JP2015102396A - 蓄電池劣化検出システムおよびその方法、ならびにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】異常劣化予兆のある蓄電池を検出可能にする。
【解決手段】測定処理部は、複数の蓄電池のそれぞれから複数のパラメータの測定値を取得する。離散化部は、複数のパラメータからなる空間を分割した各領域のいずれに複数の測定値が属するかに応じて離散化情報を付与する。第1記憶部は蓄電池ごとに、付与された離散化情報の順序を表す離散化情報列を記憶する。劣化指標計算部は、測定部により測定された複数の測定値の少なくとも1つに基づき、蓄電池の劣化指標を計算する。判断部は、蓄電池の劣化指標が標準劣化基準を満たすかを判断する。第2記憶部は、劣化指標が標準劣化基準を満たさないと判断された蓄電池のリストを記憶する。抽出部は、前記リストに示される蓄電池の離散化情報列間に共通する離散化情報の出現パターンである共通劣化予兆パターンを抽出する。
【選択図】図1
【解決手段】測定処理部は、複数の蓄電池のそれぞれから複数のパラメータの測定値を取得する。離散化部は、複数のパラメータからなる空間を分割した各領域のいずれに複数の測定値が属するかに応じて離散化情報を付与する。第1記憶部は蓄電池ごとに、付与された離散化情報の順序を表す離散化情報列を記憶する。劣化指標計算部は、測定部により測定された複数の測定値の少なくとも1つに基づき、蓄電池の劣化指標を計算する。判断部は、蓄電池の劣化指標が標準劣化基準を満たすかを判断する。第2記憶部は、劣化指標が標準劣化基準を満たさないと判断された蓄電池のリストを記憶する。抽出部は、前記リストに示される蓄電池の離散化情報列間に共通する離散化情報の出現パターンである共通劣化予兆パターンを抽出する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、蓄電池劣化検出システムおよびその方法、ならびにプログラムに関する。
数千から数万個の蓄電池から構成される蓄電池システムでは、各蓄電池に発生する劣化現象の影響を考慮しつつ、全体の電力品質を維持する制御が必要となる。
従来では、蓄電池について所定の水準を超える劣化(異常劣化)の発生が検出されると、当該蓄電池を蓄電池システムから切り離したり、当該蓄電池の劣化を考慮したバランス処理を行ったりしていた。いずれも、蓄電池の劣化が検出された後に事後的に行う対応であって、全体の電力品質の維持が困難であった。異常劣化予兆のある蓄電池を検出して、事前に蓄電池システムから切り離すなどの予防的な対応ができれば、全体の電力品質をより適正に維持できると考えられる。
本発明の実施形態は、異常劣化予兆のある蓄電池を検出可能にすることを目的とする。
本発明の実施形態としての蓄電池劣化検出システムは、測定処理部と、離散化部と、第1記憶部と、劣化指標計算部と、判断部と、第2記憶部と、抽出部とを備える。
前記測定処理部は、複数の蓄電池のそれぞれから複数のパラメータの測定値を取得する。
前記離散化部は、複数のパラメータからなる空間を分割した各領域のいずれに前記測定部により測定された複数の測定値が属するかに応じて、前記蓄電池に離散化情報を付与する。
前記第1記憶部は、前記蓄電池毎に前記離散化部により付与された離散化情報の順序を表す離散化情報列を記憶する。
前記劣化指標計算部は、前記測定部により測定された複数の測定値の少なくとも1つに基づき、前記蓄電池の劣化指標を計算する。
前記判断部は、前記蓄電池の劣化指標が標準劣化基準を満たすかを判断する。
前記第2記憶部は、前記劣化指標が標準劣化基準を満たさないと判断された蓄電池のリストを記憶する。
前記抽出部は、前記リストに示される蓄電池の離散化情報列間に共通する離散化情報の出現パターンである共通劣化予兆パターンを抽出する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る蓄電池劣化検出システムと、これに接続される蓄電池を示す。
本システムは、大きく、蓄電池の異常劣化兆候を検出するモデル(有限状態遷移機械)を生成する学習プロセスに関わる構成と、学習プロセスで生成された有限状態遷移機械を用いて蓄電池の監視を行う監視プロセスに関わる構成を有する。まず、学習プロセスに関わる構成および動作を中心に説明し、その後、監視プロセスに関わる構成および動作を説明する。
(学習プロセスに関わる構成および動作)
充放電制御部10は、本システムに接続された監視対象となる蓄電池の充電または放電またはこれらの両方(以下充放電)を制御する。監視対象となる蓄電池は、1つの単独した蓄電池でもよいし、複数(たとえば数千以上)の蓄電池を持つ蓄電池システムのうちの1つの蓄電池であってもよい。以下では、蓄電池システムの個々の蓄電池を順次切り替えて、図1のシステムと接続して、学習プロセスを行う状況を想定する。また、学習プロセス後、蓄電池システムの個々の蓄電池を順次切り替えて、監視プロセスを行う状況を想定する。
