JP7236740B2 - 木製窓構造 - Google Patents
木製窓構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7236740B2 JP7236740B2 JP2020013017A JP2020013017A JP7236740B2 JP 7236740 B2 JP7236740 B2 JP 7236740B2 JP 2020013017 A JP2020013017 A JP 2020013017A JP 2020013017 A JP2020013017 A JP 2020013017A JP 7236740 B2 JP7236740 B2 JP 7236740B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- window
- wooden
- glass plate
- window frame
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Wing Frames And Configurations (AREA)
- Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)
- Special Wing (AREA)
- Door And Window Frames Mounted To Openings (AREA)
Description
図1は、本実施形態に係る木製窓構造を例示する模式斜視図である。
図2(a)および(b)は、本実施形態に係る木製窓構造を例示する模式図である。
図2(a)には正面図が示され、図2(b)には図2(a)のA-A線断面図が示される。
なお、説明の都合上、建物の外壁、断熱材、内装材などは図示を省略している。
本実施形態では、窓枠部10の木材としてスギを用いている。ここで、樹種における密度の一例は以下の通りである。
・スギ(約380kg/m3)
・カラマツ(約500kg/m3)
・ブナ(約650kg/m3)
・ミズナラ(約680kg/m3)
また、樹種における熱伝導率の一例は以下の通りである。
・スギ(約0.087W/m・K)
・カラマツ(約0.11W/m・K)
・ブナ(約0.14W/m・K)
・ミズナラ(約0.14W/m・K)
このように、木材のなかでもスギは密度および熱伝導率ともに低く、窓枠部10に適用することで低重量化および断熱性向上を図ることができる。
その一方、スギは他の木材に比べて樹脂や油脂を多く含むため、延焼防止効果の点で有利とは言えない。
そして、本願発明者は、スギを窓枠部10の材料として用いる場合の低重量化および断熱性向上というメリットを得つつ、特定のガラス部30との組み合わせによれば木製窓構造1の全体で効果的に防火性能を高めることができる点を見出した。
本実施形態に係る木製窓構造1で用いられるガラス部30は、第1ガラス板31と第2ガラス板32とが所定の空間を介して互いに平行配置された複層ガラス構造を備える。本実施形態では、第1ガラス板31および第2ガラス板32による2枚の複層ガラス構造となっている。第1ガラス板31および第2ガラス板32のどちらが屋内側または屋外側であってもよい。図示する例では、第1ガラス板31が屋外側、第2ガラス板32が屋内側に配置される。
図3は、木製窓構造の具体例を示す模式断面図である。
図3では、図2(b)のB-B線断面図が示される。なお、図3に示す木製窓構造1は、内開き窓の例である。
図3に示す木製窓構造1においては、スギを用いた窓枠部10として、固定枠101と可動枠102とを備えている。可動枠102は、固定枠101に蝶番(図示せず)を介して取り付けられており、固定枠101に対して開閉可能になっている。固定枠101は窓台20の上に載置された状態で柱2やまぐさ3にスクリューネジなどで固定される。
図4は、ガラス部の模式断面図である。
ガラス部30は、結晶化ガラスによる第1ガラス板31と、非結晶化ガラスによる第2ガラス板32と、封止樹脂35とを有する。非結晶化ガラスが低放射ガラス(Low-Eガラス)の場合、第2ガラス板32の表面に低放射膜32fが設けられる。
本実施形態に係る木製窓構造1の窓枠部10には木材のスギが用いられる。この木製窓構造1における防火性能は、建築基準法の防火設備の基準を満たす。
先に説明したように、一般的に木材のなかでもスギは樹脂や油脂を多く含むため、他の木材に比べて延焼防止効果が高くない。したがって、窓枠部10にスギを用いて防火設備の基準を満たすようにすることは非常に困難である。
これは、スギと接するガラス(耐熱ガラス)との熱伝導率の差が大きいため、加熱側のガラス面においてスギと接する縁部分と、スギと接しない中央部分とで大きな熱分布が発生し、20分経過前に加熱側のガラスに割れが発生したと考えられる。
一般に、中央に結晶化ガラス、両側に低放射ガラス(Low-Eガラス)を用いた3枚の複層ガラスを用いると、十分な防火性能を発揮できると考えられる。しかし、2枚の耐熱ガラスの場合と同様に、スギと接するガラス(低放射ガラス)との熱伝導率の差が大きいため、加熱側のガラス面においてスギと接する縁部分と、スギと接しない中央部分とで大きな熱分布が発生し、20分経過前に加熱側のガラスに割れが発生したと考えられる。
