以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
〔実施の形態-1〕
図1~図4において、オゾン噴流・換気殺菌装置11は、密閉された室内空間の空気中に浮遊し、又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する装置である。オゾン噴流・換気殺菌装置11は、上面板11a、前後左右の4カ所の側面板11b、及び下面板11cで囲まれた内部に、オゾン殺菌換気筒体12、オゾン下向き噴出器13、オゾン発生器14、コンプレッサー15及び制御盤16などが配置され、左又は右側の側面板11bの外部上部側にオゾン放出口17が取り付けられている。
オゾン噴流・換気殺菌装置11は、上面板11a、前後左右の4カ所の側面板11b、及び下面板11cで囲まれた直方体状の外形を有し、その装置11の下部側となる長方形の下面板11cの四隅には、下向きに移動用のキャスター11dがそれぞれ取り付けられている。オゾン噴流・換気殺菌装置11は、これら四個のキャスター11dを利用して移動自在になっていて、密閉された室内空間内を隈無く移動して、空気中に浮遊し又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する。
オゾン殺菌換気筒体12は、オゾン噴流・換気殺菌装置11の内部上部側に横向きに、例えば水平向きに配置されていて、その両端となる一端の吸入口12a及び他端の噴出口12bは開口されている。オゾン殺菌換気筒体12は例えば横長の円筒形の形状からなり、その開口された一端の吸入口12a及び他端の噴出口12bは上記の前後の側面板11bを横向きにそれぞれ貫通して外部に臨んでいる。前後の側面板11bにはオゾン殺菌換気筒体12の一端の吸入口12a及び他端の噴出口12bが貫通するための円形の貫通孔がそれぞれ形成されている。
オゾン殺菌換気筒体12の内部は中空な円筒形の形状からなり、円筒形の筒体内部の内周側には、オゾンを噴射するオゾン環状噴射口12cが形成されている。オゾン環状噴射口12cは、オゾン殺菌換気筒体12の一端の吸入口12a側寄りに、一端の吸入口12a側から他端の噴出口12b側に向けてオゾンを噴射するように、オゾン殺菌換気筒体12の筒体内部の中心側に向けて少し傾斜しながら吸入口12a側から噴出口12b側に向けて形成されている。
オゾン殺菌換気筒体12の一端の吸入口12a寄りの外周側面には、その周回り方向にオゾン環状供給路12dが形成されている。オゾン環状噴射口12cの後端はオゾン殺菌換気筒体12の一端の吸入口12a寄りの周側面を貫通して、オゾン環状供給路12dに連通している。オゾン環状供給路12dの内部に供給されたオゾンは、オゾン環状噴射口12cの後端からその内部に送り込まれ、先端から噴射されるようになっている。
オゾン殺菌換気筒体12は、内部に形成したオゾン環状噴射口12cからのオゾン噴射を利用して、開口する一端の吸入口12a側から空気を吸引し、他端の噴出口12b側からオゾンを含む空気を噴出して、密閉された室内空間の空気中に浮遊する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する機能を果たすものである。
すなわち、このオゾン殺菌換気筒体12では、その内部に取り付けられたオゾン環状噴射口12cから他端の噴出口12b側に向けてオゾンが噴射されることで、オゾン環状噴射口12cが取り付けられた筒体内部の一端の吸入口12a側寄りとなる空気は負圧域となる。負圧域となることで、オゾン殺菌換気筒体12の一端の吸入口12a側からは筒体内部に空気が流入し、流入した空気はオゾン環状噴射口12cから噴射されるオゾンによって筒体の他端の噴出口12b側に向けて移動し噴出される。
オゾン下向き噴出器13は、オゾンを下向きに噴出することで、密閉された室内の床面aに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する機能を果たす。
オゾン下向き噴出器13は、オゾン噴流・換気殺菌装置11の内部の下面板11cの中央に、上下向きに取り付けられている。オゾン下向き噴出器13はその下端が開口されて例えば円形の下向き噴出口13aが形成され、前記下面板11cを下向きに貫通して外部に臨んでいる。この下面板11cにはオゾン下向き噴出器13の下向き噴出口13aが貫通するための円形の貫通孔が形成され、オゾンを下向きに噴出する構造になっている。
オゾン下向き噴出器13は例えば内部が中空な円筒形になっており、開口される下端の反対側の内部上端は塞がれている。オゾン発生器14からオゾン下向き噴出器13の内部に連続的に供給されるオゾンは、内部上端が塞がれているので下端の下向き噴出口13aから下向きに噴出される。
オゾン発生器14は、紫外線を利用して空気中の酸素からオゾンを生成する機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置11の内部の下面板11cに上向きに設置されている。オゾン発生器14の中空内部にはUV(紫外線)型オゾンランプ14aが上下向きに複数取り付けられ、内部に取り込んだ空気中の酸素にUV(紫外線)型オゾンランプ14aから紫外線を照射してオゾンを生成させる。
オゾン発生器14とコンプレッサー15との間には、コンプレッサー15から外気の空気をオゾン発生器14の内部に強制的に送り込むための空気供給通路14bが配設されている。空気供給通路14bの一端はオゾン発生器14の下部側面に接続され、他端はオゾン発生器14に接続されている。空気供給通路14bの上部側には、オゾン発生器14で発生したオゾンを送り出すための第一オゾン供給通路14c、第二オゾン供給通路14d及び第三オゾン供給通路14eがそれぞれ配設されている。
このうち、第一オゾン供給通路14cは、オゾン発生器14で発生したオゾンを前記オゾン殺菌換気筒体12に送り出すための通路で、オゾン発生器14とオゾン殺菌換気筒体12のオゾン環状供給路12dとの間に配設されている。第一オゾン供給通路14cの一端はオゾン発生器14の側面に接続され、他端はオゾン殺菌換気筒体12に接続されている。前述したようにオゾン殺菌換気筒体12の一端の吸入口12a寄りの外周側面には、その周回り方向にオゾン環状供給路12dが形成されているが、第一オゾン供給通路14cの他端はこのオゾン環状供給路12dに接続されている。
第二オゾン供給通路14dは、オゾン発生器14で発生したオゾンを前記オゾン下向き噴出器13に送り出すための通路で、オゾン発生器14と前記オゾン下向き噴出器13との間に配設されている。第二オゾン供給通路14dの一端はオゾン発生器14の側面に接続され、他端側はオゾン下向き噴出器13の側面の中間高さに接続され、その他端はオゾン下向き噴出器13の内部で下向きに取り付けられている。
第三オゾン供給通路14eは、オゾン発生器14で発生したオゾンをオゾン放出口17に送り出すための通路で、オゾン発生器14とオゾン放出口17との間に配設されている。第三オゾン供給通路14eの一端はオゾン発生器14の側面に接続され、その他端は複数に分岐されて複数の各オゾン放出口17に接続されている。
コンプレッサー15は、外気の空気を圧縮してオゾン発生器14の内部に強制的に送り込むための機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置11の内部の下面板11cに、中央のオゾン下向き噴出器13を挟んで片側に上向きに取り付けられている。コンプレッサー15の下部側面には、コンプレッサー15から外気の空気をオゾン発生器14の内部に強制的に送り込むための前記空気供給通路14bの他端が接続されている。
