JP7244121B2 - 好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患の治療方法 - Google Patents
好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患の治療方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7244121B2 JP7244121B2 JP2021073364A JP2021073364A JP7244121B2 JP 7244121 B2 JP7244121 B2 JP 7244121B2 JP 2021073364 A JP2021073364 A JP 2021073364A JP 2021073364 A JP2021073364 A JP 2021073364A JP 7244121 B2 JP7244121 B2 JP 7244121B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bretinib
- neutrophils
- dmso
- fmlf
- neutrophil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
用語「塩」とは、適切な医学的良識の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずに人間や下等動物の組織と接触して使用するのに適し、妥当な利益/リスク比に見合った薬学的に許容される塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機及び有機の酸及び塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸)若しくは有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、又はマロン酸)で形成されたアミノ基の塩、又は当技術分野で知られている他の方法(例えば、イオン交換)により形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸、吉草酸塩等が含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN+(C1-4アルキル)4 -塩が含まれる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩が含まれる。さらに、薬学的に許容される塩には、適切な場合、非毒性アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、対イオンを用いたアミンカチオン、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩が含まれる。
本開示は、アマナランから抽出された天然3,3'-ジヒドロキシ-2',6'-ビス(p-ヒドロキシベンジル)-5-メトキシビベンジル(又はブレチニブ)が活性化されたヒト好中球の異常調節に対して治療効果を有するという予想外の発見に基づいてなされたものである。従って、ブレチニブは、好中球の活性化及び動員の異常調節に関する疾患又は障害(例えば、急性肺損傷(ALI)等)の治療に適した医薬品を開発するための候補化合物として使用され得る。
材料及び方法
ブレチニブの調製
前述のプロセス(Lin et al.,J.Nat.Prod.2016 79,1911-1921)に従ってブレチニブを抽出して精製した。簡単に言えば、ブレチニブをB.フォルモサナ(B.formosana)の根茎から60℃のエタノールで抽出し、カラムクロマトグラフィーで精製した。さらなる実験のために、ブレチニブ(純度>98%)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。細胞実験で使用されたDMSOの対照濃度は、測定パラメーターに影響を与えない0.1%であった。
動物の管理と実験のプロトコルは、台湾の長庚大学の施設内の動物の管理と使用委員会によって承認された。さらに、動物実験は、ARRIVE(動物研究:invivo実験の報告)ガイドラインに従って報告された。すべての実験手順は、実験動物の管理と使用に関するガイドに準拠した(National Research Council Committee for the Update of the Guide for the Care and Use of Laboratory,2011)。特定の病原体を含まない(SPF)8週齢の雄BALB / cマウス(体重:20±1g)は、BioLASCO(台湾)から購入した。5匹のマウスは標準的な寝具を備えた換気ケージを共有し、水と標準的な実験用飼料を自由に摂取させた。すべてのマウスは、12時間:12時間の明暗サイクルの条件でSPF動物施設に飼育された。実験で使用する前に、マウスを少なくとも1週間順応させた。
合計24匹の雄BALB/cマウスを媒体単独群、ブレチニブ単独群、LPS対照群、及びブレチニブ処理(ブレチニブ+LPS)群の4群(6匹/群)にランダムに分けた。マウスを一晩絶食させた後、50μLのブレチニブ(25mg/kg)又は50μLの媒体(10%DMSO)を腹腔内注射した。キシラジン(6mg/kg)及びゾレチル50(30mg/kg)による全身麻酔下で、50μLのLPS(大腸菌O111:B4由来;2mg/kg)又は50μLの0.9%生理食塩水(媒体単独群及びブレチニブ単独群)の気管内噴霧によりALIを誘導した。5時間後、マウスを安楽死させ、肺を摘出し、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性アッセイのために凍結し、また組織学的切片及び免疫蛍光染色のために10%ホルマリンで固定した。
