JP7226032B2 - エンジンの冷却システム - Google Patents

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    • F02D41/3011Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion
    • F02D41/3017Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used
    • F02D41/3035Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used a mode being the premixed charge compression-ignition mode
    • F02D41/3041Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used a mode being the premixed charge compression-ignition mode with means for triggering compression ignition, e.g. spark plug

Description

ここに開示された技術は、エンジンの冷却システムに関する技術分野に属する。
従来より、空燃比が理論空燃比よりもリーンな混合気を燃焼させるリーン燃焼と、空燃比が該理論空燃比近傍の混合気を燃焼させるストイキ燃焼とを実行するエンジンに設けられる冷却システムが知られている。
例えば、特許文献1には、エンジンヘッドの排気側を流れる冷却水の温度を調整するエンジン水温調整装置と、エンジン水温調整装置を操作する制御装置とを備え、制御装置は、内燃機関がリーン燃焼を実行する場合は、エンジンヘッドを通過した冷却水の温度が第1温度域に入るようにエンジン水温調整装置を操作し、内燃機関がストイキモードで運転する場合は、エンジンヘッドを通過した冷却水の温度が第1温度域よりも低温の第2温度域に入るようにエンジン水温調整装置を操作するように構成されている、冷却システムが開示されている。
特開2017-180110号公報
ところで、リーン燃焼とストイキ燃焼とを切り替え可能なエンジンでは、エンジン負荷に基づいてリーン燃焼とストイキ燃焼とが切り替えられるものがある。このような、エンジンでは、エンジン負荷が相対的に低い運転領域においてリーン燃焼を実行し、加速時などエンジン負荷が相対的に高い運転領域においてストイキ燃焼を実行する。
ここで、リーン燃焼は、一般に、燃焼室の壁温を高い状態で実行される。このため、車両の加速時などの過渡応答によりリーン燃焼からストイキ燃焼に切り替えられると、燃焼室の壁温が高い状態でストイキ燃焼に切り替えられる。ストイキ燃焼は燃焼温度が高いため燃焼室の壁温が上昇しやすい。燃焼室の壁温が高すぎると、ストイキ燃焼を実行した際に、ノッキングなどの異常燃焼が発生するおそれがある。
これを抑制するには、特許文献1記載の冷却システムのように、ストイキ燃焼時のエンジン冷却液の温度の目標値を、リーン燃焼時のエンジン冷却液の温度の目標値に比べて低く設定して、ストイキ燃焼時の燃焼室の壁温を、リーン燃焼時の燃焼室の壁温に比べて低くすることが考えられる。
しかしながら、ストイキ燃焼時に燃焼室の壁温を低くすると、車両の加速が終了して、エンジン負荷が低下したときに、リーン燃焼を実行できない状態となってしまうおそれがある。リーン燃焼を実行できないと燃費の悪化を招いてしまう。
ここに開示された技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジン負荷が高負荷のときにおけるストイキ燃焼時の異常燃焼を抑制しつつ、エンジン負荷が低下したときにリーン燃焼を早期に実行可能な冷却システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、空燃比が理論空燃比よりもリーンな混合気を燃焼させるリーン燃焼と、空燃比が該理論空燃比の混合気を燃焼させるストイキ燃焼とを切り替え可能なエンジンの冷却システムを対象として、エンジン冷却液を供給するポンプと、前記エンジンのシリンダボアを冷却するためにエンジン冷却液が流通するボア通路と、前記エンジンのシリンダヘッドに設けられ、該シリンダヘッドの燃焼室近傍の壁部を冷却するためにエンジン冷却液が流通するヘッド通路と、前記ボア通路を通って、前記ヘッド通路を通った後、エンジン冷却液を冷却させるラジエータを経由して、前記ポンプにエンジン冷却液を流入させる第1通路と、前記ボア通路を通って、前記ヘッド通路を通った後、前記ラジエータを迂回して前記ポンプにエンジン冷却液を流入させる第2通路と、エンジン冷却液の液温を取得する液温取得部と、前記第1通路に設けられ、エンジン冷却液の液温が所定液温以上のときに開弁して、該第1通路を通って前記ポンプに還流するエンジン冷却液の流量を調整するサーモスタット弁と、前記第2通路に設けられ、該第2通路を通って前記ポンプに還流するエンジン冷却液の流量を調整する流量調整装置と、前記流量調整装置を作動制御する制御部とを備え、前記エンジンは、検出又は推定される前記燃焼室の壁部の温度、及びエンジン負荷に基づいて、前記リーン燃焼と前記ストイキ燃焼とが切り替えられるエンジンであり、さらに前記エンジンは、前記燃焼室の壁部の温度が前記所定液温よりも低い所定壁温以上でありかつエンジン負荷が所定負荷よりも低い低負荷のときに前記リーン燃焼を実行するエンジンであり、前記制御部は、前記リーン燃焼と前記ストイキ燃焼とで、前記燃焼室の壁部の目標温度を同じ温度に設定するとともに、前記ストイキ燃焼時の方が、前記リーン燃焼時に比べて前記第2通路を通ってエンジン冷却液の流量が多くなるように前記流量調整装置を制御信号を出力し、さらに前記制御部は、前記ストイキ燃焼の実行時において、エンジン負荷が高いときは、エンジン負荷が低いときと比較して、前記第2通路を通って前記ポンプに還流するエンジン冷却水の流量が大きくなるように、前記流量調整装置に制御信号を出力し、前記目標温度は前記所定液温よりも高い温度に設定されている、という構成とした。
この構成によると、制御部は、リーン燃焼とストイキ燃焼とで同じ目標温度を設定するため、エンジン負荷が高くなってリーン燃焼からストイキ燃焼に切り替えられたときでも、燃焼室の壁部を高温の状態に保つことができる。これにより、エンジン負荷が低下したときには、ストイキ燃焼からリーン燃焼に即座に切り替えることができる。
また、ストイキ燃焼時には、エンジン負荷が高いときは、エンジン負荷が低いときと比較して、ポンプに還流するエンジン冷却水の流量が大きくなる。これにより、エンジン負荷が高く、燃焼室の壁部の温度(以下、壁温という)が上昇しやすいときほど、ポンプから吐出されるエンジン冷却水の流量が多くなる。これにより、エンジン負荷が高いときに、燃焼室の壁温が目標温度を超えることを抑制することができる。この結果、ストイキ燃焼時に異常燃焼が発生するのを抑制することができる。
したがって、エンジン負荷が高負荷のときにおけるストイキ燃焼時の異常燃焼を抑制しつつ、エンジン負荷が低下したときにリーン燃焼を早期に実行することができる。
前記エンジンの冷却システムにおいて、前記液温取得部は、前記ヘッド通路を流通するエンジン冷却液の液温を取得するように配設されている、という構成でもよい。
すなわち、シリンダヘッドの燃焼室側の壁部は、ピストンが圧縮上死点に位置しているときでも燃焼室を形成する部分であるため、ヘッド通路のエンジン冷却液の液温は燃焼室の壁温を精度良く反映している。このため、目標温度に到達するまでの流量調整弁の制御を精度良く行うことができる。これにより、ストイキ燃焼からリーン燃焼への切り換えをより安定的に行うことができる。
前記エンジンの冷却システムにおいて、前記制御部は、前記ストイキ燃焼の実行時において、エンジン負荷が高いほど、前記ポンプに還流するエンジン冷却水の流量が大きくなるように、前記流量調整装置に制御信号を出力する、という構成でもよい。
この構成によると、ストイキ燃焼時には燃焼室の壁温が過剰に上昇するのとより効果的に抑制することができる。このため、エンジン負荷が高負荷のときにおけるストイキ燃焼時の異常燃焼をより効果的に抑制することができる。
前記エンジンの冷却システムにおいて、前記流量調整装置は、開き状態と閉じ状態とが切り替えられるオン/オフ式の弁であり、前記制御部は、前記ストイキ燃焼の実行時において、エンジン負荷が高いほど、単位時間当たりの開き状態の時間が長くなるように前記流量調整装置に制御信号を出力する、という構成でもよい。
