JP7244226B2 - 鉄配合飲料、その製造方法、及び鉄味軽減方法 - Google Patents

鉄配合飲料、その製造方法、及び鉄味軽減方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄化合物を含有する鉄配合飲料、その製造方法、及び鉄味軽減方法に関する。
一般に、鉄は、ヘモグロビン、ミオグロビン等の生体成分を構成するための必須の微量元素であることが知られている。鉄は、肝、肉、卵黄、魚介類等に多く含まれている。しかしながら、近年ダイエット等の食事制限により、鉄の摂取量が不足することにより生ずる鉄欠乏性貧血の有病者が増加傾向にある。
従来より、鉄補給を目的とした鉄化合物を配合した鉄配合飲料が存在する。例えば、特許文献1は、鉄剤として三価鉄、甘味料として非還元性糖質又は高甘味度甘味料を含有する鉄強化飲料について開示する。かかる鉄強化飲料は、鉄由来の不快な味、特に鉄味が強い水溶性鉄、有機酸鉄等の二価鉄由来の不快な味を抑制するために、三価鉄を使用し、三価鉄を二価鉄へ還元しない非還元性糖質及び/又は高甘味度甘味料を配合している。特許文献2は、有機鉄化合物、1種又は2種以上の有機酸及びカルシウム成分を所定量配合し、pHが2.5~5.0である鉄化合物配合内服液剤について開示する。
特許第3244264号公報 特開平9-194356号公報
ところが、特許文献1は、三価鉄が体内への吸収効率が悪く、鉄の体内への吸収性が劣るという問題があった。その一方、二価鉄は体内の吸収性に優れるが、鉄味が強く、不快な味を有するという問題があった。引用文献1は、上述したように殆ど鉄味を呈しない三価鉄が、還元糖等の還元性成分によって二価鉄へ還元されないようにすることにより、鉄味の発生を抑制するものであるが、例えば還元性成分により鉄味が発生した場合の鉄味軽減方法については開示していない。また、特許文献2は、配合比率によってはカルシウムがクエン酸と結合し、クエン酸カルシウムとなり沈殿が発生する場合があった。
特許文献1及び2のいずれも、例えば栄養目的や酸化防止目的で添加された酸化防止剤により三価鉄が還元されて鋭い鉄味が発生した場合、その課題の解決方法については開示されておらず、三価鉄が還元されて二価鉄が生じた場合でも鉄味が軽減された鉄配合飲料の開発が望まれていた。
本発明は、鉄の補給を目的とした飲料において、鉄味を軽減した鉄配合飲料、その製造方法、及び鉄味軽減方法を提供することにある。
本発明は、鉄化合物を含有する鉄配合飲料において、特に所定の比率で酸味料を配合することにより鉄味を軽減できることを見出したことに基づくものである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、鉄化合物を含有する鉄配合飲料において、酸味料を含有し、前記鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する前記酸味料の含有量(g/L)の比率が0.6~2.7であり、pHが1.9~6であることを特徴とする鉄配合飲料が提供される。
前記鉄化合物は、鉄量の濃度として2~8mg/100mLであってもよい。
酸味料は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フィチン酸、リン酸、及びコハク酸から選ばれる少なくとも一種であってもよい。
本発明の別の態様では、鉄化合物を配合する鉄配合飲料の製造方法において、酸味料を配合するとともに、前記鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する前記酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6~2.7に調整し、pHを1.9~6に調整することを特徴とする鉄配合飲料の製造方法が提供される。
前記鉄化合物として三価鉄化合物、及び酸化防止剤が添加されてもよい。
本発明の別の態様では、鉄化合物を含有する鉄配合飲料の鉄味軽減方法において、酸味料を配合するとともに、前記鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する前記酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6~2.7に調整し、pHを1.9~6に調整することを特徴とする鉄配合飲料の鉄味軽減方法が提供される。
