JP7228994B2 - ピストン及び油圧ポンプ・モータ - Google Patents

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Description

本発明は、ピストン及び油圧ポンプ・モータに関する。
可変容量型の油圧ポンプ・モータは、複数のシリンダを有するシリンダブロックと、複数のシリンダのそれぞれに配置される複数のピストンと、ピストンシューを介してピストンを支持する斜板とを備える。シリンダブロックが回転することにより、ピストンシューが斜板と摺動しながら、ピストン及びピストンシューは旋回する。ピストンシューが斜板と摺動しながらピストン及びピストンシューが旋回することにより、ピストンは、シリンダを往復する。ピストンが往復することにより、ピストンとシリンダとの間に規定される行程容積が変化する。
特開2014-152690号公報
ピストンを軽量化することにより、ピストンを高速に旋回及び往復させることができる。一方、ピストンの軽量化のために、ピストンの内部に中空部を設けてしまうと、油圧ポンプ・モータにおいてデッドボリュームが大きくなってしまう。また、シリンダの加工において、シリンダの上死点側の形状を円錐状にすることにより、加工性の容易化が図られる。一方、シリンダの上死点側の形状を円錐状にすると、デッドボリュームが大きくなってしまう。デッドボリュームとは、ピストンがシリンダに最も進入した位置を示す上死点に配置されたときのシリンダとピストンとの間に規定される空間をいう。デッドボリュームは、行程容積の変化に寄与しない空間である。デッドボリュームが大きいと、デッドボリュームを圧縮するために余分な仕事が必要となる。そのため、デッドボリュームが大きいと、油圧ポンプ・モータの効率が悪化する。
本発明の態様は、油圧ポンプ・モータのデッドボリュームを小さくすることを目的とする。
本発明の態様に従えば、内部空間を有するピストン本体と、前記内部空間に配置される挿入部及び前記ピストン本体の先端面から突出する突出部を有する先端部材と、を備えるピストンが提供される。
図1は、第1実施形態に係る油圧ポンプ・モータの一例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係るピストンの一例を示す断面図である。 図3は、第1実施形態に係る先端部材を示す斜視図である。 図4は、第1実施形態に係る接続部材を示す斜視図である。 図5は、第2実施形態に係るピストンの一例を示す断面図である。 図6は、第3実施形態に係る先端部材の一部を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
[第1実施形態]
<油圧ポンプ・モータ>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る油圧ポンプ・モータ1の一例を示す図である。本実施形態においては、油圧ポンプ・モータ1が油圧ポンプとして作動することとする。以下の説明においては、油圧ポンプ・モータ1を適宜、油圧ポンプ1、と称する。
図1に示すように、油圧ポンプ1は、ハウジング1Hと、ドライブシャフト2と、ドライブシャフト2の周囲に配置され、複数のシリンダ6Sを有するシリンダブロック6と、複数のシリンダ6Sのそれぞれに配置される複数のピストン3と、ピストン3の基端部に設けられるピストンシュー4と、ピストンシュー4を支持する斜板5と、シリンダブロック6に対向するバルブプレート7とを備える。
ドライブシャフト2は、回転軸RXを中心に回転する。ドライブシャフト2は、ベアリング16により回転可能に支持される。ドライブシャフト2は、エンジンのような動力源が発生する動力により回転する。
シリンダブロック6は、ドライブシャフト2の周囲に配置される。シリンダブロック6は、ハウジング1Hの内側に配置される。シリンダブロック6は、円筒状の部材である。ドライブシャフト2の少なくとも一部は、シリンダブロック6の中心孔6Hに配置される。シリンダブロック6は、ドライブシャフト2に固定される。シリンダブロック6とドライブシャフト2とは、例えばスプライン結合される。ドライブシャフト2が回転することにより、シリンダブロック6は、ドライブシャフト2と一緒に、中心軸RXを中心に回転する。
