JP7233215B2 - 蓄電システム、異常予兆診断システム - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械に設けられる蓄電装置の異常予兆診断を行う技術に関する。
近年、先進国を中心に環境破壊防止の対策として、燃料の燃焼に伴って排出されるガスの排出規制強化や、内燃機関を動力源として搭載する移動体の低燃費化が進められている。この方策の一つとして、移動体に搭載された動力源を電動化する取り組みがなされている。動力源の電動化は、電力を蓄える蓄電システムを電源とし、移動体に搭載された電動モータを、蓄電システムから供給された電力によって駆動することにより実現できる。このような移動体には、建設機械、電車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電気自動車等が含まれる。
また、近年、太陽光や風力を活用した再生可能エネルギー発電装置や、家屋、ビル、工場等の需要家屋へ蓄電システムを設置し、電力を効率良く利用する方法が提案されている。これらの蓄電システムは、通常電力変換装置を介して商用電力系統と接続され、電力を吸収および供給している。
このような状況で用いられる蓄電システムは、リチウムイオン電池、鉛電池、NAS電池、レドックスフロー電池等の電池や、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタといった蓄電素子を用いて構成される。最近では、二次電池の中でも、入出力およびエネルギー密度が高いリチウムイオン電池の採用が増加している。
また蓄電システムは、大容量化を図るために、複数の蓄電素子が直列および/または並列に接続された蓄電装置と、コントローラ等の制御装置を組み合わせて構成される。長期に渡って蓄電システムを安全に使用し続けるためには、各蓄電素子が適正な使用範囲内で動作するように、電圧、充放電電流、充電状態等を監視し、過充電、過放電等の異常状態に至らないように、制御される必要がある。
蓄電素子は、単純な時間経過や使用条件に依存し、容量減少や抵抗増加、自己放電量の増加などの特性変化が進行する特徴が知られている。また、蓄電素子の不良や特定の使用条件において急速に特性が悪化する場合が存在する。そのような状況においては、蓄電システムの特性も悪化し、必要な充放電機能を提供できなくなる場合がある。
特許文献1には、複数の蓄電素子の特性変化を推定し、特定の蓄電素子を入れ替えることにより、複数の蓄電素子全体の劣化を均一化し、蓄電素子の交換工数を低減する技術が開示されている。
特許文献2には、建設機械から2種の情報を検出する第1機体と、この2種の情報のうち一方のみを検出する第2機体の情報に基づき、第2機体の故障状態の予兆診断を行うことで、機体の故障解析や故障・予兆診断を高精度かつ低コストで行うことができる技術が開示されている。
特開2015-27223号公報 特開2016-109019号公報
特許文献1に開示されている技術は、各電池の充電電流積算量、充電開始時の電池の電圧、および充電終了時の電池の電圧といった稼動情報を基に、各電池の満充電容量を計算する。そして特許文献1に開示されている技術は、満充電容量を基に各電池の劣化度を推定し、推定された劣化度の差が閾値を超える場合に、電池を入れ替えて、劣化を均一化する。
また、特許文献2に記載されるように、一部の機体のみから追加の情報を検出することで、情報検出手段の必要数を低減することも可能である。
しかしながら、稼動情報に基づく推定のみを用いた診断では、想定外の異常を診断することができない。また、一部の特殊仕様の機体を必要とする診断技術では、多数の均一な仕様の機体群に対する異常予兆診断は困難である。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、蓄電システムの異常の予兆を高精度に診断し、予期せぬ蓄電システムの停止等を抑制するためのデータを得る技術を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の蓄電システムは、建設機械に設けられる第1蓄電装置と、当該第1蓄電装置の異常予兆診断を行う異常予兆診断装置と、を有する蓄電システムであって、前記異常予兆診断装置は、前記第1蓄電装置を計測して得られた測定情報を用いて、前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の実測劣化状態を算出し、前記第1蓄電装置の前記測定情報の履歴である稼動履歴情報を用いて、前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の推定劣化状態を算出し、異なる2手法により得られた前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の実測劣化状態および前記第1蓄電装置の推定劣化状態を比較した前記第1蓄電装置の比較結果を算出し、記建設機械以外の複数の建設機械のそれぞれに設けられるその他の蓄電装置に対する実測劣化状態と推定劣化状態とを比較した前記その他の蓄電装置の比較結果を算出し、前記第1蓄電装置の比較結果と前記その他の蓄電装置の比較結果との間の乖離を判定することで、前記第1蓄電装置の異常の予兆を診断する、ことを特徴とする。
本蓄電システムの異常の予兆を高精度に診断し、予期せぬ蓄電システムの停止等を抑制するためのデータを提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施形態に係るハイブリッド油圧ショベルを示す図である。 実施形態に係るハイブリッド油圧ショベルの構成を示すブロック図である。 実施形態に係る蓄電システムおよび管理システムの構成を示す図である。 第1実施形態に係る診断方法を例示する図である。 第1実施形態に係る診断方法により作成されるヒストグラムを示す図である。 図5の比較例を示す図である(比較例1)。 図5の比較例を示す図である(比較例2)。 図5の比較例を示す図である(比較例3)。 図5の比較例を示す図である(比較例4)。 実施形態に係る管理システムで保持するデータ構造を示す図である。 第4実施形態に係る診断方法を説明する図である。 第4実施形態に係る診断方法を説明する図である。 第5実施形態に係る充電状態の管理手法を説明する図である。 第5実施形態に係る蓄電システムおよび管理システムの構成を示す図である。 第5実施形態に係る充電状態の管理手法を説明する図である。 第6実施形態に係る蓄電システムおよび管理システムの構成を示す図である。 実施形態で説明する外部管理装置のハードウェア構成例を示す図である。 実測劣化状態と推定劣化状態との乖離を判定する手順のフローチャートである。 実測劣化状態と推定劣化状態の差を車体間で比較した図である。 各車体の電圧推移を示した図である。 図20のグラフに対し充電状態の変化速度を推定して追記した図である。 図21の結果から充電状態の変化速度差を求めた結果を示す図である。
以下の実施形態においては、便宜上必要があるときは、複数のセクションまたは実施形態に分割して説明する。以下の実施形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。なお、以下の実施形態において、その構成要素は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須ではない。
