JP7232932B2 - Ws-635及び医学におけるその使用 - Google Patents

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Description

本発明は、医学の分野に属する。具体的には、患者における術後認知機能障害(POCD)を予防、管理、治療、又は軽減するための医薬の製造における(3S,6S,9S,12R,15S,18S,21S,24S,27R,30S,33S)-27-((2-(ジメチルアミノ)エチル)チオ)-30-エチル-33-((1R,2R,E)-1-ヒドロキシ-2-メチルヘキサ-4-エン-1-イル)-24-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-6,9,18-トリイソブチル-3,21-ジイソプロピル-1,4,7,10,12,15,19,25,28-ノナメチル-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカアザシクロトリトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオン(I)(WS-635、SCY-635としても知られる)の使用、及びその医薬組成物に関する。
WS-635(式(I)の化合物)は、インビトロでC型肝炎ウイルス(HCV)の複製に強力な抑制を示す、新規な非免疫抑制性シクロスポリン系アナログである。WS-635は、ナノモル濃度でシクロフィリンAのペプチジルプロリルイソメラーゼ活性を阻害したが、最大2μMまでの濃度では、カルシニューリンホスファターゼ活性の検出可能な阻害を示さなかった。代謝研究から、WS-635が、主要なチトクロムP450酵素1A2、2B6、及び3A4を誘導しないことが示された。WS-635は、P糖タンパク質の弱い阻害剤であり、ほとんど基質にはならない。刺激されたJurkat細胞及び刺激されたヒト末梢血単核細胞を用いた機能的アッセイは、WS-635が、シクロスポリンよりもインターロイキン-2の分泌に対してより弱い阻害剤であることを示した。一連の2剤併用研究が、インビトロで行われた。WS-635は、アルファインターフェロン2bと相乗的な抗ウイルス活性を示し、リバビリンと相加的な抗ウイルス活性を示した。WS-635は、複数の動物種で経口で生物学的に利用可能であることが示されており、バイシストロン性con1b由来レプリコンアッセイで決定された50%有効量を超える親薬剤の血中濃度及び肝臓中の濃度を達成した。これらの結果は、WS-635が、HCVに慢性的に感染している個体の治療のための新たな治療薬としての更なる研究に値することを示唆している。
毎年、世界中で3億1200万人を超える患者が麻酔下で手術を受けている。術後認知機能障害(POCD)は、老齢期の患者で最も一般的な術後合併症の1つである。それらは、長期に亘る罹患状態、死亡率、医療費、及び生活の質に対して独立した悪影響を及ぼす。
術後認知機能障害(POCD)は、全身麻酔を伴う心臓又は非心臓手術(例えば、人工股関節置換術)後の一般的な合併症であり、特に高齢者にみられる。POCDは、記憶力、注意力、及び情報処理速度の低下を含む障害である。それは、患者の術後の回復において慢性的であり重大であり得る。北米では年間250万超の係る外科手術があり、POCDの発生率は30%超である。
現在、多くの高齢患者が術後に認知機能の低下を経験しているという実質的な証拠がある。70歳を超える患者の人工膝関節全置換術に対する鎮静を伴う全身麻酔と硬膜外麻酔の前向き無作為化試験では、心理測定テストで評価した認知能力は、麻酔及び手術後6ヶ月の患者の4~6%で術前のベースラインよりも悪化した。別の大規模前向き対照国際試験では、術後3ヶ月の患者の9.9%に認知機能障害がみられたが、同様に障害があったのは同年齢の対照の約3%のみであった。75歳を超える患者のうち、14%が全身麻酔と手術後に持続的な認知機能障害を有していた。
更に、Wilderらによる最近の試験は、5000人を超える小児を調べ、麻酔に早期に曝露された小児は、学習障害を発症するリスクが高いことを報告した。麻酔投与とその後の学習に関連する結果との間の因果関係に直接的な証拠はないものの、学習障害の発症リスクは、麻酔への曝露の累積期間が長くなるにつれて上昇する。また、Kalkmanらによる別のパイロット試験は、2歳未満で手術と麻酔を受けた小児は、後年に逸脱行動を起こすリスクが高まる可能性があることを論じている。これらの知見は、麻酔が学習障害と逸脱行動のその後の発症の重要な危険因子となり得ることを論じている。
この痛ましい術後及び麻酔後の事象に対する適切な治療オプションは、依然として存在していない。新たな短時間作用型麻酔薬の登場でさえも、患者への麻酔後の影響を軽減しない。POCDの発症率は依然として高く、係る障害は、患者の術後実態にとって甚大な影響を及ぼすので、POCDの神経病因の発見、及びPOCDの治療的介入が、医療費の削減と生活の質の管理を改善するために緊急に必要となると考えられる。そのため、POCDを予防及び/又は治療するための簡単で効果的な方法が強く求められている。
以下は、本発明のいくつかの態様をまとめたものであるが、これらに限定されない。これらの態様及びその他の部分については、後により詳細に記載される。本明細書の文献はいずれも、参照によりその全体が本明細書中に援用される。本明細書の開示と引用文献との間に相違がある場合は、本明細書の開示が優先される。
研究開発プロセスにおいて、発明者らは、驚くべきことに、WS-635が、マウスのイソフルラン誘発性認知障害を有意に軽減できることを見出した。本発明者らは更に、WS-635が、術後認知機能障害(POCD)の治療に使用できることを調べた。術後認知機能障害治療剤の有効成分としてのWS-635は、免疫抑制作用がなく、毒性作用も少ない。更に、WS-635は、より優れた安定性、薬物動態などを有し、WS-635は、POCDの治療においてより効果的であることが早くも示されている。
具体的には、一態様において、本発明は、それを必要とする対象における術後認知機能障害(POCD)を治療、予防、又は軽減する方法であって、式Iの化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグの治療有効量を対象に投与する工程を含む方法に関する。
Figure 0007232932000001
研究開発プロセスにおいて、本発明者らは、驚くべきことに、WS-635が麻酔薬の効果に影響を及ぼすことなく、用量依存的にマウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを見出した。更に、本発明者らは、驚くべきことに、WS-635が、IL-6、ROS、ATP、シナプトフィジン、及びPSD-95の脳内レベルにおける麻酔/手術誘発性変化を軽減することができることを見出した。本開示の実施例によれば、前記式(I)の化合物は、麻酔/手術誘発性認知機能障害を救済することができ、術後の認知機能障害の予防、治療、又は軽減に非常に良好な効果を有する。
一実施形態では、術後認知機能障害は、イソフルラン誘発性、デスフルラン誘発性、セボフルラン誘発性、又はプロポフォール誘発性である。
一実施形態では、化合物は、手術前48時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術前24時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術後48時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術後24時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、約900mg未満の1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、約10~約900mgの1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、約50~約600mgの1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、1日当たり1回投与される。
一実施形態では、化合物は、単一用量剤形として1日当たり1回投与される。
一実施形態では、化合物は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸内、経バッカル(transbuccally)、鼻腔内、リポソームを介して(liposomally)、吸入を介して、経膣的(vaginally)、眼内、局所送達を介して、皮下、脂肪内(intraadiposally)、関節内、腹腔内、及び髄腔内からなる群から選択される経路によって投与される。
一実施形態では、化合物は、経口又は静脈内に投与される。
一実施形態では、化合物は、錠剤、カプセル剤、又は注射剤の形態で投与される。
一実施形態では、化合物は、式Iの化合物以外の、認知障害を予防、治療、又は軽減するために使用される1以上の他の剤と組み合わせて投与される。
一実施形態では、他の剤は、補酵素Q10などの補酵素の少なくとも1つのメンバからなる群から選択される。
別の態様において、本明細書は、それを必要とする対象における術後認知機能障害(POCD)の治療、予防、又は軽減における使用のための、式Iの化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグを提供する。
Figure 0007232932000002