シリンダ6Sは、ピストン3が配置される空間である。シリンダ6Sは、中心軸RXの周囲に複数設けられる。複数のシリンダ6Sは、中心軸RXの周囲に等間隔に配置される。回転軸RXと直交する断面において、シリンダ6Sは、円形状である。シリンダ6Sの先端部は、連絡ポート61を介して、シリンダブロック6の先端面に設けられている開口61Hに接続される。連絡ポート61の内径は、シリンダ6Sの内径よりも小さい。シリンダ6Sは、ピストン3の先端部の少なくとも一部と対向する対向面62を有する。
ピストン3は、シリンダ6Sにおいて、回転軸RXと平行な方向に往復する。ピストン3が往復することにより、ピストン3とシリンダ6Sとの間に規定される行程容積が変化する。
ピストンシュー4は、ピストン3の基端部に設けられる。ピストンシュー4は、ピストン3に連結される球状部4Aと、斜板5に接触する脚部4Bとを含む。複数のピストンシュー4は、リテーナ9により保持される。
球状部4Aは、ピストン3の基端部に設けられている球状の空間3Hに配置される。球状部4Aは、ピストン3の少なくとも一部を加締加工することにより、空間3Hに配置される。球状部4Aは、空間3Hの内側で回転可能である。球状部4Aとピストン3とは相対移動可能である。
斜板5は、ドライブシャフト2の周囲に配置される。斜板5は、複数のピストンシュー4を支持する。斜板5は、ピストンシュー4の脚部4Bに接触する摺動面5Aを有する。斜板5は、回転軸RXに対して傾斜可能である。斜板5を駆動するためのアクチュエータが発生する動力により、回転軸RXに対する斜板5の傾斜角が調整される。
バルブプレート7は、シリンダブロック6の先端面に対向する。バルブプレート7は、吸込ポート71及び吐出ポート72を有する。吸込ポート71は、ハウジング1Hに設けられている吸込通路71Hに接続される。吸込ポート71は、吸込通路71Hを介して、作動油タンクに接続される。吐出ポート72は、ハウジング1Hに設けられている吐出通路72Hに接続される。吐出ポート72は、吐出通路72Hを介して、作動油供給対象に接続される。作動油供給対象として、建設機械の作業機を駆動する油圧シリンダが例示される。
<ピストン>
図2は、本実施形態に係るピストン3の一例を示す断面図である。図2に示すように、ピストン3は、内部空間32を有するピストン本体30と、内部空間32に配置される挿入部22及びピストン本体30の先端面31から突出する突出部21を有する先端部材20とを備える。
また、ピストン3は、ピストン本体30の内部空間32に配置され、挿入部22に接続される接続部材10と、先端部材20と接続部材10とを結合するボルト8とを備える。
ピストン本体30は、実質的に円筒状の部材である。ピストン本体30の中心軸CXと回転軸RXとは、実質的に平行である。以下の説明においては、ピストン本体30の中心軸CXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、ピストン本体30の中心軸CXの放射方向を適宜、放射方向、と称し、ピストン本体30の中心軸CXを中心とする回転方向を適宜、周方向、と称する。
また、軸方向において、バルブプレート7に接近する方向又はバルブプレート7に近い位置を適宜、先端側、と称し、斜板5に接近する方向又は斜板5に近い位置を適宜、基端側、と称する。先端側は、上死点に接近する方向又は上死点に近い位置を含む。基端側は、下死点に接近する方向又は下死点に近い位置を含む。上死点とは、ピストン3がシリンダ6Sに最も進入したときのピストン3の位置をいう。下死点とは、ピストン3がシリンダ6Sから最も退去したときのピストン3の位置をいう。
ピストン本体30は、金属製である。ピストン本体30は、例えばクロムモリブデン鋼のような低合金鋼製である。本実施形態において、ピストン本体30を形成する材料の比重は、7.8である。なお、材料の比重とは、1[m]当たりの材料の質量[t]をいう。
ピストン本体30は、内部空間32と、内部空間32よりも基端側に設けられる内部流路33とを有する。内部空間32は、先端面31に形成された開口34に接続される。
内部空間32は、軸方向に延在する。内部空間32は、中心軸CXを含む。中心軸CXと直交する断面において、内部空間32は、円形状である。中心軸CXと直交する断面において、内部空間32の中心と中心軸CXとは一致する。
内部流路33は、内部空間32の基端部に接続される。内部流路33は、内部空間32と空間3Hとを結ぶように形成される。
先端面31は、内部空間32の先端部に接続されるピストン本体30の開口34の周囲に配置される。中心軸CXと直交する断面において、先端面31は、円環状である。先端面31は、平坦である。先端面31は、中心軸CXと直交する断面と平行である。