摘出された肺組織をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、10%ホルマリンで24h固定した。次いで、サンプルを脱水し、パラフィンで包埋し、ミクロトームで厚さ3μmの切片にスライスし、スライドガラス上に置いた。これらの切片をヘマトキシリン、エオシン(H&E)及び対応する抗体を使用して染色した。その後、光学顕微鏡により画像を得た。
マウスの肺組織を0.5%のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド緩衝液(pH6.0)に懸濁させた後、超音波処理により均質化した。MPO活性を評価するために、MPO基質緩衝液(PBS、0.0005%過酸化水素、及び0.2mg/mLのO-ジアニシジン塩酸塩を含む)を均質化された組織に加え、次いで分光測色法により460nmで吸光度を測定し、その後、ヒトMPO活性の標準曲線を参照してMPO活性を計算した。
この研究は、ヘルシンキ宣言に従って、長庄記念病院の施設内審査委員会(IRB No. 201601111A3)の承認を得て実施された。書面によるインフォームドコンセントが得られた後、過去2週間以内に薬を服用しなかった20~30歳の健常者から全血サンプルを採取した。次に、Ficoll-Hypaque勾配遠心分離、デキストラン沈降、及び赤血球の低張溶解の標準的な手順に従って好中球を分離した。次に、分離した好中球をCa2+を含まないHBSS(pH7.4)に懸濁させ、使用するまで4℃で保存した。
フェリシトクロムcの還元により活性化された好中球における細胞外スーパーオキシドアニオンの産生を評価した。分離したヒト好中球(6×105個の細胞/mL)をCa2+(1mM)及びフェリシトクロムc(0.5mg/mL)と共に37℃でインキュベートした後、さらに0.1%DMSO又は0.3-10μMのブレチニブと共に5minインキュベートした。これらの細胞をサイトカラシンB(CB、1又は2μg/mL)で3min前処理し、fMLF、MMK-1若しくはフッ化ナトリウム(NaF)で刺激し、又はホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)で直接活性化した。分光光度計(U-3010、日立、東京、日本)により550nmでの吸光度の変化を継続的に測定し、前述の方法によりスーパーオキシドアニオンのレベル(Hwang et al.,2003Mol.Pharmacol.64(6),1419-1427)を計算した。
2μMジヒドロローダミン123(DHR123)を用いてヒト好中球(2.5×106個の細胞/mL)を37℃で10min標識した後、DMSO又はブレチニブと共に5minインキュベートし、さらに0.1μMのfMLF/0.5μg/mLのCBで15min刺激した。フローサイトメトリーにより蛍光強度を検出してヒト好中球の細胞内スーパーオキシドアニオンの産生を評価した。
ヒト好中球(2×106個の細胞/mL)を6UmL-1の西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)及び37.5μMのルミノールと共に96ウェルプレートにおいて37℃で5minプレインキュベートした。細胞をDMSO又はブレチニブと共に5minインキュベートし、さらに0.1μMのfMLFで刺激した。次に、96ウェル化学発光計(Tecan Infinite F200 Pro;メンネドルフ、スイス)により化学発光をリアルタイムに検出及び分析した。
ヒト好中球(6×105個の細胞/mL)を1mMのCaCl2及び100μMのNE基質(メトキシスクシニル-Ala-Ala-Pro-Val-p-ニトロアニリド)で処理した後、DMSO又はブレチニブと共に37℃で5minインキュベートした。細胞をfMLF/0.5μg mL-1のCB、ロイコトリエンB4(LTB4)/2μg mL-1のCB、NaF/2μg mL-1のCB又はMMK-1/0.5μg mL-1のCBで10min刺激した後、分光光度計で405nmでの吸光度の変化を測定することによりNE放出を分析した。
細胞外DNAの定量化
2.5μMのSYTOX Greenを含むHBSSに再懸濁したヒト好中球(106個の細胞/mL)をDMSO又はブレチニブと共に10minインキュベートし、10nMのPMA又は10μg/mLのLPSで3h刺激した。Tecan Infinite 200リーダーで485~535nmで蛍光強度を定量化した。
好中球(3×105個の/mL)をDMSO又はブレチニブと共に10minインキュベートした後、10nMのPMAで2h活性化した。好中球を4%パラホルムアルデヒドで固定し、5%ヤギ血清ブロッキングバッファーで1h処理した後、5μg/mL抗MPO(Abcam)及び5μg/mL抗NE(Merck Millipore)抗体で1h処理した。次に、これらの細胞をAlexa488又は568標識二次ヤギ抗ウサギ抗体でさらに1h処理した。その後、細胞をPBSで洗浄し、1ng/mLのHoechst33342及びProLong Gold褪色防止(Invitrogen,CA,USA)で処理した。免疫蛍光顕微鏡法と走査型電子顕微鏡法の両方により活性化された好中球のNET形成を観察した。
ヒト好中球(106個の細胞/mL)をHoechst33342で標識した後、DMSO又はブレチニブと共に5minインキュベートした。遠心分離した後、細胞を再懸濁させ、0.1μMのfMLF/1μg/mLのCBで10min活性化した後、bEnd.3細胞と共に37℃で30minインキュベートした。HBSSで洗浄した後、細胞を4%のパラホルムアルデヒドで固定し、電動倒立顕微鏡(オリンパス、日本)によりbEnd.3細胞に接着した好中球を検出、定量化した。
3μmフィルターを備えたマイクロケモタキシスチャンバー(Millipore)を使用して好中球の走化性遊走を評価した。ブレチニブ又はDMSOで5min処理した好中球(5×106個の細胞/mL)を上部チャンバーに入れ、0.1μMのfMLFを底部チャンバーに入れた。5%CO2の条件で1hインキュベートした後の上部チャンバーから底部チャンバーへ遊走した好中球の数をMoxiZ自動セルカウンター(ORFLO)により計数した。
