JP7227008B2 - 調理関連器具汚染度測定用キット及び調理関連器具洗浄プログラム評価方法 - Google Patents
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Description
特許文献2(特開平11-069997)は、清浄度検査試薬およびその試薬を用いる清浄度検査法を記載している。
非特許文献1(鈴木ら、日本食品微生物学会、2007年、講演要旨)はアデニンヌクレオチドを指標とした高感度清浄度検査法の開発を記載している。
[1] 以下の工程を含む、ATP及びADP測定キットを使用した、洗浄プログラム評価方法、(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価する、
ここで該ATP及びADP測定キットは、ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善用のATP及びADP測定キットである、前記方法。
[2] 工程(iv)において汚染が十分に除去されないと評価された場合、工程(i)と同一又は異なる方法により調理関連器具をさらに洗浄する、1に記載の方法。
[3] 以下の工程を含む、ATP及びADP測定キットを使用した、洗浄プログラム改善方法、(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す、
ここで該ATP及びADP測定キットは、ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善用のATP及びADP測定キットである、前記方法。
[4] さらに工程(i)の前に、
(o) 調理関連器具の洗浄プログラムを作成する工程、
を含む、1~3のいずれかに記載の方法。
[5] ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルビン酸キナーゼ(PK)、酢酸キナーゼ(AK)、クレアチンキナーゼ(CK)、ポリリン酸キナーゼ(PPK)、ヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ、グリセロールキナーゼ、フルクトキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、リボフラビンキナーゼ、及びフルクトースビスホスファターゼからなる群より選択される、1~4のいずれかに記載の方法。
[6] 前記ATP及びADP測定キットが、さらにAMP測定試薬を含む、1~5のいずれかに記載の方法。
[7] AMP測定試薬が、AMPからADP又はATPを生成する反応を触媒する酵素を含む、6に記載の方法。
[8] AMPからADP又はATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルベートオルトホスフェートジキナーゼ(PPDK)、アデニル酸キナーゼ(ADK)又はピルビン酸ウォータージキナーゼ(PWDK)を含む、7に記載の方法。
[9] 以下の工程を含む、ATP、ADP及びAMP測定キットを使用した、洗浄プログラム評価方法、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価する、
ここで該測定キットは、AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善用の測定キットである、前記方法。
[10] 工程(iv)において汚染が十分に除去されないと評価された場合、工程(i)と同一又は異なる方法により調理関連器具をさらに洗浄する、9に記載の方法。
[11] 以下の工程を含む、ATP、ADP及びAMP測定キットを使用した、洗浄プログラム改善方法、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す、
ここで該測定キットは、AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善用の測定キットである、前記方法。
[12] さらに工程(i)の前に、
(o) 調理関連器具の洗浄プログラムを作成する工程、
を含む、9~11のいずれかに記載の方法。
[13] 前記AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルベートオルトホスフェートジキナーゼ(PPDK)又はピルビン酸ウォータージキナーゼ(PWDK)であり、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素が、ADP依存性ヘキソキナーゼ又はアピラーゼである、9~12のいずれかに記載の方法。
[14] ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム評価方法に用いるためのATP及びADP測定キット、ここで該調理関連器具洗浄プログラム評価方法は、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、並びに