充放電制御部10は、本システムに接続された監視対象となる蓄電池の充電または放電またはこれらの両方(以下充放電)を制御する。監視対象となる蓄電池は、1つの単独した蓄電池でもよいし、複数(たとえば数千以上)の蓄電池を持つ蓄電池システムのうちの1つの蓄電池であってもよい。以下では、蓄電池システムの個々の蓄電池を順次切り替えて、図1のシステムと接続して、学習プロセスを行う状況を想定する。また、学習プロセス後、蓄電池システムの個々の蓄電池を順次切り替えて、監視プロセスを行う状況を想定する。
制御部20は、充放電制御部10の充放電を制御する。たとえば定電流の充電または放電を行う。また、制御部20は、劣化指標計算部9を用いて、蓄電池の充放電時に、測定処理部1(電流測定部2、電圧測定部3、SOC(State Of Charge)測定部4、および温度測定部5)により測定される各種測定値に基づき、蓄電池の劣化指標を計算する。
測定処理部1は、図示しない接続部を介して蓄電池に接続され、蓄電池の充放電中に、蓄電池に関する複数のパラメータの測定値を取得する。測定処理部1は、電流測定部2は、電圧測定部3は、SOC測定部4は、温度測定部5を含む。
電流測定部2は、蓄電池の充放電時に、蓄電池の電流を測定する。電流測定部2は、測定した電流値を、SOC測定部4、離散化情報算出部11および劣化指標計算部6に出力する。
電圧測定部3は、蓄電池の充放電時に、蓄電池の電圧を測定する。電圧測定部3は、測定した電圧値を、SOC測定部4、離散化情報算出部11および劣化指標計算部6に出力する。
SOC測定部4は、電流測定部2と電圧測定部3に接続され、電流測定部2と電圧測定部3により測定される電流値と電圧値に基づき、蓄電池のSOCを測定する。SOCは、蓄電池の充電量を示し、一般には満充電量に対する百分率で表される。SOC測定部4は、計算したSOCを離散化情報算出部11と劣化指標計算部6に出力する。なお、ここで述べたSOCの測定は一例であり、別の方法で測定しても構わない。
温度測定部5は、蓄電池の充放電時に蓄電池の温度を測定し、測定した温度値を、離散化情報算出部11および劣化指標計算部6に出力する。蓄電池の温度は、たとえば蓄電池に対して配置された温度センサから取得する。
充放電および測定方法として、例えば蓄電池の充電状態を一定レベル以下にし、その状態から充電が完了するまで充電を行い、その間の全区間または一部の区間、測定を行っても良い。また、蓄電池の状態を一定レベル以上にし、その状態から放電が完了するまで放電を行い、その間の全区間または一部の区間、測定を行っても良い。これらの場合、充放電区間内の特定の時刻の電圧、電流、温度を測定データとして採用してもよい。または充放電曲線を生成し、曲線の特徴点(例えば変曲点)における時刻の電圧、電流、温度を測定データとして採用してもよい。また、SOC値は、電圧、電流、温度、SOCを関連づけたテーブルから取得してもよい。測定方法自体は本実施形態の本質ではなく、任意の方法を用いればよい。
離散化情報算出部11は、電流測定部2、電圧測定部3、SOC測定部4、および温度測定部5により測定される電流値、電圧値、SOC値および温度値を含む測定データ(1回分の測定データ)を、所定の関数に基づき、一次元の値に離散化して、離散化情報を得る。離散化情報は、数値でもよいし、文字でもよいし、他の種類の値でもよい。所定の関数は、電流値、電圧値、SOC値および温度値からなるベクトル空間を複数の領域に分割可能な関数であればよい。たとえば入力に応じて正又は負の値をとる関数を複数用意する。関数の個数がnであれば、正負の組合せは最大でも2^n個となり、ベクトル空間を2^n個の領域に分割できることになる。
図4は、SOCと温度(図ではTと表記している)の2次元の測定データを、所定の関数により、文字(離散化情報)に変換する例を示している。ここでは、簡単のため、電流値、電圧値、SOC値および温度値の4次元の測定データではなく、SOCと温度の2次元の測定データを用いた例を示している。また、図では、ある蓄電池について、時間を隔てて(たとえば30日毎、半年毎など)測定して得た複数の測定データを、それぞれ文字に変換した例を示している。
図4において、2個の関数により、SOCと温度からなる空間を4つの領域(部分空間)に分割している。各領域に、「A」、「B」、「C」、「D」のうちの1つの文字が割り当てられている。SOC値と温度から2個の関数の値を求め、それらの値の正負に応じた領域に対応する文字を、離散化情報として割り当てる。
たとえば、ある時点で測定されたSOCと温度を含む測定データが、図示のデータ点P1に対応する場合、当該測定データは「C」に変換される。また、次の時点で測定されたSOCと温度を含む測定データが、データ点P2に対応する場合、当該測定データは「D」に変換される。同様にして、以降の他の各時期で測定された測定データに対応するデータ点P3〜P8に対して、それぞれ文字「A」「D」「C」「D」「C」「B」に変換される。
離散化情報列記憶部12は、蓄電池毎に、離散化情報算出部11により変換された離散化情報を内部に記憶する。蓄電池の測定を、時間を隔てて複数回行うことで、蓄電池ごとに複数の離散化情報が記録される。蓄電池毎に、記録された離散化情報を時系列に並べたものを離散化情報列と呼ぶ。図4に示した例では、ある蓄電池について、文字の列“CDADCDCB”が離散化情報列として記憶される。
