JP7225559B2 - ブラダーおよびタイヤ内部部材、並びに加工助剤 - Google Patents

ブラダーおよびタイヤ内部部材、並びに加工助剤 Download PDF

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Description

本発明は、ブラダーおよびタイヤ内部部材、並びに加工助剤に関する。
従来、タイヤや加硫ブラダーなどのゴム製品は、配合剤を混練して得られた未加硫ゴム組成物を加硫することで製造される。加硫は、外枠金型および内側から加硫ブラダーまたは金属コアにより加圧加熱することで行う。加硫金型などへの過密着が発生すると、製品不良、耐久寿命の低下、金型汚染等が発生するおそれがある。
過密着を抑制するための加工助剤には、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩が配合されることが一般的である。これは、脂肪酸金属塩が異物として物理的な離型性を発揮することに起因するものと考えられるが、同時にこれらが破壊起点となり、破断時伸び等の破壊特性が低下するという問題がある。
特許文献1には、脂肪酸アミド、ステアリン酸金属塩、および樹脂を配合することで、ゴム組成物の加工性、離型性、および耐久性が向上することが記載されている。
国際公開第2018/008630号
しかしながら、特許文献1に記載のゴム組成物の特性は、脂肪酸金属塩の粒子分散状態の影響を受けやすく、耐久性(破断時伸び)と加硫速度および加硫後のゴム硬度をバランス良く改善することに課題が見出された。
本発明は、良好な金属離型性を有し、かつ、耐久性および加硫後のゴム硬度に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、ブチル系ゴムを主成分とするゴム成分に、脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む加工助剤を配合し、かつゴム組成物中の脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素の含有量を所定量より低減することで、上記課題を解決できること見出した。さらに好ましい態様においては、耐空気透過性をも改善できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
〔1〕ブチル系ゴムを70質量%以上含むゴム成分、並びに脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む加工助剤を含有するゴム組成物であって、ゴム成分100質量部に対する脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量が0.19質量部未満であるゴム組成物、
〔2〕脂肪酸亜鉛の含有量が1.0質量部以下である、〔1〕記載のゴム組成物、
〔3〕加工助剤が、脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む溶融混合物を含有する、〔1〕または〔2〕記載のゴム組成物、
〔4〕相溶化樹脂の含有量が1.0~20質量部である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のゴム組成物、
〔5〕〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のゴム組成物で構成される、タイヤ加硫用またはタイヤ成形用のブラダー、
〔6〕〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のゴム組成物で構成される、タイヤ内部部材、
〔7〕脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含有し、脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量が4.5質量%未満である加工助剤、
〔8〕脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む溶融混合物を含有する、〔7〕の加工助剤、に関する。
ブチル系ゴムを70質量%以上含むゴム成分、並びに脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む加工助剤を含有し、ゴム成分100質量部に対する脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量を0.19質量部未満に低減した本発明のゴム組成物は、良好な金属離型性を有し、かつ、耐久性および加硫後のゴム硬度をバランスよく改善することができる。
本発明の一実施形態であるゴム組成物は、ブチル系ゴムを主成分とするゴム成分と、脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む加工助剤とを含有し、かつゴム組成物中の脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素の含有量を所定量より低減したことを特徴とする。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
ブチル系ゴム成分を多く含むゴム組成物は、プロセスオイルや樹脂成分を含有することで、高度な気密性、空気保持性、隣接部材との密着性等を確保することができるが、加硫金型や加工設備に対する過密着が発生しやすいという問題がある。本発明によれば、ブチル系ゴムを主成分とするゴム成分に対し、脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む加工助剤を配合し、かつゴム成分100質量部に対する脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量を0.19質量部未満に低減することにより、良好な金属離型性を有し、かつ、耐久性、加硫速度および加硫後のゴム硬度がバランスよく改善されたゴム組成物を得ることができる。