本発明によれば、鉄味を軽減できる。
(第1実施形態)
以下、本発明の鉄配合飲料を具体化した第1実施形態を説明する。本実施形態の鉄配合飲料に適用される鉄化合物の種類としては、特に限定されず、二価鉄であっても、三価鉄であってもよい。これらの中で、二価鉄は、鉄味が強いため、本発明の効果発現性に優れる観点から二価鉄が含有される鉄配合飲料に好ましく適用される。従来、鉄配合飲料において鉄味をあまり呈さない三価鉄が鉄化合物として使用されてきたが、飲料に酸化防止剤等の還元剤を加えると、三価鉄は速やかに二価鉄に還元され、鉄味が生ずる。本実施形態の鉄配合飲料は、三価鉄と酸化防止剤とを併用する飲料に対して、より好ましく適用される。
三価鉄の具体例としては、例えばクエン酸鉄アンモニウム、ピロリン酸第二鉄、リン酸第二鉄、水酸化第二鉄、酸化第二鉄等が挙げられる。これらの中でピロリン酸第二鉄が好ましく適用される。ピロリン酸第二鉄は、製剤化され、飲料等に配合された場合、飲料を着色せずに水溶液中に分散させることができる。製剤化されたピロリン酸第二鉄としては、例えば太陽化学社製の商品名サンアクティブFe(登録商標)等を用いることができる。二価鉄の具体例としては、例えばクエン酸第一鉄ナトリウム、ピロリン酸第一鉄、リン酸第一鉄、水酸化第一鉄、酸化第一鉄等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、有機酸鉄は緑色を呈しているため、飲料の液色を考慮する場合、他の鉄化合物を使用することが好ましい。また、クエン酸鉄アンモニウム等は光によって還元される場合があり、透明樹脂容器、透明ガラス容器等の光透過性の高い容器を用いる場合、他の鉄化合物を使用することが好ましい。
三価鉄と酸化防止剤(還元剤)とを併用する場合、酸化防止剤としては、飲食品に適用されるものであれば使用することができる。例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)、トコフェロール(ビタミンE)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、エリソルビン酸塩、没食子酸プロピル、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸カリウム、二酸化硫黄、各種ポリフェノール、還元糖等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
鉄配合飲料中における鉄化合物の含有量は、特に限定されないが、鉄量の濃度として2~8mg/100mLである。鉄化合物の含有量が2mg以上であると、摂取者が鉄味の軽減効果をより強く感じることができる。一方、鉄化合物の含有量が8mg以下であると、鉄配合飲料の風味をより改善することができる。なお、鉄配合飲料中の鉄量は、ICP発光分析法を用いて測定することができる。
本実施形態の鉄配合飲料に配合される酸味料は、鉄味を改善するために配合される。酸味料の種類としては、特に限定されず、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、酒石酸、フィチン酸、リン酸、コハク酸、酢酸、グルコン酸、乳酸、アジピン酸等が挙げられる。これらは、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で鉄味を軽減する効果に優れるとともに、鉄配合飲料の風味をより改善することができるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フィチン酸、リン酸、コハク酸が好ましく、クエン酸がより好ましい。これらのクエン酸等の酸味料としては、生合成品、化学合成品、天然物からの搾出液、水・親水性有機溶媒等を用いて抽出した抽出品のいずれを使用してもよい。
酸味料は、鉄配合飲料の鉄味軽減の観点から鉄化合物と所定の比率で配合される。具体的には、鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する酸味料の含有量(g/L)の比率が0.6~2.7、好ましくは0.8~2.5、より好ましくは1~2.2である。かかる比率を0.6以上とすることにより、鉄味の軽減効果を向上できる。一方、かかる比率を2.7以下とすることにより、酸味を低減させ、鉄味の軽減効果と酸味軽減効果のバランスを図ることができる。