劣化指標計算部6は、電流測定部2、電圧測定部3、SOC測定部4、および温度測定部5により測定される電流値、電圧値、SOC値および温度値の少なくとも1つを用いて、蓄電池について、所定の劣化指標を計算する。劣化指標としては、蓄電池の容量および蓄電池の内部抵抗でもよいし、充電時の温度上昇率、放電容量/充電容量比などのように、電池性能に直結する数値を定義して用いてもよい。劣化指標の計算は、既知の任意の方法を用いればよい。劣化指標の計算式は、劣化計算式記憶部7に事前に記憶されており、劣化指標計算部6は、劣化計算式記憶部7から必要な計算式を読み出すことで、劣化指標を計算する。
劣化判断部13は、劣化指標計算部6で計算された劣化指標に基づき、蓄電池が所定の水準を超える劣化(異常劣化)が起こっているか、すなわち標準劣化基準を満たすか否かを判断する。一例として、計算した劣化指標を、所定の標準劣化値と比較して差分を計算し、計算した差分が所定の閾値以上であれば(標準劣化基準を満たさない場合)、蓄電池は異常劣化していると判断する。劣化判断部13は、異常劣化していると判断した蓄電池の識別値(ID)を、異常劣化蓄電池ID記憶部14に出力する。劣化判断部13は、異常劣化していると判断した蓄電池のIDを外部に出力することで、オペレータに通知してもよい。オペレータは、当該蓄電池の交換、または蓄電池の切り離し作業などを行っても良い。標準劣化基準を満たすかどうかの判断として、上記の所定の閾値との比較以外の方法を用いてもよい。たとえば劣化指標の時系列の変化パターンが、予め用意した所定の異常劣化パターンに一致した場合に、異常劣化があると判断してもよい。
異常劣化蓄電池ID記憶部14は、劣化判断部13から入力された劣化蓄電池IDを内部に記憶する。
共通劣化要因抽出部15は、異常劣化蓄電池ID記憶部14に記憶された蓄電池IDの個数が所定の閾値より大きいかを判断する。共通劣化要因抽出部15は、所定の閾値より大きい場合に、共通劣化要因抽出処理を行う。
共通劣化要因抽出処理では、異常劣化蓄電池ID記憶部14に記憶されている蓄電池IDのリストを読み出し、各蓄電池IDに対応する離散化情報列を離散化情報列記憶部12から読み出す。蓄電池IDリストから1つの蓄電池IDを任意に選択し、選択した蓄電池IDの離散化情報列に対し、予め定義された類似度を、他の蓄電池の離散化情報列との間で計算する。
類似度の計算方法は任意でよいが、一例として離散化情報間の距離を定義し、その逆数の総和を類似度とすることができる。この場合の計算式を下記に式(1)として示す。蓄電池iとjの離散化情報列をti、tjとし、sik、sjkをそれぞれのk番目に測定された離散化情報としている。また、離散化情報間の距離関数をd_charと表している。また距離関数d_charは、たとえばsiとsjと距離とを対応づけた表の形式で、事前に与えられているものとする。
式(1)、式(2)以外の計算方法で類似度を計算してもよい。
共通劣化要因抽出部15は、上記で選択した蓄電池IDに対し、閾値以上の類似度を有する蓄電池群を特定する。
たとえば、3つの蓄電池(蓄電池1、2、3とする)を考える。各蓄電池の離散化情報列は以下であるとする。
蓄電池1:AAABB
蓄電池2:ABDBC
蓄電池3:AAABC
蓄電池毎に、左から順番に時系列に離散化情報が並べられている。各蓄電池の使用開始時からの経過時間が概ね同じで、同じ位置の離散化情報の算出時期が同じであってもよい。あるいは、各蓄電池の使用開始時からの経過時間や、各離散化情報の算出時期が異なっても良い。離散化情報の算出間隔はたとえば30日毎、半年毎など、蓄電池毎に概ね同じであってもよい。
蓄電池2:ABDBC
蓄電池3:AAABC
蓄電池毎に、左から順番に時系列に離散化情報が並べられている。各蓄電池の使用開始時からの経過時間が概ね同じで、同じ位置の離散化情報の算出時期が同じであってもよい。あるいは、各蓄電池の使用開始時からの経過時間や、各離散化情報の算出時期が異なっても良い。離散化情報の算出間隔はたとえば30日毎、半年毎など、蓄電池毎に概ね同じであってもよい。
関数d_charは、離散化情報が一致なら1、不一致なら0を返す関数とする。また、類似度の計算式は(2)を用いとする。
蓄電池1が、上記で選択した蓄電池であり、所定の閾値が3であれば、蓄電池3が、閾値以上の類似度を有するとして抽出される。
上述した例では類似度の算出の際、蓄電池間でそれぞれの離散化情報列の先頭を一致させていたが、別の方法で、蓄電値間で離散化情報列の位置合わせを行っても良い。例えば、各蓄電池の使用開始からの時間を特定可能な情報を離散化情報に測定毎に付与しておき、蓄電池1の所定位置(例えば先頭位置)の離散化情報の算出時期と最も近い算出時期を有する離散化情報を、比較する蓄電池の離散化情報列から特定し、特定した離散化情報の位置と上記蓄電池の所定位置を一致させるよう、両蓄電池間で離散化情報列の位置合わせを行っても良い。あるいは、さらに他の例として、比較する蓄電池間で離散化情報列の位置を1要素(離散化情報)ずつずらしながら類似度を計算し、最も高い類似度を採用してもよい。
