JP7232415B2 - 加熱用フィラメントランプ - Google Patents

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Description

この発明は、被処理体(ワーク)のアニール処理、乾燥処理などの加熱処理用の熱源として利用される加熱用フィラメントランプに関する。
従来、半導体製造時の加熱工程において、複数のフィラメントランプを用いた加熱処理が行われている。特開2002-270533号公報(特許文献1)や特開2015-050174号公報(特許文献2)などがその例である。
このようなフィラメントランプを使った加熱装置は、半導体基板などのワークの表面を短時間、かつ均一に加熱処理することが求められ、より急速に被処理体を昇温及び降温させるRTP(Rapid Thermal Processing)技術が必要とされている。
半導体ウエハを所定温度で所定時間加熱する場合、所定温度に昇温させるまでの時間、又は所定温度から降温させるまでの時間が長くなると、その昇降温過程でも半導体ウエハを加熱してしまい、所望の加熱工程で高精度に処理することが難しくなるからである。
より急速な昇温及び降温の実現に向け、熱源となるフィラメントランプの点灯特性の改善が必要となる。例えば、放射エネルギー(光量)の立ち上り時間を早くしたり、放射エネルギー(光量)の立ち下がり時間を早くしたりすることで、より急速な昇降温を実現することが要請されている。
その一方で、効果的な加熱を達成するために、フィラメントランプの個々の光源から放射される光を所定範囲に所定強度で照射する必要がある。しかし、そのような配光制御を実現するためには、フィラメントランプの発光部を所定のサイズ(発光部の長手方向の発光長や、発光部の幅等)に制限する必要がある。
図7にこのような加熱装置に用いられるフィラメントランプが示されていて、例えば、図7(A)に示されるように、フィラメントランプ50の発光部(フィラメント)51から出射された光はリフレクタ52で反射され、図中の二点鎖線で示される所望の照射範囲A1に配光されるように設定されている。
このとき、点灯特性を改善した他のランプを前記加熱装置に搭載しようとしても、他のランプにおいて、図7(C)に示す発光部51の発光長Mや幅(形成される二重コイルの外径幅)Nが変わってしまうと、図7(B)に実線で示すように照射範囲A2が変化してしまい、採用することができないという不具合がある。
そのため加熱装置の構成(例えば、リフレクタ形状や光源の設置場所)によって、搭載できるフィラメントランプの発光部サイズ(例えば、発光長や発光幅)は制約を受け、性能を改善したランプによって代替する場合でも、同じ照射領域を持つものにしなければならないという問題がある。
特開2002-270533号公報 特開2015-050174号公報
この発明が解決しようとする課題は、加熱用フィラメントランプにおいて、フィラメントランプの発光部を所定のサイズに維持しつつ、放射エネルギーの立ち上り速度及び立ち下がり速度を早くすることができ、被処理体の急速昇降温を実現することが可能な加熱用フィラメントランプを提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明に係る加熱用フィラメントランプは、それぞれ並列に配置された複数本の素線を第一基準軸回りにらせん状に巻回したコイル部を、前記第一基準軸とは異なる第二基準軸回りにらせん状に巻回してなる二重コイル構造のフィラメントを有することを特徴とする。
また、前記フィラメントは、前記コイル部を構成する素線本数をn、素線径をd、前記コイル部の外径をD、としたとき、関係式X=D/(n×d)が以下の範囲であることを特徴としてもよい。
(1)n=2のとき、 2.7 ≦ X ≦ 4.3
(2)n=3のとき、 2.5 ≦ X ≦ 4.0
また、前記フィラメントランプに流れる電流値(I)と、前記フィラメントを構成する素線の200mm当りの素線重量(MG)との比が下記の計算式を満たすことを特徴としてもよい。
I/MG ≧ 6.5
また、前記素線径(d)は、0.08mm~0.30mmの範囲で形成されることを特徴としてもよい。
また、前記コイル部の外径(D)は、0.8mm~2.0mmの範囲で形成されることを特徴としてもよい。
また、前記フィラメントの上端部と下端部には、それぞれ第一給電線と第二給電線が設けられており、前記給電線に対して、前記コイル部を構成する前記各素線が電気的に並列に接続されていることを特徴としてもよい。
この発明の加熱用フィラメントランプによれば、発光部となるフィラメントを構成する素線が、複数の細い素線で構成されるので、フィラメントランプの急速な昇降温を実現することができる。
また、発光部を構成するフィラメントは二重コイル構造としている。つまり、並列に配置された複数本の素線を第一基準軸回りにらせん状に巻回したコイル部を、前記第一基準軸とは異なる第二基準軸回りにらせん状に巻回してなる二重コイル構造のフィラメントとしている。これにより、フィラメントを構成する素線の径や本数が変更された場合でも、形成される二重コイルからなる発光部の発光長や幅(外径幅)を所望の大きさに調整することが可能となり、当該ランプからの光照射範囲を所望の範囲に維持することができる。
本発明の加熱用フィラメントランプの断面図。 本発明のフィラメントランプの発光部の第1の構成例。 本発明のフィラメントランプの発光部の第2の構成例。 異なる素線本数でのI/MG比、光量立ち上り時間を示す表。 フィラメントのI/MG値と光量立ち上り時間の関係を示すグラフ。 素線本数と光量立ち上り時間の関係を示すグラフ。 従来の加熱用フィラメントランプの説明図。
図1は本発明のシングルエンド型の加熱用フィラメントランプ1の全体断面図であり、透光性部材で構成された封体2の内部に、二重コイルからなるフィラメント3(以下、発光部ということもある)が配設されており、当該二重フィラメント3の上端部および下端部には第一給電線4と第二給電線5が設けられており、これら給電線4、5がそれぞれ内部リード6、7に巻きつけられて固定されている。
これらの内部リード6、7は、封止部8内に埋設された金属箔10、11にそれぞれ接続されており、該金属箔10、11を介して、外部リード12、13と電気的に接続されている。
上記二重フィラメント3の一例の詳細が図2に示されていて、この例では、図2(B)に示すように、発光部を構成するフィラメント3は、2本の素線3a、3bで構成されており、各素線3a、3bがらせん状に巻回され、二重コイル構造に形成されている。
詳述すると、並列に配置された2本の素線3a、3bが、第一基準軸X回りにらせん状に巻回されてコイル部(一次コイル部)3Aを形成し、さらに、図2(A)に示すように、前記一次コイル部3Aが、前記第一基準軸Xとは異なる第二基準軸Y回りにらせん状に巻回されて二重コイル構造のフィラメント3に形成されている。
これらのフィラメント3を構成する各素線3a、3bは、図1で示した第一給電線4と第二給電線5に電気的に並列となるように接続されている。
この二重フィラメント3を構成する素線は図2に示す2本に限られず、より本数を増やすことも可能である。
図3には素線本数が3本のものが示されている。図3(B)に示すように、並列に配置された3本の素線3c、3d、3eが、第一基準軸X回りにらせん状に巻回されてコイル部(一次コイル部)3Bを形成している。このとき、各素線3c、3d、3eの素線径d2は、前記2本の素線3a、3bの素線径d1よりも小さくされている。
そして、素線数が多く(3本)、素線径d2が細い一次コイル部3Bの外径D2は、素線数が少なく(2本)、素線径d1の太い一次コイル部3Aの外径D1よりも小さくすることが望ましく、これは、一次コイル部3Bと一次コイル部3Aの、フィラメント3の単位長さあたりの電力密度を同等に制御するためである。
こうして構成されたコイル部(一次コイル部)3Bを、さらに、図3(A)に示すように、前記第一基準軸Xとは異なる第二基準軸Y回りにらせん状に巻回して二重コイル構造のフィラメント3が形成されている。
この時、素線数が異なる両者のフィラメント(発光部)3は、それぞれ発光長(フィラメント長)Lや二重コイル(フィラメント)外径Mが同等になるように揃えられており、これにより当該発光部3からの照射領域は同等なものとなる。
本発明の効果について詳述すると以下のようである。
発明者らは鋭意検討を行い、加熱用フィラメントランプにおけるフィラメントの昇温時間および降温時間を短く(急速に)するために、フィラメントの熱容量を低減させ、かつ、発光部のサイズを所望の大きさに調整可能な構成を考えた。しかし、単にフィラメントの熱容量を低減させるだけでは、同じ電力量に対して発熱量が高まり、フィラメントの色温度が変化する懸念がある。色温度が変化してしまうと、加熱対象物(半導体ウエハ等のワーク)への光吸収量が変化してしまい、所望の加熱処理がより難しくなってしまう。
以上を踏まえ、フィラメントを構成する素線を複数本で構成することとした。
フィラメントを複数本の素線で構成することにより、同じ電力で点灯する場合は各素線の径が細いものが選択される。詳述すると、各素線径が細いものを選択し、フィラメント全体の単位長さあたりの電力密度を単一素線で構成されたフィラメントを有する従来ランプと同等に揃える。この際、複数本の素線で構成されたフィラメントは、単一素線で構成されたフィラメントよりも表面積が大きくなるため温度が低下しやすく、当該フィラメントの発熱温度が低下してしまう。