制御盤16は、前記オゾン発生器14及びコンプレッサー15などを制御してオゾン噴流・換気殺菌装置11からのオゾン噴量を調整する機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置11の内部の下面板11cに、中央のオゾン下向き噴出器13を挟んでコンプレッサー15の反対側に上向きに取り付けられている。
オゾン発生器14は上記制御盤16により、オゾン発生のオン・オフやUV(紫外線)型オゾンランプ14aから照射される紫外線の強さを制御してオゾン発生量などが調整される。同様にコンプレッサー15は上記制御盤16により、その作動のオン・オフやオゾン発生器14への空気供給量などを制御して、空気供給量を通じてオゾン発生量が調整される。
また、制御盤16は、前記空気供給通路14b、第一オゾン供給通路14c、第二オゾン供給通路14d、及び第三オゾン供給通路14eの各通路を流れるオゾンの量を制御して、前記オゾン環状噴射口12cからのオゾン噴射量、オゾン下向き噴出器13からのオゾン噴出量、オゾン放出口17からのオゾン噴出量などを調整している。
オゾン放出口17はオゾン発生器14で発生したオゾンを利用して室内空間の任意箇所を、ホースなどを使って殺菌する場合に、ホースの一端が接続されて使用されるもので、オゾン噴流・換気殺菌装置11の側面板11bの上部側に側方に向けて複数設けられている。各オゾン放出口17には開閉弁が取り付けられ、又開閉弁用の撮み17aが取り付けられていて、この撮み17aをひねることでオゾン放出口17を開閉する構造になっている。
このオゾン放出口17には密閉された室内空間の壁や隙間などにオゾンを直に噴霧できるホースなどが接続される。このため、各オゾン放出口17はホースがはめ込み接続されやすいように、先端側が円筒状に形成されて突出している。
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく作用について以下説明する。
密閉された室内空間の空気中に浮遊し、又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する場合にあっては、オゾン噴流・換気殺菌装置11をその箇所に移動してくる。オゾン噴流・換気殺菌装置11の外形を構成する下面板11cの四隅には、キャスター11dがそれぞれ取り付けられているので、密閉された室内空間内を隈無く移動することができる。
オゾン噴流・換気殺菌装置11で殺菌する場合は、内部の制御盤16のすぐ外側を覆っている側面板11bを開き、その内部に設置されている制御盤16をスイッチオンして、オゾン発生器14及びコンプレッサー15を作動させる。オゾン発生器14及びコンプレッサー15は制御盤16により制御される。
オゾン発生器14を作動させると、内部に配置されているUV(紫外線)型オゾンランプ14aから紫外線が照射される。また、コンプレッサー15を作動させると、密閉された室内空間の空気が強制的に吸い込まれ、吸い込まれた空気は空気供給通路14bの内部を圧送されて、オゾン発生器14の内部に送り込まれる。
オゾン発生器14の内部ではUV(紫外線)型オゾンランプ14aから紫外線が照射されているので、オゾン発生器14の内部に送り込まれた空気中の酸素は紫外線によってオゾンになる。コンプレッサー15が作動しているときには、空気供給通路14bを通じて空気が連続的に圧送されてくるため、オゾン発生器14の内部では紫外線によって多量のオゾンが発生することになる。
オゾン発生器14の内部で発生したオゾンは、第一オゾン供給通路14c及び第二オゾン供給通路14dを通じて供給されることになる。また、オゾン放出口17にホースなどが接続され、オゾン放出口17の開閉弁が開いてホースを通じて外部にオゾンを放出できる状態になっている場合には、発生したオゾンは第三オゾン供給通路14eを通じても供給されることになる。
このうち、オゾン発生器14から第一オゾン供給通路14cを通じて供給されたオゾンは、第一オゾン供給通路14cの他端が接続されているオゾン殺菌換気筒体12の外周側面に形成されたオゾン環状供給路12dの内部に流入する。流入したオゾンは、オゾン環状供給路12dにその後端が接続されているオゾン環状噴射口12cに送り込まれ、オゾン環状噴射口12cの先端からオゾン殺菌換気筒体12の筒体内部に噴射される。オゾン環状噴射口12cからのオゾン噴射量や噴射力は制御盤16により制御される。
オゾン環状噴射口12cは、オゾン殺菌換気筒体12の筒体内部で一端の吸入口12aから他端の噴出口12bに向けて傾斜して形成されているので、オゾンはオゾン環状噴射口12cの先端より、一端の吸入口12a側から他端の噴出口12b側に向けて噴射されることになる。オゾン環状噴射口12cからのオゾン噴射量や噴射力は制御盤16により制御される。
オゾン殺菌換気筒体12の筒体内部では、オゾンの噴射により、一端の吸入口12a側から他端の噴出口12b側に向けて空気の強制的な流れが生じる。この影響を受けて、筒体内部の一端の吸入口12a側寄りでは負圧域になり、負圧域となったオゾン殺菌換気筒体12の一端の吸入口12aからは密閉された室内空間の空気が筒体内部に流入し、筒体内部を流れて他端の噴出口12bから噴出されることになる。すなわち、筒内内部に流入した室内空間の空気は、噴流となって噴出口12bから噴出され、密閉された室内空間内を循環し、再び吸入口12aから流入する室内循環流を発生させる。
オゾン殺菌換気筒体12の筒体内部を移動中の空気には、オゾン環状噴射口12cから噴射されるオゾンが混入し、オゾン殺菌換気筒体12内を通過する過程で乱流混合が発生して、その中に含まれる新型コロナウイルスはオゾンによって殺菌される。新型コロナウイルスを殺菌したオゾンを含む空気は、オゾン殺菌換気筒体12の他端の噴出口12bから噴出されて、密閉された室内空間の空気は室内循環流となってオゾンを含んだ空気と徐々に置き換えられる。このとき、噴出口12bからの吐出量がオゾン環状噴射口12cから噴射されるオゾン量の2~3倍となるように、吸入口12aの開口面積を設定することが望ましい。このようにして、密閉された室内空間の空気中に浮遊する新型コロナウイルスは、オゾン噴流・換気殺菌装置11のオゾン殺菌換気筒体12の他端の噴出口12bから噴出するオゾンを利用して殺菌することが可能となる。
オゾン発生器14から第二オゾン供給通路14dを通じて供給されたオゾンは、第二オゾン供給通路14dの他端が接続されているオゾン下向き噴出器13の内部に流入する。流入したオゾンは、オゾン下向き噴出器13の上端は閉塞されているので、下端の開口された下向き噴出口13aから真下の密閉された室内空間の床面aに噴出される。オゾン下向き噴出器13からのオゾン噴出量や噴出力は制御盤16により制御される。
なお、オゾン下向き噴出器13は、その上端を開口した構成とすることも可能である。この構成のオゾン下向き噴出器13の内部では、第二オゾン供給通路14dから下向きにオゾンが噴射されることにより、上端の開口から下端の下向き噴出口13a側に向けて強制的な流れが生じる。この影響を受けて、オゾン下向き噴出器13内部の上端の開口側寄りでは負圧域になり、負圧域となったオゾン下向き噴出器13の上端の開口からは空気がオゾン下向き噴出器13内部に流入し、オゾン下向き噴出器13内部を流れて下端の開口された下向き噴出口13aから真下の密閉された室内空間の床面aに噴出される。
ところで、オゾン殺菌換気筒体12から噴出するオゾンでは空気中に浮遊する新型コロナウイルスは容易に殺菌可能である。しかし、密閉された内部空間に噴出したオゾンが床面aまで行き渡るには、密閉された内部空間にオゾンが十分に充満していることが必要と考えられ、床面aに付着している新型コロナウイルスを十分に殺菌できない可能性もある。
この発明のオゾン噴流・換気殺菌装置11では、オゾン下向き噴出器13によって床面aにオゾンを噴出するので、床面aに噴出されたオゾンは床面aに付着している新型コロナウイルスを集中的に殺菌することができる。
また、ホースなどを使って密閉された室内空間の壁や隙間などに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを噴射して集中的に殺菌したい場合には、オゾン噴流・換気殺菌装置11の側面板11bの上部側に取り付けられているオゾン放出口17を利用する。この場合にはオゾン放出口17にホースを接続し、使用時にはオゾン放出口17の開閉弁を開き、不使用時にはオゾン放出口17の開閉弁を閉じる。
すなわち、オゾン発生器14で発生したオゾンは第三オゾン供給通路14eを通じて供給され、第三オゾン供給通路14eの他端が分岐して接続されている複数のオゾン放出口17に送られる。そこから、オゾン放出口17に取り付けられているホースを通じて外部に放出されたオゾンは、壁や隙間などに付着している新型コロナウイルスを集中的に殺菌することができる。オゾン放出口17からのオゾン噴出量や噴出力は、制御盤16やオゾン放出口17の撮みレバー17aの調整により制御される。
なお、この発明は上記発明を実施するための形態-1に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
〔実施の形態-2〕
図5~図8において、オゾン噴流・換気殺菌装置21は、密閉された室内空間の床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する装置である。オゾン噴流・換気殺菌装置21は、上面板21a、前後左右の4カ所の側面板21b、及び下面板21cで囲まれた内部に、オゾン下向き殺菌換気筒体22、オゾン発生器24、コンプレッサー25及び制御盤26などが配置され、左又は右側の側面板21bの外部上部側にオゾン放出口27が取り付けられている。
オゾン噴流・換気殺菌装置21は、上面板21a、前後左右の4カ所の側面板21b、及び下面板21cで囲まれた直方体状の外形を有し、その装置21の下部側となる長方形の下面板21cの四隅には、下向きに移動用のキャスター21dがそれぞれ取り付けられている。オゾン噴流・換気殺菌装置21は、これら四個のキャスター21dを利用して移動自在になっていて、密閉された室内空間内を隈無く移動して、床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する。
オゾン下向き殺菌換気筒体22は、オゾン噴流・換気殺菌装置21の内部中央側に上下向きに配置されていて、その両端となる上端の吸入口22a及び下端の下向き噴出口22bは開口されている。オゾン下向き殺菌換気筒体22は、オゾンを下向きに噴出することで、密閉された室内の床面aに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する機能を果たす。
オゾン下向き殺菌換気筒体22は円筒形の形状からなり、その開口された上端の吸入口22a及び下端の下向き噴出口22bは上記の上下の上面板21a及び下面板21cを上下向きにそれぞれ貫通して外部に臨んでいる。上下の上面板21a及び下面板21cにはオゾン下向き殺菌換気筒体22の吸入口22a及び下向き噴出口22bが貫通するための円形の貫通孔がそれぞれ形成されている。
オゾン下向き殺菌換気筒体22の内部は中空な円筒形の形状からなり、円筒形の筒体内部の内周側には、オゾンを噴射するオゾン環状噴射口22cが形成されている。オゾン環状噴射口22cは、オゾン下向き殺菌換気筒体22の一端の吸入口22a側寄りに、一端の吸入口22a側から他端の下向き噴出口22b側に向けてオゾンを噴射するように、オゾン下向き殺菌換気筒体22の筒体内部の中心側に向けて少し傾斜しながら吸入口22a側から下向き噴出口22b側に向けて形成されている。
オゾン下向き殺菌換気筒体22の上端の吸入口22a寄りの外周側面には、その周回り方向にオゾン環状供給路22dが形成されている。オゾン環状噴射口22cの後端はオゾン下向き殺菌換気筒体22の上端の吸入口22a寄りの周側面を貫通して、オゾン環状供給路22dに連通している。オゾン環状供給路22dの内部に供給されたオゾンは、オゾン環状噴射口22cの後端からその内部に送り込まれ、先端から噴射されるようになっている。
オゾン下向き殺菌換気筒体22は、内部に形成したオゾン環状噴射口22cからのオゾン噴射を利用して、開口する上端の吸入口22a側から空気を吸引し、下端の下向き噴出口22b側からオゾンを含む空気を下向き噴出して、密閉された室内空間の床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する。
すなわち、このオゾン下向き殺菌換気筒体22では、その内部に取り付けられたオゾン環状噴射口22cから下端の下向き噴出口22b側に向けてオゾンが噴射されることで、オゾン環状噴射口22cが取り付けられた筒体内部の上端の吸入口22a側寄りとなる空気は負圧域となる。負圧域となることで、オゾン下向き殺菌換気筒体22の上端の吸入口22a側からは筒体内部に空気が流入し、流入した空気はオゾン環状噴射口22cから噴射されるオゾンによって筒体の下端の下向き噴出口22b側に向けて移動し噴出される。
オゾン発生器24は、紫外線を利用して空気中の酸素からオゾンを生成する機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置21の内部の下面板21cに上向きに設置されている。オゾン発生器24の中空内部にはUV(紫外線)型オゾンランプ24aが上下向きに複数取り付けられ、内部に取り込んだ空気中の酸素にUV(紫外線)型オゾンランプ24aから紫外線を照射してオゾンを生成させる。
オゾン発生器24とコンプレッサー25との間には、コンプレッサー25から外気の空気をオゾン発生器24の内部に強制的に送り込むための空気供給通路24bが配設されている。空気供給通路24bの一端はオゾン発生器24の下部側面に接続され、他端はオゾン発生器24に接続されている。空気供給通路24bの上部側には、オゾン発生器24で発生したオゾンを送り出すための第一オゾン供給通路24c、第二オゾン供給通路24d及び第三オゾン供給通路24eがそれぞれ配設されている。
このうち、第一オゾン供給通路24cは、オゾン発生器24で発生したオゾンを前記オゾン下向き殺菌換気筒体22に送り出すための通路で、オゾン発生器24とオゾン下向き殺菌換気筒体22のオゾン環状供給路22dとの間に配設されている。第一オゾン供給通路24cの一端はオゾン発生器24の側面に接続され、他端はオゾン下向き殺菌換気筒体22に接続されている。前述したようにオゾン下向き殺菌換気筒体22の一端の吸入口22a寄りの外周側面には、その周回り方向にオゾン環状供給路22dが形成されているが、第一オゾン供給通路24cの他端はこのオゾン環状供給路22dに接続されている。
第三オゾン供給通路24eは、オゾン発生器24で発生したオゾンをオゾン放出口27に送り出すための通路で、オゾン発生器24とオゾン放出口27との間に配設されている。第三オゾン供給通路24eの一端はオゾン発生器24の側面に接続され、その他端は複数に分岐されて複数の各オゾン放出口27に接続されている。
コンプレッサー25は、外気の空気を圧縮してオゾン発生器24の内部に強制的に送り込むための機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置21の内部の下面板21cに、中央のオゾン下向き殺菌換気筒体22を挟んで片側に上向きに取り付けられている。コンプレッサー25の下部側面には、コンプレッサー25から外気の空気をオゾン発生器24の内部に強制的に送り込むための前記空気供給通路24bの他端が接続されている。
制御盤26は、前記オゾン発生器24及びコンプレッサー25などを制御してオゾン噴流・換気殺菌装置21からのオゾン噴量を調整する機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置21の内部の下面板21cに、中央のオゾン下向き殺菌換気筒体22を挟んでコンプレッサー25の反対側に上向きに取り付けられている。
オゾン発生器24は上記制御盤26により、オゾン発生のオン・オフやUV(紫外線)型オゾンランプ24aから照射される紫外線の強さを制御してオゾン発生量などが調整される。同様にコンプレッサー25は上記制御盤26により、その作動のオン・オフやオゾン発生器24への空気供給量などを制御して、空気供給量を通じてオゾン発生量が調整される。
また、制御盤26は、前記空気供給通路24b、第一オゾン供給通路24c、及び第三オゾン供給通路24eの各通路を流れるオゾンの量を制御して、オゾン下向き殺菌換気筒体22からのオゾン噴出量、オゾン放出口27からのオゾン噴出量などを調整している。
オゾン放出口27はオゾン発生器24で発生したオゾンを利用して室内空間の任意箇所を、ホースなどを使って殺菌する場合に、ホースの一端が接続されて使用されるもので、オゾン噴流・換気殺菌装置21の側面板21bの上部側に側方に向けて複数設けられている。各オゾン放出口27には開閉弁が取り付けられ、又開閉弁用の撮みレバー27aが取り付けられていて、この撮みレバー27aをひねることでオゾン放出口27を開閉する構造になっている。
このオゾン放出口27には密閉された室内空間の壁や隙間などにオゾンを直に噴霧できるホースなどが接続される。このため、各オゾン放出口27はホースがはめ込み接続されやすいように、先端側が円筒状に形成されて突出している。
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく作用について以下説明する。
密閉された室内空間の床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する場合にあっては、オゾン噴流・換気殺菌装置21をその箇所に移動してくる。オゾン噴流・換気殺菌装置21の外形を構成する下面板21cの四隅には、キャスター21dがそれぞれ取り付けられているので、密閉された室内空間内を隈無く移動することができる。
オゾン噴流・換気殺菌装置21で殺菌する場合は、内部の制御盤26のすぐ外側を覆っている側面板21bを開き、その内部に設置されている制御盤26をスイッチオンして、オゾン発生器24及びコンプレッサー25を作動させる。オゾン発生器24及びコンプレッサー25は制御盤26により制御される。
オゾン発生器24を作動させると、内部に配置されているUV(紫外線)型オゾンランプ24aから紫外線が照射される。また、コンプレッサー25を作動させると、密閉された室内空間の空気が強制的に吸い込まれ、吸い込まれた空気は空気供給通路24bの内部を圧送されて、オゾン発生器24の内部に送り込まれる。
オゾン発生器24の内部ではUV(紫外線)型オゾンランプ24aから紫外線が照射されているので、オゾン発生器24の内部に送り込まれた空気中の酸素は紫外線によってオゾンになる。コンプレッサー25が作動しているときには、空気供給通路24bを通じて空気が連続的に圧送されてくるため、オゾン発生器24の内部では紫外線によって多量のオゾンが発生することになる。
オゾン発生器24の内部で発生したオゾンは、第一オゾン供給通路24cを通じて供給されることになる。また、オゾン放出口27にホースなどが接続され、オゾン放出口27の開閉弁が開いてホースを通じて外部にオゾンを放出できる状態になっている場合には、発生したオゾンは第三オゾン供給通路24eを通じても供給されることになる。
このうち、オゾン発生器24から第一オゾン供給通路24cを通じて供給されたオゾンは、第一オゾン供給通路24cの他端が接続されているオゾン下向き殺菌換気筒体22の外周側面に形成されたオゾン環状供給路22dの内部に流入する。流入したオゾンは、オゾン環状供給路22dにその後端が接続されているオゾン環状噴射口22cに送り込まれ、オゾン環状噴射口22cの先端からオゾン下向き殺菌換気筒体22の筒体内部に噴射される。オゾン環状噴射口22cからのオゾン噴射量や噴射力は制御盤26により制御される。
オゾン環状噴射口22cは、オゾン下向き殺菌換気筒体22の筒体内部で上端の吸入口22a側から下端の下向き噴出口22b側に向けて傾斜して形成されているので、オゾンはオゾン環状噴射口22cの先端より、上端の吸入口22a側から下端の下向き噴出口22b側に向けて噴射されることになる。オゾン環状噴射口22cからのオゾン噴射量や噴射力は制御盤26により制御される。
オゾン下向き殺菌換気筒体22の筒体内部では、オゾンの噴射により、上端の吸入口22a側から下端の下向き噴出口22b側に向けて空気の強制的な流れが生じる。この影響を受けて、筒体内部の吸入口22a側寄りでは負圧域になり、負圧域となったオゾン下向き殺菌換気筒体22の上端の吸入口22aからは空気が筒体内部に流入し、筒体内部を流れて下端の下向き噴出口22bから噴出されることになる。
オゾン下向き殺菌換気筒体22の筒体内部を移動中の空気には、オゾン環状噴射口22cから噴射されるオゾンが混入し、オゾン下向き殺菌換気筒体22内を通過する過程で乱流混合が発生して、その中に含まれる新型コロナウイルスはオゾンによって殺菌される。新型コロナウイルスを殺菌したオゾンを含む空気は、オゾン下向き殺菌換気筒体22の下向き噴出口22bから噴出されて、床面aなどに付着する新型コロナウイルスを殺菌する。このとき、下向き噴出口22bからの吐出量がオゾン環状噴射口22cから噴射されるオゾン量の2~3倍となるように、吸入口22aの開口面積を設定することが望ましい。また、床面aなどを殺菌したオゾンを含む空気は、床面a側から密閉された室内空間に徐々に拡散して広がり、密閉された室内空間の空気を、オゾンを含んだ空気と徐々に置き換える。
このようにして、密閉された室内空間の床面aなどに付着する新型コロナウイルスを殺菌することが可能となる。併せて、密閉された室内空間の空気中に浮遊する新型コロナウイルスも、オゾン噴流・換気殺菌装置21のオゾン下向き殺菌換気筒体22の下向き噴出口22bから噴出するオゾンを利用して殺菌することが可能となる。
また、ホースなどを使って密閉された室内空間の壁や隙間などに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを噴射して集中的に殺菌したい場合には、オゾン噴流・換気殺菌装置21の側面板21bの上部側に取り付けられているオゾン放出口27を利用する。この場合にはオゾン放出口27にホースを接続し、使用時にはオゾン放出口27の開閉弁を開き、不使用時にはオゾン放出口27の開閉弁を閉じる。
すなわち、オゾン発生器24で発生したオゾンは第三オゾン供給通路24eを通じて供給され、第三オゾン供給通路24eの他端が分岐して接続されている複数のオゾン放出口27に送られる。そこから、オゾン放出口27に取り付けられているホースを通じて外部に放出されたオゾンは、壁や隙間などに付着している新型コロナウイルスを集中的に殺菌することができる。オゾン放出口27からのオゾン噴出量や噴出力は、制御盤26やオゾン放出口27の撮みの調整により制御される。
なお、この発明は上記発明を実施するための形態-2に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
〔実施の形態-3〕
図9~図13において、オゾン噴流・換気殺菌装置31は、密閉された室内空間の空気中に浮遊し、又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する装置である。オゾン噴流・換気殺菌装置31は、上面板31a、前後左右の4カ所の側面板31b、及び下面板31cで囲まれた内部に、オゾン上部噴出器32、オゾン下向き噴出器33、オゾン発生器34、コンプレッサー35及び制御盤36などが配置され、左又は右側の側面板31bの外部上部側にオゾン放出口37が取り付けられている。
