JP7243082B2 - 混練異常度学習装置、混練異常度推定装置、混練異常度学習方法、混練異常度推定方法及びプログラム - Google Patents

混練異常度学習装置、混練異常度推定装置、混練異常度学習方法、混練異常度推定方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、混練異常度学習装置、混練異常度推定装置、混練異常度学習方法、混練異常度推定方法及びプログラムに関する。
ゴム混練機における混練異常を判定する技術が知られている。例えば特許文献1には、ゴム混練時における各混練バッチの波形の変化を正常時の基準波形と照合することで、各混練バッチが正常混練であるか異常混練であるかを判定することが記載されている。
また特許文献2には、各混練ロットの平均混練波形と規格混練波形とを比較して、正常時の許容値範囲外の波動変動である場合には、ゴム混練の混合仕様を書き換えることが記載されている。
また特許文献3には、混練機のロータの回転駆動に要する瞬時電力量を積算した積算電力量を積算回転数で割った値を演算値と、正常値と、を比較して、混練バッチの混練異常の有無を判定することが記載されている。
また特許文献4には、対象となる混練バッチについて得られた混練波形と、予め作成した基準混練波形に対する許容範囲とを比較照合することによって、混練バッチが正常であるか異常であるかの判定を行うことが記載されている。
特開平6-344334号公報 特開平6-344335号公報 特開2014-226910号公報 特開2017-56666号公報
発明者らは、機械学習モデルを用いて密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度の推定を行うことを検討している。ここで当該機械学習モデルに入力される入力特徴量データに含まれる要素数は、所定数にする必要がある。
ところが混練バッチの混練の開始から終了までの時間はまちまちである。そのため瞬時電力値や温度などといった密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データに含まれる要素数が混練バッチの混練の開始から終了までの時間に応じたものである場合は、当該測定データに含まれる要素数はまちまちとなる。例えば、測定値が所定の時間間隔で測定される場合は、当該測定データに含まれる要素数は、混練の開始から終了までの時間に比例することとなる。
そのため機械学習モデルを用いた混練バッチの混練の異常度の推定において当該測定データをそのまま当該機械学習モデルに入力することができない。
また上記特許文献1~4に記載の技術では、そもそも機械学習モデルが用いられていないため上記実情は存在しない。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データに含まれる要素数がまちまちであっても、当該測定データを用いて機械学習モデルによる当該混練バッチの混練の異常度の推定が可能な混練異常度学習装置、混練異常度推定装置、混練異常度学習方法、混練異常度推定方法及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る混練異常度学習装置は、密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度の推定に用いられる機械学習モデルの学習を実行する混練異常度学習装置であって、前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得する測定データ取得手段と、前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する入力特徴量データ生成手段と、前記入力特徴量データを前記機械学習モデルに入力した際の出力を用いて、前記機械学習モデルの学習を実行する学習手段と、を含む。
本発明の一態様では、前記測定データ取得手段が取得する測定データが所与の条件を満足するか否かに応じて、当該測定データを前記機械学習モデルの学習に用いるか否かを決定する決定手段、をさらに含み、前記入力特徴量データ生成手段は、前記機械学習モデルの学習に用いることが決定される前記測定データに基づいて、前記入力特徴量データを生成する。
この態様では、前記決定手段は、前記測定データ取得手段が取得する測定データが示す測定値が測定される前記開始から前記終了までの時間の長さが所定の範囲に含まれるか否かに応じて、当該測定データを前記機械学習モデルの学習に用いるか否かを決定してもよい。
また、本発明の一態様では、前記入力特徴量データ生成手段は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる数の要素を含む前記入力特徴量データを生成する。
この態様では、前記入力特徴量データ生成手段は、前記ラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記測定データが示す測定値の代表値を要素として含む前記入力特徴量データを生成してもよい。
また、本発明の一態様では、前記入力特徴量データ生成手段は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが最初に所定の下方位置に配置されるまでにおける、前記ラムが所定の上方位置に配置された状態で混練を行う際の前記測定データに基づいて、前記入力特徴量データを生成する。
また、本発明に係る混練異常度推定装置は、密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度を推定する混練異常度推定装置であって、前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得する測定データ取得手段と、前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する入力特徴量データ生成手段と、前記入力特徴量データを学習済の機械学習モデルに入力した際の出力に基づいて、前記混練バッチの混練の異常度を推定する推定手段と、を含む。
本発明の一態様では、前記測定データ取得手段が取得する測定データが所与の条件を満足するか否かに応じて、当該測定データを推定に用いるか否かを決定する決定手段、をさらに含み、前記入力特徴量データ生成手段は、推定に用いることが決定される前記測定データに基づいて、前記入力特徴量データを生成する。
この態様では、前記決定手段は、前記測定データ取得手段が取得する測定データが示す測定値が測定される前記開始から前記終了までの時間の長さが所定の範囲に含まれるか否かに応じて、当該測定データを推定に用いるか否かを決定してもよい。
また、本発明の一態様では、前記入力特徴量データ生成手段は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる数の要素を含む前記入力特徴量データを生成する。
この態様では、前記入力特徴量データ生成手段は、前記ラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記測定データが示す測定値の代表値を要素として含む前記入力特徴量データを生成してもよい。
