JP7234700B2 - 圧力測定用プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力を測定する際に使用される圧力測定用プローブに関し、特に、口腔内に挿入されるバルーンを備えた構造の技術分野に属する。
近年、高齢者のQOL(Quality of Life)の向上のために摂食・嚥下機能の維持・回復が求められており、その機能の解明が必要になってきている。摂食・嚥下機能には舌の動きが深く関与しており、食塊の形成および咽頭への送り込みには所定の舌圧が必要となる。このため、舌圧の測定とその解析は重要な意味を持つ。また、舌圧だけでなく、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力の測定も同様に重要な意味を持っており、これら口腔関連圧力の被測定者としては高齢者以外にも障がい者等も対象となる。
口腔関連圧力の測定方法としては、口腔内に挿入するバルーンに押圧力を加えることによって上記圧力を測定可能にする、いわゆるバルーン式の測定用プローブを用いる方法が知られている(特許文献1~3参照)。特許文献1~3に開示された口腔関連圧力測定装置では、口腔内に挿入された測定用バルーンを被測定者が舌で押圧すると、測定用バルーンと連通した圧力検知部において測定用バルーン内の空気圧変化が検出される。この空気圧変化を電気信号に変換することで舌圧を測定することができる。
特許文献2の測定用プローブは、バルーンと、該バルーンに連通する中空管部と、中空管部の外側に配設された摺動部材とを備えている。摺動部材は測定用プローブの使用時に歯や唇で挟んで保持するためのものであり、測定用プローブの口腔への挿入長に合わせて位置を変更することができるように構成されている。摺動部材の形状としては、扁平断面を有する形状が複数種開示されている。
また、特許文献3では、測定用プローブのバルーンの基端部に、外方へ突出する鍔部を設けるようにしている。
特開2001-275994号公報 特開2013-135728号公報 特開2008-237366号公報
ところで、バルーン式の測定用プローブは、バルーンだけでは口腔内での位置決めや圧力測定装置本体との接続等が困難であるため、バルーンに連通する硬質樹脂製の接続部材を設け、この接続部材によって位置決めを容易にしたり、圧力測定装置本体との接続が行えるようにしている。よって、バルーンと接続部材とを接続する必要があるが、この接続部分の気密性を確保するのが製造上の問題となる。
また、バルーンは、球状よりも扁平な形状の方が好ましい。すなわち、例えば舌の上にバルーンを載せて舌圧を測定する場合を想定すると、舌を上に押し上げるように力を加えることになり、このときに球状バルーンよりも扁平な形状のバルーンの方が安定しやすいからである。同様に、頬の内側にバルーンを入れて頬圧力を測定する場合、舌の下のバルーンを入れて舌下筋圧を測定する場合、バルーンを上唇と下唇とで挟んで口唇圧を測定する場合も扁平な形状のバルーンの方が安定しやすい。
しかしながら、バルーンは弾性部材からなるものなので、扁平な形状のバルーンを狙い通りに成形するのは難しい。特に、バルーンの肉厚が周方向について均一である方が、外部からの圧力による変形を精度良く検出できる点で好ましいが、扁平な形状のものにおいて周方向の肉厚を均一化するのは難しかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形が容易なバルーンを用いながら、狙い通りの扁平形状にして接続部材と接続し、その接続部分の気密性を確保して高い測定精度が得られるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、接続部材に扁平筒状のコネクタ部を設け、このコネクタ部をバルーンの基端部に差し込んで接続するようにした。
