したがって、操作が容易であり、信頼性が高く、且つ、有効な閉鎖を形成するのに要する時間の量が少なくて済む、閉鎖機構及び方法が必要とされている。
本発明の例示的な実施態様では、装置が、複数のアンカーと、これらのアンカーに連結されており且つアンカーを互いに向けて押し動かすように構成されている少なくとも1つの弾性の閉鎖要素と、アンカーに連結されている閉鎖要素と共に、アンカーを組織の中に駆動するように構成されている駆動装置とを含み、及び、この閉鎖要素は、組織の中に駆動されたアンカーの相互間に位置した組織の開口を閉鎖するように、且つ、アンカーを押し動かして互いに分離させるアンカー上に及ぼされる反対の力に抵抗するように、組織の中に駆動されたアンカーを互いに向けて押し動かすために十分な弾性を有する。
この反対の力は、(a)組織、(b)流体流、(c)空気圧、(d)液圧、及び、(e)外力の少なくとも1つによって、アンカーに対して及ぼされるだろう。
この装置は、さらに、複数のばね付勢部材(spring-loaded member)を含む安全解放機構を備え、このばね付勢部材の各々は独立的に係合位置と係合解除位置との間を移動することが可能であり、及び、安全解放機構は、いずれかのばね付勢部材が非係合位置にある場合に、駆動装置がアンカーを移動させることを阻止するようになっている。
アンカーの各々は、それぞれのアンカーが組織の中に遠位に駆動される時に、組織に穿孔するように構成されている遠位先端を有する細長い本体を含んでもよい。
アンカーの各々は、アンカーが組織の中に駆動された後のアンカーの近位の移動に抵抗するように構成されている固着突起(anchoring projection)を含んでもよい。
固着突起は、翼部と細長い本体との間の連結部分から自由端部に近位に且つ半径方向に延びる翼部である。
この翼部は、複数の近位に延びる切断突起をこの翼部の自由端部に含んでもよい。
この翼部は、細長い本体の中に半径方向内方に且つ遠位に進む切れ目によって形成されてもよい。
細長い本体と翼部は、縦方向に延びる複数の襞(corrugation)を含むことがあり、これらの襞は、翼部の自由端部において、近位に延びる複数の切断突起を提供する。
アンカーの各々は、アンカーが組織の中に駆動された後にそのアンカーの近位方向の移動に抵抗するように構成されている第1及び第2の固着突起を含み、及び、この第1及び第2の固着突起は、細長い本体の長さに沿って互いからオフセットしているそれぞれの位置に配置されている。
第1及び第2の固着突起は、細長い本体の中に半径方向内方に且つ遠位に進み、且つ、細長い本体の長さに沿って互いにからオフセットしているそれぞれの場所で終端する、第1及び第2の切れ目によってそれぞれに形成されている第1及び第2の翼部であってもよい。
閉鎖要素は、バンド、弾性バンド、及び、シリコンで形成されているバンドの少なくとも1つを含んでもよい。
アンカーの各々は、バンドを受け入れるように形成されている鉤状の突起を含んでもよい。
この鉤状突起は、バンドがアンカーの近位端部から動いて離れることを阻止することによって、バンドとアンカーとの間の係合を維持するように構成されてもよい。
この装置は、複数の閉鎖要素を含んでもよい。
複数の閉鎖要素の各々は、2つ以上のアンカーに接触してもよい。
閉鎖要素は、2つの重なり合うV字形の構成のパターンを形成してもよい。
複数の閉鎖要素は、3つ以上のアンカーに接触してもよい。
少なくとも1つの閉鎖要素は、3つのアンカーを連結する一体構造のV字形要素を含んでもよい。
この装置は、3つのアンカーを連結するように各々に構成されている2つの一体構造のV字形閉鎖要素を含んでもよい。この2つのV字形閉鎖要素は、菱形の操作窓を形成するように重なり合ってもよい。
この装置は、さらに、ガイドワイヤを受け入れるように構成されているセンタリング要素を含んでもよい。このセンタリング要素は管状シャフトであってもよい。
アンカーは、第1の構成において、環状の外周部に沿って配置されていてもよい。
閉鎖要素は、1つ又は複数のチューブによって、環状の外周部の内側を延びることが阻止されてもよい。
この駆動装置は、複数のアンカーを同時に駆動するように構成されてもよい。
この駆動装置は、アンカーに衝突して遠位方向の運動量をアンカーに対して与えるように構成されている、ばね付勢要素を備えてもよい。
この装置は、さらに、複数のアンカーを駆動するために、事前装着位置(preloaded position)からばね付勢要素を解放するように構成されているトリガを含んでもよい。
この装置は、さらに、ハンドルを含んでもよく、及び、トリガはハンドル内に配置されている。
このハンドルとトリガと駆動装置は、カニューレと外側作業チューブ(outer working tube)と複数のアンカーと閉鎖要素とから取り外し可能であってもよい。
複数のアンカーと閉鎖要素は、生体吸収性の材料で形成されてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、装置が、複数のアンカーと、これらのアンカーに連結されており且つアンカーを互いに向けて押し動かすように構成されている少なくとも1つの弾性の閉鎖要素とを含み、及び、この閉鎖要素は、組織の中に駆動されたアンカーの相互間に位置した組織の中の開口を閉鎖するように、且つ、アンカーを押し動かして互いに分離させる、アンカー上に及ぼされる反対の力に抵抗するように、アンカーを互いに向けて押し動かすために十分な弾性を有する。
この反対の力は、(a)組織、(b)流体流、(c)空気圧、(d)液圧、及び、(e)外力の少なくとも1つによって、アンカー上に対して及ぼされてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、方法が、複数のアンカーを組織内に植え込むことと、これらの植え込まれたアンカーを、(a)植え込まれたアンカーの相互間に位置した組織の中の開口を閉鎖するために、及び、(b)アンカーを押し動かして分離させ、開口を開かせる、植え込まれたアンカーに及ぼされる反対の力に対して抵抗するために十分な力で、アンカーに連結された少なくとも1つの弾性の閉鎖要素によって、植え込まれたアンカーを互いに向けて押し動かすこととを含む。
この反対の力は、(a)組織、(b)流体流、(c)空気圧、(d)液圧、及び、(e)外力の少なくとも1つによって、アンカーに対して及ぼされてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、方法が、複数のアンカーを組織内に植え込むことと、アンカーに連結された少なくとも1つの弾性の閉鎖要素によって、植え込まれたアンカーを互いに向けて押し動かすことと、植え込まれたアンカーの相互間の組織の中に開口を形成することであって、弾性の閉鎖要素は、(a)組織内の開口を閉鎖状態に維持するために、及び、(b)アンカーを押し動かして分離させて、開口を開かせる、植え込まれたアンカーに及ぼされる反対の力に対して抵抗するために十分な力で、植え込まれたアンカーを互いに向けて且つ開口に向けて押し動かすことと、その開口の中を通して器具を挿入することと、開口からその器具を取り除いた後に、(a)組織内の開口を閉鎖状態に維持するために、及び、(b)アンカーを押し動かして分離させて開口を開かせる、植え込まれたアンカーに及ぼされる反対の力に対して抵抗するために十分な力で、弾性閉鎖要素によって再び植え込まれたアンカーを互いに向けて且つ開口に向けて押し動かすこととを含む。
この反対の力は、(a)組織、(b)流体流、(c)空気圧、(d)液圧、及び、(e)外力の少なくとも1つによって、アンカーに対して及ぼされてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、方法が、組織内に開口を形成することと、この開口の中を通してセンタリング装置を挿入することと、開口の周りにアンカーをセンタリングするためにセンタリング装置を使用して複数のアンカーを組織の中に植え込むことと、アンカーに連結された少なくとも1つの弾性の閉鎖要素によって、植え込まれたアンカーを互いに向けて且つ開口に向けて押し動かすことと、開口の中を通して器具を挿入することと、開口からその器具を取り除いた後に、(a)組織内の開口を閉鎖状態に維持するために、及び、(b)アンカーを押し動かして分離させて、開口を開かせる、植え込まれたアンカーに及ぼされる反対の力に対して抵抗するために十分な力で、弾性閉鎖要素によって再び植え込まれたアンカーを互いに向けて且つ開口に向けて押し動かすこととを含む。
この反対の力は、(a)組織、(b)流体流、(c)空気圧、(d)液圧、及び、(e)外力の少なくとも1つによって、アンカーに対して及ぼされてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、外科用装置が、1つ又は複数のアンカーと、アンカーを組織の中に駆動するように構成されている駆動装置と、アンカーが互いに対して第1の距離にある第1の構成から、アンカーが互いに対して第1の距離よりも短い第2の距離にある第2の構成に向けて、アンカーを押し動かすように構成されている、アンカーの相互間を延びる少なくとも1つの弾性の閉鎖要素とを備え、この外科用装置は、駆動されるアンカーを第1の構成の形に維持するように、且つ、少なくとも1つの閉鎖要素によってアンカーが第2の構成に向けて動かされることを可能にするために、駆動されるアンカーを選択的に解放するように構成されている。
アンカーの各々は、それぞれのアンカーが組織の中に遠位に移動させられる時に、組織に穿孔するように構成されている遠位先端を有する細長い本体を含んでもよい。
アンカーの各々は、アンカーが組織の中に駆動された後のアンカーの近位の移動に抵抗するように構成されている固着突起を含んでもよい。
固着突起は、翼部と細長い本体との間の連結部分から自由端部に近位に且つ半径方向に延びる翼部であってもよい。
この翼部は、複数の近位に延びる切断突起をこの翼部の自由端部に含んでもよい。
この翼部は、細長い本体の中に半径方向内方に且つ遠位に進む切れ目によって形成されてもよい。
細長い本体と翼部は、複数の縦方向に延びる襞を含んでもよく、これらの襞は、翼部の自由端部において、複数の近位に延びる切断突起を提供する。
アンカーの各々は、アンカーが組織の中に駆動された後にそのアンカーの近位の移動に抵抗するように構成されている第1及び第2の固着突起を含んでもよく、及び、この第1及び第2の固着突起は、細長い本体の長さに沿って互いからオフセットしているそれぞれの位置に配置されている。
第1及び第2の固着突起は、細長い本体の中に半径方向内方に且つ遠位に進み且つ細長い本体の長さに沿って互いにからオフセットしているそれぞれの場所で終端する第1及び第2の切れ目によってそれぞれに形成されている、第1及び第2の翼部であってもよい。
閉鎖要素は、バンドであってもよい。このバンドは、連続したループを形成してもよい。このバンドはシリコンで形成されてもよい。
アンカーの各々は、バンドを受け入れるように形成されている鉤状突起を含んでもよい。
この鉤状突起は、バンドがアンカーの近位端部から動いて離れることを阻止することによって、バンドとアンカーとの間の係合を維持するように構成されていてもよい。
この装置は、2つ以上の閉鎖要素を含んでもよい。複数の閉鎖要素の各々は、2つのアンカーだけに接触してもよい。例えば、2つ以上の閉鎖要素は4つの閉鎖要素を含んでもよく、又は、6つのアンカーを含んでもよく、及び、この6つのアンカーの中の2つのアンカーが、4つの閉鎖要素の2つの閉鎖要素にだけ連結され、及び、6つのアンカーの中の4つのアンカーが、4つの閉鎖要素の中のそれぞれ1つの閉鎖要素だけに連結される。この閉鎖要素は、2つ以上の互いに重なり合うV字形構成のパターンを形成してもよい。
この複数の外科用閉鎖要素は、3つ以上のアンカーに接触してもよい。
少なくとも1つの閉鎖要素は、3つのアンカーに接触するように構成されている一体構造のV字形要素を含んでもよい。
少なくとも1つの閉鎖要素は、3つのアンカーに接触するように各々が構成されている2つ以上の一体構造のV字形要素を含んでもよい。例えば、このV字形要素は、菱形の操作窓を形成するように重なり合ってもよい。
この装置は、さらに、ガイドワイヤを受け入れるように構成されているセンタリング要素を含んでもよい。請求項25の装置、このセンタリング要素は管状シャフトである。このセンタリング要素は、外科用装置の他の部分からセンタリング機構が引っ込められることを可能にするように構成されている近位部分を有してもよい。
この装置は、さらに、アンカーを駆動する前にこの装置が組織に適切に接触しているかどうかを示すように構成されている少なくとも1つの圧力センサを備えてもよい。
この少なくとも1つの圧力センサは、この装置の遠位端部から遠位に延びる少なくとも1つの接触要素を含んでもよい。この少なくとも1つの接触要素は、組織に対してその装置の遠位端部が押し付けられる時に、凹むことが可能であってもよい。
この装置は、さらに、キープレート(key plate)と少なくとも1つのキー部材とを備えてもよく、この少なくとも1つのキー部材は、その少なくとも1つのキー部材がキープレートに係合させられている第1の位置と、その少なくとも1つのキー部材がキープレートから係合解除されている第2の位置とを有し、及び、接触要素の凹みが、少なくとも1つのキー部材が第1の位置から第2の位置に動くことを生じさせる。
このキープレートは、少なくとも1つのキー部材がそのキープレートに係合させられている時にアンカーの駆動を阻止してもよい。
少なくとも1つのキー部材は、それぞれの接触要素によって各々が独立的に移動可能である複数のキー部材を含む。キープレートは、少なくとも1つのキー部材がそのキープレートに係合させられている時にアンカーの駆動を阻止してもよい。
アンカーは、第1の構成において環状の外周部に沿って配置されてもよい。
閉鎖要素は、アンカーが第1の構成の形に維持されている時に、環状の外周部の内側を延びることが阻止されてもよい。
この外科用装置は、さらに、アンカーが第1の構成の形に維持されている時に、アンカーの相互間に配置されている手術部位に到達するように構成されているカニューレを備えてもよい。
このカニューレは、アンカーを第1の構成の形に維持するように構成されてもよい。
アンカーと閉鎖要素は、カニューレに対して半径方向外側の位置に配置されてもよい。
この外科用装置は、さらに、外部作業チューブを備え、及び、カニューレがこの外部作業チューブの内側を延びてもよい。
カニューレと外部作業チューブの少なくとも一方が、カニューレの内部に相当する任意の半径方向位置にアンカー及び閉鎖要素が延びることを阻止するように構成されている外側表面を有してもよい。
この外科用装置は、カニューレの内側導管に対応する任意の半径方向位置に延びることが阻止されている、複数の閉鎖要素を含んでもよい。
カニューレは、そのカニューレの遠位端部を越えて閉鎖要素が遠位に移動することを阻止するように構成されている半径方向に延びるフランジをその遠位部分が形成するフランジ付き方向配置(flanged orientaion)を有する遠位部分を含んでもよい。このフランジは、外側作業チューブの外側表面を越えて半径方向に延びてもよい。
カニューレの遠位部分は第2の方向配置に作動可能であってもよく、この第2の方向配置では、内側作業導管の遠位部分は、閉鎖要素がカニューレの遠位端部を越えて遠位に移動することを阻止しない。
このフランジは、カニューレの遠位部分が第2の方向配置にある時には遠位に延びてよい。
カニューレの遠位部分は、外側作業チューブに対して相対的にカニューレを近位に滑動させることによって、フランジ付き方向配置から第2の方向配置に近位に作動可能であってもよい。
アンカーが駆動装置によって駆動される深さが、閉鎖要素と半径方向に延びるフランジとの間の接触によって制限されてもよい。
駆動装置は、複数のアンカーを同時に駆動するように構成されてもよい。
この駆動装置は、アンカーに衝突して遠位方向の運動量をアンカーに対して与えるように構成されているばね付勢要素を備えてもよい。
この外科用装置は、さらに、複数のアンカーを駆動するために、ばね付勢要素を事前装着位置から解放するように構成されているトリガを含んでもよい。
この外科用装置は、さらに、ハンドルを含んでもよく、及び、トリガはハンドル内に配置されている。
この外科用装置は、さらに、その安全要素が安全位置にある時にばね付勢要素をトリガが解放することを阻止するように構成されている安全要素を備えてもよい。
ハンドルとトリガと駆動装置は、カニューレと外側作業チューブと複数のアンカーと閉鎖要素とから取り外し可能であってもよい。
複数のアンカー及び/又は閉鎖要素は、生体吸収性の材料で形成されてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、方法が、2つ以上のアンカーを組織内に植え込むことと、これらの植え込まれたアンカーを、アンカーが互いから第1の距離にある第1の構成に維持することと、アンカーを、第1の構成から、アンカーが互いから第1の距離よりも短い第2の距離にある第2の構成に向けて押し動かすことと、2つ以上のアンカーの相互間の区域内の組織の中に開口を形成することと、第1の構成から第2の構成にアンカーが移動することを可能にすることによって開口を収縮させることとを含む。
開口は、植え込まれたアンカーが第1の構成の形に維持されている間に形成されてよい。
開口は、トロカール、円刃刀、又は、他の鋭利な装置を用いて形成されてよく、及び、拡張器、シースイントロデューサ、又は、カテーテルを使用して拡張されてもよい。
この方法は、さらに、開口の中を通して胸腔鏡下手術処置を行うことを含んでもよい。
閉鎖装置は、その閉鎖装置を事前装着状態に維持するように構成されているカニューレ又はシースイントロデューサを含んでもよく、及び、外科的処置がカニューレ又はシースイントロデューサを通して行われる。
組織は血管又は心臓組織であってもよい。
外科的処置は、経心尖的弁置換又は修復(trans-apical valve replacement or repair)であってもよい。
本発明の例示的な実施態様では、外科用装置が、組織の中に駆動されるように構成されている複数のアンカーと、アンカーが互いに対して第1の距離にある第1の構成から、アンカーが互いに対して第1の距離よりも短い第2の距離にある第2の構成に向けて、アンカーを押し動かすように構成されている、アンカーの相互間を延びる少なくとも1つの閉鎖要素とを備え、この外科用装置は、手術処置中にアンカーを第1の構成に維持するように、且つ、その後で、閉鎖要素によってアンカーが第2の構成に向けて動かされることを可能にするように構成されている。
本発明の例示的な実施態様では、外科用装置が、アンカーが互いに対して第1の距離にある第1のアンカー構成において複数のアンカーを組織の中に駆動するように構成されている駆動装置を備え、及び、この装置は、駆動されるアンカーを第1のアンカー構成の形に維持するように構成されており、及び、アンカーが第1のアンカー構成の形である時に比べてアンカーが互いにより接近している第2の別の構成に向けて少なくとも1つの閉鎖要素によってアンカーが動かされることを可能にするために、駆動されるアンカーを選択的に解放するように構成されている。
駆動装置は、例えば、a)それぞれのアンカー、又は、b)その駆動装置からアンカーに運動量を伝達するように構成されているピンを打撃することによって、各々のアンカーを駆動するように構成されてもよい。
駆動装置は近位位置から遠位位置に移動させられるように構成されてもよく、この遠位位置では、その駆動装置が、a)それぞれのアンカー、又は、b)その駆動装置からそれぞれのアンカーに運動量を伝達するように構成されているピンを打撃することによって、各アンカーそれぞれに運動量を与える。駆動装置は、ばねによって作動させられるように構成されてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、装置が、複数のアンカーと、アンカーに連結されており、且つ、アンカーを互いに向けて押し動かすように構成されている少なくとも1つの組織圧縮バンドと、アンカーに連結されている組織圧縮バンドと共にアンカーを組織の中に駆動するように構成されている駆動装置とを備え、及び、この組織圧縮バンドは、組織の中に駆動されているアンカーの相互間に位置している組織を閉鎖するために、組織の中に駆動されているアンカーを互いに向けて押し動かすのに十分な弾性を有する。
力が、(a)組織、(b)流体流、(c)空気圧、(d)液圧、及び、(e)外力の少なくとも1つによって、アンカーに対して及ぼされてもよい。
アンカーの各々は、それぞれのアンカーが組織の中に遠位に駆動される時に、組織に穿孔するように構成されている遠位先端を含んでもよい。
アンカーの各々は、アンカーが組織の中に駆動された後に、アンカーの近位移動に抵抗するように構成されている固着突起を含んでもよい。
固着突起は、遠位先端の近位端部から自由端部に近位に且つ半径方向に延びる翼部であってもよい。
この翼部は、複数の近位に延びる切断突起をこの翼部の自由端部に含んでもよい。
この翼部は、複数の縦方向に延びる複数の襞を含んでもよく、及び、これらの襞は、近位に延びる複数の切断突起をこの翼部の自由端部を提供する。
組織圧縮バンドは、バンド、弾性バンド、及び、シリコンで形成されたバンドの少なくとも1つを含んでもよい。
組織圧縮バンドは第1及び第2の端部を有してもよく、この第1及び第2の端部の各々は、その端部から半径方向に延びる少なくとも1つの突起を有し、及び、さらに、複数のアンカーの各々は連結要素を備える。
この連結要素は、バンドが動いてアンカーから離れることを阻止することによって、組織圧縮バンドとアンカーとの間の係合を維持するように構成されていてもよい。
この装置は、複数の組織圧縮バンドを含んでもよい。
組織圧縮バンドの各々は2つ以上のアンカーに接触してもよい。
組織圧縮バンドの各々は2つのアンカーに接触してもよい。
組織圧縮バンドは、他の組織圧縮バンド上に重なり合ってもよい。
4つの組織圧縮バンドが、長方形を形成するように重なり合ってもよい。
4つの組織圧縮バンドが、菱形を形成するように重なり合ってもよい。
アンカーは、第1の構成の形で環状の外周部に沿って配置されてもよい。
アンカーは、第1の構成の形で正方形の形で配置されてもよい。
駆動装置は、複数のアンカーを同時に駆動するように構成されてもよい。
駆動装置は、複数のアンカーを予め画定された距離を駆動するように構成されてもよい。
駆動装置は、アンカーに衝突し且つ遠位に方向付けられた運動量をアンカーに与えるように構成されている、ばね付勢要素を備えてもよい。
トリガが、複数のアンカーを駆動するために、ばね付勢要素を、事前装着位置から解放するように構成されてもよい。
ハンドル、トリガはハンドル内に配置されていてもよい。
複数のアンカーと組織圧縮バンドは、生体吸収性材料で形成されてもよい。
組織圧縮バンドは、その組織圧縮バンドがアンカーに対して(i)力を及ぼさないか又は(ii)最小の力を及ぼすかのどちらかである弛緩状態と、その組織圧縮バンドがアンカーを互いに向けて押し動かす力を及ぼす張り詰め状態(tensed state)とを有してもよい。
組織圧縮バンドは、駆動装置によって組織の中に駆動される前に、弛緩状態にあってもよい。
組織圧縮バンドは、駆動装置によって組織の中に駆動された後に、張り詰め状態であってもよい。
組織圧縮バンドは、アンカーが駆動装置によって組織の中に駆動された後に、その組織の内側に位置した箇所で、アンカーに連結されてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、装置が、複数のアンカーと、これらのアンカーに連結されており且つアンカーを互いに向けて押し動かすように構成されている少なくとも1つの組織圧縮バンドとを備え、及び、この組織圧縮バンドは、組織の中に駆動されたアンカーの相互間に位置した組織の中の開口を閉鎖するように、組織の中に駆動されたアンカーを互いに向けて押し動かすための十分な弾性を有する。
本発明の例示的な実施態様では、方法が、複数のアンカーを組織の中に植え込むことと、植え込まれたアンカーの相互間に位置している組織の中の開口を閉鎖するために十分な力で、アンカーに連結されている少なくとも1つの組織圧縮バンドによって、この植え込まれたアンカーを互いに向けて押し動かすこととを含む。
本発明の例示的な実施態様では、装置が、複数のアンカーと、アンカーに連結されている閉鎖プレートと、アンカーに連結されている閉鎖プレートと共にアンカーを駆動して組織の中に駆動するように構成されている駆動装置とを備え、及び、アンカーに連結されている閉鎖プレートは、組織の中に駆動されたアンカーの相互間に位置している組織の中の開口を閉鎖するように構成されている。
閉鎖プレートは剛性であってもよい。
閉鎖プレートは、アンカーを互いに向けて押し動かすように構成されてもよい。
アンカーの各々は、それぞれのアンカーが組織の中に遠位に駆動される時に、組織に穿孔するように構成されている遠位端部を有する細長い本体を含んでもよい。
アンカーの各々は、アンカーが組織の中に駆動された後にアンカーの近位移動に抵抗するように構成されている固着突起を含んでもよい。
この固着突起は、翼部と細長い本体との間の連結部分から自由端部に近位に且つ半径方向に延びる翼部であってもよい。
この翼部は、この翼部の自由端部に、近位に延びる複数の切断突起を含んでもよい。
この翼部は、細長い本体の中に半径方向に内方に且つ遠位に進む切れ目によって形成されてもよい。
細長い本体と翼部は、縦方向に延びる複数の襞を含んでもよく、これらの襞は、翼部の自由端部において、近位に延びる複数の切断突起を提供する。
アンカーの各々は、アンカーが組織の中に駆動させられた後にそのアンカーの近位の移動に抵抗するように構成されている第1及び第2の固着突起を含んでもよく、及び、この第1及び第2の固着突起は、細長い本体の長さに沿って互いからオフセットしているそれぞれの位置に配置されている。
第1及び第2の固着突起は、細長い本体の中に半径方向内方に且つ遠位に進み、且つ、細長い本体の長さに沿って互いにからオフセットしているそれぞれの場所で終端する、第1及び第2の切れ目によってそれぞれに形成されている、第1及び第2の翼部であってもよい。
閉鎖要素は、組織の中に駆動されたアンカーの相互間に位置している組織の中の開口を閉鎖するために、組織の中に駆動されたアンカーを互いに向けて押し動かすのに十分な弾性を有してもよい。
閉鎖要素は、バンド、弾性バンド、及び、シリコンで形成されているバンドの少なくとも1つを含んでもよい。
アンカーの各々は、バンドを受け入れるように形成されている鉤状の突起を含んでもよい。
この鉤状突起は、バンドがアンカーの近位端部から動いて離れることを阻止することによって、バンドとアンカーとの間の係合を維持するように構成されてもよい。
閉鎖プレートは円形であってもよい。
閉鎖プレートは長方形であってもよい。
閉鎖プレートは複数の滑動ブレース(sliding brace)を備えてもよい。
駆動装置は、複数のアンカーを同時に駆動するように構成されてもよい。
駆動装置は、複数のアンカーを予め画定された距離に駆動するように構成されてもよい。
駆動装置は、アンカーに衝突して遠位方向の運動量をアンカーに与えるように構成されているばね付勢要素を備えてもよい。
トリガが、複数のアンカーを駆動するために、事前装着位置からばね付勢要素を解放するように構成されてもよい。
トリガはハンドル内に配置されてもよい。
複数のアンカーと閉鎖プレートが生体吸収性材料で形成されてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、装置が、複数のアンカーと、アンカーに連結されている閉鎖プレートとを備え、及び、アンカーに連結されている閉鎖プレートは、組織の中に駆動されたアンカーの相互間に位置している組織の中の開口を閉鎖するように構成されている。
本発明の例示的な実施態様では、方法が、複数のアンカーを組織の中に植え込むことと、組織の中に駆動されたアンカーの相互間に位置している組織の中の開口を閉鎖することとを含む。
本発明の例示的な実施態様では、装置が、複数のアンカーと、アンカーに連結されており且つアンカーを互いに向けて押し動かすように構成されている少なくとも1つの閉鎖要素と、アンカーに連結されている閉鎖要素と共にアンカーを組織の中に駆動するように構成されている駆動装置とを備え、及び、この閉鎖要素は、組織の中に駆動されたアンカーの相互間に位置している組織の中の開口を閉鎖するために、組織の中に駆動されたアンカーを互いに向けて押し動かすのに十分な弾性を有する。
力が、(a)組織と、(b)流体流と、(c)空気圧と、(d)液圧と、(e)外力と、(f)手動の圧力との少なくとも1つによって、アンカーに対して及ぼされてもよい。
アンカーの各々は、それぞれのアンカーが組織の中に遠位に駆動される時に、組織に穿孔するように構成されている遠位先端を含んでもよい。
アンカーの各々は、そのアンカーが組織の中に駆動された後のアンカーの近位の移動に抵抗するように構成されている固着突起を含んでもよい。
この固着突起は、遠位先端の近位端部から自由端部に近位に且つ半径方向に延びる翼部であってもよい。
この翼部は、複数の近位に延びる切断突起をこの翼部の自由端部に含んでもよい。
翼部は、縦方向に延びる複数の襞を含んでもよく、これらの襞は、翼部の自由端部において、近位に延びる複数の切断突起を提供する。
閉鎖要素は、バンド、組織圧縮バンド、弾性バンド、及び、シリコンで形成されているバンドの少なくとも1つを含んでもよい。
閉鎖要素は第1及び第2の端部を備えてもよく、この第1及び第2の端部の各々は、その端部から半径方向に延びる少なくとも1つの突起を有し、さらに、複数のアンカーの各々は連結要素を備える。
この連結要素は、バンドが動いてアンカーから離れることを阻止することによって、閉鎖要素とアンカーとの間の係合を維持するように構成されていてもよい。
この装置は、複数の閉鎖要素を含んでもよい。
閉鎖要素の各々は、2つ以上のアンカーに接触してもよい。
閉鎖要素の各々は、2つのアンカーに接触してもよい。
駆動装置は管状であってもよく、及び、閉鎖要素の各々は管状の駆動装置の周りに巻き付けられている。
管状の駆動装置は、管状の駆動装置の周りの巻き付け位置に閉鎖要素を保持するように構成されている少なくとも1つのプッシャピン(pusher pin)を備えてもよい。
管状の外側シェルが、巻き付けられた閉鎖要素の周りに環状に配置されてもよい。
この外側シェルは、巻き付けられた閉鎖要素を露出させるために、近位方向に滑動するように構成されてもよい。
駆動装置は、さらに、アンカーを半径方向外方に駆動するように構成されてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、方法が、管状の駆動装置の周りに巻き付けられており且つ複数のアンカーに連結されている少なくとも1つの閉鎖要素を有する外科用装置を組織内の開口の中に挿入することと、巻き付けられている閉鎖要素の周りの環状位置から外側シースを取り外すことと、閉鎖要素に連結されているアンカーを組織の表面の下から組織の中に駆動することと、アンカーと閉鎖要素が組織内に残留する形で、組織から外科用装置を取り外すこととを含む。
本発明の例示的な実施態様では、外科用アンカーが、組織に穿孔するように構成されている遠位先端に向かって先細にされている遠位端部と、遠位端部から近位に延びる可とう性要素と、遠位端部から自由端部に近位に且つ半径方向外方に延び、及び、半径方向外側の表面と半径方向内側の表面とを含む少なくとも1つの翼部とを含み、及び、半径方向外側の表面は、近位に延びる複数の突起を自由端部において提供する縦方向に延びる襞を含む。
力が、(a)組織と、(b)流体流と、(c)空気圧と、(d)液圧と、(e)外力との少なくとも1つによって、アンカーに対して及ぼされてもよい。
半径方向内側の表面は凹形であってもよい。
可とう性要素は、アンカーに及ぼされる力に連携して湾曲するように構成されてもよい。
翼部は、アンカーが組織の中に駆動された後のアンカーの近位移動に抵抗するように構成されていてもよい。この翼部は、さらに、自由端部に延び、及び、近位に延びる複数の切断突起をその自由端部において含んでもよい。襞が、近位に延びる複数の切断突起を翼部の自由端部に提供する。
アンカーは、環状の外周部に沿って複数のアンカーを有する構成で配置されてもよい。アンカーは、長方形の形状で複数のアンカーを有する構成で配置されてもよい。アンカーは生体吸収性の材料で形成されてもよい。
本発明の例示的な実施態様では、外科用アンカーは、組織に穿孔するように構成されている遠位先端に向かって先細にされている遠位端部と、遠位端部から自由端部に近位に且つ半径方向外方に延び、及び、半径方向外側の表面と半径方向内側の表面とを含む少なくとも1つの翼部とを含み、及び、半径方向外側の表面は、近位に延びる複数の突起を自由端部に提供する縦方向に延びる襞を含む。
本発明の例示的な実施態様では、外科用装置は、アンカーであって、組織に穿孔するように構成されている遠位先端に向かって先細にされている遠位端部と、遠位端部から自由端部に近位に且つ半径方向外方に延び、及び、アンカーの肩部において遠位端部から延びる少なくとも1つの翼部と、遠位端部から近位に延びる可とう性要素とを有し、及び、その肩部は可とう性要素と翼部の遠位部分との交点に配置されているか又はこの交点に対して遠位に配置されているアンカーと、組織の中にアンカーを駆動するためにアンカーの肩部に駆動力を及ぼすように構成されている駆動装置とを含み、及び、翼部は、半径方向外側の表面と半径方向内側の表面とを含み、及び、半径方向外側の表面は、近位に延びる複数の突起を自由端部において提供する、縦方向に延びる襞を含む。
アンカーは、複数のアンカーを有する構成で配置されてもよく、及び、駆動装置は、アンカーを同時に駆動するように、又は、予め画定された距離を、アンカーを駆動させるように、構成されてもよい。駆動装置は、アンカーに衝突して遠位方向の運動量をアンカーに対して与えるように構成されているばね付勢要素を備えてもよい。
翼部は肩部を越えて近位に延びてもよく、及び、駆動装置は、アンカーの肩部に接触しているピンを含んでもよく、及び、このピンはアンカーを遠位に組織内に駆動するように構成されている。
本発明の例示的な実施態様では、外科用装置は、組織に穿孔するように構成されている遠位先端に向かって先細にされている遠位端部と、遠位端部から自由端部に近位に且つ半径方向外方に延びる少なくとも1つの翼部とを有する外科用アンカーと、送達機構であって、翼部が弛緩状態に拡張することを可能にするように構成されている少なくとも1つの窓と、翼部を圧縮状態に圧縮するように構成されている少なくとも1つの狭小化要素とを含む、遠位端部を有する送達機構とを含み、及び、翼部は、半径方向外側の表面と半径方向内側の表面とを含み、及び、半径方向外側の表面は、近位に延びる複数の突起を自由端部において提供する縦方向に延びる襞を含み、及び、送達機構がアンカーを放出する前に、翼部は、その翼部が弛緩位置にあるように窓の中に位置させられており、及び、送達機構がアンカーを放出している最中は、翼部は狭小化要素に接触し、したがってその翼部が弛緩状態から圧縮状態に狭小化し、翼部は、送達機構から放出されると、その弛緩状態に戻るように構成されている。
本発明の例示的な実施態様のさらに別の特徴と側面とを、添付図面を参照しながら、以下でさらに詳細に説明する。
より詳細に後述するように、本発明の例示的な実施形態が、例えば縫合を不要にすることによって、人間の過ちの可能性を制限する、組織内の開口部(例えば、心膜窓又は心筋窓)の確実で且つ効果的な閉鎖を可能にする。幾つかの例では、外科用装置が、1つ又は複数の弾性閉鎖要素によって互いに連結されている複数のアンカーを組織の中に固着させる。これらのアンカーは、弾性閉鎖要素がアンカーの相互間において張力をかけられている、間隔が開けられた形状構成の形で、組織の中へと駆動される。アンカーの固着場所の相互間に形成されている組織開口部の中を通して外科的処置が行われる間は、アンカーが互いに間隔が開けられた配置の形で保持される。この開口部を閉鎖するために、この装置は、張力をかけられた弾性閉鎖要素が、アンカーと、そのアンカーが中に固着させられている組織とを組織開口部に向けて引き込むように、アンカーをその相互に間隔が開けられた配置から容易に解放する。これによって、組織の開口部が閉鎖状態に保持される。弾性閉鎖要素内に残留する張力が、a)組織と、(b)流体流と、(c)空気圧と、(d)液圧と、(e)外力との少なくとも1つによってアンカーに及ぼされることがある反対の力を相殺する。
例えば、図1から図10Eを参照すると、外科処置が、例えば心臓の内部に対する到達が望まれている心臓壁上の場所のような外科的進入場所に、外科用閉鎖装置5を位置決めすることを含む。外科用封鎖装置5は、その次に、外科的進入場所の周りの間隔が開けられた予め決められた場所において、複数のアンカー200を組織内に駆動するために、例えばトリガによって起動される。アンカー200は、弾性バンドの形の予め張力をかけられている閉鎖要素300によって、進入場所に向けて事前装着される。アンカー200は、カニューレ400及び/又は外側作業チューブ100によってその外向きの位置に維持される。アンカーが駆動された後に、カニューレ400と外側作業チューブ100とアンカー200と封鎖要素300とを除く外科用装置の各部分が取り除かれる。
その次に、カニューレ400は、外科的処置が中を通して行われてもよい作業導管を提供する。例えば、組織900に穿孔するためにカニューレ400の導管の中を通してトロカールが延ばされてもよい。その次に、カテーテル、ガイドワイヤ、及び/又は、他の器具が、任意の適している介入性又は外科的処置に応じて、作業導管の中を通して挿入されてもよい。この処置を完了するために、作業導管の中を通って延びる任意のカテーテル又は他の器具が抜き取られ、及び、カニューレ400と作業チューブ100とが外科的進入場所から近位に引き抜かれる。カニューレ400と作業チューブ100との引抜きは、予め張力をかけられた閉鎖要素300が外科的進入部位に向けてアンカー200を引っ張ることを生じさせる。これによって、アンカー200が外科的進入場所を取り囲む組織の中に固着させられているので、結果的に、外科的進入場所を取り囲む組織が一緒に引っ張られ、これによって外科的進入穴が閉鎖される。従来の処置とは対照的に、縫合糸は必要とされない。
カニューレ400が外側作業チューブ100とは別個に提供されるが、例示的な実施形態が単一のチューブを含むだけでもよいということに留意されたい。例えば、カニューレ400が装置5内に備えられていない場合には、作業チューブ100はカニューレとして機能する。
図1と図2は、例示的な外科用閉鎖装置5を示す。この外科用閉鎖装置5は、外科的処置の最中に外科用閉鎖装置5を操作するために、例えば外科医のような操作者によって保持されるように構成されているハンドル10を含む。シャフト20がハンドル10から遠位に延び、及び、遠位端部部分25を含む。外側作業チューブ100はシャフト20の穴の中に配置されており、及び、シャフト20の縦軸線xに沿って同心状に延びる。外側作業チューブ100は、シャフト20の内側の開口部を通して、遠位に露出させられる。外側作業チューブ100は、シャフト20の内径よりも小さい外径を有し、したがって、外側作業チューブ100が縦軸線xに沿って滑動可能であることを可能にする。外側作業チューブ100とシャフト20との各々が、同心状の貫通穴を有する正円形の円筒として形成されているが、外側作業チューブ100及び/又はシャフト20が、例えば、楕円形、多角形等の横断面、及び/又は、縦軸線xに沿って変化する横断面のような適切な形状を備えてもよいということに留意されたい。さらに、穴の形状は、外側作業チューブ100及び/又はシャフト20に関する外側形状から大きく異なっていてもよい。
図1の差込部分図を参照すると、シャフト20の遠位端部部分25は6つのノッチ又はスロット26を含み、これらのノッチ又はスロット26は、縦軸線xに沿って近位距離にシャフト20の遠位先端から伸びる。スロット26は、任意の適切な形で形成されてもよく、例えば、遠位端部部分25内に3つの切れ目を形成し、各々の切れ目が軸線xの互いに反対側に2つのスロット26を形成する。スロット26の寸法は、6つのそれぞれのアンカー200がスロット26内に配置されることを可能にするように選択される。この点で、シャフトの壁厚さ(即ち、穴と外側表面との間の距離)と各スロット26の幅とが、アンカー200のそれぞれの横寸法よりもわずかに大きいように選択されてもよい。アンカー200が半径方向の突起を有する場合には、スロット26の幅はその突起を通過するアンカーの直径よりも小さくてもよい。したがって、スロット26の形状は、半径方向の突起がシャフト20の縦軸線xに対して少なくとも概ね整合しているようにアンカー200が方向配置されていることを必要とするだろうが、これは、そうでない場合にはアンカー200がスロット26の中に嵌合しないからである。
図3は、外科用閉鎖装置5の正面図である。スロット26は、それぞれのアンカー200と共に、シャフト20の円周方向の外周部に沿って互いに不均一な間隔を開けられている。特に、軸線xの反対側に各々のグループが位置する形で、2つのグループのスロット26が提供されている。この2つのグループの各々は、互いに等間隔の3つのスロット26を含む。これらのグループの間の円周方向の間隔は、各グループ内の個々のスロット26の間の円周方向の間隔よりも大きい。
図3の差込部分図を参照すると、スロット26は、アンカー200の本体201を受け入れるための互いに反対側に位置した縦方向に延びる円筒形溝27を有する側壁を含む。さらに、アンカー200に取り付けられている閉鎖要素300は、円筒形溝27に沿って通過することが可能である。スロット26は、さらに、翼部207、208を収容するために半径方向に延長されており、翼部207、208については図4に関連してより詳細に後述する。さらに、図3に示されているように外側作業チューブ100とシャフト20の端部部分25との間に閉鎖要素300が配置されることを可能にするために、外側作業チューブ100とシャフト20の端部部分25との間の間隙が存在している。
図4は、組織の中に駆動されるように構成されているアンカー又はインプラント200を示す。このアンカー200は襞付きの本体201を含む。本体201は、本体201の長さに沿って軸方向に延びる溝203を含む。したがって、複数の溝203は、本体201の周りを円周方向に延びながら、複数の隆起部205と互い違いになる。さらに、アンカー本体201は、1対の翼部又は分割部分207、208を含む。これらの分割部分207、208は、本体201の中へのそれぞれの割れ目(split)又は切れ目209によって形成されている。この点に関して、割れ目209は、本体201の中に切れ目を半径方向に形成して軸方向に延ばすことによって形成されてもよい。したがって、2つの分割部分207、208は、遠位位置において本体201の他の部分に取り付けられ、及び、自由端部に近位に延びる。この自由端部は、湾曲した表面に沿って複数の鋭利な突起部を含む。襞によってこれらの先端が形成される。特に、図4の差込部分図に示されているように、隆起部205が鋭利な突起部を形成し、この鋭利な突起部は、組織を把持するために、及び、アンカー200の遠位滑動を阻止するために、有利である。分割部分207、208の各々が、図示されているように、3つのこうした突起部を含むが、分割部分の1つ又は複数が、単一の鋭利な突起部を含む任意の他の個数の突起を有するように、アンカー200が設計されてもよいということに留意されたい。例えば、より多くの鋭利な突起部が求められる場合には、本体201はより緻密な襞が付けられることが可能であり(即ち、より多くの個数の互い違いの溝203と隆起部205とが備えられることが可能であり)、及び/又は、切れ目又はスライス(slice)の角度が調整されることが可能である。さらに、突起部の近位延長部の長さが、隆起部205に対して溝203の深さを変化させることによって調整されてもよい。
分割部分207、208は、組織の中への遠位挿入を実質的には妨害しないが、組織に係合することによって、挿入場所からの近位移動に抵抗する。分割部分207、208の尖った及び/又は鋭利な近位端部と、分割部分の近位端部上の互い違いの隆起部との組合せが、性能の向上を生じさせることが、すでに発見されている。
さらに、分割部分又は翼部207、208は、互いに対して軸方向にオフセットしている。例えば、分割部分207は、軸線xxに沿った位置に軸方向に配置されており、及び、分割部分208は、軸線xxに沿った位置bに軸方向に配置されている。このことが、非オフセット構成に比較して、本体201の他の部分のより大きな構造的強度を可能にする。特に、切れ目が遠位に進むにつれてその切れ目が連続的に半径方向に内方に進むので、非オフセット部分は、切れ目の遠位端部における横断面内に、著しくより小さい量の材料を有するだろう。このことが、本体の軸線に沿った機械的に脆弱な箇所又は領域を結果的にもたらし、及び、特に小さい寸法のアンカーでは、機械的な故障を結果的に生じさせる可能性がある。アンカー200が、組織からの近位後退を防ぐようにアンカー200を固着させるために、1対の翼部207、208を使用するが、任意の個数の翼部が備えられてもよいということと、翼部207、208に対する代替案として、又は、翼部207、208に加えて、例えば固着フィラメントのような、任意の他の適切な1つ又は複数の固着構造が備えられてもよいということに留意されたい。
アンカー200の遠位先端は、鋭利な尖端部と、この鋭利な尖端部において収束する端縁によって分離させられている複数の表面とを有する、ピラミッド形である。4つの平らな表面が備えられているが、任意の適切な個数の表面が備えられてもよいということと、この表面の1つ又は複数又はすべてが非平面であってもよいということに留意されたい。
アンカー200は、さらに、鉤状の端部部分210も含む。この鉤状端部部分210は、1つ又は複数の閉鎖要素300を受け入れるように構成されている。鉤状端部部分210の反対側に位置するアンカー200の側部上には、その縦軸線xxの周りにアンカー200を回転によって位置合せするように構成されている位置合せ突起220が配置されている。この図示した具体例のアンカー200が位置合せ突起220によって位置合せされており、及び、分割部分207、208がシャフト20の縦軸線xとそのアンカー200の縦軸線xxとを含む平面によって交差され且つこの平面に沿って位置合せされているが、位置合せ突起220と分割部分207、208とが、アンカー200の縦軸線xxを含み且つシャフト20の縦軸線xと装置20の縦軸線xxとを含む平面に対して横断方向にある(例えば、垂直方向にある)平面によって交差され且つこの平面に沿って位置合せされていてもよいということに留意されたい。さらに、位置合せ突起は、分割部分207、208に対してアンカー200の外周部の周りの任意の適切な場所に備えられてもよく、及び、任意の適切な個数の位置合せ突起220が特定のアンカー200のために提供されてもよい。
アンカー200は、翼部207、208と本体201との接合によって形成されているか、又は、さもなければ、翼部207、208が遠位端部から近位に且つ半径方向外方に延びるか、又は、遠位端部から遠位にある、アンカー200の区域によって画定されている、1つ又は複数の肩部を含んでもよい。図4に示されているように、翼部207、208が弛緩した非圧縮位置を有するが、本体201に対してより接近している第2の圧縮位置に圧縮されてもよい。さらに、近位端部が受ける力が、翼部207、208と遠位端部とに対する本体又はステム201の位置に影響を与えるように、本体201は可とう性であってもよい。
この例示的な図では、アンカー200が閉鎖要素300と共に示されているが、アンカー200が、例えば、より詳細に後述する閉鎖要素1300、2300のような、任意の他の閉鎖要素と組み合わせて使用されてもよいということに留意されたい。
アンカー200は、例えば射出成形又は押出成形によって、襞のある本体201を最初に形成することと、及び、その後に、例えば本体201の側部の中に半径方向に切れ目を入れることによって分割部分207、208を形成することとによって、作られてもよい。図示されているように、切れ目は、近位の初期切断場所からアンカー200の遠位端部に向かって次第に減少して最終的には直線状になる、本体201の縦軸線xxに対する角度(近位進入箇所における)を伴って、湾曲している。図示されている具体例の割れ目又は切れ目が、本体201の縦軸線xxに対する湾曲した角度又は変化する角度を伴って形成されているが、直線状の切れ目を含む任意の適切な切れ目が作られてもよいということに留意されたい。
アンカー200が、本体201の半径方向の周辺部の周りに等間隔で配置されている2つの翼部又は分割部分を含むが、単一の分割部分を含む任意の個数の分割部分が、アンカー200の半径方向の周辺部の周りに任意の適切な間隔を開けて、備えられてもよいということに留意されたい。
最新の製造プロセスが近ナノ技術(near nano technology)の応用を可能にする。このことは、過去数年では不可能であった可能性があるサイズと複雑性のアンカー200が製造されることを可能にする。アンカー200は、吸収性又は非吸収性ポリマーから射出成形され、その次に、翼部207、208の特徴要素を付加するために(例えば、切断によって)加工されてもよい。アンカー200がポリマーで形成されるが、例えば金属又は複合材料のような任意の適切な材料が使用されてもよいということに留意されたい。アンカー200は、例えば1ミリメートル、又は、約1ミリメートルの直径と、例えば5ミリメートルから10ミリメートルの範囲内の長さを有してもよい。特定の例示的な実施形態では、直径は1ミリメートル未満である。特定の例示的な実施形態では、直径は0.8ミリメートルから1.2ミリメートルの範囲内である。しかし、他の寸法が実現されてもよいということに留意されたい。
図5は、外科用閉鎖装置のサブアセンブリを示す。このサブアセンブリは、トリガ30と、安全スライド(safety slide)35と、安全スライド付勢ばね40と、ハンマースリーブ500と、駆動ばね550と、アンビルピン(anvil pin)600と、外側作業チューブ100と、アンカー200とを含む。図5に示されている状態では、外科用閉鎖装置5は装填されており、及び、アンカー200を駆動するために起動される準備が整っている。これに関して、ハンマースリーブ500の近位端部は駆動ばね550の遠位端部に接触し、この駆動ばね550は、図5に示されているように圧縮状態にある。圧縮された駆動ばね550が遠位方向の力を及ぼすと同時にハンマースリーブ500をその近位位置に維持するために、図6Aに概略的に示されているように、ハンマースリーブ500はトリガ30のトリガプレート32に引っ掛かる。図6Aから図6Cでは、ハンマースリーブ500とトリガバー32が、図解を容易にするために断面の形で示されている。ハンマースリーブ500を引っ掛けるために、ハンマースリーブ500が近位に押されると同時に、リップ又は段(step)が近位においてトリガプレート32の近位側部を通過するまで(図6Cに示すように)トリガ30が押し下げ状態にある。その次に、図6Aに示すように、トリガ32は(例えば、ばね付勢力によって、及び/又は、手動によって)非押し下げ位置に動かされる。トリガは、ハンドル10のハウジング内の横断方向の溝の内側を滑動することによって、押し下げ状態と非押し下げ状態との間を横断方向に移動する。しかし、任意の適切な案内機構が備えられてもよい。
(例えば、ユーザの誤りによる、輸送中の、貯蔵中等の)アンカー200の偶発的な駆動の可能性を阻止するか又は低減させるためにトリガ32を非押し下げ位置に維持するために、安全スライドが、図6Aに示されているように、図6Aの非押し下げ位置から図6Cの押し下げ位置へのトリガ30の移動を阻止するように、確実止め具(positive stop)又はハードストップ(hard stop)を形成するためにトリガプレート32に隣接して配置されている、安全リブ又は安全バー38を含む。例えば図6Aに示されているように、安全スライド35は、ハンドル10のハウジング内の対応する溝の内側を縦方向に活動するように構成されている1対の横方向突起36を含む。しかし、任意の適切な案内機構が備えられてもよいということに留意されたい。安全スライド35は、さらに、例えば操作者の1本の指を使用して、安全スライド35の滑動を容易化するためのノブ部分37も含む。
操作者がアンカー200を駆動したいと望む時に、その操作者は、最初に、安全バー38がトリガプレート32の移動を妨害しない駆動位置に安全スライド35を移動させなければならない。図5を参照すると、安全スライドは、圧縮ばね40によって近位の安全位置に向けて押圧されているか又は付勢させられている。したがって、トリガプレート32の底部が、安全バー38が安全位置に戻ることを阻止又はブロックする位置に移動するまで、操作者は、ノブ37に対して力を連続的に加えなければならない。このことは、トリガ30を押し下げている間は安全スライド35を駆動位置に保持することを操作者が一般的に調整しなければならないので、さらに高い安全性を実現するだろう。しかし、安全スライド35は、力の連続的な付与なしに駆動位置に残留するように構成されてもよいということに留意されたい。さらに、装置5が安全機構を備えずに実現されてもよいということに留意されたい。
図6Bは、駆動位置にある安全スライド35を示す。安全スライドが、遠位に、即ち、図6Bに示されている矢印の方向に移動させられるが、安全スイッチは、安全位置と発射位置との間を移動するために任意の適切な方向に移動するように構成されてもよいということに留意されたい。安全スライド35が、図6Bに示されている駆動位置に移動させられた後に、トリガプレート32の下部部分がハンマースリーブ500の段505を通過し、これによって、圧縮された駆動ばね550によって起動される遠位移動のためにハンマースリーブ500を解放するまで、操作者は、例えばその操作者の1本の指によって、トリガ30を押し下げる。
例えば、図6Bの部分断面図を参照すると、トリガを押し下げる前は、ハンマースリーブ500は、アンビルピン600から間隔を開けられている。アンビルピン600は、それぞれのアンカー200に対応するシャフト20上のそれぞれの穴の内側を、シャフト20の縦軸線xに沿って滑動可能である。ハンマースリーブ500が前方に移動するのに応じて、ハンマースリーブ500は速度と運動量とを増す。アンビルピン600の遠位端部がアンカー200の近位端部と位置合せ状態にあるので、アンビルピン600の近位端部との接触時に、ハンマースリーブ600はアンカー200に運動量を与える。このようにして、アンカー200は高速度で駆動され、このことが柔組織内へのアンカー200の駆動を容易化する。
アンカーが、毎秒50メートルよりも早い速度で駆動されることが好ましく、毎秒50メートルから350メートルの範囲内の速度で駆動されることがより好ましく、毎秒350メートルの速度で駆動されることが最も好ましい。しかし、アンカー200が、アンカーが組織に穿孔するために十分な任意の適切な速度で駆動されてもよいということに留意されたい。
さらに、アンカー200は組織の単一層又は多層の中に駆動されてもよく、及び、その速度は、アンカーが中に駆動される1つ又は複数の組織の構造的特性、寸法、及び、相対的な場所に基づいて選択されてもよい。
遠位側部上に保持又は固定されていない柔組織に対して正確に穿孔するために、組織の各層の迅速な穿孔が、1つ又は複数の組織層の穿孔を行うために必要とされることがある。アンカー200が緩慢に適用される場合には、1つ又は複数の組織が、適切な穿孔なしに、アンカー200によって押されて遠位に退けられることがある。したがって、特定の送達機構の具体例が、上述したように、比較的早い速度で各インプラントを放出する。この例示的な具体例では、装置5が、ばね付勢機械式駆動機構を使用するが、他の駆動装置が備えられてもよいということに留意されたい。幾つかの具体例では、プランジャが正確な速度でアンカーを射出するような割合で、生理食塩水が、カテーテル、針、又は、他のチューブ内の導管を加圧するために使用される。さらに別の実施形態が、カテーテル又は他のチューブの長さを進む長いプッシュロッド(push rod)を使用してアンカーを押す。放出様式(ejection modality)が、コンピュータ制御及び/又はオペレータ制御されてもよい。例えば、図示されている具体例のばね付勢機械式システムと同様に、放出力が、操作者によるトリガ30の操作によって、予め決められ、及び、反復可能であってもよい。
さらに、駆動装置は、予め決められた深さにアンカー200を駆動するように構成されてもよい。図示されている具体例は、アンカー200に連結されている閉鎖要素300とフランジ又はフレア状部分405との間の接触によって、その深さを調節する(より詳細に後述する)が、追加的に又は代替策として、任意の他の深さ調節機構が提供されてもよい。例えば、深さの精度が、正確な液圧駆動力、他の止め具との係合、又は、深さを制限するためにぴんと張られる縫合糸によって実現されてもよい。さらに、この深さは、X線透視法、超音波心臓検査、血管内超音波撮像機構、又は、任意の他の適切な撮像機構を使用して監視されてもよい。この駆動機構は、胸腔鏡検査カテーテルシャフトを通して加圧されている加圧生理的食塩水又は他の作動液を含んでもよい。したがって、非常に正確な制御が実現されるだろう。
図6は、図4のサブアセンブリの拡大部分図である。図示されているように、複数の閉鎖要素300がアンカー200の鉤状部分210に連結されている。4つの閉鎖要素300があり、この閉鎖要素300の各々が厳密に2つのアンカー200に鉤状部分210に連結されている。したがって、例えば図10に示されているように、2つのアンカー200が厳密に2つの異なる閉鎖要素300に取り付けられており、及び、4つのアンカー200が厳密に1つの閉鎖要素300に取り付けられている。しかし、他の構成が実現されてもよいということに留意されたい。
図7は、作業チューブ100とアンカー200と閉鎖要素300との部分図である。図7に示されているように、アンカー200は、例えば組織の中に駆動され終わっている。アンカー200と閉鎖要素300は外科用閉鎖装置5の自動式の閉鎖機構を形成する。アンカー200の駆動中に、閉鎖要素300も、閉鎖要素300とアンカー200との係合によって、類似の距離を駆動される。
図8Aの断面図を参照すると、閉鎖要素300は重層化されており、及び、外側作業チューブ100の周辺部に沿って保持されており、これによって閉鎖要素300がアンカー200を互いに向けて引っ張ることを阻止する。
図8Bは、外側作業チューブ100内にカニューレ400が配置されていることを除いて、図8Aと同じである。図8Bに示されている要素は、外科的処置が行われることを可能にするために、外科用装置5の他の部分から分離されてもよい。例えば、トロカールが、組織の中へ固着させられるアンカー200によって取り囲まれている場所において組織に穿孔するために、カニューレ400の内部を通して縦方向に挿入されてもよい。組織の穿孔が、胸腔鏡検査器具又はワイヤとカテーテルを含む他の外科的及び進入的器具による、組織(例えば、心臓等のような内臓の内部)の反対側の側部に対する到達を実現してもよい。
カニューレ400は、半径方向に延びるフレア形部分又は平坦部(flat)405を含む。カニューレ400は、外側作業チューブ100の内側を同心状に延びる。カニューレ400は、平坦部404が外側作業チューブ100の遠位端部上に折り重なるように、外側作業チューブ100の遠位端部を越えて遠位に延びる。外側作業チューブ100の周辺部を越えた平坦部405の半径方向の延長部は、例えばカニューレ400の中を通した到達によって行われる胸腔鏡処置の最中に、閉鎖要素300が滑って外側作業チューブ100の端部を偶発的に離れることを阻止するか又はこれに抵抗する確実止め具又はハードストップを、平坦部405が形成することを可能にする。
この処置がカニューレ400を通した到達を必要としなくなると、任意の外科用器具が、手術されている内臓からカニューレ400の中を通して引き戻されてもよい。この段階では、トロカールによって形成された組織内の穴が閉鎖されなければならない。そうするために、図8Cと図8Dとに連続的に示されているように、カニューレ400は、外側作業チューブ100に対して相対的に移動させられる。これを行う際に、板ばねとして形成されている平坦部405は、縦方向の方向配置に回転して引き戻される。したがって、平坦部405は、外側作業チューブ100に沿った閉鎖要素300の遠位滑動を阻止する止め具を形成しない。この方向配置が図8Dに示されている。平坦部405は、例えば、ニチノールのような形状記憶材料、ばね鋼等のような任意の適切な材料で形成されてよい。
平坦部405は、半径方向においてフレア状である方向配置に対応する一方の休止方向配置と、縦方向の方向配置に対応する他方の方向配置との休止方向配置を伴って、双安定性であってもよい。
平坦部が引っ込められた後に、カニューレ400と外側作業チューブ100は外科的進入部位から近位に引き戻される。閉鎖要素300が、近位への引き戻しを阻止するように組織の中に固着させられているアンカー200の鉤状部分210と係合させられているので、封鎖要素は外科的閉鎖部位の付近に残留する。したがって、カニューレ400と外側作業チューブ100の近位への引き戻しが、外側作業チューブ100が閉鎖要素300に対して相対的に遠位に滑動することを生じさせる。カニューレ400と外側作業チューブ100のさらなる遠位への引き戻しが、外側作業チューブ100の遠位端部から閉鎖要素300が抜けて、これによって、閉鎖チューブ300とアンカー200とがカニューレ400と作業チューブ100とから完全に係合解除されることを引き起こす。閉鎖要素300が予め張力をかけられているので、閉鎖要素300は、外科的進入場所に形成されている穴に向けてアンカー200を引っ張る。アンカー200が、その穴を取り囲む組織の中に固着させられているので、アンカーを近くに引っ張ることが、周囲を取り囲む組織が穴に向けて引っ張られることを生じさせる。したがって、穴が絞られて閉鎖され、閉鎖要素300は穴を閉鎖状態に保つための閉鎖力を維持する。
図9Aは、組織900の中に挿入されたアンカー200を伴う外側作業チューブ100の部分図である。図9Bは図9Bと同一であるが、閉鎖要素300が組織内の進入開口部の時期尚早の閉鎖又は偶発的な閉鎖を生じさせることを阻止するために、外側作業チューブ100と閉鎖要素300との間を延びる、平坦部405を概略的に示す。図9Bは作業配置であってもよく、この場合には、カニューレ400と外側作業チューブ100とアンカー200と閉鎖要素300とを除く外科用装置5の一部分が取り除かれている。したがって、例えばカテーテルとガイドワイヤと他の器具とのような様々な他の外科用器具が、カニューレ400と作業チューブ100との内部を通して移動させられてもよい。
図10は、カニューレ400と作業チューブ100との取り外しの後に組織内に挿入されている、この場合にはアンカー200と閉鎖要素300である、自動式の閉鎖機構を示す。図解のために、アンカー200は、組織900内のそのアンカー200の初期駆動位置において示されている。言い換えると、図解を容易にするために、この機構は、閉鎖要素300によってアンカー200が一緒に引っ張れられることが阻止されているように図示されている。アンカー200は、例えばトロカールによって形成された外科的進入開口部905の周りに配置されている。
アンカー200は、2つの互いに反対側に位置したグループのアンカーの形に構成されている。図10Aに示されている構成の説明を容易にするために、アンカー200には個別の照合番号200a、200b、200c、200d、200e、200fが与えられている。第1のグループはアンカー200a、200b、200cを含み、及び、第2のグループはアンカー200d、200e、200fを含む。各グループ内のアンカーの各々は、閉鎖要素300によって、他方のグループの少なくとも1つのアンカーに対して直接的に連結されている。さらに、各グループ内の2つのアンカーは、閉鎖要素によって互いに直接的には連結されてはいない。即ち、各々の閉鎖要素300は、第1のグループのアンカー200a、200b、200cに対して一方の端部において連結されており、且つ、第2のグループのアンカー200d、200e、200fに対して他方の端部において連結されている。したがって、要素300によって及ぼされる力が、主として一方のグループから他方のグループに向う方向に方向付けられる。
さらに、アンカー/閉鎖要素構成が、互いに反対側に位置しており且つ重なり合う2つのV字形グループとして構成されているということが、図10Aから見てとれる。第1のV字形グループは、アンカー200a、200e、200cと閉鎖要素301、304とによって形成されている。第2のV字形グループは、アンカー200d、200b、200fと閉鎖要素302、303とによって形成されている。
各々の閉鎖要素は2つのアンカーの周りに巻き付けられており、且つ、単一の完全なループを形成するので、それぞれの閉鎖要素によって各アンカーにおいて及ぼされる力は、閉鎖要素が連結されている2つのアンカーの相互間を延びる2つのバンド部分における張力の合計に等しい。さらに、この力は、閉鎖要素が連結されている2つのアンカーの相互間を延びる直線に沿って及ぼされる。この点に関して、アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fの場所において及ぼされる力が、図10Bにおいて、それぞれの力ベクトル(force vector)を表す矢印F301a、F301e、F302b、F302d、F303b、F303f、F304c、F304eによって示されている。特に、F301aは、アンカー200aの固着場所において閉鎖要素301によって及ぼされる力を表す。F301eは、アンカー200eの固着場所において閉鎖要素301によって及ぼされる力を表し、F302bは、アンカー200bの固着場所において閉鎖要素302によって及ぼされる力を表し、F302dは、アンカー200dの固着場所において閉鎖要素302によって及ぼされる力を表し、F303bは、アンカー200bの固着場所において閉鎖要素303によって及ぼされる力を表し、F303fは、アンカー200fの固着場所において閉鎖要素303によって及ぼされる力を表し、F304cは、アンカー200cの固着場所において閉鎖要素304によって及ぼされる力を表し、及び、F304eは、アンカー200eの固着場所において閉鎖要素304によって及ぼされる力を表す。さらに、これらの力は、互いに対して等しく且つ反対方向にある3対の相補的な力を形成する。特に、第1の対F301a、F301eと、第2の対F302b、F302dと、第3の対F303b、F303fと、第4の対F304c、F304e。各々の対はそれぞれに単一の閉鎖要素301、302、303、304に対応し、及び、それぞれの閉鎖要素301、302、303、304が連結されている2つのアンカーの相互間のそれぞれの閉鎖要素301、302、303、304の延長部に沿って反対方向に方向付けられている。
アンカー200a、200c、200d、200fの各々はそれぞれに単一の閉鎖要素301、304、302、303に連結されているので、単一の力ベクトルF301a、F304c、F302d、F303fだけがそれぞれに図10Bに示されている。図10Bでは、アンカー200b、200eの各々が2つの閉鎖要素に連結されているので、2つの力ベクトルがアンカー200b、200eの各々に関連付けられている。即ち、閉鎖要素302、303に連結されているアンカー200bが、アンカー200bの固着場所を通して作用する2つの力ベクトルF302b、F303bを有し、及び、閉鎖要素301、304に連結されているアンカー200eが、アンカー200bの固着場所を通して作用する2つの力ベクトルF301e、F304eを有する。
ベクトルF302b、F303bによって表される力の両方が、同一の場所、即ち、アンカー200bの固着場所を経由して作用するので、アンカー200bの固着場所を経由した合力が、2つのベクトルF302b、F303bの合計と見なされてもよい。同様に、ベクトルF301e、F304eによって表される力の両方が、アンカー200eの固着場所を経由して作用するので、アンカー200bの固着場所を経由した合力が、2つのベクトルF302b、F303bの合計として見なされてもよい。したがって、図10cは、各アンカーに対して閉鎖要素によって及ぼされる合計力を概略的に示し、アンカー200bを経由して及ぼされる力が合成ベクトルF302f+F303fによって表され、及び、アンカー200eを経由して及ぼされる力が合成ベクトルF301e+F304eによって表される。
アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fの配置と、閉鎖要素301、302、303、304の配置とによって、より多い量の圧縮力がz軸方向よりもy軸方向において及ぼされる。z軸は、第1のグループのアンカー200a、200b、200cと第2のグループのアンカー200d、200e、200fの間を延びる直線に相当し、及び、第1のグループのアンカー200a、200b、200cと第2のグループのアンカー200d、200e、200fとから少なくとも概ね等距離にある。y軸はz軸に対して垂直であり、及び、x軸とy軸は両方とも組織900の表面に沿って延びる。
z軸に平行な方向に比べてx軸に平行な方向において圧縮力がより大きいので、図10Dの閉鎖に示されているように、アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fと閉鎖要素301、302、303、304とによって形成される自動式の閉鎖機構が、開口部905がz軸に沿って平坦にされるか又は細長くされるように、開口部905を閉鎖する傾向がある。これは、漏洩に対してより耐性が高い、より信頼性が高い閉鎖を維持するために望ましいだろう。
図10Dに概略的に示されているように、アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fは、その閉鎖位置又は接近位置に引っ張られ終わっており、これによって、アンカーが固着させられている組織を開口部905に向けて引っ張り、これによって、図示されているように開口部905を閉鎖する。図解を容易にするために、閉鎖要素301、302、303、304は図10Dには示されていない。しかし、図10Eは、閉鎖要素301、302、303、304による図10Dの閉鎖を示す。アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fに対して閉鎖要素301、302、303、304によって及ぼされている力は、図10B及び図10Cに示されている力に類似している。しかし、例示的な閉鎖要素301、302、303、304がばね状の弾性を有するので、アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fが接近状態に引っ張られるにつれて、閉鎖要素301、302、303、304によって及ぼされる力が減少させられることがある。
図10Dと図10Eとに示されている休止閉鎖位置(即ち、アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fが作業チューブ100の周りの方向配置からの過渡的移動の後に停止する位置)では、各アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fを介して閉鎖要素301、302、303、304によって及ぼされる力は、各アンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fのそれぞれの場所において組織によってアンカー200a、200b、200c、200d、200e、200fに及ぼされる反対方向の抵抗力に等しい。
図11は、別の閉鎖要素1300を示す。閉鎖要素1300は、V字形構成に配置されている3つのアンカー受け部分1310、1320、1330を含み、部分1320は頂点に配置されている。アーム(arm)1340が直接的にアンカー受け部分1310からアンカー受け部分1320に延び、及び、アーム1350が直接的にアンカー受け部分1320からアンカー受け部分1330に延びる。アンカー受け部分1310、1320、1330の各々は、例えば、上述したアンカー200、又は、図13に関してより詳細に後述するアンカー1200のような、それぞれのアンカーを受け入れるためのそれぞれの開口1312、1322、1332を有する。アンカー受け部分1310、1320、1330の各々はトロイド形であり、及び、アーム1340、1350よりも厚い材料厚さを有する。しかし、任意の適切な形状が提供されてもよいということと、任意の適切な材料厚さが提供されてもよいということに留意されたい。アンカー受け部分1310、1320、1330のトロイド形は、アンカー200に関して上述したバンド形閉鎖要素300に類似した形で、アンカー200、1200に連結する。
閉鎖要素1300は、閉鎖要素300に関して説明した仕方と同じ仕方で機能するが、図10Bと図10Cに示されている力と同じ力を発生させるために2つの閉鎖要素だけしか必要とされないという点で異なっている。特に、閉鎖要素1300は、2つの閉鎖要素301、304、又は、図10Aに関して説明された第2のV字形グループの2つの閉鎖要素302、303の機能と同じ機能を果たす。さらに、単一の構造的要素、即ち、アーム1320の各々が、互いに反対側に位置したアンカーの間を延びるという点で、閉鎖要素1300は異なっている。
図12は、別の閉鎖要素2300を示し、この閉鎖要素2300は、V字形構成に配置されている3つのアンカー受け部分2310、2320、2330を含み、部分2320は頂点に配置されている。アーム2340が直接的にアンカー受け部分2310からアンカー受け部分2320に延び、及び、アーム2350が直接的にアンカー受け部分2320からアンカー受け部分2330に延びる。アンカー受け部分2310、2320、2330の各々は、それぞれのアンカーを受け入れるためのそれぞれの開口2312、2322、2332を有する。アンカー2300は、アンカー1300に関して上述した特徴のすべてを含むが、アーム2340、2350が、アンカー受け部分2310、2320、2330の各々の外径と概ね同一の幅に拡幅されているという点においてだけ異なっている。これは、アーム2340、2350が伸張される時に追加的な強度と張力とを提供するために有利だろう。
図13はアンカー1200を示す。アンカー1200は、アンカー1200の外周部全体の周りを延びる連続した半径方向の凹みとして形成されている円周方向溝1255を近位端部部分1250が含むということを除いて、上述したアンカー200と同じである。この溝は半径方向に開いており、及び、遠位に向けられている第1の表面1260と、反対側に位置している近位に向けられている第2の表面1265とを含む。アンカー1200の直径減少部分1280に対応する表面1270が、第1の表面1260と第2の表面1265との間を延びる。直径減少部分1280が円筒形であり、且つ、アンカー1200の縦軸線xx′と同心状であるが、任意の適切な形状と方向配置とが実現されてもよいということに留意されたい。例えば、直径減少部分1280が切頭円錐形であってもよく、及び/又は、アンカー1200の縦軸線xx′に対して垂直な方向で見た場合に湾曲している横断面を有してもよい。さらに、直径減少部分1280の表面1270がアンカー1200の外周部に沿って変化してもよい。
円周方向溝1255が、アンカー1200の本体の遠位の他の部分から、近位の頭部部分1285を軸方向に分離する。
1つ又は複数の閉鎖要素300、1300、2300がアンカー1200に連結される時に、第1の表面1260が、1つ又は複数の閉鎖要素300、1300、2300が溝1255を越えて近位に滑動してアンカー1200の端部から離れることを制止する。同様に、第2の表面1265が、1つ又は複数の閉鎖要素300、1300、2300が溝1255を越えて遠位に滑動することを制止する。この点に関して、例えば溝1265の幅と深さのような溝1265の寸法が、特定の個数の閉鎖要素300、1300、2300又は単一の閉鎖要素300、1300、2300を収容するように選択されてもよい。
特に、特定の閉鎖要素300、1300、2300が、アンカー300、1300、2300をアンカー1200の直径減少部分1280の周りに嵌合させて配置することによって、アンカー1200に嵌合させられる。例えば、アンカー1300のアンカー受け部分1310、1320、1330、及び/又は、アンカー2300のアンカー受け部分2310、2320、2330が、それぞれのアンカー受け部分1310、1320、1330、2310、2320、2330をアンカー1200の近位頭部部分1285上と直径減少部分1280上とで伸張させながら、アンカー1200に嵌合させられてもよい。この形で嵌合させられる時に、直径減少部分1280は、それぞれの開口1312、1322、1332、2312、2322、2332の中を通って延び、及び、アンカー受け部分1310、1320、1330、2310、2320、2330が、溝1255の第1及び第2の壁又は表面1260、1265の間に拘束される。これに関連して、開口1312、1322、1332、2312、2322、2332は、直径減少部分1280の直径と同一であるか、この直径よりも大きいか又は小さい、休止直径を有してもよい。しかし、アンカー1200からの閉鎖要素1300、2300の偶発的な係合解除に抵抗するために、第1の表面1260、第2の表面1265、及び/又は、近位頭部部分1285の外径よりも小さい休止直径を提供することが有利であることがある。
溝1255が、関して上述した鉤状部分210の機能に類似した機能を果たす。アンカー1200はアンカー200の鉤状部分210のような鉤状部分を含まないが、1つ又は複数の鉤状部分がアンカー1200の溝構成と組み合わせて備えられてもよいということに留意されたい。
図14が、組織1900内の穴1905を閉鎖する時の図13の複数のアンカー1200と図12の閉鎖要素2300とを示す。アンカー200に関して上述した例と同様に、アンカー1200の個別的な具体例が、小文字を付けて示されている。これに関連して、アンカー1200a、1200b、1200c、1200d、1200e、1200fが、アンカー200a、1200b、1200c、1200d、1200e、1200fに関して上述した構成と同一の構成の形で配置されており、それぞれに同一の力を及ぼす。図14の軸線yyと軸線zzが、上述した軸線yと軸線zに対応する。
図14では、閉鎖要素2300の第1及び第2の具体例が示されており、この第2の具体例は文字「′」(プライム)が後ろに続く同じ照合文字で区別される。図10Aに示されている重なりV字形構成に比較して、図14のアーム2350は閉鎖要素301の機能に類似した機能を果たし、アーム2340′は、閉鎖要素302の機能に類似した機能を果たし、及び、アーム2350′は、閉鎖要素303の機能に類似した機能を果たし、アーム2340は閉鎖要素304の機能に類似した機能を果たす。さらに、図10Aの構成と同様に、2つのV字形構成の両方が重なり合い且つ連動する。即ち、組織900、1900の表面に対して垂直な直線に沿って見た場合に、各々の形状構成の各々のV字形構成が、それぞれの反対側に位置したV字形構成の近位側部に交差する第1の延長部と、それぞれのV字形構成の遠位側部に交差する第2の延長部とを有する。したがって、図10Aを参照すると、組織900の表面に関して、閉鎖要素302は閉鎖要素301に重なり、及び、閉鎖要素304は閉鎖要素303に重なる。同様に、図14を参照すると、アーム2340′はアーム2350に重なり、及び、アーム2340はアーム2350′に重なる。しかし、他の構成が提供されてもよいということに留意されたい。
図15は、本発明の例示的な実施形態による外科用封鎖装置1005を示す。特に示さない限り、外科用閉鎖装置1005は、より詳細に上述した外科用装置5の特徴要素のすべてと同一であるか又はそれに類似している特徴要素を含む。さらに、外科用閉鎖装置1005に関して説明された特徴要素が、外科用閉鎖装置5の任意の特徴と組合せて提供されてもよい。
外科用閉鎖装置1005は、外科的処置中に外科用閉鎖装置1005を操作するために、例えば外科医又は処置医師(interventionalist)のような操作者によって保持されるように構成されているピストルグリップ1015を含むハンドル1010を含む。シャフト1020がハンドル10から遠位に延び、及び、遠位端部部分1025を含む。外科用閉鎖装置5とは違って、この外科用閉鎖装置1005は、少なくとも初期においては、その中を延びる外側作業チューブ又はカニューレを含まない。この代わりに、外科用閉鎖装置1005は、センタリング機構1800の遠位端部において縮小した直径を有するように先細になっている遠位端部1805を有する、細長い管状のシャフトの形態であるセンタリング機構1800を含む。内側ガイド穴1810が、センタリング機構1800の遠位端部1815から近位端部1825にセンタリング機構1800の縦軸線に沿って延びる。センタリング機構1800の縦軸線は、その装置が図15に示されている状態にアセンブリされている時の、シャフト1020の縦軸線x′に相当する。
センタリング機構1800は、心膜穿刺術のような「オーバーザワイヤ(over-the-wire)」外科的処置中に、特に有利であることがある。特定の心膜穿刺術処置は、患者の胸郭の中への肋間開口部を経由して、針を心膜の中に挿入し、この針の中を通してガイドワイヤを案内し、及び、その次に、ガイドワイヤを所定位置に残した状態で針を取り外すことを含む。針の取り外しの後に、心膜組織内の開口部を拡張するために、先細の拡張器がガイドワイヤ上を前進させられてもよい。この拡張された開口部、即ち、管路(tract)が、カテーテルのための空間を与える。拡張の後に、心膜から流体を排出するために、カテーテルがガイドワイヤ上を案内されて心膜の中に送り込まれる。
装置1005に関しては、可とう性ガイドワイヤが心膜内の所望の場所に配置されて針が引き抜かれた後に、ガイドワイヤの自由近位端部がガイド穴1810の遠位開口部の中に送り込まれて、ガイドワイヤが近位端部部分1820から延びるまで完全にガイド穴1810の中を通って延びる。その次に、装置1005は、ガイド穴1810の中を通って延びるガイドワイヤに沿って遠位に滑動することによって、心膜組織の場所まで患者の体の中へ案内される。シャフト1020の遠位端部部分1025がその組織に突き当たるように配置された後に、6つのアンカー1200が、アンカー200に関して上述した全般的な仕方と同じ仕方で組織の中に駆動される。
図16を参照すると、アンカー1200は、上述した仕方と同じ仕方で、2つの重なり合う閉鎖要素1300に嵌合させられている。装置5の閉鎖要素300とは対照的に、閉鎖要素1300は、アンカー1200の駆動中に任意のチューブ又は他の構造の表面上に半径方向外方に保持されていない。むしろ、閉鎖要素1300は、閉鎖要素1300の重なりV字形構造によって操作窓(operational window)1060を形成し、このことは閉鎖要素300、2300に関してより詳細に上述されている。
ガイド穴1810を含むセンタリング機構1800は、ガイド穴1810の中をガイドワイヤが通される時に、操作窓1060の中を通って延びるので、ガイドワイヤ1810と、このガイドワイヤ1810上を進む任意の器具とが、アンカーが駆動された後に操作窓1060の中を通って延びることが確実なものにされる。
図16に示されているように、弾性閉鎖要素1300上の張力が、アンカー受け部分1310、1320、1330が伸張して弾性変形することを生じさせる。したがって、V字形部分の頂点が互いにより接近するように移動させられる。さらに、これらの頂点の移動は、図16に示されているY字形の形状構成をアンカー1300が各々に有することを生じさせる。
アンカーが組織の中に駆動された後に、センタリング機構1800は装置1005の他の部分から分離させられて、手術部位から離れるように縦軸線x′に沿って且つガイドワイヤに沿って滑動することによって、遠位に後退させられる。センタリング機構1050は、ハンドル1010から近位に突き出る近位ノブ1057を近位に引っ張ることによって、操作者によって取り出されてもよい。
ガイド機構1050の取り出し時に、ガイドワイヤはガイド穴1810の外に出る。その次に、ガイドワイヤの近位自由端部は先細形の拡張器の中に通されてもよく、及び、この拡張器は、ガイドワイヤに沿って且つシャフト1020の中を通して操作窓1060に案内されてもよい。その次に、拡張器は、ガイドワイヤが中を通って延びる組織の管路に接触して拡張するために、さらに前進してもよい。拡張後に、この拡張器は近位に後退させられて、ガイドワイヤから係合解除されてもよく、及び、この段階では、カテーテルが、シャフト1020と操作窓1060との中を通して、ガイドワイヤに沿って通されて前進させられてもよい。さらに、カテーテルは、拡張された組織開口部の中を通して心膜の中に前進させられる。この段階で、ガイドワイヤは後退させられ、及び、心膜流体がカテーテルの中を通して排出されることが可能にされる。
排出の完了時には、カテーテルがシャフト1020の中を通して手術部位から近位に引き戻されてよく、及び、この段階では、拡張された開口部の中を通って延びる外科用器具は存在していない。この段階では、装置1005が組織から近位に引っ込められてもよい。組織からシャフト1020の遠位端部を引っ張ることが、アンカー1200の係合解除又は解放を生じさせて、図14に概略的に示されている仕方と同じ仕方で閉鎖要素1300がアンカー1200を一緒に引っ張ることを可能にし、これによって、図14における開口部1905が閉鎖される仕方と同じ仕方で開口部を閉鎖する。
図15の差込部分図を参照すると、シャフト1020の遠位端部部分1025が、装置5に関して上述したスロット26に類似した6つのスロット1026を含む。この差込部分図では、装置1005の他の構成要素の図解を容易化するために、アンカー1200は概略的に示されている。
図16を参照すると、装置1005のスロット1026が、円筒形溝1027に対応し、且つ、アンカー1200の主本体の直径の間の小さな隙間を可能にするように寸法決定されている、円形の突出部を含む、装置5のスロット26の横断面形状に類似した横断面形状を有する。
狭小化部分1028が、円筒形溝1027によって形成された拡大領域1029の互いに反対側の側部から延びる。この狭小化部分1028は、アンカー1200の分割部分1207、1208を受け入れるように構成されているが、アンカー1200の本体1201の直径よりも狭く、これによって、アンカー1200が円筒形溝1027の拡大領域1029内に拘束されることを確実なものにする。したがって、アンカー1200は、スロット1026内に受け入れられる時に、縦軸線xx′がシャフト1020の縦軸線x′と位置合せされるように、そのアンカーの軸方向の位置合せ状態の形で保持される。
端部部分1025は、シャフト020の残り部分に取り付けられている別個の部品である。この点に関して、末端部分1025は、類似の端部部分1025、又は、例えば異なるパターンの形でアンカーを保持する端部部分のような、異なる形状構成を有する端部部分1025によって置き換えられてもよい。さらに、端部部分1025は、アンカー及び閉鎖要素と共に、一回使用されて廃棄されるカートリッジを形成してもよく、及び、新たなカートリッジが追加的な処置のために取り付けられる。さらに、端部部分1025が、シャフト1020の残り部分と共に単一の一体構造部品として一体的に形成されてもよいということに留意されたい。
外科用閉鎖装置1005が、(図15ではシャフト1020によって図上では隠されている)ハンマースリーブとアンビルピンとを含む装置5の駆動機構に類似した駆動機構を使用するが、装置1005は異なるトリガと安全機構を含む。
図15を参照すると、例えば外科医のような操作者がピストルグリップ1015を把持する時に、より詳細に後述するようにトリガ1030を旋回させるために、ハウジング1010から露出している把持部分1031を近位に引っ張ることによって、トリガ1030が操作者の指(例えば、人差し指及び/又は中指)を用いて起動可能であるように、装置1005は、ピストルグリップ1015と概ね同一の全般的な方向にハウジング1010の下方を延びるトリガ1030を含む。
図15と図17-19とを参照すると、トリガ1030は、そのトリガ1030が上に取り付けられているピボットピン1040によって画定される縦軸線に対応する旋回軸線pを中心として、ハンドル1010に対して相対的に旋回可能である。特に、ピボットピン1040は、例えば図18Cに示されているトリガ1030の対応する穴1032の内側を延びる。ピボットピン1040の軸方向端部は、ハンドル1010内の対応する凹みの中に取り付けられている。
トリガ1030は、旋回軸線pに沿って互いに反対方向に向く1対の平面1033を含む。この平面1033は穴1032の周りのトリガの領域内で沿って延び、且つ、近位アーム1033に沿って近位に延びる。
近位アーム1033は旋回軸線pに対して近位に延び、及び、湾曲した上部表面1034を有する。横方向の突起1036が近位アームの側方の側部の各々から延び、それぞれの平面1031から外方に突き出し、及び、旋回軸線pに対して概ね平行に延びる。これらの横方向の突起1036の各々は湾曲した上部表面1037を有する。
ラッチ部材1045が、その装置がアセンブリされる時に旋回軸線pに概ね沿って延び且つシャフト1020の縦軸線x′に対して横断方向に延びる、遠位に配置された横断部分1050を含む。1対の平行アーム1055がその横断部分1050から近位に延びる。平行アーム1055の各々は、旋回ピン1040を受け入れるように構成されている穴1056と、装置1005がアセンブリ状態にある時にトリガ1030の外向きの面1033の各々がアーム1055の内向きの面1057のそれぞれ1つに面するように、その間にトリガ1030を受け入れるように構成されている1対の互いに対向する面1057とを含む。トリガ1030が、装置1005のアセンブリ状態においてラッチ要素1045のアーム1055の間に受け入れられる時に、穴1056はトリガ1030の穴1032と同心状であり、ピボットピン1040は、アーム1055の2つの穴1056の各々とトリガ1030の穴1032との中を通って延び、これによって、トリガ1030とラッチ要素1045とがこれらの共通の旋回軸線pを中心として旋回可能である機構が提供される。したがって、ラッチ要素1045は、Uリンク(clevis)に類似した仕方でピボットピン1040においてトリガ1030に係合する。トリガ1030とラッチ要素1045は単一の共通軸線pを中心として旋回するが、トリガ1030とラッチ要素1045が別々の軸線を中心として旋回してもよいということに留意されたい。
旋回軸線pから近位に延びるアーム1055の一部分は、トリガ1030の近位アーム1034の上部表面1035に係合するように構成されている下部表面1058を含む。したがって、トリガが近位に引かれる時に、トリガは、図17Bに示されている側から見て時計回りである第1の回転方向CWに旋回軸線pを中心として旋回する。
ラッチ部材1045の横断方向部分1050も、ラッチ部材1045の隣接した構造を越えて上方に突き出るラッチ突起1052を含む。
図19Aを参照すると、ハンマースリーブ1500の形状の駆動装置がその事前装着(preloaded)された近位位置にあり、且つ、装置5のハンマースリーブ500と同じ仕方で駆動ばね1550(図17に示されている)によって遠位に押し動かされているか又は付勢させられている。駆動ばね1550が、ハンマースリーブ1500とシャフト1020とに対して同心状に取り付けられており、及び、ハンマースリーブ1500の周りに円周方向に延びる力伝達フランジ1560を経由してハンマースリーブ1500上に遠位方向の力を及ぼす。装置5と装置1005とに関連して説明されている駆動ばね550、1550は、圧縮ばねとして構成されているが、引張りばね又は他の駆動機構が提供されてもよいということに留意されたい。
ハンマースリーブ1500は、ラッチ突起1052とラッチ溝1510との間に確実止め具(positive stop)を形成することによって、ハンマースリーブ1500を拘束するために、ラッチ突起1052を受け入れるように構成されているラッチ溝1510を含む。装置5に関して上述した仕方と同じ仕方でアンカー1200を駆動するようにハンマースリーブを解放するために、旋回軸線pを中心として第1の回転方向CWにトリガを旋回させるようにトリガが遠位に引っ張られる。この旋回させられた方向配置が図19Bに示されている。
図19Bに示されているように、トリガ1030の回転が、アーム1055の下部表面1058に対して横方向突起1036が接触して押し当たり、これによってラッチ部材1045をそのトリガされた位置に即ち図19Bに示されている位置に回転させることを生じさせる。ラッチ部材1045のトリガ済みの方向配置では、ラッチ部材1045の回転が、遠位に位置したラッチ突起1052がハンマースリーブのラッチ溝1510から分離することを生じさせ、これによって、アンカー1020を駆動するためにハンマースリーブがシャフト1020の縦軸線x′に沿って遠位方向Dに駆動されることを可能にする。
図1に示されているように、ラッチ部材1045によるハンマースリーブ1500の解放を阻止するための2つの安全機構が存在する。その装置がアンカー1200を駆動するためには、これらの安全機構の両方が同時に係合解除されるか、又は、固着状態から非固着状態に変化させられなければならない。
第1の安全機構は、例えば図15の差込部分に示されているように、ばね付勢接触要素1100を含む圧力感知機構を含む。この接触要素1100は、接触要素1100がシャフト1020の遠位端部表面を超えた距離を延びる図15の差込部分に示されている伸長位置と、例えば接触要素1100がシャフト1020の遠位端部と同一平面となるまで、接触要素1100がシャフト1020に対して近位に押されている近位位置との間を、シャフト1020の縦軸線x′に沿って滑動する長方形のブロックとして構成されている。この安全解放機構は複数のばね付勢部材を含んでもよく、及び、各々のばね付勢部材は係合位置と係合解除位置との間を独立的に移動可能であり、及び、この安全解放機構は、ばね付勢部材のすべてが必ずしも係合位置にあるというわけではない場合には、アンカーを駆動装置が駆動することを阻止するようになっている。
各々の接触要素1100は、例えば図16に示されているそれぞれの相応に寸法決定されたスロット1080の内側を軸方向に滑動可能である。図示されている具体例が、シャフト1020の縦軸線x′の周りに約90度の増分で均一に間隔を開けて配置されている4つの長方形の接触要素を含むが、適切な形状を有し且つ1つ又は複数の任意の適切な場所に配置される適切な個数(1つを含む)の接触要素1100が備えられてもよいということに留意されたい。
各々の接触要素1100は、シャフト1020の縦軸線x′に対して平行に延びるそれぞれの穴1085内を延び且つ軸方向に滑動可能であるそれぞれの圧力伝達シャフト1120上に支持されている。各々の圧力伝達シャフト1120はキー部材(key member)1140に近位に連結されており、このキー部材1140は、図17Aに示されているように、キープレート(key plate)1160の中に延びて、このキープレート1160に係合する。1つ又は複数のばねが、接触要素1100をその遠位に延びた位置に向けて押し動かすか又は付勢させるために、キー部材1140に対してばね力を及ぼす。
シャフト1020の遠位端部が、アンカー1200がその中を通して駆動されることが望まれている組織に対して押し付けられる時に、組織が、当初にはばね付勢によってその遠位に伸長された位置にある接触要素1100に対して、近位に方向付けられた圧力を及ぼす。組織によって及ぼされる圧力が1つ又は複数のばねの付勢力又は押圧力を越える時に、接触要素はシャフト1020に対して相対的に近位に押される。各スロット1080内のこの近位移動は、キー要素1140に対してそれぞれの圧力伝達シャフト1120を経由して機械的に伝達され、これによってキー部材をキープレート1160を越えて近位に移動させる。この点に関して、各々の接触要素1100とそれぞれのキー部材1140との軸方向移動の間に概ね1:1の関係が存在している。しかし、この装置が、キー部材1140の軸方向移動と各々の接触要素1100の軸方向移動との間の1:1以外の関係を実現するように構成されてもよいということに留意されたい。さらに、例示的な装置1005が接触要素1100からそれぞれのキー部材1140に機械的に力を結合して伝達するために滑動シャフト1120を使用するが、接触要素は、例えば液圧システム及び/又は空気圧システムのような他の機構によってキー部材1140に機械的に結合されてもよい。
キープレート1160は、シャフト1020の縦軸線x′に対して横断方向にある軸線とピボットピン1040によって画定された旋回軸線pとに沿ってハンドル1010内を滑動可能である。この点に関して、キープレート1160は、図17Aと図18Aと図19Aに示されている第1の位置と、図18Bと図19Aに示されている第2の位置との間を滑動可能である。第1の位置と第2の位置との間のキープレート1160の移動が、旋回軸線pに対して垂直である平面内に実質的に位置する経路に沿って生じる。図19Bを参照すると、キープレート1160は、方向Uに移動することによって第1の位置から第2の位置に移動する。キープレート1160が第1の位置と第2の位置との間で移動する経路が直線状であるが、この経路は非直線状であってもよく、例えば湾曲していてもよいということに留意されたい。さらに、旋回軸線pを含み且つキープレート1160の底部表面1161に交差する平面が、キープレート1160が第1の位置から第2の位置に動く時に、第1の回転方向CWに回転する。同様に、この平面は、キープレートが第2の位置から第1の位置に動く時に、第1の方向CWとは反対の第2の回転方向に回転する。
キープレート1160は、装置1005のハンドル1010内に固定的に取り付けられている近位支持ブロック1090によって滑動自在に支持されている。この図示されている具体例では、キープレート1140は、そのキープレート1160が第1の位置と第2の位置との間を滑動可能であるように、支持ブロック1090の1対の互いに平行なガイドリブ(guide rib)1092によって支持されている。支持ブロック1090は、さらに、キー部材1140が取り付けられているそれぞれのシャフト1140の縦軸線f、g、h、iに沿ってキー部材1140の各々が滑動可能であるように、キー部材1140の各々を支持する。したがって、キー部材1140は軸線f、g、h、iに沿って軸方向に滑動することが可能にされているが、ハンドル1010と、シャフト1020と、装置1005のハウジングの他の固定された構成要素とに対しては相対的に移動しないように拘束されている。
キー部材1140のいずれか1つが依然としてキープレートと契合しており、及び、このことがシャフト1020の遠位端部における接触要素1100の1つが完全には近位に押し下げられてはいないことを示すことがある場合に、キープレート1160が第2の位置に移動することが阻止されるように、キープレート1160の形状が選択される。
キープレート1160のこの形状は、キープレートが第1の位置又は第2の位置のいずれかにある時に、各々の圧力伝達シャフトがキープレート1160を通過することが可能にされるような形状である。しかし、キープレート1160の形状は、キープレート1160が第2の位置にある時に、キープレート1160によって画定されるあらゆる凹みの中にキー部材1140のいずれかが軸方向に延びることを可能にしない。この図示されている具体例では、これは、プレート1160の移動方向に対して平行である直線に沿って見た場合に、各々のキー部材1140が、それが連結されているそれぞれの圧力伝達シャフト1120の直径よりも大きい直径を有するということによって実現されている。
図18Aから図18Eを参照すると、キープレート1160は、それぞれのキー部材1140を軸方向に受け入れるように構成されている拡大領域1165を含む複雑な切り抜き形状を有する。図18Aを参照すると、キープレート1160が第1に位置にある時に、キープレート1160の構造と、4つのそれぞれの圧力伝達シャフト1120の縦軸線f、g、h、iがキープレート1160を通過するそれぞれの拡大領域1165との間の隙間が、キー部材1140を軸方向に受け入れるのに十分である。図18Bを参照すると、キープレート1160が第2の位置にある時に、キープレート1160の構造と、圧力伝達シャフト1120の縦軸線がキープレート1160を通過するそれぞれの拡大領域1170との間の隙間が、キー部材1140を軸方向に受け入れるのには不十分であるが、圧力伝達シャフト1120が通過することを可能にするには十分な大きさである。
図18Cに示されているように、各々のキー部材1140の形状は、キープレート1160が第1の位置(例えば、図18Cと図18Dとに示されている)から第2の位置(図18Eに示されている)に方向Uに移動することが不可能であるように、対応するキープレート1160の締り填め凹み(closely fitting recess)内に受け入れられる。図18Dを参照すると、4つのキー部材1140のすべてが、シャフト1020の遠位端部における対応する接触要素1100の近位押し下げによって近位に押し下げられ終わっており、これによってキープレートがキー部材1140に対して係合解除状態にあることを結果的に生じさせる。図18Dに示されているように、キー部材1140はキープレート1160の構造を近位に通過し終わっており、これと同時に、キープレート1160が第1の位置にある。この段階では、キープレート1140の領域1170はシャフト1120を受け入れることが可能であり、このシャフト1120は、このシャフト1120が取り付けられているそれぞれのキー部材1140に比べて減少した直径を有する。したがって、キープレート1140が図18Dに示されている第1の位置から図18Eに示されている第2の位置に方向Uに移動させられることが可能なので、キープレート1140は非固着状態にある。上述したように、この移動は、トリガ1030の近位延長部1034の上部表面1035の間の接触と力の印加とによって実現される。
キー部材1140がハンドル1010内に半径方向に拘束されているので、キープレート1160は、任意の1つ又は複数のキー部材1160がキープレート1160の切り抜き形状の中に延ばされる時に、キープレート1160は第2の位置から移動することが阻止される。したがって、任意の1つの接触要素1100が完全には押し下げられてはおらず、少なくとも1つのキー部材1140とキープレート1160との間の係合を生じさせる時には、第1の安全機構は固着状態にある。
再び図19Aを参照すると、キープレートが、固着状態の形の図示されている第1の位置から移動することが可能にされていないので、トリガ1030の近位アーム1034の上部表面1035と下部表面1161との間の接触が、トリガ1030として、ハンマースリーブ1500からラッチ部材1045を係合解除するようにトリガ1030が適切に回転することを阻止するための確実止め具を形成するだろう。したがって、装置1005がアンカー1200を駆動するためには、4つの接触要素1100のすべてが押し下げられなければならない。この安全機構が、アンカー1200を駆動する前にシャフト1020の遠位端部が組織に対して適切に押し据えられることを必要とし、これによってアンカー1200の偶発的な駆動又は不適切な駆動の可能性を減少させるので、この安全機構は有利である。
図17Aに示されているように、キープレート1160は、ばね1162によって第1の位置に向けて押されている。操作者がアンカー1200を駆動する前にシャフト1020の遠位端部を再位置決めする必要がある場合があるで、第1の位置に向けた接触要素1100のばね推進又はばね付勢が、接触要素1100がその伸長位置に跳ね戻ることを確実なものにする。例えば、操作者が、4つの接触要素1100のすべてが十分に押し下げられて4つのキー部材1140のすべてがキープレート1160から近位に移動することを引き起こすように、組織の第1の部分に対してシャフト1020の遠位端部を押し付けてもよい。この段階では、操作者がトリガ1030を引く場合に発射を可能にするために、第1の安全機構は係合解除状態にある。したがって、キープレート1160は第1の位置と第2の位置との間を滑動可能である。第1の位置に向けてキープレート1160が推進されなかった場合には、キープレート1160が、キー部材1140がキープレート1160に再係合することを阻止する可能性がある位置(例えば、第2の位置、又は、第1の位置と第2の位置との間の位置)に偶発的に滑動する可能性がある。したがって、例えば装置1005を再位置決めするために、操作者が組織の第1の部分からシャフト1020の遠位端部を引き離す場合にさえ、第1の安全機構は係合解除状態のままであり、及び、接触要素1100は、付勢ばね力によってその遠位伸長位置に戻されることはないだろう。したがって、第1の安全機構は、この段階では有効ではないだろう。ばね1162が、キープレート1160をその第1の位置に向けて推進するように作用するので、このばね1162は、第1の安全機構を無効状態にすることなしに、シャフト1020の遠位端部が幾度も再位置決めされることが可能であることを確実なものにする働きをする。
ハウジング1010は、接触要素1100の状態に関する視覚的表示を操作者に提供する窓1013を含む。例えば、それぞれの接触要素1100に対応する4つの別個のインジケータが存在してもよい。したがって、操作者は、4つの接触要素1100のすべてよりも少ない数の接触要素1100だけしか押し下げられていないことを発見することが可能であり、したがって、4つの接触要素すべてが押し下げられるまでその装置を動作させ続けるべきであることが分かるだろう。さらに、このインジケータは、どの特定の接触要素100が押し下げられていないかを操作者が知ることを可能にしてもよく、したがって、これに応じて操作者は装置1005を動作させてもよい。
装置1005の圧力感知は純粋に機械式であるが、他の圧力感知機構が提供されてもよいということに留意されたい。例えば、電子圧力センサが提供されてもよい。
第2の安全機構は安全スイッチ1060を含む。図19Aと図19Cとに示されているように、安全スイッチ1060は第1の位置にあり、この第1の位置では、ラッチ部材1045が旋回軸線pを中心に回転して例えば図19Bに示されている係合解除位置に移動することを阻止するように、安全スイッチ1060の第1の表面1062がラッチ部材1045の底部表面に突き当たる確実止め具を形成する。
安全スイッチ1060は、ハンドル1010の対応する穴の内側に滑動自在に取り付けられている。安全スイッチ1060は、図19Bと図19Dとに示されている、ラッチ部材1045に対する第1の位置と、ラッチ部材1045に対する第2の位置との間を、縦軸線sの周りを滑動可能である。これに関して、第1の軸方向端部1066がハウジング1010の第1の側部から露出させられており、及び、反対側の軸方向端部1068がハウジング1010の第2の側部から露出させられている。操作者は、軸線sに沿って第1の軸方向端部1066を押すことによって、この安全スイッチを第1の位置から第2の位置に動かしてもよい。同様に、操作者は、第2の軸方向端部1068を軸線sに沿って押すことによって、安全スイッチを第2の位置から第1の位置に動かしてもよい。
第2の位置では、第1の表面1062は、ラッチ部材1045の回転を妨害しない位置に軸線sに沿って移動し終わっている。したがって、ラッチ部材1045は、第2の位置に回転するように解放され、これによってハンマースリーブ1500を解放してアンカー1200を駆動する。したがって、安全スイッチが第1の位置にある時には、第2の安全機構が係合させられ、及び、安全スイッチが第2の位置にある時には、第2の安全機構が係合解除される。
第2の表面1064が、ラッチ部材1045が第2の位置を越えて方向CWに回転することを阻止するための確実止め具を形成する。
上述したように、両方の安全機構が、装置1005からアンカー1200を駆動するために係合解除されなければならない。第1の安全機構は、シャフト1020の遠位端部が組織に対して適正に据え付けられることを確実なものにし、及び、第2の安全機構は、トリガ1030の不用意な引っ張りによる偶発的な発射を阻止する。この点に関して、操作者は、シャフト1020の遠位端部の配置に満足できるまで、第2の安全機構を係合状態に保持することを望んでもよい。
図示されている具体例における第1及び第2の安全機構は完全に機械式であるが、他の機構が提供されてもよいということに留意されたい。例えば、電子的要素がそのシステムの中に組み込まれてもよく、及び/又は、接触要素の場所における特定の力又は圧力の値がプロセッサによって解釈され、例えばアルゴリズムにしたがって、アンカー1200の駆動を可能にするか否かの判断が行われてもよい。
図17Aを参照すると、ハンドル1010は、2つの対応する射出成形された半分部分として形成されており、この半分部分の一方が図17に示されている。ハンドル1010の半分部分の各々が、ハンドル1010の内側に他の構成要素を受け入れて支持するように構成されている様々な構造を含む。例えば、複数の支持リブ1012が、その装置がアセンブリされる時にシャフト1020をハンドル1010に固定するために、シャフト1020内の対応する1対のそれぞれの支持スロット1012と嵌合する。アセンブリされた状態では、第1及び第2の半分部分が、図示されている具体例ではねじであるアンカー1011によって連結されている。2つの接合された半分部分を有する射出成形されたハンドルが提供されているが、ハンドル1010は任意の適切な方法で形成されてもよいということに留意されたい。
本発明の例示的な実施形態では、閉鎖要素が、どちらかの端部においてアンカー3200に取り付けられている組織圧縮バンド3300を含む。図21Aを参照すると、組織圧縮バンド330は弛緩(即ち、無力又は最小の力)状態で示されている。アンカー3200は組織圧縮バンドのどちらかの端部に取り付けられている。したがって、アンカーが2つ以上の他のアンカーに連結されていることがある本発明の他の実施形態とは対照的に、この例示的な実施形態では、各々のアンカー3200は、組織圧縮バンド3300を経由して、他のアンカー3200に連結されている。この例示的な実施形態とその利点とを、さらに詳細に後述する。
アンカー3200は、翼部3207と連結要素3210とを含む。図21A-21Eを参照すると、翼部3207は、弛緩した非圧縮位置を有し、及び、アンカー3200の遠位端部から近位に且つ半径方向外方に又はそのアンカー3200の遠位端部に対して遠位に翼部3207が延びるアンカー3200を伴う肩部を形成する。図21A-21Eにさらに示されているように、翼部3207は、半径方向外側の表面と半径方向内側の表面とを含む。図4に関連して上述した半径方向外側の表面は、縦方向に延びる襞を含んでもよく、これらの襞は複数の伸長突起を翼部の自由端部において提供してもよい。半径方向内側の表面は凹形であってもよい。
組織圧縮バンドアセンブリ3000の断面図である図21Bを参照すると、組織圧縮バンドアセンブリ3000の端部の各々がアンカー3200の空洞3211内で終端する。アンカー3200の翼部3207が、アンカー3200の遠位端部から、空洞3211を越えて、且つ、アンカー3200の軸線から半径方向外方に突き出す。このようにして、翼部3207はアンカー3200と組織圧縮バンド3300との間の分離を生じさせる。
図21C-21Dを参照すると、連結要素3210が、アンカー3200の空洞3211内に組織圧縮バンド3300の端部の各々を固定するために使用される。端部3310が組織圧縮バンド3300の主要部分の半径よりも大きい半径と連結要素3210の内側部分の半径よりも大きい半径とを有するように、組織圧縮バンド3300の端部3310は、突起3311を含んでもよい。アンカー3200の空洞3211内に配置される時に、突起3311と連結要素3210は、組織圧縮バンド3300とアンカー3200との間の機械的連結を維持する働きをする。
図21Eを参照すると、アンカー3200と組織圧縮バンド3300とを含む組織圧縮バンドアセンブリ3000が示されている。各々のアンカー3200は、2つの翼部3207を含む形で示されているが、任意の個数の翼部が備えられてもよい。図21Eに示されているように、組織圧縮バンド3300は2つのアンカー3200の各々に連結されている。アンカー3200に対する連結部の内側では組織圧縮バンド3300が各々の端部の付近で曲がっているように、アンカー3200が組織圧縮バンド3300の軸線に対して一定の角度に配置されている。組織圧縮バンド3300は2つの翼部3207の間の空間の中を通過してもよい。組織圧縮バンド3300の軸線に対して一定の角度に配置されているアンカー3200を伴って、組織圧縮バンドアセンブリ3000が植え込み前に外科用閉鎖装置5内に配置されるのは、この位置においてである。
図22を参照すると、4つの組織圧縮バンドアセンブリ3000を含む装置5の端部部分3025の正面図が示されている。各々の組織圧縮バンドアセンブリ3000は図21Eに示されているように描かれており、及び、各アンカー3200が組織圧縮バンド3300の軸線に対して一定の角度に配置されており且つスロット3026内に配置されている。組織圧縮バンド3300は、端部部分3025の中央区域上に交差点パターンを形成し、及び、この交差点パターンは、後述するように、組織3900内の開口部3905をターゲットにしている。
図23は、装置5の端部部分3025の斜視図である。プッシャピン3600上に取り付けられている組織圧縮バンドアセンブリ3000が示されており、このプッシャピン3600は、この図解では、端部部分3025の端部を越えて延びている形で示されている。
装置5の遠位端部は、さらに、窓と狭小化要素とを含んでもよい。装置5の遠位端部からのアンカー32300の放出の前に、アンカー3200の翼部3207は、その翼部が圧縮されないように、弛緩した第1の位置に延びることを可能にされる。装置5からの放出中は、アンカー3200は狭小化要素に衝突してもよく、この結果として狭小化要素は翼部を第2の圧縮された位置に圧縮してもよい。アンカーが装置5から放出され終わると、翼部は、その弛緩した非圧縮位置に延びて戻ることが可能にされる。
図24と図25とを参照すると、プッシャプレート3500は、組織圧縮バンドアセンブリ3000上に作用するための指状部(finger)3610を有するプッシャピン3600を含む。指状部3610は連結要素3210においてアンカー3200に接触する。指状部3610は、さらに、肩部においてアンカー3200に接触してもよく、及び、この肩部においては、アンカー3200の遠位端部から近位に且つ半径方向外方に延びるか又はこの遠位端部に対して遠位にある。指状部3610は遠位先端により近いアンカー3200に接触し、したがって、翼部3207は指状部3610とアンカー3200との間の接触点を超えて延びる。送達機構又は駆動装置が、アンカーを組織の中に駆動するために肩部に駆動力を及ぼすことによってアンカーを駆動してもよい。
次に、組織3900内の開口部3905を閉鎖するための組織圧縮バンドアセンブリ3000の使用を説明する。図26A-26Dを参照すると、開口部3905を有する組織3900が示されている。組織圧縮バンド3300とアンカー3200とを有する組織圧縮バンドアセンブリ3000が、便宜上、外科用装置5なしで示されている。組織圧縮バンド3300は2つのアンカー3200を連結し、及び、翼部3207は組織圧縮バンド3300とアンカー3200との連結点を超えて延びる。図26Aでは、組織圧縮バンドアセンブリ300はその弛緩(即ち、無力、又は、最小の力)状態で示されており、及び、組織3900から一定の距離に位置している。図26Bでは、アンカー3200の遠位先端が、開口部3905のどちらかの側において、組織3900の表面を貫通して押し込まれ終わっている。アンカー3200は、遠位先端まで組織3900に穿孔し終わっているにすぎず、及び、まだ連結要素3210を越えて穿孔し終わってはおらず、したがって、翼部3207は組織3900の表面の外側に残留している。
図26Cでは、この時点で、アンカー3200が、アンカー3200の高さに等しい深さにおいて組織3900に穿孔し終わっている。翼部3207は、この時点で、開口部3905のどちらかの側において、組織3900の直ぐ内側に位置している。組織圧縮バンド3300が組織3900の表面上に大きく残留するが、組織圧縮バンド3300のどちらかの端部が、アンカー3200と共に、組織3900の表面に穿孔し終わっており、したがって、組織圧縮バンド3300は組織3900に対して強く張り詰められて、張り詰め状態(tensed state)(即ち、力が加えられた状態)となる。プッシャピン3600の指状部3610はアンカー3200と接触した状態のままである。アンカー3200が組織3900内に押し込まれるにつれて、組織圧縮バンド3300は、開口部3905の側部が互いにより近くに移動して開口部3905のサイズを縮小させるように強制する。
図26Dでは、アンカー3200は、この時点では、組織3900の表面の下方の予め決められた距離に押し下げられ、組織圧縮バンド3300を組織3900の表面に対して引っ張って、開口部が閉じるまで開口部3905の側部を互いにより接近するように押し動かし終わっている。プッシャピン3600の指状部3610が引き込まれ、組織圧縮バンドアセンブリ3000を組織3900内に残留させる。組織圧縮バンド3300が組織3900に対して強く張り詰められるにつれて、組織圧縮バンドはアンカー3200に対して作用し、アンカー3200を挿入方向とは反対に引っ張る。翼部3207は、上述したように、この近位移動に抵抗し、アンカー3200を所定位置に保持し、このことが、組織圧縮バンド3300をその張り詰め状態(即ち、力が加えられた状態)に維持し、このことが閉鎖された開口部3905を保持する。組織のこの閉鎖が止血の形で維持される。
本明細書で説明されている方策によって、幾つかの利点が実現されてもよい。例えば、組織圧縮バンドアセンブリ3000が弛緩状態で外科用装置5の中に装着されてもよいので、そのアセンブリが摩耗するか、機能停止するか、又は、負傷の原因となるかも知れないという心配がより少ない形で、この外科用装置がより容易に貯蔵及び輸送される。このアセンブリは、アンカー3200が組織3900に進入すると、その張り詰め状態になる。
さらに、組織圧縮バンドアセンブリ3000は、類似の閉鎖インプラントよりも小さい質量を有することが可能である。アンカー3200は、アンカー本体が他の構成よりも著しく短いので、より少ない材料しか必要としない。組織圧縮バンド3300は、より長い近位本体の端部で連結するのではなく、遠位先端の直ぐ内側でアンカー3200に連結し、したがって、より長い本体が不要である。組織圧縮バンド3300がアンカー3200と機械的に連結するための小さい突起3310を含むので、アンカーの近位端部の周りを完全に包む類似の閉鎖装置に比べて、組織圧縮バンドを形成するための材料が少なくて済む。そのアセンブリの小さい質量が、組織3900のあらゆる動きに対するより高度の追従性を実現し、したがって、初期的な適用において実現される止血が、こうした動きに対して耐える可能性がより高い。このことは、動きが予想され及び動きを阻止することが不可能である心臓のような特定の臓器において極めて重要である可能性がある。こうした動きに対する追従性は、さらに、質量の減少と、したがって運動量の減少とによって実現されてもよい。
組織3900の表面の下方における組織圧縮バンド3300とアンカー3200との間の連結の位置が、組織3900と開口部3905とに作用する力のより円形のダイアグラムを生じさせる。そのアセンブリに対して作用するアンカーからの力が、組織の表面の下方に位置させられ、部分的に圧縮バンドに対する下向きの張力を生じさせる。力のこの分布が、組織の表面に沿って平行に力を加えるだけの閉鎖装置によって生じることがある、組織の窒息を阻止することが可能である。より円形である力の分布が、組織内の止血を維持することを促進し強化する可能性がある。
概して、この形状構成は、組織3900のあらゆる動きに対するより高度の追従性を実現することが可能である。組織3900に対する追従性が、x方向に(即ち、組織内に埋め込まれている翼部3207に対して近位方向に)作用する力と、y方向に(即ち、組織圧縮バンド3300の長さに沿って、開口部3905を横切って)作用する力との均衡によって維持される。これらの力の間のこの均衡を維持することが、組織内の止血を維持することを促進する。したがって、x方向(即ち、組織内の深さ)又はy方向(即ち、アンカー間の距離)のどちらかにおけるアンカーの位置が、この均衡を実現するために重要である。y方向に作用する力は、x方向に作用する力の2倍以上であってよい。例えば、組織圧縮バンド3300は弛緩状態では長さ13mmであってもよく、及び、張り詰め状態では26mmに伸長されてもよい。
指状部3610は、この均衡を最適化して組織内の止血を生じさせるために、最適の購入及び引張のために予め決められた深さにアンカー3200を押し込む。
組織圧縮バンドアセンブリの分布のための追加的な形状構成が図27A-27Eに示されている。図27Aは、正方形又は四角形の配置を示す。図27B-27Dは、変化する距離における正方形又は長方形のバンド構成を有する、アンカーの円形配置を示す。図27Eは、5つの組織圧縮バンドを提供するアンカーの円形の配置を示す。図27Fは、5つの組織圧縮バンドを提供する正方形又は長方形の配置を示す。任意の個数の組織圧縮バンドが使用されてもよいということに留意されたい。さらに、力の均衡が、アンカー間の適正な距離と、組織内への適正な挿入深さとによって実現される。
組織圧縮バンドアセンブリの分布に関する追加的な形状構成が図28A-28Cに示されている。互いに反対側に位置した2つの列のアンカーが提供されてもよく、及び、4つの組織圧縮バンドが、アンカーを斜め方向に連結するために、その列に端から端まで到達する。組織圧縮バンドアセンブリの任意の方向配置が使用されてもよいということに留意されたい。
組織内のより大きい開口部が、より大きい閉鎖要素を必要とすることがある。したがって、特定の構成が大型穴の閉鎖に関する。
大型穴閉鎖プレートアセンブリ4000の例示的な実施形態が図29Aと図29Bとに示されている。この閉鎖プレートアセンブリは、閉鎖プレート4300に連結されているアンカー200を含む。閉鎖プレート4300は、中央開口部を有する円形の円板であってもよい。アンカー200は、連結要素4310を使用して、閉鎖プレートの外周部の周りで閉鎖プレート4300に連結されてもよく、及び、アンカー200のすべては、閉鎖プレートの軸線に平行に且つ同一方向に延びる。この形状構成では、閉鎖プレート4300は剛性プレートであり、及び、組織を所定位置に厳密に保持するために使用される固定形状(set form)を有する。大型穴閉鎖プレート4300は、図29Cに示されているように、その外周部に開口部4320を有する円板として形成されてもよく、したがって、閉鎖プレート4300は、連結要素4310を介して連結されている2つの同中心状の環状円板に類似している。この構成は、より少ない材料を使用するという利点と、より小さい質量を有するという利点とを有する。
代替案としては、アンカー200は、ヒンジ式の連結要素4330(図29Dと図29Eに示されている)を使用して閉鎖プレート4300に連結されることが可能であり、したがって、アンカー200は、アンカー200の近位端部に接触する閉鎖プレート4300の外周部によって形成される軸線の周りを回転することが可能にされている。
大型穴閉鎖プレートアセンブリの他の構成が、閉鎖プレートの追加的な動きを可能にしてもよい。例えば、図30Aと図30Bとに示されているように、大型穴閉鎖プレートアセンブリ5000は、2つの滑動ブレース5350、5360によって形成されている滑動閉鎖プレート5300を含む。滑動ブレース5350、5360は1つの半円を形成し、この半円は、この半円の2つの開放端部の一方の中にそれぞれに位置している滑動ラック(sliding rack)5351、5361を有する。滑動ラック5351は滑動ブレース5360の相補的な空洞の中に挿入され、及び、滑動ラック5361は滑動ブレース5350の相補的な空洞の中に挿入され、したがって、この2つの滑動ブレースは円形の滑動閉鎖プレート5300を形成するように接触する。
滑動閉鎖プレート5300は、さらに、アンカー200を含み、これらのアンカー200は、本明細書で説明されているバンド、一体構造のV字形要素、又は、他の類似の要素であってよい閉鎖要素5301、5302、5303、5304を支持するために、上述したように使用されてもよい。閉鎖要素5301-5304は、例えば、滑動閉鎖要素5300を閉鎖状態に保つために(即ち、滑動ブレース5350、5360を一体的に保持するために)使用される。この閉鎖プレートは滑動ラック5351、5361の方向において幾らかの移動の自由を有するが、大型穴閉鎖プレートアセンブリ5000は堅固に保持されて、組織を一体的に接合して大型穴の開口部を閉鎖するためにアンカー200に力を及ぼす。
閉鎖プレートの動きのための幾らかの自由を有する大型穴閉鎖プレートアセンブリの別の例示的な実施形態が、図31A-31Cに示されている。大型穴閉鎖プレートアセンブリ6000が、2つの滑動ブレース6350、6360によって形成されている滑動閉鎖プレート6300を含む。滑動ブレース6350、6360は、そのブレースの2つの開放端部の一方の中にそれぞれに位置している滑動ラック6351、6361と、そのブレースの他方の開放端部内にそれぞれに位置している滑動クレイドル(sliding cradle)6352、6362とを有する。滑動ラック6351は滑動ブレース6360内の滑動クレイドル6362の中に挿入され、及び、滑動ラック6361は滑動ブレース6350内の滑動クレイドル6352の中に挿入され、したがって、この2つの滑動ブレースは滑動閉鎖プレート6300を形成するように一体化させられる。
滑動閉鎖プレート6300は、さらにアンカー200を含み、このアンカー200は、本明細書で上述したバンド、一体構造のV字形要素、又は、他の類似の要素であってよい閉鎖要素を支持するために、上述したように使用されてもよい。この閉鎖プレートは滑動ラック6351、6361の方向における幾らかの移動の自由を有するが、大型穴閉鎖プレートアセンブリ6000は、組織を一体的に接合して大型穴の開口部を閉鎖するために、アンカー200に力を加えることによって保持される。
閉鎖プレートの動きのための幾らかの自由を有する大型穴閉鎖プレートアセンブリの別の例示的な実施形態が、図32A-32Bに示されている。この大型穴閉鎖プレートアセンブリ7000は、2つの滑動ブレース7350、7360によって形成されている長方形の滑動閉鎖プレート7300を含む。滑動ブレース7350、7360は、そのブレースの一方の端部の中にそれぞれ位置している滑動チューブ7351、7361と、そのブレースの他方の開放端部の中にそれぞれに位置している円筒形空洞7352、7362とを有する。滑動チューブ7351は滑動ブレース7360内の円筒形空洞7362の中に挿入され、及び、滑動チューブ7361は滑動ブレース7350内の円筒形空洞7352の中に挿入され、したがって、この2つの滑動ブレースは滑動閉鎖プレート7300の形に一体化させられる。
滑動閉鎖プレート7300はさらにアンカー200を含み、これらのアンカー200は、本明細書で上述したバンド、一体構造のV字形要素、又は、他の類似の要素であってよい閉鎖要素(図示されていない)を支持するために、上述したように使用されてもよい。この閉鎖プレートは滑動ラック7351、7361の方向において幾らかの移動の自由を有するが、大型穴閉鎖プレートアセンブリ7000は、組織を一体的に接合して大型穴の開口部を閉鎖するようにアンカー200に力を加えることによって保持される。
組織閉鎖は、さらに、経皮的組織閉鎖装置を使用して、経皮的に実現されてもよい。こうした装置は、組織の外側表面に対して力を加える本明細書で示した様々な実施形態とは対照的に、組織の内側から組織内の開口部を引っ張って閉じるために、組織を開くように力を加えることが可能である。
例示的な実施形態では、経皮的組織閉鎖装置8005が、組織の表面の下方に閉鎖要素を挿入するために、及び、組織の内側から閉鎖させるように組織の開口部を引っ張るために提供される。図33に示されているように、経皮的組織閉鎖装置8005は、遠位端部を有する作業チューブ8100を含み、この遠位端部の周りには、その適用前の状態においては、プッシャピンと閉鎖要素とが巻き付けられている。作業チューブ8100の遠位端部の周りに巻き付けられており且つアンカー3200(上述した)に取り付けられている、閉鎖要素8300が図33に示されている。プッシャピン8600は、この適用前の状態では、作業チューブ8100の周りに巻き付けられている。各々のプッシャピン8600はプッシャカラー(pusher collar)8610を含んでもよい。この適用前の状態では、閉鎖要素8300は、各々のプッシャピン8600と一直線上に、作業チューブの周りに巻き付けられており、したがって、プッシャカラー8610は、アンカー3200の連結要素3210の直ぐ下方で閉鎖要素8300の周りに嵌合する。代替案の例示的な実施形態では、プッシャピン8600はプッシャカラー8610を含まない。
図34Aに示されている外側シース8800が、作業チューブ8100の外側上に取り付けられて、閉鎖要素8300とプッシャピン8600とに巻き付けられてもよい。図34Bと図34Cとに示されているように、その外側シース8800をその近位方向に滑動させることと、作業チューブ8100と、巻き付けられた閉鎖要素8300と、プッシャピン8600とを露出させることとによって、外側シース8800は取り外し可能であってもよい。閉鎖要素8300の適用のために組織内の開口部を拡張又は伸張させるために使用される拡張器8700も、図34A-34Cに示されている。
露出させられた閉鎖要素8300とアンカー3200とが、作業チューブ8100と外側シース8800の軸線に対して平行でも垂直でもない角度で示されているが、作業チューブ8100と外側シース8800の軸線に対して平行ではない一定の範囲内の角度(垂直な角度を含む)で、閉鎖要素8300とアンカー3200とを配置することが実現されてもよい。
次に、図35A-35Hを参照しながら、経皮的組織閉鎖装置8005の使用を説明する。図35Aは、ガイドワイヤ8710がすでに貫入している組織8900を示す。ガイドワイヤ8710は拡張器8700を介して装置8005に取り付けられている。この図では、外側シース8800が、作業チューブ8100と、巻き付けられた閉鎖要素8300とプッシャピン8600とを覆う。
図35Bは、拡張器8700が組織8900の中を通して押され終わった後の装置8005を示し、したがって、外側シース800の下の作業チューブ8100(図示されていない)の遠位端部は組織8900の表面の下方にある。図35Cでは、外側シース8800は近位方向に移動させられ終わっており、巻き付けられた閉鎖要素8300とプッシャピン8600とを露出させている。図を簡明にするために、2つの閉鎖要素8300だけが示されているが、任意の個数の閉鎖要素8300が使用されてもよい。図35Dは、閉鎖要素を組織に対して露出させるために外側シース8800が取り除かれている、依然として巻き付け(即ち、適用前)状態にある閉鎖要素8300とアンカー3200とのより詳細な図を提供する。
図35Eは、閉鎖要素の伸長を示す。操作者要素の伸長は手動であり、及び、操作者は、装置8005の近位端部に位置したノブを回すことによって伸長力を加えてもよいし、又は、流体流、空気圧、液圧、又は、他の任意の外力によって及ぼされてもよい。閉鎖要素8300が伸長するのに応じて、アンカー3200が、組織内の拡張された開口部の表面8910を通して組織8900の中に押し込まれる。図35Fに示されているように、アンカー3200は、伸長された後に、完全に組織8900の中に入り込み、及び、閉鎖要素8300はその完全伸長長さに達する。閉鎖要素8300は、例えばニチノールのような任意の適切な形状記憶合金、ばね付勢された鋼又は他の合金、又は、適切な特性を有する材料で形成されてもよく、したがって、伸長した閉鎖要素8300は、アンカー3200の観点から見て近位方向に力を及ぼして、挿入方向とは逆の方向にアンカー3200を引っ張る。翼部3207は、上述したように、この近位移動に抵抗して、アンカー3200を所定位置に保持し、及び、閉鎖力を組織8900に及ぼす。
図35Gと図35Hでは、経皮的組織閉鎖装置8005は組織8900から取り外され、閉鎖要素8300を後に残す。組織8900上に閉鎖要素8300によって及ぼされる力が、組織内の開口部を閉鎖状態に保持する。組織のこの閉鎖は止血の形で維持される。さらに、この装置が経皮的に動作するので、閉鎖力のすべてが閉鎖要素8300に対して平行な方向に作用し、適切な止血均衡(hemostatic equilibrium)を維持することを促進する。さらに、組織内に残される材料の量がより少ないだろうし、及び、その材料が身体の他の部分と相互作用する可能性がある組織の表面上に材料が残されないだろう。
図36Aと図36Bとに示されている例示的な実施形態では、経皮的組織閉鎖装置8005は、アンカー3200を組織の中に駆動するための機械的作用を起動するためのノブ8035を含む。図36Aでは、閉鎖要素8300は作業チューブ8100の周りに巻き付けられている。図36Bでは、ノブ8035の回転に続いて、スリーブ8350が、閉鎖要素8300に取り付けられているアンカー3200を組織の中に経皮的に駆動するために使用される。
例示的な実施形態では、作業チューブ8100はカム8150を含んでもよい。ノブ8035を回転させることによって起動される機械的作用が、その次に、図37Aと図37Bとに示されているカム8150を回転させてもよい。図37Bに示されているように、カム8150が回転させられるにつれて、スリーブ8350は、カム8150の周りの巻き付け位置から伸長位置に延びる。スリーブ8350は、アンカー3200の連結要素3210とは反対方向に配置されており、したがって、スリーブ8350が延びるのに応じて、アンカー3200がカム8150から半径方向に外向きに駆動される。図38Aと図38Bにおいては、近位の観点からの図の形で、この例示的な実施形態が示されている。
図39は、アンカー3200と伸長したスリーブ8350と共に、カム8150と、1つの閉鎖要素8300とを、分離した形で示す。
図40は、アンカー3200と連結するために使用される指状部8351を含む、伸長形状の形であるスリーブ8350を示す。
図41Aと図41Bとに示されている例示的な実施形態では、アンカー3200は、プレス(press)8161とトラフ(trough)8162とを含む作業チューブ8160を使用して、組織の中に駆動されてもよい。図示されているように、プレス8161は、遠位方向に閉鎖装置8300を駆動し、アンカー3200を組織の中に駆動してもよい。
本明細書で開示されている閉鎖要素300、1300、2300、3300、4300、5300、6300、7300、8300は、例えばシリコンのように弾性であってよい。しかし、閉鎖要素300、1300、2300、3300、4300、5300、6300、7300、8300は、例えば生体吸収性材料のような任意の適切な材料で形成されてもよいということに留意されたい。さらに、アンカー200、1200、3200も生体吸収性材料で形成される場合には、アンカー200、1200、及び/又は、3200と(典型的には処置の完了後に患者体内に残される)閉鎖要素300、1300、1400、3300、4300、5300、6300、7300、及び/又は、8300とを含む自動式閉鎖アセンブリ全体が、患者の身体の中に吸収可能であってもよい。複数の弾性閉鎖要素300、1300、2300、3200がこの例示的な実施形態に関連して説明されているが、単一の連続的な閉鎖要素(例えば、様々なアンカー200、1200、3200の間を延びる単一の一体構造部品)が提供されてもよいということに留意されたい。さらに、代替案として、又は、1つ又は複数の弾性閉鎖要素に加えて、ばねのような任意の他の推進機構が閉鎖要素として提供されてもよい。さらに、アンカー200、1200、3200と閉鎖要素300、1300、2300、3300、4300、5300、6300、7300、8300とがそれにしたがって方向配置されるパターンが、本明細書で説明されているこの例示的な実施形態とは異なってもよいということに留意されたい。
説明されている例示的な装置5の使用が、手術用到達穴を形成する前にアンカー200、1200、3200を駆動することを含むが、アンカー200、1200、3200が穴の形成後に駆動されてもよいということに留意されたい。同様に、穴を拡張する前に装置1005からアンカー200、1200、3200を駆動することが実行可能である。しかし、開口を形成した後に又は穴を拡張した後にアンカーを駆動することは有利性において劣ることがあるが、これは、前者の処置における開口の形成と後者における拡張とが組織を押して穴から遠ざけ、及び、したがって、それに続けて駆動される任意のアンカーが、組織が弛緩状態にある時に、開口により近い場所に位置することがあるからである。したがって、アンカー200、1200、3200の相互間の組織の量がより少なくなり、したがって、手術用到達開口を形成する前に駆動されるアンカーに比較して、組織に対して及ぼされる圧縮力がより小さくなることを結果的に生じさせる可能性が高いだろう。
さらに、閉鎖装置5、1005、8005が、例えばカテーテル又は可とう性腹腔鏡検査シャフトのような任意の適切な外科用装置に組み合わせて提供されてもよいということに留意されたい。さらに、アンカーを駆動するための任意の適切な駆動機構が提供されてもよい。
閉鎖要素300、1300、2300、3300、4300、5300、6300、7300、8300の各々が単一の一体構造部品として形成されるが、本明細書で説明されている任意の閉鎖要素が多数の構成要素部品で構成されてもよいということに留意されたい。
さらに、本明細書で説明されている具体例が、各々が互いに同一である複数のアンカー200、1200、3200を発射するものとして説明されているが、駆動されるアンカーの組が、その組の他のアンカーとは異なる1つ又は複数のアンカーを含んでもよいということに留意されたい。例えば、非均一な組織特性及び/又は寸法を伴う状況が、異なる場所における異なるタイプのアンカーの同時発射のような発射によって対処されてもよい。この点に関して、装置5、1005、8005は、同一のスロット内に異なるタイプのアンカーを受け入れるか、及び/又は、様々なアンカーを受け入れるための相互交換可能なハウジング部分を有してもよい。
さらに、アンカー200、1200、3200は、2010年1月20日付で出願された米国仮特許出願公開第61/296,868号明細書と、2011年1月20日付で出願された米国特許出願公開第13/010,766号明細書とに開示されているファスナ(fastener)又は他の類似のインプラントの任意の特徴を含んでもよく、及び、これらの特許文献に開示されている任意の機構を使用して駆動されてもよい。
さらに、例えば、アンカー200、1200、3200、及び/又は、閉鎖要素300、1300、2300、3300、4300、5300、6300、7300、8300のような、本明細書で説明されている植え込み可能な要素のいずれかが、例えば個別的な用途に応じて、患者の体内に吸収可能な材料、又は、吸収不可能な材料で全体的に又は部分的に形成されてもよい。例えば、これらの要素は、ポリグリコール酸(PGA)又はPGAコポリマーで形成されてもよい。これらの要素は、さらに、又は、代替策として、ポリエステル及び/又はナイロン及び/又は他の1つ又は複数のポリマーのコポリマーで形成されてもよい。さらに、これらの要素は、ニチノールのような1つ又は複数の形状記憶合金、ばね付勢された鋼又は他の合金、又は、適切な特性を有する材料を含んでもよい。
様々なインプラントの誤発射又は不適正な位置決めの可能性がある場合には、吸収性の材料が有利であることがある。例えば、駆動装置がアンカー200、1200、3200を意図されていない場所に駆動する状況、又は、組織が適正にアンカー200、1200、3200を受け入れない状況では、アンカー200、1200、3200が患者の体内に最終的に吸収されることになるので、アンカー200、1200、3200は、不要な場合にさえ、相対的に無害であるだろう。
特定の例示的な外科的適用を上述してきたが、装置5、1005はこれらの具体例に限定されない。
特定の具体例と例示的な実施形態とを参照して本発明を説明してきたが、上記の説明は限定的なものでは決してないということに留意されたい。さらに、本明細書で説明した特徴要素は、任意の組合せの形で使用されてもよい。
なお、本願発明の実施形態には、以下の参考例も含まれる。
[参考例1]
外科用のアンカーであって、
組織を穿孔するように構成されている遠位先端に向かって先細になっている遠位端部と、
前記遠位端部から近位に延びる可とう性要素と、
前記遠位端部から自由端部に近位に且つ半径方向外方に延び、且つ、半径方向外側の表面と半径方向内側の表面とを含む、少なくとも1つの翼部と、
を備え、
前記半径方向外側の表面は、複数の近位に延びる突起を前記自由端部において提供する、縦方向に延びる襞を含み、
前記外科用のアンカーは、前記可とう性要素を介して、他の外科用のアンカーに連結されており、前記可とう性要素は、前記外科用のアンカーと前記他の外科用のアンカーとを張り詰め状態において互いに向けて押し動かすように構成されている、
アンカー。
[参考例2]
力が、(a)組織、(b)流体流、(c)空気圧、(d)液圧、及び、(e)外力の少なくとも1つによって、アンカーに対して及ぼされる、
参考例1に記載のアンカー。
[参考例3]
前記半径方向内側の表面は凹形である、
参考例1に記載のアンカー。
[参考例4]
前記可とう性要素は、前記アンカーに及ぼされる力と連携して湾曲するように構成されている、
参考例1に記載のアンカー。
[参考例5]
前記翼部は、前記アンカーが前記組織の中に駆動された後に、前記アンカーの近位移動に抵抗するように構成されている、
参考例1に記載のアンカー。
[参考例6]
前記翼部は、自由端部に延び、且つ複数の近位に延びる切断突起を前記自由端部において含む、
参考例1に記載のアンカー。
[参考例7]
前記翼部は自由端部に延び、
前記襞は、前記翼部の前記自由端部に複数の近位に延びる切断突起を提供する、
参考例1に記載のアンカー。
[参考例8]
前記アンカーは、環状の外周部に沿って前記他の外科用のアンカーに連結されている、
参考例1に記載のアンカー。
[参考例9]
前記アンカーは、長方形の形に前記他の外科用のアンカーに連結されている、
参考例1に記載のアンカー。
[参考例10]
前記アンカーは生体吸収性材料で形成されている、
参考例1に記載のアンカー。