JP7234838B2 - 塵埃堆積検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気機器、電気設備等に付着又は堆積している塵埃の程度を把握するための塵埃堆積検知装置に関する。
電気機器又は電気設備において、外部から塵埃が飛来して堆積すると、電気機器又は電気設備の動作不良、絶縁劣化のリスクが高まる。これら機器、設備の正常動作を担保するためには、定期的に清掃を行なう等の処置を実施する必要がある。
塵埃の付着程度を評価する技術が知られている。例えば、下記特許文献1には、2つの電極の上に、湿度が高くなると電流が流れ易くなる感湿膜を形成したものを2組用意し、一方は塩分が付着する環境に設置し、他方は塩分が付着し難い環境に設置する。各組の電極間に流れる電流値を測定し比較することにより、汚損(塩分付着)の程度を判定する。
また、下記特許文献2には、空調ダクト内に光透過性を有する板(粉塵堆積板)を設け、それを挟んで光源及び光センサを配置し、粉塵堆積板の透過光の減少量として、粉塵の堆積を検知する。
特許第5488755号公報 特開平10-170438号公報
しかし、特許文献1では、塩分、又は塩分を含む塵埃しか検知できない問題がある。一般的な塵埃の付着による接触不良、又は機器の動作不良のリスクを検知するには不十分である。
特許文献2では、光源及び光検知器の温度依存性が考慮されていない。常時通風があり暗所でなければ有効な検知が行なえない、光源と光検知器とを対向して配置することが必要であり、部品点数の低減が容易ではないという問題もある。また、使用する光源及び光検知器によって特性がばらつき、検出結果はその影響を受ける。しかし、特許文献2では、光源及び光検知器の特性のばらつきが考慮されていない。
したがって、本発明は、塵埃の種類によらず、塵埃の堆積を検知できる塵埃堆積検知装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、光源及び光検知器の特性のばらつき及び温度依存性の影響を抑制し、精度よく塵埃堆積の程度を評価できる塵埃堆積検知装置を提供することを第2の目的とする。
本発明の第1の局面に係る塵埃堆積検知装置は、2つの反射面を有し、断面L字型の反射部材と、反射部材に光を照射する発光部と、反射部材により反射された光を検知する光検知部と、発光部から反射部材に光を照射した状態で、光検知部により検知された光の強度と、発光部の照射光の強度との比率に応じて、反射部材における塵埃堆積の程度を評価する評価部とを含み、発光部は、2つの反射面のうちの鉛直面の上端よりも高い位置に配置され、発光部及び光検知部は、発光部から照射された光が、2つの反射面により順次反射された後、光検知部により検知されるように配置される。
これにより、塵埃の種類を問わず、電気機器等に堆積している塵埃の程度を、精度よく評価できる。また、塵埃堆積検知装置を小型にでき、発光部及び光検知部を対向させる必要がなく、設計の自由度が増す。
好ましくは、発光部から照射された光が、2つの反射面により順次反射された後、光検知部により検知されるまでに通過する光路長は30mm以下である。
これにより、発光部から光検知部までの到達光量を確保でき、塵埃堆積の程度をより精度よく評価できる。
より好ましくは、発光部から反射部材に照射される光が、2つの反射面のうちの水平面と成す角度は、30度以上45度以下の範囲である。
これにより、発光部の照射光を塵埃堆積部分により適度に減衰させると共に、光検知部への到達光量を十分に確保でき、塵埃堆積の程度をより精度よく評価できる。
本発明の第2の局面に係る塵埃堆積検知装置は、機器の所定部分の面に光を照射する発光部と、所定部分を透過した光又は所定部分により反射された光を検知する光検知部と、発光部から所定部分に光を照射した状態で、光検知部により検知された光の強度と、発光部の照射光の強度との比率に応じて、所定部分における塵埃堆積の程度を評価する評価部と、発光部が照射する光量及び光検知部の出力値の少なくとも一方を調整する調整部とを含み、調整部は、所定部分に塵埃が堆積された状態で光検知部により光の強度が検知される前に、所定部分に塵埃が堆積されていない状態で光検知部の出力値が所定値になるように調整される。
これにより、発光部及び光検知部の特性のばらつきの影響を抑制でき、塵埃堆積の程度をより精度よく評価できる。
本発明の第3の局面に係る塵埃堆積検知装置は、機器の所定部分の面に光を照射する発光部と、所定部分を透過した光又は所定部分により反射された光を検知する光検知部と、発光部及び光検知部の周囲の温度を検知する温度検知部と、光検知部により検知された光の強度を補正する補正部と、所定部分における塵埃堆積の程度を評価する評価部とを含み、補正部は、温度検知部により検知された温度がTであり、発光部から所定部分に光を照射した状態で、光検知部により検知された光の強度を表すV(T)と、所定温度T1と、定数Kとを用いて換算値V(T1)を、V(T1)=V(T)×(1-(T-T1)/K)により算出し、評価部は、換算値と発光部の照射光の強度との比率に応じて、所定部分における塵埃堆積の程度を評価する。
これにより、発光部及び光検知部の特性の温度依存性の影響を抑制でき、塵埃堆積の程度をより精度よく評価できる。