前述したように、式(I)の前記化合物は、麻酔/手術誘発性認知機能障害を救済することができ、麻酔薬の効果に影響を及ぼすことなしに、術後の認知機能障害の予防、治療、又は軽減に非常に良好な効果を有する。
一実施形態では、術後認知機能障害は、イソフルラン誘発性、デスフルラン誘発性、セボフルラン誘発性、又はプロポフォール誘発性である。
一実施形態では、化合物は、手術前48時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術前24時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術後48時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術後24時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、約900mg未満の1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、約10~約900mgの1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、約50~約600mgの1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、1日当たり1回投与される。
一実施形態では、化合物は、単一用量剤形として1日当たり1回投与される。
一実施形態では、化合物は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸内、経バッカル(transbuccally)、鼻腔内、リポソームを介して(liposomally)、吸入を介して、経膣的(vaginally)、眼内、局所送達を介して、皮下、脂肪内(intraadiposally)、関節内、腹腔内、及び髄腔内からなる群から選択される経路によって投与される。
一実施形態では、化合物は、経口又は静脈内に投与される。
一実施形態では、化合物は、錠剤、カプセル剤、又は注射剤の形態で投与される。
一実施形態では、化合物は、式Iの化合物以外の、認知障害を予防、治療、又は軽減するために使用される1以上の他の剤と組み合わせて投与される。
一実施形態では、術後認知機能障害は、イソフルラン誘発性、デスフルラン誘発性、セボフルラン誘発性、又はプロポフォール誘発性である。
別の態様において、本明細書は、式Iの化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグの治療有効量を含む医薬組成物を提供する。
Figure 0007232932000003
一実施形態では、組成物は、化合物Iを900mg未満含む単一用量剤形(single dose form)で処方される。
一実施形態では、係る単一用量は、更に、式Iの化合物以外の、認知障害を予防、治療、又は軽減するために使用される1以上の他の剤を含む。
一実施形態では、他の剤は、補酵素Q10などの補酵素の少なくとも1つのメンバからなる群から選択される。
別の態様において、本明細書は、それを必要とする対象における術後認知機能障害(POCD)を治療、予防、又は軽減することにおける、式Iの化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグの使用を提供する。
Figure 0007232932000004
一実施形態では、術後認知機能障害は、イソフルラン誘発性、デスフルラン誘発性、セボフルラン誘発性、又はプロポフォール誘発性である。
一実施形態では、化合物は、手術前48時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術前24時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術後48時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、手術後24時間以内に対象に投与される。
一実施形態では、化合物は、約900mg未満の1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、約10~約900mgの1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、約50~約600mgの1日用量で投与される。
一実施形態では、化合物は、1日当たり1回投与される。
一実施形態では、化合物は、単一用量剤形として1日当たり1回投与される。
一実施形態では、化合物は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸内、経バッカル(transbuccally)、鼻腔内、リポソームを介して(liposomally)、吸入を介して、経膣的(vaginally)、眼内、局所送達を介して、皮下、脂肪内(intraadiposally)、関節内、腹腔内、及び髄腔内からなる群から選択される経路によって投与される。
一実施形態では、化合物は、経口又は静脈内に投与される。
一実施形態では、化合物は、錠剤、カプセル剤、又は注射剤の形態で投与される。
一実施形態では、化合物は、式Iの化合物以外の、認知障害を予防、治療、又は軽減するために使用される1以上の他の剤と組み合わせて投与される。
一実施形態では、術後認知機能障害は、イソフルラン誘発性、デスフルラン誘発性、セボフルラン誘発性、又はプロポフォール誘発性である。
本明細書に開示される任意の実施形態は、本発明の異なる態様において記載されている実施形態であっても、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態と組み合わせることができる。更に、一実施形態の任意の技術的特徴は、本発明の異なる態様において記載されている実施形態であっても、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態の対応する技術的特徴に適用することができる。
前記は、本明細書に開示される特定の態様をまとめるものに過ぎず、本質的に、限定を意図するものではない。これらの態様及び他の態様及び実施形態を、以下、より詳細に記載する。
図1は、実験デザインの図を示す(バーンズ迷路試験)。 図2は、実験デザインの図を示す(恐怖条件付け試験)。 図3Aは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの皮質レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減することができることを示す(ウエスタンブロット分析-皮質)。 図3Bは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの皮質レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減することができることを示す(ウエスタンブロット分析-皮質)。 図3Cは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの皮質レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減することができることを示す(ウエスタンブロット分析-皮質)。 図3Dは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの皮質レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減することができることを示す(ウエスタンブロット分析-皮質)。 図3Eは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの皮質レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減することができることを示す(ウエスタンブロット分析-皮質)。 図4Aは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの海馬レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減できることを示す(ウエスタンブロット分析-海馬)。 図4Bは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの海馬レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減できることを示す(ウエスタンブロット分析-海馬)。 図4Cは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの海馬レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減できることを示す(ウエスタンブロット分析-海馬)。 図4Dは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの海馬レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減できることを示す(ウエスタンブロット分析-海馬)。 図4Eは、WS-635が、PSD-95とシナプトフィジンの海馬レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減できることを示す(ウエスタンブロット分析-海馬)。 