鉄配合飲料は、鉄味の軽減効果を向上させるためにpHを所定の範囲に規定する。鉄配合飲料のpHは、1.9~6、好ましくは2~6、より好ましくは2.2~5、さらに好ましくは2.4~4である。pHが1.9以上の場合、酸味を低減させ、鉄配合飲料の風味を向上させる。pHが6以下の場合、鉄味を軽減させ、鉄配合飲料の風味を向上させる。
本実施形態の鉄配合飲料は、例えば公知の各種飲料類(果汁又は野菜汁入り飲料、清涼飲料、ミネラル飲料、スポーツドリンク、紅茶、炭酸飲料、アルコール飲料、ノンアルコール飲料等)等の他、ゼリー状食品(ゼリー、寒天、ゼリー状飲料等)等も含むものとする。飲料には、ペクチンやカラギーナンなどのゲル化剤、グルコース、ショ糖、果糖、乳糖、ステビア、アスパルテーム、糖アルコール等の糖類・甘味料、香料等の公知の食品添加剤、植物性油脂及び動物性油脂等の油脂等を適宜含有させてもよい。なお、鉄配合飲料を容器に充填する場合、容器形状・材質等は、特に限定されないが、PETボトル等の透明樹脂容器、透明ガラス容器等の透過性が高い容器が好ましい。
本実施形態の鉄配合飲料によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の鉄配合飲料では、酸味料を含有し、鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6~2.7とし、pHを1.9~6とした。したがって、鉄配合飲料の鉄味を軽減し、風味を向上することができる。また、酸味を軽減させ、鉄味の軽減効果と酸味軽減効果のバランスを図ることができる。
(2)従来、鉄配合飲料において鉄味をあまり呈さない三価鉄が鉄化合物として使用されてきたが、飲料に酸化防止剤等の還元剤を加えると、三価鉄は速やかに二価鉄に還元され、鉄味が生ずる。本実施形態の鉄配合飲料は、鉄味の低減効果を図りながら、三価鉄と酸化防止剤とを併用することが可能となった。
また、鉄化合物として三価鉄化合物及び酸化防止剤を含有する場合、二価鉄化合物を安価に配合することができる。また、ビタミンC,E等の抗酸化成分を併せて摂取することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の鉄配合飲料の製造方法を具体化した第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態について、下記の記載以外は、第1実施形態の鉄配合飲料と同様の構成が適用される。
本実施形態の鉄化合物を配合する鉄配合飲料の製造方法は、酸味料を配合するとともに、鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6~2.7に調整し、pHを1.9~6に調整する工程を含むことを特徴とする。鉄化合物、酸味料、その他の添加剤の配合順、及び調整工程の順序は問わない。また、濃縮液を希釈する工程を含んでもよく、水に各成分を溶解した水溶液を混合する工程を含んでもよい。
本実施形態の鉄配合飲料の製造方法によれば、第1実施形態の効果に加えて以下のような効果を得ることができる。
(3)本実施形態の鉄配合飲料の製造方法では、鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6~2.7に調整し、pHを1.9~6に調整する工程が含まれる。したがって、鉄配合飲料の鉄味を軽減し、風味が向上した鉄配合飲料を容易に製造することができる。
(第3実施形態)
以下、本発明の鉄配合飲料の鉄味軽減方法を具体化した第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態について、下記の記載以外は、第1実施形態の鉄配合飲料と同様の構成が適用される。
本実施形態の鉄化合物を含有する鉄配合飲料の鉄味軽減方法は、酸味料を配合するとともに、鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6~2.7に調整し、pHを1.9~6に調整することを特徴とする。
本実施形態の鉄配合飲料の鉄味軽減方法によれば、第1実施形態の効果に加えて以下のような効果を得ることができる。
