以下、本発明の一実施形態におけるヘッドホン等の放音装置または放音装置を含むシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
<第1実施形態>
[1.概要]
本発明の第1実施形態におけるヘッドホンは、スピーカから再生音を出力するモード(以下、再生音モードという)で駆動するだけでなく、外部音を取り込んで再生音に合成して出力する、いわゆるヒアスルー機能を実現するモード(以下、合成音モードという)で駆動することができる。これらの2つの動作モードは、この例では、ユーザの操作によって切り替えることができる。このヘッドホンは、合成音モードで駆動するときに、その動作モードになっていることを外部から確認できる構成を有している。以下、第1実施形態におけるヘッドホンの構成について説明する。
[2.ヘッドホンのハードウェア構成]
図1は、本発明の第1実施形態におけるヘッドホンの構成を説明する図である。ヘッドホン1(放音装置)は、左ハウジング80L、右ハウジング80R、左イヤーマフ82L、右イヤーマフ82Rおよびヘッドバンド85を備える。ヘッドバンド85は、左ハウジング80Lと右ハウジング80Rとを接続する。この例では、ヘッドバンド85は、その内部において、左ハウジング80Lと右ハウジング80Rとの内部構成を電気的に接続している。左ハウジング80Lには左イヤーマフ82Lが取り付けられている。右ハウジング80Rには右イヤーマフ82Rが取り付けられている。
左イヤーマフ82Lがユーザの左耳と接触し、さらに右イヤーマフ82Rがユーザの右耳と接触した状態において、ヘッドバンド85が左イヤーマフ82Lと右イヤーマフ82Rとを近づけるように力を加えることで、ヘッドホン1がユーザの耳に装着される。このように、左ハウジング80L、右ハウジング80R、左イヤーマフ82L、右イヤーマフ82Rおよびヘッドバンド85は、ユーザの耳にヘッドホン1を装着するための装着部としての機能を有する。
左ハウジング80Lには、Lchスピーカ70L、Lchマイクロフォン72L、左LEDランプ75Lおよび左操作部78Lが配置されている。右ハウジング80Rには、Rchスピーカ70R、Rchマイクロフォン72R、右LEDランプ75Rおよび右操作部78Rが配置されている。この例では、制御部10(制御装置)および通信部15が右ハウジング80Rに配置され、メモリ90が左ハウジング80Lに配置されている。また、図示は省略しているが、各構成に電力を供給するために、二次電池等の電源99が、左ハウジング80Lおよび右ハウジング80Rに配置されている。
以下の説明において、左右の構成を特に区別する必要がない場合には、まとめた表現で記載する場合がある。例えば、Lchスピーカ70LとRchスピーカ70Rとをまとめてスピーカ70と記載する場合がある。同様にまとめた表現として、マイクロフォン72、LEDランプ75、操作部78、ハウジング80、イヤーマフ82のように記載される場合がある。
スピーカ70(放音部)は、ハウジング80のイヤーマフ82側に配置され、供給された電気信号(音信号)を音に変換して空気中に出力する。これによって、イヤーマフ82に接触する耳へ音が到達する。マイクロフォン72(音入力装置)は、ハウジング80の外側(LEDランプ75と同じ側)に配置され、入力された音(外部音)を電気信号(音信号)に変換して出力する。操作部78は、ハウジング80の表面に配置され、ユーザの操作を受け付けて電気信号(操作情報)に変換して出力する。この例では、操作部78は、ヘッドホン1の動作モードを、再生音モードおよび合成音モードのいずれか一方に指定する指示を受け付ける。なお、操作部78は、さらに、電源のオンオフ、出力音量の設定、再生開始、停止等の指示等を受け付けてもよい。
LEDランプ75(報知部)は、ヘッドホン1がユーザの耳に装着されているときに、外部から視認できる位置に配置され、ハウジング80の外側に向けて光を放射する。この例では、ヘッドホン1がユーザの耳に装着されているときに、ハウジング80に対して、ユーザの耳とは反対側の位置になるようにLEDランプ75が配置される。言い換えれば、LEDランプ75は、ハウジング80に対してイヤーマフ82とは反対側(放音される向きとは逆方向)の位置に配置されている。より詳細には、LEDランプ75は、スピーカ70の放音方向とは反対方向の成分を有して光を放射するように、ハウジング80に配置されている。
LEDランプ75は、ヘッドホン1の動作モード(再生音モード、合成音モード)によって、発光の形態を変化させてヘッドホン1の外観を変化させる。この変化は、制御部10によって制御される。左ハウジング80Lを側面から見た場合(矢印A2方向に沿って見た場合)のヘッドホン1の外観の変化について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の第1実施形態におけるヘッドホンの外観の変化を説明する図である。この例では、左LEDランプ75Lは、再生音モードであるときには消灯状態であり、合成音モードであるときには点灯状態である。このような外観の変化は一例であって、動作モードの違いによって変化するようになっていればよい。例えば、動作モードの違いによって、点滅パターン、色、明るさ、発光個数等が変化するようになっていてもよい。なお、3つの左LEDランプ75Lが、左ハウジング80Lに配置されているが、1つでもよいし、他の数であってもよい。また、動作モードを外部に報知するための構成は、LEDランプ75に限らず、電子ペーパ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示デバイスであってもよい。