第1の発明は、口腔関連圧力の測定に使用される圧力測定用プローブにおいて、口腔内に挿入される弾性部材からなるバルーンと、前記バルーンを構成する弾性部材よりも硬い樹脂材からなり、前記バルーンが接続される接続部材とを備え、前記バルーンは、有底筒状に形成されて基端部が開口しており、前記接続部材は、前記バルーンの基端部に差し込まれる扁平筒状のコネクタ部を有し、前記コネクタ部の少なくとも一部の直径は、前記バルーンの開口部の直径よりも大きく、前記コネクタ部の長径が前記バルーンにおける該コネクタ部が差し込まれた部分から先端側に離れた部分の最大外径よりも大きく設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、バルーンの基端部に接続部材のコネクタ部を差し込むことで、バルーンと接続部材とが接続される。コネクタ部の少なくとも一部の直径がバルーンの開口部の直径よりも大きいので、バルーンを全体的に扁平な形状にすることができる。つまり、例えばバルーンを円筒状のような成形が容易な形状に成形していたとしても、コネクタ部に接続することによってバルーンが扁平な形状に変化する。バルーンを変形させる際にコネクタ部の外周面にバルーンの基端部が密着し、これにより、気密性が高まる。
また、コネクタ部の長径がバルーンの先端側の最大外径よりも長いので、バルーンの基端部がコネクタ部の長径方向に長い扁平形状になる。バルーンの基端部が扁平形状になると、バルーンが全体的に扁平な形状になる。つまり、例えばバルーンを円筒状のような成形が容易な形状に成形していたとしても、コネクタ部に接続することによってバルーンが扁平な形状に変化する。バルーンを変形させる際にコネクタ部の外周面にバルーンの基端部が密着し、これにより、気密性が高まる。
の発明は、前記コネクタ部の外周長は、前記バルーンにおける該コネクタ部が差し込まれた部分から先端側に離れた部分の最大の内周長よりも長く設定されていることを特徴とする。
例えばバルーンを円筒状に成形していた場合には、バルーンの基端部にコネクタ部を差し込むと、バルーンの基端部の周長が長くなるように、当該基端部が変形することになる。これにより、コネクタ部の外周面にバルーンの基端部が確実に密着する。
の発明は、前記コネクタ部は、前記バルーンへの差込方向とは反対側へ行くほど軸線から離れるように傾斜した傾斜面を有していることを特徴とする。
この構成によれば、傾斜面によってコネクタ部の外周長がバルーンへの差込方向とは反対側へ行くほど長くなる。これにより、バルーンの基端部をコネクタ部の外周面に確実に密着させることが可能になる。
の発明は、前記コネクタ部は、前記バルーンの基端部の内周面が接着される接着筒部と、該接着筒部の先端部から前記バルーンの内部へ向けて突出する突出筒部とを備え、前記突出筒部の外周長は、前記接着筒部の外周長よりも短く設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、突出筒部がバルーンの内部へ向けて突出していることにより、バルーンが確実に扁平な形状になる。この突出筒部の外周長が接着筒部の外周長よりも短いので、突出筒部をバルーンの内部へ容易に差込可能にしながら、接着筒部へのバルーンの接着が確実に行えるようになる。
の発明は、前記接続部材は、前記接着筒部に接着された前記バルーンの基端部を囲むように延びる外筒部を有していることを特徴とする。
この構成によれば、バルーンの接着部分が外筒部によって覆われることになるので、バルーンの接着部分に対して剥離方向に力が作用しにくくなる。
の発明は、前記外筒部には、軸線方向に延びるスリットが形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、バルーンの基端部の位置及び接着筒部への接着状態を、スリットを介して外筒部の外部から確認することが可能になる。
第1の発明によれば、バルーンの基端部に扁平筒状のコネクタ部を差し込むようにし、コネクタ部の少なくとも一部の直径をバルーンの開口部の直径よりも大きく設定したので、成形が容易なバルーンを用いながら、狙い通りの扁平形状にして接続部材と接続することができるとともに、接続部分の気密性を確保することができ、高い測定精度を得ることができる。
また、コネクタ部の長径をバルーンの先端側の最大外径よりも大きくしたので、バルーンを確実に扁平形状にすることができる。
の発明によれば、コネクタ部の外周長がバルーンの先端側の最大の内周長よりも長いので、例えばバルーンを円筒状に成形していた場合にコネクタ部の外周面にバルーンの基端部を確実に密着させることができ、接続部分の気密性をより一層高めることができる。
の発明によれば、コネクタ部の外周長をバルーンへの差込方向とは反対側へ行くほど長くすることができるので、バルーンの基端部をコネクタ部の外周面に確実に密着させて接続部分の気密性をより一層高めることができる。
の発明によれば、バルーンの内部へ向けて突出する突出筒部の外周長を接着筒部の外周長よりも短くしたので、突出筒部をバルーンの内部へ容易に差し込めるようにしながら、バルーンを確実に扁平な形状にすることができる。
の発明によれば、接着筒部に接着されたバルーンの基端部を外筒部によって覆うことができるので、バルーンの接着部分の剥離を抑制することができる。
の発明によれば、外筒部にスリットを設けたことで、バルーンの基端部の位置及び接着筒部への接着状態を外部から確認することができる。
本発明の実施形態1に係る圧力測定装置を示す正面図である。 接続状態にある測定用プローブ及び接続部材の正面図である。 図2におけるIII-III線断面図である。 図2におけるA部拡大図である。 プローブ側接続部材の正面図である。 プローブ側接続部材の側面図である。 図6におけるVII-VII線断面図である。 図5におけるVIII-VIII線に相当する断面図であり、バルーンを省略した場合を示す。 図5におけるVIII-VIII線断面図である。 プローブ側接続部材に取り付けられる前のバルーンの側面図である。 先端側接続部材の正面図である。 先端側接続部材の側面図である。 図11におけるXIII-XIII線断面図である。 測定用プローブの接続過程を示す図であり、(A)は差込初期、(B)は係合部が係合し始めた状態、(C)は接続完了状態を示す。 本発明の実施形態2に係る図4相当図である。 本発明の実施形態2に係る図14相当図である。 プローブ側接続部材の一構成例を示す側面図である。 プローブ側接続部材の別の構成例を示す側面図である。 (A)はバルーンとコネクタ部との長手方向が異なっている形態を模式的に示し、(B)はバルーンとコネクタ部との長手方向が同方向である形態を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る圧力測定装置100を示すものである。圧力測定装置100は、口腔関連圧力を測定するための装置であり、圧力測定装置本体101と、測定用プローブ1とを備えている。口腔関連圧力とは、例えば、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などであるが、これらに限られるものではなく、口腔関連の各種圧力を測定する際に使用することができる。舌圧とは舌を口蓋に押し付ける力であり、舌下筋圧とは舌を下に押し付ける力であり、口唇圧とは上唇と下唇とを閉じる力であり、頬圧力とは頬を口腔内側へ向けて押す力である。また、被測定者としては、例えば高齢者、障がい者等を挙げることができるが、健常者であってもよい。また、測定用プローブ1は、口腔機能回復のための訓練用具として用いることもできる。
(圧力測定装置本体101の構成)
圧力測定装置本体101は、圧力センサ102、制御装置103、表示部104、操作ボタン105、ケーシング106及び接続ホース107を備えており、例えば内蔵された電池(図示せず)によって動作するように構成されている。圧力センサ102は、空気圧の変化を測定することが可能に構成された従来周知のセンサであり、現在の測定圧力に対する変化量を測定することができるものであってもよいし、絶対圧を測定することができるものであってもよい。制御装置103は、圧力センサ102から出力された信号に基づいて表示部104を制御するように構成されており、具体的にはマイクロコンピュータである。表示部104は、圧力レベルを数字やバー表示にて示すことが可能に構成されている。予め圧力レベルを複数段階に分けておき、圧力センサ102から出力された信号に基づいて、制御装置103がどの圧力レベルに入るか判定し、その判定結果を表示部104に表示する。表示部104には、圧力を数値で表示するようにしてもよい。
操作ボタン105は、圧力測定装置本体101の電源のON/OFF切換や、測定結果のリセットを行うためのものである。操作ボタン105の操作に応じて制御装置103が各部を制御する。ケーシング106は、圧力センサ102や制御装置103等を収容するための部材である。
接続ホース107は、基端側接続部材110と、ホース111と、先端側接続部材2とを備えている。ケーシング106には、圧力センサ102に連通する通路(図示せず)が設けられており、この通路に基端側接続部材110が気密状態で接続されるようになっている。基端側接続部材110と先端側接続部材2とは、同じ部材で構成することもできるし、異なる部材で構成することもできる。ホース111は、柔軟な部材で構成されている。ホース111と基端側接続部材110との間、ホース111と先端側接続部材2との間は気密性が確保されている。
(測定用プローブ1の構成)
図2や図3に示すように、測定用プローブ1は、プローブ側接続部材10と、口腔内に挿入されるバルーン5とを備えており、測定用プローブ1と圧力測定装置本体100とは接続構造S(図1にのみ示す)によって接続される。測定用プローブ1は、口腔関連圧力の測定に使用されるプローブであることから、口腔関連圧力測定用プローブと呼ぶこともできる。
バルーン5は、弾性部材からなるものであり、その材料としては、例えばPVC等の樹脂や各種ゴム等を使用することができる。図10に示すように、プローブ側接続部材10に取り付けられる前のバルーン5は、有底の円筒状に形成されており、その底部5aは、軸線方向に膨出するように形成され、全体が滑らかな湾曲面で構成されている。バルーン5の底部5aと基端部5bとの間の中間部5cは、断面形状が円形となっている。バルーン5の基端部5bは、その端面の全体が開口している。この開口は、バルーン5の中間部5cの断面形状と略同じ円形となっている。バルーン5の成形方法は特に限定されないが、例えば、溶融原料に型を浸けて引き上げるディッピング成形、金型内に原料を射出する射出成形等を用いることができる。バルーン5の形状を円筒状にしているので、成形が容易になり、狙い通りの形状が得られやすくなる。また、バルーン5の周方向の肉厚を均一化することも容易になる。
図5や図6等に示すように、プローブ側接続部材10は、バルーン5を構成する弾性部材よりも硬い樹脂材からなり、バルーン5の基端側20bが接続される部材である。プローブ側接続部材10を構成する樹脂材は、例えばABS樹脂等を挙げることができるが、これに限られるものではない。
プローブ側接続部材10は、プローブ側接続管部(第1接続管部)11と、コネクタ部12と、外筒部13とを備えている。プローブ側接続管部11、コネクタ部12及び外筒部13は、例えば射出成形法等によって一体成形されている。プローブ側接続管部11は、基端部から先端部まで円形断面を有しており、直線状に延びている。図7及び図8に示すように、プローブ側接続管部11の基端側に位置する内周面は、中間部に比べて大径の大径面部11aで構成されている。大径面部11aは、後述する先端側接続部材2の環状溝20aに嵌め込まれたシール材40の外周側に接触する環状シール面である。また、大径面部11aの内径は、プローブ側接続管部11の内周面の基端部(大径面部11aよりも基端側に位置する面)の内径よりも小さく設定されている。
大径面部11aの先端部には、先端側へ行くほど小径となるように形成されてプローブ側接続管部11の軸線方向中間部の内周面に連なるテーパー面部11bが形成されている。プローブ側接続管部11の内周面におけるテーパー面部11bよりも先端側には、第1突出部(第1係合部)11cが当該内周面から径方向内方へ突出するように形成されている。第1突出部11cは、プローブ側接続管部11の内周面の周方向全周に亘って連続して形成されており、突条部となっている。また、第1突出部11cは、後述するシール材40から管軸方向に離れて配置されている。
図5及び図6に示すように、コネクタ部12は、バルーン5の基端部5bに差し込まれる扁平筒状に形成されている。コネクタ部12の長径寸法(図5に示すD1)は、バルーン5におけるコネクタ部12が差し込まれた部分から先端側に離れた部分の最大外径D2よりも大きく設定されている。また、コネクタ部12の長径寸法D1は、成形直後(図10に示すコネクタ部12が差し込まれていないとき)のバルーン5の中間部5c及び基端部5bの外径よりも長く設定されている。さらに、コネクタ部12の短径寸法(図8に示すD3)は、成形直後のバルーン5の中間部5c及び基端部5bの外径よりも短く設定されている。
コネクタ部12の長径寸法D1が成形直後のバルーン5の中間部5c及び基端部5bの外径よりも大きい長いので、コネクタ部12をバルーン5の基端部5bに差し込むと、バルーン5の基端部5bの形状がコネクタ部12の外形状に対応するように扁平な形状になる。バルーン5の基端部5bが扁平形状になると、バルーン5が全体的に扁平な形状になる。つまり、上述したようにバルーン5を円筒状のような成形が容易な形状に成形していたとしても、コネクタ部12に接続することによってバルーン5が扁平な形状に変化する。また、バルーン5を変形させる際にコネクタ部12の外周面にバルーン5の基端部5bが密着し、これにより、気密性が高まる。
バルーン5は、球状よりも扁平な形状の方が好ましい。その理由は、例えば舌の上にバルーン5を載せて舌圧を測定する場合を想定すると、舌を上に押し上げるように力を加えることになり、このときに球状バルーンよりも扁平な形状のバルーン5の方が安定しやすいからである。同様に、頬の内側にバルーン5を入れて頬圧力を測定する場合、舌の下のバルーン5を入れて舌下筋圧を測定する場合、バルーン5を上唇と下唇とで挟んで口唇圧を測定する場合も扁平な形状のバルーン5の方が安定しやすい。
コネクタ部12の外周長は、バルーン5における該コネクタ部12が差し込まれた部分から先端側に離れた部分の最大の内周長よりも長く設定されている。これにより、バルーン5の基端部5bにコネクタ部12を差し込むと、バルーン5の基端部5bの周長が長くなるように、当該基端部5bが変形することになる。したがって、コネクタ部12の外周面にバルーン5の基端部5bが確実に密着する。
尚、バルーン5の形状は、図示した形状に限られるものではなく、例えば、中途部に、大径部と小径部とによって段差が形成されたものであってもよいし、寸胴形状であってもよい。また、バルーン5の断面は円形状であってもよく、この場合は、コネクタ部12を扁平形状にすることで、上述したような扁平形状のバルーン5とすることができる。また、バルーン5の断面が楕形状であってもよく、この場合、その長辺方向もしくは短辺方向に広げることによって扁平形状のバルーン5とすることができる。
コネクタ部12は、バルーン5の基端部5bの内周面が接着される接着筒部12aと、接着筒部12aの先端部からバルーン5の内部へ向けて突出する突出筒部12bとを備えている。接着筒部12aの基端部は、プローブ側接続管部11の先端部から突出するように形成されており、接着筒部12aの内部とプローブ側接続管部11の内部とは連通している。接着筒部12aも扁平形状となっており、接着筒部12aの長手方向に延びる両外面は、バルーン5への差込方向とは反対側(基端側)へ行くほど軸線Eから離れるように傾斜した傾斜面12cで構成されている。傾斜面12cによってコネクタ部12の外周長がバルーン5への差込方向とは反対側へ行くほど長くなる。これにより、バルーン5の基端部5bをコネクタ部12の外周面に確実に密着させることが可能になる。
突出筒部12bは、接着筒部12aの先端部から突出するように形成されている。突出筒部12bの先端部は、バルーン5の内部(中間部5cの内部)に達しており、この突出筒部12bも扁平形状になっているので、バルーン5が確実に扁平な形状になる。突出筒部12bの内部と接着筒部12aの内部とは連通している。突出筒部12bの先端面は開口しており、バルーン5の内部と連通している。これにより、バルーン5の内部からプローブ側接続部材10の基端部まで空気の流通が可能になる。
突出筒部12bの外周長は、接着筒部12aの外周長よりも短く設定されている。突出筒部12bの外周長が短いので、突出筒部12bをバルーン5の内部へ容易に差し込むことが可能になる。また、接着筒部12aの外周長は長いので、接着筒部12aの外周面とバルーン5の内周面との密着度を高めることができ、接着筒部12aの外周面とバルーン5の内周面との接着が確実に行えるようになる。接着筒部12aの外周面とバルーン5の内周面とは、例えば周知の接着剤を使用して接着することができる。
外筒部13は、接着筒部12aに接着されたバルーン5の基端部5bを囲むように延びる扁平状をなしている。外筒部13の基端部は、プローブ側接続管部11の先端部と一体化されており、外筒部13はプローブ側接続管部11の先端部からプローブ側接続部材10の先端側へ向けて延びている。外筒部13の内周面と、接着筒部12aの外周面との間には、バルーン5の基端部5bを差し込むことが可能な隙間ができている。バルーン5の接着部分が外筒部13によって覆われることになるので、バルーン5の接着部分に対して剥離方向に力が作用しにくくなる。また、外筒部13の形成により、プローブ側接続管部11の外周面の先端部には段差ができることになる。
外筒部13には、軸線方向に延びるスリット13aが形成されている。スリット13aの数は特に限定されるものではないが、この実施形態では2つとされている。スリット13aの形成位置は、外筒部13の長手方向両端部とされている。スリット13aを形成することで、バルーン5の基端部5bの位置及び接着筒部12aへの接着状態を、スリット13aを介して外筒部13の外部から確認することが可能になる。
(圧力測定装置本体101の先端側接続部材2の構成)