(4)本実施形態の鉄配合飲料の鉄味軽減方法では、鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6~2.7に調整し、pHを1.9~6に調整される。したがって、かかる比率及びpHを調整する前の鉄配合飲料に比べて、鉄配合飲料の鉄味が軽減し、風味が向上している。また、容易な方法により鉄配合飲料の鉄味を軽減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の鉄配合飲料の用途は、特に限定されず、粉末果実が含有された飲料、その他の飲食品、医薬品等の分野において使用することができる。また、飲食品の用途としては、特に限定されず、いわゆる一般食品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、特定保健用食品、機能性表示食品等として適用することができる。
・上記実施形態の鉄配合飲料は、鉄の摂取量が不足することにより生ずる鉄欠乏性貧血の有病者に適用してもよく、鉄欠乏性貧血の予防のために健常者に適用してもよい。
・上記実施形態の鉄配合飲料は、他のミネラル分、例えばカルシウム等を配合することを妨げるものではない。しかしながら、飲料の安定性向上の観点から、カルシウムの配合量は少量、例えば1質量%以下であることが好ましく、添加しないことがより好ましい。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験例1:鉄量と酸味料の比率>
鉄化合物として三価鉄を含むサンアクティブ(太陽化学社製)を使用した。酸化防止剤としてビタミンCをさらに添加し、鉄味が発生した水溶液を調整した。表1に記載される所定量の各種酸味料を調整された水溶液に添加し、鉄と酸味料が溶解した各例の鉄配合飲料を純水にて調製した。表1において、飲料中の「酸味料/鉄」は、鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する酸味料の含有量(g/L)の比率を示す(以降の表中の記載も同様)。飲料のpHは、25℃におけるpHを示す(以降の表中の記載も同様)。
得られた各鉄配合飲料について、識別能力のある8名のパネラーが下記の基準に基づき鉄味、酸味、鉄味と酸味とのバランスについて評価した。
(鉄味)
鉄味が非常に強い場合を1点、鉄味がやや強く感じる場合を2点、鉄味を感じるが強くない場合を3点、鉄味を少し感じる場合を4点、鉄味を感じない場合を5点とした。8名のパネラーの平均値を算出し、結果を表1に示す。
(酸味)
酸味が非常に強い場合を1点、酸味がやや強く感じる場合を2点、酸味を感じるが強くない場合を3点、酸味が弱い場合を4点、酸味が非常に弱い場合を5点とした。8名のパネラーの平均値を算出し、結果を表1に示す。
(バランス)
鉄味と酸味とのバランスは、鉄味と酸味のバランスがとれ、風味が良いか否かを評価基準とした。悪い場合を1点、やや悪い場合を2点、普通の場合を3点、やや良い場合を4点、良い場合を5点とした。8名のパネラーの平均値を算出し、結果を表1に示す。
Figure 0007244226000001
表1に示されるように、各実施例は、各比較例に対して鉄味の軽減効果が得られていることが確認された。また、各実施例は、各比較例に対して鉄味と酸味のバランスも向上していることが確認された。
<試験例2:酸味料の種類>
鉄化合物として三価鉄を含むサンアクティブ(太陽化学社製)を使用した。酸化防止剤としてビタミンCをさらに添加し、鉄味が発生した水溶液を調整した。表2に記載される所定量の各種酸味料を調整された水溶液に添加し、鉄と酸味料が溶解した各例の鉄配合飲料を調製した。
得られた各鉄配合飲料について、鉄味軽減効果について、比較例3の鉄配合飲料を基準として、鉄味が軽減している場合を○、鉄味がやや軽減している場合を△、変わらない場合を×として識別能力のある3名で協議の上評価した。評価した結果を表2に示す。
Figure 0007244226000002
表2に示されるように、酸味料を所定の濃度で使用する各実施例は、比較例3に対して鉄味の軽減効果が得られていることが確認された。
<試験例3:鉄化合物の量、飲料のpH>
鉄化合物として三価鉄を含むサンアクティブ(太陽化学社製)を使用した。酸化防止剤としてビタミンCをさらに添加し、鉄味が発生した水溶液を調整した。表3~5に記載される所定量の各種酸味料を調整された水溶液に添加し、鉄と酸味料が溶解した各例の鉄配合飲料を調製した。
得られた各鉄配合飲料について、識別能力のある9名のパネラーが鉄味軽減効果について評価した。