図1に戻って説明を続ける。通信部15は、無線で通信するためモジュール(例えば、ブルートゥース(登録商標)等の短距離無線通信)であって、制御部10の制御に基づいて、外部の装置と情報を送受信する。なお、通信部15は、有線で通信するためのモジュールであってもよい。
メモリ90は、不揮発性メモリ等の記憶媒体であって、この例では、ヘッドホン1から取り外して別の読み取り機器に接続可能な媒体である。なお、メモリ90は、ヘッドホン1から取り外すことができない構成であってもよい。この場合には、例えば、外部の装置が通信部15を介してメモリ90に記憶された情報を読み出す。
制御部10は、CPUなどの演算処理回路およびメモリを含む。制御部10は、メモリに記憶された制御プログラムをCPUによって実行して、各種機能をヘッドホン1において実現させる。実現される機能には、制御機能を含む。制御プログラムは、コンピュータにより実行可能であればよく、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。この場合には、ヘッドホン1は、記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。また、制御プログラムは、通信部15を介してダウンロードされてもよい。続いて、制御機能を実現するための各構成および制御機能により実行される処理の具体的な実現方法について、順に説明する。
[3.制御機能の構成]
ヘッドホン1の制御部10が制御プログラムを実行することによって実現される制御機能について説明する。以下に説明する機能を実現する構成の一部または全部は、ソフトウェアによって実現される場合に限らず、ハードウェアによって実現されてもよい。
図3は、本発明の第1実施形態における制御機能の構成を説明する図である。制御部10は、合成部101、出力部105、報知制御部107および登録部109によって制御機能を実現する。また、上述した通信部15は、この例では、オーディオプレイヤ3と接続されるプレイヤ接続部151として機能する。オーディオプレイヤ3(音再生装置)は、音楽データ等をデコードして得られる再生音信号Sr(第2音信号)を出力する。プレイヤ接続部151は、オーディオプレイヤ3から無線通信により再生音信号Srを受信する。マイクロフォン72は、上述したように、入力された外部音信号Se(第1音信号)を出力する。
合成部101は、再生音信号Srと外部音信号Seとを合成した音を出力する。合成とは、この例では、再生音信号Srに対して外部音信号Seを加算することをいう。合成部101は、合成して得られた合成音信号Ss(第3音信号)を出力する。
出力部105は、操作部78から取得した操作情報が再生音モードを指定する場合には、スピーカ70に再生音信号Srを出力する。一方、出力部105は、操作情報が合成音モードを指定する場合には、スピーカ70には合成音信号Ssを出力する。出力部105は、出力した音信号に対応した選択情報を、報知制御部107および登録部109に出力する。なお、報知制御部107および登録部109に対しては、選択情報に代えて、操作部78からの操作情報が出力されてもよい。
報知制御部107は、選択情報に応じて、LEDランプ75を制御する。この例では、報知制御部107は、選択情報が再生音モード(再生音信号Srが出力されていること)を示す場合に、LEDランプ75を消灯させる。一方、報知制御部107は、選択情報が合成音モード(合成音信号Ssが出力されていること)を示す場合に、LEDランプ75を点灯させる。
登録部109は、選択情報に応じて、期間情報をメモリ90に登録する。期間情報は、出力部105が合成音信号Ssを出力している期間を特定する情報(時刻情報)であって、例えば、出力部105が再生音信号Srから合成音信号Ssに出力を切り替た時刻t1と、合成音信号Ssから再生音信号Srに出力を切り替えた時刻t2とを示す情報である。
[4.制御機能による処理]
続いて、制御部10が制御機能によって実行する処理について説明する。この処理は、ヘッドホン1の電源がオンにされることによって開始される。
図4は、本発明の第1実施形態における制御機能によって実行される処理を説明するフローチャートである。この処理が開始されると、まず、制御部10は、LEDランプ75の発光状態およびメモリ90に登録された期間情報を初期化する(ステップS101)。この初期化によって、LEDランプ75が消灯する。また、期間情報の初期化によって、メモリ90に登録された期間情報が消去される。続いて、制御部10は、再生音信号Srをスピーカ70に出力する(ステップS103)。すなわち、制御部10は、初期化によってヘッドホン1を再生音モードに設定する。なお、制御部10は、ステップS101における初期化によってLEDランプ75を点灯し、ステップS103において合成音信号Ssをスピーカ70に出力するようにしてもよい。すなわち、制御部10は、初期化によってヘッドホン1を合成音モードに設定してもよい。
続いて、制御部10は、電源のオフ操作、および動作モードの切り替え操作のいずれかが行われるのを待機する(ステップS111;No、ステップS113;No)。以下、この状態を待機状態という。
