JP2022167521A - 好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患の治療方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患及び/又は障害(例えば、急性肺損傷(ALI))の治療に適した医薬品を提供する。【解決手段】3,3'-ジヒドロキシ-2',6'-ビス(p-ヒドロキシベンジル)-5-メトキシビベンジル(又はブレチニブ)、その塩、溶媒和物又はエステルの使用を提供する。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日:2020年4月27日掲載アドレス: https://www.authorea.com/inst/20683 https://www.authorea.com/users/315805/articles/446056-bletinib-ameliorates-neutrophilic-inflammation-and-lung-injury-by-inhibiting-src-family-kinase-phosphorylation-and-activity?commit=48932eeffab4033eba2d323bcc5f3be6a4d0165d https://d197for5662m48.cloudfront.net/documents/publicationstatus/34512/preprint_pdf/575980944bd8c0ec0180efde40015973.pdf
本開示は、好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患及び/又は障害(例えば、急性肺損傷(ALI)の治療における天然ビベンジルの新しい使用、特に3,3'-ジヒドロキシ-2',6'-ビス(p-ヒドロキシベンジル)-5-メトキシビベンジル(又はブレチニブ(bletinib))の使用に関する。
好中球は、循環中の最も豊富な顆粒球であり、脱顆粒によって病原体を排除する役割を果たし、好中球エラスターゼ(NE)の放出、スーパーオキシドの生成を伴う呼吸バースト、及び好中球細胞外トラップ(NET)の形成に関与する。従って、好中球は、適応免疫系と自然免疫系の両方の重要な因子である。炎症中、接着と遊走は好中球動員の重要なステップであり、好中球表面上のマクロファージ-1抗原(Mac-1;αMβ2及びCD11b-CD18としても知られている)のコンフォメーション変化により調節される。好中球の活性化及び動員の異常調節は、過剰量のタンパク質分解酵素、活性酸素種(ROS)及びNETの放出により宿主組織に損傷を与え、自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ及び乾癬)、感染症(例えば、敗血症)、炎症性疾患(例えば、ARDS、慢性閉塞性肺疾患及び喘息)、アテローム性動脈硬化症、及び他の主要な疾患(例えば、がん)を含む様々な疾患を引き起こす可能性がある。
伝統的な中国医学では、シラン(Bletilla)の塊茎は、肺、胃腸、皮膚の炎症性疾患及び出血性疾患の治療に数千年も使用されてきた。ブレチニブ(3,3'-ジヒドロキシ-2',6'-ビス(p-ヒドロキシベンジル)-5-メトキシビベンジル)は、最初にシランの球根から抽出された天然ビベンジルであり、抗菌、抗真菌、抗アレルギー、及び有糸分裂阻害作用があると報告されている。
本出願において、発明者らは、ブレチニブが活性化されたヒト好中球の炎症状態を調節でき、好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患及び/又は障害(例えば、ALI)を治療するための医薬品の開発のための候補化合物として役立つ可能性があることを予想外に発見した。
本開示は、アマナラン(Bletilla formosana)から抽出された天然ビベンジル、即ち、3,3'-ジヒドロキシ-2',6'-ビス(p-ヒドロキシベンジル)-5-メトキシビベンジル(又はブレチニブ)の新しい使用を提供する。ブレチニブは、活性化好中球の異常調節を抑制できることが発見されたため、好中球の活性化及び動員の異常調節に関する疾患及び/又は障害(例えば、ALI)を治療するための医薬品の開発のための候補化合物として使用可能である。
従って、本開示の第1態様は、急性肺損傷(ALI)の治療に適した医薬品の製造におけるブレチニブ、その塩、溶媒和物及びエステルの使用に関する。使用方法は、被験体に有効量のブレチニブ、その塩、溶媒和物及びエステルを投与することを含む。
本開示の実施形態によれば、ALIは、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)であってもよい.
本発明の方法によって治療可能な典型的なARDSには、輸血関連肺障害、人工呼吸器誘発性肺損傷、細菌誘発性肺損傷、ウイルス誘発性肺損傷等が含まれるが、これらに限定されない。
本開示の実施形態によれば、ブレチニブは、0.1mg~60gの量で上記医薬品中に存在する。好ましくは、ブレチニブは、2mg~5gの量で上記医薬品中に存在する。
本開示の実施形態によれば、本発明の方法による治療に適した被験体は、哺乳動物、好ましくは、ヒトである。
以下、本開示のいくつかの実施形態を詳しく説明する。本発明の他の特徴及び利点は、詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも例示的なものであり、特許請求される本発明のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
本特許又は出願ファイルには、カラーで実行された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を備えるこの特許又は特許出願公開の写しは、要請に応じて必要な料金を支払った上で庁により提供される
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の様々な態様の様々な例示的なシステム、方法、及び他の例示的な実施形態を示す。本説明は、添付の図面に照らして以下の詳細な説明を読むとよりよく理解されるであろう。