本発明によれば、塵埃の種類を問わず、塵埃を検知でき、機器のリスク管理を効率的に行なうことができる。また、発光部及び光検知部の特性のばらつき及び温度依存性の影響を抑制し、精度よく塵埃堆積の程度を評価できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る塵埃堆積検知装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、検出誤差の原因を示す断面図である。 図3は、塵埃堆積を検知するための光検知系の配置を示す断面図である。 図4は、入射角による総光路長の変化を示すグラフである。 図5は、塵埃堆積を検知するための光検知系を示す回路図である。 図6は、図1の塵埃堆積検知装置による塵埃堆積検知処理を示すフローチャートである。 図7は、塵埃堆積を検知するための光検知系の変形例を示す断面図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態に係る塵埃堆積検知装置の光検知系を示す回路図である。 図9は、本発明の第3の実施の形態に係る塵埃堆積検知装置の概略構成を示すブロック図である。 図10は、塵埃堆積を検知するための光検知系の変形例を示す回路図である。 図11は、塵埃堆積を検知するための光検知系の変形例を示す回路図である。 図12は、塵埃堆積を検知するための光検知系の変形例を示す断面図である。 図13は、塵埃堆積を検知するための光検知系の変形例を示す断面図である。 図14は、塵埃堆積を検知するための光検知系の変形例を示す断面図である。 図15は、塵埃堆積を検知するための光検知系の変形例を示す断面図である。 図16は、光検知系の配置の違いに関する実験結果を示すグラフである。 図17は、光検知系を構成する素子のばらつきに関する実験結果を示すグラフである。 図18は、調整を行った実験結果を示すグラフである。 図19は、光検知系を構成する素子の温度依存性に関する実験結果を示すグラフである。 図20は、温度補正を行った実験結果を示すグラフである。
以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
(塵埃堆積検知装置の構成)
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る塵埃堆積検知装置100は、光を放射する発光部102、発光部102に電力を供給する電源部104、光を検知する光検知部106、制御部108、記憶部110、タイマ112及び光反射部材120を含む。塵埃堆積検知装置100は、各部を作動させるための電源等(図示せず)をも含む。発光部102、光検知部106及び光反射部材120は、塵埃発生の監視対象である機器内に配置される。電源部104、制御部108、記憶部110及びタイマ112の配置場所は任意であり、監視対象である機器内に配置されても、機器外に配置されてもよい。
発光部102は、例えば発光ダイオード(以下、LEDという)である。発光部102は、LEDに限らず、所定時間(例えば1~数秒程度)、所定方向に、所定強度の光を安定して出力できる発光素子であればよい。電源部104は、制御部108による制御を受けて、発光部102に、発光部102を点灯させるための電力を供給する。
光検知部106は、例えばフォトトランジスタである。光検知部106は、フォトトランジスタに限らず、光を検知し、その強度(光量)に応じた大きさの電気信号(例えば電圧)を出力できる素子であればよい。光検知部106は、発光部102の放射光の中心波長を、検出感度の中心付近に有することが好ましい。
光反射部材120は、保持部材122により保持され、発光部102から照射される光を反射して光検知部106に入射させる。光反射部材120は断面L字型に形成されており、発光部102から光検知部106への光路を比較的狭い空間に収めることができる。発光部102側の直交する2つの表面は、発光部102からの光を反射する鏡面になっている。光反射部材120は、2つの反射面が約90°を成すように配置されていればよく、例えば、金属板の折り曲げ加工により形成できる。光反射部材120は、反射面を有する平面部材を2つ、略直交するように接合したものであってもよい。発光部102、光検知部106及び光反射部材120は、光検知系を構成する。
発光部102及び光検知部106は、例えば、LED及びフォトトランジスタを1つのパッケージに収容した素子であるフォトリフレクタにより実現できる。これにより、部品点数を低減でき、光検知系をコンパクトに形成できる。
制御部108は、CPU(Central Processing Unit)であり、電源部104の出力を制御して、発光部102を点灯又は消灯させる。例えば、制御部108が電源部104に対してハイレベル(例えば5V)の信号を出力すると、電源部104は発光部102に電力を供給する。これにより、発光部102が点灯する。制御部108が電源部104に対してローレベル(例えば0V)の信号を出力すると、電源部104は発光部102への電力供給を停止する。これにより、点灯していた発光部102は消灯する。
また、制御部108は、所定のタイミングで、光検知部106の出力信号を取得する。例えば、光検知部106がA/D変換機能を有していれば、制御部108は、光検知部106から出力されるデジタルデータを取得する。光検知部106がアナログ信号を出力すれば、制御部108は、入力されるアナログ信号を所定の時間間隔でサンプリングして、デジタルデータを生成する。
記憶部110は、制御部108から入力されるデータを記憶する揮発性又は不揮発性のメモリである。タイマ112は、制御部108からの要求を受けて、現在時刻を出力する。