図3は、本実施形態に係る先端部材20を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、先端部材20は、内部空間32に配置される挿入部22と、先端面31から先端側に突出する突出部21とを有する。中心軸CXと直交する断面において、突出部21の外形は、挿入部22の外形よりも大きい。
先端部材20は、ピストン本体30の中心軸CXと平行な貫通孔25を有する。貫通孔25は、突出部21の先端側の端面と、挿入部22の基端側の端面とを結ぶように形成される。中心軸CXと直交する断面において、貫通孔25は、円形状である。中心軸CXと直交する断面において、貫通孔25の中心と中心軸CXとは一致する。
突出部21は、先端面31よりも先端側に配置される。突出部21は、先端側を向く表面26と、先端面31に対向する対向面27とを有する。
突出部21の表面26は、軸方向において先端面31から離れるほど中心軸AXに近付くように傾斜する。本実施形態において、中心軸CXを含む断面において、表面26は、直線状である。すなわち、表面26は、先端側に向かって外径が徐々に小さくなるテーパ状である。
図1に示すように、先端部材20の表面26と、シリンダ6Sの対向面62とは、実質的に平行である。
放射方向において、突出部21の表面26は、ピストン本体30の外周面よりも内側に配置される。すなわち、突出部21は、放射方向においてピストン本体30の外周面からはみ出さないように設けられる。
対向面27は、先端面31に対向する。軸方向から見て、対向面27は、円環状である。対向面27は、平坦である。先端面31と対向面27とは平行である。先端面31と対向面27の少なくとも一部とは接触する。
挿入部22は、円筒状である。挿入部22は、内部空間32に挿入される。挿入部22は、内部空間32の内面と対向する外面28を有する。内部空間32の内面と挿入部22の外面28の少なくとも一部とは接触する。
挿入部22における貫通孔25のうち、基端側の内径は、先端側の内径よりも大きい。挿入部22における貫通孔25のうち、基端側の貫通孔25に接続部材10が収容される。以下の説明においては、接続部材10を収容可能な内径を有する基端側の貫通孔25の一部を適宜、収容空間23、と称する。
挿入部22は、接続部材10の周囲に配置され、放射方向に弾性変形可能な変形部24を有する。収容空間23は、変形部24の内側に規定される。図3に示すように、挿入部22の基端部に切欠部24Nが形成される。切欠部24Nは、周方向に複数設けられる。隣り合う切欠部24Nの間に変形部24が設けられる。変形部24は、周方向に複数設けられる。切欠部24Nにより、変形部24は、放射方向に弾性変形することができる。
また、収容空間23の内面の少なくとも一部は、中心軸CXに対して傾斜する斜面23Tを含む。斜面23Tは、収容空間23の基端側の端部から先端側に向かって中心軸CXに近付くように傾斜する。すなわち、斜面23Tは、先端側に向かって内径が徐々に小さくなるテーパ状である。
接続部材10の少なくとも一部の外径は、収容空間23の内径よりも僅かに大きい。収容空間23に接続部材10が配置され、接続部材10の外面と収容空間23の内面とが接触することにより、変形部24は、放射方向外側に変形する。放射方向外側に変形した変形部24は、ピストン本体30の内部空間32の内面に接触する。変形部24がピストン本体30の内部空間32の内面に接触することにより、先端部材20及び接続部材10は、ピストン本体30に固定される。
先端面31と対向面27の少なくとも一部との間及び内部空間32の内面と挿入部22の外面28の少なくとも一部との間に、作動油が流通する油路29が設けられる。図3に示すように、対向面27の一部に流路溝29Aが形成される。外面28の一部に流路溝29Bが形成される。流路溝29Aと流路溝29Bとは接続される。油路29は、流路溝29Aと先端面31との間、及び流路溝29Bと内部空間32の内面との間に規定される。油路29の基端部は、内部流路33に接続される。流路溝29Aの放射方向外側の端部と先端面31の放射方向外側の端部との間に、流入口35が設けられる。作動油は、流入口35を介して、油路29に流入する。油路29を流通した作動油は、内部流路33を介して、ピストンシュー4に設けられている内部流路4Cに供給される。内部流路4Cは、球状部4Aの先端部と、脚部4Bの基端部とを結ぶように形成されている。内部流路4Cの基端部に、作動油の流出口36が設けられる。内部流路4Cを流通した作動油は、流出口36を介して、ピストンシュー4と斜板5との間に供給される。