この構成によると、流量調整装置はオン/オフ式の弁であるため応答性が高い。これにより、特に過渡応答時において、燃焼室の壁温が過剰に上昇するのとより効果的に抑制することができる。この結果、エンジン負荷が高負荷のときにおけるストイキ燃焼時の異常燃焼をより効果的に抑制することができる。
前記エンジンの冷却システムにおいて、前記エンジンは、前記燃焼室に臨みかつ該燃焼室内の混合気に点火する点火プラグを有し、前記リーン燃焼及び前記ストイキ燃焼における前記エンジンの燃焼方式は、燃料と吸気との混合気を前記点火プラグにより火花点火させた後、燃料と吸気との混合気を圧縮自着火させる部分圧縮自己着火方式である、という構成でもよい。
この構成によると、部分圧縮自己着火方式を採用することで、リーン燃焼とストイキ燃焼とをどちらも安定させることができる。これにより、燃焼室の壁部への伝熱を安定させることができ、リーン燃焼時には、燃焼室の壁温を出来る限り高い状態に保つことができる一方、ストイキ燃焼時には、燃焼室の壁温を早期に上昇させることができる。
以上説明したように、ここに開示された技術によると、リーン燃焼とストイキ燃焼とで同じ目標温度を設定するため、燃焼室の壁温が高い状態を保つことができる。これにより、エンジン負荷が高くなって、リーン燃焼からストイキ燃焼に切り替わった後、エンジン負荷が再度低くなったときに、即座にリーン燃焼に切り替えることができる。また、ストイキ燃焼時において、エンジン負荷が高い方が、エンジン負荷が低いときと比較して、ポンプへのエンジン冷却液の還流量が多くなるため、ストイキ燃焼時に、燃焼室の壁温が上がり過ぎることを抑制することができる。これにより、ストイキ燃焼時における異常燃焼を抑制することができる。したがって、エンジン負荷が高負荷のときにおけるストイキ燃焼時の異常燃焼を抑制しつつ、エンジン負荷が低下したときにリーン燃焼を早期に実行することができる。
例示的な実施形態に係る冷却システムが採用されたエンジンの構成を示す概略図である。 エンジン本体のシリンダヘッドにおける燃焼室を形成する部分を示す断面図である。 冷却システムの概略図である。 エンジン及び冷却システムの制御系を示すブロック図である。 エンジンのマップを例示する図であって、上図は温間時のマップ、中図は半暖機時のマップ、下図は冷間時のマップである。 エンジンのマップのレイヤ構造を示す図である。 マップのレイヤ選択時におけるECUの処理動作を示すフローチャートである。 流量調整弁の、リーン燃焼時における開弁期間とストイキ燃焼時における開弁期間とを示すタイムチャートである。 目標温度と第2検出液温との差分と、ラジエータ迂回通路のエンジン冷却液の流量との関係を示すグラフである。 燃焼室の壁温の温度制御時のECUの処理動作を示すフローチャートである。
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1には、本実施形態に係る冷却システム60(図3参照)が適用された過給機付エンジン1(以下、単にエンジン1という)の構成を示す。エンジン1は、燃焼室17が吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程を繰り返すことにより運転する4ストロークエンジンである。エンジン1は、四輪の車両(ここでは、自動車)に搭載される。エンジン1が運転することによって、車両は走行する。エンジン1の燃料は、この構成例においてはガソリンを主成分とする液体燃料である。
(エンジンの構成)
エンジン1は、シリンダブロック12と、その上に載置されるシリンダヘッド13とを有するエンジン本体10を備えている。エンジン本体10は、シリンダブロック12の内部に複数の気筒11(シリンダボア)が形成された多気筒エンジンである。図1では、一つの気筒11のみを示す。エンジン本体10の他の気筒11は、図1の紙面に垂直な方向に並んでいる。
各気筒11内には、ピストン3が摺動自在に内挿されている。ピストン3は、コネクティングロッド14を介してクランクシャフト15に連結されている。ピストン3は、気筒11及びシリンダヘッド13と共に燃焼室17を区画する。具体的には、ピストン3は燃焼室17の底壁部を構成し、気筒11は燃焼室17の側壁部を構成し、シリンダヘッド13の気筒11側の壁部13a(以下、ヘッド壁部13aという)は、燃焼室17の天井部を構成する。尚、「燃焼室」は、ピストン3が圧縮上死点に至ったときの空間の意味に限定されない。「燃焼室」の語は広義で用いる場合がある。つまり、「燃焼室」は、ピストン3の位置に関わらず、ピストン3、気筒11及びシリンダヘッド13によって形成される空間を意味する場合がある。
シリンダブロック12における各気筒11の周囲には、ブロック側ウォータジャケットが設けられている。ブロック側ウォータジャケットには、気筒11を冷却するエンジン冷却液が流通している。つまり、ブロック側ウォータジャケットは、気筒11(シリンダボア)を冷却するためにエンジン冷却液が流通するボア通路63を構成する。本実施形態では、図2に示すように、ボア通路63には、ウォータジャケットスペーサ12aが配置されている。ウォータジャケットスペーサ12aにより、エンジン冷却液を、気筒11に出来る限り近い領域に流通させることができるとともに、エンジン冷却液を不図示のヒータコア等に送るための通路に適宜分岐させることができるようになっている。
エンジン冷却液は、ボア通路63を通った後、シリンダヘッド13内に設けられたヘッド側ウォータジャケットに流入する。図2に示すように、ヘッド側ウォータジャケットは、燃焼室17の直上及び後述の排気ポート19の周囲に形成されている。つまり、ヘッド側ウォータジャケットは、シリンダヘッド12の燃焼室17近傍の部分、特に、ヘッド壁部13aを冷却するためにエンジン冷却液が流通するヘッド通路64を構成する。詳しくは後述するが、ヘッド通路64を通過したエンジン冷却液は、ラジエータ通路65及びラジエータ迂回通路66に分岐する。
シリンダヘッド13には、気筒11毎に、吸気ポート18が形成されている。吸気ポート18は、燃焼室17に連通している。吸気ポート18には、吸気弁21が配設されている。吸気弁21は、燃焼室17と吸気ポート18との間を開閉する。吸気弁21は、動弁機構によって、所定のタイミングで開閉する。動弁機構は、バルブタイミング及び/又はバルブリフトを可変にする可変動弁機構とすればよい。本実施形態では、可変動弁機構は、吸気電動S-VT(Sequential-Valve Timing)23(図4参照)を有している。吸気電動S-VT23は、吸気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更するよう構成されている。それによって、吸気弁21の開時期及び閉時期は、連続的に変化する。尚、吸気動弁機構は、電動S-VTに代えて、油圧式のS-VTを有していてもよい。
シリンダヘッド13には、気筒11毎に、排気ポート19が形成されている。排気ポート19は、燃焼室17に連通している。排気ポート19には、排気弁22が配設されている。排気弁22は、燃焼室17と排気ポート19との間を開閉する。排気弁22は動弁機構によって、所定のタイミングで開閉する。この動弁機構は、バルブタイミング及び/又はバルブリフトを可変にする可変動弁機構とすればよい。本実施形態では、可変動弁機構は、排気電動S-VT24(図4参照)を有している。排気電動S-VT24は、排気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更するよう構成されている。それによって、排気弁22の開時期及び閉時期は、連続的に変化する。尚、排気動弁機構は、電動S-VTに代えて、油圧式のS-VTを有していてもよい。
シリンダヘッド13には、気筒11毎に、気筒11内に燃料を直接噴射するインジェクタ6が取り付けられている。インジェクタ6は、その噴口が燃焼室17の天井部の中央部分(厳密には、中央よりも僅かに排気側の部分)から、その燃焼室17内に臨むように配設されている。インジェクタ6は、エンジン本体10の運転状態に応じた量の燃料を、エンジン本体10の運転状態に応じて設定された噴射タイミングで燃焼室17内に直接噴射する。
シリンダヘッド13には、気筒11毎に、点火プラグ25が取り付けられている。点火プラグ25は、燃焼室17の中の混合気に強制的に点火をする。点火プラグ25は、本実施形態では、吸気側に配設されている。点火プラグ25の電極は、燃焼室17の中に臨んでかつ、燃焼室17の天井部の付近に位置している。尚、点火プラグ25は、排気側に配置されていてもよい。また、点火プラグ25を気筒11の中心軸上に配置する一方、インジェクタ6を、気筒11の中心軸よりも吸気側又は排気側に配設してよい。