図1には、光反射部材120及び保持部材122の水平面に堆積した塵埃190を示す。発光部102から放射される光は、塵埃190を通過した後、光反射部材120の水平面により反射され、再度塵埃190を通過した後、光反射部材120の鉛直面により反射され、発光部102の光軸と平行に戻り、光検知部106により検知される。光検知部106により測定される光量は、光反射部材120の上に堆積している塵埃190の量に応じて変化し、塵埃190の堆積量が多くなれば、測定値はより小さくなる。機器内の塵埃の堆積は、機器が設置されてからの時間経過に応じて増大する。したがって、定期的に、制御部108により電源部104を制御して発光部102を点灯させた状態で、光検知部106により検出される光量を測定すれば、塵埃の堆積の程度の変化を観測できる。
そのためには、塵埃堆積検知装置100は、発光部102から放射された光が塵埃190を通過した後、制御部108により検出されることが必要である。しかし、図1に示した光検知系では、発光部102から放射された光が塵埃190を通過せずに、光検知部106により検出される光路が形成される可能性がある。発光部102はある程度の広がり(指向角)を持って光を放射する。したがって、発光部102の指向角、発光部102、光検知部106及び光反射部材120の配置(距離、傾き等)によっては、図2に示すように、実線で示す望ましい光路以外に、破線で示す光路が形成され得る。図2において、発光部102の位置、より正確には、光が発光部102から出力される表面上の部分(以下、中心部ともいう)の位置は、光反射部材120の鉛直面の上端よりも低い位置にある。破線で示す光路を通過した光は、光検知部106により検出される光量の測定誤差の原因となる。
したがって、発光部102から放射された光が塵埃190の堆積部分を通過せずに光検知部106に入射する光路が形成されないように、光検知系を構成する要素を配置することが好ましい。これに関して、図3を参照して具体的に説明する。図3において、θ(°)は、光反射部材120の水平面(塵埃が堆積する面)と発光部102の光軸(放射される光の強度が最大である方向)との成す角度(以下、入射角という)を表す。Dは、発光部102の中心軸(光軸)と光検知部106の中心軸との距離を表す。Hは、発光部102の発光部の中心部の、光反射部材120の水平面からの高さを表す。hは、光反射部材120の鉛直面の高さ(光反射部材120の最上端の、光反射部材120の水平面からの距離)を表す。dは、光反射部材120の最上端の高さと発光部102の発光部の高さとの差(以下、クリアランスという)を表す。即ち、H=h+dである。
光反射部材120の鉛直面の高さhが大きければ、図2に示したように、発光部102から放射された光が塵埃190の堆積部分を通過せずに光検知部106に入射する光路が形成される可能性が高くなる。図2において、鉛直面の高さhが低ければ、破線で示した発光部102から放射された光は、鉛直面で反射されることはない。したがって、発光部102の中心部は、鉛直面の上端よりも高い位置に配置されることが好ましい。また、鉛直面の高さhは、ある程度の高さまでに制限されることが好ましい。製造コストの観点から、光反射部材120を1枚の金属板を折り曲げ加工により形成することが望ましい。その場合、加工の容易性を考慮すると、光反射部材120の鉛直面の高さhは約5mmであることが好ましい。
発光部102から放射される光は発光部102からの距離に応じて拡散し、発光部102及び光検知部106の距離が大きいほど、光検知部106により検出される光量はより低下する。したがって、発光部102にLEDを使用する場合、光検知部106に到達する光量を確保するためには、発光部102から光反射部材120を経た光検知部106までの距離(以下、総光路長という)は、LEDの焦点距離(例えば約30mm)程度の大きさであることが好ましい。また、LEDの中心部の直径は約2mmであるので、クリアランスdは約2mm以上であることが好ましい。発光部102及び光検知部106には、それらが一体に形成されたフォトリフレクタを使用できる。その場合、Dは約3mmである。例えば、ローム社製のフォトリフレクタRPR-220US30Nであれば、D=2.8(mm)である。
発光部102から光反射部材120までの光路長をL1、光反射部材120で反射されてから再度光反射部材120で反射されるまでの光路長をL2、光反射部材120で再度反射されてから光検知部106までの光路長をL3、及び、総光路長をLで表すと、次式が成り立つ。
L=L1+L2+L3
L1=H/sinθ
L2=D/cos(90-2×θ)
L3=L1+D×tan(90-2×θ)
一例として、H=7(mm)(h=5(mm)、d=2(mm))及びD=2.8(mm)としたときの入射角θ(°)及び総光路長L(mm)の関係を図4に示す。図4のグラフから、θが30°~45°の範囲であれば、総光路長Lは約30mm以下であることが分かる。θが45°よりも大きければ、総光路長Lはより小さくなり、光検知部106の検出値が大きくなる点で好ましいが、発光部102及び光検知部106が塵埃堆積部に接近するので、発光部102及び光検知部106が塵埃堆積に影響を与える可能性がある。例えば、発光部102及び光検知部106が配置された付近における塵埃堆積が、それ以外の領域よりも少なくなり、発光部102及び光検知部106による測定結果が、機器内部の塵埃堆積の程度を正確に反映しない可能性がある。したがって、30≦θ≦45であることが好ましい。これに対応する光路長Lは、図4のグラフから、約30mm以下約20mm以上である。
