JP7240705B2 - 手術用軟性術具交換装置およびその手術用軟性術具 - Google Patents

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本発明は手術用軟性術具の交換装置およびその手術用軟性術具に関し、より具体的には内視鏡を用いた手術において好適な手術用軟性術具の交換装置およびその手術用軟性術具に関する。
近年、内視鏡あるいは腹腔鏡の小型化に伴い、低侵襲の内視鏡下外科手術または腹腔鏡下手術である鏡視下手術が広く展開しつつある。このような、手術器具として、操作者によって操作されるマスタマニピュレータと、マスタマニピュレータから発せられる信号に基づいて動作するスレーブマニピュレータとを備えたマスタ・スレーブ式操作システムが知られており、遠隔操作によって処置対象部位に対する処置をするための処置部を有する術具が取り付けられる(特許文献1参照)。
鏡視下手術は、低侵襲性という患者への大きなメリットがある反面、手術器具の形状・操作性に制限があることから、さらに患者への傷が少なく、また手術中の負担を軽減すべく種々の技術が開示されている。例えば、洗浄及び滅菌等のメンテナンスを容易にするため、術具を簡易な構成で着脱可能とした術具交換に係る技術(特許文献1,2参照)が開示されている。さらに患部が体内深部に存在する場合に術具を該当部位に到達させるときに臓器などを迂回させるために、従来の直線形状から屈曲する機構や柔軟な導体を適用した軟性術具に関する技術が開示されている(特許文献3,4参照)。
また、細長い可撓性シ─スを有する内視鏡用処置を収納する処置具収納装置において、ケ─ス本体と、このケ─ス本体の一側面に開口する処置具挿入口と、この挿入口に連通した操作部格納部と、この操作部格納部に連通してル─プ状に形成されたシ─ス格納部と、処置具を収納状態で着脱自在に固定する処置具固定手段とを備え、ケ─ス本体は、偏平な板状に、シース収納部はチューブにて構成される技術が開示されている(特許文献5参照)。
特許第6010027号公報 特許第6202430号公報 特開2015-80556号公報 特開2018-68708号公報 特開昭57-164051号公報
特許文献1,2に記載されている技術では、着脱可能な術具部分を備えることで術具の交換を容易にしているが、着脱(術具接続)部分の洗浄・滅菌状態を十分に確認する必要があった。特許文献3に記載されている技術では、術具の傾動およびローリングを実現するために複雑な開閉機構を備えることから、部品点数が多く動作部分が多くなる。そのため、滅菌作業およびその後の組立作業の生産性を向上させることが難しかった。
特許文献4に記載されている技術では、容易な構成で鉗子の開閉操作を可能としているが、術具交換に時間を要するという課題があった。特許文献5に記載されている技術は、細長いシースを有する鉗子の収納・取り出しを簡略に行うものであり、手術中の術具の交換には、術者が生体内から鉗子を取り出す(引き出す)必要があった。
本発明は、前記背景におけるこれらの実情に鑑みてなされたものであり、術具の交換を容易にするとともに、交換された術具の衛生状態を容易に管理することができる軟性術具交換装置とその軟性術具交換装置に好適な軟性術具を提供することをその目的とする。
本発明は、鏡視下手術で用いられる軟性術具の交換装置である。本発明の一態様である軟性術具交換装置は、生体内へ挿抜自在かつ該生体内にて屈曲自在な軟性術具と、用途に応じた複数の前記軟性術具をそれぞれ格納した筐体と、上下方向に多段に積層して配置された複数の前記筐体が収納された収納部と、上下方向について前記複数の筐体のそれぞれの位置が搬送面の位置に順次一致するように前記収納部を下降又は上昇させる昇降機構を備えた交換部と、前記複数の筐体のうちで上下方向の位置が前記搬送面の位置に一致する前記筐体を前記生体の方向へ移動させる送出部と、移動された前記筐体が収納される術具操作部と、を備えている。そして、前記筐体が用途に応じて交換される構成としている。
前記構成によれば、用途に応じた軟性術具をそれぞれ格納した複数の筐体を備え、この筐体を用途に応じて交換することで、術具の交換を容易にする。また、筐体ごとに手術に応じた術具を備えることで、交換された術具の衛生状態を容易に管理することができる。すなわち、軟性術具がケースに格納され、その格納状況も機能部品・デバイスを内蔵したいわゆるカセット形式とすることで、保管・管理が容易になる。そして、サイズ・形状を統一することで軟性術具の交換装置としての標準化を図ることができる。さらに、交換部、送出部を備えることで、人為的な軟性術具の選定ミスによる医療過誤を防止することが容易となる。
前記態様において、前記軟性術具が、先端に開閉動する処置具が装着された柔軟なコード状の挿入部と、前記処置具の開閉動を操作する操作部と、を備え、前記挿入部が、前記処置具と一端が連結されたワイヤおよび、該ワイヤを被う外装チューブを含み、前記操作部が、前記挿入部を巻回するとともに回転させて前記挿入部を挿入・抜出させる収納ドラムおよび、前記ワイヤの他端が固定され、該収納ドラムと協同して回転するとともに巻回方向と異なる方向に移動可能な開閉機構を含み、前記開閉機構が、前記巻回方向と異なる方向である前記収納ドラムの軸方向への移動によって前記処置具を開閉動させ、前記筐体には、前記収納ドラムを回転させるとともに前記収納ドラムの軸方向への移動を前記筐体の外部から操作する操作接続部が備えられているように軟性術具交換装置を構成することができる。
前記構成は、特許文献4に記載された発明者の技術である、開閉装置の開閉動作と、当該開閉装置自身の送り出し・引き込みの二つの異質な動作を、操作部にて独立して行えるマスタ・スレーブ式操作システムが筐体内に内蔵されたカセットとして、軟性術具交換装置に適用するものである。
詳しくは、収納ドラムの回転によって外挿チューブを送り出し・引き込みを行って、軟性術具を生体内へ挿抜させる。そして、収納ドラムの外挿チューブの巻回方向とは異なる、例えば、収納ドラムの一部を軸方向へ移動させることで、この一部に取り付けられたワイヤの送り出し・引き込み操作を外挿チューブの動きと独立させて行うものである。ワイヤに開閉装置を連結させることで、ワイヤの送り出し・引き込みを、開閉動作に変換することができる。