以下、図面等を用いて、実施形態における蓄電システム、異常予兆診断システムについて説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、実施形態に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
以下の実施形態では、ハイブリッド油圧ショベルを移動体の一例とし、この油圧ショベルに搭載された蓄電システムについて、図面に従って説明する。なお、以下に説明する形態では、リチウムイオン電池を搭載したハイブリッド油圧ショベルを例に挙げて説明するが、移動体はこれに限るものではない。例えば、ハイブリッドホイールローダ、ハイブリッドダンプトラック等、蓄電装置に接続された電動モータとエンジンとにより駆動される油圧ポンプの動力を動力源とした各種のハイブリッド建設機械にも適用することができる。また、蓄電装置を動力源とした各種の電動建設機械、さらには、同様の機器構成の各種の機械、すなわち、電車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電気自動車等にも適用可能である。
(第1実施形態)
図1は、実施形態に係るハイブリッド油圧ショベル201(以下、ハイブリッドショベル201という)の構成を示す図である。ハイブリッドショベル201は、走行体212と、走行体212上に旋回可能に設けられた旋回体213と、旋回体213の前部の片側(前方を向いて右側)に取り付けられ、上下方向に回動して掘削等の作業を行うフロント作業機214とを備えている。これら走行体212、旋回体213、フロント作業機214が油圧作業装置として機能する。
旋回体213は、車体の前部の他方の片側(前方を向いて左側)に配置されたキャビン215と、車体の後部に配置され、車体の重量のバランスを保つカウンタウェイト216と、キャビン215とカウンタウェイト216との間に配置され、後述のエンジン221が収納される原動機室217とを備えている。
図2は、実施形態に係るハイブリッドショベル201の機能構成を示す機能ブロック図である。
旋回体213は、前述のエンジン221と、エンジン221の燃料を貯蔵する燃料タンク(図示せず)と、エンジン221の燃料噴射量を調整するガバナ(図示せず)と、エンジン221に設けられたターボチャージャ式の過給機(図示せず)と、エンジン221の動作を制御するエンジンコントローラ(エンジンコントロールユニット:ECU)222とを備えている。
また旋回体213は、エンジン221に接続され、エンジン221の駆動力で動作するエアコン等の補機負荷223と、エンジン221の駆動軸上に配置され、エンジン221との間でトルクを伝達することにより、エンジン221の動力のアシストおよび発電を行う電動発電機(モータジェネレータ:M/G)224と、電動発電機224に接続され、電動発電機224の動作を制御するインバータ225と、インバータ225を介して電動発電機224との間で電力の授受を行う蓄電装置226と、エンジン221および電動発電機224に対して直列に接続され、エンジン221および電動発電機224の駆動力で動作することにより圧油を吐出する可変容量型油圧ポンプ(以下、便宜的に油圧ポンプと呼ぶ)227と、エンジン221の駆動力で動作することによりパイロット圧油を生成するパイロットポンプ(図示せず)とを備えている。
電動発電機224は、力行時にエンジン221の動力をアシストし、エンジン221に接続された補機負荷223および油圧ポンプ227を駆動するとともに、回生時に発電を行う。インバータ225は、直流電力を交流電力に変換し、交流電力を直流電力に変換する。蓄電装置226は、例えば、リチウムイオン電池を複数個接続されて形成された電池セル群226Aと、電池セル群226Aとインバータ225との間に接続され、電池セル群226Aの電流を測定する電流センサ226Bと、電池セル群226Aおよび電流センサ226Bに接続され、電池セル群226Aの電圧、温度、電流等を測定して管理するバッテリコントローラ(バッテリコントロールユニット:BCU)226Cと、を有している。
また旋回体213は、圧油の流れ(流量および方向)を制御するコントロールバルブ220と、エンジンコントローラ222、インバータ225、およびバッテリコントローラ226Cに接続され、油圧ポンプ227およびインバータ225の動作を含む車体全体の動作を制御する制御装置としてのハイブリッドコントローラ(ハイブリッドコントロールユニット:HCU)229とを備えている。
バッテリコントローラ226Cは、電流センサ226Bの測定値をAD変換し、電流として入力するとともに、電池セル群226Aの各セル電圧および各セル温度を測定する。これらの電流、各セル電圧および各セル温度に基づいて、電池セル群226Aの充電状態(充電された容量)や劣化状態、充放電可能な最大電流および/または電力(許容充放電電流/電力)の演算、および充電状態のバランシング等を実施する。そしてこれらのセル電圧、セル温度、電流、充電状態、劣化状態、許容充放電電力、およびバランシング信号をハイブリッドコントローラ229に送信する。異常予兆診断装置100は、セル電圧、セル温度、電流、充電状態等の蓄電システムの稼動状態を示す情報(稼動情報)と、劣化状態の情報を取得し、これらを用いて異常の予兆診断を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。なお、異常予兆診断装置100は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ROM(Read Only Memory)などを搭載した、プログラム制御を行う基盤(コントローラ)としてもよい。
図3は、本実施形態の異常予兆診断システムの全体構成を示す図であり、特に異常予兆診断装置100を含む蓄電システム1の構成例を示す図である。蓄電システム1は、1個以上の蓄電素子を直列および/または並列に接続して構成された蓄電装置10(上記図2の蓄電装置226に相当)と、異常予兆診断装置100と、コントローラ105と、を含む。
異常予兆診断装置100は、蓄電装置情報取得部101と、計算部102と、記憶部103と、診断部104と、を有する。異常予兆診断装置100においては、これら各部が連関するかたちで接続されている。
蓄電装置情報取得部101は、蓄電装置10の情報として、蓄電装置の稼動状況に関連する情報を収集する。稼動情報には、セル電圧、セル温度、電流、充電状態等の少なくとも一つが含まれる。蓄電装置情報取得部101が取得した蓄電装置10の情報は、計算部102に出力されるものとするが、記憶部103、診断部104に出力されてもよい。
計算部102は、蓄電装置情報取得部101で取得した蓄電装置10の情報に基に、以下に示す実測劣化状態および推定劣化状態の2種類の劣化状態に関する情報を演算する。なお、劣化状態は、容量、抵抗、蓄電装置を構成する蓄電素子間の充電状態の変化速度差、容量および/または抵抗を用いて演算される蓄電装置の使用を制限するための情報の少なくとも一つを含む。蓄電装置の使用を制限するための情報には、蓄電装置を適正な電圧範囲内で使用可能な最大の電流/電力である許容充放電電流/電力や、使用可能な充電状態の範囲などがある。