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価する、
を含む方法である、前記キット。
[15] 工程(iv)において汚染が十分に除去されないと評価された場合、工程(i)と同一又は異なる方法により調理関連器具をさらに洗浄する、14に記載のキット。
[16] ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善方法に用いるためのATP及びADP測定キット、ここで該調理関連器具洗浄プログラム改善方法は、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す、
を含む方法である、前記キット。
[17] さらに工程(i)の前に、
(o) 調理関連器具の洗浄プログラムを作成する工程、
を含む、14~16のいずれかに記載のキット。
[18] ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルビン酸キナーゼ(PK)、酢酸キナーゼ(AK)、クレアチンキナーゼ(CK)、ポリリン酸キナーゼ(PPK)、ヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ、グリセロールキナーゼ、フルクトキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、リボフラビンキナーゼ、及びフルクトースビスホスファターゼからなる群より選択される、14~17のいずれかに記載のキット。
[19] 前記キットが、さらにAMP測定試薬を含む、14~18のいずれかに記載のキット。
[20] AMP測定試薬が、AMPからADP又はATPを生成する反応を触媒する酵素を含む、19に記載のキット。
[21] AMPからADP又はATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルベートオルトホスフェートジキナーゼ(PPDK)、アデニル酸キナーゼ(ADK)又はピルビン酸ウォータージキナーゼ(PWDK)を含む、20に記載のキット。
[22] AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム評価方法に用いるためのATP、ADP及びAMP測定キット、ここで該調理関連器具洗浄プログラム評価方法は、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、並びに
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価する、
を含む方法である、前記キット。
[23] 工程(iv)において汚染が十分に除去されないと評価された場合、工程(i)と同一又は異なる方法により調理関連器具をさらに洗浄する、22に記載のキット。
[24] AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善方法に用いるためのATP、ADP及びAMP測定キット、ここで該調理関連器具洗浄プログラム改善方法は、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す、
を含む方法である、前記キット。
[25] さらに工程(i)の前に、
(o) 調理関連器具の洗浄プログラムを作成する工程、
を含む、22~24のいずれかに記載のキット。
[26] 前記AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルベートオルトホスフェートジキナーゼ(PPDK)又はピルビン酸ウォータージキナーゼ(PWDK)であり、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素が、ADP依存性ヘキソキナーゼ又はアピラーゼである、22~25のいずれかに記載のキット。
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具ついて、本発明のキットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、並びに
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価する。
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、本発明のキットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す。
ある実施形態において、本発明のキットは、ルシフェラーゼ及びルシフェリンを含む。この場合、マグネシウム、マンガン、カルシウムなどの金属イオンも含まれうる。当業者であれば用いる酵素に応じて金属イオンの濃度を決定することができる。必要なルシフェラーゼによりATP、O2及びルシフェリンはAMP、ピロリン酸、CO2及びオキシルシフェリンに変換され、このとき発光がもたらされる。ルシフェラーゼは、天然ルシフェラーゼでもよく、遺伝子工学的に操作された組換えルシフェラーゼ変異体であってもよい。ルシフェラーゼ変異体は、部位特異的突然変異導入又はランダム突然変異導入されたものであってもよい。他の機能を有するタンパク質との融合タンパク質でもよい。ルシフェラーゼ変異体は、耐熱性が向上したもの、界面活性剤耐性が向上したもの等、所望の性質を有するものでありうる。