本実施形態において、エンジン本体10の幾何学的圧縮比は、13以上30以下に設定されている。後述するようにエンジン1は、該エンジン1の暖機後の全運転領域において、燃料と吸気との混合気を点火プラグ25により火花点火させるSI(Spark Ignition)燃焼と、燃料と吸気との混合気を圧縮自着火させるCI(Compression Ignition)燃焼とを組み合わせたSPCCI(Spark Controlled Compression Ignition)燃焼を行う。SPCCI燃焼は、SI燃焼による発熱と圧力上昇とを利用して、CI燃焼をコントロールする。エンジン1の幾何学的圧縮比は、レギュラー仕様(燃料のオクタン価が91程度)においては、14~17とし、ハイオク仕様(燃料のオクタン価が96程度)においては、15~18としてもよい。
エンジン本体10の一側面には吸気通路40が接続されている。吸気通路40は、各気筒11の吸気ポート18に連通している。吸気通路40は、燃焼室17に導入する吸気が流れる通路である。
吸気通路40の上流端近傍には、新気を濾過するエアクリーナー41が配設されている。吸気通路40の下流端近傍には、サージタンク42が配設されている。サージタンク42よりも下流の吸気通路40は、気筒11毎に分岐する独立通路を構成している。独立通路の下流端が、各気筒11の吸気ポート18に接続されている。
吸気通路40におけるエアクリーナー41とサージタンク42との間には、スロットル弁43が配設されている。スロットル弁43は、弁の開度を調整することによって、燃焼室17の中への新気の導入量を調整するよう構成されている。
吸気通路40には、スロットル弁43の下流に、機械式過給機44(以下、単に過給機44という)のコンプレッサが配設された過給側通路40aが設けられている。過給機44は、燃焼室17に導入する吸気を過給するよう構成されている。本実施形態において、過給機44は、エンジン本体10によって駆動される過給機である。過給機44は、例えばリショルム式としてもよい。過給機44の構成は特に限定されない。過給機44は、ルーツ式、ベーン式、又は遠心式であってもよい。
過給機44とエンジン本体10との間には、電磁クラッチ45が介設している。電磁クラッチ45は、過給機44とエンジン本体10との間で、エンジン本体10から過給機44へ駆動力を伝達したり、該駆動力の伝達を遮断したりする。後述するように、ECU100が電磁クラッチ45の遮断及び接続を切り替えることによって、過給機44は駆動状態と非駆動状態とが切り替わる。つまり、電磁クラッチ45は、過給機44の駆動と非駆動とを切り換えるクラッチである。このエンジン1は、過給機44が、燃焼室17に導入する吸気を過給することと、過給機44が、燃焼室17に導入する吸気を過給しないこととを切り替えることができるよう構成されている。
過給側通路40aにおける過給機44の直下流には、インタークーラー46が配設されている。インタークーラー46は、過給機44において圧縮された吸気を冷却するよう構成されている。本実施形態において、インタークーラー46は液冷式である。図示は省略しているが、本実施形態では、インタークーラー46には、エンジン冷却液とは別のインタークーラー冷却液が流通する独立した冷却通路が接続されている。該冷却通路には電動ポンプが設けられており、該電動ポンプによりインタークーラー冷却液が当該冷却通路を循環する。
吸気通路40には、バイパス通路47が接続されている。バイパス通路47は、過給機44及びインタークーラー46をバイパスするよう、吸気通路40における過給機44の上流側の部分とインタークーラー46の下流側の部分とを接続する。バイパス通路47には、該バイパス通路47を開閉するエアバイパス弁48が配設されている。
過給機44を非駆動状態にしたとき(つまり、電磁クラッチ45を遮断したとき)には、エアバイパス弁48を開き状態(オン状態)にする。これにより、吸気通路40を流れるガスは、過給機44をバイパスして、エンジン1の燃焼室17に導入される。エンジン1は、非過給、つまり自然吸気の状態で運転する。
過給機44をオン状態(すなわち、電磁クラッチ45を接続状態)にすると、エンジン1は過給状態で運転する。ECU100は、過給機44がオン状態のときに、エアバイパス弁48の開度を調整する、過給機44を通過したガスの一部は、バイパス通路47を通って過給機44の上流に逆流する。ECU100がエアバイパス弁48の開度を調整すると、燃焼室17に導入するガスの過給圧が変わる。尚、過給時とは、サージタンク42内の圧力が大気圧を超える時をいい、非過給時とは、サージタンク42内の圧力が大気圧以下になる時をいう、と定義してもよい。
エンジン本体10の他側面には、排気通路50が接続されている。排気通路50は、各気筒11の排気ポート19に連通している。排気通路50は、燃焼室17から排出された排気が流れる通路である。排気通路50の上流部分は、詳細な図示は省略するが、気筒11毎に分岐する独立通路を構成している。独立通路の上流端が、各気筒11の排気ポート19に接続されている。
排気通路50には、複数の触媒コンバーターを有する排気ガス浄化システムが配設されている。上流の触媒コンバーターは、図示は省略するが、エンジンルーム内に配設されている。上流の触媒コンバーターは、三元触媒511と、GPF(Gasoline Particulate Filter)512とを有している。下流の触媒コンバーターは、エンジンルーム外に配設されている。下流の触媒コンバーターは、三元触媒513を有している。尚、排気ガス浄化システムは、図例の構成に限定されるものではない。例えば、GPFは省略してもよい。また、触媒コンバーターは、三元触媒を有するものに限定されない。さらに、三元触媒及びGPFの並び順は、適宜変更してもよい。
吸気通路40と排気通路50との間には、外部EGRシステムを構成するEGR通路52が接続されている。EGR通路52は、排気の一部を吸気通路40に還流させるための通路である。EGR通路52の上流端は、排気通路50における上流の触媒コンバーターと下流の触媒コンバーターとの間に接続されている。EGR通路52の下流端は、吸気通路40における過給機44の上流に接続されている。EGR通路52を流れる排気(以下、EGRガスという)は、吸気通路40に導入される時には、バイパス通路47のエアバイパス弁48を通らずに、吸気通路40における過給機44の上流に入る。
EGR通路52には、液冷式のEGRクーラー53が配設されている。EGRクーラー53は、EGR通路52を通るEGRガスを冷却する。図示は省略しているが、本実施形態では、EGRクーラー53には、ボア通路63から分岐した通路を通ったエンジン冷却液が流入する。EGR通路52には、EGR弁54が配設されている。EGR弁54は、EGR通路52を流れるEGRガスの流量を調整するよう構成されている。EGR弁54の開度を調整することによって、冷却したEGRガスの還流量を調整することができる。EGR弁54は、オン/オフ式弁で構成されていてもよく、開度を連続的に変化させることが可能な弁で構成されていてもよい。
(エンジンの冷却システム)
次に、エンジン1の冷却システム60について説明する。図3に示すように、エンジン1の冷却システム60は、エンジン冷却液を供給するポンプ61と、ポンプ61からエンジン本体10のボア通路63に流入させる入口通路62と、ボア通路63及びヘッド通路64と、ボア通路63を通って、ヘッド通路64を通った後、エンジン冷却液を冷却させるラジエータ70を経由してポンプ61に流入するラジエータ通路65(第1通路)と、ボア通路63を通って、ヘッド通路64を通った後、ラジエータ70を迂回してポンプ61にエンジン冷却液を流入させるラジエータ迂回通路66(第2通路)とを有する。
ポンプ61は、エンジン本体10のクランクシャフト15に連動して駆動される機械式のポンプである。第1ポンプ61の吐出口は、入口通路62に接続されている。ポンプ61には、入口通路62に吐出するエンジン冷却液の液温を検出する第1液温センサSW4が設けられている。ポンプ61からのエンジン冷却液の吐出量は、エンジン回転数とポンプ61へのエンジン冷却液の還流量とにより変動する。尚、第1液温センサSW4は、入口通路62を流通するエンジン冷却液の液温を検出するように配置されていてもよい。
入口通路62は、ポンプ61の吐出口とボア通路63の入口とを連通する。ポンプ61から吐出されたエンジン冷却液が、ボア通路63全体を流通するように、入口通路62は、ボア通路63のうち、気筒列方向における一端側でかつ気筒11の筒軸方向におけるシリンダヘッド13とは反対側の端部と接続されている。
ボア通路63は、前述したように、各気筒11の周囲を囲むように設けられている。ボア通路63の出口は、ボア通路63のうち、気筒列方向における他端側でかつ前記筒軸方向におけるシリンダヘッド13側の端部に設けられている。