<ゴム成分>
本実施形態おいて使用されるゴム成分としては、ブチル系ゴムが好適に用いられる。ブチル系ゴムとしては、例えば、非ハロゲン化ブチルゴム(レギュラーブチルゴム、IIR)、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)や塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)等のハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)、イソブチレンとp-アルキルスチレンとの共重合体(例えば、エクソンモービル社製のExxpro3035)、該共重合体のハロゲン化物等が挙げられる。なかでも、十分な加硫反応が得られるという理由から、ハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)が好ましい。さらに、天然ゴムを含有せずとも硫黄架橋が進行しやすいという理由から、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)が好ましい。なお、これらのブチル系ゴムは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分の総量中に占めるブチル系ゴムの割合(2種以上を併用する場合は合計含有量)は、耐空気透過性および耐熱性に優れるという理由から、70質量%以上であり、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。また、該ゴム成分は、ブチル系ゴムのみからなるゴム成分、ハロゲン化ブチルゴムのみからなるゴム成分、あるいは臭素化ブチルゴムのみからなるゴム成分としてもよい。
なお、カルシウムは、ブチル系ゴムを製造する際のオリゴマー成長を抑制する効果があることから、本実施形態おいて使用されるブチル系ゴム中には、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素が残留していることがある。
本実施形態においてブチル系ゴム以外に使用されるゴム成分としては、特に限定されず、天然ゴム(NR)およびポリイソプレンゴム(IR)を含むイソプレン系ゴム;スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等のジエン系ゴム等が挙げられる。なかでも、硫黄架橋が進行しやすいという理由から、イソプレン系ゴムが好ましい。これらのゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられ、なかでもNRが好ましい。改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
<加工助剤>
本実施形態に係る加工助剤は、脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含有し、脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素の含有量が4.5質量%未満であることを特徴とする。
本実施形態において「脂肪酸アミド」とは、脂肪酸のヒドロキシ基がアミノ基に置換された化合物を意味する。脂肪酸アミドの脂肪酸部分は、飽和脂肪酸であっても、不飽和脂肪酸であってもよい。好ましくは炭素数が6~28、より好ましくは炭素数が10~25、さらに好ましくは炭素数が12~22の脂肪酸アミドである。
脂肪酸アミドの具体例としては、通常滑剤として用いられているものを含み、例えば、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド、ベヘニン酸アミド、パルミトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、エイコセン酸アミド、エルシン酸アミド、エライジン酸アミド、エイコセン酸アミド、ドコセン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、リシノール酸アミド、エルカ酸アミド等がある。具体例としては、日油(株)製のアルフローP-10(エルカ酸アミド)、アルフローE-10(オレイン酸アミド)、アルフローS-10(ステアリン酸アミド)等が挙げられる。前記の脂肪酸アミドは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において「脂肪酸アミドエステル」とは、前記の飽和または不飽和の脂肪酸を構成成分とする脂肪酸アミドエステルを意味し、例えば、前記脂肪酸のヒドロキシアルキルアミド(好ましくは、前記脂肪酸のエタノールアミド)に対し、同一または異なる脂肪酸が縮合した脂肪酸アミドエステルが挙げられる。なかでも、前記脂肪酸のヒドロキシアルキルアミド(好ましくは、前記脂肪酸のエタノールアミド)に対し、同一の脂肪酸が自己縮合した脂肪酸アミドエステルが好適に用いられる。前記の脂肪酸アミドエステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む混合物は、常温での単純混合物であっても溶融混合物であってもよいが、仕上げ練り工程(例えば、混練温度60~120℃)の低温練りでも分散性を高度に高められるという理由から、溶融混合物が好ましい。
溶融混合物は、例えば、脂肪酸アミドと脂肪酸アミドエステルとを混合しながら、両化合物が溶融する温度まで加熱することで調製することができる。この混合方法としては、特に限定されないが、例えばシリコンオイルバス中で加温しながらスターラー撹拌する方法が挙げられる。
本実施形態に係る脂肪酸アミドは、タイヤ分野のゴム組成物に常用される樹脂(一般的にSP値が8~11)とSP値が近く、相溶性に優れており、かつ、ブチル系ゴム(一般的にSP値7.7~8.1)と適度にSP値に差があり、その結果ブリードしやすくなり、金属離型性を発揮する。
