JP7245518B2 - 組立ブロックの自在継手 - Google Patents

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Description

この発明は、可動部分を有する３次元の立体を組み立てることができる組立ブロックの自在継手に関するものである。
本出願人は、下記特許文献１に記載された発明に基づいて、図８に示すように、平面形状が正方形及び正三角形のブロック板１１と、このブロック板１１同士を連結するジョイント２１の組み合わせから成るプラスチック製の組立ブロック［商品名：ＬａＱ（登録商標）］を提供している。このような組立ブロックは、既に広く流通している（実際の形状は下記特許文献２～４参照）。
このブロック板１１の周囲各辺には、表面側と裏面側が窪んだ受口１２が形成され、受口１２には突条１３が設けられている。ジョイント２１には、プラグ２２が少なくとも２方向へ向けて突設され、プラグ２２の内面に彫溝２３が設けられている。また、プラグ２２の基部間には両側へ延びる角柱状の側延部２４が張り出している。
このようなブロック板１１同士を連結する際、ブロック板１１の受口１２にジョイント２１のプラグ２２を差し込むと、プラグ２２の外縁が受口１２の奥側の段差に当接すると共に、突条１３が彫溝２３に係合し、側延部２４がブロック板１１の外周面に当接して、連結状態が安定する。
ジョイント２１には連結態様に応じて複数の種類が存在し、図示したように、プラグ２２が同一平面で２方向に突出する形状の基本的なタイプのほか、プラグ２２が直交する２方向に突出するもの、直交する３方向に突出するもの、１２０°の角度で２方向に突出するもの、プラグ２２の基端間の距離が大きなものなどが用意されている。これらのジョイント２１を介して正方形及び正三角形のブロック板１１を連結すると、動物や乗物などの様々な形状の立体を組み立てることができる。
特許第３２２１６３７号公報 意匠登録第９２９７８５号公報 意匠登録第９２９７８６号公報 意匠登録第９２９７８７号公報
しかしながら、上記のような組立ブロックの基本的なパーツだけでは、例えば、人型のロボットを組み立てようとした場合、股関節や肩関節の部分において、胴体に対し脚や腕を自由に回せるようにすることができない。
そこで、この発明は、関節等の可動部を自由に回せる多様な作品を組み立て可能な組立ブロックの自在継手を提供することを課題とする。
上記のような課題を解決するため、この発明においては、ブロック板の受口にそれぞれジョイントの各方向のプラグを差し込んで、ブロック板同士を連結する組立ブロックの自在継手であって、
前記ジョイントの一種であり、前記ブロック板に接続されるボール鋲部材と、このボール鋲部材に接続され、前記ボール鋲部材同士を連結するソケット部材とから成り、
前記ボール鋲部材には、凸状球面をなすボールが突設され、これに対応して、前記ソケット部材には、凹状球面をなすボール受穴が形成され、前記ボールの直径は、前記ボール受穴の直径よりも僅かに小さくなっており、
前記ボール鋲部材のボールが前記ソケット部材のボール受穴に嵌め込まれた状態で、前記ボール鋲部材と前記ソケット部材とが３次元で任意の方向に相対回転可能となる組立ブロックの自在継手を提供することとしたのである。
また、前記ボール鋲部材は、前記ボールが前記プラグの集結部分を起点として、これらのプラグとは異なる方向へ突出するものとしたのである。
また、前記ソケット部材は、短い円筒状であり、前記ボール受穴が両側端面で開口するものとしたのである。
そして、前記ボール鋲部材には、前記ボールと前記各方向のプラグの集結部分との間に丸棒のボール軸部が設けられ、前記ボール軸部の直径は、前記ボールの直径よりも小さくなっているものとしたのである。