したがって、この構成によれば、用途に応じた軟性術具が格納されたカセットであっても、術具の操作(開閉、送り出し、引き込み等)を容易に行うことができる。また、複雑な機構が、特に生体内に挿抜させる先端側の術具部分に含まれないことから、洗浄・滅菌等の衛生管理が容易な形態となる。さらに、回動や動力伝達機構、接続機構等がなく、部品点数が従来技術と比べ少なくなっていることから、コスト的にも有利であり、生産性も向上させている。
前記態様において、前記術具操作部には、前記操作接続部と接続される操作機構が備えられており、該操作機構の回転が前記操作接続部を介して前記収納ドラムを回転させるとともに、前記操作機構の押し引きが前記開閉機構を軸方向へ移動をさせるように構成することができる。
前記構成によれば、複雑な機構を要せずに術具操作部に操作機構を備えることで、マスタ側でスレーブ側の開閉機構を容易に操作できる。そして、カセットの収納ドラムの側面を露出等させることで、この面に孔やカギ状の突起を設けて、この孔や突起を外部から操作することができる。このように、開閉機構の開閉動作と、当該開閉機構自身の送り出し・引き込みをマスタ側にて操作することができる。そして、施術者の意図に応じた開閉機構の操作を可能とする。
前記態様の軟性術具交換装置に備えられる前記軟性術具において、前記外装チューブには、前記処置具と一端が連結された前記ワイヤが複数本収納されており、それぞれの前記ワイヤの前記他端が、独立して前記収納ドラムの軸方向への移動するように軟性術具を構成することができる。
前記構成は収納ドラムを軸方向へ移動させることでワイヤの引き込みを行う機構を複数独立して備えることで、例えば一のワイヤは引き込み、他のワイヤはそのままの状態を維持する等の操作で開状態を実現し、次に他のワイヤを引き込むことで、一のワイヤは元の状態に戻されるともに、閉状態に復帰することを可能とする。特許文献4では、開もしくは閉の一方向の操作に限定されており、例えば、ワイヤを引き込むことで開閉機構を開状態とした後、閉状態に戻すのは別の機構を必要した。しかしながら、この構成によれば、複数のワイヤを独立して引き込むことで、開操作、閉操作を独立に行えるともに、引き込む力を調整することでワイヤの開閉装置の把持力を調整できることから、硬軟状態が異なる臓器や患部の把持に好適となる。
前記態様の軟性術具交換装置に備えられる前記軟性術具において、前記処置具が、共通の回転軸を有し、それぞれ異なる方向に回動させて前記開閉動をさせる第1回動部と第2回動部とを備え、該第1回動部と該第2回動部には、前記回転軸に対して、回動面の開動作側に偏心した第1中心を有した円弧状の第1溝と、該回動面の閉動作側に偏心した第2中心を有した円弧状の第2溝とが形成されており、前記第1回動部の前記第1溝と前記第2回動部の前記第1溝には一の前記ワイヤが接続され、前記回動面を移動自在な第1ピンが挿通されており、前記第1回動部の前記第2溝と前記第2回動部の前記第2溝には他の前記ワイヤが接続され、前記回動面を移動自在な第2ピンが挿通されているように軟性術具を構成することができる。
前記構成によれば、開閉機構が閉状態のときに、第1ピンに連結されたワイヤが引き込まれると、第1ピンが引き寄せられる。第1回動部と第2回動部とは共通の回転中心を有していることから、第1ピンは回転中心から離れるように第1回動部の第1溝および第2回動部の第1溝を滑るように移動して、第1回動部と第2回動部とを回転させる。第1溝の終端まで第1ピンが到達すると、第1回動部と第2回動部の回転は止まり、開閉機構は開状態となる。
次に第2ピンに連結されたワイヤが引き込まれると、第2ピンが引き寄せられる。第1回動部と第2回動部とは共通の回転中心を有していることから、第2ピンは回転中心から離れるように第1回動部の第2溝および第2回動部の第2溝を滑るように移動して、第1回動部と第2回動部とを回転させる。第2溝の終端まで第2ピンが到達すると、第1回動部と第2回動部の回転は止まり、開閉機構は閉状態となる。
この構成によれば、複数のワイヤを独立して引き込むことで、開操作、閉操作を独立に行えるともに、引き込む力を調整することでワイヤの開閉装置の把持力を調整することを実現させる。
前記態様の軟性術交換装置に備えられる前記軟性術具において、前記挿入部が、円筒状の外装部と、該外装部内に回動自在に内挿され、前記処置具の回動を規制するように前記処置具に外嵌された回転部と、前記ワイヤの前記収納ドラムの軸方向への移動により、生体内への挿抜方向と直行する方向の回転軸を有して回転する駆動傘歯車と、前記回転部に備えられ、該駆動傘歯車と噛合する従動傘歯車と、を備えるように軟性術具を構成することができる。
前記構成によれば、駆動傘歯車をワイヤの押し引きで回転させることで、駆動傘歯車の噛合する従動傘歯車を回転させて、処置具を回転させることができる。係る構成は、患部を把持する適正な位置まで開閉装置を回転させることができる。
前記態様の軟性術具交換装置に備えられる前記軟性術具において、前記外装チューブには、前記処置具と一端が連結されたフレキシブルシャフトが収納されており、該フレキシブルシャフトの他端を回転させることで、前記処置具を回転させるように軟性術具を構成することができる。
フレキシブルシャフトは、柔軟性を有する長尺の軸部品であり、回転動力を離れた場所に伝達することができる。前記構成によれば、フレキシブルシャフトをワイヤと同軸で配して、このフレキシブルシャフトを回転させることによって術具を回転させることができる。フレキシブルシャフトについては、できるだけ軸心に近い部分に延在させ、シャフトの回転によって術具を回転させるときの抵抗(摩擦、摩耗)が少ない構成とすることが好適となる。
なお、傘歯車はワイヤの押し引きによって術具を回転させ、フレキシブルシャフトは直接術具を回転させるが、これらの構成は、格納スペースや屈曲状況によって、適宜選択することができる。
