JP7235157B1 - ポリイミド前駆体組成物、ポリイミドフィルムおよびポリイミドフィルム/基材積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
A1. 繰り返し単位が下記一般式(I)で表されるポリイミド前駆体、および任意成分として少なくとも1種のイミダゾール化合物を、前記ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対して1モル未満の量で含有する、ポリイミド前駆体組成物;
X1は、(i)または(ii)のいずれかを満たし、
(i)式(1-1)で表される構造を50モル%以上含み、且つ式(1-1)で表される構造および式(1-2)で表される構造を合計で70モル%以上含む、
(ii)式(1-1)で表される構造および/または式(1-2)で表される構造を70モル%以上含む、
ただし、前記(ii)の場合においては、必須成分として、少なくとも1種のイミダゾール化合物を、前記ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対して0.01モル以上、1モル未満の量で含有することを条件とする。
基材と
を有することを特徴とするポリイミドフィルム/基材積層体。
(b)前記基材上で前記ポリイミド前駆体を加熱処理し、前記基材上にポリイミドフィルムを積層する工程
を有するポリイミドフィルム/基材積層体の製造方法。
(c)前記積層体のポリイミドフィルム上に、無機薄膜層を形成する工程をさらに有する上記項A10に記載の積層体の製造方法。
(e)前記基材と前記ポリイミドフィルムとを剥離する工程
を有するフレキシブル電子デバイスの製造方法。
B1. 繰り返し単位が下記一般式(I)で表されるポリイミド前駆体、および
前記ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対して、0.01モル以上1モル未満の量の少なくとも1種のイミダゾール化合物
を含有する、ポリイミド前駆体組成物。
X1は、式(1-1)で表される構造および/または式(1-2)で表される構造を70モル%以上含み、
基材と
を有することを特徴とするポリイミドフィルム/基材積層体。
(b)前記基材上で前記ポリイミド前駆体を加熱処理し、前記基材上にポリイミドフィルムを積層する工程
を有するポリイミドフィルム/基材積層体の製造方法。
(c)前記積層体のポリイミドフィルム上に、無機薄膜層を形成する工程をさらに有する上記項B10に記載の積層体の製造方法。
(e)前記基材と前記ポリイミドフィルムとを剥離する工程
を有するフレキシブル電子デバイスの製造方法。
より具体的には、用語「フレキシブル(電子)デバイス基板」には、フレキシブル配線基板(フレキシブル基板、フレキシブルプリント配線板等とも称される。)は含まない。
用語「フレキシブル(電子)デバイス基板用」、「フレキシブルディスプレイ基板用」がポリイミド前駆体組成物について使用されるとき、上記基板用のポリイミドフィルムを直接製造するポリイミド前駆体組成物を意味し、具体的には当該ポリイミド前駆体組成物を基材上に塗布し、イミド化することで「フレキシブル(電子)デバイス基板用(フレキシブルディスプレイ基板用を含む。以下同じ。)」のポリイミドフィルムが得られる。従って、例えば2種以上のポリイミド前駆体組成物(中間組成物)を混合して、ポリイミドフィルム製造に使用する場合、個々のポリイミド前駆体組成物は、本出願で定義する「フレキシブル(電子)デバイス基板用」ではない。これは、得られるポリイミドフィルムの構造は、ポリイミドフィルムを直接製造するポリイミド前駆体組成物の構造に依存するからである。
また、銅(または金属)張積層板は、フレキシブル配線基板(フレキシブル基板、フレキシブルプリント配線板)を製造するために使用されるが、フレキシブル(電子)デバイスを製造するものでないから、銅張積層板製造用のポリイミド前駆体組成物は、「フレキシブル(電子)デバイス基板用」のポリイミド前駆体組成物ではない。尚、以上の用語の定義については、本明細書においてさらに詳細に説明する場合がある。
ポリイミドフィルムを形成するためのポリイミド前駆体組成物は、ポリイミド前駆体を含有する。好ましい形態において、ポリイミド前駆体組成物はさらに溶媒を含有し、ポリイミド前駆体は溶媒に溶解している。