これを考慮して当該フィラメントの各素線の径を小さくする(素線を細くする)ことで、単一素線のフィラメントと同程度の発熱温度に調整することができるようにした。一方、素線の断面積が小さくなると、素線の電気抵抗が増加し電力の低下を招くため、素線の長さを短くして抵抗値を合わせる必要がある。
これらにより、同じ電力密度、発熱温度で比較した場合に、単一素線で構成したフィラメントに対して複数本の素線で構成したフィラメントは、当該フィラメント全体の総量を減らすことができ、熱容量を低減することができた。これにより、フィラメントの昇温速度および降温速度を速くしたフィラメントランプを実現することが可能となる。
さらに、フィラメントを二重コイル形状で構成することにより、フィラメントを構成する素線の径や本数の変更に影響を受けることなく、所望の発光部サイズを維持することができるため、光照射領域を所望の範囲に制御することも可能となる。
このように、本発明は二重コイル構造のフィラメントに対し、当該フィラメントを構成する素線を複数本として並列に配置させることにより、従来と同程度の発熱温度を維持しつつも、結果として、フィラメント全体の総量(熱容量)を低減させることが可能となり、かつ、素線を複数本で構成しつつも発光部のサイズを同程度に維持することができ、所望の光照射領域を維持できる、という利点がある。尚、本発明に係るフィラメントは、例えば、発光長(L)が20mm~40mm、外径(M)が4mm~10mmの大きさのものを用いることができる。
本発明に係る加熱用フィラメントランプは、発光部を構成するフィラメントを複数本の素線で構成させることで、急速な昇降温を実現できる点が最大の特徴である。
しかして、フィラメントを単一素線で構成する場合と比較して、複数本の素線で二重コイルのフィラメントを形成しようとする場合は、当該二重コイルの形状安定度や加工性が大きく異なることが分かった。
フィラメントを構成する素線の素線径(d)と、第一基準軸回りにらせん状に巻回されてなるコイル部(一次コイル)の外径(D)と、フィラメントを構成する素線本数(n)とで決められる指標〔D/(n×d)〕の値から、二重コイル(二次コイル)の形状の安定度、加工性について評価したところ、単一素線で二重コイルに形成されたフィラメントは、指標〔D/(n×d)〕の値が、4.6~5.9となることが分かった。
この指標が4.6を下回るような場合は、コイル状に加工することが非常に困難となり、素線の歪みや断線を招きやすい。また指標が5.9を上回る場合は、二重コイル構造とした場合の形状が不安定となり、フィラメントの位置ズレやたわみが生じてしまい、許容範囲を逸脱するという問題がある。
一方、本発明のように、フィラメントが複数本の素線で二重コイル(二次コイル)に形成される場合は、コイル部(一次コイル)の外径(D)がより小さい範囲が良好となる。
またフィラメントを従前と同じ所定の電力密度、発熱温度で使用する場合は、当該フィラメントを構成する素線本数(n)が増えるにつれ、素線の素線径(d)は細いものが選定されることとなる。そのため単一素線のフィラメントに対し、複数本で構成されたフィラメントの指標〔D/(n×d)〕は異なった数値範囲で良好となる。
上記の指標〔D/(n×d)〕の数値に基づき、フィラメントを複数本の素線(n=2,3)で二重コイル構造に形成した場合のコイル形状の安定性と加工性について評価を実施した。評価結果を表1、2に示す。
ここで二重コイルの形状安定性とは、コイルの形状維持の程度を確認したものであり、二重コイルの加工性とは、コイル状に加工する場合の加工限界を確認したものである。それぞれ下記の手順により三段階評価を行った。
<表1>
Figure 0007232415000001

<表2>
Figure 0007232415000002

(コイル形状の安定性評価)
○:変形なく形状維持できるもの。
△:形状が許容範囲内で保持されるもの。
×:形状を許容範囲内に維持できないもの
(コイルの加工性評価)
○:二重コイル形状に加工が可能なもの。
△:加工条件によって二重コイル形状に加工可能なもの。
×:加工の際に破断してしまうもの。
まず評価対象となる二重コイル型フィラメントとして、指標〔D/n×d〕が2.4~4.5のサンプルをそれぞれ用意した。各サンプルは全てフィラメントの発光長(L)が30mm、外径(M)が7mmとされており、当該フィラメントに流れる電力密度や発熱温度がそれぞれ同等に設計されている。
次に各フィラメントの形状安定性を調べるため、各フィラメントを垂直に立てた場合に形状が保持されているかどうかを確認した。そしてフィラメントが垂直方向に沿って変位なく保持されるものを評価○とし、垂直方向に対して僅かに傾くが許容範囲に収まる程度に形状保持されるものを評価△とした。より具体的には、フィラメントを垂直に立てたときの、一端部と他端部の変位量が2mm以内に収まる場合を評価△とした。また垂直方向に対して変位量が2mmよりも大きく形状保持が認められないものを評価×として、それぞれ判定を行った。
また加工性に関しては、コイル状に加工する過程で素線が破断してしまうものを評価×とし、コイル状に加工する過程で素線が破断しやすいが加工条件(コイリングの工程、熱処理条件等)を変えることによってはコイル形状に加工できるものを評価△とし、加工条件に依らず所望のコイル形状に加工できるものを評価○とした。またコイル状に加工できないものは形状安定性についての評価は実施できないため「-」としている。
表1、2に示す結果から、本発明に係るフィラメントは、フィラメントを構成する素線の外径(d)と、第一基準軸回りにらせん状に巻回されてなるコイル部(一次コイル)の外径(D)と、フィラメントを構成する素線本数(n)とで決められる指標〔D/(n×d)〕の値が、素線本数に応じて下記の範囲内であることが必要となることが分かる。
(1)n=2のとき、 2.7 ≦ X ≦ 4.3
(2)n=3のとき、 2.5 ≦ X ≦ 4.0
また素線本数が異なる場合も、2.7≦ X ≦4.0 が共通の適正範囲を示すことが分かる。
またフィラメントランプは、ランプに流れる電流値(I)と、フィラメントを構成する素線重量(MG)との関係により、当該フィラメントの温度上昇が異なり、フィラメントから発生する光量の立ち上り時間に影響する。ここでフィラメントを構成する素線重量を、200mm当りの素線重量(MG)とした場合、フィラメントランプに流れる電流値(I)と、フィラメントを構成する素線の200mm当りの素線重量(MG)との比(I/MG)は、当該フィラメントの光量立ち上り時間と相関がある。
詳述すると、200mm当りの素線重量(MG)が小さい素線を使用できれば、同じ抵抗値における素線の重量が軽量化されることで、素線の熱容量が下がり、フィラメントの温度が上昇しやすくなり、光量の立ち上り速度を速める効果が得られる。同様に、素線の熱容量が下がることでフィラメントの温度が下がりやすくなり、光量の立ち上り速度を速める効果が得られる。
そして素線重量(MG)が小さい素線を使用するためには、フィラメントを複数の素線で構成する必要がある。
以上のとおり、ランプ電流値と素線重量の比(I/MG)は、フィラメントの立ち上り時間と相関を示すことが理解できる。そしてI/MGの値を大きくするにつれて昇温性能の向上が期待できる。
図4は、図1に示す加熱用フィラメントランプにおいて、それぞれ異なる7つの仕様(電力値、電流値、色温度)で設計されたフィラメントについて、それぞれ素線本数を異ならせたときのI/MG比、光量立ち上り時間を示したものである。
また図5は、ランプ電流値とフィラメント素線重量の比(I/MG)と、当該フィラメントの光量立ち上り時間[ms]との関係を示したものである。
尚、光量の立ち上り時間は、対象となるフィラメントランプを60秒間点灯し続け、60秒後の光量値を100%として、フィラメントランプの点灯を開始してから光量が90%に達するまでの時間を、光量立ち上り時間として測定を行った。
図4に示すとおり、フィラメントを構成する素線本数が増加するにつれて、I/MG値は大きくなることが分かる。これは素線本数が多くなるにつれ、フィラメントを構成する各素線は、素線重量が軽いものを選択することができるためである。またフィラメントの総重量も、素線本数が増加するにつれて軽くなるため、昇温性能の向上が期待できる。
また、図5に示すとおり、ランプ電流値とフィラメント素線重量の比(I/MG)と、当該フィラメントの光量立ち上り時間[ms]の変化をみると、I/MG値が大きくなるにつれてフィラメントの光量立ち上り時間は早くなることが分かる。またI/MG値を6.5以上に調整することにより、光量立ち上り時間を大幅に短縮できることが示されている。
よって本発明に係るフィラメントは、I/MG値を6.5以上とすることが好ましい。尚、図4に示すとおりI/MG値を6.5以上に制御するためには、フィラメントを構成する素線本数は2本以上とすることが必要になる。
更に、図6は、フィラメントランプのフィラメント(発光部)を構成する素線本数の変化(n=1本~3本)による光量の立ち上り速度の違いを示すものである。図6に示すとおり、素線1本で構成したフィラメントに比べて、本発明のように、複数本の素線で構成したフィラメントのほうが、光量立ち上り速度が速くなり、さらに言えば、素線本数が多いほうが、光量立ち上り速度が速くなることが解かる。