オゾン噴流・換気殺菌装置31は、上面板31a、前後左右の4カ所の側面板31b、及び下面板31cで囲まれた直方体状の外形を有し、その装置31の下部側となる長方形の下面板31cの四隅には、下向きに移動用のキャスター31dがそれぞれ取り付けられている。オゾン噴流・換気殺菌装置31は、これら四個のキャスター31dを利用して移動自在になっていて、密閉された室内空間内を隈無く移動して、空気中に浮遊し又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する。
オゾン上部噴出器32は、オゾン噴流・換気殺菌装置31の内部から上面板31aの中央を貫通してその上部側が突出した状態で、上下向きに取り付けられている。上面板31aを貫通するオゾン上部噴出器32の上部側の側面には、複数の例えば四方向に向けて上部噴射口32aがそれぞれ突出して設けられている。上部噴射口32aから噴射されるオゾンを利用して、密閉された室内空間の空気中に浮遊する新型コロナウイルスを殺菌する機能を果たすものである。
オゾン上部噴出器32は例えば内部が中空な円筒形になっており、中空内部の上下両端は塞がれている。オゾン発生器34から上部噴射口32aの内部に連続的に供給されるオゾンは、内部の上下端が塞がれているので上部噴射口32aから密閉された室内空間の四方向の空気中に噴射される。
複数の上部噴射口32aは、オゾン上部噴出器32の側周面の周面回りに等間隔、例えば、90度間隔で水平向きに取り付けられている。各上部噴射口32aには開閉弁が取り付けられ、又開閉弁用の開閉レバー32bが取り付けられている。この開閉レバー32bをひねることで、上部噴射口32aを開閉でき、又上部噴射口32aからのオゾンの噴射量や噴射力を調整する構造になっている。
この上部噴射口32aには密閉された室内空間の壁や隙間などにオゾンを直に噴霧できるホースなどが必要に応じて接続される。このため、各上部噴射口32aはホースがはめ込み接続されやすいように、先端側が円筒状に形成されて水平向きに突出している。
オゾン上部噴出器32が貫通して突出する上面板31aにはオゾン上部噴出器32の上部側が貫通するための円形の貫通孔が形成されている。上下に取り付けられたオゾン上部噴出器32の下部には、オゾン下向き噴出器33が上下向きに設置されている。オゾン上部噴出器32の下端とオゾン下向き噴出器33の上端とは、フランジ、ボルトなどにより下一体的に連結されている。
オゾン下向き噴出器33は、オゾンを下向きに噴出することで、密閉された室内の床面aに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する機能を果たす。
オゾン下向き噴出器33は、オゾン噴流・換気殺菌装置31の内部の下面板31cの中央に、上下向きに取り付けられている。オゾン下向き噴出器33はその下端が開口されて例えば円形の下向き噴出口33aが形成され、前記下面板31cを下向きに貫通して外部に臨んでいる。この下面板31cにはオゾン下向き噴出器33の下向き噴出口33aが貫通するための円形の貫通孔が形成され、オゾンを下向きに噴出する構造になっている。
オゾン下向き噴出器33は例えば内部が中空な円筒形になっており、開口される下端の反対側の内部上端は塞がれている。オゾン発生器34からオゾン下向き噴出器33の内部に連続的に供給されるオゾンは、内部上端が塞がれているので下端の下向き噴出口33aから下向きに噴出される。
オゾン発生器34は、紫外線を利用して空気中の酸素からオゾンを生成する機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置31の内部の下面板31cに上向きに設置されている。オゾン発生器34の中空内部にはUV(紫外線)型オゾンランプ34aが上下向きに複数取り付けられ、内部に取り込んだ空気中の酸素にUV(紫外線)型オゾンランプ34aから紫外線を照射してオゾンを生成させる。
オゾン発生器34とコンプレッサー35との間には、コンプレッサー35から外気の空気をオゾン発生器34の内部に強制的に送り込むための空気供給通路34bが配設されている。空気供給通路34bの一端はオゾン発生器34の下部側面に接続され、他端はオゾン発生器34に接続されている。空気供給通路34bの上部側には、オゾン発生器34で発生したオゾンを送り出すための第一オゾン供給通路34c、第二オゾン供給通路34d及び第三オゾン供給通路34eがそれぞれ配設されている。
このうち、第一オゾン供給通路34cは、オゾン発生器34で発生したオゾンを前記オゾン上部噴出器32に送り出すための通路で、オゾン発生器34とオゾン上部噴出器32との間に配設されている。第一オゾン供給通路34cの一端はオゾン発生器34の側面に接続され、他端はオゾン上部噴出器32の側面に接続されている。
第二オゾン供給通路34dは、オゾン発生器34で発生したオゾンを前記オゾン下向き噴出器33に送り出すための通路で、オゾン発生器34と前記オゾン下向き噴出器33との間に配設されている。第二オゾン供給通路34dの一端はオゾン発生器34の側面に接続され、他端側はオゾン下向き噴出器33の側面の中間高さに接続され、その他端はオゾン下向き噴出器33の内部で下向きに取り付けられている。
第三オゾン供給通路34eは、オゾン発生器34で発生したオゾンをオゾン放出口37に送り出すための通路で、オゾン発生器34とオゾン放出口37との間に配設されている。第三オゾン供給通路34eの一端はオゾン発生器34の側面に接続され、その他端は複数に分岐されて複数の各オゾン放出口37に接続されている。
コンプレッサー35は、外気の空気を圧縮してオゾン発生器34の内部に強制的に送り込むための機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置31の内部の下面板31cに、中央のオゾン下向き噴出器33を挟んで片側に上向きに取り付けられている。コンプレッサー35の下部側面には、コンプレッサー35から外気の空気をオゾン発生器34の内部に強制的に送り込むための前記空気供給通路34bの他端が接続されている。
制御盤36は、前記オゾン発生器34及びコンプレッサー35などを制御してオゾン噴流・換気殺菌装置31からのオゾン噴量を調整する機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置31の内部の下面板31cに、中央のオゾン下向き噴出器33を挟んでコンプレッサー35の反対側に上向きに取り付けられている。
オゾン発生器34は上記制御盤36により、オゾン発生のオン・オフやUV(紫外線)型オゾンランプ34aから照射される紫外線の強さを制御してオゾン発生量などが調整される。同様にコンプレッサー35は上記制御盤36により、その作動のオン・オフやオゾン発生器34への空気供給量などを制御して、空気供給量を通じてオゾン発生量が調整される。
また、制御盤36は、前記空気供給通路34b、第一オゾン供給通路34c、第二オゾン供給通路34d、及び第三オゾン供給通路34eの各通路を流れるオゾンの量を制御して、前記オゾン上部噴出器32の上部噴射口32aからのオゾン噴射量、オゾン下向き噴出器33の下向き噴出口33aからのオゾン噴出量、オゾン放出口37からのオゾン噴出量などを調整している。
オゾン放出口37はオゾン発生器34で発生したオゾンを利用して室内空間の任意箇所を、ホースなどを使って殺菌する場合に、ホースの一端が接続されて使用されるもので、オゾン噴流・換気殺菌装置31の側面板31bの上部側に側方に向けて複数設けられている。各オゾン放出口37には開閉弁が取り付けられ、又開閉弁用の撮みレバー37aが取り付けられていて、この撮みレバー37aをひねることでオゾン放出口37を開閉する構造になっている。
このオゾン放出口37には密閉された室内空間の壁や隙間などにオゾンを直に噴霧できるホースなどが接続される。このため、各オゾン放出口37はホースがはめ込み接続されやすいように、先端側が円筒状に形成されて突出している。
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく作用について以下説明する。
密閉された室内空間の空気中に浮遊し、又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する場合にあっては、オゾン噴流・換気殺菌装置31をその箇所に移動してくる。オゾン噴流・換気殺菌装置31の外形を構成する下面板31cの四隅には、キャスター31dがそれぞれ取り付けられているので、密閉された室内空間内を隈無く移動することができる。
オゾン噴流・換気殺菌装置31で殺菌する場合は、内部の制御盤36のすぐ外側を覆っている側面板31bを開き、その内部に設置されている制御盤36をスイッチオンして、オゾン発生器34及びコンプレッサー35を作動させる。オゾン発生器34及びコンプレッサー35は制御盤36により制御される。
オゾン発生器34を作動させると、内部に配置されているUV(紫外線)型オゾンランプ34aから紫外線が照射される。また、コンプレッサー35を作動させると、密閉された室内空間の空気が強制的に吸い込まれ、吸い込まれた空気は空気供給通路34bの内部を圧送されて、オゾン発生器34の内部に送り込まれる。
オゾン発生器34の内部ではUV(紫外線)型オゾンランプ34aから紫外線が照射されているので、オゾン発生器34の内部に送り込まれた空気中の酸素は紫外線によってオゾンになる。コンプレッサー35が作動しているときには、空気供給通路34bを通じて空気が連続的に圧送されてくるため、オゾン発生器34の内部では紫外線によって多量のオゾンが発生することになる。
オゾン発生器34の内部で発生したオゾンは、第一オゾン供給通路34c及び第二オゾン供給通路34dを通じて供給されることになる。また、オゾン放出口37にホースなどが接続され、オゾン放出口37の開閉弁が開いてホースを通じて外部にオゾンを放出る状態になっている場合には、発生したオゾンは第三オゾン供給通路34eを通じても供給されることになる。
このうち、オゾン発生器34から第一オゾン供給通路34cを通じて供給されたオゾンは、第一オゾン供給通路34cの他端が接続されているオゾン上部噴出器32の内部に流入する。事前に開閉レバー32bをひねって開状態にすることで、流入したオゾンはオゾン上部噴出器32の各上部噴射口32aから四方向に噴出されて、密閉された室内空間の空気はオゾンを含んだ空気と徐々に置き換えられる。オゾン上部噴出器32からのオゾン噴射量や噴射力は制御盤36により制御される。
このようにして、密閉された室内空間の空気中に浮遊する新型コロナウイルスは、オゾン噴流・換気殺菌装置31のオゾン上部噴出器32の各上部噴射口32aから噴出するオゾンを利用して殺菌することが可能となる。
オゾン発生器34から第二オゾン供給通路34dを通じて供給されたオゾンは、第二オゾン供給通路34dの他端が接続されているオゾン下向き噴出器33の内部に流入する。流入したオゾンは、オゾン下向き噴出器33の上端は閉塞されているので、下端の開口された下向き噴出口33aから真下の密閉された室内空間の床面aに噴出される。オゾン下向き噴出器33からのオゾン噴出量や噴出力は制御盤36により制御される。
ところで、オゾン上部噴出器32から噴出するオゾンでは空気中に浮遊する新型コロナウイルスは容易に殺菌可能である。しかし、密閉された内部空間に噴出したオゾンが床面aまで行き渡るには、密閉された内部空間にオゾンが十分に充満していることが必要と考えられ、床面aに付着している新型コロナウイルスを十分に殺菌できない可能性もある。
この発明のオゾン噴流・換気殺菌装置31では、オゾン下向き噴出器33によって床面aにオゾンを噴出するので、床面aに噴出されたオゾンは床面aに付着している新型コロナウイルスを集中的に殺菌することができる。
また、ホースなどを使って密閉された室内空間の壁や隙間などに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを噴射して集中的に殺菌したい場合には、オゾン噴流・換気殺菌装置31の側面板31bの上部側に取り付けられているオゾン放出口37を利用する。この場合にはオゾン放出口37にホースを接続し、使用時にはオゾン放出口37の開閉弁を開き、不使用時にはオゾン放出口37の開閉弁を閉じる。
すなわち、オゾン発生器34で発生したオゾンは第三オゾン供給通路34eを通じて供給され、第三オゾン供給通路34eの他端が分岐して接続されている複数のオゾン放出口37に送られる。そこから、オゾン放出口37に取り付けられているホースを通じて外部に放出されたオゾンは、壁や隙間などに付着している新型コロナウイルスを集中的に殺菌することができる。オゾン放出口37からのオゾン噴出量や噴出力は、制御盤16やオゾン放出口37の撮みレバー37aの調整により制御される。
なお、この発明は上記発明を実施するための形態-3に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
〔実施の形態-4〕
図14~図17において、オゾン噴流・換気殺菌装置41は、密閉された室内空間の空気中に浮遊し、又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌すると共に、新型コロナウイルスを殺菌した空気中に含まれるオゾンを水wに溶け込まして除去し無害化する装置である。
オゾン噴流・換気殺菌装置41は、上面板41a、前後左右の4カ所の側面板41b、及び下面板41cで囲まれた内部に、オゾン殺菌換気筒体42、オゾン下向き噴出器43、オゾン発生器44、コンプレッサー45及び制御盤46などが配置され、左又は右側の側面板41bの外部上部側にオゾン放出口47が取り付けられ、排出された空気中に含まれるオゾンを除去するオゾン除去タンク48を備えている。
オゾン噴流・換気殺菌装置41は、上面板41a、前後左右の4カ所の側面板41b、及び下面板41cで囲まれた直方体状の外形を有し、その装置41の下部側となる長方形の下面板41cの四隅には、下向きに移動用のキャスター41dがそれぞれ取り付けられている。オゾン噴流・換気殺菌装置41は、これら四個のキャスター41dを利用して移動自在になっていて、密閉された室内空間内を隈無く移動して、空気中に浮遊し又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌し、その殺菌したオゾンを除去する装置である。
オゾン殺菌換気筒体42は、オゾン噴流・換気殺菌装置41の内部上部側に横向きに、例えば水平向きに配置されていて、その両端となる一端の吸入口42a及び他端の排出口42bは開口されている。オゾン殺菌換気筒体42は例えば横長の円筒形の形状からなり、その開口された一端の吸入口42a及び他端の排出口42bは上記の前後の側面板41bを横向きにそれぞれ貫通して外部に臨んでいる。前後の側面板41bにはオゾン殺菌換気筒体42の一端の吸入口42a及び他端の排出口42bが貫通するための円形の貫通孔がそれぞれ形成されている。
オゾン殺菌換気筒体42の内部は中空な円筒形の形状からなり、円筒形の筒体内部の内周側には、オゾンを噴射するオゾン環状噴射口42cが形成されている。オゾン環状噴射口42cは、オゾン殺菌換気筒体42の一端の吸入口42a側寄りに、一端の吸入口42a側から他端の排出口42b側に向けてオゾンを噴射するように、オゾン殺菌換気筒体42の筒体内部の中心側に向けて少し傾斜しながら吸入口42a側から排出口42b側に向けて形成されている。