で表される繰り返し単位を有する。特に好ましくは、R1およびR2が水素原子であるポリアミック酸である。X1およびY1が脂肪族基である場合、脂肪族基は好ましくは脂環構造を有する基である。
前述のとおり、(i)または(ii)を満たす。
(i)ポリイミド前駆体の全繰り返し単位中、好ましくはX1の50モル%以上が、以下の式(1-1)で示される構造(ODPA由来)であり、好ましくは式(1-1)で表される構造(ODPA由来)および式(1-2)で表される構造(s-BPDA由来)の合計量がX1の70モル%以上である。
(ii)後述するイミダゾール化合物を、ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対して0.01モル以上、1モル未満の量で含有することを条件として、式(1-1)で表される構造(ODPA由来)および式(1-2)で表される構造(s-BPDA由来)の合計量が好ましくはX1の70モル%以上であり、式(1-1)の構造および式(1-2)の構造のどちらか1種のみを含んでいてもよい。
また、(i)、(ii)のどちらの場合でも、X1が式(1-1)の構造および式(1-2)の構造のみから成ってもよい(つまり、式(1-1)の構造および式(1-2)の合計が100モル%)。
で表される構造が好ましい。
で表される構造が好ましい。
(a) H2N-Y2-N=N-Y2-NH2またはH2N-Y2-NHNH-Y2-NH2(Y2は2価の有機基)で表されるジアミン化合物は、極めて少ないか(一般式(I)で表される繰り返し単位中5モル未満)、または含有しないことが好ましい。
(b) 界面活性剤およびアルコキシシラン化合物は添加してもよいが、いずれも含有しないことも好ましい。
(c) -SO2-基を有するジアミン化合物、フルオレン構造を有するジアミン化合物およびフッ素含有ジアミン化合物のいずれも含有しないことが好ましい。
(d) 3,5-ジアミノベンズアミドのような、ベンズアミド構造を含むジアミン化合物は、ジアミン成分中に5モル%以上の量で含まないことが好ましく、さらには全く含まないことも好ましい。
(e) 下式で表されるジアミン化合物を4-BAABに対してモル比10:30(=25:75)以上の量で含有しないことが好ましく、含有する場合でもモル比でより好ましくは15:85以下、さらに好ましくは10:90以下であり、全く含有しないことも好ましい。
1)ポリアミック酸(R1及びR2が水素)、
2)ポリアミック酸エステル(R1及びR2の少なくとも一部がアルキル基)、
3)4)ポリアミック酸シリルエステル(R1及びR2の少なくとも一部がアルキルシリル基)、
に分類することができる。そして、ポリイミド前駆体は、この分類ごとに、以下の製造方法により容易に製造することができる。ただし、本発明で使用されるポリイミド前駆体の製造方法は、以下の製造方法に限定されるものではない。
ポリイミド前駆体は、溶媒中でテトラカルボン酸成分としてのテトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを略等モル、好ましくはテトラカルボン酸成分に対するジアミン成分のモル比[ジアミン成分のモル数/テトラカルボン酸成分のモル数]が好ましくは0.90~1.10、より好ましくは0.95~1.05の割合で、例えば120℃以下の比較的低温度でイミド化を抑制しながら反応することによって、ポリイミド前駆体溶液として好適に得ることができる。
テトラカルボン酸二無水物を任意のアルコールと反応させ、ジエステルジカルボン酸を得た後、塩素化試薬(チオニルクロライド、オキサリルクロライドなど)と反応させ、ジエステルジカルボン酸クロライドを得る。このジエステルジカルボン酸クロライドとジアミンを-20~120℃、好ましくは-5~80℃の範囲で1~72時間攪拌することで、ポリイミド前駆体が得られる。80℃以上で反応させる場合、分子量が重合時の温度履歴に依存して変動し、また熱によりイミド化が進行することから、ポリイミド前駆体を安定して製造できなくなる可能性がある。また、ジエステルジカルボン酸とジアミンを、リン系縮合剤や、カルボジイミド縮合剤などを用いて脱水縮合することでも、簡便にポリイミド前駆体が得られる。