ヘッド通路64は、前述したように、燃焼室17の直上及び排気ポート19の周囲に形成されている。ヘッド通路64の入口は、ボア通路63の出口と同様に、気筒列方向における他端側に設けられる一方、ヘッド通路64の出口は気筒列方向における一端側に設けられている。ヘッド通路64の出口近傍には、該ヘッド通路64を流通するエンジン冷却液の液温を検出する第2液温センサSW5が侵入している。第2液温センサSW5は、エンジン本体10と熱交換した直後のエンジン冷却液の液温を取得するセンサであり、第2液温センサSW5の検出結果は、基本的には、エンジン冷却液の液温が最も高くなる位置における、該エンジン冷却液の液温を示す。
ラジエータ通路65は、ヘッド通路64の下流端から分岐している。ラジエータ通路65におけるラジエータ70とポンプ61との間には、サーモスタット弁80が配置されている。サーモスタット弁80は、電気式のサーモスタット弁で構成されている。具体的には、サーモスタット弁80は、一般的なサーモスタット弁に電熱線を内蔵させた弁である。サーモスタット弁80は、無通電時には、エンジン冷却液の液温が、所定液温以上であるときに、その温度に応じて開くように構成されているが、電熱線に電流を流すことで、エンジン冷却液の液温が所定液温未満のときでも開くことができるようになっている。つまり、無通電時には、所定液温でサーモスタット弁80が開くことにより、ラジエータ通路65内のエンジン冷却液の液温を所定液温付近にすることができる一方、通電時には、所定液温未満の所望の液温でサーモスタット弁80が開くことにより、ラジエータ通路65内のエンジン冷却液の液温を所望の液温にすることができる。尚、本実施形態において、所定液温は後述する第1所定壁温よりも高い95℃程度に設定されている。
ラジエータ迂回通路66も、ラジエータ通路65と同様に、ヘッド通路64の下流端から分岐している。ラジエータ迂回通路66の途中には、流量調整弁90が配置されている。流量調整弁90は、一定開度の開き状態と、全閉の閉じ状態との間で切り替えられるオン/オフ式の弁である。流量調整弁90は、オン状態のときに一定開度の開き状態となり、オフ状態のときに全閉の閉じ状態となる。流量調整弁90は、開き状態の時間及び閉じ状態の時間を調整することで、より詳しくは、単位時間当たりの開き状態及び閉じ状態の割合(以下、デューティ比という)を調整することで、ラジエータ迂回通路66を通って、ポンプ61に還流するエンジン冷却液の流量を調整する。尚、流量調整弁90は、オン状態のときに閉じ状態となり、オフ状態のときに開き状態となる弁でもよい。流量調整弁90は、ポンプ61に還流するエンジン冷却液の流量を調整する流量調整装置に相当する。
詳しくは後述するが、流量調整弁90のデューティ比は、第2液温センサSW5の検出結果、エンジン1の燃焼形式、及びエンジン負荷に基づいて制御される。
(エンジンの制御系)
エンジン1の制御装置は、エンジン1を運転するためのECU(Engine Control Unit)100を備えている。ECU100は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラーであって、図4に示すように、プログラムを実行する中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)101と、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)により構成されてプログラム及びデータを格納するメモリ102と、電気信号の入出力をする入出力バス103と、を備えている。ECU100は、制御部の一例である。
ECU100には、図1、図3、及び図4に示すように、各種のセンサSW1~SW7が接続されている。センサSW1~SW7は、検知信号をECU100に出力する。センサには、以下のセンサが含まれる。
すなわち、吸気通路40におけるエアクリーナー41の下流に配置されかつ吸気通路40を流れる新気の流量を検知するエアフローセンサSW1、サージタンク42に取り付けられかつ燃焼室17に供給される吸気の温度を検知する吸気温度センサSW2、排気通路50に配置されかつ燃焼室17から排出した排気ガスの温度を検知する排気温度センサSW3、ポンプ61に取り付けられかつボア通路63に流入するエンジン冷却液の液温を検出する第1液温センサSW4、エンジン本体10のシリンダヘッド13に取り付けられかつヘッド通路64を流通するエンジン冷却液の液温を検出する第2液温センサSW5、エンジン本体10に取り付けられかつクランクシャフト15の回転角を検知するクランク角センサSW6、アクセルペダル機構に取り付けられかつアクセルペダルの操作量に対応したアクセル開度を検知するアクセル開度センサSW7である。
ECU100は、これらの検出信号に基づいて、エンジン本体10の運転状態を判断するとともに、各デバイスの制御量を計算する。ECU100は、計算をした制御量に係る制御信号を、インジェクタ6、点火プラグ25、吸気電動S-VT23、排気電動S-VT24、スロットル弁43、過給機44の電磁クラッチ45、エアバイパス弁48、EGR弁54、サーモスタット弁80、及び流量調整弁90に出力する。
例えば、ECU100は、クランク角センサSW6の検出信号に基づいてエンジン本体10のエンジン回転数を算出する。ECU100は、アクセル開度センサSW7の検出信号に基づいてエンジン本体10のエンジン負荷を算出する。
また、ECU100は、算出されたエンジン回転数とエンジン負荷とに基づいてエンジン1の運転領域を読み込んだ後、燃焼室17の壁部の目標温度を設定する。
また、ECU100は、設定された目標温度に基づいて、入口通路61に吐出すべきエンジン冷却液の液温である入口目標液温を設定する。
また、ECU100は、エンジン本体10の運転状態(主に、エンジン負荷及びエンジン回転数)と予め設定したマップとに基づいて目標EGR率(つまり、燃焼室17の中の全ガスに対するEGRガスの比率)を設定する。そして、ECU100は、目標EGR率とアクセル開度センサSW7の検知信号に基づく吸入空気量とに基づき目標EGRガス量を決定するとともに、EGR弁54の開度を調整することにより、燃焼室17の中に導入する外部EGRガス量が目標EGRガス量となるようにフィードバック制御を行う。
(エンジンの運転領域)
図5は、エンジン1の制御に係るマップを例示している。マップは、ECU100のメモリ102に予め記憶されている。マップは、三種類のマップ501、マップ502、及びマップ503を含んでいる。ECU100は、燃焼室17の壁温に応じて、三種類のマップ501,502,503の中から選択したマップを、エンジン1の制御に用いる。三種類のマップ501,502,503の選択については後述する。
第1マップ501は、エンジン1の温間時のマップである。第2マップ502は、エンジン1の、いわば半暖機時のマップである。第3マップ503は、エンジン1の冷間時のマップである。エンジン1の暖機状態は、第2液温センサSW2の検出結果に基づいて判断される。
各マップ501、502、503は、エンジン1のエンジン負荷及びエンジン回転数によって規定されている。第1マップ501は、エンジン負荷の高低及びエンジン回転数の高低に対し、大別して三つの領域に分かれる。具体的には、三つの領域は、アイドル運転を含みかつ、低回転及び中回転の領域に広がる低負荷領域A1、低負荷領域A1よりもエンジン負荷が高い中高負荷領域A2、A3、A4、及び低負荷領域A1、中高負荷領域A2、A3、A4よりもエンジン回転数の高い高回転領域A5である。中高負荷領域A2、A3、A4は、中負荷領域A2と、中負荷領域A2よりもエンジン負荷が高い高負荷中回転領域A3と、高負荷中回転領域A3よりもエンジン回転数の低い高負荷低回転領域A4とに分かれる。
第2マップ502は、大別して二つの領域に分かれる。具体的に、二つの領域は、低中回転領域B1、B2、B3、及び低中回転領域B1、B2、B3よりも回転数の高い高回転領域B4である。低中回転領域B1、B2、B3は、前記低負荷領域A1及び中負荷領域A2に相当する低中負荷領域B1と、高負荷中回転領域B2と、高負荷低回転領域B3とに分かれる。
第3マップ503は、複数の領域に分かれておらず、一つの領域C1のみを有している。
ここで、低回転領域、中回転領域、及び高回転領域はそれぞれ、エンジン1の全運転領域を回転数方向に、低回転領域、中回転領域、及び高回転領域の略三等分にしたときの、低回転領域、中回転領域、及び高回転領域としてもよい。図5の例では、第1回転数N1未満を低回転、第2回転数N2以上を高回転、第1回転数N1以上かつ第2回転数N2未満を中回転としている。第1回転数N1は、例えば1200rpm程度、第2回転数N2は、例えば4000rpm程度としてもよい。