ルシフェリンは、用いるルシフェラーゼにより基質として認識されるものであればどのようなものでもよく、天然のもの又は化学合成されたものでもよい。また任意の公知のルシフェリン誘導体を用いることもできる。ルシフェリンの基本骨格はイミダゾピラジノンであり、多くの互変異性体がある。ルシフェリンとしては、ホタルルシフェリンが挙げられる。ホタルルシフェリンはホタルルシフェラーゼ(EC 1.13.12.7)の基質である。ルシフェリン誘導体は特開2007-91695、特表2010-523149(国際公開2008/127677号)等に記載されているものであり得る。
ある実施形態において、本発明の方法は、ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素を使用する。ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素により、系に存在するADPはATPに変換される。次いで、ATPがルシフェラーゼによりAMPに変換されるとともに発光が生じる。
ピルビン酸キナーゼ(EC 2.7.1.40)は、解糖系においてホスホエノールピルビン酸をピルビン酸に変換し、その際、ADPがATPに変換される。この反応はギブスエネルギーが負の発エルゴン反応であり、天然の条件下では不可逆的である:
PEP+ADP→ピルビン酸+ATP
逆方向の反応は、糖新生において、ピルビン酸カルボキシラーゼ及びホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼが触媒し、ATP及びピルビン酸からPEP及びADPを生じる。細胞抽出を行うと、系には種々の酵素が混在し、上記反応は両方向進行しうる。その際、ホスホエノールピルビン酸が高濃度に存在するとADPがATPに変換され得る。また、ホスホエノールピルビン酸のみならずピルビン酸キナーゼが系に存在すれば、よりADPがATPに変換されると考えられる。特に限定されないが、例えば、ウサギ、ラット、ニワトリ等の動物、酵母、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)などの微生物由来のものを用いることができる。
酢酸キナーゼ(EC 2.7.2.1)は陽イオンの存在下で、ATP及び酢酸と、ADP及びアセチル化リン酸との間の変換を触媒する:
ATP+酢酸←→ADP+アセチル化リン酸
酢酸キナーゼ(AK)は別名をATP:酢酸ホスホトランスフェラーゼ、アセチルキナーゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。生体内ではATP及び酢酸から、ADP及びアセチル化リン酸を生じ、最終的にはアセチルCoAを生成する反応を促進する。系にアセチルCoAから生じたアセチル化リン酸及びADPが存在する場合、これを酢酸及びATPに変換しうる。特に限定されないが、微生物由来の例えばエシェリシア・コリ(Escherichia coli)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、コストリジウム・パスツーリアナム(Costridium pasteurianum)、ラクトバチルス・デリュブルッキー(Lactobacillus delbruckii)、ヴェイロネラ・アルカレッセンス(Veillonella alcalescence)由来のものを用いることができる。
クレアチンキナーゼ(EC 2.7.3.2)は、クレアチン及びATPと、クレアチンリン酸及びADPとの間の変換反応を媒介する:
クレアチン+ATP←→クレアチンリン酸+ADP
クレアチンキナーゼ(CK)は別名をクレアチンホスホキナーゼ(CPK)又はホスホクレアチンキナーゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。通常、動物の筋肉などではクレアチン及びATPからクレアチンリン酸及びADPを生じる。しかしながらこの反応は可逆反応であり、系にクレアチンリン酸及びADPが高濃度で存在すると、反応は逆方向に進行し、クレアチン及びATPが生じうる。生体内では細胞質性クレアチンキナーゼは2つのサブユニットB又はMから構成される。したがってサブユニットの組み合わせにより3種のアイソザイム、CK-MM、CK-BB及びCK-MBが存在しうる。アイソザイムパターンは組織によって異なるが、本発明ではどのような組み合わせも使用可能である。特に限定されないが、動物由来のものが使用でき、例えば、ウサギ、ニワトリ、ウシ、ブタ、コイ、ナマズ、カエル由来のものが挙げられる。
ポリリン酸キナーゼ(EC 2.7.4.1)は、ポリリン酸(PolyPn)及びADPを、ポリリン酸(PolyPn-1)及びATPに変換する反応を触媒する:
