JP7232640B2 - 水性防錆表面処理組成物および表面被覆金属部材 - Google Patents
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Description
シリコーン樹脂の選択にあたって、水溶性の成分を含む溶液には、同種の水溶性シリコーン樹脂を併用することを一般的には考える。しかしながら、水溶性シリコーン樹脂を併用する場合、適当な相溶性が得られるものの、十分な成膜性が得られない恐れがあることが判明した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、水に分散または溶解するシリコーン樹脂の中でも、水分散性シリコーン樹脂を用いることで、皮膜の耐食性とともに耐熱性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
金属部材の表面に皮膜を形成するために用いる、水性防錆表面処理組成物であって、
シランカップリング剤と、
水溶性チタン化合物または水溶性ジルコニウム化合物を含む水溶性遷移金属化合物と、
水を含む溶媒と、
水分散性シリコーン樹脂と、
を含む、水性防錆表面処理組成物が提供される。
金属部材と、
前記金属部材の表面に形成された、上記の水性防錆表面処理組成物からなる皮膜と、を備える、表面被覆金属部材が提供される。
本実施形態の水性防錆表面処理組成物は、シランカップリング剤と、水溶性チタン化合物または水溶性ジルコニウム化合物を含む水溶性遷移金属化合物と、水を含む溶媒と、水分散性シリコーン樹脂と、を含むものである。
水分散性シリコーン樹脂、シランカップリング剤(バインダー)、水溶性遷移金属化合物(水溶性硬化剤)および無機コロイド粒子、アルコール(イソプロピルアルコール)および水(イオン交換水)を所定の割合で混合することにより、混合液を作製する。得られた混合液における各成分の分離を確認する。
評価用の混合液として、固形分が30質量%程度のものが使用できる。評価用の混合液の水含有量は、例えば、70質量%程度、アルコールを併用する場合には、アルコール20質量%程度に対して水:50質量%程度としてもよい。
得られた混合液を60分間静置した後、目視にて、混合液中における成分の分離状態について確認し、成分の分離が確認されなかった場合を合格とする。
(1)で得られた混合液を、ブリキシャーレに入れ、シャーレを軽く左右に振り、シャーレ内における塗膜の濡れ広がりを確認する。続いて、シャーレを200℃で1h加熱し、加熱後の塗膜の状態を観察する。
シャーレ内に濡れ広がり、かつ、加熱後の焦げつきが少なく、成膜されるもの合格とする。
本発明者の検討の結果、(1)(2)の評価に基づいて、樹脂の中からシリコーン樹脂が選択され、その中から、さらに水分散性シリコーン樹脂が選択されるに至った。
また、本実施形態によれば、成分の分離や凝集が見られず、保管安定性に優れた水性防錆表面処理組成物を実現できる。
上記水性防錆表面処理組成物は、シランカップリング剤を含む。
シランカップリング剤を用いることで、水溶性遷移金属化合物や水分散性樹脂または水溶性樹脂、あるいは無機コロイド粒子を含む組成物を、水性溶液として安定化させることができる。また、シランカップリング剤は、水性コロイダルシリカ等の無機コロイド粒子と、水溶性遷移金属化合物や水分散性樹脂または水溶性樹脂などの樹脂との間の親和性を向上できるため、安定な水性溶液(組成物)を形成することができる。
上記シランカップリング剤として、水中に溶解できる水溶性シランカップリング剤が用いられる。
本明細書中、「~」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
また、固形分とは、水やアルコール溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。この固形分は、水性防錆表面処理組成物を加熱処理した後、各成分の反応後に残存する残存物としてもよい。
上記水性防錆表面処理組成物は、水溶性遷移金属化合物を含む。水溶性遷移金属化合物は、水溶性チタン化合物または水溶性ジルコニウム化合物を含むものである。水溶性遷移金属化合物は、水中に溶解し得る。水溶性遷移金属化合物を用いることで、上記シランカップリング剤、または、他に含まれる成分との化学的な結合が促進され、強度の高い皮膜が形成される。耐食性を高める観点から、水溶性チタン化合物を用いることができる。
また、上記水溶性ジルコニウム化合物は、上記水溶性チタン化合物と同様の構造を有することができるが、例えば、無機系ジルコニウム化合物、ペルオキソジルコネート、アミン系水溶性ジルコネート、キレート系ジルコネートからなる群から選択される一種以上を含むことができる。
上記キレート性置換基は、例えば、キレート形成能を持つ有機化合物から誘導された基である。キレート形成能を持つ有機化合物としては、アセチルアセトン等のβ-ジケトン、アセト酢酸等のアルキルカルボニルカルボン酸およびそのエステル、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
上記キレート性置換基の具体例は、ラクテート、アンモニウムラクテート、トリエタノールアミネート、アセチルアセトネート、アセトアセテート、エチルアセトアセテート等が挙げられる。
上記水性防錆表面処理組成物は、リン酸系防錆剤を含むことができる。
上記リン酸系防錆剤は、高縮合リン酸塩または多価リン酸エステルを含むことができる。
上記水性防錆表面処理組成物は、高縮合リン酸塩および多価リン酸エステルのいずれか一方を含んでもよいが、両方を含んでもよい。
上記高縮合リン酸塩は、4個以上のリン酸が脱水縮合してなる高縮合物の塩である。高縮合リン酸塩を用いることで、オルソリン酸、ピロリン酸、トリリン酸およびこれらの塩を用いた場合と比較して、組成物からなる皮膜の耐食性を向上させることができる。
上記環状構造を有する高縮合リン酸塩としては、例えば、テトラメタリン酸塩、ペンタメタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、オクタメタリン酸塩などが挙げられる。
上記網目構造を有する高縮合リン酸塩としては、例えば、ウルトラリン酸塩などが挙げられる。ウルトラリン酸塩は、水溶液中で加水分解して、直鎖状構造を有する高縮合リン酸塩と、環状構造を有する高縮合リン酸塩との混合物になる。
なお、ウルトラリン酸塩、例えば、平均縮合度が10以上であり、通常、縮合度が分布を有したものとして取引がされることがある。
なお、本実施形態の水性防錆表面処理組成物は、高縮合リン酸塩に加えて、本発明の効果が発揮する範囲において、その他の低縮合リン酸塩を含有してもよい。
これに対して、高縮合リン酸塩を使用することで、オルトリン酸、オルトリン酸塩または低縮合リン酸塩のみを使用した場合と比較して、高い防錆効果を金属部材に付与するできることが分かった。
上記高縮合リン酸塩のカチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン等を採用することができる。入手容易性や水への溶解性の観点から、カチオンは、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンが好ましい。すなわち、高縮合リン酸塩として、高縮合リン酸ナトリウムまたは高縮合リン酸カリウムを用いることができる。
上記多価リン酸エステルは、複数のリン酸エステル残基を有する化合物である。リン酸エステル残基は、リン酸モノエステル構造またはリン酸ジエステル構造を有する。リン酸エステル残基を形成するアルコール部分は、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコールのいずれでもよい。
上記多価リン酸エステルの具体例としては、例えば、フィチン酸が挙げられる。
また、遷移金属原子の中でも、チタンを用いることにより、他の遷移金属原子であるジルコニウムと比べて防錆効果を高めることができる。詳細なメカニズムは定かでないが、チタンを用いることで皮膜構造が一層緻密になると考えられる。
上記の水性防錆表面処理組成物は、水を含有する溶媒を含む。この溶媒は、水のみを含む水溶媒で構成されていてもよく、水と水以外の親水性溶媒とを含む水系混合溶媒で構成されていてもよい。
上記水性防錆表面処理組成物中の固形分量を適切な範囲内とすることで、溶液安定性を高めるとともに、安定的に皮膜が耐食性を発揮することができる。
上記水性防錆表面処理組成物は、無機コロイド粒子を含むことができる。
上記無機コロイド粒子は、水中に分散する無機粒子で構成される。
無機コロイド粒子を用いることで、皮膜の強度を高められる。
詳細なメカニズムは定かでないが、上述の皮膜中の空間に、シリカ等の無機粒子が適切に配置されるため、シリカ皮膜等の皮膜の緻密さが高まり、耐食性が向上すると考えられる。
上記水性防錆表面処理組成物は、水分散性樹脂または水溶性樹脂を含むことができる。
上記水分散性樹脂は、水中に分散する樹脂で構成される。上記水溶性樹脂は、水中に溶解する樹脂で構成される。これらの樹脂を用いることで、塗膜の厚膜制御が容易となる。また塗膜からなる皮膜の耐摩耗性を向上することや、皮膜の硬度を低減することが可能になる。例えば、ボルトやナットなどのファスナー部品の表面に皮膜を形成したとき、かかる皮膜の摩擦係数を小さくすることができる。なお、成膜性や耐食性の観点から、水分散性樹脂を用いることが好ましい。
耐食性の観点から、水分散性ポリアクリル酸樹脂または水分散性ポリエステル樹脂、より好ましくは水分散性ポリアクリル酸樹脂を用いることができる。
なお、変性された樹脂(樹脂の変性体)としては、特定の樹脂に対してシリル変性、リン酸変性、シラン変性等を施したものが挙げられる。
上記水性防錆表面処理組成物は、上記成分以外にも、その他の添加剤を含むことができる。
その他の添加剤としては、通常、表面処理剤に含まれる各種添加剤を用いることができるが、例えば、pH調整剤、滑剤、防腐剤、充填材、着色剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、抗菌剤などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。添加剤の添加量は、用途に応じ適宜設定することができる。
なお、本明細書において、この六価クロムおよび三価クロムの量は、この特定の価数を有するクロムの塩の含有量を指すものとする。
上記水性防錆表面処理組成物は、各成分を混合して製され得る。
各成分の混合する順番は、限定されるものではなく、任意の順番で混合することが可能である。
加熱処理の条件としては、たとえば室温以上350℃以下、好ましくは150℃以上320℃以下、より好ましくは180℃以上300℃以下の条件を採用することができ、また、5分以上240分以下、この処理を行うことができる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 金属部材の表面に皮膜を形成するために用いる、水性防錆表面処理組成物であって、
シランカップリング剤と、
水溶性チタン化合物または水溶性ジルコニウム化合物を含む水溶性遷移金属化合物と、
水を含む溶媒と、
水分散性シリコーン樹脂と、
を含む、水性防錆表面処理組成物。
2. 1.に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記水分散性シリコーン樹脂は、分子内に架橋性官能基を有するシリコーン樹脂を含む、水性防錆表面処理組成物。
3. 1.または2.に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記水分散性シリコーン樹脂は、分子内に芳香族基を有するシリコーン樹脂を含む、水性防錆表面処理組成物。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記水分散性シリコーン樹脂の含有量が、前記シランカップリング剤、前記水溶性遷移金属化合物および前記水分散性シリコーン樹脂の合計含有量に対して、10質量%以上60質量%以下である、水性防錆表面処理組成物。
5. 1.~4.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記シランカップリング剤、前記水溶性遷移金属化合物および前記水分散性シリコーン樹脂の合計含有量が、当該水性防錆表面処理組成物全体に対して、3質量%以上40質量%以下である、水性防錆表面処理組成物。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物であって、
無機コロイド粒子を含む、水性防錆表面処理組成物。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物であって、
リン系防錆剤を含む、水性防錆表面処理組成物。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物であって、
ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤を含む、水性防錆表面処理組成物。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記溶媒が、水および極性有機溶媒を含む水系混合溶媒である、水性防錆表面処理組成物。
10. 1.~9.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物であって、
クロム成分を含まない、水性防錆表面処理組成物。
11. 1.~10.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記金属部材の表面に、亜鉛またはクロムを含むめっき層を有する、水性防錆表面処理組成物。
12. 金属部材と、
前記金属部材の表面に形成された、1.~11.のいずれか一つに記載の水性防錆表面処理組成物からなる皮膜と、を備える、表面被覆金属部材。
(シランカップリング剤)
・エポキシシラン1:3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(旭化成ワッカーシリコ-ン社製、GF-82)
・水分散性シリコーン樹脂1:シリコーンエマルジョン樹脂(旭化成ワッカーシリコーン、SILRES MPF52E、アルコキシ基およびメチルフェニル基含有、縮合型、ノニオン性)
・水分散性シリコーン樹脂2:シリコーンゴムエマルジョン(信越化学社製、POLON-MF-56、反応型、アニオン性)
・水溶性ポリエステル樹脂1:水溶性ポリエステル樹脂(互応化学社製、プラスコートZ565、分子量:約25,000)
・水溶性ポリエステル樹脂2:水溶性ポリエステル樹脂(互応化学社製、プラスコートZ690、ナフタレン骨格含有、分子量:約28,000)
・チタンキレート剤1:チタンラクテートアンモニウム塩(マツモトファインケミカル社製、TC-300)
・チタンキレート剤2:チタントリエタノールアミネート(マツモトファインケミカル社製、TC-400)
・チタンキレート剤3:チタンラクテート(マツモトファインケミカル社製、TC-310)
・チタンキレート剤4:チタンキレート(マツモトファインケミカル社製、T-3197R)
・水溶性ジルコニウム化合物3:塩化ジルコニル化合物(マツモトファインケミカル社製、ZB-126)
・水性コロイダルシリカ1:コロイダルシリカ(日揮触媒社製、カタロイドSN、シリカ水分散ゾル)
・水性コロイダルシリカ2:コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックス PS-SO、酸性ゾル、平均粒子径:80~120nm)
・水性コロイダルシリカ3:コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックス PS-MO、酸性ゾル、平均粒子径:80~150nm)
・水溶性アルミナゾル2:アルミナゾル(日産化学社製、アルミナゾル 200、酸性ゾル)
・水溶性コロイダルジルコニア1:コロイダルジルコニア(第一稀元素化学工業社製、ZSL-10T、酸性ゾル、平均粒子径:5~25nm)
・高縮合リン酸塩1:ウルトラリン酸ナトリウム(関東化学社製、直鎖状および環状のものが相互に結合した網目構造)
・多価リン酸エステル1:フィチン酸(扶桑化学社製)
・水1:イオン交換水
・アルコール1:イソプロピルアルコール(大伸化学社製)
以下の(1)、(2)の評価項目を順番に評価して樹脂を選択した。
表1に示す配合比率(質量%)に従って、樹脂、シランカップリング剤(バインダー)、水溶性遷移金属化合物(水溶性硬化剤)、無機コロイド粒子、アルコール(イソプロピルアルコール)および水(イオン交換水)を秤量し、攪拌機を用いて混合することにより、固形分が30質量%程度の混合液(サンプル1~5)を作製した(ただし、サンプル1の混合液は樹脂を混合せず、参照例として使用した)。
得られた混合液を60分間静置した後、目視にて、混合液中における成分の分離状態について確認した。結果を表1に示す。
表1中、成分の分離が確認されなかった場合を○、成分の分離が確認された例を×とした。なお、「-」は、樹脂を含まないサンプル1において評価を行わなかったことを示す。
上記(1)で水分散性の評価が「○」のものに対して、次の(2)成膜性の評価を行った。
上記(1)で得られた混合液1gを、ブリキシャーレ(TP技研社製、商品名:加熱残分用測定皿)に入れ、シャーレを軽く左右に3~4回振った。その後、目視により、シャーレ内における塗膜の濡れ広がりを確認した。続いて、シャーレを200℃で1hの条件で加熱した。目視により、加熱後の塗膜の状態を観察した。結果を表1に示す。
なお、上記のシリコーン樹脂1は、水溶性硬化剤が、上記のチタンキレート剤1および水溶性ジルコニウム化合物3の両方の場合で<樹脂の選定>の基準を満たすことが分かった(サンプル2、5)。
表2~4に示す配合比率(質量%)に従って、各成分を秤量し、攪拌機を用いて各成分を混合することにより、各実施例および各比較例の水性防錆表面処理組成物を得た。
表面に亜鉛メッキが施された鉄製の六角ボルト 半ねじ(寸法:M8L35)を3本準備した。
準備した六角ボルトを、得られた水性防錆表面処理組成物の液中に30秒浸漬した。浸漬後、六角ボルトを取り出し5分液きりを行った。その後、六角ボルトに対して200℃で1h加熱処理を行い、六角ボルトの表面に、水性防錆表面処理組成物からなる皮膜を形成し、試験サンプルを作製した。
得られた試験サンプルを用いて、JIS Z2371に準拠し、塩水噴霧試験(SST、試験温度:35℃)を行い、白錆が発生した試験時間(h)を測定した。
3本の六角ボルトにおける白錆が発生した試験時間の平均値を算出した。
Claims (11)
- 金属部材の表面に皮膜を形成するために用いる、水性防錆表面処理組成物であって、
シランカップリング剤と、
水溶性チタン化合物または水溶性ジルコニウム化合物を含む水溶性遷移金属化合物と、
水を含む溶媒と、
水分散性シリコーン樹脂と、
を含み、
前記水分散性シリコーン樹脂の含有量が、前記シランカップリング剤、前記水溶性遷移金属化合物および前記水分散性シリコーン樹脂の合計含有量中、10質量%以上60質量%以下である、
水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記水分散性シリコーン樹脂は、分子内に架橋性官能基を有するシリコーン樹脂を含む、水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1または2に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記水分散性シリコーン樹脂は、分子内に芳香族基を有するシリコーン樹脂を含む、水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1~3のいずれか一項に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記シランカップリング剤、前記水溶性遷移金属化合物および前記水分散性シリコーン樹脂の合計含有量が、当該水性防錆表面処理組成物全体に対して、3質量%以上40質量%以下である、水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
無機コロイド粒子を含む、水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1~5のいずれか一項に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
リン系防錆剤を含む、水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1~6のいずれか一項に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤を含む、水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記溶媒が、水および極性有機溶媒を含む水系混合溶媒である、水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1~8のいずれか一項に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
クロム成分を含まない、水性防錆表面処理組成物。 - 請求項1~9のいずれか一項に記載の水性防錆表面処理組成物であって、
前記金属部材の表面に、亜鉛またはクロムを含むめっき層を有する、水性防錆表面処理組成物。 - 金属部材と、
前記金属部材の表面に形成された、請求項1~10のいずれか一項に記載の水性防錆表面処理組成物からなる皮膜と、を備える、表面被覆金属部材。
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