ところで、本発明に適用されるフィラメントランプは、小さくとも500W以上の電力、より具体的には、500~2000Wの電力を供給するものである。
その観点から、素線径(d)は、0.08mm~0.30mmの範囲で形成されることが好適である。
素線径(d)が0.08mmを下回ると、素線3a~3eに流れる電流値が小さくなり、加熱効率が下がってしまい、また一方、0.30mmを上回ると、素線が太くなりすぎて、二重コイル形状に加工する際に所望のフィラメント形状に成形することが困難になるからである。
また、コイル部3A,3Bの外径(D)は、0.8mm~2.0mmの範囲で形成されることが好適である。
コイル部の外径(D)が0.8mmを下回る、あるいは2.0mmを上回ると、所望の二重コイル形状に成形することが非常に困難となる。
本発明のランプは従来ランプとの互換性を意図するものであり、本発明の対象とするフィラメントランプにおいては、二重コイル(フィラメント)は、従来ランプの発光サイズ(フィラメン)に合わせたものである。
ところが、一次コイル(コイル部)の外径(D)が0.8mmを下回るほど小さすぎると、二重コイル(フィラメント)の長さが長くなってしまい、また、2.0mmを上回るほど大きくなると、二重コイル(フィラメント)の長さが短くなってしまう。つまり、コイル部の外径(D)が、0.8mm~2.0mmの範囲を外れたものとなると、二重コイルを所望の外径と長さで作成することができなくなってしまい、従来ランプとの互換性が担保できなくなるからである。
以上説明したように、本発明によれば、加熱用フィラメントランプにおけるフィラメントを、それぞれ並列に配置された複数本の素線を第一基準軸回りにらせん状に巻回したコイル部を、前記第一基準軸とは異なる第二基準軸回りにらせん状に巻回してなる二重コイル構造としたことにより、フィラメントランプの急速な昇降温を実現することができるという効果を奏するものである。
また、フィラメントを構成する素線の径や本数が変更された場合でも、発光部(フィラメント)の発光長や幅(形成される二重コイルの外径)を所望の大きさに調整することが可能となり、当該ランプからの光照射範囲を所望の範囲に維持することができる効果も有する。
1 :加熱用フィラメントランプ
2 :封体
3 :フィラメント
3a~3e:素線
d :素線径
3A,3B:コイル部(一次コイル)
D :コイル部の外径
L :発光長(フィラメント長)
M :フィラメント(二重コイル)外径
4 :第一給電線
5 :第二給電線
6,7:内部リード
8 :封止部
10、11:金属箔
12、13:外部リード
X :第一基準軸
Y :第二基準軸


Claims (5)

  1. それぞれ並列に配置された複数本の素線を第一基準軸回りにらせん状に巻回したコイル部を、
    前記第一基準軸とは異なる第二基準軸回りにらせん状に巻回してなる二重コイル構造のフィラメントを有し、
    前記フィラメントは、前記コイル部を構成する素線本数をn、素線径をd、前記コイル部の外径をD、としたとき、関係式X=D/(n×d)が以下の範囲であることを特徴とする加熱用フィラメントランプ
    (1)n=2のとき、 2.7 ≦ X ≦ 4.3
    (2)n=3のとき、 2.5 ≦ X ≦ 4.0
  2. 前記フィラメントランプに流れる電流値(I)と、前記フィラメントを構成する素線の200mm当りの素線重量(MG)との比が下記の計算式を満たすことを特徴とする請求項に記載の加熱用フィラメントランプ。
    I/MG ≧ 6.5
  3. 前記素線径(d)は、0.08mm~0.30mmの範囲で形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱用フィラメントランプ。
  4. 前記コイル部の外径(D)は、0.8mm~2.0mmの範囲で形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の加熱用フィラメントランプ。
  5. 前記フィラメントの上端部と下端部には、それぞれ第一給電線と第二給電線が設けられており、前記給電線に対して、前記コイル部を構成する前記各素線が電気的に並列に接続されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の加熱用フィラメントランプ。
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