先端部材20の密度は、ピストン本体30の密度よりも小さい。先端部材20は、金属製である。先端部材20を形成する材料として、鋳鉄(比重7.2)、亜鉛(比重7.2)、チタン(比重4.5)、及びアルミニウム(比重2.7)の少なくとも一つが例示される。なお、先端部材20は、合成樹脂製でもよい。先端部材20を形成する材料として、MCナイロン(比重1.2)、ポリアセタール樹脂(比重1.4)、超硬分子量ポリエチレン(比重1.0)、フッ素樹脂(比重2.2)、ポリエーテルエーテルケトン(比重1.3)、及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(比重1.1)の少なくとも一つが例示される。なお、先端部材20の密度は、ピストン本体30の密度と等しくてもよい。
図4は、本実施形態に係る接続部材10を示す斜視図である。図2及び図4に示すように、接続部材10は、筒状の部材である。接続部材10は、内部空間32において、挿入部22の収容空間23に配置される。接続部材10の外面と収容空間23の内面とは対向する。
接続部材10の外面の少なくとも一部は、軸方向において先端面31に近付くほど中心軸CXに近付くように傾斜する。
本実施形態において、接続部材10は、円筒部11と、円筒部11の基端側に配置されるテーパ部12とを有する。中心軸CXと直交する断面において、テーパ部12の外形は、円筒部11の外形よりも大きい。
円筒部11は、先端側に端面13を有する。中心軸CXと平行な断面において、円筒部11の外面は、中心軸CXに平行である。テーパ部12は、基端側に端面14を有する。
テーパ部12の外面は、端面14との境界から先端側に向かって中心軸CXに近付くように傾斜する。すなわち、テーパ部12は、先端側に向かって外径が徐々に小さくなるテーパ状である。
テーパ部12の少なくとも一部の外径は、収容空間23の内径よりも大きい。テーパ部12の外面は、収容空間23の斜面23Tに接触する。
接続部材10は、中心軸CXと平行なねじ孔15を有する。ねじ孔15の内面にねじ溝が形成される。ねじ孔15は、端面13と端面14とを結ぶように形成される。中心軸CXと直交する断面において、ねじ孔15は、実質的に円形状である。中心軸CXと直交する断面において、ねじ孔15の中心と中心軸CXとは一致する。
接続部材10の密度は、ピストン本体30の密度よりも小さい。接続部材10は、金属製である。接続部材10を形成する材料は、先端部材20を形成する材料と同じでもよいし異なってもよい。接続部材10を形成する材料として、鋳鉄(比重7.2)、亜鉛(比重7.2)、チタン(比重4.5)、及びアルミニウム(比重2.7)の少なくとも一つが例示される。なお、接続部材10は、合成樹脂製でもよい。接続部材10を形成する材料として、MCナイロン(比重1.2)、ポリアセタール樹脂(比重1.4)、超硬分子量ポリエチレン(比重1.0)、フッ素樹脂(比重2.2)、ポリエーテルエーテルケトン(比重1.3)、及びアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(比重1.1)の少なくとも一つが例示される。なお、接続部材10の密度は、ピストン本体30の密度と等しくてもよい。
ボルト8は、貫通孔25に配置される軸部と、ねじ山が形成された先端部と、頭部とを有する。ボルト8の先端部のねじ山は、ねじ孔15のねじ溝に結合される。貫通孔25の一部に、ボルト8の頭部を支持する段部25Dが設けられる。
<組立方法>
次に、本実施形態に係るピストン3の組立方法について説明する。接続部材10及び先端部材20が内部空間32に挿入される前に、接続部材10と先端部材20とがボルト8を介して接続(仮組み)される。すなわち、接続部材10のテーパ部12の外面の周囲に先端部材20の変形部24の斜面23Tが配置された状態で、ボルト8の軸部が先端部材20の貫通孔25に配置され、ボルト8の先端部が接続部材10のねじ孔15に螺入される。
内部空間32の外側で、接続部材10と先端部材20とがボルト8を介して接続された後、接続部材10及び先端部材20の挿入部22が開口34から内部空間32に挿入される。接続部材10は、テーパ部12が円筒部11よりも基端側に配置されるように、内部空間32に挿入される。挿入部22は、変形部24が接続部材10の外面と内部空間32の内面との間に配置されるように、内部空間32に挿入される。挿入部22は、先端面31と対向面27とが当接するように、内部空間32に挿入される。