図11~図13に示す先端側接続部材2は、プローブ側接続管部11に所定量差し込まれて接続される部材であり、この先端側接続部材2によって本発明の第2接続管部が構成されている。先端側接続部材2を構成する樹脂材は、プローブ側接続部材10と同じにすることができるが、プローブ側接続部材10と異なる樹脂材であってもよい。
先端側接続部材2は、プローブ側接続管部11に差し込まれる差込筒部20と、把持筒部21とを備えており、差込筒部20及び把持筒部21は、例えば射出成形法等によって一体成形されている。差込筒部20は、先端側接続部材2の先端側を構成する部分であり、把持筒部21は、先端側接続部材2の基端側を構成する部分である。
差込筒部20の内部と把持筒部21の内部とは互いに連通している。また、差込筒部20の先端面及び把持筒部21の基端面は開放されている。図13に示すように、把持筒部21の基端部の内周面は、軸線方向中間部に比べて大径の大径面部21aで構成されている。大径面部21aには、図1に示すホース111の端部が差し込まれた状態で気密に接続されている。
把持筒部21の外周面における軸線方向の中間部には、複数の凸部21bが軸線方向に互いに間隔をあけて形成されている。凸部21bは、把持筒部21を手で持ったときの滑り止めとして作用する部分である。
把持筒部21の外周面における先端部には、差込筒部20がプローブ側接続管部11に差し込まれたときにプローブ側接続管部11の基端部が当接するストッパ部21cが径方向外方へ突出するように形成されている。ストッパ部21cは、把持筒部21の周方向全体に設けることができるが、周方向の一部にのみ設けることもできる。ストッパ部21cを設けることにより、差込筒部20をプローブ側接続管部11に所定量差し込むと、プローブ側接続管部11の基端部がストッパ部21cに当接してそれ以上差し込めなくなるので、差込筒部20の差込量を規定することができる。
また、図4に示すように、プローブ側接続管部11の内周面と、差込筒部20の外周面との間には、該プローブ側接続管部11の内周面及び該差込筒部20の外周面に沿って環状に延びる弾性部材からなるシール材40が配設されている。シール材40は、例えばゴム製のOリングを使用することができる。プローブ側接続管部11及び先端側接続部材2は、シール材40よりも硬い樹脂材からなるものである。
差込筒部20の外周面の軸線方向中間部には、シール材40が嵌め込まれる環状溝20aが形成されている。環状溝20aの深さは、シール材40が嵌め込まれた状態で該シール材40の外周側が差込筒部20の外周面から径方向に突出するように設置されている。したがって、シール材40の外周側が差込筒部20の外周面から突出するように配置されることになる。差込筒部20がプローブ側接続管部11に所定量差し込まれると、シール材40の外周側が、プローブ側接続管部11の大径面部11aに対して全周に亘って接触し、これにより、気密性が確保される。
大径面部11aの内径がプローブ側接続管部11の内周面の基端部の内径よりも小さく設定されているので、プローブ側接続管部11の内周面の基端部の内径が相対的に大きなものになる。これにより、シール材40が一体化された差込筒部20をプローブ側接続管部11に差し込む際、差込初期におけるシール材40の摺動抵抗が小さくなり、差込時に要する力が小さくて済む。そして、差込筒部20がプローブ側接続管部11に所定量差し込まれると、シール材40が大径面部11aによって確実に押圧されて高い気密性が得られる。
差込筒部20の外周面には、当該差込筒部20がプローブ側接続管部11に所定量差し込まれたときに、プローブ側接続管部11の第1突出部11cに係合する第2突出部(第2係合部)20bが当該外周面から径方向外方へ突出するように形成されている。第2突出部20bは、差込筒部20の外周面の周方向全周に亘って連続する環状に形成されており、環状突条部となっている。第2突出部20bの外径は、シール材40の外径よりも小さく設定されている。
また、第2突出部20bは、環状溝20aよりも先端側に形成されており、その軸線方向の位置は、差込筒部20がプローブ側接続管部11に所定量差し込まれたときに、第1突出部11cを乗り越えるように設定されている。
圧力測定装置本体101と測定用プローブ1とを接続する接続構造S(図1にのみ示す)は、先端側接続部材2とプローブ側接続部材10とシール材40とで構成されている。
(接続方法)
次に、上記のように構成された接続構造Sによって圧力測定装置本体101と測定用プローブ1とを接続する方法について説明する。シール材40は、先端側接続部材2の環状溝20aに予め嵌め込んでおく。そして、図1に示すように、先端側接続部材2の先端側を測定用プローブ1のプローブ側接続管部11の基端側と対向するように配置した後、プローブ側接続管部11の内部に差し込んでいく。
先端側接続部材2の差込筒部20の先端側をプローブ側接続管部11の内部に差し込むと、図14(A)に示すように、シール材40がプローブ側接続管部11の内周面の基端部に摺接しながら先端側へ向かって移動していく。さらに、先端側接続部材2の第2突出部20bがプローブ側接続管部11の内周面の中間部を先端側へ向かって移動していく。先端側接続部材2の差込筒部20をプローブ側接続管部11の内部にさらに深く差し込むと、図14(B)に示すように、先端側接続部材2の第2突出部20bがプローブ側接続管部11の第1突出部11cに接触する。これにより、差し込みに要する力が急に上昇することになる。作業者が先端側接続部材2の差込筒部20をプローブ側接続管部11の内部に強く押し込むようにすることで、図14(C)に示すように、第2突出部20bや第1突出部11cが変形して第2突出部20bが第1突出部11cを乗り越えて、差込筒部20がプローブ側接続管部11に所定量差し込まれた状態になる。また、第2突出部20bが第1突出部11cを乗り越えるとプローブ側接続管部11の基端部がストッパ部21cに当接し、それ以上差し込めなくなる。さらに、第2突出部20bが第1突出部11cに接触して該第1突出部11cを乗り越えた瞬間に振動や音が発生し、この振動がプローブ側接続管部11や先端側接続部材2を介して作業者に伝わる。この振動や音はクリック感として作業者が感じ取ることができるので、接続が完了したことを容易に判別できる。
差込筒部20がプローブ側接続管部11に所定量差し込まれると、シール材40が弾性変形して差込筒部20の環状溝20aの内面とプローブ側接続管部11の大径面部11aとに密着して差込筒部20とプローブ側接続管部11との間がシールされる。また、第2突出部20bが第1突出部11cを乗り越えて該第1突出部11cよりもプローブ側接続管部11の先端側に位置すると、差込筒部20に対して抜き方向に力が作用しても、第2突出部20bと第1突出部11cとが接触して係合するので、差込筒部20がプローブ側接続管部11から抜けにくくなる。これにより、先端側接続部材2とプローブ側接続部材10とが正規の状態で接続されるので、接続不良が発生しにくくなるとともに、圧力が加わったときの気密性及び耐圧性が十分に保たれる。
(使用方法)
次に、上記のように構成された圧力測定装置100の使用方法について説明する。まず、測定用プローブ1のバルーン5を口腔内に挿入する。バルーン5の口腔内における位置は、測定したい部位に応じて設定することができる。舌圧を測定する場合には、舌の上にバルーン5を載せて舌を上に押し上げるように力を加える。これにより、バルーン5は上下方向に押し潰されることになり、バルーン5の内部の空気圧が高まる。バルーン5の内部の空気圧変化は、プローブ側接続部材10、先端側接続部材2、ホース111及び基端側接続部材110を介して圧力測定装置本体101の圧力センサ102によって検知される。圧力センサ102から出力された信号に基づいて、制御装置103が圧力レベルを判定し、その判定結果を表示部104に表示する。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、圧力測定装置本体101及び測定用プローブ1を接続すると、シール材40が差込筒部20とプローブ側接続管部11とに密着するとともに、第2突出部20bと第1突出部11cとが係合して測定用プローブ1と圧力測定装置本体101とを正規の状態で確実に接続することができ、しかも、接続時の気密性及び耐圧性を確保して正確な測定結果を得ることができる。
また、バルーン5の基端部5bに扁平筒状のコネクタ部12を差し込むようにし、コネクタ部12の長径をバルーン5の先端側の最大外径よりも大きくしたので、成形が容易なバルーン5を用いながら、狙い通りの扁平形状にして接続することができるとともに、接続部分の気密性を確保することができ、このことによっても高い測定精度を得ることができる。
(実施形態2)
図15及び図16は、本発明の実施形態2に係るものであり、この実施形態2では、シール材40よりも基端側に係合部が位置している点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
先端側接続部材2の環状溝20aは、差込筒部20の先端部に近い側に形成されている。差込筒部20の環状溝20aよりも基端側に、第2突出部(第2係合部)20cが差込筒部20の外周面から径方向外方へ突出するように形成されている。