また、前記ソケット部材には、周壁の端面から切れ込んで前記ボール受穴の開口を拡大するＵ字状の切欠部が形状され、前記切欠部の幅は、前記ボール鋲部材のボール軸部の直径よりも大きくなっているものとしたのである。
この発明に係る組立ブロックの自在継手を使用すると、ボール鋲部材のボールがソケット部材のボール受穴に嵌め込まれた状態で、ボール鋲部材とソケット部材とが３次元で任意の方向に相対回転可能となるので、連結されるブロック板の間にボール鋲部材とソケット部材とを介在させて、関節部分を自由に回せる作品を組み立てることができる。
この発明に係る組立ブロックの自在継手の構成パーツを示す斜視図 同上のボール鋲部材の正面図及び同図のＸ－Ｘ断面図 同上のソケット部材の正面図及び側面図 同上の自在継手の可動態様を示す一部切断正面図 同上の連結したブロック板同士が同一面で直線状をなす斜視図 同上の連結したブロック板同士が捻られて角度をなす斜視図 同上の自在継手を使用して組み立てた人型ロボットを示す斜視図 組立ブロックの基本パーツを示す斜視図
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図１に示すように、ボール鋲部材１とソケット部材２から成る自在継手は、図８に示すようなブロック板１１やジョイント２１を基本パーツとして組み合わされる組立ブロックの構成要素となるものである。ボール鋲部材１とソケット部材２とは、それぞれ基本パーツと同様にプラスチックを材料として製造される。
図１及び図２に示すように、ボール鋲部材１は、ジョイント２１の一種であり、プラグ２２が３方向へ向けて突設され、それぞれのプラグ２２の対向する内面に彫溝２３が設けられている。また、各方向のプラグ２２が集結する部分から両側へ角柱状の側延部２４が延設されている。
そして、ボール鋲部材１には、各方向のプラグ２２が集結する部分を起点として、これらのプラグ２２とは異なる方向へ突出するように、凸状球面をなすボール３が突設され、ボール３と各方向のプラグ２２が集結する部分との間に、丸棒のボール軸部３ａが設けられている。ボール軸部３ａの直径Ｄｓは、ボール３の直径Ｄｂよりも小さくなっている。
図１及び図３に示すように、ソケット部材２は、短い円筒状であり、凹状球面をなす一対のボール受穴４が両側端面で開口するように形成されている。上述のボール鋲部材１のボール３の直径Ｄｂは、ボール受穴４の直径Ｄｈよりも僅かに小さくなっている。
また、ソケット部材２には、それぞれのボール受穴４の両側に、周壁の両端面から切れ込んでボール受穴４の開口を拡大するＵ字状の切欠部４ａが形成されている。切欠部４ａの幅Ｗは、ボール鋲部材１のボール軸部３ａの直径Ｄｓよりも大きくなっている。
上記のようなボール鋲部材１とソケット部材２から成る自在継手では、図４乃至図６に示すように、ボール鋲部材１のボール３をソケット部材２のボール受穴４に嵌め込むと、ボール３がボール受穴４の内面に対して摺動し、ボール鋲部材１とソケット部材２とが３次元で任意の方向に相対回転可能となる。
このとき、切欠部４ａの幅Ｗがボール軸部３ａの直径Ｄｓよりも大きくなっていることから、ボール軸部３ａが切欠部４ａの方向へ傾動すると、切欠部４ａに入り込むので、ボール軸部３ａが切欠部４ａのない方向へ傾動した場合に比較して、ボール鋲部材１をソケット部材２に対し大きな角度回転させることができる。
また、図５及び図６に示すように、ボール鋲部材１のプラグ２２をブロック板１１の受口１２に差し込むと、プラグ２２の外縁が受口１２の奥側の段差に当接すると共に、突条１３が彫溝２３に係合し、側延部２４がブロック板１１の外周面に当接するので、基本パーツのジョイント２１の場合と同様にブロック板１１との連結状態が安定する。