待機状態において電源がオフにされると(ステップS111;Yes)、制御部10は制御機能を終了する。待機状態において動作モードが再生音モードから合成音モードに切り替えられると(ステップS113;再生音→合成音)、制御部10は、スピーカ70に出力される信号を、再生音信号Srから合成音信号Ssに切り替える(ステップS121)。続いて、制御部10は、LEDランプ75を点灯させ(ステップS123)、合成音モードに切り替えられた時刻(合成音モードの開始時刻)をメモリ90に登録する(ステップS125)。その後、制御部10は、再び待機状態に戻る。
待機状態において動作モードが合成音モードから再生音モードに切り替えられると(ステップS113;合成音→再生音)、制御部10は、LEDランプ75を消灯させ(ステップS131)、再生音モードに切り替えられた時刻(合成音モードの終了時刻)をメモリ90に登録する(ステップS133)。続いて、制御部10は、スピーカ70に出力される信号を、合成音信号Ssから再生音信号Srに切り替える(ステップS135)。その後、制御部10は、再び待機状態に戻る。
以上の処理について、時刻tm1において再生音モードから合成音モードに切り替えられ、その後、時刻tm2において再び再生音モードに切り替えられた場合の具体例について、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第1実施形態における動作モード切替の具体例を説明する図である。再生音モードであるときには、再生音信号Srがスピーカ70に出力されている。一方、LEDランプ75は非発光状態である。時刻tm1において、ヘッドホン1の動作モードが再生音モードから合成音モードに切り替えられると、時刻t1においてスピーカ70に出力される音信号が、再生音信号Srから合成音信号Ssに切り替わる。時刻t1は時刻tm1に対して、ほぼ同時刻であってもよいし、所定時間遅れていてもよい。また、時刻t1において、LEDランプ75は、点灯させられて発光状態となる。さらに、メモリ90に時刻t1が合成音モードの開始時刻として登録される。
その後、時刻tm2において、ヘッドホン1の動作モードが合成音モードから再生音モードに切り替えられると、時刻t2においてスピーカ70に出力される音信号が、合成音信号Ssから再生音信号Srに切り替わる。時刻t2は時刻tm2に対して、ほぼ同時刻であってもよいし、所定時間遅れていてもよい。また、時刻t2において、LEDランプ75は、消灯させられて非発光状態となる。さらに、メモリ90に時刻t2が合成音モードの終了時刻として登録される。
このように、本発明の第1実施形態におけるヘッドホン1によれば、合成音モードである期間においてLEDランプ75が発光状態となる。これによって、ヘッドホン1の動作モードが合成音モードであることを外部から確認することができる。また、合成音モードであった期間をメモリ90に登録しておくことにより、現時点において再生音モードであったとしても、直前までは合成音モードであったことを証明することもできる。逆に、現時点において合成音モードであったとしても、直前までは再生音モードであったことを証明することもできる。このようなヘッドホン1によれば、以下のような用途に用いることもできる。
[5.ヘッドホン1の利用例]
ヘッドホン1を耳に装着したユーザが、再生音モードにおいて音楽を聴取しながら、自転車等の軽車両を利用することは、外部の音が聞こえにくいため危険が伴う。そのため、このような行為は避けられるべきである。一方、合成音モードによりユーザが音楽を聴取している場合には、ヘッドホン1を耳に装着していても、外部の音を再生音と同時に聴取することができるため、安全性が高い。
仮に、再生音モードにおいて音楽を聴取しながら軽車両を利用することが法律で制限されたとしても、合成音モードであれば外部の音が聴取できるため、法律の制限を受けないことも想定される。このような場合、本発明の第1実施形態におけるヘッドホン1によれば、LEDランプ75の発光によって外部から合成音モードであることを確認することができるため、ヘッドホン1を使用した行為が法律の制限を受けるべきかどうか、視認により容易に確認することができる。
また、メモリ90の存在によって以下の利用形態も考えられる。上記のように法律の制限を受ける場合、再生音モードでヘッドホン1を利用するユーザは、取り締まりの対象として警察官から質問を受けることがある。このとき、その直前にユーザが合成音モードに切り替えてしまうことで、取り締まりの対象外にしようとする可能性もある。このような場合であっても、メモリ90に登録された期間情報を読み出すことによって、合成音モードに切り替えた直後であることを容易に証明することができる。これとは逆に、合成音モードで利用していたにもかかわらず、警察官の見間違いによりユーザが取り締まりの対象となる場合もある。このような場合でも、メモリ90に登録された期間情報を読み出すことによって以前から合成音モードであったかどうかを容易に証明することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、LEDランプ75の発光状態を確認することで、ヘッドホン1の動作モードを外部から確認した。第2実施形態では、外部の端末において動作モードを確認するための構成を備えるヘッドホン1Aについて説明する。ヘッドホン1Aの動作モードを確認することができる端末を、この例では報知端末5という。このように、第2実施形態では、動作モード(特に、合成音モード)の報知を、LEDランプ75の発光により実行するのではなく、報知端末5(報知部)における表示として実行する。以下、第2実施形態におけるヘッドホン1Aおよび報知端末5の構成について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態における制御機能の構成を説明する図である。ヘッドホン1Aは、制御部10A、通信部15A、スピーカ70、マイクロフォン72、操作部78およびメモリ90を備える。制御部10Aは、合成部101、出力部105、報知制御部107Aおよび登録部109によって制御機能を実現する。通信部15Aは、プレイヤ接続部151に加えて、報知端末5と接続される報知端末接続部155としても機能する。一方、この例では、ヘッドホン1Aは、LEDランプ75を有していない。第1実施形態と同じ符号が付された他の構成については、その機能が第1実施形態と同様である。したがって、それらの機能についての説明は省略される。なお、この例では、オーディオプレイヤ3と報知端末5とは別体の装置であるが、一体の装置であってもよい。