オゾン殺菌換気筒体42の一端の吸入口42a側寄りの外周側面には、その周回り方向にオゾン環状供給路42dが形成されている。オゾン環状噴射口42cの後端はオゾン殺菌換気筒体42の一端の吸入口42a側寄りの周側面を貫通して、オゾン環状供給路42dに連通している。オゾン環状供給路42dの内部に供給されたオゾンは、オゾン環状噴射口42cの後端からその内部に送り込まれ、先端から噴射されるようになっている。
オゾン殺菌換気筒体42は、内部に形成したオゾン環状噴射口42cからのオゾン噴射を利用して、開口する一端の吸入口42a側から空気を吸引し、他端の排出口42b側からオゾンを含む空気を噴出して、密閉された室内空間の空気中に浮遊する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する機能を果たすものである。このオゾン殺菌換気筒体42では、その内部に取り付けられたオゾン環状噴射口42cから他端の排出口42b側に向けてオゾンが噴射されることで、オゾン環状噴射口42cが取り付けられた筒体内部の一端の吸入口42a側寄りとなる空気は負圧域となる。
この負圧域となる吸入口42aには、密閉された室内空間に浮遊する新型コロナウイルスを含む空気を吸い込むための吸引ホース42eが取り付けられている。このため吸引ホース42eには吸引力が生じ、新型コロナウイルスを含む空気は吸引ホース42eの吸引口から吸い込まれる。吸引された新型コロナウイルスを含む空気は吸引ホース42eの内部を流れて、オゾン殺菌換気筒体42の負圧域となる吸入口42aからその筒体内部に送り込まれる。
負圧域となることで、オゾン殺菌換気筒体42の一端の吸入口42a側からは筒体内部に新型コロナウイルスを含んだ空気が流入し、流入した空気はオゾン環状噴射口42cから噴射されるオゾンによって他端の排出口42b側に向けて移動中に新型コロナウイルスが殺菌されて、新型コロナウイルスを殺菌したオゾンを含んだ空気は他端の排出口42bから排出される。この排出口42bには排出ホース42fの一端が取り付けられて接続され、その他端はオゾン除去タンク48の水中に浸漬している。
オゾン下向き噴出器43は、オゾンを下向きに噴出することで、密閉された室内空間の床面aに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する機能を果たす。
オゾン下向き噴出器43は、オゾン噴流・換気殺菌装置41の内部の下面板41cの中央に、上下向きに取り付けられている。オゾン下向き噴出器43はその下端が開口されて例えば円形の下向き噴出口43aが形成され、前記下面板41cを下向きに貫通して外部に臨んでいる。この下面板41cにはオゾン下向き噴出器43の下向き噴出口43aが貫通するための円形の貫通孔が形成され、オゾンを下向きに噴出する構造になっている。
オゾン下向き噴出器43は例えば内部が中空な円筒形になっており、開口される下端の反対側の内部上端は塞がれている。オゾン発生器44からオゾン下向き噴出器43の内部に連続的に供給されるオゾンは、内部上端が塞がれているので下端の下向き噴出口43aから下向きに噴出される。
オゾン発生器44は、紫外線を利用して空気中の酸素からオゾンを生成する機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置41の内部の下面板41cに上向きに設置されている。オゾン発生器44の中空内部にはUV(紫外線)型オゾンランプ44aが上下向きに複数取り付けられ、内部に取り込んだ空気中の酸素にUV(紫外線)型オゾンランプ44aから紫外線を照射してオゾンを生成させる。
オゾン発生器44とコンプレッサー45との間には、コンプレッサー45から外気の空気をオゾン発生器44の内部に強制的に送り込むための空気供給通路44bが配設されている。空気供給通路44bの一端はオゾン発生器44の下部側面に接続され、他端はオゾン発生器44に接続されている。空気供給通路44bの上部側には、オゾン発生器44で発生したオゾンを送り出すための第一オゾン供給通路44c、第二オゾン供給通路44d及び第三オゾン供給通路44eがそれぞれ配設されている。
このうち、第一オゾン供給通路44cは、オゾン発生器44で発生したオゾンを前記オゾン殺菌換気筒体42に送り出すための通路で、オゾン発生器44とオゾン殺菌換気筒体42のオゾン環状供給路42dとの間に配設されている。第一オゾン供給通路44cの一端はオゾン発生器44の側面に接続され、他端はオゾン殺菌換気筒体42に接続されている。前述したようにオゾン殺菌換気筒体42の一端の吸入口42a寄りの外周側面には、その周回り方向にオゾン環状供給路42dが形成されているが、第一オゾン供給通路44cの他端はこのオゾン環状供給路42dに接続されている。
第二オゾン供給通路44dは、オゾン発生器44で発生したオゾンを前記オゾン下向き噴出器43に送り出すための通路で、オゾン発生器44と前記オゾン下向き噴出器43との間に配設されている。第二オゾン供給通路44dの一端はオゾン発生器44の側面に接続され、他端側はオゾン下向き噴出器43の側面の中間高さに接続され、その他端はオゾン下向き噴出器43の内部で下向きに取り付けられている。
第三オゾン供給通路44eは、オゾン発生器44で発生したオゾンをオゾン放出口47に送り出すための通路で、オゾン発生器44とオゾン放出口47との間に配設されている。第三オゾン供給通路44eの一端はオゾン発生器44の側面に接続され、その他端は複数に分岐されて複数の各オゾン放出口47に接続されている。
コンプレッサー45は、外気の空気を圧縮してオゾン発生器44の内部に強制的に送り込むための機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置41の内部の下面板41cに、中央のオゾン下向き噴出器43を挟んで片側に上向きに取り付けられている。コンプレッサー45の下部側面には、コンプレッサー45から外気の空気をオゾン発生器44の内部に強制的に送り込むための前記空気供給通路44bの他端が接続されている。
制御盤46は、前記オゾン発生器44及びコンプレッサー45などを制御してオゾン噴流・換気殺菌装置41からのオゾン噴量を調整する機器で、オゾン噴流・換気殺菌装置41の内部の下面板41cに、中央のオゾン下向き噴出器43を挟んでコンプレッサー45の反対側に上向きに取り付けられている。
オゾン発生器44は上記制御盤46により、オゾン発生のオン・オフやUV(紫外線)型オゾンランプ44aから照射される紫外線の強さを制御してオゾン発生量などが調整される。同様にコンプレッサー45は上記制御盤46により、その作動のオン・オフやオゾン発生器44への空気供給量などを制御して、空気供給量を通じてオゾン発生量が調整される。
また、制御盤46は、前記空気供給通路44b、第一オゾン供給通路44c、第二オゾン供給通路44d、及び第三オゾン供給通路44eの各通路を流れるオゾンの量を制御して、前記オゾン環状噴射口42cからのオゾン噴射量、オゾン下向き噴出器43からのオゾン噴出量、オゾン放出口47からのオゾン噴出量などを調整している。
オゾン放出口47はオゾン発生器44で発生したオゾンを利用して室内空間の任意箇所を、ホースなどを使って殺菌する場合に、ホースの一端が接続されて使用されるもので、オゾン噴流・換気殺菌装置41の側面板41bの上部側に側方に向けて複数設けられている。各オゾン放出口47には開閉弁が取り付けられ、又開閉弁用の撮みレバー47aが取り付けられていて、この撮みレバー47aをひねることでオゾン放出口47を開閉する構造になっている。
このオゾン放出口47には密閉された室内空間の壁や隙間などにオゾンを直に噴霧できるホースなどが接続される。このため、各オゾン放出口47はホースがはめ込み接続されやすいように、先端側が円筒状に形成されて突出している。