本発明は、術具の交換を容易にするとともに、交換された術具の衛生状態を容易に管理することができる軟性術具交換装置とその軟性術具交換装置に好適な軟性術具を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の収納部の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置に適用される軟性術具ユニットの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置に適用される軟性術具ユニットの断面を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の術具操作部の第1走査接続部の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の術具操作部の第2走査接続部の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の術具操作部の第1走査接続部が軟性術具ユニットに接続された状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置に適用される軟性術具ユニットの図3の裏面からの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の術具操作部の第1走査接続部が軟性術具ユニットに接続された状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の収納ドラムの構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の送出部が軟性術具ユニットに接続する状態を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の一実施例の動作を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の開閉ガイドの斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の操作部を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉動作を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の他の実施例の動作を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の回転部の斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の回転部の内部構造を示す斜視断面図である。 本発明の第4実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の回転部の動作を示す説明図である。 本発明の第5実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の回転部の斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の軟性術具交換装置とその軟性術具交換装置に係る好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
本発明に係る一態様は、生体内へ挿抜自在かつ該生体内にて屈曲自在な軟性術具と、用途に応じた複数の前記軟性術具をそれぞれ格納した筐体と、上下方向に多段に積層して配置された複数の前記筐体が収納された収納部と、上下方向について前記複数の筐体のそれぞれの位置が搬送面の位置に順次一致するように前記収納部を下降又は上昇させる昇降機構を備えた交換部と、前記複数の筐体のうちで上下方向の位置が前記搬送面の位置に一致する前記筐体を前記生体の方向へ移動させる送出部と、移動された前記筐体が収納される術具操作部と、を備え、前記筐体が用途に応じて交換されることを特徴とする軟性術具交換装置であれば、その具体的態様はいかなるものであっても構わない。
(第1実施形態)
はじめに本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置について図1~図11に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る軟性術具交換装置の説明図である。図2は、図1の収納部を示す斜視図である。図3は、軟性術具交換装置に適用される軟性術具ユニットの斜視図である。図4は、軟性術具ユニットの断面を示す説明図である。図5は、術具操作部の第1走査接続部の斜視図である。図6は、術具操作部の第2走査接続部の斜視図である。図7は、第1走査接続部が軟性術具ユニットに接続された状態を示す斜視図である。図8は、本実施形態に係る軟性術具交換装置に適用される軟性術具ユニットの図3の裏面からの斜視図である。図9は、本実施形態に係る軟性術具交換装置の術具操作部の第1走査接続部が軟性術具ユニットに接続された状態を示す断面図である。図10は、収納ドラムの構造を示す断面図である。図11は、軟性術具交換装置の送出部が軟性術具ユニットに接続する状態を示す斜視図である。
<軟性術具交換装置の全体説明>
図1(A)を参照すると、図の左側に生体が位置するように軟性術具交換装置1が設置される。なお、図1において、図の上下方向が軟性術具交換装置1を配置したときの上下方向としており、以下の説明においても単に上下方向と記載する場合がある。また、図1(A)の左方向に施術される生体が位置するものとしている。
軟性術交換装置1は、生体内へ挿抜自在かつ生体内にて屈曲自在な軟性術具が格納され用途に応じた複数の軟性術具をそれぞれ格納した複数の筐体とされた術具ユニット100と、複数の上下方向に多段に積層して配置された術具ユニット100が収納された収納部20と、上下方向について複数の術具ユニット100のそれぞれの位置が搬送面45の位置に順次一致するように収納部20を下降又は上昇させる昇降搬送部33を備えた交換部30と、複数の術具ユニット100のうちで上下方向の位置が搬送面45の位置に一致する術具ユニット100を生体の方向へ移動させる送出部40と、移動された術具ユニット100が収納される術具操作部50と、を備えている。以下、本実施形態に含まれる個別の構成を説明し、その後に軟性術具交換装置1における交換の動作について説明する。
<収納部の説明>
図2を参照すると、収納部20は複数の載置棚22が内部に形成された収納ボックス21を備える。収納ボックス21は、例えば中空の6面体であり、術具操作部50を臨む一方が開口25となった箱状の形状としており、開口25の側面の外側は昇降搬送部33のベルト35に装着されている。
ベルト35は、二つのローラ34によって上方と下方とで係合されており、いずれか一方もしくは両方のローラ34を回転させることで、ベルト35が回転し、ベルト35に装着された収納ボックス21が上下する。