樹脂を含有する未加硫ゴム組成物は低粘度となるが、脂肪酸アミドが練りゴム表面で薄いアミド結合膜を形成し、樹脂が金属表面のミクロ凹凸と強く結合することを抑制しているため、混練機や加硫金型などの設備への過密着が抑えられると考えられる。
本実施形態に係る加工助剤は、脂肪酸アミドと脂肪酸アミドエステルとを併用することにより、練りゴム表面へのブリード温度を広範囲とすることができることから、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩を低減もしくは除去したにもかかわらず、混練機や加硫金型などの設備への過密着が抑えられ、優れた金属離型性を発揮する。
本実施形態に係る加工助剤は、脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルに加えて、脂肪酸カルシウム、脂肪酸亜鉛等の脂肪酸金属塩を含有することができるが、その含有量は以下のように制限することが好ましい。例えば、脂肪酸カルシウムを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.50質量部以下が好ましく、0.45質量部以下がより好ましく、0.40質量部以下がさらに好ましい。また、脂肪酸亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1.0質量部以下が好ましく、0.75質量部以下がより好ましく、0.50質量部以下がさらに好ましい。
本実施形態に係る加工助剤は、遊離脂肪酸を含有していてもよい。遊離脂肪酸を含有する場合の加工助剤100質量%に対する含有量は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
加工助剤中の脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルの含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
脂肪酸アミドの含有量に対する脂肪酸アミドエステルの含有量(脂肪酸アミドエステルの含有量/脂肪酸アミドの含有量)は、特に制限されないが、0.1~10が好ましく、0.2~5がより好ましく、0.3~3がさらに好ましい。
加工助剤中の脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量は、4.5質量%未満であり、3.0質量%未満が好ましく、2.0質量%未満がより好ましく、1.2質量%未満がさらに好ましく、0.5質量%未満が特に好ましい。また、加工助剤は、脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素を含有しない加工助剤としてもよい。
加工助剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.25質量部以上が好ましく、0.50質量部以上がより好ましく、0.75質量部以上がさらに好ましい。0.25質量部未満では、加工助剤を配合した効果が充分に得られない傾向がある。また、加工助剤の含有量は、フィラー分散性および破断特性を確保する観点から、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、6質量部以下がさらに好ましい。
<樹脂成分>
本実施形態に係るゴム組成物は、良好な金属離型性を有することから、ゴム組成物の耐空気透過性、耐久性、貼り合わせジョイントのタック等を改善可能な樹脂成分を適宜配合することができる。樹脂としては、例えば、粘着樹脂、および相溶化樹脂等が挙げられる。なかでも、耐空気透過性および成形加工性に優れるという理由から、相溶化樹脂が好適に用いられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において、相溶化樹脂とは、ゴムとフィラーの両方に親和性が良く、フィラー周囲の空隙を少なくできることで、耐空気透過性や耐久性の向上に寄与するものをいう。相溶化樹脂としては、例えば、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂等が挙げられる。なかでも、ゴム組成物の耐久性を向上させ、かつ安価である観点から、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂が好ましい。
エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂は、スチレンモノマーと、エチレンモノマーおよびプロピレンモノマーとを重合した共重合樹脂であり、以下の一般式(式中、m、n、oは、いずれも1以上の整数である)で示される構成単位を含む。ゴム組成物は、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂が含有されることにより、テルペン系樹脂が含有される場合と比較して、耐久性が同程度に維持され、かつ、加硫用ブラダー作製時において、ゴム表面の粘着性が上がりにくく、ブラダー金型との過密着による不良発生が起きにくい。
Figure 0007225559000001
エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂における、エチレン由来の構成単位およびプロピレン由来の構成単位の合計量(EP含有量、全構成単位の個数に対する上記式のmとnとの和)は特に限定されない。一例を挙げると、合計量は、ブチル系ゴムとフィラーとの空隙を無くし、耐空気透過性を向上させる観点から、構成単位100mol%に対し、60mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましい。また、合計量は、引張り特性の観点から、構成単位100mol%に対し、98mol%以下であることが好ましく、95mol%以下であることがより好ましい。エチレンおよびプロピレンは、いずれもブチル系ゴムと相溶し得る。また、スチレンは、カーボンブラックと相溶し得る。そのため、EP含有量は、上記範囲内であることにより、耐空気透過性と破断時伸び(EB)とがバランスよく向上し得る。
本実施形態では、エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂は、市販品が用いられてもよい。このような市販品は、ストラクトール社、パフォーマンスアディティブス社、ランクセス社等によって製造販売されるものが例示される。
ロジンは、松脂を加工することにより得られる、アビエチン酸、レボピマール酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、ピマール酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デキストロピマール酸等の樹脂酸を主成分とするガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の天然樹脂である。
本実施形態におけるロジン系樹脂には、ロジンの他、ロジンのエステル誘導体(ロジンエステル樹脂)や変性体も含む。ロジンエステル樹脂としては、例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールエステル、メチルエステル、エチレングリコールエステル、ジエチレングリコールエステルおよびトリエチレングリコールエステル等が挙げられる。変性体としては、例えば、ロジン変性フェノール樹脂、マレイン酸変性ロジン樹脂等が挙げられる。さらに、本実施形態におけるロジン系樹脂は、前記ロジン系樹脂を水素添加することにより得られる水素添加ロジン系樹脂であってもよい。好ましくは、ロジンエステル樹脂および水素添加されたロジンエステル樹脂が挙げられる。
テルペン系樹脂としては、例えば、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン原料から選ばれる少なくとも1種からなるポリテルペン樹脂、テルペン化合物と芳香族化合物とを原料とする芳香族変性テルペン樹脂、テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料とするテルペンフェノール樹脂などのテルペン系樹脂(水素添加されていないテルペン系樹脂)、並びにこれらのテルペン系樹脂に水素添加処理を行ったもの(水素添加されたテルペン系樹脂)等が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂の原料となる芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
これらの中でも、テルペン系樹脂は、ブチル系ゴムとの相溶性が優れ、化学構造中の二重結合が水素添加により単結合になっているため、より耐久性の優れた加硫ブラダーが得られる観点から、水素添加されたテルペン系樹脂であることが好ましい。また、テルペン系樹脂は、二重結合に対する100%に近い水素添加が可能であり、さらに耐久性が優れる観点から、水素添加されたポリテルペン樹脂であることがより好ましい。なお、テルペン系樹脂への水素添加処理は、公知の方法で行われ得る。また、本実施形態において、テルペン系樹脂は、市販の水素添加されたテルペン系樹脂が用いられてもよい。
粘着樹脂には、ゴム加工中およびゴム貼り合わせ時の粘着性を付与する目的のもの、並びに加硫後、タイヤ走行中の路面との粘着グリップ性を向上させる目的のものがある。粘着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、α-メチルスチレン樹脂、α-メチルスチレン/スチレン樹脂、アクリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)等の芳香族炭化水素系樹脂や、C5樹脂、C8樹脂、C9樹脂、C5/C9樹脂などの脂肪族炭化水素系樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂は、水素添加処理を行ったものであってもよい。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐久性に優れるという理由から、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、およびアクリル樹脂が好ましい。
樹脂の軟化点は、加工粘着性の観点から、0℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることがさらに好ましい。また、樹脂の軟化点は、ゴム成分との相溶性の観点から、170℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、145℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。なお、本発明における樹脂の軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ゴム成分との相溶性の観点から、20℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましい。また、樹脂のTgは、耐久性の観点から、110℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。なお、本明細書において、Tgは、JIS K 7121に従い、(株)島津製作所製の自動示差走査熱量計(DSC-60A)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した値である。