(1)実測劣化状態の演算
計算部102は、公知の技術を活用して劣化状態の演算を行う。例えば、容量の劣化状態であれば、計算部102は、所定期間の累積充放電容量と充電状態変化量から、蓄電装置の容量を算出し、容量の初期値との比を算出することで、容量の劣化状態を求める。
蓄電装置の容量(Ah)=累積充放電容量(Ah)/充電状態変化量(%)×100(%)
容量の劣化状態(%)=蓄電装置の容量(Ah)/蓄電装置の初期容量(Ah)
抵抗の劣化状態であれば、計算部102は、電流変化に対する電圧変化の比から蓄電装置の抵抗を算出し、抵抗の初期値との比を算出することで抵抗の劣化状態を求める。
蓄電装置の抵抗(mΩ)=電圧変化(mV)/電流変化(A)
抵抗の劣化状態(%)=蓄電装置の抵抗(mΩ)/蓄電装置の初期抵抗(mΩ)
また、蓄電装置10を構成する蓄電素子間の充電状態の変化速度差であれば、計算部102は、所定期間前後の充電状態の変化量の比から、蓄電素子間の充電状態の変化速度を算出し、この変化速度が最大の蓄電素子と最小の蓄電素子の差を算出することで、変化速度差を求める。変化速度差は、変化速度が最大の蓄電素子と当該最大の蓄電素子を除く蓄電素子の平均の差を算出して求めてもよく、公知の技術を用いることができる。なお、所定期間の設定方法は、任意の期間を用いることができるが、変化速度差の演算は蓄電装置の充放電やバランシング動作の影響を受けるため、蓄電装置の充放電やバランシング動作が行われなかった期間とするのが好ましい。
これらの劣化状態は、蓄電装置の測定情報から直接算出する劣化状態であるため、「実測劣化状態」と呼ぶこととする。換言すると、実測劣化状態は、今現在計測したそのときの電圧、電流、温度を用いて求めた状態値を意味する。ここで状態値とは、劣化状態を示す指標値であり、上記の容量の劣化状態(%)、抵抗の劣化状態(%)、蓄電素子間の充電状態の変化速度差などである。
(2)推定劣化状態の演算または推定劣化度の演算に必要な情報の生成
計算部102は、推定劣化状態の演算に公知の技術を活用する。例えば、容量の劣化状態であれば、計算部102は、蓄電装置が稼動を開始した後の経過時間から容量を算出する。容量劣化には、例えば蓄電装置の充電状態や温度が影響を与える場合があるため、計算部102は、経過時間、充電状態、温度の情報に基づき、容量の劣化状態を推定すると好ましい。充電状態や温度の情報は、稼動後の経過時間における代表値であってもよく、この経過時間を分割した各時間領域における代表値であってもよい。さらに、充電状態、温度を複数の区間に分割し各区間に滞在した累積時間をヒストグラム化してもよい。取得された情報を全て用いて劣化状態を推定できる場合、より高精度な推定が可能となるため好ましい。
計算部102は、上記情報を蓄電装置の稼動情報として生成し、生成した稼動情報を記憶部103に記憶させる。また計算部102は、通信部107を介して稼動情報を管理システム110へ送信する。稼動情報の種類や情報量は、推定劣化状態の演算手法や、記憶部103または通信部107の制約から決めることができる。また、蓄電装置が稼動を開始した後の累積充放電量、電流、充電状態の変化量を稼動情報としてもよい。例えば電流については、最大電流と平均電流とを稼動情報としてそれぞれ用いてもよく、また、例えば温度と充電状態といった複数の稼動情報を組合せて新たな稼動情報として用いてもよい。
抵抗の劣化状態や蓄電素子の充電状態の変化速度差の推定についても、計算部102は、容量の劣化状態の推定と同様に実施することができる。蓄電素子の充電状態の変化速度差について、各蓄電素子の容量にばらつきが存在する場合、蓄電素子の充放電による充電状態が変化することに伴い、充電状態の大小関係が変化するケースがある。また、バランシング動作により影響を受けるため、容量ばらつき情報および充電状態の変化、およびバランシング情報を用いて変化速度差を推定するのが好ましい。また、充電状態の変化速度差を算出する期間の開始時期および終了時期の充電状態が略同一であり、前記期間内にバランシング動作が実施されていないと、推定手法が簡略化でき、なお好ましい。
このような劣化状態は、蓄電装置の測定情報を稼動情報として記憶部103に蓄積しておき、公知技術の劣化状態推定技術を用いて算出される劣化状態であるため、「推定劣化状態」と呼ぶこととする。推定劣化状態は、換言すると、これまでに1日1回ずつ計測し、算出してきた代表値など、過去の計測値や状態値(過去の稼動履歴情報)を用いて現状がどのような状態値であるかを算出した推定値を意味する。ここで算出される状態値は、上記の実測劣化状態と同種の指標値、すなわち、容量の劣化状態(%)、抵抗の劣化状態(%)、蓄電素子間の充電状態の変化速度差とする。
記憶部103は、蓄電装置情報取得部101や計算部102から出力される情報、および/または、診断部104で用いられる診断用の判定基準値、通信部107から送信される診断の必要情報を記憶する。なお、記憶部103は、不図示のRAMやROM、不揮発性メモリなどの記憶媒体を有している。
診断部104は、計算部102から出力される情報や、記憶部103に記憶された、診断を行うための判定基準値を用いて異常の有無を判定する。診断部104の診断方法について、以下の図4および図5を用いて詳細に説明する。
<第1実施形態の診断方法>
図4は、一例として抵抗の異常予兆診断の手法を示した模式図である。図4の説明に際し、ここでは診断対象の車体および診断対象と比較可能な他の車体の情報を収集しておき、記憶部103に記憶しておく。図4は、収集した9台分の情報について、抵抗の劣化状態に関する推定劣化状態と実測劣化状態とをプロットした図である。
診断部104は、実測劣化状態と推定劣化状態との差を車体ごとに演算し、この劣化状態差を横軸とし、台数を縦軸としたヒストグラムを作成する。図5は、このヒストグラムの模式図である。本手法により、図4において実測劣化状態と推定劣化状態との乖離が他の車体と比較して大きい車体番号4の蓄電装置(第1蓄電装置)を分離し、抽出することができる。診断部104は、ヒストグラム分布の標準偏差を求め、これに基づき乖離が大きい車体番号を抽出する。
図18は、実測劣化状態と推定劣化状態との乖離を判定する手順のフローチャートである。本実施形態の蓄電装置情報取得部101は、稼動データの蓄積を開始し(S301)、所望のデータ蓄積が完了するまで繰り返す(S302:Noのループ)。データ蓄積の完了は、例えば6ヶ月など経過時間で判定してもよいし、車体の稼動の累積時間や、回数等で判定してもよく、推定劣化状態が演算可能となるように定めることができる。
データ蓄積の完了後(S302:Yes)、計算部102は、推定劣化状態(S303)と実測劣化状態(S304)を演算する。なお、推定劣化状態を演算した後に実測劣化状態を演算してもよいし、常に演算している実測劣化状態から、推定劣化状態の演算時点での結果を抽出して用いてもよい。すなわち本実施形態は、略同一時点における、異なる2手法により得られた劣化状態を比較することが特徴である。
診断部104は、実測劣化状態と推定劣化状態を比較する(S305)。図19は、実測劣化状態と推定劣化状態の差を算出し車体間で比較した場合を示した図である。診断部104は、ステップS305の比較結果に基づき乖離しているデータの有無を判定するが(S306)、この判定方法は公知の方法を使用可能である。例えば、図19に示す車体4の判定には、車体1乃至9、または車体1乃至3および車体5乃至9の8台分のデータから、平均と標準偏差を算出し、平均から標準偏差の例えば3倍以上乖離した場合に乖離ありと判定するなどの方法が使用可能である。また、実測劣化状態と推定劣化状態のそれぞれの演算方法の誤差が判明している場合には、誤差情報から判定基準を定めることも可能である。例えば、それぞれの演算誤差の和を超えて差が生じていれば乖離有りと判定してもよい。
乖離ありと判定された場合には、判定結果を出力し(S307)、図18に示すフローチャートの処理は終了となる。判定結果の出力は、車体に設置した出力部106によりオペレータへ通知してもよいし、通信部107により外部管理装置112へ通信されてもよい。
以上の手順により、容量や抵抗の劣化状態に関して、判定が可能となる。蓄電素子間の充電状態の変化速度差の判定に関して、図20、図21および図22を用いて詳細を説明する。ここで、図20において、車体1乃至3および5乃至9の実測された電圧推移を点線で示し、車体4の実測された電圧推移を実線で示す。このように測定された充電状態の変化速度が、実測劣化状態に相当する。推定劣化状態の演算に用いられる稼動データは、充電状態や電池温度を用いることができる。図21は、図20のグラフに対し、推定劣化状態に相当する充電状態の変化速度を、一定期間の充電状態および電池温度より推定して追記した図である。図22は、図21の結果から、充電状態の変化速度差を求めた結果を示す図である。なお、縦軸は電圧変化を経過日数で割った値として示した。
判定は、上記のように平均と標準偏差を用いた方法が使用可能である。また、想定される期間内に蓄電素子が過放電状態に至ることが無いよう、予め定めた固定値を用いることも可能である。複数の蓄電素子が直列接続されて用いられる場合には、蓄電素子群の総電圧に対して判定してもよいし、一部の蓄電素子を対象に判定してもよい。
図4や図5の車体番号4のように、実測劣化状態が推定劣化状態から乖離する事例としては、例えば蓄電素子の製造不良等により、稼動情報に依存しない異常が発生する場合や、稼動情報を収集していない期間に一部の蓄電素子が高温環境下にさらされる等の原因で劣化が進行した場合がある。なお、本実施形態では、実測劣化状態と推定劣化状態にオフセット誤差の影響が大きい場合を想定し、2種類の劣化状態の差を用いた。一方で、ゲイン誤差の影響が大きい場合には、実測劣化状態と推定劣化状態の各劣化状態の比を、車体ごとに算出してヒストグラムを作成し、特異となるもの、すなわち他の比較結果と乖離したものを抽出するのが好ましい。なお、実測劣化状態と推定劣化状態の差分、および実測劣化状態と推定劣化状態との比は、いずれも比較結果として扱われる。
図4や図5に示す車体番号4などのように、自車の劣化状態が他のものから乖離している場合、診断部104は、自車に関する診断結果が良好でなかったことを、通信部107を介して管理システム110に通知する。
<比較例1>
図6は、上記図4と同様の情報を取得し、推定劣化状態のみを互いに比較した場合を示す図である。推定劣化状態は、ハイブリッドショベルの作業環境により車体相互で異なるものとなるため、この比較例1の診断手法では、正確な診断結果を得るのは困難となる。
<比較例2>
図7は、上記図4と同様の情報を取得し、実測劣化状態のみを互いに比較した場合を示す図である。この比較例2の診断手法では、劣化が小さい車体番号1、2、3、5と車体番号4とを分離できるが、車体番号7、8、9と車体番号4とは分離できず、異常を診断することが困難である。
<比較例3>
図8は、車体番号4のみの情報を用いて、実測劣化状態と推定劣化状態をプロットした図である。この比較例3の診断手法では、実測劣化状態と推定劣化状態の差に閾値を設定し、閾値を超えた場合を異常の予兆と診断することが可能である。しかしながら、実測劣化状態と推定劣化状態にはそれぞれ誤差が含まれる。このため、誤検知を防止する目的で誤差を判定時に考慮することが必要となる。すなわち、閾値を大きな値に設定する必要があり、これにより診断の精度が低下する。
<比較例4>
図9は、図4のデータに対し、実測劣化状態と推定劣化状態にそれぞれ誤差が発生した車体群をプロットした図である。図9の比較例4のケースでは、各車体それぞれで誤差が発生しているが、特に、車体番号4に実測劣化状態を過小に演算する誤差が発生し、車体番号6に実測劣化状態を過大に演算し、且つ推定劣化状態を過小に演算する誤差が顕著に発生した場合を想定している。図5に示す診断手法は、推定劣化状態と実測劣化状態とを用いることで高精度な診断が可能となるが、このように誤差が生ずると、良好な診断結果を得ることができない。以下では、誤差を低減させる手法について説明する。
(3)実測劣化状態および推定劣化状態の演算誤差の影響の低減手法
上記の「(1)実測劣化状態の演算」で示した容量の実測劣化状態の演算方法における誤差発生要因の一つに、累積充放電容量の誤差が考えられる。累積充放電容量は、規定の経過時間とその時の電流の積を積算した値として演算される。従って、時間と電流の測定誤差が累積充放電容量誤差の要因となる。また、電流や電圧の測定誤差が発生すると、これに起因して抵抗の劣化状態の誤差が発生する。蓄電素子間の充電状態の変化速度差については、時間の測定誤差と充電状態の演算誤差が誤差要因となる。充電状態の演算誤差は、演算アルゴリズムにより発生原因が異なるが、電流や電圧を用いて演算される場合には、電流や電圧の測定誤差が誤差要因となる。
電流や電圧、温度を計測するセンサの誤差には公知の様々な要因が存在するが、例えばセンサの仕様や温度依存性により、計測結果は影響を受ける。センサの仕様については、電流センサや電圧センサの製造番号の近い車体群を用いて相互で比較することで、実測劣化状態の演算誤差の影響を低減することができる。温度依存性については、略均一な温度で実施された車体群を選定することで、誤差の影響を緩和することができる。ここで、本実施形態では、平均温度が略均一となる地域内で使用される車体を選定する。このようにすることで、簡略に適用させることができる。なお、外気温度による均一性ではなく、稼動中のセンサ部周囲の温度を採用し、この周囲温度が略均一となる車体を選定することで、より好ましい結果を得ることができる。稼動中のセンサ部の周囲温度が略均一であれば、例えば寒冷地の夏季と温暖地の冬季との各計測値をそれぞれ採用したり、暖気や冷却、外部熱源等の影響によりセンサ部の温度が制御された状態のものを採用したりすることができる。なお、上記図4や図5の例では、このような製造番号の近い車体群であり、且つ略均一な温度で実施された車体群を選定している。
また、実測劣化状態と推定劣化状態を両方用いる比較例3に関して、比較例3では実測劣化状態誤差が絶対値として小さい必要があるのに対し、本実施形態の診断方法(図5)では、比較する車体間で不均等でなければ良い点で、優位性がある。また、上記の通り比較する車体を選択することで、本実施形態の診断方法(図5)は、比較例4に対して、高精度な異常の予兆診断が可能となる。