載置棚22は、術具ユニット100を載置するための面を備えた開口25の左右方向の同じ高さに対向する凸状の段として形成することができる。なお、この載置棚22は、図に示すような凸状の段として術具ユニット100を載置する形態としても良いし、術具ユニット100を格納できるボックス状としても良い。また、載置棚22の段数は少なくとも2以上であって、手術に応じた段数を備えるものとしている。
<術具ユニット100の説明>
図3,4を参照すると、術具ユニット100は軟性術具を格納する筐体であり、軟性術具は、先端に開閉動する処置具である開閉装置200が装着された柔軟なコード状の挿入部となる柔軟操作材122と、開閉装置200の開閉動を操作する操作部116と、柔軟操作材122を巻回する収納ドラム110を有する。
収納ドラム110は、柔軟操作材122の巻回方向に回動自在となるように術具ユニット100に収容されている。操作部116はこの収納ドラム100の回転軸方向に移動可能なように、収納ドラム110に形成された有底の孔である操作部収容部111内に収容されている。そして操作部116は、収納ドラム110と協調して回転するとともに回転軸方向に移動可能なように、キー溝119に嵌入された廻り止めキー118によって収納ドラム110と係合されている。さらに操作部116の収納ドラム110の回転軸方向への移動を規制するとともに姿勢及び位置を安定させるために操作部収容部111の底からバネ等の付勢装置114によって付勢されている。
柔軟操作材122は、開閉装置200と一端が連結された作動ワイヤ124および、作動ワイヤ124を被う外装チューブ126からなり、収納ドラム110に形成された柔軟操作材収納溝113に巻回される。そして、収納ドラム110を回転させることで柔軟操作材122が送り出され、引き込みされ、開閉装置200を生体内へ挿入・抜出させることができる。また、作動ワイヤ124の他端は操作部116に連結されている。
図5、図7も併せて参照すると、先頭部分が細径の円筒となったロッド142を備えた第1操作接続部141は、ロッド142の先端が操作部116に接するように配設されている。
図6,図8も併せて参照すると、術具ユニット100と収納ドラム110の下面とが面一となった状態を表している。収納ドラム110の下面には複数の有底孔である係合孔117が形成されており、第2操作接続部143に形成された係合ピン144と係合することができるように、第2操作接続部143が配設されている。なお、係合孔117は、例えば角穴や平歯車のような孔形状として相手方となる第2操作接続部143の係合ピン144をこの角穴や平歯車とすることでも良い。係る構成では、係合孔117は複数ではなく一つでも良い。
術具ユニット100の開閉装置200が柔軟操作材122の巻回によって伸縮する方向と並行した側面には載置棚22に術具ユニット100を載置するための載置凸条160が形成されており、図2に示すように術具ユニット100が収納ボックス21内に格納されるように載置凸条160が載置棚22載置される。
次に図9,10も併せて参照して、本実施形態の開閉機構となる開閉装置200の送り出し動作及び開閉動作について説明する。図10(A)に示すように、作動ワイヤ124とその外皮となる外装チューブ126を備えた柔軟操作材122は、収納ドラム110の柔軟操作材収納溝113に巻回されている。そして、作動ワイヤ124の他端が接続された操作部116は、収納ドラム110と協調して回転するように、廻り止めキー118によって収納ドラム110と係合されている。
次に図10(B)を参照すると、操作部116が収納ドラム110と協調して回転することから、作動ワイヤ124と柔軟操作材122は、両者の位置関係を保持したまま、開閉装置200を送り出す。このように開閉装置200の状態を維持したままで生体内へ挿抜自在とすることができる。収納ドラム110の回転については、ハンドル等を設けて手動で回転させても良いし、モータと連結して回転させても良い。
図9は、開閉装置200の開閉動作について説明するものであり、作動ワイヤ124の外皮となる外装チューブ126は図示をしていない。図9(A)を参照すると、操作部116は、第1操作接続部141からの付勢はされておらず、付勢装置114によって上下動を規制するとともに姿勢及び位置を安定させて、操作部収容部111の上側に収容されている。
作動ワイヤ124の一端は開閉装置200に接続され、他端は操作部116の円筒状の側面に設けられたワイヤ係止部125に接続されている。図9では図示していない外装チューブ126が図の左方向へ送出されても、もしくは右方向に引き込まれても、作動ワイヤ124と外装チューブ126との相対的な位置は変わらない。このため、図9(A)に示すように開閉装置200は、閉じた状態を維持する。図10(A)、(B)では、柔軟操作材122を送出しても、作動ワイヤ124と柔軟操作材122との相対的な位置は変わらず、開閉装置200が開いた状態を維持する様子を示している。
図9(B)を参照すると、第1操作接続部141が下方へ移動し、この第1操作接続部141に押されて操作部116も下方に移動する。操作部116は、付勢装置114によって、上方へ付勢されていることから、第1操作接続部141の下方への移動量が操作部116の下方への移動量となる。
操作部116が下方へ移動すると、ワイヤ係止部125に接続された作動ワイヤ124は、図示しない柔軟操作材122に対して、相対的に矢視T方向となる右方へ引き込まれる。この引き込み動作を利用して、開閉装置200を開くことができる。開閉する機構は、例えば蝶番を持つ二つの刃を有するハサミ状の鉗子の場合、片側の刃に作動ワイヤ124を取り付け、当該刃のみを右方向に移動させることで、開動作をさせることができるが、特に限定はされない。
図8と図11を参照すると、術具ユニット100には厚さ方向に上面から下面にかけて切り欠き150が形成されている。この切り欠き150の形状は送出部40に備えられた送出ロッド41の端部に形成された係合部42の外形と一致し、昇降搬送部33によって術具ユニット100が上下することで、係合部42が切り欠き150内に収容される。
<軟性術具交換についての説明>
再び図1を参照して、軟性術交換について説明する。図1(A)において、軟性術交換装置1は、複数の上下方向に多段に積層して配置された術具ユニット100が収納部20に収納された状態を示している。術具操作部50において、左方の生体側には上下方向に所定の間隔を有する術具位置決め具51が備えられている。術具位置決め具51は、例えば図の奥行き方向へ延在する棒状の部材であり、ローラ等を適用することができる。所定の間隔とは術具ユニット100の厚み方向の寸法に合わせて、術具ユニット100の上下動を規制するように設定される。搬送面45は、術具ユニット100の左右方向の移動面を表している。
使用する術具ユニット100が選択されると、交換部30および送出部40に指令が送られる。交換部30は昇降搬送部33のローラ34を駆動させて、選択された術具ユニット100を搬送面45の位置まで移動させる。このとき搬送面45の位置には送出部40の送出ロッド41の係合部42が、術具ユニット100の切り欠き150内に係合する位置に配され、術具ユニット100の移動によって係合部42と切り欠き150が係合する。
図1(B)を参照すると、送出ロッド41が切り欠き150と係合した術具ユニット100を搬送面45に沿って左方へ押し出す。このとき、術具ユニット100は、術具位置決め具51の間に挟まれるように配置されるとともに、第2操作接続部143の係合ピン144と係合孔117とが係合して、術具ユニット100が安定的に術具操作部50内に配設される。そして、第1操作接続部141が下降して、ロッド142が操作部116に接続する。ここで、位置決め具51をモータ等の動力に使用して回転させるローラとして、術具ユニット100をこのローラによって左方へ搬送することで、交換作業をよりスムーズにすることができる。
術具ユニット100が交換されると、第1操作接続部141によって開閉装置200の操作および第2操作接続部143によって柔軟操作材122の送出、引き込みを操作することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、開閉装置の機構に係る実施形態であり、その他の構成については第1実施形態と同じであるため、以下の説明において、第1実施形態と重複する構成についてはその説明を省略する。また、以下では、本実施形態に係る開閉装置を説明し、その後この開閉装置を操作する機構について説明する。図12は、本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の一実施例の動作を示す説明図である。図13は、本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置を示す断面図である。図14は、本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の開閉ガイドの斜視図である。図15は、本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の操作部を示す斜視図である。図16は、本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉動作を示す説明図である。図17は、本発明の第2実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の他の実施例の動作を示す説明図である。
<開閉装置の説明>
図12を参照すると、本実施形態に係る開閉装置201は、共通の回転中心230を有し、それぞれ異なる方向に回動させて開閉動をさせる第1回動部210と第2回動部220とで構成されている。図12では、第1回動部210と第2回動部220とは、開閉装置201が閉じた状態での回転中心230を通る中心線に対して線対称の形状としているがこの形状に限定されず、以下に説明する溝とピンとの関係を有する形態であれば良い。
第1回動部210には、回転中心230に対して、回動面の開動作側に偏心した第1中心241を有した円弧状の第1溝242と、回動面の閉動作側に偏心した第2中心251を有した円弧状の第2溝252とが形成されている。第2回動部220にも、回転中心230に対して、回動面の開動作側に偏心した第1中心241と線対称位置にある中心を有した円弧状の第1溝243と、回動面の閉動作側に偏心した第2中心251と線対称位置にある中心を有した円弧状の第2溝253とが形成されている。なお、第2回動部220のそれぞれの偏心した中心については、図が煩雑になることから省略している。
第1回動部210の第1溝242と第2回動部220の第1溝243には、回動面を移動自在な第1ピン240が挿通されている。図13を併せて参照すると、この第1ピン240には作動ワイヤとして第1ワイヤ271が接続されている。同様に、第1回動部210の第2溝252と第2回動部220の第2溝253には、回動面を移動自在な第2ピン250が挿通されている。この第2ピン250には作動ワイヤとして第2ワイヤ272が接続されている。
図13と図14を参照すると、第1回動部210と第2回動部220とからなる開閉装置201は断面コ字状の開閉ガイド260に収容される。開閉ガイド260には、第1回動部210と第2回動部220の回転中心230の回転軸となる回動軸231が形成されている。開閉ガイド260の上面、下面を構成する平板には、上面と下面とを貫通する長円形のガイド溝261、262が形成されている。第1ピン240と第2ピン250は、ガイド溝261、262に挿通され、長円の長さ方向に移動自在となっている。
前記したように、第1ピン240には作動ワイヤとして第1ワイヤ271が接続され、第2ピン250には作動ワイヤとして第2ワイヤ272が接続されており、図の矢視の方向にそれぞれのワイヤを引っ張ることができる。
図12(A)と(B)を併せて参照すると、(A)では、作動ワイヤである第1ワイヤ271および第2ワイヤ272のテンションがかかっていない状態を表しており、開閉装置201は閉じた状態となっている。このときの第1ピン240と第2ピン250との距離をLPとしている。
開閉機構201が閉状態のときに、第1ピン240に連結された第1ワイヤ271が引き込まれると、第1ピン240が図の右方に引き寄せられる。第1回動部210と第2回動部220とは共通の回転中心230を有していることから、第1ピン240は回転中心230から離れるように第1回動部210の第1溝242および第2回動部220の第1溝243を滑るように移動して、第1回動部210と第2回動部220とを回転させる。第1溝242,243の終端まで第1ピン240が到達すると、第1回動部210と第2回動部220の回転は止まり、開閉機構201は(B)に示す開状態となる。図12(B)に示すように、開状態では第1ピン240と第2ピン250との距離LPは、(A)と比べて短くなる。
次に第2ピン250に連結された第2ワイヤ272が引き込まれると、第2ピン250が図の右方に引き寄せられる。第1回動部210と第2回動部220とは共通の回転中心230を有していることから、第2ピン250は回転中心230から離れるように第1回動部210の第2溝252および第2回動部220の第2溝253を滑るように移動して、第1回動部210と第2回動部220とを回転させる。第2溝252,253の終端まで第2ピン250が到達すると、第1回動部210と第2回動部220の回転は止まり、開閉機構201は(A)に示す閉状態となる。
<開閉装置を操作する機構についての説明>
図16は、開閉装置201の開閉動作について説明するものであり、第1ワイヤ271および第2ワイヤ272の外皮となる外装チューブ126は図示をしていない。図16(C)を参照すると、操作部216は、第1操作接続部141からの付勢はされておらず、付勢装置114によって上下動を規制するとともに姿勢及び位置を安定させて、操作部収容部281の上側に収容されている。なお、図16(B)では、第1操作接続部141の付勢を最も大きくした状態、(A)では、(B)と(C)との中間に位置するように付勢した状態であって、(A),(B),(C)の付勢力は、下方への移動量として規制することができる。すなわち、付勢装置114およびロッド142の移動量が操作部216の移動量となり、この移動量によって作動ワイヤのテンションを制御することができる。
図15も併せて参照すると、本実施形態に係る操作部216は、円柱を軸方向に半割にして、各半割部間にスリット218を設け、これら半割部を上下方向の断面が長円柱に形成されたワイヤガイド部217で結合した形状としている。
第1ワイヤ271と第2ワイヤ272の一端は、収納ドラム280の操作部収容部281の側面から上面に連通された案内孔221を挿通してテンショナー219に結合されている。そして案内孔221に導出された第1ワイヤ271はスリット218内のワイヤガイド部217の下方を経由して、第2ワイヤ272はスリット218内のワイヤガイド部217の上方を経由して、それぞれ図13に示す第1ピン240および第2ピン250に係合されている。
テンショナー219は、第1ワイヤ271と第2ワイヤ272に常にテンションをかけて緩みをなくすために設けられている。緩みがある場合には開閉装置201の開閉動作の制御ができずに、意図しない開閉動作が生じる可能性があるからである。
図16(A),(B),(C)を参照すると、(A)では第1ワイヤ271および第2ワイヤ272に同程度のテンションがかかり、(B)では第1ワイヤ271が第2ワイヤ272に比べて大きなテンションがかかり、(C)では第2ワイヤ272が第1ワイヤ271に比べて大きなテンションがかかる。図16(A),(B),(C)いずれの状態においてもテンションナー219に結合されているため、テンションが低いワイヤに対しても緩みは生じない。
具体的に開閉装置201の操作状態に図16(A),(B),(C)の状態を当てはめると、(B)が開状態、(C)が閉状態となる。このように本実施形態では開閉装置201を確実に開閉操作することができる。
図17には変形例としての開閉装置300を示している。図17を参照すると、開閉装置300は、共通の回転中心330を有し、それぞれ異なる方向に回動させて開閉動をさせる第1回動部310と第2回動部320とで構成されている。
第1回動部310には、回転中心330に対して、回動面の開動作側に偏心した中心(図示しない)を有した円弧状の第1溝342と、回動面の閉動作側に偏心した中心(図示しない)を有した円弧状の第2溝352とが形成されている。第2回動部320にも、回転中心330に対して、回動面の開動作側に偏心した中心と線対称位置にある中心(図示しない)を有した円弧状の第1溝343と、回動面の閉動作側に偏心した中心(図示しない)と線対称位置にある中心を有した円弧状の第2溝353とが形成されている。
第1回動部310の第1溝342と第2回動部320の第1溝343には、回動面を移動自在な第1ピン340が挿通されている。この第1ピン340には一の作動ワイヤ(図示しない)が接続されている。同様に、第1回動部310の第2溝352と第2回動部320の第2溝353には、回動面を移動自在な第2ピン350が挿通されている。この第2ピン350には一の作動ワイヤとは他の作動ワイヤ(図示しない)が接続されている。
図17(A)と(B)を参照すると、(A)では、一の作動ワイヤおよび他の作動ワイヤのテンションがかかっていない状態を表しており、開閉装置300は閉じた状態となっている。
開閉機構300が閉状態のときに、第1ピン340に連結された一の作動ワイヤが引き込まれると、第1ピン340が図の右方に引き寄せられる。第1回動部310と第2回動部320とは共通の回転中心330を有していることから、第1ピン340は回転中心330から離れるように第1回動部310の第1溝342および第2回動部320の第1溝343を滑るように移動して、第1回動部310と第2回動部320とを回転させる。第1溝342,343の終端まで第1ピン340が到達すると、第1回動部310と第2回動部320の回転は止まり、開閉機構300は(B)に示す開状態となる。
次に第2ピン350に連結された他の作動ワイヤが引き込まれると、第2ピン350が図の右方に引き寄せられる。第1回動部310と第2回動部320とは共通の回転中心330を有していることから、第2ピン350は回転中心330から離れるように第1回動部310の第2溝352および第2回動部320の第2溝353を滑るように移動して、第1回動部310と第2回動部320とを回転させる。第2溝352,353の終端まで第2ピン350が到達すると、第1回動部310と第2回動部320の回転は止まり、開閉機構300は(A)に示す閉状態となる。
このように変形例の開閉機構300であっても、図12等で説明した開閉機構201と同様な動作を実現でき、同様な操作を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本発明の第3実施形態は、開閉装置の回転機構に係る回転部400の実施形態であり、その他の構成については第1実施形態もしくは第2実施形態と同じであるため、以下の説明において、第1実施形態もしくは第2実施形態と重複する構成についてはその説明を省略する。図18は、本発明の第3実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の回転部の斜視図である。図19は、本発明の第3実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の回転部の内部構造を示す斜視断面図である。
回動する面を有する開閉装置200は、生体内で臓器を把持する場合において、開閉の回動面を回転させて臓器の把持位置に合わせる必要がある。開閉装置200に結合された柔軟操作材122は、長円形の円柱状のアダプタ411に内挿される。そして、開閉装置200は、円筒状の回転筒410と協働して回転するように、断面視長円形のアダプタ411が回転筒410に回動を規制するようにアダプタ嵌入部450へ内挿される。さらに回転筒410は、外装420に回動自在に内挿される。係る構成の回転部400とすることで、外装420内で回転筒410を回動させて、開閉装置200の開閉の回動面、すなわち生体内への挿抜方向と直交する方向の回転軸で開閉装置200を回転させることができる。
次に図19を参照する。図19は、図18の右奥行き側である軟性術具交換装置1の術具操作部50側の一部断面(図18のX-Y軸の断面)を示している。回転筒410の円筒部周囲には、放射方向の歯が形成された従動傘歯車440が形成されている。この従動傘歯車440は、回転筒410と一体でも別体でもどちらでも良いが、従動傘歯車440の回転によって回転筒410も回転するようにされている。
この従動傘歯車440と噛合するように、生体内への挿抜方向と直行する方向の回転軸を有して回転する駆動傘歯車430が備えられている。駆動傘歯車430の回転軸となる駆動傘歯車回転軸431は、外装420に回転筒410の回転の影響は受けないよう回動自在に備えられている。
駆動傘歯車回転軸431には例えば図16に示す第1ワイヤ271が巻回されており、操作部216の軸方向への移動により第1ワイヤ271が引き込まれて、生体内への挿抜方向と直交する方向の回転軸によって回転する。駆動傘歯車回転軸431の回転によって、駆動傘歯車430が回転し、その回転は従動傘歯車440に伝達される。
この構成によれば、駆動傘歯車をワイヤの押し引きで回転させることで、駆動傘歯車の噛合する従動傘歯車を回転させて、処置具である開閉装置を回転させることができる。係る構成の回転部400は、患部を把持する位置まで開閉装置を回転させることができる。なお、図19に示す回転機構は外装420の先端近くに配置することが好ましい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本発明の第4実施形態は、生体内に複数の開閉装置を挿入し、施術に併せて回転装置を選択する機構に係る実施形態であり、その他の構成については第1~3実施形態と同じであるため、以下の説明において、第1~3実施形態と重複する構成についてはその説明を省略する。図20は、本発明の第4実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の回転部の動作を示す説明図である。
図20(A)を参照すると、図19で示した第3実施形態と同様な構成の回転部および開閉装置を並列させている。まず、(A)の右側を見ると、回転交換部500は、生体内への挿抜方向と直行する方向の回転軸である駆動傘歯車回転軸531を有して回転する駆動傘歯車530と、この駆動傘歯車530と噛合する従動傘歯車540を備えている。図20(B)に示すように、駆動傘歯車530の回転は従動傘歯車540に伝達されて、開閉装置200および柔軟操作材122が回転する。
再度図20(A)の全体を見ると、右側にも左側と同じ傘歯車による伝達機構を備えている。また(A)では、左右に配されている駆動傘歯車530、530とこれらと対応する左右の従動傘歯車540、550とは噛合していない。次に(B)を見ると、右側の傘歯車による伝達機構が矢視Z1の方向に移動している。移動は収納ドラム110、280等によって柔軟操作材122を引き込むことで実現できる。右側の傘歯車による伝達機構の矢視Z1方向への移動によって、従動傘歯車540と駆動傘歯車530とが噛合して、開閉装置200および柔軟操作材122を回転させることができる。なお、回転操作については第3実施形態と同様である。(C)では左側の傘歯車による伝達機構の矢視Z2方向への移動によって(B)と同様な操作を左側の傘歯車による伝達機構を成立させ、開閉装置200および柔軟操作材122を回転させる。
この構成によれば、生体内に複数の開閉装置を挿入した場合であっても、駆動傘歯車をワイヤの押し引きで回転させることで、駆動傘歯車の噛合する従動傘歯車を回転させて、処置具である開閉装置を回転させることができる。係る構成は、患部を把持する位置まで開閉装置を回転させることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本発明の第5実施形態は、生体内に複数の開閉装置を挿入し、施術に併せて回転装置を選択する機構に係る実施形態であり、その他の構成については第1~4実施形態と同じであるため、以下の説明において、第1~4実施形態と重複する構成についてはその説明を省略する。図21は、本発明の第5実施形態に係る軟性術具交換装置の開閉装置の回転部の斜視図である。
図21を参照すると、本発明の第5実施形態は、第2実施形態の第1ワイヤ271と第2ワイヤ272を被う外装チューブ320の中に回転動力を離れた場所に伝達するフレキシブルシャフト600を内挿している。フレキシブルシャフト600は、柔軟性を有する長尺の軸部品であり、一端を回転させると、捩れ等の損失の発生を少なくして、その回転を他端へ伝達することができる。
本実施形態において、フレキシブルシャフト600の一端は、図16の操作部216から突出させ、他端は回転筒410に連結することができる。このように構成することで、操作部216でフレキシブルシャフト600を回転させることで、回転筒410を介して図18に示す柔軟操作材122、開閉装置200を回転させることできる。
すなわち、この構成によれば、第1ワイヤ271,第2ワイヤ272をフレキシブルシャフト600に内挿することで、同軸で配することできる。このフレキシブルシャフト600のみを回転させることによって術具となる開閉装置200を回転させることができる。なお、フレキシブルシャフト600は、できるだけ軸心に近い部分に延在させ、フレキシブルシャフト600の回転によって開閉装置200である術具を回転させるときの抵抗(摩擦、摩耗)が少ない構成とすることが好適となる。