本実施形態においては、テーパ部12の外面の周囲に変形部24の斜面23Tが配置された状態で、挿入部22が内部空間32に挿入される。挿入部22が内部空間32に配置されることにより、ピストン本体30の先端面31と突出部21の対向面27とが対向する。
接続部材10及び先端部材20の挿入部22が内部空間32に配置された後、ボルト8がねじ孔15にねじ込まれるように、ボルト8が回転される。ボルト8が回転することにより、対向面27が先端面31に接近し、端面13が先端側に移動するように、先端部材20と接続部材10とが締め付けられる。
対向面27が先端面31に接近し、端面13が先端側に移動するように、先端部材20と接続部材10とが締め付けられることにより、接続部材10は、収容空間23の内面に対して先端側に移動する。
接続部材10の少なくとも一部の外径は、収容空間23の内径よりも僅かに大きい。本実施形態において、テーパ部12の少なくとも一部の外径は、収容空間23の内径よりも大きい。
テーパ部12の外面が収容空間23の斜面23Tに接触した状態で、接続部材10が収容空間23の内面に対して先端側に移動するように、先端部材20と接続部材10とが締め付けられることにより、接続部材10の移動に伴って、変形部24は、放射方向外側に変形する。放射方向外側に変形した変形部24は、ピストン本体30の内部空間32の内面に接触する。変形部24がピストン本体30の内部空間32の内面に接触することにより、先端部材20及び接続部材10は、ピストン本体30に固定される。
<動作>
次に、油圧ポンプ1の動作について説明する。ドライブシャフト2が回転すると、シリンダブロック6がドライブシャフト2と一緒に中心軸RXを中心に回転する。シリンダブロック6が回転することにより、シリンダ6Sに配置されているピストン3及びピストン3に連結されているピストンシュー4は、中心軸RXの周囲を旋回する。ピストンシュー4は、斜板5の摺動面5Aに摺動しながら旋回する。ピストンシュー4が斜板5に摺動しながら旋回することにより、ピストン3は、シリンダ6Sを往復する。ピストン3は、シリンダ6Sに最も進入した位置を示す上死点と、シリンダ6Sから最も退去した位置を示す下死点との間を往復する。ピストン3が往復することにより、ピストン3とシリンダ6Sとの間に規定される行程容積が変化する。斜板5の傾斜角が変更されることにより、油圧ポンプ1の容量が変更される。
シリンダブロック6が回転すると、連絡ポート61は、吸込ポート71及び吐出ポート72の少なくとも一方に接続される。ピストン3が上死点から下死点に移動するとき、連絡ポート61と吸込ポート71とが接続される。ピストン3が上死点から下死点に移動することによって、作動油タンクの作動油が、吸込通路71H及び吸込ポート71を介してシリンダ6Sに吸い込まれる。ピストン3が下死点から上死点に移動するとき、連絡ポート61と吐出ポート72とが接続される。ピストン3が下死点から上死点に移動することによって、シリンダ6Sの作動油が、吐出ポート72及び吐出通路72Hを介して作動油供給対象に吐出される。
斜板5の傾斜角が変更されると、シリンダブロック6の回転に伴うピストン3の往復移動量が変化し、吐出通路72Hを介して作動油供給対象に吐出される作動油の流量が変更される。
シリンダ6Sの作動油の少なくとも一部は、油路29に流入し、油路29を流通した後、ピストン本体30の内部流路33に流入する。ピストン本体30の内部流路33からピストンシュー4の内部流路4Cに供給された作動油は、内部流路4Cを流通した後、流出口36を介して、ピストンシュー4の脚部4Bの基端部と斜板5の摺動面5Aとの間に供給される。これにより、脚部4Bの基端部と斜板5の摺動面5Aとが接触しても、ピストンシュー4と斜板5との摩擦力が過度に大きくなることが抑制される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、ピストン本体30に内部空間32が設けられ、内部空間32の開口34を塞ぐように先端部材20が配置される。先端部材20の挿入部22は、内部空間32の一部に配置される。これにより、内部空間32に作動油が浸入することを抑制しつつ、ピストン3を軽量化することができる。したがって、ピストン3を軽量化しつつ、デッドボリュームを小さくすることができる。また、先端部材20は、ピストン本体30の先端面31から先端側に突出する突出部21を有する。したがって、ピストン3が上死点に配置されたときのデットボリュームを小さくすることができる。そのため、油圧ポンプ1の容積効率の悪化が抑制される。