報知制御部107Aは、報知端末接続部155に接続された報知端末5からの要求に応じて、ヘッドホン1Aの動作モードに関する情報を、報知端末接続部155に出力する。報知制御部107Aは、ヘッドホン1Aの動作モードが合成音モードである場合には、さらにメモリ90から期間情報を読み出す。報知制御部107Aは、期間情報が示す時刻t1(再生音モードから合成音モードに切り替えられた時刻)から、現時点までの経過時間を算出して、報知端末接続部155に出力する。これらの情報(報知情報)は、報知端末接続部155を介して報知端末5に送信される。
図7は、本発明の第2実施形態における報知端末の構成を説明する図である。報知端末5は、制御部50、通信部55、表示部57および操作部58を備える。通信部55は、無線で通信するためモジュール(例えば、ブルートゥース(登録商標)等の短距離無線通信)であって、制御部50の制御に基づいて、外部の装置と情報を送受信する。この例では、通信部55は、ヘッドホン1Aを接続するためのヘッドホン接続部として機能する。表示部57は、制御部50の制御に基づいて画面を表示する。操作部58は、ユーザの操作を受け付けて電気信号に変換して出力する。表示部57と操作部58とによって、タッチパネルが構成されてもよい。
制御部50は、CPUなどの演算処理回路およびメモリを含む。制御部50は、メモリに記憶された制御プログラムをCPUによって実行して、各種機能を報知端末5において実現させる。実現される機能には、報知機能を含む。制御プログラムは、コンピュータにより実行可能であればよく、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。
報知機能によると、例えば、以下のような処理が実行される。操作部58を介してヘッドホン1Aの情報を取得するための指示が入力されると、制御部50は、通信部55を介してヘッドホン1Aに対して接続要求を行う。報知端末5が接続要求に対する報知情報をヘッドホン1Aから受信すると、制御部50は、表示部57に報知情報に応じた表示(後述する図9参照)を行う。
続いて、ヘッドホン1Aの制御部10Aが制御機能によって実行する処理について説明する。この処理は、ヘッドホン1の電源がオンにされることによって開始される。
図8は、本発明の第2実施形態における制御機能によって実行される処理を説明するフローチャートである。なお、図4に示す第1実施形態における処理と同じステップについては、同じ符号を付してある。そのステップについては、説明を簡略化している。
この処理が開始されると、まず、制御部10Aは、メモリ90に登録された期間情報を初期化し(ステップS101)、再生音信号Srをスピーカ70に出力する(ステップS103)。続いて、制御部10Aは、電源のオフ操作、報知端末5からの接続要求の受信、および動作モードの切り替え操作のいずれかが行われるのを待機する(ステップS111;No、ステップS211;No、ステップS113;No)。以下、この状態を待機状態という。
待機状態において電源がオフにされると(ステップS111;Yes)、制御部10Aは制御機能を終了する。待機状態において動作モードが再生音モードから合成音モードに切り替えられると(ステップS113;再生音→合成音)、制御部10Aは、スピーカ70に出力される信号を、再生音信号Srから合成音信号Ssに切り替える(ステップS121)。続いて、制御部10Aは、合成音モードに切り替えられた時刻(合成音モードの開始時刻)をメモリ90に登録する(ステップS125)。その後、制御部10Aは、再び待機状態に戻る。
待機状態において動作モードが合成音モードから再生音モードに切り替えられると(ステップS113;合成音→再生音)、制御部10Aは、再生音モードに切り替えられた時刻(合成音モードの終了時刻)をメモリ90に登録する(ステップS133)。続いて、制御部10Aは、スピーカ70に出力される信号を、合成音信号Ssから再生音信号Srに切り替える(ステップS135)。その後、制御部10Aは、再び待機状態に戻る。
報知端末5からの接続要求を受信すると(ステップS211;Yes)、制御部10Aは、報知端末接続部155を介して、報知端末5に対して報知情報を送信する(ステップS221)。ここで、報知端末5が報知情報を受信すると、制御部50が表示部57において、報知情報に応じた画面を表示させる。
図9は、本発明の第2実施形態における報知端末に表示される画面例を説明する図である。表示部57に表示される画面は、図9に例示されるように、ヘッドホン1Aの情報を示す領域DAを含む。領域DAでは、ヘッドホン1Aの端末の名称(この例では「AB012」)、動作モードの名称(この例では、「合成音モード」)、および合成音モードの場合に表示される合成音モードの継続時間(この例では、「5min」)が表示される。このとき、図9に示すように、領域DAの近傍において、端末の名称に対応した端末の形態を示す画像HDが表示されてもよい。