また、本発明の一態様では、前記入力特徴量データ生成手段は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが最初に所定の下方位置に配置されるまでにおける、前記ラムが所定の上方位置に配置された状態で混練を行う際の前記測定データに基づいて、前記入力特徴量データを生成する。
また、本発明に係る混練異常度学習方法は、密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度の推定に用いられる機械学習モデルの学習を実行する混練異常度学習方法であって、前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得するステップと、前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成するステップと、前記入力特徴量データを前記機械学習モデルに入力した際の出力を用いて、前記機械学習モデルの学習を実行するステップと、を含む。
また、本発明に係る混練異常度推定方法は、密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度を推定する混練異常度推定方法であって、前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得するステップと、前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成するステップと、前記入力特徴量データを学習済の機械学習モデルに入力した際の出力に基づいて、前記混練バッチの混練の異常度を推定するステップと、を含む。
また、本発明に係るプログラムは、密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度の推定に用いられる機械学習モデルの学習を実行するコンピュータに、前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得する手順、前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する手順、前記入力特徴量データを前記機械学習モデルに入力した際の出力を用いて、前記機械学習モデルの学習を実行する手順、を実行させる。
また、本発明に係る別のプログラムは、密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度を推定するコンピュータに、前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得する手順、前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する手順、前記入力特徴量データを学習済の機械学習モデルに入力した際の出力に基づいて、前記混練バッチの混練の異常度を推定する手順、を実行させる。
本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。 1つの混練バッチの混練の開始から終了までにおけるラムの位置の時間変化の一例を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。 測定データの一例を示す図である。 入力特徴量データの一例を示す図である。 入力特徴量データの別の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置で行われる学習処理の流れの一例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置で行われる推定処理の流れの一例を示すフロー図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置10は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータである。図1に示すように情報処理装置10は、例えば、プロセッサ12、記憶部14、通信部16、表示部18、操作部20を含んでいる。
プロセッサ12は、例えば情報処理装置10にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである。
記憶部14は、ROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである。記憶部14には、プロセッサ12によって実行されるプログラムなどが記憶される。
通信部16は、例えばネットワークボードなどの通信インタフェースである。本実施形態では通信部16を介して情報処理装置10は、バンバリーミキサーなどの密閉式ゴム混練機22と通信可能となっている。
表示部18は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスであって、プロセッサ12の指示に従って各種の画像を表示する。
操作部20は、キーボードやマウスなどといったユーザインタフェースであって、ユーザの操作入力を受け付けて、その内容を示す信号をプロセッサ12に出力する。
なお、情報処理装置10は、DVD-ROMやBlu-ray(登録商標)ディスクなどの光ディスクを読み取る光ディスクドライブ、USB(Universal Serial Bus)ポートなどを含んでいてもよい。
本実施形態では例えば、密閉式ゴム混練機22において、未加硫ゴムの混練バッチが連続的に混練される。図2は、1つの混練バッチの混練の開始から終了までにおける、密閉式ゴム混練機22が備えるラムの位置の時間変化の一例を模式的に示す図である。
図2では、混練バッチの混練の開始からの時間tが横軸に示されており、ラムの位置hが縦軸に示されている。以下、混練バッチの混練の開始からの経過時間がtである際の時刻を時刻tと呼ぶこととする。またラムの位置がh1である場合よりもh2である場合の方が、ラムは上方に位置していることとする。またラムの位置がh2である場合よりもh3である場合の方が、ラムは上方に位置していることとする。
本実施形態に係る密閉式ゴム混練機22では、投入されるゴムをできるだけ均一にするために1つの混練バッチの混練において密閉式ゴム混練機22が備えるラムは複数回上下するよう制御される。図2の例では、時刻t1が到来すると位置h3にあるラムは下降を開始する。そして時刻t2にラムは所定の下方位置である位置h1に到達する。その後、時刻t3にラムは上方に移動を開始し、時刻t4にラムは位置h2に到達する。その後、時刻t5にラムは再度下降を開始し、時刻t6にラムは位置h1に到達する。その後、時刻t7にラムは再度上方に移動を開始し、時刻t8にラムは位置h2に到達する。その後、時刻t9にラムは再度下降を開始し、時刻t10にラムは位置h1に到達する。そして時刻t11にラムは上方に移動を開始し、時刻t12にラムが位置h2に到達し、その後、混練バッチの混練は終了となる。
1つの混練バッチの混練においては、ラムが所定の下方位置である位置h1に配置されている状態で混練する工程を1ステージとして、複数のステージが繰り返される。図2の例では、1つの混練バッチの混練において3ステージが行われることとなる。すなわち、時刻t2から時刻t3までが第1ステージに相当し、時刻t6から時刻t7が第2ステージに相当し、時刻t10から時刻t11が第3ステージに相当する。また時刻t4から時刻t5まで、及び、時刻t8から時刻t9までの、ラムが位置h2に位置する時間においては、投入されたゴムの水分、揮発分が除去される。
また本実施形態に係る密閉式ゴム混練機22では時刻t1よりも前に加硫剤が投入される。そのため本実施形態に係る密閉式ゴム混練機22では加硫剤が加えられた状態で混練が行われることとなる。
そして混練の際に、密閉式ゴム混練機22の瞬時電力値や温度、密閉式ゴム混練機22が備えるロータの回転数、密閉式ゴム混練機22が備えるラムの位置などといった、密閉式ゴム混練機22の状態の測定が行われる。そして密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値のデータが、密閉式ゴム混練機22から情報処理装置10に送信される。
そして情報処理装置10において、密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値の時系列を示す測定データに基づいて、当該混練バッチの混練が正常であるか異常であるかが判定される。ここで当該混練バッチの混練が正常であると判定されると、密閉式ゴム混練機22のドロップドアが開くよう制御される。その結果、当該混練バッチが密閉式ゴム混練機22から排出され、後工程に回される。一方、当該混練バッチの混練が異常であると判定されると、例えば警告音の出力などの異常通知が行われたり、密閉式ゴム混練機22のドロップドアが閉制御されたりする。
以下、情報処理装置10に実装されている機械学習モデルの学習、及び、情報処理装置10による混練バッチの混練の異常度の推定についてさらに説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理装置10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係る情報処理装置10で、図3に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図3に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
図3に示すように、情報処理装置10には、機能的には例えば、機械学習モデル30、学習データ記憶部32、学習データ取得部34、学習データ利用決定部36、学習入力特徴量データ生成部38、学習部40、ターゲット測定データ取得部42、ターゲット測定データ利用決定部44、ターゲット入力特徴量データ生成部46、推定部48、ドロップドア制御部50、が含まれる。機械学習モデル30は、プロセッサ12及び記憶部14を主として実装される。学習データ記憶部32は、記憶部14を主として実装される。学習データ取得部34、学習データ利用決定部36、学習入力特徴量データ生成部38、学習部40、ターゲット測定データ利用決定部44、ターゲット入力特徴量データ生成部46、推定部48は、プロセッサ12を主として実装される。ターゲット測定データ取得部42、ドロップドア制御部50は、プロセッサ12及び通信部16を主として実装される。
以上の機能は、コンピュータである情報処理装置10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ12で実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介して情報処理装置10に供給されてもよい。
情報処理装置10における、機械学習モデル30、学習データ記憶部32、学習データ取得部34、学習データ利用決定部36、学習入力特徴量データ生成部38、学習部40の機能は、密閉式ゴム混練機22により未加硫ゴムの混練バッチを連続的に混練する際の当該混練バッチの混練の異常度の推定に用いられる機械学習モデル30の学習を実行する学習装置としての機能に相当する。
また情報処理装置10における、機械学習モデル30、ターゲット測定データ取得部42、ターゲット測定データ利用決定部44、ターゲット入力特徴量データ生成部46、推定部48、ドロップドア制御部50の機能は、密閉式ゴム混練機22により未加硫ゴムの混練バッチを連続的に混練する際の当該混練バッチの混練の異常度を推定する混練異常度推定装置としての機能に相当する。
機械学習モデル30は、本実施形態では例えば、アダブースト、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシン(SVM)、最近傍識別器、などの機械学習が実装された機械学習モデルである。
ここで当該機械学習モデル30は、混練が正常であるか異常であるかを判定する判定モデルであってもよい。そしてこの場合に、当該機械学習モデル30が、入力に応じて、例えば混練バッチの混練が正常であるか異常であるかを示す1ビットのデータを出力してもよい。
また当該機械学習モデル30は、混練が異常である程度を示すデータを出力する回帰モデルであってもよい。そしてこの場合に、当該機械学習モデル30が、入力に応じて、例えばコンパウンド判定に用いられるレオメータによる弾性測定での測定値の推定値を出力してもよい。
学習データ記憶部32は、本実施形態では例えば、機械学習モデル30の学習に用いられる学習データを記憶する。学習データには、例えば、混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値の時系列を示す測定データと、混練の異常度を示す所与の教師データと、が含まれている。以下、学習データに含まれる測定データを学習測定データと呼ぶこととする。
図4は、測定データのデータ構造の一例を示す図である。ここで例えば、学習測定データのデータ構造も、機械学習モデル30を用いた混練の異常度の推定の際に用いられる測定データである後述のターゲット測定データのデータ構造も、図4に示すものであることとする。
図4には、2つの測定値の時系列を示す測定データが例示されている。ここで例えばa(1)~a(N)は、密閉式ゴム混練機22の瞬時電力値の時系列を示すデータであり、b(1)~b(N)は、密閉式ゴム混練機22の温度の時系列を示すデータであってもよい。
本実施形態では例えば、所定の時間間隔(ここでは例えば1秒間隔)で密閉式ゴム混練機22の状態の測定が行われることとする。ここで例えば、混練バッチの混練の開始から終了までの時間がt秒である場合は、値Nは、tとなる。例えば混練バッチの混練の開始から終了までの時間が90秒である場合は、値Nは、90となる。この場合は、測定データに含まれる要素の数は180となる。また例えば、混練バッチの混練の開始から終了までの時間が110秒である場合は、値Nは、110となる。この場合は、測定データに含まれる要素の数は220となる。
