〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るスマートフォン(情報処理端末)の要部構成の一例を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る無線通信システムの概要を示す図である。図3は、本実施形態に係る建物におけるエレベータの設置例を示す図である。
(エレベータの設置例)
本実施形態では、建物において、24台のエレベータが設置されている例を説明する。該建物は、一例として、40階建てであり、地下階を有さないものとする。24台のエレベータは、6台を1グループとする、計4つのグループに分類されている。このグループを、本開示では「バンク」と呼称する。具体的には、建物には、図3に示すように、第1バンク31に含まれる6台のエレベータ31A~31F、第2バンク32に含まれる6台のエレベータ32A~32F、第3バンク33に含まれる6台のエレベータ33A~33F、第4バンク34に含まれる6台のエレベータ34A~34Fが設置されている。また、エレベータ31A~31Fは、A社製のエレベータである。エレベータ32A~32Fは、B社製のエレベータである。エレベータ33A~33Fは、C社製のエレベータである。エレベータ34A~34Fは、D社製のエレベータである。なお、バンクの数、および、1つのバンクに含まれるエレベータの数は図3の例に限定されない。
エレベータ31A~31Fは、図2に示す第1エレベータシステム2Aによって制御される。エレベータ32A~32Fは、図2に示す第2エレベータシステム2Bによって制御される。エレベータ33A~33Fは、図2に示す第3エレベータシステム2Cによって制御される。エレベータ34A~34Fは、図2に示す第4エレベータシステム2Dによって制御される。
なお、以降、第1エレベータシステム2A、第2エレベータシステム2B、第3エレベータシステム2C、第4エレベータシステム2Dを区別しない場合、「エレベータシステム2」と記載する。また、エレベータシステム2の数は、一例として、バンクの数と同数である。このため、バンクの数が変われば、エレベータシステム2の数も変わる。従って、エレベータシステム2の数は図2の例に限定されない。
一例として、エレベータ31A~31Fの制御盤が、第1エレベータシステム2Aとして動作してもよい。同様に、エレベータ32A~32Fの制御盤が、第2エレベータシステム2Bとして、エレベータ33A~33Fの制御盤が、第3エレベータシステム2Cとして、エレベータ34A~34Fの制御盤が、第4エレベータシステム2Dとして動作してもよい。1つのバンクに含まれる複数のエレベータを制御する制御盤は、エレベータすべてを制御する1つの制御盤であってもよいし、エレベータそれぞれを制御する複数の制御盤であってもよい。
(スマートフォン1の詳細)
本実施形態に係るスマートフォン1は、エレベータの利用者(以下、単に「利用者」と記載する)が所持するスマートフォンであり、図2に示すように、エレベータシステム2と無線通信を行う。一例として、スマートフォン1は、エレベータシステム2のいずれかと無線通信を行うことにより、複数のエレベータのうちの利用者が乗るべきエレベータを利用者に通知する、エレベータ選択処理を実行する。スマートフォン1は、例えば、利用者の入力操作によって、所定のアプリケーション(後述するエレベータ選択アプリケーションプログラム130)を起動することにより、エレベータ選択処理を実行可能となる。
スマートフォン1は、図1に示すように、制御部10、入力部11(操作入力部)、表示部12、記憶部13、および通信部14を備える。
制御部10は、スマートフォン1を統括的に制御する。入力部11は、ユーザの入力操作を受け付けるハードウェアである。表示部12は、ユーザの入力操作に基づいて生成された各種画像を表示するハードウェアである。一例として、入力部11および表示部12は、タッチスクリーンとして一体となっていてもよい。記憶部13は、スマートフォン1が使用するプログラムおよびデータを永続的に保持するハードウェアであり、ストレージと表現することもできる。記憶部13は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、その他の不揮発記憶装置として実現される。通信部
14は、無線通信により、スマートフォン1の外部の装置と情報の送受信を行うハードウェアである。外部の装置は、例えば、上述したエレベータシステム2である。入力部11および表示部12は、入出力インターフェースと表現することもできる。通信部14は、通信インターフェースと表現することもできる。
制御部10は、表示制御部101、プログラム選択部102(選択部)、処理実行部103、通信処理部104を含んでいる。記憶部13は、少なくとも、エレベータ選択アプリケーションプログラム130、および、エレベータ情報132を記憶している。なお、以降、エレベータ選択アプリケーションプログラム130を「エレベータ選択アプリ130」と記載する。エレベータ選択アプリ130は、共通操作画面生成プログラム131、および、エレベータ選択プログラム133を含んでいる。
図示してはいないが、スマートフォン1は、制御部10および記憶部13を実現するためのハードウェア構成として、さらに、プロセッサおよびメモリを備えている。
プロセッサは、スマートフォン1に与えられる信号に基づいて、あるいは、予め定められた条件が成立したことに基づいて、メモリまたは記憶部13に格納されているプログラムに含まれる一連の命令を実行する。プロセッサは、一例として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processor
Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)その他のデバイスとして実現される。
メモリは、プログラムおよびデータを一時的に保存する。プログラムは、例えば、記憶部13からロードされる。データは、コンピュータに入力されたデータと、プロセッサによって生成されたデータとを含む。メモリは、一例として、RAM(Random Access Memory)その他の揮発メモリとして実現される。
一例として、プロセッサは、記憶部13にアクセスし、記憶部13に格納されているプログラム(例えば、エレベータ選択アプリ130)をメモリにロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部10に含まれている各部が構成される。なお、以降、エレベータ選択アプリ130をメモリにロードすることを、「エレベータ選択アプリ130を起動する」と称する場合がある。
記憶部13は、メモリカードのように着脱可能な記憶装置として実現されてもよい。また、スマートフォン1に内蔵されたストレージの代わりに、外部の記憶装置に保存されているプログラムおよびデータを使用する構成が使用されてもよい。この構成の場合、スマートフォン1は、例えば、外部の記憶装置と無線通信を行うことにより、自機においてエレベータ選択アプリ130を起動する。
なお、制御部10は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよい。
表示制御部101は、利用者の入力操作に基づいて各種画像を生成し、表示部12に表示させる。表示制御部101は、操作画面生成部105(画面生成部)および通知部106を含む。
操作画面生成部105は、利用者に入力操作を行わせるための操作画面を生成する。一例として、操作画面生成部105は、エレベータ選択アプリ130が起動されたことに伴い、操作画面を生成する。なお、操作画面生成部105は、共通操作画面生成プログラム131がメモリにロードされることにより構成される。操作画面の詳細は後述するが、一例として、操作画面は利用者がエレベータに乗る出発階、および、利用者がエレベータを降りる行先階の入力を受け付けるユーザーインターフェース(以下、「UI」と記載する)を含んでいてもよい。また、通知部106の詳細については後述する。
プログラム選択部102は、利用者の入力操作に基づき、エレベータ選択処理を実行するためのプログラムを選択する。一例として、プログラム選択部102は、入力された出発階および行先階を示す情報と、記憶部13に記憶されているエレベータ情報132とに基づき、エレベータ選択プログラム133のうちの、第1プログラム133A、第2プログラム133B、第3プログラム133C、第4プログラム133Dのいずれかを選択する。
ここで、エレベータ情報132およびエレベータ選択プログラム133の詳細について説明する。図4は、エレベータ情報132のデータ構造およびデータの一例を示す図である。図4では、エレベータ情報132が、表形式のデータベースである例を示しているが、エレベータ情報132のデータ構造はこの例に限定されない。
エレベータ情報132は、「バンクID」、「1階のサービス」、「Fb」、「Ft」というカラムを含む。「バンクID」のカラムには、利用者がいる建物に設置されたエレベータのバンクを示す情報が格納されている。図4の例における「1」、「2」、「3」、「4」は、それぞれ、第1バンク31、第2バンク32、第3バンク33、第4バンク34に対応する。「1階のサービス」のカラムには、各バンクに含まれるエレベータが、建物の1階にて利用者を乗降させることができるか否かを示す情報が格納されている。図4の例では、いずれのセルにも「○」が格納されている。「○」は、バンクに含まれるエレベータが建物の1階にて利用者を乗降させることができることを示す。図示していないが、この例において、バンクに含まれるエレベータが建物の1階にて利用者を乗降させることができない場合、そのバンクに対応するセルには、「×」が格納される。「Fb」のカラムには、各バンクに含まれるエレベータが利用者を乗降させることができる階床のうち、1階を除いた最も低い階床を示す情報が格納される。「Ft」のカラムには、各バンクに含まれるエレベータが利用者を乗降させることができる階床のうち、最も高い階床を示す情報が格納される。
バンクIDが「1」のレコードには、Fbとして「2」が、Ftとして「10」が格納されている。つまり、第1バンク31に含まれるエレベータは、1階から10階の間でかごを昇降させ、利用者を乗降させる。換言すれば、第1バンク31は、1階から10階まででサービスが可能である。
バンクIDが「2」のレコードには、Fbとして「11」が、Ftとして「20」が格納されている。つまり、第2バンク32に含まれるエレベータは、1階、および、11階から20階の間でかごを昇降させ、利用者を乗降させる。換言すれば、第2バンク32は、1階、および、11階から20階まででサービスが可能である。
バンクIDが「3」のレコードには、Fbとして「21」が、Ftとして「30」が格納されている。つまり、第3バンク33に含まれるエレベータは、1階、および、21階から30階の間でかごを昇降させ、利用者を乗降させる。換言すれば、第3バンク33は、1階、および、21階から30階まででサービスが可能である。
バンクIDが「4」のレコードには、Fbとして「31」が、Ftとして「40」が格納されている。つまり、第4バンク34に含まれるエレベータは、1階、および、31階から40階の間でかごを昇降させ、利用者を乗降させる。換言すれば、第4バンク34は、1階、および、31階から40階まででサービスが可能である。
このため、第1バンク31は、「低層バンク」と表現することもできる。また、第2バンク32は、「中低層バンク」と表現することができる。また、第3バンク33は、「中高層バンク」と表現することができる。また、第4バンク34は、「高層バンク」と表現することができる。
エレベータ情報132は、図2に示すエレベータ情報データベース100から、バンク31~34に関する情報(例えば、サービス可能階の情報など)を取得することにより生成される。一例として、スマートフォン1は、エレベータ選択アプリ130を起動すると、エレベータ情報データベース100から上記の情報を取得する。また、エレベータ選択アプリ130を使用する建物を1つに定める構成の場合、スマートフォン1は、エレベータ選択アプリ130の初回起動時に、エレベータ情報データベース100から上記の情報を取得してもよい。
第1プログラム133Aは、エレベータ選択処理を実行するためのプログラムの1つである。具体的には、第1プログラム133Aは、第1バンク31においてエレベータ選択処理を実行するためのプログラムである。一例として、第1プログラム133Aは、第1バンク31のエレベータを製造しているA社によって作成されたプログラムである。
第2プログラム133Bは、エレベータ選択処理を実行するためのプログラムの1つである。具体的には、第2プログラム133Bは、第2バンク32においてエレベータ選択処理を実行するためのプログラムである。一例として、第2プログラム133Bは、第2バンク32のエレベータを製造しているB社によって作成されたプログラムである。
第3プログラム133Cは、エレベータ選択処理を実行するためのプログラムの1つである。具体的には、第3プログラム133Cは、第3バンク33においてエレベータ選択処理を実行するためのプログラムである。一例として、第3プログラム133Cは、第3バンク33のエレベータを製造しているC社によって作成されたプログラムである。
第4プログラム133Dは、エレベータ選択処理を実行するためのプログラムの1つである。具体的には、第4プログラム133Dは、第4バンク34においてエレベータ選択処理を実行するためのプログラムである。一例として、第4プログラム133Dは、第4バンク34のエレベータを製造しているD社によって作成されたプログラムである。
エレベータ選択プログラム133のそれぞれは、対応していないバンクにおいてエレベータ選択処理を実行することはできない。例えば、第1プログラム133Aは、第2バンク32、第3バンク33、第4バンク34においてエレベータ選択処理を実行することはできない。
処理実行部103は、エレベータ選択アプリ130の主たる機能である、エレベータ選択処理を実行する。処理実行部103は、エレベータ選択プログラム133のうちのいずれかがメモリにロードされることにより構成される。例えば、第1プログラム133Aがメモリにロードされたことにより構成された処理実行部103は、第1バンク31においてエレベータ選択処理を実行することができる。
以降、第1プログラム133Aがメモリにロードされたことにより構成された処理実行部103を処理実行部103Aと記載する場合がある。第2プログラム133Bがメモリにロードされたことにより構成された処理実行部103を処理実行部103Bと記載する場合がある。第3プログラム133Cがメモリにロードされたことにより構成された処理実行部103を処理実行部103Cと記載する場合がある。第4プログラム133Dがメモリにロードされたことにより構成された処理実行部103を処理実行部103Dと記載する場合がある。
処理実行部103は、対応する通信処理部104に、利用者が入力した出発階および行先階の情報の送信、および、受信した情報の通知部106への出力を指示する。各処理実行部103と対応する通信処理部104については後述する。
通信処理部104は、処理実行部103の指示に基づき、通信部14を制御して、エレベータシステム2と無線通信を行わせる。通信処理部104は、第1通信処理部104A、第2通信処理部104B、第3通信処理部104C、第4通信処理部104Dを含んでいる。これらの各通信処理部104は、通信部14を制御して、対応するエレベータシステム2に、利用者が入力した出発階および行先階の情報を送信する。
また、通信処理部104は、通信部14を介して、利用者が乗るべきエレベータを示す情報をエレベータシステム2から受信し、該情報を処理実行部103からの指示に従って通知部106へ出力する。
第1通信処理部104A、第2通信処理部104B、第3通信処理部104C、第4通信処理部104Dは、それぞれ、第1エレベータシステム2A、第2エレベータシステム2B、第3エレベータシステム2C、第4エレベータシステム2Dに対応している。具体的には、各エレベータシステム2は、無線通信における通信方式が互いに異なっており、各通信処理部104は、通信相手となるエレベータシステム2の通信方式に対応している。
通信方式が互いに異なるとは、あるエレベータシステム2とスマートフォン1とが通信する場合、この通信と同一の方法で、別のエレベータシステム2とスマートフォン1とが通信することができないということである。一例として、各エレベータシステム2は、通信規格および通信プロトコルの少なくともいずれかが異なる。例えば、第1エレベータシステム2Aおよび第2エレベータシステム2Bの通信規格はWiFi(登録商標)である一方、第3エレベータシステム2Cおよび第4エレベータシステム2Dの通信規格はBluetooth(登録商標)である。また、例えば、第1エレベータシステム2Aおよび第3エレベータシステム2Cの通信プロトコルはTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)である一方、第2エレベータシステム2Bおよび第4エレベータシステム2Dの通信プロトコルはUDP(User Datagram Protocol)である。
別の例として、各エレベータシステム2は、通信規格および通信プロトコルは同じであっても、スマートフォン1との通信に利用するデータフォーマットが異なっている。データフォーマットの違いについて、詳細は後述する。本開示では、2つのエレベータシステム2を比較したときに、通信規格、通信プロトコル、およびデータフォーマットのうち少なくとも何れかが異なることを、「通信方式が互いに異なる」と称する。なお、各エレベータシステム2の上記データフォーマットについて同一のものは無いため、「通信方式が互いに異なる」とは、「少なくともデータフォーマットが異なる」と表現してもよい。
なお、スマートフォン1の通信部14は、複数の通信規格に応じた通信に対応可能な1つの通信部であってもよいし、各通信規格に応じた複数の通信部により構成されていてもよい。通信部14は、スマートフォン1にインストールされているOS(オペレーティングシステム、不図示)によって制御され、動作する。
また、第1通信処理部104A、第2通信処理部104B、第3通信処理部104C、第4通信処理部104Dは、それぞれ、第1プログラム133A、第2プログラム133B、第3プログラム133C、第4プログラム133Dに対応している。換言すれば、第1通信処理部104A、第2通信処理部104B、第3通信処理部104C、第4通信処理部104Dは、それぞれ、処理実行部103A、処理実行部103B、処理実行部103C、処理実行部103Dに対応する。
以上をふまえると、例えば、処理実行部103Aは、第1通信処理部104Aに、利用者が入力した出発階および行先階の情報の送信を指示する。そして、第1通信処理部104Aは、通信部14を制御して、第1バンク31のエレベータを制御する第1エレベータシステム2Aに、出発階および行先階の情報を送信する。第1通信処理部104Aは、通信部14を介して、第1バンク31のうち、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、第1エレベータシステム2Aから受信し、該情報を、処理実行部103Aの指示に従って通知部106へ出力する。
以上のように、プログラム選択部102によるプログラムの選択に応じて、第1通信処理部104A、第2通信処理部104B、第3通信処理部104C、第4通信処理部104Dのいずれかが選択されることとなる。つまり、プログラム選択部102は、通信処理部104のうちのいずれかを選択する、と表現することもできる。
通知部106は、選択された通信処理部104と、該通信処理部104と対応するエレベータシステム2との無線通信に基づき、利用者が乗るべきエレベータを利用者へ通知する。具体的には、通知部106は、通信処理部104から取得した情報に基づき、利用者が乗るべきエレベータを示す画像を生成し、表示部12に表示させる。
(スマートフォンが実行する処理の流れ)
図5は、スマートフォン1の制御部10が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、図5に示すフローチャートに含まれる、プログラム選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
操作画面生成部105は、エレベータ選択アプリ130の起動に伴い構成され、操作画面を生成し、表示部12に表示させる(S51)。入力部11は、出発階、行先階の入力を受け付ける(S52)。
図7は、操作画面の一例を示す図である。操作画面生成部105は、一例として図7の(A)に示す操作画面を生成し、表示部12に表示させる。該操作画面は、テンキーを模したUI71、および、出発階の入力を求めるテキストを含む。これにより、利用者は、UI71への入力操作(タップ操作)により、出発階を入力することを容易に理解することができる。
利用者が出発階を入力し、「Enter」と記載された部分へのタップ操作を行うと、一例として図7の(B)の画面に遷移する。具体的には、操作画面生成部105が、図7の(B)に示す操作画面を生成し、該操作画面を、図7の(A)に示す操作画面に代えて表示部12に表示させる。図7の(B)に示す操作画面は、UI71、および、行先階への入力を求めるテキストを含む。これにより、利用者は、UI71への入力操作(タップ操作)により、行先階を入力することを容易に理解することができる。
これらの操作画面は、エレベータ選択プログラム133のうちのいずれが選択されるかに依らず共通である。換言すれば、操作画面は、通信処理部104のうちのいずれで無線通信を行うかに依らず共通である。つまり、操作画面は「共通操作画面」であると表現することができる。
利用者が行先階を入力し、「Enter」と記載された部分へのタップ操作を行うと、出発階および行先階を示す情報がプログラム選択部102へ出力される。なお、出発階を示す情報は、図7の(A)に示す操作画面において「Enter」と記載された部分へのタップ操作が行われた時点で、プログラム選択部102へ出力されてもよい。
出発階および行先階を示す情報を取得したプログラム選択部102は、プログラム選択処理を実行する(S53)。具体的には、プログラム選択部102は、エレベータ情報132を参照して、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能であるか否かを判定する(S61)。より具体的には、プログラム選択部102は、エレベータ情報132の各レコードに格納された情報から特定される、各バンクのサービス可能階に、出発階および行先階が含まれているか否かを判定する。
一例として、プログラム選択部102は、入力された出発階および行先階が、「Fb≦出発階≦Ft、Fb≦行先階≦Ft」(以下、「第1条件」と記載する)を満たすか否かを判定する。いずれかのレコードで、出発階および行先階の両方が第1条件を満たす場合、プログラム選択部102は、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能であると判定する。また、プログラム選択部102は、以下の(1)~(3)の条件をすべて満たすか否かを判定する。(1)いずれかのレコードで、出発階および行先階の一方のみが第1条件を満たす、(2)第1条件を満たさない出発階および行先階の一方が「1階」である、(3)該レコードにおける「1階のサービス」が「○」である。この判定条件(以下、「第2条件」と記載する)を満たす場合、プログラム選択部102は、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能であると判定する。一方、第2条件を満たさない場合、プログラム選択部102は、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能でないと判定する。
ステップS61でYES、すなわち、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能であると判定した場合、プログラム選択部102は、第1条件または第2条件を満たしたレコードを特定する(S62、S64、S66)。
特定したレコードに第1バンク31を示すバンクID「1」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第1バンク31である場合(S62でYES)、プログラム選択部102は第1プログラム133Aを選択する(S63)。
特定したレコードに第2バンク32を示すバンクID「2」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第2バンク32である場合(S64でYES)、プログラム選択部102は第2プログラム133Bを選択する(S65)。
特定したレコードに第3バンク33を示すバンクID「3」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第3バンク33である場合(S66でYES)、プログラム選択部102は第3プログラム133Cを選択する(S67)。
ステップS62、S64、S66でNOの場合、換言すれば、特定したレコードに第4バンク34を示すバンクID「4」が含まれている場合、プログラム選択部102は第4プログラム133Dを選択する(S68)。この場合は、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第4バンク34である場合と表現することもできる。
プログラム選択部102によってエレベータ選択プログラム133のいずれかが選択された場合、プログラム選択処理は終了し、制御部10aが実行する処理は図5に示すフローチャートに戻る。
一方、ステップS61でNO、すなわち、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能でないと判定した場合、プログラム選択部102は、プログラムを選択しない。プログラム選択部102は、入力された出発階および行先階からプログラムを選択できない旨を通知部106へ通知する。通知部106は、該通知を受けると、入力された出発階および行先階からはエレベータ選択処理が実行できないことを示す通知画面を生成し、表示部12に表示する。これにより、通知部106は、入力された出発階および行先階からはエレベータ選択処理が実行できないことを利用者に通知する(S69)。そして、制御部10が実行する処理は図5に示すフローチャートのステップS52へ戻る。
再び図5を参照して、スマートフォン1の制御部10が実行する処理の流れの説明に戻る。選択されたプログラムにより、処理実行部103が構成されると(S54)、該処理実行部103は、対応する通信処理部104に、利用者が入力した出発階および行先階の情報の送信を指示する。
該指示を受けた通信処理部104は、利用者が入力した出発階および行先階の情報を、対応するエレベータシステム2へ送信するためのデータフォーマットを生成する(S55)。
図8は、データフォーマットの一例を示す図である。ここでは、(A)~(D)に示すデータフォーマットが、それぞれ、第1エレベータシステム2A、第2エレベータシステム2B、第3エレベータシステム2C、第4エレベータシステム2Dに対応するデータフォーマットであるとして説明する。なお、各エレベータシステム2に対応するデータフォーマットは、この例に限定されない。
第1通信処理部104Aが処理実行部103から指示を受けた場合、図8の(A)に示すデータフォーマット81を生成する。データフォーマット81は、固定長テキストフォーマットである。第1通信処理部104Aは、利用者が入力した出発階が1階、行先階が10階である場合、図8の(A)に示すように、「出発階」に「1」を、「行先階2桁目」に「1」を、「行先階1桁目」に「0」を格納する。
第2通信処理部104Bが処理実行部103から指示を受けた場合、図8の(B)に示すデータフォーマット82を生成する。データフォーマット82は、可変長テキストフォーマットである。第2通信処理部104Bは、利用者が入力した出発階が1階、行先階が15階である場合、図8の(B)に示すように、「以降のデータ長さ」に「4」を、「出発階」に「1」を、「行先階2桁目」に「1」を、「行先階1桁目」に「5」を格納する。
第3通信処理部104Cが処理実行部103から指示を受けた場合、図8の(C)に示すデータフォーマット83を生成する。データフォーマット83は、固定長バイナリフォーマットである。第3通信処理部104Cは、利用者が入力した出発階が1階、行先階が25階である場合、図8の(C)に示すように、「出発階」に「0x01」を、「行先階」に「0x19」を格納する。なお、図8の(C)は16進数表記である。
第4通信処理部104Dが処理実行部103から指示を受けた場合、図8の(D)に示すデータフォーマット84を生成する。データフォーマット84は、可変長バイナリフォーマットである。第4通信処理部104Dは、利用者が入力した出発階が1階、行先階が35階である場合、図8の(D)に示すように、「以降のデータ長さ」に「0x03」を、「出発階」に「0x01」を、「行先階」に「0x23」を格納する。なお、図8の(D)は16進数表記である。
通信処理部104は、生成したデータフォーマットにより、出発階、行先階の情報を対応するエレベータシステム2へ送信する(S56)。そして、通信処理部104は、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、エレベータシステム2から受信する(S57)。この送受信は、通信先のエレベータシステム2に対応する通信規格により行われる。例えば、第1通信処理部104Aと第1エレベータシステム2Aとが情報の送受信を行う場合、情報の送受信は、第1エレベータシステム2Aに対応する通信規格であるWiFiにより行われる。また、例えば、第3通信処理部104Cと第3エレベータシステム2Cとが情報の送受信を行う場合、情報の送受信は、第3エレベータシステム2Cに対応する通信規格であるBluetoothにより行われる。
エレベータシステム2は、出発階、行先階の情報を受信すると、該情報と、各エレベータ(第1エレベータシステム2Aの場合、エレベータ31A~31F)の現在の位置、移動方向などの情報と、に基づき、利用者を最も早く行先階へ移動させることができるエレベータを特定する。そして、該エレベータを示す情報を、利用者が乗るべきエレベータを示す情報としてスマートフォン1へ送信する。
図9は、データフォーマットの一例を示す図であり、より詳細には、エレベータシステム2が、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を追加したデータフォーマットの一例を示す図である。ここでは、図8と同様に、(A)~(D)に示すデータフォーマットが、それぞれ、第1エレベータシステム2A、第2エレベータシステム2B、第3エレベータシステム2C、第4エレベータシステム2Dに対応するデータフォーマットであるとして説明する。
図9の(A)に示すデータフォーマット85は、図8の(A)に示すデータフォーマット81に、第1エレベータシステム2Aが、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を追加したものである。図9の(A)の例では、第1エレベータシステム2Aは、利用者が乗るべきエレベータを示す情報として、「割当号機2桁目」に「0」を、「割当号機1桁目」に「5」を格納している。すなわち、図9の(A)の例では、第1エレベータシステム2Aは、利用者が乗るべきエレベータを第1バンク31の5号機(例えば、エレベータ31E)と特定している。
図9の(B)に示すデータフォーマット86は、図8の(B)に示すデータフォーマット82に、第2エレベータシステム2Bが、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を追加したものである。図9の(B)の例では、第2エレベータシステム2Bは、利用者が乗るべきエレベータを示す情報として、「割当号機2桁目」に「0」を、「割当号機1桁目」に「4」を格納している。すなわち、図9の(B)の例では、第2エレベータシステム2Bは、利用者が乗るべきエレベータを第2バンク32の4号機(例えば、エレベータ32D)と特定している。
図9の(C)に示すデータフォーマット87は、図9の(C)に示すデータフォーマット83に、第3エレベータシステム2Cが、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を追加したものである。図9の(C)の例では、第3エレベータシステム2Cは、利用者が乗るべきエレベータを示す情報として、「割当号機」に「0x03」を格納している。すなわち、図9の(C)の例では、第3エレベータシステム2Cは、利用者が乗るべきエレベータを第3バンク33の3号機(例えば、エレベータ33C)と特定している。
図9の(D)に示すデータフォーマット88は、図9の(D)に示すデータフォーマット84に、第4エレベータシステム2Dが、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を追加したものである。図9の(D)の例では、第4エレベータシステム2Dは、利用者が乗るべきエレベータを示す情報として、「割当号機」に「0x02」を格納している。すなわち、図9の(D)の例では、第4エレベータシステム2Dは、利用者が乗るべきエレベータを第4バンク34の2号機(例えば、エレベータ34B)と特定している。
通信処理部104は、受信した情報を通知部106へ出力する。通知部106は、取得した情報に基づいて、乗るべきエレベータを利用者に通知する(S58)。一例として、通知部106は、取得した情報に基づいて、乗るべきエレベータを利用者に通知する通知画面を生成し、表示部12に表示させる。
図10は、通知画面の一例を示す図である。図10に示す通知画面は、利用者が乗るべきエレベータを示す画像91を含む。また、通知画面は、画像91が示すエレベータが含まれるバンクを示すテキスト92を含んでいてもよい。図10に示す通知画面は、第1バンク31の5号機が、利用者が乗るべきエレベータであることを通知している。利用者は、該通知画面を視認することで、第1バンク31の5号機の前で、かごの到着を待てばよいことを認識することができる。なお、画像91のみで、ユーザが乗るべきエレベータが特定できる場合、通知画面はテキスト92を含んでいなくてもよい。
(作用効果)
以上のように、エレベータ選択アプリ130は、共通操作画面生成プログラム131と、複数のエレベータ選択プログラム133とを含む。そして、スマートフォン1は、エレベータ選択アプリ130を起動して、操作画面において出発階と行先階との入力を受け付けることにより、適切なエレベータ選択プログラムを選択し、エレベータ選択処理を実行する。
また、スマートフォン1は、複数のエレベータシステム2のそれぞれの通信方式に対応した通信処理部104を有しており、入力された出発階および行先階の情報に基づいて、適切な通信処理部104を選択し、適切なエレベータシステム2と通信することによってエレベータ選択処理を実行する。
これにより、複数のエレベータが設置された建物において、各エレベータの製造元が異なるなどの理由により、エレベータ選択処理を実行するためのプログラムやエレベータシステムが対応している通信方式が異なるといった場合でも、本実施形態に係るエレベータ選択アプリ130を用いることにより、利用者は、自身が乗るべきエレベータを知ることができる。
従来、複数のエレベータが設置された建物において、各エレベータの製造元が異なる場合、利用者は、各エレベータの製造元が提供するアプリケーションをダウンロードし、エレベータの製造元を確認したうえで、複数のアプリケーションを使い分ける必要があった。エレベータは本来、乗場にかごを呼ぶための乗場呼びボタンを押し、乗場にかごが到着した後は、かご内の行先階のボタンを押すという、製造元を問わない共通の操作で使用できるものである。しかしながら、複数のアプリケーションを使い分けるとすると、アプリケーションを選択し、そのアプリケーションに合わせた操作を行う必要がある。このため、エレベータの乗降の利便性を向上させるためのアプリケーションが、不便なものとなるおそれがあった。
これに対して、本実施形態によれば、利用者は、1つのアプリケーション(エレベータ選択アプリ130)をスマートフォンにダウンロードするだけで、エレベータの製造元や、通信方式の違いを意識することなく、自身が乗るべきエレベータを知ることができる。よって、本実施形態によれば、利用者にとって利便性の高いアプリケーションおよびスマートフォンを提供することができる。また、複数のエレベータ選択プログラム133のいずれを用いる場合であっても、操作画面は共通であるため、利用者が戸惑うことがない。つまり、本実施形態によれば、エレベータ選択アプリ130をインストールしたスマートフォン1を使用することにより、アプリケーションの選択、およびアプリケーションごとの操作は不要となる。よって、より利用しやすいアプリケーションおよびスマートフォンを提供することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図11は、本実施形態に係るスマートフォン1aの要部構成の一例を示すブロック図である。
スマートフォン1aは、以下の点で、実施形態1にて説明したスマートフォン1と異なる。すなわち、スマートフォン1aは、制御部10、入力部11、記憶部13に代えて制御部10a、入力部11a、記憶部13aを備えている。制御部10aは、スマートフォン1aを統括的に制御する。入力部11aは、ユーザの入力操作を受け付けるハードウェアである。記憶部13aは、スマートフォン1aが使用する各種データを記憶している。
制御部10aは、プログラム選択部102を含んでいない。また、制御部10aは、処理実行部103に代えて処理実行部103a(選択部)を含んでいる。
記憶部13aは、エレベータ選択アプリ130に代えてエレベータ選択アプリ130aを記憶している。エレベータ選択アプリ130aは、エレベータ選択プログラム133に代えてエレベータ選択共通プログラム133aを含んでいる。すなわち、記憶部13aが記憶している、エレベータ選択処理を実行するプログラムは1つのみである。このため、スマートフォン1aのプロセッサは、エレベータ選択アプリ130aの起動に伴い、エレベータ選択共通プログラム133aをメモリにロードし、処理実行部103aを構成すればよい。
入力部11aは、利用者によって入力された出発階および行先階を示す情報を、処理実行部103aへ出力する。処理実行部103aは、取得した情報に基づき、適切な通信処理部104を特定し、特定した通信処理部104に、利用者が入力した出発階および行先階の情報の送信、および、受信した情報の通知部106への出力を指示する。
(スマートフォンが実行する処理の流れ)
図12は、スマートフォン1aの制御部10aが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13は、図12に示すフローチャートに含まれる、通信処理部選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図12に示すステップS1101、S1102、および、S1105~S1107では、それぞれ、図5に示すステップS51、S52、および、S56~S58と同じ処理を実行するため、ここでの説明を省略する。
出発階および行先階を示す情報を取得した処理実行部103aは、通信処理部選択処理を実行する(S1103)。図13に示す通信処理部選択処理における、ステップS1201、S1202、S1204、S1206、およびS1209では、それぞれ、図6に示すステップS61、S62、S64、S66、およびS69と同じ処理を実行するため、ここでの説明を省略する。
特定したレコードに第1バンク31を示すバンクID「1」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第1バンク31である場合(S1202でYES)、処理実行部103aは第1通信処理部104Aを選択する(S1203)。
特定したレコードに第2バンク32を示すバンクID「2」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第2バンク32である場合(S1204でYES)、処理実行部103aは第2通信処理部104Bを選択する(S1205)。
特定したレコードに第3バンク33を示すバンクID「3」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第3バンク33である場合(S1206でYES)、処理実行部103aは第3通信処理部104Cを選択する(S1207)。
ステップS1202、S1204、S1206でNOの場合、換言すれば、特定したレコードに第4バンク34を示すバンクID「4」が含まれている場合、処理実行部103aは第4通信処理部104Dを選択する(S1208)。この場合は、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第4バンク34である場合と表現することもできる。
処理実行部103aによって通信処理部104のいずれかが選択された場合、通信処理部選択処理は終了し、制御部10aが実行する処理は図11に示すフローチャートに戻る。
再び図11を参照して、スマートフォン1aの制御部10aが実行する処理の流れの説明に戻る。処理実行部103は、選択した通信処理部104に、利用者が入力した出発階および行先階の情報の送信を指示する。該指示を受けた通信処理部104は、利用者が入力した出発階および行先階の情報を、対応するエレベータシステム2へ送信するためのデータフォーマットを生成する(S1104)。
なお、ステップS1201でNOの場合、ステップS1209の処理が実行され、制御部10が実行する処理は図11に示すフローチャートのステップS1102へ戻る。
以上のように、エレベータの各製造元が作成したエレベータ選択アプリにおける、エレベータ選択プログラムがスマートフォン1に実行させる処理が共通である(あるいは類似している)場合、これらをエレベータ選択共通プログラム133aとしてまとめることができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらなる別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本実施形態では、前提として、少なくとも2つのバンクにおいて、サービスしている階床が共通であるとする。例えば、第1バンク31に含まれるエレベータ31A~31F、および、第2バンク32に含まれるエレベータ32A~32Fは、1階から20階までの何れの階床でも、利用者を乗降させることができるとする。
図14は、本実施形態に係るスマートフォン1bの要部構成の一例を示すブロック図である。
スマートフォン1bは、以下の点で、実施形態1にて説明したスマートフォン1と異なる。すなわち、スマートフォン1bは、制御部10に代えて制御部10bを備えている。また、スマートフォン1bは新たに位置情報取得部15を備えている。制御部10bは、スマートフォン1bを統括的に制御する。位置情報取得部15は、スマートフォン1bの位置情報を取得する。位置情報取得部15は、例えば、GPS(Global Positioning System)やラジオビーコンなどを利用して、スマートフォン1bの位置情報を取得する。
制御部10bは、プログラム選択部102に代えてプログラム選択部102b(位置関係特定部)を含んでいる。プログラム選択部102bは、利用者によって入力された出発階および行先階の情報と、位置情報取得部15が取得したスマートフォン1bの位置情報とに基づいて、エレベータ選択プログラム133を選択する。一例として、出発階が1階、行先階が15階の場合、プログラム選択部102bは、第1プログラム133A、または、第2プログラム133Bのいずれかを選択することができる。換言すれば、プログラム選択部102bは、エレベータ選択プログラム133を1つに定めることができない。この場合において、プログラム選択部102bは、スマートフォン1bの位置情報に基づいて、利用者と各エレベータとの位置関係を特定する。換言すれば、利用者が、第1バンク31と第2バンク32とのうち、いずれの近傍にいるかを特定する。そして、プログラム選択部102bは、利用者により近いバンクに対応するエレベータ選択プログラム133を選択する。例えば、利用者が第1バンク31の近傍にいる場合、プログラム選択部102bは、第1プログラム133Aを選択する。
このように、本実施形態に係るスマートフォン1b、および、エレベータ選択アプリ130によれば、出発階および行先階でエレベータ選択プログラム133を選択できない、すなわち、通信処理部104を選択できない場合であっても、スマートフォン1bの位置情報に基づいて、適切にエレベータ選択プログラム133(通信処理部104)を選択することができる。
〔実施形態4〕
本発明のさらなる別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図15は、本実施形態に係る建物におけるエレベータの設置例を示す図である。本実施形態におけるエレベータの設置例において、上述した各実施形態における設置例と異なる点は、すべてのエレベータが、同じ製造元により製造されたエレベータである点である。例えば、図15に示すように、すべてのエレベータが、A社製のエレベータである。なお、バンクの数、および、1つのバンクに含まれるエレベータの数は図15の例に限定されない。
なお、各バンクのエレベータが、異なるエレベータシステムによって制御される点は、上述した各実施形態と同様である。一例として、エレベータ31A~31Fは、図2に示す第1エレベータシステム2Aによって制御される。エレベータ32A~32Fは、図2に示す第2エレベータシステム2Bによって制御される。エレベータ33A~33Fは、図2に示す第3エレベータシステム2Cによって制御される。エレベータ34A~34Fは、図2に示す第4エレベータシステム2Dによって制御される。
また、エレベータシステムは、「エレベータ制御システム」または「群管理システム」とも呼称されるが、ここでは、上述した各実施形態に合わせ、「エレベータシステム」と記載する。
(スマートフォン1cの詳細)
図16は、本実施形態に係るエレベータ利用システム200に含まれる、スマートフォン1cの要部構成の一例を示すブロック図である。エレベータ利用システム200は、実施形態1にて説明した無線通信システムに相当し、スマートフォン1c(情報処理端末)と複数のエレベータシステム2(エレベータ制御部)とを含む。本実施形態に係る複数のエレベータシステム2は、上述したとおり、第1エレベータシステム2A、第2エレベータシステム2B、第3エレベータシステム2C、および、第4エレベータシステム2Dである。
なお、スマートフォン1cは、実際には、図2に示すエレベータ情報データベース100とも通信するが、図16では記載を省略している。
上述したとおり、本実施形態に係るエレベータはすべてA社製のエレベータである。このため、エレベータ選択処理を実行するためのプログラムは、A社製のエレベータに対応するプログラム、例えば、A社によって提供されるアプリケーションプログラムである。
また、エレベータがすべてA社製のエレベータであるため、スマートフォン1cと、各エレベータシステム2との間の情報伝達は、同じ通信方式で行うことができる。換言すれば、本実施形態に係るスマートフォン1cは、エレベータシステム2との通信方式が異なる複数の通信処理部を備えることが必須ではない。
以上をふまえ、スマートフォン1cは、以下の点で、実施形態1にて説明したスマートフォン1と異なる。すなわち、スマートフォン1cは、制御部10および記憶部13に代えて制御部10cおよび記憶部13cを備えている。制御部10cは、スマートフォン1cを統括的に制御する。記憶部13cは、スマートフォン1cが使用する各種データを記憶している。
制御部10cは、表示制御部101、処理実行部103c(特定部)、通信処理部104c(情報伝達部)を含んでいる。記憶部13cは、少なくとも、エレベータ選択アプリ130cおよびエレベータ情報132を記憶している。表示制御部101およびエレベータ情報132については、既に説明しているためここでは説明を繰り返さない。
エレベータ選択アプリ130cは、操作画面生成プログラム131a、および、エレベータ選択プログラムを含んでいる。操作画面生成プログラム131aは、操作画面を生成する操作画面生成部105を構成するためのプログラムであり、一例として、上述する各実施形態で説明した、共通操作画面生成プログラム131と同じものであってよい。また、上述したとおり、本実施形態に係るエレベータはすべてA社製のエレベータであるため、エレベータ選択アプリ130cに含まれるエレベータ選択プログラムは、例えば、第1プログラム133Aである。
処理実行部103cは、エレベータ選択アプリ130の主たる機能である、エレベータ選択処理を実行する。本実施形態では、処理実行部103cは、第1プログラム133Aがメモリにロードされることにより構成される。本実施形態において、エレベータ選択処理を実行するプログラムは1つのみである。このため、スマートフォン1cのプロセッサは、例えば、エレベータ選択アプリ130cの起動に伴い、第1プログラム133Aをメモリにロードし、処理実行部103cを構成してもよい。
通信処理部104cは、通信部14を制御して、エレベータシステム2のいずれかと無線通信を行わせる。通信処理部104cは、上述したとおり、各エレベータシステム2との無線通信(情報伝達)を、同じ通信方式で行うものとする。このため、通信処理部104cは、複数の通信処理部からなるものではなく、1つの通信処理部である。一例として、通信処理部104cは、実施形態1にて説明した第1通信処理部104Aであってもよい。
以上をふまえると、処理実行部103cによるエレベータ選択処理は、以下のように表現することができる。すなわち、処理実行部103cは、利用者が入力した出発階および行先階の情報に基づき、該情報を送信する相手としてのエレベータシステム2を特定する。そして、特定したエレベータシステム2に該情報を送信するよう、通信処理部104cに指示する。
通信処理部104cは、通信部14を制御して、処理実行部103cにより特定されたエレベータシステム2、例えば、第1バンク31のエレベータを制御する第1エレベータシステム2Aに、出発階および行先階の情報を送信する。通信処理部104cは、通信部14を介して、第1バンク31のうち、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、第1エレベータシステム2Aから受信し、該情報を、処理実行部103cの指示に従って通知部106へ出力する。
(スマートフォンが実行する処理の流れ)
図17は、スマートフォン1cの制御部10cが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図18は、図17に示すフローチャートに含まれる、エレベータシステム選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
操作画面生成部105は、エレベータ選択アプリ130aの起動に伴い構成され、操作画面を生成し、表示部12に表示させる(S1701)。入力部11a(操作入力部)は、出発階、行先階の入力を受け付ける(S1702)。
出発階および行先階を示す情報を取得した処理実行部103cは、エレベータシステム選択処理を実行する(S1703)。具体的には、処理実行部103cは、エレベータ情報132を参照して、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能であるか否かを判定する(S1801)。より具体的には、処理実行部103cは、エレベータ情報132の各レコードに格納された情報から特定される、各バンクのサービス可能階に、出発階および行先階が含まれているか否かを判定する。この判定の具体例については、実施形態1で既に説明しているため、ここでは説明を繰り返さない。
ステップS1801でYES、すなわち、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能であると判定した場合、処理実行部103cは、第1条件または第2条件(これら条件の詳細は実施形態1参照)を満たしたレコードを特定する(S1802、S1804、S1806)。
特定したレコードに第1バンク31を示すバンクID「1」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第1バンク31である場合(S1802でYES)、処理実行部103cは第1エレベータシステム2Aを選択する(S1803)。
特定したレコードに第2バンク32を示すバンクID「2」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第2バンク32である場合(S1804でYES)、処理実行部103cは第2エレベータシステム2Bを選択する(S1805)。
特定したレコードに第3バンク33を示すバンクID「3」が含まれている、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第3バンク33である場合(S1806でYES)、処理実行部103cは第3エレベータシステム2Cを選択する(S1807)。
ステップS1802、S1804、S1806でNOの場合、換言すれば、特定したレコードに第4バンク34を示すバンクID「4」が含まれている場合、処理実行部103cは第4エレベータシステム2Dを選択する(S1808)。この場合は、すなわち、入力された出発階および行先階をサービスするバンクが第4バンク34である場合と表現することもできる。
処理実行部103cによってエレベータシステム2のいずれかが選択された場合、エレベータシステム選択処理は終了し、制御部10cが実行する処理は図17に示すフローチャートに戻る。
一方、ステップS1801でNO、すなわち、入力された出発階、行先階が1つのバンクでサービス可能でないと判定した場合、処理実行部103cは、エレベータシステム2を選択しない。処理実行部103cは、入力された出発階および行先階からエレベータシステム2を選択できない旨を通知部106へ通知する。通知部106は、該通知を受けると、入力された出発階および行先階からはエレベータ選択処理が実行できないことを示す通知画面を生成し、表示部12に表示する。これにより、通知部106は、入力された出発階および行先階からはエレベータ選択処理が実行できないことを利用者に通知する(S1809)。そして、制御部10cが実行する処理は図17に示すフローチャートのステップS52へ戻る。
再び図17を参照して、スマートフォン1cの制御部10cが実行する処理の流れの説明に戻る。処理実行部103cは、通信処理部104cに、利用者が入力した出発階および行先階の情報の送信を指示する。該指示を受けた通信処理部104cは、利用者が入力した出発階および行先階の情報を、選択されたエレベータシステム2へ送信するためのデータフォーマットを生成する(S1704)。
通信処理部104cは、生成したデータフォーマットにより、出発階、行先階の情報を選択されたエレベータシステム2へ送信する(S1705)。そして、通信処理部104cは、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、エレベータシステム2から受信する(S1706)。この送受信は、通信先のエレベータシステム2に対応する通信規格により行われる。なお、本実施形態では、エレベータはすべてA社製のエレベータであるため、一例として、各エレベータシステム2に対応する通信規格は、いずれもWiFiであるとする。換言すれば、スマートフォン1cと各エレベータシステム2との情報の送受信は、WiFiにより行われる。
エレベータシステム2は、出発階、行先階の情報を受信すると、該情報と、各エレベータ(第1エレベータシステム2Aの場合、エレベータ31A~31F)の現在の位置、移動方向などの情報と、に基づき、利用者を最も早く行先階へ移動させることができるエレベータを特定する。そして、該エレベータを示す情報を、利用者が乗るべきエレベータを示す情報としてスマートフォン1へ送信する。
通信処理部104cは、受信した情報を通知部106へ出力する。通知部106は、取得した情報に基づいて、乗るべきエレベータを利用者に通知する(S1707)。一例として、通知部106は、取得した情報に基づいて、乗るべきエレベータを利用者に通知する通知画面を生成し、表示部12に表示させる。
エレベータシステム2は、取得した出発階および行先階の情報に基づき、エレベータを制御する。これは、他の実施形態のエレベータシステム2でも同様である。具体的には、エレベータシステム2は、呼び登録を行う。すなわち、利用者が乗るべきエレベータと特定したエレベータを、該情報が示す出発階へ移動させる。また、エレベータシステム2は、該エレベータの行先階を、取得した情報の行先階としてもよい。これにより、利用者が、エレベータに乗った後に行先階を入力する操作、例えば、かごに設置された、行先階を示す数字が記されたボタンを押下する操作が不要となる。
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係るエレベータ利用システム200は、複数のエレベータシステム2と、スマートフォン1cとを備えている。スマートフォン1cは、エレベータを利用するための操作を受け付ける入力部11aと、該入力に基づき、複数のエレベータシステム2から1つのエレベータシステム2を特定する処理実行部103cと、特定されたエレベータシステム2と、スマートフォン1cとの間で、利用者によるエレベータの利用のための情報伝達を行う通信処理部104cとを含む。
これにより、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、利用者の入力に基づく無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
また、情報伝達を受けたエレベータシステム2は、受信した情報(出発階および行先階の情報)に基づき、エレベータ(のかご)の呼び登録および行先階登録をし、かごの移動を制御することができる。これにより、利用者は情報処理端末への入力のみで、エレベータを利用して行先階へ行くことができる。
また、スマートフォン1cは、エレベータシステム2が生成した、利用者が乗るべきエレベータの情報を取得し、該情報に基づき、利用者が乗るべきエレベータを示す画像を表示する。これにより、利用者は、自身が乗るべきエレベータを認識することができ、利用者の利便性向上が実現できる。
〔実施形態5〕
本発明のさらなる別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図19は、本実施形態に係るエレベータ利用システムの概要を示す図である。本実施形態に係るエレベータ利用システムは、以下の点で、実施形態1にて説明した無線通信システム(実施形態1~3に係る無線通信システム)、および、実施形態4にて説明したエレベータ利用システム200と異なる。すなわち、本実施形態に係るエレベータ利用システムは、新たに、スマートフォン用サーバ3(情報処理装置)を含んでいる。スマートフォン用サーバ3は、複数のエレベータシステム2およびスマートフォン1dとの間で情報通信を行う。
本実施形態に係る無線通信システムに含まれる、スマートフォン1dおよびスマートフォン用サーバ3は、実施形態4に係るスマートフォン1cを別体にしたものと表現することができる。以下、この詳細について説明する。
(スマートフォン1dおよびスマートフォン用サーバ3の詳細)
図20は、本実施形態に係るスマートフォン1dおよびスマートフォン用サーバ3の要部構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン1dおよびスマートフォン用サーバ3は、エレベータ利用システムに含まれる(図19参照)。なお、本実施形態でも、エレベータはすべてA社製のエレベータであるとする。
(スマートフォン1d)
スマートフォン1dは、以下の点で、実施形態4にて説明したスマートフォン1cと異なる。すなわち、スマートフォン1dは、制御部10c、入力部11、記憶部13c、および通信部14に代えて、制御部10d、入力部11d、記憶部13d、および通信部14dを備えている。制御部10dは、スマートフォン1dを統括的に制御する。入力部11dは、ユーザの入力操作を受け付けるハードウェアである。記憶部13dは、スマートフォン1dが使用する各種データを記憶している。通信部14dは、無線通信により、スマートフォン1の外部の装置と情報の送受信を行うハードウェアである。
制御部10dは、以下の点で、実施形態4にて説明した制御部10cと異なる。すなわち、制御部10dは、表示制御部101に代えて表示制御部101dを含んでいる。また、制御部10dは、処理実行部103cおよび通信処理部104cを含んでいない。また、制御部10dは、通信制御部107を含んでいる。
入力部11dは、利用者によって入力された出発階および行先階を示す情報を、通信制御部107へ出力する。通信制御部107は、通信部14dを制御し、取得した情報をスマートフォン用サーバ3へ送信させる。
また、通信制御部107は、スマートフォン用サーバ3から送信された、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、通信部14dを介して受信し、該情報を通知部106へ出力する。換言すれば、表示制御部101dは、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を通信制御部107から取得する点で、表示制御部101と異なる。
記憶部13dは、少なくとも、操作画面生成プログラム131a、および、エレベータ情報132を記憶している。操作画面生成プログラム131aに関して、記憶部13dは、エレベータ選択アプリとして、操作画面生成プログラム131aのみを記憶していると表現することもできる。
なお、表示制御部101d、具体的には操作画面生成部105は、エレベータ情報132を参照して、操作画面を生成してもよい。換言すれば、エレベータ情報132は、情報伝達の相手となるエレベータシステム2を特定する(選択する)ために必要な情報であるとともに、利用者の操作(より具体的には、利用者が操作を入力するための操作画面の生成)のために必要な情報であってもよい。スマートフォン1dは、例えば、エレベータ情報データベース100(情報記憶部、情報記憶装置)から、通信部14d(取得部)を介して、エレベータ情報132を取得する。本段落で説明した構成は、上述する実施形態1~4でも同様である。
(スマートフォン用サーバ3)
スマートフォン用サーバ3は、スマートフォン1d、換言すれば、エレベータ選択アプリを有するスマートフォン、および、各エレベータシステム2と通信し、情報伝達を行うサーバである。スマートフォン用サーバ3は、制御部30、記憶部35、通信部36(受信部、送信部)を含んでいる。制御部30は、スマートフォン用サーバ3を統括的に制御する。記憶部35は、スマートフォン用サーバ3が使用する各種データを記憶している。通信部36は、無線通信により、スマートフォン用サーバ3の外部の装置と情報の送受信を行うハードウェアである。外部の装置とは、例えば、スマートフォン1dおよび各エレベータシステム2である。
図示してはいないが、スマートフォン用サーバ3は、制御部30および記憶部35実現するためのハードウェア構成として、さらに、プロセッサおよびメモリを備えている。
プロセッサは、スマートフォン用サーバ3に与えられる信号に基づいて、あるいは、予め定められた条件が成立したことに基づいて、メモリまたは記憶部35に格納されているプログラムに含まれる一連の命令を実行する。プロセッサは、一例として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)その他のデバイスとし
て実現される。
メモリは、プログラムおよびデータを一時的に保存する。プログラムは、例えば、記憶部35からロードされる。データは、コンピュータに入力されたデータと、プロセッサによって生成されたデータとを含む。メモリは、一例として、RAM(Random Access Memory)その他の揮発メモリとして実現される。
一例として、プロセッサは、記憶部35にアクセスし、記憶部35に格納されているプログラムをメモリにロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部30に含まれている各部が構成される。
記憶部35は、メモリカードのように着脱可能な記憶装置として実現されてもよい。また、スマートフォン用サーバ3に内蔵されたストレージの代わりに、外部の記憶装置に保存されているプログラムおよびデータを使用する構成が使用されてもよい。この構成の場合、スマートフォン用サーバ3は、例えば、外部の記憶装置と無線通信を行うことにより、自機において各種アプリケーションを起動する。
なお、制御部30は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよい。
制御部30は、通信処理部301(情報伝達部)および処理実行部302(特定部)を含んでいる。また、記憶部35は、少なくとも、通信中スマートフォンデータベース311、エレベータ情報132、および、エレベータ選択プログラムを含んでいる。上述したとおり、本実施形態に係るエレベータはすべてA社製のエレベータであるため、このエレベータ選択プログラムは、例えば、第1プログラム133Aである。エレベータ選択プログラムに関して、記憶部35は、エレベータ選択アプリとして、エレベータ選択プログラムのみを記憶していると表現することもできる。
通信処理部301は、スマートフォン1dが送信した、出発階および行先階を示す情報を、通信部36を介して受信すると、該情報を処理実行部302へ出力する。
また、通信処理部301は、該情報を受信すると、内部変数であるシーケンスナンバーを1増やし(インクリメントし)、該シーケンスナンバー、および、該情報を送信したスマートフォン1dのIPアドレスを、通信中スマートフォンデータベース311に格納する。
図21は、通信中スマートフォンデータベース311のデータ構造およびデータの一例を示す図である。通信中スマートフォンデータベース311は、一例として、図21に示すデータテーブルであってもよい。図21に示す通信中スマートフォンデータベース311は、「シーケンスナンバー」のカラムと、「IPアドレス」のカラムとを含む。
「シーケンスナンバー」のカラムには、上述したシーケンスナンバーが格納される。また、「IPアドレス」のカラムには、上述したIPアドレスが格納される。これにより、スマートフォン用サーバ3において設定される内部変数であるシーケンスナンバーに、スマートフォン1dを識別する情報が対応付けられて、スマートフォン用サーバ3にて管理されることとなる。
通信処理部301は、出発階および行先階を示す情報を処理実行部302へ出力する際、併せて、シーケンスナンバーを出力する。
なお、図21では、IPアドレスをアルファベットにて示しているが、実際は、アルファベットの部分は数字である。なお、図21に示すIPアドレスにおいて、同じアルファベットが同じ数字を示しているとは限らない。
処理実行部302は、エレベータ選択アプリの主たる機能である、エレベータ選択処理を実行する。本実施形態では、処理実行部302は、第1プログラム133Aがメモリにロードされることにより構成される。本実施形態において、エレベータ選択処理を実行するプログラムは1つのみである。このため、スマートフォン用サーバ3のプロセッサは、例えば、エレベータ選択アプリの起動に伴い、第1プログラム133Aをメモリにロードし、処理実行部302を構成してもよい。
処理実行部302は、通信処理部301から取得した、出発階および行先階の情報に基づき、該情報を送信する相手としてのエレベータシステム2を特定する。そして、特定したエレベータシステム2に該情報を送信するよう、通信処理部301に指示する。
通信処理部301は、通信部36を制御して、処理実行部302により特定されたエレベータシステム2、例えば、第1バンク31のエレベータを制御する第1エレベータシステム2Aに、出発階および行先階の情報を送信する。通信処理部301は、通信部36を介して、第1バンク31のうち、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、第1エレベータシステム2Aから受信し、該情報を、処理実行部302の指示に従って、通信部36を介して、スマートフォン1dへ送信する。
ここで、スマートフォン用サーバ3と、特定されたエレベータシステム2との間の情報伝達について、詳細に説明する。図22は、データフォーマットの一例を示す図である。図22の(A)は、通信処理部301が、処理実行部302の指示に従って生成し、出発階および行先階の情報を特定されたエレベータシステム2へ送信するためのデータフォーマットの一例を示す図である。図22の(B)は、エレベータシステム2が、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を追加したデータフォーマットの一例を示す図である。
本実施形態では、エレベータはすべてA社製のエレベータであるため、一例として、各エレベータシステム2に対応するデータフォーマットはすべて同じであるとする。該データフォーマットは、例えば、図22に示す固定長テキストフォーマットであってもよいし、他のデータフォーマット、例えば、可変長テキストフォーマット、固定長バイナリフォーマット、可変長バイナリフォーマットであってもよい。
通信処理部301は、処理実行部302からの指示に従い、例えば、図22の(A)に示すデータフォーマットを生成する。通信処理部301は、受信した出発階および行先階の情報が示す、出発階および行先階がそれぞれ、1階および10階である場合、図22の(A)に示すように、「出発階」に「1」を、「行先階2桁目」に「1」を、「行先階1桁目」に「0」を格納する。また、通信処理部301は、処理実行部302からの指示に含まれるシーケンスナンバーを、「シーケンスナンバー」に格納する。図22の(A)の例では、「21」が格納されている。これはすなわち、出発階および行先階として、それぞれ、1階および10階が入力されたスマートフォン1dが、IPアドレスが「WWW.XXX.YYY.ZZZ」であるスマートフォン1dである(図21参照)ことを意味する。
通信処理部301は、図22の(A)に示すデータフォーマットを、特定された第1エレベータシステム2Aに送信した後、図22の(B)に示すデータフォーマットを受信する。
図22の(B)に示すデータフォーマットは、図22の(A)に示すデータフォーマットに、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を追加したものである。図22の(B)の例では、第1エレベータシステム2Aは、利用者が乗るべきエレベータを示す情報として、「割当号機2桁目」に「0」を、「割当号機1桁目」に「5」を格納している。すなわち、図22の(B)の例では、第1エレベータシステム2Aは、利用者が乗るべきエレベータを第1バンク31の5号機(例えば、エレベータ31E)と特定している。
通信処理部301は、上述したとおり、受信したデータフォーマットに格納された、利用者が乗るべきエレベータを示す情報をスマートフォン1dへ送信する。このとき、通信処理部301は、データフォーマットに格納されたシーケンスナンバーを用いて、通信中スマートフォンデータベース311を検索し、データフォーマットに格納されたシーケンスナンバーに対応付けられたIPアドレスを特定する。そして、該IPアドレスが示すスマートフォン1dへ、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を送信する。
(スマートフォンおよびスマートフォン用サーバが実行する処理の流れ)
図23は、スマートフォン1dの制御部10d、および、スマートフォン用サーバ3の制御部30が実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
操作画面生成部105は、エレベータ選択アプリ、すなわち、操作画面生成プログラム131aが、スマートフォン1dのメモリにロードされたことに伴い構成され、操作画面を生成し、表示部12に表示させる(S2301)。入力部11dは、出発階、行先階の入力を受け付ける(S2302)。出発階および行先階の情報を取得した通信制御部107は、通信部14dを介して、該情報を含むエレベータ利用情報をスマートフォン用サーバ3へ送信する(S2303)。
スマートフォン用サーバ3の通信処理部301は、通信部36を介して、エレベータ利用情報を受信する(S2311)。通信処理部301は、シーケンスナンバーを1インクリメントし、インクリメント後のシーケンスナンバーと、エレベータ利用情報を送信したスマートフォン1dのIPアドレスとを対応付けて、通信中スマートフォンデータベース311へ記憶する(S2312)。また、通信処理部301は、エレベータ利用情報と、インクリメント後のシーケンスナンバーとを処理実行部302へ出力する。
エレベータ利用情報とシーケンスナンバーとを取得した処理実行部302は、エレベータシステム選択処理を実行する(S2313)。なお、このエレベータシステム選択処理は、実施形態4で説明したエレベータシステム選択処理と同一であるため、ここでは説明を繰り返さない。
処理実行部302は、通信処理部301に、エレベータ利用情報に含まれる出発階および行先階の情報の送信を指示する。該指示を受けた通信処理部301は、エレベータ利用情報に含まれる出発階および行先階の情報を、選択されたエレベータシステム2へ送信するためのデータフォーマットを生成する(S2314)。
通信処理部301は、生成したデータフォーマットにより、出発階、行先階の情報を選択されたエレベータシステム2へ送信する(S2315)。そして、通信処理部301は、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、エレベータシステム2から受信する(S2316)。この送受信は、通信先のエレベータシステム2に対応する通信規格により行われる。なお、本実施形態では、エレベータはすべてA社製のエレベータであるため、一例として、各エレベータシステム2に対応する通信規格は、いずれもWiFiであるとする。換言すれば、スマートフォン用サーバ3と各エレベータシステム2との情報の送受信は、WiFiにより行われる。
エレベータシステム2は、出発階、行先階の情報を受信すると、該情報と、各エレベータ(第1エレベータシステム2Aの場合、エレベータ31A~31F)の現在の位置、移動方向などの情報と、に基づき、利用者を最も早く行先階へ移動させることができるエレベータを特定する。そして、該エレベータを示す情報を、利用者が乗るべきエレベータを示す情報としてスマートフォン用サーバ3へ送信する。
通信処理部301は、受信した情報を、IPアドレスに対応付けられたシーケンスナンバーが、データフォーマットに格納されたシーケンスナンバーと一致するスマートフォン1dへ送信する(S2317)。
スマートフォン1dの通信制御部107は、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を受信する(S2304)。通信制御部107は、該情報を通知部106へ出力する。通知部106は、取得した情報に基づいて、乗るべきエレベータを利用者に通知する(S2305)。一例として、通知部106は、取得した情報に基づいて、乗るべきエレベータを利用者に通知する通知画面を生成し、表示部12に表示させる。
(実施形態5の変形例)
実施形態5において、実施形態4に係るスマートフォン1cを、別体、すなわち、スマートフォン1dおよびスマートフォン用サーバ3とした例を説明した。この思想は、実施形態1~3にも適用することが可能である。ここでは、実施形態1に係るスマートフォン1、および、実施形態2に係るスマートフォン1aを、別体とした例を説明する。以降、前者を変形例1、後者を変形例2と称する。
(変形例1)
図24は、変形例1に係るスマートフォン用サーバ3aの要部構成の一例を示すブロック図である。なお、変形例1に係るスマートフォンは、実施形態5で説明したスマートフォン1dと同一であるため、ここでは説明を繰り返さない。
スマートフォン用サーバ3aは、以下の点で、実施形態5にて説明したスマートフォン用サーバ3と異なる。すなわち、スマートフォン用サーバ3aは、制御部30および記憶部35に代えて、制御部30aおよび記憶部35aを備えている。制御部30aは、スマートフォン用サーバ3aを統括的に制御する。記憶部35aは、スマートフォン用サーバ3aが使用する各種データを記憶している。
制御部30aおよび記憶部35aは、以下の点で、実施形態5にて説明した制御部30および記憶部35と異なる。すなわち、制御部30aは、通信処理部301および処理実行部302に代えて、通信処理部301aおよび処理実行部302aを含んでいる。また、制御部30aは、プログラム選択部305を含んでいる。また、記憶部35aは、エレベータ選択プログラム(例えば、第1プログラム133A)に代えて、エレベータ選択プログラム133を記憶している。
エレベータ選択プログラム133は、実施形態1にて既に説明しているため、詳細な説明はここでは繰り返さないが、第1プログラム133A、第2プログラム133B、第3プログラム133C、第4プログラム133Dを含む。
通信処理部301aは、スマートフォン通信制御部303、第1通信処理部304A、第2通信処理部304B、第3通信処理部304C、第4通信処理部304Dを含む。
スマートフォン通信制御部303は、スマートフォン用サーバ3aとスマートフォン1dとの通信を制御する。具体的には、スマートフォン通信制御部303は、スマートフォン1dが送信した、出発階および行先階を示す情報(エレベータ利用情報)を、通信部36を介して受信すると、該情報をプログラム選択部305へ出力する。また、スマートフォン通信制御部303は、該情報を受信すると、内部変数であるシーケンスナンバーを1インクリメントし、該シーケンスナンバー、および、該情報を送信したスマートフォン1dのIPアドレスを、通信中スマートフォンデータベース311に格納する。スマートフォン通信制御部303は、エレベータ利用情報をプログラム選択部305へ出力する際、併せて、シーケンスナンバーを出力する。
また、スマートフォン通信制御部303は、エレベータシステム2から受信した、利用者が乗るべきエレベータを示す情報をスマートフォン1dへ送信する。
第1通信処理部304A、第2通信処理部304B、第3通信処理部304C、第4通信処理部304Dは、それぞれ、実施形態1にて説明した、第1通信処理部104A、第2通信処理部104B、第3通信処理部104C、第4通信処理部104Dに相当する。すなわち、第1通信処理部304A、第2通信処理部304B、第3通信処理部304C、第4通信処理部304Dは、それぞれ、第1エレベータシステム2A、第2エレベータシステム2B、第3エレベータシステム2C、第4エレベータシステム2Dに対応している。具体的には、各エレベータシステム2は、無線通信における通信方式が互いに異なっており、各通信処理部104は、通信相手となるエレベータシステム2の通信方式に対応している。
プログラム選択部305は、実施形態1にて説明した、プログラム選択部102に相当する。プログラム選択部305は、取得したエレベータ利用情報に基づき、エレベータ選択処理を実行するためのプログラムを選択する。一例として、プログラム選択部102は、エレベータ利用情報に含まれる、入力された出発階および行先階を示す情報と、記憶部35aに記憶されているエレベータ情報132とに基づき、エレベータ選択プログラム133のうちの、第1プログラム133A、第2プログラム133B、第3プログラム133C、第4プログラム133Dのいずれかを選択する。この選択の詳細については、実施形態1で既に説明しているため、ここでは説明を繰り返さないが、選択されたプログラムがメモリにロードされることにより、処理実行部302aが構成される。
処理実行部302aは、実施形態1にて説明した、処理実行部103に相当する。処理実行部302aは、エレベータ選択アプリの主たる機能である、エレベータ選択処理を実行する。処理実行部302aは、エレベータ選択プログラム133のうちのいずれかがメモリにロードされることにより構成される。例えば、第1プログラム133Aがメモリにロードされたことにより構成された処理実行部302aは、第1バンク31においてエレベータ選択処理を実行することができる。
図25は、スマートフォン1dの制御部10d、および、スマートフォン用サーバ3aの制御部30aが実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図25に示すステップS2501~S2505は、それぞれ、図23に示すステップS2301~S2305と同じ処理を実行するため、ここでは説明を繰り返さない。
スマートフォン用サーバ3aのスマートフォン通信制御部303は、通信部36を介して、エレベータ利用情報を受信する(S2511)。スマートフォン通信制御部303は、シーケンスナンバーを1インクリメントし、インクリメント後のシーケンスナンバーと、エレベータ利用情報を送信したスマートフォン1dのIPアドレスとを対応付けて、通信中スマートフォンデータベース311へ記憶する(S2512)。また、スマートフォン通信制御部303は、エレベータ利用情報と、インクリメント後のシーケンスナンバーとをプログラム選択部305へ出力する。
エレベータ利用情報とシーケンスナンバーとを取得したプログラム選択部305は、プログラム選択処理を実行する(S2513)。なお、このプログラム選択処理は、実施形態1で説明したプログラム選択処理と同一であるため、ここでは説明を繰り返さない。
プログラム選択処理によって選択されたプログラムにより、処理実行部302aが構成されると(S2514)、該処理実行部302aは、対応する通信処理部304に、出発階および行先階の情報の送信を指示する。
該指示を受けた通信処理部304は、エレベータ利用情報に含まれる出発階および行先階の情報を、対応するエレベータシステム2へ送信するためのデータフォーマットを生成する(S2515)。
通信処理部304は、生成したデータフォーマットにより、出発階、行先階の情報を選択されたエレベータシステム2へ送信する(S2516)。そして、通信処理部304は、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、エレベータシステム2から受信する(S2517)。
エレベータシステム2は、出発階、行先階の情報を受信すると、該情報と、各エレベータ(第1エレベータシステム2Aの場合、エレベータ31A~31F)の現在の位置、移動方向などの情報と、に基づき、利用者を最も早く行先階へ移動させることができるエレベータを特定する。そして、該エレベータを示す情報を、利用者が乗るべきエレベータを示す情報としてスマートフォン用サーバ3aへ送信する。
スマートフォン通信制御部303は、通信処理部304が受信した情報を、IPアドレスに対応付けられたシーケンスナンバーが、データフォーマットに格納されたシーケンスナンバーと一致するスマートフォン1dへ送信する(S2518)。
(変形例2)
図26は、変形例2に係るスマートフォン用サーバ3bの要部構成の一例を示すブロック図である。なお、変形例2に係るスマートフォンは、実施形態5で説明したスマートフォン1dと同一であるため、ここでは説明を繰り返さない。
スマートフォン用サーバ3bは、以下の点で、実施形態5にて説明したスマートフォン用サーバ3と異なる。すなわち、スマートフォン用サーバ3bは、制御部30および記憶部35に代えて、制御部30bおよび記憶部35bを備えている。制御部30bは、スマートフォン用サーバ3bを統括的に制御する。記憶部35bは、スマートフォン用サーバ3bが使用する各種データを記憶している。
制御部30bおよび記憶部35bは、以下の点で、実施形態5にて説明した制御部30および記憶部35と異なる。すなわち、制御部30bは、通信処理部301および処理実行部302に代えて、通信処理部301bおよび処理実行部302bを含んでいる。また、記憶部35bは、エレベータ選択プログラム(例えば、第1プログラム133A)に代えて、エレベータ選択共通プログラム133aを記憶している。なお、エレベータ選択共通プログラム133aは、実施形態2にて既に説明しているため、ここでは説明を繰り返さない。
通信処理部301bは、以下の点で、変形例1にて説明した通信処理部301と異なる。すなわち、通信処理部301bは、スマートフォン通信制御部303に代えてスマートフォン通信制御部303bを含んでいる。
スマートフォン通信制御部303bは、スマートフォン用サーバ3bとスマートフォン1dとの通信を制御する。スマートフォン通信制御部303bは、スマートフォン1dが送信したエレベータ利用情報を、インクリメントしたシーケンスナンバーとともに、処理実行部302bへ出力する。
処理実行部302bは、実施形態2にて説明した、処理実行部103aに相当する。処理実行部302bは、取得したエレベータ利用情報に基づき、適切な通信処理部304を特定し、特定した通信処理部304に、取得した出発階および行先階の情報の送信、および、エレベータシステム2から受信した情報の、適切なスマートフォン1dへの送信を指示する。
なお、本変形例にでは、実施形態2と同様に、エレベータ選択処理を実行するプログラムは1つのみである。このため、スマートフォン用サーバ3bのプロセッサは、サーバ3bの起動時に、エレベータ選択共通プログラム133aをメモリにロードし、処理実行部302bを構成すればよい。
図27は、スマートフォン1dの制御部10d、および、スマートフォン用サーバ3bの制御部30bが実行する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図27に示すステップS2701~S2705は、それぞれ、図23に示すステップS2301~S2305と同じ処理を実行するため、ここでは説明を繰り返さない。
スマートフォン用サーバ3bのスマートフォン通信制御部303bは、通信部36を介して、エレベータ利用情報を受信する(S2711)。スマートフォン通信制御部303bは、シーケンスナンバーを1インクリメントし、インクリメント後のシーケンスナンバーと、エレベータ利用情報を送信したスマートフォン1dのIPアドレスとを対応付けて、通信中スマートフォンデータベース311へ記憶する(S2712)。また、スマートフォン通信制御部303bは、エレベータ利用情報と、インクリメント後のシーケンスナンバーとを処理実行部302bへ出力する。
エレベータ利用情報とシーケンスナンバーとを取得した処理実行部302bは、通信処理部選択処理を実行する(S2713)。なお、この通信処理部選択処理は、実施形態2で説明した通信処理部選択処理と同一であるため、ここでは説明を繰り返さない。
処理実行部302bは、選択した通信処理部304に、出発階および行先階の情報の送信を指示する。該指示を受けた通信処理部304は、エレベータ利用情報に含まれる出発階および行先階の情報を、対応するエレベータシステム2へ送信するためのデータフォーマットを生成する(S2714)。
通信処理部304は、生成したデータフォーマットにより、出発階、行先階の情報を選択されたエレベータシステム2へ送信する(S2715)。そして、通信処理部304は、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を、エレベータシステム2から受信する(S2716)。
エレベータシステム2は、出発階、行先階の情報を受信すると、該情報と、各エレベータ(第1エレベータシステム2Aの場合、エレベータ31A~31F)の現在の位置、移動方向などの情報と、に基づき、利用者を最も早く行先階へ移動させることができるエレベータを特定する。そして、該エレベータを示す情報を、利用者が乗るべきエレベータを示す情報としてスマートフォン用サーバ3bへ送信する。
スマートフォン通信制御部303bは、通信処理部304が受信した情報を、IPアドレスに対応付けられたシーケンスナンバーが、データフォーマットに格納されたシーケンスナンバーと一致するスマートフォン1dへ送信する(S2517)。
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係るエレベータ利用システム200は、複数のエレベータシステム2と、スマートフォン1dと、スマートフォン用サーバ3、3a、3bのいずれかとを備えている。スマートフォン1dは、エレベータを利用するための操作を受け付ける入力部11dを備えている。スマートフォン用サーバ3は、エレベータの利用に関するエレベータ利用情報を受信する通信部36と、受信したエレベータ利用情報に基づき、複数のエレベータシステム2から1つのエレベータシステム2を特定する処理実行部302と、特定されたエレベータシステム2と、利用者によるエレベータの利用のための情報伝達(エレベータ利用情報の送信と、利用者が乗るべきエレベータの情報の受信)を行う通信処理部301とを備え、通信部36は、さらに、特定されたエレベータシステム2から受信した、利用者が乗るべきエレベータの情報を、スマートフォン1dへ送信する。
これにより、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、利用者の入力に基づく無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
また、通信処理部301および処理実行部302をスマートフォン用サーバ3が備えているため、スマートフォン1dは、操作の入力、情報の表示、および、スマートフォン用サーバ3等の外部装置との通信を実現できる機能のみを備えていればよい。つまり、情報処理端末の構成を、複数のエレベータシステム2の製造元の同異などに関わらず、共通のものとすることができる。
〔その他の変形例〕
実施形態1および3において、スマートフォン1およびスマートフォン1bは、エレベータ選択アプリ130の起動に伴い、すべてのエレベータ選択プログラムをメモリにロードし、処理実行部103A~103Dを構成してもよい。この例の場合、プログラム選択部102およびプログラム選択部102bは、構成された処理実行部103A~103Dのうち、適切なものを選択する。
実施形態1および3において、第1通信処理部104A、第2通信処理部104B、第3通信処理部104C、第4通信処理部104Dは、それぞれ、第1プログラム133A、第2プログラム133B、第3プログラム133C、第4プログラム133Dがメモリにロードされたことにより構成されてもよい。
実施形態2において、処理実行部103aは、通信処理部104を構成するためのプログラムを選択する構成であってもよい。この例の場合、記憶部13aは、第1通信処理部104A、第2通信処理部104B、第3通信処理部104C、第4通信処理部104Dのそれぞれを構成するための複数のプログラムを記憶している。スマートフォン1aは、処理実行部103aによって選択されたプログラムをメモリにロードし、通信処理部104を構成する。
実施形態3において、プログラム選択部102bは、位置情報取得部15が取得したスマートフォン1bの位置情報のみに基づいて、エレベータ選択プログラム133を選択してもよい。具体的には、プログラム選択部102bは、スマートフォン1bの位置情報に基づいて、利用者と各エレベータとの位置関係を特定し、利用者の最も近傍にあるバンクを特定する。そして、プログラム選択部102bは、特定したバンクに対応するエレベータ選択プログラム133を選択する。
実施形態3において、プログラム選択部102bは、スマートフォン1bと各エレベータシステム2との通信の電波強度を比較することにより、利用者の最も近傍にあるバンクを特定してもよい。つまり、プログラム選択部102bは、最も電波強度が高いエレベータシステム2に対応するバンクを、利用者の最も近傍にあるバンクと特定する。なお、この例において、各エレベータシステム2のアンテナは、対応する各バンクの近傍に設置されているものとする。
実施形態4において、スマートフォン1cと各エレベータシステム2との通信方式は同一であるものとして説明したが、少なくとも1つのエレベータシステム2との通信方式が、他のエレベータシステム2との通信方式と異なっていてもよい。また、スマートフォン1cと各エレベータシステム2との通信に用いられるデータフォーマットは、同一であってもよいし、少なくとも1つのエレベータシステム2との通信に用いられるデータフォーマットが、他のエレベータシステム2との通信に用いられるデータフォーマットと異なっていてもよい。
各実施形態に係るスマートフォン、および、実施形態4および5に係るスマートフォン用サーバ、外部の装置と通信する際、他の情報処理装置、例えば、ビル内に設置されたWiFiインターフェース部、を介して通信してもよい。また、各実施形態に係るスマートフォン、および、実施形態4および5に係るスマートフォン用サーバは、エレベータシステム2と通信する際、公衆通信網を介して通信してもよい。また、各実施形態に係るスマートフォン、および、実施形態4および5に係るスマートフォン用サーバは、公衆通信網を介してエレベータシステム2と通信する際、さらに、他の情報処理装置、例えば、クラウドサーバを介して通信してもよい。
なお、実施形態4および5に係るスマートフォン用サーバは、エレベータが設置された建物内にあってもよいし、該建物の外にあってもよい。前者の場合、スマートフォン1dとスマートフォン用サーバ3、3a、および3bとの通信、並びに、スマートフォン用サーバ3、3a、および3bとエレベータシステム2との通信は、WiFiなどの近距離無線通信により行われてもよいし、公衆通信網を介して行われてもよい。後者の場合、スマートフォン1dとスマートフォン用サーバ3、3a、および3bとの通信、並びに、スマートフォン用サーバ3、3a、および3bとエレベータシステム2との通信は、公衆通信網を介して行われる。
各エレベータシステム2は、1つの情報処理装置、例えば、クラウドサーバ内の機能ブロックとして実現されてもよい。つまり、各エレベータシステム2は、ある情報処理装置内に構成された複数のエレベータ制御部であってもよい。また、本開示の各エレベータシステム2は、複数のエレベータを分担して制御する複数のエレベータ制御部と表現することができる。
各エレベータシステム2が、クラウドサーバ内に構成された複数のエレベータ制御部である場合、実施形態1~3に係るスマートフォン、および、実施形態4および5に係るスマートフォン用サーバは、例えば、通信相手として特定したエレベータ制御部を示す情報を含めたデータフォーマットをクラウドサーバへ送信する。通信相手として特定したエレベータ制御部を示す情報は、例えば、各エレベータ制御部に予め設定された識別情報(ID)であってもよい。クラウドサーバの制御部(不図示)は、受信したデータフォーマットに格納された該識別情報に基づいて、いずれのエレベータ制御部に、利用者が乗るべきエレベータを特定させるか、を決定(特定)する。換言すれば、実施形態1~3に係るスマートフォン、および、実施形態4および5に係るスマートフォン用サーバは、どの識別情報をデータフォーマットに含めるかを特定することで、複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定する。
該クラウドサーバは、1つの建物のエレベータを制御する複数のエレベータ制御部を1グループとし、該グループを複数有するものであってもよい。すなわち、複数の建物それぞれのエレベータの制御が、1つのクラウドサーバから行われるように構成されていてもよい。この例の場合、データフォーマットに格納される識別情報は、建物を示す部分と、エレベータ制御部を示す部分とからなる識別情報であってもよい。
なお、実施形態4および5において、スマートフォン用サーバは、複数のエレベータ制御部が構成された情報処理装置(クラウドサーバ)内の機能ブロックとして実現されてもよい。この場合、スマートフォン用サーバに相当する機能ブロックが、受信したエレベータ利用情報に基づき、利用者が乗るべきエレベータを特定するエレベータ制御部を選択(特定)すればよい。
各実施形態では、利用者が建物内で出発階および行先階を示す情報を入力したこと、すなわち、エレベータを利用するための操作がスマートフォン1、1a~1dに入力されたことをトリガとして、エレベータ選択処理が実行される例を説明した。これに対して、エレベータ選択処理が実行されるトリガは、エレベータを利用するための操作の入力に限定されない。例えば、スマートフォン1、1a~1dは、利用者が特定の建物に入った、または、特定の建物内のエレベータに接近したことを、位置情報の取得などの方法を用いて特定したことをトリガとして、エレベータ選択処理を実行してもよい。
この変形例は、特に、利用者によるエレベータの利用が、常に同じ出発階から同じ行先階へ向かう場合(例えば、利用者の職場がある建物のエレベータの利用である場合)に有用である。すなわち、利用者は、エレベータ選択アプリの初期設定時などの、エレベータの利用より前の段階で、利用するエレベータが設置された建物、並びに、出発階および行先階を予め登録しておく。スマートフォン1、1a~1dは、例えば、利用者が該建物に入った場合、予め行われた入力、すなわち、登録されている出発階および行先階に基づき、各エレベータシステム2から、通信相手としてのエレベータシステム2を特定する。
各実施形態に係るスマートフォンは、操作画面を表示部12に表示させる前に、バンクを利用者に選択させる画面を表示部12に表示させ、利用者に利用したいエレベータのバンクを選択させてもよい。この例の場合、プログラム選択部は、利用者が選択したバンクに対応するエレベータ選択プログラム133を選択する。
各実施形態では、建物に複数のバンクがある例を説明したが、本発明に係るスマートフォンおよびエレベータ選択アプリは、建物にあるバンクが1つの場合にも適用可能である。すなわち、本発明に係るスマートフォンは、該バンクに含まれるエレベータを制御するエレベータシステムの通信方式に対応する通信処理部により、該エレベータシステムと通信することにより、エレベータ選択処理を実行する。
各実施形態において、エレベータシステム2によるエレベータの制御は、上述した呼び登録および行先階登録に限定されない。具体的には、エレベータシステム2によるエレベータの制御は、各実施形態に係るスマートフォン、または、スマートフォン用サーバが実行するアプリケーションの機能に応じたものとなる。
該アプリケーションは、例えば、利用者の行先として、建物内のテナントを選択する入力を受け付けるものであってもよい。この例における制御は、例えば、建物内のテナントとその階床との対応関係を示した情報に基づき行先階を特定し、行先階登録を行うものであってもよい。この行先階登録は、選択されたテナントがある階床へのサービスを行なっているエレベータ(バンク)に対応するエレベータシステム2が行う。また、該エレベータシステム2は、さらに、呼び登録を行なってもよい。なお、利用者による、建物内のテナントの選択は、エレベータ情報データベース100から取得する情報に、建物内のテナントとその階床との対応関係を示した情報が含まれていれば実現することができる。スマートフォンは、例えば、建物内のテナントとその階床との対応関係を示した情報に基づき、利用者に建物内のテナントを選択させるための操作画面を生成し、表示する。
また、該アプリケーションは、例えば、バンクまたはエレベータを指定する入力を受け付けるものであってもよい。この例における制御は、例えば、指定されたバンクに対応するエレベータシステム2による呼び登録、または、指定されたエレベータを含むバンクに対応するエレベータシステム2による呼び登録であってもよい。エレベータシステム2は、さらに、行先階登録を行なってもよい。あるいは、行先階の指定は、利用者がかごに乗った後に、ボタンを押下することにより行われてもよい。
エレベータ情報データベース100には、さらに、建物の名称、建物(ビル)の各フロアのレイアウト、および、曜日や時間帯に応じたサービス階の情報などが記憶されていてもよい。換言すれば、各実施形態に係るスマートフォンがエレベータ情報データベース100から取得したエレベータ情報132には、これらの情報が含まれていてもよい。
例えば、各実施形態に係るスマートフォンは、エレベータ情報132に含まれる、各フロアのレイアウトを参照して、利用者が建物内に入った際に、エントランス階のレイアウトを表示してもよい。また、各実施形態に係るスマートフォンは、利用者がエレベータを利用して別の階に移動した場合、行先階の情報とフロアのレイアウトとを参照して、行先階のレイアウトを表示してもよい。
また、例えば、各実施形態に係るスマートフォンは、エレベータ情報132に含まれる、曜日および時間帯とサービス階とを対応付けた情報(すなわち、各曜日および各時間帯で行先階として入力することができる階床を示す情報)と、現在の曜日や時刻とを参照して、操作画面に、現在行先階として入力することができる階床を示すUIのみを表示させてもよい。
各実施形態において、エレベータシステム2から提供される利用情報は、利用者が乗るべきエレベータを示す情報に限定されない。具体的には、エレベータシステム2から提供される利用情報は、各実施形態に係るスマートフォン、または、スマートフォン用サーバが実行するアプリケーションの機能に応じたものとなる。
例えば、利用情報は、利用者が乗るべきエレベータの運転状況、具体的には、かごの現在位置や、移動方向(上昇中であるか下降中であるか)などを含んでいてもよい。
また、アプリケーションが、例えば、バンクまたはエレベータを指定する入力を受け付けるものである場合、利用情報は、指定されたバンクに含まれる、利用者が乗るべきエレベータの運転状況、または、指定されたエレベータの運転状況を含んでいてもよい。
また、各実施形態では、スマートフォンまたはスマートフォン用サーバとエレベータシステムとの無線通信により、エレベータ選択処理を実行する例を説明したが、スマートフォンまたはスマートフォン用サーバとエレベータシステムとの無線通信により実行される処理は、エレベータ選択処理に限定されない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容は、以下のとおり表現することもできる。
本発明の態様1に係るプログラム(エレベータ選択アプリ130)は、エレベータを利用する利用者が携帯可能であり、前記エレベータを制御するエレベータシステム(エレベータシステム2)と無線通信を行う情報処理端末(スマートフォン1、1a、1b)によって実行されるプログラムである。前記プログラムは、前記情報処理端末に、前記利用者の入力に基づき、複数の通信方式のうち、前記エレベータシステムに対応した通信方式を選択するステップ(S53)と、選択した前記通信方式により前記エレベータシステムと前記無線通信を行うステップ(S56、S57)と、を実行させる。
本発明の態様2に係るプログラムは、前記態様1において、前記プログラムは、前記情報処理端末に、前記利用者による操作を受け付けるための操作画面を表示するステップ(S51)と、前記入力として、前記操作画面に対する前記操作を受け付けるステップ(S52)と、をさらに実行させ、前記選択するステップでは、前記操作に基づき、前記通信方式を選択し、前記操作画面は、いずれの通信方式で前記無線通信を行うかに依らず、共通であってもよい。
本発明の態様3に係るプログラムは、前記態様3において、前記エレベータシステムは、複数のエレベータを制御し、前記プログラムは、前記情報処理端末に、選択された前記通信方式による前記エレベータシステムとの前記無線通信に基づき、前記複数のエレベータのうち、前記利用者が乗るべきエレベータを前記利用者へ通知するステップ(S58)をさらに実行させてもよい。
本発明の態様4に係るプログラムは、前記態様3において、前記複数のエレベータのそれぞれは、複数の前記エレベータシステムのいずれかにより制御され、前記複数の前記エレベータシステムは、対応する前記通信方式が互いに異なり、前記無線通信を行うステップでは、前記複数の前記エレベータシステムのうち、選択された前記通信方式に対応する前記エレベータシステムと前記無線通信を行ってもよい。
本発明の態様5に係るプログラムは、前記態様3または4において、前記操作を受け付けるステップでは、前記利用者がいる出発階と、前記利用者が行きたい行先階とを入力する操作を受け付け、前記選択するステップでは、入力された前記出発階および前記行先階に基づき、前記通信方式を選択し、前記無線通信を行うステップでは、選択した前記通信方式に対応する前記エレベータシステムに前記出発階および前記行先階を示す情報を送信し、前記利用者が乗るべきエレベータを示す情報を受信してもよい。
本発明の態様6に係るプログラムは、前記態様5において、前記情報端末に、前記利用者と、各エレベータとの位置関係を特定するステップをさらに実行させ、前記選択するステップでは、特定した前記位置関係にも基づき、前記通信方式を選択してもよい。
本発明の態様7に係るプログラムは、前記態様1から6のいずれかにおいて、複数の前記エレベータシステムの前記通信方式は、通信規格、通信プロトコル、およびデータフォーマットの少なくともいずれかが異なるものであってもよい。
本発明の態様8に係るプログラム(エレベータ選択アプリ130c)は、エレベータを利用する利用者が携帯可能であり、前記エレベータを利用するための操作を受け付ける操作入力部(入力部11a)を有する情報処理端末(スマートフォン1c)によって実行されるプログラムである。前記プログラムは、前記情報処理端末に、前記操作入力部への入力に基づき、複数のエレベータを分担して制御する複数のエレベータ制御部(エレベータシステム2)から1つのエレベータ制御部を特定するステップ(S1703)と、特定されたエレベータ制御部と、前記利用者による前記エレベータの利用のための情報伝達を行うステップ(S1705、S1706)とを実行させる。
本発明の態様9に係るプログラム(エレベータ選択プログラム)は、情報処理装置(スマートフォン用サーバ3、3a、3b)によって実行されるプログラムである。前記プログラムは、前記情報処理装置に、エレベータを利用する利用者が携帯可能である情報処理端末(スマートフォン1d)への、前記利用者による入力に基づく、前記エレベータの利用に関するエレベータ利用情報を受信するステップ(S2311)と、受信した前記エレベータ利用情報に基づき、複数のエレベータを分担して制御する複数のエレベータ制御部(エレベータシステム2)から1つのエレベータ制御部を特定するステップ(S2313)と、特定されたエレベータ制御部との間で、前記利用者による前記エレベータの利用のための情報伝達を行うステップ(S2315、S2316)と、特定されたエレベータ制御部から受信した、前記エレベータの利用のための情報を、前記情報処理端末へ送信するステップ(S2317)とを実行させる。
(小括)
以上のように、本発明の一態様に係るエレベータ利用システムは、複数のエレベータを分担して制御する複数のエレベータ制御部と、前記エレベータを利用する利用者が携帯可能であり、前記エレベータを利用するための操作を受け付ける操作入力部を有する情報処理端末と、前記操作入力部への入力に基づき、前記複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定する特定部と、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部と、前記情報処理端末との間で、前記利用者による前記エレベータの利用のための情報伝達を行う情報伝達部と、を備える。
上記の構成によれば、エレベータ利用システムは複数のエレベータ制御部(例えば、複数のエレベータシステム)を備えている。そして、操作入力部への利用者の入力に基づき、複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定し、特定したエレベータ制御部と情報伝達部との間で情報伝達を行う。よって、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、利用者の入力に基づく無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記エレベータ制御部は、前記入力に応じて前記エレベータを制御してもよい。
上記の構成によれば、入力と制御との組み合わせにより、利用者にとって適切なエレベータの運転を実現することができる。例えば、利用者が行先階および出発階を情報処理端末に入力することにより、エレベータ(のかご)の呼び登録および行先階登録をし、かごの移動を制御することができる。これにより、利用者は情報処理端末への入力のみで、エレベータを利用して行先階へ行くことができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記エレベータ制御部は、前記入力の内容に応じて生成した利用情報を前記情報処理端末へ提供してもよい。
上記の構成によれば、入力に対する利用情報の提供により、利用者の利便性向上を実現することができる。例えば、利用者が行先階および出発階を情報処理端末に入力することにより、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を情報処理端末に提供することができる。情報処理端末が、この情報を示す画像を利用者に通知することにより、利用者は、自身が乗るべきエレベータを認識することができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記特定部および前記情報伝達部は、前記情報処理端末内に構成されてもよい。
上記の構成によれば、特定部および情報伝達部が情報処理端末内に構成されるので、情報処理端末とエレベータ制御部(例えば、エレベータ制御システム)とを備えることで、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、利用者の入力に基づく無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記複数のエレベータ制御部は、それぞれ異なるコンピュータによって実現され、前記情報処理端末は、前記複数のエレベータ制御部との間で行う上記情報伝達を、通信相手によって通信方式が異なる無線通信により行い、各通信方式に対応した複数の通信処理部を備えるとともに、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部に応じて前記複数の通信処理部のうち使用する通信処理部を選択する。
上記の構成によれば、複数のエレベータ制御部において、エレベータ制御部(および、該エレベータ制御部が制御するエレベータ)の製造元がそれぞれ異なるなどにより通信方式が異なるような場合に、利用者が通信方式の変更操作をしなければならない煩わしさを回避することができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記特定部および前記情報伝達部の両方または一方を構成するとともに、前記複数のエレベータ制御部および前記情報処理端末との間で情報通信を行う情報処理装置をさらに含んでもよい。
上記の構成によれば、エレベータ利用システムは、特定部および情報伝達部の少なくとも一方を構成する情報処理装置を含むため、情報処理端末の処理負担を軽減することができる。また、情報処理装置を、特定部および情報伝達部の両方を構成するものとすれば、情報処理端末は、利用者の操作入力を実現するための構成を備えていればよい。すなわち、情報処理端末の構成を、複数のエレベータ制御部がどのようなものであるか(例えば、製造元が同じであるか否かなど)に関わらず、共通のものとすることができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記操作入力部における前記操作、および前記特定部における前記特定を行うために必要な情報であって、前記複数のエレベータ制御部それぞれに対応する複数種類のエレベータ情報を記憶する情報記憶部をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、操作および特定のために必要な情報を記憶しているため、利用者が利用しようとしているエレベータの状況(例えば、エレベータが設置された建物、エレベータやバンクの数など)に応じた、適切な処理を実現することができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記情報記憶部を構成するとともに、前記情報処理端末との間で前記エレベータ情報の情報通信を行う情報記憶装置をさらに含んでもよい。
上記の構成によれば、操作および特定のために必要な情報を情報処理端末や情報処理装置に格納しておく必要が無いため、情報処理端末および情報処理装置のデータ容量を抑えることができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記情報処理端末は、前記情報記憶装置から前記エレベータ情報を取得する取得部と、取得した前記エレベータ情報に基づき前記利用者に前記操作を行わせるための操作画面を生成する画面生成部とを備えてもよい。
上記の構成によれば、エレベータ情報に基づいて操作画面を生成するため、利用者が利用しようとしているエレベータの状況に応じた、適切な操作画面を生成することができる。
また、本発明の一態様に係る情報処理端末は、エレベータを利用する利用者が携帯可能であり、前記エレベータを利用するための操作を受け付ける操作入力部を有する情報処理端末であって、前記操作入力部への入力に基づき、複数のエレベータを分担して制御する複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定する特定部と、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部と、前記利用者による前記エレベータの利用のための情報伝達を行う情報伝達部と、を備える。
上記の構成によれば、エレベータ利用システムは複数のエレベータ制御部(例えば、複数のエレベータシステム)を備えている。そして、情報処理端末は、操作入力部への利用者の入力に基づき、複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定し、特定したエレベータ制御部との間で情報伝達を行う。よって、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、情報処理端末が行う無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、エレベータを利用する利用者が携帯可能である情報処理端末への、前記利用者による入力に基づく、前記エレベータの利用に関するエレベータ利用情報を受信する受信部と、受信した前記エレベータ利用情報に基づき、複数のエレベータを分担して制御する複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定する特定部と、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部と、前記利用者による前記エレベータの利用のための情報伝達を行う情報伝達部と、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部から受信した、前記エレベータの利用のための情報を、前記情報処理端末へ送信する送信部と、を備える。
上記の構成によれば、エレベータ利用システムは複数のエレベータ制御部(例えば、複数のエレベータシステム)を備えている。そして、情報処理装置は、情報処理端末への利用者の入力に基づくエレベータ利用情報を受信して、複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定し、特定したエレベータ制御部との間で情報伝達を行う。情報処理装置は、特定したエレベータ制御部から受信した情報を、情報処理端末へ送信する。よって、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、情報処理装置が行う無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
また、本発明の一態様に係る情報処理端末は、エレベータを利用する利用者が携帯可能であり、前記エレベータを制御するエレベータシステムと無線通信を行う情報処理端末であって、前記無線通信における通信方式が互いに異なる複数の前記エレベータシステムそれぞれに対応した複数の通信処理部と、前記情報処理端末への入力に基づき、前記複数の通信処理部のうちのいずれかを選択する選択部と、を備え、前記選択部により選択された前記通信処理部は、対応する前記エレベータシステムと前記無線通信を行う。
上記の構成によれば、情報処理端末への入力に基づいて通信処理部を選択し、該選択した通信処理部で対応するエレベータと通信するので、利用者が、エレベータの通信方式の違いを意識する必要が無い。よって、利用者にとって利便性の高い情報処理端末を提供することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記利用者による操作を受け付ける操作入力部と、前記利用者に前記操作を行わせるための操作画面を生成する画面生成部と、をさらに備え、前記選択部は、前記操作に基づき、前記複数の通信処理部のうちのいずれかを選択し、前記操作画面は、前記複数の通信処理部のうちのいずれで前記無線通信を行うかに依らず、共通であってもよい。
上記の構成によれば、操作画面が、いずれの通信処理部で無線通信を行うかに依らず共通であるため、ユーザにとって利用しやすい、すなわち、通信方式の違いを意識することなく操作することができる情報処理端末を提供することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記複数のエレベータシステムは、それぞれ、複数のエレベータを含み、前記選択部により選択された前記通信処理部と、該通信処理部と対応する前記エレベータシステムとの前記無線通信に基づき、前記複数のエレベータのうち、前記利用者が乗るべきエレベータを前記利用者へ通知する通知部と、をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、利用者は、エレベータの通信方式の違いを意識することなく、どのエレベータに乗るべきかを認識することができる。特に、1つの建物に、通信方式の異なる複数のエレベータシステムがある場合、どのエレベータに乗る場合であっても、利用者は、通信方式の違いを意識せずに、情報処理端末を利用することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記操作は、前記利用者がいる出発階と、前記利用者が行きたい行先階とを入力する操作であり、前記選択部は、入力された前記出発階および前記行先階に基づき、前記複数の通信処理部のうちのいずれかを選択し、前記選択部により選択された前記通信処理部は、前記無線通信により、対応する前記エレベータシステムに前記出発階および前記行先階を送信し、前記利用者が乗るべきエレベータを示す情報を受信してもよい。
上記の構成によれば、利用者は、エレベータの通信方式の違いを意識せずに出発階と行先階を入力するだけで、どのエレベータに乗るべきかを認識することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記利用者と、各エレベータとの位置関係を特定する位置関係特定部をさらに備え、前記選択部は、前記位置関係特定部が特定した前記位置関係にも基づき、前記複数の通信処理部のうちのいずれかを選択してもよい。
上記の構成によれば、出発階および行先階で通信処理部を選択できない(例えば、その出発階および行先階をサービスしているバンクが複数ある)場合であっても、適切な通信処理部を選択することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記複数のエレベータシステムそれぞれの前記無線通信における前記通信方式は、通信規格、通信プロトコル、およびデータフォーマットの少なくともいずれかが異なるものであってもよい。
上記の構成によれば、複数のエレベータシステムそれぞれの無線通信の通信方式は、通信規格、通信プロトコル、およびデータフォーマットの少なくともいずれかが異なるため、選択した通信処理部が、対応するエレベータシステムのみと無線通信を行う構成を実現することができる。
(小括2)
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るエレベータ利用システムは、複数のエレベータを分担して制御する複数のエレベータ制御部と、前記エレベータを利用する利用者が携帯可能であり、前記エレベータを利用するための操作を受け付ける操作入力部を有する情報処理端末と、前記操作入力部への入力に基づき、前記複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定する特定部と、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部と、前記情報処理端末との間で、前記利用者による前記エレベータの利用のための情報伝達を行う情報伝達部と、を備え、前記特定部および前記情報伝達部は、前記情報処理端末内に構成され、前記複数のエレベータ制御部は、それぞれ異なるコンピュータによって実現され、前記情報伝達部は、無線通信における通信方式が互いに異なる複数の通信処理部であって、前記通信方式が、前記複数のエレベータ制御部のうちのいずれかと対応している複数の通信処理部を含むとともに、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部に応じて前記複数の通信処理部のうち使用する通信処理部を選択する。
上記の構成によれば、エレベータ利用システムは複数のエレベータ制御部(例えば、複数のエレベータシステム)を備えている。そして、操作入力部への利用者の入力に基づき、複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定し、特定したエレベータ制御部と情報伝達部との間で情報伝達を行う。よって、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、利用者の入力に基づく無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
また、上記の構成によれば、特定部および情報伝達部が情報処理端末内に構成されるので、情報処理端末とエレベータ制御部(例えば、エレベータ制御システム)とを備えることで、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、利用者の入力に基づく無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
また、上記の構成によれば、複数のエレベータ制御部において、エレベータ制御部(および、該エレベータ制御部が制御するエレベータ)の製造元がそれぞれ異なるなどにより通信方式が異なるような場合に、利用者が通信方式の変更操作をしなければならない煩わしさを回避することができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記エレベータ制御部は、前記入力に応じて前記エレベータを制御してもよい。
上記の構成によれば、入力と制御との組み合わせにより、利用者にとって適切なエレベータの運転を実現することができる。例えば、利用者が行先階および出発階を情報処理端末に入力することにより、エレベータ(のかご)の呼び登録および行先階登録をし、かごの移動を制御することができる。これにより、利用者は情報処理端末への入力のみで、エレベータを利用して行先階へ行くことができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記エレベータ制御部は、前記入力の内容に応じて生成した利用情報を前記情報処理端末へ提供してもよい。
上記の構成によれば、入力に対する利用情報の提供により、利用者の利便性向上を実現することができる。例えば、利用者が行先階および出発階を情報処理端末に入力することにより、利用者が乗るべきエレベータを示す情報を情報処理端末に提供することができる。情報処理端末が、この情報を示す画像を利用者に通知することにより、利用者は、自身が乗るべきエレベータを認識することができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記特定部および前記情報伝達部は、前記情報処理端末内に構成されてもよい。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記特定部および前記情報伝達部の両方または一方を構成するとともに、前記複数のエレベータ制御部および前記情報処理端末との間で情報通信を行う情報処理装置をさらに含んでもよい。
上記の構成によれば、エレベータ利用システムは、特定部および情報伝達部の少なくとも一方を構成する情報処理装置を含むため、情報処理端末の処理負担を軽減することができる。また、情報処理装置を、特定部および情報伝達部の両方を構成するものとすれば、情報処理端末は、利用者の操作入力を実現するための構成を備えていればよい。すなわち、情報処理端末の構成を、複数のエレベータ制御部がどのようなものであるか(例えば、製造元が同じであるか否かなど)に関わらず、共通のものとすることができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記操作入力部における前記操作、および前記特定部における前記特定を行うために必要な情報であって、前記複数のエレベータ制御部それぞれに対応する複数種類のエレベータ情報を記憶する情報記憶部をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、操作および特定のために必要な情報を記憶しているため、利用者が利用しようとしているエレベータの状況(例えば、エレベータが設置された建物、エレベータやバンクの数など)に応じた、適切な処理を実現することができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記情報記憶部を構成するとともに、前記情報処理端末との間で前記エレベータ情報の情報通信を行う情報記憶装置をさらに含んでもよい。
上記の構成によれば、操作および特定のために必要な情報を情報処理端末や情報処理装置に格納しておく必要が無いため、情報処理端末および情報処理装置のデータ容量を抑えることができる。
本発明の一態様に係るエレベータ利用システムにおいて、前記情報処理端末は、前記情報記憶装置から前記エレベータ情報を取得する取得部と、取得した前記エレベータ情報に基づき前記利用者に前記操作を行わせるための操作画面を生成する画面生成部とを備えてもよい。
上記の構成によれば、エレベータ情報に基づいて操作画面を生成するため、利用者が利用しようとしているエレベータの状況に応じた、適切な操作画面を生成することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理端末は、エレベータを利用する利用者が携帯可能であり、前記エレベータを利用するための操作を受け付ける操作入力部を有する情報処理端末であって、前記操作入力部への入力に基づき、複数のエレベータを分担して制御する複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定する特定部と、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部と、前記利用者による前記エレベータの利用のための情報伝達を行う情報伝達部と、を備え、前記複数のエレベータ制御部は、それぞれ異なるコンピュータによって実現され、前記情報伝達部は、無線通信における通信方式が互いに異なる複数の通信処理部であって、前記通信方式が、前記複数のエレベータ制御部のうちのいずれかと対応している複数の通信処理部を含むとともに、前記特定部によって特定されたエレベータ制御部に応じて前記複数の通信処理部のうち使用する通信処理部を選択する。
上記の構成によれば、エレベータ利用システムは複数のエレベータ制御部(例えば、複数のエレベータシステム)を備えている。そして、情報処理端末は、操作入力部への利用者の入力に基づき、複数のエレベータ制御部から1つのエレベータ制御部を特定し、特定したエレベータ制御部との間で情報伝達を行う。よって、複数のエレベータ制御システムが設置されている状況において、情報処理端末が行う無線通信の送信先となるエレベータ制御システムを適切に特定し、情報処理端末とエレベータ制御システムとの間で適切な情報伝達を行うことができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理端末は、エレベータを利用する利用者が携帯可能であり、前記エレベータを制御するエレベータシステムと無線通信を行う情報処理端末であって、前記無線通信における通信方式が互いに異なる複数の通信処理部であって、前記通信方式が、複数の前記エレベータシステムのうちのいずれかの通信方式と同一である複数の通信処理部と、前記情報処理端末への入力に基づき、前記複数の通信処理部のうちのいずれかを選択する選択部と、を備え、前記選択部により選択された前記通信処理部は、対応する前記エレベータシステムと前記無線通信を行う。
上記の構成によれば、情報処理端末への入力に基づいて通信処理部を選択し、該選択した通信処理部で対応するエレベータと通信するので、利用者が、エレベータの通信方式の違いを意識する必要が無い。よって、利用者にとって利便性の高い情報処理端末を提供することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記利用者による操作を受け付ける操作入力部と、前記利用者に前記操作を行わせるための操作画面を生成する画面生成部と、をさらに備え、前記選択部は、前記操作に基づき、前記複数の通信処理部のうちのいずれかを選択し、前記操作画面は、前記複数の通信処理部のうちのいずれで前記無線通信を行うかに依らず、共通であってもよい。
上記の構成によれば、操作画面が、いずれの通信処理部で無線通信を行うかに依らず共通であるため、ユーザにとって利用しやすい、すなわち、通信方式の違いを意識することなく操作することができる情報処理端末を提供することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記複数のエレベータシステムは、それぞれ、複数のエレベータを含み、前記選択部により選択された前記通信処理部と、該通信処理部と対応する前記エレベータシステムとの前記無線通信に基づき、前記複数のエレベータのうち、前記利用者が乗るべきエレベータを前記利用者へ通知する通知部と、をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、利用者は、エレベータの通信方式の違いを意識することなく、どのエレベータに乗るべきかを認識することができる。特に、1つの建物に、通信方式の異なる複数のエレベータシステムがある場合、どのエレベータに乗る場合であっても、利用者は、通信方式の違いを意識せずに、情報処理端末を利用することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記操作は、前記利用者がいる出発階と、前記利用者が行きたい行先階とを入力する操作であり、前記選択部は、入力された前記出発階および前記行先階に基づき、前記複数の通信処理部のうちのいずれかを選択し、前記選択部により選択された前記通信処理部は、前記無線通信により、対応する前記エレベータシステムに前記出発階および前記行先階を送信し、前記利用者が乗るべきエレベータを示す情報を受信してもよい。
上記の構成によれば、利用者は、エレベータの通信方式の違いを意識せずに出発階と行先階を入力するだけで、どのエレベータに乗るべきかを認識することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記利用者と、各エレベータとの位置関係を特定する位置関係特定部をさらに備え、前記選択部は、前記位置関係特定部が特定した前記位置関係にも基づき、前記複数の通信処理部のうちのいずれかを選択してもよい。
上記の構成によれば、出発階および行先階で通信処理部を選択できない(例えば、その出発階および行先階をサービスしているバンクが複数ある)場合であっても、適切な通信処理部を選択することができる。
本発明の一態様に係る情報処理端末において、前記複数のエレベータシステムそれぞれの前記無線通信における前記通信方式は、通信規格、通信プロトコル、およびデータフォーマットの少なくともいずれかが異なるものであってもよい。
上記の構成によれば、複数のエレベータシステムそれぞれの無線通信の通信方式は、通信規格、通信プロトコル、およびデータフォーマットの少なくともいずれかが異なるため、選択した通信処理部が、対応するエレベータシステムのみと無線通信を行う構成を実現することができる。