突出部21の表面26は、先端面31から先端側に離れるほど中心軸CXに近付くように傾斜する。図1に示したように、シリンダ6Sが中心軸CXに対して傾斜する対向面62を有する場合、対向面62に平行になるように、表面26の形状が定められることにより、デッドボリュームを小さくすることができる。
突出部21の表面26は、放射方向において、ピストン本体30の外周面よりも内側に配置される。突出部21は、放射方向においてピストン本体30からはみ出さないので、突出部21がシリンダ6Sの内面に接触することが抑制される。
先端面31は、内部空間32に接続されるピストン本体30の開口34の周囲に配置される。先端部材20の突出部21は、先端面31に対向する対向面27を有する。すなわち、本実施形態において、突出部21は、放射方向において挿入部22よりも外側に延在するフランジ状である。そのため、デッドボリュームを十分に小さくすることができる。
先端面31と対向面27との間及び挿入部22の外面の少なくとも一部と内部空間32の内面との間に油路29が設けられる。これにより、作動油は、ピストン本体30の外周面の近傍を流れることができるので、ピストン本体30の外周面の過度な温度上昇が抑制される。
先端部材20の密度は、ピストン本体30の密度よりも小さい。これにより、ピストン3の強度を維持しつつ、ピストン3の軽量化を図ることができる。
先端部材20の挿入部22に接続される接続部材10が内部空間32に配置される。挿入部22は、接続部材10の周囲に配置される変形部24を有する。変形部24は、接続部材10との接触により放射方向外側に変形する。そのため、接続部材10を変形部24の内側(収容空間23の内側)に入り込ませるだけで、変形部24を放射方向外側に変形させ、接続部材10及び先端部材20とピストン本体30とを簡単に固定することができる。
接続部材10は、軸方向において先端面31に近付くほど中心軸AXに近付くように傾斜する外面を有するテーパ部12を含む。そのため、接続部材10を先端側に移動させて変形部24を変形させるとき、接続部材10の移動及び変形部24の変形は円滑に行われる。
先端部材20は、中心軸CXと平行な貫通孔25を有する。接続部材10は、ねじ溝が形成されたねじ孔15を有する。ボルト8は、貫通孔25に配置される軸部及びねじ溝に結合されるねじ山が形成された先端部を有する。これにより、ボルト8を回転させるだけで、先端部材20と接続部材10とを簡単に締め付けることができる。
接続部材10の密度は、ピストン本体30の密度よりも小さい。これにより、ピストン3の強度を維持しつつ、ピストン3の軽量化を図ることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図5は、本実施形態に係るピストン3の一例を示す断面図である。上述の実施形態においては、ピストンシュー4が球状部4Aを有し、ピストン本体30が球状部4Aを収容する空間3Hを有することとした。図5に示すように、ピストン本体30に球状部40が設けられてもよい。この場合、ピストンシューが、球状部40を収容する空間を有する。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。図6は、本実施形態に係る先端部材20の一部を示す断面図である。上述の実施形態においては、中心軸CXと直交する断面において、表面26は直線状であることとした。図6に示すように、中心軸CXを含む断面において、表面26は曲線状でもよい。図6に示す例において、表面26は、先端側に突出する円弧状である。
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、ボルト8に油路が設けられてもよい。ボルト8に設けられた油路を介して、ピストンシューと斜板との間に作動油が供給されてもよい。
上述の実施形態において、先端部材20の密度はピストン本体30の密度よりも小さく、接続部材10の密度はピストン本体30の密度よりも小さいこととした。先端部材20の密度は、ピストン本体30の密度と等しくてもよい。接続部材10の密度は、ピストン本体30の密度と等しくてもよい。この場合においても、デッドボリュームを小さくすることができる。