また、上記の「(2)推定劣化状態の演算または推定劣化度の演算に必要な情報の生成」で示した容量の推定劣化状態の誤差発生要因は、稼動情報の誤差および容量推定手法に起因した誤差が考えられる。容量推定手法として、以下の式を例に誤差要因を説明する。
蓄電装置の容量(Ah)=初期容量(Ah)×(1-k√t)
ここでtは経過時間、kは充電状態や温度に依存した係数とする。kは、多変量解析等で充電状態や温度の影響を考慮でき、例えば以下の式で表せるとする。
k=kA×充電状態+kB×温度
稼動情報の誤差は上記式の充電状態、温度、経過時間tに含まれ、容量推定手法に起因する誤差はkAやkBに含まれる。充電状態と経過時間が略同一な車体を選択し比較すれば、kAにより生じる誤差は全車体で均一となり、影響を低減することが可能となる。さらに、上記式が成立する場合において、充電状態、温度、経過時間の全てが略同一となる車体を選定し、これらで比較する場合には、容量の推定劣化状態は均一となる。よってこの場合、実測劣化状態と推定劣化状態の差の演算を省略して実測劣化状態を比較しても、本実施形態の診断方法(図5)と同様の診断が可能になり、診断が簡略化できて好ましい。
次に、以下の式を例に抵抗の誤差要因を説明する。
蓄電装置の抵抗(mΩ)=初期抵抗(mΩ)×(1+k’t)
ここでtは経過時間、k’は充電状態や温度に依存した係数とする。k’は、多変量解析等で充電状態や温度の影響を考慮でき、例えば以下の式で表せるとする。
k’=kA’×充電状態+kB’×温度
抵抗に関しても容量と同様に、対象の車体を選択し比較することで誤差の影響の低減が可能となる。
上記の稼動情報、実測劣化状態、推定劣化状態の診断結果は、記憶部103に記憶されるとともに、管理システム110に送信され、管理システム110側で蓄積される。また、診断部104が実施または受信した異常予兆診断結果は、コントローラ105に伝達され、蓄電装置10の制御に反映される。さらには、診断部104は、蓄電装置10の異常予兆診断結果(比較結果)を出力部106や通信部107から外部に出力しても良い。この場合、出力部106を介して出力された蓄電装置10の情報は、図2に示すモニタ215Aによってユーザに伝達されたり、電子メールとして外部に送信されたりする。なお、図2において、異常予兆診断装置100はバッテリコントローラ226Cおよびハイブリッドコントローラ229と独立して明示したが、同様の機能がバッテリコントローラ226Cまたはハイブリッドコントローラ229に内蔵されていても良い。
次に管理システム110の構成について説明する。管理システム110は、図3に示すように、通信部111および外部管理装置112を有する。外部管理装置112は、データの蓄積や処理を実行可能なサーバ等からなり、異常予兆診断結果を蓄積可能とする。
図10は、管理システム110の外部管理装置112で保持され、また記憶部103に記憶されるデータ構造を示す図であり、比較する車体を抽出した結果を模式的に示す図である。外部管理装置112の記憶装置は、車体の各稼動期間および車体番号に対し、実測劣化状態および稼動情報として蓄電装置の充電状態と温度とが記録されている。稼動情報は、推定劣化状態の演算に用いられる。稼動情報および温度は、図10においては、中または高として簡略に示されているが、各期間内で変動する稼動情報の単純平均や重み付き平均、最大温度等から、推定劣化状態の演算に好適な情報を記録することができる。記録する期間は、推定劣化状態の演算が可能であり、かつ通信や記録が可能な範囲で決定してよい。
図10では、略同一の時期に稼動を開始した車体の中から、極端に高温や低温で稼動した車体を除き抽出されている。このような選択により、極端な温度下での蓄電素子の特異的な劣化や、センサ誤差などが拡大することなく診断精度を向上させることが可能となる。
診断部104による異常予兆診断は、本実施形態では、通信部107を介して外部の管理システム110から他の車体の情報を得て記憶部103に記憶しておき、車体側の診断部104で実施するものとするが、当該車体の情報を管理システム110へ送信し、外部管理装置112で蓄積、診断して診断結果のみ異常予兆診断装置100が受信しても良い。この場合、外部管理装置112が診断部104を有する構成となる。なお、この構成については後述の図16に例示する。
また、各車体の情報が管理システム110に蓄積され、通信部を介して各車体の異常予兆診断装置へ情報を送信可能な本実施形態の構成では、例えば、劣化状態の推定手法を更新可能である。すなわち、予め蓄電装置の劣化加速試験により構築した劣化状態推定手法を、複数車体で共通して発生する実測劣化状態および推定劣化状態の差から補正することが考えられる。図4において、異常の予兆が無いと診断された車体番号1乃至3および5乃至9は共通して推定劣化状態が実測より小さい。多数の車体群の情報から、誤差の発生要因を分析・学習することで、推定劣化状態に誤差が生じていることが判明した場合には、式や各係数を変更することで、新たな推定手法を構築し、診断精度を向上させることが可能である。また、実測劣化状態に誤差が生じていることが判明した場合には、例えば同一条件で取得された実測劣化状態を使用しないなどの手法により、診断精度を向上させることが可能である。
(第2実施形態)
第1実施形態では、容量および抵抗に関し、稼動を開始してからの経過期間および/または累積充放電容量を用いる例を開示しており、比較的長期期間採取したデータを用いることを想定している。これに対し、第2実施形態では、容量または抵抗の数日、数週間、数か月程度の比較的短期間で収集したデータを用いる実装とする。
第2実施形態の構成は、例えば、車体の稼動開始後数か月乃至数年経過しており、現在から過去の数日乃至数週間前より実測劣化状態の進行が加速した場合などに有効となる。すなわち、第1実施形態においては、誤差の影響を低減させるため、センサ部の温度や、稼動情報の一部または全部が略同一となる車体を選定して比較しているが、これら情報が長期間共通となる車体が必要数得られない場合も想定される。これに対し、短期間であれば共通の車体が得られる場合がある。第2実施形態のように比較的短期間とすることで、条件を満たす車体を必要数確保できる確度を向上させることができる。また、センサ部の温度や、稼動情報の一部または全部が均一でない場合に、考慮する期間が短いほど影響を小さくすることができ、この観点でも優位となる。
(第3実施形態)
稼動情報として、蓄電システムが搭載された車体が使用されている稼動期間のみでなく、車体が使用されていない停止期間の情報を含むと、この停止期間における蓄電装置の劣化の進行が高精度に把握できるため好ましい。第3実施形態では、停止期間における蓄電装置の劣化の進行を考慮した実装例について説明する。
このような実装例として、第3実施形態の蓄電装置情報取得部101は、定期的にセンサのみを起動させ実測することで、停止期間の情報を取得する。以降の計算部102の動作や診断部104の動作は、上記の第1、第2実施形態と同様である。このように定期的にセンサを起動させることで、精度よく情報が得られることができ、好ましい実装となる。これ以外にも、第3実施形態の計算部102は、稼動期間で得られる情報に基づき、停止期間における蓄電装置の劣化の進行を推定して補完しても良い。例えば、停止期間中の蓄電装置の充電状態は、停止期間直前の稼動期間の最後の情報と、停止期間後の稼動期間の最初の情報を用い、線形に変化したと推定により補完することができる。さらに、不図示のGNSSセンサより得られる車体の位置情報と当該地域の気象情報から、温度情報などを取得し、これを用いても良い。
以上の第3実施形態においても、異常の予兆を診断した場合には、オペレータやメンテナンス員に通知される。この通知は、図2に示すハイブリッドショベル201のモニタ215Aに表示したり、通信端末230を経由した電子メールや電話等の通信手段を用いたりしてもよい。通知後には、メンテナンスを実施したり、バランシング動作を速やかに実施したり、頻度を上昇させるなど、稼動計画や運用を変更するのが好ましい。また、定期的にセンサのみを起動させ実測する実装では、停止期間においても異常の予兆を診断した場合に、電子メールなどを用いて外部に送信することができる。
このように停止期間における蓄電装置の劣化の進行を考慮することで、より精度の高い異常予兆診断を行うことができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、異常の予兆を診断した場合の診断結果の活用方法として、異常が顕在化する時期を事前に推定し通知する手法について開示する。また、第1実施形態で説明したとおり、蓄電装置を構成する蓄電素子間の充電状態の変化速度差を用いて説明する。
図11は、蓄電素子間の充電状態の変化速度差に関し、車体番号4に異常の予兆が診断された場合の図である。縦軸は充電状態の変化速度差であり、単位は%/月で表すことができる。車体番号4の異常予兆診断結果として、他の車体に対しX(%/月)変化速度が大きかった場合について示す。前回の稼動期間の終了時点での充電状態差(蓄電素子間の充電状態の変化速度差)をΔSOC、充電状態差が異常と判定される閾値をΔSOClimとすると、異常発生日時は下記式で推定可能である。
異常発生日時=前回の稼動期間の終了日時+(ΔSOClim―ΔSOC)/X
なお、ここでは、蓄電装置が異常となる予測日として異常発生日時を算出しているが、異常となるまでの予測期間を算出してもよい。
図12は、上記式において、ΔSOCがゼロである場合について、充電状態の変化速度が速い蓄電素子の充電状態推移を一点破線で示した場合の充電状態推移である。上記推定結果、すなわち異常発生日時(図中のΔSOClim/X)は、出力部106および/または通信部107を通じて外部へ通知される。この時、上記異常発生日時をメンテナンス計画に反映し、停止状態である場合は稼動を再開したり、バランシングを実施したりすることで、異常を未然に防止することができ、建設機械が予期せぬトラブルにより稼動できない状況を防止可能となる。さらに、蓄電装置10の交換等のメンテナンス作業を実施する場合には、推定された異常発生日時以前に実施することで、建設機械が予期せぬトラブルにより稼動できない状況を防止した状態でメンテナンスを完了することができる。稼動再開時期やバランシングのみ実施する時期、交換等のメンテナンス時期に関しても、前記ハイブリッドショベル201の出力画面や、電子メールや電話等の通信手段で通知すると好ましい。
以上のように、異常と判定される日時の推定結果を用いることで、計画的な稼動やメンテナンスの立案が可能となる。容量や抵抗に関しても、蓄電システムの稼動への影響が顕在化する閾値や、メンテナンスや交換が推奨される閾値が存在する場合には、同様の判定で活用が可能である。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第4実施形態の構成に加えて、稼動の計画情報を蓄電システムの制御に活用する場合について開示する。推定された異常発生日時が、前回の稼動期間の終了日時からΔSOClim/X経過した時点である場合について示す。これは、第4実施形態の図12で示した、前回の稼動期間の終了日時におけるΔSOCがゼロであった場合に相当する。また、このような状況において、ハイブリッドショベル201の稼動計画上、非稼動期間が例えば1.5×ΔSOClim/Xとなることが予定される場合について、以下で説明する。
この時、あらかじめ充電状態の変化速度が速い蓄電素子の充電状態を、高めに設定することで、異常発生までの期間を延長することができる。図13は、図12の状況から、充電状態の変化速度が速い蓄電素子の充電状態を高めに設定した結果を示す図である。充電状態の変化速度が速い蓄電素子の充電状態推移を一点破線aで示す。また図13では、経過時間0の時点で、異常判定基準値の半分の充電状態に相当する電気量分(0.5×ΔSOClim/Xに相当する充電状態差)、充電状態を高く設定した充電状態推移を、破線bで示している。このように、該当する蓄電装置を構成する少なくとも一つの蓄電素子の充電状態を高く設定することで、破線bに示すように底上げされるため、計画上に予定されている非稼動期間(=1.5×ΔSOClim/X)まで、基準を満たすように延長させることができる。このような延長手段は、さまざまな実現方法があるが、バランシング動作時に正常な蓄電素子を放電する機構における実現手段を以下で開示する。
図14は、上記の機能を実現するため、稼動情報入力部108を備えた蓄電システム1の構成を示す図である。稼動情報入力部108は、モニタ215Aを構成に含み、モニタ215Aのタッチパネルを介してオペレータからの操作を受け付ける。
まず、異常予兆診断装置100の診断部104は、第4実施形態で説明した式などを用いて、異常判定日時を演算する。次に、稼動情報入力部108より次回の稼動予定日時(稼動計画情報)が入力される。次回の稼動予定日時の入力方法としては、オペレータもしくは管理者が、次回の稼動日を入力してもよいし、ハイブリッドショベル201が稼動しない期間を入力してもよい。
異常予兆診断装置100は、稼動情報入力部108により得られる日時情報に基づき、充電状態の変化速度が速い蓄電素子以外の蓄電素子を、異常判定基準値の半分に相当する電気量分放電させ、充電状態の変化速度が速い蓄電素子を含む全蓄電素子を、上記電気量分充電するように、コントローラ105に制御信号を出力する。この制御信号に従い、コントローラ105は上記の充放電制御を行う。これにより、図13の経過時間0の時点での状態を実現することができる。このように、閾値ΔSOClimに基づき充電状態差が異常と判定される場合には、上記処理を実行することで異常発生日時を変更することが可能である。
非稼動期間がさらに長い場合であっても、予め設定する充電状態差を増加させたり、異常発生前に再度充電状態を調整する等の処理により、異常を発生させることなく車体を管理することが可能となる。
図15は異常判定の閾値が充電状態差ΔSOClimでなく、充電状態の下限値として設定された場合を示す図である。この場合には、下記式により従来の異常判定日時が演算される。
異常発生日時=前回の稼動期間の終了日時+
(充電状態の変化速度が速い蓄電素子の充電状態―充電状態の下限値)/X
このような状況においては、予め上記式における「充電状態の変化速度が速い蓄電素子の充電状態―充電状態の下限値」の半分の値分、充電状態の変化速度が速い蓄電素子の充電状態を高めに設定することで、異常発生日時を変更できる。
第5実施形態では、異常発生日時を延期し、次回稼動予定日まで異常状態とならないようにすることができる。第5実施形態では、当該蓄電素子以外の蓄電素子を放電する方法を開示したが、充電状態の変化速度が速い蓄電素子のみ充電する機構を備えていてもよい。
尚、第5実施形態の出力部106または通信部107は、蓄電装置が異常となる上記の予測日もしくは予測期間の時間情報を外部に通知する。また、第5実施形態の出力部106または通信部107は、上記制御を行った旨のメッセージ、および延長した日なども外部に通知する。
(第6実施形態)
第6実施形態では、ハイブリッドショベル201側で行われる異常予兆診断を、管理システム110側で行う構成、および異常予兆診断の結果を、Webベースで外部に配信する構成について説明する。図16は第6実施形態のシステム構成例を示す図である。管理システム110の外部管理装置112は、第1~第5実施形態で説明した異常予兆診断装置100の計算部102、記憶部103、診断部104のそれぞれと同等の機能を備える計算部1601、記憶部1603、診断部1602を有している。
第6実施形態における外部管理装置112は、ハイブリッドショベル201の蓄電装置情報取得部101により取得される各種データを、通信部107および通信部111を介して取得し、これに基づき異常予兆診断を行う。この診断は、上記の計算部102、記憶部103、診断部104と同機能を備える計算部1601、記憶部1603、診断部1602が、上記第1~第5実施形態で説明したものと同じ手法により行う。また第6実施形態において、診断部1602は、ハイブリッドショベル201のコントローラ105に対し第5実施形態で説明した充放電制御を行うように、遠隔から要求することも可能である。
一方で、第6実施形態の外部管理装置112は、表示制御部1604を有する。表示制御部1604は、HTML(Hyper Text Markup Language)形式のマークアップ言語を用いてWebページを外部に閲覧させる機能(例えばWebサーバの機能)を有している。
表示制御部1604は、ハイブリッドショベル201の管理会社の職員、もしくは現場監督者などが操作するクライアント装置1610からの要求に従い、記憶部1603に記憶されている異常予兆診断の結果データを当該クライアント装置1610に返信する。この際、表示制御部1604は、クライアント装置1610から送信されるユーザ識別情報に紐づけされたハイブリッドショベル201の異常予兆診断結果を送信する。ここで送信される異常予兆診断結果は、例えば図4、図5などのグラフデータやヒストグラムデータ、図10に示す実測劣化状態、推定劣化状態を少なくとも含むデータシートや、図12、図13、図15に示すグラフデータなどである。
また表示制御部1604は、MTA(Mail Transfer Agent)の機能も備えており、事前に設定されているアドレスへ電子メールを発信する機能も有する。例えば図4や図5に示す車体番号4のような顕著なデータ(他の車体番号から分離し、抽出されたデータ)が検出された際、表示制御部1604は、当該車体番号4に対応付けられたアドレスに向けて、アラート用の電子メールを送信する。またこの際、表示制御部1604は、HTML形式の表示用画面イメージを作成し、この画面イメージへアクセスするための一時的なURLを払い出し、メール本文に付加して、アラート用の電子メールを送信する。この電子メールを受信し、内容を確認した管理会社の社員や現場監督者などは、本文に付加されたURLを選択する。これによりクライアント装置1610は、Webブラウザを起動して上記の表示用画面イメージを受信し、社員や現場監督者などに表示する。
このように第6実施形態のシステムは、第1~第5実施形態の診断手法により得られた異常予兆診断の結果などを外部に配信することができるため、より利便性を増したシステム構成となる。なお、第6実施形態では、外部管理装置112が直接管理者に情報を提供する構成としているが、別途Webサーバなどを設けることも、当然可能である。
また、管理システム110側で、異常予兆診断を行うための計算部1601、記憶部1603、診断部1602を有することで、車体側の蓄電システムそれぞれが計算部102、記憶部103、診断部104の機能を必要とせず、全体として簡略なシステムが構成できる。また、ハイブリッドショベル201がそれぞれ個別に計算部102、記憶部103、診断部104を有する構成では、異常予兆診断を行うためのソフトウェアの更新処理や制御用データの差し替え処理などが発生する場合、ハイブリッドショベル201それぞれにソフトウェアの更新もしくは基盤のリプレースを行う必要がある。第6実施形態のように、診断部1602などを管理システム110側に持たせることで、管理システム110側のみで更新処理などを完結させることができる。よって、システム保守の観点においては、上記の第1~第5実施形態よりも優位となる。また、ハイブリッドショベル201がそれぞれ個別に計算部102、記憶部103、診断部104を有する構成において、更新処理が行われる場合、あるハイブリッドショベルと他のハイブリッドショベルとでは、更新状況によっては異なるソフトウェアバージョンとなる期間が発生する。もしくは更新の失念などにより、あるハイブリッドショベルでは更新されていない場合、車体間でのバージョンの不整合が発生し、得られるデータが正規データであるかの判断が困難となる。第6実施形態のように、管理システム110側で異常予兆診断を行う構成とすることで、このような状況になるのを抑制することができる。
(外部管理装置のハードウェア構成)
最後に、図17を用いて上記各実施形態で説明した外部管理装置112のハードウェア構成例を説明する。外部管理装置112は、図17に示すように従前のコンピュータと同様のハードウェア構成となっている。
CPU1701は、ROM1703やストレージ1704に記憶されているプログラムを、RAM1702(RAM:Random Access Memory)に展開して演算実行する処理装置である。CPU1701は、プログラムを演算実行することで、外部管理装置112の内部の各ハードウェアを統括的に制御する。RAM1702は揮発性メモリであり、CPU1701との間で直接的にデータの入出力を行うワークメモリである。RAM1702は、CPU1701がプログラムを演算実行している間、必要なデータを一時的に記憶する。
ROM1703は不揮発性メモリであり、CPU1701で実行されるファームウェアを記憶している。ストレージ1704は、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置である。ストレージ1704は、CPU1701が演算実行するプログラムや、パラメータなどの制御データを不揮発的に記憶する。
接続I/F1705は、各種周辺機器などと接続するためのインターフェイス群であり、例えば表示装置や入力装置などとの接続を担う。