共通劣化要因抽出部15は、選択した蓄電池に対して、閾値以上の類似度を有する蓄電池をすべて特定する。共通劣化要因抽出部15は、これらの選択および特定した蓄電池の離散化情報列群に基づき、予め定めた条件に従って、これらに共通して現れる離散化情報の出現パターンを、共通劣化予兆パターン(共通パターン)として抽出する。共通劣化予兆パターンは、異常劣化した蓄電池群に共通した使われ方と環境を表しているといえる。なお、共通劣化要因抽出部15は、共通劣化予兆パターンを抽出したら、上記の選択した蓄電池に対して、共通劣化予兆パターンを抽出したことを示すフラグを設定してもよい。なお、本実施形態の変形例として、類似度の算出を行うことなく、蓄電池IDリストに載っているすべての蓄電池の離散化情報列群を対象に、共通劣化予兆パターンの抽出を行っても良い。
ここで、共通劣化予兆パターンの抽出方法は、公知の手法を用いて行うことができる。超大な文字列パターンの大量の集合から、共通パターンを抽出するアルゴリズムは、データマイニングと呼ばれる技術分野ではアプリオリ(apriori)アルゴリズムして知られている。このようなアルゴリズムは、たとえば文献(福田剛士ほか著「データマイニング」共立出版 2001 ISBN: 4320120027)に詳しく記載されている。本実施形態の共通劣化予兆パターンの抽出にも、当該文献等に記載されている公知の手法を利用可能である。
共通パターンの抽出例として、最長一致パターンの抽出がある。たとえば、前述した例において、類似すると判断された蓄電池1、3の場合、蓄電池1、3の離散化情報列は、それぞれ
蓄電池1:AAABB
蓄電池3:AAABC
である。よって、蓄電池1、3の共通劣化予兆パターンは以下となる。
共通劣化予兆パターン:AAAB
蓄電池1:AAABB
蓄電池3:AAABC
である。よって、蓄電池1、3の共通劣化予兆パターンは以下となる。
共通劣化予兆パターン:AAAB
パターンのサイズに下限値を設け、共通劣化予兆パターンのサイズは、下限値以上の長さを有することを制約としてもよい。
なお、上述した例では、抽出された最長一致パターンは、各蓄電池の離散化情報列内で同じ位置に存在するが(絶対位置が同じ)、これに限定されるものではない。たとえば、蓄電池X:CAAABB、蓄電池Y:AAABCDの場合も、最長一致パターンとしてAAABを抽出する構成も可能である。
最長一致パターン以外の例として、たとえば離散化情報(文字)の種類の出現パターンでもよい。たとえば、蓄電池1の離散化情報列AAABBの場合、文字の種類の出現パターンはABであり、蓄電池2の離散化情報列AAABCの場合、文字の種類の出現パターンはABCである。この場合、ABが両者で共通するため、当該ABを共通劣化予兆パターンとして抽出する。この場合も、パターンのサイズに下限値を設け、下限値以上の長さを有する最長パターンのみ抽出してもよい。
共通劣化要因出力部16は、共通劣化要因抽出部15で抽出された共通劣化予兆パターンを外部に出力する。たとえば、共通劣化予兆パターンを記憶装置に格納したり、表示装置に出力したり、予め指定された装置にネットワークを介して送信する。
状態遷移機械生成部19は、共通劣化要因抽出部15で抽出された共通劣化予兆パターンと、蓄電池のパラメータ空間を分割した各領域に対応する離散化情報の集合に基づき、与えられた離散化情報列から共通劣化予兆パターンを検出するための有限状態遷移機械を生成する。
この有限状態遷移機械は、複数の状態と、状態間の遷移からなり、当該複数の状態のうちの2つは、初期状態と受理状態(最終状態)である。各遷移には、離散化情報が対応づけられている。有限状態遷移機械は、初期状態から開始し、離散化情報が入力されるごとに状態を遷移させる。有限状態遷移機械は、共通劣化予兆パターンを含む離散化情報列が与えられた場合には、共通劣化予兆パターン内の最後の離散化情報が入力されると、受理状態に到達するように構成されている。受理状態に到達した場合を、蓄電池の異常劣化の予兆が発生したと見なすことで、異常劣化予兆検出の診断器として、有限状態遷移機械を活用することができる。
所定のパターンを含むパターンが与えられた場合に受理状態に達する有限状態遷移機械を生成する方法は、正規表現から有限状態遷移機械を得る方法に類する古典技術であり、公知の種々の文献がある。一例として、文献(富田他著「オートマトン・言語理論」森北出版 1992 ISBN: 4627805500)がある。
一例として、共通劣化予兆パターンが上記の「AAAB」であり、離散化情報の集合が図4に示した{A、B、C、D}であるとする。このとき、共通劣化予兆パターンを検出する有限状態遷移機械は図5のようになる。なお一般に同じ共通劣化予兆パターンを検出可能な有限状態機械は複数個あり,図5もその1つの実現例である. 有限状態遷移機械の初期状態はq1、受理状態はq5である。初期状態q1から開始し、離散化情報が1つ入力されるごとに、状態を遷移させる。「AAAB」を含む離散化情報列が与えられた場合、「AAAB」の「B」が入力された時点で、受理状態q5に遷移する。
状態遷移機械生成部19は、生成した有限状態遷移機械を、共通劣化要因検査部17へ送る。共通劣化要因検査部17は、状態遷移機械生成部19から受信した有限状態遷移機械を内部、またはアクセス可能な記憶部に格納する。