実施例12,13は、比較例6の鉄配合飲料を基準として、鉄味が軽減していると答えたパネラーの人数から効果認識率を求めた。結果を表3に示す。
実施例14,15は、比較例7の鉄配合飲料を基準として、鉄味が軽減していると答えたパネラーの人数から効果認識率を求めた。結果を表4に示す。
実施例16~18は、比較例3の鉄配合飲料を基準として、鉄味が軽減していると答えたパネラーの人数から効果認識率を求めた。結果を表5に示す。
Figure 0007244226000003
Figure 0007244226000004
Figure 0007244226000005
表3に示されるように鉄量の最終濃度が2mg/100mLにおいて酸味料の濃度依存的に鉄味の軽減効果が得られることが確認された。
表4に示されるように鉄量の最終濃度が8mg/100mLにおいて酸味料の濃度依存的に鉄味の軽減効果が得られることが確認された。
表5に示されるように飲料のpHが所定の範囲において鉄味の軽減効果が得られることが確認された。

Claims (5)

  1. 二価鉄、ピロリン酸第二鉄、リン酸第二鉄、水酸化第二鉄、及び酸化第二鉄から選ばれる少なくとも一種の鉄化合物を鉄量の濃度として2~8mg/100mL含有する鉄配合飲料において、
    酸味料を含有し、前記鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する前記酸味料の含有量(g/L)の比率が0.6以上12/4.84以下であり、
    pHが1.9~6であることを特徴とする鉄配合飲料(トレハロースを含有する鉄組成物、シクロフラクタンを含有する鉄化合物含有飲食品、鉄化合物及びイソマルトオリゴ糖を含有し、pHが2.5~4.0である鉄化合物含有飲食品、又は鉄分含量1.2%のピロリン酸第二鉄製剤0.292g/50mL及びクエン酸0.4g/50mL含有するpH3.3の液体飲料を除く)。
  2. 前記酸味料は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フィチン酸、リン酸、及びコハク酸から選ばれる少なくとも一種である請求項に記載の鉄配合飲料。
  3. 二価鉄、ピロリン酸第二鉄、リン酸第二鉄、水酸化第二鉄、及び酸化第二鉄から選ばれる少なくとも一種の鉄化合物を鉄量の濃度として2~8mg/100mL配合する鉄配合飲料の製造方法において、
    酸味料を配合するとともに、前記鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する前記酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6以上12/4.84以下に調整し、pHを1.9~6に調整することを特徴とする鉄配合飲料(トレハロースを含有する鉄組成物、シクロフラクタンを含有する鉄化合物含有飲食品、鉄化合物及びイソマルトオリゴ糖を含有し、pHが2.5~4.0である鉄化合物含有飲食品、又は鉄分含量1.2%のピロリン酸第二鉄製剤0.292g/50mL及びクエン酸0.4g/50mL含有するpH3.3の液体飲料を除く)の製造方法。
  4. 前記鉄化合物としてピロリン酸第二鉄、リン酸第二鉄、水酸化第二鉄、及び酸化第二鉄から選ばれる少なくとも一種の三価鉄化合物、並びに酸化防止剤が添加される請求項に記載の鉄配合飲料の製造方法。
  5. 鉄化合物を鉄量の濃度として2~8mg/100mL含有する鉄配合飲料の鉄味軽減方法において、
    酸味料を配合するとともに、前記鉄化合物の鉄量としての濃度(mg/100mL)に対する前記酸味料の含有量(g/L)の比率を0.6~2.7に調整し、pHを1.9~6に調整することを特徴とする鉄配合飲料(クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸、及びクエン酸ナトリウムを含み、pHを3.5に調整された内服液剤、トレハロースを含有する鉄組成物、シクロフラクタンを含有する鉄化合物含有飲食品、鉄化合物及びイソマルトオリゴ糖を含有し、pHが2.5~4.0である鉄化合物含有飲食品、又は鉄分含量1.2%のピロリン酸第二鉄製剤0.292g/50mL及びクエン酸0.4g/50mL含有するpH3.3の液体飲料を除く)の鉄味軽減方法。
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