(1)ガラス部30を、2枚の複層ガラスとして、第1ガラス板31を結晶化ガラス、第2ガラス板32を非結晶化ガラス(例えば、低放射ガラス)とする。
(2)第1ガラス板31と第2ガラス板32との間を封止樹脂35で封止する。
このガラス部30をスギによる窓枠部10に嵌め込んで、燃焼試験を行った。
燃焼試験において、非結晶化ガラス(低放射ガラス)である第2ガラス板32の側を加熱面とした場合、第2ガラス板32は熱によって破損することになるが、結晶化ガラスである第1ガラス板31は破損しないため、非加熱面への火炎の出現を防止することができる。
構造名:複層ガラス入り(網無し)、木製内開き・内倒し窓(片側常閉)
ガラス部30のサイズ…高さ約2390mm、幅約1695mm
第1ガラス板31の材料/厚さ…結晶化ガラス/4mm厚
第2ガラス板32の材料/厚さ…低放射ガラス(Low-Eガラス)/4mm厚
空間Sの幅…16mm
封止樹脂35の接着樹脂352…ブチルゴム
窓枠部10のガラス化膜…あり
窓台20の材料…スギ
構造名:複層ガラス入り(網無し)、木製内開き・内倒し窓
ガラス部30のサイズ…高さ約2390mm、幅約1240mm
第1ガラス板31の材料/厚さ…結晶化ガラス/4mm厚
第2ガラス板32の材料/厚さ…低放射ガラス(Low-Eガラス)/4mm厚
空間Sの幅…16mm
封止樹脂35の接着樹脂352…ブチルゴム
窓枠部10のガラス化膜…あり
窓台20の材料…スギ
構造名:複層ガラス入り(網無し)、木製FIX窓
ガラス部30のサイズ…高さ約2390mm、幅約1240mm
第1ガラス板31の材料/厚さ…結晶化ガラス/4mm厚
第2ガラス板32の材料/厚さ…低放射ガラス(Low-Eガラス)/4mm厚
空間Sの幅…16mm
封止樹脂35の接着樹脂352…ブチルゴム
窓枠部10のガラス化膜…あり
窓台20の材料…スギ
次に、窓枠部10の取り付けについて説明する。
図5は、窓枠部の取り付けについて説明する模式断面図である。
窓枠部10は、一対の柱2、まぐさ3および窓台20によって構成される矩形状の開口に嵌め込まれる。本実施形態に係る木製窓構造1の窓枠部10は、建物の屋内側から躯体(柱2およびまぐさ3)に取り付けられるようになっている。すなわち、ガラス部30が嵌め込まれた窓枠部10を躯体に取り付けるには、屋内側から窓枠部10を窓台20の上に載せ、上側の固定枠101を突き当て用の柱に当たるまで押し込む。この状態で固定枠101を柱2やまぐさ3にスクリューネジなどで固定する。
2…柱
2f…正面
2s…内側面
3…まぐさ
10…窓枠部
11…縦枠
11f…正面
11s…外側面
12…横枠
20…窓台
21…支持板
21a…上面
21b…下面
30…ガラス部
31…第1ガラス板
32…第2ガラス板
32f…低放射膜
35…封止樹脂
101…固定枠
102…可動枠
102a…延出部分
102b…押さえ枠
201…出先部分
210…上面溝部
220…連通溝部
230…下面溝部
351…スペーサ
352…接着樹脂
353…吸湿剤
S…空間
Claims (10)
- スギを用いた木製の窓枠部と、
前記窓枠部に嵌め込まれたガラス部と、を備える木製窓構造であって、
前記窓枠部は、内開きおよび内倒し可能に設けられ、
前記ガラス部は、
互いに内外の最表面であって所定の空間を介して配置された第1ガラス板および第2ガラス板と、
前記第1ガラス板の周縁部分と前記第2ガラス板の周縁部分との間に設けられた封止樹脂と、を有し、
前記第1ガラス板は、結晶化ガラスであり、
前記第2ガラス板は、非結晶化ガラスである、木製窓構造。 - 前記第2ガラス板は、低放射ガラスである、請求項1記載の木製窓構造。
- 前記窓枠部の表面にガラス化膜が設けられた、請求項1または請求項2に記載の木製窓構造。
- 前記ガラス部は、前記第1ガラス板および前記第2ガラス板による2枚の複層ガラス構造である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の木製窓構造。
- 前記2枚の複層ガラス構造における前記第2ガラス板は低放射ガラスである、請求項4記載の木製窓構造。
- 前記第2ガラス板の表面には、透明誘電体膜、赤外線反射膜および透明誘電体膜を有する積層膜が設けられた、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の木製窓構造。
- 前記封止樹脂は、スペーサと、前記スペーサの内側に設けられた吸湿剤と、前記スペーサと前記第1ガラス板および前記第2ガラス板のそれぞれとの間に接着する接着樹脂と、を備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の木製窓構造。
- 前記接着樹脂はブチルゴムである、請求項7記載の木製窓構造。
- 前記窓枠部の下側を支える窓台をさらに備え、
前記窓台は、スギを用いた木製または石材の支持板を有し、