このように、上記組立ブロックの自在継手を使用した場合、ボール鋲部材１のボール３がソケット部材２のボール受穴４に嵌め込まれた状態で、ボール鋲部材１とソケット部材２とが３次元で任意の方向に相対回転可能となるので、連結されるブロック板１１の間にボール鋲部材１とソケット部材２を介在させて、図７に示すように、股関節や肩関節を自由に回せる人型ロボットのような作品を組み立てることができる。
また、ボール鋲部材１が既存の組立ブロックのジョイント２１の一種とされ、基本パーツのブロック板１１に接続できるので、既存の組立ブロックのユーザーは、このボール鋲部材１とソケット部材２とから成る自在継手を追加購入することにより、組み立てられる作品の多様性をさらに広げることができる。
なお、上記実施形態では、ソケット部材２にＵ字状の切欠部４ａを形成して、ボール鋲部材１をソケット部材２に対し可能な限り大きな角度回転させることができるようにしているが、人型ロボットのような作品が安定して起立するように、切欠部４ａの有無やソケット部材２の端面形状を変更して、ボール鋲部材１とソケット部材２との相対回転可能な方向や回転角度を規制してもよい。
また、ボール鋲部材１のボール軸部３ａの形状を変更して、ボール鋲部材１とソケット部材２との相対回転可能な方向や回転角度を規制してもよい。
１ ボール鋲部材
２ ソケット部材
３ ボール
３ａ ボール軸部
４ ボール受穴
４ａ 切欠部
１１ ブロック板
１２ 受口
１３ 突条
２１ ジョイント
２２ プラグ
２３ 彫溝
２４ 側延部
Ｄｂ ボールの直径
Ｄｈ ボール受穴の直径
Ｄｓ ボール軸部の直径
Ｗ 切欠部の幅

Claims (5)

  1. ブロック板(11)の受口(12)にそれぞれジョイント(21)の各方向のプラグ(22)を差し込んで、ブロック板(11)同士を連結する組立ブロックの自在継手であって、
    前記ジョイント(21)の一種であり、前記ブロック板(11)に接続されるボール鋲部材(1)と、このボール鋲部材(1)に接続され、前記ボール鋲部材(1)同士を連結するソケット部材(2)とから成り、
    前記ボール鋲部材(1)には、凸状球面をなすボール(3)が突設され、これに対応して、前記ソケット部材(2)には、凹状球面をなすボール受穴(4)が形成され、前記ボール(3)の直径(Db)は、前記ボール受穴(4)の直径(Dh)よりも僅かに小さくなっており、
    前記ボール鋲部材(1)のボール(3)が前記ソケット部材(2)のボール受穴(4)に嵌め込まれた状態で、前記ボール鋲部材(1)と前記ソケット部材(2)とが３次元で任意の方向に相対回転可能となる組立ブロックの自在継手。
  2. 前記ボール鋲部材(1)は、前記ボール(3)が前記各方向のプラグ(22)の集結部分を起点として、これらのプラグ(22)とは異なる方向へ突出した形状とされていることを特徴とする請求項１に記載の組立ブロックの自在継手。
  3. 前記ソケット部材(2)は、短い円筒状であり、前記ボール受穴(4)が両側端面で開口する形状とされていることを特徴とする請求項２に記載の組立ブロックの自在継手。
  4. 前記ボール鋲部材(1)には、前記ボール(3)と前記各方向のプラグ(22)の集結部分との間に丸棒のボール軸部(3a)が設けられ、前記ボール軸部(3a)の直径(Ds)は、前記ボール(3)の直径(Db)よりも小さくなっていることを特徴とする請求項２又は３に記載の組立ブロックの自在継手。
  5. 前記ソケット部材(2)には、周壁の端面から切れ込んで前記ボール受穴(4)の開口を拡大するＵ字状の切欠部(4a)が形状され、前記切欠部(4a)の幅(W)は、前記ボール鋲部材(1)のボール軸部(3a)の直径(Ds)よりも大きくなっていることを特徴とする請求項４に記載の組立ブロックの自在継手。
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