あらかじめ、ジアミンとシリル化剤を反応させ、シリル化されたジアミンを得る。必要に応じて、蒸留等により、シリル化されたジアミンの精製を行う。そして、脱水された溶剤中にシリル化されたジアミンを溶解させておき、攪拌しながら、テトラカルボン酸二無水物を徐々に添加し、0~120℃、好ましくは5~80℃の範囲で1~72時間攪拌することで、ポリイミド前駆体が得られる。80℃以上で反応させる場合、分子量が重合時の温度履歴に依存して変動し、また熱によりイミド化が進行することから、ポリイミド前駆体を安定して製造できなくなる可能性がある。
1)の方法で得られたポリアミック酸溶液とシリル化剤を混合し、0~120℃、好ましくは5~80℃の範囲で1~72時間攪拌することで、ポリイミド前駆体が得られる。80℃以上で反応させる場合、分子量が重合時の温度履歴に依存して変動し、また熱によりイミド化が進行することから、ポリイミド前駆体を安定して製造できなくなる可能性がある。
ポリイミド前駆体組成物は、少なくとも1種類のイミダゾール化合物を含有することができる。イミダゾール化合物は、イミダゾール骨格を有する化合物であれば特に限定されず、例えば1,2-ジメチルイミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-フェニルイミダゾール、イミダゾールおよびベンゾイミダゾールなどが挙げられる。イミダゾール化合物は、複数の化合物を組み合わせて使用してもよい。
特に、X1中の式(1-1)の構造(ODPA由来)の割合が90モル%未満の場合、特に80モル%未満の場合に、イミダゾール化合物を添加することが好ましい。
また、本出願はイミダゾール化合物の添加を必須とする以下の別発明、即ち発明Bシリーズも開示している。
繰り返し単位が前記一般式(I)で表されるポリイミド前駆体を含有する、ポリイミド前駆体組成物であって、
X1は、式(1-1)で表される構造および/または式(1-2)で表される構造を70モル%以上(80モル%以上、または90モル%以上も好ましい)含み、
Y1は、式(B)で表される構造を50モル%以上(60モル%以上、70モル%以上または80モル%以上も好ましい)含み、
さらに少なくとも1種のイミダゾール化合物を、前記ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対して0.01モル以上、1モル未満の量でさらに含有する、ポリイミド前駆体組成物。
この別発明において、上記で規定される以外の要素、事項は本出願の本文中の発明Aシリーズの記載に従う。
本発明で使用されるポリイミド前駆体組成物は、前述の少なくとも1種のポリイミド前駆体と、好ましくは溶媒を含む。さらに前術のとおり、少なくとも1種のイミダゾール化合物を含むことも好ましい。
本発明のポリイミド前駆体組成物(即ちフレキシブル電子デバイス基板用ポリイミド前駆体組成物)を用いて、ポリイミドフィルム/基材積層体を製造することができる。ポリイミドフィルム/基材積層体は、(a)ポリイミド前駆体組成物を、基材上に塗布する工程、(b)前記基材上で前記ポリイミド前駆体を加熱処理し、前記基材上にポリイミドフィルムが積層された積層体(ポリイミドフィルム/基材積層体)を製造する工程により製造することができる。加えて、基材上にポリイミドフィルムを形成した後に、工程(b2)として、ポリイミドフィルムの表面に無機薄膜を形成する工程をさらに有することも好ましい。
本発明のポリイミド前駆体組成物から前述のとおりのポリイミドフィルム/基材積層体を製造した場合、ポリイミドフィルムと基材間の密着性に優れるため、この用途に使用されることが特に好ましい。
(1)ポリイミドフィルムの450nm光透過率が74%以上(第2範囲)であって、弾性率が6.9GPa以上(第2範囲)、好ましくは7.3GPa以上(第3範囲)であり、線熱膨張係数および破断点伸度が上述の第1範囲を満たす。
(2)ポリイミドフィルムの450nm光透過率が75%以上(第3範囲)、好ましくは76%(第4範囲)であって、弾性率が7.3GPa以上(第3範囲)であり、線熱膨張係数および破断点伸度が上述の第1範囲を満たす。
(3)ポリイミドフィルムの450nm光透過率が74%以上(第2範囲)、好ましくは75%以上(第3範囲)であって、ポリイミドフィルム/基材積層体におけるポリイミドフィルムと基材と間の剥離強度が、200gf/cm以上(第4範囲)、好ましくは300gf/cm以上(第5範囲)を満たす。
[粘度安定化・最大粘度率保持評価]