ADP+PolyPn←→ATP+PolyPn-1
ポリリン酸キナーゼ(PPK)は別名をATP:ポリリン酸ホスホトランスフェラーゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。PPKは生体内では酸化的リン酸化に関与する。系にポリリン酸(n)及びADPが存在する場合、これをポリリン酸(n-1)及びATPに変換しうる。特に限定されないが、例えば、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)、酵母、コリネバクテリウム・ゼロシス(Corynebacterium xerosis)等の微生物由来のものが使用できる。
リボフラビンキナーゼ(EC 2.7.1.26)は、FMNKとも記載され、リボフラビン及びATPを、リン酸リボフラビン(FMN)及びADPに変換する反応を触媒する:
ATP+リボフラビン←→ADP+FMN
リボフラビンキナーゼはATP:リボフラビン5'-ホスホトランスフェラーゼ(フラボキナーゼともいう)に属する。特に限定されないが、例えば、微生物や動物由来のものを用いることができ、例えば、酵母、ラット、マメ(Phaseolus radiatus)由来のものが挙げられる。
ホスホフルクトキナーゼ1(EC 2.7.1.11)は、PFK1とも記載され、フルクトース-6-リン酸(Fru6P)及びATPを、フルクトース-1,6-ビスリン酸(Fru1,6-BP)及びADPに変換する反応を触媒する:
Fru6P+ATP←→Fru1,6-BP+ADP
ホスホフルクトキナーゼ1はホスホフルクトキナーゼに属する。本明細書ではホスホフルクトキナーゼ1をFru-1,6BPKと記載することがある。特に限定されないが、動物や微生物由来のものを用いることができ、例えば微生物由来のものは、パン酵母、ビール酵母、クロストリジウム・パスツーリアナム(Clostridium pasteurianum)、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)、バチルス・リチェニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来のものが挙げられる。
フルクトースビスホスファターゼ(EC 3.1.3.11)は、FBPaseとも記載され、フルクトース-1,6-ビスリン酸(Fru1,6-BP)及びADPをフルクトース-6-リン酸(Fru6P)及びATPに変換する反応を触媒する:
Fru1,6-BP+ADP←→Fru6P+ATP
フルクトースビスホスファターゼはFBP、FBP1とも記載されることがある。特に限定されるものではないが、動物、植物、微生物由来のものを用いることができ、例えば、ウサギやニワトリ由来のものが挙げられる。
ピルビン酸-リン酸ジキナーゼ(EC 2.7.9.1)はATP、ピルビン酸、及びオルトリン酸と、アデノシン一リン酸(AMP)、ホスホエノールピルビン酸(PEP)及びピロリン酸(PPi)との間の反応を触媒する:
ATP+ピルビン酸+リン酸←→AMP+PEP+PPi
ピルビン酸-リン酸ジキナーゼ(PPDK)は別名をATP:ピルビン酸,リン酸ホスホトランスフェラーゼ、ピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼ、ピルビン酸リン酸リガーゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。PPDKは通常、ピルビン酸をPEPに変換し、そのプロセスでATPが1分子消費されAMPに変換される。反応は次の3つの可逆反応に分けられる。
1.酵素PPDKがATPに結合し、AMPに変換と二リン酸化PPDKを生じる。
2.二リン酸化PPDKが無機リン酸に結合し、二リン酸と一リン酸化PPDKを生じる。
3.一リン酸化PPDKがピルビン酸に結合し、PEPを生じるとともにPPDKを再び生じる。
このとき、系に存在するPEP濃度が高いと反応は以下のように逆方向に進行する。
3.PEPがPPDKに結合し、一リン酸化PPDK及びピルビン酸を生じる。
2.二リン酸と一リン酸化PPDKから二リン酸化PPDKと無機リン酸が生じる。
1.二リン酸化PPDKとAMPからPPDKとATPが生じる。
PPDKは、特に限定されるものではないが、例えば、特開平8-168375(特許第3181801号)に記載のミクロビスポーラ・サーモローザ(Microbispora thermorosea)、Propionibacterium shremanii、Bacteroides symbiosus、Entamoeba histolytica、Acetobacter xylinum、Propionibacter shermaniiなどの微生物由来のものや、トウモロコシやサトウキビなどの植物由来のものが挙げられる。
アデニル酸キナーゼ(EC 2.7.4.3)は、アデニレートキナーゼとも呼ばれ、金属イオンの存在下で、以下の反応を触媒する:
ATP+AMP←→2ADP
この反応は可逆的である。ADKは、AMPからADPを生成する反応を触媒する酵素の一例である。ADKをPK等と組み合わせると、ADPはATPに変換されるため、結果としてATP及びADP及びAMPを測定することができる。ADKは特に限定されるものではないが、例えば酵母などの微生物由来のものや、ウサギ、ブタ、ウシ、ラット、ブタなどの動物由来のものが挙げられる。
ピルビン酸ウォータージキナーゼ(EC 2.7.9.2)は次の反応を触媒する:
ATP+ピルビン酸+H2O←→AMP+ホスホエノールピルビン酸(PEP)+リン酸(P)
ピルビン酸ウォータージキナーゼは別名を、ホスホエノールピルビン酸シンターゼ;ピルビン酸ウォータージキナーゼ(リン酸化);PEPシンテターゼ; ホスホエノールピルビン酸シンテターゼ;ホスホエノールピルビックシンテターゼ;ホスホピルベートシンテターゼともいう。本明細書ではこれらの用語は互いに置き換えることができる。
ある実施形態において、本発明のキットはRNA分解酵素を含んでもよい。またある実施形態において、本発明の方法は、RNA分解酵素を使用してもよい。なお、ここでいうRNA分解酵素は、サンプルに由来しないRNA分解酵素を意味する。
ADP依存性ヘキソキナーゼ(EC 2.7.1.147)は、ADP特異的ヘキソキナーゼとも呼ばれ、以下の反応を触媒する:
D-グルコース+ADP←→D-グルコース-6-リン酸+AMP
アピラーゼ(EC 3.6.1.5)は、アデノシンジホスファターゼ、ADPアーゼ、ATPジホスファターゼ、又はATPジホスホヒドロラーゼとも呼ばれ、以下の2つの反応を触媒する:
ATP+H2O←→ADP+リン酸(P)
ADP+H2O←→AMP+リン酸(P)
本発明の方法は、ホスホエノールピルビン酸(PEP)を使用しうる。場合により系に過剰量のPEPを添加することで、系に存在するATPやAMPの測定を促進しうる。使用するPEPの濃度としては、終濃度として、0.001mM~4500mM、例えば2.1mMが挙げられる。
本発明の方法は、ピロリン酸(PPi)を使用しうる。場合により系に過剰量のPPiを添加することで、系に存在するATPやAMPの測定を促進しうる。使用するPPiの濃度としては、終濃度として、0.001mM~2000mM、例えば0.2mMが挙げられる。
以下にルシフェラーゼを用いたアッセイ方法を説明する。条件は例示的なものである。 以下を含むATP測定試薬を調製する。
MES 1 mM
酢酸マグネシウム 5.1mM
ピロリン酸カリウム 0.15mM
ホスホエノールピルビン酸カリウム 2.1mM
ルシフェリン 0.8mM
トリシン 25mM
ルシフェラーゼ 12.5μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
上記のATP測定試薬0.1mLにATPを含む試料溶液0.1mLを添加し発光を測定する。発光量の測定は、既知のルミノメーター(ベルトールド社Centro LB960或いはLumat3 LB9508や、キッコーマンバイオケミファ社ルミノメーター等)を用いて測定しうる。
発光は、ある基準を定めて、それに対する相対発光単位(RLU)と記載することができる。ATP濃度が既知の基質溶液を用いて検量線を作成する。次いで、ATP濃度未知の試料溶液に上記のATP測定試薬を添加し同じ条件で発光を測定する。
以下にATP+ADPのアッセイ方法を説明する。条件は例示的なものである。
以下を含むATP+ADP測定試薬を調製する。
MES 1 mM
酢酸マグネシウム 5.1mM
ピロリン酸カリウム 0.15mM
ホスホエノールピルビン酸カリウム 2.1mM
ルシフェリン 0.8mM
トリシン 25mM
ルシフェラーゼ 12.5 μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
PK 25U/mL
以下にATP+ADPのアッセイ方法を説明する。条件は例示的なものである。
以下を含むATP+ADP測定試薬を調製する。
MES 1 mM
酢酸マグネシウム 5.1mM
ピロリン酸カリウム 0.15mM
ホスホエノールピルビン酸カリウム 2.1mM
ルシフェリン 0.8mM
トリシン 25mM
ルシフェラーゼ 12.5 μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
AK 25U/mL
以下にATP+AMPアッセイ方法を説明する。条件は例示的なものである。
以下を含むATP+AMP測定試薬を調製する。
MES 1 mM
酢酸マグネシウム 5.1 mM
ピロリン酸カリウム 0.15 mM
ホスホエノールピルビン酸カリウム 2.1 mM
ルシフェリン 0.8 mM
トリシン 25 mM
ルシフェラーゼ 12.5 μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
PPDK 2 U/mL
以下にATP+AMP+ADPアッセイ方法を説明する。条件は例示的なものである。
以下を含むATP+AMP+ADP測定試薬を調製する。
MES 1 mM
酢酸マグネシウム 5.1mM
ピロリン酸カリウム 0.15mM