また、領域DAの近傍において、ユーザによって指示が入力されるためのボタンBT1、BT2が表示されてもよい。この例では、OKボタンBT1とNGボタンBT2とが表示される。このボタンBT1、BT2の操作によって、ヘッドホン1Aの動作が制御されてもよい。例えば、OKボタンBT1が操作されると、ヘッドホン1Aがそのまま継続的に使用可能な状態を維持する。一方、NGボタンBT2が操作されると、ヘッドホン1Aの使用を一時的に制限してもよいし、強制的に動作モードを合成音モードに変更することによって、一定時間、動作モードを変更できないようにしてもよい。
以上、第2実施形態におけるヘッドホン1Aは、動作モードを外部に報知するためにLEDランプ75を用いるのではなく、報知端末5を用いる。このように、外部に動作モード(特に、合成音モード)を報知するための構成は、ヘッドホン1Aと一体に構成された装置に限らず、別体の装置であってもよい。
<第3実施形態>
第1実施形態においては、ユーザが動作モードを切り替えていたが、第3実施形態では、所定の条件を満たすと自動的に動作モードを切り替えるヘッドホン1Bについて説明する。
図10は、本発明の第3実施形態における制御機能の構成を説明する図である。ヘッドホン1Bは、制御部10B、通信部15、スピーカ70、マイクロフォン72、LEDランプ75、センサ79およびメモリ90を備える。制御部10Bは、合成部101、出力部105B、報知制御部107および登録部109によって制御機能を実現する。第1実施形態と同じ符号が付された他の構成については、その機能が第1実施形態と同様である。したがって、それらの機能についての説明は省略される。
センサ79は、この例ではヘッドホン1Bの位置を測定する位置センサ(位置測定部)であって、位置に応じた測定信号(例えば、緯度、経度および高度を示す情報を含む信号)を出力する。出力部105Bは、センサ79から出力される測定信号に基づいて、再生音信号Srおよび合成音信号Ssのいずれか一方を選択して、スピーカ70に出力する。この例では、出力部105Bは、測定信号が示す位置に基づいて、ヘッドホン1Bの移動速度(ヘッドホン1Bを装着したユーザの移動速度)を算出する。そして、出力部105Bは、移動速度が所定の速度(例えば、時速5km)以上であれば、合成音信号Ssをスピーカ70に出力し、移動速度が所定の速度未満では再生音信号Srをスピーカ70に出力する。
このようにすることで、ヘッドホン1Bを装着したユーザの移動速度が所定の速度以上になると、ヘッドホン1Bの動作モードが再生音モードから合成音モードに自動的に切り替えられる。所定の速度の設定によって、合成音モードに自動的に切り替える状況(歩行、走行、自転車運転中、自動車運転中)を変更することもできる。また、センサ79が位置センサである場合には、ヘッドホン1Bの位置が地図上の特定の範囲であるか否かによって動作モードが切り替えられるようにしてもよい。例えば、交差点および駅前などの交通量の多い場所が特定の範囲として設定されることが考えられる。このように設定されると、ユーザが交通量の多い場所に訪れたときには、強制的に合成音モードに切り替えられるようにすることもできる。
なお、センサ79は、位置センサに限られない。例えば、センサ79において、ヘッドホン1Bの挙動を測定するためのセンサ(挙動測定部)、例えば、加速度センサまたは振動センサ等を用いてもよい。この場合、センサ79から出力される測定信号が示す挙動によって動作モードが切り替えられるようにしてもよい。例えば、ヘッドホン1Bの振動が検知されている場合(ユーザが移動していることを想定)において、動作モードが合成音モードに切り替えられるようにしてもよい。
また、センサ79において、ヘッドホン1Bの周囲の明るさを測定するためのセンサ、例えば、照度センサ等を用いてもよい。この場合、センサ79から出力される測定信号が示す明るさによって、動作モードが切り替えられるようにしてもよい。例えば、ヘッドホン1Bの周囲が所定の値以下である場合(周囲が暗くなった)において、動作モードが合成音モードに切り替えられるようにすることができる。
また、ヘッドホン1Bは、センサ79に代えて、またはセンサ79とともに時計を有していてもよい。この場合、時間帯によって、動作モードが切り替えられるようにしてもよい。例えば、人の往来が多くなる通勤通学の時間帯には、合成音モードに切り替えられるようにすることもできる。時計とともに、センサ79に上述した照度センサを用いる場合、これらから得られる情報を組み合わせて、動作モードが切り替えられるようしてもよい。例えば、夜の時間帯において周囲が明るくなった場合(夜の運転において車のヘッドランプを点灯した場合を想定)には、合成音モードに切り替えられるようにすることもできる。
<第4実施形態>
第1実施形態では、ヘッドホン1において制御機能を実現する制御部10が設けられていたが、制御機能を実現する構成がヘッドホンとは別の構成に設けられてもよい。第4実施形態では、制御機能を実現する構成を含むオーディオプレイヤ1Cについて説明する。この例では、オーディオプレイヤ1Cとは別の装置であるヘッドホン7がユーザに装着される。なお、オーディオプレイヤ1Cは、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータであってもよい。