図17に示す構成は、異常予兆診断装置100にも、一部もしくは全てを適用することができる。尚、異常予兆診断装置100においては、一部もしくは全てを、例えばASICなどの集積回路で実装してもよい。尚、一部もしくは全てが集積回路などで実装されている場合においても、当該構成はコンピュータの一形態とみなされる。また、図3、図14、図16に示す各ブロックは、各装置内のCPUが、各種プログラムを演算実行することで実現されるものとする。
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも、説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の変形例の構成を加えることも可能である。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1:蓄電システム
10:蓄電装置
100:異常予兆診断装置
101:蓄電装置情報取得部
102:計算部
103:記憶部
104:診断部
105:コントローラ
106:出力部
107:通信部
108:稼動情報入力部
110:管理システム
111:通信部
112:外部管理装置
201:ハイブリッドショベル
215A:モニタ
226:蓄電装置
226A:電池セル群
226B:電流センサ
226C:バッテリコントローラ
229:ハイブリッドコントローラ
230:通信端末
1601:計算部
1602:診断部
1603:記憶部
1604:表示制御部
1610:クライアント装置

Claims (8)

  1. 建設機械に設けられる第1蓄電装置と、当該第1蓄電装置の異常予兆診断を行う異常予兆診断装置と、を有する蓄電システムであって、
    前記異常予兆診断装置は、
    前記第1蓄電装置を計測して得られた測定情報を用いて、前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の実測劣化状態を算出し、
    前記第1蓄電装置の前記測定情報の履歴である稼動履歴情報を用いて、前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の推定劣化状態を算出し、
    異なる2手法により得られた前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の実測劣化状態および前記第1蓄電装置の推定劣化状態を比較した前記第1蓄電装置の比較結果を算出し、
    記建設機械以外の複数の建設機械のそれぞれに設けられるその他の蓄電装置に対する実測劣化状態と推定劣化状態とを比較した前記その他の蓄電装置の比較結果を算出し、
    前記第1蓄電装置の比較結果と前記その他の蓄電装置の比較結果との間の乖離を判定することで、前記第1蓄電装置の異常の予兆を診断する、
    ことを特徴とする蓄電システム。
  2. 請求項1に記載の蓄電システムにおいて、
    前記劣化状態を示す指標値は、蓄電装置の容量の劣化状態、抵抗の劣化状態、蓄電素子間の充電状態の変化速度差の少なくとも一つが含まれていることを特徴とする蓄電システム。
  3. 請求項1に記載の蓄電システムにおいて、
    前記測定情報は、セル電圧、セル温度、電流、充電状態の少なくとも一つが含まれることを特徴とする蓄電システム。
  4. 請求項1に記載の蓄電システムにおいて、
    前記異常予兆診断装置は、各比較結果のヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づき、前記第1蓄電装置に関する比較結果がその他の比較結果から乖離しているかを判定することを特徴とする蓄電システム。
  5. 請求項1に記載の蓄電システムにおいて、
    前記異常予兆診断装置は、比較結果の乖離している蓄電装置が異常となる予測日もしくは予測期間を算出することを特徴とする蓄電システム。
  6. 建設機械に設けられる第1蓄電装置と、当該第1蓄電装置の異常予兆診断を行う異常予兆診断装置と、を有する蓄電システムであって、
    前記異常予兆診断装置は、
    前記第1蓄電装置を計測して得られた測定情報を用いて、前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である実測劣化状態を算出し、
    前記第1蓄電装置の前記測定情報の履歴である稼動履歴情報を用いて、前記実測劣化状態と同種の指標値である推定劣化状態を算出し、
    前記第1蓄電装置に対する前記実測劣化状態と前記推定劣化状態との比較結果を算出し、前記建設機械以外の複数の建設機械のそれぞれに設けられる蓄電装置に対する実測劣化状態と推定劣化状態との比較結果を算出し、これら各比較結果間の乖離を判定して、前記第1蓄電装置の異常の予兆を診断し、
    前記比較結果の乖離している蓄電装置が異常となる予測日もしくは予測期間を算出し、
    入力される稼動計画情報と、前記予測日もしくは前記予測期間とに基づき、異常の予兆のある前記蓄電装置を構成する少なくとも一つの蓄電素子の充電状態を高く設定するように、充放電制御を行うコントローラに制御信号を出力することを特徴とする蓄電システム。
  7. 請求項5に記載の蓄電システムにおいて、
    前記異常予兆診断装置は、前記比較結果、または蓄電装置が異常となる予測日もしくは予測期間の時間情報、の少なくとも一方を外部に通知する蓄電システム。
  8. 1または複数の建設機械にそれぞれ設けられる、第1蓄電装置と当該第1蓄電装置の異常予兆診断を行う異常予兆診断装置とを有する蓄電システムと、
    前記蓄電システムの異常予兆診断装置でそれぞれ診断される各建設機械の診断結果を蓄積する外部管理装置と、を有する異常予兆診断システムであって、
    前記異常予兆診断装置は、
    前記第1蓄電装置を計測して得られた測定情報を用いて、前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の実測劣化状態を算出し、
    前記第1蓄電装置の前記測定情報の履歴である稼動履歴情報を用いて、前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の推定劣化状態を算出し、
    異なる2手法により得られた前記第1蓄電装置の劣化状態を示す指標値である前記第1蓄電装置の実測劣化状態および前記第1蓄電装置の推定劣化状態を比較した前記第1蓄電装置の比較結果を算出し、前記建設機械以外の他の建設機械のそれぞれに設けられるその他の蓄電装置に対する実測劣化状態と推定劣化状態とを比較した前記その他の蓄電装置の比較結果を算出し、前記第1蓄電装置の比較結果と前記その他の蓄電装置の比較結果との間の乖離を判定することで、前記第1蓄電装置の異常の予兆を診断し、
    前記外部管理装置は、
    前記1または複数の建設機械にそれぞれ設けられる蓄電システムの異常予兆診断装置で診断される結果を蓄積するとともに、外部からの要求に従い、当該外部に対応した建設機械に関する診断結果を返信する、
    ことを特徴とする異常予兆診断システム。
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