発光部102にLEDを用い、光検知部106にフォトトランジスタを用いる場合の回路の例を図5に示す。図5を参照して、発光部102は、端子140及び端子142の間に直列接続されたLED130及び抵抗R1を含む。図5において、光反射部材120を便宜上平板で示す。光検知部106は、端子144及び端子146の間に直列接続されたフォトトランジスタ132、抵抗R2及び抵抗R3を含む。端子142及び端子146を接地した状態で、発光部102の端子140及び端子142間に電源部104から直流電圧を印加することにより、LED130が光を放射する。光検知部106は、端子144及び端子146の間に所定の直流電圧が印加された状態で、フォトトランジスタ132に光(光反射部材120で反射された発光部102の放射光)が入射すると、フォトトランジスタ132はオンして電流が流れる(端子144及び端子146の間に電流が流れる)。制御部108は、それに伴う電圧降下により測定端子134に生じる電圧を測定する。フォトトランジスタ132を流れる電流値はフォトトランジスタ132に入射する光量に依存するので、測定端子134で測定される電圧はフォトトランジスタ132に入射する光量を表す。なお、抵抗R1、R2及びR3は、LED130及びフォトトランジスタ132に応じた適切な抵抗値を有していればよい。
(塵埃堆積の検知処理)
以下に、図6を参照して、図1の塵埃堆積検知装置100により、電気機器における塵埃堆積の程度を評価する処理に関して説明する。発光部102及び光検知部106は、図5に示した回路を構成しているとする。図6のプログラムは、制御部108により実行される。そのプログラムは、例えば、予め記憶部110に記憶されていればよい。
ここでは、記憶部110には、測定の時間間隔Δt、所定のしきい値th1、及びメッセージが予め記憶されているとする。測定の時間間隔Δtは、塵埃の堆積速度、塵埃が電気機器に及ぼす影響の程度等に応じて決定される。例えば、数時間~24時間の範囲の値である。僅かの塵埃の堆積でも、機器の性能、安全性等に重大な影響を与える場合には、比較的短い時間が設定されることが好ましい。
しきい値th1は、例えば、塵埃の堆積により光検知部106が検知する発光部102の光量が低下し、塵埃を除去するメンテナンス(清掃等)を行なう必要があると判断されるときの光量に対応する。しきい値th1は、例えば、初期(機器の設置時)の測定値を基準とし、それに対する比率として設定することができる。初期の光検知部106による測定値は、発光部102の照射光の強度を表す基準値と考えられ、基準値A0(V)として記憶部110に記憶しておく。
ステップ300において、制御部108は、初期設定として、タイマ112から現在時刻を取得し、記憶部に開始時刻として記憶させる。
ステップ302において、制御部108は、タイマ112から現在時刻を取得し、ステップ300で記憶した開始時刻との時間差を算出する。
ステップ304において、制御部108は、ステップ300で算出した時間差と、記憶部110に記憶されている測定の時間間隔Δtとを比較することにより、測定時刻になったか否かを判定する。即ち、制御部108は、時間差が測定の時間間隔Δt以上であれば、測定時刻になったと判定し、ステップ306に移行する。そうでなければ(時間差が測定の時間間隔Δt未満)、制御はステップ314に移行する。
ステップ306において、制御部108は、現在の開始時刻を更新する。即ち、制御部108は、ステップ302で取得した現在時刻を、記憶部110に記憶されている開始時刻に上書きする。
ステップ308において、制御部108は、発光部102を点灯させ、光検知部106からの出力信号を取得する。具体的には、制御部108は、上記したように、電源部104にハイレベルの信号を出力して(電源部104から発光部102に電力を供給)、発光部102を点灯させ、その状態で、光検知部106からの出力信号(測定端子134の電圧(V))を、測定値A1(V)として取得する。光検知部106の出力信号を取得すると、制御部108は、電源部104にローレベルの信号を出力して(電源部104から発光部102への電力供給を停止)、発光部102を消灯させる。
ステップ310において、制御部108は、ステップ308で取得した測定値A1(V)を、記憶部110から読出した基準値A0(V)で除した値(A1/A0)が、記憶部110に記憶されているしきい値th1以下であるか否かを判定する。しきい値th1以下であることは、塵埃堆積が、メンテナンスを行なう必要がある程度まで進んでいることを意味する。しきい値th1以下であると判定されると、制御はステップ312に移行する。そうでなければ、制御はステップ314に移行する。
ステップ312において、制御部108は、記憶部110から所定のメッセージを読出して、提示する。例えば、メンテナンスを行なう必要がある旨のメッセージを提示する。塵埃堆積検知装置100が音響出力装置又は画像表示装置を備えていれば、メッセージを音響又は画像として提示することができる。塵埃堆積検知装置100から外部の音響出力装置又は画像表示装置に、提示するメッセージを表すデータを出力してもよい。