図11は、本発明の第4実施形態における制御機能の構成を説明する図である。オーディオプレイヤ1Cは、制御部10C、再生部13(音再生装置)、通信部15C、マイクロフォン72、LEDランプ75、操作部78およびメモリ90を備える。制御部10Cは、合成部101、出力部105C、報知制御部107Cおよび登録部109によって制御機能を実現する。オーディオプレイヤ1Cは、第1実施形態におけるヘッドホン1のうち、スピーカ70およびLEDランプ75を備えていない。これらの構成は、ヘッドホン7に含まれている。通信部15Cが、ヘッドホン7と接続されるヘッドホン接続部157の機能として機能する。第1実施形態と同じ符号が付された他の構成については、その機能が第1実施形態と同様である。
出力部105Cは、再生音信号Srおよび合成音信号Ssのいずれか一方をヘッドホン接続部157に出力する。報知制御部107Cは、選択情報に応じてLEDランプ75を制御するための情報(報知情報)をヘッドホン接続部157に出力する。
ヘッドホン7の外観は、第1実施形態におけるヘッドホン1の外観とほぼ同様の構成を有する。ヘッドホン7は、第1実施形態と同様のスピーカ70およびLEDランプ75を備え、さらに制御部710および通信部715を備える。通信部715は、無線で通信するためモジュール(例えば、ブルートゥース(登録商標)等の短距離無線通信)であって、制御部710の制御に基づいて、外部の装置と情報を送受信する。この例では、通信部715は、オーディオプレイヤ1Cを接続するためのプレイヤ接続部として機能する。
制御部710は、CPUなどの演算処理回路およびメモリを含む。制御部710は、メモリに記憶された制御プログラムをCPUによって実行して、各種機能をヘッドホン7において実現させる。実現される機能には、出力機能を含む。出力機能によれば、通信部715によって受信された音信号をスピーカ70に出力し、通信部715によって受信された報知情報に基づいて、LEDランプ75の発光状態を制御する。この例では、第1実施形態と同様に、LEDランプ75は、スピーカ70に合成音信号Ssが出力されるときに発光状態となり、スピーカ70に再生音信号Srが出力されるときに非発光状態となる。
<第5実施形態>
第5実施形態では、第4実施形態におけるオーディオプレイヤ1Cを自動車等の車両1Dに適用した場合の例について説明する。
図12は、本発明の第5実施形態における制御機能の構成を説明する図である。車両1Dは、制御部10D、再生部13、通信部15C、動力制御部60、動力機構65、マイクロフォン72、操作部78およびメモリ90を備える。制御部10Dは、合成部101、出力部105C、報知制御部107Dおよび登録部109によって制御機能を実現する。ヘッドホン7Dは、スピーカ70、制御部710Dおよび通信部715を備える。ヘッドホン7Dは、第1実施形態におけるヘッドホン7に対してLEDランプ75を備えていない。第1、第4実施形態と同じ符号が付された他の構成については、その機能が第1、第4実施形態と同様である。なお、マイクロフォン72は、車両1Dの外側の音が入力されるように配置されていることが望ましい。
報知制御部107Dは、選択情報に応じて車両1Dの動力機構65を制御するための情報(報知情報)を動力制御部60に出力する。動力機構65は、車両1Dを移動させるため機構であって、例えば、エンジンまたはモータなど、車輪を駆動する動力となる機構である。動力制御部60は、報知情報に基づいて、車両1Dの動力機構65を制御する。この制御によって、この例では、出力部105Cが合成音信号Ssをスピーカ70に出力しているとき、すなわち合成音モードであるときに車両1Dが移動できる状態とする。一方、出力部105Cが再生音信号Srをスピーカ70に出力しているとき、すなわち再生音モードであるときには車両1Dの移動が制限される状態とする。車両1Dの移動が制限される状態とは、動力機構65が車輪を駆動する動力を抑制または遮断した状態をいい、エンジンを停止したり、エンジンと車輪との動力の伝達経路を遮断したりする。なお、このような制御によれば、車両1Dが移動可能かどうかによって、動作モードを再生音モードであるか合成音モードであるかを外部に報知しているともいえる。
このような制御機能を有する車両1Dによれば、ユーザがヘッドホン7を装着して車両1Dを運転する場合に、動作モードが再生音モードに設定されているときには車両1Dを動かすことができず、合成音モードに設定されていることにより車両1Dを動かすことができる。これによって、車両1Dを運転するときの安全性が向上する。マイクロフォン72が車両1Dの外側の音が入力されるように配置されると、車内にいるユーザにとっては車外の音を聞き取りやすくなるため、より安全性が高まる。
<第6実施形態>
第5実施形態では、動作モードが合成音モードであるときに車両1Dを動かすことができるようになっていたが、第6実施形態では、車両1Eを動かすときに自動的に動作モードが合成音モードに切り替えられる例について説明する。
図13は、本発明の第6実施形態における制御機能の構成を説明する図である。
車両1Eは、制御部10E、再生部13、通信部15C、動力制御部60E、動力機構65、マイクロフォン72、操作部78およびメモリ90を備える。制御部10Eは、合成部101、出力部105E、報知制御部107Cおよび登録部109によって制御機能を実現する。ヘッドホン7は、第4実施形態と同様の構成である。第1、第4、第5実施形態と同じ符号が付された他の構成については、その機能が第1、第4、第5実施形態と同様である。
動力制御部60Eは、ユーザの指示(キー操作、アクセル操作、ブレーキ操作等)を受け付けて、その指示に応じて動力機構65を制御することによって車両1Eを移動させる。このとき、動力制御部60Eは、動力機構65への制御内容に応じた動力制御情報を出力部105Eに出力する。出力部105Eは、動力制御情報に基づいて、再生音信号Srおよび合成音信号Ssのいずれか一方を選択して、スピーカ70に出力する。この例では、出力部105Eは、動力制御部60Eが動力機構65を制御して車両1Eを移動させているときには、合成音信号Ssをスピーカ70に出力し、車両1Eを停止させているときには再生音信号Srをスピーカ70に出力する。
このような制御機能を有する車両1Eによれば、ユーザがヘッドホン7を装着して車両1Eを運転する場合に、車両1Eを移動するように動力機構65が制御されると、動作モードが再生音モードから合成音モードに自動的に切り替えられる。これによって、車両1Eを運転するときの安全性が向上する。
<第7実施形態>
第7実施形態では、合成音信号Ssに含まれる再生音信号Srと外部音信号Seとの割合によってLEDランプ75の発光状態を変化させるヘッドホン1Fについて説明する。
図14は、本発明の第7実施形態における制御機能の構成を説明する図である。ヘッドホン1Fは、制御部10F、通信部15、スピーカ70、マイクロフォン72、LEDランプ75、操作部78およびメモリ90を備える。制御部10Bは、合成部101、音量比算出部103、出力部105、報知制御部107Fおよび登録部109によって制御機能を実現する。第1実施形態と同じ符号が付された他の構成については、その機能が第1実施形態と同様である。したがって、それらの機能についての説明は省略される。
音量比算出部103は、再生音信号Srと外部音信号Seとを取得し、外部音信号Seの信号レベルに対する再生音信号Srの信号レベルの信号割合を算出して、報知制御部107Fに出力する。報知制御部107Fは、第1実施形態と同様に、出力部105Eから出力される選択情報に応じて、LEDランプ75を制御する。この例では、出力部105Eは、さらに、音量比算出部103から出力される信号割合に応じて、LEDランプ75を制御する。この例では、報知制御部107Fは、合成音信号Ssがスピーカ70に出力されているとき、すなわち、合成音モードであるときには、LEDランプ75を発光状態に制御する一方、信号割合が所定値以上になると、LEDランプ75を消灯して非発光状態に制御する。
合成モードであるときに外部音信号Seの信号レベルに対する再生音信号Srの信号レベルの割合が大きくなると、合成音信号Ssに含まれる外部音信号Seの割合が少なくなり、ユーザが外部音を聴取できず実質的に再生音モードに近い状況になる場合がある。例えば、オーディオプレイヤ1Cに設定される音量レベルを大きくすると、再生音信号Srの信号レベルが高くなる。これによって、合成音モードに設定しながら、実質的に再生音モードに近い状況を作り出すこともできる。一方、このような制御機能を有するヘッドホン1Fによれば、合成音信号Ssに含まれる外部音信号Seの割合が少なくなったときに、LEDランプ75を非発光状態に制御することができる。
なお、音量比算出部103は、算出した信号割合を報知制御部107Fに出力するのではなく、合成部101に出力するようにしてもよい。この場合には、合成部101は、取得した信号割合を参照して、外部音信号Seの信号レベルに対する再生音信号Srの信号レベルの割合が所定値以上に大きくならないように、再生音信号Srの信号レベルまたは外部音信号Seの信号レベルを調整してから加算してもよい。
<第8実施形態>
第1実施形態では、LEDランプ75の発光状態によってヘッドホン1の外観を変化させることによって、ヘッドホン1の動作モードを外部に報知していたが、別の方法によって外部に報知してもよい。第8実施形態では、機械的な構造体が動くことによりヘッドホンの外観を変化させる例について説明する。
図15は、本発明の第8実施形態におけるヘッドホンの外観の変化を説明する図である。図15に示すように左ハウジング80GLには、半円状の開口部88Lが設けられている。開口部88Lから一部が露出するように左ハウジング80GLの内部に円盤750Lが配置されている。円盤750Lは、中心軸753Lを回転中心として回転可能に左ハウジング80GLに取り付けられている。円盤750Lは、例えば、モータ等によって回転される。
円盤750Lは、色が異なる2つの領域に区分されている。この2つの領域は、第1領域751Lおよび第2領域752Lである。この例では、第1領域751Lは、左ハウジング80GLの表面の色とは大きく異なる色を有する。第2領域752Lは、左ハウジング80GLの表面の色に類似した色または同一の色を有する。
第1実施形態では、LEDランプ75は、再生音モードであるときには非発光状態に制御され、合成音モードであるときには発光状態に制御された。第8実施形態では、円盤750Lのうち、開口部88Lから露出される領域が動作モードによって異なるように制御される。この例では、再生音モードであるときに開口部88Lから第2領域752Lが露出し、合成音モードであるときに開口部88Lから第1領域751Lが露出するように、円盤750Lの回転方向の位置が制御される。
なお、動作モードを外部に報知するための機械的な構造体は、上述した構成に限られず、様々な構成が取り得る。すなわち、動作モードが切り替えられることによって位置が変化する構造体であればよい。このとき、機械的な構造体は、ヘッドホンがユーザの耳に装着されているときに、外部から視認できる位置であって、合成音モードであるときの方が再生音モードであるときよりも、外部から視認したときに目立つようになっていることが望ましい。