オゾン除去タンク48は、新型コロナウイルスを殺菌したオゾンが含まれる空気中からオゾンを除去するためのタンクで、タンク内にはオゾンを除去する水wが入っている。オゾン除去タンク48の水wの中には排出ホース42fの他端が浸漬している。排出ホース42fから排出されたオゾンを含んだ空気は水中で、そのオゾンが水wに溶けて除去され、オゾンが除去された空気が泡となって水面から大気中に放出される。
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく作用について以下説明する。
密閉された室内空間の空気中に浮遊し、又床面aなどに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌する場合にあっては、オゾン噴流・換気殺菌装置41をその箇所に移動してくる。オゾン噴流・換気殺菌装置41の外形を構成する下面板41cの四隅には、キャスター41dがそれぞれ取り付けられているので、密閉された室内空間内を隈無く移動することができる。
オゾン噴流・換気殺菌装置41で殺菌する場合は、内部の制御盤46のすぐ外側を覆っている側面板41bを開き、その内部に設置されている制御盤46をスイッチオンして、オゾン発生器44及びコンプレッサー45を作動させる。オゾン発生器44及びコンプレッサー45は制御盤46により制御される。
オゾン発生器44を作動させると、内部に配置されているUV(紫外線)型オゾンランプ44aから紫外線が照射される。また、コンプレッサー45を作動させると、密閉された室内空間の空気が強制的に吸い込まれ、吸い込まれた空気は空気供給通路44bの内部を圧送されて、オゾン発生器44の内部に送り込まれる。
オゾン発生器44の内部ではUV(紫外線)型オゾンランプ44aから紫外線が照射されているので、オゾン発生器44の内部に送り込まれた空気中の酸素は紫外線によってオゾンになる。コンプレッサー45が作動しているときには、空気供給通路44bを通じて空気が連続的に圧送されてくるため、オゾン発生器44の内部では紫外線によって多量のオゾンが発生することになる。
オゾン発生器44の内部で発生したオゾンは、第一オゾン供給通路44c及び第二オゾン供給通路44dを通じて供給されることになる。また、オゾン放出口47にホースが接続され、オゾン放出口47の開閉弁が開いてホースを通じて外部にオゾンを放出でる状態になっている場合には、発生したオゾンは第三オゾン供給通路44eを通じても給されることになる。
このうち、オゾン発生器44から第一オゾン供給通路44cを通じて供給されるオゾンは、第一オゾン供給通路44cの他端が接続されているオゾン殺菌換気筒体42の外周側面に形成されたオゾン環状供給路42dの内部に流入する。流入したオゾンは、オゾン環状供給路42dにその後端が接続されているオゾン環状噴射口42cに送り込まれ、オゾン環状噴射口42cの先端からオゾン殺菌換気筒体42の筒体内部に噴射される。オゾン環状噴射口42cからのオゾン噴射量や噴射力は制御盤46により制御される。
オゾン環状噴射口42cは、オゾン殺菌換気筒体42の筒体内部で一端の吸入口42aから他端の排出口42bに向けて傾斜して形成されているので、オゾンはオゾン環状噴射口42cの先端より、一端の吸入口42a側から他端の排出口42b側に向けて噴射されることになる。オゾン環状噴射口42cからのオゾン噴射量や噴射力は制御盤46により制御される。
オゾン殺菌換気筒体42の筒体内部では、オゾンの噴射により、一端の吸入口42a側から他端の排出口42b側に向けて空気の強制的な流れが生じる。この影響を受けて、筒体内部の一端の吸入口42a側寄りでは負圧域になり、負圧域となったオゾン殺菌換気筒体42の吸入口42aからは吸引ホース42eを通じて密閉された室内空間の空気が筒体内部に流入し、筒体内部を流れて他端の排出口42bから排出されることになる。
オゾン殺菌換気筒体42の筒体内部を移動中の空気には、オゾン環状噴射口42cから噴射されるオゾンが混入し、オゾン殺菌換気筒体42内を通過する過程で乱流混合が発生して、吸引された空気中に含まれる新型コロナウイルスはオゾンによって殺菌される。新型コロナウイルスを殺菌したオゾンを含む空気は、オゾン殺菌換気筒体42の他端の排出口42bから排出される。このとき、排出口42bからの吐出量がオゾン環状噴射口42cから噴射されるオゾン量の2~3倍となるように、吸入口42aの開口面積を設定することが望ましい。排出口42bには排出ホース42fが取り付けられ、その他端はオゾン除去タンク48の水中に浸漬しているので、オゾンを含む空気は水中に排出される。空気中に含まれるオゾンは水中で溶けて除去され、オゾンが除去されて無害化された空気が水面から密閉された室内空間に排出される。
つまり、密閉された室内空間の空気中に浮遊する新型コロナウイルスは、オゾン噴流・換気殺菌装置41のオゾン殺菌換気筒体42の筒体内部を移動中に、オゾン環状噴射口42cから噴出するオゾンを利用して殺菌することが可能となる。しかも、新型コロナウイルスを殺菌したオゾンを含む空気は、オゾン除去タンク48の水wによってオゾンが除去されて、無害になって密閉された室内空間や外部に排出される。このようにして、密閉された室内空間の新型コロナウイルスを含む空気は、新型コロナウイルスがオゾンによって殺菌され、しかもオゾンが除去されて無害となった空気と徐々に置き換えられる。
一方、オゾン発生器44から第二オゾン供給通路44dを通じて供給されるオゾンは、第二オゾン供給通路44dの他端が接続されているオゾン下向き噴出器43の内部に流入する。流入したオゾンは、オゾン下向き噴出器43の上端は閉塞されているので、下端の開口された下向き噴出口43aから真下の密閉された室内空間の床面aに噴出される。オゾン下向き噴出器43からのオゾン噴出量や噴出力は制御盤46により制御される。
ところで、オゾン殺菌換気筒体42を利用することで、空気中に浮遊する新型コロナウイルスを、オゾンを利用して殺菌し、しかもそのオゾンを除去して新型コロナウイルスを含まない新鮮な空気に置き換えることは可能である。しかし、床面aに付着している新型コロナウイルスを十分に殺菌できない可能性もある。
この発明のオゾン噴流・換気殺菌装置41では、オゾン下向き噴出器43によって床面aにオゾンを噴出するので、床面aに噴出されたオゾンは床面aに付着している新型コロナウイルスを集中的に殺菌することができる。また、新型コロナウイルスを殺菌したオゾンは、前記オゾン殺菌換気筒体42を通じて吸引され、オゾン除去タンク48で除去されて無害化される。
さらに、ホースなどを使って密閉された室内空間の壁や隙間などに付着する新型コロナウイルスを、オゾンを噴射して集中的に殺菌したい場合には、オゾン噴流・換気殺菌装置41の側面板41bの上部側に取り付けられているオゾン放出口47を利用する。この場合にはオゾン放出口47にホースを接続し、使用時にはオゾン放出口47の開閉弁を開き、不使用時にはオゾン放出口47の開閉弁を閉じる。
すなわち、オゾン発生器44で発生したオゾンは第三オゾン供給通路44eを通じて供給され、第三オゾン供給通路44eの他端が分岐して接続されている複数のオゾン放出口47に送られる。そこから、オゾン放出口47に取り付けられているホースを通じて外部に放出されたオゾンは、壁や隙間などに付着している新型コロナウイルスを集中的に殺菌することができる。オゾン放出口47からのオゾン噴出量や噴出力は、制御盤46やオゾン放出口47の撮みレバー47aの調整により制御される。また、新型コロナウイルスを殺菌し空気に含まれたオゾンは、前記オゾン殺菌換気筒体42を通じて空気に共に吸引されてオゾン除去タンク48に送られ、そこでオゾン除去タンク48の水wで除去され,空気は無害化されて外部に放出される。
なお、この発明は上記発明を実施するための形態-4に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。