密閉式ゴム混練機22における混練の終了条件としては、例えば、温度、電力、時間のそれぞれについての条件が予め設定される。そしていずれかの終了条件を満足すると、混練は終了される。例えば初期温度が高い場合は、早い時点で温度の終了条件を満足することとなるので、通常よりも早く混練が終了される。このようにして、本実施形態に係る密閉式ゴム混練機22における混練の開始から終了までの時間はまちまちなものとなる。そのため上述の値Nは、混練バッチによってまちまちとなる。
また学習データに含まれる教師データには、当該学習データに含まれる学習測定データが示す測定値が測定された際の混練の異常度が示される。ここで例えば、機械学習モデル30が判定モデルである場合に、教師データは、混練が正常であるか異常であるかを示す1ビットのデータであってもよい。また例えば、機械学習モデル30が回帰モデルである場合に、教師データは、レオメータによる弾性測定での測定値を示すデータであってもよい。
学習データ取得部34は、本実施形態では例えば、機械学習モデル30の学習に用いられる学習データを取得する。ここで学習データ取得部34は、学習データ記憶部32に記憶されている学習データを取得してもよい。
学習データ利用決定部36は、本実施形態では例えば、学習データ取得部34が取得する学習データを機械学習モデル30の学習に用いるか否かを決定する。ここで例えば、学習データに含まれる学習測定データが所与の条件を満足するか否かに応じて、当該学習測定データを含む学習データを機械学習モデル30の学習に用いるか否かが決定されてもよい。
例えば、学習測定データが示す測定値が測定される、混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さが所定の範囲に含まれるか否かに応じて、当該学習測定データを含む学習データを機械学習モデル30の学習に用いるか否かが決定されてもよい。例えば、学習測定データが示す測定値が測定される、混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さが200秒以上である場合は、当該学習測定データを含む学習データを機械学習モデル30の学習に用いないことが決定されてもよい。この場合、当該時間の長さが200秒未満である場合は、当該学習測定データを含む学習データを機械学習モデル30の学習に用いることが決定されることとなる。また例えば、当該時間の長さが80秒以下、又は、140秒以上である場合は、当該学習測定データを含む学習データを機械学習モデル30の学習に用いないことが決定されてもよい。
また例えば、学習測定データが示す瞬時電力値に値が0であるものを含む場合、すなわちa(1)~a(N)のいずれかの値が0である場合は、当該学習測定データを含む学習データを機械学習モデル30の学習に用いないことが決定されてもよい。
学習入力特徴量データ生成部38は、本実施形態では例えば、機械学習モデル30の学習に用いられる測定データに基づいて、混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する。以下、学習測定データに基づいて生成される入力特徴量データを、学習入力特徴量データと呼ぶこととする。
図5は、図4に示す測定データに基づいて生成される入力特徴量データのデータ構造の一例を示す図である。ここで例えば、学習入力特徴量データのデータ構造も、機械学習モデル30を用いた混練の異常度の推定の際に用いられる入力特徴量データである後述のターゲット入力特徴量データのデータ構造も、図5に示すものであることとする。
図5に示す入力特徴量データの要素数は200である。ここで例えば、図4に示す測定データに含まれる要素a(1)~a(N)、及び、b(1)~b(N)の値に基づいて、200の要素を含む入力特徴量データが生成される。図5には、入力特徴量データに含まれる要素として、c(1)、c(2)、c(3)、・・・c(100)、及び、d(1)、d(2)、d(3)・・・d(100)が示されている。ここで測定データに含まれる要素の値を補間することにより、入力特徴量データに含まれる要素の値が決定されてもよい。例えば線形補間やスプライン補間などの公知の補間手法を用いて算出される、要素a(1)~a(N)を実関数とみなした場合におけるa(N×m/100)の値が、入力特徴量データに含まれる要素c(m)の値として決定されてもよい。なお値mは1以上100以下の整数である。同様に、例えば線形補間やスプライン補間などの公知の補間手法を用いて算出される、要素b(1)~b(N)を実関数とみなした場合におけるb(N×m/100)の値が、入力特徴量データに含まれる要素d(m)の値として決定されてもよい。
なお入力特徴量データに含まれる要素の数は、測定データに含まれる要素の数よりも多くてもよいし少なくてもよい。例えば値Nが100より大きい場合は入力特徴量データに含まれる要素の数は測定データに含まれる要素の数よりも少ないこととなる。また例えば値Nが100より小さい場合は入力特徴量データに含まれる要素の数は測定データに含まれる要素の数よりも多いこととなる。
また測定データに含まれる要素のうちから200の要素が入力特徴量データに含まれる要素としてサンプリングされてもよい。例えば、Nが100の倍数である場合にa(1)~a(N)、及び、b(1)~b(N)のそれぞれについて、N/100個間隔でサンプリングが行われてもよい。この場合、要素a(N/100)、a(N/50)、・・・a(N)の値がそれぞれc(1)、c(2)、・・・c(100)の値として決定されてもよい。また、要素b(N/100)、b(N/50)、・・・b(N)の値がそれぞれd(1)、d(2)、・・・d(100)の値として決定されてもよい。例えば、値Nが9000である場合は、90個間隔でサンプリングが行われてもよい。また例えば、値Nが11000である場合は、110個間隔でサンプリングが行われてもよい。
上述のように学習測定データに含まれる要素の数はまちまちであるが、このようにして本実施形態では測定データに含まれる要素の数がいくつであっても、所定数の要素を含む学習入力特徴量データが生成されることとなる。
なお入力特徴量データに含まれる要素の値として、複数の測定データの値を補間した値が設定されてもよい。
学習部40は、本実施形態では例えば、入力特徴量データを機械学習モデル30に入力した際の出力を用いて、機械学習モデル30の学習を実行する。ここで例えば、学習データに含まれる学習測定データに基づいて生成される入力特徴量データを機械学習モデル30に入力した際の出力と、当該学習データに含まれる教師データと、の差が特定されてもよい。そして特定される差に基づいて機械学習モデル30のパラメータの値が更新される教師あり学習が実行されてもよい。
本実施形態では複数の入力特徴量データによる機械学習モデル30の学習が実行される。そして学習済の機械学習モデル30を用いて、密閉式ゴム混練機22により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度が推定される。
ターゲット測定データ取得部42は、本実施形態では例えば、混練の異常度の推定の対象となる、混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得する。以下、混練の異常度の推定の対象となる測定データをターゲット測定データと呼ぶこととする。上述のようにターゲット測定データのデータ構造は、図4に例示されているものと同様である。
ここで例えば、混練バッチの混練の開始の際に密閉式ゴム混練機22が情報処理装置10にその旨を通知してもよい。そしてその後、密閉式ゴム混練機22が情報処理装置10に、密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値を示すデータを逐次送信してもよい。そして例えば、混練バッチの混練が終了した際に密閉式ゴム混練機22が情報処理装置10にその旨を通知してもよい。そしてターゲット測定データ取得部42が、密閉式ゴム混練機22から当該混練バッチの混練の開始の通知の受信から終了の通知の受信までに受信した、密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値を示すデータをターゲット測定データとして取得してもよい。
ターゲット測定データ利用決定部44は、本実施形態では例えば、ターゲット測定データ取得部42が取得するターゲット測定データが所与の条件を満足するか否かに応じて、当該測定データを推定に用いるか否かを決定する。ここで学習データ利用決定部36と同様に、ターゲット測定データが示す測定値が測定される、混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さが所定の範囲に含まれるか否かに応じて、当該ターゲット測定データを推定に用いるか否かが決定されてもよい。例えば、ターゲット測定データが示す測定値が測定される、混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さが200秒以上である場合は、当該ターゲット測定データを推定に用いないことが決定されてもよい。この場合、当該時間の長さが200秒未満である場合は、当該ターゲット測定データを推定に用いることが決定されることとなる。また例えば、当該時間の長さが80秒以下、又は、140秒以上である場合は、当該ターゲット測定データを推定に用いないことが決定されてもよい。
また例えば、ターゲット測定データが示す瞬時電力値に値が0であるものを含む場合、すなわちa(1)~a(N)のいずれかの値が0である場合は、当該ターゲット測定データを推定に用いないことが決定されてもよい。
ターゲット入力特徴量データ生成部46は、本実施形態では例えば、ターゲット測定データに基づいて、混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する。以下、ターゲット測定データに基づいて生成される入力特徴量データを、ターゲット入力特徴量データと呼ぶこととする。上述のようにターゲット入力特徴量データのデータ構造は、図5に例示されているものと同様である。
学習入力特徴量データと同様、ターゲット測定データに含まれる要素の数はまちまちである。そうであるにも関わらず、本実施形態によれば、ターゲット測定データに含まれる要素の数がいくつであっても、学習入力特徴量データに含まれる要素の数と同じ所定数の要素を含むターゲット入力特徴量データが生成されることとなる。
推定部48は、本実施形態では例えば、ターゲット入力特徴量データを学習済の機械学習モデル30に入力した際の出力に基づいて、当該混練バッチの混練の異常度を推定する。ここで機械学習モデル30が判定モデルである場合に、機械学習モデル30が、入力に応じて、混練が正常であるか異常であるかを示す1ビットのデータを出力してもよい。また機械学習モデル30が回帰モデルである場合に、機械学習モデル30が、入力に応じて、レオメータによる弾性測定での測定値の推定値などといった混練が異常である程度を示す推定値を出力してもよい。
ドロップドア制御部50は、本実施形態では例えば、推定部48による推定の結果に応じた、密閉式ゴム混練機22のドロップドアの開閉制御を実行する。
ここで例えば、機械学習モデル30の出力が、混練が正常であることを示す場合には、ドロップドア制御部50は、密閉式ゴム混練機22のドロップドアが開くよう制御してもよい。例えばドロップドア制御部50が密閉式ゴム混練機22にドロップドアの開制御信号を送信してもよい。そして密閉式ゴム混練機22が当該開制御信号の受信に応じてドロップドアが開くよう制御してもよい。
また例えば、機械学習モデル30の出力が、混練が異常であることを示す場合には、ドロップドア制御部50は、警告音の出力などの異常通知の出力や、密閉式ゴム混練機22のドロップドアの閉制御を実行してもよい。ここで例えば、情報処理装置10が異常通知を出力してもよい。またドロップドア制御部50が密閉式ゴム混練機22に異常通知信号を送信してもよい。そして密閉式ゴム混練機22が当該異常通知信号の受信に応じて警告音の出力などの異常通知の出力を実行してもよい。また密閉式ゴム混練機22が当該異常通知信号の受信に応じてドロップドアの閉制御を実行してもよい。
また例えば、機械学習モデル30の出力が推定値である場合は、ドロップドア制御部50は、当該推定値に基づいて、混練が正常であるか否かを判定してもよい。そしてドロップドア制御部50は、当該判定の結果に基づいて、上述のようなドロップドアの開閉制御を実行してもよい。
上述のように混練バッチの混練の開始から終了までの時間はまちまちである。そのため密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値の時系列を示す測定データに含まれる要素数が混練バッチの混練の開始から終了までの時間に応じたものである場合は、当該測定データに含まれる要素数はまちまちとなる。そのため機械学習モデル30を用いた混練バッチの混練の異常度の推定において当該測定データをそのまま当該機械学習モデル30に入力することができない。
本実施形態では上述のようにして測定データに含まれる要素の数がいくつであっても、所定数の要素を含む学習入力特徴量データ及びターゲット入力特徴量データが生成されるようにした。そのため本実施形態によれば密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値の時系列を示す測定データに含まれる要素数がまちまちであっても、当該測定データを用いて機械学習モデル30による当該混練バッチの混練の異常度の推定が可能となる。
また本実施形態では上述のように、測定データが混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さが所定の範囲に含まれるか否かなどといった所与の条件を満足するか否かに応じて、当該測定データを学習や推定に用いるか否かが推定されるようにした。そのため概ね妥当性が損なわれない程度の変動がある測定データを用いた学習や推定が行われることとなり、その結果、混練バッチの混練の異常度の推定精度がある程度確保できることとなる。
なお以上の説明では、a(1)~a(N)、及び、b(1)~b(N)を要素として含む、2つの測定値の時系列を示す測定データが用いられていたが、測定データが3つ以上の測定値の時系列を示していてもよい。また測定データが1つの測定値の時系列(例えば、a(1)~a(N))を示していてもよい。また密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値は瞬時電力値や温度には限定されず、例えば単位時間あたりのモータの回転数などであっても構わない。
また入力特徴量データは、測定データをサンプリングしたものや補間したものである必要はなく、例えば複数の種類の測定値から算出される値を要素として含むものであってもよい。例えば、入力特徴量データが例えば、瞬時電力値を積算した積算電力値を単位時間あたりのモータの回転数を積算した積算回転数で割った値を要素として含んでいてもよい。
また測定データに基づいて、密閉式ゴム混練機22が備えるラムが所定の下方位置(例えば位置h1)に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる数の要素を含む入力特徴量データが生成されてもよい。ここで例えば密閉式ゴム混練機22が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態である時間範囲の測定データに基づいて、複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる数の要素を含む入力特徴量データが生成されてもよい。
図6は、入力特徴量データのデータ構造の別の一例を示す図である。図6には、複数のステージのそれぞれに対応付けられる数の要素を含む入力特徴量データのデータ構造の一例が示されている。図6に例示する入力特徴量データには、3つのステージのそれぞれについて6個、計18個の要素が含まれている。当該入力特徴量データでは例えば測定データに含まれるa(1)~a(N)の要素のうち、第1ステージの時間範囲の要素が抽出され、その最小値、平均値、最大値がそれぞれa[min(1)]、a[ave(1)]、a[max(1)]の要素として設定される。また例えば、第2ステージの時間範囲の要素が抽出され、その最小値、平均値、最大値がそれぞれa[min(2)]、a[ave(2)]、a[max(2)]の要素として設定される。また例えば、第3ステージの時間範囲の要素が抽出され、その最小値、平均値、最大値がそれぞれa[min(3)]、a[ave(3)]、a[max(3)]の要素として設定される。
同様に、測定データに含まれるb(1)~b(N)の要素のうち、第1ステージの時間範囲の要素が抽出され、その最小値、平均値、最大値がそれぞれb[min(1)]、b[ave(1)]、b[max(1)]の要素として設定される。また例えば、第2ステージの時間範囲の要素が抽出され、その最小値、平均値、最大値がそれぞれb[min(2)]、b[ave(2)]、b[max(2)]の要素として設定される。また例えば、第3ステージの時間範囲の要素が抽出され、その最小値、平均値、最大値がそれぞれb[min(3)]、b[ave(3)]、b[max(3)]の要素として設定される。
このように、ラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、測定データが示す測定値の代表値を、要素として含む入力特徴量データが生成されてもよい。
図6に例示する入力特徴量データが用いられる場合も、測定データに含まれる要素の数がいくつであっても、所定数の要素を含む入力特徴量データが生成されることとなる。なおこの場合、学習入力特徴量データのデータ構造も、ターゲット入力特徴量データのデータ構造も、図6に示すものとなる。
またこの場合、例えば、所定の下方位置に配置された状態のラムの位置が不安定であるか否かが例えば位置を示す値hの分散に基づいて判定されてもよい。そしてラムの位置が不安定であると判定された場合は、当該測定データを学習や推定に用いないことが決定されてもよい。また例えば、密閉式ゴム混練機22が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態である時間範囲の測定データに値が0である要素が含まれる場合は、当該測定データを学習や推定に用いないことが決定されてもよい。また例えば、図6に例示する入力特徴量データに値が0である要素が含まれる場合は、当該入力特徴量データを学習や推定に用いないことが決定されてもよい。
また例えば複数のステージのそれぞれについて、当該ステージに対応付けられる時間範囲の測定データから、当該ステージに対応付けられる数の要素がサンプリングされてもよい。ここで各ステージについて同じ数の要素がサンプリングされてもよいし、異なる数の要素がサンプリングされてもよい。そして複数のステージについてサンプリングされた要素を含む入力特徴量データが生成されてもよい。また例えば複数のステージのそれぞれについて、当該ステージに対応付けられる時間範囲の測定データが示す測定値を補間することにより、当該ステージに対応付けられる数の要素を含む入力特徴量データが生成されてもよい。
また例えば、ラムが所定の上方位置に配置された状態で混練を行う際の測定データに基づいて、入力特徴量データが生成されてもよい。例えばラムが最初に所定の下方位置(例えば位置h1)に配置されるまでにおける、ラムが所定の上方位置(例えば位置h3)に配置された状態で混練を行う際の測定データに基づいて、入力特徴量データが生成されてもよい。例えば時刻t1までに測定された密閉式ゴム混練機22の状態を表す測定値の時系列を示す測定データに基づいて、入力特徴量データが生成されてもよい。
ここで、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる学習処理の流れの一例を、図7に例示するフロー図を参照しながら説明する。ここでは例えば複数の学習データが学習データ記憶部32に記憶されていることとする。
まず、学習データ取得部34が、学習データ記憶部32に記憶されている複数の学習データのうち、S102~S104に示す処理が実行されていないものを1つ取得する(S101)。
そして学習データ利用決定部36が、S101に示す処理で取得された学習データに含まれる学習測定データが所与の条件を満足するか否かに応じて、当該学習測定データを機械学習モデル30の学習に用いるか否かを決定する(S102)。
ここで学習に用いることが決定された場合は(S102:Y)、学習入力特徴量データ生成部38が、S101に示す処理で取得された学習データに含まれる学習測定データに基づいて、学習入力特徴量データを生成する(S103)。
そして、学習部40が、S103に示す処理で生成された学習入力特徴量データを機械学習モデル30に入力した際の出力を用いた、機械学習モデル30の学習を実行する(S104)。ここで例えば、当該出力と、S101に示す処理で取得された学習データに含まれる教師データと、の差に基づいて、機械学習モデル30のパラメータの値が更新されてもよい。
そして学習部40が、学習データ記憶部32に記憶されている複数の学習データのすべてについてS102~S104に示す処理が実行されたか否かを確認する(S105)。S102に示す処理で学習測定データを機械学習モデル30の学習に用いないことが決定された場合も(S102:N)同様に、学習部40が、学習データ記憶部32に記憶されている複数の学習データのすべてについてS102~S104に示す処理が実行されたか否かを確認する(S105)。
学習データ記憶部32に記憶されている複数の学習データのすべてについてS102~S104に示す処理が実行されていないことが確認された場合は(S105:N)、S101に示す処理に戻る。
学習データ記憶部32に記憶されている複数の学習データのすべてについてS102~S104に示す処理が実行されたことが確認された場合は(S105:Y)、本処理例に示す処理は終了される。
次に、本実施形態に係る情報処理装置10で行われる推定処理の流れの一例を、図8に例示するフロー図を参照しながら説明する。
まず、ターゲット測定データ取得部42が、ターゲット測定データを取得する(S201)。
そしてターゲット測定データ利用決定部44が、S201に示す処理で取得されたターゲット測定データが所与の条件を満足するか否かに応じて、当該ターゲット測定データを推定に用いるか否かを決定する(S202)。ここで推定に用いないことが決定された場合は(S202:N)、本処理例に示す処理は終了される。
推定に用いることが決定された場合は(S202:Y)、ターゲット入力特徴量データ生成部46が、S201に示す処理で取得されたターゲット測定データに基づいて、ターゲット入力特徴量データを生成する(S203)。
そして、推定部48が、S203に示す処理で生成されたターゲット入力特徴量データを機械学習モデル30に入力した際の出力に基づいて、当該混練バッチの混練の異常度を推定する(S204)。
そして、ドロップドア制御部50が、S204に示す処理における推定の結果に応じた、密閉式ゴム混練機22のドロップドアの開閉制御を実行して(S205)、本処理例に示す処理は終了される。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
また、上記の具体的な数値や文字列、並びに、図面中の具体的な数値や文字列は例示であり、これらの数値や文字列には限定されない。
10 情報処理装置、12 プロセッサ、14 記憶部、16 通信部、18 表示部、20 操作部、22 密閉式ゴム混練機、30 機械学習モデル、32 学習データ記憶部、34 学習データ取得部、36 学習データ利用決定部、38 学習入力特徴量データ生成部、40 学習部、42 ターゲット測定データ取得部、44 ターゲット測定データ利用決定部、46 ターゲット入力特徴量データ生成部、48 推定部、50 ドロップドア制御部。

Claims (12)

  1. 密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度の推定に用いられる機械学習モデルの学習を実行する混練異常度学習装置であって、
    複数の前記混練バッチのそれぞれにそれぞれが対応するとともに、当該混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを複数取得する測定データ取得手段と、
    前記複数の測定データのそれぞれについて、当該測定データに基づいて、当該測定データに対応付けられる、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する入力特徴量データ生成手段と、
    複数の前記入力特徴量データのそれぞれについての、当該入力特徴量データを前記機械学習モデルに入力した際の出力を用いて、前記機械学習モデルの学習を実行する学習手段と、
    を含み、
    前記入力特徴量データ生成手段は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記各測定データが示す測定値の代表値を要素として含む前記入力特徴量データを生成する、
    ことを特徴とする混練異常度学習装置。
  2. 前記測定データ取得手段が取得する測定データが所与の条件を満足するか否かに応じて、当該測定データを前記機械学習モデルの学習に用いるか否かを決定する決定手段、をさらに含み、
    前記入力特徴量データ生成手段は、前記機械学習モデルの学習に用いることが決定される前記測定データに基づいて、前記入力特徴量データを生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の混練異常度学習装置。
  3. 前記決定手段は、前記測定データ取得手段が取得する測定データが示す測定値が測定される前記開始から前記終了までの時間の長さが所定の範囲に含まれるか否かに応じて、当該測定データを前記機械学習モデルの学習に用いるか否かを決定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の混練異常度学習装置。
  4. 前記入力特徴量データ生成手段は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが最初に所定の下方位置に配置されるまでにおける、前記ラムが所定の上方位置に配置された状態で混練を行う際の前記測定データに基づいて、前記入力特徴量データを生成する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の混練異常度学習装置。
  5. 密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度を推定する混練異常度推定装置であって、
    前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得する測定データ取得手段と、
    前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する入力特徴量データ生成手段と、
    複数の学習混練バッチのそれぞれにそれぞれが対応するとともに、当該学習混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す複数の学習測定データにそれぞれが対応付けられる、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む複数の学習入力特徴量データを用いた学習が実行済である学習済の機械学習モデルに、前記入力特徴量データを入力した際の出力に基づいて、前記混練バッチの混練の異常度を推定する推定手段と、
    を含み、
    前記入力特徴量データ生成手段は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記測定データが示す測定値の代表値を要素として含む前記入力特徴量データを生成し、
    前記複数の学習入力特徴量データは、前記複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記各学習測定データが示す測定値の代表値を要素として含む、
    ことを特徴とする混練異常度推定装置。
  6. 前記測定データ取得手段が取得する測定データが所与の条件を満足するか否かに応じて、当該測定データを推定に用いるか否かを決定する決定手段、をさらに含み、