ステップ314において、制御部108は、終了の指示を受けたか否かを判定する。終了の指示を受けた場合、本プログラムは終了する。そうでなければ、制御はステップ302に戻り、上記の処理を繰返す。終了の指示は、例えば、塵埃堆積検知装置100の電源をオフする操作により行なわれる。
以上により、塵埃堆積検知装置100は、予め定められた時間間隔Δtで、発光部102を点灯させた状態で、光反射部材120の上に堆積した塵埃190を通過する光量を光検知部106により測定し、測定値の基準値(初期値)に対する比率をしきい値th1と比較する。測定値は塵埃190の存在による影響を受け、それは、塩分を含む塵埃か否か等、塵埃の種類にはよらず、主に堆積の程度(堆積量)による。したがって、塵埃堆積検知装置100は、塵埃の種類を問わず、光反射部材120に堆積している塵埃の程度を評価することができる。機器内の光反射部材120の周囲には、同程度の塵埃が堆積していると考えられるので、光検知部106の測定値がしきい値th1以下になれば、塵埃堆積検知装置100は、メンテナンスを推奨するメッセージ等を提示する。しきい値th1を適切に設定しておけば、塵埃の堆積により、機器の性能及び安全性の低下等が生じる前に、メンテナンスにより塵埃を除去するように促すことができ、機器を適切に管理できる。
発光部102、光検知部106及び光反射部材120により構成される光検知系において、発光部102(中心部)を、断面L字型の光反射部材120の鉛直面の上端よりも高い位置に配置することにより、発光部102から放射された光が塵埃190の堆積部分を通過せずに光検知部106に入射する光路が形成されることを防止できる。したがって、検出誤差を低減でき、検出精度を向上でき、精度よく塵埃堆積の程度を評価できる。
また、発光部102から光反射部材120を経た光検知部106までの総光路長Lを30mm以下(好ましくは約20mm以上)とすることにより、発光部102から光検知部106に到達する光量を確保できる。したがって、検出感度が向上する。発光部102にLEDを使用する場合、総光路長Lが約20mm~約30mmであれば、LEDの焦点距離と同程度であるので、LEDからの放射光の広がりを抑え、単位面積当たりに照射される光量及び光反射部材120から光検知部106に到達する光量を十分に確保できる。したがって、検出感度を向上でき、精度よく塵埃堆積の程度を評価できる。
検出においては、塵埃堆積部を通過する光路が長い方が好ましく、そのためには、発光部102から光反射部材120の水平面への光の入射角θが小さい方が好ましい。一方、入射角θが小さくなると、総光路長Lが長くなり、検出できる光量が低下する。入射角θを30°~45°の範囲に設定することにより、照射光を塵埃堆積部分により適度に減衰させると共に、光検知部106に到達する光量を十分に確保できる。したがって、検出感度及び検出精度を向上でき、精度よく塵埃堆積の程度を評価できる。
(変形例1)
発光部102及び光検知部106の配置は、図3に示したように、光検知部106が発光部102よりも高い位置に配置される場合に限定されない。例えば、図7に示したように、発光部102が光検知部106よりも高い位置に配置されてもよい。この場合にも、上記したように、発光部102(中心部)が光反射部材120の鉛直面の上端よりも高い位置に配置され、総光路長Lが30mm以下(好ましくは約20mm以上)、θが30°~45°であれば、検出感度及び検出精度を向上できる。
(第2の実施の形態)
発光部102に同種類の素子(例えばLED)を使用しても、その特性は素子毎にばらつく。光検知部106に関しても、同種類の素子(例えばフォトトランジスタ)を使用しても、その特性は素子毎にばらつく。そのため、塵埃堆積の程度が同じであっても、検出値にはばらつきが生じる。したがって、本実施の形態では、使用される素子のばらつき(特性のばらつき)による影響を抑制する。
塵埃堆積検知装置の構成は、図1に示した第1の実施の形態に係る塵埃堆積検知装置100と同様である。また、発光部102、光検知部106及び光反射部材120の配置も図3と同様である。したがって、重複説明を繰返さない。但し、発光部102及び光検知部106により構成される回路は、第1の実施の形態の図5とは異なり、図8に示すように構成される。図8は、図5の回路において、抵抗R3を可変抵抗200で代替したものである。また、測定値(電圧)は、図5の測定端子134に替えて、測定端子202で測定される。
可変抵抗200は、例えば、3端子型のポテンショメータ、ボリューム等と呼ばれる抵抗値を調整可能な素子である。可変抵抗200は、抵抗R2に接続された一端と端子146に接続された他端との間に、所定の抵抗値を有する抵抗部材を備え、抵抗部材における測定端子202の接触位置を変化させる機構を備える。これにより、フォトトランジスタ132に照射される光量が同じであっても、測定端子202により検出される電圧を変更できる。
したがって、塵埃堆積検知装置毎に、例えば光反射部材120に塵埃が堆積していない状態で、発光部102を発光させて測定端子202から検出した電圧が所定値になるように、予め可変抵抗200を調整する。これにより、実施例2として後述するように、発光部102及び光検知部106として使用する素子のばらつき(特性のばらつき)による影響を抑制できる。
(第3の実施の形態)
発光部102及び光検知部106の特性は周囲の温度に依存するので、同じ発光部102及び光検知部106を用い同じ塵埃堆積を対象としても、検出値が変化する。したがって、本実施の形態では、使用される素子の温度依存性を抑制する。
図9を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る塵埃堆積検知装置150は、光を放射する発光部102、発光部102に電力を供給する電源部104、光を検知する光検知部106、制御部108、記憶部110、タイマ112、光反射部材120及び温度検知部152を含む。塵埃堆積検知装置150は、図1に示した第1の実施の形態に係る塵埃堆積検知装置100において、温度検知部152が追加されたものである。また、発光部102及び光検知部106により構成される回路は、第2の実施の形態の図8と同じである。したがって、重複説明を繰返さない。
温度検知部152は、例えば、温度センサ(サーミスタ、測温抵抗体、熱電対等)であり、発光部102及び光検知部106の周囲に配置される。温度検知部152の検出値(温度)は制御部108に入力される。制御部108は、温度検知部152の検出値を用いて、光検知部106の検出値の温度補正を実行する。
実施例3として後述するように、温度補正を行わない場合、発光部102及び光検知部106の周囲温度が上昇すれば、光検知部106の検出値(電圧)も上昇する傾向がある。塵埃堆積により光検知部106の検出値の低下状態の違いによって、光検知部106の検出値の、周囲温度による上昇量が異なる。したがって、発光部102及び光検知部106の設置場所、設置環境が異なると、相対的な評価が困難になる。
温度変化による検出値の変動量(グラフの傾き)は、塵埃の堆積状態によらず、ほぼ一定である(後述の実施例3参照)。即ち、任意の環境温度Tにおける光検知部106の検出値(電圧)をV(T)、T=25(℃)の環境温度での光検知部106の検出値を(25)で表すと、次式が成り立つ。
V(25)=V(T)×(1-(T-25)/K) ・・・(式1)
式1において、Kは定数である。定数Kは、使用する素子(LED、フォトトランジスタ等)の温度特定により異なるが、通常50~500の範囲の値を、予め決定できる。したがって、式1により、任意の環境温度での検出値V(T)を、T=25(℃)における検出値V(25)に換算できる。換算値は周囲温度の影響(使用される素子の温度依存性)が抑制された値となる。
塵埃堆積の検知処理は、光検知部106の検出値を式1により換算することを除いて、図6と同様である。即ち、制御部108は、図6のステップ308において、温度検知部152の検出値である温度Tと、光検知部106の検出値V(T)とを用いて、上記の式1により、換算値V(25)を算出する。そして、制御部108は、ステップ310において、換算値V(25)を、記憶部110から読出した基準値A0で除した値(V(25)/A0)が、記憶部110に記憶されているしきい値th1以下であるか否かを判定する。基準値A0には、T=25(℃)で測定された初期の光検知部106による測定値を使用すればよい。
このように、発光部102及び光検知部106の周囲の温度を測定し、光検知部106の検出値を温度補正した換算値を算出することにより、周囲温度の影響(使用される素子の温度依存性)を排除できる。したがって、光反射部材120に堆積している塵埃の程度を精度よく評価できる。
T=25(℃)の検出値に換算する場合に限定されない。任意の環境温度での検出V(T)を、同じ温度の検出値に換算すればよく、T=25(℃)以外の温度(T1)の検出値に換算してもよい。その場合、式1において、“25”の代わりにT1を使用して、V(T1)=V(T)×(1-(T-T1)/K)により換算値V(T1)を算出すればよい。
上記の温度補正は、第2の実施の形態に示した調整を行った測定値に対して適用することもできる。その場合、発光部102及び光検知部106に使用される素子のばらつきによる影響の抑制と、温度補正との両方により、測定精度をより向上でき、より精度よく塵埃堆積の程度を評価できる。
(変形例2)
発光部102及び光検知部106の検出回路は、図8に示した回路に限定されない。発光部102及び光検知部106の少なくとも一方に調整素子を備えていればよい。例えば、図10に示す回路であってもよい。この回路は、図5に示した回路において、LED130及び抵抗R1に直列接続された可変抵抗204が追加されたものである。可変抵抗204は、その両端の抵抗値を調整できる抵抗素子である。端子140及び端子142に一定の電圧を印加した状態で、可変抵抗204の抵抗値が変化すれば、LED130に流れる電流値が変化し、LEDの発光強度が変化する。したがって、可変抵抗204の抵抗値を調整することにより、LED130及びフォトトランジスタ132に関して、素子毎のばらつきによる、光検知部106の検出値への影響を抑制できる。また、可変抵抗204の抵抗値を調整することにより、周囲温度の変化によるLED130及びフォトトランジスタ132の特性変化による影響を受けた光検知部106の検出値を温度補正できる。
(変形例3)
また、図11に示す回路であってもよい。この回路は、図10に示した回路において、抵抗R3を、可変抵抗200で代替したものである。したがって、可変抵抗204及び可変抵抗200を調整することにより、LED130及びフォトトランジスタ132に関して、素子毎のばらつきによる、光検知部106の検出値への影響を抑制できる。また、可変抵抗204及び可変抵抗200を調整することにより、周囲温度の変化によるLED130及びフォトトランジスタ132の特性変化による影響を受けた光検知部106の検出値を温度補正できる。
(変形例4)
上記では、光検知系をコンパクトに形成するために、光路を折り返すためのL字型の光反射部材を用いる場合を説明したが、第2及び第3の実施の形態においては、そのような光検知系に限定されない。より広い空間を使用できる場合には、図12に示すように、平板の光反射部材210を用いてもよい。発光部102の放射光は、塵埃190を通過した後、光反射部材210により反射され、再度塵埃190を通過した後、光検知部106により検出される。このような光検知系を用いる場合にも、図8、図10及び図11のいずれかに示した回路を採用すれば、上記したように、素子のばらつきの影響及び温度依存性を抑制できる。なお、光反射部材210は、測定のために別途設けるものに限定されず、機器本来の構成部品であってもよい。
(変形例5)
塵埃を反射部材の上に堆積させる代わりに、透過部材の上に堆積させてもよい。例えば、図13又は図14に示すような光検知系を用いてもよい。図13を参照して、発光部102と光検知部106との間には、平板の光透過部材220が配置されている。光透過部材220は、その周囲を平板状の保持部材222により保持され、保持部材222は、例えば複数の柱状の支持部材224により電気機器等の平坦部226の上に支持されている。図14は、発光部102及び光検知部106に関して、光透過部材220に対する上下の位置関係を変更したものである。図13及び図14に示した光検知系を用いる場合にも、図8、図10及び図11のいずれかに示した回路を採用すれば、上記したように、素子のばらつきの影響及び温度依存性を抑制できる。なお、光透過部材220は、測定のために別途設けるものに限定されず、機器本来の構成部品であってもよい。
(変形例6)
さらに、図15に示すような光検知系を用いてもよい。発光部102の放射光は、光透過部材230及び塵埃190を通過した後、光反射部材232により反射され、光検知部106により検出される。図15に示した光検知系を用いる場合にも、図8、図10及び図11のいずれかに示した回路を採用すれば、上記したように、素子のばらつきの影響及び温度依存性を抑制できる。なお、発光部102及び光検知部106を交換した配置であってもよい。
以下に実験結果を示し、本発明の有効性を示す。実験には、発光部102を光反射部材120の鉛直面の上端よりも高い位置に配置した光検知系(図3参照)と、発光部102を光反射部材120の鉛直面の上端よりも低い位置に配置した光検知系(図2参照)とを用いた。光検知系の周囲温度は、いずれも約20℃であった。光反射部材120には、新品状態の反射板と、塵埃堆積を模すためにその水平面(塵埃堆積面)を黒色に着色した反射板とを用いた。発光部102及び光検知部106にはフォトリフレクタ(ローム社製RPR-220US30N)を用い、図5の回路を構成した(端子142及び端子146は接地)。フォトリフレクタは、発光部102としてLEDを含み、光検知部106としてフォトトランジスタを含む。フォトトランジスタの抵抗値は、入射光量に応じて変化し、入射光量が多いほど(塵埃堆積が少ないほど)小さく、入射光がないときに最大となる。
上記した2種類の光検知系及び2種類の反射板の組合せにおいて、フォトリフレクタによる発光及び光検知を行った。具体的には、図5の回路の測定端子134において電圧を測定した。測定結果を図16に示す。図16において、横軸(発電電圧)は測定端子134で測定された電圧の相対値である。基準値は、新品状態の反射板を用いたときの電圧値である。反射率低下あり/なしは、塵埃堆積面の着色(黒色)の有無を意味する。塵埃堆積状態(反射率低下あり)において、図2の光検知系の方が図3の光検知系よりも検出された電圧が大きい。このことから、図2の光検知系では、LEDの放射光の一部が、塵埃堆積面を通らずにフォトトランジスタに入射したために、フォトトランジスタの受光量が大きくなったことが分かる。即ち、図3の光検知系を用いることにより、LEDの放射光の一部が、塵埃堆積面を通らずにフォトトランジスタに入射することを抑制でき、より正確な測定が可能である。
発光部102及び光検知部106に使用する素子のばらつき(特性のばらつき)の影響に関して実験を行った。具体的には、同じ配置及び同じ素子を用いて作製した5台の光検知系(図3参照)を用い、光検知系の周囲温度を同じ(約25℃)にして測定を行った。塵埃には、標準粉体である関東ローム層No.8を用い、光検知系を構成する反射面の上に撒布した。発光部102及び光検知部106には、実施例1と同様にフォトリフレクタを用いた。光学検知系の回路には、発光部102に可変抵抗204を含む図10の回路を用いた(端子142及び端子146は接地)。
反射面への塵埃堆積の程度を変えて、5台の光検知系を用いて測定端子134(図10参照)における電圧を測定した。測定結果を図17及び図18に示す。図17は、回路の可変抵抗204を調整せず(調整機構を固定)に行った測定結果を示す。図18は、5台の光検知系の各々に関して、塵埃の未堆積状態での測定値が一定値になるように、回路の可変抵抗204を調整した後に行なった実験結果を示す。図17及び図18において、5台の光検知系を光学検知系N1~N5で示す。縦軸は測定端子134の電圧(相対値)である。
図17から、可変抵抗を調整しなければ、同じ塵埃堆積状態であっても、光学検知系N1~N5の測定値のばらつきが大きいことが分かる。したがって、測定結果を客観的に評価することが難しく、測定結果の比較、相対的な評価が困難である。一方、図18では、図17よりも明らかに測定値のばらつきが小さくなっている。したがって、光検知系に入射される光量(発光部102の放射光量)を事前に調整しておくことにより、光検知部106による検出値(電圧)のばらつきを抑制でき、測定結果の相対的な評価が可能になる。
光検知系の温度依存性に関して実験を行った。具体的には、可変抵抗を含む回路(図10参照)を用いた1つの光検知系(図3参照)を用いて、周囲温度25℃の環境で、光検知系を構成する反射板に塵埃が堆積していない状態において測定電圧が一定になるように可変抵抗を調整した。実施例2と同様に、発光部102及び光検知部106にはフォトリフレクタを用いた。調整後、恒温槽内において、塵埃堆積状態の異なる3パターンについて温度サイクル実験を行った。温度は、-10℃~50℃の範囲で変化させた。実験結果を図19に示す。
図19において、3本のグラフは、それぞれ塵埃堆積状態が異なる3パターンに対応する。縦軸は測定端子134の電圧(相対値)であり、電圧が大きいほど塵埃の堆積量は少ない。図19から、3パターンのグラフのいずれも、周囲温度の上昇により測定電圧も上昇する傾向にあることが分かる。しかし、3パターンの上昇量(グラフの傾き)は異なり、測定電圧に依存する(塵埃堆積状態に依存する)。したがって、光検知器の設置場所及び環境が異なれば、測定結果の相対的な評価が困難である。
図20は、上記した式1を用いて、図19に示した測定値を、T=25(℃)における値に換算した結果を示す。図20の3本のグラフは、図19の3本のグラフに対応する。図20の各グラフは、周囲温度によらずほぼ一定の値になっている。したがって、式1による温度補正を行うことにより、光検知系の温度依存性を抑制でき、測定誤差を低減できる。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
100、150 塵埃堆積検知装置
102 発光部
104 電源部
106 光検知部
108 制御部
110 記憶部
112 タイマ
120、210、232 光反射部材
122、222 保持部材
130 LED
132 フォトトランジスタ
134、202 測定端子
140、142、144、146 端子
152 温度検知部
190 塵埃
200、204 可変抵抗
220、230 光透過部材
224 支持部材
226 平坦部

Claims (5)

  1. 2つの反射面を有し、断面L字型の反射部材と、
    前記反射部材に光を照射する発光手段と、
    前記反射部材により反射された光を検知する光検知手段と、
    前記発光手段から前記反射部材に光を照射した状態で、前記光検知手段により検知された光の強度と、前記発光手段の照射光の強度との比率に応じて、前記反射部材における塵埃堆積の程度を評価する評価手段とを含み、
    前記発光手段は、前記2つの反射面のうちの鉛直面の上端よりも高い位置に配置され、
    前記発光手段及び前記光検知手段は、前記発光手段から照射された光が、前記2つの反射面により順次反射された後、前記光検知手段により検知されるように配置され、
    前記発光手段及び前記光検知手段の周囲の温度を検知する温度検知手段と、前記光検知手段により検知された光の強度を補正する補正手段とをさらに含み、
    前記補正手段は、
    前記温度検知手段により検知された温度がTであり、前記発光手段から前記反射部材に光を照射した状態で、前記光検知手段により検知された光の強度を表すV(T)と、
    所定温度T1と、
    定数Kとを用いて換算値V(T1)を、V(T1)=V(T)×(1-(T-T1)/K)により算出し、
    前記評価手段は、前記換算値と前記発光手段の照射光の強度との比率に応じて、前記反射部材における塵埃堆積の程度を評価することを特徴とする塵埃堆積検知装置。
  2. 前記発光手段から照射された光が、前記2つの反射面により順次反射された後、前記光検知手段により検知されるまでに通過する光路長は30mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の塵埃堆積検知装置。
  3. 前記発光手段から前記反射部材に照射される光が、前記2つの反射面のうちの水平面と成す角度は、30度以上45度以下の範囲であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の塵埃堆積検知装置。
  4. 前記発光手段が照射する光量及び前記光検知手段の出力値の少なくとも一方を調整する調整手段をさらに含み、
    前記調整手段は、前記反射部材に塵埃が堆積された状態で前記光検知手段により光の強度が検知される前に、前記反射部材に塵埃が堆積されていない状態で前記光検知手段の出力値が所定値になるように調整されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の塵埃堆積検知装置。
  5. 前記発光手段は、前記反射部材が機器に配置された状態において、前記反射部材に光を照射することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の塵埃堆積検知装置。
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