また、プローブ側接続管部11の内周面には、環状溝20aに嵌め込まれたシール材40の外周側に接触する環状シール面11dが形成されている。さらに、プローブ側接続管部11の内周面の基端部には、第1突出部(第1係合部)11eが径方向内方へ突出するように形成されている。
先端側接続部材2の差込筒部20の先端側をプローブ側接続管部11の内部に差し込むと、シール材40の外周側が環状シール面11dに達し、さらに、第2突出部20cが第1突出部11eを乗り越えて第2突出部20cと第1突出部11eとが係合する。
したがって、この実施形態2の場合も、実施形態1と同様に、測定用プローブ1と圧力測定装置本体101とを正規の状態で確実に接続することができるとともに、接続時の気密性及び耐圧性を確保して正確な測定結果を得ることができる。
また、バルーン5をコネクタ部12に接続することで、図17に示すような形状にすることや、図18に示すような形状にすることもできる。図17に示す例では、図19(A)に模式的に示すように、バルーン5の先端側から見たとき、バルーン5の長手方向とコネクタ部12の長手方向とが、90°異なっている例である。図18に示す例では、図19(B)に模式的に示すように、バルーン5の先端側から見たとき、バルーン5の長手方向とコネクタ部12の長手方向とが同方向となっている例である。バルーン5をコネクタ部12に接続することで、バルーン5の中途部にくびれ状の部分を形成することもできる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、口腔関連圧力を測定する場合に利用することができる。
1 測定用プローブ
2 先端側接続部材(第2接続管部)
5 バルーン
10 プローブ側接続部材
11 プローブ側接続管部(第1接続管部)
11a 大径面部(環状シール面)
11e 第1突出部(第1係合部)
12 コネクタ部
12a 接着筒部
12b 突出筒部
12c 傾斜面
13 外筒部
13a スリット
20b 第2突出部(第2係合部)
21c ストッパ部
40 シール材
100 圧力測定装置
101 圧力測定装置本体
102 圧力センサ
S 接続構造

Claims (6)

  1. 口腔関連圧力の測定に使用される圧力測定用プローブにおいて、
    口腔内に挿入される弾性部材からなるバルーンと、
    前記バルーンを構成する弾性部材よりも硬い樹脂材からなり、前記バルーンが接続される接続部材とを備え、
    前記バルーンは、有底筒状に形成されて基端部が開口しており、
    前記接続部材は、前記バルーンの基端部に差し込まれる扁平筒状のコネクタ部を有し、
    前記コネクタ部の少なくとも一部の直径は、前記バルーンの開口部の直径よりも大きく、前記コネクタ部の長径が前記バルーンにおける該コネクタ部が差し込まれた部分から先端側に離れた部分の最大外径よりも大きく設定されていることを特徴とする圧力測定用プローブ。
  2. 請求項に記載の圧力測定用プローブにおいて、
    前記コネクタ部の外周長は、前記バルーンにおける該コネクタ部が差し込まれた部分から先端側に離れた部分の最大の内周長よりも長く設定されていることを特徴とする圧力測定用プローブ。
  3. 請求項またはに記載の圧力測定用プローブにおいて、
    前記コネクタ部は、前記バルーンへの差込方向とは反対側へ行くほど軸線から離れるように傾斜した傾斜面を有していることを特徴とする圧力測定用プローブ。
  4. 請求項からのいずれか1つに記載の圧力測定用プローブにおいて、
    前記コネクタ部は、前記バルーンの基端部の内周面が接着される接着筒部と、該接着筒部の先端部から前記バルーンの内部へ向けて突出する突出筒部とを備え、
    前記突出筒部の外周長は、前記接着筒部の外周長よりも短く設定されていることを特徴とする圧力測定用プローブ。
  5. 請求項に記載の圧力測定用プローブにおいて、
    前記接続部材は、前記接着筒部に接着された前記バルーンの基端部を囲むように延びる外筒部を有していることを特徴とする圧力測定用プローブ。
  6. 請求項に記載の圧力測定用プローブにおいて、
    前記外筒部には、軸線方向に延びるスリットが形成されていることを特徴とする圧力測定用プローブ。
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