重合後、ポリイミド前駆体組成物を23℃で保管すると粘度が増加し、最大粘度を迎えて減少に転じる。その最大粘度になったとき、「粘度が安定化した」と評価した。また、最大粘度を迎えた後に粘度が減少するが、最大粘度に対する、最大粘度に到達した日から30日後の粘度の比を「最大粘度保持率」とし、最大粘度に対して50%以上の粘度がある場合を「〇」50%未満の粘度の場合を「×」として評価した。
なお、粘度は東機産業社製のE型粘度計TVE-25を用いて測定温度を25℃として測定した。
[450nm光透過率]
実施例、比較例で膜厚の記載の無いものは膜厚約10μmのポリイミドフィルムについて、記載のあるものは記載どおりの膜厚のポリイミドフィルムについて、紫外可視分光光度計/V-650DS(日本分光製)を用いて、450nmにおける光透過率を測定した。
膜厚約10μmのポリイミドフィルムを幅4mmの短冊状に切り取って試験片とし、TMA/SS6100 (エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用い、チャック間長15mm、荷重2g、降温速度20℃/分で400℃から50℃まで降温した。得られたTMA曲線から、150℃から250℃までの線熱膨張係数を求めた。
膜厚約10μmのポリイミドフィルムを試験片とし、TAインスツルメント社製 熱量計測定装置(Q5000IR)を用い、窒素気流中、昇温速度10℃/分で25℃から600℃まで昇温した。得られた重量曲線から、150℃の重量を100%として1%重量減少温度を求めた。
オリエンテック社製TENSILON RTA-500を用い、大気中で、引張り速度2mm/分の条件で90°方向の剥離強度を測定した。
ポリイミドフィルム評価用の基準基材として、6インチシリコンウェハ(625μm厚、(100)基板)を使用した。シリコンウェハ上にポリイミド前駆体組成物をスピンコーターにより塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)で、そのままシリコンウェハ上で室温から実施例、比較例と同じ温度まで加熱して熱的にイミド化を行い、ポリイミドフィルム/基準基材積層体を得る。積層体中のポリイミドフィルムの膜厚は約10μmとする。
E/(1-ν):基板(基準基材:シリコンウェハ)の2軸弾性係数(Pa)、
(100)シリコンでは1.805E11Pa、
h:基板の厚さ(m)
t:ポリイミドフィルムの厚さ(m)
R:測定試料の曲率半径(m)
1/R=1/R2-1/R1
R1:フィルム製膜前の基板(シリコンウェハ)単独の曲率半径
R2:フィルム製膜後の曲率半径
S:残留応力の平均値(Pa)
膜厚約10μmのポリイミドフィルムをIEC450規格のダンベル形状に打ち抜いて試験片とし、ORIENTEC社製TENSILONを用いて、チャック間長30mm、引張速度2mm/分で、初期の弾性率、破断点伸度、破断強度を測定した。
以下の各例で使用した原材料の略称は次のとおりである。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
DSDA:3,3’,4,4’―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物
ODPA:4,4’-オキシジフタル酸二無水物
s-BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
4-BAAB:4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエート
BAPB:4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル
4,4-ODA:4,4-オキシジアニリン
2-Pz:2-フェニルイミダゾール
Bz:ベンゾイミダゾール
Im:イミダゾール
1-Pz:1-フェニルイミダゾール
NMP: N-メチル-2-ピロリドン
[ポリイミド前駆体組成物の調製]
窒素ガスで置換した反応容器中に4-BAAB 2.28g(10ミリモル)を入れ、N-メチル-2-ピロリドンを、仕込みモノマー総質量(ジアミン成分とカルボン酸成分の総和)が12.5質量%となる量の37.69gを加え、室温で1時間攪拌した。この溶液にODPA 3.10g(10ミリモル)を徐々に加えた。室温で6時間撹拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体組成物を得た。ポリイミド前駆体組成物の粘度安定性を表2に示す。