前記支持板は、屋内側から屋外側へ延出する出先部分を有し、前記窓枠部の幅よりもわずかに広い幅と、前記窓枠部の奥行きよりも長い奥行きとを有する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の木製窓構造。 - 前記窓枠部は、建物の躯体の屋内側から取り付けられた、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の木製窓構造。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020013017A JP7236740B2 (ja) | 2020-01-29 | 2020-01-29 | 木製窓構造 |
JP2023024606A JP2023058703A (ja) | 2020-01-29 | 2023-02-20 | 木製窓構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020013017A JP7236740B2 (ja) | 2020-01-29 | 2020-01-29 | 木製窓構造 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018204403 Division | 2018-10-30 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023024606A Division JP2023058703A (ja) | 2020-01-29 | 2023-02-20 | 木製窓構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020070717A JP2020070717A (ja) | 2020-05-07 |
JP7236740B2 true JP7236740B2 (ja) | 2023-03-10 |
Family
ID=70547384
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020013017A Active JP7236740B2 (ja) | 2020-01-29 | 2020-01-29 | 木製窓構造 |
JP2023024606A Pending JP2023058703A (ja) | 2020-01-29 | 2023-02-20 | 木製窓構造 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023024606A Pending JP2023058703A (ja) | 2020-01-29 | 2023-02-20 | 木製窓構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP7236740B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006169818A (ja) | 2004-12-15 | 2006-06-29 | Sayyas Japan Kk | 木材を使用した防火サッシ |
JP2009149014A (ja) | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Aikyapusu:Kk | 木材の加工方法 |
WO2013065641A1 (ja) | 2011-11-01 | 2013-05-10 | 日本板硝子株式会社 | 防火戸用単板ガラス及び防火戸用複層ガラス |
JP2013204279A (ja) | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Agc−Lixilウィンドウテクノロジー株式会社 | 二重窓構造体 |
JP2016160142A (ja) | 2015-03-03 | 2016-09-05 | セントラル硝子株式会社 | 低放射ガラスを用いた防火戸 |
JP3214094U (ja) | 2017-10-06 | 2017-12-21 | 株式会社東京組 | 窓構造 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6403531B2 (ja) * | 2014-10-08 | 2018-10-10 | 旭化成ホームズ株式会社 | 断熱構造、建物及び断熱改修方法 |
-
2020
- 2020-01-29 JP JP2020013017A patent/JP7236740B2/ja active Active
-
2023
- 2023-02-20 JP JP2023024606A patent/JP2023058703A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006169818A (ja) | 2004-12-15 | 2006-06-29 | Sayyas Japan Kk | 木材を使用した防火サッシ |
JP2009149014A (ja) | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Aikyapusu:Kk | 木材の加工方法 |
WO2013065641A1 (ja) | 2011-11-01 | 2013-05-10 | 日本板硝子株式会社 | 防火戸用単板ガラス及び防火戸用複層ガラス |
JP2013204279A (ja) | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Agc−Lixilウィンドウテクノロジー株式会社 | 二重窓構造体 |