    前記入力特徴量データ生成手段は、推定に用いることが決定される前記測定データに基づいて、前記入力特徴量データを生成する、
    ことを特徴とする請求項に記載の混練異常度推定装置。
  7. 前記決定手段は、前記測定データ取得手段が取得する測定データが示す測定値が測定される前記開始から前記終了までの時間の長さが所定の範囲に含まれるか否かに応じて、当該測定データを推定に用いるか否かを決定する、
    ことを特徴とする請求項に記載の混練異常度推定装置。
  8. 前記入力特徴量データ生成手段は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが最初に所定の下方位置に配置されるまでにおける、前記ラムが所定の上方位置に配置された状態で混練を行う際の前記測定データに基づいて、前記入力特徴量データを生成する、
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の混練異常度推定装置。
  9. 密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度の推定に用いられる機械学習モデルの学習を実行する混練異常度学習方法であって、
    複数の前記混練バッチのそれぞれにそれぞれが対応するとともに、当該混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを複数取得する測定データ取得ステップと、
    前記複数の測定データのそれぞれについて、当該測定データに基づいて、当該測定データに対応付けられる、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する入力特徴量データ生成ステップと、
    複数の前記入力特徴量データのそれぞれについての、当該入力特徴量データを前記機械学習モデルに入力した際の出力を用いて、前記機械学習モデルの学習を実行する学習ステップと、
    を含み、
    前記入力特徴量データ生成ステップは、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記各測定データが示す測定値の代表値を要素として含む前記入力特徴量データを生成する、
    ことを特徴とする混練異常度学習方法。
  10. 密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度を推定する混練異常度推定方法であって、
    前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得する測定データ取得ステップと、
    前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する入力特徴量データ生成ステップと、
    複数の学習混練バッチのそれぞれにそれぞれが対応するとともに、当該学習混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す複数の学習測定データにそれぞれが対応付けられる、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む複数の学習入力特徴量データを用いた学習が実行済である学習済の機械学習モデルに、前記入力特徴量データを入力した際の出力に基づいて、前記混練バッチの混練の異常度を推定する推定ステップと、
    を含み、
    前記入力特徴量データ生成ステップは、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記測定データが示す測定値の代表値を要素として含む前記入力特徴量データを生成し、
    前記複数の学習入力特徴量データは、前記複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記各学習測定データが示す測定値の代表値を要素として含む、
    ことを特徴とする混練異常度推定方法。
  11. 密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度の推定に用いられる機械学習モデルの学習を実行するコンピュータに、
    複数の前記混練バッチのそれぞれにそれぞれが対応するとともに、当該混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを複数取得する測定データ取得手順、
    前記複数の測定データのそれぞれについて、当該測定データに基づいて、当該測定データに対応付けられる、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する入力特徴量データ生成手順、
    複数の前記入力特徴量データのそれぞれについての、当該入力特徴量データを前記機械学習モデルに入力した際の出力を用いて、前記機械学習モデルの学習を実行する学習手順、
    を実行させ
    前記入力特徴量データ生成手順は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記各測定データが示す測定値の代表値を要素として含む前記入力特徴量データを生成する、
    ことを特徴とするプログラム。
  12. 密閉式ゴム混練機により未加硫ゴムの混練バッチを混練する際の当該混練バッチの混練の異常度を推定するコンピュータに、
    前記混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す測定データを取得する測定データ取得手順、
    前記測定データに基づいて、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む入力特徴量データを生成する入力特徴量データ生成手順、
    複数の学習混練バッチのそれぞれにそれぞれが対応するとともに、当該学習混練バッチの混練の開始から終了までの時間の長さに応じた数の要素を含む、前記密閉式ゴム混練機の状態を表す測定値の時系列を示す複数の学習測定データにそれぞれが対応付けられる、前記開始から前記終了までの時間の長さによらない所定数の要素を含む複数の学習入力特徴量データを用いた学習が実行済である学習済の機械学習モデルに、前記入力特徴量データを入力した際の出力に基づいて、前記混練バッチの混練の異常度を推定する推定手順、
    を実行させ
    前記入力特徴量データ生成手順は、前記密閉式ゴム混練機が備えるラムが所定の下方位置に配置された状態で混練を行う複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記測定データが示す測定値の代表値を要素として含む前記入力特徴量データを生成し、
    前記複数の学習入力特徴量データは、前記複数のステージのそれぞれについての、当該ステージに対応付けられる、前記各学習測定データが示す測定値の代表値を要素として含む、
    ことを特徴とするプログラム。
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