JP7227885B2 - 電極構造体、電気化学測定装置及び電極構造体形成方法 - Google Patents

電極構造体、電気化学測定装置及び電極構造体形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極構造体、電気化学測定装置及び電極構造体形成方法に関する。
電気化学測定におけるボルタメトリーは、測定用の電極として作用極、参照電極及び対極を用い、参照電極に電圧を印加して作用極と対極の間の電流を測定する方法である。作用電極に電圧を印加すると、電極界面での金属イオン、イオン化分子、溶液中の電気伝導性分子の電解吸着によって、電気容量の時間的な変化による容量性電流が作用電極と対極との間を流れるため、その電流を検出することによって特定のイオン物質を定量することができる(非特許文献1の第21頁を参照)。
ボルタメトリーは、酸化還元反応の解析、被電解物質の定性定量分析など、電極表面における電極反応の解析に広く用いられている。その中でも作用電極の電位を目的金属イオンの特定電位に制御し、一定時間、目的金属イオンを電解析出させることで、その金属イオンを濃縮し、高感度で測定することができる。
この電気化学測定を利用して、水溶液中の微量成分の濃度を測定することが行われている(特許文献1参照)。また、電気化学測定に用いられる電極を、使い捨て可能なセンサストリップ構造とした技術が知られている(特許文献2参照)。
特開平11-248668号公報 特表2006-514300号公報
電気化学会編「電気化学測定マニュアル・基礎編」丸善出版株式会社
水溶液中のイオン性物質を測定する場合、イオン性物質を含む溶媒を酸性又はアルカリ性にすることで、イオン性物質を化学的に安定して溶液中で存在させ、さらには電解析出を安定して促すことができ、イオン性物質濃度の測定を高精度に行なうことができる。一方で、河川や田園の水、温泉などを現場で直接的に測定しようとした場合、現場の試料溶液を酸性又はアルカリ性にすることはできない。そのため、試料溶液中のイオン性物質の電解析出が安定せず、測定感度が悪くなるという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、試料溶液中に微量に存在する重金属の電気化学測定を現場において実施する場合にも高い測定感度が得られるようにすることを目的とするものである。
本発明に係る電極構造体は、電気絶縁性の基体の表面に、それぞれ第1端及び第2端を有する複数の電極が作用極、参照極及び対極として設けられ、前記複数の電極の前記第1端側の部分が試料溶液を接触させるための接液部となっており、前記複数の電極の前記接液部を試料溶液に浸して前記試料溶液中の重金属の電気化学測定を行なうための電極構造体である。当該電極構造体は、前記複数の電極のうち少なくとも前記作用極の前記接液部の表面が化学物質からなる酸層で被膜されている。
ここで、酸層を構成する「化学物質」としては、硝酸、酢酸、塩酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、フタル酸、酢酸などの有機酸が挙げられ
本発明に係る電極構造体では、前記参照極及び前記対極の前記接液部の表面も前記酸層で被膜されていてもよい。
また、本発明に係る電極構造体では、前記複数の電極はカーボン及び/又はグラファイトを含む多孔質層を有し、前記接液部における前記多孔質層の表面が前記酸層により被膜されていてもよい。このような構成により、酸層を構成する化学物質が多孔質層の表面の凹凸に入り込んで酸層の蒸着が安定し、酸層の安定性及び均一性が向上する。
また、本発明に係る電極構造体では、前記複数の電極は、前記基体の表面に接する金属層を含み、前記金属層の表面が前記多孔質層で覆われていてもよい。このような構成により、前記複数の電極の電気伝送度を調節することができる。
また、本発明に係る電極構造体では、前記作用極、前記参照極及び前記対極からなる電極の組が少なくとも2組設けられ、それら2組の前記電極の組は、前記作用極、前記参照極及び前記対極の配列が互いに線対称となるように同一平面内に設けられていてもよい。このような構成にすることで、測定感度のさらなる向上を図ることができる。
また、本発明に係る電極構造体では、前記作用極及び/又は前記対極の接液部は、その電極の他の部分よりも幅広に形成されていてもよい。そうすれば、試料溶液中のイオン物質の電解析出が促進され、測定感度を向上させることができる。