ブレチニブが刺激されたヒト好中球におけるスーパーオキシドアニオンの産生を抑制したことを示す。好中球(6×10個の細胞/mL)を0.1%DMSO又は0.3-10μMのブレチニブと共に5minインキュベートした後、刺激により活性化した。(A)fMLF、(B)MMK-1、(C)NaF又は(D)PMAでスーパーオキシドアニオンの産生を誘導した後、フェリチトクロームc還元法により測定した。(E)LDH放出により細胞毒性を評価した。(F)キサンチン・キサンチンオキシダーゼ無細胞系によりブレチニブのスーパーオキシド消去能を評価した。分光測色法(450nm;陽性対照:20U/mLのスーパーオキシドジスムターゼ)によりWST-1還元を測定した。全てのデータは、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=6)で表される。DMSO+fMLF群と比較した結果、*p<0.05であった。 ブレチニブがfMLF刺激好中球におけるROSの産生を減少させたことを示す。(A)DHR123で標識されたヒト好中球を0.1%DMSO又は0.1-3μMのブレチニブで前処理し、0.1μMのfMLFで活性化し、さらにフローサイトメトリーにより監視した。好中球におけるDHR123の細胞内ROSレベル及び平均蛍光強度(MFI)は、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=5)で表される。(B)好中球を0.1μMのfMLFの存在又は非存在下で0.1-3μMのブレチニブ又は0.1%DMSOと共に5minインキュベートした。ELISAリーダーにより化学発光の変化をリアルタイムで監視した。化学発光のピークは、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=5;右側)で表される。DMSO+fMLF群と比較した結果、*p<0.05であった。 ブレチニブが活性化された好中球におけるNEの放出を減衰させたことを示す。好中球を0.1-10μMのブレチニブ又は0.1%DMSOで5min処理し、(A)fMLF、(B)MMK-1、(C)NaF又は(D)LTB、及びNE基質によりNEの放出を誘導し、その後、分光光度法により評価した。全てのデータは、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=6)で表される。DMSO+fMLF群と比較した結果、*p<0.05であった。 ブレチニブがPMA刺激好中球におけるNETの形成を減少させたことを示す。ヒト好中球を0.1%DMSO又は1-10μMのブレチニブで10min前処理した後、10nMのPMAの存在又は非存在下でインキュベートした。(A)核酸染色によりSytox greenを用いてNETの形成を定量化した。(B)好中球を抗NE抗体(赤)又はMPO(緑)で染色し、共焦点顕微鏡を用いて分析した。Hoechst 33342(青)によりDNAを検出した。(C)好中球の電子顕微鏡画像をスキャンした。代表画像を示す。データは、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=5)で表される。DMSO+fMLF群と比較した結果、*p<0.05であった。 図5Aから5Eは、ブレチニブがfMLF刺激好中球におけるERK及びSFKのリン酸化を抑制したことを示す。好中球を0.1%DMSO又は10μMのブレチニブと共にプレインキュベートした後、0.1μMのfMLFで刺激した。総(A)SFK、(B)Akt(S473)、(C)ERK、(D)JNK及び(E)p38並びにリン酸化されたこれらのものに関するイムノブロット;及び関連する定量化は、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=6)で表される。DMSO+fMLF群と比較した結果、*p<0.05であった。 図6Aから6Fは、ブレチニブがSFKのリン酸化を抑制したことを示す。SFK、即ち、(A)Src、(B)Lyn、(C)Fgr、(D)Hck及びその下流のタンパク質、(E)Btk、並びに(F)Vavのリン酸化は、イムノブロッティングにより独立して決定された。 図6Gから6Jは、ブレチニブが酵素活性を抑制したことを示す。ADP-Gloキナーゼアッセイキットを用いて(G)Src、(H)Lyn、(I)Fgr又は(J)Hck(1.5ng/mL)の酵素活性を評価した。これらの酵素をそれぞれDMSO、1-10μMのブレチニブ、又は0.1-3μMのPP2と共にインキュベートし、次いで125μMのATP(基質)を反応混合物に加え、60min後に酵素活性を決定した。データは、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=6)で表される。DMSO+fMLF群と比較した結果、*p<0.05であった。 ブレチニブがfMLF活性化ヒト好中球の接着と遊走を抑制したことを示す。Hoechst 33342標識好中球(10個の細胞/mL)を0.1%DMSO又は1-10μMのブレチニブで5min処理した後、刺激せず、又は0.1μMのfMLF/1μg/mLのCBでさらに5min刺激した。次いで、好中球をbEnd.3細胞と共に37℃で30minインキュベートした。蛍光顕微鏡によりbEnd.3細胞上に接着した好中球を検出、計数した。(A)接着した好中球の定量化を示す。(B)ケモタキシスチャンバーの頂部においてヒト好中球をDMSO又は1-10μMのブレチニブで5min処理し、その後、0.1μMのfMLFの存在又は非存在下でさらに60min処理した。セルカウンターにより遊走した好中球を測定した。データは、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=5)で表される。DMSO+fMLF群と比較した結果、*p<0.05であった。 ブレチニブがfMLF活性化好中球におけるCD11b(インテグリンα)及びCD18(インテグリンβ)の発現を減少させたことを示す。好中球を0.1%DMSO又は1-10μMのブレチニブと共に5minインキュベートした後、刺激せず、又は0.1μMのfMLF/1μg/mLのCBでさらに5min刺激した。(A)CD11b及び(B)CD18に対するFITC標識抗体の平均蛍光強度(MFI)をフローサイトメトリーにより検出した。データは、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=6)で表される。DMSO+fMLF群と比較した結果、*p<0.05であった。 ブレチニブがマウスのLPS誘導ALIを軽減したことを示す。BALB/cマウス(各群中、n=6)を媒体(10%DMSO)又は25mg/kgのブレチニブの腹腔内注射により処理した後、LPSを5h気管内噴霧した。(A)肺の外観の光学顕微鏡画像を示す。(B)H&E染色、Ly6G陽性、MPO陽性、NE陽性、IL-1β陽性、4-HNE陽性、オクルディン陽性及びp-Vav陽性の肺切片の光学顕微鏡画像を示す。 ブレチニブがマウスにおけるLPS誘導NETの形成を減少させたことを示す。BALB/cマウス(各群中、n=6)を媒体(10%DMSO)又は25mg/kgのブレチニブの腹腔内注射で処理した後、LPSを気管内噴霧して5h処理した。(A)MPO活性、(B)LPS噴霧の5h後、肺組織における総タンパク質濃度を測定した。(C)DAPI陽性、Ly6G陽性及びcitH3陽性の肺切片の免疫蛍光画像を示す。媒体+LPS群と比較した結果、*p<0.05、媒体単独群と比較した結果、#p<0.05であった。 ブレチニブがマウスのLPS誘導死亡を減少させたことを示す。腹腔内注射により媒体(10%DMSO)又は25mg/kgブレチニブでBALB/cマウス(各群においてn=6)を処理した後、LPSを腹腔内注射した。生存率を5日間監視した。データは、箱ひげ図及びその中央値(最小値-最大値;n=6)で表される。媒体+LPS群と比較した結果、*p<0.05、媒体単独群と比較した結果、#p<0.05であった。
添付の図面に関連して以下に提供される詳細な説明は、本開示の説明として意図されており、本開示が構築又は利用され得る唯一の形態を表すものではない。
1.定義
用語「塩」とは、適切な医学的良識の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずに人間や下等動物の組織と接触して使用するのに適し、妥当な利益/リスク比に見合った薬学的に許容される塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機及び有機の酸及び塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸)若しくは有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、又はマロン酸)で形成されたアミノ基の塩、又は当技術分野で知られている他の方法(例えば、イオン交換)により形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸、吉草酸塩等が含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN(C1-4アルキル) 塩が含まれる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩が含まれる。さらに、薬学的に許容される塩には、適切な場合、非毒性アンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、対イオンを用いたアミンカチオン、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩が含まれる。
用語「溶媒和物」とは、通常、加溶媒分解反応により溶媒と会合した化合物の形態を指す。この物理的会合には、水素結合が含まれる場合がある。従来の溶媒には、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが含まれる。本明細書に記載の化合物は、例えば結晶形態で調製することができ、溶媒和することができる。適切な溶媒和物には、薬学的に許容される溶媒和物が含まれ、さらに化学量論的溶媒和物及び非化学量論的溶媒和物の両方が含まれる。特定の場合には、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶に組み込まれている場合、分離することができる。「溶媒和物」には、溶液相及び分離可能な溶媒和物の両方が含まれる。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノレート、及びメタノレートが含まれる。
用語「投与した」、「投与している」又は「投与」は、本明細書では交換可能に使用され、送達方法を指し、本発明の薬剤(例えば、化合物又は組成物)の静脈内、筋肉内、腹腔内、動脈内、頭蓋内、又は皮下投与を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、本開示の化合物又はその塩、溶媒和物は、経口投与用の錠剤に製剤化される。他の実施形態において、本開示の化合物又はその塩、溶媒和物は、適切な担体(例えば、緩衝液)と混合するために、使用(例えば、静脈注射)前に粉末に製剤化される。
本明細書に記載の化合物の「有効量」(単独で又は他の薬剤と併用)は、所望の生物学的応答(例えば、本明細書に記載の炎症の活性化の抑制又は対象疾患若しくは疾患に関する症状の緩和)を引き起こすのに十分な量を指す。当業者に理解されるように、本明細書に記載の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、治療される病状、投与方法、並びに被験体の年齢及び健康状態等の要因によって変動し得る。いくつかの実施例において、有効量は、治療有効量であってもよく、疾患の治療において治療的利益を提供し、又は発症を遅らせるか、疾患に関する1つ若しくは複数の症状を最小限に抑えるのに十分な、単独の治療薬の量又は他の治療法と併用した治療薬の量を指す。治療有効量は、全体的な治療を改善し、症状、兆候や病因を軽減若しくは回避し、及び/又は他の治療薬の治療効果を向上させる量を指す。他の実施例において、有効量は、予防有効量であってもよい。化合物の予防有効量は、病状の予防において予防的利益を提供する、単独の治療薬又は他の薬剤併用した治療薬の量を指す。例えば、化合物の予防有効量は、疾患の発症、疾患に関する1つ又は複数の症状を防止又は遅延し、或いは再発を防止するのに十分な量であり得る。それは、全体的な予防を改善するか、又は別の予防薬の予防効果を増強する量であってもよい。
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメーターが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示された数値は可能な限り正確に報告される。しかし、いずれの数値も本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含む。また、本明細書で使用する「約」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%又は0.5%以内を意味する。或いは、用語「約」は、当業者によって考慮される場合、平均の許容可能な標準誤差内にあることを意味する。操作例/実施例以外で、又は特に明記しない限り、本明細書中に開示される材料の量、時間、温度、操作条件、量の比などについての、数値範囲、量、値及びパーセンテージの全てが、すべての場合において、用語「約」により修飾されているものと理解されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、本開示及び添付の請求項に記載される数値パラメーターは、所望に応じて変化することのできる近似値である。少なくとも、各数値パラメーターは、報告された有効数字の数に照らして、及び通常の丸め技法を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
文脈で別途明記示されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の言及を含む。
2.本発明の化合物の使用
本開示は、アマナランから抽出された天然3,3'-ジヒドロキシ-2',6'-ビス(p-ヒドロキシベンジル)-5-メトキシビベンジル(又はブレチニブ)が活性化されたヒト好中球の異常調節に対して治療効果を有するという予想外の発見に基づいてなされたものである。従って、ブレチニブは、好中球の活性化及び動員の異常調節に関する疾患又は障害(例えば、急性肺損傷(ALI)等)の治療に適した医薬品を開発するための候補化合物として使用され得る。
従って、本開示の態様において、急性肺損傷(ALI)の治療に適した医薬品の製造におけるブレチニブ、その塩、溶媒和物又はエステルの使用が提供される。
本発明の化合物は、市販されているか、又は当技術分野で公知の任意の方法(例えば、Linらによって開示された方法(J.Nat.Prod.2016,79,1911-1921))によって分離することができる。生物活性分析によって、本発明の化合物はスーパーオキシドアニオンの産生、活性酸素種(ROS)の産生、及び刺激されたヒト好中球における脱顆粒に対して強力な抑制剤であることが示されている。さらに、ブレチニブは、細胞毒性又はキサンチン/キサンチンオキシダーゼ無細胞系におけるスーパーオキシド消去活性を示さない。本開示の知見により、ブレチニブは好中球の活性化及び動員の異常調節に関連する疾患(例えば、ALI等)の治療に適した医薬品を開発するための候補化合物として作用可能であることが確認される。
本開示の化合物によって治療可能な例示的なALIには、輸血関連肺障害、人工呼吸器誘発性肺損傷、細菌誘発性肺損傷、ウイルス誘発性肺損傷等に起因する可能性がある急性呼吸窮迫症候群(ARDS)が含まれるが、これに限定されない。
本開示の実施形態によれば、本開示の化合物である3,3'-ジヒドロキシ-2',6'-ビス(p-ヒドロキシベンジル)-5-メトキシビベンジル(又はブレチニブ)は、0.01から100mg/Kg、例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99及び100mg/Kgの量で被験体に投与される。好ましくは、3,3'-ジヒドロキシ-2',6'-ビス(p-ヒドロキシベンジル)-5-メトキシビベンジル(又はブレチニブ)は、0.1から80mg/Kg、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80mg/Kgの量で被験体に投与される。好ましい実施形態において、ブレチニブは、2mg/Kgの量で被験体に投与される。有効量の化合物は、1日又は数日間ごとに1回又は複数回で(投与方法に応じて)投与することができる。
本発明の化合物は、適切な投与経路(例えば、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸、経鼻、経頬、経膣、又は移植されたリザーバ)のために担体又は賦形剤と共に製剤化されてもよい。用語「非経口」は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病巣内及び頭蓋内注射又は注入技術を含む。好ましくは、ブレチニブは、約0.1mgから約60g、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、390、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990mg、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、51、52、53、54、55、56、57、58、59及び60gの量で製剤に存在する。より好ましくは、ブレチニブは、約2mgから約5g、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、390、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990mg、1、2、3、4及び5gの量で製剤に存在する。
無菌注射製剤、例えば、無菌注射用水性又は油性懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤(例えば、TWEEN(登録商標)80)及び懸濁化剤を使用して、当技術分野で既知の技術に従って製剤化することができる)。無菌注射製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌注射用溶液又は懸濁液、例えば、1,3-ブタンジオール溶液であってもよい。許容される使用可能な媒体及び溶媒は、マンニトール、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌固定油は、通常、溶媒又は懸濁媒体(例えば、合成モノ又はジグリセリド)として使用される。脂肪酸、例えば、オレイン酸及びそのグリセリド誘導体は、注射剤(薬学的に許容される天然油、例えば、オリーブオイル又はひまし油、特にそれらのポリオキシエチル化物)の調製に有用である。これらの油性溶液又は懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤若しくは分散剤、カルボキシメチルセルロース、又は類似の分散剤を含むこともできる。その他の一般的な界面活性剤、例えば、薬学的に許容される固体、液体、又は他の剤形の製造に一般的に使用されるTween系、Span系、他の類似の乳化剤、又はバイオアベイラビリティーエンハンサーは、製剤化の目的で使用されてもよい。
経口投与に適した製剤は、経口的に許容される任意の剤形であり得る。剤形の例には、カプセル、錠剤、乳液、水性懸濁液、分散液及び溶液が含まれるが、これらに限定されない。経口用錠剤の場合、一般に使用される担体には、乳糖及びコーンスターチが含まれる。潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムも通常添加される。カプセル形態での経口投与の場合、有用な希釈剤には、ラクトース及び乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液又は乳濁液を経口投与する場合、本開示の化合物は、乳化剤又は懸濁化剤と組み合わせて、油相に懸濁又は溶解することができる。必要に応じて、特定の甘味料、香味料、又は着色料を加えることができる。経鼻エアロゾル又は吸入製剤は、医薬品製剤の技術分野で周知の技術に従って調製することができるとともに、ベンジルアルコール又は他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティーを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン及び/又は当該技術分野で既知の他の可溶化剤又は分散剤を用いて生理食塩水中の溶液として調製できる。本開示の化合物は、直腸投与用の坐剤の剤形で投与することもできる。
本開示の化合物を含む製剤に含まれ得る薬学的に許容される担体又は賦形剤は、不活性希釈剤、可溶化剤、分散剤及び/又は造粒剤、界面活性剤及び/又は乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤及び/又は油剤を含む。ココアバターと座薬ワックス等の賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香料、芳香剤も医薬組成物中に存在することができる。
本発明の製剤中に存在する賦形剤は、医薬組成物の有効成分と適合する(好ましくは、医薬組成物を安定化できる)とともに医薬組成物が投与される被験体に有害ではない「薬学的に許容される」ものでなければならない。例えば、本発明の化合物と特定のより可溶性の複合体を形成可能なシクロデキストリン等の可溶化剤は、本発明の化合物を被験体に送達するための薬学的に許容される賦形剤として利用することができる。薬学的に許容される賦形剤の他の例には、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム及びD&C Yellow#10が含まれる。
本発明は、本明細書に記載の化合物及び容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、ディスペンサーパッケージ、及び他の適切な容器)を含むキット(例えば、医薬品パック)をさらに開示する。いくつかの実施形態において、上記キットは、本発明の製剤を希釈又は懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を収容する第2の容器を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の容器及び第2の容器で提供される本発明の製剤又は化合物は、組み合わせて1つの単位剤形を形成する。
特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、好中球の活性化及び動員の異常調節の抑制に使用される。特定の実施形態において、本明細書に記載のキットは、治療を必要とする被験体の本明細書に記載の任意の対象疾患(例えば、ALI)の治療に使用される。そのため、本明細書に記載の任意のキットは、キットに含まれる化合物又は医薬組成物を投与するための説明書を含む。本発明のキットは、規制当局(例えば、FDA)によって要求される情報を含んでもよい。特定の実施形態において、上記キット及び説明書は、本明細書に記載の疾患を治療するために提供される。特定の実施形態において、上記キット及び説明書は、本明細書に記載の疾患を予防するために提供される。本発明のキットは、本明細書に記載の1つ以上の他の医薬品を単独の組成物として含んでもよい。
本明細書に記載の方法により治療される「被験体」は、ヒト被験体(例えば、幼児、子供若しくは青年のような小児被験体、又は若年成人、中年成人若しくは高齢成人のような成人被験体)、非ヒト動物(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類(例えば、マウス、ラット))、及び非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)であってもよい。非ヒト哺乳動物は、トランスジェニック動物又は遺伝子組み換え動物であってもよい。いくつかの実施例において、被験体は、本明細書に記載の対象疾患(即ち、ARDS)を有する、この疾患を有する疑いがある、又はこの疾患を有するリスクがあるヒト患者である。いくつかの実施形態において、被験体は、好中球の活性化及び動員の異常調節に続発する病状(例えば、ARDS)を有するか又は有する疑いがあるヒト若しくは非ヒト哺乳動物である。
本明細書に記載の化合物又は製剤は、本明細書に記載の任意の方法において、1つ又は複数の他の薬剤(例えば、治療的及び/又は予防的活性薬剤)と組み合わせて使用できることも理解され得る。上記化合物又は製剤は、本明細書に記載の疾患の治療、本明細書に記載の疾患の予防、好中球の活性化の阻害において、それらの活性(例えば、効力及び/又は効能)を向上させる他の薬剤と組み合わせて被験体に投与することができる。採用される療法は同じ障害に対して所望の効果及び/又はそれが異なる効果を達成できることもまた理解され得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。これらの実施例は典型的には使用できるものであるが、当業者に知られている他の手順、方法論、又は技術を代わりに使用することができる。
実施例
材料及び方法
ブレチニブの調製
前述のプロセス(Lin et al.,J.Nat.Prod.2016 79,1911-1921)に従ってブレチニブを抽出して精製した。簡単に言えば、ブレチニブをB.フォルモサナ(B.formosana)の根茎から60℃のエタノールで抽出し、カラムクロマトグラフィーで精製した。さらなる実験のために、ブレチニブ(純度>98%)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。細胞実験で使用されたDMSOの対照濃度は、測定パラメーターに影響を与えない0.1%であった。
動物
動物の管理と実験のプロトコルは、台湾の長庚大学の施設内の動物の管理と使用委員会によって承認された。さらに、動物実験は、ARRIVE(動物研究:invivo実験の報告)ガイドラインに従って報告された。すべての実験手順は、実験動物の管理と使用に関するガイドに準拠した(National Research Council Committee for the Update of the Guide for the Care and Use of Laboratory,2011)。特定の病原体を含まない(SPF)8週齢の雄BALB / cマウス(体重:20±1g)は、BioLASCO(台湾)から購入した。5匹のマウスは標準的な寝具を備えた換気ケージを共有し、水と標準的な実験用飼料を自由に摂取させた。すべてのマウスは、12時間:12時間の明暗サイクルの条件でSPF動物施設に飼育された。実験で使用する前に、マウスを少なくとも1週間順応させた。
LPS誘導ALI及び死亡率モデル
合計24匹の雄BALB/cマウスを媒体単独群、ブレチニブ単独群、LPS対照群、及びブレチニブ処理(ブレチニブ+LPS)群の4群(6匹/群)にランダムに分けた。マウスを一晩絶食させた後、50μLのブレチニブ(25mg/kg)又は50μLの媒体(10%DMSO)を腹腔内注射した。キシラジン(6mg/kg)及びゾレチル50(30mg/kg)による全身麻酔下で、50μLのLPS(大腸菌O111:B4由来;2mg/kg)又は50μLの0.9%生理食塩水(媒体単独群及びブレチニブ単独群)の気管内噴霧によりALIを誘導した。5時間後、マウスを安楽死させ、肺を摘出し、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性アッセイのために凍結し、また組織学的切片及び免疫蛍光染色のために10%ホルマリンで固定した。
LPS誘導死亡率モデルでは、マウスに単回50μLの用量でLPS(大腸菌O111:B4由来;5mg/kg)又は0.9%生理食塩水(溶媒単独群)を腹腔内注射した。マウスを5日間観察して生存率を測定した。
組織学的切片化及び免疫蛍光染色
摘出された肺組織をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、10%ホルマリンで24h固定した。次いで、サンプルを脱水し、パラフィンで包埋し、ミクロトームで厚さ3μmの切片にスライスし、スライドガラス上に置いた。これらの切片をヘマトキシリン、エオシン(H&E)及び対応する抗体を使用して染色した。その後、光学顕微鏡により画像を得た。
免疫蛍光染色では、組織切片を、H3(citH3;シトルリンR2 +R8 +R17)及びLy6Gに対する抗体とそれぞれ1:800及び1:200の希釈でインキュベートした。蛍光色素で標識された抗IgG二次抗体(citH3の場合はAlexa Fluor488又はLy6Gの場合はAlexa Fluor 568)を、それぞれ1:1000及び1:500の希釈率で使用した。共焦点顕微鏡(LSM 510 Meta,Zeiss)により免疫蛍光画像を得た。
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性の分析
マウスの肺組織を0.5%のヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド緩衝液(pH6.0)に懸濁させた後、超音波処理により均質化した。MPO活性を評価するために、MPO基質緩衝液(PBS、0.0005%過酸化水素、及び0.2mg/mLのO-ジアニシジン塩酸塩を含む)を均質化された組織に加え、次いで分光測色法により460nmで吸光度を測定し、その後、ヒトMPO活性の標準曲線を参照してMPO活性を計算した。
ヒト好中球の分離
この研究は、ヘルシンキ宣言に従って、長庄記念病院の施設内審査委員会(IRB No. 201601111A3)の承認を得て実施された。書面によるインフォームドコンセントが得られた後、過去2週間以内に薬を服用しなかった20~30歳の健常者から全血サンプルを採取した。次に、Ficoll-Hypaque勾配遠心分離、デキストラン沈降、及び赤血球の低張溶解の標準的な手順に従って好中球を分離した。次に、分離した好中球をCa2+を含まないHBSS(pH7.4)に懸濁させ、使用するまで4℃で保存した。
細胞外スーパーオキシドアニオン産生の測定
フェリシトクロムcの還元により活性化された好中球における細胞外スーパーオキシドアニオンの産生を評価した。分離したヒト好中球(6×10個の細胞/mL)をCa2+(1mM)及びフェリシトクロムc(0.5mg/mL)と共に37℃でインキュベートした後、さらに0.1%DMSO又は0.3-10μMのブレチニブと共に5minインキュベートした。これらの細胞をサイトカラシンB(CB、1又は2μg/mL)で3min前処理し、fMLF、MMK-1若しくはフッ化ナトリウム(NaF)で刺激し、又はホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)で直接活性化した。分光光度計(U-3010、日立、東京、日本)により550nmでの吸光度の変化を継続的に測定し、前述の方法によりスーパーオキシドアニオンのレベル(Hwang et al.,2003Mol.Pharmacol.64(6),1419-1427)を計算した。
細胞内スーパーオキシドアニオン産生の測定
2μMジヒドロローダミン123(DHR123)を用いてヒト好中球(2.5×10個の細胞/mL)を37℃で10min標識した後、DMSO又はブレチニブと共に5minインキュベートし、さらに0.1μMのfMLF/0.5μg/mLのCBで15min刺激した。フローサイトメトリーにより蛍光強度を検出してヒト好中球の細胞内スーパーオキシドアニオンの産生を評価した。
総ROS産生の分析
ヒト好中球(2×10個の細胞/mL)を6UmL-1の西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)及び37.5μMのルミノールと共に96ウェルプレートにおいて37℃で5minプレインキュベートした。細胞をDMSO又はブレチニブと共に5minインキュベートし、さらに0.1μMのfMLFで刺激した。次に、96ウェル化学発光計(Tecan Infinite F200 Pro;メンネドルフ、スイス)により化学発光をリアルタイムに検出及び分析した。
NE放出の分析
ヒト好中球(6×10個の細胞/mL)を1mMのCaCl及び100μMのNE基質(メトキシスクシニル-Ala-Ala-Pro-Val-p-ニトロアニリド)で処理した後、DMSO又はブレチニブと共に37℃で5minインキュベートした。細胞をfMLF/0.5μg mL-1のCB、ロイコトリエンB4(LTB4)/2μg mL-1のCB、NaF/2μg mL-1のCB又はMMK-1/0.5μg mL-1のCBで10min刺激した後、分光光度計で405nmでの吸光度の変化を測定することによりNE放出を分析した。
好中球細胞外トラップ(NET)形成の分析
細胞外DNAの定量化
2.5μMのSYTOX Greenを含むHBSSに再懸濁したヒト好中球(10個の細胞/mL)をDMSO又はブレチニブと共に10minインキュベートし、10nMのPMA又は10μg/mLのLPSで3h刺激した。Tecan Infinite 200リーダーで485~535nmで蛍光強度を定量化した。
NET写真
好中球(3×10個の/mL)をDMSO又はブレチニブと共に10minインキュベートした後、10nMのPMAで2h活性化した。好中球を4%パラホルムアルデヒドで固定し、5%ヤギ血清ブロッキングバッファーで1h処理した後、5μg/mL抗MPO(Abcam)及び5μg/mL抗NE(Merck Millipore)抗体で1h処理した。次に、これらの細胞をAlexa488又は568標識二次ヤギ抗ウサギ抗体でさらに1h処理した。その後、細胞をPBSで洗浄し、1ng/mLのHoechst33342及びProLong Gold褪色防止(Invitrogen,CA,USA)で処理した。免疫蛍光顕微鏡法と走査型電子顕微鏡法の両方により活性化された好中球のNET形成を観察した。
好中球接着の評価
ヒト好中球(10個の細胞/mL)をHoechst33342で標識した後、DMSO又はブレチニブと共に5minインキュベートした。遠心分離した後、細胞を再懸濁させ、0.1μMのfMLF/1μg/mLのCBで10min活性化した後、bEnd.3細胞と共に37℃で30minインキュベートした。HBSSで洗浄した後、細胞を4%のパラホルムアルデヒドで固定し、電動倒立顕微鏡(オリンパス、日本)によりbEnd.3細胞に接着した好中球を検出、定量化した。
好中球遊走の分析
3μmフィルターを備えたマイクロケモタキシスチャンバー(Millipore)を使用して好中球の走化性遊走を評価した。ブレチニブ又はDMSOで5min処理した好中球(5×10個の細胞/mL)を上部チャンバーに入れ、0.1μMのfMLFを底部チャンバーに入れた。5%COの条件で1hインキュベートした後の上部チャンバーから底部チャンバーへ遊走した好中球の数をMoxiZ自動セルカウンター(ORFLO)により計数した。
表面CD18及びCD11b発現の評価
好中球(5×10個の細胞/mL)をブレチニブ又はDMSOと共に5minインキュベートした後、0.1μMのfMLF/1μg/mLのCBと共に5minインキュベートすることにより活性化した。4℃、200xgで8min遠心分離した後、細胞を、CD18又はCD11bに対するFITC結合抗体を含む5%ウシ血清アルブミンに再懸濁し、氷上、暗所で15min処理した。蛍光活性化細胞選別により蛍光強度を分析した。
好中球溶解物のイムノブロッティング
好中球をブレチニブ又はDMSOと共に37℃で5minインキュベートした後、0.1μMのfMLFで30s刺激した。電気泳動(12%ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)により好中球溶解物からタンパク質を分離した後、ニトロセルロースメンブレンに移した。標的タンパク質を、p38、p-p38、Akt、p-Akt S473、ERK、p-ERK、JNK、p-JNK、Src、p-SFK Y416、p-Src Y416、Lyn、p-Lyn(Y396)、Fgr、p-Fgr(Y412)、Hck、p-Hck(Y410)、Btk、p-Btk Y223、Vav、p-Vav(Y174)に対する特定の抗体、及びHRP標識二次抗ウサギ抗体(Cell Signaling Technology)を用いてイムノブロッティングにより同定した。UVP BioSpectrumイメージングシステム(Analytik Jena,USA)により信号強度を検出、定量化した。
SFKの酵素活性の評価
ADP-Gloキナーゼアッセイキット(Promega,Fitchburg,USA)を用いて製造業者の説明書に従ってSFKのキナーゼ活性を評価した。簡単に言えば、SFK(Src、Lyn、Fgr、及びHck)、それらの基質である125μMのATP、及び1-10μMのブレチニブ又は0.1-3μMのPP2を反応バッファーに加えて1h処理することによりキナーゼ反応を開始させた。ADP-Glo試薬を用いてキナーゼ反応を停止させ、残りのATPを除去した。次に、ADPをATPに変換するキナーゼ、検出試薬を加えて30minインキュベートした。Infinite 200 Pro(Tecan,Switzerland)によりルシフェリン/ルシフェラーゼのルミネセンスを測定した。
統計データ及び分析
全てのデータは箱ひげ図(中央値、最小値-最大値)で表される。一元配置分散分析及びダネットの多重比較検定はすべての実験に採用された。マウスの生存率はログ・ランク(Mantel-Cox)検定により分析された。すべての統計計算はGraphPadPrismソフトウェア(GraphPad Software,San Diego,CA,USA)を使用して実行された。p値<0.05の差は、統計的に有意であると見なされた。
実施例1:ブレチニブのインビトロ特性評価
1.1ブレチニブが刺激された好中球におけるスーパーオキシドアニオンの産生及びROSの産生を改善した。
この実施例において、炎症反応に対するブレチニブの調節効果を様々な化学誘引物質(ホルミル-L-メチオニル-L-ロイシル-L-フェニルアラニン(fMLF)、NaF(Gタンパク質活性化因子)、MMK-1(選択的ホルミルペプチド受容体2(FPR2)アゴニスト)及びホルボール12-ミリスタート13-アセタート(PMA)を含む)で刺激されたヒト好中球におけるスーパーオキシドの産生を監視することにより調査した。結果を図1に示す。
ブレチニブはfMLF活性化ヒト好中球によって産生されるスーパーオキシドアニオンを用量依存的に改善することが発見された(IC50=0.62±0.15μM;図1,(A))。同様に、ブレチニブは、他の化学誘引物質(MMK-1、フッ化ナトリウム(NaF)及びPMA)で刺激された好中球からのスーパーオキシドアニオンの放出を減少させた(図1(B)、(C)及び(D))。さらに、ブレチニブは、キサンチン/キサンチンオキシダーゼ無細胞系において細胞毒性(図1(F))又はROSスカベンジング活性を示さなかった。
フローサイトメトリー及び化学発光アッセイによりブレチニブが刺激された好中球におけるROSの産生に影響を与えたか否かを確定した。フローサイトメトリー及びルミノール増幅化学発光アッセイの定量化された結果は、ブレチニブが用量依存的にfMLF活性化好中球における細胞内のROSの産生を顕著に抑制したことを明らかにした(図2(A)、(B))。
1.2ブレチニブが活性化されたヒト好中球の脱顆粒を抑制した。
この実施例において、活性化された好中球における好中球エラスターゼ(NE)の放出を測定することにより脱顆粒に対するブレチニブの効果を調査した。なお、脱顆粒は、炎症中の好中球の重要な機能である。
ブレチニブは、fMLFで刺激されたヒト好中球(IC50=0.53±0.07μM)ではNEの放出を抑制したが、静止状態の好中球では抑制しなかったことが発見された(図3,A))。さらに、ブレチニブは、MMK-1、NaF、及びLTBでそれぞれ刺激された好中球からのNEの放出を濃度依存的にダウンレギュレーションした(図3(B)、(C)及び(D))。
1.3ブレチニブが好中球細胞外トラップ(NET)の形成を減少させた。
NETは、主に粒状タンパク質、プロテアーゼ、及びヒストンでコーティングされた染色質フィラメントで構成され、炎症性疾患や自己免疫疾患に不可欠である。NET形成に対するブレチニブの効果を調査するために、好中球をPMA(10nM)及びLPS(10μg/mL)で活性化した後、Sytox greeで染色した。
蛍光分光分析の結果は、PMAによって誘導されたNETの形成がブレチニブにより顕著に軽減されたことを示した(図4(A))。さらに、免疫蛍光染色は、Hoechst 33342で共染色された好中球及びNETにおけるMPO及びNEに対する抗体の存在を示した(図4(B))。免疫蛍光染色及び走査型電子顕微鏡の画像は、ブレチニブがNETの形成を効果的に抑制したことを示した(図4(B)及び(C))。
1.4ブレチニブがfMLF活性化好中球ERK及びSrcファミリーキナーゼ(SFK)のリン酸化を抑制した。
SFK及びMAPK/ERK経路は、脱顆粒、呼吸バースト、NET形成、及び好中球の遊走に重要な役割を果たすことが知られている。従って、活性化された好中球におけるSFK、Akt、ERK、JNK、及びp38のリン酸化に対するブレチニブの効果を調査した。
イムノブロッティングの結果は、fMLF刺激好中球においてSFK、Akt(S473)、ERK、JNK、p38、Src(Y416)、Lyn(Y396)、Fgr(Y412)、Hck(Y410)、Btk(Y223)及びVav(Y174)のリン酸化が増強されたことを示した。しかし、ブレチニブは、Akt、JNK及びp38ではなく、ERK、SFK、Src(Y416)、Lyn(Y396)、Fgr(Y412)、Hck(Y410)、Btk(Y223)及びVav(Y174)のリン酸化を顕著に抑制した(図5、6Aから6F)。
1.5ブレチニブがSFK活性を抑制した。
SFKは、好中球に存在する非受容体型チロシンキナーゼであり、Src、Fgr、Hck、及びLynが優勢に発現する。SFKはインビボでの炎症環境の生成に関与する。無細胞ADP-Gloキナーゼアッセイにより、ブレチニブとSFKの選択的阻害剤であるPP2の両方は、Src、Fgr、Hck及びLynのキナーゼ活性を濃度依存的に抑制することが確認された(図6Gから6J)。
1.6ブレチニブが活性化されたヒト好中球の接着と遊走を減少させた。
接着と遊走は両方とも、炎症中の好中球動員カスケードにおける重要なステップである。この実施例において、ブレチニブが接着と遊走プロセスを干渉するか否かを調査するために、まず、ヒト好中球(10個の細胞/mL)をHoechst33342で標識し、次にブレチニブ(1-10μM)で前処理し、その後、fMLFで刺激し、さらにbEnd.3細胞と共に37℃で30minインキュベートした。蛍光顕微鏡によりbEnd.3細胞に接着した好中球を検出して計数した。定量化結果は、ブレチニブがfMLF活性化好中球の接着機能を抑制したことを示した(図7(A))。さらに、ケモタキシスチャンバー及びセルカウンターを用いて遊走する好中球の数を計数した結果、ブレチニブが好中球のfMLF誘導トランスウェル遊走を顕著に減少させたことを発見した(図7(B))。さらに、IL-8は、好中球を誘引するための走化性因子として機能した。IL-8誘導好中球遊走もブレチニブにより抑制された(データは示していない)。
1.7ブレチニブが活性化された好中球におけるMac-1の発現を減少させた。
Mac-1は、CD11b(インテグリンα)及びCD18(インテグリンβ)からなる補体受容体であり、炎症中の白血球の動員を促進する。従って、フローサイトメトリーにより好中球上のCD11b及びCD18の表面発現を確定した。その結果は、ブレチニブがfMLF刺激ヒト好中球におけるCD11bとCD18の両方の発現を減少させたことを示した(図8)。さらに、IL-8誘導CD11b発現は、ヒト好中球においてブレチニブによって抑制された(データは示していない)。
実施例2:ブレチニブがマウスのリポ多糖(LPS)誘導急性肺損傷(ALI)及び死亡率を減少させた。
この実施例において、インビボでのブレチニブの抗炎症効果を調査した。この目的のために、BALB/cマウスを腹腔内注射により投与されたブレチニブ(25mg/kg)又はDMSOで処理し、次に、LPSを気管内噴霧して5h処理した。肺の外観写真とHE染色された組織病理学的特徴は、LPSが出血性及び紅斑性の状態、肺胞中隔の肥厚、及び肺間質性浮腫の形成を誘発したことを明らかにした(図9)。さらに、LPS投与後に、MPO及びLy6G陽性細胞(好中球の特異的マーカー)の浸潤、プロテアーゼの放出(NE)、サイトカインの産生(IL-1β)、酸化ストレス誘導脂質過酸化(4-HNE)及び血管透過性(オクルディン)を観察した。肺構造の歪みは、ブレチニブ処理群では顕著に抑制された。さらに、Vav(p-Vav)のLPS活性化リン酸化もブレチニブにより軽減された(図9)。
肺水腫の重症度を表すマウス肺組織のMPO活性と総タンパク質レベルを確定した結果、対照群で増加したが、ブレチニブ処理群では顕著に改善された(図10(A)及び(B))。さらに、LPS誘導NET形成(Ly6GcitH3細胞蓄積)は、ブレチニブ処理後にかなり減少した(図10(C))。
生存率を高めるブレチニブの治療能力は、LPS刺激マウスでさらに観察された。BALB/cマウスにLPS(5mg/Kg)を注射し、それらの生存率を5日間観察した。対照群のすべてのマウスは2日以内に死亡したのに対し、各ブレチニブ処理マウス(25mg/Kg)の生存期間は顕著に延長された(ログ・ランク検定、p=0.0085;図11)。
実施形態の上記の説明が単なる例として与えられており、当業者によって様々な変更がなされ得ることが理解されるだろう。上記の明細書、実施例及びデータは、本発明の例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施形態が、ある程度具体的に、又は1又は複数の個々の実施形態を参照して、上述されているが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を行うことができる。

Claims (5)

  1. 急性肺損傷(ALI)の治療に適した医薬品の製造におけるブレチニブの使用。
  2. 前記ブレチニブは0.1mgから60gの量で前記医薬品に存在する、請求項1に記載の使用。
  3. 前記ALIは急性呼吸窮迫症候群(ARDS)である、請求項1に記載の使用。
  4. 前記ARDSは、輸血関連肺障害、人工呼吸器誘発性肺損傷、細菌誘発性肺損傷、又はウイルス誘発性肺損傷である、請求項3に記載の使用。
  5. 被験体はヒトである、請求項1に記載の使用。
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