JP7240469B1 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】その目的は、引張強さを維持しながらも耐熱水性と生産性に優れたポリアセタール樹脂を提供することである。【解決手段】 本発明の目的は、下記によって達成された。(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、(B)ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂とで表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、(C)Zn,Sn,Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物より選ばれた少なくとも1種の有機金属化合物0.001質量部以上2質量部以下と、(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体0.002質量部以上10質量部以下、とを含有するポリアセタール樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性、耐衝撃性、成形品の寸法安定性等において優れた特性を持っており、構造材料や機構部品として電気機器、自動車部品、精密機械部品等に広く使用されている。そして、ポリアセタール樹脂の機械的特性、例えば強度や剛性を向上させるために、ガラス系無機充填材等の強化材を配合することが知られている。
しかしながら、ポリアセタール樹脂は活性に乏しく、またガラス系無機充填材も活性に乏しいため、単にポリアセタール樹脂にガラス系無機充填材を配合し溶融混練しただけでは両者の密着性は不十分なものとなり、期待するほどの機械的特性の向上が得られない場合が多い。そこで、ポリアセタール樹脂とガラス系無機充填材との密着性を向上させて機械的特性を改良するための各種の方法が提案されている。
例えば、ポリアセタール樹脂にガラス系無機充填材とホウ酸化合物とを添加すること(特許文献1参照)、さらに該ガラス系無機充填材をブロック化イソシアネート、特定のシラン化合物で表面処理すること(特許文献2参照)等が知られている。
特開平9-151298号公報 特開平3-79631号公報
これらの手法により、ガラス系無機充填材の化学的活性を高め、ガラス系無機充填材を配合したポリアセタール樹脂の引張強さ、引張伸び、曲げ強さ、耐衝撃性、耐熱水性は向上させることができた。しかしながら、ガラス系無機充填材を配合したポリアセタール樹脂の一層の耐熱水性の改善が要求されている。また、生産性を向上させるためにガラス繊維(チョップドストランド、ロービング)のフィード速度を上げると、ガラス繊維のフィード時に毛羽立ちという現象が発生することがあり、安定した生産が阻害されるという課題が発生した。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、引張強さ、引張伸び、曲げ強さ、耐衝撃性を維持しながらも耐熱水性及び生産性に優れたポリアセタール樹脂を提供することである。
本発明の目的は、下記によって達成された。
(1) (A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、
(B)ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂とで表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、
(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物より選ばれた少なくとも1種の有機金属化合物0.001質量部以上2質量部以下と、
(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体0.002質量部以上10質量部以下、
とを含有するポリアセタール樹脂組成物。
(2)前記(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物が、金属のカルボン酸塩である、前記1記載のポリアセタール樹脂組成物。
(3) 前記(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物が、カルボン酸と無機金属化合物との混合物である、前記1記載のポリアセタール樹脂組成物。
(4) 前記(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体が、メラミンである、前記1~3いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
本発明によれば、引張強さ、引張伸び、曲げ強さ、耐衝撃性を維持しながらも耐熱水性がさらに改良されてかつ生産性にも優れたポリアセタール樹脂を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<ポリアセタール樹脂組成物>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、(B)ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂とで表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物より選ばれた少なくとも1種の有機金属化合物0.001質量部以上2質量部以下と、(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体0.002質量部以上10質量部以下、とを含有することを特徴とする。
<(A)ポリアセタール樹脂>
本発明の(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(-CHO-)を主たる構成単位とする高分子化合物で、オキシメチレン基のみが構成単位であるポリオキシメチレンホモポリマー、又はオキシメチレン基を主たる構成単位とし、これ以外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、1,3-ジオキソラン、1,4-ブタンジオールホルマール等のコモノマーに由来する構成単位を少量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックポリマーのいずれにてもよい。
また、ポリアセタール樹脂は、分子が線状のみならずグリシジルエーテル構造を有するコモノマー等を共重合させた分岐、架橋構造を有するものであってもよく、他の有機基を導入した公知の変性ポリオキシメチレンであってもよく、また線状樹脂と分岐、架橋構造を有する樹脂との混合物であってもよい。
ポリアセタール樹脂は、その重合度に関しても特に制限はなく、溶融成形加工性を有するもの(例えば、ISO1133に準拠して、190℃、2160g荷重下でのメルトフロー値(MFR)が1.0g/10分以上100g/10分以下)であればよい。
<(B)ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂で表面処理されたガラス繊維>
(B)ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂で表面処理されたガラス繊維(以下、表面処理されたガラス繊維ともいう)は、ガラス繊維がブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂とで表面処理されたものであることを要する。ガラス繊維は、ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂とで表面処理されていれば足り、表面処理するタイミングの先後は問わない。
すなわち、表面処理されたガラス繊維は、ブロック化イソシアネート化合物で表面処理された後に、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂で表面処理されたものであってもよいし、アミノシランカップリング剤で表面処理された後、ブロック化イソシアネート化合物及びエポキシ樹脂で表面処理されたものであってもよい。
また、アミノシランカップリング剤とエポキシ樹脂で表面処理された後、ブロック化イソシアネート化合物で表面処理されたものであってもよいし、アミノシランカップリング剤とブロック化イソシアネート化合物で表面処理された後、エポキシ樹脂で表面処理されたものであってもよい。もちろん、ガラス繊維は、ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂とで同時に表面処理されたものであってもよい。
さらに、表面処理されたガラス繊維は、ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂に加えて、ポリウレタン樹脂及び/或いはポリアクリル酸樹脂(アクリル酸単独重合体、アクリル酸/アクリル酸メチル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸メチルなど)及び/或いは蛍光増白剤を追加して表面処理されたものであってもよい。
また、表面処理されたガラス繊維がブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシで表面処理されたものであるか否かは、ポリアセタール樹脂組成物からガラス繊維を溶剤抽出し、成分を分析することで区別可能である。
≪ブロック化イソシアネート化合物≫
ブロック化イソシアネート化合物の原料であるイソシアネート化合物としては、一分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する多官能のイソシアネート化合物であれば特に制限なく使用できる。
例えば、脂肪族、脂環族(以下、「脂環式」ともいう。)及び芳香族のイソシアネート化合物を挙げることができるが、特に、ポリアセタール樹脂との相溶性や適合性の面から、脂肪族、脂環族イソシアネート化合物が好ましい。特に、2官能性の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート、これらのジイソシアネートを多量化したポリイソシアネートであることが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数4以上30以下のものが好ましく、炭素数5以上10以下のものがより好ましい。具体的には、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、ペンタメチレン-1,5-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、脂環式ジイソシアネートとしては、炭素数8以上18以下のものが好ましく、炭素数10以上15以下のものがより好ましい。具体的には、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。さらに、芳香族ジイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
さらに、ポリイソシアネートとしては、一分子当たり少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物、例えば、トリレンジイソシアネートもしくはジフェニルメタンジイソシアネートの如き、各種の芳香族ジイソシアネート類;メタ-キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチル-メタ-キシリレンジイソシアネートの如き、各種のアラルキルジイソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはイソホロンジイシシアネートの如き、脂肪族ないしは脂環式ジイソシアネート類と、多価アルコール類とを付加反応せしめて得られるような、イソシアネート基含有プレポリマー類、前記の各種のジイソシアネート類を環化三量化せしめて得られるような、イソシアヌレート環を有するプレポリマー類、あるいは前記の各種のジイソシアネート類と、水とを反応せしめて得られるような、ビュレット構造を有するポリイソシアネート等が挙げられる。
なかでも、得られる組成物の耐衝撃性や耐久性、工業的入手の容易さの点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネートの多量体[例えば、2量体、(環状)3量体、5量体、7量体、9量体、11量体、或いはそれらの混合物など)が好ましい。なお、上記化合物を2種以上併用することもできる。
本発明のブロック化イソシアネート化合物としては、上記イソシアネート化合物の反応基を、周知のブロック化剤で定法によりブロックしたものを、特に限定されることなく使用できる。
具体的なブロック化剤としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、アセトキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム系ブロック化剤;フェノール、クレゾール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール等のフェノール系ブロック化剤;メタノール、エタノール、ブタノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール系ブロック化剤;ε-カプロラクタム等のラクタム系ブロック化剤;マロン酸ジエチル、アセト酢酸エステル等のジケトン系ブロック化剤;チオフェノール等のメルカプタン系ブロック化剤;チオ尿素等の尿素系ブロック化剤;イミダゾール系ブロック化剤;カルバミン酸系ブロック化剤;重亜硫酸塩等を挙げることができるが、これらに特に限定されない。なかでも、ラクタム系ブロック化剤、オキシム系ブロック化剤、ジケトン系ブロック化剤の使用が好ましい。
≪アミノシランカップリング剤≫
本発明のガラス繊維の表面処理には、さらに、アミノシランカップリング剤が用いられる。アミノシランカップリング剤とは、一分子中にアルコキシ基が結合した珪素原子と、窒素原子を含有する官能基とを含有している化合物を意味する。
具体的なアミノシランカップリング剤として、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N’-ビス-〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。また、これらのアミノシランカップリング剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記アミノシランカップリング剤として、なかでも、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン及びN-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランが好ましく挙げられ、3-アミノプロピルトリメトキシシラン及び3-アミノプロピルトリエトキシシランがより好ましく挙げられる。
これらのアミノシランカップリング剤によれば、ブロック化イソシアネート化合物との組み合わせによる相乗効果が得られ易く、ポリアセタール樹脂とガラス繊維との接着性を向上させることができる。
≪エポキシ樹脂≫
エポキシ樹脂としては、通常のエポキシ樹脂を使用することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノ一ルAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型若しくはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、それらの水添タイプまたはエーテル変性物、およびフェノキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂等から一種類以上のものを選んで使用することができる。これらの中でも、ガラス繊維の集束性、耐熱水性の点から、特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
≪ガラス繊維≫
本発明に用いられるガラス繊維として、その単繊維直径は、特に限定されるものではないが、8μm以上20μm以下であることが好ましい。ガラス繊維の単繊維直径が8μm未満であると、成形品の機械的特性や耐熱水性には問題ないが、ガラス繊維の集束性悪化に伴う毛羽立ちの発生による樹脂組成物の生産性が悪化しやすく、その単繊維直径が20μmを超えると添加量に対して強度の向上が劣る。なお、本明細書において、ガラス繊維の単繊維直径は、JIS R 3420に準じて測定される25個のフィラメント断面の直径の平均値をいうものとする。
ガラス繊維は、ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂によって表面処理されるが、その配合量は処理前のガラス繊維100質量部に対し、それぞれ0.1~10質量部、0.001~0.3質量部および0.05~1質量部であり、それぞれ0.3~3質量部、0.01~0.2質量部および0.05~0.8質量部であることが好ましい。ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂の質量比は94~45:1~15:5~40であり、92~50:2~12:6~38であることが好ましい。
表面処理されたガラス繊維の配合量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して1質量部以上100質量部以下であり、好ましくは5質量部以上75質量部以下であり、特に好ましくは10質量部以上60質量部以下である。表面処理されたガラス繊維の含有量が1質量部未満であると、成形品の機械的特性及び耐熱水性の改善が不十分であり、その含有量が100質量部を超えると成形加工が困難になる。
<(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物>
本発明の(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物(以下、単に有機金属化合物ともいう)としては、金属と炭素の結合を有する有機金属化合物、金属との配位結合を有する金属錯体、金属のカルボン酸塩およびカルボン酸と無機金属化合物との混合物、からなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
≪金属と炭素の結合を有する有機金属化合物≫
金属と炭素の結合を有する有機金属化合物としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ-2-エチルヘキサネート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジマレート、ジブチル錫ジオキサイド、ジオクチル錫オキサイド等の有機錫等が挙げられる。
≪金属との配位結合を有する金属錯体≫
金属錯体としては、金属のアセチルアセトナート塩、アルキルアセトアセテート塩等のジケトン錯体であり、例えば、錫アセチルアセトナート、鉛アセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート水和物、ビス(2,6-ジメチル-3,5-ヘプタンジオナト)亜鉛、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)亜鉛、ビス(5,5-ジメチル-2,4-ヘキサンジオナト)亜鉛、亜鉛ビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
≪金属のカルボン酸塩≫
金属のカルボン酸塩としては、カルボン酸錫系(酢酸錫、プロピオン酸錫、オクチル酸錫、ネオデカン酸錫、ラウリン酸錫、ミリスチン酸錫、パルミチン酸錫、ステアリン酸錫、ベヘン酸錫、モンタン酸錫、12-ヒドロキシステアリン酸錫、シクロヘキサン酪酸錫、2-エチルヘキサン酸錫、オレイン酸錫、オクテン酸錫、ナフテン酸錫、安息香酸錫、t-ブチル安息香酸錫、サリチル酸錫、ナフテン酸錫、ポリアクリル酸錫、ポリメタクリル酸錫、或いはそれらの2種以上の混合物等)、カルボン酸鉛系(酢酸鉛、酢酸鉛三水和物、プロピオン酸鉛、オクチル酸鉛、ネオデカン酸鉛、ラウリン酸鉛、ミリスチン酸鉛、パルミチン酸鉛、ステアリン酸鉛、ベヘン酸鉛、モンタン酸鉛、12-ヒドロキシステアリン酸鉛、シクロヘキサン酪酸鉛、2-エチルヘキサン酸鉛、オレイン酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛、安息香酸鉛、t-ブチル安息香酸鉛、サリチル酸鉛、ナフテン酸鉛、ポリアクリル酸鉛、ポリメタクリル酸鉛、或いはそれらの2種以上の混合物等)、カルボン酸亜鉛系(酢酸亜鉛、酢酸亜鉛二水和物、プロピオン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、モンタン酸亜鉛、12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛、シクロヘキサン酪酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、t-ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、乳酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、マロン酸亜鉛、コハク酸亜鉛、グルタル酸亜鉛、アジピン酸亜鉛、ピメリン酸亜鉛、スベリン酸亜鉛、アゼライン酸亜鉛、セバシン酸亜鉛、ドデカン二酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ポリアクリル酸亜鉛、ポリメタクリル酸亜鉛、或いはそれらの2種以上の混合物等)等が挙げられる。
さらに、金属のカルボン酸塩は、錫、鉛、及び亜鉛から選ばれた少なく一種の金属と他の金属との複合体(例えば、ステアリン酸亜鉛・ステアリン酸カルシウム複合体、ステアリン酸亜鉛・ステアリン酸バリウム複合体等)であっても良い。
≪カルボン酸と無機金属化合物との混合物≫
カルボン酸と無機金属化合物との混合物としては、カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、シクロヘキサン酪酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、オクテン酸、ナフテン酸、安息香酸、t-ブチル安息香酸、サリチル酸、ナフテン酸、グリコール酸、乳酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等)と無機金属化合物(酸化錫、水酸化錫、酸化鉛、水酸化鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛など)等の混合物が挙げられる。
本発明の有機金属化合物は、ポリアセタール樹脂100質量部に対し0.001質量部以上2質量部以下で使用され、0.01~0.5質量部であることが好ましい。
<(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体を含有する。
本発明に用いられる(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体(以下、単にトリアジン誘導体ともいう)としては、具体的には、メラミン、メチロールメラミン(N-メチロールメラミン、N、N’-ジメチロールメラミン、N、N’、N”-トリメチロールメラミン、N、N、N’、N”-テトラメチロールメラミン、或いはそれらの混合物など)、メチロールメラミンのアルコキシメチル誘導体(特開昭55-157645号広報記載のアルコキシメチルメラミン、特公平7-116346号広報記載のメラミンプレポリマーなど)、グアナミン化合物(ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2,4-ジアミノ-6-ブチル-sym-トリアジン等)、N-ブチルメラミン、N-フェニルメラミン、N,N-ジフェニルメラミン、N,N-ジアリルメラミン、N,N’,N-トリフェニルメラミン、アメリン、2,4-ジアミノ-6-ベンジルオキシ-sym-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-ブトキシ-sym-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-シクロヘキシル-sym-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-クロロ-sym-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-メルカプト-sym-トリアジン、2,4-ジオキシ-6-アミノsym-トリアジン、2-オキシ-4,6-ジアミノ-sym-トリアジン、1,1-ビス-(3,5-ジアミノ-2,4,6-トリアジニル)メタン、1,2-ビス-(3,5-ジアミノ-2,4,6-トリアジニル)エタン〔別称(サクシノグアナミン)〕、1,3-ビス-(3,5)-ジアミノ-2,4,6-トリアジニル)プロパン、1,4-ビス-(3,5-ジアミノ-2,4,6-トリアジニル)ブタン、メチレン化メラミン、エチレンジメラミン、トリグアナミン、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミンシアヌレート、トリグアナミンシアヌレート等である。
これらの(D)トリアジン誘導体は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくはベンゾグアナミンやアセトグアナミン等のグアナミン化合物、メチロールメラミン、メチロールメラミンのアルコキシメチル誘導体、メラミンであり、メラミンが特に好ましい。
本発明においてかかる含窒素官能基を有する(D)トリアジン誘導体の配合量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.002質量部以上10質量部以下とするのが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上2質量部以下、特に好ましくは0.03質量部以上1質量部以下である。
(D)トリアジン誘導体の含有量が0.002質量部以上であれば、ポリアセタール樹脂の熱安定性を向上することができ、10質量部以下であれば、ポリアセタール樹脂からの滲み出し等の問題がなく好ましい。
本発明は、(B)表面処理されたガラス繊維と(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物と(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体を併用したことで、ポリアセタール樹脂組成物の機械的特性を維持しながら耐熱水性及び生産性との両立をさせたことを特徴とする。
(B)表面処理されたガラス繊維と(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物と(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体による、ポリアセタール樹脂組成物の機械的特性を維持しながらも耐熱水性向上及び生産性向上を図ることができる理由は、ある特定量の範囲内での特定の表面処理用化合物との相互作用による相乗効果によるためと推測している。
ガラス繊維の表面処理にブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂が用いられない場合や、ポリアセタール樹脂に(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物と(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体が含まれないか、(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物以外の有機金属化合物が含まれる場合には、ポリアセタール樹脂組成物は機械的特性を維持しながらの、耐熱水性及び高い生産性を有し得ない。
<その他の添加剤>
≪他のガラス繊維≫
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、さらにアミノシランカップリング剤以外の公知のカップリング剤で表面処理されたガラス系無機充填材を含有してもよい。カップリング剤は、ガラス系無機充填材を、ポリアセタール樹脂との濡れ性や接着性等を良好なものとするために用いられるものであって、例えばシラン系、チタネート系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系、ボラン系カップリング剤等があるが、これらの中で、特にシラン系カップリング剤が好適である。
シラン系カップリング剤としては、例えばビニルアルコキシシラン、エポキシアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン、アリルアルコキシシラン等が挙げられる。ビニルアルコキシシランとしては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
エポキシアルコキシシランとしては、例えば3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプトアルコキシシランとしては、例えば3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アリルアルコキシシランとしては、例えば3-ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-アリルチオプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系表面処理剤としては、例えばチタニウム-i-プロポキシオクチレングリコレート、テトラ-n-ブトキシチタン、テトラキス(2-エチルヘキソキシ)チタン等が挙げられる。これらカップリング剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
≪各種安定剤・添加剤≫
また、本発明の目的とする成形品の性能を大幅に低下させないような範囲であるならば、ガラス系無機充填材以外の公知の無機、有機、及び金属等の繊維状、板状、粉粒状等の充填材を1種又は2種以上複合させて配合することも可能である。このような充填材の例としては、タルク、マイカ、ウォラストナイト、炭素繊維、ガラスビーズ等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
さらに公知の各種安定剤・添加剤を配合し得る。安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、ホウ酸化合物等の無機化合物、カルボン酸塩等のいずれか1種又は2種以上を挙げることができる。添加剤としては、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、蛍光増白剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤のいずれか1種又は2種以上を挙げることができる。
ホウ酸化合物の種類は特に限定されるものでなく、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、オルトホウ酸の脱水物等のいずれであってもよい。中でもオルトホウ酸が好ましい。ホウ酸の配合量は、0.001質量部以上1.0質量部以下であり、好ましくは0.01質量部以上0.5質量部以下である。
<ポリアセタール樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリアセタール樹脂組成物の製造は、従来の樹脂組成物製造法として一般に用いられる公知の方法により容易に製造される。例えば各成分を混合した後、1軸又は2軸の押出機により溶融混練して、樹脂組成物のペレットを調製し、しかる後、成形する方法、一旦組成の異なるペレット(マスターバッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(稀釈)して成形に供し、成形後に目的組成の成形品を得る方法等、いずれも使用できる。また、特定表面処理されたガラスロービングに、各成分を含侵させた後、ペレットを調製し、しかる後、成形する方法も挙げられる。
また、ポリアセタール樹脂組成物の製造において、基体であるポリアセタール樹脂の一部又は全部を粉砕し、これとその他の成分を混合した後、押出等を行うことは添加物の分散性を良くする上で好ましい方法である。
以下、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<ポリアセタール樹脂組成物の製造>
(A)ポリアセタール樹脂100質量部に、(B)表面処理されたガラス繊維、(C)有機金属化合物及び(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体を、表1及び2に示す量で配合し、シリンダー温度200℃の2軸押出機で溶融混練し、実施例及び比較例に係るペレット状のポリアセタール樹脂組成物を調製した。この際、表面処理されたガラス繊維については、サイドフィードにて添加した。なお表中、数値の単位は質量部である。
Figure 0007240469000001
Figure 0007240469000002
表1及び2において、使用した各種材料は次のとおりである。
<(A)ポリアセタール樹脂>
(A-1)ポリアセタール樹脂(トリオキサン96.7質量%と1,3-ジオキソラン3.3質量%とを共重合させてなるポリアセタール共重合体(メルトフロー値(ISO1133に準拠して、190℃,荷重2160gで測定):45g/10min)
(A-2)ポリアセタール樹脂(トリオキサン96.7質量%と1,3-ジオキソラン3.3質量%とを共重合させてなるポリアセタール共重合体(メルトフロー値(ISO1133に準拠して、190℃,荷重2160gで測定):9g/10min)
<(B)表面処理されたガラス繊維>
表面処理されたガラス繊維は、単繊維直径10μmのチョップドストランドを使用した。(B-1)~(B-9)は、ガラス繊維の表面処理に使用した材料である。使用した量は、処理前のガラス繊維を100質量部としている。
(B-1)メチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートのブロック化イソシアネート0.8質量部、アミノシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)0.1質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂0.1質量部で表面処理。
(B-2)メチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートのブロック化イソシアネート0.6質量部、アミノシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)0.1質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂0.1質量部で表面処理。
(B-3)メチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート環状三量体のブロック化イソシアネート1.2質量部、アミノシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)0.1質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂0.2質量部で表面処理。
(B-4)ε-カプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート環状三量体のブロック化イソシアネート0.8質量部、アミノシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)0.15質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂0.15質量部で表面処理。
(B-5)メチルエチルケトオキシムでブロックされたイソホロンジイソシアネートのブロック化イソシアネート1.2質量部、アミノシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)0.1質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂0.2質量部で表面処理。
(B-6)メチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート環状三量体のブロック化イソシアネート0.6質量部、ε-カプロラクタムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネート環状三量体のブロック化イソシアネート0.2質量部、アミノシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)0.1質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂0.1質量部で表面処理。
(B-7)メチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートのブロック化イソシアネート0.8質量部、アミノシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)0.1質量部で表面処理。
(B-8)メチルエチルケトオキシムでブロックされたヘキサメチレンジイソシアネートのブロック化イソシアネート0.8質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂0.1質量部で表面処理。
(B-9)アミノシランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)0.1質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂0.1質量部で表面処理。
<(C)有機金属化合物>
(C-1)ステアリン酸亜鉛
(C-2)12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛
(C-3)酢酸亜鉛
(C-4)ステアリン酸/酸化亜鉛=2/1(モル比)
(C-5)ステアリン酸カルシウム
<(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体>
(D-1)メラミン
<物性評価>
実施例、比較例に係るペレット状の組成物について、射出成形機を用い、ISO3167に準拠した試験片を成形した。そして、ISO527-1,2に準拠した引張強さTS(初期TS、単位はMPa)を測定した。測定雰囲気は、23℃、50%RHである。結果を表3及び4に示す。
<耐熱水性評価>
上述の引張試験片を用い、ISO3167に準拠した引張試験片を用い、120℃の熱水の入ったオートクレーブに1日浸漬させた後取り出し、物性評価と同じ測定条件で引張強さ(熱水浸漬後TS、単位はMPa)を測定した。引張強さ保持率(TS保持率)は、上記の物性評価で測定した初期TSの値を100%として計算した。結果を表3及び4に示す。
<生産性評価>
表面処理されたガラス繊維のサイドフィード時における、フィード部近傍でのガラス繊維の毛羽立ちを目視で下記の通り評価した。A、Bが、実用化レベルである。結果を表3及び4に示す。
A 毛羽立ちの発生が観察されない。
B 毛羽立ちの発生が若干観察される。
C 毛羽立ちの発生により、ガラス繊維の供給量が変動する。
Figure 0007240469000003
Figure 0007240469000004
表3及び4の結果から、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂で表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物より選ばれた少なくとも1種の有機金属化合物0.001質量部以上2質量部以下、(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体0.002質量部以上10質量部以下とが配合されたポリアセタール樹脂組成物の成形品は、いずれも引張強さが維持され、耐熱水性にも優れ、生産性にも優れていることが判る。

Claims (4)

  1. (A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、
    (B)ブロック化イソシアネート化合物、アミノシランカップリング剤及びエポキシ樹脂とで表面処理されたガラス繊維1質量部以上100質量部以下と、
    (C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物より選ばれた少なくとも1種の有機金属化合物0.001質量部以上2質量部以下と、
    (D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体0.002質量部以上10質量部以下、
    とを含有するポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物が、金属のカルボン酸塩である、請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記(C)Zn、Sn、Pbから選ばれた金属を有する有機金属化合物が、カルボン酸と無機金属化合物との混合物である、請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 前記(D)含窒素官能基を有するトリアジン誘導体が、メラミンである、請求項1~3いずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。

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