また、低負荷領域は、軽負荷の運転状態を含む領域、高負荷領域は、全開負荷の運転状態を含む領域、中負荷は、低負荷領域と高負荷領域との間の領域としてもよい。また、低負荷領域、中負荷領域、及び高負荷領域はそれぞれ、エンジン1の全運転領域を負荷方向に、低負荷領域、中負荷領域、及び高負荷領域の略三等分にしたときの、低負荷領域、中負荷領域、及び高負荷領域としてもよい。
図5のマップ501,502,503は、それぞれ、各領域における混合気の状態及び燃焼形態を示している。エンジン1は、低負荷領域A1、中負荷領域A2、高負荷中回転領域A3、及び高負荷低回転領域A4、並びに、低中負荷領域B1、高負荷中回転領域B2、及び高負荷低回転領域B3において、SPCCI燃焼を行う。エンジン1は、それ以外の領域、具体的には、高回転領域A5、高回転領域B4、及び領域C1においては、SI燃焼を行う。
本実施形態に係るエンジン1は、図5に示すように、SPCCI燃焼を行う運転領域において、空燃比が理論空燃比よりも大きい(空気過剰率λ>1)混合気を燃焼させるリーン燃焼と、空燃比が該理論空燃比近傍(空気過剰率λ≦1)の混合気を燃焼させるストイキ燃焼とを実行するように構成されている。具体的には、エンジン1は、低負荷領域A1において、リーン燃焼を実行する一方、中負荷領域A2、高負荷中回転領域A3、及び高負荷低回転領域A4、並びに、低中負荷領域B1、高負荷中回転領域B2、及び高負荷低回転領域B3において、ストイキ燃焼を行う。以下、リーン燃焼とストイキ燃焼について詳細に説明する。
(リーン燃焼)
ECU100は、エンジン1の運転領域が低負荷領域A1であるときには、リーン燃焼を実行させるよう、各種デバイスに制御信号を出力する。
ECU100は、エンジン1の燃費性能を向上させるために、燃焼室17の中にEGRガスを導入させる。具体的には、ECU100は、吸気電動S-VT23及び排気電動S-VT24を制御して、排気上死点付近において、吸気弁21及び排気弁22の両方を開弁するポジティブオーバーラップ期間を設ける。燃焼室17から吸気ポート18及び排気ポート19に排出した排気ガスの一部は、燃焼室17の中に再導入される。燃焼室17の中に熱い排気ガスを導入するため、燃焼室17の中の温度が高くなる。SPCCI燃焼の安定化に有利になる。尚、吸気電動S-VT23及び排気電動S-VT24を、吸気弁21及び排気弁22の両方を閉弁するネガティブオーバーラップ期間を設けるように制御してもよい。
ECU100は、吸気行程中に、燃料を複数回、燃焼室17内に噴射するようにインジェクタ6を制御する。複数回の燃料噴射と、燃焼室17内のスワール流とによって、混合気は成層化する。
燃焼室17の中央部における混合気の燃料濃度は、外周部の燃料濃度よりも濃い。具体的に、中央部の混合気のA/Fは、20以上30以下であり、外周部の混合気のA/Fは、35以上である。尚、空燃比の値は、点火時における空燃比の値であり、以下の説明においても同じである。点火プラグ25に近い混合気のA/Fを20以上30以下にすることにより、SI燃焼時のRawNOxの発生を抑制することができる。また、外周部の混合気のA/Fを35以上にすることで、CI燃焼が安定化する。
燃焼室17内に形成される混合気の空燃比(A/F)は、燃焼室17の全体において理論空燃比(A/F=14.7)よりもリーンである。具体的には、燃焼室17の全体において、混合気のA/Fは25~31である。これにより、RawNOxの発生を抑制することができ、排出ガス性能を向上させることができる。
ECU100は、燃料噴射の終了後、圧縮上死点前の所定のタイミングで、燃焼室17の中央部の混合気に点火をするように、点火プラグ25を制御する。点火タイミングは、圧縮行程の終期としてもよい。圧縮行程の終期は、圧縮行程を、初期、中期、及び終期に三等分したときの終期としてもよい。
前述したように、中央部の混合気は燃料濃度が相対的に高いため、着火性が向上するとともに、火炎伝播によるSI燃焼が安定化する。SI燃焼が安定化することによって、適切なタイミングで、CI燃焼が開始する。SPCCI燃焼において、CI燃焼のコントロール性が向上する。また、混合気のA/Fを理論空燃比よりもリーンにしてSPCCI燃焼を行うことによって、エンジン1の燃費性能を向上させることができる。尚、低負荷領域A1は、後述のレイヤ3に対応する。レイヤ3は、低負荷運転領域まで広がっているとともに、最低負荷運転状態を含んでいる。
(ストイキ燃焼)
ECU100は、エンジン1の運転領域が、温間時の中高負荷領域A2~A4、並びに、半暖機時の低中回転領域B1~B3であるときには、ストイキ燃焼を実行させるよう、各種デバイスに制御信号を出力する。
ECU100は、燃焼室17の中にEGRガスを導入させる。具体的には、ECU100は、吸気電動S-VT23及び排気電動S-VT24を制御して、排気上死点付近において、吸気弁21及び排気弁22の両方を開弁するポジティブオーバーラップ期間を設ける。内部EGRガスが、燃焼室17の中に導入される。また、ECU100は、EGR通路52を通じて、EGRクーラー53によって冷却した排気ガスを、燃焼室17の中に導入するように、EGR弁54の開度を調整する。つまり、内部EGRガスに比べて温度が低い外部EGRガスを、燃焼室17の中に導入する。ECU100は、エンジン1の負荷が高まるに従いEGRガスの量を減らすように、EGR弁54の開度を調整する。ECU100は、全開負荷において、内部EGRガス及び外部EGRガスを含むEGRガスを、ゼロにしてもよい。
ストイキ燃焼時には、混合気の空燃比(A/F)は、燃焼室17の全体において理論空燃比(A/F≒14.7)である。このときは、三元触媒511、513が、燃焼室17から排出された排出ガスを浄化することによって、エンジン1の排出ガス性能は良好になる。混合気のA/Fは、三元触媒の浄化ウインドウの中に収まるようにすればよい。混合気の空気過剰率λは、1.0±0.2としてもよい。尚、エンジン1が、全開負荷(つまり、最高負荷)を含む高負荷中回転領域A3において運転しているときには、混合気のA/Fは、燃焼室17の全体において理論空燃比又は理論空燃比よりもリッチにしてもよい(つまり、混合気の空気過剰率λは、λ≦1)。
燃焼室17内にEGRガスを導入しているため、燃焼室17の中の全ガスと燃料との重量比であるG/Fは理論空燃比よりもリーンになる。混合気のG/Fは18以上にしてもよい。こうすることで、いわゆるノッキングの発生を回避するようにしている。G/Fは18以上30以下において設定してもよい。
ECU100は、エンジン1の負荷が中負荷であるときには、吸気行程中に、複数回の燃料噴射を行うように、インジェクタ6を制御する。インジェクタ6による燃料噴射は、第一噴射を吸気行程の前半に行い、第二噴射を吸気行程の後半に行うようにしてもよい。
ECU100は、エンジン1の負荷が高負荷であるときには、吸気行程において燃料を噴射するように、インジェクタ6を制御する。
ECU100は、燃料の噴射後、圧縮上死点付近の所定のタイミングで混合気に点火をするように、点火プラグ25を制御する。点火プラグ25による点火は、エンジン1の負荷が中負荷であるときには、圧縮上死点前に点火を行ってもよい。点火プラグ25による点火は、エンジン1の負荷が高負荷であるときには、圧縮上死点後に点火を行ってもよい。
混合気のA/Fを理論空燃比にしてSPCCI燃焼を行うことによって、三元触媒511、513を利用して、燃焼室17から排出された排出ガスを浄化することができる。また、EGRガスを燃焼室17に導入して混合気を希釈化することによって、エンジン1の燃費性能が向上する。尚、エンジン1の温間時の中高負荷領域A2、A3、A4、並びに、エンジン1の半暖機時の低中回転領域B1、B2、B3は、後述するレイヤ2に対応する。レイヤ2は、高負荷領域まで広がっているとともに、最高負荷運転状態を含んでいる。
(マップのレイヤの選択)
図5に示すエンジン1のマップ501、502、503は、図6に示すように、レイヤ1、レイヤ2及びレイヤ3の三つのレイヤの組み合わせによって構成されている。
レイヤ1は、ベースとなるレイヤである。レイヤ1は、エンジン1の運転領域の全体に広がる。レイヤ1は、第三マップ503の全体に相当する。
レイヤ2は、レイヤ1の上に重なるレイヤである。レイヤ2は、エンジン1の運転領域の一部に相当する。具体的にレイヤ2は、第二マップ502の低中回転領域B1、B2、B3に相当する。
レイヤ3は、レイヤ2の上に重なるレイヤである。レイヤ3は、第一マップ501の低負荷領域A1に相当する。
レイヤ1、レイヤ2及びレイヤ3は、主に、燃焼室17の壁温(特にヘッド壁部13aの壁温)に応じて選択される。