<第9実施形態>
第8実施形態では、機械的な構造体が動くことによりヘッドホンの外観を変化させることで動作モードを外部に報知していたが、第9実施形態では、この機械的な構造体がユーザによって移動可能であるとともに、操作部と共用されている例について説明する。
図16は、本発明の第9実施形態におけるヘッドホンの外観の変化を説明する図である。図16に示すように左ハウジング80HLには、スライドして移動可能なスイッチ78HLが配置されている。スイッチ78HLが移動できる範囲は、色が異なる2つの領域に区分されている。この2つの領域は、第1領域781HLおよび第2領域782HLである。この例では、第1領域781HLは、左ハウジング80HLの表面の色とは大きく異なる色を有する。第2領域782HLは、左ハウジング80HLの表面の色に類似した色または同一の色を有する。
この例では、第2領域782HLが露出するようにスイッチ78HLを移動させる(図示における右側)と、再生音モードとして設定される。一方、第1領域781HLが露出するようにスイッチ78HLを移動させる(図示における左側)と、合成音モードとして設定される。このように、第9実施形態においても、ヘッドホンの外観を変化させることで、動作モードを外部に報知することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の一実施形態は、以下のように様々な形態に変形することもできる。また、上述した実施形態および以下に説明する変形例は、それぞれ互いに組み合わせて適用することもできる。
(1)ヘッドホンがユーザの耳に装着される例を用いて説明したが、ユーザの耳に装着される装置は、ヘッドホンではなくイヤホンであってもよい。イヤホンである場合には、ユーザの耳に装着するため構成(装着部)としては、ハウジングそのものであってもよいし、イヤーピースであってもよい。なお、ヘッドホンにヘッドバンドがなく左右の構成が分離しているものである場合には、フック等を用いることで、ハウジング80をユーザの耳に装着できるようにすればよい。また、ヘッドホンの左右の構成をヘルメット等に取り付けた構成であってもよい。この場合、スピーカ70はヘルメットの内側に放音するように配置され、LEDランプ75はヘルメットの外部に向けて発光するように配置され、マイクロフォン72はヘルメットの外部からの音が入力されるように配置されるようにすればよい。このように、LEDランプ75とは、装着部に対してスピーカ70とは反対側に配置されていればよい。
(2)合成音モードであるときにはLEDランプ75が発光状態となるが、点灯タイミングが時刻t1よりも後であってもよいし、消灯タイミングが時刻t2よりも前に行われてもよい。消灯タイミングを時刻t2よりも前にする場合には、報知制御部107は、選択信号ではなく操作信号を用いることで、スピーカ70への出力信号が合成音信号Ssから再生音信号Srに切り替えられる前にLEDランプ75を消灯することができる。
(3)メモリ90に登録される期間情報は、時刻t1と時刻t1からの経過時間(合成音信号Ssが出力されていた時間)によって示されてもよいし、時刻t2と時刻t2までの経過時間(合成音信号Ssが出力されていた時間)によって示されてもよい。また、時刻t1において合成音信号Ssがスピーカ70に出力されていることを示す情報をメモリ90する一方、時刻t2においてその情報を削除するようにしてもよい。
(4)マイクロフォン72(72L、72R)は左右に設けられ、外部音信号Seが合成音信号Ssに含まれてステレオ信号として最終的にスピーカ70(70L、70R)に供給されるが、外部音信号Seはモノラル信号であってもよい。この場合には、マイクロフォン72は、左右のいずれかが設けられていればよい。
(5)メモリ90は用いられなくてもよい。この場合には、制御機能の実現において登録部109は不要である。また、第5、第6実施形態のように、車両1D、1Eの場合には、メモリ90は、ドライブレコーダ等、車両の挙動に関連した挙動情報が登録されるメモリと共通化してもよい。この場合には、登録部109は、このようなメモリに期間情報を登録する。このとき、他の挙動情報と関連付けられてもよい。
(6)合成部101は、外部音信号Seの位相を反転させて再生音信号Srに加算した第2合成信号をさらに生成してもよい。この第2合成信号がスピーカ70に出力されると、いわゆるノイズキャンセル機能として用いることもできる。この場合は、切り替え可能な動作モードにノイズキャンセルモードが追加されればよい。
(7)合成部101は、再生音信号Srと外部音信号Seとを加算することによって合成した音を出力する。このとき、他の処理が含まれていてもよい。例えば、この加算の前に、周波数領域で再生音信号Srから外部音信号Seを減衰させる処理(いわゆるスペクトルサブトラクション法による処理)を実行することによって、再生音信号Srから外部音信号Seの周波数生分を減衰させてもよい。ある周波数において、再生音信号Srと外部音信号Seとが逆相の関係である場合、これらを単に加算すると、逆相成分が減衰されて合成音において外部音が聞き取りにくくなってしまう場合がある。一方、このスペクトルサブトラクション法による処理を事前にしておくことで、そのような逆相成分が含まれていたとしても、合成音において外部音を明瞭にすることもできる。