好中球(5×105個の細胞/mL)をブレチニブ又はDMSOと共に5minインキュベートした後、0.1μMのfMLF/1μg/mLのCBと共に5minインキュベートすることにより活性化した。4℃、200xgで8min遠心分離した後、細胞を、CD18又はCD11bに対するFITC結合抗体を含む5%ウシ血清アルブミンに再懸濁し、氷上、暗所で15min処理した。蛍光活性化細胞選別により蛍光強度を分析した。
好中球をブレチニブ又はDMSOと共に37℃で5minインキュベートした後、0.1μMのfMLFで30s刺激した。電気泳動(12%ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)により好中球溶解物からタンパク質を分離した後、ニトロセルロースメンブレンに移した。標的タンパク質を、p38、p-p38、Akt、p-Akt S473、ERK、p-ERK、JNK、p-JNK、Src、p-SFK Y416、p-Src Y416、Lyn、p-Lyn(Y396)、Fgr、p-Fgr(Y412)、Hck、p-Hck(Y410)、Btk、p-Btk Y223、Vav、p-Vav(Y174)に対する特定の抗体、及びHRP標識二次抗ウサギ抗体(Cell Signaling Technology)を用いてイムノブロッティングにより同定した。UVP BioSpectrumイメージングシステム(Analytik Jena,USA)により信号強度を検出、定量化した。
ADP-Gloキナーゼアッセイキット(Promega,Fitchburg,USA)を用いて製造業者の説明書に従ってSFKのキナーゼ活性を評価した。簡単に言えば、SFK(Src、Lyn、Fgr、及びHck)、それらの基質である125μMのATP、及び1-10μMのブレチニブ又は0.1-3μMのPP2を反応バッファーに加えて1h処理することによりキナーゼ反応を開始させた。ADP-Glo試薬を用いてキナーゼ反応を停止させ、残りのATPを除去した。次に、ADPをATPに変換するキナーゼ、検出試薬を加えて30minインキュベートした。Infinite 200 Pro(Tecan,Switzerland)によりルシフェリン/ルシフェラーゼのルミネセンスを測定した。
全てのデータは箱ひげ図(中央値、最小値-最大値)で表される。一元配置分散分析及びダネットの多重比較検定はすべての実験に採用された。マウスの生存率はログ・ランク(Mantel-Cox)検定により分析された。すべての統計計算はGraphPadPrismソフトウェア(GraphPad Software,San Diego,CA,USA)を使用して実行された。p値<0.05の差は、統計的に有意であると見なされた。
1.1ブレチニブが刺激された好中球におけるスーパーオキシドアニオンの産生及びROSの産生を改善した。
この実施例において、炎症反応に対するブレチニブの調節効果を様々な化学誘引物質(ホルミル-L-メチオニル-L-ロイシル-L-フェニルアラニン(fMLF)、NaF(Gタンパク質活性化因子)、MMK-1(選択的ホルミルペプチド受容体2(FPR2)アゴニスト)及びホルボール12-ミリスタート13-アセタート(PMA)を含む)で刺激されたヒト好中球におけるスーパーオキシドの産生を監視することにより調査した。結果を図1に示す。
この実施例において、活性化された好中球における好中球エラスターゼ(NE)の放出を測定することにより脱顆粒に対するブレチニブの効果を調査した。なお、脱顆粒は、炎症中の好中球の重要な機能である。
NETは、主に粒状タンパク質、プロテアーゼ、及びヒストンでコーティングされた染色質フィラメントで構成され、炎症性疾患や自己免疫疾患に不可欠である。NET形成に対するブレチニブの効果を調査するために、好中球をPMA(10nM)及びLPS(10μg/mL)で活性化した後、Sytox greeで染色した。
SFK及びMAPK/ERK経路は、脱顆粒、呼吸バースト、NET形成、及び好中球の遊走に重要な役割を果たすことが知られている。従って、活性化された好中球におけるSFK、Akt、ERK、JNK、及びp38のリン酸化に対するブレチニブの効果を調査した。
SFKは、好中球に存在する非受容体型チロシンキナーゼであり、Src、Fgr、Hck、及びLynが優勢に発現する。SFKはインビボでの炎症環境の生成に関与する。無細胞ADP-Gloキナーゼアッセイにより、ブレチニブとSFKの選択的阻害剤であるPP2の両方は、Src、Fgr、Hck及びLynのキナーゼ活性を濃度依存的に抑制することが確認された(図6Gから6J)。
接着と遊走は両方とも、炎症中の好中球動員カスケードにおける重要なステップである。この実施例において、ブレチニブが接着と遊走プロセスを干渉するか否かを調査するために、まず、ヒト好中球(106個の細胞/mL)をHoechst33342で標識し、次にブレチニブ(1-10μM)で前処理し、その後、fMLFで刺激し、さらにbEnd.3細胞と共に37℃で30minインキュベートした。蛍光顕微鏡によりbEnd.3細胞に接着した好中球を検出して計数した。定量化結果は、ブレチニブがfMLF活性化好中球の接着機能を抑制したことを示した(図7(A))。さらに、ケモタキシスチャンバー及びセルカウンターを用いて遊走する好中球の数を計数した結果、ブレチニブが好中球のfMLF誘導トランスウェル遊走を顕著に減少させたことを発見した(図7(B))。さらに、IL-8は、好中球を誘引するための走化性因子として機能した。IL-8誘導好中球遊走もブレチニブにより抑制された(データは示していない)。
Mac-1は、CD11b(インテグリンαM)及びCD18(インテグリンβ2)からなる補体受容体であり、炎症中の白血球の動員を促進する。従って、フローサイトメトリーにより好中球上のCD11b及びCD18の表面発現を確定した。その結果は、ブレチニブがfMLF刺激ヒト好中球におけるCD11bとCD18の両方の発現を減少させたことを示した(図8)。さらに、IL-8誘導CD11b発現は、ヒト好中球においてブレチニブによって抑制された(データは示していない)。