上述した説明では、共通劣化要因抽出部15は、蓄電池IDのリストから1つの蓄電池IDを選択して、1つの共通劣化予兆パターンを生成し、状態遷移機械生成部19では有限状態遷移機械を生成した。同様にして、蓄電池IDのリスト内の他の蓄電池IDを順次選択して、それぞれ共通劣化予兆パターンを生成し、状態遷移機械生成部19で有限状態遷移機械をそれぞれ生成してもよい。共通劣化予兆パターンを生成するごとに、選択した蓄電池のIDに対して、共通劣化予兆パターンを生成したことを表すフラグを設定してもよい。
(監視プロセスに関わる構成および動作)
制御部20は、充放電制御部10を用いて、監視対象とする蓄電池に対し充放電を行う。本プロセスで監視対象とする蓄電池は、学習プロセスで異常劣化があると判断された蓄電池以外の蓄電池であるとする。ただし、学習プロセスで異常劣化があると判断された蓄電池を対象に充放電を行うことも可能である。
制御部20は、充放電制御部10を用いて、監視対象とする蓄電池に対し充放電を行う。本プロセスで監視対象とする蓄電池は、学習プロセスで異常劣化があると判断された蓄電池以外の蓄電池であるとする。ただし、学習プロセスで異常劣化があると判断された蓄電池を対象に充放電を行うことも可能である。
電流測定部2、電圧測定部3、SOC測定部4、温度計算部5は、蓄電池の電流、電圧、SOC、温度を測定し、測定した電流値、電圧値、SOC値および温度値を離散化情報算出部11に送る。
なお、充放電制御部10を使用せずに、蓄電池の測定を行う方法も可能である。例えば、蓄電池が搭載されているシステムを通常動作させ、通常動作している状態での蓄電池に対し、測定を行っても良い。
離散化情報算出部11は、各測定部から入力された電流値、電圧値、SOC値および温度値を含む測定データを、前述した所定の関数を用いて、文字等の離散化情報に変換する。離散化情報算出部11は、変換した離散化情報を離散化情報列記憶部20に送る。
離散化情報列記憶部20は、離散化情報算出部11から入力された離散化情報を、当該監視対象となる蓄電池のIDに対応づけて記憶する。監視用離散化情報列記憶部20は、監視対象となる蓄電池ごとに、入力された離散化情報を入力順に並べた離散化情報列を記憶する。離散化情報列は、当該蓄電池に対して付与された離散化情報の順序を表している。入力された離散化情報に対し、現在時刻の情報を付与して、離散化情報が得られた時刻の履歴を管理してもよい。
共通劣化要因検査部17は、学習プロセスで生成した有限状態遷移機械と、離散化情報列記憶部20内の監視対象となる蓄電池の離散化情報列に基づき、監視対象となる蓄電池に異常劣化兆候があるかを検査する。具体的に、監視対象となる蓄電池の離散化情報列に基づき有限状態遷移機械を逐次遷移させて状態を確認し、最後の遷移が終わるまでに、受理状態に達した場合は、異常劣化兆候があると判断する。最後の遷移が終わった時点で受理状態に達しない場合は、異常劣化兆候がないと判断する。共通劣化要因検査部17は、異常劣化兆候があると判断した蓄電池のIDを、蓄電池遮断部18および蓄電池ID出力部21に出力する。なお、共通劣化要因検査部17は、監視対象となる蓄電池のIDを制御部20あるいは離散化情報算出部11等から通知されることで、監視対象となる蓄電池を特定してもよい。
蓄電池遮断部18は、共通劣化要因検査部17から受け取ったIDの蓄電池を回路遮断などによって電気的にシステムから切り離す。当該システムは多数の蓄電池を含む蓄電池システムでもよいし、当該蓄電池を駆動源として1つ含むようなシステムでもよい。前者の蓄電池システムの場合、蓄電池システムの全体の電力品質を維持する自動制御が可能となる。また、前者および後者の両方の場合において、大事故の原因となり得る異常劣化の予兆を示す蓄電池を切り離すことで、よりシステムの安全性を高めることができる。
蓄電池ID出力部21は、共通劣化要因検査部17から通知された蓄電池のIDを出力する。たとえば、蓄電池IDを記憶装置に格納したり、表示装置に出力したり、予め指定された装置にネットワークを介して送信する。これにより、蓄電池システムから切り離された蓄電池を、図1のシステムのオペレータ等に通知できる。なお、蓄電池遮断部18による切り離しを行わずに、蓄電池ID出力部21から通知を受けたオペレータが、個別に蓄電池の状態の検査、蓄電池の交換、または蓄電池の切り離し作業などを行っても良い。
図2は、本実施形態に係る学習プロセスの処理のフローチャートである。
(ステップST1)制御部20が、充放電制御部10に充放電の指示信号を出力し、充放電制御部10が、蓄電池の充放電を行う。電流測定部2、電圧測定部3、SOC測定部4、温度計算部5がそれぞれ、蓄電池の充放電の間、電流、電圧、SOC、温度を測定する。離散化情報算出部11が、これらの測定値を1つの離散化情報に変換する。変換された離散化情報は、離散化情報列記憶部12において、当該蓄電池の離散化情報列の末尾に追加される。
(ステップST2)劣化指標計算部9が、電流測定部2、電圧測定部3、SOC測定部4、温度計算部5により測定された測定値のうちの少なくとも1つに基づき、劣化指標を計算する。
(ステップST3)劣化判断部13は、劣化指標計算部9により計算された劣化指標値と、標準指標値を比較し、これらの差が閾値より大きいかを判断する。