具体的には、燃焼室17の壁温が第1所定壁温(例えば80℃)以上でありかつ吸気温が第1所定吸気温(例えば50℃)以上であるときには、レイヤ1とレイヤ2とレイヤ3とが選択され、これらレイヤ1、レイヤ2及びレイヤ3を重ねることにより第一マップ501が構成される。第一マップ501における低負荷領域A1は、そこにおいて最上位のレイヤ3が有効になり、中高負荷領域A2、A3、A4は、そこにおいて最上位のレイヤ2が有効になり、高回転領域A5は、レイヤ1が有効になる。このように、本実施形態では、リーン燃焼領域(低負荷領域A1)におけるエンジン負荷の範囲及びエンジン回転数の範囲と、ストイキ燃焼領域(低中負荷領域B1)におけるエンジン負荷の範囲及びエンジン回転数の範囲とは重複している。
燃焼室17の壁温が第1所定壁温未満でかつ第2所定壁温(例えば30℃)以上であるとともに、吸気温が第1所定吸気温未満でかつ第2所定吸気温(例えば25℃)以上であるときには、ときには、レイヤ1とレイヤ2とが選択される。これらレイヤ1及びレイヤ2を重ねることにより第二マップ502が構成される。第二マップ502における低中回転領域B1、B2、B3は、そこにおいて最上位のレイヤ2が有効になり、高回転領域B4は、レイヤ1が有効になる。
燃焼室17の壁温が第2所定壁温未満でありかつ吸気温が第2所定吸気温未満であるときには、レイヤ1のみが選択されて、第三マップ503が構成される。
尚、燃焼室17の壁温は、例えば、第2液温センサSW5によって計測されるエンジン冷却液の液温によって代用してもよい。また、エンジン冷却液の液温や、その他の計測信号に基づいて、燃焼室17の壁温を推定してもよい。また、吸気温は、例えば、サージタンク42内の温度を計測する吸気温度センサSW2によって計測することができる。また、各種の計測信号に基づいて、燃焼室17の中に導入される吸気温を推定してもよい。
SPCCI燃焼におけるCI燃焼は、燃焼室17の外周部から中央部において行われるため、燃焼室17の中央部の温度の影響を受ける。燃焼室17の中央部の温度が低いと、CI燃焼が不安定になってしまう。燃焼室17の中央部の温度は、燃焼室17に導入される吸気の温度に依存する。つまり、吸気温度が高いときに、燃焼室17の中央部の温度は高くなり、吸気温度が低いときに、燃焼室17の中央部の温度は低くなる。
燃焼室17の壁温が第2所定壁温未満でかつ吸気温度が第2所定吸気温未満のときには、SPCCI燃焼を安定して行うことができない。そこで、SI燃焼を実行するレイヤ1のみが選択され、ECU100は、第三マップ503に基づいて、エンジン1を運転する。全ての運転領域において、エンジン1がSI燃焼を行うことにより、燃焼安定性を確保することができる。
燃焼室17の壁温が第2所定壁温以上でかつ、吸気温度が第2所定吸気温以上のときには、略理論空燃比(つまり、λ≒1)の混合気を、安定してSPCCI燃焼させることができる。そこで、レイヤ1に加えて、レイヤ2が選択され、ECU100は、第二マップ502に基づいて、エンジン1を運転する。エンジン1が、一部の運転領域においてSPCCI燃焼を行うことにより、エンジン1の燃費性能が向上する。
燃焼室17の壁温が第1所定壁温以上でかつ、吸気温度が第1所定吸気温以上のときには、理論空燃比よりもリーンな混合気を、安定してSPCCI燃焼させることができる。そこで、レイヤ1及びレイヤ2に加えて、レイヤ3が選択され、ECU10は、第一マップ501に基づいて、エンジン1を運転する。エンジン1が、一部の運転領域においてリーン混合気をSPCCI燃焼させることにより、エンジン1の燃費性能が、さらに向上する。
図7は、ECU100によりレイヤが選択される処理動作に関するフローチャートを示す。
まず、ステップS11において、ECU100は、各センサSW1~SW7からの検出信号を読み込む。
次のステップS12では、ECU100は、燃焼室17の壁温が第2所定温度以上でかつ吸気温が第2所定吸気温以上であるか否かを判定する。ECU100は、燃焼室17の壁温が第2所定温度以上でかつ吸気温が第2所定吸気温以上であるYESのときには、ステップS13に進む一方で、燃焼室17の壁温が第2所定温度未満であるか、又は吸気温が第2所定吸気温未満であるであるNOのときには、ステップS14に進む。
次のステップS13では、ECU100は、燃焼室17の壁温が第1所定温度以上でかつ吸気温が第1所定吸気温以上であるか否かを判定する。ECU100は、燃焼室17の壁温が第1所定温度以上でかつ吸気温が第1所定吸気温以上であるYESのときには、ステップS16に進む一方で、燃焼室17の壁温が第1所定温度未満であるか、又は吸気温が第1所定吸気温未満であるであるNOのときには、ステップS15に進む。
前記ステップS14では、ECU100はレイヤ1のみを選択する。ECU100は、第三マップ503に基づいてエンジン1を運転する。ステップS14の後は、リターンする。
前記ステップS15では、ECU100は、レイヤ1とレイヤ2とを選択する。ECU100は、第二マップ502に基づいてエンジン1を運転する。ステップS15の後は、リターンする。
前記ステップS16では、ECU100は、レイヤ1とレイヤ2とレイヤ3とを選択する。ECU100は、第一マップ501に基づいて、エンジン1を運転する。ステップS16の後は、リターンする。
(冷却システムの制御)
前述のように、本実施形態に係るエンジン1では、エンジン負荷に基づいてリーン燃焼とストイキ燃焼とが切り替えられる。前述のように、リーン燃焼は、燃焼室17の壁温を高い状態で実行される。このため、車両の加速時などの過渡応答によりリーン燃焼からストイキ燃焼に切り替えられると、燃焼室17の壁温が高い状態でストイキ燃焼に切り替えられる。ストイキ燃焼は燃焼温度が高いため燃焼室17の壁温が上昇しやすい。燃焼室17の壁温が高くなりすぎると、ストイキ燃焼を実行した際に、ノッキングなどの異常燃焼が発生するおそれがある。
これを抑制するには、ストイキ燃焼時には、リーン燃焼時よりも燃焼室17の壁温が低くなるように、冷却システム60を作動させることが考えられる。しかしながら、ストイキ燃焼時に燃焼室17の壁温を低くすると、車両の加速が終了して、エンジン負荷が低下したときに、リーン燃焼を実行できない状態となってしまうおそれがある。リーン燃焼を実行できないと燃費の悪化を招いてしまう。
そこで、本実施形態では、ECU100は、燃焼室17の壁温の目標温度を、リーン燃焼とストイキ燃焼とで同じ温度、具体的には、第1所定壁温よりも高い温度である特定温度に設定するようにした。また、ECU100は、ストイキ燃焼時の方が、リーン燃焼時に比べて、ラジエータ迂回通路66を通ってポンプ61に還流するエンジン冷却液の流量が多くなるように、流量調整弁90に制御信号を出力するようにした。また、ECU100は、ストイキ燃焼時において、エンジン負荷が高い方が、エンジン負荷が低い場合と比較して、ラジエータ迂回通路66を通ってポンプ61に還流するエンジン冷却液の流量が多くなるように、流量調整弁90に制御信号を出力するようにした。尚、特定温度は、例えば、105℃である。特定温度は、エンジン1の仕様により適宜変更される。
これによると、リーン燃焼とストイキ燃焼とで目標温度が同じ特定温度に設定されるため、エンジン負荷が上昇して、リーン燃焼からストイキ燃焼に切り替わったとしても、燃焼室17の壁温を特定温度に保つことができる。これにより、エンジン負荷が低下したときには、即座にリーン燃焼に切り替えることができる。
また、ストイキ燃焼時の方が、リーン燃焼時に比べて、ラジエータ迂回通路66を通ってポンプ61に還流するエンジン冷却液の流量が多いため、ストイキ燃焼時には、リーン燃焼時と比較して、燃焼室17の壁温が上昇しにくくなる。これにより、ストイキ燃焼時において、燃焼室17の壁温が高くなりすぎることを抑制することができる。特に、ストイキ燃焼時には、エンジン負荷が高い方が、エンジン負荷が低い場合と比較して、ラジエータ迂回通路66を通ってポンプ61に還流するエンジン冷却液の流量が多いため、燃焼室17の壁温が上昇しやすい高負荷時にも、燃焼室17の壁温が高くなりすぎることを抑制することができる。
図8には、流量調整弁90の、リーン燃焼時における開弁期間とストイキ燃焼時における開弁期間とを示す。上図はリーン燃焼時における流量調整弁90の制御モード(以下、第1モードという)の開弁期間を示し、中図と下図は、ストイキ燃焼時における流量調整弁90の制御モード(以下、第2モードという)の開弁期間を示す。中図は、第2モードにおける低負荷時の開弁期間を示し、下図は、第2モードにおける高負荷時の開弁期間を示し、