この実施例において、インビボでのブレチニブの抗炎症効果を調査した。この目的のために、BALB/cマウスを腹腔内注射により投与されたブレチニブ(25mg/kg)又はDMSOで処理し、次に、LPSを気管内噴霧して5h処理した。肺の外観写真とHE染色された組織病理学的特徴は、LPSが出血性及び紅斑性の状態、肺胞中隔の肥厚、及び肺間質性浮腫の形成を誘発したことを明らかにした(図9)。さらに、LPS投与後に、MPO及びLy6G陽性細胞(好中球の特異的マーカー)の浸潤、プロテアーゼの放出(NE)、サイトカインの産生(IL-1β)、酸化ストレス誘導脂質過酸化(4-HNE)及び血管透過性(オクルディン)を観察した。肺構造の歪みは、ブレチニブ処理群では顕著に抑制された。さらに、Vav(p-Vav)のLPS活性化リン酸化もブレチニブにより軽減された(図9)。
Claims (5)
- 好中球におけるNETの形成を減少し、急性肺損傷(ALI)の治療に適した医薬品の製造における0.1%DMSOと1-10μMのブレチニブの使用。
- 前記ブレチニブは0.1mgから60gの量で前記医薬品に存在する、請求項1に記載の使用。
- 前記ALIは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である、請求項1に記載の使用。
- 前記ARDSは、輸血関連肺障害、人工呼吸器誘発性肺損傷、細菌誘発性肺損傷、又は ウイルス誘発性肺損傷である、請求項3に記載の使用。
- 被験体はヒトである、請求項1に記載の使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021073364A JP7244121B2 (ja) | 2021-04-23 | 2021-04-23 | 好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患の治療方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021073364A JP7244121B2 (ja) | 2021-04-23 | 2021-04-23 | 好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患の治療方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022167521A JP2022167521A (ja) | 2022-11-04 |
JP7244121B2 true JP7244121B2 (ja) | 2023-03-22 |
Family
ID=83852275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021073364A Active JP7244121B2 (ja) | 2021-04-23 | 2021-04-23 | 好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患の治療方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7244121B2 (ja) |
-
2021
- 2021-04-23 JP JP2021073364A patent/JP7244121B2/ja active Active
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
Free Radical Biology and Medicine,Vol.106,2017年,pp.254-269 |
J.Natural Products,2016年,Vol.79,pp.1911-1921 |
RSC Advances,2016年,Vol.6,pp.89338-89346 |
呼吸,2002年,Vol.21,No.12,pp.1136-1140 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022167521A (ja) | 2022-11-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Buechner | Rosacea: an update | |
Liu et al. | EGF receptor inhibition alleviates hyperuricemic nephropathy | |
Quinteiro et al. | 15-deoxy-Δ12, 14-prostaglandin J2 reduces albumin-induced arthritis in temporomandibular joint of rats | |
JP2022058443A (ja) | 全身性エリテマトーデスの治療のための3-(4-((4-(モルホリノメチル-ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン | |
Rogov et al. | Mitochondrial dysfunctions may be one of the major causative factors underlying detrimental effects of benzalkonium chloride | |
US20230068698A1 (en) | Combination therapy for cancer | |
JP2023522000A (ja) | 肺、肝臓、および腎臓の疾患、障害、または状態を処置するためのキノリン化合物 | |
US20100104644A1 (en) | Compositions and Methods for Treating or Preventing Ophthalmic Disease | |