相溶化樹脂を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴム成分100質量部に対する相溶化樹脂の含有量は、1.0質量部以上が好ましく、2.0質量部以上がより好ましく、3.0質量部以上がさらに好ましく、4.0質量部以上が特に好ましい。相溶化樹脂の含有量を1.0質量部以上とすることで、十分な耐空気透過性や耐久性が得られる傾向がある。また、ゴム成分100質量部に対し、相溶化樹脂の含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下がさらに好ましい。相溶化樹脂の含有量を20質量部以下とすることにより、発熱性の悪化を抑制することができる。
樹脂成分全体のゴム成分100質量部に対する含有量は、成形粘着性、耐空気透過性および耐久性の観点から、1.0質量部以上が好ましく、2.0質量部以上がより好ましく、3.0質量部以上がさらに好ましく、4.0質量部以上が特に好ましい。また、樹脂の含有量は、ゴム硬度を確保する観点から、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係るゴム組成物は、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用される配合剤、例えば、補強性フィラー、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤などを適宜含有することができる。
補強性フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、タルク、クレー等、従来ゴム工業、特にタイヤ用ゴム組成物において慣用されるものの中から任意に選択して用いることができる。これらの補強性フィラーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、カーボンブラックを含む補強性フィラーが好ましく、カーボンブラックのみからなる補強性フィラーがより好ましい。
カーボンブラックとしては、ゴム用として一般的なものを適宜利用することができる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト等が挙げられ、具体的にはN110,N115,N120,N125,N134,N135,N219,N220,N231,N234,N293,N299,N326,N330,N339,N343,N347,N351,N356,N358,N375,N539,N550,N582,N630,N642,N650,N660,N683,N754,N762,N765,N772,N774,N787,N907,N908,N990,N991等を好適に用いることができ、これ以外にも自社合成品等も好適に用いることができる。これらのカーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、十分な補強効果が得られるという理由から、10m2/g以上が好ましく、20m2/g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのN2SAは、耐空気透過性および耐久性に優れるという理由から、80m2/g以下が好ましく、60m2/g以下がより好ましく、40m2/g以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるカーボンブラックのN2SAは、ASTM D3037-81に準拠してBET法で測定される値である。
補強性フィラーを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、補強性の観点から、20質量部以上が好ましく、22質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましい。また、補強性フィラーの含有量は、フィラー分散の悪化による応力集中を防ぐ観点から、90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましい。
老化防止剤としては特に限定されず、ゴム分野で使用されているものが使用可能であり、例えば、キノリン系、キノン系、フェノール系、フェニレンジアミン系老化防止剤などが挙げられる。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましい。また、老化防止剤の含有量は、充填剤等の分散性、破断時伸び、混練効率の観点から、2.0質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.2質量部以下がより好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加硫速度の観点から、0.2質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、加工性の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加硫速度の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、耐摩耗性の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
軟化剤は、アセトンに可溶な成分を意味し、例えば、市販のゴム用石油系プロセスオイルや植物油脂等のオイル、液状ジエン系重合体等が挙げられる。これらの軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、パラフィン系オイルが好ましい。
軟化剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、軟化剤の含有量は、耐空気透過性および破断時伸びの観点から、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保し、良好なグリップ性能および耐摩耗性を得るという観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。また、劣化の観点からは、3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましい。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200、フレキシス社製のDURALINK HTS(1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物)、ランクセス社製のKA9188(1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)等の硫黄原子を含む加硫剤や、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、およびグアニジン系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、およびN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2-メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3-ジフェニルグアニジンが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫速度を確保するという観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上が好ましい。また、加硫促進剤の含有量は、ブルーミングを抑制するという観点から、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
ゴム成分100質量部に対する脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量は、本発明の効果を良好に発揮するとの観点から、0.19質量部未満であり、0.18質量部未満が好ましく、0.17質量部%未満がより好ましく、0.16質量部%未満がさらに好ましい。なお、ゴム成分中で不活性な無機カルシウム化合物(例えば、炭酸カルシウム)由来のカルシウム元素含有量は、前記の含有量には含まれないものとする。
<ゴム組成物およびタイヤの製造>
本実施形態に係るゴム組成物は、一般的な方法で製造できる。例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される公知の混練機で、前記各成分のうち、架橋剤および加硫促進剤以外の成分を混練りした後、これに、架橋剤および加硫促進剤を加えてさらに混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
本実施形態に係るゴム組成物は、耐久性に優れることから、ブラダー用ゴム組成物、インナーライナー、ウイングなどのタイヤ内部部材用ゴム組成物として使用することが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物を用いたブラダーは、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム成分に対して前記の配合剤を必要に応じて配合した未加硫ゴム組成物を、押出し機により押出し成形し、ブラダーの形状に成形した後、架橋反応を行うことで製造することができる。
タイヤ内部部材用ゴム組成物を用いたタイヤは、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム成分に対して前記の配合剤を必要に応じて配合した未加硫ゴム組成物を、タイヤ内部部材の形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定して解釈されるものではない。
実施例および比較例で使用した各種薬品について説明する。なお、下記のカルシウム元素含有量は、脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量を示す。
ブチル系ゴム1:エクソンモービル社製のExxon2255(臭素化ブチルゴム、カルシウム元素含有量:0.15%、SP値:7.8)
ブチル系ゴム2:エクソンモービル社製のExxpro3035(イソブチレンとp-アルキルスチレンとの共重合体、カルシウム元素含有量:0.09%、SP値:7.8)
NR:TSR20(カルシウム元素含有量:0.007%、SP値:8.05)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN660(N2SA:35m2/g)
加工助剤1:脂肪酸モノエタノールアミドと脂肪酸モノエタノールアミドの脂肪酸エステルとの1:1の溶融混合物(前記脂肪酸は炭素数が12~22の飽和脂肪酸を主成分とする;遊離脂肪酸約8%含有、カルシウム元素含有量:0%)
ステアリン酸カルシウム:日油(株)製のカルシウムステアレートG(カルシウム元素含有量:7.0%)
加工助剤2:ストラクトール社製のEF44(脂肪酸亜鉛、遊離脂肪酸12%含有、カルシウム元素含有量:0%)
加工助剤3:ストラクトール社製のWB16(脂肪酸カルシウム塩、脂肪酸モノエタノールアミドおよび脂肪酸モノエタノールアミドの脂肪酸エステルの混合物(前記脂肪酸は炭素数が12~22の飽和脂肪酸を主成分とする);遊離脂肪酸約8%含有、カルシウム元素含有量:4.6%)
加工助剤4:パフォーマンスアディティブス社製のULTRA-LUBE160(脂肪酸カルシウム塩と脂肪酸アミドの混合物、カルシウム元素含有量:5.0%)
加工助剤5:ラインケミー社製のAflux16(脂肪酸カルシウム塩と脂肪酸アミドエステルの混合物、カルシウム元素含有量:6.2%)
ステアリン酸アミド:日油(株)製のアルフローS-10
オレイン酸アミド:日油(株)製のアルフローE-10
相溶化樹脂1:ストラクトール社製のストラクトール40MS(エチレンプロピレンスチレン共重合樹脂、SP値:8.9、軟化点:101℃、Tg:58℃)
相溶化樹脂2:ハリマ化成(株)製のハリタックSE10(水素添加ロジン樹脂、SP値:10.4、軟化点:78℃~87℃、Tg:43℃)