JP2016160142A (ja) | 2015-03-03 | 2016-09-05 | セントラル硝子株式会社 | 低放射ガラスを用いた防火戸 |
JP3214094U (ja) | 2017-10-06 | 2017-12-21 | 株式会社東京組 | 窓構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2023058703A (ja) | 2023-04-25 |
JP2020070717A (ja) | 2020-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7845142B2 (en) | High R-value window unit with vacuum IG unit and insulating frame | |
BE1008311A5 (fr) | Paroi vitree coupe-feu. | |
JP6103193B2 (ja) | 複層ガラス | |
US7718266B2 (en) | Fire-resisting glass | |
WO2019008912A1 (ja) | 複層ガラス及びサッシ窓 | |
US6787214B1 (en) | Fire-inhibiting flat element comprising at least two transparent fire-resisting glass plates | |
RU2637986C1 (ru) | Огнестойкая светопрозрачная обогреваемая конструкция | |
JP2003504542A5 (ja) | ||
JP7236740B2 (ja) | 木製窓構造 | |
JP3226364U (ja) | 木製窓構造 | |
RU2454521C2 (ru) | Стальная каркасно-рамная несущая конструкция в пределах внутреннего периметра стекла с одно- и многослойным, одно- и многоконтурным остеклением посредством клеевых герметиков с функцией дистанционной рамки, с электроподогревом, обслуживаемой вакуумизацией межслойных камер, противовзломной решеткой внутри усиленного стеклопакета | |
JPH07330386A (ja) | 複層ガラス | |
JP2014097901A (ja) | 防火用複層ガラス | |
CN206955904U (zh) | 一种节能耐火中空玻璃 | |
JP2013204279A (ja) | 二重窓構造体 | |
KR20220084129A (ko) | 창호 조립체 및 관련 방법 | |
RU172593U1 (ru) | Огнестойкая светопрозрачная обогреваемая конструкция | |
JP7141714B2 (ja) | 防火複層ガラス及び防火ガラスユニット | |
PL233481B1 (pl) | Wielowarstwowa szyba ognioodporna oraz sposób wytwarzania wielowarstwowej szyby ognioodpornej | |
JP5812416B2 (ja) | 防火複層ガラス | |
PL240000B1 (pl) | Wielowarstwowa szyba ognioodporna oraz sposób wytwarzania wielowarstwowej szyby ognioodpornej | |
JP7141712B2 (ja) | 防火複層ガラス、防火ガラスユニット及び加熱調理機の窓 | |
JP4814981B2 (ja) | 防火複層ガラス | |
FR2593223A1 (fr) | Chassis pour vitrage antifeu et element vitre resistant au feu | |
JP2024076101A (ja) | 3層ガラス組立体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211022 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221116 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221128 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230220 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7236740 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |