JP7230774B2 - 自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機に関する。
一般に、車両に搭載される自動変速機は、変速歯車機構と、該変速歯車機構の動力伝達経路を切り換えることにより複数の変速段を実現する摩擦締結装置と、を備えている。摩擦締結装置には、一対の回転要素の間で動力を断続するクラッチと、1つの回転要素の回転を固定するブレーキと、が含まれている。
クラッチは、複数の摩擦板を有する多板クラッチであって、回転部材として、一部の摩擦板をその外周で軸方向に移動可能にスプラインによって係合するとともに変速機の所定の回転要素に結合されるドラム部材と、その他の摩擦板をその内周で軸方向に移動可能にスプラインによって係合するとともに変速機の他の所定の回転要素に結合されるハブ部材と、を備えている。また、ブレーキも、クラッチと同様の構成を有しているが、ドラム部材及びハブ部材の一方が変速機ケースに対して固定されている点で異なる。
近年、車両の燃費性能の向上のため、自動変速機の軽量化が検討されており、上記回転部材のアルミニウム化による軽量化が考えられている。ところが、回転部材のうち回転要素との間で動力を授受する動力伝達部は、変速機の回転中心軸側に設けられる場合が多く、そのため、摩擦板がスプライン係合される外周部に比べて接線荷重が大きくなり、アルミニウム材では強度が不足するおそれがある。
これに対して、動力伝達部を鉄材で形成し、その他の部分をアルミニウム材で形成し、これらを接合することも考えられる。しかしながら、材料の異なる鉄材とアルミニウム材とを溶接により接合することは困難であり、例えば特許文献1に開示されるメカニカルクリンチによるカシメ部によって接合することが考えられる。
メカニカルクリンチによるカシメ部は、一方側の部材から他方側の部材へと凹設されて形成されるので、カシメ部の周辺に変形が生じやすい。具体的には、一方側の部材の方が、他方側の部材に比して凹部へ引き込まれやすく、一方側への反りが生じやすい。
これに対して、特許文献1には、メカニカルクリンチによるカシメ部が長手状の接合領域に複数並んで形成されている場合において、複数のカシメ部のうち少なくとも1点が、他のカシメ部とは逆方向からカシメることが開示されている。これによって、逆方向からカシメられたカシメ部による変形が、他のカシメ部により生じる反りを打ち消し、部材の反りが低減されるようになっている。
特開2019-104018号公報
自動変速機における回転部材を、アルミニウム材から形成された円筒状の外側回転部材と、この内径側に位置しており鉄材から形成された内側回転部材とで構成し、これらをそれぞれから径方向に延びる延設部においてメカニカルクリンチによるカシメ部で軸方向に接合する場合、外側回転部材の円筒状の周部に変形が生じやすい。
具体的には、径方向に延びる延設部において、カシメ部は、回転部材の中心軸線を中心とする円周上に複数設けられる。複数のカシメ部は、円周上に並んでいるので、直線上に並ぶ場合のように端部が存在せず、端部へ向かってカシメ部による反りが積み重なることがない。よって、特許文献1に開示されるカシメ部を適用するまでもなく、カシメ部が並ぶ周方向における反りは生じにくい。
しかしながら、カシメ部による変形は、カシメ部を中心とする径方向に広がるため、円筒状の部材の径方向に延びる延設部に適用した場合には、延設部に径方向における反りが生じやすく、この結果、円筒部に変形が生じやすい。
本発明は、クラッチ又はブレーキの一部を構成する回転部材を、異なる材料の部材をメカニカルクリンチによるカシメ部により軸方向に接合することによって形成しつつ、回転部材の円筒部における変形を抑制することができる自動変速機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本願発明は次のように構成したことを特徴とする。
本発明は、
少なくとも1つの回転要素を含む一対の部材の間で動力を伝達する回転部材を備えた、自動変速機であって、
前記回転部材は、外側回転部材と、この内径側に位置する内側回転部材とを含んでおり、
前記外側回転部材は、円筒状に形成された周部で前記一対の部材のうち一方の部材との間で動力を授受する外側動力伝達部と、前記外側動力伝達部から内径側に延びる外側延設部とを有しており、
前記内側回転部材は、前記外側回転部材とは異なる材料から形成されており、前記一対の部材のうち他方の部材との間で動力を授受する内側動力伝達部と、前記内側動力伝達部から外径側に延びる内側延設部とを有しており、
前記回転部材は、前記外側延設部と前記内側延設部とが前記自動変速機の軸方向に互いにメカニカルクリンチによるカシメ部により接合されてなる延設部によって連結されており、
前記カシメ部は、前記回転部材の回転軸線と同芯円状に並ぶ複数の内側カシメ部と、このさらに外径側に同芯円状に並ぶ複数の外側カシメ部とを含んでおり、
前記軸方向において、前記内側カシメ部におけるカシメ方向と、前記外側カシメ部におけるカシメ方向とが反対である。
本発明によれば、延在部における内側カシメ部による変形と外側カシメ部による変形とが互いに反対方向となるため相殺される。よって、円筒部の変形が抑制される。
好ましくは、前記複数の外側カシメ部のそれぞれは、前記回転軸線を中心として、前記複数の内側カシメ部のそれぞれと同じ周方向位置に位置している。
本構成によれば、複数の内側カシメ部それぞれから回転軸線を中心として外側動力伝達部へ向かう変形の影響が、この放射線上の外径側にそれぞれ位置する外側カシメ部による変形によって相殺される。よって、外側動力伝達部の変形が抑制される。
好ましくは、前記複数の外側カシメ部のそれぞれは、前記回転軸線を中心として、前記複数の内側カシメ部のそれぞれと異なる周方向位置に位置している。
本構成によれば、外側カシメ部を、内側カシメ部との干渉を防止しつつ、径方向内側に配置しやすい。これによって、カシメ部を径方向にコンパクトに構成できる。
好ましくは、前記複数の外側カシメ部のそれぞれは、前記回転軸線を中心として、前記複数の内側カシメ部のうち周方向に隣接する2つの内側カシメ部の周方向の中央位置と同じ周方向位置に位置している。
本構成によれば、外側カシメ部を、内側カシメ部との干渉をより一層防止しやすく、より一層径方向内側に配置しやすい。さらに、内側カシメ部と外側カシメ部との周方向に均一に配置しやすい。よって、カシメ部をさらに径方向にコンパクトに構成しつつ、円筒部の変形を周方向に均一に抑制しやすい。
好ましくは、前記外側回転部材は、前記内側回転部材よりも比重が小さい。
本構成によれば、回転部材のイナーシャを低減しやすい。これによって、例えば、当該自動変速機が車両に搭載されて内燃機関からの出力の変速に用いられる場合に、車両の燃費性能を向上させることができる。
好ましくは、前記外側回転部材は、アルミニウム材であり、
前記内側回転部材は、鉄材である。
本構成によれば、外側回転部材は、外径側に位置しているため耐ねじりトルクを高めやすく、材料強度が相対的に低いアルミニウム材であっても、耐ねじりトルクを確保できる。一方、内側回転部材は、内径側に位置しているため耐ねじりトルクを高めにくく、材料強度が相対的に高い鉄製とすることで耐ねじりトルクを確保している。よって、回転部材の耐ねじりトルクを確保しつつイナーシャを低減できる。
本発明に係る自動変速機によれば、クラッチ又はブレーキの一部を構成する回転部材を、異なる材料の部材をメカニカルクリンチによるカシメ部により軸方向に接合することによって形成しつつ、回転部材の円筒部における変形を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る自動変速機の骨子図。 自動変速機の摩擦締結要素の締結表。 第3クラッチ及びその周辺の断面図。 図3のA矢視による第1回転部材の単体図。 図4のV-V線における断面図。 図4と同様の変形例に係る第1回転部材の単体図。 図4と同様のさらなる変形例に係る第1回転部材の単体図。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動変速機の骨子図である。この自動変速機1は、変速機ケース2内に、駆動源に連結されて駆動源側(図の左側)に配設された入力軸3と、反駆動源側(図の右側)に配設された出力軸4とを有している。自動変速機1は、入力軸3と出力軸4とが同一軸線O1上に配置されたフロントエンジン・リヤドライブ車用等の縦置き式のものである。以下の説明では、軸線O1が延びる方向を軸方向Zと称し、軸方向Zにおいて、駆動源側へ向かう方向を軸方向Z1、反駆動源側へ向かう方向を軸方向Z2と称する。
入力軸3及び出力軸4の軸心上には、軸方向Z2側へ向かって、第1、第2、第3、第4プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3、第4ギヤセット」という)PG1、PG2、PG3、PG4が配設されている。
変速機ケース2内において、第1ギヤセットPG1の軸方向Z1側に第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、及び第3クラッチCL3が、軸方向Z1側へ向かって順に配設されている。第3クラッチCL3の軸方向Z1側に第1ブレーキBR1が配設されている。第3ギヤセットPG3と第2ギヤセットPG2との間に第2ブレーキBR2が配設されている。
第1、第2、第3、第4ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4は、いずれも、キャリヤに支持されたピニオンがサンギヤとリングギヤに直接噛合するシングルピニオン型である。第1、第2、第3、第4ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4はそれぞれ、回転要素として、サンギヤS1、S2、S3、S4と、リングギヤR1、R2、R3、R4と、キャリヤC1、C2、C3、C4とを有している。
第1ギヤセットPG1は、サンギヤS1が軸方向に2分割されたダブルサンギヤ型である。サンギヤS1は、軸方向Z1側に配置された第1サンギヤS1aと、軸方向Z2側に配置された第2サンギヤS1bとを有している。第1及び第2サンギヤS1a、S1bは、同一歯数を有し、キャリヤC1に支持された同一ピニオンに噛合する。これにより、第1及び第2サンギヤS1a、S1bは、常に同一回転する。
自動変速機1では、第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第2サンギヤS1bと第4ギヤセットPG4のサンギヤS4とが常時連結されている。第1ギヤセットPG1のリングギヤR1と第2ギヤセットPG2のサンギヤS2とが常時連結されている。第2ギヤセットPG2のキャリヤC2と第4ギヤセットPG4のキャリヤC4とが常時連結されている。第3ギヤセットPG3のキャリヤC3と第4ギヤセットPG4のリングギヤR4とが常時連結されている。
入力軸3は、第1ギヤセットPG1のキャリヤC1に第1サンギヤS1a及び第2サンギヤS1bの間を通じて常時連結されている。出力軸4は、第4ギヤセットPG4のキャリヤC4に常時連結されている。
第1クラッチCL1は、入力軸3及び第1ギヤセットPG1のキャリヤC1と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。第2クラッチCL2は、第1ギヤセットPG1のリングギヤR1及び第2ギヤセットPG2のサンギヤS2と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設され、これらを断接するようになっている。第3クラッチCL3は、第2ギヤセットPG2のリングギヤR2と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
第1ブレーキBR1は、変速機ケース2と第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第1サンギヤS1aとの間に配設されて、これらを断接するようになっている。第2ブレーキBR2は、変速機ケース2と第3ギヤセットPG3のリングギヤR3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
以上の構成により、図2に示すように、自動変速機1は、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第1ブレーキBR1、第2ブレーキBR2の締結状態の組み合わせによって、Dレンジでの1~8速と、Rレンジでの後退速とが構成されるようになっている。
図3は、第3クラッチCL3及び第2ギヤセットPG2の周辺を示す断面図であり、入力軸3(図1参照)を中心として径方向の一方側(図1において上側)のみが示されている。
図3に示されるように、第3クラッチCL3は、クラッチハブ10と、この外周側に同芯状に配置されたクラッチドラム20と、これらの径方向間に配設された複数の摩擦板6と、複数の摩擦板6を軸方向Z1へ押接するピストン部7と、を備えている。また、第3クラッチCL3は、クラッチハブ10を第3ギヤセットPG3のサンギヤS3(図1参照)に連結する第1回転部材30と、クラッチドラム20を第2ギヤセットPG2のリングギヤR2に連結する第2回転部材40とを備えている。
第2回転部材40は、第1回転部材30の内径側に位置しており、後述する第1延設部39及び第2延設部49において互いに軸方向Zに隣接している。
クラッチハブ10は、軸線O1を中心とする円筒状のハブ第1円筒部11と、この外周側に同芯状に位置する円筒状のハブ第2円筒部13と、ハブ第1円筒部11及びハブ第2円筒部13の軸方向Z1側の端部を径方向に接続するハブ縦壁部15とを有している。
ハブ第1円筒部11の外周部には、複数の摩擦板6のうち一部の摩擦板6a(以下ハブ側摩擦板と称する)が、軸方向Zに移動可能に係合されるハブ第1スプライン部12が形成されている。ハブ第2円筒部13の外周部には、第1回転部材30との間で動力を授受するハブ第2スプライン部14が形成されている。
クラッチドラム20は、ハブ第1円筒部11の外径側であって、ハブ第2円筒部13の内径側に位置するドラム円筒部21を有している。ドラム円筒部21は、軸線O1を中心とする円筒状に形成されている。ドラム円筒部21の内周部には、複数の摩擦板6のうち残りの摩擦板6b(以下ドラム側摩擦板と称する)が、軸方向Zに移動可能に係合されるドラムスプライン部22が形成されている。
摩擦板6は、ハブ側摩擦板6aとドラム側摩擦板6bとが、軸方向Zに交互に並ぶように配設されている。ピストン部7は、不図示のシリンダに供給される作動油圧によって軸方向Zへ往復運動する。ピストン部7が軸方向Z1へ移動すると、複数の摩擦板6は、ピストン部7の先端押圧部7aとハブ縦壁部15との間に挟持され、第3クラッチCL3は締結状態となる。一方、ピストン部7が軸方向Z2へ移動すると、複数の摩擦板6は、締結状態が解放され、第3クラッチCL3は解放状態となる。
第1回転部材30は、外径側に位置する第1外側回転部材31と、この内径側に位置する第1内側回転部材36とを有しており、これらが後述するメカニカルクリンチにより接合されて構成されている。第1外側回転部材31及び第1内側回転部材36は、互いに異なる材料から形成されている。具体的には、第1外側回転部材31は相対的に比重が小さい材料(例えばアルミニウム材又はマグネシウム材)から形成されており、第1内側回転部材36は相対的に比重が大きい材料(例えば鉄材)から形成されている。
第1外側回転部材31は、軸線O1に対して同芯状に延びる第1外側円筒部32と、第1外側円筒部32の軸方向Z2側の端部から屈曲して内径側に延びる第1外側延設部33とを有している。また、第1外側円筒部32の軸方向Z1側の端部の内周部には、クラッチハブ10のハブ第2スプライン部14に係合され、クラッチハブ10との間で動力を授受する第1外側スプライン部34が形成されている。すなわち、第1外側円筒部32は、本発明に係る第1外側動力伝達部を構成する。
第1内側回転部材36は、第2ブレーキBR2と第2ギヤセットPG2との間を径方向に延びる第1内側延設部37と、軸線O1を中心とする円筒状に形成された第1内側円筒部38とを有している。第1内側延設部37は、鉄材を展伸加工して円環状に形成された板状部材である。
第1内側円筒部38は、鉄材を鍛造加工して形成されており、軸方向Z1側の端部に径方向に延びるフランジ部38aを有しており、軸方向Z2側の外周部に第3ギヤセットPG3のサンギヤS3の内周部(図1参照)にスプライン係合されサンギヤS3との間で動力を授受する第1内側スプライン部(不図示)が形成されている。すなわち、第1内側円筒部38は、本発明に係る第1内側動力伝達部を構成する。
第1内側回転部材36は、第1内側延設部37と第1内側円筒部38のフランジ部38aとを径方向に突き合わせて溶接されて構成されている。第1内側回転部材36のうち、形状の単純な第1内側延設部37を延伸材で構成し、形状の複雑な第1内側円筒部38を鍛造材で構成することによって、全体を鉄材で構成しつつも、例えば全体を鍛造で形成する場合のような加工コストの増大が抑制されている。
図3のB部拡大図に示すように、第1内側延設部37は、第1外側延設部33に対して当接領域X1において、軸方向Z2側から当接している。第1外側回転部材31及び第1内側回転部材36は、当接領域X1において、メカニカルクリンチによるカシメ部50によって軸方向Zに機械的に接合されている。第1外側延設部33と第1内側延設部37とは、互いに接合されて第1延設部39を構成している。第1延設部39は、軸方向Zにおいて、第2ブレーキBR2と第2ギヤセットPG2との間に位置しており、径方向に延びている。
図4は、図3のA矢視による第1回転部材30の単体正面図である。図4に示されるように、当接領域X1は、点線によるハッチングを付して示されており、軸線O1の周りに径方向幅寸法L1を有する円環状に形成されている。カシメ部50は、当接領域X1において、内側カシメ部51と、外径側に位置する外側カシメ部52とによって、構成されている。
内側カシメ部51は、軸線O1を中心とする仮想円C1上の複数箇所に略等間隔で形成されている。外側カシメ部52は、仮想円C1と同芯であってこの外径側に位置する仮想円C2上の複数箇所に略等間隔で形成されている。複数の内側カシメ部51のそれぞれと、複数の外側カシメ部52のそれぞれはとは、軸線O1を中心とする、同じ周方向位置(角度位置)に位置している。換言すれば、複数の内側カシメ部51の1つと軸線O1とを通る直線が、この外径側に位置する複数の外側カシメ部52の1つを通る。
図3のB部拡大図に示すように、内側カシメ部51は、第1外側延設部33側から第1内側延設部37側へ、すなわち軸方向Z2側へ凹設されてカシメられている。一方、外側カシメ部52は、内側カシメ部51とは逆方向にカシメられており、第1内側延設部37側から第1外側延設部33側へ、すなわち軸方向Z1側へ凹設されてカシメられている。
外側カシメ部52を例にとって説明すると、第1外側延設部33のうち外側カシメ部52を除く部分よりも軸方向Z1側へ突出する突出部52aを有している。外側カシメ部52は、第1外側延設部33が軸方向Z1側へ凹設された第1外側凹部33a内に、第1内側延設部37が軸方向Z1側へ凹設された第1内側凹部37aが没入している。詳細説明は省略するが、内側カシメ部51においては、外側カシメ部52とは逆に、第1内側延設部37に凹設された凹部内に、第1外側延設部33に凹設された凹部が没入している。
カシメ部50の数は、2つの回転要素間において要求されるねじりトルクに対して、1点当たりのカシメ部50における接合強度を考慮して設定されている。具体的には、第1外側凹部33aに没入した第1内側凹部37aのせん断方向(回転方向)における強度を考慮して設定されている。外側カシメ部52では、鉄材である第1内側凹部37aをカシメ部50に没入させているので、没入された部分におけるせん断強度を高めやすく、内側カシメ部51のようにアルミニウム材である第1外側延設部33を没入させる場合に比して、接合強度を高めやすい。
第2回転部材40について説明する。第2回転部材40は、第1回転部材30と同様の構成を有しており、アルミニウム材である第2外側回転部材41と、この内径側に位置しており鉄材である第2内側回転部材46とを有している。
第2外側回転部材41は、クラッチドラム20に一体的に形成されており、ドラムスプライン部22を介して、複数のドラム側摩擦板6bとの間で動力を授受している。第2外側回転部材41は、ドラム円筒部21に連続して軸方向Z2側へ延びる第2外側円筒部42と、第2外側円筒部42の軸方向Z2側の端部から屈曲して内径側に延びる第2外側延設部43とを有している。
第2外側延設部43は、第1延設部39よりも軸方向Z1側に位置しており、具体的には軸方向Zにおいて第2ギヤセットPG2のリングギヤR2に重複して設けられている。また、第2外側延設部43は、径方向においてリングギヤR2の外径部近傍まで延びている。
第2内側回転部材46は、延伸材である第2内側延設部47と、鍛造材である第2内側円筒部48とを有しており、これらが径方向に突き合わされて溶接により接合されている。第2内側延設部47は、第1延設部39よりも軸方向Z1側において径方向に延びている。
第2内側円筒部48は、第1内側円筒部38のフランジ部38aに対して軸受け61を介して軸方向Z1に支持されており、第1内側円筒部38の内周部に対して軸受け62を介して回転可能に支持されている。
第2内側延設部47のうち外径側部分には、軸線O1を中心とする円環状に軸方向Z1側へ凹設された凹部45が形成されている。凹部45は、第2ギヤセットPG2のキャリヤC2に対して、径方向において外径側に位置しており、少なくとも一部が軸方向Zに長さY1で重複している。また、凹部45は、外側カシメ部52の突出部52aの少なくとも一部に対して、軸方向Zに長さY2で重複している。さらにまた、凹部45は、第1外側延設部33のうち外側カシメ部52を除く少なくとも一部に対して、軸方向Zに長さY3で重複している。
第2内側延設部47は、凹部45のうち外径側部分において、第2外側延設部43に対して当接領域X2で軸方向Z2側から当接している。第2外側回転部材41及び第2内側回転部材46は、当接領域X2において、メカニカルクリンチによるカシメ部60によって軸方向Zに機械的に接合されている。
カシメ部60は、カシメ部50と同様の構成を有しており、当接領域X2において、内径側カシメ部61と、外径側に位置する外径側カシメ部62とによって構成されている。
第2外側延設部43と第2内側延設部47とが、互いに接合されて第2延設部49を構成している。第2延設部49は、リングギヤR2に対して、Z軸方向に長さY4で重複している。
リングギヤR2は、第2内側回転部材46と同一種の材料である鉄材で形成されている。第2内側延設部47は、凹部45のうち当接領域X2より内径側部分においてリングギヤR2に対して軸方向Z2側から溶接により接合されており、リングギヤR2との間で動力を授受している。
上記実施形態に係る自動変速機1によれば、以下の効果を奏する。
(1)図5(a)に示すように、軸方向Zにおいて、内側カシメ部51におけるカシメ方向(Z1)と、外側カシメ部52におけるカシメ方向(Z2)とが反対であるので、第1延在部39における内側カシメ部51による変形と、外側カシメ部52による変形とが互いに反対方向となるため相殺される。よって、第1外側円筒部32の変形が抑制される。
これに対して、図5(b)に示すように、カシメ部50を、内径側カシメ部及び外径側カシメ部と径方向に分けずに、軸方向Z1にのみ凹設するように構成した場合には、第1延設部39に、第1外側円筒部32に向かって軸方向Z2側へ変形する反りが生じ得る。この結果、第1外側円筒部32に軸方向Z1に向かって外径側へ拡径する変形が生じやすい。
(2)複数の外側カシメ部52のそれぞれは、軸線O1を中心として、複数の内側カシメ部51のそれぞれと同じ周方向位置に位置している。これによって、複数の内側カシメ部51それぞれから軸線O1を中心として第1外側円筒部32へ向かう変形の影響が、この放射線上の外径側にそれぞれ位置する外側カシメ部52による変形によって相殺される。よって、第1外側円筒部32の変形が抑制される。
(3)第1外側回転部材31は、第1内側回転部材36よりも比重が小さいので、第1回転部材30のイナーシャを低減しやすい。これによって、例えば、自動変速機1が車両に搭載されて内燃機関からの出力の変速に用いられる場合に、車両の燃費性能を向上させることができる。
(4)第1外側回転部材31は、アルミニウム材であり、第1内側回転部材36は、鉄材である。これによって、第1外側回転部材31は、外径側に位置しているため耐ねじりトルクを高めやすく、材料強度が相対的に低いアルミニウム材であっても、耐ねじりトルクを確保できる。一方、第1内側回転部材36は、内径側に位置しているため耐ねじりトルクを高めにくく、材料強度が相対的に高い鉄製とすることで耐ねじりトルクを確保している。よって、第1回転部材30の耐ねじりトルクを確保しつつイナーシャを低減できる。
上記実施形態では、軸線O1を中心とした、複数の外側カシメ部52の周方向位置と、複数の内側カシメ部51の周方向位置とを同じに設定したが、これに限らない。すなわち、図6に示されるように、複数の外側カシメ部52のそれぞれを、軸線O1を中心として、複数の内側カシメ部51のそれぞれと異なる周方向位置に配置してもよい。これによって、外側カシメ部52を、内側カシメ部51との干渉を防止しつつ、径方向内側に配置しやすい。これによって、カシメ部50を径方向にコンパクトに構成できる。
また、図7に示されるように、複数の外側カシメ部52のそれぞれを、軸線O1を中心として、複数の内側カシメ部51のうち周方向に隣接する2つの内側カシメ部51の周方向の中央位置と同じ周方向位置に設定してもよい。この場合、当接領域X1の径方向幅寸法をL1からL2に短くすることができる。これによって、外側カシメ部52を、内側カシメ部51との干渉をより一層防止しやすく、より一層径方向内側に配置しやすい。さらに、内側カシメ部51と外側カシメ部52との周方向に均一に配置しやすい。よって、カシメ部50をさらに径方向にコンパクトに構成しつつ、円筒部の変形を周方向に均一に抑制しやすい。
上記実施形態では、所定の回転要素と第3クラッチCL3との間で動力の授受を行う、回転部材として、第1回転部材30及び第2回転部材40を対象としているが、これに限らない。第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第1ブレーキBR1、及び第2ブレーキBR2に含まれる回転部材を外径側部分と内径側部分とを異材で構成し、これらをメカニカルクリンチによるカシメ部で接合する場合であって、当該回転部材が軸方向Zに隣接しているときに、本発明を好適に実施できる。
以上説明したように、本発明に係る自動変速機によれば、クラッチ又はブレーキの一部を構成する回転部材を、異なる材料の部材をメカニカルクリンチによるカシメ部により軸方向に接合することによって形成しつつ、回転部材の円筒部における変形を抑制することができるので、この種の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動変速機
6 摩擦板
10 クラッチハブ
20 クラッチドラム
30 第1回転部材
31 第1外側回転部材
33 第1外側延設部
36 第1内側回転部材
37 第1内側延設部
38 第1内側円筒部
39 第1延設部
40 第2回転部材
41 第2外側回転部材
43 第2外側延設部
45 凹部
46 第2内側回転部材
47 第2内側延設部
48 第2内側円筒部
49 第2延設部
50 カシメ部
51 内側カシメ部
52 外側カシメ部
CL3 第3クラッチ
BR2 第2ブレーキ
PG2 第2ギヤセット

Claims (6)

  1. 少なくとも1つの回転要素を含む一対の部材の間で動力を伝達する回転部材を備えた、自動変速機であって、
    前記回転部材は、外側回転部材と、この内径側に位置する内側回転部材とを含んでおり、
    前記外側回転部材は、円筒状に形成された周部で前記一対の部材のうち一方の部材との間で動力を授受する外側動力伝達部と、前記外側動力伝達部から内径側に延びる外側延設部とを有しており、
    前記内側回転部材は、前記外側回転部材とは異なる材料から形成されており、前記一対の部材のうち他方の部材との間で動力を授受する内側動力伝達部と、前記内側動力伝達部から外径側に延びる内側延設部とを有しており、
    前記回転部材は、前記外側延設部と前記内側延設部とが前記自動変速機の軸方向に互いにメカニカルクリンチによるカシメ部により接合されてなる延設部によって連結されており、
    前記カシメ部は、前記回転部材の回転軸線と同芯円状に並ぶ複数の内側カシメ部と、このさらに外径側に同芯円状に並ぶ複数の外側カシメ部とを含んでおり、
    前記軸方向において、前記内側カシメ部におけるカシメ方向と、前記外側カシメ部におけるカシメ方向とが反対である、自動変速機。
  2. 前記複数の外側カシメ部のそれぞれは、前記回転軸線を中心として、前記複数の内側カシメ部のそれぞれと同じ周方向位置に位置している、
    請求項1に記載の自動変速機。
  3. 前記複数の外側カシメ部のそれぞれは、前記回転軸線を中心として、前記複数の内側カシメ部のそれぞれと異なる周方向位置に位置している、
    請求項1に記載の自動変速機。
  4. 前記複数の外側カシメ部のそれぞれは、前記回転軸線を中心として、前記複数の内側カシメ部のうち周方向に隣接する2つの内側カシメ部の周方向の中央位置と同じ周方向位置に位置している、
    請求項3に記載の自動変速機。
  5. 前記外側回転部材は、前記内側回転部材よりも比重が小さい、
    請求項1~4のいずれか1つに記載の自動変速機。
  6. 前記外側回転部材は、アルミニウム材であり、
    前記内側回転部材は、鉄材である、
    請求項1~5のいずれか1つに記載の自動変速機。
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