理回路は、プロセッサ２００ａと、メモリ２００ｂと、ネットワークインタフェース２００ｃと、入力インタフェース２００ｄと、少なくとも一つのディスプレイ２００ｅとが接続して構成されている。プロセッサ２００ａは、メモリ２００ｂに記憶された各種プログラムを実行することにより、ＨＭＩ端末２０の各機能を実現する。ネットワークインタフェース２００ｃは、ウェブＨＭＩサーバ１０に接続し、ＰＬＣ信号および制御コマンドを送受信可能なデバイスである。入力インタフェース２００ｄは、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスである。ディスプレイ２００ｅは複数台設けられてもよい。なお、ＨＭＩ端末２０は、タブレット等の携帯端末であってもよい。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。

１ ＨＭＩ
２ ＰＬＣ
１０、１０ａ、１０ｂ ウェブＨＭＩサーバ
１１ ＨＭＩサーバアプリケーション
１２ 実行中ブラウザ管理処理
１３、１３ａ、１３ｂ 実行中ブラウザ情報
１４ アラームグループ取得処理
１５ アラームアイテム情報
１６ 候補ブラウザ抽出処理
１７ アラームグループ情報
１８ アラーム表示信号送信処理
２０ ＨＭＩ端末
２１、２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄ ウェブブラウザ
６１ａ 第１転送処理
６１ｂ 第２転送処理
６２ａ 第１確認候補ブラウザ抽出処理
６２ｂ 第２確認候補ブラウザ抽出処理
６３ アラーム確認グループ情報
６４ａ 第１確認済信号送信処理
６４ｂ 第２確認済信号送信処理
１００ａ、２００ａ プロセッサ
１００ｂ、２００ｂ メモリ
１００ｃ、２００ｃ ネットワークインタフェース
１００ｄ、２００ｄ 入力インタフェース
１００ｅ、２００ｅ ディスプレイ

Claims (6)

1. プログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ）からアラーム信号を受信し、かつ、プラント監視画面を表示する複数のウェブブラウザと信号を送受信するＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバにおいて、
   少なくとも一つのプロセッサと、
   プログラムを記憶するメモリと、を備え、
   前記プログラムは、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも一つのプロセッサに、
   前記複数のウェブブラウザのうち実行中ウェブブラウザの実行中ブラウザ名を管理する実行中ブラウザ管理処理と、
   前記ＰＬＣから受信した前記アラーム信号が属するアラームグループのアラームグループ名を取得するアラームグループ取得処理と、
   前記アラームグループのアラームグループ名と前記アラームグループに属する複数のウェブブラウザのブラウザ名とを関連付けたアラームグループ情報から、前記取得したアラームグループ名に関連付いた前記複数のウェブブラウザのブラウザ名である複数の候補ブラウザ名を抽出する候補ブラウザ抽出処理と、
   前記複数の候補ブラウザ名のうち前記実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応する前記ウェブブラウザへ、アラーム表示信号を送信するアラーム表示信号送信処理と、を含む処理を実行させること、
   を特徴とするＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバ。
2. プログラマブルロジックコントローラ（ＰＬＣ）からアラーム信号を受信し、かつ、プラント監視画面を表示する複数のウェブブラウザと信号を送受信する複数のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバ
   を備えるＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステムにおいて、
   前記複数のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバそれぞれは、
   少なくとも一つのプロセッサと、
   プログラムを記憶するメモリと、を備え、
   前記プログラムは、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも一つのプロセッサに、
   自ＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバと通信する前記複数のウェブブラウザのうち実行中ウェブブラウザの実行中ブラウザ名を管理する実行中ブラウザ管理処理と、
   前記ＰＬＣから受信した前記アラーム信号が属するアラームグループのアラームグループ名を取得するアラームグループ取得処理と、
   前記アラームグループのアラームグループ名と前記アラームグループに属する複数のウェブブラウザのブラウザ名とを関連付けたアラームグループ情報から、前記取得したアラームグループ名に関連付いた前記複数のウェブブラウザのブラウザ名である複数の候補ブラウザ名を抽出する候補ブラウザ抽出処理と、
   前記複数の候補ブラウザ名のうち前記実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応する前記ウェブブラウザへ、アラーム表示信号を送信するアラーム表示信号送信処理と、を含む処理を実行させること、
   を特徴とするＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム。
3. 前記複数のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩサーバは、第１ウェブＨＭＩサーバと第２ウェブＨＭＩサーバとを含み、
   前記第１ウェブＨＭＩサーバの前記プログラムは、前記少なくとも１つのプロセッサに、
   前記第１ウェブＨＭＩサーバと通信する前記ウェブブラウザから前記アラーム表示信号に応答するアラーム応答信号を受信した場合に、前記アラーム応答信号を前記第２ウェブＨＭＩサーバへ転送する第１転送処理と、
   前記第１ウェブＨＭＩサーバと通信する前記ウェブブラウザまたは前記第２ウェブＨＭＩサーバから前記アラーム応答信号を受信した場合に、アラーム確認グループのアラーム確認グループ名と、前記アラーム確認グループに属する複数のウェブブラウザのブラウザ名とを関連付けたアラーム確認グループ情報から、前記アラーム応答信号を送信した前記ウェブブラウザの送信元ブラウザ名が属するアラーム確認グループに属する前記送信元ブラウザ名以外のブラウザ名を抽出する第１確認候補ブラウザ抽出処理と、
   前記アラーム確認グループに属する前記送信元ブラウザ名以外のブラウザ名のうち前記第１ウェブＨＭＩサーバの前記実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応するウェブブラウザへ、アラーム確認済信号を送信する第１確認済信号送信処理と、を含む処理を実行させ、
   前記第２ウェブＨＭＩサーバの前記プログラムは、前記少なくとも１つのプロセッサに、
   前記第２ウェブＨＭＩサーバと通信する前記ウェブブラウザから前記アラーム表示信号に応答する前記アラーム応答信号を受信した場合に、前記アラーム応答信号を前記第１ウェブＨＭＩサーバへ転送する第２転送処理と、
   前記第２ウェブＨＭＩサーバと通信する前記ウェブブラウザまたは前記第１ウェブＨＭＩサーバから前記アラーム応答信号を受信した場合に、前記アラーム確認グループ情報から、前記アラーム応答信号を送信した前記ウェブブラウザの送信元ブラウザ名が属するアラーム確認グループに属する前記送信元ブラウザ名以外のブラウザ名を抽出する第２確認候補ブラウザ抽出処理と、
   前記アラーム確認グループに属する前記送信元ブラウザ名以外のブラウザ名のうち前記第２ウェブＨＭＩサーバの前記実行中ブラウザ名と一致するブラウザ名に対応するウェブブラウザへ、アラーム確認済信号を送信する第２確認済信号送信処理と、を含む処理を実行させること、
   を特徴とする請求項２に記載のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム。
4. 前記アラーム表示信号を受信した前記ウェブブラウザは、前記プラント監視画面にアラーム表示信号の内容を表示すること、
   を特徴とする請求項２に記載のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム。
5. 前記アラーム確認済信号を受信した前記ウェブブラウザは、前記プラント監視画面に表示されたアラーム表示を確認済み状態に変更すること、
   を特徴とする請求項３に記載のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム。
6. 前記複数のウェブＨＭＩサーバのいずれかとコンピュータネットワークを介して接続し、前記ウェブブラウザを実行するヒューマンマシンインターフェース（ＨＭＩ）端末を備えること、
   を特徴とする請求項２乃至５のいずれか１項に記載のＳＣＡＤＡウェブＨＭＩシステム。

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