JP7233437B2 - 散乱を利用した超局在顕微鏡法およびその関連装置 - Google Patents

散乱を利用した超局在顕微鏡法およびその関連装置 Download PDF

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Description

本発明は、装置の複雑さを増すことなく、簡単で、信頼性があり、適応可能で、かつ、経済的な方法で、不透明または散乱サンプル上の蛍光顕微鏡装置の光学分解能を増加させる方法に関する。
このような方法は、サンプル自体によって散乱された光を利用することで、顕微鏡装置の有効開口数を増加させて、集光光学系、すなわち対物レンズの分解能を克服する。このような方法は、サンプルによって散乱された光線(光ビーム)から構造的な干渉を構築するために、散乱サンプル上の励起したコヒーレント光線の波面位相および/または振幅変調に基づき、小さな焦点を生じさせ、サンプルによって散乱された光の制御に基づく。特に、本発明による方法は、生物学的組織の蛍光タンパク質から放出される蛍光シグナルの強度を最大化し、最適化を繰り返した後、異なる位置でサンプルを横切り生成される複数の焦点によって生成される蛍光から得られる情報を、照明および集光光学系によって分解能(解像度)が制限されない画像に組み立てる。
さらに、本発明は、高い光学分解能を有する蛍光顕微鏡装置に関する。
本発明は主に、集光光学系の蛍光シグナルがサンプルから離れて配置されることを実験条件として必要とする生体サンプルの調査に向けられているが、添付の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲内であれば、散乱サンプルによって生成される蛍光シグナルは、他の分野、例えば天文学および気象学といった分野や、セキュリティまたは民間用途のための遠隔調査といった分野に適用されてもよい。
回折限界はAbbeとRayleighによって定式化されており、レンズによる達成可能な最大分解能は開口数NAによって規定される。照明および集光光学系の立体角が大きいほど、撮像システムによって達成可能な空間分解能は高くなる。Tangらの論文「補償技術を適応した反復多光子による超貫通光学顕微鏡法」、Proceedings of National Academy of Sciences 109, 8434-8439 (2012)、および、Ji N.らの会報「生体組織における高解像度画像化のための瞳分割による適応光学系」、Nature methods 7, 141-147 (2010)は、実レンズの理論的な分解能を得るための適応光学系を用いた光学収差の補正方法を開示している。このような理論的な分解能は、超解像技術によってバイパスされてもよく、例えば以下の文献に開示されている。
Betzig, E.らの論文「ナノメートル分解能での細胞内の蛍光蛋白質の画像化」、Science 313, 1642-1645 (2006)、
Hell, S.とWichmann, N.らの「誘導放出による回析分解能の限界の突破:誘導放出-空乏化蛍光顕微鏡法」、Optics letters 19, 780-782 (1994)
Schermelleh, L.らの「超解像蛍光顕微鏡の手引き」、The Journal of cell biology 190, 165-175 (2010)
Leung, B. O.やChou, K. C.の「生物学における超解像蛍光顕微鏡のレビュー」、Applied spectroscopy 65, 967-980 (2011)、
Pawley, N. B.の「共焦点顕微鏡の基本的な限界」、20-42 (Handbook of Biological Confocal Microscopy, Third Edition, edited by James B. Pawley, Springer Science+Business Media, LLC, New York, 2006)、
Betzig, E.やTrautman, N. K.の「近接場光学:回析限界を超える顕微鏡、分光および表面改質」、Science 257, 189-196 (1992)、
Gustafsson, M. G.の「構造化照明顕微鏡法を用いて、横方向の解像限界を倍化させる"、Journal of microscopy 198, 82-87 (2000)。
蛍光顕微鏡法やその関連装置の別の従来技術の例が、Izeddin, I.らの「3次元の単分子の超解像イメージングと追跡のための補償光学系を使用したPSF成形」、Optics Express Vol. 20, Issue 5, pp. 4957-4967 (2012)には、開示されている。
提案された解決策には、多くの欠点がある。第1に、従来の光学顕微鏡装置によって達成され得る最大分解能はサンプルの近くに配置されるレンズを必要とし、これは、非侵襲性の(測定対象に負担を与えない)測定や生体内測定を行うのに厳しい制限となり得る。さらに、高い開口数NAは、共焦点、近接場、構造化照明、刺激放出の枯渇、または光活性化局在顕微鏡法など、回折限界を回避することを目的とする現在のほとんどの顕微鏡法において不可欠な要素である。最後に、例えば不透明な組織からの散乱は、顕微鏡による完全な集束の障害物として一般的に見られており、光学収差によって波面形状を劣化させ、達成可能な分解能を制限する。例えば、ほとんどの脊椎動物組織(ヒトを含む)は光学的に不透明に見えるので、皮膚の一部に入るコヒーレント光線は、多数の無相関な光路内に拡散され、ある距離(輸送平均自由行程、b)の後、進行方向が完全にランダム化される。
本発明の目的は上述の欠点を克服し、顕微鏡光学系の開口数NAとは独立して、非侵襲的で、信頼でき、簡単に、かつ経済的な方法で蛍光顕微鏡装置の光学分解能を増加させることである。
本発明の特定の主題は、以下のステップを含む蛍光顕微鏡法である。
A. 第1の初期構成C1をもつ波面を有するコヒーレント励起光線を備え、1つ以上の蛍光発光体を含む散乱サンプルを照らすことで、当該散乱サンプルに含まれる1つ以上の蛍光発光体を励起するステップと、
B. 画素撮像ユニットを介して、散乱サンプルの背景画像F1=FBに対応する第1の初期画像F1を取得し、スペックル粒子画像を得るステップと、
C. 少なくとも1つの蛍光発光体の蛍光シグナルをもつ第1の初期画像F1の領域に属するN=1…M個の座標[xN,yN]を有し、それぞれが第1の初期強度IPN 1をもつM個の目標ピクセルPNを選択するステップと、
D. M個の目標ピクセルPNのそれぞれについて波面の第1の初期構成を最適化することで、第1の初期画像F1のスペックル粒子サイズを減少させ、目標ピクセルPNの最大強度に対応する蛍光シグナルの局所最大IPN maxを有する散乱サンプルの最終画像Ffin(IPN max)を取得するステップと、
E. ステップBで取得されたバックグラウンドの第1の初期画像FBを、ステップDで取得された最終画像Ffin(IPN max)から減算することで、M個の目標ピクセルPNのそれぞれについて、強度IPN SPECKLEで画素[xN,yN]に位置する1つのスペックル粒子から来る蛍光シグナルのみを有する画像Fspeckle(PN)をそれぞれ取得するステップと、
F. 自由中心座標をもつガウス関数で、ステップEで得られた画像Fspeckle(PN)をフィッティングすることで、M個の目標ピクセルPNのそれぞれについて、xy平面での座標(XN,YN)と強度INを得るステップと、
G. M個の目標ピクセルPNのそれぞれについて、ステップFで得られた強度INと、散乱サンプルのスペックル粒子の平均サイズSに等しいクビレをもち、座標(XN,YN)を中心とするガウス分布を含む画像FNを生成するステップと、
H. M個の目標ピクセルPNのそれぞれについて、ステップGで得られたM個の画像FNを足し合わせてサンプルの最終画像を生成するステップと、を含む。
本発明の別の態様によれば、ステップDは、M個の目標ピクセルPNのそれぞれについて、以下のサブステップを含むことができる。
D.1- 波面の第1の初期構成C1を波面の参考構成C1=Crefとして設定し、第1の初期画像F1を参考画像F1=Frefとして設定し、第1の初期画像F1の目標ピクセルPNにおける第1強度IPN 1を目標ピクセルPNにおける参考強度IPN 1=IPN refとして設定するステップと、
D.2- 次のサブステップのサイクルをT>1となるようT回繰り返すステップと、
D.2.1- 振幅/位相変調ユニット(10)を介して波面の参考構成Crefを変化させることで、波面のi番目の構成Cを取得し、
D.2.2- 目標ピクセルPNにおいてi番目の強度IPN iをもつi番目の画像Fiを取得し、
D.2.3- 目標ピクセルPNにおけるi番目の強度IPN iの値が、参考強度IPN refより大きいかどうかをチェックし、それによって、
PN i>IPN refである場合には、ステップD.2.1で得られた波面のi番目の構成Cは、波面の参考構成Crefとして受け入れられる。すなわち、Cref=Ci、Fref=Fi、およびIPN ref=IPN iが設定される。
PN i<IPN refである場合には、ステップD.2.1で得られた波面のi番目の構成Cは受け入れられず、ステップD.2.1の実行で変化する前の波面の参考構成Crefが復元される。
D.3- 参考画像Frefを最終画像Fref=Ffin(IPN max)として設定し、参考強度IPN refを目標ピクセルPNでの蛍光シグナルの局所最大IPN maxとして設定するステップと、を含む。
本発明のさらなる態様によれば、前記振幅/位相変調ユニットは、マイクロミラーのp×q行列を備えるデジタルマイクロミラーデバイスであってもよく、ステップD.2.1はデジタルマイクロミラーデバイスのQ≧1個のマイクロミラーの向きを変化させることによって実行される。これによって、Q≦p×qとなって、各マイクロミラーはV>2の向きをとることができ、そのため、T=V×Qとなる。
本発明の追加の態様によれば、散乱サンプルのスペックル粒子の前記平均サイズSはλ/2nと等しくなるように設定されてもよい。ここで、λは励起光の波長であり、nはサンプルの屈折率である。
本発明の別の態様によれば、散乱サンプルのスペックル粒子の前記平均サイズSは、距離の関数として、サンプル画像の強度の自己相関を測定することによって計算することができる。
本発明のさらなる態様によれば、本方法は、ステップAの前に、コヒーレント励起光線を縮小するステップを含むことができる。
本発明の別の特定の主題は、励起光線を受け取り、振幅/位相変調するように構成された波面変調ユニットを備える蛍光顕微鏡装置であって、蛍光顕微鏡装置は、当該波面変調ユニットによって変調された励起光線によってサンプルを照らすように構成される。蛍光顕微鏡装置は、サンプルから発せられた蛍光ビームを受け取って取得する撮像ユニットと、波面変調ユニット及び撮像ユニットに接続される制御部とを、さらに備え、上記の蛍光顕微鏡法を実施するように構成され、これにより、制御部は、撮像ユニットによって取得された蛍光ビームに基づいて、ステップDのように波面変調ユニットを制御するように構成される、ことを特徴とする。
本発明の別の態様によれば、波面変調ユニットは、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)であってもよい。
本発明のさらなる態様によれば、蛍光顕微鏡装置は、コヒーレント励起光線縮小ユニットを備えて、上記の方法を実施するように構成されてもよい。
本発明による方法は、励起コヒーレント光線波面の振幅と位相の構成を成形する最適化アルゴリズムを使用することで、サンプルの表面上に位置する発光体、またはサンプル中に埋め込まれた発光体によって放射される蛍光シグナルを最大化する。以下の説明では、発光体によって放出される蛍光シグナルを最大化することを目的として、光線波面の振幅や位相の構成を最適化して成形する、すなわち、波面の振幅や位相の1つまたは複数が変化することについて区別しない。
シグナルの増強は、ターゲット発光体(増強されたスペックル粒子)に位置するスペックル粒子の光強度の増強によるものである。
明細書および添付の請求の範囲において、スペックルとは、コヒーレント光波として得られたドット図形が散乱体によって反射されることを意味し、スペックル粒子とは、スペックル場に位置し、最大強度であるものを意味する。最適化が完了すると、(最適化されていない蛍光を差し引いて得られる最適化された画像である)スペックル粒子のシグナルは、データのガウシアンフィッティングによって超局在化される。視野全体で複数の焦点、すなわち増強されたスペックル粒子を生成し、すべての寄与からの情報を集約することによって、サンプルの完全な画像が再構築される。
従来技術の解決策を超える本発明による方法の利点は、数多くあり、重要である。
本発明による方法は、励起光線の焦点、すなわち光焦点のサイズが、照明および集光光学系の開口数NAによって限定されずに、サンプルの増強されたスペックル粒子のサイズによって定義されるという事実に基づいている。励起光線の焦点、すなわち光焦点は、散乱サンプルの近くまたは内側の波面の振幅や位相の構成を成形することによって得られる。言い換えれば、波面の振幅や位相の構成を成形した後、スペックル粒子のサイズと等しいサイズの光焦点が得られる。よって、顕微鏡装置の照明/集光光学系から空間分解能を独立させる。スペックル粒子の平均サイズSは、λ/2nに等しい。これは、Goodman, N. W.らの「光学におけるスペックル現象:理論および応用」(Roberts and Company Publishers, 2007)に開示されている。ここで、λは入射光の波長であり、nは媒体の屈折率である。最近、高散乱体の表面におけるスペックル粒子のサイズSは、100ナノメートル未満であることが測定された。これは、Park, N. -H.らの「ランダムなナノ粒子を用いたサブ波長光集束」Nature photonics 7, 454-458(2013)、およびVan Putten, E.らの「散乱レンズは可視光で100nm以下の構造を分解する」Physical review letters 106, 193905(2011)に開示されている。
言い換えれば、本発明に係る方法において、限定的な開口数は、照明や収集光学系によって規定されるものではなく、散乱を通してサンプルにより生成されるkベクトルによって規定されるものである。
これにより、散乱サンプルのより深い回析分解能を有利に実現でき、理論的な回折限界の最大6倍までの分解能にすることができる。
本発明による方法の第2の有利な態様は、分解能が顕微鏡装置の光学系に依存しないので、本発明による方法は、長い作業距離を有し、調査されるサンプルに直接接続されない光学系を用いて作業することができる。言い換えれば、サンプルによって散乱される光の制御は、特に、長い作動距離とともに高い分解能が必要とされる場合に、分解能を増加させるための強力なツールとなることができる。さらに、この方法を実施するためには、フォトカメラや干渉フィルタなど、ほとんどの光学顕微鏡に共通する機能を、空間光変調器と組み合わせることによって、極めて単純な実験装置として利用することが可能になる。このことは、任意の蛍光画像化システムに適用することができ、本方法を極めて用途の広いものにできる点で有利である。
最後に、本発明による方法は、高出力光源を必要とせずに高分解能を得ることを可能にするので、さらなる利点はそれを使用して、損傷閾値が低いサンプルを調査することができ、人間の網膜などといった感覚組織における生体調査を容易に実施することができることである。
本発明について、以下の添付の図面を特に参照し、その好ましい実施形態に従って、限定としてではなく例示として説明する。
図1は、本発明による方法を実施するよう構成された装置の好ましい実施形態の概略図(a)、標準的な顕微鏡装置における光学駆動分解能の限界を表す概略図(b)、および、本発明による方法によって得られるスペックル粒子のサイズSに依存する分解能の限界を表す概略図(c)を示す。 図2は、本発明による方法の好ましい実施形態において、励起光線波面の振幅や位相の構成を成形することで実験的に得られ、研磨されたガラス表面(図2a)と既知の散乱体(図2b)とに衝突する励起コヒーレント光線の焦点のサイズをそれぞれ示す。開口数NAの関数としての関連する強度プロファイル(図2c)と関連するビームウエスト値(図2d)を示す。 図3は、第1の既知の散乱サンプルの高解像度の画像を得るために図1の装置によって実施される方法の好ましい実施形態のいくつかのステップを概略的に示す。 図4は、集光光学系の開口数NAを変化させる標準的な蛍光顕微鏡法によって得られる第2の既知の散乱サンプルの画像(a)、(d)、(g)と、図2および図3の方法によって得られる対応する画像(b)、(e)、(h)と、同じ破線に沿う異なる強度プロファイル(c)、(f)、(i)の比較と、を示す。 図5は、標準的な蛍光顕微鏡法によって得られる生体サンプルの画像と(図51と図5m)、図1の装置および図3の図示により実施される好ましい実施形態の方法によって得られる生体サンプルの画像(図5n)を示す。 図6は、図4の画像で示された散乱サンプルの距離の関数としての自己相関グラフと、図5の画像で示された生体サンプルと、をそれぞれ示す。
図1aを参照すると、本発明による方法を実施するように構成された装置100は、サンプル20内の蛍光発光体を励起するように、波長λの励起コヒーレント光線5を放出する(図1には示されていない)光源を備える。例えば、532ナノメートル(nm)の波長が選択的に用いられる単色レーザビームが用いられる。装置100は、ビーム5を縮小するための図示されていない縮小ユニットをさらに備える。縮小ユニットは、例えば、縮小率と等しい焦点比f1/f2を有する2つのレンズを備えるガリレイ望遠鏡である。装置100は、光線波面の振幅や位相の構成を変調するユニット10を備える。ユニット10は、励起コヒーレント光線5を受信し、振幅や位相を変調するように構成される。
装置100の好ましい実施形態では、このような光線波面の振幅や位相の構成を変調するユニット10が、デジタルマイクロミラーデバイスDMDである。本発明の他の実施形態は、例えば、光空間変調器および変形可能なミラーのような、光線波面の振幅や位相の構成を変調する別のユニット10を含むことができる。変調用のユニット10の下流では、光源からサンプル20への光線5の経路に続いて、装置100は、変調用のユニット10から出てくる変調された励起コヒーレント光線5をサンプル20上に集束させるために、レンズ25および光学対物レンズ30を備える。レンズ25および光学対物レンズ30は、単純なレンズであってもよい。さらに、光学対物レンズ30は、蛍光放出成分(すなわち、サンプル20によって放出される蛍光ビーム)および励起光線5の反射成分を含むサンプル20から来る光を集める。光学対物レンズ30の開口数NAは、絞り35を介して制御される。装置100は、サンプルから出る光を、例えばCMOS又はCCDカメラのような撮像ユニット45に向かうように動かすビームスプリッタをさらに備える。スペクトルフィルタ50は、サンプルから出る光の励起光線5の反射成分を除去することで、蛍光放出成分のみが、例えば接眼レンズといった光学グループ55を通過した後に撮像ユニット45に到達する。本発明の好ましい実施形態では、スペクトルフィルタ50は干渉フィルタである。制御部60は、光線波面の振幅や位相の構成を変調するユニット10と、イメージングユニット45と、に接続されている。このような制御部60は、撮像ユニット45から取得された画像に応じて波面の振幅や位相の構成を変調するユニット10を、特に以下の図2および図3で説明するように、フィードバックループを介して、制御する。
図1bおよび1cは、本発明による方法の基礎となる原理の概略図を示す。顕微鏡の分解能は、集束/集光光学系(図1b)によって通常は決められるが、散乱サンプルへの蛍光発光体のシグナルが集光光学系の限界を克服するために利用されてもよい。このような場合には、サンプルの表面上のスペックル粒子のサイズSによって、分解能が制限されることになる(図1c)。
簡単にするために、以下の説明および特許請求の範囲では、波面の「構成」を、波面の振幅や位相の構成を意味する用語として使用する。なお、振幅や位相は、変調されていても、変調されていなくてもよい。
本発明に係る方法では、変調されていない第1の初期構成C1を有する励起光線5の波面がサンプル20に入射し、サンプル20の第1の初期画像F1またはバックグラウンドフレームdi F1=FBが、撮像ユニット45によって取得される。蛍光シグナルが存在し、その内部にN=1、…、MのM個の画素PNが選択される領域に、画像の関心領域がユニット45により形成され、画像面上の座標xyは[xi,yi]になる。
次に、励起光線5の波面の構成の最適化ステップが実施され、増強されたスペックル粒子を生成するサンプル20の表面から来る蛍光シグナルを最大化する。最近では、乱れたスペックルスキームの単一の粒子に光を集中させるために、波面の最適化アルゴリズムが実施されることが開示されている。当該開示は、例えばVellekoop, I. M.らの論文「Exploiting disorder for perfect focusing.」Nature photonics 4, 320-322 (2010)、Vellekoop, I. M.らの論文「Focusing coherent light through opaque strongly scattering media.」Optics letters 32, 2309-2311 (2007)、およびDi Battista, D.らの論文「Enhanced adaptive focusing through semitransparent media.」Scientific reports 5, 17406 (2015)によって示される。このようなアルゴリズムによって得られる光焦点は、多くの異なる光路による強め合う干渉を通じて作られる。また、フィードバックループによるマイクロミラーデジタルデバイスなどの空間光変調器によって、励起光線の波面の構成が成形される、すなわち励起光線の波面の位相や振幅が処理される。この処理は、例えばVellekoop, I. & Mosk, A.の論文「Phase control algorithms for focusing light through turbid media.」Optics communications 281, 3071-3080 (2008)、およびAkbulut, D.らの「Focusing light through random photonic media by binary amplitude modulation.」Optics express 19, 4017-4029 (2011)によって示される。本発明による方法の好ましい実施形態では、励起光線の波面の最適化は、表面の変調用のDMDユニット10の活性領域を均一に照らすような方法で、ビーム5を縮小する予備的なフェーズを備える。言い換えれば、サンプルは、ビーム5に照明された変調用のDMDユニット10の縮小イメージによって照らされる。次に、M個の画素のうちの1つと、PNと、N=1…Mとが、目標ピクセルとして選択され、サンプル20に衝突する波面の構成は、以下で説明するように画素に関連する蛍光シグナルの強度を最大にするまで、変調用のユニット10によって変化させられる。
第1の初期画像F1が目標ピクセルPNの参考画像Frefとして設定され、第1の初期画像F1の目標ピクセルPNの第1強度IPN 1が目標ピクセルPNの参考強度IPN refとして設定され、波面の第1の初期構成C1が参考構成C1=Crefとして設定される。変調用のDMDユニット10は、各ミラーが複数のV=2配向間の配向(向き)をとれるp×qセグメント又はマイクロミラーで組み立てられる。本発明のさらなる実施形態では、各マイクロミラーは、2つ以上の向きに、すなわちV≧2にできる。DMDのランダムに選択されたマイクロミラーmの向きが変更されることで、サンプルに衝突する波面が第2の構成C2をとり、第2画像F2が取得される。第2の構成C2は、第1のものとは異なるものである(C2≠C1)。第2画像F2の目標ピクセルPNの第2強度IPN 2は、目標ピクセルPNの参考強度IPN refと比較される。第2強度IPN 2が参考強度IPN refより大きい場合、マイクロミラーmの向きの変更や波面の第2の構成は受け入れられる。したがって、それらの間でより大きな強度のものを参考強度としてとり(IPN ref=IPN 2)、より大きな強度のものを波面の参考構成としてとり(Cref=C2)、目標ピクセルPNの強度がより大きい画像を参考画像としてとる(Fref=F2)。第2強度IPN 2が参考強度IPN ref未満である場合、変更は許可されず、マイクロミラーmの以前の向きや波面の以前の構成が復元される。後者の場合、参考強度および参考構成は、参考画像とともに変更されない。
続いて、ランダムに選択されたマイクロミラーnの向きが変えられて(n≠m)、サンプルに衝突する波面が第3の構成C3をとり、第3画像F3が取得される。第3画像F3の目標ピクセルPNの第3強度IPN 3は、参考強度IPN refと比較される。第3強度IPN 3が参考強度IPN refより大きい場合、マイクロミラーnの向き変更や波面の第3の構成C3は受け入れられる。したがって、それらの間でより大きな強度のものを参考強度としてとり(IPN ref=IPN 3)、より大きな強度のものを波面の参考構成としてとり(Cref=C3)、目標ピクセルPNの強度がより大きい画像を参考画像としてとる(Fref=F3)。第3強度IPN 3が参考強度IPN ref未満である場合、変更は許可されず、マイクロミラーnの以前の向きや波面の以前の構成が復元される。後者の場合、参考強度および参考構成は変更されない。
上述の手順は、関心領域の各目標ピクセル(すなわち、M個の目標ピクセルPNのそれぞれ)について、変調用のDMDユニット10のQ番面のマイクロミラーに対しても繰り返される。本方法の好ましい実施形態では、Qは60以上である。全体として、各目標ピクセルに対して、励起光線の波面のV×Q構成がサンプルに当たる。
波面の配置を最適化するステップにより、散乱サンプル画像のスペックル粒子のサイズSが減少する。縮小されたサイズのスペックル粒子を取得し、集束光学系の光学開口部から独立させる。
発明者らは、非散乱サンプルによって散乱されたコヒーレント光と、散乱サンプルによって散乱されたコヒーレント光とを、観測する実験を行った。実験は図1の装置を使用し、集光光学系の分解能に影響を与えないように、スペクトルフィルタ50なしで、ビームスプリッタ40の前に絞り35を配置した状態で実施されている。
図2は、上述した非散乱サンプルおよび散乱サンプル上の波面構成の最適化ステップの終わりに得られた励起コヒーレント光線5の焦点画像を示す。特に、集束光学系の開口数NAの0.03と等しい値について、絞り35により決定される。図2aは、研磨されたガラスのサンプル(非散布サンプル)により得られる光の焦点の画像を示す。図2bは、エタノール懸濁液中で調製され、スライド(散布サンプル)上に堆積させた60μm層厚の市販の二酸化チタンTiO2(SIGMA ALDRICH社の製品224227)により得られる光の焦点の画像を示している。層厚は、隙間ゲージを利用して調整された。
散乱サンプルのスペックル粒子の平均サイズSは約λ/2n=150nmであることが観察できる。波面の構成の最適化は、それぞれが70マイクロメートル(μm)の辺サイズで11×11の正方形セグメントに分割されたDMD Vialux discovery 4100を使用して実行された。実験では、目標ピクセル上の波面の各構成に対する露光時間は2~40マイクロ秒(μs)の範囲であり、波面の構成の最適化のステップは、各目標ピクセルについて60個のマイクロミラーに対して実施された。図2aおよび図2bは、波面の構成を最適化するステップによって得られた、滑らかな表面上の光の焦点の大きさが、散乱面上で得られた大きさよりもはるかに大きいことを示している。図2cは、図2aの光の焦点(実線)と、図2bの光の焦点(破線)の強度プロファイルを任意の単位で示したものである。この図から、励起光線5の測定されたウエスト(MW)値が、ガウスフィッティング(連続線)によって得られ、理論的なウエスト(TW)値の5.7に関して、研磨されたガラス試料上では5.95に等しくなり、散乱サンプル上では1.45に等しくなる。
また、発明者らは、装置の開口数NAを変化させて、絞りの直径Dを調整して同様の実験を行った。図2dは、研磨されたガラスサンプル上と、散乱サンプル上の、ビーム5のウエスト値のマイクロメートル(μm)単位のサイズを、絞りの直径Dの関数として示し、期待される理論値(連続線)と比較したものである。散乱サンプル上の光の焦点の大きさは開口数NAに依存しないことが明らかである。
波面の構成の最適化ステップの最後に、関心領域内の目標ピクセルPNについての局所的な最大蛍光発光を有する最終的な画像Ffin(IPN max)が得られる。ここで、IPN maxは、最適化の最後に決定される波面の構成のために、最適化ステップの最後に得られる目標ピクセルPNにおける最大強度である。
続いて、本方法は、非変調励起光線を用いて以前に得られた背景画像FBを減算するステップを続ける。背景画像FBは、波面の構成の最適化ステップから得られた最終画像Ffin(IPN max)から、任意に縮小される。そして、強度IPN speckleを有し、画素[xN,yN]に含まれ、スペックル粒子から生成された(すなわちもっぱら蛍光シグナルを含む)光のみを含む画像Fspeckle(PN)を得る。言い換えれば、最適化されたスペックルに対応し、単一の照明スポットがあるサンプルの画像が得られる。最適化されたスペックルは、周囲のスペックル強度よりも大きな強度を有するスペックルである。下層のスペックル粒子は、もつれが生じる集光光学系の限定された光学分解能によって、実際の拡張よりも大きいサイズで撮像ユニット45上に現れる(図3aの画像を参照)。
次に、スペックル粒子は超局在化される、すなわち、xy平面における座標(XN,YN)や最終的に対応する光の焦点の強度INは、自由中心座標を有するガウス関数にフィットさせることで局在化ステップにて最適化される。局在化ステップの最後において、サンプルの最適化された解像度で中心座標(XfN,YfN)と、強度IfNと、ウエストとがスペックル粒子の平均サイズSに等しいガウス強度分布を備えるように、FN画像が再構成される。したがって、本発明による方法の最終的な高解像度画像を得るためには、散乱サンプルのスペックル粒子のサイズSの知見が必要になる。このサイズは、式S=λ/nから導出することができ、または、例えば、距離の関数としてのスペックル粒子のG取得画像の強度の自己相関から、実験的に計算することができる(図6にて後述する)。
次いで、波面の構成を最適化するステップ、減算するステップ、局在化するステップ、および再構成するステップが、選択領域に属するM個の目標ピクセルのそれぞれについて、繰り返される。
図3は、本方法の上述のステップから得られる画像を示す。図の(ci)((a)の詳細部分)、(c2)、および(c3)は、本方法の好ましい実施形態における波面の構成の最適化ステップで得られた散乱サンプルの画像を示す。散乱サンプルの画像は、3つの異なる目標ピクセルについて、3つの異なる局所最大値を有する。図の(di)((b)の詳細部分)、(d2)、および(d3)は、対応する画像(ci)、(c2)、および(c3)から背景画像を減算するステップと、ガウスフィットによって局在化されるステップとから、再構成された画像を示す。本方法の上述のステップは、図3の中央図において比喩的に描かれ、平面xyに直交する軸は目標ピクセルPNのインデックスNを表す。本方法の最後のステップにおいて、N個の再構成された画像から得られた全ての情報が単一画像として報告されることで、散乱サンプルの最終的な高解像度画像(f)が得られる。また、画像(e)は、比較のために、変調用のユニット10の異なる構成で最適化された光の焦点の画像を加算して得られる画像であるが、超局在化されたものではない。また、同様に、線に沿って画像(e)、(f)の強度プロファイル(g)、(h)も示される。
本方法の好ましい実施形態では、最適化するステップ、減算するステップ、および局在化するステップは、各画素Nに対して順番に実施される。他の実施形態では、各画素Nに対して最適化するステップを実施することができ、次いで、最適化するステップを終えた各画像に対して減算および局在化するステップを実施することができる。また、最適化するステップを終えた各画像に対して減算するステップを実施してから、次いで、減算するステップから生じる各画像に対して局在化するステップを実施してもよい。
本発明の発明者らは、図1の装置を使用して、図3に関連して記載された方法の好ましい実施形態について信頼性を確かめる実験を行った。図4は、(上述した図2の実験で使用された)二酸化チタン層のサンプル上に置かれた2つの市販の蛍光ビーズ(直径0.5μm、Spherotech FP-00556-2)についての第1の実験の結果を示す。図4aは、本発明による方法を適用することなく、少ない開口数NAを用いて、約1.3μmの低い光学分解能rで得られた第1画像を示す。図4bは、本発明に係る方法を適用し、対物レンズの開口数NAを同じにして得られた対応する再構成画像を示す。図4aの画像では、2つの蛍光ビーズは単一の細長い構造として表示される一方で、対照的に、図4bの再構成画像では、2つの蛍光ビーズは分離して表示され明確に区別される。図4cは、図4aと図4bの2つの蛍光ビーズに沿って示される同じ破線lに沿う強度プロファイルを示す。図4b、図4cから、本発明による方法によって得られた画像の解像度は、散乱する二酸化チタンのサンプル中のスペックル粒子の予想サイズと一致し、約150nmに等しいと計算される。
対物レンズの開口数NAと光学分解能rを減少させても(絞りを閉じると、光学分解能rは最初約1.7μmになり、次いで約2.2μmになる)、本発明による方法を実施することによって、図4eおよび図4hの画像や、図4fおよび図4iの破線l上の相対強度プロファイルに示されるように、2つの蛍光ビーズは明確に区別できる状態を維持する。
比較のために、本方法を実施せずに同じ開口数で得られた画像を図4dおよび図4gに示し、同じ破線l上の相対プロファイルを図4fおよび図4iに示す。
標準的な半透明の生体系に対する本発明による方法の実現可能性を確かめるために、本発明者らは、アルツハイマー病(3xTg-AD)に罹患したマウスに由来する脳切片で第2の実験を実施し、アミロイドベータのプラークの存在を検出した。アミロイドベータのプラークのシグナルは、ナイルレッドと結合した二次抗体を使用して検出された。
動物起源のサンプルは、欧州指令2010/63/EUおよび関連するイタリアの法的施行規則n.26 of 04.03.2014に従って入手した。高解像度(0.75 NA対物レンズで取得)および低解像度(NAを0.21に低減し取得)の画像と、低解像度(すなわち、NAは0.21)に本方法を実施して再構成された画像を、図5l、図5m、および図5nにそれぞれ示す。
発明者らは、200nmの解像度(サンプル中のスペックル粒子の測定サイズSと一致する)を算出した。これは、集光光学系によって得られる理論分解能と比較して6倍の増加に相当する。図4および図5にて結果が示されるように実験では、散乱サンプルのスペックル粒子のサイズSの計算値が使用された。発明者らは、TiO2層(図4の画像と同じ)に対してスペックル粒子のG=100画像を収集し、(図5の画像と同じ)アルツハイマー病の影響を受けたマウスの脳の250μmのスライスを収集した。図6aおよび図6bにそれぞれグラフで示すように、彼らは、強度の自己相関を距離の関数として計算した。自己相関関数の中心最大値のガウスフィットにより、STiO2=146±3nm、Sbrain=195±7nmにそれぞれ等しくなるように、スペックル粒子のサイズSの値が得られた。
上記において、好ましい実施形態が説明され、本発明の変形例が提案されたが、添付の特許請求の範囲によって定められるように、その保護の範囲から逸脱しない範囲で当業者は変形や変更を行うことができることを理解されたい。

Claims (9)

  1. 蛍光顕微鏡法であって、
    A. 第1の初期構成Cをもつ波面を有するコヒーレント励起光線(5)を備え、1つ以上の蛍光発光体を含む散乱サンプルを照らすことで、当該散乱サンプルに含まれる1つ以上の蛍光発光体を励起するステップと、
    B. 画素撮像ユニット(45)を介して、散乱サンプルの背景画像F=Fに対応する第1の初期画像Fを取得し、スペックル粒子画像を得るステップと、
    C. 少なくとも1つの蛍光発光体の蛍光シグナルをもつ第1の初期画像Fの領域に属するN=1…M個の座標[x,y]を有し、それぞれが第1の初期強度IPN をもつM個の目標ピクセルPを選択するステップと、
    D. M個の目標ピクセルPのそれぞれについて波面の第1の初期構成を最適化することで、第1の初期画像Fのスペックル粒子サイズを減少させ、目標ピクセルPの最大強度に対応する蛍光シグナルの局所最大IPN maxを有する散乱サンプルの最終画像Ffin(IPN max)を取得するステップと、
    E. ステップBで取得されたバックグラウンドの第1の初期画像Fを、ステップDで取得された最終画像Ffin(IPN max)から減算することで、M個の目標ピクセルPのそれぞれについて、強度IPN SPECKLEで画素[x,y]に位置する1つのスペックル粒子から来る蛍光シグナルのみを有する画像Fspeckle(PN)をそれぞれ取得するステップと、
    F. 自由中心座標をもつガウス関数で、ステップEで得られた画像Fspeckle(PN)をフィッティングすることで、M個の目標ピクセルPのそれぞれについて、xy平面での座標(X,Y)と強度Iを得るステップと、