図8に示すように、ストイキ燃焼時における単位時間T当たりのオン状態の時間t2、t3は、リーン燃焼時における単位時間T当たりのオン状態の時間t1に比べて長いことが分かる。つまり、ECU100は、ストイキ燃焼時の方が、リーン燃焼時と比べて、デューティ比が大きくなるように、流量調整弁90に制御信号を出力する。これにより、ストイキ燃焼時には、リーン燃焼時に比べて、単位時間T当たりにおけるラジエータ迂回通路66のエンジン冷却液の流量が増加する。この結果、ストイキ燃焼時には、燃焼室17の壁温が過剰に上昇するのを抑制することができる一方、リーン燃焼時には、燃焼室17の壁温を出来る限り高い状態に保つことができる。尚、第2検出液温(すなわち燃焼室17の壁温)がリーン燃焼可能な温度であるにも関わらず、ストイキ燃焼である状態とは、吸気温度が第1所定吸気温以上になっていない場合などをいう。
また、図8に示すように、第2モードにおいて、高負荷時におけるオン状態の時間t3の方が、低負荷時におけるオン状態の時間t2と比較して長いことが分かる。つまり、ECU100は、第2モードにおいて、高負荷時の方が低負荷時と比べて、デューティ比が大きくなるように、流量調整弁90に制御信号を出力する。これにより、ストイキ燃焼時において、エンジン負荷が高いときは、エンジン負荷が低いときと比較して、単位時間T当たりにおけるラジエータ迂回通路66のエンジン冷却液の流量が増加する。この結果、燃焼室17の壁温が上昇しやすい高負荷時であっても、燃焼室17の壁温が過剰に上昇するのを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、ECU100は、リーン燃焼時及びストイキ燃焼時の両方で、目標温度と第2検出液温との温度差が小さいほど、ラジエータ迂回通路66を通ってポンプ61に還流する冷却液の流量が多くなるように、流量調整弁90に制御信号を出力する。目標温度と第2検出液温との温度差が小さいときには、エンジン冷却液はボア通路63やヘッド通路64に留まりにくくなる。これにより、燃焼室17の壁温が上昇にくくなる。この結果、燃焼室17の壁温が目標温度に近い状態であっても、燃焼室17の壁温が目標温度を超えることを適切に抑制することができる。
図9には、リーン燃焼時(すなわち第1モード)におけるラジエータ迂回通路66のエンジン冷却液の流量と、ストイキ燃焼時(すなわち第2モード)におけるラジエータ迂回通路66のエンジン冷却液の流量とを示す。横軸は、目標温度(特定温度)と第2検出液温との温度差であり、縦軸は、ラジエータ迂回通路66のエンジン冷却液の流量である。
図9に示すように、目標温度と第2検出液温との温度差が小さいほど、ラジエータ迂回通路66の流量が多くなる。これにより、燃焼室17の壁温が目標温度を超えることを適切に抑制することができる。
また、図9に示すように、本実施形態では、第2モードにおいて、目標温度と第2検出液温との温度差が小さいほど、高負荷時のエンジン冷却液の流量と低負荷時のエンジン冷却液の流量との差が大きくなる。これは、目標温度と第2検出液温との温度差が小さいときには、燃焼室17の壁温が上昇しやすい高負荷時ほど、燃焼室17の壁温が目標温度を超えないように、ボア通路63及びヘッド通路64を通るエンジン冷却液の流量を多くする必要があるためである。一方で、目標温度と第2検出液温との温度差が大きいときには、燃焼室17の壁温を出来る限り早期に目標温度に近付けるために、ボア通路63及びヘッド通路64にエンジン冷却液を留めることが望ましいためである。
尚、本実施形態では、目標温度と第2検出液温との温度差が大きいほど、ラジエータ迂回通路66を通るエンジン冷却液の流量を連続的に小さくしているが、例えば、ラジエータ迂回通路66の流量を3段階に分けて、目標温度と第2検出液温との温度差が大きい方が、該温度差が小さいときと比較して、ラジエータ迂回通路66の流量が小さくなるようにしてもよい。また、ストイキ燃焼時において、エンジン負荷が高いほど、ラジエータ迂回通路66を通るエンジン冷却液の流量を連続的に大きくしてもよいし、該流量をステップ状に大きくしてもよい。また、ECU100のメモリ102に、目標温度と第2検出液温との温度差とエンジン負荷とに基づいて流量調整弁90のデューティ比を決定するためのマップを格納させておき、ECU100が該マップを読み込んで流量調整弁90のデューティ比を決定するようにしてもよい。
図10のフローチャートは、流量制御時におけるECU100の処理動作を示す。
まず、ステップS21において、ECU100は、各センサSW1~SW7からの検出信号を読み込む。
次のステップS22では、ECU100は目標温度を設定する。このステップS22において、ECU100は特定温度を目標温度に設定する。
次のステップS23では、ECU100は、サーモスタット弁80を無通電状態にする。
次のステップS24では、ECU100は、リーン燃焼領域であるか否かを判定する。より具体的には、ECU100は、燃焼室17の壁温(第2検出液温)が第1所定壁温以上でかつ吸気温が第1所定吸気温以上であるか否かを判定する。ECU100は、リーン燃焼領域に属しているYESのときにはステップS25に進む一方で、リーン燃焼領域に属していない、より具体的には、レイヤ2のストイキ燃焼領域であるNOときにはステップS29に進む。
前記ステップS25では、ECU100は流量制御弁90を第1モードで作動させる。ステップS25の後はステップS26に進む。
前記ステップS26では、ECU100は、目標温度と第2液温センサSW5により検出された第2検出液温との温度差ΔTaを算出する。
次のステップS27では、ECU100は、前記ステップS26で算出した温度差ΔTaに基づいて、ラジエータ迂回通路のエンジン冷却液の流量を算出する。
続くステップS28では、ECU100は、ラジエータ迂回通路のエンジン冷却液の流量が、前記ステップS27で算出した流量になるように、流量調整弁90のデューティ比を設定して、流量調整弁90に制御信号を出力する。ステップS28の後はリターンする。
前記ステップS29では、ECU100は流量制御弁90を第2モードで作動させる。
次のステップS30では、ECU100は、目標温度と第2液温センサSW5により検出された第2検出液温との温度差ΔTaを算出する。
続くステップS31では、ECU100は、前記ステップS30で算出した温度差ΔTaとエンジン負荷とに基づいて、ラジエータ迂回通路のエンジン冷却液の流量を算出する。
ステップS31の後はステップS28に進み、ECU100は、ラジエータ迂回通路のエンジン冷却液の流量が、前記ステップS31で算出した流量になるように、流量調整弁90のデューティ比を設定して、流量調整弁90に制御信号を出力する。ステップS28の後はリターンする。
したがって、本実施形態によると、エンジン冷却液を供給するポンプ61と、エンジン1の気筒11を冷却するためにエンジン冷却液が流通するボア通路63と、エンジン1のシリンダヘッド13に設けられ、該シリンダヘッド13のヘッド壁部13aを冷却するためにエンジン冷却液が流通するヘッド通路64と、ボア通路63を通って、ヘッド通路64を通った後、エンジン冷却液を冷却させるラジエータ70を経由して、ポンプ61にエンジン冷却液を流入させるラジエータ通路65と、ボア通路63を通って、ヘッド通路64を通った後、ラジエータ70を迂回してポンプ61にエンジン冷却液を流入させるラジエータ迂回通路66と、エンジン冷却液の液温を取得する液温取得部(第2液温センサSW5)と、ポンプ61に還流するエンジン冷却液の流量を調整する流量調整弁90と、流量調整弁90を作動制御するECU100とを備え、エンジン1は、検出又は推定される燃焼室17の壁部の温度に基づいて、リーン燃焼とストイキ燃焼とが切り替えられるエンジンであり、ECU100は、リーン燃焼とストイキ燃焼とで同じ目標温度を設定するとともに、ストイキ燃焼時の方が、リーン燃焼時に比べてエンジン冷却液の流量が多くなるように流量調整弁90に制御信号を出力し、さらにECU100は、ストイキ燃焼の実行時において、エンジン負荷が高いときは、エンジン負荷が低いときと比較して、ポンプ61に還流するエンジン冷却水の流量が大きくなるように、流量調整弁90に制御信号を出力する。これによると、ECU100は、リーン燃焼とストイキ燃焼とで同じ目標温度を設定するため、エンジン負荷が高くなってリーン燃焼からストイキ燃焼に切り替えられたときでも、燃焼室17の壁温の状態に保つことができる。これにより、エンジン負荷が低下したときには、ストイキ燃焼からリーン燃焼に即座に切り替えることができる。
また、ストイキ燃焼時には、エンジン負荷が高いときは、エンジン負荷が低いときと比較して、ポンプ61に還流するエンジン冷却水の流量が大きくなる。これにより、エンジン負荷が高く、燃焼室17の壁温が上昇しやすいときほど、ポンプ61から吐出されるエンジン冷却水の流量が多くなる。これにより、エンジン負荷が高いときに、燃焼室17の壁温が目標温度を超えることを抑制することができる。この結果、ストイキ燃焼時に異常燃焼が発生するのを抑制することができる。
したがって、エンジン負荷が高負荷のときにおけるストイキ燃焼時の異常燃焼を抑制しつつ、エンジン負荷が低下したときにリーン燃焼を早期に実行することができる。