図5Aは、WS-635が、ATPの脳内レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減できることを示す(皮質及び海馬)。 図5Bは、WS-635が、ATPの脳内レベルの、麻酔/手術誘発性変化を軽減できることを示す(皮質及び海馬)。 図6Aは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(恐怖条件付けテスト、52.8mg/kg用量)。 図6Bは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(恐怖条件付けテスト、52.8mg/kg用量)。 図6Cは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(恐怖条件付けテスト、52.8mg/kg用量)。 図6Dは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(恐怖条件付けテスト、52.8mg/kg用量)。 図7Aは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Bは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Cは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Dは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Eは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Fは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Gは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Hは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Iは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図7Jは、WS-635が、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減できることを示す(バーンズ迷路試験、26.4mg/kg及び13.2mg/kgの各用量)。 図8は、WS-635+DMSO、DMSO、及び生理食塩水の処置を比較した、イソフルラン麻酔後のマウスの正向反射評価結果を示す(図9の結果の平均)。 図9は、D1、D3、及びD5でのWS-635+DMSO、DMSO、及び生理食塩水による処置における、イソフルラン麻酔後のマウスの正向反射評価結果を示す。 図10は、WS-635+DMSO、DMSO、及び生理食塩水の処置を比較した、セボフルラン麻酔後のマウスの正向反射評価結果を示す(図11の結果の平均)。 図11は、D1、D3、及びD5でのWS-635+DMSO、DMSO、及び生理食塩水による処置における、セボフルラン麻酔後のマウスの正向反射評価結果を示す。 図12は、WS-635+DMSO、DMSO、及び生理食塩水の処置を比較した、デスフルラン麻酔後のマウスの正向反射評価結果を示す(図13の結果の平均)。 図13は、D1、D3、及びD5でのWS-635+DMSO、DMSO、及び生理食塩水による処置における、デスフルラン麻酔後のマウスの正向反射評価結果を示す。
本開示の説明
定義及び一般的な用語
以下、本発明の特定の実施形態について詳細に記載し、その例を、記載の構造及び式に示す。本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る、あらゆる代替、修正、及び同等物を包含することを意図している。当業者は、本発明の実施において使用され得る、本明細書に記載されたものと類似する又は同等である多くの方法及び材料を認識する。本発明は、本明細書に記載の方法及び材料に、何ら限定されない。援用した文献、特許、及び同様の資料の1以上が、本願と異なる又は矛盾する(例えば、限定するものではないが、定義された用語、用語の用法、記載された技術などが異なる又は矛盾する)場合、本願が優先される。
明確化のために、別々の実施形態の文脈で記載される本発明の特定の特徴はまた、1つの実施形態で組み合わせて提供できることが更に理解される。反対に、簡略化のために、1つの実施形態の文脈で記載される本発明の様々な特徴はまた、別々に又は任意の好適なサブコンビネーションとして提供することができる。
特段の断りがない限り、本明細書に使用される科学的及び技術的用語はいずれも、本発明が属する技術分野の当業者によって、通常理解される意味と同一の意味を有する。本明細書で参照される特許及び刊行物はいずれも、その全体を参照により援用する。
本明細書で使用される冠詞「a」、「an」、及び「the」は、本明細書中で特段の断りがない限り又は文脈上明確に矛盾しない限り、「少なくとも1つ」又は「1以上」を含むことが意図される。したがって、本明細書で使用される冠詞は、冠詞の文法的対象物の1つ又は1超(即ち、少なくとも1つ)を意味する。例えば、「実施形態(an embodiment)」は、1以上の実施形態を意味する。
用語「含む(comprise)」はオープンな表現であり、本明細書に開示された内容を含むことを意味するが、他の内容を排除しない。
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される」は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は合理的なベネフィット/リスク比に見合った他の問題又は合併症を伴わずに、患者の組織と接触する使用に好適であり、意図された使用に効果的である化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を意味する。
用語「プロドラッグ」は、インビボで式(I)の化合物に変換される化合物を意味する。係る変換は、例えば、血中のプロドラッグ形態の加水分解、又は血液若しくは組織中の親形態への酵素的変換によって作用され得る。本明細書に開示される化合物のプロドラッグは、例えば、エステルであることができる。プロドラッグとして利用されているいくつかの一般的なエステルは、フェニルエステル、脂肪族(C1-24)エステル、アシルオキシメチルエステル、カーボネート、カルバメート、及びアミノ酸エステルである。例えば、ヒドロキシ基を含む本明細書に開示される化合物は、そのプロドラッグ形態において、この位置でアシル化され得る。他のプロドラッグ形態としては、親化合物のヒドロキシ基をホスホン化して得られるホスホネート化合物などのホスホネートが挙げられる。プロドラッグの詳細については、T. Higuchi and V. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、J. Rautio et al., Prodrugs: Design and Clinical Applications, Nature Review Drug Discovery, 2008, 7, 255-270、及びS. J. Hecker et al., Prodrugs of Phosphates and Phosphonates, Journal of Medicinal Chemistry, 2008, 51, 2328-2345に記載されており、これらのそれぞれを参照により本明細書に援用する。
「代謝産物」は、特定の化合物又はその塩の体内での代謝によって生成される生成物である。化合物の代謝産物は、当技術分野で知られた通常の技術を使用して同定することができ、それらの活性は、本明細書に記載される試験などの試験を使用して決定することができる。そのような生成物は、例えば、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的切断などから生じ得る。したがって、本発明は、本明細書に開示される化合物の代謝産物を含み、これは、本明細書に開示される化合物を哺乳動物と十分な期間接触させることによって生成される代謝産物を含む。
「薬学的に許容される塩」は、本明細書に開示される化合物の有機又は無機塩を意味する。薬学的に許容される塩は、当技術分野でよく知られている。例えば、S.M.Bergeらは、参照により本明細書に援用されるJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66: 1-19に、薬学的に許容される塩を詳細に記載している。薬学的に許容され且つ毒性のない塩のいくつかの非限定的な例としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、及びマロン酸などの有機酸と形成されたアミノ基の塩、又はイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されたアミノ基の塩が挙げられる。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホンン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基に由来する塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN(C1-4アルキル)塩が挙げられる。本発明はまた、本明細書に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化を想定している。水溶性若しくは油溶性又は水分散性若しくは油分散性の生成物は、係る四級化によって得ることができる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。更なる薬学的に許容される塩としては、適切な場合、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、及びハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、C1-8スルホン酸塩、又はアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成されるアミンカチオンが挙げられる。
用語「溶媒和物」は、1以上の溶媒分子と本明細書に開示される化合物との会合体又は複合体を意味する。溶媒和物を形成する溶媒の例としては、限定するものではないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン、及びそれらの混合物が挙げられる。用語「水和物」は、溶媒分子が水である複合体を意味する。
用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に使用され得る。一実施形態では、水和物など、1個の水分子が、本明細書に開示される化合物の1分子と会合している。別の実施形態では、二水和物など、1個超の水分子が、本明細書に開示される化合物の1分子と会合し得る。更に別の実施形態では、半水和物など、1個未満の水分子が、本明細書に開示される化合物の1分子と会合し得る。更に、本発明の溶媒和物はいずれも、本明細書に開示される化合物の非水和物形態の生物学的有効性を保持する。
本明細書において、用語「治療有効量」又は「治療有効用量」は、生物学的又は医学的応答(酵素若しくはタンパク質の活性の低下若しくは阻害、又は症状の改善、障害の軽減、若しくは病気の発症の遅延など)を誘発することができる、本明細書に開示される化合物の量を意味する。
化合物の医薬組成物並びに調製及び投与
一態様において、本明細書は、式(I)の化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、更に、少なくとも薬学的に許容される担体、アジュバント、又は賦形剤、及び任意に他の治療及び/又は予防成分を含む。
好適な担体、アジュバント、及び賦形剤は当業者によく知られており、例えば、Ansel H. C. et al., Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (2004) Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia;Gennaro A. R. et al., Remington: The Science and Practice of Pharmacy (2000) Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia;及びRowe R. C., Handbook of Pharmaceutical Excipients (2005) Pharmaceutical Press, Chicagoなどに詳細に記載されている。
本明細書において、「薬学的に許容される賦形剤」は、医薬組成物に形態又はコンシステンシーを与えることに関与する薬学的に許容される材料、組成物、又はビヒクルを意味する。各賦形剤は、混合されたときに医薬組成物の他の成分と適合性がある必要があり、その結果、患者に投与されたときに本発明の化合物の効能を実質的に低下させ、医薬的に許容されない組成物をもたらす相互作用が回避される。更に、各賦形剤は、言及するまでもなく、薬学的に許容されるように十分に高い純度である必要がある。
好適な薬学的に許容される賦形剤は、選択された特定の剤形に応じて変わる。更に、好適な薬学的に許容される賦形剤は、それらが組成物中で発揮し得る特定の機能に応じて選択することができる。例えば、特定の薬学的に許容される賦形剤は、均一な剤形の製造を容易にする能力のために選択することができる。特定の薬学的に許容される賦形剤は、安定した剤形の製造を容易にする能力のために選択することができる。特定の薬学的に許容される賦形剤は、患者に投与された後、ある器官又は体の一部から別の器官又は体の一部へと、本発明の化合物の運搬又は輸送を容易にする能力のために選択することができる。特定の薬学的に許容される賦形剤は、患者のコンプライアンスを高める能力のために選択することができる。
好適な薬学的に許容される賦形剤としては、以下のタイプの賦形剤が挙げられる:希釈剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、造粒剤、コーティング剤、湿潤剤、溶媒、共溶媒、懸濁剤、乳化剤、甘味料、香味剤、フレーバーマスキング剤、着色剤、固化防止剤、保湿剤、キレート剤、可塑剤、増粘剤、抗酸化剤、防腐剤、安定剤、界面活性剤、及び緩衝剤。当業者は、特定の薬学的に許容される賦形剤は、1超の機能を果たすことができ、製剤中に存在する賦形剤の量及び製剤中に存在する他の成分に応じて異なる機能を果たし得ることを理解する。
当業者は、本発明における使用に適した量の好適な薬学的に許容される賦形剤を選択することを可能にする知識及び技能を有する。更に、薬学的に許容される賦形剤について説明し、好適な薬学的に許容される賦形剤を選択するのに有用であり得る、当業者に利用可能な多くのリソースが存在する。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives(Gower Publishing Limited)、及びThe Handbook of Pharmaceutical Excipients (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
参照によりその内容を本明細書に援用する、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, 2005, ed. D.B. Troy, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkには、薬学的に許容される組成物を処方する際に使用される各種担体及びその調製のための知られた技術が開示されている。例えば、望ましくない生物学的効果をもたらす、又は薬学的に許容される組成物の他の成分と相互作用し有害な作用をもたらすなど、従来の担体媒体が本発明の化合物と適合しない場合を除いて、その使用は、本発明の範囲内であるとする。
特定の実施形態では、POCDのリスクのある対象は、小児又は高齢者である。各種実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、ヒトである。
本明細書に記載の方法は、全身麻酔と近い時点で使用することができる。全身麻酔に関しては、吸入麻酔薬及び静脈麻酔薬を、本発明の方法で使用することができる。吸入麻酔薬の非限定的な例としては、ジエチルエーテル、メトキシプロパン、ビニルエーテル、ハロゲン化エーテル(例えば、デスフルラン、エンフルラン、ハロタン、イソフルラン、メトキシフルランなど)のエーテル;クロロホルム、ハロタン、トリクロロエチレン、シクロプロパン、エチレン、亜酸化窒素、セボフルラン、キセノン、重水素化イソフルラン、ヘキサフルオロ-t-ブチル-ジフルオロメチルエーテル、メトキシフルランの重水素化アナログ、重水素化セボフルランなどのハロアルカン、及び参照によりその全体を本明細書に援用する米国特許に開示される他の吸入麻酔薬が挙げられる。吸入麻酔薬はいずれも、単独で、又は他の薬剤と組み合わせて麻酔を維持することができる。例えば、亜酸化窒素は、他の吸入麻酔薬と組み合わせて使用することができる。したがって、方法のいくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、イソフルラン、デスフルラン、セボフルラン、又はプロポフォール麻酔薬の少なくとも1つ又は組合せと近い時点で対象に投与することができる。
本発明の化合物は、典型的には、所望の投与経路によって、患者への投与に適合した剤形に処方される。例えば、剤形としては、(1)錠剤、カプセル、カプレット、ピル、トローチ、粉末、シロップ、エリキシル、懸濁液、溶液、エマルジョン、サシェ、及びカシェなどの経口投与、(2)滅菌溶液、懸濁液、及び再構成用の粉末などの非経口投与、(3)経皮パッチなどの経皮投与、(4)坐剤などの直腸投与、(5)エアロゾル、溶液、乾燥粉末などの吸入、及び(6)クリーム、軟膏、ローション、溶液、ペースト、スプレー、フォーム、及びジェルなどの局所投与に適合したものが挙げられる。
本発明の特定の化合物は、治療のために遊離形態で、又は必要に応じて、薬学的に許容される誘導体又はそのプロドラッグとして存在し得ることも理解される。本発明によれば、薬学的に許容される誘導体又はプロドラッグとしては、限定するものではないが、それを必要とする患者への投与時に、本明細書に記載される化合物又はその代謝産物若しくは残渣を直接又は間接的に提供することができる薬学的に許容されるプロドラッグ、塩、エステル、係るエステルの塩、又は任意の他の付加体又は誘導体が挙げられる。
一実施形態では、本明細書に開示される化合物は、経口剤形に調製することができる。一実施形態では、本明細書に開示される化合物は、吸入剤形に調製することができる。一実施形態では、本明細書に開示される化合物は、経鼻投与の剤形に調製することができる。一実施形態では、本明細書に開示される化合物は、経皮剤形に調製することができる。一実施形態では、本明細書に開示される化合物は、局所投与の剤形に調製することができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、錠剤粉砕物、チュアブルトローチ、急速溶解錠剤、複数圧縮錠剤、又は腸溶性コーティング錠、糖コーティング又はフィルムコーティング錠として提供することができる。腸溶性コーティング錠は、胃酸の作用に抵抗するが腸内で溶解又は崩壊する物質でコーティングされた圧縮錠剤であり、胃の酸性環境から有効成分を保護する。腸溶性コーティングとしては、限定するものではないが、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア処理(ammoniated)シェラック、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。糖コーティング錠は、糖コーティングで覆われた圧縮錠剤であり、不快な味又は臭いを隠蔽し、錠剤を酸化から保護するのに有用であり得る。フィルムコーティング錠は、水溶性材料の薄層又はフィルムで覆われた圧縮錠である。フィルムコーティングとしては、限定するものではないが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングは、糖コーティングと同一の一般的な特性を付与する。複数圧縮錠剤としては、層状錠剤などの複数の圧縮サイクルによって製造された圧縮錠剤、及びプレスコーティング錠又はドライコーティング錠が挙げられる。
錠剤剤形は、粉末状、結晶状、又は顆粒状形態の有効成分から、単独で、又は結合剤、崩壊剤、徐放性ポリマー、潤滑剤、希釈剤、及び/又は着色剤などの本明細書に記載の1以上の担体又は賦形剤と組み合わせて調製することができる。香料及び甘味料は、チュアブル錠及びトローチの製造に特に有用である。
本明細書で提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから作製できるソフト又はハードカプセルとして提供することができる。ドライフィルドカプセル(DFC)としても知られるハードゼラチンカプセルは、2つの部分からなり、一方が他方の上をスリップして、有効成分を完全に取り囲む。ソフトエラスティックカプセル(SEC)は、ゼラチンシェルなどの軟らかい球状シェルであり、グリセリン、ソルビトール、又は類似のポリオールを添加することによって可塑化される。ソフトゼラチンシェルは、微生物の増殖を防ぐための防腐剤を含有することができる。好適な防腐剤は、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む、本明細書に記載されるものが挙げられる。本明細書で提供される液体、半固体、及び固体の剤形は、カプセル内に封入することができる。好適な液体及び半固体の剤形としては、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリドの溶液及び懸濁液が挙げられる。係る溶液を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号明細書及び同第4,410,545号明細書に記載されるように調製することができる。カプセルはまた、有効成分の溶解を改変又は維持するために、当業者によって知られているようにコーティングすることもできる。
本明細書で提供される医薬組成物は、エマルジョン、溶液、懸濁液、エリキシル、及びシロップを含む、液体及び半固体の剤形で提供することができる。エマルジョンは2相系であり、一方の液体が他方の液体の全体に小さな小球の形態で分散しており、水中油型又は油中水型であり得る。エマルジョンは、薬学的に許容される非水性液体又は溶媒、乳化剤、及び防腐剤を含有することができる。懸濁液は、薬学的に許容される懸濁剤及び防腐剤を含有することができる。水性アルコール溶液は、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール)などの薬学的に許容されるアセタール、及びプロピレングリコール及びエタノールなどの1以上のヒドロキシ基を有する水混和性溶媒を含有することができる。エリキシルは、透明で、甘い、水性アルコール溶液である。シロップは、スクロースなどの糖の濃縮水溶液であり、防腐剤を含有することもある。液体剤形の場合、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液は、投与にとって好都合な量で測定される、十分な量の薬学的に許容される液体担体(例えば、水)で希釈することができる。
本明細書は、例えば、乾燥粉末、エアロゾル、懸濁液、又は溶液組成物として、吸入による患者への投与に適合された剤形に調製することができる医薬組成物を提供する。一実施形態では、本発明は、乾燥粉末としての吸入による患者への投与に適合された剤形に関する。一実施形態では、本発明は、乾燥粉末としての吸入による患者への投与に適合された剤形に関する。吸入による肺への送達のための乾燥粉末組成物は、典型的には、微細粉末としての、本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を、微細粉末としての、1以上の薬学的に許容される賦形剤と共に含む。乾燥粉末における使用に特に適した薬学的に許容される賦形剤は、当業者に知られており、ラクトース、デンプン、マンニトール、並びに単糖、二糖、及び多糖が挙げられる。微細粉末は、例えば、微粉化及び粉砕によって調製することができる。一般に、サイズが小さくされた(例えば、微細化された)化合物は、約1~10ミクロンのD50値によって定義することができる(例えば、レーザー回折を使用して測定される)。
経皮投与に適合された医薬組成物は、患者の表皮との長時間の密着状態の維持が意図された個別のパッチとすることができる。例えば、活性成分は、Pharmaceutical Research,3(6),318(1986)に概説されているように、イオン導入(iontophoresis)によってパッチから送達することができる。
局所投与に適合された医薬組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、又はオイルとして処方することができる。軟膏、クリーム、及びゲルは、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤及び/又は溶媒を添加した水性又は油性ベースで処方することができる。したがって、係るベースは、例えば、水及び/又は液体パラフィンなどのオイル、又は落花生油又はヒマシ油などの植物油、又はポリエチレングリコールなどの溶媒を含むことができる。ベースの性質に応じて使用することができる増粘剤及びゲル化剤は、軟パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂肪、蜜蝋、カルボキシポリメチレン、及びセルロース誘導体、及び/又はモノステアリン酸グリセリル及び/又は非イオン性乳化剤が挙げられる。
本明細書に開示される化合物はまた、標的化された薬剤担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。係るポリマーは、パルミトイル基で置換された、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール、又はポリエチレンオキシドポリリジンを含むことができる。化合物は更に、薬剤の放出制御を達成するのに適した生分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロン-カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの架橋又は両親媒性ブロックコポリマーに結合させることができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、局所又は全身投与のために、注射、注入、又はインプランテーションによって非経口的に投与することができる。本明細書で使用される非経口投与としては、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、及び皮下の各投与が挙げられる。
本明細書で提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステム、及び注射前の液体中の溶液又は懸濁液に適した固体形態を含む、非経口投与に適した任意の剤形で処方することができる。係る剤形は、薬学の当業者に知られた従来の方法にしたがって調製することができる(Remington:The Science and Practice of Pharmacy(上掲)参照)。
非経口投与が意図された医薬組成物は、限定するものではないが、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤又は微生物の増殖に対する防腐剤、安定剤、溶解促進剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、封鎖剤又はキレート剤、凍結防止剤、リオプロテクタント(lyoprotectants)、増粘剤、pH調整剤、及び不活性ガスを含む1以上の薬学的に許容される担体及び賦形剤を含むことができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出、及びプログラム放出形態を含む、即時放出又は調節放出の剤形として処方することができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、単一用量又は複数回投与用に処方することができる。単一用量投与製剤は、アンプル、バイアル、又はシリンジにパッケージされる。複数回投与の非経口製剤は、静細菌性又は静真菌性の濃度の抗菌剤を含有する必要がある。当技術分野で知られ、実施されているように、非経口製剤はいずれも無菌である必要がある。
本明細書で提供される医薬組成物は、所望の治療作用を損なわない他の有効成分、又は所望の作用を補足する物質と共に処方することができる。
一実施形態では、本明細書に開示される治療方法は、治療を必要とする患者に、本発明の化合物又は本発明の化合物を含有する医薬組成物の安全且つ有効な量を投与することを含む。本明細書に開示される各実施例は、治療を必要とする患者に、本発明の化合物又は本発明の化合物を含有する医薬組成物の安全且つ有効な量を投与することによって、前記障害又は疾患を治療することを含む。
一実施形態では、本発明の化合物又はその医薬組成物は、全身投与及び局所投与の両方を含む、任意の適切な投与経路によって投与することができる。全身投与としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、及び直腸投与が挙げられる。非経口投与は、経腸又は経皮以外の投与経路を意味し、通常、注射又は注入による。非経口投与としては、静脈内、筋肉内、及び皮下注射又は注入が挙げられる。局所投与としては、皮膚への塗布、並びに眼内、耳内、膣内、吸入、及び鼻腔内投与が挙げられる。一実施形態では、本発明の化合物又はその医薬組成物は、経口投与することができる。一実施形態では、本発明の化合物又はその医薬組成物は、吸入によって投与することができる。更なる実施形態では、本発明の化合物又はその医薬組成物は、鼻腔内に投与することができる。
一実施形態では、本発明の化合物又はその医薬組成物は、1回投与する、又は投与レジメンにしたがって投与することができ、この投与レジメンでは、所定の期間、様々な時間間隔で複数回投与される。例えば、用量は、1日当たり1回、2回、3回、又は4回投与することができる。一実施形態では、用量は、1日当たり1回投与される。更なる実施形態では、用量は、1日に2回投与される。用量は、所望の治療効果が達成されるまで、又は所望の治療効果を維持するために無期限に投与することができる。本発明の化合物又はその医薬組成物に適した投与レジメンは、吸収、分布、及び半減期などのその化合物の薬物動態特性に依存し、当業者によって決定することができる。更に、本発明の化合物又はその医薬組成物について、係るレジメンで投与される期間を含む好適な投与レジメンは、治療される障害、治療される障害の重症度、治療される患者の年齢及び体調、治療される患者の病歴、同時治療の性質、所望の治療効果、及び当業者の知識及び専門知識内の同様の要因に依存する。係る当業者によって、適切な投与レジメンは、投与レジメンに対する個々の患者の応答を考慮して、又は個々の患者のニーズの変化に応じて、調整を必要とし得ることが更に理解される。
本発明の化合物は、1以上の他の治療剤と同時に、又はその前後に投与することができる。本発明の化合物は、同一又は異なる投与経路によって別々に、又は他の薬剤と同一の医薬組成物中で共に投与することができる。
本明細書で提供される化合物は、鎮静剤、催眠剤、抗不安薬、抗精神病剤、抗不安剤、シクロピロリドン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、穏和精神安定剤、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動剤、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩、5HT-2アンタゴニストなどと組み合わせて使用することができる。例えば、アジナゾラン、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、タシチン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプライド、カルボクロラル、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロロダイン、クロミプラミン、クロナゼパム、ドンペリドン、メタミノジアゼポキシド、クロレテート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモ、ジアゼパム、クロラルサリチルアミド、ジバルプロン酸、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、フォサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、オラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メチルフェノバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、ミダフル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキセゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、イソプロピルフェノール、プロトリプチリン、クアゼパム、レクラゼパム、ロリプラム、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾレート、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリアゾールベンゾジアゼピン、トレピパム、トリセタミド、トリクロロエチルホスフェート、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリメプリミン、ウルダゼパム、及びベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデム、並びにそれらの塩及び組成物などが挙げられる。或いは、光療法又は電気刺激などの物理的方法を、本明細書に開示される化合物の投与中に使用することができる。
更に、式(I)の化合物は、プロドラッグとして投与することができる。本明細書では、本発明の化合物の「プロドラッグ」は、患者に投与されると、最終的にインビボで本発明の化合物を遊離する化合物の機能的誘導体である。プロドラッグとしての本発明の化合物の投与は、当業者が以下の1以上を行うことを可能にし得る:(a)インビボでの化合物の作用の発現を変更する;(b)インビボでの化合物の作用の持続時間を変更する;(c)インビボでの化合物の輸送又は分布を変更する;(d)インビボでの化合物の溶解度を変更する;及び(e)化合物によって遭遇される副作用又は他の困難を克服する。プロドラッグを調製するために使用される典型的な機能的誘導体としては、インビボで化学的又は酵素的に切断される化合物の修飾が挙げられる。ホスフェート、アミド、エステル、チオエステル、カーボネート、及びカルバメートの調製を含む係る修飾は、当業者によく知られている。
化合物及び医薬組成物の使用
本明細書に開示される化合物WS-635又は医薬組成物は、麻酔薬の効果に影響を及ぼすことなく、POCDを治療又は予防するのに効果的である。
WS-635に加えて、発明者らは、Alisporivir、NIM811、CRV431、又はNVP018もPOCDの治療に使用できることを見出した。前記化合物又は前記化合物を含有する医薬組成物は、POCDを治療又は予防するのに効果的であり得る。
本明細書に開示される化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグ、又は薬学的に許容される組成物の「有効量」、「治療有効量」、又は「有効用量」は、術後認知機能障害の重症度を治療又は軽減するのに有効な量である。複合体及び薬学的に許容される組成物は、かなり広い用量範囲で効果的に投与される。例えば、1日用量は1人当たり約0.1mg~900mgであり、化合物又は薬学的に許容される組成物は、1日当たり1回又は数回に分けて投与することができる。本明細書に開示される方法に係る化合物及び組成物は、術後認知機能障害の重症度を治療又は軽減するのに有効な任意の量及び任意の投与経路を使用して投与することができる。必要とされる正確な量は、対象ごとに異なり、対象の種、年齢、及び全身状態、感染の重症度、特定の薬剤、その投与様式などに依存する。本明細書に開示される化合物又は医薬組成物はまた、前記したように1以上の他の治療剤と共に投与することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、麻酔下で手術前48時間以内又は手術前24時間以内若しくは手術前1~24時間以内に対象に投与することができ、手術後48時間以内又は手術後24時間以内若しくは1~24時間以内に対象に投与することができる。本明細書に記載の化合物は、約900mg未満の1日用量で、例えば、約10~約900mgの1日用量又は約50~約600mgの1日用量で投与することができる。化合物は、1日当たり1回又は単一用量剤形として1日当たり1回投与することができる。
WS-635及びその組成物は、ヒトの治療に有用であることに加えて、コンパニオンアニマル、エキゾチックアニマル、及び家畜の哺乳動物などの動物の獣医治療にも有用である。他の実施形態では、本明細書に開示される動物としては、ウマ、イヌ、及びネコが挙げられる。本明細書では、本明細書に開示される化合物は、その薬学的に許容される誘導体を含む。
材料及び方法
マウスの麻酔及び手術
9月齢のC57BL/J6雌性マウスを、実験室で3日間順応させた。マウスを、体重ごとに麻酔/手術群又は対照群に無作為に割り当てた。麻酔/手術群のマウスは、発明者らの過去の研究(Ren Q, Peng M, Dong Y, et al. Surgery plus anesthesia induces loss of attention in mice. Front Cell Neurosci. 2015; 9:346)に記載される方法を使用して、イソフルラン麻酔下にて簡単な開腹術を行った。具体的には、本発明者らは、透明なアクリルチャンバ内で100%酸素中1.4%のイソフルランを使用して各マウスを麻酔した。誘導後15分で、本発明者らはマウスをチャンバから移動させた。イソフルラン麻酔を、コーンデバイスを介して維持し、1本の16ゲージ針をマウスの鼻部近傍のコーンに挿入して、イソフルランの濃度をモニターした。本発明者らは、剣状突起から、恥骨結合近位0.5センチメートルまで、皮膚、腹筋、及び腹膜上を、縦方向の正中切開を行った。次いで、本発明者らは、切開層を、5-0のバイクリル糸で層ごとに縫合した。
本発明者らは、手順の最後に切開部位にEMLAクリーム(2.5%リドカイン及び2.5%プリロカイン)を塗布し、次いで、マウスの安楽死まで8時間ごとに、切開に関連する痛みを処置した。各マウスに対する手順は、通常約10分間かかり、本発明者らはマウスを最長2時間麻酔チャンバに戻し、100%酸素中1.4%イソフルランからなる麻酔薬の残りに曝露させた。本発明者らは、DC温度制御システム(FHC,Bowdoinham,Maine)を使用することにより、麻酔/手術の間、マウスの直腸温度を37±0.5℃に維持した。本発明者らは、麻酔から回復した後、マウスを、餌と水を自由に摂取できる状態でホームケージに戻した。対照群のマウスは、通常の室内空気を入れたホームケージに2時間入れ、これは、非手術患者の状態と一致した。本発明者らの過去の研究は、1.4%イソフルランによる手術も麻酔も、マウスの血圧、血液ガス値を有意に乱さないことを見出した。EMLAは、マウスの手術に伴う痛みを治療することができる。
WS-635処置
WS-635(SCY-635としても知られる)を10%DMSOを含むコーン油に溶解し、各マウスに、27G×1/2針を使用することによって対照条件又は麻酔/手術の30分前、24時間後、及び48時間後にIPを介して0.2mlで、それぞれ52.8mg/kg、26.4mg/kg、又は13.2mg/kgの用量のWS-635溶液を注射する。対照群のマウスには、10%DMSOを含む0.2mlのコーン油を投与した。
バーンズ迷路試験
麻酔/手術の1週間後、動物をバーンズ迷路に入れ、空間学習と記憶を試験した。バーンズ迷路は、20個の等間隔の穴を有する円形プラットフォームである(SD Instruments,San Diego,CA)。1つの穴はターゲットボックスと呼ばれる暗いチャンバに接続されている。各回、動物はプラットフォームの中央に置かれ、プラットフォームに放たれる嫌悪ノイズ(85dB)と明るい光(200W)によってターゲットボックスを発見するように催促される。動物は、1日当たり2回の試行、1回の試行当たり3分間、各試行間が15分間の4日間のトレーニングからなる空間取得フェーズを通った。各試行中にターゲットボックスを発見するための待ち時間とエラー数は、ANY-Mazeビデオ追跡システムを用いて記録した。
実験デザインの図を図1に示す。
恐怖条件付け試験(FCT)
FCTは、Saabらによって記載されたものに変更を加えて行った。具体的には、WTマウス(8月齢)を麻酔群又は対照群のいずれかに無作為に割り当てた。FCT(Stoelting Co.,Wood Dale,IL)におけるペアリングは、イソフルラン又はデスフルラン麻酔の2時間後に行った。各マウスは、60秒間持続する2Hzのパルストーン(80dB,3,600Hz)が現れる前に、180秒間FCTチャンバを探索させた。トーンの直後に軽度のフットショック(0.8mAで0.5秒間)を与えた。最初のコンテキスト試験は、ペアリングの終了後30分に行った。各マウスを合計390秒間前記チャンバ内に留まらせた。コンテキスト試験における学習と記憶の機能は、マウスが「すくみ行動」を示した時間を測定することによって評価した。これは、2回目の180秒間において、呼吸動作を除く完全に動かない姿勢として定義される。
1回目のトーン試験は、ペアリングの終了後90分に行った。各マウスを合計390秒間、チャンバ内に留まらせた。同一のトーンを、2回目の180秒間で、フットショックなしで与えた。トーン試験における学習と記憶の機能は、マウスが「すくみ行動」を示した時間を測定することによって評価した。これは、2回目の180秒間において、呼吸動作を除く完全に動かない姿勢として定義される。2回目と3回目のコンテキスト試験及びトーン試験は、それぞれ麻酔後48時間と7日目に行った。「すくみ行動」は、Any-Maze(閾値でのすくみ:10;閾値外でのすくみ:20;最小すくみ持続時間:1秒間)(Stoelting)によって分析した。すくみ時間のパーセンテージは、実際のすくみ時間を観察時間(180秒)で除すことによって計算した。
実験デザインの図を図2に示す。
脳組織の回収、溶解、及びタンパク質の定量 脳組織の採取には、様々なマウスが使用される。マウスの皮質及び海馬におけるインターロイキン-6(IL-6)及びシナプス後膜肥厚(PSD)-95のレベルを評価する。マウスの脳組織(皮質及び海馬)は、断頭により麻酔/手術後に直ちに採取される。採取した脳組織は、免疫沈降バッファ(10mMのTris-HCl、pH7.4、150mMのNaCl、2mMのEDTA、0.5%Nonidet P-40)とプロテアーゼ阻害剤(1mg/mlのアプロチニン、1mg/mlのロイペプチン、1mg/mlのペプスタチンA)を用いて氷上でホモジナイズした。ライセートを回収し、10,000rpmにて5分間、4℃で遠心分離し、ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイキット(Pierce,Iselin,NJ)によって総タンパク質を定量する。次いで、脳組織を、ウエスタンブロットに付す。
ウェスタンブロット分析 シナプトフィジン抗体(1:50,000,Abcam,Cambridge,MA)を使用してシナプトフィジン(分子量38kDa)を検出した。PSD-95抗体(1:1,000,Cell Signaling,Danvers,MA)を使用して、PSD-95(95kDa)を検出した。抗β-アクチン抗体(1:5,000,Sigma,St.Louis,MO)を使用してβ-アクチン(42kDa)を検出した。ウエスタンブロットによる定量を、記載されているようにを行った。簡単に説明すると、Bio-Rad(Hercules,CA)画像プログラム(Quantity One)を使用して信号強度を分析した。本発明者らは、2工程でウエスタンブロットを定量し、まず、本発明者らは、β-アクチンレベルを使用して、タンパク質レベルを規格化し(例えば、PSD-95のβ-アクチン量に対する比を決定し)、及び総タンパク質量のローディング差に対する対照を規格化した。第2に、本発明者らは、WS-635処置群のマウスにおけるタンパク質レベルの変化を、対照群のマウスのパーセンテージとして示した。タンパク質レベルの変化の100%は、実験条件の比較のための対照レベルを参照した。
ATP測定 マウス(各群でN=6)の皮質におけるATPのレベルは、製造業者(Abcam,Cambridge,MA)が提供するプロトコルにしたがってATP比色/蛍光アッセイキットによって決定した。簡単に説明すると、脳組織をインキュベータ中で一晩6ウェルプレートに入れた。蛍光量を測定し、実験サンプル中のATPレベルを、既知量のATPを含むサンプルから作成した標準曲線から計算する。
正向反射評価 9月齢のC57BL/J6雌性マウスを、実験室で3日間順応させた。正向反射は、マウスを仰向けに置くことによって評価した。マウスは、WS-635+DMSO群(n=11)、DMSO群(n=11)、及び生理食塩水群(n=12)に無作為に割り当てた。WS-635を10%DMSOを含むコーン油に溶解させ、WS-635+DMSO群の各マウスに、麻酔の30分前にIPを介して52.8mg/kgの用量のWS-635溶液を0.2ml注射した。DMSO群の各マウスには、麻酔の30分前にIPを介してコーン油中の10%DMSOを0.2ml注射する。生理食塩水群の各マウスに、麻酔の30分前にIPを介して0.2mlの0.9%生理食塩水を注射した。本発明者らは、各マウスを、イソフルラン、セボフルラン、又はデスフルランを使用して麻酔した。以下のようにイソフルランを使用して各マウスを麻酔する:30%酸素中で呼気終末イソフルランを0.0%から開始し、0.1%ステップサイズで各ステップを15分間維持し1.4%まで行った。以下のようにセボフルランを使用して各マウスを麻酔する:30%酸素中で呼気終末のセボフルランを0.0%から開始し、次いで0.5%と1.0%、次いで0.1%ステップサイズで行い、各ステップを15分間維持し、2.5%まで行った。以下のようにデスフルランを使用して各マウスを麻酔する:30%酸素中で呼気終末デスフルランを0.0%から開始し、次いで1.5%と3.2%、次いで0.1%ステップサイズで行い、各ステップを15分間維持し、5.2%まで行った。同一のマウスに、D1、D3、及びD5で、各麻酔薬を投与した。
結果
WS-635(SCY-635としても知られる)は、PSD-95及びシナプトフィジンの脳内レベルの麻酔/手術誘発性変化を軽減することができる。
麻酔/手術により、皮質(図3に示す)と海馬(図4に示す)の両方でPSD-95とシナプトフィジンのレベルが低下する。26.4mg/kgのWS-635による処置は、これらの麻酔/手術誘発性変化を軽減する。
WS-635(SCY-635としても知られる)は、ATPの脳内レベルの麻酔/手術誘発性変化を軽減することができる。
麻酔/手術により、皮質と海馬の両方でATPレベルが低下する(図5に示すように、Aは、皮質のATPレベルを示し、Bは、海馬のATPレベルを示す)。26.4mg/kgのWS-635による処置は、これらの麻酔/手術誘発性変化を軽減する。
WS-635(SCY-635としても知られる)は、マウスの麻酔/手術誘発性認知障害を軽減することができる。
WS-635は、恐怖条件付け試験において、マウスの麻酔/手術誘発性すくみ時間の短縮を軽減した(図6A~図6D)。図6A~図6Dは、イソフルラン又はデスフルランが、麻酔/手術後48時間のFCTのトーン試験におけるマウスのすくみ時間を大幅に短縮し、麻酔/手術後7日目のFCTのコンテキスト試験でマウスのすくみ時間を大幅に短縮したことを示す。しかし、WS-635は、FCTにおけるマウスのすくみ時間の麻酔/手術誘発性短縮を軽減した。
WS-635は、対照条件と比較し、バーンズ迷路試験において、麻酔/手術誘発性の逃避潜時の上昇と逃避速度の低下を軽減した(図7A~図7J)。図7A~図7Jは、イソフルラン又はデスフルランが、麻酔/手術後1週間のバーンズ迷路試験におけるマウスの逃避潜時を有意に上昇させ、逃避速度を大幅に低下させたことを示す。しかし、WS-635は、バーンズ迷路試験で、麻酔/手術誘発性の逃避潜時の上昇と逃避速度の低下を軽減した。
WS-635(SCY-635としても知られる)は、麻酔薬の効果に影響を及ぼさない。
吸入麻酔薬の催眠作用とWS-635の影響は、正向反射の喪失に関するEC50への影響(EC50-LORR)を評価することによって推定した。EC50-LORRは、マウスで正向反射が観察された最高濃度と正向反射が消失した最低濃度の中間点として定義した。
正向反射の評価結果を図8~図13に示す。これらは、イソフルラン、セボフルラン、及びデスフルランの濃度応答曲線である。Y軸は、マウスの正向反射の喪失の割合(LORR)を表す。X軸は、吸入麻酔薬の濃度を表す。曲線は、吸入麻酔薬の各濃度でのマウスのLORRのパーセントを表す。図8及び図9は、イソフルラン麻酔後のマウスの結果を示す。図10及び図11は、セボフルラン麻酔後のマウスの結果を示す。図12及び図13は、デスフルラン麻酔後のマウスの結果を示す。同一のマウスに、D1、D3、及びD5で麻酔薬を投与し(図9、図11、及び図13)、結果に対する個体差の影響を避けるために、各マウスにおける各麻酔薬曝露のEC50-LORRを平均化した(図8、図10、及び図12)。
図8~図13は、WS-635が、麻酔薬の効果に影響を及ぼさないことを示す。
これらのデータは、WS-635による処置が、マウスにおける麻酔及び手術誘発性認知障害を軽減できることを示唆する。動物実験の結果は、WS-635が、患者の術後神経認知障害の治療における臨床応用の見込みが良好であることを示す。
「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、「他の例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」など本明細書中の参照は、実施形態又は例に関連して記載される特定の部分、構造、材料、又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態又は例中に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所で記載される「いくつかの実施形態においては」、「1つの実施形態においては」、「実施形態においては」、「他の実施形態においては」、「例においては」、「具体的な例においては」、又は「いくつかの例においては」などの表現は、必ずしも本開示の実施形態又は例と同一物を意味しているわけではない。更に、特定の部分、構造、材料、又は特徴は、1つ以上の実施形態又は例において任意の好適な方法で組合せてもよい。

Claims (20)

  1. 式Iの化合物又はその互変異性体、N-オキシド、溶媒和物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグを有効成分として含むことを特徴とする術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
    Figure 0007232932000005
  2. 術後認知機能障害が、イソフルラン誘発性、デスフルラン誘発性、セボフルラン誘発性、又はプロポフォール誘発性である請求項1に記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  3. 手術前48時間以内にそれを必要とする対象に投与される請求項1又は2に記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  4. 手術前24時間以内にそれを必要とする対象に投与される請求項1から3のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  5. 手術後48時間以内にそれを必要とする対象に投与される請求項1から4のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  6. 手術後24時間以内にそれを必要とする対象に投与される請求項1から5のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  7. 約900mg未満の1日用量で投与される請求項1から6のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  8. 約10~約900mgの1日用量で投与される請求項1から7のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  9. 約50~約600mgの1日用量で投与される請求項1から8のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  10. 1日当たり1回投与される請求項1から9のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  11. 単一用量剤形として1日当たり1回投与される請求項1から10のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  12. 経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸内、経バッカル(transbuccally)、鼻腔内、リポソームを介して(liposomally)、吸入を介して、経膣的(vaginally)、眼内、局所送達を介して、皮下、脂肪内(intraadiposally)、関節内、及び髄腔内からなる群から選択される経路によって投与される請求項1から11のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  13. 経口又は静脈内に投与される請求項1から12のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  14. 錠剤、カプセル剤、又は注射剤の形態で投与される請求項1から13のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  15. 前記術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物が、前記式Iの化合物以外の、認知障害を予防、治療、又は軽減するために使用される1以上の他の剤と組み合わせて投与される請求項1から14のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物。
  16. それを必要とする対象における術後認知機能障害(POCD)の予防、又は軽減のために用いられ、請求項1から15のいずれかに記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用組成物の有効量を含むことを特徴とする、術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用医薬組成物。
  17. 前記化合物Iを900mg未満含む単一用量剤形をなす請求項16に記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用医薬組成物。
  18. 前記単一用量剤形が、更に、前記式Iの化合物以外の、認知障害を予防、治療、又は軽減するために使用される1以上の他の剤を含む請求項17に記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用医薬組成物。
  19. 前記他の剤が、補酵素の少なくとも1つのメンバからなる群から選択される請求項18に記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用医薬組成物。
  20. 前記補酵素が、補酵素Q10を含む請求項19に記載の術後認知機能障害(POCD)予防又は軽減用医薬組成物。
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