    G. M個の目標ピクセルPのそれぞれについて、ステップFで得られた強度Iと、散乱サンプルのスペックル粒子の平均サイズSに等しいクビレをもち、座標(X,Y)を中心とするガウス分布を含む画像Fを生成するステップと、
    H. M個の目標ピクセルPのそれぞれについて、ステップGで得られたM個の画像Fを足し合わせてサンプルの最終画像を生成するステップと、を含む、
    ことを特徴とする蛍光顕微鏡法。
  2. 請求項1に記載の蛍光顕微鏡法であって、
    前記ステップDは、M個の目標ピクセルPのそれぞれについて、以下のサブステップを含み、
    D.1- 波面の第1の初期構成Cを波面の参考構成C=Crefとして設定し、第1の初期画像Fを参考画像F=Frefとして設定し、第1の初期画像Fの目標ピクセルPにおける第1強度IPN を目標ピクセルPにおける参考強度IPN =IPN refとして設定するステップと、
    D.2- 次のサブステップのサイクルをT>1となるようT回繰り返すステップと、
    D.2.1- 振幅/位相変調ユニット(10)を介して波面の参考構成Crefを変化させることで、波面のi番目の構成Cを取得し、
    D.2.2- 目標ピクセルPにおいてi番目の強度IPN をもつi番目の画像Fを取得し、
    D.2.3- 目標ピクセルPにおけるi番目の強度IPN の値が、参考強度IPN refより大きいかどうかをチェックし、それによって、
    PN >IPN refである場合には、前記ステップD.2.1で得られた波面のi番目の構成Cは、波面の参考構成Crefとして受け入れら、すなわち、Cref=C、Fref=F、およびIPN ref=IPN が設定され、
    PN <IPN refである場合には、前記ステップD.2.1で得られた波面のi番目の構成Cは受け入れられず、前記ステップD.2.1の実行で変化する前の波面の参考構成Crefが復元され、
    D.3- 参考画像Frefを最終画像Fref=Ffin(IPN max)として設定し、参考強度IPN refを目標ピクセルP での蛍光シグナルの局所最大IPN maxとして設定するステップと、を含む、
    ことを特徴とする蛍光顕微鏡法。
  3. 請求項2に記載の蛍光顕微鏡法であって、
    前記振幅/位相変調ユニット(10)は、マイクロミラーのp×q行列を備えるデジタルマイクロミラーデバイス(10)であり、
    前記ステップD.2.1は前記デジタルマイクロミラーデバイス(10)のQ≧1個のマイクロミラーの向きを変化させることによって実行され、当該実行によってQ≦p×qとなって、各マイクロミラーはV>2の向きをとることができ、T=V×Qとなることを特徴とする蛍光顕微鏡法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡法であって、
    散乱サンプルのスペックル粒子の平均サイズSは、λ/2nと等しくなるように設定され、λは励起光の波長であり、nはサンプルの屈折率であることを特徴とする蛍光顕微鏡法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡法であって、
    散乱サンプルのスペックル粒子の平均サイズSは、距離の関数として、サンプル画像の強度の自己相関を測定することによって計算されることを特徴とする蛍光顕微鏡法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡法であって、
    前記ステップAの前に、前記コヒーレント励起光線(5)を縮小するステップを含むことを特徴とする蛍光顕微鏡法。
  7. 蛍光顕微鏡装置(100)であって、
    励起光線を受け取り、振幅/位相変調するように構成された波面変調ユニット(10)を備え、
    前記波面変調ユニット(10)によって変調された励起光線(5)によってサンプル(20)を照らすように構成され、
    前記サンプル(20)から発せられた蛍光ビームを受け取って取得する撮像ユニット(45)と、
    前記波面変調ユニット(10)及び前記撮像ユニット(45)に接続される制御部(60)とを、さらに備え、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡法を実施するように構成され、
    前記制御部(60)は、前記撮像ユニット(45)によって取得された蛍光ビームに基づいて、ステップDのように前記波面変調ユニット(10)を制御するように構成される、
    ことを特徴とする蛍光顕微鏡装置。
  8. 請求項7に記載の蛍光顕微鏡装置(100)であって、
    前記波面変調ユニット(10)は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)であることを特徴とする蛍光顕微鏡装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載の蛍光顕微鏡装置(100)であって、
    コヒーレント励起光線(5)縮小ユニットを備え、請求項6に記載の蛍光顕微鏡法を実施するように構成されることを特徴とする蛍光顕微鏡装置。
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