また、本実施形態では、ECU100は、ストイキ燃焼の実行時において、エンジン負荷が高いほど、ポンプ61に還流するエンジン冷却水の流量が大きくなるように、流量調整弁90に制御信号を出力する。これにより、ストイキ燃焼時には燃焼室17の壁温が過剰に上昇するのとより効果的に抑制することができる。このため、エンジン負荷が高負荷のときにおけるストイキ燃焼時の異常燃焼をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、ECU100は、目標温度と液温取得部(第2液温センサSW5)の検出結果との差分が小さいほど、ポンプ61に還流するエンジン冷却液の流量が大きくなるように、流量調整弁90に制御信号を出力する。これにより、燃焼室17の壁温が目標温度に近いときには、燃焼室17の壁温を上昇しにくくすることができる。これにより、燃焼室17の壁温が目標温度を超えることを効果的に抑制することができる。この結果、エンジン負荷が高負荷のときにおけるストイキ燃焼時の異常燃焼を一層効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、ECU100は、ストイキ燃焼の実行時において、目標温度と液温取得部(第2液温センサSW5)の検出結果との差分が小さいほど、高負荷時のエンジン冷却液の流量と低負荷時のエンジン冷却液の流量との差が大きくなるように流量調整弁90に制御信号を出力する。これにより、目標温度と第2検出液温との温度差が小さいときには、燃焼室17の壁温が上昇しやすい高負荷時ほど、燃焼室17の壁温が目標温度を超えないように、ボア通路63及びヘッド通路64を通るエンジン冷却液の流量を多くすることができる。一方で、目標温度と第2検出液温との温度差が大きいときには、ボア通路63及びヘッド通路64にエンジン冷却液を留めて、燃焼室17の壁温を出来る限り早期に目標温度に近付けることができる。
また、本実施形態では、冷却システム60による冷却効果に加えて、ストイキ燃焼時にEGRガスを導入することで、燃焼を緩慢にすることができる。これにより、ストイキ燃焼時におけるノッキング等の異常燃焼の発生をさらに効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、冷却システム60による冷却効果に加えて、リーン燃焼時に内部EGRガスを燃焼室17に導入することで、燃焼室17の壁温を出来る限り高い状態に保つことができる。これにより、リーン燃焼可能なエンジン負荷及びエンジン回転数の時には、出来る限りリーン燃焼を実行することができ、燃費を向上させることができる。
ここに開示された技術は、前記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、前述の実施形態では、ラジエータ通路65に配置する温調装置は電気式のサーモスタット弁80であったが、これに限らず、電磁式の弁で構成してもよい。
また、前述の実施形態では、燃焼室17の壁部の温度を第2液温センサSW5の検出結果から推定していた。これに限らず、燃焼室17の壁部の温度を直接検出するセンサを設けてもよい。
また、前述の実施形態では、第2液温センサSW5はヘッド通路64のエンジン冷却液の液温を検出していたが、これに限らず、ボア通路63のエンジン冷却液の液温を検出するように構成されていてもよい。気筒11も燃焼室17の壁部を構成しているため、ボア通路63のエンジン冷却液の液温も燃焼室17の壁部の温度を反映していると言える。このため、ボア通路63のエンジン冷却液の液温に基づいて、流量調整弁90を作動制御しても、燃焼室の壁温を早期に上昇させて、早期にストイキ燃焼からリーン燃焼への切り換えを可能にすることができる。
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
ここに開示された技術は、空燃比が理論空燃比よりも大きい混合気を燃焼させるリーン燃焼と、空燃比が該理論空燃比近傍の混合気を燃焼させるストイキ燃焼とを切り替え可能なエンジンの冷却システムとして有用である。
1 エンジン
11 気筒(シリンダボア)
13 シリンダヘッド
13a ヘッド壁部(シリンダヘッドの燃焼室近傍の部分、燃焼室の壁部)
60 冷却システム
61 ポンプ
63 ボア通路
64 ヘッド通路
65 ラジエータ通路(第1通路)
66 ラジエータ迂回通路(第2通路)
70 ラジエータ
90 流量調整弁(流量調整装置)
100 ECU(制御部)
SW5 第2液温センサ(液温取得部)

Claims (5)

  1. 空燃比が理論空燃比よりもリーンな混合気を燃焼させるリーン燃焼と、空燃比が該理論空燃比の混合気を燃焼させるストイキ燃焼とを切り替え可能なエンジンの冷却システムであって、
    エンジン冷却液を供給するポンプと、
    前記エンジンのシリンダボアを冷却するためにエンジン冷却液が流通するボア通路と、
    前記エンジンのシリンダヘッドに設けられ、該シリンダヘッドの燃焼室近傍の壁部を冷却するためにエンジン冷却液が流通するヘッド通路と、
    前記ボア通路を通って、前記ヘッド通路を通った後、エンジン冷却液を冷却させるラジエータを経由して、前記ポンプにエンジン冷却液を流入させる第1通路と、
    前記ボア通路を通って、前記ヘッド通路を通った後、前記ラジエータを迂回して前記ポンプにエンジン冷却液を流入させる第2通路と、
    エンジン冷却液の液温を取得する液温取得部と、
    前記第1通路に設けられ、エンジン冷却液の液温が所定液温以上のときに開弁して、該第1通路を通って前記ポンプに還流するエンジン冷却液の流量を調整するサーモスタット弁と、
    前記第2通路に設けられ、該第2通路を通って前記ポンプに還流するエンジン冷却液の流量を調整する流量調整装置と、
    前記流量調整装置を作動制御する制御部とを備え、
    前記エンジンは、検出又は推定される前記燃焼室の壁部の温度、及びエンジン負荷に基づいて、前記リーン燃焼と前記ストイキ燃焼とが切り替えられるエンジンであり、
    さらに前記エンジンは、前記燃焼室の壁部の温度が前記所定液温よりも低い所定壁温以上でありかつエンジン負荷が所定負荷よりも低い低負荷のときに前記リーン燃焼を実行するエンジンであり、
    前記制御部は、前記リーン燃焼と前記ストイキ燃焼とで、前記燃焼室の壁部の目標温度を同じ温度に設定するとともに、前記ストイキ燃焼時の方が、前記リーン燃焼時に比べて前記第2通路を通ってエンジン冷却液の流量が多くなるように前記流量調整装置を制御信号を出力し、
    さらに前記制御部は、前記ストイキ燃焼の実行時において、エンジン負荷が高いときは、エンジン負荷が低いときと比較して、前記第2通路を通って前記ポンプに還流するエンジン冷却水の流量が大きくなるように、前記流量調整装置に制御信号を出力し、
    前記目標温度は前記所定液温よりも高い温度に設定されていることを特徴とするエンジンの冷却システム。
  2. 請求項1に記載のエンジンの冷却システムにおいて、
    前記液温取得部は、前記ヘッド通路を流通するエンジン冷却液の液温を取得するように配設されていることを特徴とするエンジンの冷却システム。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの冷却システムにおいて、
    前記制御部は、前記ストイキ燃焼の実行時において、エンジン負荷が高いほど、前記ポンプに還流するエンジン冷却水の流量が大きくなるように、前記流量調整装置に制御信号を出力することを特徴とするエンジンの冷却システム。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載のエンジンの冷却システムにおいて、
    前記流量調整装置は、開き状態と閉じ状態とが切り替えられるオン/オフ式の弁であり、
    前記制御部は、前記ストイキ燃焼の実行時において、エンジン負荷が高いほど、単位時間当たりのオン状態の時間が長くなるように前記流量調整装置に制御信号を出力することを特徴とするエンジンの冷却システム。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載のエンジンの冷却システムにおいて、
    前記エンジンは、前記燃焼室に臨みかつ該燃焼室内の混合気に点火する点火プラグを有し、
    前記リーン燃焼及び前記ストイキ燃焼における前記エンジンの燃焼方式は、燃料と吸気との混合気を前記点火プラグにより火花点火させた後、燃料と吸気との混合気を圧縮自着火させる部分圧縮自己着火方式であることを特徴とするエンジンの冷却システム。
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