ホスホエノールピルビン酸カリウム 2.1 mM
ルシフェリン 0.8mM
トリシン 25mM
ルシフェラーゼ 12.5 μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
PK 25U/mL
PPDK 2U/mL
代替法として、上記において、PPDKに代えて、PWDKを使用しうる(2U/mL)。この場合、ピロリン酸カリウムの代わりにリン酸を使用する。
以下にATP+AMP+ADPアッセイ方法を説明する。条件は例示的なものである。
以下を含むATP、AMP+ADP測定試薬を調製する。
酢酸マグネシウム 5.1mM
ピロリン酸カリウム 0.15mM
ホスホエノールピルビン酸カリウム 2.1 mM
ルシフェリン 0.8mM
トリシン 25mM
ルシフェラーゼ 12.5μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
PK 25U/mL
ADK 500U/mL
以下にATP+AMP+ADPアッセイ方法を説明する。条件は例示的なものである。
以下を含むATP、AMP+ADP測定試薬を調製する。
MES 1 mM
酢酸マグネシウム 5.1 mM
ピロリン酸カリウム 0.15 mM
ホスホエノールピルビン酸カリウム 2.1 mM
ルシフェリン 0.8 mM
トリシン 25 mM
ルシフェラーゼ 12.5 μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
ADP依存性ヘキソキナーゼ 30 U/mL+グルコース 10 mM又はアピラーゼ 1 U/mL
PPDK 2U/mL
[測定試薬]
ヌクレオチド測定は、以下の試薬を用いて行った。これらはあくまで例示であり、他の試薬類で代替可能である。ATP(従来1成分)には、ルシパックII(キッコーマンバイオケミファ社製)、ATP+AMP(従来2成分)には、ルシパックPen(キッコーマンバイオケミファ社製)、ATP+ADP(本発明2成分)には、ルシパックIIにホスホエノールピルビン酸(PEP)を0.1mg、ピルビン酸キナーゼ(Lee Biosolutions Inc. カタログ番号500-20) を5U添加した試薬、ATP+ADP+AMP(本発明3成分)にはルシパックPenにピルビン酸キナーゼを5U加えた試薬を使用し、ATP(従来1成分)、ATP+ADP(本発明2成分)はルミテスターC-110(キッコーマンバイオケミファ社製)を用いて、ATP+AMP(従来2成分)、ATP+ADP+AMP(本発明3成分)にはルミテスターPD-30(キッコーマンバイオケミファ社製)を用いて発光量を測定した。尚、本試薬では同じ濃度のATP溶液を測定した場合、同程度の発光量が表示される。
<ルシパックII組成>
酢酸マグネシウム 7mM
ルシフェリン 0.5mM
トリシン 25mM
ルシフェラーゼ 0.7 μg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
<ルシパックPen組成>
酢酸マグネシウム 7mM
ルシフェリン 0.5mM
トリシン 25mM
ルシフェラーゼ 0.2 mg protein/mL(280nmにおける吸光度をルシフェラーゼ濃度(mg protein/mL)とする。)
ピロリン酸カリウム 0.2mM
ホスホエノールピルビン酸カリウム 1.4mM
PPDK 1.3U/mL
調理関連器具の洗浄方法の違いによる清浄度評価は以下の方法により行った。
図1の写真のようにまな板を格子状に区切った。1マスは6.5cm×6.8cmである。まな板の上面全体に均一になるように豚肉をこすりつけることで肉を付着させた。
次いで、下記1~5の条件でまな板を処理し、格子状に区切った一番上の段の一マスごとに綿棒で拭き取りATP(従来1成分)、ATP+AMP(従来2成分)、ATP+ADP+AMP(本発明3成分)、ATP+ADP(本発明2成分)を測定した:
洗浄条件
1.肉の付着無し、洗浄処理を行わない(ネガティブコントロール)
2.肉を付着させ、洗浄処理を行わない(ポジティブコントロール)
3.肉を付着させ、その後、流水で約10秒流す(流水洗浄)
4.肉を付着させ、その後、スポンジで軽くこすり、流水で約10秒程度洗浄する(スポンジ+流水洗浄)
5.肉を付着させ、その後、洗剤をつけたスポンジでこすり流水で洗浄(洗剤洗浄+流水洗浄)
測定終了後、霧吹きで滅菌超純水をまな板上面全面に噴霧し、水を張った密閉プラスチック容器にまな板を入れ、その際、まな板をラックに載せて、張った水にまな板が接触しないようにし、密閉プラスチック容器の蓋をして、30℃で2日間保存した。保存後、まな板上面の格子状に区切った下段4マス分の表面を綿棒で拭き取り、1mLの滅菌超純水に溶解し、その溶解液を滅菌超純水で100倍希釈し、トリプトソイ寒天培地に50μL撒き、30℃で20時間培養し(図2)、コロニー数をカウントした。菌数は、希釈倍率(100倍)と塗布量(50μL)を考慮し、得られたコロニー数に2000倍した値をcfu/mLとして算出した。
結果は次のとおりである。発光単位はRLUであり、菌数計測単位はcfu/mLである。
ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素を用いるATP+ADP+AMPの測定系の構築
ATP+AMP測定用発光試薬に、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素であるADP依存性ヘキソキナーゼ(旭化成ファーマ、T-93 ADP-HKTII)とグルコースを加え、ATP+ADP+AMPの測定が可能かを調べた。発光試薬の組成は以下の通りである。
0.1mL 発光試薬
0.01mL 種々の濃度のATP、ADP、又はAMP溶液
発光時の溶液中のATP、ADP、及びAMPのmol量を計算し、検量線を作成した。結果を図3-1~3-3に示す。
これらの結果は、AMPからATPを生成する反応を触媒するPPDKと、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素を併用することで、ATP+ADP+AMPの測定が可能であることを示している。これらの方法を用いて上記の調理関連器具の汚染度評価を行うことができる。
Claims (20)
- 以下の工程を含む、ATP及びADP測定キットを使用した、洗浄プログラム評価方法、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価し、さらに工程(i)と同一又は異なる方法により調理関連器具をさらに洗浄する、
ここで該ATP及びADP測定キットは、ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善用のATP及びADP測定キットであり、
ただし該キットからはRNA分解酵素を含むキットは除かれ、かつ
該キットからは、AMPからADP又はATPを生成する反応を触媒する酵素を含むキットは除かれる、前記方法。 - 以下の工程を含む、ATP及びADP測定キットを使用した、洗浄プログラム改善方法、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す、
ここで該ATP及びADP測定キットは、ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善用のATP及びADP測定キットであり、
ただし該キットからはRNA分解酵素を含むキットは除かれ、かつ
該キットからは、AMPからADP又はATPを生成する反応を触媒する酵素を含むキットは除かれる、前記方法。 - 該方法から、特開2003-35673号公報に記載の補助評価基準値を設定する方法は除かれる、請求項1又は2に記載の方法。
- さらに工程(i)の前に、
(o) 調理関連器具の洗浄プログラムを作成する工程、
を含む、請求項1、2又は3に記載の方法。 - ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルビン酸キナーゼ(PK)、酢酸キナーゼ(AK)、クレアチンキナーゼ(CK)、ポリリン酸キナーゼ(PPK)、ヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ、グリセロールキナーゼ、フルクトキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、リボフラビンキナーゼ、及びフルクトースビスホスファターゼからなる群より選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
- 以下の工程を含む、ATP、ADP及びAMP測定キットを使用した、洗浄プログラム評価方法、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価し、さらに工程(i)と同一又は異なる方法により調理関連器具をさらに洗浄する、
ここで該測定キットは、AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善用の測定キットであり、ただし該キットからはRNA分解酵素を含むキットは除かれる、前記方法。 - 以下の工程を含む、ATP、ADP及びAMP測定キットを使用した、洗浄プログラム改善方法、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す、
ここで該測定キットは、AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善用の測定キットであり、ただし該キットからはRNA分解酵素を含むものは除かれる、前記方法。 - 該方法から、特開2003-35673号公報に記載の補助評価基準値を設定する方法は除かれる、請求項6又は7に記載の方法。
- さらに工程(i)の前に、
(o) 調理関連器具の洗浄プログラムを作成する工程、
を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。 - 前記AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルベートオルトホスフェートジキナーゼ(PPDK)又はピルビン酸ウォータージキナーゼ(PWDK)であり、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素が、ADP依存性ヘキソキナーゼ又はアピラーゼである、請求項6~9のいずれか1項に記載の方法。
- ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム評価方法に用いるためのATP及びADP測定キット、ただし該キットからはRNA分解酵素を含むキットは除かれ、かつ該キットからは、AMPからADP又はATPを生成する反応を触媒する酵素を含むキットは除かれ、ここで該調理関連器具洗浄プログラム評価方法は、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、並びに
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価し、さらに工程(i)と同一又は異なる方法により調理関連器具をさらに洗浄する、
を含む方法である、前記キット。 - ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善方法に用いるためのATP及びADP測定キット、ただし該キットからはRNA分解酵素を含むキットは除かれ、かつ該キットからは、AMPからADP又はATPを生成する反応を触媒する酵素を含むキットは除かれ、ここで該調理関連器具洗浄プログラム改善方法は、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す、
を含む方法である、前記キット。 - 該方法から、特開2003-35673号公報に記載の補助評価基準値を設定する方法は除かれる、請求項11又は12に記載のキット。
- さらに工程(i)の前に、
(o) 調理関連器具の洗浄プログラムを作成する工程、
を含む、請求項11~13のいずれか1項に記載のキット。 - ADPからATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルビン酸キナーゼ(PK)、酢酸キナーゼ(AK)、クレアチンキナーゼ(CK)、ポリリン酸キナーゼ(PPK)、ヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ、グリセロールキナーゼ、フルクトキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、リボフラビンキナーゼ、及びフルクトースビスホスファターゼからなる群より選択される、請求項11~14のいずれか1項に記載のキット。
- AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム評価方法に用いるためのATP、ADP及びAMP測定キット、ただし該キットからはRNA分解酵素を含むものは除かれる、ここで該調理関連器具洗浄プログラム評価方法は、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、並びに
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程では汚染が十分に除去されない、と評価し、さらに工程(i)と同一又は異なる方法により調理関連器具をさらに洗浄する、
を含む方法である、前記キット。 - AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及び金属塩を含む、調理関連器具洗浄プログラム改善方法に用いるためのATP、ADP及びAMP測定キット、ただし該キットからはRNA分解酵素を含むものは除かれる、ここで該調理関連器具洗浄プログラム改善方法は、
(i) プログラムに従い調理関連器具を洗浄する、
(ii) 洗浄した調理関連器具について、該キットを使用し、汚染度を測定する、
(iii) 工程(ii)で測定された汚染度と、プログラムで規定されている参照を比較する、
(iv) 測定された汚染度が、プログラムで規定されている参照を超える場合には、(i)の洗浄工程を修正する、並びに
(v) 汚染度がプログラムで規定されている参照以下となるまで、工程(i)~(iv)を繰り返す、
を含む方法である、前記キット。 - 該方法から、特開2003-35673号公報に記載の補助評価基準値を設定する方法は除かれる、請求項16又は17に記載のキット。
- さらに工程(i)の前に、
(o) 調理関連器具の洗浄プログラムを作成する工程、
を含む、請求項16~18のいずれか1項に記載のキット。 - 前記AMPからATPを生成する反応を触媒する酵素が、ピルベートオルトホスフェートジキナーゼ(PPDK)又はピルビン酸ウォータージキナーゼ(PWDK)であり、ADPからAMPを生成する反応を触媒する酵素が、ADP依存性ヘキソキナーゼ又はアピラーゼである、請求項16~19のいずれか1項に記載のキット。
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