上述の実施形態において、先端部材20は、接続部材10を介して、ピストン本体30に固定されることとした。接続部材10は省略されてもよい。例えば、先端部材20の挿入部22の外面にねじ山が設けられ、内部空間32の内面にねじ溝が設けられ、ねじ山とねじ溝とが結合されることにより、先端部材20とピストン本体30とを固定することができる。この場合、先端部材20の内部に油路が形成されてもよい。
上述の実施形態において、油圧ポンプ・モータ1は油圧ポンプとして作動することとした。油圧ポンプ・モータ1は、油圧モータとして作動してもよい。
1…油圧ポンプ(油圧ポンプ・モータ)、1H…ハウジング、2…ドライブシャフト、3…ピストン、3H…空間、4…ピストンシュー、4A…球状部、4B…脚部、4C…内部流路、5…斜板、5A…摺動面、6…シリンダブロック、6H…中心孔、6S…シリンダ、7…バルブプレート、8…ボルト、9…リテーナ、10…接続部材、11…円筒部、12…テーパ部、13…端面、14…端面、15…ねじ孔、16…ベアリング、20…先端部材、21…突出部、22…挿入部、23…収容空間、23T…斜面、24…変形部、24N…切欠部、25…貫通孔、25D…段部、26…表面、27…対向面、28…外面、29…油路、29A…流路溝、29B…流路溝、30…ピストン本体、31…先端面、32…内部空間、33…内部流路、34…開口、35…流入口、36…流出口、40…球状部、61…連絡ポート、61H…開口、62…対向面、71…吸込ポート、71H…吸込通路、72…吐出ポート、72H…吐出通路、CX…中心軸、RX…回転軸。

Claims (9)

  1. 内部空間を有するピストン本体と、
    前記内部空間に配置される挿入部及び前記ピストン本体の先端面から突出する突出部を有する先端部材と、を備え
    前記先端面は、前記内部空間に接続される前記ピストン本体の開口の周囲に配置され、
    前記先端部材は、前記先端面に対向する対向面を有し、
    前記先端面と前記対向面の少なくとも一部との間及び前記内部空間の内面と前記挿入部の外面の少なくとも一部との間に油路が設けられる、
    ピストン。
  2. 内部空間を有するピストン本体と、
    前記内部空間に配置される挿入部及び前記ピストン本体の先端面から突出する突出部を有する先端部材と、
    前記内部空間に配置され、前記挿入部に接続される接続部材と、を備え
    前記挿入部は、前記接続部材の周囲に配置され前記接続部材との接触により前記ピストン本体の中心軸の放射方向外側に変形する変形部を有する、
    ピストン。
  3. 前記突出部の表面は、前記ピストン本体の中心軸と平行な軸方向において、前記先端面から離れるほど前記中心軸に近付くように傾斜する、
    請求項1又は請求項2に記載のピストン。
  4. 前記突出部の表面は、前記ピストン本体の中心軸の放射方向において、前記ピストン本体の外周面よりも内側に配置される、
    請求項1又は請求項2に記載のピストン。
  5. 前記先端部材の密度は、前記ピストン本体の密度よりも小さい又は前記ピストン本体の密度と等しい、
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載のピストン。
  6. 前記接続部材の外面の少なくとも一部は、前記ピストン本体の中心軸と平行な軸方向において前記先端面に近付くほど前記中心軸に近付くように傾斜する、
    請求項に記載のピストン。
  7. 前記先端部材は、前記ピストン本体の中心軸と平行な貫通孔を有し、
    前記接続部材は、ねじ溝が形成されたねじ孔を有し、
    前記貫通孔に配置される軸部及び前記ねじ溝に結合されるねじ山が形成された先端部を有するボルトを備える、
    請求項又は請求項に記載のピストン。
  8. 前記接続部材の密度は、前記ピストン本体の密度よりも小さい又は前記ピストン本体の密度と等しい、
    請求項又は請求項に記載のピストン。
  9. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のピストンが配置されるシリンダを有するシリンダブロックと、
    前記ピストンの基端部に設けられるピストンシューと、
    前記ピストンシューを支持する斜板と、を備える
    油圧ポンプ・モータ。
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