ガラス基板として、6インチのコーニング社製のEagle-XG(登録商標)(500μm厚)を使用した。ガラス基板上にポリイミド前駆体組成物をスピンコーターにより塗布し、窒素雰囲気下(酸素濃度200ppm以下)で、そのままガラス基板上で室温から420℃まで加熱して熱的にイミド化を行い、ポリイミドフィルム/基材積層体を得た。剥離強度については、得られたポリイミドフィルム/ガラス積層体から、幅5mmの試験サンプルを作成して測定した。その他のフィルム物性については、積層体を40℃の水(例えば温度20℃~100℃の範囲)につけてガラス基板からポリイミドフィルムを剥離し、乾燥後、ポリイミドフィルムの特性を評価した。ポリイミドフィルムの膜厚は約10μmである。評価結果を表2に示す。
実施例1において、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分を、表2に示す化合物および量(モル比)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリイミド前駆体組成物を得た。その後、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造してフィルム物性を評価した。
実施例1において、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分を、表3に示す化合物および量(モル比)に変更し、実施例1と同様に反応してポリイミド前駆体組成物を得た。得られたポリイミド前駆体組成物を用いて、イミド化の最高加熱温度を450℃に変更した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造してフィルム物性を評価した。
実施例1において、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分を、表3に示す化合物および量(モル比)に変更し、実施例1と同様に反応してポリイミド前駆体溶液を得た。
イミダゾール化合物として2-フェニルイミダゾールを、4倍質量のN-メチル-2-ピロリドンに溶解して2-フェニルイミダゾールの固形分濃度が20質量%の均一な溶液を得た。ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対してイミダゾール化合物の量が表3記載の量となるように、イミダゾール化合物の溶液と、上で合成したポリイミド前駆体溶液を混合し、室温で3時間攪拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体組成物を得た。
その後、実施例7と同様にしてポリイミドフィルムを製造してフィルム物性を評価した。但し、比較例5については、得られたポリイミド前駆体組成物の粘度安定性が悪いため、基材上に均一なポリイミドフィルムを製膜することが困難であったので、フィルム物性の評価ができなかった。
実施例1において、テトラカルボン酸成分およびジアミン成分を、表4または5に示す化合物および量(モル比)に変更し、実施例1と同様に反応してポリイミド前駆体溶液を得た。
イミダゾール化合物として表4または5に示す化合物に変更し、またその量が表4または5記載の量となるように、イミダゾール化合物の溶液と、上で合成したポリイミド前駆体溶液を混合し、室温で3時間攪拌し、均一で粘稠なポリイミド前駆体組成物を得た。
その後、イミド化の最高加熱温度を420℃または450℃(表4または5に記載のとおり)とした以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを製造してフィルム物性を評価した。尚、比較例9については、イミダゾール化合物を添加しなかった。
尚、表4中の実施例12、13および14は参考例である。
実施例、比較例と同様に製造したポリイミドフィルム/基材積層体のポリイミドフィルム面にプラズマCVD法によりSiOxとSiNxを順に各400nm成膜した。その後、アニール炉内で430℃で60分間アニール処理を行った。アニール炉から取り出して目視にて観察し、ポリイミドフィルムとガラス基板の間、およびポリイミドフィルムとSiOx膜との間の剥がれを観察した。どちらにも剥がれは観察されなかったものを「○」、どちらかに剥がれが観察されたものを「×」と評価した。結果を表2~表5に示す。
実施例、比較例と同様に製造したポリイミドフィルム/基材積層体のポリイミドフィルム面にプラズマCVD法によりSiOxとSiNxを順に各400nm成膜した。その後、アニール炉内で430℃で8時間アニール処理を行った。アニール炉から取り出して目視にて観察し、ポリイミドフィルムとガラス基板の間、およびポリイミドフィルムとSiOx膜との間の剥がれを観察した。どちらにも剥がれは観察されなかったものを「○」、どちらかに剥がれが観察されたものを「×」と評価した。結果を表6に示す。
尚、表6中の実施例26および27は参考例である。
Claims (13)
- 繰り返し単位が下記一般式(I)で表されるポリイミド前駆体、および任意成分として少なくとも1種のイミダゾール化合物を、前記ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対して1モル未満の量で含有する、ポリイミド前駆体組成物;
X1は、(i)を満たし、
(i)式(1-1)で表される構造を50モル%以上含み、且つ式(1-1)で表される構造および式(1-2)で表される構造を合計で70モル%以上含む、
- 繰り返し単位が下記一般式(I)で表されるポリイミド前駆体、および任意成分として少なくとも1種のイミダゾール化合物を、前記ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対して1モル未満の量で含有する、フレキシブルディスプレイ基板として用いられるポリイミドフィルムを製造するためのポリイミド前駆体組成物;
X1は、(i)を満たし、
(i)式(1-1)で表される構造を50モル%以上含み、且つ式(1-1)で表される構造および式(1-2)で表される構造を合計で70モル%以上含む、
- X1の60モル%以上が、式(1-1)で表される構造であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミド前駆体組成物。
- Y1の80モル%以上が式(B)で表される構造である請求項1または2に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 少なくとも1種のイミダゾール化合物を、前記ポリイミド前駆体の繰り返し単位1モルに対して0.01モル以上、1モル未満の量でさらに含有する、請求項1または2に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記イミダゾール化合物が、1,2-ジメチルイミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-フェニルイミダゾール、イミダゾールおよびベンゾイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 請求項1または2に記載のポリイミド前駆体組成物から得られるポリイミドフィルム。
- 請求項1または2に記載のポリイミド前駆体組成物から得られるポリイミドフィルムと、
基材と
を有することを特徴とするポリイミドフィルム/基材積層体。 - 前記積層体のポリイミドフィルム上に、さらに無機薄膜層を有する請求項8に記載の積層体。
- 前記基材が、ガラス基板である請求項8または9に記載の積層体。
- (a)請求項1または2に記載のポリイミド前駆体組成物を、基材上に塗布する工程、および
(b)前記基材上で前記ポリイミド前駆体を加熱処理し、前記基材上にポリイミドフィルムを積層する工程
を有するポリイミドフィルム/基材積層体の製造方法。 - 前記工程(b)の後に、
(c)前記積層体のポリイミドフィルム上に、無機薄膜層を形成する工程をさらに有する請求項11に記載の積層体の製造方法。 - (d)請求項12で製造された積層体の無機薄膜層上に、導電体層および半導体層から選ばれる少なくとも1つの層を形成する工程、および
(e)前記基材と前記ポリイミドフィルムとを剥離する工程
を有するフレキシブル電子デバイスの製造方法。
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