TW201605443A (zh) | 治療x染色體脆折症及相關病症的方法 | |
Daeian et al. | Selenium supplementation in patients undergoing hematopoietic stem cell transplantation: effects on pro-inflammatory cytokines levels | |
Gadzhigoroeva et al. | COVID-19 can exacerbate pattern hair loss and trigger telogen effluvium-the role of proteoglycan replacement therapy with nourkrin® in clinical treatment of covid-19 associated hair loss | |
Alshora et al. | The role of sodium lauryl sulfate on formulation of directly compressed tablets containing simvastatin and aspirin: Effect on drugs dissolution and gastric mucosa | |
JP7244121B2 (ja) | 好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患の治療方法 | |
WO2010031859A1 (en) | Use of a compound capable of reducing the uric acid level for the prevention and/or the treatment of lung inflammation and fibrosis | |
US20240269220A1 (en) | Uses of bletilla formosana extract for the treatment of diseases associated with dysregulated activation of neutrophils | |
US20220339122A1 (en) | Methods for the treatment of diseases associated with dysregulated activation and recruitment of neutrophils | |
US20240197817A1 (en) | Compositions for treating autoimmune, alloimmune, inflammatory, and mitochondrial conditions, and uses thereof | |
EP4306172A1 (en) | Use of tricyclic heteroaryl-containing compound | |
TWI656879B (zh) | 用於治療或減緩自體免疫疾病及/或其併發症及/或腎炎的醫藥組成物以及其有效成分之用途 | |
TWI775408B (zh) | 用以治療與嗜中性白血球激活失調及趨化相關之疾病的方法 | |
US11351172B2 (en) | Pharmaceutical composition and use for applying ribociclib in phosphodiesterase 4-mediated disease treatment of patient and inhibition of phosphodiesterase 4 activity | |
US12023329B2 (en) | Methods for the treatment of diseases associated with activation of inflammasomes | |
CN114099509B (zh) | 一种酪氨酸激酶抑制剂在制造用以治疗因炎性体激活所致相关疾病的药物中的用途 | |
WO2023202439A1 (zh) | 二萜化合物衍生物或其盐在制备防治特应性皮炎的药物中的应用 | |
Marcelino et al. | Biomarkers of lung alveolarization and microvascular maturation in response to intermittent hypoxia and/or early antioxidant/fish oil supplementation in neonatal rats |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210618 |
|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20210521 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220705 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20221005 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20221031 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20221031 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230207 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230302 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7244121 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |