JP7232734B2 - 姿勢矯正装置および姿勢矯正方法 - Google Patents
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Description
一対の搬送ガイドは、搬送方向に沿って上流から下流に向けて搬送される物品が通過し、互いに対向して設けられる。
姿勢矯正体は、一対の搬送ガイドの一方から他方に向けて突き出し、物品が干渉すると物品の中心軸線周りのモーメントを物品に生じさせる。
物品支持体は、長手方向が搬送方向に交差し、姿勢矯正体により中心軸周りに姿勢が矯正された物品に面または線で接触する。
ただし、W1、W2(W2<W1)、D1およびD2は以下の通り定義される。
W2< D1<W1…式(1) D2<W2…式(2)
W1:一対の搬送ガイドの間の幅方向の寸法
W2:姿勢矯正体の設けられる領域における一対の搬送ガイドの間の幅方向の寸法
D1:物品における互いに対向する角部の間の寸法
D2:物品における互いに平行をなして対向する側面の間の寸法
この姿勢矯正方法は、第一ステップと第二ステップとを備えている。
第一ステップは、搬送される物品の角部を係止して中心軸線周りにモーメントを生じさせることで、物品の中心軸周りの姿勢を矯正する。
第二ステップは、第一ステップにより姿勢が矯正された物品について中心軸線周りのモーメントが生じるのを規制することで、矯正された姿勢を維持したままで物品を下流に搬送する。
図1に示すように、姿勢矯正装置1は、容器100が載って搬送される搬送路3と、
搬送路3から高さ方向Vの上方に所定の間隔を設けて配置される一対の搬送ガイド5A,5Bと、を備える。また、姿勢矯正装置1は、一対の搬送ガイド5A,5Bの一方の搬送ガイド5Aの内側に設けられる姿勢矯正体7と、高さ方向Vにおける搬送路3と搬送ガイド5A,5Bの間に配置され、搬送方向Lの下流Dに向けて移動する容器支持体9と、を備える。
また、姿勢矯正装置1において、図1に示すように、容器100が搬送される向きを基準にして上流Uおよび下流Dが特定される。上流Uおよび下流Dは相対的な意味を含んでいる。
搬送路3は、図1に示すように、容器100が載せられる搬送面3Aが幅方向Wと平行になるように配置されている。搬送路3は、一対の搬送ガイド5A,5Bの幅方向Wの間隔よりも幅が広い。本実施形態における搬送路3は、コンベヤ装置のようにそれ自身が駆動するものであってもよいし、駆動することなく固定されているものであってもよい。以下では搬送路3は駆動することなく固定されているものとし、容器100の搬送は容器支持体9が担うものとする。この場合、容器100は搬送面3Aを滑ることになるので、少なくとも搬送面3Aは摩擦係数の小さい例えばステンレス鋼で構成することが好ましい。耐食性の優れたステンレス鋼は、飲料を扱う姿勢矯正装置1の清潔さを保つうえでも好ましい。このことは、搬送ガイド5A,5B、姿勢矯正体7および容器支持体9についても適用される。なお、搬送路3が駆動される場合には、搬送路3の走行速度を容器支持体9の駆動速度よりも遅くする必要がある。容器支持体9が容器100よりも上流Uの側に離れてしまうのを防ぐためである。
一対の搬送ガイド5A,5Bは、搬送される容器100が幅方向Wにずれて搬送路3から離脱するのを防ぐ。一対の搬送ガイド5A,5Bは、図1に示すように、それぞれが搬送方向Lに沿って直線状に延びて形成されており、搬送方向Lに沿ってその間隔が等しく設定されている。ただし、姿勢矯正体7が設けられている搬送方向Lの領域は、姿勢矯正体7の厚さの分だけ搬送ガイド5A,5Bの間隔が狭くなっている。
ここで示す搬送ガイド5A,5Bは、容器支持体9との干渉を避けるために、容器支持体9が移動する高さ方向Vの領域よりも上方に設けられているが、これはあくまで一例である。つまり、容器支持体9と干渉することがなく、かつ、容器100の幅方向Wへの搬送路3からの離脱を防ぐことができる限りその形態は任意である。
姿勢矯正体7は、傾いた姿勢で搬送されてきた容器100に中心軸線C(図2,図3,図4,図10)の周りに回転させるモーメントを生じさせる。姿勢矯正体7は、図1に示すように、一方の搬送ガイド5Aの内側に設けられ、他方の搬送ガイド5Bに向けてその厚さの分だけ突き出している。これにより、姿勢矯正体7が設けられる領域は他の領域に比べて一対の搬送ガイド5A,5Bの間隔が狭くなる。ここでいう容器100の中心軸線Cとは、容器100の高さ方向Vの異なる複数の横断面のそれぞれの中心を高さ方向Vに結んだ仮想線であり、容器100の回転軸と一致する。また、容器100が搬送されるとき、この中心軸線Cは鉛直方向に沿うことになる。
容器支持体9は、容器100と面で接触することで、姿勢が矯正された容器100が再び傾くのを抑制する。また、容器支持体9は、搬送路3の上方を搬送方向Lの上流Uから下流Dに向けて移動しながら、容器100を押すことで容器100を下流Dに向けて搬送する。容器支持体9は、その長手方向(幅方向W)が搬送方向Lに交差、具体的には直交している。
容器支持体9は、図1に示すように、容器100と接触する側の支持面9Aが幅方向Wと平行をなしている。つまり、容器支持体9は、正規の姿勢をなす容器100と面で接触し、容器100に中心軸線Cの周りにモーメントが生じるのを規制することで、矯正された姿勢を維持したままで容器100を下流Dに向けて搬送できる。
なお、ここで例示する容器支持体9は棒状の形状をなしているが、正規の姿勢をなす容器100と面または線で接触する支持面9Aを有している限り、その他の部分の形状は任意である。
次に、図2を参照しながら、一対の搬送ガイド5A,5Bの幅方向Wの寸法(幅)と容器100の寸法の関係について説明する。
図2に示すように、一対の搬送ガイド5A,5Bの幅をW1とし、姿勢矯正体7の設けられる領域における幅をW2(W2<W1)とする。つまり、姿勢矯正体7の厚さはW1とW2の差として特定される。また、容器100については、互いに対向する角部101A,101Cの最大の間隔をD1とし、互いに平行をなして対向する側面103,103の間の寸法をD2とする。
次に、傾いた姿勢をなす容器100が姿勢矯正体7と対向する搬送ガイド5Bの間を通過するのが規制される必要があるので、寸法D1よりも幅W2を小さくする必要がある。つまり、D1>W2が成り立つ。
さらに、正規の姿勢をなす容器100が姿勢矯正体7と対向する搬送ガイド5の間を通過する必要があるので、寸法D2よりも幅W2を大きくする必要がある。つまり、D2<W2が成り立つ。
W2<D1<W1…式(1)
D2<W2…式(2)
次に、図3および図4を参照して、姿勢矯正装置1により姿勢が矯正される動作を説明する。なお、図3において、破線による白抜きの矢印は容器100が搬送される方向を示している。
図3(a)および図4(a)に示すように、容器100は正規の姿勢に対して一例として45°だけ傾いた姿勢で下流Dに向けて搬送されてきたものとする。このとき、容器支持体9が容器100を押す力F0に対して容器100の中心軸線Cには上流Uに向けて反力F00が生じる。反力F00は容器100の質量と搬送面3Aとの間の摩擦係数により特定される。この質量および摩擦係数は小さいので、押す力F0は反力F00よりもはるかに大きい。
容器100は、図3(a)に示すように、一つの角部101Bが容器支持体9から押されることで搬送されている。他の角部101A,101Cはそれぞれ搬送ガイド5A,5Bに接触するので、接した角部101A,101Cには摩擦力F1が生じる。この摩擦力F1は押す力F0よりも十分に小さい。したがって、容器100は傾いたままで下流Dに向けて搬送される。
なお、図3(a)~(d)において、姿勢矯正装置1の動作を説明するのに必要な押す力F0、反力F00などを示されているが、容器100には現実にはここで示す以外の力も加わることがある。
次に、正規の姿勢で搬送されてきた容器100が姿勢矯正体7を通過する際の動作を、図5を参照しながら説明する。なお、ここでは正規の姿勢の容器100が姿勢矯正体7に干渉する典型例として、図5(a)に示すように、容器100が一方の搬送ガイド5Aに接しながら搬送されてきた例が示されている。
以上説明した姿勢矯正装置1によれば、以下の効果を奏する。
姿勢矯正装置1は、一対の搬送ガイド5A,5Bの一方に姿勢矯正体7を設けることにより容器100の姿勢を矯正できる。したがって、一対の搬送ガイドのそれぞれを前後に移動する機構を備える例えば特許文献1と比べて、極めて簡易な構造により容器100の姿勢を矯正できる。
しかも、姿勢矯正装置1は、矯正された正規の姿勢の容器100と面で接触する容器支持体9を備えているので、正規の姿勢に矯正された容器100が再び傾いた姿勢になるおそれがほとんどない。
したがって、容器100の箱詰めの直前に姿勢矯正装置1を設ければ、正規の姿勢に整列された複数の容器100を、商品価値を下げることなく箱詰めすることができる。
以上、本発明の好ましい形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることができる。
本実施形態は、容器支持体9が容器100の搬送を担っているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、搬送路3をコンベア装置で構成することにより容器100の搬送を搬送路3で担う。一方で、容器支持体9は、容器100の搬送には積極的に関わらず、搬送路3による容器100の搬送に追従するのに留める。例えば、搬送路3により容器100の搬送速度と容器支持体9の移動速度を同じにして、容器支持体9を容器100に追従するだけにする。この場合でも、容器支持体9が容器100と面で接触して支持すれば、正規の姿勢に矯正された容器100が再び傾いた姿勢に戻るのを防ぐことができる。
次に、以上で説明した実施形態においては、一本の容器100の姿勢を矯正する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、搬送方向Lに並んで搬送される複数の容器100のそれぞれを矯正することができる。以下、図6および図7を参照してこの例を説明する。
図6(a)に示すように、それぞれ姿勢の傾いた三本の容器100が搬送されてきたものとする。図6(b)および(c)に示すように、先頭(一番目)の容器100が姿勢矯正体7に干渉することにより、容器100は正規の姿勢に矯正される。この一番目の容器100の姿勢の矯正が二番目の容器100の姿勢に影響を与えることはない。
容器100の下流Dに向けた搬送が進むと、図7(a)に示すように、二番目の容器100の姿勢が矯正される。さらに搬送が進むと、図7(b)、(c)に示すように、三番目の容器100の姿勢も矯正される。
以上で説明した実施形態においては、図10(a)に示される胴部の寸法(D1、D2)が一定の容器100を前提としていたが、本発明は、図10(b)に示すように胴部に括れ105を有する容器100にも適用できる。
括れ105を有する容器100が正規の姿勢で搬送されてきたとすると、図8(a)~(c)に示すように、姿勢矯正体7が括れ105を通過することができる。これによって、容器100は正規の姿勢を維持したままで下流Dに向けて搬送される。
括れ105を有する容器100が傾いた姿勢で搬送されてきたとすると、図8(d)~(f)に示すように、姿勢矯正体7が括れ105において容器100と干渉することで、容器100の姿勢を矯正できる。
以上で説明した実施形態においては、一列だけ姿勢矯正装置1を備える例を説明したが、本発明は図9に示すように、複数列の姿勢矯正装置1を配列することもできる。
この場合、隣接する姿勢矯正装置1は、搬送ガイド5を共用できる。また、図9に示すようにそれぞれの姿勢矯正装置1が共通する容器支持体9を用いることができる。この場合、容器支持体9はそれぞれの姿勢矯正装置1において同期して移動することになる。または、図示を省略するが、独立して移動する容器支持体9をそれぞれの姿勢矯正装置1が備えることもできる。
以上で説明した実施形態においては、容器100の側面103の幅方向Wの全長にわたって容器支持体9の支持面9Aが接触する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、幅方向Wの1/2以上の長さにわたって支持面9Aが側面103と接触していれば、姿勢が矯正された容器100が傾いた姿勢に戻るのを防ぐことができる。
また、以上の実施形態においては、容器支持体9の横断面が矩形を有することを前提として、容器100と容器支持体9が面接触すると説明したが、容器支持体9の横断面が円形または多角形の場合には、容器100との接触の形態は線接触といえる。この線接触であっても、正規の姿勢に矯正された容器100が再び傾いた姿勢に戻るのを防ぐことができる。
3 搬送路
3A 搬送面
5A,5B 搬送ガイド
7 姿勢矯正体
7A 傾斜面
9 容器支持体
9A 支持面
100 容器
101,101A,101B,101C,101D 角部
103 側面
105 括れ
Claims (4)
- その中心軸線が鉛直方向に沿った状態で搬送方向に沿って上流から下流に向けて搬送される角筒状の形状を有する物品が通過し、互いに対向して設けられる一対の搬送ガイドと、
一対の前記搬送ガイドの一方から他方に向けて突き出し、前記物品が干渉すると前記物品の前記中心軸線周りのモーメントを前記物品に生じさせる姿勢矯正体と、
長手方向が前記搬送方向に交差し、前記姿勢矯正体により前記中心軸線周りに姿勢が矯正された前記物品に前記長手方向において面または線で接触する物品支持体と、を備え、
以下の式(1)、(2)が成り立ち、かつ、
前記物品支持体が、前記上流から前記下流に向けて移動するとともに、前記上流の側から前記物品を押すことで、前記物品を搬送する姿勢矯正装置。
W2<D1<W1…式(1) D2<W2…式(2)
W1:一対の前記搬送ガイドの間の幅方向の寸法
W2:前記姿勢矯正体の設けられる領域における一対の前記搬送ガイドの間の幅方向の寸法
D1:前記物品における互いに対向する角部の間の寸法
D2:前記物品における互いに平行をなして対向する側面の間の寸法
- 前記姿勢矯正体は、
一対の前記搬送ガイドの一方に、一体的に形成されるか、または、着脱容易に設けられる、
請求項1に記載の姿勢矯正装置。
- 一対の前記搬送ガイドは、前記搬送方向に沿って直線状に延びる、
請求項1または請求項2に記載の姿勢矯正装置。
- 前記姿勢矯正体が設けられる一対の前記搬送ガイドと前記物品支持体とが、前記搬送方向に直交する幅方向(W)に複数列配列される、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の姿勢矯正装置。
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