なお、第3,4実施形態で説明した傘歯車による回転機構は作動ワイヤの押し引きによって術具を回転させ、本実施形態のフレキシブルシャフトによる回転機構は直接術具を回転させるが、これらの構成は、格納スペースや屈曲状況によって、適宜選択することができる。
以上説明したように、本発明は、術具の交換を容易にするとともに、交換された術具の衛生状態を容易に管理することができる軟性術具交換装置とその軟性術具交換装置に好適な軟性術具を提供することができる。
1・・・軟性術具交換装置
20・・・収納部
21・・・収納ボックス
22・・・載置棚
25・・・開口
30・・・交換部
33・・・昇降搬送部
34・・・ローラ
35・・・ベルト
40・・・送出部
41・・・送出ロッド
42・・・係合部
45・・・搬送面
50・・・術具操作部
51・・・術具位置決め具
100・・・術具ユニット
110,280・・・収納ドラム
111,281・・・操作部収容部
113・・・柔軟操作材収用溝
114・・・付勢装置
116,216・・・操作部
117・・・係合孔
118・・・廻り止めキー
119・・・キー溝
122・・・柔軟操作材
124・・・作動ワイヤ
125・・・ワイヤ係止部
126,320・・・外装チューブ
141・・・第1操作接続部
142・・・ロッド
143・・・第2操作接続部
144・・・係合ピン
150・・・切り欠き
160・・・載置凸条
200,201,300・・・開閉装置
210,310・・・第1回動部
217・・・ワイヤガイド部
218・・・スリット
219・・・テンショナー
220,320・・・第2回動部
221・・・案内孔
230・・・回転中心
231・・・回動軸
240,340・・・第1ピン
241・・・第1中心
242,243,342,343・・・第1溝
250,350・・・第2ピン
251・・・第2中心
252,253,352,353・・・第2溝
260・・・開閉ガイド
261,262・・・ガイド溝
271・・・第1ワイヤ
272・・・第2ワイヤ
400・・・回転部
410・・・回転筒
411・・・アダプタ
420・・・外装
430,530・・・駆動傘歯車
431,531・・・駆動傘歯車回転軸
440,540・・・従動傘歯車
450・・・アダプタ嵌入部
500・・・回転交換部
600・・・フレキシブルシャフト

Claims (7)

  1. 生体内へ挿抜自在かつ該生体内にて屈曲自在な軟性術具と、
    用途に応じた複数の前記軟性術具をそれぞれ格納した筐体と、
    上下方向に多段に積層して配置された複数の前記筐体が収納された収納部と、
    上下方向について前記複数の筐体のそれぞれの位置が搬送面の位置に順次一致するように前記収納部を下降又は上昇させる昇降機構を備えた交換部と、
    前記複数の筐体のうちで上下方向の位置が前記搬送面の位置に一致する前記筐体を前記生体の方向へ移動させる送出部と、
    移動された前記筐体が収納される術具操作部と、を備え、
    前記筐体が用途に応じて交換されることを特徴とする軟性術具交換装置。
  2. 前記軟性術具が、先端に開閉動する処置具が装着された柔軟なコード状の挿入部と、前記処置具の開閉動を操作する操作部と、を備え、
    前記挿入部が、前記処置具と一端が連結されたワイヤおよび、該ワイヤを被う外装チューブを含み、
    前記操作部が、前記挿入部を巻回するとともに回転させて前記挿入部を挿入・抜出させる収納ドラムおよび、前記ワイヤの他端が固定され、該収納ドラムと協同して回転するとともに巻回方向と異なる方向に移動可能な開閉機構を含み、
    前記開閉機構が、前記巻回方向と異なる方向である前記収納ドラム軸方向への移動によって前記処置具を開閉動させ、
    前記筐体には、前記収納ドラムを回転させるとともに前記収納ドラムの軸方向への移動を前記筐体の外部から操作する操作接続部が備えられている、ことを特徴とする請求項1に記載の軟性術具交換装置。
  3. 前記術具操作部には、前記操作接続部と接続される操作機構が備えられており、
    該操作機構の回転が前記操作接続部を介して前記収納ドラムを回転させるとともに、前記操作機構の押し引きが前記開閉機構を軸方向へ移動させることを特徴とする請求項2に記載の軟性術具交換装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の軟性術具交換装置に備えられる前記軟性術具であって、
    前記外装チューブには、前記処置具と一端が連結された前記ワイヤが複数本収納されており、
    それぞれの前記ワイヤの前記他端が、独立して前記収納ドラムの軸方向への移動する、ことを特徴とする軟性術具。
  5. 前記処置具が、共通の回転軸を有し、それぞれ異なる方向に回動させて前記開閉動をさせる第1回動部と第2回動部とを備え、
    該第1回動部と該第2回動部には、前記回転軸に対して、回動面の開動作側に偏心した第1中心を有した円弧状の第1溝と、該回動面の閉動作側に偏心した第2中心を有した円弧状の第2溝とが形成されており、
    前記第1回動部の前記第1溝と前記第2回動部の前記第1溝には一の前記ワイヤが接続され、前記回動面を移動自在な第1ピンが挿通されており、
    前記第1回動部の前記第2溝と前記第2回動部の前記第2溝には他の前記ワイヤが接続され、前記回動面を移動自在な第2ピンが挿通されている、ことを特徴とする請求項4に記載の軟性術具。
  6. 前記挿入部が、
    円筒状の外装部と、
    該外装部内に回動自在に内挿され、前記処置具の回動を規制するように前記処置具に外嵌された回転部と、
    前記ワイヤの前記収納ドラムの軸方向への移動により、生体内への挿抜方向と直行する方向の回転軸を有して回転する駆動傘歯車と、
    前記回転部に備えられ、該駆動傘歯車と噛合する従動傘歯車と、を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の軟性術具。
  7. 前記外装チューブには、前記処置具と一端が連結されたフレキシブルシャフトが収納されており、
    該フレキシブルシャフトの他端を回転させることで、前記処置具を回転させることを特徴とする請求項4に記載の軟性術具。
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