また、本発明に係る電極構造体では、前記複数の電極の前記第2端側の部分は、それぞれの前記電極に対して電気的接触をとるための端子部となっており、前記複数の電極の表面のうち前記接液部及び前記端子部以外の部分は電気絶縁性の被覆材により覆われていてもよい。
本発明に係る電気化学測定装置は、本発明に係る上述の電極構造体の前記複数の電極の前記端子部と電気的接触をとるためのコネクタ部と、前記コネクタ部を介して前記電極構造体の前記作用極に電圧を印加する電圧印加部と、前記コネクタ部を介して前記電極構造体の前記作用極と前記対極との間に流れる電流を測定する電流検出部と、前記電流検出部の出力値に基づいて試料溶液中の特定の重金属濃度を求める演算部と、を備えている。
本発明に係る電極構造体形成方法は、電気絶縁性の基体の表面に、それぞれ第1端及び第2端を有する複数の電極が作用極、参照極及び対極として設けられ、前記複数の電極の前記第1端側の部分が試料溶液を接触させるための接液部となっており、前記複数の電極の前記接液部を試料溶液に浸して前記試料溶液中の重金属の電気化学測定を行なうための電極構造体を形成する方法である。当該方法は、前記基体の表面に前記複数の電極を形成する電極形成ステップと、前記複数の電極が表面に形成された前記基体を、化学物質を含む溶液の蒸気又はミストが充満する空間内に配置し、前記複数の電極のうち少なくとも前記作用極をなす電極の前記接液部の表面に前記化学物質を堆積させて酸層を形成する酸層形成ステップと、をその順に備えている。
本発明に係る電極構造体形成方法では、前記電極形成ステップにおいて、前記複数の電極を構成する層として、カーボン及び/又はグラファイトを含む多孔質層を最上層に形成してもよい。多孔質層を最上層に形成し、その多孔質層の表面を酸層で被膜することで、酸層を構成する化学物質が多孔質層の表面の凹凸に入り込んで酸層の蒸着が安定し、酸層の安定性及び均一性が向上する。
本発明に係る電極構造体では、少なくとも作用極の接液部の表面が酸層で被膜されているので、この電極構造体を用いて電気化学的に重金属濃度を測定したときに、酸層によるイオン物質の化学的安定化と電解析出が促され、試料溶液を酸性化又はアルカリ性化する調製を行なわなくても、高い測定感度が得られる。すなわち、試料溶液中に微量に存在する重金属の電気化学測定を現場において実施する場合にも高い測定感度が得られる。
本発明に係る電気化学測定装置では、少なくとも作用極の接液部の表面が酸層で被膜されている本発明の電極構造体を用いて電気化学測定を行なうので、酸層によるイオン物質の化学的安定化と電解析出が促され、試料溶液を酸性化又はアルカリ性化する調製を行なわなくても、高い測定感度が得られる。すなわち、試料溶液中に微量に存在する重金属の電気化学測定を現場において実施する場合にも高い測定感度が得られる。
本発明に係る電極構造体形成方法では、複数の電極が表面に形成された基体を、化学物質を含む溶液の蒸気又はミストが充満する空間内に配置し、複数の電極のうち少なくとも作用極をなす電極の接液部の表面に化学物質を堆積させて酸層を形成する酸層形成ステップを備えているので、少なくとも作用極の接液部の表面が酸層で被膜されている本発明の電極構造体を形成することができる。
電極構造体の一実施例を示す平面図である。 図1AのX-X’位置における断面図である。 図1AのY-Y’位置における断面図である。 金属層及び多孔質層で構成した実施例を示す図1AのX-X’位置での断面図である。 電気化学測定装置の一実施例を示す概略構成図である。 電極の接液部の表面に酸層を形成することによる水銀の検出感度への影響の検証結果を示すグラフである。 電極の接液部の表面に酸層を形成することによるカドミウムの検出感度への影響の検証結果を示すグラフである。 電極の接液部の表面に酸層を形成することによる鉛の検出感度への影響の検証結果を示すグラフである。 電極構造体の電極表面の酸層の形成方法の一例を説明するための図であり、(a)は酸層を形成する前の複数の電極構造体を平面的に一体化させた電極構造体群の図であり、(b)は電極構造体群の各電極構造体の電極の表面に酸層を形成する工程の概念図である。
以下、本発明に係る電極構造体、電気化学測定装置及び電極構造体の形成方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
電極構造体の一実施例について、図1A~図1Cを用いて説明する。
図1Aに示されているように、電極構造体1は、電気絶縁性でかつ板状の基体2の一方の主面に、第1端及び第2端を有する複数の電極4、6、8、10、12及び14が互いに間隔をもってかつ互いに平行に設けられている。電極4及び10は作用極として、電極6及び12は参照極として、電極8及び14は対極として設けられている。作用極4、参照極6及び対極8の3つの電極は、電気化学測定を行なうための電極の組(第1の組)を構成し、作用極10、参照極12及び対極14は、電気化学測定を行なうための電極の組(第2の組)を構成する。作用極4、参照極6及び対極8からなる第1の組と作用極10、参照極12及び対極14第2の組は、互いの電極の配置が線対称になるように配置されている。
各電極4、6、8、10、12及び14は、第1端(図において下端)が試料溶液に接触させる接液部となっており、第2端(図において上端)がそれぞれの電極へ電気的接触をとるための端子部となっている。
図1B及び図1Cに示されているように、各電極4、6、8、10、12及び14は、カーボン及び/又はグラファイトを含む材料からなる多孔質層によって構成されている。このような電極4、6、8、10、12及び14は、カーボン及び/又はグラファイトを含むペーストを基体2の主面にパターニングした後、乾燥させてペースト内の液体を蒸発させることにより形成することができる。基体2の主面にペーストをパターニングする方法としては、石版印刷、マスクを利用した熱蒸着の方法、スパッタの方法、レーザーパターニングの方法など、種々の方法を用いることができる。
各電極4、6、8、10、12及び14の接液部の表面には、酸性の化学物質からなる酸層16が設けられている。酸層16の成分としては、硝酸、酢酸、塩酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、フタル酸、酢酸などの有機酸が挙げられる。酸層16は、試料溶液中のイオン物質の化学的安定化と作用極4、10における電解析出の促進を目的として形成されているため、必ずしもすべての電極の接液部の表面に設けられている必要はなく、少なくとも作用極4及び10の接液部に設けられていれば足りる。なお、酸層16は、各電極4、6、8、10、12及び14の端子部の表面にも設けられていてよい。酸層16を形成するには、化学的吸着よりも物理的吸着を用いる方が簡便であり、それで足りる。例えば、熱蒸着・真空蒸着などの蒸着、スパッタ、シルク印刷などの印刷、噴霧などのほか、液体をピペット等で滴下し、乾燥させる方法も採ることができる。酸層16の形成方法の好ましい一例については後述する。
また、図2に示されているように、電極4、6、8、10、12及び14は、電気伝送度の調整を目的として、多孔質層の内部に銀、金、白金などの金属層が設けられていてもよい。電極4、6、8、10、12及び14の構造は特に限定されないが、表面に酸層16が形成される電極(特に、作用極4及び10)の最上層(最も外側に位置する層)は、酸層16の吸着安定性を考慮して多孔質層であることが好ましい。
基体2の材質は、例えば合成樹脂であり、エポキシ樹脂やPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)などが挙げられる。
図1Bに示されているように、各電極4、6、8、10、12及び14の接液部と端子部との間の部分は、電気絶縁性の被覆材18によって被覆されている。被覆材18の材質は電気絶縁性を有するものであれば足り、例えば、レジスト用樹脂、フェノール樹脂、漆樹脂などを使用することができる。これらの材料のいずれかを各電極4、6、8、10、12及び14の接液部と端子部との間の部分の表面に塗布することにより、各電極4、6、8、10、12及び14間のショートを防止するとともに、各電極4、6、8、10、12及び14を保護することができる。
また、図では示されていないが、参照極6及び12の接液部の表面は、銀-塩化銀(銀の粒子と塩化銀の粒子との混合物)によって覆われていてもよい。そうすれば、参照極6及び12の電位、すなわち、標準電極電位が安定し、重金属の電位ピークが出現する電位Eの再現性が高められる。
この実施例では、図1Aに示されているように、電極反応が進行する作用極4、10と対極8、14は、接液部が他の部分よりも幅広になるように形成されている。このような電極形状により、試料溶液中のイオン物質の電解析出が促進され、測定感度の向上が図られる。ただし、各電極4、6、8、10、12及び14の形状は図1Aに示されているものに限定されず、作用極と対極のいずれか一方のみが、接液部が他の部分よりも幅広になるように形成されていてもよいし、作用極と対極のいずれも接液部が他の部分と同じ幅、若しくは他の部分よりも狭い幅になるように形成されていてもよい。
本発明者らは、作用極、参照極及び対極からなる電極の組を2組設けて、それらの電極の組を互いに対称となるように配置することで、作用極、参照極及び対極からなる電極の組を1組のみ設けた場合に比べて測定感度が向上するとの知見を得ている。そのため、図1A~図1Cに示した電極構造体1は、作用極、参照極及び対極からなる電極の組を2組備え、それらが互いに線対称に配置されている。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、作用極、参照極及び対極からなる電極の組が1組のみ設けられている態様、互いに対をなす(線対称に配置されている)2組の電極の組が複数設けられている態様も本発明に含まれる。
また、図1A~図1Cに示した電極構造体1は、基体2の一方の主面にのみ作用極、参照極及び対極をなす複数の電極が設けられているが、基体2の両側の主面に作用極、参照極及び対極をなす複数の電極を設けてもよい。また、電極の配列は図1A~図1Cに示したものに限定されず、作用極4と対極8、作用極10と対極14の位置がそれぞれ入れ替わっても、これらの電極の配列の対称性が保持される限り、同様に高い測定感度が得られる。
上述の電極構造体を用いて重金属の電気化学測定を行なう電気化学測定装置の一実施例を、図3を用いて説明する。
この電気化学測定装置100は、コネクタ部102、接続部104、電圧印加部106、電流検出部108、制御部110、演算部112、操作部114、表示部116及び外部出力端子118を備えている。
コネクタ部102は、電極構造体1を着脱自在に接続するためのものである。コネクタ部102には、電極構造体1の作用極4、10のそれぞれと電気的接触をとるための2つの作用極端子(W)、参照極6、12のそれぞれと電気的接触をとるための2つの参照極端子(R)、対極8、14のそれぞれと電気的接触をとるための2つの対極端子(C)を備えている。コネクタ部102は配線を介して接続部104と接続されており、コネクタ部102の2つの作用極端子(W)、2つの参照極端子(R)及び2つの対極端子(C)はそれぞれ、接続部104において互いに電気的に接続されている。
電圧印加部106及び電流検出部108は、接続部104を介してコネクタ部102の各端子(W)、(R)、(C)と電気的に接続されている。このように、電極構造体1の6つの電極4、6、8、10、12及び14は、接続部104を介して電圧印加部106及び電流検出部108に接続される。すなわち、電気化学測定装置100は、コネクタ102が6電極に対応する構造である一方で、電極構造体1に設けられている6つの電極4、6、8、10、12及び14をあたかも3つの電極であるかのように扱う点に特徴を有する。したがって、電気化学測定装置100は、6つの電極4、6、8、10、12及び14を有する電極構造体1を適用可能とするものの、測定の原理については、3電極系の電気化学測定を行なう装置と同じである。
図3の例では、コネクタ部102と接続部104との間において6つの電極端子のそれぞれに1本ずつ配線されているように示されているが、図示されている各配線が、対応する電極を流れる電流の通り道となる電流配線と、対応する電極の電位を計測するための電圧配線とに分離されていてもよい。コネクタ部102と接続部104との間の配線がこのように分離されている場合は、各電流配線を流れる電流の影響を排して、電位をより高い精度で計測することが可能となる。
電圧印加部106は、接続部104を介して、電極構造体102の作用極4、10と対極8、14との間に電圧を印加する。電圧印加部106によって電極構造体102の作用極4、10と対極8、14との間に印加される電圧の大きさは制御部110によって制御される。制御部110は、操作部114を介して入力された測定条件等の情報に基づき、電圧印加部106から出力される電圧の大きさを制御するように構成されている。
電流検出部108は、作用極4、10と対極8、14との間の電流を検出する。電流検出部108によって検出された電流値は演算部112に取り込まれる。演算部112は、電流検出部108によって検出された電流値に基づいて、試料溶液中の特定の重金属の濃度等の演算を行なうように構成されている。演算部112による演算結果は、電気化学測定装置100の筐体外面に設けられた液晶ディスプレイ等の表示部116に表示したり、電気化学測定装置100の筐体外面に設けられた外部出力端子118を通じてパーソナルコンピュータ等の外部機器へ出力したりすることができる。
図4、図5及び図6のそれぞれは、電極構造体の各電極の接液部の表面を酸層で被膜することによる検出感度への影響についての検証結果を示すグラフである。これらの検証では、図1A~図1Cを用いて説明した電極構造体1を用いた測定(実施例)、及び、電極構造体1と同様に6つの電極を備えているものの、それらの電極の接液部の表面に接液部が設けられていない電極構造体を用いた測定(比較例)を、同じ条件下で実施した。これらのグラフにおいて、横軸は作用極(4、10)に印加した電位Eであり、縦軸は作用極(4、10)と対極(8、14)との間を流れる電流Iである。実施例の測定で使用した電極構造体1の酸層16の成分は硝酸である。測定方法は、微分パルスボルタンメトリー(非特許文献1の121頁参照)である。なお、この検証の測定に用いられたいずれの電極構造体(実施例及び比較例)においても、参照極の表面に銀-塩化銀の層は形成されていない。
図4の検証では、試料溶液として、水銀100ppbの水溶液を用いた。この試料溶液は、100ppmの水銀標準溶液(Wako Standard solution)を、蒸留水によって希釈したものである。
図4のグラフから明らかなように、実施例の測定データでは、電位-924mV付近において、電流Iに明瞭かつ鋭い1つのピークが観測された。このピークは、水銀に対応するピークである。これに対して、比較例の測定データでは、この電位帯において明瞭なピークを観測することができなかった。この結果から、電極構造体1の作用極4、10の接液部の表面を酸層16で被膜することにより、水銀の測定感度が向上することが実証された。また、参照極の表面に銀-塩化銀の層が形成されていなくても、作用極4、10の接液部の表面を酸層16で被膜することによって、ピークの電位Eの安定性が良好になることも確認された。
図5の検証では、試料溶液として、カドミウム100ppbの水溶液を用いた。この試料溶液は、100ppmのカドミウム標準溶液(Wako Standard solution)を、蒸留水によって希釈したものである。
図5のグラフから明らかなように、実施例の測定データでは、電位-1688mV付近において、電流Iに明瞭かつ鋭い1つのピークが観測された。このピークは、カドミウムに対応するピークである。比較例の測定データでもピークが観測されているものの、実施例の測定データのピークは、比較例の測定データのピークに比べて、2倍近い高さであり、かつピークの幅が狭く、より鋭いピークとなっている。この結果から、電極構造体1の作用極4、10の接液部の表面を酸層16で被膜することにより、カドミウムに関しても、測定感度が向上することが実証された。
図6の検証では、試料溶液として、鉛100ppbの水溶液を用いた。この試料溶液は、100ppmの鉛標準溶液(Wako Standard solution)を、蒸留水によって希釈したものである。
図6のグラフから明らかなように、実施例の測定データでは、電位-800mV付近において、電流Iに明瞭かつ鋭いピークが観測された。このピークは、鉛に対応するピークである。これに対して、比較例の測定データでは、この電位帯において明瞭なピークを観測することができなかった。この結果から、電極構造体1の作用極4、10の接液部の表面を酸層16で被膜することにより、鉛についても測定感度が向上することが実証された。
次に、電極構造体1の形成方法の一例について、図7を用いて説明する。
電極構造体1を形成する手順として、最初に、基体2の一方の主面に、カーボン及び/又はグラファイトを主成分とするペーストを所望の電極形状にパターニングした後、ペーストを乾燥させることによって、多孔質層からなる複数の電極4、6、8、10、12及び14を形成する。その後、各電極4、6、8、10、12及び14の接液部及び端子部以外の部分の表面を被覆材18によって被覆する(図1C参照)。電極の特定部分を被覆材18によって被覆する技術は周知技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、図7(a)に示されているように、基体2の表面に電極4、6、8、10、12及び14が形成された状態(酸層16は形成されていない)の複数の電極構造体200を、電極4、6、8、10、12及び14が形成されている主面を互いに同じ向きにして同一平面内に配列し、互いを連結して平板形状の電極構造体群300を形成する。電極構造体群300は、例えば、同一平面内に配列された電極構造体200の基板2の背面(電極4、6、8、10、12及び14が形成されている面とは反対側の面)に粘着テープを貼着して各電極構造体200を互いに連結することにより、形成することができる。
図7(b)に示されているように、電極構造体群300を形成した後、蒸着用容器400内において、電極構造体群300の各電極構造体200の電極4、6、8、10、12及び14の表面に酸層16を蒸着によって形成する。蒸着用容器400は、内部に密閉空間を形成することができるものであり、底部に加熱器406が設けられている。蒸着用容器400内の加熱器406上に、酸(例えば硝酸)の水溶液404が入れられた熱伝導性の皿402を載置する。皿402は、耐熱性及び耐酸性を有するものである。皿402内において少量の水溶液404が偏在しないように、皿402の底に金属ネット(図示略)を配置し、この金属ネットに水溶液404を染み込ませてもよい。電極構造体群300を、電極4、6、8、10、12及び14が形成されている各電極構造体200の主面が下方を向くようにして、皿402の上方で保持部材408によって保持する。
上記の状態で、加熱器406により皿402を加熱することにより、皿402に入れられた酸の水溶液404が加熱され、蒸着用容器440の内部空間に酸の蒸気又はミストが充満する。酸の蒸気又はミストは、電極構造体群300の各電極構造体200の表面に付着する。その後、電極構造体群300を蒸着用容器400から取り出し、蒸留水で洗浄する。洗浄により、電極構造体200の電極4、6、8、10、12及び14の表面のうち多孔質層が露出していた部分にのみ、酸が残留する。その後、電極構造体群300を乾燥器に入れて約60℃の雰囲気中で蒸留水を蒸発させる。これにより、電極4、6、8、10、12及び14の表面のうち多孔質層が露出していた部分に酸層16が形成され、複数の電極構造体1が得られる。
酸層16が蒸着により形成されるので、形成される厚さの均一性が良好である。また、電極4、6、8、10、12及び14の多孔質層の表面に蒸着により形成された酸層16は、手指で触れても散逸せず、安定している。このため、複数の電極構造体1の間で、特性の均一性も良好である。これは、蒸着した酸が、電極4、6、8、10、12及び14の多孔質層の表面の微細な凹凸に入り込むとともに、表面を覆う層を形成するためであると考えられる。また、図7のように、複数の電極構造体1の酸層16を同時に形成することも、複数の電極構造体1の間での特性の均一性を高めることに寄与している。
なお、電極4、6、8、10、12及び14が形成された電極構造体200の表面のうち酸層16を形成しない部分をプラスチック板やステンレス板等のマスクで覆っておくことで、酸層16を形成する部分を特定位置(例えば、接液部)に限定することができる。
電極構造体1の電極を構成する多孔質層の表面に酸層16を形成することによって電気化学測定の感度が向上するという知見は、本発明者らが試行錯誤を経て得たものであるが、測定感度向上の理由としては、作用極を構成する多孔質層の表面を覆う酸(例えばHNO)と重金属イオン(例えばPb2+)とが結合し、塩(例えばPb(NO))が生じること(Pb+2HNO→Pb(NO))により、Pb2+→Pbという電極反応が促進されるからであると論理付けることができる。電気化学測定で試料溶液の重金属濃度を測定する場合には、一般的に、採取した試料に硝酸を5%程度加えて混和するという前処理を行ない、その後の上澄み液を測定試料とする。この上澄み液には、Pb2+とHNO が高い濃度で含まれる。これに対し、本発明は、電極に予めPb(NO)の層を形成することで、上記の前処理を行なうことなく、検出感度を向上させるという発想に基づいている。したがって、本発明では、従来方法のような前処理を実施する必要はない。
以上において説明した実施例の電極構造体1では、平板状の基体2の主面に作用極、参照極、対極をなす複数の電極4、6、8、10、12及び14が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、平板状でない基体に作用極、参照極、対極をなす複数の電極が形成されていてもよい。例えば、円筒状の基体を用いることができ、その場合は、基体の外側面又は内側面に作用極、参照極、対極をなす複数の電極を設けることができる。
1 電極構造体
2 基体
4,6,8,10,12,14 電極
16 酸層
18 被覆材
100 電気化学測定装置
102 コネクタ部
104 接続部
106 電圧印加部
108 電流検出部
110 制御部
112 演算部
114 操作部
116 表示部
118 外部出力端子
200 電極構造体(酸層形成前)
300 電極構造体群
400 蒸着用容器
402 皿
404 酸水溶液
406 加熱器
408 保持部材

Claims (9)

  1. 電気絶縁性の基体の表面に、それぞれ第1端及び第2端を有する複数の電極が作用極、参照極及び対極として設けられ、前記複数の電極の前記第1端側の部分が試料溶液を接触させるための接液部となっており、前記複数の電極の前記接液部を試料溶液に浸して前記試料溶液中の重金属の電気化学測定を行なうための電極構造体であって、
    前記複数の電極のうち少なくとも前記作用極、参照極及び対極のそれぞれの前記接液部の表面が酸性の化学物質からなる酸層で被膜されている、電極構造体。
  2. 前記複数の電極はカーボン及び/又はグラファイトを含む多孔質層を有し、前記接液部における前記多孔質層の表面が前記酸層により被膜されている、請求項1に記載の電極構造体。
  3. 前記複数の電極は、前記基体の表面に接する金属層を含み、前記金属層の表面が前記多孔質層で覆われている、請求項2に記載の電極構造体。
  4. 前記作用極、前記参照極及び前記対極からなる電極の組が少なくとも2組設けられ、それら2組の前記電極の組は、前記作用極、前記参照極及び前記対極の配列が互いに線対称となるように同一平面内に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電極構造体。
  5. 前記作用極及び/又は前記対極の接液部は、その電極の他の部分よりも幅広に形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極構造体。
  6. 前記複数の電極の前記第2端側の部分は、それぞれの前記電極に対して電気的接触をとるための端子部となっており、前記複数の電極の表面のうち前記接液部及び前記端子部以外の部分は電気絶縁性の被覆材により覆われている、請求項1から5のいずれか一項に記載の電極構造体。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の電極構造体の前記複数の電極の前記第2端側の部分と電気的接触をとるためのコネクタ部と、
    前記コネクタ部を介して前記電極構造体の前記作用極に電圧を印加する電圧印加部と、
    前記コネクタ部を介して前記電極構造体の前記作用極と前記対極との間に流れる電流を測定する電流検出部と、
    前記電流検出部の出力値に基づいて試料溶液中の特定の重金属濃度を求める演算部と、を備えた電気化学測定装置。
  8. 電気絶縁性の基体の表面に、それぞれ第1端及び第2端を有する複数の電極が作用極、参照極及び対極として設けられ、前記複数の電極の前記第1端側の部分が試料溶液を接触させるための接液部となっており、前記複数の電極の前記接液部を試料溶液に浸して前記試料溶液中の重金属の電気化学測定を行なうための電極構造体を形成する電極構造体形成方法であって、
    前記基体の表面に前記複数の電極を形成する電極形成ステップと、
    前記複数の電極が表面に形成された前記基体を、化学物質を含む溶液の蒸気又はミストが充満する空間内に配置し、前記複数の電極のうち少なくとも前記作用極をなす電極の前記接液部の表面に前記化学物質を堆積させて酸層を形成する酸層形成ステップと、をその順に備えた電極構造体形成方法。
  9. 前記電極形成ステップにおいて、前記複数の電極を構成する層として、カーボン及び/又はグラファイトを含む多孔質層を最上層に形成する、請求項8に記載の電極構造体形成方法。
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