(ステップST4)当該差が閾値以下のときは、何も行わず、閾値より大きいときは、当該蓄電池のIDを異常劣化蓄電池ID記憶部14に格納する。
監視対象とするすべての蓄電池について、ステップST1〜ST4の処理を繰り返す。
(ステップST5)共通劣化要因抽出部15が、異常劣化蓄電池ID記憶部14に記憶されている蓄電池IDの個数を調べ、蓄電池IDの個数が所定値より大きいかを判断する。蓄電池IDの個数が所定値以下のときは、本学習プロセスを終了する。
(ステップST6)蓄電池IDの個数が所定値より大きいときは、共通劣化要因抽出部15が、異常劣化蓄電池ID記憶部14から蓄電池IDのリストを読み出す。変形例として、蓄電池IDの個数が所定値より大きく、かつ前回の蓄電池IDの個数よりも大きいことを条件としてもよい。この場合、蓄電池IDの個数が増えたときのみ、以降のステップを実行するように制御できる。
(ステップST7)共通劣化要因抽出部15は、離散化情報列記憶部12から、当該リスト内の各蓄電池の離散化情報列を読み出し、離散化情報列の類似度が高い蓄電池の集合を特定する。一例として、前述したように、リストから1つの蓄電池を選択し、選択した蓄電池の離散化情報列と類似度が高い離散化情報列を有する蓄電池を検出し、これらの選択および検出した蓄電池群を特定する。リスト内の他の蓄電池も順次選択して同様の処理を行っても良い。
(ステップST8)共通劣化要因抽出部15は、特定した蓄電池群の離散化情報列の集合から、予め指定された条件に従って、これらに共通して含まれる離散化情報の出現パターンである共通劣化予兆パターンを抽出する。
(ステップST9)状態遷移機械生成部19は、与えられた離散化情報列に共通劣化予兆パターンが含まれるかを検出する有限状態遷移機械を生成する。
(ステップST10)状態遷移機械生成部19は、生成した有限状態遷移機械を共通劣化要因検査部17または予め指定された記憶装置に送る。共通劣化要因検査部17は、状態遷移機械生成部19から有限状態遷移機械を受けた場合は、この有限状態遷移機械を内部またはアクセス可能な記憶装置に記憶する。
なお、ステップST7において、以前に、共通劣化兆候パターン(有限状態遷移機械)が生成された蓄電池は、選択の対象から除外してもよいし、選択の対象に含める構成も可能である。選択の対象に含めても、蓄電池IDの個数が前回よりも大きいことをステップST6で制約条件とすれば、以前と異なる有限状態遷移機械が生成される可能性がある。選択した蓄電池IDが、過去に選択した蓄電池IDと同じ場合は、今回生成された有限状態遷移機械によって、前回生成された有限状態遷移機械を更新してもよい。あるいは、前回の有限状態遷移機械を削除することなく、今回生成された有限状態遷移機械を新たに追加してもよい。
図3は、本実施形態に係る監視プロセスの処理のフローチャートである。
(ステップST11)制御部20が、充放電制御部10に充放電の指示信号を出力し、充放電制御部10が、監視対象となる蓄電池の充放電を行い、電流測定部2、電圧測定部3、SOC測定部4、温度計算部5がそれぞれ電流、電圧、SOC、温度を測定する。または、充放電制御部10を使用せずに測定を行う方法も可能である。例えば、蓄電池が搭載されているシステムを通常動作させ、通常動作している状態での蓄電池に対し測定を行っても良い。なお、監視対象となる蓄電池は、学習プロセスで異常劣化があると判断された蓄電池以外の蓄電池であるとする。
(ステップST12)離散化情報算出部11は、これらの測定値を1つの離散化情報に変換し、変換された離散化情報は、離散化情報列記憶部12において、当該蓄電池の離散化情報列に追加する。
(ステップST13)共通劣化要因検査部17は、当該監視対象となる蓄電池の離散化情報列を離散化情報列記憶部12から読み出し、読み出した離散化情報列に従って、学習プロセスで生成した有限状態遷移機械の状態を初期状態から遷移させる。
(ステップST14)共通劣化要因検査部17は、有限状態遷移機械が受理状態に達したかを判断する。受理状態に達しなかった場合は、次の監視対象とする蓄電池に対し、ステップST11から再度処理を実行する。
(ステップST15)受理状態に達した場合は、共通劣化要因検査部17は、蓄電池遮断部18に、当該蓄電池のIDを送信する。なお、当該蓄電池IDを蓄電池ID出力部21に送信し、蓄電池ID出力部21は、当該蓄電池IDを外部に出力してもよい。
(ステップST16)蓄電池遮断部18は、共通劣化要因検査部1から受け取った蓄電池IDに対応した蓄電池を、回路遮断などによって電気的にシステムから切り離す。
ステップST13〜ST16は、複数の有限状態遷移機械が存在するときは、各有限状態遷移機械について行う。
またステップST11〜ST16は、監視対象とするすべての蓄電池について繰り返し行う。
本実施形態では、共通劣化要因検査部17は、有限状態遷移機械を用いて、離散化情報列に共通劣化兆候パターンが含まれているかの検査を行ったが、有限状態遷移機械を用いない方法も可能である。この場合、共通劣化要因抽出部15が、抽出した共通劣化兆候パターンを共通劣化要因検査部17に送り、共通劣化要因検査部17は、受け取った共通劣化兆候パターンを内部またはアクセス可能な記憶装置に格納する。監視プロセスでは、離散化情報列記憶部から読み出した離散化情報列に共通劣化兆候パターンが含まれているかを検査すればよい。有限状態遷移機械を用いる場合よりも計算量が多くなるものの、計算資源に余裕がある場合は、この方法も可能である。
以上、本実施形態によれば、異常劣化があると判断された蓄電池群の離散化情報列に基づき、これらに共通する共通劣化兆候パターンを検出し、対象となる蓄電池の離散化情報列に当該共通劣化兆候パターンが含まれるか否かを検査することにより、当該蓄電池に異常劣化の予兆があるか否かを推定できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、2つの蓄電池間の離散化情報列の類似度を計算する場合、離散化情報ごとに両者間で距離の計算を行ったため、離散化情報列のサイズ(要素数)が増大すると、類似度の計算量が増大する。
第1の実施形態では、2つの蓄電池間の離散化情報列の類似度を計算する場合、離散化情報ごとに両者間で距離の計算を行ったため、離散化情報列のサイズ(要素数)が増大すると、類似度の計算量が増大する。
そこで、本実施形態では、類似度の計算量を抑制する手法を提案する。
例えば、3つの蓄電池の離散化情報列が、下記に示されるものであるとする。
蓄電池1:AAABB
蓄電池2:ABDBC
蓄電池3:AAABC
このとき、任意の2つの蓄電池間での離散化情報列の類似度は以下の行列で示される。
蓄電池1:AAABB
蓄電池2:ABDBC
蓄電池3:AAABC
このとき、任意の2つの蓄電池間での離散化情報列の類似度は以下の行列で示される。
この状態で、今回、各蓄電池1、2、3の測定が行われ、今回、以下の離散化情報が得られたとする。
蓄電池1:A
蓄電池2:C
蓄電池3:A
上記の今回の測定で得られた離散化情報に基づき、前述した距離関数に基づき、測定値行列を生成する。距離関数は、2つの蓄電池間で、離散化情報が一致すれば1、不一致ならば0である。測定値行列は、2つの蓄電池間の距離を示す。
蓄電池1:A
蓄電池2:C
蓄電池3:A
上記の今回の測定で得られた離散化情報に基づき、前述した距離関数に基づき、測定値行列を生成する。距離関数は、2つの蓄電池間で、離散化情報が一致すれば1、不一致ならば0である。測定値行列は、2つの蓄電池間の距離を示す。
このように、類似度を逐次的に計算することで、測定期間が長期にわたることで離散化情報列のサイズが増大した場合でも、類似度の計算量を抑制できる。
なお、第1および第2の実施形態で生成した有限状態遷移機械、測定処理部、充放電制御部、離散化情報算出部、離散化情報列記憶部、共通劣化要因検査部、蓄電池遮断部、蓄電池ID出力部21等の機能を、蓄電池が搭載されているシステムに搭載してもよい。この場合の構成を図6に示す。図6の蓄電池劣化検出システムは上記の各ブロックに加え、有限状態遷移機械を記憶する状態遷移機械記憶部22を備える。共通劣化要因検査部17は状態遷移機械記憶部22から有限状態遷移機械を読み出して、離散化情報列記憶部12に記憶された離散化情報列に対して、有限状態遷移機械に基づき、劣化兆候の有無の検出を行う。各ブロックの動作は、図1と同様に動作であるため、説明は省略する。この構成により、蓄電池が搭載されているシステム内で、蓄電池の劣化予兆検出を行うことができる。図6では、蓄電池を1つのみ示しているが、複数の蓄電池が存在し、各蓄電池を個別に充放電制御および測定処理できる構成でもよい。なお、状態遷移機械記憶部22を図1のシステムに追加してもよい。
図1または図6に示したシステムは、例えば、図7に示すように、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。このコンピュータ装置200は、バス201に制御部(プロセッサ)202、主記憶部(メモリ)203、ハードディスク等の補助記憶部204が接続されている。また外部IF205を介して記憶媒体206が接続され、入出力IF207を介して入力部51または出力部52に接続可能になっている。システムの各処理ブロックは、上記のコンピュータ装置に搭載されたプロセッサ202にプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき、システムは、上記のプログラムをコンピュータ装置の主記憶部203または補助記憶部204にあらかじめインストールすることで実現してもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体206に記憶して、あるいはネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に適宜インストールすることで実現してもよい。また、システム内の各記憶部は、上記のコンピュータ装置に内蔵あるいは外付けされた主記憶部203、補助記憶部204もしくはCD−R、CD−RW、DVD−RAM、DVD−Rなどの記憶媒体206などを適宜利用して実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
Claims (11)
- 複数の蓄電池のそれぞれから複数のパラメータの測定値を取得する測定処理部と、
複数のパラメータからなる空間を分割した各領域のいずれに前記測定部により測定された複数の測定値が属するかに応じて、前記蓄電池に離散化情報を付与する離散化部と、
前記蓄電池毎に前記離散化部により付与された離散化情報の順序を表す離散化情報列を記憶する第1記憶部と、
前記測定部により測定された複数の測定値の少なくとも1つに基づき、前記蓄電池の劣化指標を計算する劣化指標計算部と、
前記蓄電池の劣化指標が標準劣化基準を満たすかを判断する判断部と、
前記劣化指標が標準劣化基準を満たさないと判断された蓄電池のリストを記憶する第2記憶部と、
前記リストに示される蓄電池の離散化情報列間に共通する離散化情報の出現パターンである共通劣化予兆パターンを抽出する抽出部と
を備えた蓄電池劣化検出システム。 - 前記抽出部は、前記リストに示される蓄電池の離散化情報列間の類似度を計算し、前記類似度に応じて前記リストから複数の蓄電池を特定し、特定した蓄電池の離散化情報列から前記共通劣化予兆パターンを抽出する
請求項1に記載の蓄電池劣化検出システム。 - 前記複数の蓄電池のうち前記リストに載っていない第1の蓄電池の離散化情報列を取得し、前記第1の蓄電池の離散化情報列に前記共通劣化予兆パターンが含まれているかを検査する検査部
をさらに備えた請求項1に記載の蓄電池劣化検出システム。 - 前記蓄電池劣化検出システムは、前記第1の蓄電池を搭載したシステムに接続しており、
前記検査部により前記共通劣化予兆パターンが含まれていると判断された場合は、前記第1の蓄電池を、前記第1の蓄電池を搭載したシステムから電気的に遮断する蓄電池遮断部
をさらに備えた請求項2ないし3のいずれか一項に記載の蓄電池劣化検出システム。 - 前記検査部により前記共通劣化予兆パターンが含まれていると判断された場合は、前記第1の蓄電池の識別情報を外部に出力する出力部
をさらに備えた請求項2ないし4のいずれか一項に記載の蓄電池劣化検出システム。 - 前記共通劣化予兆パターンと、前記空間を分割した各領域に対応する離散化情報に基づき、複数の状態と、離散化情報に関連づけられる複数の遷移とを有し、任意の状態から前記共通劣化予兆パターンに応じて遷移させられると受理状態に到達する有限状態遷移機械を生成する生成部
をさらに備えた請求項1に記載の蓄電池劣化検出システム。 - 前記複数の蓄電池のうち前記リストに載っていない第1の蓄電池の離散化情報列を取得し、取得した離散化情報列に基づき、前記有限状態遷移機械を遷移させ、受理状態に達したか否かを検査する検査部
をさらに備えた請求項6に記載の蓄電池劣化検出システム。 - 前記蓄電池劣化検出システムは、前記第1の蓄電池を搭載したシステムに接続しており、
前記有限状態遷移機械が前記受理状態に達した場合、前記第1の蓄電池を、前記第1の蓄電池を搭載したシステムから電気的に遮断する蓄電池遮断部
をさらに備えた請求項6ないし8のいずれか一項に記載の蓄電池劣化検出システム。 - 前記有限状態遷移機械が前記受理状態に達した場合、前記第1の蓄電池の識別情報を外部に出力する出力部
をさらに備えた請求項6ないし7のいずれか一項に記載の蓄電池劣化検出システム。 - 複数の蓄電池のそれぞれから複数のパラメータの測定値を取得する測定処理ステップと、
複数のパラメータからなる空間を分割した各領域のいずれに前記測定ステップにより測定された複数の測定値が属するかに応じて、前記蓄電池に離散化情報を付与する離散化ステップと、
前記蓄電池毎に前記離散化ステップにより付与された離散化情報の順序を表す離散化情報列を第1記憶部に記憶するステップと、
前記測定ステップにより測定された複数の測定値の少なくとも1つに基づき、前記蓄電池の劣化指標を計算する劣化指標計算ステップと、
前記蓄電池の劣化指標が標準劣化基準を満たすかを判断する判断ステップと、
前記劣化指標が標準劣化基準を満たさないと判断された蓄電池のリストを第2記憶部の記憶するステップと、
前記リストに示される蓄電池の離散化情報列間に共通する離散化情報の出現パターンである共通劣化予兆パターンを抽出する抽出ステップと、
を備えた蓄電池劣化検出方法。 - 複数の蓄電池のそれぞれから複数のパラメータの測定値を取得する測定処理ステップと、
複数のパラメータからなる空間を分割した各領域のいずれに前記測定ステップにより測定された複数の測定値が属するかに応じて、前記蓄電池に離散化情報を付与する離散化ステップと、
前記蓄電池毎に前記離散化ステップにより付与された離散化情報の順序を表す離散化情報列を第1記憶部に記憶するステップと、
前記測定ステップにより測定された複数の測定値の少なくとも1つに基づき、前記蓄電池の劣化指標を計算する劣化指標計算ステップと、
前記蓄電池の劣化指標が標準劣化基準を満たすかを判断する判断ステップと、
前記劣化指標が標準劣化基準を満たさないと判断された蓄電池のリストを第2記憶部の記憶するステップと、
前記リストに示される蓄電池の離散化情報列間に共通する離散化情報の出現パターンである共通劣化予兆パターンを抽出する抽出ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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