粘着樹脂:丸善石油(株)製のマルカレッツT100AS(C5C9系石油樹脂、SP値:8.7、軟化点:100℃、Tg:55℃)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH-24
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(TMQ、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体)
硫黄:細井化学工業(株)製のHK-200-5(5質量%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)
実施例および比較例
表1に示す配合処方にしたがい、2.0Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150℃で4分間混練りし、混練物を得た。さらに、得られた混練物を前記バンバリーミキサーにより、排出温度130℃で3分間、再度混練りした(リミル)。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、3分間、95℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を、ロールで2mm厚みの生ゴムシートに圧延し、170℃で12分間プレス加硫することで、試験用ゴム組成物を作製した。得られた未加硫ゴム組成物および試験用ゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表2に示す。
<軽不良率指数>
各試験用ゴム組成物を目視により外観検査し、ゴム欠け、ブリスター、ベアー、ゲージ不均一、極端な凹みがないものを良品とし、下記の評価基準に従って軽不良率を指数表示した。指数が大きいほど、金型との過密着による軽不良の発生を抑制でき、金属離型性に優れることを示す。なお、105以上を性能目標値とする。
[評価基準(指数)]
120:不良率0.5%
100:不良率1.0%
80:不良率2.0%
<耐久性指数>
各試験用ゴム組成物からJIS K 6251に準じて3号ダンベル試験片を作製し、引っ張り試験を実施した。破断時の伸び(EB)を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数の値が高いほど、ゴム強度が高く、耐久性に優れることを示す。なお、100以上を性能目標値とする。
<ゴム硬度>
JIS K 6253-3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方-第3部:デュロメータ硬さ」に準拠し、23℃の雰囲気下で、各試験用加硫ゴムシートのタイプAデュロメータ硬さ(ゴム硬度(Hs))を測定した。なお、41以上を性能目標値とする。
<耐空気透過性>
各試験用ゴム組成物からゴム試験片(直径90mmおよび厚さ1mm)を作製し、ASTM D-1434-75Mに準拠し、空気透過係数(cc・cm/cm2・sec/cmHg)をそれぞれ算出した。そして、下記計算式により比較例1の空気透過係数を100としてそれぞれ指数表示した。指数が大きいほど、空気を透過しにくく、耐空気透過性に優れることを示す。なお、100以上を性能目標値とする。
(耐空気透過性指数)=(比較例1の空気透過係数)/(各空気透過係数)×100
Figure 0007225559000002
Figure 0007225559000003
表1および表2の結果より、ブチル系ゴムを70質量%以上含むゴム成分、並びに脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む加工助剤を含有するゴム組成物であって、ゴム成分100質量部に対する脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素の含有量が0.19質量部未満であるゴム組成物は、良好な金属離型性を有し、かつ、耐久性および加硫後のゴム硬度がバランスよく改善されることがわかる。さらに好ましい態様においては、耐空気透過性をも改善されることがわかる。

Claims (7)

  1. ブチル系ゴムを70質量%以上含むゴム成分、並びに脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含有し、脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量が4.5質量%未満である加工助剤を含有し、
    ゴム成分100質量部に対する脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量が0.19質量部未満であるゴム組成物で構成される、ブラダーまたはタイヤ内部部材。
  2. 脂肪酸亜鉛の含有量が1.0質量部以下である、請求項1記載のブラダーまたはタイヤ内部部材。
  3. 加工助剤が、脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む溶融混合物を含有する、請求項1または2記載のブラダーまたはタイヤ内部部材。
  4. 相溶化樹脂の含有量が1.0~20質量部である、請求項1~3のいずれか一項に記載のブラダーまたはタイヤ内部部材。
  5. 脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含有し、脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素含有量が1.2質量%未満である加工助剤。
  6. 脂肪酸アミドおよび脂肪酸アミドエステルを含む溶融混合物を含有する、請求項5記載の加工助剤。
  7. 脂肪酸カルシウム由来のカルシウム元素を含有しない、請求項5または6記載の加工助剤。
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